JP2015169911A - フッ化カルシウム光学部材及びその製造方法 - Google Patents

フッ化カルシウム光学部材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温且つ高圧下においても、十分な強度を有して確実に使用できるCaF2単結晶光学部材を提供することを目的とする。【解決手段】 フッ化カルシウム光学部材は、単結晶フッ化カルシウムで形成され且つ筒状の形状を有する。前記筒の中心軸と、単結晶フッ化カルシウムの互いに直交する3つの{100}結晶面のいずれか1面とが直交しており、前記筒の周壁の半径方向の厚さが、前記3つの{100}結晶面の他のいずれか1面と平行で且つ前記筒の中心軸を含む面を前記軸周りの一方向に45?回転した面と前記周壁とが交わる箇所、及び前記3つの{100}結晶面の残りの1面と平行で且つ前記筒の中心軸を含む面を前記中心軸周りの前記一方向に45?回転した面と前記周壁とが交わる箇所において他の箇所より大きい。【選択図】図1

Description

本発明はフッ化カルシウム光学部材及びその製造方法に関し、より詳細には、フッ化カルシウム単結晶の光学部材及びその製造方法に関する。
フッ化カルシウム(CaF、蛍石)単結晶は、真空紫外領域から赤外領域にわたる広い波長領域の光に対して高い透過率を有している。そのためCaF単結晶は光学部材として広く使用されており、例えば、エキシマランプの発光管の材料として用いられている(特許文献1)。
特開2009−163965号公報
CaF単結晶により形成された光学部材は、温度や圧力の異なる様々な環境下で使用されるが、高温・高圧の環境下においては、強度が十分ではないことが分かっている。そのため、光学部材の用途や使用環境によっては、CaF単結晶により形成された光学部材が適さないことがあった。
そこで本発明は、上記の課題を解決することを目的とし、高温且つ高圧下においても、確実に使用できるCaF単結晶光学部材を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、
フッ化カルシウム光学部材であって、
単結晶フッ化カルシウムで形成され且つ筒状の形状を有し、
前記筒の中心軸と、単結晶フッ化カルシウムの互いに直交する3つの{100}結晶面のいずれか1面とが直交しており、
前記筒の周壁の半径方向の厚さが、前記3つの{100}結晶面の他のいずれか1面と平行で且つ前記筒の中心軸を含む面を前記中心軸周りの一方向に45°回転した面と前記周壁とが交わる箇所、及び前記3つの{100}結晶面の残りの1面と平行で且つ前記筒の中心軸を含む面を前記中心軸周りの前記一方向に45°回転した面と前記周壁とが交わる箇所において他の箇所より大きいフッ化カルシウム光学部材が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、
単結晶フッ化カルシウムで形成され且つ内部に円柱状の空間が形成された略四角筒状の光学部材であって、前記略四角筒の対向する1組の外側面が単結晶フッ化カルシウムの互いに直交する3つの{100}面のうちの第1面と平行であり、前記略四角筒の対向する別の1組の外側面が{100}面のうちの第2面と平行であり、前記略四角筒の底面又は上面が、{100}面のうちの第3面と平行である光学部材が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、
フッ化カルシウム光学部材の製造方法であって、
単結晶フッ化カルシウムの互いに直交する3つの{100}結晶面の存在する方向を特定することと、
前記単結晶フッ化カルシウムを筒状に削り出すこととを有し、
前記削り出しは、前記筒の中心軸と、前記3つの{100}結晶面のいずれか1面とが直交し、且つ前記筒の周壁の半径方向の厚さが、前記3つの{100}結晶面の他のいずれか1面と平行で且つ前記筒の中心軸を含む面を前記中心軸周りの一方向に45°回転した面と前記周壁とが交わる箇所、及び前記3つの{100}結晶面の残りの1面と平行で且つ前記筒の中心軸を含む面を前記中心軸周りの前記一方向に45°回転した面と前記周壁とが交わる箇所において他の箇所より大きくなるように行われるフッ化カルシウム光学部材の製造方法が提供される。
本発明によれば、高温且つ高圧の環境下においても、十分な強度を有するCaF単結晶光学部材が提供される。
図1は、本発明の実施形態に係る光学部材の斜視図である。 図2は、シミュレーションにおける位置拘束条件及び荷重条件を示す説明図である。 図3(a)〜(c)は、光学部材とCaF単結晶の単位格子(立方格子)との位置関係、及び光学部材と単位格子の主軸x、主軸y、主軸zとの位置関係を示す。 図4は、実施例の光学部材と比較例の光学部材について、解析条件及び解析結果を示す表である。 図5(a)〜(c)は、実施例の光学部材の解析結果であり、内圧が30atmのときに光学部材に生じるせん断応力の様子を示す。 図6(a)〜(c)は、実施例の光学部材の解析結果であり、内圧が90atmのときに光学部材に生じるせん断応力の様子を示す。 図7は、実施例の光学部材において、内圧によるせん断応力の生じる位置を示す説明図である。 図8は、CaF単結晶の臨界分解せん断応力(CRSS)と温度との関係を、結晶面ごとに示すグラフである。 図9(a)〜(c)は、比較例の光学部材の解析結果であり、内圧が30atmのときに光学部材に生じるせん断応力の様子を示す。 図10(a)〜(c)は、比較例の光学部材の解析結果であり、内圧が90atmのときに光学部材に生じるせん断応力の様子を示す。 図11は、比較例の光学部材において、内圧によるせん断応力の生じる位置を示す説明図である。 図12(a)〜(c)は、比較例の光学部材の解析結果であり、内圧が30atmのときに光学部材に生じるせん断応力の様子を示す。 図13(a)〜(c)は、比較例の光学部材の解析結果であり、内圧が90atmのときに光学部材に生じるせん断応力の様子を示す。 図14は、比較例の光学部材において、内圧によるせん断応力の生じる位置を示す説明図である。
<第1実施形態>
図1〜図14を参照して、本願の第1実施形態について説明する。
本実施形態の光学部材10は、図1に示す通り、中心軸Aを有する筒状のCaF管であり、管を形成する内周面10i及び外周面10oを有する。中心軸に直交する断面形状は、外形が略正方形であり中心軸Aと同心の円形開口を有する。すなわち光学部材10は、その内部に円柱状の空間が形成された略四角柱状の形状を有する。外周面10oの4つの角部Cは所定の曲率で丸みが与えられている。
光学部材10はCaF単結晶によって形成されており、CaF単結晶の互いに直交する三つの{100}結晶面(第1面、第2面、第3面)、すなわち(100)結晶面、(010)結晶面、(001)結晶面のうち、いずれか一つの結晶面が中心軸Aと直交する方向に存在している。一例として図3(a)に、(001)結晶面が中心軸Aに直交する方向に存在する光学部材をCaF単結晶の単位格子ULとともに示す。以下、{100}結晶面、(100)結晶面、(010)結晶面等は、単に{100}面、(100)面、(010)面等と記載する。
光学部材10においては、CaF単結晶の互いに直交する三つの{100}面のうち、中心軸Aと直交しない残りの2つの{100}面が、それぞれ、外周面10oの対向する2組の面とそれぞれ平行に存在している。図3(a)に示す光学部材10では、(010)面が、外周面10oの対向する1組の面と平行に存在し、(100)面が、外周面10oの対向するもう1組の面と平行に存在していることがわかる。
なお、本明細書において「CaF単結晶」とは、一つの結晶からなる文字通りの単結晶のみではなく、2つ以上の数えられる程度の数の結晶からなるCaF結晶であって、CaF単結晶と同程度の光学特性を備えるCaF結晶も含むものとする。また本明細書において「軸(中心軸)と直交する面」、「軸(中心軸)と直交して存在する面」とは、軸と直交する面(「直交面」)のみではなく、直交面を、当該直交面内に含まれ且つ当該軸と交差する任意の軸まわりに、任意の回転方向に、約5度以下の角度だけ回転させた面も含まれるものとする。また、「軸(中心軸)を含む面」とは、軸を含む面を、上記の任意の軸まわりに、任意の回転方向に、約5度以下の角度だけ回転させた面も含むものとする。
光学部材10は様々な分野で用いることができるが、例えば半導体製造装置の分野では、露光装置の光源、ウエハ検査装置の光源等において用いることができる。この場合は、光学部材10の両側の端面10eの開口10aの少なくとも一方から、光学部材10の内側に気体を与えた後、両側の端面10eの開口10aに不図示の蓋を取り付け、気体を密封する。そして内側に気体が密封された光学部材10を任意の保持部材(不図示)によって保持する。この状態で密封した気体に赤外線等の励起光を照射して気体原子(気体分子)をプラズマ状態に至らせることにより、内周面10i及び外周面10oを介して、光学部材10の外部にプラズマ光を取り出すことができる。
以下に本発明の実施例を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
実施例1の光学部材10は、中心軸A方向の長さが50mm、内周面10iの断面が直径25mmの円形、外周面10oの断面が一辺30mmの略正方形である光源用筒状部材である。また、光学部材10の角部Cは、R=5mmの丸みを有している。また光学部材10は1つの結晶からなる狭義のCaF単結晶により形成されており、(001)結晶面が中心軸Aに直交する方向に、(010)面及び(100)面が、外周面10oの対向する2組の面にそれぞれ平行に存在している(図3(a))。
実施例1の光学部材10の内部に収容されるガス圧(内圧)に対する強度、すなわち耐圧性又は耐久性を調べるために、次のシミュレーション(有限要素解析)を行った。
<解析条件>
シミュレーションにおいては、上記の光学部材10を対象として、このような光学部材10に内圧が生じた時に、光学部材10を形成するCaF単結晶の{100}面に生じる最大せん断応力の値及びせん断応力の生じる位置を解析した。まず、本シミュレーションの解析条件について説明する。
(1)位置拘束条件
図1、図2に示す通り、光学部材10の端面10eを含む面と中心軸Aとの交点に仮想拘束点VCを設定し、この仮想拘束点VCの位置を拘束することにより、光学部材10の仮想拘束点全拘束を行った。これにより光学部材10を、荷重に応じた形状変化に関してはなんら規制を受けず自在に変形することが可能な状態で、且つ荷重を受けて全体の位置がシフトすることがないよう係止された状態で拘束した。
(2)材料物性
CaF単結晶が直交異方性材料であるため、直交異方性材料であると設定した。また、光学部材10(すなわちCaF単結晶)の温度は25℃であるとした。CaF単結晶は立方晶系単結晶体であり、したがって解析に用いられる構成式中の弾性マトリクスは下記の式(1)となる。
Figure 2015169911
ここで、C11、C12、C44は、それぞれ弾性スティフネス[GPa]である。
本解析に用いた弾性スティフネスC11、C12、C44は、JISR1602の「ファインセラミックスの弾性率試験方法」”動的弾性率試験方法 超音波パルス法”に準拠してCaF単結晶内を伝搬する超音波の音速[m/s]を測定し、この測定値を用いて算出したものである。CaF単結晶の25℃における弾性スティフネスは、C11=164GPa、C12=43.7GPa、C44=34.6GPaである。
(3)荷重条件
光学部材10の内側を30atm又は90atmに設定し、これにより光学部材10が、半径方向の圧力P(図2)を、内周面10iの周方向において均等に受けるものと設定した。
(4)結晶面配置
光学部材10の結晶面配置について、図3を参照してより詳細に説明する。図3(a)の上側には、光学部材10を基準として、光学部材10に対するCaF単結晶の単位格子(立方格子)UL及び単位格子ULの主軸x、主軸y、主軸zの配置を示し、同図の下側には、CaF単結晶の単位格子ULを基準として、単位格子ULに対する光学部材10の配置を示す。図の上下は互いに対応しており、光学部材10の中心軸Aの方向と、単位格子ULの主軸x、主軸y、主軸zの方向との関係は、図3(a)の上下でそれぞれ同一である。なお便宜上、図3(a)の上側においては、光学部材10の中心軸Aが主軸x、y、zの原点を通るものとして描いた。同図の下側においては、光学部材10の配置を表すため、光学部材10の中心軸A及び縮小した端面10eの輪郭のみを描いた。
本解析の対象である光学部材10の結晶面配置においては、図3(a)に示すとおり、単位格子ULの主軸zと光学部材10の中心軸Aが一致している。また、単位格子ULの主軸xは、中心軸Aと直交する面内において、外周面10oの対向する1組の面と平行に存在しており、且つ同面内に投射した対角線DL1、DL2の投射線とそれぞれ45°の角度を有して存在している。主軸yも同様に、中心軸Aと直交する面内において、外周面10oの対向するもう1組の面と平行に存在しており、且つ同面内に投射した対角線DL1、DL2の投射線とそれぞれ45°の角度を有して存在している。したがって本解析の結晶面配置においては、CaF単結晶の互いに直交する3つの{100}面のうち、主軸xと主軸yとにより画成される面(以下、適宜「xy面」と称する)と平行に存在する(001)面が、中心軸Aと直交して存在している。また、主軸yと主軸zとにより画成される面(以下、適宜「yz面」と称する)と平行に存在する(100)面が外周面10oの対向する1組の面と平行に存在しており、主軸xと主軸zとにより画成される面(以下、適宜「xz面」と称する)と平行に存在する(010)面が外周面10oの対向するもう1組の面と平行に存在している。
次に、上記の条件の下で行ったシミュレーションの結果について述べる。本発明者は、上記の解析条件の下で、光学部材10を形成するCaF単結晶の3つの{100}面、すなわち(100)面、(010)面、(001)面に生じる最大せん断応力の大きさ、及びせん断応力の生じる位置を推定した。
図4の表中に示す通り、内圧が30atmの時は、(001)面に生じる最大せん断応力が8.95MPa、(100)面に生じる最大せん断応力が0.46MPa、(010)面に生じる最大せん断応力が0.46MPaである。また、せん断応力の生じる位置は、図5に示す通りである。図5(a)が(001)面に生じるせん断応力の位置を、図5(b)が(100)面に生じるせん断応力の位置を、図5(c)が(010)面に生じるせん断応力の位置をそれぞれ示しており、目安として赤色又は紺色で表される領域において8〜10MPa程度の大きさのせん断応力が、橙色又は青色で表わされる領域において6〜8MPa程度の大きさのせん断応力が、黄色又は水色で表される領域において4〜6MPa程度の大きさのせん断応力が生じている。緑色の領域においては、これよりも小さいせん断応力が生じているか、又はせん断応力が生じていない。なお図5はカラーであるが、白黒で表示された場合は、赤色、紺色、青色で表される領域が特に色の濃い領域として、水色で表される領域がやや色の薄い領域として、黄色で表される領域が特に色の薄い領域として表示される。図4の表と図5より、光学部材10の内部に気体を封入して内圧を30atmにした場合、光学部材10の周壁内の4箇所において、(001)面にせん断応力が生じ、その最大値は内周面10i上における8.95MPaであることが推定される。
また、図4の表中に示す通り、内圧が90atmの時は、(001)面に生じる最大せん断応力が26.85MPa、(100)面に生じる最大せん断応力が1.39MPa、(010)面に生じる最大せん断応力が1.39MPaである。また、せん断応力の生じる位置は、図6に示す通りである。図6(a)が(001)面に生じるせん断応力の位置を、図6(b)が(100)面に生じるせん断応力の位置を、図6(c)が(010)面に生じるせん断応力の位置をそれぞれ示しており、目安として赤色又は紺色で表される領域において24〜32MPa程度の大きさのせん断応力が、橙色又は青色で表わされる領域において16〜24MPa程度の大きさのせん断応力が、黄色又は水色で表される領域において8〜16MPa程度の大きさのせん断応力が生じている。緑色の領域においては、これよりも小さいせん断応力が生じているか、又はせん断応力が生じていない。なお図6はカラーであるが、白黒で表示された場合は、赤色、紺色、青色で表される領域が特に色の濃い領域として、水色で表される領域がやや色の薄い領域として、黄色で表される領域が特に色の薄い領域として表示される。図4の表と図6より、光学部材10の内部に気体を封入して内圧を90atmにした場合、光学部材10の周壁内の4箇所において(001)面にせん断応力が生じ、その最大値は、内周面10i上における26.85MPaであることが推定される。
上記の解析結果によれば、光学部材10においては、図7に示す通り、周壁内の4箇所において、集中的に{100}面のせん断応力が生じている。この方向は、CaF単結晶の結晶面配置に依存しており、(010)面と平行な面であって中心軸Aを含む面を中心軸A回りの一方向に45°回転した面が光学部材10の周壁と交差する位置、及び(100)面と平行な面であって中心軸Aを含む面を中心軸回りに同じ一方向に45°回転した面が光学部材10の周壁と交差する位置である。ここで、実施例1の光学部材10においては、(010)面は、外周面10oの対向する1組の面と平行であり、(010)面と平行な面であって中心軸Aを含む面は、外周面10oの対向する1組の面と平行な主軸xと中心軸Aとによって画成される面に等しい。よって(010)面と平行な面であって中心軸Aを含む面を中心軸A回りの一方向に45°回転した面は、対角線DL1、DL2のいずれか一方を含む面となる。同様に、光学部材10においては、(100)面は、外周面10oの対向するもう1組の面と平行であり、(100)面と平行な面であって中心軸Aを含む面は、外周面10oの対向するもう1組の面と平行な主軸yと中心軸Aとによって画成される面に等しい。よって(100)面と平行な面であって中心軸Aを含む面を中心軸A回りの同じ一方向に45°回転した面は、対角線DL1、DL2のいずれか他方を含む面となる。したがって、光学部材10においてせん断応力が集中的に生じる位置は、対角線DL1と光学部材10の周壁とが交差する位置、及び対角線DL2と光学部材10の周壁とが交差する位置(外表面10oの対角部)に一致している。
また、図5、6によれば、上記の位置において(001)面に生じるせん断応力は、(010)面と平行な面であって中心軸Aを含む面を中心軸A回りに一方向に45°回転した面が光学部材10の内周面10iと交差する位置、及び(100)面と平行な面であって中心軸Aを含む面を中心軸回りに同じ一方向に45°回転した面が光学部材10の内周面10iと交差する位置(又は対角線DL1及び対角線DL2と内周面10iとが交わる位置)において最も大きい。この最も大きいせん断応力が生じる部分を、以下適宜「最大せん断応力部」と称する。最大せん断応力部に生じるせん断応力は、図4の表より、内圧が30atmの場合には8.95MPa、内圧が90atmの場合には26.85MPaである。一方で、せん断応力の大きさは、最大せん断応力部から周方向に離れるに従い、また半径方向に離れるに従い、次第に小さくなっている(図5、6)。
ここで、図8に示すとおり、CaF単結晶の{100}面、{110}面、{111}面の臨界分解せん断応力(CRSS)は、約600℃以下の温度域においては、{100}面の値がもっとも小さいことが知られている。また、{100}面の臨界分解せん断応力と、{110}面、{111}面の臨界分解せん断応力との差は、CaF単結晶に塑性変形が生じる温度(約250℃)以下の温度域において特に大きいことが知られている。したがって、600℃以下の温度領域、特に250℃以下の温度領域においては、CaF単結晶で形成された光学部材10に応力が生じた場合に光学部材10に生じる破壊は、主に、{100}面に生じるせん断応力が臨界分解せん断応力に達して、CaF単結晶内部にすべりが生じることに起因すると考えられる。
本実施例の光学部材10においては、上記の通り、最大せん断応力部に生じるせん断応力の大きさは、内圧が90atmの時には26.85MPaにも達している。この値は、図8から読み取れる25℃におけるCaF単結晶のCRSS(約13MPa)を大きく上回っており、最大せん断応力部において、CaF単結晶にすべりが生じるとも考えられる。しかしながら実施例1の光学部材10は、最大せん断応力部の半径方向の外側に十分な肉厚を有しており、図6及び図7に示す通り、最大せん断応力部から半径方向に一定距離だけ離れた位置から、外周面10oに至るまでの位置においては、{100}面にはせん断応力が生じていない。したがって最大せん断応力部の外側に位置するこの部分においては、CaF単結晶にすべりは生じない。よって、最大せん断応力部においても、その外側に位置する部分においてすべりが生じないためすべりの発生は抑制され、結果として、実施例1の光学部材10の周壁においてはすべりは生じない。
このように、実施例1の光学部材10においては、周壁上の{100}面せん断応力が生じる位置、すなわち(010)面と平行な面であって中心軸Aを含む面を中心軸A回りに一方向に45°回転した面が光学部材10の周壁と交差する位置、及び(100)面と平行な面であって中心軸Aを含む面を中心軸A回りに同じ一方向に45°回転した面が光学部材10の周壁と交差する位置が、それぞれ外周面10oの対角部に位置しており、これらの位置における周壁の半径方向の厚さが、他の位置における厚さよりも大きくなっている。したがって光学部材10は、内圧が高くなり、内周面10i上やその近傍においてCRSSを超える{100}面せん断応力が生じた場合であっても、大きな{100}面せん断応力が生じる位置における周壁の厚みが大きいため、すべりの発生が抑制される。よって実施例1の光学部材10は、内圧に対して高い強度を備える。
<比較例1、2>
次に、比較例1の光学部材11(図3(b))、比較例2の光学部材12(図3(c))の内部に収容されるガス圧(内圧)に対する強度、すなわち耐圧性又は耐久性を調べるために、次のシミュレーション(有限要素解析)を行った。
比較例1、2の光学部材11、12は、それぞれ1つの結晶からなる狭義のCaF単結晶で形成されており、実施例1の光学部材10と同じ形状を有する。一方で、比較例1の光学部材11においては、CaF単結晶の{110}面が中心軸Aに直交する方向に存在しており、比較例2の光学部材12においては、CaF単結晶の{111}面が中心軸Aに直交する方向に存在している。光学部材11、12の結晶面配置については後に詳述する。
<解析条件>
シミュレーションにおいては、上記の光学部材11、12を対象として、このような光学部材11、12に内圧が生じた時に、光学部材11、12を形成するCaF単結晶の{100}面に生じる最大せん断応力の値及びせん断応力の生じる位置を解析した。本シミュレーションの解析条件のうち、(1)位置拘束条件、(2)材料物性、(3)荷重条件は、実施例1の光学部材10について行ったシミュレーションと同じであるため説明を省略する。
(4)結晶面配置
光学部材11、12の結晶面配置について、図3を参照してより詳細に説明する。図3(b)、(c)は、図3(a)と同様に、光学部材11、12と、CaF単結晶の単位格子(立方格子)UL及び単位格子ULの主軸x、主軸y、主軸zの配置関係を示す。なお、下側の図においては、光学部材11、12の配置を表すため、光学部材11、12の中心軸A及び縮小した端面11e、12eの輪郭のみを描いた。比較例1の光学部材11においては、図3(b)に示すとおり{110}面が中心軸Aに直交する方向に存在する。なお、図3(b)における単位格子ULは、図3(a)における単位格子ULを、主軸xを中心に主軸zの正方向から主軸yの正方向に向かって45°回転した位置に配置されている。したがって単位格子ULの主軸xは、中心軸Aと直交する面内において、対角線DL1を同面内へ投射した投射線に対して45°傾いて存在しており、主軸y、zはそれぞれ、yz面内において、中心軸Aに対して135°、45°だけ傾いて存在している。比較例1の光学部材11においては、(001)面、(100)面、(010)面は、主軸x、y、zが上記の通り存在する状態において、それぞれxy面、yz面、xz面と平行に存在している。
比較例2の光学部材12においては、図3(c)に示すとおり{111}面が中心軸Aに直交する方向に存在する。なお、図3(c)における単位格子ULの配置は、図3(a)における単位格子ULを、主軸xを中心に主軸zの正方向から主軸yの正方向に向かって54.7359°回転した後、回転後の主軸zを中心に主軸yの正方向から主軸xの正方向に向かって45°回転し、次いで中心軸Aを中心に、上方から光学部材12を見た反時計まわりに45°回転することで得られる。したがって単位格子ULの主軸x、y、zは、中心軸Aに対してそれぞれ所定の角度だけ傾いている。比較例2の光学部材12においては、(001)面、(100)面、(010)面は、主軸x、y、zが上記の通り存在する状態において、それぞれxy面、yz面、xz面と平行に存在している。
次に、上記の条件の下で行ったシミュレーションの結果について述べる。本発明者は、上記の解析条件の下で、光学部材11、12を形成するCaF単結晶の3つの{100}面、すなわち(100)面、(010)面、(001)面に生じる最大せん断応力の大きさ、及びせん断応力の生じる位置を推定した。
図4の表中に示す通り、比較例1の光学部材11においては、内圧が30atmの時は、(001)面に生じるせん断応力が6.5MPa、(100)面に生じるせん断応力が8.94MPa、(010)面に生じるせん断応力が6.5MPaであり、内圧が90atmの時は、(001)面に生じるせん断応力が19.49MPa、(100)面に生じるせん断応力が26.82MPa、(010)面に生じるせん断応力が19.49MPaである。またせん断応力の生じる位置は、図9(内圧が30atmの場合)、図10(内圧が90atmの場合)に示す通りである。図9(a)、図10(a)が(001)面に生じるせん断応力の位置を、図9(b)、図10(b)が(100)面に生じるせん断応力の位置を、図9(c)、図10(c)が(010)面に生じるせん断応力の位置をそれぞれ示しており、図9の読みとり方は図5と、図10の読みとり方は図6とそれぞれ同じである。
上記の解析結果によれば、光学部材11においては、周壁内の6か所において{100}面に大きなせん断応力が生じている(図9、10、11の領域R1、R2、R3、R4、R5、R6。領域R1〜R4は白黒の図においてはせん断応力が生じていない領域との色の濃度の差を読み取り難いが、カラー表示では橙色、水色、青色で表示されており、周囲よりも大きいせん断応力が生じていることが読み取れる)。また、光学部材11においては、対角線DL1、DL2と交差しない位置、すなわち周壁の厚さが比較的薄い位置においても、{100}面に大きなせん断応力が生じている(領域R5、R6)。その位置は、図9(b)、図10(b)より、外周壁11oの対向する2辺のそれぞれ中央部分における、外周壁11oの表面である。またその大きさは、図4の表より、26.82MPaであり、25℃におけるCRSS(約13MPa)を大きく上回っている。
以上より、比較例1の光学部材11においては、内圧を90atmとした場合、周壁の比較的厚さの小さい部分において、CRSSよりも大きな{100}面せん断応力が外周面11o上に生じる。したがって、比較例1の光学部材11は、実施例1の光学部材10とは異なり、90atmの内圧に耐えることができず、破断が生じる。また比較例1の光学部材11においては、周壁内の6か所において{100}面に大きなせん断応力が生じている。したがって、{100}面のせん断応力が大きくなる位置において周壁を厚く形成すれば、光学部材11の形状は複雑となり、光学特性の面で不利であるばかりでなく加工上の不都合も大きい。
また、図4の表中に示す通り、比較例2の光学部材12においては、内圧が30atmの時は、(001)面に生じるせん断応力が9.44MPa、(100)面に生じるせん断応力が9.08MPa、(010)面に生じるせん断応力が9.08MPaであり、内圧が90atmの時は、(001)面に生じるせん断応力が28.31MPa、(100)面に生じるせん断応力が27.23MPa、(010)面に生じるせん断応力が27.43MPaである。またせん断応力の生じる位置は、図12(内圧が30atmの場合)、図13(内圧が90atmの場合)に示す通りである。図12(a)、図13(a)が(001)面に生じるせん断応力の位置を、図12(b)、図13(b)が(100)面に生じるせん断応力の位置を、図12(c)、図13(c)が(010)面に生じるせん断応力の位置をそれぞれ示しており、図12の読みとり方は図5と、図13の読みとり方は図6とそれぞれ同じである。
上記の解析結果によれば、光学部材12においては、周壁内の6か所において{100}面に大きなせん断応力が生じている(図14)。また、光学部材12においては、対角線DL1、DL2と交差しない位置、すなわち周壁の厚さが比較的薄い位置においても、{100}面に大きなせん断応力が生じている。その位置は、図12(b)、(c)、図13(b)、(c)より、角部Cの近傍の外周壁12o表面上の4箇所である。またその大きさは、図4の表より、27.23MPa〜27.43MPa程度であり、25℃におけるCRSS(約13MPa)を大きく上回っている。
以上より、比較例2の光学部材12においては、内圧を90atmとした場合、周壁の比較的薄い部分において、CRSSよりも大きな{100}面せん断応力が外周面12o上に生じる。したがって、比較例2の光学部材12は、実施例1の光学部材10とは異なり、90atmの内圧に耐えることができず、破断が生じる。また比較例1の光学部材12においては、周壁内の6か所において{100}面に大きなせん断応力が生じている。したがって、{100}面のせん断応力が大きくなる位置において周壁を厚く形成すれば、光学部材12の形状は複雑となり、光学特性の面で不利であるばかりでなく加工上の不都合も大きい。
次に、本実施形態の光学部材10の製造方法を説明する。光学部材10の材料となるCaF単結晶は、例えば、特許第4569872号、特開第2006−327837号等に記載された単結晶製造方法を用いて製造することができる。得られたCaF単結晶のインゴットに対して、X線結晶方位測定装置等を用いて結晶方位の測定を行う。
上記の測定によってCaF単結晶インゴットにおける互いに直交する3つの{100}面の存在方向を特定した後、この3つの{100}面のいずれか1つが中心軸Aと直交する方向となるように削り出し加工を行って、断面形状が略正方形の角柱を得る。この時、角柱の直交する2つの対角線の方向と、3つの{100}面のうち、中心軸Aと直交しない2つの{100}面の存在する方向とが、それぞれ中心軸A回りに45°の傾きを有するように削り出しを行う。すなわち、角柱の対向する2組の面と、3つの{100}面のうち、中心軸Aと直交しない2つの{100}面の存在する方向とが、それぞれ平行となるように削り出しを行う。その後、更に削り出しにより角柱の中心部を削り出し、角柱の角部に所定の曲率で丸みを与え、図1に示すような筒状部材を得る。
最後に、削り出し加工により得られた筒状部材の内周面、外周面、端面に対して光学研磨処理を施すことで、本実施形態の光学部材10を得ることができる。本実施形態における光学研磨処理には、光学部品に適用される一般的な研磨方法をそのまま用いることができ、例えば研磨パッド、研磨砂を用いて研磨することができる。
次に、本実施形態の効果についてまとめる。
本実施形態の光学部材10は、上記の通り、周壁内において{100}面に生じる最大せん断応力の値が大きくなる4箇所と、光学部材10の4つの対角部が一致している。すなわち本実施形態の光学部材10は、周壁内において{100}面に生じる最大せん断応力の値が大きくなる位置において、周壁の厚みが大きくなっている。よって本実施形態の光学部材10によれば、単純な形状であり且つ内圧に対して高い強度を有する光学部材を得ることができる。
また本実施形態の光学部材10は、断面形状が略正方形の四角筒状であるため、削り出し加工が容易であり、かつ製造後の保存、運搬等の取扱いも容易である。また角部Cに丸みが与えられているため、保存や運搬時に欠け等の欠損が生じることも防止されている。
なお、上記の実施形態においては、対角線DL1、DL2が、(010)面と平行な面であって中心軸Aを含む面、及び(100)面と平行な面であって中心軸Aを含む面に対して、それぞれ中心軸A回りに45°傾いているがこれには限られない。対角線DL1、DL2の、(010)面と平行な面であって中心軸Aを含む面、及び(100)面と平行な面であって中心軸Aを含む面に対する中心軸A回りの傾きは約45°±5°の範囲であればよい。このような配置によっても、(010)面と平行な面であって中心軸Aを含む面を中心軸A回りに所定の方向に45°回転した面が光学部材10の周壁と交差する箇所、及び(100)面と平行な面であって中心軸Aを含む面を中心軸A回りに同じ所定の方向に45°回転した面が光学部材10の周壁と交差する箇所において、光学部材10の周壁が他の箇所よりも厚くなっていれば、本発明の効果を得ることが可能である。
なお、上記の実施形態においては、{100}面のうち(001)面が中心軸Aと直交して存在するとした。しかしながらCaF単結晶においては、(100)面、(010)面、(001)面は互いに等価であるため、CaF単結晶の結晶面は、(100)面、または(010)面が中心軸Aと直交するよう配置されていてもよい。
なお、上記の実施形態においては、光学部材10は、断面形状が円形の内周面10iと断面形状が略正方形の外周面10oとを備える筒形状であるものとしたがこれには限られず、筒状の形状であって、その周壁が、{100}面のいずれか1つと平行な面であって中心軸Aを含む面を中心軸A回りに所定の方向に45°回転した面と交差する箇所、及び{100}面の他の1つと平行な面であって中心軸Aを含む面を中心軸A回りに同じ所定の方向に45°回転した面と交差する箇所において他の箇所よりも厚い形状であれば、どのような形状であってもよい。一例として、円筒において周方向の4箇所の厚みを局部的に大きく形成した形状や、これらの箇所の厚みを他の箇所よりも大きく形成した略八角形の外周を有する筒形状等が挙げられる。また、中空部の断面形状も円形には限られず、例えば八角形等の多角形等でもよい。なお、厚みが大きいことが必要とされる箇所における厚みは、もっとも厚みが小さい箇所における厚みに対して約2倍から16倍程度であることが望ましい。
なお、上記の実施形態においては角部Cに所定の曲率の丸みを与えているが、角部Cに丸みをつけなくてもよい。または角部Cに面取りを施しても良い。
なお、上記の実施形態においては、光学部材10の両側の端部10eの開口10aに不図示の蓋を取り付けて気体を密封し、光学部材10を単独で光源用部材として用いているが、光学部材10の使用方法はこれには限られない。例えば、光学部材10と他のCaF単結晶部材とを圧着等により接合して得られるより大きな光学部材の一部として光学部材10を用いてもよい。このようにして得られるより大きな光学部材は、一例として、中心軸Aを共有する2つの光学部材10、及び中心軸A方向において該2つの光学部材10に挟まれ、且つ中心軸Aと同軸上に回転軸を有する球殻部とを有する光学部材であり得る。また例えば、光学部材10の一端に板状の蓋部を圧着し、他端に環状のフランジ部を圧着した光学部材であり得る。
なお、上記の実施形態において、気体はプラズマ光を発するための気体には限られず、エキシマ光等、真空紫外領域から赤外領域にわたる波長領域の光を発するための任意の気体であればよい。
本発明の特徴を維持する限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
本発明のフッ化カルシウム光学部材によれば、高温・高圧の環境下においても、破壊することなく好適に使用できるCaF単結晶光学部材を簡便に得ることができる。よって半導体製造装置等の様々な分野に、十分な強度を有するフッ化カルシウム光学部材を提供することが可能となる。
10、11、12 光学部材
10i、11i、12i 内周面
10o、11o、12o 外周面
A 中心軸
DL1、DL2 対角線
UL 単位格子

Claims (11)

  1. フッ化カルシウム光学部材であって、
    単結晶フッ化カルシウムで形成され且つ筒状の形状を有し、
    前記筒の中心軸と、単結晶フッ化カルシウムの互いに直交する3つの{100}結晶面のいずれか1面とが直交しており、
    前記筒の周壁の半径方向の厚さが、前記3つの{100}結晶面の他のいずれか1面と平行で且つ前記筒の中心軸を含む面を前記中心軸周りの一方向に45°回転した面と前記周壁とが交わる箇所、及び前記3つの{100}結晶面の残りの1面と平行で且つ前記筒の中心軸を含む面を前記中心軸周りの前記一方向に45°回転した面と前記周壁とが交わる箇所において他の箇所より大きいフッ化カルシウム光学部材。
  2. 前記筒の内周面の前記中心軸に直交する断面が円形状である請求項1に記載のフッ化カルシウム光学部材。
  3. 前記筒の外周面の前記中心軸に直交する断面が略正方形である請求項1又は2に記載のフッ化カルシウム光学部材。
  4. 前記略正方形の断面の2組の対向する辺の一方と前記3つの{100}結晶面の他のいずれか1面が存在する方向とが平行であり、前記対向する辺の他方と前記3つの{100}結晶面の残りの1面が存在する方向とが平行である請求項3に記載のフッ化カルシウム光学部材。
  5. 前記フッ化カルシウム部材は、内部に気体を密封する気体密封用容器である請求項1〜4のいずれか一項に記載のフッ化カルシウム部材。
  6. 光源用部材として用いられる請求項1〜5のいずれか一項に記載のフッ化カルシウム光学部材。
  7. 単結晶フッ化カルシウムで形成され且つ内部に円柱状の空間が形成された略四角筒状の光学部材であって、
    前記略四角筒の対向する1組の外側面が単結晶フッ化カルシウムの互いに直交する3つの{100}面のうちの第1面と平行であり、前記略四角筒の対向する別の1組の外側面が{100}面のうちの第2面と平行であり、前記略四角筒の底面又は上面が、{100}面のうちの第3面と平行である光学部材。
  8. フッ化カルシウム光学部材の製造方法であって、
    単結晶フッ化カルシウムの互いに直交する3つの{100}結晶面の存在する方向を特定することと、
    前記単結晶フッ化カルシウムを筒状に削り出すこととを有し、
    前記削り出しは、前記筒の中心軸と、前記3つの{100}結晶面のいずれか1面とが直交し、且つ前記筒の周壁の半径方向の厚さが、前記3つの{100}結晶面の他のいずれか1面と平行で且つ前記筒の中心軸を含む面を前記中心軸周りの一方向に45°回転した面と前記周壁とが交わる箇所、及び前記3つの{100}結晶面の残りの1面と平行で且つ前記筒の中心軸を含む面を前記中心軸周りの前記一方向に45°回転した面と前記周壁とが交わる箇所において他の箇所より大きくなるように行われるフッ化カルシウム光学部材の製造方法。
  9. 前記筒の内周面の前記中心軸に直交する断面が円形状である請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記筒の外周面の前記中心軸に直交する断面が略正方形である請求項8又は9に記載の製造方法。
  11. 前記略正方形の断面の2組の対向する辺の一方と前記3つの{100}結晶面の他のいずれか1面が存在する方向とが平行であり、前記対向する辺の他方と前記3つの{100}結晶面の残りの1面が存在する方向とが平行である請求項10に記載の製造方法。
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