JP2015171380A - 5’−キサンチル酸及び5’−グアニル酸の生産能が向上した微生物、及びこれを用いた5’−キサンチル酸及び5’−グアニル酸の生産方法 - Google Patents

5’−キサンチル酸及び5’−グアニル酸の生産能が向上した微生物、及びこれを用いた5’−キサンチル酸及び5’−グアニル酸の生産方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は5’−キサンチル酸生産能及び5’−グアニル酸生産能が増加した微生物に関するものである。
【解決手段】具体的には、プロリンデヒドロゲナーゼ活性が内在的活性より増加したコリネバクテリウム属微生物、前記形質転換されて製造された微生物を培養し、その培養液から5’−キサンチル酸又は5’−グアニル酸を生産する方法、及び5’−キサンチル酸又は5’−グアニル酸を生産するための前記微生物の用途に関するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、プロリンデヒドロゲナーゼ活性が内在的活性より増加したコリネバクテリウム属微生物、前記形質転換されて製造された微生物を培養し、その培養液から5’−キサンチル酸又は5’−グアニル酸を生産する方法、及び5’−キサンチル酸又は5’−グアニル酸を生産するための前記微生物の用途に関する。
5’−グアニル酸(5’-guanine monophosphate:GMP)は、イノシン酸(inosine monophosphate:IMP)と共に、食品調味添加剤として広く用いられている物質である。GMPは、それ自体で茸のうま味を出すものと知られているが、主にグルタミン酸一ナトリウム(monosodium glutamate:MSG)の風味を強化するものと知られている。このような性質は特にIMPと共に使われたときに強く現れる。
今まで知られているGMPの製造方法としては、(1)酵母細胞から抽出したリボ核酸(RNA)を酵素学的に分解する方法、(2)微生物発酵法でGMPを直接発酵させる方法、(3)微生物発酵法で生産したグアノシンを化学的にリン酸化させる方法、(4)微生物発酵法で生産したグアノシンを酵素的方法でリン酸化させる方法、(5)微生物発酵法で生産した5’−キサンチル酸(5’-xanthosine monophosphate:XMP)をコリネ型微生物を用いてGMPに転換する方法、及び(6)微生物発酵法で生産したXMPを大腸菌(Escherichia coli)を用いてGMPに転換する方法を挙げることができる。これらの中でも、(1)の方法は、原料需給及び経済性において問題があり、(2)の方法はGMPの細胞膜透過性の問題により収率が低いという欠点があるから、その他の方法が工業的に主に用いられている。
前述した方法のうち、XMPを生産してGMPに転換する方法を用いてGMPを生産する場合、XMPの生産性を強化する戦略、又はGMP転換反応中に助酵素として用いられるATPの持続的な供給が必要である。よって、XMP生産を強化するために、従来は変異処理を介してグアノシン又はXMPへの耐性を有する微生物を生産した。例えば、特許文献1は、XMPの収率を高めるためのアデニンとグアニン半栄養要求性型のキサンチル酸アミナーゼ不活性菌株であって、グアノシン類似体に耐性を持っており、細胞壁分解酵素としてのリゾチームに対して感受性が非常に高い菌株を開示している。また、特許文献2は、XMPを生産するコリネバクテリウムアンモニアゲネス(Corynebacterium ammoniagenes)を親株として紫外線を照射し、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)などの変異誘発剤を通常の方法によって処理することにより、親株の形質を変化させて、XMPの生合成に影響を与えるバリン(valine)に対する類似体(analoge)と
してのノルバリン(norvaline)耐性株を選別し、その結果、XMPを高収率、高濃度で培
養液中に直接蓄積させる微生物を用いたXMP生産方法を開示している。特許文献3では、XMPの生合成に関連する生合成経路の遺伝子であるpurN、purHを強化してXMPの収率を向上させた例もある。
前述したようにXMPを用いてGMPに転換するためには、GMP生産過程中で助酵素として用いられるATPの供給が重要であるが、前記ATP生産の大部分は、XMPを生産するXMP生産菌株内で行われる。転換反応は、細胞のATPとXMPに対する膜透過性を増加させるキシレンなどの物質を培地中に添加し、ATPとXMPがGMP生産菌株内によく流入するようにした後、XMPをGMPに転換することにより行われ得る。よって、GMPの生産収率を高めるためにはATPの生産を強化する戦略が必要である。
XMPからGMPに転換する化学方式は、次のとおりである。
XMP+ATP+NH → GMP+AMP+PPi
XMPアミナーゼ
すなわち、1次的にXMPを生産し、XMP及び微生物を含む培養液にXMPアミナーゼ(XMP aminase)活性を有する酵素又は微生物を添加し、2次的に転換反応を行ってGM
Pを生産する工法の核心は、転換反応過程中に持続的に助酵素としてのATPを供給することである。よって、XMP生産菌株のATP生成能を強化することが非常に重要であるといえる。転換反応の結果として生成したAMPはATPの生成のための基質としてさらに使用され、アデニン(adenine)系の核酸ヌクレオチドは転換反応系で持続的にATP生
成のために再生される。
韓国特許出願第10−1991−018061号明細書 韓国特許出願第10−2001−000513号明細書 韓国特許出願第10−2008−006537号明細書
このように、高収率でGMPを生産するためにはXMP生産率の向上が必要であり、XMPの生産増加のためにはATP生産を増大させなければならないところ、前述した背景技術の下で、本発明者らは、ATP生産の増大のための方法を開発するために鋭意努力した結果、プロリンデヒドロゲナーゼ(proline dehydrogenase)の活性を強化する場合、A
TP生産増大を介してXMP及びGMPの収率を向上させることができることを見出した。
そこで、本発明者らは、XMPの収率を向上させることが可能な遺伝子を解明し、前記遺伝子を含むベクターをデザインする一方、前記ベクターで形質転換されたコリネバクテリウム属微生物を製造することにより、前記微生物からXMP又はGMPを高収率で収得することができることを見出し、本発明を完成した。
本発明の目的は、プロリンデヒドロゲナーゼ活性が内在的活性より増加した、5’−キサンチル酸又は5’−グアニル酸生産コリネバクテリウム属微生物を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記微生物を培養し、その培養液から5’−キサンチル酸又は5’−グアニル酸を生産する方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、5’−キサンチル酸又は5’−グアニル酸を生産するための前記微生物の用途を提供することにある。
本発明のコリネバクテリウム属由来の微生物を用いると、プロリンデヒドロゲナーゼの増大した活性により、既存のXMP及びGMP生産微生物に比べて顕著に高い収得率でXMP又はGMPを生産することができる。よって、本発明の微生物を使用すると、高収率でXMP又はGMPを収得することができる。
pDZベクターにputA遺伝子をクローニングしたpDZ−putAベクターの構造を示す。
上記目的を達成するための一つの態様として、本発明は、プロリンデヒドロゲナーゼ活性が内在的活性より増加した、コリネバクテリウム属由来の微生物に関する。
好ましくは、本発明は、プロリンデヒドロゲナーゼ活性を内在的活性より増加させることにより、5’−キサンチル酸(XMP)生産能及び5’−グアニル酸(GMP)生産能
が向上したコリネバクテリウム属微生物を提供することができる。
本発明で使用される用語「プロリンデヒドロゲナーゼ(proline dehydrogenase)」とは
、プロリンデヒドロゲナーゼ/デルタ−1−ピロリン−5−カルボキシレートデヒドロゲナーゼ(proline dehydrogenase/delta-1-pyrroline-5-carboxylate dehydrogenase)であ
って、前記酵素は、アラニン、アスパラギン酸塩及びグルタミン酸塩代謝経路、アルギニン及びプロリン代謝経路に関与するものとして知られている。本発明は、当該酵素の活性を増加させることにより、XMPだけでなくGMPの生産収率が向上した微生物に関するものである。
本発明で使用される用語「内在的活性」とは、本来微生物が天然の状態で持っている酵素の活性状態を意味し、「内在的活性が増加している」とは、天然状態の酵素活性と比較して活性がさらに向上したことを意味する。本発明の酵素活性増加とは、酵素自体の活性が増大して本来の機能以上の効果を導出することを含むうえ、内在的遺伝子活性の増加、内部又は外部要因からの内在的遺伝子の増幅、遺伝子コピー数の増加、又は外部からの遺伝子の取り込みなどによりその活性が増加することを含む。また、前記増加した酵素の活性は、例えば、遺伝子コピー数の増加、プロモーターの取替え又は変形、及び突然変異による酵素活性の増加など当業界における公知の方法が制限なく使用された結果によって達成でき、これらの例に酵素活性増加方法が限定されるのではない。
本発明によって活性が増加する酵素としてのプロリンデヒドロゲナーゼは、コリネバクテリアのputA遺伝子によって暗号化でき、前記遺伝子と生物学的に同じ又は相応する活性を有する限り、その変異体、類似体などをいずれも含むことができる。好ましくは、前記putA遺伝子はそれと実質的に同一又は類似の生物学的活性を示し、putA配列と70%以上の相同性を有する遺伝子、さらに好ましくは80%以上の相同性、より好ましくは90%以上の相同性、よりさらに好ましくは95%以上の相同性、最も好ましくは98%以上の相同性を有する遺伝子を含む。好ましくは、本発明のputA遺伝子は配列番号7のヌクレオチド配列によって暗号化できる。また、内部又は外部的要因によって遺伝子コピー数が増加する場合、増加させることが可能なコピー数は公知の方法によって当業者の必要に応じて目的に合わせて選択することができる。内在的遺伝子の増幅は当業界における公知の方法、例えば適当な選択圧の下で培養する方法などによって容易に行われ得るが、これらの例に内在的遺伝子増幅方法が限定されるのではない。
本発明の好適な実施例では、コリネバクテリウム属微生物に、前記プロリンデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を含むベクターを取り込むことにより、その内在的活性より顕著に増加した形質転換微生物を生産した。
本発明の「コリネバクテリウム属微生物」は、当業界で使用されるコリネバクテリウム属微生物であればいずれでも制限なく使用できる。好ましくは、コリネバクテリウムアンモニアゲネス、コリネバクテリウムグルタミカム、ブレビバクテリウムフラバム、ブレビ
バクテリウムラクトファーメンタムなどが使用できるが、本発明で使用できるコリネバクテリウム属微生物の種類はこれらの例に制限されるものではない。具体的には、前記コリネバクテリウム属微生物には、コリネバクテリウムアンモニアゲネスATCC6872(Corynebacterium ammoniagenes ATCC6872)、コリネバクテリウムサーモアミノゲネスFE
RM BP−1539(C.thermoaminogenes FERM BP-1539)、コリネバクテリウムグルタミカムATCC13032(C.glutamicum ATCC13032)、コリネバクテリウムグルタミカムR(C.glutamicum R)、ブレビバクテリウムフラバムATCC14067(Brevibacterium flavum ATCC14067)、ブレビバクテリウムラクトファーメンタムATCC13869(B. lactofermentum ATCC13869)、及びこれらから製造された菌株を含む。好ましくは、コリネバクテリウムアンモニアゲネスKCCM10530から形質転換されたコリネバクテリウムアンモニアゲネスKCJ−1346であってもよい。具体的には、本発明の菌株は、受託番号KCCM10530のコリネバクテリウムアンモニアゲネスに、図1の切断地図を有するベクターを導入する一方、前記ベクターが導入された形質転換微生物を培地で培養して2コピー以上のputA遺伝子を相同組み換えによって内在的遺伝子と置換した結果、2以上のコピーを有するputA遺伝子が染色体内に組み込まれた菌株を製造することができた。
本発明で使用される用語「5’−キサンチル酸(XMP)」とは、核酸生合成代謝系の中間物質であって、動植物の体内で生理的に重要な意味を有するうえ、食品、医薬品及び各種医療用途など多方面で使われている。グルタミン酸ナトリウムと共に使用すると、味の上昇効果が大きくて呈味性調味料として脚光を浴びている核酸系調味料中の一つである。XMPは、プリンヌクレオチド(purine nucleotide)生合成代謝系の中間生成物であっ
て、5’−グアニル酸(GMP)の製造原料として重要な物質である。好ましくは、本発明は、このようなXMPの生産能が向上した形質転換微生物を製造し、該微生物を培養し、その培養液からXMPを生産した結果、従前の微生物より約4.5%向上したXMP生産能を有する形質転換微生物菌株を収得することができ、これによりXMPの生産量を増加させることができることを確認した。
また、本発明で使用される用語「5’−グアニル酸(GMP)」とは、グアノシンとリン酸が結合したヌクレオチドの一つであって、核酸を構成し、その位置により5’−体、3’−体及び2’−体の3種類に分けられる。本発明で生産される5’−グアニル酸は、無色の針状結晶であって、生体内に遊離状態で存在する。分子式はC1014Pであり、ナトリウム塩には椎茸のうま味があって化学調味料として使用される物質である。GMPは松茸のうま味を出し、呈味性調味料として脚光を浴びている、核酸系調味料の中の一つである。好ましくは、本発明は、形質転換微生物を用いてこのような5’−グアニル酸を高収率で得ることが可能な方法を解明し、従前の微生物を用いた方法よりGMPの濃度が約7%増加したことを確認した。
本発明は、putA遺伝子を含むベクターを導入してプロリンデヒドロゲナーゼ活性が増加した微生物を製造することができる。本発明の目的上、前記ベクターはputA遺伝子と実質的に同一の生物学的活性を有する遺伝子を含むベクターを含み、形質転換される微生物の種類及び特性により、putA遺伝子と実質的に同一又は類似の生物学的機能を行う遺伝子の配列に差異が存在し得ることは当業者には自明である。好ましくは、本発明は、配列番号7の遺伝子を含む図1の切断地図を有する組み換えベクターに関するものである。本発明の配列番号7の遺伝子はコリネバクテリアのputA遺伝子の天然型配列である。前記「putA遺伝子」は、プロリンデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を意味する。コリネバクテリウムグルタミカムATCC13032の場合、前記機能を行う遺伝子はaccession number NC_006958として配列が知られており、mRNA配列はYP_224396.1として公知になっている。
好ましい態様として、本発明は、配列番号7で表されるputA遺伝子を含む組み換えベクターを提供することができる。本発明のベクターは、putA遺伝子を含むことが可能なベクターであれば、当業界で通常使用されるベクターを制限なく使用することができ、使用される宿主の特性に応じて最適のベクターを選択して使用することが好ましい。好ましくは、前記ベクターはpDZ−putAである。本発明の好適な実施例では、pDZに、配列番号7を含むputA遺伝子を導入することにより、pDZ−putAベクターを製造した(図1)。
本発明の形質転換微生物は、putA遺伝子を宿主微生物に導入することにより製造することができる。putA遺伝子はベクターにクローニングされて細胞に形質転換されることが好ましい。
形質転換方法は、任意の形質転換方法が制限なく使用でき、当業界における通常の方法によって容易に行うことができる。「形質転換」とは、DNAを宿主に導入してDNAが染色体の因子として染色体統合の完成によって複製可能になるものであって、外部のDNAを細胞内に導入して人為的に遺伝的な変化を起こす現象を意味する。一般に、形質転換方法にはCaCl沈殿法、CaCl法にDMSO(dimethyl sulfoxide)という還元物質を使用することにより効率を高めたHanahan法、エレクトロポレーション法(electroporation)、リン酸カルシウム沈殿法、原形質融合法、炭化ケイ素繊維を用いた攪拌
法、アグロバクテリウム媒介形質転換法、PEG(polyethylene glycol)を用いた形質転
換法、硫酸デキストラン、リポフェクタミン及び乾燥/抑制媒介形質転換方法などがある。本発明のpDZ−putAを形質転換するための方法は、これらの例に限定されず、当業界で通常使用される形質転換方法が制限なく使用できる。
本発明において、用語「ベクター」とは、適当な宿主細胞において目的タンパク質を伝達することが可能な組み換えベクターであって、遺伝子挿入物が宿主の染色体内に組み換えできるように必須の調節要素を含む遺伝子作製物をいう。好ましくは、本発明のputA遺伝子を含む組み換えベクターは、図1の切断地図を含む組み換えベクターであってもよい。本発明の好適な実施例では、形質転換の方法で前記ベクターを受託番号KCCM10530のコリネバクテリウムアンモニアゲネスに導入した後、選択培地で培養して2コピーのputA遺伝子を内在的遺伝子の位置に相同組み換え方法によって置換させることにより、2コピーを有するputA遺伝子が染色体内に挿入されるように製造した。その結果、コリネバクテリウムアンモニアゲネスの形質転換によって、KCJ−1346と命名した新規な形質転換微生物を収得し、これを2010年2月24日に国際寄託機関としての韓国微生物保存センター(Korean Culture Center of Microorganisms:KCCM、
韓国ソウル市西大門区弘済1洞361−221ユリムビル)に受託番号KCCM11068Pで寄託した。
本発明は、上述した形質転換微生物を用いて直接発酵法によって培養液内に高収率でXMP又はGMPを収得することができる。好ましくは、前記方法で使用される微生物はプロリンデヒドロゲナーゼの活性が増加した微生物であり、また、前記微生物である宿主の染色体内にベクターのputA遺伝子が組み込まれることによりXMP及びGMPの生産量を増加させることができる。このような生産方法に使用される微生物は、好ましくは受託番号KCCM11068Pであってもよい。
他の態様として、本発明は、本発明に係る微生物を培養し、その培養液から5’−キサンチル酸又は5’−グアニル酸を生産する方法に関するものである。
好ましくは、本発明は、putA遺伝子を含むベクターで形質転換された菌株を培養してXMPを収得する方法を含むXMP生産方法を提供し、また、(a)putA遺伝子を
含むベクターで形質転換された菌株を培養する段階、(b)前記(a)段階で培養された菌株にXMPアミナーゼを添加する段階と、(c)前記(b)段階の培養液からGMPを収得する段階とを含む、GMPの生産方法を提供する。より好ましくは、前記寄託された微生物を用いて直接発酵法によって培養液中に高収率でXMPを直接蓄積して生産する方法を提供する。また、さらに前記XMP及び前記形質転換された微生物を含む培養液に、XMPアミナーゼ活性を有する酵素又は微生物、好ましくは大腸菌を添加し、転換反応を行わせた後、前記培養液中のGMPを分離精製することにより、GMPを収得することができる。
本発明で培養液として使用される培地は、当業界で通常使用される培地が制限なく使用できる。好ましくは、培地はブドウ糖を炭素源として使用し、その他の適量の炭素源を多様に利用できる。培養に使用される培地は、適切な方式で特定菌株の要件を満たさなければならない。コリネバクテリウム菌株に対する培養培地は公知になっている(例えば、Manual of Methods for General Bacteriology. American Society for Bacteriology. Washington D.C., USA, 1981)。使用できる糖源としては、グルコース、ガラクトース、サ
ッカロース、アラビノース、麦芽糖、キシロース、トレハロース、リボース、ラクトース、フラクトース、マルトース、澱粉、セルロースなどの糖及び炭水化物、大豆油、ヒマワリ油、ヒマシ油、ヤシ油などのオイル及び脂肪、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸などの脂肪酸、グリセロール、エタノールなどのアルコール、酢酸などの有機酸が含まれる。これらの物質は単独で又は組み合わせて使用できる。使用できる窒素源としてはペプトン、酵母抽出物、肉汁、麦芽抽出物、トウモロコシ浸漬液、大豆ミールなどの有機窒素源、及び尿素、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどの無機窒素源が含まれる。これらの窒素源も単独で又は組み合わせて使用できる。前記培地に使用できるリン源としては、リン酸二水素カリウム又はリン酸水素二カリウム又は相応するナトリウム含有塩が含まれる。また、培養培地は成長に必要な硫酸マグネシウム又は硫酸鉄などの金属塩を含有することができる。その他に、前記物質に加えてアミノ酸、ビタミンなどの必須成長物質又は適切な前駆体などがさらに含まれてもよい。前記原料は培養過程で培養物に適切な方式によって回分式又は連続的に添加できる。
培養中に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの塩基性化合物、又はリン酸、硫酸などの酸性化合物を適切な方式で用いて培養物のpHを調節することができる。また、脂肪酸ポリグリコールエステルなどの消泡剤を用いて気泡の生成を抑えることができる。好気状態を維持するために培養物内に酸素又は酸素含有気体(例えば、空気)を注入するか、嫌気又は微好気状態を維持するために該気体の注入なしで窒素、水素又は二酸化炭素ガスを注入することができる。培養物の温度は通常20℃〜45℃、好ましくは30℃〜35℃、又は35℃〜37℃である。培養は所望の目的物質の生成量が最大に得られるまで行い続けることができ、好ましくは10〜160時間内で達成することができる。
XMP又はGMPは培養培地中に排出されてもよく、細胞中に含まれていてもよい。本発明のXMP又はGMPを生産する方法は、細胞又は培養培地からXMP又はGMPを回収する段階を含む。細胞又は培養培地からXMP又はGMPを回収する方法は当業界に広く知られている。前記XMP又はGMP回収方法には濾過、陰イオン交換クロマトグラフィー、結晶化及びHPLCなどが使用できるが、これらの例に限定されない。
別の態様として、本発明は、5’−キサンチル酸又は5’−グアニル酸を生産するための本発明に係る微生物の用途に関するものである。
本発明のプロリンデヒドロゲナーゼ活性が内在的活性より増加した5’−キサンチル酸
又は5’−グアニル酸生産コリネバクテリウム属微生物は、プロリンデヒドロゲナーゼの増大した活性により高収率でXMP又はGMPを生産することができるので、5’−キサンチル酸又は5’−グアニル酸を生産するために有用に使用することができる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。ところが、これらの実施例は本発明を例示的に実施するためのもので、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1:XMP生産菌株コリネバクテリウムアンモニアゲネスKCCM10530由来のputAクローニング及び染色体挿入用組み換えベクター(pDZ−putA)の作製
本実施例では、韓国公開特許第10−2007−94433号に開示されたベクターpDZを用いて遺伝子の染色体挿入を行った。pDZベクターを用いてコリネバクテリウムの染色体ヌクレオチドを挿入するためには、染色体上の挿入される部位と相同性を有する配列が、挿入されるpDZベクター内に含まれなければならないので、挿入しようとする配列を両隣に含んでいるpDZベクターを作製した。
本実施例では、putA遺伝子の増幅のために、NIH GenBankに基づいてp
utA遺伝子の塩基配列情報(NCBI ID_3344496)を確保し、これに基づ
いて2対のプライマー(配列番号1〜4)を合成した。
コリネバクテリウムKCCM10530を鋳型とし、前記配列番号1〜4のオリゴヌク
レオチドをプライマーとしてPCRを行った。重合酵素としてPfuUltraTM高信頼DNAポリメラーゼ(Stratagene、米国)を使用した。PCRは、変性95℃30秒、アニーリング55℃30秒、及び重合反応68℃2分で、25サイクル繰り返し行った。その結果、4.4kbのputA遺伝子2対(putA−A、putA−B)を得た。putA−Aは配列番号1と2をプライマーとして用いて増幅されたものであり、putA−Bは配列番号3及び4をプライマーとして増幅されたものである。
配列番号1:CCCAAGCCTTGAGCGCGTCGGTCACTCAACTA
配列番号2:CAGCCAATCTTGCAGCCAA
配列番号3:TGAGCGTCGGTCACTCAACTA
配列番号4:CGGGATCCCAGCCAATCTTGCAGTCCAA
前記増幅産物putA−A、putA−Bの各末端に含まれた制限酵素(putA−A:HindIII、putA−B:BamHI)を処理し、次に制限酵素HindIIIとBamHIの処理されたpDZベクターに3断片を結合することにより、最終的にputA2コピーが連続的にクローニングされたpDZ−putA組み換えベクターを得た。図1はコリネバクテリウム染色体挿入用pDZ−putAを示す図である。
実施例2:putA挿入菌株の開発
作製されたpDZ−putAベクターをKCCM10530菌株に形質転換し、実施例1で記述したように2次組み換え過程を経て染色体上でputA遺伝子の直ぐ隣に1コピーのputA遺伝子をさらに挿入してコピー数を2個に増加させたXMP生産菌株コリネバクテリウムアンモニアゲネスKCJ−1346を得た。前記KCJ−1346と命名した新規な微生物を、2010年2月24日に国際寄託機関としての韓国微生物保存センター(Korean Culture Center of Microorganisms:KCCM、韓国ソウル市西大門区弘済
1洞361−221ユリムビル)に受託番号KCCM11068Pで寄託した。連続的に挿入されたputA遺伝子は2コピーのputAの上流(upstream)と下流(downstream)の塩基配列部位を増幅することが可能なプライマー(配列番号5及び配列番号6)を用いた
PCRで最終確認した。
配列番号5:CGAACTACGTGGCACAGTTTG
配列番号6:AGCAGGCCATTAAAACGACC
実施例3:putA挿入菌株のXMP生産
実施例2で最終的に作製されたXMP生産菌株としてのコリネバクテリウムアンモニアゲネスKCJ−1346をXMP生産のために下記の方法で培養した。下記種培地3mLを含有する14mLのチューブにコリネバクテリウムアンモニアゲンス母菌株KCCM10530とKCJ−1346を接種し、30℃で20時間200rpmにて振盪培養した。下記の生産培地32mL(本培地24mL+別殺培地8mL)を含んでいる250mLのコーナーバッフルフラスコに0.4mLの種培養液を接種し、30℃で96時間230rpmにて振盪培養した。培養終了の後、HPLCを用いた方法によって5’−キサンチル酸の生産量を測定した。コリネバクテリウムアンモニアゲネスKCCM10530とKCJ−1346に対する培養液中のXMPは、下記表1のとおりである。
Figure 2015171380
種培地:ブドウ糖30g/L、ペプトン15g/L、酵母エキス15g/L、塩化ナトリウム2.5g/L、尿素3g/L、アデニン150mg/L、グアニン150mg/L(pH7.2)
生産培地(本培地):ブドウ糖80g/L、硫酸マグネシウム10g/L、硫酸鉄20mg/L、硫酸亜鉛10mg/L、硫酸マンガン10mg/L、アデニン30mg/L、グアニン30mg/L、ビオチン100μg/L、硫酸銅1mg/L、チアミン塩酸塩5mg/L、塩化カルシウム10mg/L(pH7.2)
生産培地(別殺培地):リン酸第一カリウム10g/L、リン酸第二カリウム10g/L、尿素7g/L、硫酸アンモニウム5g/L
前記表1に示すように、KCJ−1346は、母菌株KCCM10530に比べてXMPの生産が1.3g/L増加したことを確認することができた。これは4.5%の生産増加を意味する。
実施例4:putA挿入菌株のプロリンデヒドロゲナーゼ活性
実施例2で最終的に作製されたXMP生産菌株としてのコリネバクテリウムアンモニアゲネスKCJ−1346のプロリンデヒドロゲナーゼ活性を確認するために、下記の方法で酵素活性を測定した。バクトペプトン10g/L、バクトビーフ抽出物5g/L、バクト酵母抽出物5g/L、NaCl2.5g/L、アデニン50mg/L、グアニン50mg/Lの培地に菌株を接種し、30℃で12時間培養してOD10まで培養させた。培養の後、10mLの細胞を培養液から回収して50mM HEPES、10mM 酢酸カリウム、10mM CaCl、10mM MgClバッファで2回洗浄して100mM T
ris−HClバッファ(pH7.5)1mLに浮遊させた。
細胞粉砕機(sonicator)を用いて細胞を破壊した後、遠心分離機を用いて上澄液を分離
した。分離された上澄液をさらに遠心分離してペレットのみを取って100μLのバッフ
ァに溶かした。この中の10μLを酵素液として用いた。反応液を100mM Tris
−HCl(pH7.5)と50μM 2,6−ジクロロインドルフェノール(2,6-dichloroindolphenol、ClInd)の混合物で作った。ClIndは冷凍させてから反応直前に混ぜ込んだ。作っておいた反応混合物980μLに基質(substrate)としての100
mMプロリン10μL、酵素液10μLを添加して30℃で15分間混ぜながら反応させた。反応の後、酵素の活性は還元されたClIndの濃度で確認することができる。ClIndの600nmにおける吸収係数(absorption coefficient)は22cm−1mM−1であった。
Figure 2015171380
前記表2に示すように、KCJ−1346は、母菌株KCCM10530に比べてプロリンデヒドロゲナーゼ酵素活性が22%増加したことを確認することができた。
実施例5:putA挿入菌株のATP濃度の測定
実施例2で最終的に作製されたXMP生産菌株としてのコリネバクテリウムアンモニアゲネスKCJ−1346の細胞内ATP濃度測定のために、次の方法で培養した。
下記種培地3mLを含有する14mLのチューブにコリネバクテリウムアンモニアゲネス母菌株KCCM10530と変異株KCJ−1346を接種し、30℃で20時間200rpmにて振盪培養した。下記の種培地25mLを含んでいる250mLのコーナーバッフルフラスコに0.4mLの種培養液を接種し、30℃で20時間230rpmにて振盪培養した。培養完了の後、培養液の最終的な細胞ODと細胞内のATP濃度を測定した。
前記実験の結果、母菌株KCCM10530に比べて、本発明の変異株KCJ−1346の単位OD当たりの生成したATP濃度が高いことを確認することができた。これは結果的に既存の菌株に比べてXMP及びGMPの生成収率が高くなる可能性を示唆する。結果は表3に示す。
Figure 2015171380
前記表3に示すように、KCJ−1346は母菌株KCCM10530に比べて単位OD当たりの生成したATP濃度が約60%増加したことを確認することができた。
実施例6:putA挿入菌株のXMP発酵及びGMP生産
実施例2で最終的に作製されたXMP生産菌株としてのコリネバクテリウムアンモニア
ゲネスKCJ−1346をGMP生産のために、次の方法で培養した。
下記種培地3mLを含有する14mLのチューブにコリネバクテリウムアンモニアゲネス母菌株KCCM10530と変異株KCJ−1346を接種し、30℃で20時間200rpmにて振盪培養した。下記の生産培地32mL(本培地24mL+別殺培地8mL)を含んでいる250mLのコーナーバッフルフラスコに0.4mLの種培養液を接種し、30℃で96時間230rpmにて振盪培養した。生成したXMPのGMP転換反応を行うために三角フラスコ中の発酵液に下記の転換反応添加物と大腸菌のXMPアミナーゼを添加し、40℃で2.5時間転換反応を行った。
前記実験の結果、母菌株KCCM10530に比べて、本発明の変異株KCJ−1346のXMP消費量に対するGMP生成量を意味する転換率が向上したことを確認することができた。結果的に、既存の菌株に比べてGMPの生成収率が高くなった菌株を獲得することができた。結果は表4に示す。
Figure 2015171380
前記表4に示すように、KCJ−1346は、母菌株KCCM10530に比べて転換率が1.4%、GMP濃度が6.9%増加したことを確認することができた。
種培地:ブドウ糖30g/L、ペプトン15g/L、酵母エキス15g/L、塩化ナトリウム2.5g/L、尿素3g/L、アデニン150mg/L、グアニン150mg/L(pH7.2)
生産培地(本培地):ブドウ糖80g/L、硫酸マグネシウム10g/L、硫酸鉄20mg/L、硫酸亜鉛10mg/L、硫酸マンガン10mg/L、アデニン30mg/L、グアニン30mg/L、ビオチン100μg/L、硫酸銅1mg/L、チアミン塩酸塩5mg/L、塩化カルシウム10mg/L(pH7.2)
生産培地(別殺培地):リン酸第一カリウム10g/L、リン酸第二カリウム10g/L、尿素7g/L、硫酸アンモニウム5g/L
転換反応添加物:フィチン酸(phytic acid)1.8g/L、MgSO4.8g/L、
ナイミーン(nymeen)3mL/L、キシレン(xylene)2%、アデニン100mg/L、NaHPO7.7g/L、グルコース46g/L
Figure 2015171380

Claims (10)

  1. プロリンデヒドロゲナーゼ活性が内在的活性より増加した、5’−キサンチル酸又は5’−グアニル酸生産コリネバクテリウム属微生物。
  2. 前記微生物はコリネ型バクテリアのputA遺伝子の発現量の増加によりプロリンデヒドロゲナーゼ活性が増加したことを特徴とする、請求項1に記載のコリネバクテリウム属微生物。
  3. 前記putA遺伝子は配列番号7の塩基配列を有するものである、請求項2に記載のコリネバクテリウム属微生物。
  4. putA遺伝子を含むベクターが導入されて形質転換された、請求項1に記載のコリネバクテリウム属微生物。
  5. 図1の切断地図を有する組み換えベクターが導入されて形質転換された、請求項1に記載のコリネバクテリウム属微生物。
  6. 前記微生物はATP生産能が増加した微生物である、請求項1に記載のコリネバクテリウム属微生物。
  7. 前記微生物はコリネバクテリウムアンモニアゲネス(Corynebacterium ammoniagenes)である、請求項1に記載のコリネバクテリウム属微生物。
  8. 前記微生物は受託番号がKCCM11068Pであることを特徴とする、請求項1に記載のコリネバクテリウム属微生物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の微生物を培養し、培養液から5’−キサンチル酸又は5’−グアニル酸を生産する方法。
  10. (a)putA遺伝子を含むベクターで形質転換された菌株を培養する段階と、
    (b)前記(a)段階で培養された菌株に5’−キサンチル酸アミナーゼを添加する段階と、
    (c)前記(b)段階の培養液から5’−グアニル酸(GMP)を収得する段階とを含んでなる、5’−グアニル酸の生産方法。
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