JP2012073413A - 偏光変換素子及び偏光変換素子の製造方法 - Google Patents

偏光変換素子及び偏光変換素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】誘電体膜又は1/2波長板を備えることなく、直線偏光をラジアル偏光に変換することができる偏光変換素子と生産性のよい偏光変換素子の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】直線偏光をラジアル偏光に変換する偏光変換素子であって、両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている複数の旋光板から構成され、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺が成す角を頂角とし、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺が接する点を頂点とし、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺を結ぶ辺を底辺としたとき、前記旋光板の頂角が合わされて360°となるように複数の前記旋光板の側面が接合され、正多角柱形状に形成されており、それぞれの前記旋光板に直線偏光が入射されるとき、接合されている頂点から放射状に沿う方向と平行な電気ベクトルを備えた直線偏光が出射されることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、直線偏光をラジアル偏光に変換させる偏光変換素子及び直線偏光をラジアル偏光に変換させる偏光変換素子の製造方法に関する。
直線偏光をラジアル偏光に変換させる偏光変換素子は、例えば、レーザ照射装置や顕微鏡等の光学機器に用いられる。
ここで、偏光変換素子は、入射光の偏光状態を変換し出射させることができる光学部品素子である。
また、直線偏光とは、電気ベクトルが一定となっている光とする。
また、電気ベクトルとは、光が進む方向に対して垂直に振動する横波の振動方向である。
また、ラジアル偏光とは、図4に示すように、放射状の電気ベクトルを備えた直線偏光となっている光である。従って、ラジアル偏光の電気ベクトルは、放射状の方向に平行となっている。
また、放射状とは、光が出射される面を見たとき、基準となる所定の一点から四方八方へ広がりでている状態とする。
レーザ照射装置や顕微鏡等の光学機器では、一般的に、光源から出射された光がワークに照射される構造となっている。
ワークにラジアル偏光が照射されると、レーザ照射装置では加工精度を向上させることができ、顕微鏡等の光学機器では測定感度を向上させることができる。
このため、レーザ照射装置や顕微鏡等の光学機器では、ワークにラジアル偏光を照射することができる構造となっている。
しかしながら、前述したレーザ照射装置や顕微鏡等の光学機器で用いられる光源は、直線偏光が出射されるものが一般的である。
レーザ照射装置は、例えば、光源と2つの光学部品素子からなる偏光変換素子を備えている。
光源は、例えば、レーザ発振器が用いられ、直線偏光が出射される。
偏光変換素子は、例えば、2つの光学部品素子から構成されている。
一方の光学部品素子は、1/4波長板である。
1/4波長板は、主面が光学軸に平行となっており、光学軸と45°の角度を成す電気ベクトルを備えた直線偏光を入射させると円偏光が出射される。
また、1/4波長板は、光源から出射された直線偏光の電気ベクトルと光学軸とが45°の角度を成すように1/4波長板が設けられる。
従って、1/4波長板は、光源から出射された直線偏光を円偏光に変換する役割を果たす。
他方の光学部品素子は、アキシコンレンズと誘電体膜とを備えている。
アキシコンレンズは、円錐形状となっており、例えば、透明部材であるガラスが用いられている。
また、アキシコンレンズは、例えば、断面を見た場合、円錐形状の頂点から円錐形状の底面に垂直に引いた線に対し、円錐面が45°となっている。
誘電体膜は、アキシコンレンズの円錐面に成膜され設けられている。
従って、誘電体膜は、断面を見た場合、その主面が円錐形状の頂点から円錐形状の底面に垂直に引いた線に対し45°となっている。
他方の光学部品素子は、1/4波長板で変換された円偏光がアキシコンレンズの円錐形状の頂点に入射される位置に設けられている。
他方の光学部品素子では、アキシコンレンズの円錐形状の頂点からアキシコンレンズの円錐形状の底面に向かって円偏光が入射されると、アキシコンレンズの底面からラジアル偏光が出射される(例えば、特許文献1参照)。
一般的に、誘電体膜を備えている光学部品素子の製造方法は、誘電体膜を成膜する誘電体膜成膜工程を備えている。
誘電体膜成膜工程は、例えば、蒸着装置が用いられ、光が透過される透明基板の一方の主面に透明基板の一方の主面に対し誘電体膜が斜めに成膜される。このとき、透明基板は、矩形形状の平板状となっている。
ここで、透明基板の一方の主面に対し誘電体膜が斜めに成膜される状態とは、誘電体膜の膜厚が均一になっておらず、透明基板の一方の主面の所定の一つの辺から前記所定の一つの辺に対抗する辺に向かうにつれて膜厚が厚くなっている状態である。
誘電体膜形成工程で成膜された誘電体膜は、透明基板の一方の主面に対し所定の角度で円偏光を入射すると、円偏光が誘電体膜に対し所定の角度で入射されることとなり、直線偏光が出射される(例えば、特許文献2参照)。
従って、前述した他方の光学部品素子は、円錐形状のアキシコンレンズの円錐面に誘電体膜が成膜されて形成されており、アキシコンレンズの円錐形状の頂点から円偏光を入射するとき円偏光が誘電体膜に所定の角度で入射されることとなるので、円偏光がアキシコンレンズの円錐形状の頂点から入射されるとラジアル偏光となって出射される。
偏光変換素子がレーザ照射装置に用いられている場合について説明したが、前述したように、例えば、顕微鏡等の光学機器にも用いられている。
顕微鏡等の光学機器は、例えば、第二高調波顕微鏡、レーザ蛍光顕微鏡、ラマン顕微鏡、近接場顕微鏡がある。
このような顕微鏡等の光学機器は、例えば、光源と偏光変換素子とから構成されている。
光源は、例えば、レーザ発振器が用いられ、直線偏光が出射される。
偏光変換素子は、例えば、複数の1/2波長板が接合され、正多角柱形状に形成されている。
1/2波長板は、例えば、後述するように、2枚の水晶が接合され形成されている。
また、1/2波長板は、光学軸を供えており、光学軸に平行な面に直線偏光が入射されると、旋光されて直線偏光が出射される。
このとき、入射される直線偏光の電気ベクトルと出射される直線偏光の電気ベクトルとが所定の角度を成しており、入射される直線偏光の電気ベクトルと光学軸と成す角度と出射される直線偏光の電気ベクトルとが成す角度とが同じ角度となっている。
従って、1/2波長板は、光学軸に平行な面に直線偏光が入射されると、入射される直線偏光の電気ベクトルが光学軸に対して線対称となっている電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される。
1/2波長板は、例えば、8枚設けられている。
また、1/2波長板は、両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている。
ここで、1/2波長板の一方の主面の等しい二辺の成す角を頂角とし、等しい二辺の接する点を頂点とし、等しい二辺を結ぶ辺を底辺とする。
また、1/2波長板の一方の主面であって、頂点から底辺に垂直に引いた線を垂線とする。
また、1/2波長板は、それぞれの頂角が合わされて360°となるように、透明部材の基板に1/2波長板が接合されている。このとき、1/2波長板の頂点がほぼ一点で接しており、底辺が外縁側に位置している。
従って、接合されている1/2波長板の垂線は、頂点を中心に放射状に沿って位置している。
また、1/2波長板は、主面が光学軸に平行となっている。
また、1/2波長板は、一方の主面から直線偏光を入射したとき垂線に平行な電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される。
このため、1/2波長板は、前述したように、垂線が頂点を中心に放射状に沿って位置しているので、入射前の電気ベクトルと垂線との角度によって光学軸が設けられる位置が異なり、垂線と光学軸とが成す角度がそれぞれ異なっている。
従って、偏光変換素子は、光学軸と垂線との成す角度が異なっている複数の1/2波長板が基板上に接合されて正多角柱形状に形成され、それぞれの1/2波長板に直線偏光を入射したときに、1/2波長板の垂線に平行な直線偏光が出射され、ラジアル偏光が出射される構造となっている(例えば、特許文献3参照)。
このような偏光変換素子の製造方法は、例えば、1/2波長板形成工程、1/2波長板接合工程を備えている。
(1/2波長板形成工程)
1/2波長板形成工程は、1/2波長板ウエハを切断し1/2波長板を形成する工程である。
1/2波長板ウエハは、例えば、後述するように、2枚の水晶板から形成されている。
また、1/2波長板ウエハは、一方の主面が光学軸に平行となっている。
また、1/2波長板ウエハは、一方の主面に直線偏光を入射すると、入射前の電気ベクトルが光学軸に対して線対称となっている電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される。
1/2波長板形成工程で形成された1/2波長板は、後述する1/2波長板接合工程後に入射される直線偏光の電気ベクトルと垂線との二等分角に光学軸が設けられる。このとき、それぞれの1/2波長板は、光学軸と垂線とが成す角度が異なっている。
(1/2波長板接合工程)
1/2波長板接合工程は、例えば、樹脂性接着によって、複数の1/2波長板の頂角が合わせて360°になるように、1/2波長板を基板の一方の主面に接合し、正多角柱形状に形成する工程である。
基板は、光を透過させることができる透明材料が用いられている。
1/2波長板接合工程後の1/2波長板は、1/2波長板の頂点が一点で接しつつ底辺が外縁側に位置されているので、それぞれの垂線が頂点を中心に放射状に沿って位置している。
このような偏光変換素子の製造方法は、1/2波長板の接合工程後に入射される直線偏光の電気ベクトルと垂線との成す角度に合わせて、光学軸の位置が決定され1/2波長板が形成され、基板に接合されている。
前述したような、1/2波長板を用いた変換素子の製造方法で用いられる1/2波長板ウエハは、例えば、2枚の水晶ウエハの厚みが異なる様に研磨され接合されて形成される(例えば、特許文献4参照)。
1/2波長板は、複数の水晶ウエハが接合されて形成されているが、それぞれの水晶ウエハの厚みによって入射される直線偏光を変換させる状態が異なってくるので、水晶ウエハの厚みを決定する際、高い加工精度が求められる。
例えば、193nmの波長の直線偏光を変換しようとする場合、接合されている水晶ウエハの合計の板厚が7.0μm以上7.4μm以下の精度が必要となる。
板厚が7.0μm未満又は7.4μmより大きい場合、入射前の電気ベクトルと入射後の電気ベクトルとの成す角度が所定の角度と異なる角度、例えば、5°以上異なる角度となってしまい1/2波長板ウエハとして用いることができない恐れがある。
このため、1/2波長板ウエハを製造するときに、接合される水晶ウエハの合計の板厚が所定の値に対し±0.2μmとなるように研磨しなければならず、高い加工精度が求められる。
特開2010−134328号公報 特公平7−3486号公報 特開2007−193025号公報 特開2007−155835号公報
しかしながら、従来の偏光変換素子は、円錐形状のアキシコンレンズとアキシコンレンズの円錐面に成膜されている誘電体膜とから構成されており、アキシコンレンズの円錐形状の頂点から円偏光を入射するとき、円錐面に成膜されている誘電体膜と円偏光とが所定の角度を成す構造となっているので、誘電体膜の膜厚が均一でない場合、誘電体膜と円偏光とが所定の角度を成さず、電気ベクトルが一定でない光が放射状に沿って出射され、ラジアル偏光に変換されない恐れがある。
このため、従来の偏光変換素子は、アキシコンレンズの円錐形状の頂点に円偏光が入射されても、ラジアル偏光が出射されない恐れがある。
また、従来の偏光変換素子の製造方法は、円錐形状のアキシコンレンズの円錐面に誘電体膜を成膜しているので、アキシコンレンズの円錐面に膜厚が均一な誘電体膜を成膜することができない恐れがある。
このため、従来の偏光変換素子の製造方法は、円偏光を所定の角度で誘電体膜に入射させることができない構造となり、円偏光をラジアル偏光に変換することができないといった不良が発生し、生産性が悪化する恐れがある。
また、従来の偏光変換素子の製造方法は、両主面が二等辺三角形の三角柱形状の1/2波長板であって、光学軸と垂線との成す角度が異なる1/2波長板を垂線が頂点から放射状に沿って位置するように基板に接合しているので、1/2波長板を形成するときに、光学軸の軸方向を考慮しそれぞれ別途切断しなければならず、手間と時間を多く要し生産性が悪化する恐れがある。
そこで、本発明は、誘電体膜又は1/2波長板を備えることなく、直線偏光をラジアル偏光に変換することができる偏光変換素子と生産性のよい偏光変換素子の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、直線偏光をラジアル偏光に変換する偏光変換素子であって、両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている複数の旋光板から構成され、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺が成す角を頂角とし、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺が接する点を頂点とし、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺を結ぶ辺を底辺としたとき、前記旋光板の頂角が合わされて360°となるように複数の前記旋光板の側面が接合され、正多角柱形状に形成されており、それぞれの前記旋光板に直線偏光が入射されるとき、接合されている頂点を基準とした放射状の電気ベクトルを備えた直線偏光が出射されることを特徴とする。
また、前記課題を解決するため、前記旋光板が互いに直交する機械軸と電気軸と光学軸とからなる結晶軸を備えた水晶からなり、前記旋光板の両主面が光学軸に垂直となっており、所定の2つの旋光板が所定の他の旋光板より光学軸に平行な長さが長くなっており、両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている透明部材が所定の他の前記旋光板の他方の主面に設けられ、所定の2つの前記旋光板と同じ形状となっていることを特徴とする。
また、前記課題を解決するため、直線偏光をラジアル偏光に変換する偏光変換素子の製造方法であって、互いに直交する機械軸と電気軸と光学軸とからなる結晶軸を備え前記光学軸が両主面に垂直になっている水晶ウエハが切断され、両主面が光学軸に垂直でかつ二等辺三角形の三角柱形状の水晶板が形成される水晶板形成工程と、前記水晶板が光学軸に平行な長さが所定の長さになるまで研磨し旋光板を形成する旋光板形成工程と、旋光板の主面に透明部材を接合する透明部材接合工程と、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺が成す角を頂角とし、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺が接する点を頂点とし、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺を結ぶ辺を底辺としたとき、前記旋光板の頂角が合わされて360°となるように複数の前記旋光板の側面が接合される旋光板接合工程と、を備え、前記旋光板形成工程で、所定の2つの旋光板が所定の他の旋光板より光学軸に平行な長さが長くなっており、前記旋光板の光学軸に平行な長さが前記接合工程後の前記頂点から前記底辺に引いた直線と入射される直線偏光の電気ベクトルとの成す角度に
よって決定され、前記透明部材接合工程で、両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている透明部材が所定の他の前記旋光板の他方の主面に設けられ、所定の2つの前記旋光板と同じ形状となり、前記接合工程で、複数の前記旋光板が接合されて正多角柱形状となっており、ことを特徴とする偏光変換素子の製造方法。
このような偏光変換素子によれば、両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている複数旋光板の頂角が合わされて360°となるように接合され、正多角柱形状となる様に接合された構造となっているので、接合されている頂点から底辺に引いた直線が放射状に沿って向かう方向に平行となっており、それぞれの旋光板の一方の主面に直線偏光が入射されたとき接合されている頂点を基準とした放射状の電気ベクトルを備えた直線偏光が出射されるので、直線偏光を入射させるとラジアル偏光が出射される構造となっている。
従って、このような偏光変換素子によれば、誘電体膜又は1/2波長板を備えていない構造であっても直線偏光をラジアル偏光に変換することができる。
また、このような偏光変換素子によれば、光学軸を備えた水晶からなる旋光板であって、光学軸に平行な長さの異なる旋光板と透明部材とを備え、光学軸に平行な長さが一番長い所定の二つの旋光板と同形状となる様に所定の他の二つの旋光板に透明部材が接合されている構造となっているので、出射された光の光路長をあわせることができる。
また、このような偏光変換素子の製造方法によれば、水晶ウエハを切断し両主面が二等辺三角形の三角柱形状の水晶板を形成し、水晶板の光学軸に平行な長さが所定の長さになるまで研磨して旋光板を形成し、形成した旋光板の頂角が合わされて360°となるように旋光板の側面が接合されているので、偏光変換素子が旋光板の頂点が一点で接しつつ底面が外縁側に位置している正多角柱形状に形成される。
このため、このような偏光変換素子の製造方法によれば、頂点から底辺に引いた直線が頂点から放射状に沿って向かう方向に平行となるように複数の旋光板を容易に接合することができる。
また、このような偏光変換素子によれば、それぞれの旋光板に直線偏光が入射されるとき、接合されている頂点から放射状に沿う方向に平行な電気ベクトルを備えた直線偏光が出射されるように、水晶板の光学軸に平行な長さが決定されているので、複数の水晶板を形成するときに一度に切断することがきる。
また、所定の波長の直線偏光に対して出射される直線偏光の電気ベクトルが所定の角度に対してずれる量を一定にして比較した場合、このような偏光変換素子の製造方法によれば、旋光板を用いておいるので、水晶の板厚公差が従来の偏光変換素子の製造方法の水晶ウエハの板厚公差の約10倍とすることができる。
このため、このような偏光変換素子の製造方法によれば、生産性を向上させることができる。
(a)は、本発明の実施形態に係る偏光変換素子の概念の一例を示す概念図であり、(b)は、図1(a)のAの方向から見たときのA矢指図である。 (a)は、本発明の実施形態に係る偏光変換素子の旋光板に直線偏光が入射されたときの概念の一例を示す概念図であり、(b)は、本発明の実施形態に係る偏光変換素子の旋光板に直線偏光が入射されたときの概念の一例を示す概念図であり、(c)は、本発明の実施形態に係る偏光変換素子の旋光板に直線偏光が入射されたときの概念の一例を示す概念図であり、(d)は、本発明の実施形態に係る偏光変換素子の旋光板に直線偏光が入射されたときの概念の一例を示す概念図であり、(e)は、本発明の実施形態に係る偏光変換素子の旋光板に直線偏光が入射されたときの概念の一例を示す概念図であり、(f)は、本発明の実施形態に係る偏光変換素子の旋光板に直線偏光が入射されたときの概念の一例を示す概念図である。 本発明の第二の実施形態に係る偏光変換素子の概念の一例を示す概念図である。 ラジアル偏光の電気ベクトルの概念を示す概念図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、各図面において各構成要素の状態をわかりやすくするために誇張して図示している。
本発明の実施形態に係る偏光変換素子100は、図1(a)及び図1(b)に示すように、複数の旋光板111,112,113,114,115,116と透明部材Tとから主に構成されており、正多角柱形状に形成されている。
一般的に、旋光板は、直線偏光が入射されるとき、入射される直線偏光の電気ベクトルと所定の角度を成す電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される。
特に、旋光板がアルファー水晶からなる場合、入射される直線偏光の電気ベクトルと出射される電気ベクトルとの成す角度は、水晶の光学軸に平行な長さによって決定される。また、旋光板がアルファー水晶の右水晶からなる場合、出射される面からみて、入射される直線偏光の電気ベクトルが時計回り(右回転)に所定の角度分回転される。また、旋光板がアルファー水晶の左水晶からなる場合、出射される面からみて、入射される直線偏光の電気ベクトルが反時計回り(左回転)に所定の角度分回転される。
透明部材Tでは、入射される光の偏光状態を保ったまま出射される。
透明部材Tは、ガラス又は光を透過する結晶材料が用いられる。ここで、透明部材Tは、例えば、ガラスが用いられている。
また、透明部材Tは、両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている。このとき、主面は、後述する旋光板111,112,113,114,115,116の主面と同じ大きさとなっている。
また、透明部材Tは、光学軸に平行な長さが長い所定の2つの旋光板111,114を除く所定の他の旋光板112,113,115,116の光が出射される面に設けられる。このとき、所定の他の旋光板112,113,115,116に透明部材Tが設けられて所定の2つの旋光板111,114と同じ形状となっている。
また、透明部材Tは、所定の2つの旋光板111,114と所定の他の旋光板112,113,115,116との光学軸に平行な長さが異なることによる、光路長のずれを防ぐ役割を果たす。
ここで、透明部材Tは、所定の他旋光板112,113,115,116の光が出射される面に例えば、原子拡散接合により接合され設けられている。
原子拡散接合は金属膜(図示せず)を設けて接合する接合方法である。しかしながら、原子拡散接合を用いて接合するときの金属膜の厚みが数nmであるため、入射される光の偏光状態を保ったまま出射することができる。
従って、透明部材Tでは、所定の他の旋光板112,113,115,116から出射された光が入射されたとき、この光の偏光状態が保たれたまま出射される。
本発明の実施形態に係る偏光変換素子100に用いられている旋光板111,112,113,114,115,116は、偶数枚、例えば、6枚設けられている。
また、旋光板111,112,113,114,115,116は、両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている。
ここで、旋光板111,112,113,114,115,116の一方の主面の等しい二辺が成す角を頂角とする。
また、旋光板111,112,113,114,115,116の一方の主面の等しい二辺が接する点を頂点とする。
また、旋光板111,112,113,114,115,116の一方の主面の等しい二辺を結ぶ辺を底辺とする。
また、旋光板111,112,113,114,115,116の一方の主面であって、頂点から底辺に垂直S111,S112,S113,S113,S114,S115,S116に引いた線を垂線とする。
旋光板111,112,113,114,115,116は、頂角が合わされて360°となるように旋光板111,112,113,114,115,116の側面が接合されて形成されている。
ここで、旋光板111,112,113,114,115,116の側面とは、旋光板111,112,113,114,115,116の主面に垂直であって旋光板111,112,113,114,115,116の一方の主面の等しい二辺を含む面である。
従って、旋光板111,112,113,114,115,116は、一方の主面側からみた場合、図1(a)に示すように、頂点が一点で接しつつ底辺が外縁側に位置している正多角形となっている。このとき、それぞれの旋光板111,112,113,114,115,116の垂線が接合されている頂点から放射状に沿う方向と平行になっている。また、それぞれの旋光板111,112,113,114,115,116において、頂点から底辺に引いた直線が接合されている頂点から放射状に沿う方向と平行になっている。
また、旋光板111,112,113,114,115,116では、一方の主面から直線偏光が入射されたとき頂点から底辺に引いた直線に平行な電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される。
ここで、旋光板111,112,113,114,115,116では、例えば、一方の主面から入射されたとき垂線に平行な電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される。
また、旋光板111,112,113,114,115,116は、例えば、アルファー水晶の右水晶からなっている。また、旋光板111,112,113,114,115,116は、互いに直交する機械軸と電気軸と光学軸とからなる結晶軸を備えており、両主面が光学軸に垂直となっている。
従って、旋光板111,112,113,114,115,116は、入射される直線偏光の電気ベクトルとそれぞれの垂線S111,S112,S113,S114,S115,S116との成す角度によって、光学軸に平行な長さが異なっている。
ここで、例えば、入射される直線偏光の電気ベクトルが、図2(a)〜図2(f)に示すように、所定の一つの旋光板111の垂線S111に平行となっているとする。
また、偶数枚の旋光板111,112,113,114,115,116が用いられている場合、接合した後に一方の主面側から見ると、旋光板は、180°面内回転した位置に設けられている別の旋光板の底辺が平行となっているので、同じ旋光能を備えた旋光板が2つ一対で必ず存在している。
旋光板111は、図2(a)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0と
垂線S111との角度が180°となっている。
従って、旋光板111は、図2(a)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0が右回転に180°面内回転されている電気ベクトルD111を備えた直線偏光が出射される。
なお、ここで、旋光板111がアルファー水晶の右水晶からなる場合について説明しているが、入射される直線偏光の電気ベクトルD0と垂線S111との角度が180°となっていれば、アルファー水晶の左水晶からなっていてもよい。このとき、光学軸に平行な長さが同じとなっている。
旋光板112は、透明部材Tと接合されており、図2(b)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0と垂線S112との角度が右回転する方向に120°となっている。
従って、旋光板112は、図2(b)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0が右回転に120°面内回転されている電気ベクトルD112を備えた直線偏光が出射される。
また、旋光板112の光学軸に平行な長さは、旋光板111の光学軸に平行な長さの3分の2となっている。
なお、ここで、旋光板112がアルファー水晶の右水晶からなる場合について説明しているが、入射される直線偏光の電気ベクトルD0と垂線S112との角度が右回転の方向に120°となっていれば、アルファー水晶の左水晶からなっていてもよい。このとき、光学軸に平行な長さが左回転の方向に60°回転させる長さとなっており、旋光板111の3分の1の長さとなっている。
旋光板113は、透明部材Tと接合されており、図2(c)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0と垂線S113との角度が右回転の方向に60°となっている。
従って、旋光板113は、図2(c)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0が右回転に60°面内回転されている電気ベクトルD113を備えた直線偏光が出射される。
また、旋光板113の光学軸に平行な長さは、旋光板111の光学軸に平行な長さの3分の1となっている。
なお、ここで、旋光板113がアルファー水晶の右水晶からなる場合について説明しているが、入射される直線偏光の電気ベクトルD0と垂線S113との角度が右回転の方向に120°となっていれば、アルファー水晶の左水晶からなっていてもよい。このとき、光学軸に平行な長さが左回転の方向に60°回転させる長さとなっており、図1(b)に示すように、旋光板111の3分の1の長さとなっている。
旋光板114は、図2(d)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0と垂線S114との角度が180°となっている。
従って、旋光板114は、図2(d)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0が右回転に180°面内回転されている電気ベクトルD114を備えた直線偏光が出射される。
また、旋光板114の光学軸に平行な長さは、図1(b)に示すように、旋光板111の光学軸に平行な長さと同じ長さになっている。
なお、ここで、旋光板114がアルファー水晶の右水晶からなる場合について説明しているが、入射される直線偏光の電気ベクトルD0と垂線S114との角度が180°となっていれば、アルファー水晶の左水晶からなっていてもよい。このとき、光学軸に平行な長さが左回転の方向に180°回転させる長さとなっており、旋光板111と同じ長さになっている。
旋光板115は、透明部材Tと接合されており、図2(e)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0と垂線S115との角度が右回転に120°となっている。
従って、旋光板112は、図2(e)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0が右回転に120°面内回転されている電気ベクトルD115を備えた直線偏光が出射される。
また、旋光板115の光学軸に平行な長さは、図1(b)に示すように、旋光板111の光学軸に平行な長さの3分の2となっている。
なお、ここで、旋光板115がアルファー水晶の右水晶からなる場合について説明しているが、入射される直線偏光の電気ベクトルD0と垂線S115との角度が右回転の方向に120°となっていれば、アルファー水晶の左水晶からなっていてもよい。このとき、光学軸に平行な長さが左回転の方向に60°回転させる長さとなっており、旋光板111の3分の1の長さとなっている。
旋光板116は、透明部材Tと接合されており、図2(f)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0と垂線S116との角度が120°となっている。
従って、旋光板113は、図2(f)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0が右回転に120°面内回転されている電気ベクトルD116を備えた直線偏光が出射される。
また、旋光板116の光学軸に平行な長さは、旋光板111の光学軸に平行な長さの3分の1となっている。
なお、ここで、旋光板116がアルファー水晶の右水晶からなる場合について説明しているが、入射される直線偏光の電気ベクトルD0と垂線S116との角度が右回転の方向に120°となっていれば、アルファー水晶の左水晶からなっていてもよい。このとき、光学軸に平行な長さが左回転の方向に60°回転させる長さとなっており、旋光板111の3分の1の長さとなっている。
このような実施形態に係る偏光変換素子100によれば、両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている複数旋光板111,112,113,114,115,116の頂角が合わされて360°となるように接合され、正多角柱形状となる様に接合された構造となっているので、接合されている頂点から底辺に引いた直線が放射状に沿って向かう方向に平行となっており、光が出射される面を見たとき、それぞれの旋光板111,112,113,114,115,116の一方の主面に直線偏光が入射されたとき接合されている頂点を基準とした放射状の電気ベクトルD111,D112,D113,D114,D115,D116を備えた直線偏光が出射されるので、直線偏光を入射させるとラジアル偏光が出射される構造となっている。
従って、このような実施形態に係る偏光変換素子100によれば、誘電体膜又は1/2波長板を備えていない構造であっても直線偏光をラジアル偏光に変換することができる。
また、このような本発明の実施形態に係る偏光変換素子100によれば、光学軸を備えた水晶からなる旋光板111,112,113,114,115,116であって、光学軸に平行な長さの異なる旋光板111,112,113,114,115,116と透明部材Tとを備え、光学軸に平行な長さが一番長い所定の二つの旋光板111,114と同形状となる様に所定の他の二つの旋光板112,113,115,116に透明部材Tが接合されている構造となっているので、出射された光の光路長をあわせることができる。
次に、本発明の実施形態に係る偏光変換素子の製造方法について説明する。
ここで、本発明の実施形態に係る偏光変換素子の製造方法を用いて製造される偏光変換素子は、本発明の実施形態に係る偏光変換素子100とする。
本発明の実施形態に係る偏光変換素子100の製造方法は、水晶板形成工程、旋光板形成工程、透明部材接合工程、旋光板接合工程、を備えている。
(水晶板形成工程)
水晶板形成工程は、互いに直交する機械軸と電気軸と光学軸とからなる結晶軸を備え前記光学軸が両主面に垂直になっている水晶ウエハが切断され、両主面が光学軸に垂直でかつ二等辺三角形の三角柱形状の水晶板が形成される工程である。
水晶ウエハは、例えば、矩形形状の平板状に設けられている。
また、水晶ウエハは、互いに直交する機械軸と電気軸と光学軸とからなる結晶軸を備えている。
また、水晶ウエハは、両主面が光学軸に垂直となっており、厚み方向が光学軸に平行となっている。
ここで、水晶ウエハは、例えば、アルファー水晶の右水晶が用いられている。
また、水晶ウエハは、一方の主面から直線偏光を入射したとき、入射される直線偏光の電気ベクトルと成す角度が180°より大きい電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される厚みとなっている。
入射される直線偏光の電気ベクトルと出射される直線偏光の電気ベクトルとが180°以下となる厚みとなっている場合、後述する旋光板形成工程で所定の旋光板を形成することができなくなる恐れがある。
このため、水晶板形成工程で用いる水晶ウエハの厚みは、入射される直線偏光の電気ベクトルと出射される直線偏光の電気ベクトルとが180°より大きくなる厚みとなっている。
形成される水晶板は、両主面が光学軸に垂直となっており、かつ、両主面が二等辺三角形の三角柱に形成されている。
また、水晶板は、水晶ウエハが切断され形成されるので、直線偏光の電気ベクトルと出射される直線偏光の電気ベクトルとが180°より大きくなる厚みとなっている。
また、水晶板は、複数、例えば、6枚形成される。
水晶板形成工程では、例えば、ワイヤソー切断装置が用いられている。
このような本発明の実施形態に係る偏光変換素子100の製造方法の水晶板形成工程によれば、光学軸に平行な向きが厚み方向となっている水晶ウエハであって、光学軸に平行な向きが厚み方向となるように水晶ウエハを切断し水晶板を形成しているので、水晶ウエハの両主面を切断することで容易に水晶板を形成することができる。
(旋光板形成工程)
旋光板形成工程は、前記水晶板が光学軸に平行な長さが所定の長さになるまで研磨し旋光板を形成する工程である。
前述したように、水晶板は、例えば、6つ設けられており、すべて同じ形状となっている。
また、水晶板は、アルファー水晶の右水晶からなっている。
旋光板形成工程では、例えば、ポリッシュ研磨装置が用いられ、旋光板となる部分の両主面が研磨される。
また、旋光板形成工程では、形成される旋光板の光学軸に平行な長さが頂点から底辺に引いた線と入射される直線偏光の電気ベクトルとが成す角度によって決定される。
形成される旋光板は、直線偏光が入射されるとき、頂点から底辺に引いた直線に平行な電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される。
例えば、形成される旋光板は、頂点から底辺に垂直に引いた直線、つまり、垂線に平行な電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される。
ここで、本発明の実施形態に係る偏光変換素子100を製造する場合、それぞれの頂点から底辺に引いた直線と入射される電気ベクトルとの成す角度は、例えば、右回りの面内回転に180°、120°、60°となっている。
なお、ここでは、旋光板がアルファー水晶の右水晶を用いた場合を例に挙げているため、右回りの面内回転の角度としている。
前述したように、一般的に、アルファー水晶からなる旋光板は、厚みによって入射される直線偏光の電気ベクトルと出射される直線偏光の電気ベクトルとの成す角度が異なっている。
従って、旋光板形成工程では、頂点から底辺に引いた直線と入射される電気ベクトルとの成す角度が180°、120°、60°となっているので、厚みの異なる3種類の旋光板が形成される。
形成された旋光板の所定の2つは、光学軸に平行な長さが所定の他の旋光板より長くなる。言い換えると、所定の2つの旋光板は、厚みが所定の他の旋光板よりも厚くなる。
所定の2つの旋光板は、例えば、一方の主面から直線偏光が入射されたとき、入射される直線偏光の電気ベクトルと180°の角度を成す電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される厚みとなる。
所定の他の旋光板は、前述したように所定の2つの旋光板の厚みよりその厚みが薄い。
所定の他の旋光板は、直線偏光を入射させたときに、入射される直線偏光の電気ベクトルを右回転に120°回転させた電気ベクトルを備えた直線偏光を出射させる厚みとなるものと、直線偏光を入射させたときに、入射される直線偏光の電気ベクトルを右回転に60°回転させた電気ベクトルを備えた直線偏光を出射させる厚みとなるものとが形成される。
ここで、例えば、193nmの波長の直線偏光を変換しようとする場合、所定の2つの旋光板は、551.5μm以上555.5μm以下の精度が必要となる。つまり、旋光板形成工程では、旋光板が所定の板厚に対し±2μmとなるように形成する必要となる。
板厚が551.5μm未満又は555.5μmより大きい場合、入射前の電気ベクトルと入射後の電気ベクトルとの成す角度が所定の角度と異なる角度、例えば、5°以上異なる角度となってしまい旋光板として用いることができない恐れがある。
このため、旋光板形成工程では、旋光板の板厚が所定の値に対し±2μmとなるように研磨しなければならない。
このような本発明の実施形態に係る偏光変換素子100の製造方法の旋光板形成工程によれば、板厚の公差が従来の偏光変換素子の製造方法と比較して約10倍の大きさとなっているので、従来の偏光変換素子の製造方法と比較して生産性を向上させることができる。
(透明部材接合工程)
透明部材接合工程は、旋光板の主面に透明部材を接合する工程である。
透明部材は、両主面が二等辺三角形となっており、その主面の大きさが旋光板と同じ大きさとなっている。
また、透明部材では、入射された偏光状態を保ったまま出射される。
また、透明部材は、透明部材の一方の主面と所定の他の旋光板の光が出射される面とが向かい合わせとなるように、所定の他の旋光板に設けられる。このとき、透明部材が設けられた所定の他の旋光板の形状は、所定の2つの旋光板と同じ形状となっている。
透明部材接合工程では、例えば、原子拡散接合が用いられる。
このため、透明部材接合工程では、所定の他の旋光板の光が出射される面と透明部材の一方の主面との間に1nm以下の厚みの金属膜が設けられるが、金属膜の膜厚が1nmと薄いため、入射された光の偏光状態を保ったまま出射することができる。
(旋光板接合工程)
旋光板接合工程は、前記旋光板の頂角が合わされて360°となるように複数の前記旋光板の側面が接合される工程である。
旋光板接合工程では、複数の旋光板が接合され正多角柱形状となる。このとき、旋光板の頂点が一点で接しつつ、かつ、旋光板の底辺が外縁側に設けられる。
従って、旋光板接合工程では、頂点を基準に垂線が放射状に沿って位置するように複数の旋光板が接合されている。このとき、頂点から底辺に引いた直線は、接合される頂点から放射状に向かう方向に平行となっている。
旋光板接合工程では、例えば、原子拡散接合が用いられる。このため、旋光板接合工程では、隣接する旋光板の側面の間に1nm以下の厚みの金属膜が設けられるが、金属膜の膜厚が1nmと薄いため、入射された光の偏光状態を保ったまま出射することができる。
また、このような本発明の実施形態に係る偏光変換素子の製造方法によれば、水晶ウエハを切断し両主面が二等辺三角形の三角柱形状の水晶板を形成し、水晶板の光学軸に平行な長さが所定の長さになるまで研磨して旋光板を形成し、形成した旋光板の頂角が合わされて360°となるように旋光板の側面が接合されているので、偏光変換素子が旋光板の頂点が一点で接しつつ底面が外縁側に位置している正多角柱形状に形成される。
このため、このような本発明の実施形態に係る偏光変換素子の製造方法によれば、旋光板の頂点から底辺に引いた直線が頂点から放射状に沿う方向に平行となるように複数の旋光板を容易に接合することができる。
また、このような本発明の実施形態に係る偏光変換素子によれば、それぞれの旋光板に直線偏光が入射されるとき、接合されている頂点から放射状に沿う方向に平行な電気ベクトルを備えた直線偏光が出射されるように、水晶板の光学軸に平行な長さが決定されているので、複数の水晶板を形成するときに一度に切断することができ、生産性を向上させることができる。
また、所定の波長の直線偏光に対して出射される直線偏光の電気ベクトルが所定の角度に対してずれる量を一定にして比較した場合、このような本発明の実施形態に係る偏光変換素子の製造方法によれば、旋光板を用いているので、水晶の板厚公差が従来の偏光変換素子の製造方法の水晶ウエハの板厚公差の約10倍とすることができる。
このため、このような本発明の実施形態に係る偏光変換素子の製造方法によれば、生産性を向上させることができる。
なお、本発明の実施形態で旋光板がアルファー水晶の右水晶からなる場合について説明しているが、それぞれの旋光板に直線偏光を入射したときに垂線に平行な電気ベクトルを備えた直線偏光を出射することができれば、例えば、アルファー水晶の左水晶を用いてもよい。
なお、本発明の実施形態で旋光板がアルファー水晶の右水晶からなる場合について説明しているが、それぞれの旋光板に直線偏光を入射したときに垂線に平行な電気ベクトルを備えた直線偏光を出射することができれば、例えば、アルファー水晶の左水晶とアルファー水晶の右水晶とを組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明の実施形態で偶数の旋光板用いた場合について説明しているが、それぞれの旋光板に直線偏光を入射したときに垂線に平行な電気ベクトルを備えた直線偏光を出射することができれば、奇数の旋光板、例えば、図3に示すように、9枚の旋光板を用いてもよい。このとき、9枚の旋光板は、それぞれの頂点が一点で接しつつ底辺が外縁側に位置するように接合され正九角柱形状となっている。
なお、本発明の実施形態で旋光板がアルファー水晶からなる場合について説明したが、直線偏光を入射したときに垂線に平行な電気ベクトルを備えた直線偏光を出射することができれば、例えば、ビスマスシリコンオキサイド又はビスマスゲルマニウムオキサイドであってもよい。このとき、旋光板の板厚に差が生じない場合には、透明部材が設けられない。
なお、本発明の実施形態で出射される直線偏光の電気ベクトルが垂線に平行となっている場合について説明しているが、電気ベクトルが頂点から底辺に引いた直線に平行となっていれば、例えば、旋光板の一方の主面の等しい二辺の一方の辺に平行であってもよい。
100,200 偏光変換素子
111,112,113,114,115,116,211,212,213,214,215,216,217,218,219 旋光板
T 透明部材
D0 入射される直線偏光の電気ベクトル
D111,D112,D113,D114,D115,D116 出射される直線偏光の電気ベクトル

Claims (3)

  1. 直線偏光をラジアル偏光に変換する偏光変換素子であって、
    両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている複数の旋光板から構成され、
    前記旋光板の一方の主面の等しい二辺が成す角を頂角とし、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺が接する点を頂点とし、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺を結ぶ辺を底辺としたとき、
    前記旋光板の頂角が合わされて360°となるように複数の前記旋光板の側面が接合され、正多角柱形状に形成されており、
    それぞれの前記旋光板に直線偏光が入射されるとき、接合されている頂点を基準とした放射状の電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される
    ことを特徴とする偏光変換素子。
  2. 請求項1に記載の偏光変換素子であって、
    前記旋光板が互いに直交する機械軸と電気軸と光学軸とからなる結晶軸を備えた水晶からなり、
    前記旋光板の両主面が光学軸に垂直となっており、
    所定の2つの旋光板が所定の他の旋光板より光学軸に平行な長さが長くなっており、
    両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている透明部材が所定の他の前記旋光板の他方の主面に設けられ、所定の2つの前記旋光板と同じ形状となっている
    ことを特徴とする偏光変換素子。
  3. 直線偏光をラジアル偏光に変換する偏光変換素子の製造方法であって、
    互いに直交する機械軸と電気軸と光学軸とからなる結晶軸を備え前記光学軸が両主面に垂直になっている水晶ウエハが切断され、両主面が光学軸に垂直でかつ二等辺三角形の三角柱形状の水晶板が形成される水晶板形成工程と、
    前記水晶板が光学軸に平行な長さが所定の長さになるまで研磨し旋光板を形成する旋光板形成工程と、
    旋光板の主面に透明部材を接合する透明部材接合工程と、
    前記旋光板の一方の主面の等しい二辺が成す角を頂角とし、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺が接する点を頂点とし、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺を結ぶ辺を底辺としたとき、
    前記旋光板の頂角が合わされて360°となるように複数の前記旋光板の側面が接合される旋光板接合工程と、
    を備え、
    前記旋光板形成工程で、
    所定の2つの旋光板が所定の他の旋光板より光学軸に平行な長さが長くなっており、
    前記旋光板の光学軸に平行な長さが前記接合工程後の前記頂点から前記底辺に引いた直線と入射される直線偏光の電気ベクトルとの成す角度によって決定され、
    前記透明部材接合工程で、両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている透明部材が所定の他の前記旋光板の他方の主面に設けられ、所定の2つの前記旋光板と同じ形状となり、
    前記接合工程で、複数の前記旋光板が接合されて正多角柱形状となっており、
    ことを特徴とする偏光変換素子の製造方法。
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