JP2015172159A - 自己伝播発熱粒体およびその製造方法並びにハンダ接合方法並びにハンダペースト - Google Patents

自己伝播発熱粒体およびその製造方法並びにハンダ接合方法並びにハンダペースト Download PDF

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Abstract

【課題】より容易かつ安全に使用できる反応性多層膜を提供すること
【解決手段】異種金属をナノメータオーダーの膜厚で交互に積層してなる反応性多層膜からなり、該反応性多層膜の厚さが0.2μm〜10μmである自己伝播発熱粒体を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、自己伝播反応により発熱する自己伝播発熱粒体およびその製造方法並びにハンダ接合方法並びにハンダペーストに関する。
LSI等の半導体デバイスは、ハンダボールによりプリント基板に実装される。その際、ハンダボールをペースト上に配置してデバイスを載せ、リフローを経てハンダを部分的に溶融させることでデバイスとプリント基板とを機械的に、および電気的に接続する。リフローではハンダの流動性を利用してデバイスとプリント基板とをセルフアライメントできるという利点がある一方、デバイスを含む全体をハンダ溶融温度以上で比較的長時間加熱する必要があり、異種材料からなるデバイス配線部周辺では熱応力による破損等の問題がある。
これに対し、ハンダ接合に反応性多層膜を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1)。反応性多層膜は、異種金属をナノメータオーダーの膜厚で交互に積層した多層膜で、微小エネルギーを与えることにより瞬時に大量に熱を発生させることができる。例えば、代表的な反応性多層膜であるAlとNiの多層膜は、エネルギーを与えることでNiAl金属間化合物が生成し、発熱する。例えば、AlとNiの多層膜では、ある条件では1秒未満で最大温度が約1000Kにまで達し、その1秒後には室温に戻る。反応性多層膜の反応は自己伝播発熱反応であり、熱が瞬時に膜全体に伝わるため、反応性多層膜を熱源として用いることができる。反応性多層膜を熱源として用いることによりハンダを瞬時に溶融でき、および局所的な加熱であるため、接合するデバイスの熱損傷を抑制することが期待できる。
反応性多層膜をハンダ層の上に積層する方法だけでなく、反応性多層膜として厚さが10μm〜1cmの自立型の反応性フォイルを用い、これを接合体で挟み込む方法も提案されている(例えば、特許文献2)。この方法は、シリコン、ガラスまたはAl/Ni等の基材の上に反応性多層膜を形成した後、反応性フォイルを基材から分離して用いる。
特表2007−502214号公報 特表2004−501047号公報
従来の方法では、ハンダ接合の熱源に反応性多層膜を用いる場合、ハンダ層の上に反応性多層膜を形成したり、反応性フォイルを接合体間に挟み込む必要があり、ハンダ接合工程が複雑になるという問題がある。また、反応性フォイルの大きさは基材の大きさにより決まっており、所望の大きさとするためには裁断する必要がある。しかし、裁断時に発火する可能性があるという問題がある。また、フォイルに限定されず、用途に応じて様々な形状を有する反応性多層膜も必要とされている。
そこで、本発明は、より容易かつ安全に使用できる反応性多層膜を提供することを目的とした。
上記課題を解決するため、本発明の自己伝播発熱粒体は、異種金属をナノメータオーダーの膜厚で交互に積層してなる反応性多層膜からなり、該反応性多層膜の厚さが0.2μm〜10μmであることを特徴とする。
また、本発明の自己伝播発熱粒体の製造方法は、テンプレート上に、異種金属をナノメータオーダーの膜厚で交互に積層してなる反応性多層膜を形成し、該反応性多層膜を破砕することを特徴とする。
また、本発明のハンダ接合方法は、第1のハンダ層を有する第1の被接合体と、第2のハンダ層を有する第2の被接合体とを接合するハンダ接合方法であって、第1のハンダ層と第2のハンダ層の少なくとも一方が、異種金属をナノメータオーダーの膜厚で交互に積層してなる反応性多層膜からなる自己伝播発熱粒体を含有しており、第1のハンダ層と第2のハンダ層とが対向するように被接合体と第2の被接合体とを積層し、第1の被接合体および/または第2の被接合体を加圧することにより該自己伝播発熱粒体を発熱せしめ、前記の第1および第2のハンダ層を溶融させて第1の被接合体と第2の被接合体とを接合することを特徴とする。
また、本発明のハンダペーストは、本発明の自己伝播発熱粒体を含んでなることを特徴とする。
本発明によれば、より容易かつ安全に使用できる反応性多層膜を提供することが可能となる。
本発明において、基材上に形成された多層膜の一例を示すSEM写真である。 図1の多層膜を破砕して得られた発熱粒体の一例を示すSEM写真である。 本発明の発熱粒体について、バイレイヤー層の厚さと発熱量との関係を示すグラフである。 本発明の発熱粒体について、バイレイヤー層の厚さと反応伝播速度との関係を示すグラフである。
(自己伝播発熱粒体)
本発明の自己伝播発熱粒体(以下、発熱粒体という)は、異種金属をナノメータオーダーの膜厚で交互に積層してなる反応性多層膜からなり、該反応性多層膜の厚さが0.2μm〜10μmである。発熱粒体の形状は特に限定されず、球状、棒状、多角形状、針状、薄片状、および不定形形状を挙げることができる。発熱粒体の大きさは特に限定されないが、長径および短径、または長辺および短辺の大きさが1mm以下、好ましくは0.5mm以下である。また、薄片状の場合、その厚さは反応性多層膜の厚さに相当する。
発熱粒体を構成する反応性多層膜(以下、多層膜という)には、異種金属をナノメータオーダーの膜厚で交互に積層して得られた多層膜(積層膜)を用いる。多層膜は、DCスパッタリング装置等を用いて異種金属層を交互積層することにより作製できる。金属には、遷移金属と軽金属の組み合わせを用いることができる。遷移金属には、Ni、Ti、Zr、軽金属にはAlまたはSiを用いることができる。好ましい組み合わせは、発熱総量の観点から、NiとAl、TiとAl、TiとSi、より好ましくはNiとAlである。なお、以下、隣接する遷移金属層と軽金属層の2層を合わせてバイレイヤーといい、バイレイヤーの厚さとは、遷移金属層の厚さと軽金属層の厚さからなる2層の厚さの合計値である。また、各金属層の膜厚は、5〜120nmの範囲で、金属の組み合わせにより変化させることができる。すなわち、多層膜の反応熱量は、2種の金属の反応により生成する生成物の生成エンタルピーに依存する。そのため、その生成エンタルピーが最大となる化合物を生成するように、2種の金属の原子比を設定する必要があり、その原子比となるように、膜厚比を設定する。例えば、NiとAlとの多層膜の場合、NiとAlとの化合物で最も生成エンタルピーが大きい化合物は、原子比が1:1のNiAlであることが知られている。AlとNiの単位結晶格子当たりの体積比が3:2であることから、反応時に原子比1:1のNiAl化合物を生成するように、Al層とNi層の膜厚比は3:2とする。
多層膜は、遷移金属層と軽金属層が交互に積層されていればよく、多層膜を構成する遷移金属層と軽金属層の総数は奇数でも偶数でも特に制限されないが、3以上のバイレイヤーを含むこと、好ましくは6以上のバイレイヤーを含むものである。バイレイヤーの数が3より少ないと、発熱量が少なくなり、反応が伝播しにくくなるからである。遷移金属層に軽金属層を積層する場合、遷移金属層の表面全面に軽金属層を形成し、次いでその軽金属層の表面全面に遷移金属層を積層し、この手順を繰り返して遷移金属層と軽金属層の交互積層構造を形成することができる。また、パターン状の遷移金属層の表面に同様パターンの軽金属層を形成し、その軽金属層の表面に同様パターンの遷移金属層を積層し、この手順を繰り返して遷移金属層と軽金属層の交互積層構造を形成することができる。また、遷移金属層の表面全面にパターン状に軽金属層を形成し、次いでその軽金属層を挟むように遷移金属層を全面に積層し、この手順を繰り返して遷移金属層と軽金属層の交互積層構造を形成することができる。また、軽金属層の表面全面にパターン状に遷移金属層を形成し、次いでその遷移金属層を挟むように軽金属層を全面に積層し、この手順を繰り返して遷移金属層と軽金属層の交互積層構造を形成してもよい。パターン状に形成する場合、所望の原子比を満たすように軽金属層または遷移金属層の厚さを調整すればよい。そのパターンは空隙を含み、その空隙の大きさ、形状、数は特に限定されない。空隙の形状は、定形でも不定形でもよく、定形の場合、例えば、平面視で、直線状、曲線状、円状、および三角形、矩形等の多角形状を挙げることができる。また、複数の空隙の配列は規則的でも不規則的でもよい。また、パターン状の軽金属層または遷移金属層は、空隙により複数の軽金属層または遷移金属層が孤立した孤立多層群でもよく、あるいは多層群が連続した連続層でもよい。
また、バイレイヤーの厚さは10nm〜200nm、好ましくは10nm〜100nm、より好ましくは50nm〜100nmである。10nmより薄いと発熱しにくくなり、200nmより厚いと単位質量あたりの発熱エネルギーの向上が見込めないためである。
また、多層膜全体の膜厚(以下、総膜厚ともいう)は、0.2μm〜10μm、好ましくは4μm〜10μmである。
本発明の発熱粒体は、スパークや抵抗加熱等の電気的刺激法、レーザー照射等の光学的刺激法、ヒーター加熱等の熱的刺激法、機械的刺激法を用いることができる。機械的刺激法は、反応性多層膜に瞬間的に荷重負荷を与える方法である。本発明の発熱粒体を保管する必要がある場合には、不必要な刺激を受けることを防ぐために、容器に収納することが好ましい。
なお、本発明の発熱粒体は、用途に応じて発熱反応の反応熱量を調整することが可能である。例えば、発熱粒体の体積を小さくすれば反応熱量を減らすことができる。また、原子比が一定な場合、バイレイヤー厚さを調整することで反応熱量を調整することが可能である。例えば、大きな反応熱量が必要な場合には、バイレイヤー厚さを厚くすればよく、反応熱量を減らしたい場合には、バイレイヤー厚さを薄くすればよい。また、多層膜の総膜厚を調整することによっても反応熱量を制御することができ、総膜厚を薄くすれば反応熱量を減らすことができ、総膜厚を厚くすれば反応熱量を増やすことができる。
(発熱粒体の製造方法)
本発明の発熱粒体は、テンプレート上に、異種金属をナノメータオーダーの膜厚で交互に積層してなる反応性多層膜を形成し、該反応性多層膜を破砕することにより製造することができる。
テンプレートは、多層膜に様々な形状や大きさを付与する鋳型であり、多層膜を作製する時の基材として用いる。テンプレートには、多層膜に球状、棒状、多角形状、針状、薄片状、または不定形形状を付与する凹凸形状を表面に有するシート状基材、あるいは網状基材を用いることができる。また、テンプレートの材料としては、多層膜を剥離し易い材料を用いることが好ましくは、例えば、樹脂、金属等を挙げることができるが、より変形が容易でより剥離し易い樹脂製基材が好ましい。樹脂製基材としては、編織物、布帛、網状の樹脂製メッシュが好ましい。樹脂製メッシュとしては、ナイロンメッシュ、ポリエステルメッシュ、ポリエチレンメッシュ、ポリプロピレンメッシュ、フッ素樹脂メッシュ等を挙げることができる。樹脂製メッシュを用いる場合、網目を形成する樹脂繊維の表面に多層膜が成膜されるので、樹脂繊維の繊維径を選択することにより、多層膜の幅を調整することが可能である。例えば、目開きが1〜4000μmの範囲のメッシュを用いることができる。また、金属を用いる場合には、例えばステンレスメッシュを用いることができ、樹脂製メッシュと同様の目開きのものを用いることができる。
樹脂製基材の表面に、DCスパッタリング装置等を用いて所望の総膜厚を有する多層膜を形成した後、多層膜を破砕する。破砕させる方法としては、多層膜を物理的に剥離する方法を用いることができる。多層膜は硬くて脆いため、剥離時の変形に追随できず、その応力を緩和すべく細かいクラックが発生し、多層膜は破砕する。その結果、多層膜は細分化して粒体が得られる。多層膜を物理的に剥離する方法としては、基材自身を物理的に変形させる方法や、機械的な振動を加えて多層膜と基材との間の密着性を低下させる方法や、温度差により多層膜と基材との間の密着性を低下させる方法等を挙げることができる。基材自身を物理的に変形させる方法としては、基材を捻ったり、撓ませたり、伸縮させたりする方法を用いることができる。基材自身を物理的に変形させる方法を用いる場合、基材には樹脂製基材が好ましい。樹脂製基材は、容易に変形させることができるからである。特にメッシュ状のものは、変形時にメッシュ交差部に生じる応力集中により多層膜を粒状の状態で剥離しやすいので好ましい。
なお、多層膜の破砕は、室温、大気雰囲気で行うことができるが、冷却が必要な場合には、水中で行ってもよい。
本発明の発熱粒体は、大気中だけでなく、水中や真空中でも発熱可能であるので、さらに広い用途が期待できる。以下、その用途の一例として、デバイス用接合方法について説明する。
(デバイス用接合方法)
本発明のデバイス用接合方法は、第1のハンダ層を有する第1の被接合体と、第2のハンダ層を有する第2の被接合体とを接合するデバイス用接合方法であって、第1のハンダ層と第2のハンダ層の少なくとも一方が本発明の発熱粒体を含み、第1のハンダ層と第2のハンダ層とが対向するように被接合体と第2の被接合体とを積層し、第1の被接合体および/または第2の被接合体を加圧することにより発熱粒体を発熱せしめ、前記の第1および第2のハンダ層を溶融させて第1の被接合体と第2の被接合体とを接合する。
第1および第2のハンダ層には、公知のハンダ材料を用いることができるが、好ましくはAu−Sn、Ag−SnまたはAg−Sn−Cu、より好ましくはAg−SnまたはAg−Sn−Cu、さらに好ましくはAg−Sn−Cuである。
第1および第2のハンダ層の厚さは、特に限定されないが、好ましく2μm以上、より好ましくは2μm〜15μm、さらに好ましくは10μm〜15μm、さらに好ましくは10〜12μmである。2μm以上とすることにより、接合強度をより大きくすることができる。
本発明の接合方法では、例えば、発熱粒体を含むハンダペーストを用い、そのハンダペーストを被接合体に塗布することにより、ハンダ層を形成することができる。後述のように、発熱粒体は基材上に製膜した多層膜(多層膜/基材ともいう)に比べて、反応伝播速度は遅くなるが、ハンダペーストに配合する発熱粒体の量を変化させることにより、反応伝播速度を調整することが可能である。例えば、ハンダペーストに配合する発熱粒体の量を増やすと、発熱粒体同士が接触し易くなり、反応伝播速度を速くすることができる。ハンダペースト中の発熱粒体の量は、ハンダペースト固形分の少なくとも1重量%、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上である。1重量%より少ないと発熱するのに時間を要することと、発熱粒体同士の接触が少なくなるために反応が伝播しにくくなるからである。なお、ハンダペーストは、ハンダ粉末、本発明の発熱粒体およびフラックスを含むものであり、フラックスにはロジン、活性剤、溶剤、増粘剤等が含まれる。本発明においては、ハンダペースト固形分とは、ハンダ粉末と、本発明の発熱粒体と、フラックスの固形分を合わせた固形分を意味している。
本発明の接合方法は、ハンダ材料を用いるデバイスの接合方法であればあらゆる接合方法に用いることができる。例えば、実装基板へのデバイスのフリップチップボンディングやワイヤボンディングに用いることができる。そのような場合、例えば、実装基板を第1の被接合体とし、デバイスの電極部またはリードフレームを第2の被接合体として用いることができる。また、本発明の接合方法は、ウエハレベルパッケージング技術に好適に用いることができる。ウエハレベルパッケージング技術は、ウエハをパッケージに用い、ウエハ状態でパッケージングを行い、その後で個別化する方法であり、個別化されたチップデバイスの大きさがパッケージの大きさとなるため、パッケージデバイスの小型化や軽量化が可能となり、また生産効率の向上も期待できる。この場合、第1の被接合体と第2の被接合体に半導体基板を用い、第1の被接合体または第2の被接合体の一方にフリップチップボンディング等により実装したデバイスに対して、他方の被接合体を蓋体として用いることでデバイスが封止されたパッケージデバイスを製造することができる。
(発熱粒体作製方法)
多層膜の成膜には、自作の3源DCマグネトロンスパッタ装置を用いた。成膜条件は、AlとNiの投入電力をそれぞれ100Wと80Wとし、Arガス圧は0.2Paとした。バイレイヤーの厚さは、20〜200nmとした。AlとNiの膜厚比は、原子比が1:1となるように、3:2とした。多層膜の全体膜厚は4μmと10μmとした。多層膜を形成する基材には、ナイロンメッシュ(セミテック製、正方形網目で目開き60μm、繊維直径47μm)を用いた。
成膜後、水中でナイロンメッシュを捩じることで、ナイロンメッシュから多層膜を剥離した。剥離の際に、多層膜は破砕して発熱粒体が得られた。水中より発熱粒体を回収して自然乾燥した。
(粒子の寸法測定)
キーエンス社製のデジタルマイクロスコープVH−1000を用いて、無作為の選択した10個の発熱粒体の縦と横の大きさを計測し、発熱粒体の表面積を算出した。
(発熱量の測定)
エスアイアイ・ナノテクノロジー社製のDSC6100を用いて発熱量の測定を行った。
(反応伝播速度の測定)
発熱粒体を直径4.75mm、高さ約20mmの試験管に入れ、2本のプローブを差し込み、スパークさせることで発熱反応を誘起させ、キーエンス社製の高速度カメラ(VW−9000)を用いて、発熱反応を撮影し、反応の伝播速度を算出した。
(結果)
図1はナイロンメッシュ上に形成した多層膜の一例を示すSEM写真であり、図2は剥離して得られた発熱粒体の一例を示すSEM写真である。この例では、得られた発熱粒体の長さは151.8μm±6μm、幅は47.6μm±4μm、表面積は0.007mmであった。
図3に、発熱粒体と多層膜について、バイレイヤー厚さと発熱量の関係を示す。図中、「多層膜/基材」とは、基材(ポリイミドテープ)上に多層膜を形成した試料を示す。発熱粒体は、単位質量当たりの発熱量として、「多層膜/基材」と同等の、800〜1200J/gの発熱量を与えた。
図4に、バイレイヤー厚さと反応伝播速度の関係を示す。「多層膜/基材」と発熱粒体のいずれもの場合も、バイレイヤー厚さが大きくなると反応伝播速度は低下する傾向を示すが、「多層膜/基材」の反応伝播速度は約10m/sであり、発熱粒体の約100倍であったが、1秒以内には反応は完了した。
本発明の自己伝播発熱粒体には様々な形状を付与できるので、ハンダ接合だけでなく、熱源として様々な用途に用いることが可能となる。

Claims (6)

  1. 異種金属をナノメータオーダーの膜厚で交互に積層してなる反応性多層膜からなり、該反応性多層膜の厚さが0.2μm〜10μmである自己伝播発熱粒体。
  2. 前記異種金属の組み合わせが、NiとAl、TiとAl、またはTiとSiである請求項1記載の自己伝播発熱粒体。
  3. テンプレート上に、異種金属をナノメータオーダーの膜厚で交互に積層してなる反応性多層膜を形成し、該反応性多層膜を破砕する、自己伝播発熱粒体の製造方法。
  4. 前記テンプレートに網状基材を用いる請求項3記載の製造方法。
  5. 第1のハンダ層を有する第1の被接合体と、第2のハンダ層を有する第2の被接合体とを接合するハンダ接合方法であって、
    第1のハンダ層と第2のハンダ層の少なくとも一方が、異種金属をナノメータオーダーの膜厚で交互に積層してなる反応性多層膜からなる自己伝播発熱粒体を含有しており、
    第1のハンダ層と第2のハンダ層とが対向するように被接合体と第2の被接合体とを積層し、第1の被接合体および/または第2の被接合体を加圧することにより該自己伝播発熱粒体を発熱せしめ、前記の第1および第2のハンダ層を溶融させて第1の被接合体と第2の被接合体とを接合する、該ハンダ接合方法。
  6. 請求項1記載の自己伝播発熱粒体を含んでなるハンダペースト。
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