JP2015170902A - 受信機、直交度誤差補正回路および直交度誤差補正方法 - Google Patents

受信機、直交度誤差補正回路および直交度誤差補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の直交度誤差補正回路では、シンボル点の象限を判定し、偶数象限と奇数象限での電力を分けて算出する必要があり、回路構成が複雑であった。【解決手段】直交変調波r0を検波して互いに直交する同相成分信号ri1および直交成分信号rq1を出力する直交検波部2と、同相成分信号ri1および直交成分信号rq1の位相を、90度を除数として45度の剰余を有する角度である補正回転角だけそれぞれ変化させる位相回転部4、位相回転部4が出力する同相成分信号ri2および直交成分信号rq2の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する振幅補正部5を有する直交度誤差補正回路とを備えた。【選択図】 図1

Description

この発明は、例えばQPSK(Quadrature Phase Shift Modulation)などの直交変調されたディジタル変調信号を直交検波し復調する受信機、直交度誤差補正回路および直交度誤差補正方法に関する。
ディジタル無線通信においては、例えばQPSKなどの直交変調されたディジタル変調信号が広く用いられている。受信機では、受信信号を復調して、同相成分信号および直交成分信号の2系統の信号に分離し、複素ベースバンド信号として出力する。
ところが、複素ベースバンド信号には、送信装置および受信装置の直交度誤差などの誤差が含まれている。そして、これらの誤差は、ディジタル符号列の復号誤りの原因となる。このため、例えば、復調信号の直交度誤差を補正する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1では、直交度の誤差補正手段として、シンボル点が複素平面上のどの象限に存在するかを判定する象限判定手段、シンボル点が偶数象限と奇数象限のどちらに存在するかで分けて平均電力値を算出する手段を用いて直交度の補正を実施している。
特開2010−171512号公報
特許文献1の方法では、シンボル点が複素平面上のどの象限に存在するかを判定する必要があり、シンボル点が偶数象限と奇数象限のどちらに存在するかで分けて平均電力を算出する必要があり処理が複雑であった。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、直交度誤差補正を行う場合に、象限判別が不要で直交度誤差の補正が可能である受信機、直交度誤差補正回路および直交度誤差補正方法を提供することを目的とする。
この発明に係る受信機は、直交変調波を検波して互いに直交する同相成分信号および直交成分信号を出力する直交検波部と、前記同相成分信号および前記直交成分信号の位相を、90度を除数として45度の剰余を有する角度である補正回転角だけそれぞれ変化させる位相回転部、前記位相回転部が出力する前記同相成分信号および前記直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する振幅補正部を有する直交度誤差補正回路とを備えたものである。
この発明に係る直交度誤差補正回路は、互いに直交する同相成分信号および直交成分信号の位相を、90度を除数として45度の剰余を有する角度である補正回転角だけそれぞれ変化させる位相回転部と、前記位相回転部が出力する前記同相成分信号および前記直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する振幅補正部とを備えたものである。
この発明に係る直交度誤差補正方法は、互いに直交する同相成分信号および直交成分信号の位相を、90度を除数として45度の剰余を有する角度である補正回転角だけそれぞれ変化させる位相回転工程と、前記位相回転工程で処理された前記同相成分信号および前記直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する振幅補正工程とを備えたものである。
この発明によれば、象限判別が不要で直交度誤差の補正が可能である。
この発明の実施の形態1に係る受信機の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る受信機が有する直交検波部の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る受信機が有する直交度誤差補正回路の位相回転部を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る受信機が有する直交度誤差補正回路の振幅補正部を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る受信機が有する直交度誤差補正回路の位相逆回転部を示すブロック図である。 この発明の動作を説明するために使用するコンスタレーション上で真円となる信号を示す図である。 図6のコンスタレーション上で真円となる信号に受信側で直交度誤差が生じた場合に得られる信号のコンスタレーションを示す図である。 図7のコンスタレーションを45度位相回転したコンスタレーションを示す図である。 図8のコンスタレーションの同相成分信号と直交成分信号の振幅レベルを等しくした場合のコンスタレーションを示す図である。 直交変調を行う一般的な送信機のブロック図である。 受信側で直交度誤差φr=45度が生じた場合に、非同期検波された無変調連続信号の直交検波部を通過した後のコンスタレーションを示す図である。 図11に示した信号が直交度誤差補正回路中の振幅補正部を通過した後のコンスタレーションを示す図である。 図11に示した信号が直交度誤差補正回路を通過した後のコンスタレーションを示す図である。 直交度誤差が存在しない場合に、非同期検波された無変調連続信号の直交度誤差補正回路を通過後のコンスタレーションを示す図である。 受信側で直交度誤差φr=45度が生じた場合に、同期検波されたQPSK信号が直交検波部を通過した後のコンスタレーションを示す図である。 図15に示した信号が直交度誤差補正回路の振幅補正部を通過した後のコンスタレーションを示す図である。 図15に示した信号が直交度誤差補正回路を通過した後のコンスタレーションを示す図である。 直交度誤差が存在しない場合に、同期検波されたQPSK信号の直交度誤差補正回路を通過した後のコンスタレーションを示す図である。 この発明の実施の形態2に係る受信機の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る受信機の同期検波部の構成を示すブロック図である。 図6のコンスタレーション上で真円となる信号に送信側で直交度誤差が生じた場合の同期検波部で出力されるコンスタレーションを示す図である。 図21のコンスタレーションを45度位相回転したコンスタレーションを示す図である。 図22のコンスタレーションの同相成分信号と直交成分信号の振幅レベルを等しくした場合のコンスタレーションを示す図である。 送信側で直交度誤差φs=45度が生じた場合に、同期検波されたQPSK信号の直交度誤差補正回路に入る前のコンスタレーションを示す図である。 図24に示した信号が直交度誤差補正回路の振幅補正部を通過した後のコンスタレーションを示す図である。 図24に示した信号が直交度誤差補正回路を通過した後のコンスタレーションを示す図である。 図6のコンスタレーション上で真円となる信号に送信側で直交度誤差が生じており、同期検波部で周波数誤差が除去され位相誤差が残る場合のコンスタレーションを示す図である。 図27に示した信号が振幅補正部を通過して直交度誤差補正回路に入る前でのコンスタレーションを示す図である。 送信側で直交度誤差φs=30度が生じた場合に、QPSK信号同期検波で位相誤差θ=20度が残留した場合の同期検波部が出力し直流成分が除去された信号のコンスタレーションを示す図である。 図29に示した信号が振幅補正されて直交度誤差補正回路に入る前でのコンスタレーションを示す図である。 図29に示した信号が直交度誤差補正回路を通過した後でのコンスタレーションを示す図である。 図29に示した信号が直交度誤差補正回路を通過した後に、残留位相誤差θ=20度を除去した場合のコンスタレーションを示す図である。 この発明の実施の形態3に係る受信機の構成を示すブロック図である。
実施の形態1.(非同期検波で受信側にだけ直交度誤差が存在する場合)
図1は、この発明の実施の形態1に係る受信機の構成を示すブロック図である。図1に示すように、受信機1は、例えば、QPSKの直交変調された直交変調波である変調信号r0を準同期検波して、互いに直交する同相成分信号ri1および直交成分信号rq1を抽出する直交検波部2と、直交検波部2の後段に縦続に接続されて、直交度誤差を補正する直交度誤差補正回路3とを備えている。
直交度誤差補正回路3は、同相成分信号ri1および直交成分信号rq1をそれぞれの位相を45度変化させた同相成分信号ri2および直交成分信号rq2を出力する位相回転部4、同相成分信号ri2および直交成分信号rq2のどちらかまたは両方の振幅を補正することで直交度誤差が補正された同相成分信号ri2aおよび直交成分信号rq2aを出力する振幅補正部5、同相成分信号ri2aおよび直交成分信号rq2aをそれぞれの位相を−45度変化させた同相成分信号ri3および直交成分信号rq3を出力する位相逆回転部6を有する。
図2は、この発明の実施の形態1に係る受信機が有する直交検波部の構成を示すブロック図である。直交検波部2は、図2に示すように、検波に使用する基準周波数の正弦波の信号を発生する局部発振器10と、局部発振器10が発生する信号を2つに分岐させる分配器11と、入力される直交変調波r0を2つに分岐させる分配器12と、分配器11で分岐された一方の信号が入力されてπ/2[rad](90度)だけ位相を変化させた信号を出力するπ/2位相シフト器13と、分配器11で分岐された一方の信号と分配器12で分岐された一方の信号とを乗算するミキサ14と、π/2位相シフト器13の出力信号と分配器12で分岐された他方の信号とを乗算するミキサ15と、ミキサ14、15の出力信号がそれぞれ入力される低域通過フィルタ(以下LPFと呼ぶ)16、17と、LPF16、17の出力信号がそれぞれ入力されるアナログ/ディジタル変換器(以下ADCと呼ぶ)18、19と、ADC18、19の出力信号がそれぞれ入力されてDC成分を除去するDCオフセット補正回路(以下DC除去部と呼ぶ)20、21と、同相成分信号と直交成分信号の振幅レベル(平均電力相当)が等しくなるよう補正する振幅補正部22とを有している。なお、分配器はブロック図では内部にHを書いた四角で表す。
直交検波部2は例えばIF信号の変調波を直交検波して、同相成分信号と直交成分信号の複素ベースバンド信号に分離する。直交検波部2内の局部発振器10は、基準周波数(f2で表す)の信号を生成する。分配器11は、局部発振器10から出力された信号を分岐する。分岐した一方の信号が同相基準周波数信号であり、分岐した他方の信号がπ/2位相シフト器13でπ/2[rad]だけ位相を変化させられて直交基準周波数信号になる。ミキサ14は、分配器12で分岐された一方の直交変調波r0と分配器11から分岐された同相基準周波数信号とを乗算する。ミキサ15は、分配器12で分岐された他方の直交変調波r0とπ/2位相シフト器13から出力された直交基準周波数信号とを乗算する。こうすることで、ミキサ14、15は、直交変調波r0の周波数が−f分シフトした複素ベースバンド信号を出力する。LPF16、17は、−f分周波数がシフトすることで生じた高調波成分およびADC18、19で折返し雑音が発生しないように高い周波数成分を除去して出力する。ADC18、19はアナログ信号をディジタル信号へ変換して出力する。DC除去部20、21は、ADC18、19から出力した信号を受信し、受信機1内のADC18、19までに付加されたDCオフセットに対して、直流成分のDC(周波数=0)近傍の周波数成分を除去する高域通過フィルタに信号を通すことでDC成分を除去して出力する。振幅補正部22は、DC除去部20、21からの出力を元に同相成分信号と直交成分信号の振幅レベルの決められた長さの時間での平均値が等しくなるように補正する。
図3は、この発明の実施の形態1に係る受信機が有する直交度誤差補正回路の位相回転部を示すブロック図である。図4は、この発明の実施の形態1に係る受信機が有する直交度誤差補正回路の振幅補正部を示すブロック図である。図5は、この発明の実施の形態1に係る受信機が有する直交度誤差補正回路の位相逆回転部を示すブロック図である。
位相回転部4は、45度(π/4[rad])だけ位相を回転させる回路である。
複素信号に対してθ[rad]だけ位相を回転させる場合、位相を回転させる前の信号の同相成分信号をri1、直交成分信号をrq1、位相を回転させた後の信号の同相成分信号をri2、直交成分信号をrq2とすると、一般に以下の式で示すことができる。
ri2=ri1*cos(θ)−rq1*sin(θ) (1)
rq2=ri1*sin(θ)+rq1*cos(θ) (2)
45度回転させる場合は、θ=π/4[rad]を代入すると、以下のようになる。なお、ここで、cos(π/4)=sin(π/4)=1/√2である。
ri2=1/√2*(ri1−rq1) (3)
rq2=1/√2*(ri1+rq1) (4)
図3に示すように、位相回転部4は、減算器30と、加算器31と、乗算器32、33とを有する。減算器30は、位相を回転させる前の信号の同相成分信号ri1から直交成分信号rq1を引いた信号を出力する。減算器30の出力は乗算器32に入力され、定数(=1/√2)と乗算される。乗算器32の出力が、45度位相を回転させた後の信号の同相成分信号ri2になる。加算器31は、同相成分信号ri1と直交成分信号rq1とを加算する。加算器31の出力は乗算器33に入力され、定数(=1/√2)と乗算される。乗算器33の出力が、45度位相を回転させた後の信号の直交成分信号rq2になる。
乗算器32、33は、位相回転前の信号成分の振幅に合わせる目的であるため、位相回転には関係なく、省略することも可能である。また、位相回転は45度だけでなく、45度±n*90度(ただしnは任意の整数)であれば、いずれの値でもよい。すなわち、直交度誤差を補正するために位相を回転させる角度である補正回転角は、90度を除数として剰余が45度になる角度であれば、どのような角度でもよい。
振幅補正部5は、同相成分信号ri2と直交成分信号rq2の決められた長さの時間での平均振幅レベル比を一定に近づける回路である。平均振幅レベルを一定にする目標を基準値と呼ぶ。同相成分信号ri2とrq2は、双方同一の基準値、ゲインおよび1/基準値(基準値の逆数)を与えてフィードバック制御することで、平均振幅レベル比を一定にする。ゲインは、平均振幅レベルを求める時間の長さから適切に決める。
同相成分信号ri2に対してフィードバック制御で求まった補正係数を乗算器40で乗算した値を、振幅補正したri2aとして出力する。ri2aと基準値との差をフィードバックするために、ri2aを絶対値演算器46により絶対値|ri2a|を算出し、減算器50で|ri2a|から基準値を減算する。こうして、振幅の絶対値|ri2a|が基準値とどれだけずれているか算出できる。減算器50の結果を乗算器42で−1と乗算して符号を反転し、乗算器42の出力とゲインを乗算器44で乗算し、乗算結果を積分器53を通して平滑化処理を行う。積分器53は、サンプリング時間ごとに入力される信号の値を積算していく。積分器53の出力と基準値を加算器52で加算し、加算器52の出力に対して1/基準値を乗算器46を用いて乗算することで、振幅レベルの補正係数を求める。求められた補正係数が、乗算器40に戻されてフィードバック制御がされる。
直交成分信号rq2に対しても同様の方法で実施することで、同相成分信号と直交成分信号の振幅を同一の基準値に近づける調整を行う。なお、同相成分信号ri2と直交成分信号rq2とで、信号が取りうる各シンボル点の発生確率が等しいと想定されるので、平均振幅が等しくなれば平均電力も等しくなる。
フィードバック制御ではなく、同相成分信号ri2の適切な長さに決められた時間での移動平均を求め、基準値を移動平均で割った値を同相成分信号ri2に乗算するフィードフォワード制御でも、同相成分信号ri2の平均振幅を基準値にすることができる。直交成分信号rq2に対しても同様な制御を実施すれば、直交成分信号rq2平均振幅を基準値にすることができる。絶対値演算ではなく回路規模は大きくなるが電力値や対数変換回路などを用いて実施することも可能である。積分器ではなく低域通過フィルター(LPF)を使用して実装してもよい。
位相逆回転部6は、−45度(−π/4[rad])だけ位相を回転させる回路である。
複素信号に対してθ[rad]だけ位相を回転させる場合、位相を逆回転させる前の信号の同相成分信号をri2a、直交成分信号をrq2a、位相を逆回転させた後の信号の同相成分信号をri3、直交成分信号をrq3とすると、一般に以下の式で示すことができる。
ri3=ri2a*cos(θ)−rq2a*sin(θ) (5)
rq3=ri2a*sin(θ)+rq2a*cos(θ) (6)
−45度回転させる場合は、θ=−π/4[rad]を代入すると、以下のようになる。なお、ここで、cos(−π/4)=1/√2、sin(−π/4)=−1/√2である。
ri3=1/√2*(ri2a+rq2a) (7)
rq3=1/√2*(−ri2a+rq2a) (8)
で示される。
図5に示すように、同相成分信号ri2aと直交成分信号rq2aとを加算器34を用いて加算し、乗算器36で1/√2を乗算することでri3を生成することができる。減算器35によりrq2aからri2aを減算し、乗算器37で1/√2を乗算することでrq3を生成することができる。なお、位相回転部4で45度とは異なる補正回転角ξで位相回転させた場合は、補正回転角ξと絶対値が同じで符号が異なる角度である補正逆回転角(−ξ)だけ、位相逆回転部6で位相を回転させる。こうして、直交度誤差補正回路3に入力される前と位相を同じにできる。なお、360度単位または90度単位での位相の違い問題にならない場合は、逆回転させる角度は、−ξ±n*360度または−ξ±n*90度(ただしnは任意の整数)のいずれの値でもよい。
乗算器36、37は、位相回転前の信号成分の振幅に合わせる目的であるため、位相回転には関係なく、省略することも可能である。また、決まったフレームの決まった位置に置かれた同期語などを用いて、後段の回路で位相の不確かさを除去する場合には、位相逆回転部6を備えなくてもよい。
直交度誤差補正方法として見た場合には、位相回転部4は、互いに直交する同相成分信号および直交成分信号の位相を、90度を除数として45度の剰余を有する角度である補正回転角だけそれぞれ変化させる位相回転工程を実施する。振幅補正部5は、位相回転工程で処理された同相成分信号および直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する振幅補正工程を実施する。位相逆回転部6は、振幅補正工程で処理された同相成分信号および直交成分信号の位相を補正回転角と絶対値が等しく符号が反対の角度である補正逆回転角だけそれぞれ変化させる位相逆回転工程を実施する。
直交検波部2の出力における直交度は理想的には90度であるが、発振器10からミキサ14、15までの経路長の誤差あるいはπ/2位相器の不完全さが存在すると直交度に誤差が生じる。図6から図9を使用して、受信側で直交度に誤差が存在する場合のコンスタレーションの変化および直交度誤差を補正する原理を説明する。図6は、この発明の動作を説明するために使用するコンスタレーション上で真円となる信号を示す図である。コンスタレーション上で、信号は反時計回りの軌跡となる。したがって、図6でIchと表示した同相軸で検出する同相成分信号の方が、Qchと表示した直交軸で検出する直交成分信号よりも90度だけ位相が進んでいる。
図7は、図6のコンスタレーション上で真円となる信号に受信側で直交度誤差が生じた場合に得られる信号のコンスタレーションを示す図である。図8は、図7のコンスタレーションを45度位相回転したコンスタレーションを示す図である。図9は、図8のコンスタレーションの同相成分信号と直交成分信号の振幅レベルを等しくした場合のコンスタレーションを示す図である。
後で説明するが、受信側で同相成分信号にφr/2[rad]、直交成分信号に−φr/2[rad]の誤差が生じた場合、例えば図6に示すようにコンスタレーション上で真円となる信号は、局部発振器60の位相誤差θによらず、図7に示すコンスタレーションのように、複素平面上で45度および135度の方向に長軸または短軸が配置された楕円になる。図7でIchと表示した位置の同相軸で検出すべき同相成分信号が、Ichよりもφr/2[rad]だけ進んだ位相を検出するIch2と表示した位置の同相軸で検出される。Qchと表示した位置の直交軸で検出すべき直交成分信号が、Qchよりもφr/2[rad]だけ遅れた位相を検出するQch2と表示した位置の直交軸で検出される。その結果、φr>0であれば、複素平面上で135度の方向が長軸である楕円にコンスタレーションは変化する。
図7に示す状態では、同相成分信号と直交成分信号の平均振幅レベルが等しい。直交度誤差補正回路3内の位相回転部4で、図8に示すように45度回転させると同相成分信号と直交成分信号の平均振幅レベルが異なる。図8の状態で、振幅補正部5で同相成分信号の振幅レベルと直交成分信号の振幅レベルを等しくすると、図9に示すようにコンスタレーションが元の真円に戻り直交度誤差が除去できることが分かる。
上記について数式を使って説明する。
図10は、直交変調を行う一般的な送信機のブロック図である。図10に示すように、一般的に送信機3は周波数fの正弦波を発生する局部発振器60から信号を分配器61で分岐する。分岐した一方の信号を同相搬送波とし、他方の信号をπ/2シフト位相器63でπ/2[rad]だけ位相を変化させて直交搬送波を作成する。同相搬送波と同相成分信号I(t)とをミキサ64で乗算し、直交搬送波と直交成分信号Q(t)とをミキサ65で乗算する。ミキサ64、65の出力信号を加算器62で加算することで、直交変調波r0を生成する。
この送信機3が送信し受信機1が受信する直交変調波r0を数式で示すと以下のようになる。
r0=I(t)*cos(2πf1t)−Q(t)*sin(2πf1t) (9)
この直交変調波r0が受信機1の直交検波部2のミキサ14、15を通過することで、以下の式で表現される同相成分信号ri0および直交成分信号rq0になる。ここで、直交検波部2の局部発振器10の周波数は−f、位相誤差はθr、同相成分信号側のミキサ14での直交度誤差はφrI[rad]、直交成分信号側のミキサ15での直交度誤差はφrQ[rad]とする。
ri1=r0*cos(2π(-f2)t+θr+φrI)
=[I(t)*cos(2πf1t)−Q(t)*sin(2πf1t)]*cos(2π(-f2)t+θr+φrI)
=(I(t)/2)*[cos(2π(f+f2)t-θr-φrI)+cos(2π(f-f2)t+θr+φrI)]
+(Q(t)/2)*[sin(2π(f+f2)t-θr-φrI)+sin(2π(f-f2)t+θr+φrI)] (10)
rq1=r0*sin(2π(-f2)t+θr+φrQ)
=[I(t)*cos(2πf1t)−Q(t)*sin(2πf1t)]*sin(2π(-f2)t+θr+φrQ)
=(I(t)/2)*[sin(2π(f+f2)t-θr-φrQ)+sin(2π(f-f2)t+θr+φrQ)]
+(Q(t)/2)*[cos(2π(f+f2)t-θr-φrQ)+cos(2π(f-f2)t+θr+φrQ)] (11)
準同期検波なのでf≒f、f−f=fとすると、LPF16、17で高調波成分すなわち(f+f)の周波数成分項が除去され、その分のエネルギー減少分を補正することで、直交検波部2の出力ri1、rq1は、下式で示される。
ri1=I(t)*cos(2πfRt+θr+φrI)−Q(t)*sin(2πfRt+θr+φrI) (10A)
rq1=I(t)*sin(2πfRt+θr+φrQ)+Q(t)*cos(2πfRt+θr+φrQ) (11A)
ここで、直交度誤差φおよびφに関して、その平均成分φavと差成分φrに分解すると、以下のようになる。
φrI=φav+φr/2 (12)
φrQ=φav−φr/2 (13)
さらに、位相誤差θrと直交度誤差の平均成分φavの和をθdとすると、以下の式が成立する。
θd=θr+φav (14)
式(12)から式(14)を式(10A)および式(11A)に代入すると、以下のようになる。
ri1=I(t)*cos(2πfRt+θd+φr/2)−Q(t)*sin(2πfRt+θd+φr/2) (10B)
rq1=I(t)*sin(2πfRt+θd-φr/2)+Q(t)*cos(2πfRt+θd-φr/2) (11B)
ここで、求めた式(10B)および式(11B)が、受信側で直交度誤差が生じたときの同相成分信号ri1と直交成分信号rq1の一般式である。
なお数式は、同相成分信号と直交成分信号の振幅レベル誤差や、同相成分信号と直交成分信号のDCオフセット誤差が存在しない理想的な場合として算出している。
上記したような直交度誤差が生じた場合に、直交度誤差が直交信号にどのような影響をもたらすかを分かりやすく示すために、図6のようなコンスタレーション上で真円となる信号(すなわちI(t)+jQ(t)=exp(j2πfTt)=cos(2πfTt)+jsin(2πfTt))をri1、rq1に代入すると、以下の式で展開できる。ここで、f+f=fとする。
ri1+jrq1={cos(2πfTt)cos(2πfRt+θd+φr/2)
−sin(2πfTt)sin(2πfRt+θd+φr/2)}
+j{cos(2πfTt)sin(2πfRt+θd-φr/2)
+sin(2πfTt)cos(2πfRt+θd-φr/2)}
=cos(2πft+θd+φr/2)+jsin(2πft+θd-φr/2) (15)
式(15)は、同相成分信号ri1の位相がφr/2だけ進み、直交成分信号rq1の位相がφr/2だけ遅れることを意味する。
コンスタレーション上での振幅は、以下のように計算できる。
|ri1+jrq1|2=ri12+rq12
=cos2(2πft+θd+φr/2)+sin2(2πft+θd-φr/2)
=1−sin(4πft+2θd)sin(φr) (16)
式(16)から、(2πft+θd)が45度または135度で|ri1+jrq1|2が最大値または最小値をとることが分かる。したがって、受信機での受信信号は、図7で示すように、複素平面上で45度および135度の方向に長軸または短軸が配置された楕円になる。
次に受信側で直交度誤差が生じた場合の、同相成分信号ri1の平均電力をPI1_av、直交成分信号rq1の平均電力をPQ1_avとすると、以下のようになる。
I1_av={I(t)*cos(2πfRt+θd+φr/2)−Q(t)*sin(2πfRt+θd+φr/2)}2
=I(t)2cos2(2πfRt+θd+φr/2)+Q(t)2sin2(2πfRt+θd+φr/2)
−2I(t)Q(t)cos(2πfRt+θd+φr/2)sin(2πfRt+θd+φr/2) (17)
ここで、I(t)とQ(t)との間に相関が存在しないので、平均ではI(t)Q(t)=0となる。また、元の信号のI(t)とQ(t)の平均電力が同じでPav(t)であるとすると、式(6)は以下のようになる。
I1_av=Pav(t)cos2(2πfRt+θd+φr/2)+Pav(t)sin2(2πfRt+θd+φr/2)
=Pav(t) (18)
Q1_avも同様にして、PQ1_av=Pav(t)となる。このように、直交検波部2の出力では、同相成分信号の平均電力と直交成分信号の平均電力は等しくなることが分かる。これは、コンスタレーションが複素平面上で45度または135度の方向が長軸になる楕円であり、コンスタレーションのI軸およびQ軸への射影が同じ大きさになることによる。
またri1、rq1にDCオフセットが存在しないのは、I(t)とQ(t)は、通常ディジタル信号0/1が等確率で出力されることで同相成分信号I(t)と直交成分信号Q(t)の振幅平均値が0になることから明らかである。
よって直交検波部2の出力は、理想的にはDCオフセット成分がなく、同相成分信号と直交成分信号の振幅レベル比(平均電力比)が等しい信号ri1、rq1が直交度誤差補正回路3に入力されることが分かる。
受信側で直交度誤差が生じた信号ri1+jrq1に対して、45度(=π/4[rad])だけ位相を回転させた信号ri2+jrq2は、以下の式のようになる。
ri2+jrq2=(ri1+jrq1)*exp(jπ/4)
=(ri1+jrq1)*(1+j)/(√2)
={(ri1-rq1)+j(ri1+rq1)}/(√2) (19)
同相成分信号ri2と直交成分信号rq2に分離すると、以下のようになる。
ri2={I(t)(cos(2πfRt+θd+φr/2) - sin(2πfRt+θd-φr/2))
−Q(t)(sin(2πfRt+θd+φr/2) + cos(2πfRt+θd-φr/2))}/(√2) (20)
rq2={I(t)(cos(2πfRt+θd+φr/2) + sin(2πfRt+θd-φr/2))
+Q(t)(sin(2πfRt+θd+φr/2) - cos(2πfRt+θd-φr/2))}/(√2) (21)
同相成分信号ri2の平均電力をPI2_avとすると、以下となる。
I2_av={I(t)(cos(2πfRt+θd+φr/2) - sin(2πfRt+θd-φr/2))
−Q(t)(sin(2πfRt+θd+φr/2) + cos(2πfRt+θd-φr/2))}2/2
=Pav(t)[{cos(2πfRt+θd+φr/2) - sin(2πfRt+θd-φr/2)}2
−{sin(2πfRt+θd+φr/2) + cos(2πftR+θd-φr/2)}2]/2
=Pav(t)[1+sin(φr)]
=Pav(t)[cos(φr/2)+sin(φr/2)]2 (22)
直交成分信号rq2の平均電力をPQ2_avも同様にして、以下となる。
Q2_av=Pav(t)[1-sin(φr)]
=Pav(t)[cos(φr/2)-sin(φr/2)]2 (23)
このように、45度(=π/4[rad])だけ位相を回転させた信号ri2+jrq2では、同相成分信号ri2と直交成分信号rq2の電力の大きさが異なっている。
ここで、同相成分信号ri2と直交成分信号rq2の電力の比を変数αにより、以下のように定義する。
α=√(PI2_av/PQ2_av)
=(cos(φr/2)+sin(φr/2))/(cos(φr/2)-sin(φr/2)) (24)
直交成分信号rq2にαをかけるか、同相成分信号ri2をαで割れば、同相成分信号ri2と直交成分信号rq2の電力を同じにすることができる。
rq2の平均電力をri2の平均電力と等しくなるように振幅レベル補正を行った場合に、受信側に存在する直交度誤差を補正できることを説明する。
同相成分信号ri2を表現する式(20)を、φrの項を分離して表現すると、以下のようになる。
ri2={I(t)(cos(2πfRt+θd+φr/2) - sin(2πfRt+θd-φr/2))
−Q(t)(sin(2πfRt+θd+φr/2) + cos(2πfRt+θd-φr/2))}/(√2)
={I(t)(cos(2πfRt+θd)cos(φr/2) - sin(2πfRt+θd)sin(φr/2)
- sin(2πfRt+θd)cos(φr/2) + cos(2πfRt+θd)sin(φr/2))
−Q(t)(sin(2πfRt+θd)cos(φr/2) + cos(2πfRt+θd)sin(φr/2)
+ cos(2πfRt+θd)cos(φr/2) + sin(2πfRt+θd)sin(φr/2))}/(√2)
=(cos(φr/2)+sin(φr/2))
*{I(t)(cos(2πfRt+θd) - sin(2πfRt+θd))
−Q(t)(cos(2πfRt+θd) + sin(2πfRt+θd))}/(√2) (20A)
直交成分信号rq2を表現する式(21)も同様に、φrの項を分離して表現すると、以下のようになる。
rq2={I(t)(cos(2πfRt+θd+φr/2) + sin(2πfRt+θd-φr/2))
+Q(t)(-sin(2πfRt+θd+φr/2) + cos(2πfRt+θd-φr/2))}/(√2)
={I(t)(cos(2πfRt+θd)cos(φr/2) - sin(2πfRt+θd)sin(φr/2)
+ sin(2πfRt+θd)cos(φr/2) - cos(2πfRt+θd)sin(φr/2))
+Q(t)(-sin(2πfRt+θd)cos(φr/2) - cos(2πfRt+θd)sin(φr/2)
+ cos(2πfRt+θd)cos(φr/2) + sin(2πfRt+θd)sin(φr/2))}/(√2)
=(cos(φr/2)-sin(φr/2))
*{I(t)(cos(2πfRt+θd) + sin(2πfRt+θd))
+Q(t)(cos(2πfRt+θd) - sin(2πfRt+θd))}/(√2) (21A)
ここで、以下の複素信号を定義する。
s0=I(t)+jQ(t) (25)
r20=(cos(2πfRt+θd) - sin(2πfRt+θd)/(√2)
+j(cos(2πfRt+θd) + sin(2πfRt+θd))/(√2)
=exp(j(2πfRt+θd+π/4)) (26)
すると、ri2およびrq2は、以下のように表現できる。
ri2=(cos(φr/2)+sin(φr/2))*Re(s0*r20) (20B)
rq2=(cos(φr/2)-sin(φr/2))*Im(s0*r20) (20B)
ri2を実部としrq2をα倍したものを虚部とする複素信号r2aは、以下のようになる。
r2a=ri2+jαrq2
=(cos(φr/2)+sin(φr/2))*s0*r20 (27)
式(27)において、(cos(φr/2)+sin(φr/2))は直交度誤差φr[rad]によって決まる固定値となり、時間変動に関与しない単なる振幅成分の固定変化を意味する。この後に同期検波を行うことで、r20=exp(j(2πfRt+θd+π/4))の項を消去することができ、受信側の直交度誤差の影響を受けていない元の信号成分s0=I(t)+jQ(t)を抽出することができる。
本方式により搬送波非同期かつシンボルタイミング非同期状態であっても、受信側の直交度誤差を除去できる効果が有ることが分かる。つまり搬送波再生/シンボルタイミング再生前に受信側の直交度誤差を除去することが可能であり、直交度誤差を除去した信号を用いて搬送波再生やシンボルタイミング再生を実施することができるため、受信機性能を向上させることが可能である。
例として無変調連続信号が受信側で直交度誤差φr=45度生じた場合のシミュレーション実施例を示す。図11は、受信側で直交度誤差φr=45度が生じた場合に、非同期検波された無変調連続信号の直交検波部を通過した後のコンスタレーションを示す図である。図12は、図11に示した信号が直交度誤差補正回路中の振幅補正部を通過した後のコンスタレーションを示す図である。図13は、図11に示した信号が直交度誤差補正回路を通過した後のコンスタレーションを示す図である。
比較例として、図14は、直交度誤差が存在しない場合に、非同期検波された無変調連続信号の直交度誤差補正回路を通過後のコンスタレーションを示す図である。直交度誤差補正を実施したコンスタレーション(図13)と直交度誤差が存在しない状態でのコンスタレーション(図14)が類似した形となり、直交度誤差が補正されているのが分かる。
なお本シミュレーションは簡易的に実施したもので、直交検波部2内のLPF16、17の周波数特性を周波数に対して減衰率が緩やかに変化するもので構成しているため、高調波成分が除去しきれておらずコンスタレーションの線がにじんでいる。高周波成分をより少なくすれば、コンスタレーションがより明確な線にできる。
図15から図17に、他の例としてQPSK信号が受信側で直交度誤差φr=45度生じた場合のシミュレーション例を示す。QPSK信号は同期検波でないとイメージがつかみにくいため、直交検波出力で周波数誤差および位相誤差が存在しない状態としたものである。図15は、受信側で直交度誤差φr=45度が生じた場合に、同期検波されたQPSK信号が直交検波部を通過した後のコンスタレーションを示す図である。図16は、図15に示した信号が直交度誤差補正回路の振幅補正部を通過した後のコンスタレーションを示す図である。図17は、図15に示した信号が直交度誤差補正回路を通過した後のコンスタレーションを示す図である。
比較例として、図18は、直交度誤差が存在しない場合に、同期検波されたQPSK信号の直交度誤差補正回路を通過した後のコンスタレーションを示す図である。QPSKのマッピング点が見え、直交度誤差補正を実施したコンスタレーション(図17)と直交度誤差が存在しない状態でのコンスタレーション(図18)が類似した形となり、直交度誤差が補正されていることが分かる。
位相回転と、同相成分信号および直交成分信号それぞれの平均振幅または平均電力を算出して、同相成分信号および直交成分信号それぞれの平均振幅または平均電力が等しくなるように制御することで、直交度誤差を補正できる。複素平面上の象限を判定する必要が無いので、処理が簡単になる。
同相成分信号と直交成分信号では、信号が取りうる各シンボル点の発生確率分布が等しいと想定されるので、平均振幅が等しくなれば平均電力も等しくなる。したがって、平均電力を算出しなくても平均電力を等しくすることができる。そのため、電力算出処理を実施する場合と比較して、回路構成が簡単になり回路規模も小さくなる。なお、電力を用いて同相成分信号および直交成分信号のゲイン制御を行う場合、電力/対数変換や対数/振幅変換(電力値のルート演算)回路が必要となるため、回路規模の増大並びに回路の高速化を妨げるという課題があった。
直交度誤差補正を同期検波するための搬送波再生やシンボルタイミング再生の前に実施しており、搬送波再生やシンボルタイミング再生に受信側の直交度誤差に起因する性能劣化は発生しない。
以上のことは、他の実施の形態にもあてはまる。
実施の形態2.(同期検波の場合)
図19は、この発明の実施の形態2に係る受信機の構成を示すブロック図である。図20は、この発明の実施の形態2に係る受信機の同期検波部の構成を示すブロック図である。
図19に示すように、受信機1Aは、例えば、QPSKのような直交変調された直交変調波r0を準同期検波して、同相成分信号ri1および直交成分信号rq1を抽出する直交検波部2と、直交検波部2の後段に縦続に接続された同期検波部70と、DC除去部71、72と、振幅補正部75と、直交度誤差補正回路73とを備えている。
同期検波部70は、図20に示すように、直交検波部から受けた同相成分信号ri1、直交成分信号rq1に対してSN比(S/N)が最大になるようなLPF特性を持つ整合フィルタ部91、92と、周波数誤差推定並びに位相誤差推定を行う周波数/位相同期部96と、周波数/位相同期部96が求めた周波数誤差Δfと位相誤差Δθが入力されて、受信信号ri1、rq1から周波数誤差および位相誤差を除去する複素位相乗算部90を有している。なお、整合フィルタ91、92の特性は、送信側の波形整形フィルタと同じフィルタ特性を持たせることで、SN比が最大にできる。
直交度誤差補正回路73は、図19に示すように、45度だけ位相を回転させて同相成分信号ri7と直交成分信号rq7を出力する位相回転部76と、同相成分信号ri7と直交成分信号rq7の平均振幅レベルを等しくすることで直交度を補正する振幅補正部77と、−45度だけ位相を回転させて元の位相に戻した同相成分信号ri9と直交成分信号rq9を出力する位相逆回転部78とを有している。
直交検波部2は実施の形態1で示したものと同様に、IF信号の変調波を直交検波して、同相成分信号と直交成分信号の複素ベースバンド信号に分離して、高周波成分を除去してそれぞれri1、rq1として出力する。
同期検波部70では、後述する複素位相乗算部90の出力信号がLPF特性を有する整合フィルタ91、92により抽出され、同相成分信号ri4と直交成分信号rq4がそれぞれ、DC除去部71、72へ出力される。
同相成分信号ri4と直交成分信号rq4を用いて周波数/位相同期部96で、周波数誤差推定および位相誤差推定を行う。推定された周波数誤差Δfおよび位相誤差Δθは、複素位相乗算部90に入力される。複素位相乗算部90では、複素位相cos(−2πΔft−Δθ)+jsin(−2πΔft−Δθ)を、複素信号ri1+jrq1に乗算して、周波数誤差と位相誤差を除去する。
DC除去部71、72は、直交検波部2内のDC除去部20、21と同様の構成および機能となっており、DC成分を除去した同相成分信号ri5と直交成分信号rq5を振幅補正部75へ渡す。
振幅補正部75は、直交検波部2内の振幅補正部5と同様の構成および機能となっており、同相成分信号と直交成分信号の振幅レベルの平均値が等しくなるように補正し、補正した同相成分信号ri6と直交成分信号rq6を直交度誤差補正回路73へ渡す。
直交度誤差補正方法として見た場合には、同期検波部70は、同相成分信号および直交成分信号から周波数誤差と位相誤差の両方または周波数誤差を除去する同期検波工程を実施する。振幅補正部75は、同期検波工程で処理された同相成分信号および直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する同期後振幅補正工程を実施する。位相回転部76は、同期検波工程または同期後振幅補正工程で処理された同相成分信号および直交成分信号の位相を、90度を除数として45度の剰余を有する角度である補正回転角だけそれぞれ変化させる位相回転工程を実施する。振幅補正部77は、位相回転工程で処理された同相成分信号および直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する振幅補正工程を実施する。位相逆回転部78は、振幅補正工程で処理された同相成分信号および直交成分信号の位相を補正回転角と絶対値が等しく符号が反対の角度である補正逆回転角だけそれぞれ変化させる位相逆回転工程を実施する。
(1)送信側だけに直交度誤差が存在する場合
同期検波部70の出力で周波数誤差および位相誤差が除去された状態において、このときの直交度は理想的には90度であるが、送信機3の発振器60からミキサ64、65までの経路長誤差やπ/2位相器63の不完全さにより、同相成分信号にφs/2[rad]、直交成分信号に−φs/2[rad]の誤差が生じた場合の動作を、図6と図21から図23を使用して説明する。図21は、図6のコンスタレーション上で真円となる信号に送信側で直交度誤差が生じた場合のコンスタレーションを示す図である。図22は、図21のコンスタレーションを45度位相回転したコンスタレーションを示す図である。図23は、図22のコンスタレーションの同相成分信号と直交成分信号の振幅レベルを等しくした場合のコンスタレーションを示す図である。
例えば図6に示すようにコンスタレーション上で真円となる信号は、図21に示すコンスタレーションのように送信側の同相軸(IchSと表記)が受信側の同相軸(IchRと表記)に対してφs/2[rad]進み、送信側の直交軸(QchSと表示)が受信側の直交軸(QchRと表記)に対して−φs/2[rad]進む(φs/2[rad]遅れる)ことで、複素平面上で45度および135度の方向を長軸または短軸とした楕円になる。φs>0であれば、45度の方向が長軸になる。
このため図22に示すように45度回転させた状態で、同相成分信号の振幅レベルと直交成分信号の振幅レベルを等しくすると、図23に示すように元の真円に戻り直交度誤差が除去できることが分かる。
上記について数式を使って説明する。
図10に示すように、一般的に送信機3は周波数fの正弦波を発生する局部発振器60から信号を分配器61で分岐する。分岐した一方の信号を同相搬送波とし、他方の信号をπ/2シフト位相器63でπ/2[rad]だけ変化させて直交搬送波を作成する。同相搬送波と同相成分信号I(t)とをミキサ64で乗算し、直交搬送波と直交成分信号Q(t)とをミキサ64で乗算する。ミキサ64、65の出力信号を加算器62で加算することで、直交変調波r0を生成する。
送信側で直交度誤差が生じた場合、直交変調波r0を数式で示すと以下のようになる。ここで、送信機3の局部発振器60の位相誤差はθs、ミキサ64での直交度誤差はφsI[rad]、ミキサ65での直交度誤差はφsQ[rad]とする。
r0=I(t)*cos(2πf1t+θs+φsI)−Q(t)*sin(2πf1t+θs+φsQ) (28)
これを受信機1Aの直交検波部2で直交検波し、さらにLPFを通過させて(f+f2)の周波数成分を除去し、電力が同じになるようにエネルギー補正するので、直交検波部から出力される同相成分信号ri1および直交成分信号rq1は以下のように示される。
この式は受信側で直交度誤差が生じない場合、もしくは受信側の直交度誤差が補正された状態の信号を示す式である。
ri1=r0*cos(2π(-f2)t)
=(I(t)/2)*[cos(2π(f+f2)-θs-φsI)+cos(2π(f-f2)+θs+φsI)]
+(Q(t)/2)*[sin(2π(f+f2)-θs-φsQ)+sin(2π(f-f2)+θs+φsQ)]
≒I(t)*cos(2π(f-f2)+θs+φsI)−Q(t)*sin(2π(f-f2)+θs+φsQ) (29)
rq1=r0*sin(2π(-f2)t)
=(I(t)/2)*[sin(2π(f+f2)-θs-φsI)+sin(2π(f-f2)+θs+φsI)]
+(Q(t)/2)*[cos(2π(f+f2)-θs-φsQ)+cos(2π(f-f2)+θs+φsQ)]
≒I(t)*sin(2π(f-f2)+θs+φsI)+Q(t)*cos(2π(f-f2)+θs+φsQ) (30)
受信側の直交度誤差の場合と同様に、直交度誤差φsIおよびφsQに関して、その平均成分φavと差成分φsに分解し、位相誤差θsと直交度誤差の平均成分φavの和をθdとすると、式(29)および式(30)は、以下のようになる。
ri1=I(t)cos(2π(f-f2)+θd+φs/2)−Q(t)sin(2π(f-f2)+θd-φs/2) (29A)
rq1=I(t)sin(2π(f-f2)+θd+φs/2)+Q(t)cos(2π(f-f2)+θd-φs/2) (30A)
(1A)送信側だけに直交度誤差があり、同期検波部で周波数誤差および位相誤差が除去された場合
この信号が同期検波部で周波数誤差および位相誤差が除去された場合、(f−f2)の周波数成分およびθdの項がなくなるため、同期検波部出力ri4、rq4は、下記の式のようになる。下記の式は、送信側で直交度誤差が生じたときの同相成分信号ri4と直交成分信号rq4の一般式である。
ri4=I(t)*cos(φs/2)−Q(t)*sin(-φs/2) (31)
rq4=I(t)*sin(φs/2)+Q(t)*cos(-φs/2) (32)
なお本式は、同相成分信号と直交成分信号の振幅レベル誤差や、同相成分信号と直交成分信号のDCオフセット誤差が存在しない理想的な場合として算出している。
送信側で直交度誤差が生じた場合に、どのような影響になるかを分かりやすく示すために、図6のようなコンスタレーション上で真円となる信号(すなわちI(t)+jQ(t)=exp(j2πfTt)=cos(2πfTt)+jsin(2πfTt))をri4、rq4に代入すると、以下の式で展開できる。
ri4+jrq4={cos(2πfTt)cos(φs/2)−sin(2πfTt)sin(-φs/2)}
+j{cos(2πfTt)sin(φs/2)+sin(2πfTt)cos(-φs/2)}
=cos(2πfTt-φs/2)+jsin(2πfTt+φs/2) (33)
コンスタレーション上での振幅は、以下のように計算できる。
|ri4+jrq4|2=ri42+rq42
=cos2(2πfTt-φs/2)+sin2(2πfTt+φs/2)
=1+sin(4πfTt)sin(φs) (34)
この式は、上記コンスタレーション上で真円となる信号が入力した場合の同期検波部70の出力に相当し、このときのコンスタレーションは図21に示すように、複素平面上で45度もしくは135度上の方向を長軸とした楕円になる。
送信側で直交度誤差が生じた場合の、同相成分信号ri4の平均電力をPI4_av、直交成分信号rq4の平均電力をPQ4_avとする。元の信号のI(t)とQ(t)の平均電力は等しく、かつそれぞれ独立した信号(すなわち相関が存在しない信号)であることを考慮すると、受信側で直交度誤差が生じた場合と同様に、以下のようになる。
I4_av=PQ4_av=Pav(t) (35)
直交検波部73の出力では、同相成分信号の平均電力と直交成分信号の平均電力は等しくなることが分かる。送信側で直交度誤差が生じても、同期検波部70における同相成分信号ri4の平均電力と直交成分信号rq4の平均電力が等しいことが分かる。
またri4、rq4にDCオフセットが存在しないのは、I(t)とQ(t)は、通常ディジタル信号0/1が等確率で出力されることで同相成分信号I(t)と直交成分信号Q(t)の振幅平均値が0になることから明らかである。
よって同期検波部70の出力は、理想的にはDCオフセット成分を有さず、同相成分信号と直交成分信号の振幅レベル比(平均電力比)が等しい信号ri4、rq4がri6、rq6となり直交度誤差補正回路73に入力されることが分かる。
ri6=ri4=I(t)*cos(φs/2)−Q(t)*sin(-φs/2) (36)
rq6=rq4=I(t)*sin(φs/2)+Q(t)*cos(-φs/2) (37)
直交度誤差補正回路73の位相回転部76で45度の位相回転を行い、同相成分信号ri7と直交成分信号rq7として出力する。直交度誤差が生じた信号ri6+jrq6と、45度(=π/4[rad])だけ位相を回転させた信号ri7+jrq7の間には、以下の関係が成立する。
ri7+jrq7=(ri6+jrq6)*exp(jπ/4)
=(ri6+jrq6)*(1+j)/(√2)
={(ri6-rq6)+j(ri6+rq6)}/(√2) (38)
同相成分信号ri7と直交成分信号rq7に分離すると、以下のようになる。
ri7={I(t)*cos(φs/2)−Q(t)*sin(-φs/2)
−I(t)*sin(φs/2)−Q(t)*cos(-φs/2)}/(√2)
=(cos(φs/2)−sin(φs/2)){I(t)−Q(t)}/(√2) (39)
rq7={I(t)*cos(φs/2)−Q(t)*sin(-φs/2)
+I(t)*sin(φs/2)+Q(t)*cos(-φs/2)}/(√2)
=(cos(φs/2)+sin(φs/2)){I(t)+Q(t)}/(√2) (40)
ここで、同相成分信号ri7の平均電力をPI7_avとし、直交成分信号rq7の平均電力をPQ7_avとすると、以下のようになる。
I7_av=(cos(φs/2)−sin(φs/2))2*Pav(t) (41)
Q7_av=(cos(φs/2)+sin(φs/2))2*Pav(t) (42)
ここで、同相成分信号ri7と直交成分信号rq7の電力の比を変数βにより、以下のように定義する。
β=√(PI7_av/PQ7_av)
=(cos(φs/2)-sin(φs/2))/(cos(φs/2)+sin(φs/2)) (43)
直交成分信号rq7にβをかけるか、同相成分信号ri7をβで割れば、同相成分信号ri7と直交成分信号rq7の電力を同じにすることができる。
よって同相成分信号ri7と直交成分信号rq7の電力比が等しくなるように、例えば直交成分信号rq7にβをかけて振幅補正を行った信号ri8、rq8は以下の式で示される。
ri8=(cos(φs/2)−sin(φs/2)){I(t)−Q(t)}/(√2) (44)
rq8=(cos(φs/2)−sin(φs/2)){I(t)+Q(t)}/(√2) (45)
さらに位相逆回転部78で−45度の位相回転を行った信号ri9、rq9は以下の式で示される。
ri9=(cos(φs/2)−sin(φs/2))I(t) (46)
rq9=(cos(φs/2)−sin(φs/2))Q(t) (47)
こうして、振幅は変化するが、元の信号I(t)+jQ(t)の信号を抽出することができる。振幅の変化は、ゲイン補正で補正可能である。送信側で直交度誤差が生じても、直交度誤差補正回路73を介することで、送信側の直交度誤差を除去し、元の信号I(t)+jQ(t)の信号を抽出する効果が有るということが分かる。
直交度誤差補正回路73内の位相回転部76、振幅補正部77、位相逆回転部78は実施の形態1に記載の直交度誤差補正回路3内の位相回転部4、振幅補正部5、位相逆回転部6と同様の構成および効果を持つ。
例としてQPSK信号が送信側で直交度誤差φs=45度が生じた場合のシミュレーション例を示す。QPSK信号は同期検波部で周波数誤差および位相誤差が除去された状態としたものである。図24は、送信側で直交度誤差φs=45度が生じた場合に、同期検波されたQPSK信号の直交度誤差補正回路に入る前のコンスタレーションを示す図である。図25は、図24に示した信号が直交度誤差補正回路の振幅補正部を通過した後のコンスタレーションを示す図である。図26は、図24に示した信号が直交度誤差補正回路を通過した後のコンスタレーションを示す図である。
直交度誤差補正を実施したコンスタレーション(図26)と直交度誤差が存在しない状態でのコンスタレーション(図18)が類似した形となり、直交度誤差が補正されているのが分かる。
(1B)送信側だけに直交度誤差があり、同期検波部で位相誤差が残る場合
周波数誤差は除去できたが位相誤差が残る場合について、検討する。直交検波部から出力される同相成分信号ri1および直交成分信号rq1は、式(29A)および式(30A)で表現される。同期検波部で周波数誤差が除去された場合、(f−f2)の周波数成分がなくなるため、同期検波部の出力信号である同相成分信号ri4および直交成分信号rq4は、下記の式で示される。
ri4=I(t)*cos(θd+φs/2)−Q(t)*sin(θd-φs/2) (48)
rq4=I(t)*sin(θd+φs/2)+Q(t)*cos(θd-φs/2) (49)
送信側で直交度誤差が生じかつ位相誤差が残留する場合に、どのような影響になるかを分かりやすく示すために、図6のようなコンスタレーション上で真円となる信号(すなわちI(t)+jQ(t)=exp(j2πfTt)=cos(2πfTt)+jsin(2πfTt))をri4、rq4に代入すると、以下の式で展開できる。
ri4+jrq4={cos(2πfTt)cos(θd+φs/2)−sin(2πfTt)sin(θd-φs/2)}
+j{cos(2πfTt)sin(θd+φs/2)+sin(2πfTt)cos(θd-φs/2)}
={cos(θd)+jsin(θd)}
*{cos(2πfTt-φs/2)+jsin(2πfTt+φs/2)} (50)
式(50)は、位相誤差θdが残る場合の同期検波部70の出力信号である同相成分信号ri4および直交成分信号rq4は、図27に示すように、複素平面上で45+θd度もしくは135+θd度の方向を長軸とした楕円を意味する。図27は、図6のコンスタレーション上で真円となる信号に送信側で直交度誤差が生じており、同期検波部で周波数誤差が除去され位相誤差が残る場合のコンスタレーションを示す図である。
同相成分信号ri4および直交成分信号rq4のそれぞれの平均電力PI4_avおよびPQ4_avを求めると、以下のようになる。
I4_av={I(t)*cos(θd+φs/2)−Q(t)*sin(θd-φs/2)}2
=Pav(t)*{cos2(θd+φs/2)+sin2(θd-φs/2)}
=Pav(t)*{(1+cos(2θd+φs))/2+(1-cos(2θd-φs))/2}
=Pav(t)*{1−sin(2θd)*sin(φs)} (51)
Q4_av={I(t)*sin(θd+φs/2)+Q(t)*cos(θd-φs/2)}2
=Pav(t)*{sin2(θd+φs/2)+cos2(θd-φs/2)}
=Pav(t)*{(1-cos(2θd+φs))/2+(1+cos(2θd-φs))/2}
=Pav(t)*{1+sin(2θd)*sin(φs)} (52)
位相誤差が残る場合には、同相成分信号ri4と直交成分信号rq4の平均電力が異なる。ここで、同相成分信号ri4および直交成分信号rq4の振幅比ηは、以下のようになる。
η=√(PI4_av/PQ4_av)
=√({1−sin(2θd)*sin(φs)}/{1+sin(2θd)*sin(φs)}) (53)
残留した位相誤差による平均電力の違いは、振幅補正部73により補正される。図28は、図27に示した信号が振幅補正部を通過して直交度誤差補正回路に入る前でのコンスタレーションを示す図である。直交成分信号rq4にηを乗算して同相成分信号ri4の振幅と同じにした場合を示している。同相成分信号ri4と直交成分信号rq4の振幅が同じになることで、コンスタレーションの長軸は45度の方向になる。
位相誤差が残る場合も、直交度誤差補正回路に入る前に振幅補正部で同相成分信号および直交成分信号の平均振幅または平均電力が同じになるように補正されれば、直交度誤差補正回路では、図22および図23に示すようにコンスタレーションが変化して、直交度誤差が補正される。
位相誤差が残る場合の例としてQPSK信号が送信側で直交度誤差φs=30度(φsI=+15度、φsQ=−15度)が生じた場合のシミュレーション例を示す。QPSK信号は同期検波部で周波数誤差が除去されて、位相誤差θ=20度が除去できていない状態としたものである。図29は、送信側で直交度誤差φs=30度が生じた場合に、QPSK信号同期検波で位相誤差θ=20度が残留した場合の直交度誤差補正回路に入る前の信号のコンスタレーションを示す図である。図30は、図29に示した信号が振幅補正されて直交度誤差補正回路に入る前でのコンスタレーションを示す図である。図31は、図29に示した信号が直交度誤差補正回路を通過した後でのコンスタレーションを示す図である。図32は、図29に示した信号が直交度誤差補正回路を通過した後に、残留位相誤差θ=20度を除去した場合のコンスタレーションを示す図である。
直交度誤差補正を実施したコンスタレーション(図32)と直交度誤差が存在しない状態でのコンスタレーション(図18)が類似した形となり、送信側で発生した直交度誤差が補正されているのが分かる。
上記のように周波数同期ができている状態、すなわち周波数誤差=0であれば、ナイキスト点抽出や位相誤差θが完全に除去できていなくても最終的にQPSKのマッピング点が見え、直交度誤差が補正されていることが分かる。周波数誤差は完全に除去できていなくても、平均振幅または平均電力を求める決められた長さの時間で位相を一定と見ることができる程度に周波数誤差が小さければ、直交度誤差が補正できる。なお、同期検波部で周波数誤差および位相誤差を除去できる場合には、同期検波部と直交度誤差補正回路の間に振幅補正部は備えなくてもよい。
(2)送信側と受信側に直交度誤差が存在する場合
送信側で直交度誤差が発生する場合には、直交変調波r0は以下のようになる。
r0=I(t)*cos(2πf1t+θs+φsI)−Q(t)*sin(2πf1t+θs+φsQ) (26A)
直交変調波r0を受信機1Aの直交検波部2で直交検波し、さらにLPFを通過し(f+f2)の周波数成分が除去されエネルギー補正することを考慮すると、直交検波部出力ri1およびrq1は以下のように示される。
受信側でも直交度誤差が存在する場合は、以下のようになる。
ri1=r0*cos(2π(-f2)t+θr+φrI)
={I(t)*cos(2πf1t+θs+φsI)−Q(t)*sin(2πf1t+θs+φsQ)}
*cos(2π(-f2)t+θr+φrI)
=(I(t)/2)*[cos(2π(f+f2)t+θs+φsI-θr-φrI)
+cos(2π(f-f2)t+θs+φsI+θr+φrI)]
−(Q(t)/2)*[sin(2π(f+f2)t+θs+φsQ-θr-φrI)
+sin(2π(f-f2)t+θs+φsQ+θr+φrI)]
≒(I(t)/2)*cos(2π(f-f2)+θs+φsI+θr+φrI)
−(Q(t)/2)*sin(2π(f-f2)t+θs+φsQ+θr+φrI) (54)
rq1=r0*sin(2π(-f2)t+θr+φrQ)
={I(t)*cos(2πf1t+θs+φsI)−Q(t)*sin(2πf1t+θs+φsQ)}
*sin(2π(-f2)t+θr+φrQ)
=(I(t)/2)*[sin(2π(f+f2)t+θs+φsI-θr-φrQ)
+sin(2π(f-f2)t+θs+φsI+θr+φrQ)]
−(Q(t)/2)*[cos(2π(f+f2)t+θs+φsQ-θr-φrQ)
-cos(2π(f-f2)t+θs+φsQ+θr+φrQ)]
≒(I(t)/2)*sin(2π(f-f2)t+θs+φsI+θr+φrQ)
+(Q(t)/2)*cos(2π(f-f2)t+θs+φsQ+θr+φrQ)] (55)
直交度誤差を平均成分と差成分に分解し、位相誤差と直交度誤差の平均成分の和をθddとすると、式(54)および式(55)は、以下のようになる。
ri1=I(t)cos(2π(f-f2)t+θdd+φs/2+φr/2)
−Q(t)sin(2π(f-f2)t+θdd-φs/2+φr/2) (54A)
rq1=I(t)sin(2π(f-f2)t+θdd+φs/2-φr/2)
+Q(t)cos(2π(f-f2)t+θdd-φs/2-φr/2) (55A)
この信号が同期検波部で周波数および位相が除去された場合、(f−f2)の周波数成分およびθddの項がなくなるため、同期検波部出力ri4およびrq4は、下記の式で示される。
ri4=I(t)*cos(φs/2+φr/2)−Q(t)*sin(-φs/2+φr/2) (56)
rq4=I(t)*sin(φs/2-φr/2)+Q(t)*cos(-φs/2-φr/2) (57)
同期検波された信号が送信側および受信側で直交度誤差が生じた場合に、どのような影響になるかを分かりやすく示すために、図6のようなコンスタレーション上で真円となる信号(すなわちI(t)+jQ(t)=exp(j2πfTt)=cos(2πfTt)+jsin(2πfTt))を同相成分信号ri4および直交成分信号rq4に代入すると、以下の式で展開できる。
ri4+jrq4={cos(2πfTt)cos(φs/2+φr/2)−sin(2πfTt)sin(-φs/2+φr/2)}
+j{cos(2πfTt)sin(φs/2-φr/2)+sin(2πfTt)cos(-φs/2-φr/2)} (58)
コンスタレーション上での振幅は、以下のように計算できる。
|ri4+jrq4|2=ri42+rq42
={cos(2πfTt)cos(φs/2+φr/2)−sin(2πfTt)sin(-φs/2+φr/2)}2
+{cos(2πfTt)sin(φs/2-φr/2)+sin(2πfTt)cos(-φs/2-φr/2)}2
=cos2(φs/2+φr/2)+sin2(φs/2-φr/2)
−2sin(4πfTt)cos(φs/2+φr/2)sin(φs/2-φr/2)
=(1+cos(φs+φr))/2+(1-cos(φs-φr))/2
+sin(4πfTt){sin(φs)−sin(φr)}
=1−sin(φs)sin(φr)+sin(4πfTt){sin(φs)−sin(φr)} (59)
この式(59)は、上記コンスタレーション上で真円となる信号が入力した場合の位相回転部4の出力に相当し、このときのコンスタレーションは、送信側にだけ位相誤差が存在する場合の図21に示すように、複素平面上で45度もしくは135度の方向をを長軸とした楕円になる。
同期検波された信号では、送信側と受信側の両方に直交度誤差が存在する場合も、送信側にだけ直交度誤差が存在する場合と同様に、同相成分信号ri4と直交成分信号rq4の平均電力は同じになり、DCオフセットが存在しない。
直交度誤差補正回路73の位相回転部76で45度の位相回転を行い、ri7、rq7として出力する。送信側と受信側の両方に直交度誤差が存在する場合には、以下のようになる。
ri7={I(t)*cos(φs/2+φr/2)−Q(t)*sin(-φs/2+φr/2)
−I(t)*sin(φs/2-φr/2)−Q(t)*cos(-φs/2-φr/2)}/(√2)
=(cos(φs/2+φr/2)−sin(φs/2-φr/2)){I(t)−Q(t)}/(√2)
=(cos(φs/2)−sin(φs/2))(cos(φr/2)+sin(φr/2)){I(t)−Q(t)}/(√2) (60)
rq7={I(t)*cos(φs/2+φr/2)−Q(t)*sin(-φs/2+φr/2)
+I(t)*sin(φs/2-φr/2)−Q(t)*cos(-φs/2-φr/2)}/(√2)
=(cos(φs/2+φr/2)+sin(φs/2-φr/2)){I(t)+Q(t)}/(√2)
=(cos(φs/2)+sin(φs/2))(cos(φr/2)−sin(φr/2)){I(t)+Q(t)}/(√2) (61)
ここで、同相成分信号ri7の平均電力をPI7_avとし、直交成分信号rq7の平均電力をPQ7_avとすると、それぞれ以下のようになる。
I7_av=(cos(φs/2)−sin(φs/2))2(cos(φr/2)+sin(φr/2))2*Pav(t) (62)
Q7_av=(cos(φs/2)+sin(φs/2))2(cos(φr/2)−sin(φr/2))2*Pav(t) (63)
ここで、同相成分信号ri7と直交成分信号rq7の電力の比を変数γにより、以下のように定義する。
γ=√(PI7_av/PQ7_av)
=((cos(φs/2)−sin(φs/2))/(cos(φs/2)+sin(φs/2)))
*(cos(φr/2)+sin(φr/2))/(cos(φr/2)−sin(φr/2))) (64)
直交成分信号rq7にγをかけるか、同相成分信号ri7をγで割れば、同相成分信号ri7と直交成分信号rq7の電力を同じにすることができる。
よってri7とrq7の電力比が等しくなるように、例えば直交成分信号rq7にγをかけて振幅補正を行った信号ri8、rq8は以下の式で示される。
ri8=(cos(φs/2)−sin(φs/2))(cos(φr/2)+sin(φr/2))*{I(t)−Q(t)}/(√2) (65)
rq8=(cos(φs/2)−sin(φs/2))(cos(φr/2)+sin(φr/2))*{I(t)+Q(t)}/(√2) (66)
さらに位相逆回転部78で−45度の位相回転を行った信号ri9、rq9は以下の式で示される。
ri9=(cos(φs/2)−sin(φs/2))(cos(φr/2)+sin(φr/2))*I(t) (67)
rq9=(cos(φs/2)−sin(φs/2))(cos(φr/2)+sin(φr/2))*Q(t) (68)
こうして、振幅は変化するが、元の信号[I(t)+jQ(t)]の信号を抽出することができる。振幅の変化は、ゲイン補正で補正可能である。送信側および受信側で直交度誤差が生じても、直交度誤差補正回路で補正処理をすることで、送信側および受信側の直交度誤差を除去し、元の信号[I(t)+jQ(t)]の信号を抽出する効果が有るということが分かる。
同期検波部で位相誤差が残る場合も、同様に送信側および受信側の直交度誤差を除去できる。平均振幅または平均電力を求める決められた長さの時間で位相を一定と見ることができる程度に周波数誤差が小さければ、直交度誤差が補正できる。なお、同期検波部で周波数誤差および位相誤差を除去できる場合には、同期検波部と直交度誤差補正回路の間に振幅補正部は備えなくてもよい。
以上のことは、他の実施の形態でもあてはまる。
実施の形態3.(同期検波の前後で直交度誤差補正をする場合)
実施の形態3は、実施の形態1と実施の形態2とを組み合わせた場合である。送信側と受信側でともに直交度誤差が存在する場合に、同期検波の前で直交度誤差を補正して受信側の直交度誤差を除去し、同期検波の後で直交度誤差を補正して送信側の直交度誤差を除去する場合である。
図33は、この発明の実施の形態3に係る受信機の構成を示すブロック図である。実施の形態2の場合の図19と比較して、実施の形態3に係る受信機1Bは、同期検波部3の前段に実施の形態1での直交誤差補正回路3が追加されている。つまり、受信機1Bは、同期検波部3の前段に直交誤差補正回路3を有し、同期検波部3の後段に同期後直交度誤差補正回路である直交誤差補正回路73を有する。
直交度誤差補正方法として見た場合には、位相回転部4は、互いに直交する同相成分信号および直交成分信号の位相を、90度を除数として45度の剰余を有する角度である補正回転角だけそれぞれ変化させる位相回転工程を実施する。振幅補正部5は、位相回転工程で処理された同相成分信号および直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する振幅補正工程を実施する。位相逆回転部6は、振幅補正工程で処理された同相成分信号および直交成分信号の位相を補正回転角と絶対値が等しく符号が反対の角度である補正逆回転角だけそれぞれ変化させる位相逆回転工程を実施する。
同期検波部70は、振幅補正工程で処理された同相成分信号および直交成分信号から周波数誤差を除去する同期検波工程を実施する。振幅補正部75は、同期検波工程で処理された同相成分信号および直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する同期後振幅補正工程を実施する同期後振幅補正部である。位相回転部76は、同期後振幅補正工程で処理された同相成分信号および直交成分信号の位相を、90度を除数として45度の剰余を有する角度である補正回転角だけそれぞれ変化させる同期後位相回転工程を実施する同期後位相回転部である。振幅補正部77は、同期後位相回転工程で処理された同相成分信号および直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する同期後振幅補正工程を実施する同期後振幅補正部である。位相逆回転部78は、同期後振幅補正工程で処理された同相成分信号および直交成分信号の位相を補正回転角と絶対値が等しく符号が反対の角度である補正逆回転角だけそれぞれ変化させる同期後位相逆回転工程を実施する同期後位相逆回転部である。
直交誤差補正回路3で受信側の直交度誤差を除去できるので、同期検波部3での同期検波するための搬送波再生やシンボルタイミング再生に受信側の直交度誤差に起因する性能劣化は発生しない。また、同期検波部の後段でも同期後振幅補正部と直交度誤差補正回路を有するので、送信側の直交度誤差を補正できる。
1、1A、1B 受信機
2 直交検波部
3 直交度誤差補正回路
4 位相回転部
5 振幅補正部
6 位相回転部
10 局部発振器
11、12 分配器
13 π/2位相シフト器
14、15 ミキサ
16、17 LPF(Low Pass Filter)
18、19 ADC(Analog Digital Converter)
20、21 DC除去部(DCオフセット補正回路)
22 振幅補正部
30、34 減算器
31、35 加算器
32、33 乗算器
36、37 乗算器
40、41、42、43、44、45、46、47 乗算器
48、49 絶対値演算器
50、51 減算器
52、53 加算器
53、54 積分器
60 局部発振器
61 分配器
62 加算器
63 π/2位相シフト器
64、65 ミキサ
70 同期検波部
71、72 DC除去部(DCオフセット補正回路)
73 直交度誤差補正回路
75 振幅補正部
76 位相回転部
77 振幅補正部
78 位相逆回転部
90 複素位相乗算
91、92 整合フィルタ
96 周波数/位相同期部

Claims (12)

  1. 直交変調波を検波して互いに直交する同相成分信号および直交成分信号を出力する直交検波部と、
    前記同相成分信号および前記直交成分信号の位相を、90度を除数として45度の剰余を有する角度である補正回転角だけそれぞれ変化させる位相回転部、前記位相回転部が出力する前記同相成分信号および前記直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する振幅補正部を有する直交度誤差補正回路とを備えた受信機。
  2. 前記直交度誤差補正回路が、前記振幅補正部が出力する前記同相成分信号および前記直交成分信号の位相を前記補正回転角と絶対値が等しく符号が反対の角度である補正逆回転角だけそれぞれ変化させる位相逆回転部を有することを特徴とする請求項1に記載の受信機。
  3. 前記同相成分信号および前記直交成分信号から周波数誤差と位相誤差を除去する同期検波部を備え、
    前記同期検波部が出力する前記同相成分信号および前記直交成分信号が前記直交度誤差補正回路に入力されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の受信機。
  4. 前記同相成分信号および前記直交成分信号から周波数誤差を除去する同期検波部と、
    前記同期検波部が出力する前記同相成分信号および前記直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する同期後振幅補正部とを備え、
    前記同期後振幅補正部が出力する前記同相成分信号および前記直交成分信号が前記直交度誤差補正回路に入力されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の受信機。
  5. 前記直交度誤差補正回路が出力する前記同相成分信号および前記直交成分信号から周波数誤差を除去する同期検波部と、
    前記同期検波部が出力する前記同相成分信号および前記直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する同期後振幅補正部と、
    前記同期後振幅補正部が出力する前記同相成分信号および前記直交成分信号の位相を、90度を除数として45度の剰余を有する角度である補正回転角だけそれぞれ変化させる同期後位相回転部、前記位相回転部が出力する前記同相成分信号および前記直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する同期後振幅補正部、前記振幅補正部が出力する前記同相成分信号および前記直交成分信号の位相を前記補正回転角と絶対値が等しく符号が反対の角度である補正逆回転角だけそれぞれ変化させる同期後位相逆回転部を有する同期後直交度誤差補正回路とを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の受信機。
  6. 互いに直交する同相成分信号および直交成分信号の位相を、90度を除数として45度の剰余を有する角度である補正回転角だけそれぞれ変化させる位相回転部と、
    前記位相回転部が出力する前記同相成分信号および前記直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する振幅補正部とを備えた直交度誤差補正回路。
  7. 前記振幅補正部が出力する前記同相成分信号および前記直交成分信号の位相を前記補正回転角と絶対値が等しく符号が反対の角度である補正逆回転角だけそれぞれ変化させる位相逆回転部とを備えたことを特徴とする請求項6に記載の直交度誤差補正回路。
  8. 互いに直交する同相成分信号および直交成分信号の位相を、90度を除数として45度の剰余を有する角度である補正回転角だけそれぞれ変化させる位相回転工程と、
    前記位相回転工程で処理された前記同相成分信号および前記直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する振幅補正工程とを備えた直交度誤差補正方法。
  9. 前記振幅補正工程で処理された前記同相成分信号および前記直交成分信号の位相を前記補正回転角と絶対値が等しく符号が反対の角度である補正逆回転角だけそれぞれ変化させる位相逆回転工程を備えたことを特徴とする請求項8に記載の直交度誤差補正方法。
  10. 前記同相成分信号および前記直交成分信号から周波数誤差と位相誤差を除去する同期検波工程を備え、
    前記同期検波工程で処理された前記同相成分信号および前記直交成分信号に対して前記位相回転工程が実施されることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の直交度誤差補正方法。
  11. 前記同相成分信号および前記直交成分信号から周波数誤差を除去する同期検波工程と、
    前記同期検波工程で処理された前記同相成分信号および前記直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する同期後振幅補正工程とを備え、
    前記同期後振幅補正工程で処理された前記同相成分信号および前記直交成分信号に対して前記位相回転工程が実施されることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の直交度誤差補正方法。
  12. 前記振幅補正工程で処理された前記同相成分信号および前記直交成分信号から周波数誤差を除去する同期検波工程と、
    前記同期検波工程で処理された前記同相成分信号および前記直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する同期後振幅補正工程と、
    前記同期後振幅補正工程で処理された前記同相成分信号および前記直交成分信号の位相を、90度を除数として45度の剰余を有する角度である補正回転角だけそれぞれ変化させる同期後位相回転工程と、
    前記同期後位相回転工程で処理された前記同相成分信号および前記直交成分信号の決められた長さの時間での平均振幅または平均電力が等しくなるように補正する同期後振幅補正工程と、
    前記同期後振幅補正工程で処理された前記同相成分信号および前記直交成分信号の位相を前記補正回転角と絶対値が等しく符号が反対の角度である補正逆回転角だけそれぞれ変化させる同期後位相逆回転工程とを備えたことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の直交度誤差補正方法。
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