JP2015171993A - ガラス組成物、それを含むガラスフリット、それを含むガラスペースト、およびそれを利用した電気電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の低融点鉛ガラスと同等以下の焼成温度で軟化流動可能な無鉛ガラス組成物を提供する。また、その特性に加えて、良好な熱的安定性や良好な化学的安定性を有する無鉛ガラス組成物を提供する。【解決手段】本発明に係る無鉛ガラス組成物は、主要成分と追加成分とから構成され、その名目成分を酸化物で表したときに、前記主要成分はAg2OとV2O5とTeO2とからなり、かつ該主要成分の含有率が75質量%以上であり、前記追加成分は、前記主要成分以外の成分であり、BaO、WO3、Fe2O3、MnO2、およびSb2O3の内の1種以上を含有することを特徴とする。前記追加成分はP2O5、K2O、MoO3、およびZnOの内の1種以上を更に含有してもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス組成物に関し、特に従来よりも低い焼成温度で軟化流動するガラス組成物に関するものである。また、本発明は、該ガラス組成物を含むガラスフリット、該ガラス組成物を含むガラスペースト、および該ガラス組成物を利用した電気電子部品に関するものである。
水晶振動子、ICパッケージ、および画像表示デバイス(例えば、プラズマディスプレイパネルや液晶ディスプレイパネル)のような電気電子部品は、封着用ガラスフリットや封着用ガラスペーストを塗布し焼成することによって封止や封着(以下、総称して封着とする)がなされている。また、太陽電池パネル、画像表示デバイス、積層コンデンサー、水晶振動子、LED(発光ダイオード)、および多層回路基板などの多くの電気電子部品には、ガラス粉末と金属粒子とが混合された導電性ガラスペーストを基材上に印刷し焼成することによって、パターニングされた電極および/または配線(以下、電極/配線と称す)が形成されている。
封着用ガラスフリットは、いわゆる低融点ガラス組成物(例えば、低い屈伏点や低い軟化点を有するガラス組成物)と酸化物充填材との混合物であり、導電性ガラスペーストは、低融点ガラス組成物と金属粒子(例えば、銀粒子、銅粒子、アルミニウム粒子など)と酸化物充填材と樹脂バインダーと溶剤との混合物である。封着用ガラスフリットや導電性ガラスペーストに使用されるガラス組成物は、焼成時に軟化流動することによって、封着する部材同士を密着させたり、電極/配線を基材に密着させたりする役割を担っている。ガラス組成物としては、かつては、低温で軟化流動し熱的・化学的に安定な鉛ガラス(主要成分として酸化鉛を含有するガラス)が使用されていた。
しかしながら、電気電子機器業界では、近年、世界的にグリーン調達・グリーン設計の流れが強く、より安全な材料が望まれている。例えば、欧州においては、電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての欧州連合(EU)による指令(RoHS指令)が2006年7月1日に施行されている。鉛(Pb)はRoHS指令の禁止物質に指定されており、主要成分としてPbOを含むガラスはRoHS指令に対応できないという問題があった。そこで、鉛成分を含まないガラス組成物(無鉛ガラス)、それを用いた封着用ガラスフリットや導電性ガラスペーストが種々検討されている。
例えば、特許文献1(特開2010-184852号公報)には、ガラス組成物における成分の酸化物換算で、V2O5を45〜65重量%、P2O5を10〜20重量%、TeO2を10〜25重量%、Fe2O3を5〜15重量%、MnO2とZnOとWO3とMoO3とBaOとを合計で0〜10重量%を含有し、鉛とビスマスとアンチモンとを実質的に含有しないことを特徴とする低融点ガラス組成物が開示されている。特許文献1によると、380℃以下の軟化点を有する低融点ガラス組成物を提供でき、それを用いた封着用ガラスフリットや導電性ガラスペーストの焼成温度を400℃以下にできるとされている。
また、特許文献2(特開2009-209032号公報)には、ガラス組成物における成分の酸化物換算で、V2O5を33〜45重量%、P2O5を22〜30重量%、MnOを5〜15重量%、BaOを10〜20重量%、R2Oを0〜8重量%(Rはアルカリ金属元素)、Sb2O3とTeO2とZnOとSiO2とAl2O3とNb2O5とLa2O3とを合計で0〜10重量%含有し、鉛とビスマスとを実質的に含有しないことを特徴とするガラス組成物が開示されている。特許文献2によると、鉛とビスマスを使用せずとも、実用性の高い低温(500℃以下)で軟化させることが可能なガラス組成物を提供できるとされている。
また、特許文献3(特開2006-342044号公報)には、酸化物換算のモル%表示で、ガラス組成として、10〜60%のV2O5、5〜40%のP2O5、1〜30%のBi2O3、0〜40%のZnO、0〜40%のTeO2、0〜20%のR2O(RはLi、Na、K、Cs)、0〜30%のR’O(R’はMg、Ca、Sr、Ba)を含有することを特徴とするバナジウムリン酸系ガラスが開示されている。特許文献3によると、該バナジウムリン酸系ガラスは、500℃以下で良好な流動性を示すとともに、リン酸塩ガラス特有の耐候性に関する問題もないとされている。
また、特許文献4(特開2004-250276号公報)には、16〜80重量%のV2O5、0〜40重量%のZnO、4〜50重量%のBaO、0〜60重量%のTeO2の4成分の金属酸化物からなる封着加工用無鉛低融点ガラスが開示されている。特許文献4によると、該無鉛低融点ガラスは、鉛を含有する低融点ガラスに匹敵する熱的特性や優れた封着性能を示すとされている。
また、特許文献5(特開2003-192378号公報)には、網目形成酸化物としてのB2O3が20〜80重量%、網目修飾酸化物としてのBaOが0〜60重量%、中間酸化物としてのZnOが0〜60重量%である封着加工用無鉛低融点ガラス、および網目形成酸化物としてのV2O5が30〜70重量%、網目修飾酸化物としてのBaOが50〜80重量%、中間酸化物としてのZnOが0〜50重量%である封着加工用無鉛低融点ガラスが開示されている。特許文献5によると、該無鉛低融点ガラスは、PbO-B2O3系低融点ガラスに匹敵する優れた特性を示すとされている。
また、特許文献6(特開2008-251324号公報)には、分散剤を含有する有機媒体と、前記有機媒体中に添加されたバナジウム、リン、アンチモンおよびバリウムを含有するフリットガラスと銀粒子を基本構成とする導電性ペーストであって、前記フリットガラスの組成が酸化物換算でV2O5:50〜65質量%、P2O5:15~27質量%、Sb2O3:5〜25質量%、BaO:1〜15質量%よりなり、前記銀粒子が、フレーク状粒子と粒状粒子を含み、前記フレーク状粒子の平均粒子径が2〜5μm、前記粒状粒子の平均粒子径が0.1〜3μmであり、前記フレーク状粒子と前記粒状粒子の配合割合が質量比で、50:50〜90:10であり、前記フリットガラスを前記銀粒子に対して5〜30質量%含む導電性ペーストが開示されている。特許文献6によると、鉛やビスマスおよびアルカリ金属をフリットガラスとして含まず、導電性に優れた銀系導電性ペーストを提供できるとされている。
また、特許文献7(特開2006-332032号公報)では、導電性銀粉末と亜鉛含有添加剤と鉛フリーであるガラスフリットとが有機媒体中に分散されている厚膜導電性組成物が開示されている。特許文献7によると、好ましいガラスフリットは、ガラス組成物中の酸化物成分として、0.1〜8重量%のSiO2と、0〜4重量%のAl2O3と、8〜25重量%のB2O3と、0〜1重量%のCaOと、0〜42重量%のZnOと、0〜4重量%のNa2Oと、0〜3.5重量%のLi2Oと、28〜85重量%のBi2O3と、0〜3重量%のAg2Oと、0〜4.5重量%のCeO2と、0〜3.5重量%のSnO2と、0〜15重量%のBiF3とを含むとされている。
特開2010−184852号公報 特開2009−209032号公報 特開2006−342044号公報 特開2004−250276号公報 特開2003−192378号公報 特開2008−251324号公報 特開2006−332032号公報
上述したように、無鉛ガラス組成物およびそれを用いたガラスフリットやガラスペーストが種々提案されているが、軟化流動させるのに好適な焼成温度の観点において、低融点鉛ガラスに比べて依然として高いという問題があった。具体的な焼成温度としては、少なくとも350℃以下で焼成可能なガラス組成物が強く望まれていた。より好ましくは320℃以下、更に好ましくは300℃以下で焼成可能なガラス組成物が望まれていた。
一方、焼成温度を低下させるためにガラスの屈伏点や軟化点を低融点鉛ガラスのそれらと同等以下に低下させた従来の無鉛ガラス組成物では、ガラスの熱的安定性が低下したり、ガラスの耐湿性が低下したりする問題があった。また、導電性ガラスペーストにおいて、従来の無鉛ガラス組成物の一部は、焼成中に金属粒子と化学反応して該金属粒子表面に酸化物被膜を生成してしまう場合があり、結果として形成される電極/配線の電気抵抗率が期待よりも高くなってしまう問題があった。
したがって、本発明の目的は、上記課題を解決し、第一義的には低融点鉛ガラスの場合と同等以下の焼成温度で軟化流動可能な無鉛ガラス組成物を提供することにある。次に、その特性に加えて、良好な熱的安定性を有する無鉛ガラス組成物を提供することにある。さらに、それらの特性に加えて、良好な化学的安定性を有する無鉛ガラス組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、該無鉛ガラス組成物を含むガラスフリット、該ガラス組成物を含むガラスペースト、および該ガラス組成物を利用した電気電子部品を提供することにある。
(I)本発明の1つの態様は、無鉛のガラス組成物であって、前記ガラス組成物は、主要成分と追加成分とから構成され、それらの名目成分を酸化物で表したときに、前記主要成分はAg2OとV2O5とTeO2とからなり、かつ該主要成分の含有率が75質量%以上であり、前記追加成分は、前記主要成分以外の成分であり、BaO、WO3、Fe2O3、MnO2、およびSb2O3の内の1種以上を含むことを特徴とするガラス組成物を提供する。なお、本発明における「無鉛、鉛成分を含まない」とは、前述のRoHS指令(2006年7月1日施行)における禁止物質を指定値以下の範囲で含有することを容認するものとする。
また、本発明は、上記の本発明に係るガラス組成物において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(i)前記追加成分としてP2O5、K2O、MoO3、およびZnOの内の1種以上を更に含む。
(ii)前記主要成分が10〜60質量%のAg2Oと、5〜65質量%のV2O5と、15〜50質量%のTeO2とからなる。
(iii)Ag2O含有率がV2O5含有率の2.6倍以下である。言い換えると、Ag2O含有率のV2O5含有率に対する比「(Ag2O含有率)/(V2O5含有率)」が2.6以下である。
(iv)Ag2O含有率とV2O5含有率との和が40質量%以上80質量%以下である。
(v)本発明に係る封着用ガラスフリットは、上記のガラス組成物を50体積%以上100体積%以下で含み、前記ガラス組成物を構成する酸化物以外で熱膨張係数調整用の酸化物充填材を0体積%以上50体積%以下で含む。
(vi)本発明に係る封着用ガラスペーストは、上記のガラス組成物と、前記ガラス組成物を構成する酸化物以外で熱膨張係数調整用の酸化物充填材と、溶剤とを含む。
(vii)本発明に係る導電性ガラスペーストは、上記のガラス組成物と、金属粒子と、前記ガラス組成物を構成する酸化物以外で金属粒子の粒成長抑制用の酸化物充填材と、溶剤とを含む。
(viii)前記酸化物充填材は、SiO2,ZrO2,Al2O3、Nb2O5、ZrSiO4、Zr2(WO4)(PO4)2、コージェライト、ムライト、およびユークリプタイトの内の1種以上である。
(ix)前記溶剤は、ブチルカルビトールアセテートまたはα−テルピネオールであり、樹脂バインダーとしてニトロセルロースを更に含む。
(x)前記金属粒子は、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、または銅合金である。
(xi)前記金属粒子は、平均粒径が0.5μm以上10μm以下であり、球状および/またはフレーク状の形状を有する。
(xii)前記金属粒子は、平均粒径が0.5μm以上3μm以下の粒子群と、平均粒径が5μm以上10μm以下の粒子群との混合物である。
(II)本発明の更に他の態様は、無鉛のガラス相を含む封着部を有する電気電子部品であって、前記封着部は50体積%以上100体積%以下の前記ガラス相を含み、前記ガラス相は、主要成分と追加成分とから構成され、それらの名目成分を酸化物で表したときに、前記主要成分は、10質量%以上60質量%以下のAg2Oと、5質量%以上65質量%以下のV2O5と、15質量%以上50質量%以下のTeO2とからなり、かつ該主要成分の含有率が75質量%以上であり、前記追加成分は、前記主要成分以外の成分であり、BaO、WO3、Fe2O3、MnO2、およびSb2O3の内の1種以上を含むことを特徴とする電気電子部品を提供する。
(III)本発明の更に他の態様は、無鉛のガラス相と金属粒子とを含む電極/配線を有する電気電子部品であって、前記電極/配線は5体積%以上30体積%以下の前記ガラス相と70体積%以上95体積%以下の前記金属粒子とを含み、前記金属粒子は、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、または銅合金であり、前記ガラス相は、主要成分と追加成分とから構成され、それらの名目成分を酸化物で表したときに、前記主要成分は、10質量%以上60質量%以下のAg2Oと、5質量%以上65質量%以下のV2O5と、15質量%以上50質量%以下のTeO2とからなり、かつ該主要成分の含有率が75質量%以上であり、前記追加成分は、前記主要成分以外の成分であり、BaO、WO3、Fe2O3、MnO2、およびSb2O3の内の1種以上を含むことを特徴とする電気電子部品を提供する。
また、本発明は、上記の本発明に係る電気電子部品において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(xiii)前記追加成分としてP2O5、K2O、MoO3、およびZnOの内の1種以上を更に含む。
(xiv)前記電極/配線の電気抵抗率が、10-5Ωcm未満である。
(xv)前記ガラス相中でAg2O含有率がV2O5含有率の2.6倍以下である。言い換えると、前記ガラス相中でAg2O含有率のV2O5含有率に対する比「(Ag2O含有率)/(V2O5含有率)」が2.6以下である。
(xvi)前記ガラス相中でAg2O含有率とV2O5含有率との和が40質量%以上80質量%以下である。
(xvii)前記電気電子部品は、太陽電池パネル、画像表示デバイス、携帯情報端末、積層コンデンサー、水晶振動子、LED、ICパッケージ、または多層回路基板である。
本発明によれば、低融点鉛ガラスの場合と同等以下の焼成温度で軟化流動し、かつ良好な熱的安定性と化学的安定性とを併せ持つ無鉛ガラス組成物を提供することができる。また、該無鉛ガラス組成物に対して酸化物充填材や金属粒子などを添加混合することにより、該無鉛ガラス組成物の効果を享受できる封着用ガラスフリットや、封着用ガラスペーストや、導電性ガラスペーストを提供することができる。さらに、該無鉛ガラス組成物を利用することにより、低融点鉛ガラスの場合と同等以下の焼成温度において封着や電極/配線の形成がなされた電気電子部品(すなわち、グリーン設計に配慮しつつ製造コストが低減された電気電子部品)を提供することができる。
本発明における代表的なガラス組成物に対する示差熱分析(DTA)の昇温過程で得られるチャートの1例である。 形成した電極/配線の電気抵抗率と焼成保持時間との関係を示すグラフである。 導電性ガラスペーストの焼成過程における構造変化を示した模式図である。 形成した電極/配線の電気抵抗率とガラス組成物粉末の配合比率との関係を示すグラフである。 水晶振動子のパッケージを作製する工程例を示す断面模式図である。 太陽電池パネルの1例を示す模式図であり、(a)は受光面の平面模式図、(b)は裏面の平面模式図、(c)は(a)中のA−A線における断面模式図である。 裏面電極型太陽電池パネルの断面の1例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。ただし、本発明はここで取り上げた実施形態に限定されることはなく、要旨を変更しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。
(ガラス組成物)
無鉛ガラス組成物において、一般的に、特性温度(ガラス転移点、屈伏点、軟化点など)を低温化させると、熱的・化学的安定性が劣化する問題が生じる(例えば、ガラスが結晶化しやすくなる、耐湿性が劣化する)。本発明者等は、鉛を実質的に含まないガラス組成物でありながら、低融点鉛ガラスの場合と同等以下の焼成温度で軟化流動させることができ(ガラス軟化点の低温化)、良好な熱的安定性と良好な化学的安定性とを併せ持つガラスの組成について鋭意検討した。その結果、本発明者等は、新規なガラス組成物において、上記の要求を満たせることを見出し、本発明を完成した。
前述したように、本発明に係る無鉛ガラス組成物は、主要成分としてAg2O(酸化銀(I))とV2O5(五酸化二バナジウム)とTeO2(二酸化テルル)とを少なくとも含有する系であり、Ag2OとV2O5とTeO2との合計含有率が75質量%以上であることを特徴とする。これにより、該ガラスの軟化点を320℃以下に低温化することができる。
Ag2O成分は、無鉛ガラス組成物の軟化点の低温化に寄与する。TeO2成分も、軟化点の低温化に寄与する。本発明に係る無鉛ガラス組成物の軟化点は、Ag2OとTeO2との含有率におおむね対応する。V2O5成分は、ガラス中のAg2O成分からの金属Agの析出を抑制し、ガラスの熱的安定性の向上に寄与する。また、V2O5成分の添加によってAg2O成分からの金属Agの析出が抑制されることから、Ag2O成分の配合量を増大させることが可能となり軟化点の低温化が助長されると共に、ガラスの化学的安定性(例えば、耐湿性)が向上する。
ここで、本発明におけるガラス転移点、屈伏点、軟化点、結晶化温度の定義について説明する。図1は、本発明における代表的なガラス組成物に対する示差熱分析(DTA)の昇温過程で得られるチャートの1例である。DTA測定は、参照試料としてα−アルミナを用い、大気中5℃/minの昇温速度で行った。参照試料および測定試料の質量は、それぞれ650 mgとした。本発明においては、図1に示したように、第1吸熱ピークの開始温度をガラス転移点Tg(粘度=1013.3 poiseに相当)、該第1吸熱ピークのピーク温度を屈伏点Td(粘度=1011.0 poiseに相当)、第2吸熱ピークのピーク温度を軟化点Ts(粘度=107.65 poiseに相当)、第1発熱ピークの開始温度を結晶化温度Tcと定義する。なお、それぞれの温度は、接線法によって求められる温度とする。本明細書に記載の各特性温度(例えば、軟化点Ts)は上記の定義に基づくものである。
より具体的なガラス組成としては、成分を酸化物で表したときに10〜60質量%のAg2Oと、5〜65質量%のV2O5と、15〜50質量%のTeO2とを含有し、Ag2OとTeO2とV2O5との合計含有率が75質量%以上であることが好ましい。これにより、該無鉛ガラス組成物の軟化点(DTAにおける昇温過程の第2吸熱ピークのピーク温度)を320℃以下に低温化することができると共に、十分な熱的安定性を確保することができる。
ガラス組成物を利用したガラスフリットやガラスペーストを用いて、無加圧での封着や電極/配線の形成を行うときの焼成温度は、通常、該ガラス組成物の軟化点Tsよりも30〜50℃程度高く設定される。このときの焼成において、ガラス組成物が結晶化しないことが望ましい。言い換えると、封着や電極/配線の形成を健全に行うため、ガラス組成物の熱的安定性の指標としては、軟化点Tsと結晶化温度Tcとの温度差が50℃程度以上あることが望ましいと言える。なお、加圧環境下で封着を行う場合の焼成温度は、軟化点Ts程度でもよい。
Ag2Oの含有率は、V2O5の含有率の2.6倍以下であることがより好ましい。これにより、従来の低融点無鉛ガラスよりも良好な耐湿性(実用上十分な耐湿性)を確保することができる。Ag2O含有率がV2O5含有率の2.6倍よりも大きくなると、Ag2O成分によるガラスの軟化点Tsの低温化効果が小さくなると共に、ガラスが結晶化し易くなる。
加えて、Ag2O含有率とV2O5含有率との和が40質量%以上80質量%以下であることは更に好ましい。このようにすることで、更に高い耐湿性を得ることができる。詳細は後述する。
また、本発明に係るガラス組成物は、上記の組成に加えて、P2O5(五酸化二燐)、BaO(酸化バリウム)、K2O(酸化カリウム)、WO3(三酸化タングステン)、MoO3(三酸化モリブデン)、Fe2O3(酸化鉄(III))、MnO2(二酸化マンガン)、Sb2O3(三酸化アンチモン)、およびZnO(酸化亜鉛)の内の1種以上を25質量%以下で更に含有していてもよい。これら追加的な酸化物は、本発明のガラスの耐湿性向上や結晶化の抑制に寄与する。
(封着用ガラスフリットおよび封着用ガラスペースト)
本発明に係る封着用ガラスフリットは、上記の本発明に係るガラス組成物と、該ガラス組成物を構成する酸化物以外の酸化物充填材とを含むものである。本発明に係る封着用ガラスペーストは、上記の本発明に係るガラス組成物と、該ガラス組成物を構成する酸化物以外の酸化物充填材と、溶剤とを含むものである。封着用ガラスペーストは、樹脂バインダーを更に含んでいてもよい。また、封着用ガラスフリット中および封着用ガラスペースト中でのガラス組成物と酸化物充填材との配合割合は、ガラス組成物が50〜100体積%、酸化物充填材が0〜50体積%であることが好ましい。
酸化物充填材としては、SiO2(シリカ)、ZrO2(ジルコニア)、Al2O3(α−アルミナ)、Nb2O5(五酸化ニオブ)、ZrSiO4(ジルコン)、Zr2(WO4)(PO4)2(リン酸タングステン酸ジルコニウム、ZWP)、コージェライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、ムライト(3Al2O3・2SiO2)、およびユークリプタイト(LiAlSiO4)の内の1種以上が好ましく用いられる。溶剤としては、ブチルカルビトールアセテートまたはα−テルピネオールが好ましく用いられる。樹脂バインダーとしては、ニトロセルロースが好ましく用いられる。一方、溶剤としてα−テルピネオールを用い、セルロース系の樹脂バインダーを用いない封着用ガラスペーストも好ましい。
本発明の封着用ガラスフリットや封着用ガラスペーストを用いて封着を行う場合、被封着物である電気電子部品の封着する箇所に対して該ガラスフリットや該ガラスペーストを肉盛りや塗布し、含有されるガラス組成物の軟化点Tsよりも30〜50℃程度高い温度で焼成する(無加圧の場合)。本発明の封着用ガラスフリットおよび封着用ガラスペーストは、含有されるガラス組成物の軟化点の低温化によって焼成温度を低温化することが可能となり、それに伴って、被封着物との望まない化学反応を防止することができる。また、被封着物である電気電子部品への余分な熱負荷も低減されるため、該電気電子部品の品質維持に貢献できる。
(導電性ガラスペースト)
本発明に係る導電性ガラスペーストは、前述の本発明に係るガラス組成物と、金属粒子と、該ガラス組成物を構成する酸化物以外の酸化物充填材と、溶剤とを含むものである。導電性ガラスペーストは、樹脂バインダーを更に含んでいてもよい。また、導電性ガラスペースト中の固形分(ガラス組成物、金属粒子、酸化物充填材)の配合割合は、ガラス組成物が5〜30体積%、金属粒子が70〜95体積%、酸化物充填材が0〜20体積%であることが好ましい。
酸化物充填材としては、SiO2、ZrO2、Al2O3、Nb2O5、ZrSiO4、Zr2(WO4)(PO4)2、コージェライト、ムライト、およびユークリプタイトの内の1種以上が好ましく用いられる。溶剤としては、ブチルカルビトールアセテートまたはα−テルピネオールが好ましく用いられる。樹脂バインダーとしては、ニトロセルロースが好ましく用いられる。一方、溶剤としてα−テルピネオールを用い、セルロース系の樹脂バインダーを用いない導電性ガラスペーストも好ましい。
金属粒子としては、銀、銀合金(例えばAg-Cu合金)、アルミニウム、アルミニウム合金(例えばAl-Cu合金、Al-Si合金)、銅、または銅合金(例えばCu-Ag合金、Cu-Al合金)が好ましく用いられる。金属粒子は、平均粒径が0.5〜10μmであり、球状および/またはフレーク状の形状を有することが好ましい。また、金属粒子は、平均粒径が0.5〜3μmの粒子群と、平均粒径が5〜10μmの粒子群との混合物であることが好ましい。なお、本発明における球状とは、真球体に限られるものではなく、楕円球体や雨滴体などの部分的に球形曲面を有するものを含む。本発明における平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布計での測定によるメジアン径(D50)とする。
本発明の導電性ガラスペーストを用いて電気電子部品の電極/配線を形成する場合、電気電子部品の基材に対して該ガラスペーストを所定のパターンに印刷し、含有されるガラス組成物の軟化点Tsよりも30〜50℃程度高い温度で焼成する(無加圧の場合)。なお、使用する金属粒子が酸化しやすい金属の場合は、金属粒子の酸化を防止するため、焼成雰囲気を不活性ガスにすることが望ましい。
本発明の導電性ガラスペーストは、含有されるガラス組成物の軟化点の低温化によって焼成温度を低温化することが可能となり、それに伴って、含有される金属粒子との望まない化学反応(金属粒子の酸化も含む)や基材との望まない化学反応を防止することができる。その結果、本発明の導電性ガラスペーストを用いて形成した電極/配線は、10-5Ωcm未満(10-6Ωcmオーダー)という非常に低い電気抵抗率を達成できる。また、電気電子部品への余分な熱負荷も低減されるため、該電気電子部品の品質維持に貢献できる。
(電気電子部品)
本発明に係る電気電子部品は、前述の本発明に係るガラスフリットやガラスペーストで封着された封着部および/または形成された電極/配線を有する限り特段の限定はない。好適な事例としては、太陽電池パネル、画像表示デバイス(例えば、プラズマディスプレイパネル、液晶ディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネル)、携帯情報端末(例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC)、積層コンデンサー、水晶振動子、LED、ICパッケージ、および多層回路基板が挙げられる。なお、本発明における電極/配線は、ダイボンド(Au-Sn合金はんだ等の代替)としての利用を含むものとする。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいてより詳細に説明する。ただし、本発明は、ここで取り上げた実施例に限定されることはなく、そのバリエーションを含む。
[実施例1]
本実施例においては、種々の組成を有するガラス組成物を作製し、該ガラス組成物の軟化点と耐湿性とを調査した。
(ガラス組成物の作製)
後述する表1〜表4に示す組成を有するガラス組成物(AVT-01〜83、PBS-01〜04、BBZ-01、VBZ-01)を作製した。表中の組成は、各成分の酸化物換算における質量比率で表示してある。出発原料としては、(株)高純度化学研究所製の酸化物粉末(純度99.9%)を用いた。一部の試料においては、Ba源およびP源としてBa(PO3)2(リン酸バリウム、ラサ工業(株)製)を用いた。
表に示した質量比で各出発原料粉末を混合し、白金るつぼに入れた。原料中のAg2Oの比率が40質量%以上の場合にはアルミナるつぼを用いた。混合にあたっては、原料粉末への余分な吸湿を避けることを考慮して、金属製スプーンを用いて、るつぼ内で混合した。
原料混合粉末が入ったるつぼをガラス溶融炉内に設置し、加熱・融解した。10℃/minの昇温速度で昇温し、設定温度(700〜900℃)で融解しているガラスを撹拌しながら1時間保持した。その後、るつぼをガラス溶融炉から取り出し、あらかじめ150℃に加熱しておいた黒鉛鋳型にガラスを鋳込んだ。次に、鋳込まれたガラスを、あらかじめ歪取り温度に加熱しておいた歪取り炉に移動し、1時間保持により歪を除去した後、1℃/minの速度で室温まで冷却した。室温まで冷却したガラスを粉砕し、表に示した組成を有するガラス組成物の粉末を作製した。
Figure 2015171993
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(ガラスペーストの作製)
上述のようにして作製したガラス組成物粉末(平均粒径3.0μm以下)と樹脂バインダーと溶剤とを混合してガラスペーストを作製した。樹脂バインダーとしてはニトロセルロースを用い、溶剤としてはブチルカルビトールアセテートを用いた。なお、本実施例でのガラスペーストは、耐湿性の評価を目的とすることから、ガラス組成物を構成する酸化物以外の酸化物充填材を混合させなかった。
(軟化点の評価)
上記で得られた各ガラス組成物粉末に対して、示差熱分析(DTA)により軟化点Tsを測定した。DTA測定は、参照試料(α−アルミナ)および測定試料の質量をそれぞれ650 mgとし、大気中5℃/minの昇温速度で行い、第2吸熱ピークのピーク温度を軟化点Tsとして求めた(図1参照)。結果を表5〜表8に併記する。
(耐湿性の評価)
上記で作製したガラスペーストを用いて、シリコン(Si)基板上に印刷法により20 mm角形状で塗布した。150℃で乾燥させた後の塗布厚は、約20μmであった。乾燥させた塗布試料を電気炉内に設置し、含まれるガラス組成物の軟化点よりも約50℃高い温度で5分間保持する大気中熱処理を行った。
次に、各試料に対して、以下の2種類の耐湿性試験を行った。(A)温度85℃、相対湿度85%の環境で1000時間保持する試験(高温高湿保存試験)を実施した。(B)温度120℃、相対湿度100%、圧力202 kPaの環境で50時間保持する試験(飽和型プレッシャークッカー試験:PCT)を実施した。各耐湿性試験後の試料外観を目視で観察して、耐湿性を評価した。軟化流動したガラス試料の外観に変化が見られなかったものを「合格」とし、失透・腐食・基板からの剥離などの変化が認められたものを「不合格」と評価した。結果を表5〜表8に併記する。
Figure 2015171993
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表1〜表8に示したように、本発明に係るAVT-01〜75(成分を酸化物で表したときにAg2OとV2O5とTeO2とを少なくとも含有し、Ag2OとV2O5とTeO2との合計含有率が75質量%以上である無鉛ガラス組成物)は、DTA評価の結果、軟化点が320℃以下であることが確認された。なお、AVT-68〜75は、DTA測定において第2吸熱ピークが終了した直後に結晶化に伴う発熱ピークが観察されたが、加圧環境下での封着に利用するならば十分可能と考えられた。
AVT-01〜67(成分を酸化物で表したときに10〜60質量%のAg2Oと5〜65質量%のV2O5と15〜50質量%のTeO2とを含有し、Ag2OとV2O5とTeO2との合計含有率が75質量%以上である無鉛ガラス組成物)は、320℃以下の軟化点を有すると共に、十分な熱的安定性を有することが確認された。
上記組成範囲の中で、AVT-01〜44(Ag2O含有率がV2O5含有率の2.6倍以下である無鉛ガラス組成物)は、上記の特性に加えて良好な耐湿性を示し、高温高湿保存試験(温度85℃、相対湿度85%、1000時間保持)を実施しても、表面状態に変化はなかった。
さらに、上記組成範囲の中でも特に、AVT-01〜29(Ag2O含有率とV2O5含有率との和が40質量%以上80質量%以下である無鉛ガラス組成物)は、上記の特性に加えて耐湿性が更に良好であり、飽和型プレッシャークッカー試験(温度120℃、相対湿度100%、圧力202 kPa、50時間保持)を実施しても、表面状態に変化はなかった。
一方、本発明の規定を外れるガラス組成物であるAVT76〜83は、「軟化点が320℃超」であった。従来の低融点鉛ガラス組成物であるPBS-01〜PBS-04は、本発明の定義による軟化点が370℃超と高く、耐湿性も不合格であった。また、従来の無鉛ガラス組成物であるBBZ-01およびVBZ-01は、本発明の定義による軟化点が390℃超であり、耐湿性も不合格であった。
[実施例2]
本実施例においては、実施例1で用意したガラス組成物を用いて導電性ガラスペーストを作製し、該導電性ガラスペーストを用いて形成した電極/配線の電気抵抗率および各種基板との密着性を調査した。
(導電性ガラスペーストの作製)
実施例1で用意したガラス組成物粉末(試料名ATV-01〜83、PBS-01〜04、BBZ-01、VBZ-01、平均粒径3.0μm以下)と、銀粒子と、樹脂バインダーと、溶剤とを混合して導電性ガラスペーストを作製した。銀粒子としては福田金属箔粉工業(株)製のAGC-103(球状粒子、平均粒径1.4μm)を用い、樹脂バインダーとしてはニトロセルロースを用い、溶剤としてはブチルカルビトールアセテートを用いた。導電性ガラスペースト中のガラス組成物粉末の含有率は、銀粒子に対して10体積%とした。また、ペースト中の固形分(銀粒子、ガラス組成物粉末)の含有率は80〜85質量%とした。なお、本実施例での導電性ガラスペーストは、基板との密着性(ガラス組成物の軟化流動性)を観察するため、ガラス組成物を構成する酸化物以外の酸化物充填材を混合させなかった。
(電極/配線の形成)
上述で用意した導電性ガラスペーストを用いて、シリコン基板(Si基板)上へ印刷法により1 mm×20 mmのパターン10本を塗布した。150℃で乾燥した後の塗布厚は約20μmであった。乾燥したサンプルを電気炉に設置し、大気中300℃、320℃および350℃でそれぞれ5分間保持する熱処理を施し、電極/配線を形成した。また、上記と同様の方法により、アルミニウム基板(Al基板、A1050)、ステンレス基板(SUS基板、SUS304)、アルミナ基板(Al2O3基板)、およびポリイミド基板(PI基板、80 mm×300 mm×0.085 mm、連続使用可能温度420℃)上にそれぞれ電極/配線を形成した。
(電気抵抗率の評価)
Si基板上に形成した電極/配線に対して、四端子法により電気抵抗率を測定した。測定された電気抵抗率(平均)が1〜5×10-6 Ωcmであったものを「優秀」とし、5〜10×10-6 Ωcmであったものを「合格」とし、10-5 Ωcmオーダーであったものを「通常」(従来技術と同等の意)とし、10-4 Ωcmオーダー以上であったものを「不合格」と評価した。結果を表9〜表12に示す。
(密着性の評価)
密着性の評価は、ピーリングテストにより行った。各基板上に形成した電極/配線にピーリングテープを貼り付け、該テープを剥がした時に電極/配線が基板から剥離せず断線しなかったものを「合格」とし、電極/配線に剥離および/または断線が生じたものを「不合格」と評価した。結果を表9〜表12に併記する。なお、表中において、合格した試料に対しては、3種類の焼成温度(300℃、320℃、350℃)の内、合格した最も低い温度を表記し、350℃焼成においても不合格の試料に対しては「不合格」と表記した。
Figure 2015171993
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Figure 2015171993
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表9〜表12に示したように、本発明に係るガラス組成物を用いた導電性ガラスペーストは、ガラス組成物の軟化点が従来よりも低い(従来よりも低温で軟化流動する)ことから従来よりも低温焼成で電極/配線の形成が可能であった。また、低温焼成が可能であることから、ガラス組成物と金属粒子との望まない化学反応をより一層抑制することができるため、液相を介した金属粒子同士の焼結が促進されて10-5Ωcm未満(10-6Ωcmオーダー)という非常に低い電気抵抗率を有する電極/配線が実現された。言い換えると、本発明に係るガラス組成物およびそれを用いたガラスペーストは、使用における化学的安定性が高いと言える。
本発明に係る導電性ガラスペーストは、電極/配線を形成する基材としてシリコンの他に、金属(例えば、アルミニウムやステンレス鋼)、酸化物(例えば、アルミナ)、耐熱性樹脂(例えば、ポリイミド)に対して良好な密着性を示し、幅広い種類の基材が適応可能であることを実証した。詳細に見ていくと、含有されるガラス組成物の軟化点よりも十数℃高い焼成温度で十分な密着性を示すことが判った。
軟化点が低い(280℃未満)ガラス組成物を用いた導電性ガラスペーストの一部では、該ガラス組成物の結晶化温度が350℃以下である場合、350℃の焼成で電極/配線中のガラス相が結晶化し始めるため、密着性と電気抵抗率が劣化する傾向が見られた。ただし、その場合においても、300〜320℃の焼成においては良好な密着性と低い電気抵抗率が得られた。
一方、本発明の規定を外れるガラス組成物(AVT-76〜83)、従来の低融点鉛ガラス組成物(PBS-01〜PBS-04)、および従来の無鉛ガラス組成物(BBZ-01、VBZ-01)を用いた導電性ガラスペーストは、350℃までの焼成温度の条件下では、電極/配線の電気抵抗率および/または各種基板との密着性において不合格であった。これは、ガラス組成物の軟化点が高かったり流動性が劣っていたりしたためと考えられる。
なお、上記では、金属粒子として純銀粒子を用いて実験を行ったが、それ以外にも銀合金粒子、アルミニウム粒子、アルミニウム合金粒子、銅粒子、および銅合金粒子を用いた場合にも(一部はアルゴンガス雰囲気中で焼成)、同様の結果が得られることを別途確認した。
[実施例3]
本実施例においては、本発明に係るガラスペーストに用いるのに好適な樹脂バインダーについて検討した。具体的には、ガラス組成物および樹脂バインダーの異なる導電性ガラスペーストを作製し、焼成後の電極/配線の電気抵抗率に与える影響を調査した。
(導電性ガラスペーストの作製)
実施例2と同様の手順により導電性ガラスペーストを作製した。ガラス組成物粉末(平均粒径3.0μm以下)としてはAVT-17(Ts=315℃)とAVT-18(Ts=286℃)を用い、銀粒子としては福田金属箔粉工業(株)製のAGC-103(球状粒子、平均粒径1.4μm)を用い、溶剤としてはブチルカルビトールアセテートを用いた。樹脂バインダーとしてはエチルセルロース(EC)とニトロセルロース(NC)を用いた。導電性ガラスペースト中のガラス組成物粉末の含有率は、銀粒子に対して10体積%とした。また、ペースト中の固形分(銀粒子、ガラス組成物粉末)の含有率は80〜85質量%とした。なお、本実施例で用いる導電性ガラスペーストも、ガラス組成物を構成する酸化物以外の酸化物充填材を混合させなかった。
(電極/配線の形成)
上述で用意した導電性ガラスペーストを用いて、実施例2と同様に、Si基板上へ印刷法により1 mm×20 mmのパターン10本を塗布した。150℃で乾燥した後の塗布厚は約20μmであった。乾燥したサンプルを電気炉に設置し、大気中300℃または350℃の熱処理を施し、電極/配線を形成した。このとき、焼成保持時間を種々変更した。
(電気抵抗率の評価)
Si基板上に形成した電極/配線に対して、四端子法により平均電気抵抗率を測定した。図2は、形成した電極/配線の電気抵抗率と焼成保持時間との関係を示すグラフである。図2に示したように、樹脂バインダーとしてエチルセルロース(EC)を用いた導電性ガラスペースト(AVT-17)で形成した電極/配線は、焼成保持時間の増大に伴って電気抵抗率が低下していった。言い換えると、焼成時間が短いと電気抵抗率が高い。これは、本実施例の焼成温度(350℃)では、エチルセルロースを速やかに燃焼分解させることができず、一部が残留したためと考えられた。
一方、樹脂バインダーとしてニトロセルロース(NC)を用いた導電性ガラスペースト(AVT-17、AVT-18)で形成した電極/配線は、いずれの焼成温度(350℃、300℃)においても焼成保持時間に対して電気抵抗率の変動がほとんどなかった。これは、ニトロセルロース(NC)の樹脂バインダーが本実施例の焼成温度で速やかに燃焼分解したためと考えられた。
前述したように、本発明に係るガラス組成物およびそれを用いたガラスペーストは、従来よりも低い温度での焼成が可能である。そのため、ガラスペーストに用いる樹脂バインダーや溶媒においても、従来よりも低い温度で燃焼分解するものを選択することが肝要である。本発明において、ガラスペーストに用いる樹脂バインダーや溶媒は特に限定されるものではないが、300℃程度以下の温度で消失するセルロース系バインダー(例えば、ニトロセルロース)やテルペン系の高粘度溶媒(例えば、α−テルピネオール)などを好適に用いることができる。
[実施例4]
本実施例においては、導電性ガラスペーストにおける金属粒子のサイズ(平均粒径)や形状、および金属粒子とガラス組成物粉末との配合比率について検討した。
図3は、導電性ガラスペーストの焼成過程における構造変化を示した模式図である。図3(a)は、導電性ガラスペーストを塗布後、乾燥させた状態を示している。図3(a)に示したように、ガラス組成物粉末31と金属粒子32とが樹脂バインダー33を介して均等に分散している。
図3(b)は、昇温過程においてガラス組成物粉末が軟化流動(融解)した直後の状態を示している。図3(b)に示したように、樹脂バインダーが燃焼分解した空隙34に融解したガラス(液相)35が浸入して金属粒子32を濡らす。
図3(c)は、融解したガラス(液相)の毛管力により金属粒子同士の緻密化(粒子の再配列)が起こった状態を示している。このとき、金属粒子32間に存在した空隙34が消滅していくが、これは系の表面エネルギーを最小にする方向に現象が進むためである。再配列によって達成される緻密化の程度は、液相35の量(すなわちガラス組成物粉末31の量)や金属粒子32の粒径・形状などにより変化する。
図3(d)は、金属粒子同士の焼結が進行した状態を示している。このときの温度は、金属粒子32同士が固相焼結する温度よりも通常低いが、液相35が介在することにより金属粒子32の金属イオンの拡散が容易となりネック36を形成しながら焼結が進行する(液相焼結)。
(金属粒子のサイズおよび形状)
ガラス組成物粉末としてAVT-02(Ts=313℃)とAVT-18(Ts=286℃)を用い、実施例2と同様の手順により導電性ガラスペーストを作製した。このとき、銀粒子に対するガラス組成物粉末の配合比率を10体積%と固定した条件で、銀粒子のサイズおよび形状を種々変化させた。用意した導電性ガラスペーストを用いて、実施例2と同様に電極/配線を形成し該電極/配線の電気抵抗率を測定した。
その結果、銀粒子の平均粒子径が0.5〜10μmであり球形状を有する場合に、電気抵抗率の低い(10-6Ωcmオーダーの)電極/配線が得られた。また、銀粒子の平均粒子径が0.5〜10μmでありフレーク形状を有する場合でも、電気抵抗率の低い(10-6Ωcmオーダーの)電極/配線が得られた。さらに、銀粒子が平均粒子径0.5〜3μmの粒子と平均粒子径5〜10μmの粒子との混合物の場合でも、同様に電気抵抗率の低い(10-6Ωcmオーダーの)電極/配線が得られた。
(金属粒子とガラス組成物粉末との配合比率)
ガラス組成物粉末としてAVT-02(Ts=313℃)とAVT-18(Ts=286℃)を用い、実施例2と同様の手順により導電性ガラスペーストを作製した。このとき、銀粒子に対するガラス組成物粉末の配合比率を5〜40体積%で変化させた。ペースト中の固形分(銀粒子、ガラス組成物粉末)の配合比率は80〜85質量%とした。
用意した導電性ガラスペーストを用いて、実施例2と同様に電極/配線を形成し該電極/配線の電気抵抗率を測定した。電極/配線を形成するための焼成は、大気中350℃で5分間保持する条件により行った。
図4は、形成した電極/配線の電気抵抗率とガラス組成物粉末の配合比率との関係を示すグラフである。図4に示したように、ガラス組成物粉末の配合比率が5〜30体積%の範囲では、電極/配線の電気抵抗率が10-6Ω・cmオーダーのものが得られた。一方、ガラス組成物粉末の配合比率を30体積%超にすると、電極/配線の電気抵抗率が10-5Ω・cmオーダーになった。この結果から、本発明に係る導電性ガラスペーストにおけるガラス組成物粉末の配合比率は、金属粒子に対して5〜30体積%の範囲が好ましいと言える。
導電性ガラスペーストを用いて形成した電極/配線では、金属粒子の焼結助剤として機能するガラス組成物の配合比率を増やすと液相の量が増えて金属粒子を一様に濡らすため、金属イオンの拡散を容易にして金属粒子の焼結を助長する効果がある。一方、液相量の増大は、金属粒子同士の接触点の数を減少させるため、導電パスの実効断面積が減少して電気抵抗率を増大させる欠点がある。図4の結果において、ガラス組成物の配合比率が10体積%を下回ると電極/配線の電気抵抗率が増大する傾向が見られたが、これは、液相量が少な過ぎて金属粒子の焼結が一部で十分進行しなかったためと思われた。
[実施例5]
本実施例においては、本発明に係る電子部品として水晶振動子のパッケージに適用する場合について検討した。
図5は、水晶振動子のパッケージを作製する工程例を示す断面模式図である。まず、図5(a)に示したように、基板51に形成された配線52上に導電性ガラスペースト53を塗布(印刷)し、乾燥させる(例えば、150℃程度)。次に、図5(b)に示したように、導電性ガラスペースト53を印刷した位置に合わせて水晶振動子54を配置し、電気炉などで焼成して接続する(例えば、軟化点+30〜50℃程度)。次に、図5(c)に示したように、基板51周囲に封着用ガラスペースト55を印刷し、乾燥させる(例えば、150℃程度)。次に、図5(d)に示したように、封着用ガラスペースト55を印刷した位置に合わせてキャップ56を配置し、電気炉などで焼成して封着する(例えば、軟化点+30〜50℃程度)。このとき、キャップ56と基板51とが位置ずれしないようにクリップ(図示せず)で挟んでもよい。また、必要に応じて、焼成中に真空ポンプ(図示せず)を用いて、キャップ56内部の空気を排気してもよい。
図5に示した製造方法においては、ガラスを軟化流動させる焼成工程が2回行われることから、先の焼成工程で形成した電極/配線が、後の焼成工程時に再度軟化流動しないように、封着用ガラスペースト55に用いるガラス組成物は、導電性ガラスペースト53に用いるガラス組成物よりも低い軟化点を有していることが好ましい。より具体的には、導電性ガラスペースト53に用いるガラス組成物の軟化点以下の温度で焼成可能(封着可能)なガラス組成物を封着用ガラスペースト55に用いることが好ましい。
(ガラス組成物の特性温度の評価)
本実施例では、前述した実施例1に加えて、より望ましい特性(低い特性温度、高い熱的安定性、高い化学的安定性)を有するガラス組成物を模索すべく、ガラス組成物(AVT-84〜107)を更に作製し調査した。作製した各ガラス組成物粉末に対して、実施例1と同様の方法(DTA)によりガラス転移点Tg、屈伏点Td、および軟化点Tsを測定した。ガラス組成物(AVT-84〜107)の組成を表13に示し、ガラス組成物(AVT-84〜107)の特性温度(Tg、Td、Ts)を14に示す。
Figure 2015171993
Figure 2015171993
表14に示したように、本実施例では、実施例1のガラス組成物よりも更に低い特性温度を有するガラス組成物の作製に成功した。特に、AVT-96〜99,101,103,104では260℃以下の軟化点Tsが得られ、その中でもAVT-98はTs=208℃という驚異的な結果を得た。なお、表14に併記した封着実験結果については後述する。
(導電性ガラスペーストの作製)
上記のガラス特性温度の測定結果を受けて、水晶振動子54を配線52に接続するための導電性ガラスペースト53を作製した。導電性ガラスペーストに用いるガラス組成物としては、本発明の規定からは外れるが従来の低融点鉛ガラス組成物と同等の軟化点を有するAVT-76(Ts=335℃)を選定した。
AVT-76のガラス組成物粉末(平均粒径3.0μm以下)に、実施例2と同様の手順で、銀粒子(福田金属箔粉工業(株)、AGC-103)と、樹脂バインダー(ニトロセルロース)と、溶剤(ブチルカルビトールアセテート)とを混合しペースト化した。導電性ガラスペースト中のガラス組成物粉末の配合比率は銀粒子に対して10体積%とし、固形分(銀粒子、ガラス組成物粉末)の配合比率は80質量%とした。
(封着用ガラスペーストの作製)
次に、キャップ56と基板51とを封着するための封着用ガラスペースト55を作製した。封着用ガラスペーストに用いるガラス組成物としては、AVT-84〜107を用いた。それぞれのガラス組成物粉末(平均粒径3.0μm以下)に、樹脂バインダー(ニトロセルロース)と、溶剤(ブチルカルビトールアセテート)と、熱膨張係数調整用の酸化物充填材とを混合しペースト化した。酸化物充填材としては、五酸化ニオブ(Nb2O5)およびリン酸ジルコニウムタングステン(ZWP)を30〜50体積%混合した。
(水晶振動子パッケージの作製)
図5に示した工程に沿って水晶振動子パッケージを作製した。まず、導電性ガラスペースト53を用いて、基板51に形成された配線52と水晶振動子54とを接続した。乾燥条件は大気中150℃とし、焼成条件は大気中360℃で5分間保持とした。
次に、封着用ガラスペースト55を用いて、水晶振動子54が接続された基板51とキャップ56とを封着した。大気中150℃で乾燥した後、真空中あるいは大気中で15分間の焼成を行った。焼成温度は、各ガラス組成物の軟化点TSを参照し、真空中で焼成する場合は「TS+約30℃」を目安とし、大気中で焼成する場合は「TS+約50℃」を目安とした。
(封着部の健全性評価)
上述で作製した水晶振動子パッケージの封着部の健全性を目視により評価した。表14に示したように、本実施例のガラス組成物を用いた封着用ガラスペーストは、低い軟化点に起因して従来よりも低温焼成での封着が可能であった。また、いずれの焼成条件においても、焼成後の封着部に失透や結晶化が発生することもなく良好に気密封止できることが確認された。これは、良好な熱的安定性を有していることを意味する。さらに、本実施例のガラス組成物は、良好な耐湿性(すなわち、化学的安定性)を有していることも別途確認した。
なお、上記の実施例では、電気炉を用いて封着するための焼成を行ったが、本発明はそれに限定されるものではなく、YAGレーザーやサファイヤレーザー等の電磁波を照射して封着部を局所的に加熱する方法も好ましい。これは、本発明に係るガラス組成物に含まれるVイオンが波長1200 nm以下の電磁波を良く吸収する性質を利用したものである。封着箇所を局所的に加熱することにより、熱に弱い素子に対してもガラス封着が可能となる。例えば、有機ELダイオードディスプレイ(OLED Display)や有機太陽電池のように、電気炉による全体加熱が好ましくない電気電子部品に関しては、封着する箇所に塗布した封着用ガラスフリットや封着用ガラスペーストに対して、サファイアレーザー(波長800 nm程度)を照射して封着することができる。また、電磁波照射による局所加熱は、焼成に要する消費エネルギー量を低く抑えることができる利点もある。
加えて、実施例1に記載したAVT-26,29,32,43,46および上記実施例5のAVT-90〜92は、その成分にFe2O3を含んでおり、該成分のFeイオンもマイクロ波のエネルギーを好適に吸収する。そのため、それら本発明に係るガラス組成物は、マイクロ波によっても加熱することができる。マイクロ波加熱により、ガラス組成物全体を短時間で溶融させ封着することが可能であり、温度に対してデリケートな電気電子部品(例えば、OLEDや有機太陽電池)の封着に好適に適用できる。なお、マイクロ波の出力を調整することにより、ガラス相の中に導電性の結晶相を析出させることも可能である。
[実施例6]
本実施例においては、本発明に係る電子部品として太陽電池パネルに適用する場合について検討した。
図6は、太陽電池パネルの1例を示す模式図であり、(a)は受光面の平面模式図、(b)は裏面の平面模式図、(c)は(a)中のA−A線における断面模式図である。以下、図6を参照しながら説明する。
太陽電池パネル60の半導体基板61としては、現在、単結晶シリコン基板または多結晶シリコン基板が最も多く使用されている。シリコンの半導体基板61は、通常、ホウ素等を含有したp型半導体である。受光面側は、太陽光の反射を抑制するためにエッチング等により凹凸が形成される。また、受光面には、リン等のドーピングによりサブミクロンオーダーの厚みでn型半導体の拡散層62が生成されるとともに、拡散層62とp型バルク部分との境界にpn接合部が形成される。さらに、受光面上には、窒化シリコン等の反射防止層63が蒸着法などによって厚さ100 nm程度で形成される。
通常、受光面に形成される受光面電極/配線64および裏面に形成される出力電極/配線66の形成には、ガラス組成物粉末と銀粒子とを含む導電性ガラスペーストが使用され、裏面に形成される集電電極/配線65の形成には、ガラス組成物粉末とアルミニウム粒子とを含む導電性ガラスペーストが使用されている。それぞれの導電性ガラスペーストは、スクリーン印刷法などにて塗布法(例えば、スクリーン印刷、ロールコーター方式、ディスペンサー方式など)によって半導体基板61の表面上に塗布される。
導電性ガラスペーストを乾燥させた後、大気中で焼成され(従来は500〜800℃程度)、それぞれの電極/配線が形成される。このとき、従来の太陽電池パネル60では、焼成温度が高いことから、裏面に形成される集電電極/配線65と出力電極/配線66との重なり部分で合金相が形成され、それに起因した応力集中により半導体基板61にクラックが発生するという問題が起きることがあった。
(太陽電池パネルの作製)
電極/配線の形成に用いる銀含有ガラスペーストは、ガラス組成物粉末としてAVT-01(平均粒径3.0μm以下)を用いて、実施例2と同様に作製した。一方、アルミニウム含有ガラスペーストは、ガラス組成物粉末としてAVT-01(平均粒径3.0μm以下)を用い、アルミニウム粒子として(株)高純度化学研究所製(球状粒子、平均粒径3μm)を用い、樹脂バインダーとしてポリエチレングリコールを用い、溶剤としてα−テルピネオールを用いた。アルミニウム含有ガラスペースト中のガラス組成物粉末の配合比率は、アルミニウム粒子に対して10体積%とした。また、ペースト中の固形分(アルミニウム粒子、ガラス組成物粉末)の配合比率は70質量%とした。
受光面に拡散層62と反射防止層63を形成した半導体基板61を用意した。次に、上記で作製したアルミニウム含有ガラスペーストを用い、図6(b)および図6(c)に示したように半導体基板61の裏面にスクリーン印刷で塗布し、大気中150℃で乾燥させた。次に、上記で作製した銀含有ガラスペーストを用い、図6(a)〜図6(c)に示したように半導体基板61の受光面と上記で集電電極/配線65を形成した裏面に対して、スクリーン印刷で塗布し、大気中150℃で乾燥させた。その後、印刷した半導体基板61に対し大気中350℃で10分間保持する焼成を行った。これにより、受光面電極/配線64と集電電極/配線65と出力電極/配線66とを形成し、本発明に係る太陽電池パネル60を作製した。
また、前記受光面電極/配線64を裏面に配置した裏面電極型(バックコンタクトタイプ)太陽電池パネルも別途作製した。図7は、裏面電極型太陽電池パネルの断面の1例を示す模式図である。裏面電極型太陽電池パネル70の作製は、まず、半導体基板の裏面に拡散層62とパッシベーション膜71を形成し、受光面に反射防止膜63を形成した半導体基板61を用意した。その後、上記と同様の方法で裏面に導電性ガラスペーストを塗布・焼成することで電極/配線72(受光面電極/配線64に相当する電極/配線)と出力電極/配線66とを形成し、裏面電極型太陽電池パネル70を作製した。
上記で作製した太陽電池パネル60に対し、各種の試験評価を行った。受光面では、受光面電極/配線64と半導体基板61とが電気的に接続されていることを確認した。裏面では、半導体基板61と集電電極/配線65および出力電極/配線66との間にオーミックコンタクトが得られていることを確認した。裏面電極型太陽電池パネル70においても、同様に確認した。また、作製した太陽電池パネル60,70における発電効率を試験評価したところ、従来の導電性ガラスペーストを使用した従来の太陽電池パネルと同等以上の発電効率(18.0%)が得られた。
さらに、裏面に形成される集電電極/配線65と出力電極/配線66との重なり部分について調査したところ、合金相は形成されていなかった。これは、本発明に係る太陽電池パネルの焼成温度(350℃)が、従来のそれ(500〜800℃)に対して大幅に低いことから、合金相の形成に至らなかったと考えられた。その結果、合金相の形成により半導体基板61にクラックが発生するという問題が解決される。
上述の実施例では、本発明に係る電気電子部品として水晶振動子と太陽電池パネルを代表として説明したが、本発明はそれらに限定されるものではなく、画像表示デバイス、携帯情報端末、ICパッケージ、積層コンデンサー、LED、多層回路基板などの多くの電気電子部品に適用可能であることは自明である。
31…ガラス組成物粉末、32…金属粒子、33…樹脂バインダー、
34…空隙、35…融解したガラス(液相)、36…ネック、
51…基板、52…配線、53…導電性ガラスペースト、54…水晶振動子、
55…封着用ガラスペースト、56…キャップ、
60…太陽電池パネル、61…半導体基板、62…拡散層、63…反射防止層、
64…受光面電極/配線、65…集電電極/配線、66…出力電極/配線、
70…裏面電極型太陽電池パネル、71…パッシベーション膜、72…電極/配線。

Claims (20)

  1. 無鉛のガラス組成物であって、
    前記ガラス組成物は、主要成分と追加成分とから構成され、それらの名目成分を酸化物で表したときに、
    前記主要成分はAg2OとV2O5とTeO2とからなり、かつ該主要成分の含有率が75質量%以上であり、
    前記追加成分は、前記主要成分以外の成分であり、BaO、WO3、Fe2O3、MnO2、およびSb2O3の内の1種以上を含むことを特徴とするガラス組成物。
  2. 請求項1に記載のガラス組成物において、
    前記追加成分としてP2O5、K2O、MoO3、およびZnOの内の1種以上を更に含むことを特徴とするガラス組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のガラス組成物において、
    前記主要成分が10〜60質量%のAg2Oと、5〜65質量%のV2O5と、15〜50質量%のTeO2とからなることを特徴とするガラス組成物。
  4. 請求項3に記載のガラス組成物において、
    Ag2O含有率がV2O5含有率の2.6倍以下であることを特徴とするガラス組成物。
  5. 請求項4に記載のガラス組成物において、
    Ag2O含有率とV2O5含有率との和が40〜80質量%であることを特徴とするガラス組成物。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のガラス組成物を50〜100体積%含み、
    前記ガラス組成物を構成する酸化物以外の酸化物充填材を0〜50体積%含むことを特徴とする封着用ガラスフリット。
  7. 請求項6に記載の封着用ガラスフリットにおいて、
    前記酸化物充填材が、SiO2、ZrO2、Al2O3、Nb2O5、ZrSiO4、Zr2(WO4)(PO4)2、コージェライト、ムライト、およびユークリプタイトの内の1種以上であることを特徴とする封着用ガラスフリット。
  8. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のガラス組成物と、前記ガラス組成物を構成する酸化物以外の酸化物充填材と、溶剤とを含む封着用ガラスペースト。
  9. 請求項8に記載の封着用ガラスペーストにおいて、
    前記酸化物充填材が、SiO2、ZrO2、Al2O3、Nb2O5、ZrSiO4、Zr2(WO4)(PO4)2、コージェライト、ムライト、およびユークリプタイトの内の1種以上であり、
    前記溶剤が、ブチルカルビトールアセテートまたはα−テルピネオールであり、
    樹脂バインダーとしてニトロセルロースを更に含むことを特徴とする封着用ガラスペースト。
  10. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のガラス組成物と、金属粒子と、前記ガラス組成物を構成する酸化物以外の酸化物充填材と、溶剤とを含む導電性ガラスペースト。
  11. 請求項10に記載の導電性ガラスペーストにおいて、
    前記金属粒子が、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、または銅合金であり、
    前記酸化物充填材が、SiO2、ZrO2、Al2O3、Nb2O5、ZrSiO4、Zr2(WO4)(PO4)2、コージェライト、ムライト、およびユークリプタイトの内の1種以上であり、
    前記溶剤が、ブチルカルビトールアセテートまたはα−テルピネオールであり、
    樹脂バインダーとしてニトロセルロースを更に含むことを特徴とする導電性ガラスペースト。
  12. 請求項10又は請求項11に記載の導電性ガラスペーストにおいて、
    前記金属粒子は、平均粒径が0.5〜10μmであり、球状および/またはフレーク状の形状を有することを特徴とする導電性ガラスペースト。
  13. 請求項10又は請求項11に記載の導電性ガラスペーストにおいて、
    前記金属粒子は、平均粒径が0.5〜3μmの粒子群と、平均粒径が5〜10μmの粒子群との混合物であることを特徴とする導電性ガラスペースト。
  14. 無鉛のガラス相を含む封着部を有する電気電子部品であって、
    前記封着部は50〜100体積%の前記ガラス相を含み、
    前記ガラス相は、主要成分と追加成分とから構成され、それらの名目成分を酸化物で表したときに、
    前記主要成分は、10〜60質量%のAg2Oと、5〜65質量%のV2O5と、15〜50質量%のTeO2とからなり、かつ該主要成分の含有率が75質量%以上であり、
    前記追加成分は、前記主要成分以外の成分であり、BaO、WO3、Fe2O3、MnO2、およびSb2O3の内の1種以上を含むことを特徴とする電気電子部品。
  15. 請求項14に記載の電気電子部品において、
    前記追加成分としてP2O5、K2O、MoO3、およびZnOの内の1種以上を更に含むことを特徴とする電気電子部品。
  16. 無鉛のガラス相と金属粒子とを含む電極/配線を有する電気電子部品であって、
    前記電極/配線は5〜30体積%の前記ガラス相と70〜95体積%の前記金属粒子とを含み、
    前記金属粒子は、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、または銅合金であり、
    前記ガラス相は、主要成分と追加成分とから構成され、それらの名目成分を酸化物で表したときに、
    前記主要成分は、10〜60質量%のAg2Oと、5〜65質量%のV2O5と、15〜50質量%のTeO2とからなり、かつ該主要成分の含有率が75質量%以上であり、
    前記追加成分は、前記主要成分以外の成分であり、BaO、WO3、Fe2O3、MnO2、およびSb2O3の内の1種以上を含むことを特徴とする電気電子部品。
  17. 請求項16に記載の電気電子部品において、
    前記追加成分としてP2O5、K2O、MoO3、およびZnOの内の1種以上を更に含むことを特徴とする電気電子部品。
  18. 請求項16又は請求項17に記載の電気電子部品において、
    前記電極/配線の電気抵抗率が、10-5Ωcm未満であることを特徴とする電気電子部品。
  19. 請求項14乃至請求項18のいずれかに記載の電気電子部品において、
    前記ガラス相中でAg2O含有率がV2O5含有率の2.6倍以下であることを特徴とする電気電子部品。
  20. 請求項19に記載の電気電子部品において、
    Ag2O含有率とV2O5含有率との和が40〜80質量%であることを特徴とする電気電子部品。
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