JP2015171341A - レモン果汁発酵液の製造方法 - Google Patents

レモン果汁発酵液の製造方法 Download PDF

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【課題】レモン果汁の旨味が際立ち新たな風味を呈する発酵液を得ることができるレモン果汁発酵液の製造方法を提供すること。【解決手段】レモン果汁発酵液の製造方法であって、レモン果汁液を乳酸菌で発酵させる発酵工程を含み、レモン果汁発酵液の乳酸濃度が全量を基準として1000質量ppm以上である、レモン果汁発酵液の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、レモン果汁発酵液の製造方法に関する。本発明はまた、当該製造方法により得られるレモン果汁発酵液、及びそれを含有する飲食品にも関する。
乳酸菌は、ヨーグルト、漬け物等の様々な発酵食品の製造に用いられている。乳酸菌はまた、生理活性を有する発酵物の製造にも利用されている。例えば、特許文献1には、レモンに乳酸菌を作用させることにより得られる発酵物であって、酵素阻害活性を有することを特徴とする発酵物が開示されている。
特開2006−89408号公報
ところで、本発明者の検討によれば、柑橘類(特に、レモン)の果汁には旨味アミノ酸(遊離型)が豊富に存在している。しかしながら、柑橘類の果汁自体では、ほとんど旨味を感じることができない。また、これまでこの旨味を際立たせて、柑橘類の果汁に新たな風味を付与する方法はなかった。
特許文献1に記載の発明は、優れた生理活性を有する発酵物を得ることを目的としており、当該発酵物の風味に着目した検討はなされていない。
そこで、本発明は、レモン果汁の旨味が際立ち新たな風味を呈するレモン果汁発酵液の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、レモン果汁発酵液の製造方法であって、レモン果汁液を乳酸菌で発酵させる発酵工程を含み、上記レモン果汁発酵液の乳酸濃度が全量を基準として1000質量ppm以上である、レモン果汁発酵液の製造方法に関する。なお、本明細書において、「質量ppm」とは、10−4質量%を表す。
レモン果汁は、旨味アミノ酸(遊離型)を極めて高含有しており、上記レモン果汁発酵液の製造方法によれば、レモン果汁の旨味が際立ち新たな風味を有するレモン果汁発酵液を得ることができる。すなわち、当該レモン果汁発酵液は、苦味雑味が低減されており、マイルドで旨味が感じられる風味を呈する。
上記発酵工程は、上記乳酸菌の増殖を伴うものであることが好ましい。これにより、レモン果汁の旨味がより一層際立ったレモン果汁発酵液を得ることができる。ここで、乳酸菌の増殖とは、細胞分裂を伴い、菌数が増加する現象を指す。
上記乳酸菌は、ラクトバチラス(Lactobacillus)に属する乳酸菌であることが好ましく、ラクトバチラス・ブレビス(L.brevis)SBC8803(受託番号:FERM BP−10632)、ラクトバチラス・プランタルム(L.plantarum)亜種プランタルムJCM1149及びラクトバチラス・ブッヒネリ(L.buchneri)亜種ブッヒネリJCM1115から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。これにより、レモン果汁の旨味がより一層際立ったレモン果汁発酵液を得ることができる。
ラクトバチラスに属する乳酸菌は、古くから発酵食品に利用されている乳酸菌の一種であり、生体への安全性が充分に確立されている。生体への安全性が高いことから、上記レモン果汁発酵液は、長期間継続的に摂取することも可能である。
なお、ラクトバチラス・ブレビスSBC8803は、2006年6月28日に独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566))に寄託された、受託番号がFERM BP−10632の菌株である。本明細書において、この菌株を「SBL88株」とも称する。
上記レモン果汁発酵液の製造方法は、上記発酵工程の前に、上記レモン果汁液をペプチド結合加水分解酵素で処理する酵素処理工程を含むことが好ましい。
酵素処理工程を含むことによって、乳酸菌による発酵がより効率よく進むため、レモン果汁の旨味がより一層際立ったレモン果汁発酵液を得ることができる。
上記レモン果汁発酵液の製造方法は、上記発酵工程の前に、上記レモン果汁液からクエン酸又はその塩を除去する減酸処理工程を含むことが好ましい。
減酸処理工程を含むことによって、乳酸菌の増殖効率が向上するため、レモン果汁の旨味がより一層際立ったレモン果汁発酵液を得ることができる。
本発明はまた、上記レモン果汁発酵液の製造方法により得られたレモン果汁発酵液を含む、飲食品にも関する。
本発明によれば、レモン果汁の旨味が際立ち新たな風味を呈するレモン果汁発酵液の製造方法の提供が可能となる。
実施例1の果汁液及び果汁発酵液を味覚センサーで測定した結果を示すグラフである。 実施例2の果汁液及び果汁発酵液を味覚センサーで測定した結果を示すグラフである。 実施例3の果汁液及び果汁発酵液を味覚センサーで測定した結果を示すグラフである。 参考例1の果汁液及び果汁発酵液を味覚センサーで測定した結果を示すグラフである。 比較例1の果汁液及び果汁発酵液を味覚センサーで測定した結果を示すグラフである。 比較例2の果汁液及び果汁発酵液を味覚センサーで測定した結果を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
〔柑橘系果汁発酵液の製造方法〕
本実施形態に係る柑橘系果汁発酵液の製造方法は、柑橘系果汁液を乳酸菌で発酵させる発酵工程を含む。
柑橘系果汁液は、柑橘類の果汁そのものであってもよく、柑橘類の果汁に減酸処理、タンパク質加水分解処理、希釈又は濃縮処理等の処理を施したものであってもよい。柑橘類は、ミカン科のミカン属、キンカン属、カラタチ属に属する植物を含む。柑橘類としては、例えば、オレンジ、グレープフルーツ、ユズ、ダイダイ、カボス、スダチ、ユコウ、シークヮーサー、レモン、ライム、シトロン、ナツミカン、ハッサク、ヒュウガナツ、イヨカン、ブンタン、ポンカン、ミカン及びキンカンが挙げられる。
柑橘系果汁液は、レモン果汁液又はオレンジ果汁液であることが好ましい。これらの果汁液を用いることにより、柑橘類の果汁の旨味が際立つ効果がより一層奏される。また、レモン果汁は、旨味アミノ酸の含有量が顕著に高く、レモン果汁液を用いることにより、レモン果汁の旨味が際立つ効果を顕著に奏する。以下、説明する柑橘系果汁発酵液の製造方法は、レモン果汁発酵液の製造方法と読み替えることもできる。
乳酸菌は、特に制限されるものではないが、ヘテロ発酵乳酸菌であることが好ましい。ヘテロ発酵乳酸菌は、糖から乳酸を生成するホモ発酵乳酸菌と異なり、乳酸の他にエタノールと二酸化炭素も生成する乳酸菌である。
乳酸菌としては、柑橘類の果汁の旨味がより一層際立つため、ラクトバチラスに属する乳酸菌であることがより好ましく、ラクトバチラス・ブレビスに属する乳酸菌、ラクトバチラス・プランタルムに属する乳酸菌、及びラクトバチラス・ブッヒネリに属する乳酸菌からなる群より選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。
乳酸菌としては、柑橘類の果汁の旨味がより一層際立った柑橘系果汁発酵液を得ることができるため、ラクトバチラス・ブレビスSBC8803(SBL88株)、ラクトバチラス・プランタルム亜種プランタルムJCM1149(SBC8259株)及びラクトバチラス・ブッヒネリ亜種ブッヒネリJCM1115(SBC8274株)から選択される少なくとも1種であることが特に好ましい。
上述した乳酸菌は、例えば、理化学研究所バイオリソースセンター、製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター等の公知の微生物株保存機関から購入することもできる。
(発酵工程)
発酵工程は、得られる柑橘系果汁発酵液の乳酸濃度が全量を基準として1000質量ppm以上となるように実施する。柑橘系果汁液は通常乳酸をほとんど含まず、柑橘系果汁発酵液中の乳酸は、乳酸菌の増殖により主に増加する。
得られる柑橘系果汁発酵液の乳酸濃度は、全量を基準として1200質量ppm以上であってもよく、1500質量ppm以上であってもよく、1800質量ppm以上であってもよい。乳酸濃度の上限は、過剰な発酵を抑制する観点から、通常10000質量ppm以下であり、5000質量ppm以下であることが好ましい。
柑橘系果汁発酵液の乳酸濃度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(例えば、島津製作所社有機酸分析システム)により測定することができる。
発酵工程における乳酸菌の使用量は特に制限がなく、使用する乳酸菌の種類に応じて最適な条件を設定すればよい。例えば、乳酸菌としてSBL88株を使用する場合、初発濃度が1×10〜1×10cfu/mLになるように添加することができる。
発酵温度は、使用される乳酸菌の種類に応じて、適宜設定することができる。例えば、乳酸菌としてSBL88株を使用する場合、発酵温度は25〜35℃、好ましくは30℃とすることができる。
発酵時間は、使用される乳酸菌の種類に応じて、適宜設定することができる。例えば、乳酸菌としてSBL88株を使用する場合、発酵時間は、通常18〜72時間であり、好ましくは24〜48時間である。また、例えば、発酵途中の発酵液を適宜採取して、発酵液中の乳酸濃度を確認しながら発酵時間を制御することもできる。
(酵素処理工程)
本実施形態に係る柑橘系果汁発酵液の製造方法は、酵素処理工程を更に含んでいてもよい。酵素処理工程は、発酵工程の前に、柑橘系果汁液をペプチド結合加水分解酵素で処理する工程である。酵素処理工程を実施することにより、柑橘類の果汁の旨味がより一層際立った柑橘系果汁発酵液を得ることができる。
ペプチド結合加水分解酵素は、ペプチド結合(−C(=O)−NH−)を加水分解する酵素である。ペプチド結合加水分解酵素は、ペプチドを加水分解するペプチダーゼ、及びタンパク質を加水分解するプロテアーゼを含む。ここで、「ペプチド」とは、100残基未満のアミノ酸がペプチド結合により連結したポリマーをいうものとする。同様に、「タンパク質」とは、100残基以上のアミノ酸がペプチド結合により連結したポリマーをいうものとする。
ペプチド結合加水分解酵素としては、例えば、ペプチダーゼ及びプロテアーゼからなる群より選択される少なくとも1種の酵素を使用することができる。
ペプチダーゼ及びプロテアーゼは、ペプチド又はタンパク質の配列末端からアミノ酸残基を1〜2残基ずつ切断する活性を有するエキソ型のペプチダーゼ及びプロテアーゼ、並びにペプチド又はタンパク質の配列内部を切断する活性を有するエンド型のペプチダーゼ及びプロテアーゼに分類することができる。
酵素処理工程において使用されるペプチド結合加水分解酵素としては、エキソ型のペプチダーゼ活性、又はエキソ型のプロテアーゼ活性を含むものであることが好ましい。これにより、得られる柑橘系果汁発酵液の柑橘類の果汁の旨味が際立つ効果がより一層奏される。また、エンド型の活性よりもエキソ型の活性の方が高いものがより好ましく、エンド型の活性を含まないものが更に好ましい。
ペプチド結合加水分解酵素としては、市販品を用いることもできる。例えば、スミチームACP−G(新日本化学工業株式会社製、エキソ型のみ)、スミチームLPL−G(新日本化学工業株式会社製)、スミチームAP(新日本化学工業株式会社製)、スミチームRPII(新日本化学工業株式会社製)、ニューラーゼF3G(天野エンザイム株式会社製)、プロテアーゼYP−SS(ヤクルト薬品工業株式会社製)等を挙げることができる。
ペプチド結合加水分解酵素の添加量は、使用するペプチド結合加水分解酵素の種類によって適宜決定すればよい。例えば、スミチームLPL−Gを使用する場合、柑橘系果汁液全量に対して、0.001質量%〜0.1質量%とすることができ、スミチームACP−Gを使用する場合、柑橘系果汁液全量に対して、0.001質量%〜0.1質量%とすることができ、プロテアーゼYP−SSを使用する場合、柑橘系果汁液全量に対して、0.00001質量%〜0.001質量%とすることができる。
ペプチド結合加水分解酵素による柑橘系果汁液の処理時間及び処理温度は、使用するペプチド結合加水分解酵素の種類及び添加量等により適宜決定すればよいが、例えば、40〜50℃で0.5〜4時間とすることができる。
ペプチド結合加水分解酵素による柑橘系果汁液の処理後、ペプチド結合加水分解酵素を失活させてもよい。酵素を失活させる方法は、使用するペプチド結合加水分解酵素の種類に応じて適宜決定すればよい。例えば、pHを調整して失活させる方法、加熱して失活させる方法、有機溶媒(例えば、エタノール)を添加して失活させる方法、塩濃度を調整して失活させる方法を挙げることができる。中でも、操作が容易であることから、加熱して失活させる方法が好ましい。
加熱する場合の加熱温度及び加熱時間は、使用するペプチド結合加水分解酵素の種類に応じて適宜決定すればよいが、例えば、60℃〜100℃で、30分間〜120分間としてもよい。
(減酸処理工程)
本実施形態に係る柑橘系果汁発酵液の製造方法は、減酸処理工程を更に含んでいてもよい。減酸処理工程は、発酵工程の前に、柑橘系果汁液からクエン酸又はその塩を除去する工程である。減酸処理工程を実施することにより、発酵工程における乳酸菌の増殖効率を高めることができる。
減酸処理工程は、例えば、柑橘系果汁液に炭酸カルシウム(CaCO)を添加し、クエン酸カルシウム塩を形成させ、これを不溶物として除去することにより実施することができる。また、イオン交換樹脂により、減酸処理をすることも可能である。
減酸処理工程では、柑橘系果汁液からクエン酸又はその塩を完全に除去する必要はなく、例えば、柑橘系果汁液中のクエン酸濃度が全量を基準として3質量%以下となるように実施してもよく、2質量%以下となるように実施してもよい。
なお、このような減酸処理工程を経た果汁液は、市販品で入手可能である。
〔飲食品〕
上述の製造方法により得られた柑橘系果汁発酵液は、そのまま飲食品として使用することもできる。また、必要に応じて得られた柑橘系果汁発酵液に添加物を添加した飲食品としてもよい。
添加物としては、例えば、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム等の甘味料、香料、保存料、香料、乳化剤、酸味料、ゲル化剤、加工澱粉、塩類、水、糖、澱粉、デキストリン、脂質、乳原料、乳、果汁、野菜汁等が挙げられる。
上述の製造方法により得られた柑橘系果汁発酵液は、飲食品に添加して使用することもできる。このような飲食品としては、例えば、飲料(果汁飲料、野菜飲料など)、調味料が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔測定方法〕
(遊離アミノ酸量の測定)
遊離アミノ酸量は、測定サンプルを採取して遠心分離した後、その上清を0.02Nの塩酸で処理し、アミノ酸分析装置(L−8800、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)で各アミノ酸の含有量を定量することにより測定した。
以下、旨味アミノ酸とは、グルタミン酸及びアスパラギン酸であり、苦味アミノ酸とは、フェニルアラニン、チロシン、アルギニン、イソロイシン、メチオニン及びリジンであり、甘味アミノ酸とは、グリシン、アラニン、トレオニン、プロリン及びセリンである。
(有機酸量の測定)
有機酸量は、測定サンプルを採取し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(測定機器:島津製作所社有機酸分析システム)を用いて測定した。
(ブリックス値の測定)
ブリックス値は、デジタル屈折計(RX−5000i、アタゴ社製)により測定した。
(味覚の評価)
市販の味覚センサー(SA402B、インセント社製)を使用して味覚を評価した。評価項目は、酸味、塩味、旨味、苦味雑味、渋味刺激、苦味、渋味及び旨味コクとした。ガス抜きした果汁液又は果汁発酵液100mLをサンプルとして使用して、味覚センサーによる測定を行い、得られたデータを専用の解析ソフトウェアにより解析した。
〔実施例1:レモン果汁発酵液(SBL88)〕
減酸処理が施されたレモン果汁液を用い、スミチームLPL−G、スミチームACP−G(新日本化学工業株式会社製)を各々0.02質量%添加して混合し、45℃で30分間保持した。酵素処理終了後、80℃で30分間、酵素失活処理を行った(酵素処理工程)。こうして、ブリックス値11、pH4.2、クエン酸濃度2質量%(全量基準)のレモン果汁液を得た。
得られたレモン果汁液にSBL88株を5.6×10cfu/mLとなるように添加し、30℃で24時間インキュベートし、レモン果汁発酵液を得た(発酵工程)。得られたレモン果汁発酵液中のSBL88株濃度は、1.6×10cfu/mLであった。
レモン果汁液(レモン果汁発酵前)及びレモン果汁発酵液(レモン果汁SBL88発酵後)について、上述した方法により、遊離アミノ酸量及び有機酸量の測定、並びに味覚の評価を行った。結果を表1及び図1に示す。
〔実施例2:レモン果汁発酵液(SBC8274)〕
SBL88株に代えてSBC8274株を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、レモン果汁発酵液を得た。レモン果汁液(レモン果汁発酵前)及びレモン果汁発酵液(レモン果汁SBC8274発酵後)についての評価結果を表1及び図2に示す。
〔実施例3:レモン果汁発酵液(SBC8259)〕
SBL88株に代えてSBC8259株を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、レモン果汁発酵液を得た。レモン果汁液(レモン果汁発酵前)及びレモン果汁発酵液(レモン果汁SBC8259発酵後)についての評価結果を表1及び図3に示す。
〔参考例1:オレンジ果汁発酵液(SBL88)〕
オレンジを搾汁して得たオレンジ果汁に、プロテアーゼYP−SSを0.0002質量%(ヤクルト薬品工業株式会社製)、スミチームACP−G(新日本化学工業株式会社製)を0.01質量%添加して混合し、50℃で2時間保持した(酵素処理工程)。酵素処理終了後、80℃で30分間、酵素失活処理を行った(酵素失活工程)。こうして、ブリックス値16、pH3.8、クエン酸濃度1.1質量%(全量基準)のオレンジ果汁液を得た。
得られたオレンジ果汁液にSBL88株を添加し、30℃で48時間インキュベートして、オレンジ果汁発酵液を得た(発酵工程)。オレンジ果汁液(オレンジ果汁発酵前)及びオレンジ果汁発酵液(オレンジ果汁発酵後)について、上述した方法により、遊離アミノ酸量及び有機酸量の測定、並びに味覚の評価を行った。結果を表1及び図4に示す。
〔比較例1:レモン果汁発酵液(SBL88−短期間発酵)〕
発酵工程におけるインキュベート時間を3時間としたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、レモン果汁発酵液を得た。得られたレモン果汁発酵液中のSBL88株濃度は、発酵前とほとんど変化がなかった。レモン果汁液(レモン果汁発酵前)及びレモン果汁発酵液(レモン果汁SBL88発酵後(短期間))についての評価結果を表1及び図5に示す。
〔比較例2:グレープ果汁発酵液(SBL88)〕
グレープを搾汁して得たグレープ果汁に、プロテアーゼYP−SSを0.0002質量%(ヤクルト薬品工業株式会社製)、スミチームACP−G(新日本化学工業株式会社製)を0.01質量%添加して混合し、50℃で2時間保持した。酵素処理終了後、80℃で30分間、酵素失活処理を行った。こうして、ブリックス値19、pH3.8、クエン酸濃度0.4質量%(全量基準)のグレープ果汁液を得た。
得られたグレープ果汁液にSBL88株を添加し、30℃で48時間インキュベートして、グレープ果汁発酵液を得た。グレープ果汁液(グレープ果汁発酵前)及びグレープ果汁発酵液(グレープ果汁SBL88発酵後)について、上述した方法により、遊離アミノ酸量及び有機酸量の測定、並びに味覚の評価を行った。結果を表1及び図6に示す。
Figure 2015171341
熟練したパネル6名による試飲の結果、柑橘系果汁液(レモン、オレンジ)を発酵させて得た柑橘系果汁発酵液は、旨味が感じられるようになった。特にレモン果汁発酵液は、旨味が際立っていた。味覚センサーによる測定結果では、柑橘系果汁発酵液は、発酵前の柑橘系果汁液に比べて苦味雑味が激減しているという特徴があった(図1〜4)。旨味アミノ酸、苦味アミノ酸及び甘味アミノ酸量(いずれも遊離アミノ酸量)には、発酵前後で大きな変化は認められなかった。
一方、柑橘系果汁液(レモン)を用いた場合でも、発酵前後で乳酸菌(SBL88)が増殖せず、増殖の指標となる乳酸の蓄積が1000質量ppmに満たない比較例1の柑橘系果汁発酵液では、旨味に変化はなく(試飲結果)、また苦味雑味の低減も認められなかった(図5)。
柑橘系果汁液には該当しないグレープ果汁液を発酵させて得た比較例2のグレープ果汁発酵液では、乳酸菌の増殖の指標となる乳酸の蓄積が1000質量ppmを超えても、旨味に変化はなく(試飲結果)、また苦味雑味の低減も認められなかった(図6)。

Claims (7)

  1. レモン果汁発酵液の製造方法であって、
    レモン果汁液を乳酸菌で発酵させる発酵工程を含み、
    前記レモン果汁発酵液の乳酸濃度が全量を基準として1000質量ppm以上である、レモン果汁発酵液の製造方法。
  2. 前記発酵工程は、前記乳酸菌の増殖を伴うものである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記乳酸菌が、ラクトバチラス(Lactobacillus)に属する乳酸菌である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記乳酸菌が、ラクトバチラス・ブレビス(L.brevis)SBC8803(受託番号:FERM BP−10632)、ラクトバチラス・プランタルム(L.plantarum)亜種プランタルムJCM1149及びラクトバチラス・ブッヒネリ(L.buchneri)亜種ブッヒネリJCM1115から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記発酵工程の前に、前記レモン果汁液をペプチド結合加水分解酵素で処理する酵素処理工程を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記発酵工程の前に、前記レモン果汁液からクエン酸又はその塩を除去する減酸処理工程を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法により得られたレモン果汁発酵液を含む、飲食品。
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