JP2015171795A - タイヤ形成用の剛性中子 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のタイヤサイズに対応でき、かつコスト削減を図る。
【解決手段】中子セグメント9は、半径方向の内外セグメント部19、18を含む。外セグメント部18は、熱流体が流入するチャンバー室20Hをなすチャンバー20と、このチャンバーを囲む外殻状のプロファイルデッキ21とを具える。プロファイルデッキ21は、半径方向に分割される複数の分割片30からなり、かつ各分割片30は、連結手段31を介して交換可能に連結される。
【選択図】図5
【解決手段】中子セグメント9は、半径方向の内外セグメント部19、18を含む。外セグメント部18は、熱流体が流入するチャンバー室20Hをなすチャンバー20と、このチャンバーを囲む外殻状のプロファイルデッキ21とを具える。プロファイルデッキ21は、半径方向に分割される複数の分割片30からなり、かつ各分割片30は、連結手段31を介して交換可能に連結される。
【選択図】図5
Description
本発明は、複数のタイヤサイズに対応でき、コスト削減に貢献しうるタイヤ形成用の剛性中子に関する。
近年、タイヤの形成精度を高めるため、剛性中子を用いたタイヤ形成方法(以下「中子工法」という場合がある。)が提案されている(例えば特許文献1参照。)。この剛性中子は、加硫済みタイヤのタイヤ内腔形状に合った外形形状を有する中子本体を具え、この中子本体上でタイヤ構成部材を順次貼り付けることにより、生タイヤが形成される。そしてこの生タイヤを剛性中子ごと加硫金型内に投入することにより、内型である中子本体と外型である加硫金型との間に挟まれて、生タイヤが加硫成形される。
しかしこの中子工法では、タイヤサイズ毎に、その形状に合った外形形状の中子本体が必要になる。そのため中子本体の種類が著しく増加し、コストの上昇を招くという問題がある。
そこで本発明は、中子セグメントのうちでタイヤ成形面を有する外セグメント部を、熱流体流入用のチャンバーと、その外側を囲むプロファイルデッキとに区分し、かつプロファイルデッキを、交換可能に連結される複数の分割片に分割することを基本として、部品の一部共通化を図ることができ、コストの上昇を抑えうるタイヤ形成用の剛性中子を提供することを課題としている。
本発明は、外表面にタイヤ成形面を有しかつこのタイヤ成形面上で生タイヤが形成される環状の中子本体を具え、かつ前記生タイヤごと加硫金型内に投入されることにより前記加硫金型と協働して生タイヤを加熱加硫する剛性中子であって、
前記中子本体は、タイヤ周方向に分割される複数の中子セグメントからなり、
各中子セグメントは、前記タイヤ成形面を有する半径方向外側の外セグメント部と、その半径方向内側に取り付く内セグメント部とを含み、
前記外セグメント部は、
熱流体が流入するチャンバー室をなす容器状をなし、かつ開口部を半径方向内側に配したチャンバーと、
このチャンバーを囲みかつ外表面が前記タイヤ成形面をなす外殻状のプロファイルデッキとを具えるとともに、
前記プロファイルデッキは、半径方向に分割される複数の分割片からなり、かつ各分割片は、連結手段を介して交換可能に連結されることを特徴としている。
前記中子本体は、タイヤ周方向に分割される複数の中子セグメントからなり、
各中子セグメントは、前記タイヤ成形面を有する半径方向外側の外セグメント部と、その半径方向内側に取り付く内セグメント部とを含み、
前記外セグメント部は、
熱流体が流入するチャンバー室をなす容器状をなし、かつ開口部を半径方向内側に配したチャンバーと、
このチャンバーを囲みかつ外表面が前記タイヤ成形面をなす外殻状のプロファイルデッキとを具えるとともに、
前記プロファイルデッキは、半径方向に分割される複数の分割片からなり、かつ各分割片は、連結手段を介して交換可能に連結されることを特徴としている。
本発明に係る前記剛性中子では、前記チャンバーは、前記内セグメント部に固定されることが好ましい。
本発明に係る前記剛性中子では、前記内セグメント部のタイヤ軸心方向一方側の側面に、前記内セグメント部の内部を通る流路を介して前記チャンバー室に導通しうる熱流体の流出入口部を具えることが好ましい。
本発明に係る前記剛性中子では、前記連結手段は、ボルトを含み、最内の分割片の半径方向内側から挿入される前記ボルトのネジ部が、最外の分割片に螺着することにより、各分割片を交換可能に連結することが好ましい。
本発明に係る前記剛性中子では、前記プロファイルデッキを複数の分割片に分割する分割面は、それぞれタイヤ軸心と同心な円筒面により形成されることが好ましい。
本発明は叙上の如く、中子セグメントを、タイヤ成形面を有する外セグメント部と、タイヤ成形面を有さない内セグメント部とに区分するとともに、外セグメント部のうち、タイヤ成形面をなす外殻状のプロファイルデッキを交換可能に連結される複数の分割片に分割している。従って、異なるサイズのタイヤ形成に対しても、一部の分割片のみを交換することで対応することが可能となり、コストの上昇を抑えることができる。
しかもプロファイルデッキの内部に、熱流体流入用のチャンバーを具えるため、プロファイルデッキの分割化によっても熱流体を気密に保持することができ、熱流体による加硫時の加熱を行うことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1、2に示すように、本実施形態の剛性中子1は、外表面にタイヤ成形面Sを有する環状の中子本体3を具える。
図1、2に示すように、本実施形態の剛性中子1は、外表面にタイヤ成形面Sを有する環状の中子本体3を具える。
そして、このタイヤ成形面S上に、インナーライナ、カーカスプライ、ベルトプライ、サイドウォールゴム、トレッドゴム等のタイヤ構成部材を順次貼り付けることにより生タイヤTが形成されるとともに、該生タイヤTを剛性中子1ごと加硫金型50内に投入することにより前記加硫金型50と協働して生タイヤTを加熱加硫する。前記タイヤ成形面Sは、生タイヤTのトレッド内表面を形成するトレッド成形面部Sa、サイドウォール内表面を形成するサイドウォール成形面部Sb、及びビード内表面を形成するビード成形面部Scを有する。このタイヤ成形面Sは、仕上がりタイヤ(加硫タイヤ)の内面形状にほぼ一致している。
本例の剛性中子1は、前記中子本体3と、この中子本体3の中心孔3Hに内挿される円筒状のコア5と、前記中子本体3の軸心方向両側に同心に配される一対の側板体6L、6Uとを具える。
前記中子本体3は分解可能であって、タイヤ周方向に分割される複数(本例では8個)の中子セグメント9から形成される。この中子セグメント9は、周方向両端面が半径方向内方に向かって周方向巾が減じる向きに傾斜する第1の中子セグメント9Aと、前記第1の中子セグメント9Aとは周方向に交互に配され、かつ周方向両端面が半径方向内方に向かって周方向巾が増す向きに傾斜する第2の中子セグメント9Bとから構成される。これにより中子本体3は、第2の中子セグメント9Bから順次半径方向内方に一つずつ移動させて、タイヤのビード孔から順次取り出すことができる。
前記コア5は、中子本体3の中心孔3Hに内挿されることにより各中子セグメント9の半径方向内側への移動を阻止する。コア5の軸心方向一端部には、一方の側板板6Lが固定されている。又他端部には、例えばコア5の内周面に設ける内ネジ5Aを介して他方の側板板6Uが着脱自在に取り付けられる。
コア5の外周面には、軸心方向に連続してのびる蟻溝14a又は蟻ほぞ14bの一方からなる第1の蟻継ぎ部16が形成される。又各前記中子セグメント9の内周面には、軸心方向にのびかつ前記第1の蟻継ぎ部16に係合する蟻溝14aは蟻ほぞ14bの他方からなる第2の蟻継ぎ部17が形成される。この第1、2の蟻継ぎ部16、17により、各中子セグメント9を、軸心方向に案内しながらコア5の周囲に精度よく装着することができる。なお前記側板体6L、6Uにより、各中子セグメント9の軸心方向の移動、位置ずれが阻止される。
図4、5に示すように、中子セグメント9(図5には第2の中子セグメント9Bが代表して示される。)は、前記タイヤ成形面Sを有する半径方向外側の外セグメント部18と、その半径方向内側に取り付く内セグメント部19とを含む。外セグメント部18は、熱流体流入用のチャンバー20と、このチャンバー20を囲みかつ外表面が前記タイヤ成形面Sをなす外殻状のプロファイルデッキ21とを具える。チャンバー20を囲むプロファイルデッキ21の内壁面21Sは、チャンバー20からの熱伝達を高めるために、チャンバー20と接触するのが好ましい。
本例では、プロファイルデッキ21は、内セグメント部19の半径方向内面側から挿入されるボルト22によって内セグメント部19の半径方向外面に着脱自在に取り付けられる。又チャンバー20は、内セグメント部19の半径方向内面側から挿入されるボルト23によって内セグメント部19の半径方向外面に着脱自在に取り付けられる。前記チャンバー20は、例えばスチーム等の熱流体が流入するチャンバー室20Hをなす容器状をなし、その開口部20Aは半径方向内側に配される。又チャンバー20の半径方向内面には、前記開口部20Aの周囲を囲む縁取り部20Bが設けられ、この縁取り部20Bに前記ボルト23が螺合するネジ孔23hが形成される。又プロファイルデッキ21の半径方向内面には、前記ボルト22が螺合するネジ孔22hが形成される。
前記プロファイルデッキ21には、加硫時のエネルギー効率を高めるため、熱伝導率が高いアルミニウムやその合金(アルミニウム合金)が好適に採用される。これに対して内セグメント部19にはステンレス合金が好適に採用される。このステンレス合金は、硬さや強度が大でありかつ熱によっても変形しにくいため、内セグメント部19同士の接触やコア5との接触によっても摩耗や損傷が生じにくく耐久性向上に役立つ。
又前記内セグメント部19は、そのタイヤ軸心方向一方側の側面19Sに、前記内セグメント部19の内部を通る流路25を介して前記チャンバー室20Hに導通しうる熱流体の流出入口部26を具える。本例では、流出入口部26として、流入口部26iと流出口部26oとが独立して設けられる。流入口部26iは、流入流路25iを介してチャンバー室20Hに導通し、かつ流出口部26oは流出流路25oを介してチャンバー室20Hに導通する。流入口部26i及び流出口部26oは、所謂自動脱着コネクターであり、金型への投入時及び取出し時、加硫金型50に設ける熱流体供給側及び排気側のコネクタ51i、51o(図1に示す。)と自動脱着される。
又図5、6に示すように、プロファイルデッキ21は、半径方向に分割される複数(本例では3個)の分割片30からなり、かつ各分割片30は、連結手段31を介して交換可能に連結される。プロファイルデッキ21を分割する分割面32は、それぞれタイヤ軸芯と同心な円筒面により形成される。前記分割片30は、半径方向最内の分割片30iと、半径方向最外の分割片30oと、本例ではその間に配される1以上の中間の分割片30mとから構成される。最内の分割片30iは、前記ビード成形面部Scの少なくとも一部を有し、最外の分割片30oは、前記トレッド成形面部Saの少なくとも一部を有する。
又連結手段31は、図4、6に示すように、ボルト33を含む。そして、最内の分割片30iの半径方向内側から挿入される前記ボルト33のネジ部33Aが、最外の分割片30oに螺着することにより、各分割片30を交換可能に連結する。なお最外の分割片30oには、ネジ部33Aが螺合するネジ穴35が形成され、かつ最内の分割片30iと中間の分割片30mとには、ボルト33が通るボルト挿通孔36が形成される。なお最内の分割片30iのボルト挿通孔36は、ボルト33の頭部が入る段付き孔として形成される。
図7に示すように、第1の中子セグメント9Aも前記第2の中子セグメント9Bと、実質的に同構成で形成される。
本発明の作用効果の一例を図8に示す。本例では、内セグメント部19と最内の分割片30iとを共通とし、最外の分割片30o及び中間の分割片30mをタイヤサイズに応じて交換することにより、例えば245/35R18、245/40R18、245/45R18等と、リム径及びタイヤ断面巾を同じとし、タイヤ扁平率のみ相違させたタイヤを形成する場合が示される。しかしリム径やタイヤ外径を同じとしてタイヤ断面巾を相違させたタイヤを形成することもできるなど、種々のタイヤサイズに対応させることができる。
なおプロファイルデッキ21の分割位置、分割数は、対応するタイヤサイズに応じて適宜設定することができる。分割数は2〜6が好ましく、分割数を多くすることで中子セグメント9のプロファイルの適正化を図り易くすることができる。又分割片30、30間にスペーサ(シム)を介在させて、中子セグメント9のプロファイルを微調整しても良い。そのために、前記分割面32は、凹凸のない滑らかな円筒面で形成するのが好ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
1 剛性中子
3 中子本体
9 中子セグメント
18 外セグメント部
19 内セグメント部
20 チャンバー
20H チャンバー室
20A 開口部
21 プロファイルデッキ
25 流路
26 流出入口部
30 分割片
31 連結手段
32 分割面
33 ボルト
33A ネジ部
50 加硫金型
S タイヤ成形面
T 生タイヤ
3 中子本体
9 中子セグメント
18 外セグメント部
19 内セグメント部
20 チャンバー
20H チャンバー室
20A 開口部
21 プロファイルデッキ
25 流路
26 流出入口部
30 分割片
31 連結手段
32 分割面
33 ボルト
33A ネジ部
50 加硫金型
S タイヤ成形面
T 生タイヤ
Claims (5)
- 外表面にタイヤ成形面を有しかつこのタイヤ成形面上で生タイヤが形成される環状の中子本体を具え、かつ前記生タイヤごと加硫金型内に投入されることにより前記加硫金型と協働して生タイヤを加熱加硫する剛性中子であって、
前記中子本体は、タイヤ周方向に分割される複数の中子セグメントからなり、
各中子セグメントは、前記タイヤ成形面を有する半径方向外側の外セグメント部と、その半径方向内側に取り付く内セグメント部とを含み、
前記外セグメント部は、
熱流体が流入するチャンバー室をなす容器状をなし、かつ開口部を半径方向内側に配したチャンバーと、
このチャンバーを囲みかつ外表面が前記タイヤ成形面をなす外殻状のプロファイルデッキとを具えるとともに、
前記プロファイルデッキは、半径方向に分割される複数の分割片からなり、かつ各分割片は、連結手段を介して交換可能に連結されることを特徴とするタイヤ形成用の剛性中子。 - 前記チャンバーは、前記内セグメント部に固定されることを特徴とする請求項1記載のタイヤ形成用の剛性中子。
- 前記内セグメント部のタイヤ軸心方向一方側の側面に、前記内セグメント部の内部を通る流路を介して前記チャンバー室に導通しうる熱流体の流出入口部を具えることを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤ形成用の剛性中子。
- 前記連結手段は、ボルトを含み、最内の分割片の半径方向内側から挿入される前記ボルトのネジ部が、最外の分割片に螺着することにより、各分割片を交換可能に連結することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のタイヤ形成用の剛性中子。
- 前記プロファイルデッキを複数の分割片に分割する分割面は、それぞれタイヤ軸心と同心な円筒面により形成されることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のタイヤ形成用の剛性中子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014049177A JP2015171795A (ja) | 2014-03-12 | 2014-03-12 | タイヤ形成用の剛性中子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014049177A JP2015171795A (ja) | 2014-03-12 | 2014-03-12 | タイヤ形成用の剛性中子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015171795A true JP2015171795A (ja) | 2015-10-01 |
Family
ID=54259449
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014049177A Pending JP2015171795A (ja) | 2014-03-12 | 2014-03-12 | タイヤ形成用の剛性中子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015171795A (ja) |
-
2014
- 2014-03-12 JP JP2014049177A patent/JP2015171795A/ja active Pending
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