JP5546074B2 - 導電性ペースト及びそれを用いた電極配線を具備する電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、電極配線形成用の導電性ペーストに係わり、特に酸化雰囲気中で焼成しても電極配線が酸化劣化しない導電性ペースト及びそれを用いた電極配線を具備する電子部品に関する。
太陽電池パネル、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)パネル等の電子部品には、パネルの略全面にわたって電極配線が形成されている。そのような電極配線は、金属粒子とガラス粉末と樹脂バインダーと溶剤とを含む導電性ペーストをガラス基板やシリコン基板上に塗布し、電気炉やレーザー等を用いて焼成することによって形成される。このとき、導電性ペースト中のガラス粉末の軟化点以上に加熱することで、該ガラス粉末が軟化流動し緻密な電極配線が形成されるとともに、ガラス基板やシリコン基板等に強固に密着する。
例えば、太陽電池パネル、PDP等の電子部品は、その製造工程において、大気中などの酸化雰囲気中で600〜800℃程度の高温焼成が行われている。このため、電極配線としては、この焼成プロセスでも酸化しない銀電極配線が多く用いられている。銀は、電気的性質に優れ信頼性が高く、酸化雰囲気中でも容易に電極配線を形成できる利点を有するが、材料コストが高いことやマイグレーションが生じやすい等の問題点を有する。
一方、大規模集積回路(LSI)やLCDパネル等の電子部品では、その製造工程中の熱処理において強い酸化雰囲気に晒されないため、電極配線材料としてしばしば純銅やアルミニウムが用いられている。銅やアルミニウムも電気的性質に優れ、かつ材料コストに関しては銀に比して圧倒的に低いという利点がある。しかしながら、酸化雰囲気下の熱処理において酸化しやすいという問題があり、電極配線材料としての利用に制約があった。
これに対し、銅やアルミニウムを導電成分として使用した導電性ペーストを酸化雰囲気中で焼成可能とするために、何かしらの酸化防止処理を施すことが提案されている。例えば、特許文献1(特開2000−36220号公報)では、銅粉末とガラスフリットとを含有し、ガラスフリットの主成分として酸化ホウ素(B2O3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、及び燐酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含有する導電性ペーストが開示されている。
特許文献2(特開2008−159917号公報)では、Alを主に含有する金属粉末と280〜430℃の範囲内にガラス転移点を有するガラス粉末とを含む光電変換素子用導電性ペーストが開示されている。また、特許文献2の導電性ペーストは、ガラス粉末のうちのPbOが占める重量比率が70%以上であり、ガラス粉末がSiO2、B2O3、Bi2O3、ZnOのうちのいずれか1種以上の酸化物を含むことが開示されている。
特許文献3(特開2007−070127号公報)では、画像表示装置の表示パネルにおけるスペーサを固定するためのPbフリーの導電性接合材を提供することを目的として、バナジウム、ニオブ、タングステン、モリブデン、鉄の少なくともいずれかの元素を含むリン酸系ガラスと、銀または銅の金属粒子を含む導電部材であって、前記任意の一の元素が2種類の価数の元素で構成される導電部材が開示されている。また、特許文献3の導電部材では、銀または銅の金属粒子の配合比が10体積%以上50体積%以下であるとしている。
特開2000−36220号公報 特開2008−159917号公報 特開2007−070127号公報
特許文献1に記載の導電性ペーストは、中性雰囲気で焼成した場合に限らず、弱酸化性雰囲気中で焼成した場合にも銅粉末の酸化を防止することが可能になるとされている。しかしながら、大気中での高温焼成のように酸化性の強い雰囲気中においては、特許文献1の導電性ペーストは銅粉末の酸化を防止することが困難であると考えられる。
一方、電気電子機器業界では、近年、世界的にグリーン調達・グリーン設計の流れが強く、より安全な材料が望まれている。例えば、欧州においては、電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての欧州連合(EU)による指令(RoHS指令)が施行されている。これに対し、特許文献2に記載の導電性ペーストは、ガラス粉末中にPbOが含まれることからRoHS指令に対応できない問題がある。
特許文献3に記載の導電部材は、鉛(Pb)フリーであることからRoHS指令に対応できるとともに、比較的少量の金属粒子を混合することにより、ガラスの濡れ性を維持しつつ良好な電気伝導特性を得られる効果があるとされている。しかしながら、ガラス粉末中における遷移金属の酸化数による導電機構や金属粒子の防食機構には特段の配慮がされておらず、導電部材中の金属粒子が酸化されてしまう場合があった。
以上の背景技術を鑑み、製造工程において大気中などの酸化雰囲気中で高温焼成(例えば、600〜800℃程度)が行われる電子部品の電極配線材料として、従来の銀粒子と同等に銅粒子やアルミニウム粒子を利用できるようにするためには、これまで以上の対策が必要である。従って、本発明の目的は、酸化雰囲気中の高温プロセスに耐え得る耐酸化性を有する導電性ペースト及びそれを用いた電極配線を具備する電子部品を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、遷移金属とリンを含有する導電性ガラス相と金属粒子とを含みRoHS指令の禁止物質を含まない電極配線を具備する電子部品であって、
前記導電性ガラス相中の前記遷移金属は複数の酸化数状態で存在し、前記遷移金属で最も高い酸化数状態を呈している原子の存在割合が下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする電子部品を提供する。
Figure 0005546074
ここで、{ }は括弧内のイオンまたは原子の測定濃度(単位:mol/L)を意味する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、導電性ガラス相と金属粒子とを含みRoHS指令の禁止物質を含まない電極配線を具備する電子部品であって、
前記導電性ガラス相はバナジウムとリンとを主成分として含みかつ含有成分の酸化物換算における質量比率が下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする電子部品を提供する。
Figure 0005546074
ここで、[ ]は括弧内の酸化物に換算した質量比率(単位:質量%)を意味する。
なお、本発明におけるRoHS指令の禁止物質は、EU(欧州連合)が2006年7月1日に施行した有害物質規制によるものと定義する。また、上記「RoHS指令の禁止物質を含まない」とは、該RoHS指令における禁止物質を指定値以下の範囲で含有することを容認するものとする。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記の本発明に係る電子部品に対して以下のような改良や変更を加えることができる。
(1)前記金属粒子は、銀、銅、アルミニウム、またはそれらの1つを主成分とする合金からなる。
(2)前記電極配線は、前記金属粒子が90.0体積%以上99.7体積%以下で、前記導電性ガラス相が0.3体積%以上10.0体積%以下である。
(3)前記金属粒子は、粒径が0.5μm以上1.5μm未満の範囲内に約95%の体積分率を有する第1の粒子群と、粒径が1.5μm以上8μm未満の範囲内に約95%の体積分率を有する第2の粒子群とから構成されている。
(4)前記金属粒子は球状粒子と板状粒子とを含む。
(5)電極配線は前記金属粒子同士が焼結している。
(6)前記電子部品が太陽電池パネル、プラズマディスプレイパネル、セラミック実装基板である。
(7)前記電子部品が太陽電池パネルであり、前記導電性ガラス相のガラス転移点が400℃以上520℃以下である。
また、本発明は、上記目的を達成するため、遷移金属とリンを含有する導電性ガラス粒子と金属粒子とバインダー樹脂と溶剤とを含みRoHS指令の禁止物質を含まない導電性ペーストであって、
前記導電性ガラス粒子中の前記遷移金属は複数の酸化数状態で存在し、前記遷移金属で最も高い酸化数状態を呈している原子の存在割合が下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする導電性ペーストを提供する。
Figure 0005546074
ここで、{ }は括弧内のイオンまたは原子の測定濃度(単位:mol/L)を意味する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、導電性ガラス粒子と金属粒子とバインダー樹脂と溶剤とを含みRoHS指令の禁止物質を含まない導電性ペーストであって、
前記導電性ガラス粒子はバナジウムとリンとを主成分として含みかつ含有成分の酸化物換算における質量比率が下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする導電性ペーストを提供する。
Figure 0005546074
ここで、[ ]は括弧内の酸化物に換算した質量比率(単位:質量%)を意味する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記の本発明に係る導電性ペーストに対して以下のような改良や変更を加えることができる。
(8)前記導電性ガラス粒子にバリウムが含まれる。
(9)前記金属粒子は、銀、銅、アルミニウム、またはそれらの1つを主成分とする合金からなる。
(10)前記金属粒子は、粒径が0.5μm以上1.5μm未満の範囲内に約95%の体積分率を有する第1の粒子群と、粒径が1.5μm以上8μm未満の範囲内に約95%の体積分率を有する第2の粒子群とから構成されている。
(11)前記金属粒子は球状粒子と板状粒子とを含む。
本願発明によれば、電極配線を具備する電子部品(例えば、太陽電池パネル、プラズマディスプレイパネル(PDP)、セラミック多層基板、大規模集積回路(LSI)等)において、該電極配線に対して耐酸化性を付与できる。それにより、電子部品の製造工程において、大気中などの酸化雰囲気中で高温焼成(例えば、600〜800℃程度)が行われても電極配線が酸化されず、電極配線の低抵抗化が可能である。また、電極配線材料として銅粒子やアルミニウム粒子などの安価な金属粒子が利用可能となり、低コストで電極配線の形成が可能(すなわち、低コストな電子部品の提供が可能)となる。
形成した電極配線の微細構造の代表的なSEM観察像を示す模式図である。 ガラス試料No.9の導電性ガラスを用いて形成した電極配線の比抵抗と焼成温度との関係を示すグラフである。 電極配線の比抵抗と導電性ガラスの体積分率との関係を示すグラフである。 平均粒径の異なる金属粒子の配合割合と電極配線の比抵抗との関係を示すグラフである。 粒子形状の異なる金属粒子の配合割合と電極配線の比抵抗との関係を示すグラフである。 太陽電池パネルの受光面の1例を示す平面模式図である。 太陽電池パネルの裏面の1例を示す平面模式図である。 図6(a)中のA−A線における断面模式図である。 裏面電極型太陽電池パネルの断面の1例を示す模式図である。 導電性ガラスの転移点と半導体基板の反り量との関係を示すグラフである。 プラズマディスプレイパネルの1例を示す断面模式図である。 LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)の多層配線基板(5層)の焼成前の構造例を示す断面模式図である。 本発明に係る多層配線基板を焼成する温度スケジュールの1例である。 ガラス組成物のDTA測定で得られるDTAカーブの1例である。
以下、本発明に係る実施形態を具体的な実施例に基づいて説明する。ただし、本発明はここで取り上げた実施例に限定されることはなく、適宜組み合わせてもよい。
(導電性ガラス粒子の作製)
後述する表1に示す組成を有する導電性ガラス粒子(ガラス試料No.1〜38)を作製した。表1の組成は、各成分の酸化物換算における質量比率で表示してある。これら導電性ガラスは、RoHS指令の禁止物質である鉛(Pb)を含まず、バナジウム(V)、リン(P)およびバリウム(Ba)を主成分とした組成を有する。原料化合物としては、五酸化バナジウム(V2O5)、五酸化リン(P2O5)、炭酸バリウム(BaCO3)、炭酸リチウム(Li2CO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、三酸化アンチモン(Sb2O3)、二酸化マンガン(MnO2)、三酸化二鉄(Fe2O3)、三酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、三酸化タングステン(WO3)、二酸化テルル(TeO2)、酸化銅(CuO)、三酸化モリブデン(MoO3)、酸化ホウ素(B2O3)を用いた。なお、バリウムの原料としてリン酸バリウム(Ba(PO3)2)を用いた場合には、P2O5の量を調整する。また、アンチモンの原料として四酸化アンチモン(Sb2O4)を用いてもよく、マンガンや鉄の原料として酸化マンガン(MnO)、酸化鉄(FeO)、四酸化三鉄(Fe3O4)などを用いてもよい。
導電性ガラス粒子の作製は以下の手順で行った。原料化合物を表1の組成となるように配合・混合した混合粉末を白金ルツボに入れ、電気炉を用いて1000〜1100℃まで加熱し2時間保持した。保持中は均一なガラスとするために攪拌した。次に、白金ルツボを電気炉から取り出し、予め200〜300℃に加熱しておいたステンレス板上に流し込んだ。その後、スタンプミルを用い粉砕して導電性ガラスの粉末を作製した。また、比較例1として市販のPb系ガラス、比較例2として市販のBi系ガラスを別途用意した。
Figure 0005546074
(導電性ペーストの作製)
導電性ペーストに含有させる金属粒子として、銅92質量%−アルミニウム8質量%の合金粒子を用意した。該組成となるように混合した原料を溶融し、水アトマイズ法によって92Cu−8Al合金の球状粒子を合成した。この水アトマイズ法で得られた合金粒子をフルイ(目開き8μm)によって分級し、粒径8μm未満の(粒径8μm以上を除去した)球状金属粒子を用意した。
上記の球状金属粒子が90体積%、表1の組成を有する導電性ガラス粉末が10体積%となるように混合した粉末に、さらにバインダー樹脂と溶剤とを添加・混錬して導電性ペーストを作製した。バインダー樹脂にはエチルセルロースを用い、溶剤にはブチルカルビトールアセテートを用いた。
(電極配線の形成)
太陽電池パネル等に用いられる多結晶シリコン基板上に、上記で作製した導電性ペーストをスクリーン印刷法にてそれぞれ塗布した。塗布後、150℃で数分間乾燥した後、大気中700〜800℃の焼成温度で数秒間〜数十分間の熱処理を施して電極配線を形成した。各焼成塗膜(各電極配線)の膜厚は、約20μmであった。
(導電性ガラスの特性温度測定)
作製した導電性ガラスの特性温度は、次のようにして測定した。示差熱分析(DTA)装置(真空理工株式会社製、型式:DT-1500)を用いて、標準試料をα−アルミナとし、標準試料と供試材の質量をそれぞれ1gとし、大気雰囲気中で昇温速度を5℃/minとして測定した。図12は、ガラス組成物のDTA測定で得られるDTAカーブの1例である。図12に示すように、DTAカーブにおける第1吸熱ピークの開始温度(接線法による温度)をガラス組成物の転移点と定義し、該第1吸熱ピークのピーク温度(接線法による温度)をガラス組成物の屈伏点と定義し、第2吸熱ピークのピーク温度(接線法による温度)をガラス組成物の軟化点と定義した。軟化点の測定結果を表1に併記する。なお、転移点と屈伏点の測定結果は、後述する表5に記載した。
(電極配線の比抵抗測定)
上記で形成した電極配線の比抵抗は、室温で通常の四端子法により測定した。測定した比抵抗が、1×10−4Ω・cm未満の場合には「◎」、1×10−4Ω・cm以上1×10−3Ω・cm未満の場合には「○」、1×10−3Ω・cm以上1×10−2Ω・cm未満の場合には「△」、1×10−2Ω・cm以上の場合は電極配線としての使用が困難であるため「×」と評価した。測定結果を表1に併記する。
(導電性ガラス中のイオン分率の測定)
導電性ガラス中の遷移金属の酸化数状態を調べるために、作製した導電性ガラス中の遷移金属をJIS-G1221、JIS-G1220、JIS-G1218、JIS-H1353、およびJIS-G1213に準じて酸化還元滴定法にて測定した。各測定により得られる5価のバナジウム(V5+)、6価のタングステン(W6+)、6価のモリブデン(Mo6+)、3価の鉄(Fe3+)、および4価のマンガン(Mn4+)の各濃度の総和を測定試料中のバナジウム、タングステン、モリブデン、鉄、およびマンガンの各濃度の総和で除して、各遷移金属で最も高い酸化数状態を呈している原子の存在割合(以下、イオン分率と称す)を求めた。なお、イオン分率を式で表記すると下記式(1’)のように定義される。
Figure 0005546074
ここで、{ }は括弧内のイオンまたは原子の測定濃度(単位:mol/L)を意味する。
(考察)
表1に示した結果に基づき、配線電極の比抵抗が「◎」または「○」となった導電性ガラスに関して考察した。その結果、比抵抗が「◎」または「○」であった配線電極は、いずれも混合した金属粒子が酸化した様子は見られず、良好な耐酸化性効果を有していることが確認された。
また、配線電極の比抵抗と上記イオン分率との関係を調べたところ、良好な比抵抗(「◎」または「○」)を示した配線電極に用いたガラス組成物は下記式(1)の関係を満たしていることを見出した。
Figure 0005546074
なお、より好ましくは「イオン分率>0.55」であり、更に好ましくは「イオン分率>0.6」である。
また、配線電極の比抵抗と上記イオン分率との関係を調べたところ、良好な比抵抗(「◎」または「○」)を示した配線電極に用いたガラス組成物は、含有成分が酸化物換算の質量比率において下記式(2)の関係を満たしていることを見出した。
Figure 0005546074
ここで、[ ]は括弧内の酸化物に換算した質量比率(単位:質量%)を意味する。
なお、上記式(2)が成立する範囲であっても、重金属元素であるテルルやアルカリ金属元素であるリチウム、ナトリウム、カリウムを含有する導電性ガラスを使用した場合では、配線電極の比抵抗が増大することがあった。詳細に検討した結果、テルル成分の含有量は酸化物換算で5質量%以下が望ましく、ナトリウム成分とカリウム成分の含有量は酸化物換算で合計5質量%以下が望ましく、リチウム成分の含有量は酸化物換算で2質量%以下が望ましいことが判った。さらに、これらの導電性ガラスはバリウム成分を多めに含有させる(例えば、酸化バリウム換算で15質量%以上含有させる)ことで、ガラスの化学的安定性を向上させられることが判った。
また、ガラス試料No. 36〜38に示したように、バナジウムを含有しないタングステン−リン系導電性ガラス、モリブデン−リン系導電性ガラス、タングステン−鉄−リン系ガラス導電性ガラスのいずれにおいても良好な比抵抗が得られた。これは、金属粒子の耐酸化性効果をもたらす導電性ガラスはバナジウム−リン系に限ったものではなく、電子伝導性を有するタングステン−リン系ガラス、モリブデン−リン系ガラスおよびタングステン−鉄−リン系ガラスであっても良いことを示している。
走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析装置(SEM−EDX)を用いて形成した各電極配線の微細構造を観察した。図1は、形成した電極配線の微細構造の代表的なSEM観察像を示す模式図である。図1に示すように、良好な比抵抗特性を示した電極配線10は、金属粒子11の表面が導電性ガラス相12で一様に濡れており緻密に焼成されていた。
本発明は、導電性ガラスに含まれる遷移金属が、該ガラス相中において複数の酸化数状態で存在し、最も高い酸化数状態を呈している前記遷移金属原子の存在割合がそれ以外の酸化数状態を呈している前記遷移金属原子の存在割合よりも大きいことを特徴とする。例えば、バナジウム−リン系導電性ガラスにおいては、ガラス相中に含まれるV5+の存在割合がV4+の存在割合よりも多いことが特徴であり、それにより電子のホッピング伝導による電子伝導性と金属粒子に対する防食性(耐酸化性)を有する。
一方、前記式(1)が成立しない場合には、形成した電極配線において金属粒子の酸化が進行していることが確認された。これについては、次のように考えることができる。電極配線におけるガラス相において、前記式(1)が成立しない場合においても該ガラス相は電子伝導性を有するが、伝導に寄与する正孔の数が前記式(1)が成立する場合に比して増加する。ガラス相中の正孔が増加すると、正孔と金属粒子中の電子とが会合し、金属粒子がイオン化するため酸化が促進されてしまうと考えられる。また、この現象は高温で焼成した時ほど顕著に現れた。これは、ガラス相中での電子および正孔のキャリア移動度が高温で増加したためと考えられる。
また、比較例1および比較例2を用いた電極配線においては、混合した92Cu−8Al合金の金属粒子が酸化されるとともに、該粒子の粒界近傍にガラス相中のPb成分やBi成分の金属が還元され、金属状で析出していた。その結果、電極配線の比抵抗は良好なものにならなかった。
(導電性ペーストの作製)
導電性ペーストに含有させる金属粒子として、平均粒径約3μmの純アルミニウム粉末を用意した。この金属粒子が99.5体積%、実施例1で良好な結果が得られたガラス試料No.9の導電性ガラス粉末が0.5体積%となるように混合した粉末に、さらにバインダー樹脂と溶剤とを添加・混錬して導電性ペーストを作製した。実施例1と同様に、バインダー樹脂にはエチルセルロースを用い、溶剤にはブチルカルビトールアセテートを用いた。また、ガラス粉末として比較例1、比較例2を用いた導電性ペーストも併せて作製した。
(電極配線の形成および比抵抗の測定)
電極配線の形成は、実施例1と同様の手順で行った。このとき、焼成温度が異なる電極配線を作製した。作製した電極配線に対し、室温で通常の四端子法により比抵抗を測定した。
(結果と考察)
図2は、ガラス試料No.9の導電性ガラスを用いて形成した電極配線の比抵抗と焼成温度との関係を示すグラフである。図2から判るように、いずれの焼成温度においても1×10−4Ω・cm未満の比抵抗が得られ、特に740℃以上では5×10−6Ω・cm未満の非常に小さい比抵抗を示した。また、形成した電極配線に対して、X線回折測定(XRD)およびSEM−EDX分析を行ったところ、どの焼成温度においても電極配線は、図1と同様に緻密に焼結されており、バナジウムに由来する結晶相の析出やバナジウムの局所的な偏析は確認されなかった。
また、比較例1および比較例2を用いた電極配線においては、混合した純アルミニウムの金属粒子が酸化されるとともに、該粒子の粒界近傍にガラス相中のPb成分やBi成分の金属が還元され、金属状で析出していた。その結果、電極配線の比抵抗は良好なものにならなかった。
以上示したように、本発明は、導電性ペーストに混合する金属粒子材料として酸化し易い卑金属である純アルミニウムを使用し酸化雰囲気中で焼成した場合でも、電極配線の形成にあたって該金属粒子の酸化を防止することができ、比抵抗の小さい電極配線を形成できる。これは、導電性ペースト作製の際に、混合する金属粒子材料に特段の制限を課す必要がなく、電子部品の用途に応じて種々の金属粒子材料が利用可能であることを意味する。
[電極配線中の金属粒子と導電性ペーストとの体積分率に関する検討]
次に、電極配線中の金属粒子と導電性ペーストとの体積分率について検討した。実施例2と同じ純アルミニウム粉末とガラス試料No.9の導電性ガラス粉末とを用いて表2に示す体積分率で混合し、さらに実施例1と同じバインダー樹脂と溶剤とを添加・混錬して導電性ペースト(試料No. A1〜A9)を作製した。作製した導電性ペーストを用い、実施例1と同様の条件で電極配線を形成した。
形成した電極配線の接着の強さをピール試験にて評価した。ピール試験は、市販のセロハンテープを形成した電極配線に付着させ引き剥がし試験で評価した。評価基準としては、アルミニウム粒子がほとんど全て剥がれたものを「×」とし、アルミニウム粒子の一部が剥がれ電極配線の一部が断線状態となったものを「△」とし、アルミニウム粒子が前記セロハンテープに薄く付着したが電極配線は断線状態にならなかったものを「○」とし、全く剥がれなかったものを「◎」と表記した。ピール試験結果を表2に併記する。
Figure 0005546074
表2から判るように、導電性ガラスの量は0.3体積%以上(すなわち、金属粒子の量は99.7体積%以上)で混合することが望ましい。より好ましくは導電性ガラスの量が0.5体積%以上であり、さらに好ましくは8体積%以上である。
また、形成した電極配線の比抵抗を実施例1と同様に測定した。図3は、電極配線の比抵抗と導電性ガラスの体積分率との関係を示すグラフである。図3に示したように、混合する導電性ガラスの体積分率が12体積%以下であれば電極配線として良好な比抵抗が得られた。すなわち、電極配線中の金属粒子の体積分率が88体積%以上99.7体積%以下、導電性ガラス相の体積分率が0.3体積%以上12体積%以下であるとき、電極配線として良好な特性(小さい比抵抗)が得られることが判った。
[電極配線中の金属粒子の粒径に関する検討]
次に、電極配線中の金属粒子の粒径について検討した。まず、実施例1と同じ銅−アルミニウム合金粉末(92Cu−8Al粉末、粒径8μm未満)を用意し、該粉末に対してフルイ(目開き1.5μm)を用いて分級し、粒径1.5μm未満の(粒径1.5μm以上を除去した)球状金属粒子(以下、第1の粒子群と称す)と粒径1.5μm以上8μm未満の球状金属粒子(以下、第2の粒子群と称す)とを準備した。
分級した第1の粒子群と第2の粒子群のそれぞれに対して、レーザー回折式粒度分布計(日機装株式会社製、型式:MT3300、溶媒屈折率:1.333)を用いて粒度測定を行った。その結果、第1の粒子群は、粒径0.5μm以上1.5μm未満の範囲内に約95%の体積分率を有し、平均粒径が約1μmであった。また、第2の粒子群は、粒径1.5μm以上8μm未満の範囲内に約95%の体積分率を有し、平均粒径が約5μmであった。
第1の粒子群と第2の粒子群とを表3に示す配合割合(単位:質量%)で混合し、さらに実施例1と同様に、金属粒子が90体積%でガラス試料No.9の導電性ガラス粉末が10体積%となるように混合した粉末に、バインダー樹脂と溶剤とを添加・混錬して導電性ペースト(試料No. B1〜B5)を作製した。作製した導電性ペーストを用い、実施例1と同様の条件で電極配線を形成した。
Figure 0005546074
(結果と考察)
形成した電極配線に対して、X線回折測定(XRD)およびSEM−EDX分析を行ったところ、どの電極配線も図1と同様に緻密に焼結されており、バナジウムに由来する結晶相の析出やバナジウムの局所的な偏析は確認されなかった。なお、試料No. B2〜B4の電極配線の微細構造は、他の試料(試料No. B1,B5)の微細構造よりも金属粒子がより密に詰まっているように観察された。
形成した電極配線の比抵抗を実施例1と同様にして測定した。図4は、平均粒径の異なる金属粒子の配合割合と電極配線の比抵抗との関係を示すグラフである。図4から判るように、いずれの配合割合においても1×10−4Ω・cm未満の良好な比抵抗が得られたが、特に第1の粒子群の配合割合が15〜90質量%(第2の粒子群の配合割合が85〜10質量%)の範囲内において5×10−5Ω・cm以下の非常に小さい比抵抗を示した。また、第1の粒子群の配合割合が25〜75質量%(第2の粒子群の配合割合が75〜25質量%)の範囲内においては、更に小さい比抵抗を示すことからより好ましいと言える。
本実施例から、平均粒径の異なる金属粒子の群を組み合わせて用いた導電性ペーストおよびそれによって形成された電極配線は、単独の粒子群のみを用いたものよりも電極配線の比抵抗を小さくできることが明らかになった。
[電極配線中の金属粒子の形状に関する検討]
電極配線中の金属粒子の形状について検討した。まず、実施例4と同様にして銅−アルミニウム合金粉末(92Cu−8Al粉末、粒径8μm未満)を用意し、該粉末に対してフルイ(目開き1.5μm)を用いて分級し、粒径1.5μm未満の(粒径1.5μm以上を除去した)球状金属粒子(第1の粒子群)を準備した。次に、第1の粒子群を2つに分け、その一方に対し有機溶媒を分散媒としたボールミル処理を施して板状金属粒子を形成した。その後、この板状金属粒子の表面清浄化と熱的安定性の確保を目的として、還元雰囲気中で700℃のアニール処理を行い第3の粒子群を準備した。
第1の粒子群と第3の粒子群とを表4に示す配合割合(単位:質量%)で混合し、さらに実施例1と同様に、金属粒子が90体積%でガラス試料No.9の導電性ガラス粉末が10体積%となるように混合した粉末に、バインダー樹脂と溶剤とを添加・混錬して導電性ペースト(試料No. C1〜C5)を作製した。作製した導電性ペーストを用い、実施例1と同様の条件で電極配線を形成した。
Figure 0005546074
(結果と考察)
形成した電極配線に対して、X線回折測定(XRD)およびSEM−EDX分析を行ったところ、どの電極配線も図1と同様に緻密に焼結されており、バナジウムに由来する結晶相の析出やバナジウムの局所的な偏析は確認されなかった。なお、試料No. C1〜C3の電極配線の微細構造は、他の試料(試料No. C4〜C5)の微細構造よりも金属粒子がより密に詰まっているように観察された。
形成した電極配線の比抵抗を実施例1と同様にして測定した。図5は、粒子形状の異なる金属粒子の配合割合と電極配線の比抵抗との関係を示すグラフである。図5から判るように、いずれの配合割合においても1×10−4Ω・cm未満の良好な比抵抗が得られたが、特に第3の粒子群の配合割合が50質量%以上(第1の粒子群の配合割合が50質量%以下)の範囲内において5×10−5Ω・cm以下の非常に小さい比抵抗を示した。また、第3の粒子群の配合割合が75質量%以上(第1の粒子群の配合割合が25質量%以下)の範囲内においては、更に小さい比抵抗を示すことからより好ましいと言える。
本実施例から、導電性ペーストおよびそれによって形成された電極配線に含有させる金属粒子の形状としては、球状粒子のみを用いたものよりも球状粒子と板状粒子との混合あるいは板状粒子のみを用いた方が電極配線の比抵抗を小さくできることが明らかになった。
[太陽電池パネルへの適用に関する検討]
本実施例では、本発明に係る電子部品として太陽電池パネルへ適用した例について説明する。図6は、太陽電池パネルの1例を示す模式図であり、(a)は受光面の平面模式図、(b)は裏面の平面模式図、(c)は(a)中のA−A線における断面模式図である。以下、図6を参照しながら説明する。
太陽電池パネル60の半導体基板61には、通常、単結晶シリコン基板または多結晶シリコン基板などが使用される。この半導体基板61は、ホウ素等を含有しp型半導体となる。受光面側は、太陽光の反射を抑制するためにエッチング等により凹凸が形成される。また、受光面には、リン等をドーピングしサブミクロンオーダーの厚みでn型半導体の拡散層62を生成させるとともに、p型バルク部分との境界にpn接合部を形成する。さらに、受光面上には、窒化シリコン等の反射防止層63が蒸着法などによって厚さ100 nm程度で形成される。
次に、受光面に形成される受光面電極配線64と、裏面に形成される集電電極配線65および出力電極配線66の形成について説明する。通常、受光面電極配線64および出力電極配線66の形成には、ガラス粉末と銀粒子とを含む導電性ペーストが使用され、集電電極配線65の形成には、ガラス粉末とアルミニウム粒子とを含む導電性ペーストが使用されている。それぞれの導電性ペーストは、スクリーン印刷法などにて半導体基板61の表面上に塗布される。
導電性ペーストを乾燥させた後、大気中500〜800℃程度で焼成され、それぞれの電極配線が形成される。その際、受光面では、受光面電極配線64に含まれるガラス組成物と反射防止層63とが反応して、受光面電極配線64と拡散層62との電気的接続が形成される。また、裏面では、集電電極配線65中のアルミニウム成分が半導体基板61の裏面内部に拡散して、裏面表層領域に電極成分拡散層67を形成する。電極成分拡散層67が形成されることにより、半導体基板61と集電電極配線65および出力電極配線66との間でオーミックコンタクトを得ることができる。
なお、太陽電池パネルにおいては、集電電極配線の主導電材として従来からアルミニウム粒子が使用されていたが、上述したように大気中で焼成するためにアルミニウムの表層領域が酸化され、電気抵抗が増大し易いという問題があった。また、従来の低融点ガラスである鉛系やビスマス系のガラス組成物とアルミニウム粒子とを含む導電性ペーストを焼成する場合、ガラス中の鉛成分やビスマス成分が還元され、アルミニウム粒子の間などに鉛やビスマスの金属粒子として偏析することがあった。この場合、該偏析粒子がアルミニウム粒子同士の融合を阻害する等の要因により、集電電極配線の電気抵抗が増大し易いという問題があった。
(太陽電池パネルの作製)
本発明に係る太陽電池パネルを作製した。まず、受光面に拡散層62と反射防止層63を形成した半導体基板61を用意した。次に、実施例3で検討した試料No. A4の導電性ペーストを用い、図6(b)および図6(c)に示したように半導体基板61の裏面にスクリーン印刷で塗布し、乾燥後、赤外線急速加熱炉にて大気中で600℃まで加熱した。600℃での保持時間は3分間とした。これにより、半導体基板61の裏面に集電電極配線65を形成した。
次に、実施例4で検討した試料No. B3の導電性ペーストを用い、図6(a)〜図6(c)に示したように半導体基板61の受光面と上記で集電電極配線65を形成した裏面に対して、スクリーン印刷で塗布し、乾燥した後に赤外線急速加熱炉にて大気中で750℃まで加熱した。750℃での保持時間は1分間とした。これにより、受光面電極配線64と出力電極配線66とを形成した。
また、上記と同様の手順で、焼成条件のみを大気中800℃で3秒間保持する条件に変更した太陽電池パネルを別途作製した。
また、前記受光面電極配線64を裏面に配置した裏面電極型(バックコンタクトタイプ)太陽電池パネルも別途作製した。図7は、裏面電極型太陽電池パネルの断面の1例を示す模式図である。裏面電極型太陽電池パネルの作製は、まず、半導体基板の裏面に拡散層62,67とパッシベーション膜68を形成し、受光面に反射防止膜63を形成した半導体基板61を用意した。その後、上記と同様の方法で裏面に導電性ペーストを塗布・焼成することで電極配線64’(受光面電極配線64に相当する電極配線)と出力電極配線66とを形成し、裏面電極型太陽電池パネル70を作製した。
(太陽電池パネルの試験評価)
上記で作製した太陽電池パネルに対し、各種の試験評価を行った。いずれの太陽電池パネルとも、受光面では、受光面電極配線64と半導体基板61とが電気的に接続されていることを確認した。また、裏面では、電極成分拡散層67が形成され、半導体基板61と集電電極配線65および出力電極配線66との間にオーミックコンタクトが得られていることを確認した。裏面電極型太陽電池パネルにおいても、同様に確認した。
次に、作製した太陽電池パネルに対し、温度85℃、相対湿度85%の高温高湿試験を1000時間実施した。その結果、電極配線の配線抵抗や半導体基板との接触抵抗が大きくなるようなことはなかった。さらに、作製した太陽電池パネルにおける発電効率を試験評価したところ、電極配線としてPb系ガラス相と銀粒子を使用した従来の太陽電池パネルと同等以上の発電効率が得られた。
以上のことから、本発明に係る導電性ペーストは、酸化雰囲気中の高温プロセスに耐え得る耐酸化性を有し、種々の太陽電池パネル構造に見合った熱処理条件を適宜選択することが可能であると言える。また、本発明に係る電子部品は、従来の高価な銀電極配線の代替として安価な銅電極配線やアルミニウム電極配線を利用できることから、コスト低減にも貢献することができる。さらに、本発明に係る導電性ペーストにより形成された電極配線は、RoHS指令の禁止物質(例えばPb等)を含まないことから、環境保護に対しても貢献することができる。
[太陽電池パネルの反りに関する検討]
本実施例では、太陽電池パネルの裏面に形成する集電電極配線65と半導体基板61の反りとの関係について検討した。集電電極配線65を形成するための導電性ペーストに含有させる金属粒子には、平均粒径が約3μmの純アルミニウム粉末を用いた。また、該導電性ペーストに含有させる導電性ガラス粉末としては、実施例1において比抵抗の測定結果が「◎」または「○」であったものを用いた。用いた導電性ガラスの特性温度を表5に示す。なお、導電性ガラスの特性温度の測定は、実施例1で行った。
Figure 0005546074
集電電極配線65用の導電性ペーストは、金属粒子が99.5体積%、導電性ガラス粉末が0.5体積%となるように混合した粉末に、さらにバインダー樹脂と溶剤とを添加・混錬して作製した。バインダー樹脂と溶剤は、実施例1と同じものを用いた。太陽電池の作製方法は、実施例6と同様に実施した。
作製した太陽電池パネルに対して、半導体基板61の反り量を測定した。半導体基板61の反り量は、太陽電池パネル60を水平面に設置した場合に該水平面から半導体基板61の最高部までの高さを測定することで評価した。なお、半導体基板61の寸法は、150 mm×150 mm×160μmのものを用いた。また、作製した太陽電池パネルの発電効率を試験評価した。
(結果と考察)
図8は、導電性ガラスの転移点と半導体基板の反り量との関係を示すグラフである。図8に示したように、導電性ガラスの転移点が上昇するにつれて半導体基板61の反り量が小さくなることが判明した。ここで、太陽電池パネルにおいて、一般的に半導体基板の許容反り量は2mm程度と言われている。従って、図8の結果を勘案すると、集電電極配線用の導電性ペーストに用いる導電性ガラスの転移点は、400℃以上が好ましいと言える。
また、表5および図8には示していないが、転移点が520℃を超える導電性ガラスを用いた場合、集電電極配線と半導体基板との密着性が良好でなく、それらが剥離してしまう問題があった。以上のことから、集電電極配線用の導電性ペーストに用いる導電性ガラスの転移点は、400℃以上520℃以下が好ましい。
一方、太陽電池パネルの発電効率に関しても、半導体基板の反り量が小さいほど発電効率が高かった。すなわち、発電効率の観点においても、集電電極配線用の導電性ペーストに用いる導電性ガラスの転移点は、400℃以上520℃以下が好ましいと言える。
[プラズマディスプレイパネルへの適用に関する検討]
本実施例では、本発明に係る電子部品としてプラズマディスプレイパネル(PDP)へ適用した例について説明する。図9は、プラズマディスプレイパネルの1例を示す断面模式図である。以下、図9を参照しながら説明する。
はじめに、一般的なプラズマディスプレイパネルについて説明する。プラズマディスプレイパネル800は、前面板801と背面板802とが100〜150μmの間隙をもって対向させて配置され、各基板(前面板801と背面板802)の間隙は隔壁803で維持されている。前面板801と背面板802との周縁部は封着材料804で気密に封止され、パネル内部に希ガスが充填されている。
前面板801上には表示電極809が形成され、表示電極809上に誘電体層812が形成され、誘電体層812上に放電から表示電極809等を保護するための保護層814(例えば、MgOの蒸着膜)が形成されている。また、背面板802上にはアドレス電極810が形成され、アドレス電極810上に誘電体層813が形成され、誘電体層813上にセル805を構成するための隔壁803が設けられている。この隔壁803は、少なくともガラス組成物とフィラーとを含む材料を500〜600℃で焼結した構造体よりなり、通常、ストライプ状あるいはボックス状の構造体である。また、背面板802のアドレス電極810は、前面板801の表示電極809に対して直交するように形成されている。
隔壁803により区切られた微小空間(セル805)には蛍光体が充填されている。セル805中の蛍光体は、蛍光体用のペーストをセル805に充填し450〜500℃で焼成することによって形成される。赤色蛍光体806が充填されたセルと緑色蛍光体807が充填されたセルと青色蛍光体808が充填されたセルとの3色のセルで1画素が構成される。各画素は、表示電極809とアドレス電極810に掛かる信号に応じて種々の色を発光する。
封着材料804は、ディスペンサー法や印刷法等により前面板801または背面板802のどちらか一方の周縁部に事前に塗布される。塗布された封着材料804は、蛍光体806〜808の焼成と同時に仮焼成されることもある。塗布された封着材料を仮焼成することによって、ガラス封着部の気泡を著しく低減することができ、信頼性の高い(すなわち気密性の高い)ガラス封着部が得られるためである。
前面板801と背面板802との封着は、別々に作製した前面板801と背面板802とを正確に位置合わせしながら対抗させて配置し、420〜500℃に加熱して行われる。このとき、加熱しながらセル805内部のガスを排気して替わりに希ガスを封入し、電子部品としてのプラズマディスプレイパネルが完成する。なお、封着材料の仮焼成時やガラス封着時に、封材材料804が表示電極809やアドレス電極810と直接的に接触することがあるが、電極配線材料と封着材料とが化学反応しないように構成されていることが肝要である。
プラズマディスプレイパネルのセル805を点灯(発光)するには、点灯させたいセル805の表示電極809とアドレス電極810との間に電圧を印加してセル805内にアドレス放電を行い、希ガスをプラズマ状態に励起してセル内に壁電荷を蓄積する。次に、表示電極対に一定の電圧を印加することで、壁電荷が蓄積されたセルのみに表示放電が起こり紫外線811を発生させる。そして、この紫外線811を利用して蛍光体806〜808を発光させてことで、画像情報が表示される。
ここにおいて、表示電極809やアドレス電極810としては、良好な電気的性質と製造中の耐酸化性を考慮して銀厚膜の電極配線が従来から使用されている。表示電極809およびアドレス電極810の形成は、スパッタリング法によっても可能であるが、製造コスト低減のためには印刷法が有利である。なお、誘電体層812,813は、通常、印刷法で形成される。また、印刷法で形成される表示電極809、アドレス電極810、誘電体層812,813は、酸化雰囲気中450〜620℃の温度範囲で焼成されることが一般的である。
前述したように、銀厚膜の電極配線は銀がマイグレーション現象を起こし易いという問題があるとともに材料コストが高いという問題がある。それらの問題を解決するためには、銀厚膜の電極配線から銅厚膜の電極配線への変更が好ましい。しかしながら、銅厚膜の電極配線へ変更するためには、酸化雰囲気中での焼成時に銅が酸化されて電極配線の比抵抗が増大しないこと、電極配線と誘電体層とが化学反応しないこと、さらに形成した電極配線の近傍に空隙(気泡等)が発生して電気的耐圧性が低下しないこと等の条件を満たす必要がある。
(プラズマディスプレイパネルの作製)
本発明に係るプラズマディスプレイパネルを作製した。まず、前述の実施例4で検討したB5の導電性ペーストを用い、スクリーン印刷法によって前面板801と背面板802の全面に塗布し、大気中150℃で乾燥した。フォトリソグラフィによって塗布膜の余分な箇所を除去して電極配線をパターニングし、その後、大気中600℃で30分間焼成して表示電極809とアドレス電極810を形成した。
次に、ブラックマトリックス815や誘電体層812,813をそれぞれ塗布し、大気中610℃で30分間焼成した。このようにして作製した前面板801と背面板802を対抗させて配置し、外縁部をガラス封着して図9に示したような構造を有するプラズマディスプレイパネルを作製した。
(プラズマディスプレイパネルの評価)
本発明に係る導電性ペーストを用いて形成した電極配線(表示電極809とアドレス電極810)は、焼成中の酸化による変色は確認されなかった。また、表示電極809と誘電体層812との界面部や、アドレス電極810と誘電体層813の界面部に空隙の発生も認められず、外観上良好な状態でプラズマディスプレイパネルを作製することができた。
続いて、作製したプラズマディスプレイパネルの点灯実験を行った。表示電極809およびアドレス電極810の比抵抗が増加することは無かった。また、電気的耐圧性が低下することもなくパネルを点灯することができた。さらに、銀厚膜の電極配線のようなマイグレーション現象も生じず、その他特に支障があるような点は認められなかった。以上のことから、本発明の導電性ペーストは、プラズマディスプレイパネルの電極配線として適用できることが確認された。また、高価な銀厚膜の電極配線の代替となり得るので、コスト低減にも大きく貢献できる。
[多層配線基板への適用に関する検討]
本実施例では、本発明に係る電子部品として多層配線基板へ適用した例について説明する。図10は、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)の多層配線基板(5層)の焼成前の構造例を示す断面模式図である。図10に示すように、多層配線基板90は配線(配線用導電性ペースト91)が三次元的に形成されている配線基板である。以下、図10を参照しながら説明する。
多層配線基板の製造は、通常、次のような手順で行われる。まず、ガラス粉末とセラミックス粉末とバインダーとを含むグリーンシート92を用意し、所望の位置に貫通孔93を開ける。貫通孔93の開いたグリーンシート92に対し、配線用導電性ペースト91を所望の配線パターンに印刷法で塗布するとともに、貫通孔93にも充填する。必要に応じて、グリーンシート92の裏面にも配線用導電性ペースト91を印刷法にて塗布する。グリーンシート92の裏面に塗布する場合には、表面に塗布した配線用導電性ペースト91を乾燥させてから行う。
所定の配線パターンを形成した複数のグリーンシート92を積層し、一体で焼成することによりLTCCの多層配線基板が製造される。なお、焼成条件としては、大気中で900℃前後の温度が一般的である。また、配線用導電性ペーストとしては、良好な電気的性質と製造中の耐酸化性を考慮して銀の導電性ペーストが通常使用されている。
マイグレーション現象の対策に有利でしかも安価な銅の導電性ペーストを使用した検討も行われている。しかしながら、銅粒子の酸化防止を目的として窒素雰囲気中で焼成されるため、導電性ペースト91やグリーンシート92中のバインダーの焼成除去(脱バインダー)が上手くいかず、緻密な多層配線基板を得ることが難しかった。
また、銅を用いた従来の導電性ペーストにおいては、焼成中にグリーンシート92と導電性ペースト91とが接する部分でガラス相が軟化・流動しやすく銅粒子が酸化され、電極配線の比抵抗が増大する問題があった。さらに、ガラス相との化学反応により該界面部に空隙が発生することがあった。
(多層配線基板の作製)
本発明に係る多層配線基板を作製した。配線用導電性ペースト91としては、実施例4で検討したB5の導電性ペーストを用い、上述と同様の手順で図10に示すような多層配線の積層体を形成して、図11に示す温度スケジュールで焼成した。図11は、本発明に係る多層配線基板を焼成する温度スケジュールの1例である。図11に示すように、室温から700℃までの昇温過程は大気中とし、700〜900℃の温度範囲(60分間保持を含む)を窒素雰囲気中とし、700℃から室温までの降温過程を再び大気中とした。なお、焼成の温度スケジュールは、図11に限定されるものではない。
(多層配線基板の評価)
作製した多層配線基板において電極配線の比抵抗を測定したところ、設計通りの値が得られた。これは、配線用導電性ペーストの金属粒子が酸化されなかったことを示している。次に、作製した多層配線基板の断面観察を行った。その結果、作製した多層配線基板は十分緻密に焼成されていた。これは、700℃までの昇降過程において略完全に脱バインダーが完了していたためと考えられた。また、ガラス相と電極配線との化学反応による界面近傍での空隙も発生していないことが確認された。以上のことから、本発明の導電性ペーストは、多層配線基板の電極配線として適用できることが確認された。また、高価な銀厚膜の電極配線の代替となり得るので、コスト低減にも大きく貢献できる。
[銀粒子を用いた導電性ペーストに関する検討]
本実施例では、導電性ペーストに含有させる金属粒子として、純銀粉末を用いた導電性ペーストを作製し、これを受光面電極配線用として実施例6と同様に太陽電池パネルへ適用した例について説明する。導電性ペーストに含有させる金属粒子として、平均粒径1μmの純銀粉末を用意し、実施例1と同様に、金属粒子が90体積%でガラス試料No.9の導電性ガラス粉末が10体積%となるように混合した粉末に、さらにバインダー樹脂と溶剤とを添加・混錬して導電性ペーストを作製した。作製した導電性ペーストを用い、実施例6と同様の条件で、太陽電池パネルを作製した。
(結果と考察)
上記で作製した太陽電池パネルに対し、実施例6同様、各種試験評価を行った。作製した太陽電池パネルは、受光面では、受光面電極配線64と半導体基板61とが電気的に接続されていることを確認した。また、裏面では、電極成分拡散層67が形成され、半導体基板61と集電電極配線65および出力電極配線66との間にオーミックコンタクトが得られていることを確認した。
次に、作製した太陽電池パネルに対し、温度85℃、相対湿度85%の高温高湿試験を1000時間実施した。その結果、電極配線の配線抵抗や半導体基板との接触抵抗が大きくなるようなことはなかった。さらに、作製した太陽電池パネルにおける発電効率を試験評価したところ、電極配線としてPb系ガラス相と銀粒子を使用した従来の太陽電池パネルと同等の発電効率が得られた
本実施例から、導電性ペーストおよびそれによって形成された電極配線に含有させる金属粒子として、従来のように銀粒子を使用して電極配線を形成した場合においても使用でき、太陽電池パネルとして適用できることが明らかとなった。また、RoHS指令の禁止物質(例えばPb等)を含まないことから、環境保護に対しても貢献することができる。
10…電極配線、11…金属粒子、12…導電性ガラス相、
60…太陽電池パネル、61…半導体基板、62…拡散層、63…反射防止層、
64…受光面電極配線、64’…電極配線、65…集電電極配線、66…出力電極配線、
67…電極成分拡散層、68…パッシベーション膜、70…裏面電極型太陽電池パネル、
800…プラズマディスプレイパネル、801…前面板、802…背面板、803…隔壁、
804…封着材料、805…セル、806…赤色蛍光体、807…緑色蛍光体、808…青色蛍光体、
809…表示電極、810…アドレス電極、811…紫外線、812,813…誘電体層、
814…保護層、815…ブラックマトリックス、
90…多層配線基板、91…配線用導電性ペースト、92…グリーンシート、93…貫通孔。

Claims (13)

  1. 遷移金属とリンを含み鉛を含まない導電性ガラス相と金属粒子とを含む電極配線を具備する電子部品であって、
    前記遷移金属は、バナジウム(V)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)およびマンガン(Mn)のうちの少なくとも一種を含み、
    前記金属粒子は、銅、アルミニウムまたはそれらの合金からなり、
    前記導電性ガラス相に含まれる前記遷移金属は、複数の酸化数状態で存在し、当該含まれる遷移金属について最も高い酸化数状態を呈している原子の存在割合が下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする電子部品。
    Figure 0005546074
  2. 請求項1に記載の電子部品において、
    前記導電性ガラス相は、バナジウムとリンとを含み、かつアンチモン(Sb)、鉄、マンガンおよびビスマス(Bi)のうちの少なくとも一種を含み、それら含有成分の酸化物換算における質量比率が下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする電子部品。
    Figure 0005546074
  3. 請求項1または請求項2に記載の電子部品において、
    前記導電性ガラス相は、バリウムを更に含むことを特徴とする電子部品。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電子部品において、
    前記導電性ガラス相は、テルルの含有量が酸化物換算で5質量%以下、ナトリウムとカリウムとの合計含有量が酸化物換算で5質量%以下、リチウムの含有量が酸化物換算で2質量%以下であることを特徴とする電子部品。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電子部品において、
    前記金属粒子は、粒径が0.5μm以上1.5μm未満の範囲内に95%の体積分率を有する第1の粒子群と、粒径が1.5μm以上8μm未満の範囲内に95%の体積分率を有する第2の粒子群とから構成され、
    前記第1の粒子群と前記第2の粒子群との配合割合は、前記第1の粒子群が15質量%以上90質量%以下で、残りが前記第2の粒子群であることを特徴とする電子部品。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電子部品において、
    前記金属粒子は、球状粒子と板状粒子とを含み、
    前記球状粒子と前記板状粒子との配合割合は、前記球状粒子が50質量%以下で、残りが前記板状粒子であることを特徴とする電子部品。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電子部品において、
    前記電極配線は、前記金属粒子同士が焼結していることを特徴とする電子部品。
  8. 遷移金属とリンを含み鉛を含まない導電性ガラス粒子と金属粒子とバインダー樹脂と溶剤とを含む導電性ペーストであって、
    前記遷移金属は、バナジウム(V)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)およびマンガン(Mn)のうちの少なくとも一種を含み、
    前記金属粒子は、銅、アルミニウムまたはそれらの合金からなり、
    前記導電性ガラス粒子に含まれる前記遷移金属は、複数の酸化数状態で存在し、当該含まれる遷移金属について最も高い酸化数状態を呈している原子の存在割合が下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする導電性ペースト。
    Figure 0005546074
  9. 請求項8に記載の導電性ペーストにおいて、
    前記導電性ガラス粒子は、バナジウムとリンとを含み、かつアンチモン(Sb)、鉄、マンガンおよびビスマス(Bi)のうちの少なくとも一種を含み、それら含有成分の酸化物換算における質量比率が下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする導電性ペースト。
    Figure 0005546074
  10. 請求項8または請求項9に記載の導電性ペーストにおいて、
    前記導電性ガラス粒子は、バリウムを更に含むことを特徴とする導電性ペースト。
  11. 請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の導電性ペーストにおいて、
    前記導電性ガラス粒子は、テルルの含有量が酸化物換算で5質量%以下、ナトリウムとカリウムとの合計含有量が酸化物換算で5質量%以下、リチウムの含有量が酸化物換算で2質量%以下であることを特徴とする導電性ペースト。
  12. 請求項8乃至請求項11のいずれか1項に記載の導電性ペーストにおいて、
    前記金属粒子は、粒径が0.5μm以上1.5μm未満の範囲内に95%の体積分率を有する第1の粒子群と、粒径が1.5μm以上8μm未満の範囲内に95%の体積分率を有する第2の粒子群とから構成され、
    前記第1の粒子群と前記第2の粒子群との配合割合は、前記第1の粒子群が15質量%以上90質量%以下で、残りが前記第2の粒子群であることを特徴とする導電性ペースト。
  13. 請求項8乃至請求項12のいずれか1項に記載の導電性ペーストにおいて、
    前記金属粒子は、球状粒子と板状粒子とを含み、
    前記球状粒子と前記板状粒子との配合割合は、前記球状粒子が50質量%以下で、残りが前記板状粒子であることを特徴とする導電性ペースト。
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