JP2015171311A - 交流電動機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多相のうち一相の相電流を電流センサにより検出し、他の相の電流推定値を演算する交流電動機の制御装置において、制御手段の記憶量及び演算量を低減する交流電動機の制御装置を提供する。
【解決手段】シフト電流算出部42は、例えばセンサ相の電流検出値iw_snsを所定位相区間で積分することにより、センサ相の電流検出値iw_snsに対し位相をずらした「シフト電流値」を算出する。他相電流推定部44は、センサ相の電流検出値iw_sns、及び、シフト電流算出部42が算出したシフト電流値iwshiftに、それぞれ「時間的に不変な係数」を乗じた値同士を加算することによりU相電流推定値iu_estを算出する。従来技術のように、除算やアークタンジェントの計算を伴うセンサ相基準電流位相θxの算出処理をしないため、マップが不要となり記憶量が小さくて済む。また、条件分岐を含む演算が無いため、演算量が低減する。
【選択図】図3

Description

本発明は、多相のうち一相の相電流を電流センサにより検出して交流電動機の通電を制御する交流電動機の制御装置に関する。
近年、低燃費、低排気エミッションの社会的要請から車両の動力源として交流電動機を搭載した電気自動車やハイブリッド自動車が注目されている。例えば、ハイブリッド自動車においては、二次電池等からなる直流電源と交流電動機とを、インバータ等で構成された電力変換装置を介して接続し、直流電源の直流電圧をインバータで交流電圧に変換して交流電動機を駆動するようにしたものがある。
このようなハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される交流電動機の制御装置において、相電流を検出する電流センサを一相の「センサ相」に設け、センサ相の電流検出値に基づき推定した「センサ相以外の推定相」の電流推定値をフィードバックすることで、交流電動機の通電を制御する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。電流センサを一相のみに設けることで、電流センサの数を減らし、インバータの出力端子近傍の小型化や制御系統のコスト低減を図っている。
特許文献1に開示された交流電動機の制御装置では、センサ相に一致する方向にα軸、α軸と直交する方向にβ軸を定義したα−β座標系を用い、センサ相の電流検出値iw_snsに基づいてα軸電流iαを算出すると共に、α軸電流iαの微分値Δiαに基づいてβ軸電流iβを算出する。そして、α軸電流iα及びβ軸電流iβからセンサ相基準電流位相θxを算出し、さらに、センサ相基準電流位相θxとセンサ相の電流検出値iw_snsとに基づいて推定相の電流推定値iu_estを算出する。
この制御装置は、電流指令値を用いずに、α軸電流iαの微分値Δiαに基づいてβ軸電流iβを算出するため、トルクフィードバック制御方式の矩形波制御モードのように、交流電動機の通電制御に電流指令値を用いない制御モードにも適用可能である。なお、矩形波制御モードの「矩形波」とは、電流1周期で1パルスの波形をいう。
一方、交流電動機の通電制御にdq軸電流指令値を用いる電流フィードバック制御方式では、dq軸電流指令値を逆dq変換した相電流指令値を用いてβ軸電流iβを算出することができる。その場合でも、β軸電流iβを算出した後、α軸電流iαとβ軸電流iβとからセンサ相基準電流位相θxを算出する点は同様である。
特開2013−172594号公報
特許文献1の交流電動機の制御装置では、α軸電流iαをβ軸電流iβで除した値のアークタンジェントを計算してセンサ相基準電流位相θxを算出する。この演算は、マップを用いるため、大きな記憶量が要求される。また、(iα/iβ)の除算、及び、符号や角度基準の取り方による条件分岐を含み、多数回の比較が処理を圧迫するため、演算量が大きくなる。さらに、推定精度を向上させるために短周期演算が必要となる。
近年、短周期演算にはゲート回路等を用いたデジタル回路が用いられることが多いが、記憶量及び演算量が大きいと大きなゲート回路が必要となり、コストが増大する。
本発明は上述の課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、多相のうち一相の相電流を電流センサにより検出し、他の相の電流推定値を演算する交流電動機の制御装置において、制御手段の記憶量及び演算量を低減する交流電動機の制御装置を提供することにある。
本発明は、三相以上の多相の交流電動機を駆動するインバータと、交流電動機の多相のうち一相のセンサ相に流れる電流を検出する電流センサと、インバータを構成する複数のスイッチング素子のオン/オフを切り替えて交流電動機の通電を制御する制御手段とを備える交流電動機の制御装置に係る発明である。
ここで、「交流電動機」は、交流駆動のモータ、発電機、及びモータジェネレータを含むものであり、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車の主機として用いられ駆動輪を駆動するためのトルクを発生するモータジェネレータが該当する。また、例えば、モータジェネレータを駆動する電動機制御装置が「交流電動機の制御装置」に該当する。
本発明の制御手段は、センサ相の電流検出値に対し、位相をずらしたシフト電流値を算出する「シフト電流算出手段」と、センサ相の電流検出値及びシフト電流値に、それぞれ「時間的に不変な係数」を乗じた値同士を加算することにより、センサ相以外の少なくとも一相の電流推定値を算出する「他相電流推定手段」とを有することを特徴とする。
本発明では、センサ相の電流検出値とシフト電流とに基づいて、推定相の電流推定値を演算する。特許文献1の制御装置のように、除算やアークタンジェントの計算を伴うセンサ相基準電流位相θxの算出処理をしないため、マップが不要となり記憶量が小さくて済む。また、条件分岐を含む演算が無いため、演算量が低減する。このように記憶量及び演算量を小さくすることにより、小さいゲート回路で短周期演算を実現することができる。
具体的には、制御手段は、位相の関数であるセンサ相の電流検出値を入力とする「遅れフィルタ」の出力としてシフト電流値を算出し、当該遅れフィルタの伝達関数のゲイン及び位相に基づいて、「時間的に不変な係数」を算出することができる。
また、制御手段は、センサ相の電流検出値の、「任意の基準位相から所定の位相(0°<ξ<720°、ξ≠360°)遡った位相から基準位相までの区間での積分値(積分シフト電流Ishift)」に基づいて、シフト電流値及び「時間的に不変な係数」を算出するようにしてもよい。
特に、センサ相の電流検出値に対し、位相を90[°]又は270[°]ずらした電流値をシフト電流値とする場合、すなわち、シフト電流値がセンサ相の電流検出値に直交する場合は、正弦波の区分求積に限らず、sin波とcos波の関係にあることに着目した微分や積分を利用することで演算を簡単にし、処理負荷を低減することができる。
本発明の第1実施形態による交流電動機の制御装置が適用される電動機駆動システムの構成を示す図である。 本発明の第1実施形態による交流電動機の制御装置の全体構成図である。 図2の交流電動機の制御装置の制御部の構成を示すブロック図である。 センサ相電流に対して90°ずれたシフト電流を示す(a)位相軸波形図、(b)固定座標系の図である。 センサ相電流に対して30°ずれたシフト電流を示す(a)位相軸波形図、(b)固定座標系の図である。 矩形波制御モードにおけるスイッチタイミング及び中間タイミングを説明する図である。 本発明の第1実施形態による電流推定処理のフローチャートである。 本発明の第2実施形態によるフィルタ処理を説明する模式図である。
以下、本発明による交流電動機の駆動を制御する交流電動機の制御装置を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態による「交流電動機の制御装置」としての電動機制御装置10は、ハイブリッド自動車を駆動する電動機駆動システム1に適用される。電動機駆動システム1は、交流電動機2、直流電源8、及び電動機制御装置10等を備える。
交流電動機2は、例えば電動車両の駆動輪6を駆動するためのトルクを発生する電動機である。本実施形態の交流電動機2は、永久磁石式同期型の三相交流電動機である。
電動車両には、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池車等、電気エネルギによって駆動輪6を駆動する車両が含まれるものとする。本実施形態の電動車両は、エンジン3を備えたハイブリッド車両であり、交流電動機2は、駆動輪6を駆動するためのトルクを発生する電動機としての機能、及び、エンジン3や駆動輪6から伝わる車両の運動エネルギにより駆動されて発電可能な発電機としての機能を有する、所謂モータジェネレータ(図中、「MG」と記す。)である。
交流電動機2は、例えば変速機等のギア4を介して車軸5に接続される。これにより、交流電動機2の駆動力は、ギア4を介して車軸5を回転させることにより、駆動輪6を駆動する。
直流電源8は、例えばニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池や電気二重層キャパシタ等、充放電可能な蓄電装置である。直流電源8は、電動機制御装置10のインバータ12(図2参照)と接続され、インバータ12を介して交流電動機2と電力の授受可能に構成されている
車両制御回路9は、マイクロコンピュータ等により構成され、内部にはいずれも図示しないCPU、ROM、I/O、及び、これらを接続するバスライン等を備えている。車両制御回路9は、予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理や、専用の電子回路によるハードウェア処理により、電動車両全体を制御する。
車両制御回路9は、いずれも図示しないアクセルセンサからのアクセル信号、ブレーキスイッチからのブレーキ信号、シフトスイッチからのシフト信号、及び、車両の速度に関する車速信号等の各種センサやスイッチ等から信号を取得可能に構成されている。車両制御回路9は、取得されたこれらの信号等に基づいて車両の運転状態を検出し、運転状態に応じたトルク指令値trq*を電動機制御装置10に出力する。また車両制御回路9は、エンジン3の運転を制御する図示しないエンジン制御回路に対し、指令信号を出力する。
図2に示すように、電動機制御装置10は、インバータ12、電流センサ13、及び「制御手段」としての制御部15を備える。
インバータ12には、図示しない昇圧コンバータによる直流電源の昇圧電圧がシステム電圧VHとして入力される。インバータ12は、ブリッジ接続される図示しない6つのスイッチング素子を有する。スイッチング素子には、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ、バイポーラトランジスタ等を用いることができる。制御部15のPWM信号生成部25から出力されるPWM信号UU、UL、VU、VL、WU、WLに基づいてスイッチング素子のオン/オフが制御されることにより、交流電動機2に印加される三相交流電圧vu、vv、vwに基づいて交流電動機2の駆動が制御される。
電流センサ13は、交流電動機2のいずれか一相に設けられる。本実施形態では、電流センサ13は、W相に設けられており、以下、電流センサ13の設けられるW相を「センサ相」という。電流センサ13は、W相の相電流をセンサ相の電流検出値iw_snsとして検出し、制御部15に出力する。
以下、本実施形態の説明では、センサ相をW相とする構成を前提として説明する。ただし、他の実施形態では、U相又はV相をセンサ相としてもよい。
回転角センサ14は、交流電動機2の図示しないロータ近傍に設けられ、電気角θeを検出し、制御部15に出力する。また、回転角センサ14により検出された電気角θeに基づき、交流電動機2のロータの回転数Nが算出される。以下、「交流電動機2のロータの回転数N」を、単に「交流電動機2の回転数N」という。
本実施形態の回転角センサ14は、レゾルバであるが、その他の実施形態では、ロータリエンコーダ等、他種のセンサを用いてもよい。
制御部15は、マイクロコンピュータ等により構成され、内部にはいずれも図示しないCPU、ROM、I/O、及び、これらの構成を接続するバスライン等を備えている。制御部15は、予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理や、専用の電子回路によるハードウェア処理により、交流電動機2の動作を制御する。
電動機制御装置10は、回転角センサ14が検出した電気角θeに基づく交流電動機2の回転数N、及び、車両制御回路9からのトルク指令値trq*に応じて、交流電動機2を「電動機としての力行動作」により電力を消費し、又は「発電機としての回生動作」により電力を生成する。具体的には、回転数N及びトルク指令値trq*の正負によって、以下の4つのパターンで動作を切り替える。
<1.正転力行> 回転数Nが正でトルク指令値trq*が正のとき、電力消費。
<2.正転回生> 回転数Nが正でトルク指令値trq*が負のとき、発電。
<3.逆転力行> 回転数Nが負でトルク指令値trq*が負のとき、電力消費。
<4.逆転回生> 回転数Nが負でトルク指令値trq*が正のとき、発電。
回転数N>0(正転)で、トルク指令値trq*>0である場合、または、回転数N<0(逆転)でトルク指令値trq*<0である場合、インバータ12は、スイッチング素子のスイッチング動作により、直流電源8側から供給される直流電力を交流電力に変換してトルクを出力する(力行動作する)ように、交流電動機2を駆動する。
一方、回転数N>0(正転)で、トルク指令値trq*<0である場合、または、回転数N<0(逆転)でトルク指令値trq*>0である場合、インバータ12は、スイッチング素子のスイッチング動作により、交流電動機2が発電した交流電力を直流電力に変換し、直流電源8側へ供給することにより、回生動作する。
次に、主としてトルクフィードバック制御方式の矩形波制御モードに適用される制御部15の構成について、図3〜図6を参照して説明する。
図3に示すように、制御部15は、トルク減算器52、PI演算部53、矩形波発生器54、信号発生器55、電流推定部40及びトルク推定部56を有する。
トルク減算器52は、トルク推定部56からフィードバックされるトルク推定値trq_estとトルク指令値trq*との差であるトルク偏差Δtrqを算出する。
PI演算部53は、トルク推定値trq_estをトルク指令値trq*に追従させるべく、トルク偏差Δtrqが0に収束するように、電圧ベクトルの位相指令値である「電圧位相指令値VΨ」をPI演算により算出する。
矩形波発生器54は、電圧位相指令値VΨと電気角θeとに基づいて矩形波を発生し、U相電圧指令値vu*、V相電圧指令値vv*、及びW相電圧指令値vw*を出力する。
信号発生器55は、U相電圧指令値vu*、V相電圧指令値vv*、及びW相電圧指令値vw*に基づき、インバータ12のスイッチング素子のオン/オフの切替えに係る電圧指令信号UU、UL、VU、VL、WU、WLを生成し、インバータ12に出力する。
電圧指令信号UU、UL、VU、VL、WU、WLに基づいてインバータ12のスイッチング素子のオン/オフが制御されることにより、三相交流電圧vu、vv、vwが生成される。この三相交流電圧vu、vv、vwが交流電動機2に印加され、トルク指令値trq*に応じたトルクが出力されるように交流電動機2の駆動が制御される。
電流推定部40は、電流センサ13が検出したセンサ相の電流検出値iw_snsと、回転角センサ14から取得された電気角θeとに基づき、後述する特徴的な演算によって推定相の電流推定値iu_estを推定し、さらに、センサ相の電流検出値iw_sns及び推定相の電流推定値iu_estに基づいて、d軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを演算する。
トルク推定部56は、電流推定部40が推定したd軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estに基づいて、トルク推定値trq_estをマップ又は数式等により演算し、トルク減算器52にフィードバックする。
次に、電流推定部40の詳細な構成について説明する。
電流推定部40は、「シフト電流算出手段」としてのシフト電流算出部42、「他相電流推定手段」としての他相電流推定部44、及びdq変換部45を有する。センサ相の電流検出値iw_snsは、シフト電流算出部42、他相電流推定部44、及びdq変換部45に多重的に入力され、各部で段階的に演算が実行される。
また、本実施形態の制御部15は、トルクフィードバック制御方式の矩形波制御モードに適用されるものであるため、基本的にd軸電流指令値id*及びq軸電流指令値iq*を用いない。
シフト電流算出部42は、センサ相の電流検出値iw_snsに対し、位相をずらした「シフト電流値」を算出する。ここで、図4(b)に示すように、W相軸を基準とした電流振幅Iaの電流ベクトル(Ia∠θx)の電流位相を「センサ相基準電流位相θx」と定義する。センサ相の電流検出値iw_snsは、センサ相基準電流位相θx、及び電流振幅Iaを用いて、式(1)で表される。
iw_sns=Ia×sin(θx) ・・・(1)
なお、センサ相基準電流位相の記号について、特許文献1(特開2013−172594号公報)に記載されている「xθ」と、本明細書で用いる「θx」とは同義である。
以下の説明にあたり、本実施形態ではW相がセンサ相であることを前提としており、またセンサ相の電流検出値iw_snsは、位相変化に伴って変化する連続値であるため、文脈によって、「W相電流検出値iw_sns」といったり、或いは、位相に対する連続波形として表現する場合等、「W相検出電流iw_sns」といったりする。W相検出電流iw_snsは、図4(a)に示す正弦波形を呈する。
そして、センサ相の電流検出値iw_snsに対して「シフト位相γ」ずれたシフト電流値を「(W相)シフト電流値iwshift」、或いは、連続波形として表現する場合等は、「値」を付けず、「(W相)シフト電流iwshift」という。
シフト位相γの範囲は、0<γ<360°、γ≠180°であり、W相シフト電流値iwshiftは、式(2)で表される。図4では「γ=90°」の例を示す。
iwshift=Ia×sin(θx−γ) ・・・(2)
補足すると、U相電流推定値iu_estは、式(1)のW相電流検出値iw_snsに対して位相を120[°]ずらした式(3)で表される。すなわち、U相電流推定値iu_estはW相シフト電流値iwshiftの一例に該当する。以下、角度単位の表示について、文中では[°]のように表示し、式中では[ ]を付けないで示す。
iu_est=Ia×sin(θx−120°) ・・・(3)
他相電流推定部44は、センサ相の電流検出値iw_sns、及び、シフト電流算出部42が算出したW相シフト電流値iwshiftに、それぞれ「時間的に不変な係数」を乗じた値同士を加算することによりU相電流推定値iu_estを算出する。すなわち、A、Bを「時間的に不変な係数」とすると、式(4)の形で表される算出式によりU相電流推定値iu_estを算出する。
iu_est=A×iw_sns+B×iwshift ・・・(4)
dq変換部45は、U相の電流推定値iu_est及びセンサ相(W相)の電流検出値iw_snsを式(5)によりdq変換し、d軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを算出する。
Figure 2015171311
つまり、式(2)におけるW相シフト電流値iwshift、及び、式(4)における係数A、Bの情報が得られれば、特許文献1の従来技術のように処理負荷の大きい除算及びアークタンジェントの演算によってセンサ相基準電流位相θxを算出することなく、式(4)による乗算及び加算のみで、U相電流推定値iu_estを算出することができる。
以下、W相シフト電流値iwshift及び係数A、Bの具体的な算出方法を中心に説明する。まず、シフト位相γが90[°]又は270[°]の場合について説明し、その後、シフト位相γが90[°]又は270[°]以外の角度の場合について説明する。
<シフト位相γが90[°]又は270[°]の場合>
図4に示すように、W相検出電流iw_snsに対して位相を90[°]ずらした「W相直交電流」を、W相シフト電流iwshiftとして設定する場合を考える。式(3)を展開し、「Ia×sin(θx)」を含む項と「Ia×sin(θx−90°)=−Ia×cos(θx)」を含む項との和の形で整理すると、式(6)が得られる。シフト位相γが270[°]の場合も、符号が逆転するのみで同様である。
Figure 2015171311
式(6)の第1項のW相電流検出値iw_snsは、電流センサ13から取得される。また、第2項について、電流振幅Iaに対する振幅比((√3)/2)、及び、シフト位相(90[°])の情報が数式から得られる。したがって、W相シフト電流値iwshift(=Ia×sin(θx−90°)=−Ia×cos(θx))が得られれば、他相電流推定部44は、式(6)より、U相電流推定値iu_estを算出することができる。
この場合、W相シフト電流iwshiftはW相直交電流であるので、W相と直交する電流情報は、例えば式(7)に示すように、角速度ωを用い、W相検出電流iw_snsを微分することにより取得可能である。ここで、電流振幅Iaは時間に対してほとんど変化しない、すなわち、電流振幅Iaの時間微分はゼロであるとみなす。
Figure 2015171311
ところで特許文献1(特開2013−172594号公報)の制御装置では、α−β座標系においてα軸電流iαを微分してβ軸電流iβを算出し、その後、α軸電流iαをβ軸電流iβで除した値のアークタンジェントからセンサ相基準電流位相θxを算出する。
この演算は、マップを用いるため、大きな記憶量が要求される。また、(iα/iβ)の除算、及び、符号や角度基準の取り方による条件分岐を含み、多数回の比較が処理を圧迫するため、演算量が大きくなる。さらに、推定精度を向上させるために短周期演算が必要となる。
近年、短周期演算にはゲート回路等を用いたデジタル回路が用いられることが多いが、記憶量及び演算量が大きいと大きなゲート回路が必要となり、コストが増大する
これに対し、本実施形態では、微分によって得られたβ軸電流iβの情報を式(6)に直接用いることで、センサ相基準電流位相θxを算出することなく他相電流を推定することができる点が特徴である。
また、W相直交電流の情報を求める手段は微分に限らず、例えば積分を用いてもよい。この積分を用いる方法については、次の項目で説明する。
<シフト位相γが90[°]又は270[°]以外の角度の場合>
例えば図5に示すように、W相検出電流iw_snsに対して位相を30[°]ずらした電流を、W相シフト電流iwshiftとして設定する場合を考える。式(3)を展開し、「Ia×sin(θx)」を含む項と「Ia×sin(θx−30°)」を含む項との和の形で整理すると、式(8)が得られる。
Figure 2015171311
式(8)の第1項のW相電流検出値iw_snsは、電流センサ13から取得される。また、第2項について、電流振幅Iaに対する振幅比(√3)、及び、シフト位相(30[°])の情報が数式から得られる。したがって、W相シフト電流値「iwshift=Ia×sin(θx−30°)」の値が得られれば、他相電流推定部44は、式(8)より、U相電流推定値iu_estを算出することができる。
続いて、「積分シフト電流Ishift」を用いてW相シフト電流値iwshiftを算出する方法を説明する。
シフト電流算出部42は、W相電流検出値iw_snsの、「任意の基準位相から所定の位相(0°<ξ<720°、ξ≠360°)遡った位相から基準位相までの区間での積分値」として積分シフト電流Ishiftを算出する。ここで、「任意の基準位相」は、演算時現在の位相でもよく、演算時以前の位相としてもよい。
まず、「位相φの関数である電流(Ia×sinφ)を位相(θ−ξ)から位相θまでの区間(但し、ξは、0°<ξ<720°、ξ≠360°である位相)で積分した値」を「積分シフト電流Ishift」と定義する。振幅Iaは位相θに対して不変であるとすると、積分シフト電流Ishiftは、「任意の基準位相」をθとして、式(9)で表される。式(9)は、W相を基準とするセンサ相基準電流位相θxに限らず、一般的な位相θについての式である。
Figure 2015171311
式(9)を変形すると、式(10)のようになる。式(11)で定義されるKsは、振幅比を示す。
Figure 2015171311
Figure 2015171311
式(10)によると、積分シフト電流Ishiftは、電流(Ia×sinθ)に対し、振幅がKs倍であり、位相が(ξ/2)シフトしていることがわかる。
W相をセンサ相とする本実施形態に当てはめ、式(9)の「位相θ」を「センサ相基準電流位相θx」と読み替えると、式(9)、(10)における電流(Ia×sinθ)は、「W相検出電流=Ia×sin(θx)」に相当する。また、式(2)との関係では、「ξ=2γ」である。
下表に、積分区間を示す位相ξ、シフト位相γ、及び、振幅比Ksの例を示す。
Figure 2015171311
次に式(9)を変形し、「θ=θx」とすると、積分シフト電流Ishiftを用いて「Ia×cos(θx)」を定義した式(12)が得られる。
Figure 2015171311
また、U相電流指令値iu_estについて、式(3)を展開してsin(θx)項とcos(θx)項とに分け、「Ia×cos(θx)」に式(12)の右辺を代入し、さらに、式(1)より「Ia×sin(θx)=iw_sns」と置き換えると、式(13)が導かれる。
Figure 2015171311
式(13)は、式(4)に対応する一般式である。これより、任意の位相ξ(=2γ)について、U相電流指令値iu_estを「W相電流検出値iw_sns及び積分シフト電流Ishiftに、それぞれ時間的に不変な係数を乗じた値同士を加算した値」として算出することができる。
上述の「シフト位相γが30[°]の場合」について検証してみる。式(9)において「ξ=60°」を代入すると式(14)が導かれる。よって、シフト電流算出部42が式(14)によりξ=60°での積分シフト電流Ishiftを算出することで、他相電流推定部44は、式(8)によりU相電流指令値iu_estを算出することができる。
Figure 2015171311
このように、式(9)〜(13)を用いることにより、シフト位相γが90[°]又は270[°]以外の角度でも、W相シフト電流値iwshiftを容易に算出することができる。
積分シフト電流Ishiftの演算は正弦波の区分求積によって実行されるため、シフト位相γを比較的小さく設定するほど演算量が少なくなり、演算負荷を低減することができる。一方、シフト位相γを比較的大きく設定するほど、ノイズの影響を低減し、積分シフト電流Ishiftの算出精度を向上させることができる。
さらに、矩形波制御モードにおける電流検出タイミングについて補足する。
図6に示すように、矩形波制御モードにおける各相の電圧波形は、オフ状態である0[V]とオン状態であるシステム電圧VHとを位相180[°]毎に交替する、電流1周期で1パルスの波形である。三相の電圧波形の位相は、互いに120[°]ずれており、インバータ12のいずれかの相のスイッチング素子(図示せず)が電気角60[°]毎にオン/オフすることにより、電圧波形のオン/オフが切替わる。
このスイッチング素子のオン/オフタイミングを「スイッチタイミング」という。連続するスイッチタイミング同士の電気角θeの差は60[°]である。また、連続するスイッチタイミングの間に設定されるタイミングを「中間タイミング」という。中間タイミング同士の電気角θeの差も60[°]である。
図6では、連続するスイッチタイミング同士の電気角差を2等分し、スイッチタイミングから30[°]ずれた電気角θeに中間タイミングが設定されている。ただし、この例に限らず、中間タイミングは、スイッチタイミングからのずれが30[°]以外の電気角θeに設定されてもよく、連続するスイッチタイミング同士の間に2回以上設定されてもよい。
センサ相の電流検出値iw_snsは、スイッチタイミング又は中間タイミングの少なくとも一方で検出される。したがって、電気角60[°]周期での電流検出値が得られることとなる。
また、積分シフト電流Ishiftを用いる場合、シフト電流算出部42は、センサ相の電流検出値iw_snsについての積分演算によって積分シフト電流Ishiftを算出する。この積分演算は、上述したセンサ相の電流検出値iw_snsの検出タイミングに対応し、スイッチタイミング同士の位相区間、又は、中間タイミング同士の位相区間の少なくとも一方の区間で実行されることが好ましい。
次に、電流推定部40が上記の式(9)〜式(13)のロジックに基づき実行する電流推定処理ルーチンについて、図7のフローチャートを参照して説明する。以下のフローチャートの説明で、記号Sは「ステップ」を示す。
この電流推定ルーチンは、制御部15の電源オン期間中に所定の演算周期で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、最初のS10では、電流センサ13で検出したセンサ相の電流検出値iw_snsを取得すると共に、回転角センサ14で検出した交流電動機2の電気角θeを取得する。
S30では、式(9)により、センサ相の電流検出値iw_sns(=Ia×sin(θx))を所定位相区間について積分し、積分シフト電流Ishiftを算出する。
S50では、式(13)により、センサ相の電流検出値iw_sns、及び、積分シフト電流Ishiftに「時間的に不変な係数」を乗じた値同士を加算してU相の電流推定値iu_estを算出する。
S60では、U相の電流推定値iu_est、及び、センサ相(W相)の電流検出値iw_snsを式(15)によりdq変換し、d軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを算出する。
以上で、電流推定部40が実行する電流推定ルーチンを終了する。
(効果)
(1)本実施形態の電動機制御装置10は、三相のうち一相の相電流を電流センサ13により検出し、他の二相の相電流を推定するものである。電流センサ13をセンサ相のみに設けることで、電流センサ13の数を減らすことができる。これにより、インバータ12の三相出力端子近傍を小型化し、また、電動機制御装置10のコストを低減することができる。
また、電流センサ13の数を1つにすることで、複数個の電流センサを用いる従来の交流電動機の制御システムで発生しうる、電流センサのゲイン誤差の影響が無くなる。これにより、交流電動機2において、複数個の電流センサのゲイン誤差が引き起こす出力トルク変動を排することができ、例えば車両用の場合は車両振動を無くすことに繋がり、車両の商品性を下げる要素を取り除くことができる。
(2)電流推定部40は、センサ相の電流検出値iw_snsとシフト電流値iwshiftとに基づいて、推定相の電流推定値iu_estを演算する。特許文献1の制御装置のように、除算やアークタンジェントの計算を伴うセンサ相基準電流位相θxの算出処理をしないため、マップが不要となり記憶量が小さくて済む。また、条件分岐を含む演算が無いため。演算量が低減する。このように記憶量及び演算量を小さくすることにより、小さいゲート回路で短周期演算を実現することができる。
(3)シフト位相γが90[°]又は270[°]以外の角度の場合には、正弦波の区分求積により積分シフト電流Ishiftを算出するため、精度を向上させようとして区分を細かくすると演算量が増大する。それに対し、シフト位相γが90[°]又は270[°]の場合、すなわち、シフト電流値iwshiftがセンサ相の電流検出値iw_snsに直交する場合は、区分求積に限らず、sin波とcos波との関係にあることに着目した微分や積分を利用することで演算を簡単にし、処理負荷を低減することができる。
(4)シフト電流値iwshiftを積分シフト電流Ishiftから算出する場合、シフト電流算出部42は、スイッチタイミング同士の位相区間、又は、中間タイミング同士の位相区間の少なくとも一方でセンサ相の電流検出値iw_snsを積分してシフト電流Ishiftを算出する。
スイッチングタイミング毎に検出した電流検出値の波形は、スイッチング動作による影響を受けて波形が歪むのに対し、中間タイミング毎に検出した電流検出値の波形は、スイッチング動作の影響をあまり受けないため波形がほとんど歪まない。そのため、スイッチタイミング毎の電流検出値と中間タイミング毎の電流検出値の両方からなる電流波形は、正弦波のように規則的に増減せず、不規則に増減する傾向となる。
一方、スイッチングタイミング毎に検出した電流検出値の波形、中間タイミング毎に検出した電流検出値の波形のいずれも、それぞれの波形では、ほぼ規則的に増減する。したがって、スイッチタイミング同士の位相区間、又は、中間タイミング同士の位相区間でシフト電流Ishiftの積分演算を実行すれば、スイッチタイミングと中間タイミングとの間で不規則に増減する電流検出値の影響をほとんど受けずに、積分シフト電流Ishiftを精度良く算出することができる。その結果、推定相の電流推定値iu_estの算出精度を向上させることができる。
また、シフト位相γが90[°]又は270[°]の場合にW相検出電流iw_snsを微分してシフト電流を算出する微分演算のタイミングについても同様のことが言える。
(第2実施形態)
上記第1実施形態における積分演算は、より広い概念では、一種のフィルタ処理と理解される。そこで、制御部15のシフト電流算出部42が遅れのフィルタ処理を連続して実行することによりシフト電流を算出する形態を第2実施形態として説明する。この遅れフィルタには二次以上の高次の遅れフィルタを含むが、ここでは一次遅れフィルタを例として説明する。
第2実施形態は、交流電動機の制御装置の全体構成、制御部の構成、センサ相の電流検出値iw_sns及びシフト電流値iwshiftの例等について、上記第1実施形態の図1〜図6を共通に参照可能である。また、図7について、S30、S50の「積分シフト電流Ishift」という用語を除いて同様である。
第2実施形態で用いられる一次遅れフィルタの伝達関数G(s)を式(15)に示す。κは定数である。
Figure 2015171311
所定角度毎にフィルタ処理を実行する場合、応答g(θ)、入力f(θ)、出力h(θ)は、式(16)、(17)、(18)で示される。応答g(θ)は伝達関数G(s)を逆ラプラス変換した関数である。また、入力f(θ)は検出電流を示し、出力h(θ)はシフト電流を示す。これらの関係を図8に模式的に示す。図8中、Lはラプラス変換、L-1は逆ラプラス変換を示す。
Figure 2015171311
式(18)で定義されるシフト電流h(θ)は、簡単のため、伝達関数のゲイン|G|(式(19.1))及び位相∠G(式(19.2))を用いて、式(20)のように扱ってもよい。
Figure 2015171311
上記の式(16)、(17)、(18)、(20)は、一般的な位相θについての式である。W相をセンサ相とする本実施形態に当てはめ、式(17)の「位相θ」を「センサ相基準電流位相θx」と読み替えると、式(21)のように、入力f(θx)(=Ia×sin(θx))は、W相検出電流iw_snsに相当する。
Figure 2015171311
そして推定相をV相とすると、他相電流推定部44は、式(13)と類似するプロセスによって導出される式(22)により、V相の電流推定値iv_estを算出する。
Figure 2015171311
なお、所定角度毎でなく所定時間毎にフィルタ処理を実行する場合は、「θ」を「ωt(角速度×時間)」に置き換えて、上記と同様の計算式を導くことができる。このとき、伝達関数G(s)に含まれる定数κを回転数(角速度ωに比例)に応じて変えると、ゲイン|G|及び位相∠Gが角速度ωから受ける影響を緩和することができる。
その他、第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(その他の実施形態)
(ア)電流センサにより相電流を検出するセンサ相は、上記実施形態のW相に限らず、U相又はV相としてもよい。また、第1実施形態ではU相、第2実施形態ではV相を推定相として例示したが、センサ相がU相又はV相の場合にはW相を推定相としてもよい。
(イ)本発明による交流電動機の制御装置は、上記実施形態で示したトルクフィードバック制御方式の矩形波制御モードに限らず、電流フィードバック制御方式の正弦波PWM制御モードや過変調PWM制御モードに適用してもよい。
例えば、特開2013−172592/172593号公報の制御装置は、電流フィードバック制御方式に適用され、α−β座標系において、センサ相以外の2相の電流指令値(例えばiu*とiv*)、又は、センサ相以外の一相の電流指令値及びセンサ相の電流検出値(例えばiv*とiw_sns)に基づいて、α軸電流iαに直交するβ軸電流iβを算出する。こうして算出されたβ軸電流iβを「シフト電流」として、上記実施形態の式(6)に直接用いることで、センサ相基準電流位相θxを算出することなく他相電流を推定することができ、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(ウ)上記実施形態の交流電動機は、永久磁石式同期型の三相交流電動機であったが、他の実施形態では、誘導電動機やその他の同期電動機であってもよい。また、上記実施形態の交流電動機は、電動機としての機能、及び発電機としての機能を併せ持つ所謂モータジェネレータであったが、他の実施形態では、発電機としての機能を持たなくてもよい。さらに本発明は、三相交流電動機に限らず、三相以上の多相の交流電動機に広く適用可能である。
(エ)本発明による交流電動機の制御装置は、上記実施形態のようにインバータと交流電動機を一組のみ設けたシステムに限らず、インバータと交流電動機を二組以上設けたシステムに適用してもよい。また、1台のインバータに複数台の交流電動機を並列接続させた電車等のシステムに適用してもよい。
(オ)本発明による交流電動機の制御装置は、図1に示す構成のハイブリッド自動車の交流電動機に限定されず、どのような構成の電動車両の交流電動機に適用してもよい。また、電動車両以外の交流電動機に適用してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
2・・・交流電動機、
10・・・電動機制御装置(交流電動機の制御装置)、
12・・・インバータ、
13・・・電流センサ、
15・・・制御部(制御手段)、
42・・・シフト電流算出部(シフト電流算出手段)、
44・・・他相電流推定部(他相電流推定手段)。

Claims (4)

  1. 三相以上の多相の交流電動機(2)を駆動するインバータ(12)と、
    前記交流電動機の多相のうち一相のセンサ相に流れる電流を検出する電流センサ(13)と、
    前記インバータを構成する複数のスイッチング素子のオン/オフを切り換えて前記交流電動機の通電を制御する制御手段(15)と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記センサ相の電流検出値に対し、位相をずらしたシフト電流値を算出するシフト電流算出手段(42)と、
    前記センサ相の電流検出値及び前記シフト電流値に時間的に不変な係数を乗じた値同士を加算することにより、前記センサ相以外の少なくとも一相の電流推定値を算出する他相電流推定手段(43)と、
    を有することを特徴とする交流電動機の制御装置(10)。
  2. 前記制御手段は、
    位相の関数である前記センサ相の電流検出値を入力とする遅れフィルタの出力として前記シフト電流値を算出し、
    当該遅れフィルタの伝達関数のゲイン及び位相に基づいて、前記時間的に不変な係数を算出することを特徴とする請求項1に記載の交流電動機の制御装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記センサ相の電流検出値の、任意の基準位相から所定の位相(0°<ξ<720°、ξ≠360°)遡った位相から前記基準位相までの区間での積分値に基づいて、前記シフト電流値及び前記時間的に不変な係数を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の交流電動機の制御装置。
  4. 前記シフト電流値は、前記センサ相の電流検出値に対し、位相を90[°]又は270[°]ずらした電流値であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。
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