JP2012073413A - 偏光変換素子及び偏光変換素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】直線偏光をラジアル偏光に変換する偏光変換素子であって、両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている複数の旋光板から構成され、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺が成す角を頂角とし、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺が接する点を頂点とし、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺を結ぶ辺を底辺としたとき、前記旋光板の頂角が合わされて360°となるように複数の前記旋光板の側面が接合され、正多角柱形状に形成されており、それぞれの前記旋光板に直線偏光が入射されるとき、接合されている頂点から放射状に沿う方向と平行な電気ベクトルを備えた直線偏光が出射されることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
また、直線偏光とは、電気ベクトルが一定となっている光とする。
また、電気ベクトルとは、光が進む方向に対して垂直に振動する横波の振動方向である。
また、ラジアル偏光とは、図4に示すように、放射状の電気ベクトルを備えた直線偏光となっている光である。従って、ラジアル偏光の電気ベクトルは、放射状の方向に平行となっている。
また、放射状とは、光が出射される面を見たとき、基準となる所定の一点から四方八方へ広がりでている状態とする。
このため、レーザ照射装置や顕微鏡等の光学機器では、ワークにラジアル偏光を照射することができる構造となっている。
1/4波長板は、主面が光学軸に平行となっており、光学軸と45°の角度を成す電気ベクトルを備えた直線偏光を入射させると円偏光が出射される。
また、1/4波長板は、光源から出射された直線偏光の電気ベクトルと光学軸とが45°の角度を成すように1/4波長板が設けられる。
従って、1/4波長板は、光源から出射された直線偏光を円偏光に変換する役割を果たす。
また、アキシコンレンズは、例えば、断面を見た場合、円錐形状の頂点から円錐形状の底面に垂直に引いた線に対し、円錐面が45°となっている。
従って、誘電体膜は、断面を見た場合、その主面が円錐形状の頂点から円錐形状の底面に垂直に引いた線に対し45°となっている。
他方の光学部品素子では、アキシコンレンズの円錐形状の頂点からアキシコンレンズの円錐形状の底面に向かって円偏光が入射されると、アキシコンレンズの底面からラジアル偏光が出射される(例えば、特許文献1参照)。
誘電体膜成膜工程は、例えば、蒸着装置が用いられ、光が透過される透明基板の一方の主面に透明基板の一方の主面に対し誘電体膜が斜めに成膜される。このとき、透明基板は、矩形形状の平板状となっている。
顕微鏡等の光学機器は、例えば、第二高調波顕微鏡、レーザ蛍光顕微鏡、ラマン顕微鏡、近接場顕微鏡がある。
また、1/2波長板は、光学軸を供えており、光学軸に平行な面に直線偏光が入射されると、旋光されて直線偏光が出射される。
このとき、入射される直線偏光の電気ベクトルと出射される直線偏光の電気ベクトルとが所定の角度を成しており、入射される直線偏光の電気ベクトルと光学軸と成す角度と出射される直線偏光の電気ベクトルとが成す角度とが同じ角度となっている。
従って、1/2波長板は、光学軸に平行な面に直線偏光が入射されると、入射される直線偏光の電気ベクトルが光学軸に対して線対称となっている電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される。
また、1/2波長板は、両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている。
また、1/2波長板の一方の主面であって、頂点から底辺に垂直に引いた線を垂線とする。
従って、接合されている1/2波長板の垂線は、頂点を中心に放射状に沿って位置している。
また、1/2波長板は、一方の主面から直線偏光を入射したとき垂線に平行な電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される。
このため、1/2波長板は、前述したように、垂線が頂点を中心に放射状に沿って位置しているので、入射前の電気ベクトルと垂線との角度によって光学軸が設けられる位置が異なり、垂線と光学軸とが成す角度がそれぞれ異なっている。
1/2波長板形成工程は、1/2波長板ウエハを切断し1/2波長板を形成する工程である。
また、1/2波長板ウエハは、一方の主面が光学軸に平行となっている。
また、1/2波長板ウエハは、一方の主面に直線偏光を入射すると、入射前の電気ベクトルが光学軸に対して線対称となっている電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される。
1/2波長板接合工程は、例えば、樹脂性接着によって、複数の1/2波長板の頂角が合わせて360°になるように、1/2波長板を基板の一方の主面に接合し、正多角柱形状に形成する工程である。
板厚が7.0μm未満又は7.4μmより大きい場合、入射前の電気ベクトルと入射後の電気ベクトルとの成す角度が所定の角度と異なる角度、例えば、5°以上異なる角度となってしまい1/2波長板ウエハとして用いることができない恐れがある。
このため、1/2波長板ウエハを製造するときに、接合される水晶ウエハの合計の板厚が所定の値に対し±0.2μmとなるように研磨しなければならず、高い加工精度が求められる。
このため、従来の偏光変換素子は、アキシコンレンズの円錐形状の頂点に円偏光が入射されても、ラジアル偏光が出射されない恐れがある。
このため、従来の偏光変換素子の製造方法は、円偏光を所定の角度で誘電体膜に入射させることができない構造となり、円偏光をラジアル偏光に変換することができないといった不良が発生し、生産性が悪化する恐れがある。
よって決定され、前記透明部材接合工程で、両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている透明部材が所定の他の前記旋光板の他方の主面に設けられ、所定の2つの前記旋光板と同じ形状となり、前記接合工程で、複数の前記旋光板が接合されて正多角柱形状となっており、ことを特徴とする偏光変換素子の製造方法。
従って、このような偏光変換素子によれば、誘電体膜又は1/2波長板を備えていない構造であっても直線偏光をラジアル偏光に変換することができる。
このため、このような偏光変換素子の製造方法によれば、頂点から底辺に引いた直線が頂点から放射状に沿って向かう方向に平行となるように複数の旋光板を容易に接合することができる。
また、このような偏光変換素子によれば、それぞれの旋光板に直線偏光が入射されるとき、接合されている頂点から放射状に沿う方向に平行な電気ベクトルを備えた直線偏光が出射されるように、水晶板の光学軸に平行な長さが決定されているので、複数の水晶板を形成するときに一度に切断することがきる。
このため、このような偏光変換素子の製造方法によれば、生産性を向上させることができる。
特に、旋光板がアルファー水晶からなる場合、入射される直線偏光の電気ベクトルと出射される電気ベクトルとの成す角度は、水晶の光学軸に平行な長さによって決定される。また、旋光板がアルファー水晶の右水晶からなる場合、出射される面からみて、入射される直線偏光の電気ベクトルが時計回り(右回転)に所定の角度分回転される。また、旋光板がアルファー水晶の左水晶からなる場合、出射される面からみて、入射される直線偏光の電気ベクトルが反時計回り(左回転)に所定の角度分回転される。
透明部材Tは、ガラス又は光を透過する結晶材料が用いられる。ここで、透明部材Tは、例えば、ガラスが用いられている。
また、透明部材Tは、両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている。このとき、主面は、後述する旋光板111,112,113,114,115,116の主面と同じ大きさとなっている。
また、透明部材Tは、光学軸に平行な長さが長い所定の2つの旋光板111,114を除く所定の他の旋光板112,113,115,116の光が出射される面に設けられる。このとき、所定の他の旋光板112,113,115,116に透明部材Tが設けられて所定の2つの旋光板111,114と同じ形状となっている。
また、透明部材Tは、所定の2つの旋光板111,114と所定の他の旋光板112,113,115,116との光学軸に平行な長さが異なることによる、光路長のずれを防ぐ役割を果たす。
原子拡散接合は金属膜(図示せず)を設けて接合する接合方法である。しかしながら、原子拡散接合を用いて接合するときの金属膜の厚みが数nmであるため、入射される光の偏光状態を保ったまま出射することができる。
従って、透明部材Tでは、所定の他の旋光板112,113,115,116から出射された光が入射されたとき、この光の偏光状態が保たれたまま出射される。
また、旋光板111,112,113,114,115,116は、両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている。
また、旋光板111,112,113,114,115,116の一方の主面の等しい二辺が接する点を頂点とする。
また、旋光板111,112,113,114,115,116の一方の主面の等しい二辺を結ぶ辺を底辺とする。
また、旋光板111,112,113,114,115,116の一方の主面であって、頂点から底辺に垂直S111,S112,S113,S113,S114,S115,S116に引いた線を垂線とする。
ここで、旋光板111,112,113,114,115,116では、例えば、一方の主面から入射されたとき垂線に平行な電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される。
垂線S111との角度が180°となっている。
従って、旋光板111は、図2(a)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0が右回転に180°面内回転されている電気ベクトルD111を備えた直線偏光が出射される。
従って、旋光板112は、図2(b)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0が右回転に120°面内回転されている電気ベクトルD112を備えた直線偏光が出射される。
また、旋光板112の光学軸に平行な長さは、旋光板111の光学軸に平行な長さの3分の2となっている。
従って、旋光板113は、図2(c)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0が右回転に60°面内回転されている電気ベクトルD113を備えた直線偏光が出射される。
また、旋光板113の光学軸に平行な長さは、旋光板111の光学軸に平行な長さの3分の1となっている。
従って、旋光板114は、図2(d)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0が右回転に180°面内回転されている電気ベクトルD114を備えた直線偏光が出射される。
また、旋光板114の光学軸に平行な長さは、図1(b)に示すように、旋光板111の光学軸に平行な長さと同じ長さになっている。
従って、旋光板112は、図2(e)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0が右回転に120°面内回転されている電気ベクトルD115を備えた直線偏光が出射される。
また、旋光板115の光学軸に平行な長さは、図1(b)に示すように、旋光板111の光学軸に平行な長さの3分の2となっている。
従って、旋光板113は、図2(f)に示すように、入射される直線偏光の電気ベクトルD0が右回転に120°面内回転されている電気ベクトルD116を備えた直線偏光が出射される。
また、旋光板116の光学軸に平行な長さは、旋光板111の光学軸に平行な長さの3分の1となっている。
従って、このような実施形態に係る偏光変換素子100によれば、誘電体膜又は1/2波長板を備えていない構造であっても直線偏光をラジアル偏光に変換することができる。
水晶板形成工程は、互いに直交する機械軸と電気軸と光学軸とからなる結晶軸を備え前記光学軸が両主面に垂直になっている水晶ウエハが切断され、両主面が光学軸に垂直でかつ二等辺三角形の三角柱形状の水晶板が形成される工程である。
また、水晶ウエハは、互いに直交する機械軸と電気軸と光学軸とからなる結晶軸を備えている。
また、水晶ウエハは、両主面が光学軸に垂直となっており、厚み方向が光学軸に平行となっている。
また、水晶ウエハは、一方の主面から直線偏光を入射したとき、入射される直線偏光の電気ベクトルと成す角度が180°より大きい電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される厚みとなっている。
このため、水晶板形成工程で用いる水晶ウエハの厚みは、入射される直線偏光の電気ベクトルと出射される直線偏光の電気ベクトルとが180°より大きくなる厚みとなっている。
また、水晶板は、水晶ウエハが切断され形成されるので、直線偏光の電気ベクトルと出射される直線偏光の電気ベクトルとが180°より大きくなる厚みとなっている。
また、水晶板は、複数、例えば、6枚形成される。
旋光板形成工程は、前記水晶板が光学軸に平行な長さが所定の長さになるまで研磨し旋光板を形成する工程である。
また、水晶板は、アルファー水晶の右水晶からなっている。
また、旋光板形成工程では、形成される旋光板の光学軸に平行な長さが頂点から底辺に引いた線と入射される直線偏光の電気ベクトルとが成す角度によって決定される。
例えば、形成される旋光板は、頂点から底辺に垂直に引いた直線、つまり、垂線に平行な電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される。
なお、ここでは、旋光板がアルファー水晶の右水晶を用いた場合を例に挙げているため、右回りの面内回転の角度としている。
従って、旋光板形成工程では、頂点から底辺に引いた直線と入射される電気ベクトルとの成す角度が180°、120°、60°となっているので、厚みの異なる3種類の旋光板が形成される。
板厚が551.5μm未満又は555.5μmより大きい場合、入射前の電気ベクトルと入射後の電気ベクトルとの成す角度が所定の角度と異なる角度、例えば、5°以上異なる角度となってしまい旋光板として用いることができない恐れがある。
このため、旋光板形成工程では、旋光板の板厚が所定の値に対し±2μmとなるように研磨しなければならない。
透明部材接合工程は、旋光板の主面に透明部材を接合する工程である。
また、透明部材では、入射された偏光状態を保ったまま出射される。
また、透明部材は、透明部材の一方の主面と所定の他の旋光板の光が出射される面とが向かい合わせとなるように、所定の他の旋光板に設けられる。このとき、透明部材が設けられた所定の他の旋光板の形状は、所定の2つの旋光板と同じ形状となっている。
このため、透明部材接合工程では、所定の他の旋光板の光が出射される面と透明部材の一方の主面との間に1nm以下の厚みの金属膜が設けられるが、金属膜の膜厚が1nmと薄いため、入射された光の偏光状態を保ったまま出射することができる。
旋光板接合工程は、前記旋光板の頂角が合わされて360°となるように複数の前記旋光板の側面が接合される工程である。
従って、旋光板接合工程では、頂点を基準に垂線が放射状に沿って位置するように複数の旋光板が接合されている。このとき、頂点から底辺に引いた直線は、接合される頂点から放射状に向かう方向に平行となっている。
このため、このような本発明の実施形態に係る偏光変換素子の製造方法によれば、旋光板の頂点から底辺に引いた直線が頂点から放射状に沿う方向に平行となるように複数の旋光板を容易に接合することができる。
また、このような本発明の実施形態に係る偏光変換素子によれば、それぞれの旋光板に直線偏光が入射されるとき、接合されている頂点から放射状に沿う方向に平行な電気ベクトルを備えた直線偏光が出射されるように、水晶板の光学軸に平行な長さが決定されているので、複数の水晶板を形成するときに一度に切断することができ、生産性を向上させることができる。
このため、このような本発明の実施形態に係る偏光変換素子の製造方法によれば、生産性を向上させることができる。
111,112,113,114,115,116,211,212,213,214,215,216,217,218,219 旋光板
T 透明部材
D0 入射される直線偏光の電気ベクトル
D111,D112,D113,D114,D115,D116 出射される直線偏光の電気ベクトル
Claims (3)
- 直線偏光をラジアル偏光に変換する偏光変換素子であって、
両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている複数の旋光板から構成され、
前記旋光板の一方の主面の等しい二辺が成す角を頂角とし、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺が接する点を頂点とし、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺を結ぶ辺を底辺としたとき、
前記旋光板の頂角が合わされて360°となるように複数の前記旋光板の側面が接合され、正多角柱形状に形成されており、
それぞれの前記旋光板に直線偏光が入射されるとき、接合されている頂点を基準とした放射状の電気ベクトルを備えた直線偏光が出射される
ことを特徴とする偏光変換素子。 - 請求項1に記載の偏光変換素子であって、
前記旋光板が互いに直交する機械軸と電気軸と光学軸とからなる結晶軸を備えた水晶からなり、
前記旋光板の両主面が光学軸に垂直となっており、
所定の2つの旋光板が所定の他の旋光板より光学軸に平行な長さが長くなっており、
両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている透明部材が所定の他の前記旋光板の他方の主面に設けられ、所定の2つの前記旋光板と同じ形状となっている
ことを特徴とする偏光変換素子。 - 直線偏光をラジアル偏光に変換する偏光変換素子の製造方法であって、
互いに直交する機械軸と電気軸と光学軸とからなる結晶軸を備え前記光学軸が両主面に垂直になっている水晶ウエハが切断され、両主面が光学軸に垂直でかつ二等辺三角形の三角柱形状の水晶板が形成される水晶板形成工程と、
前記水晶板が光学軸に平行な長さが所定の長さになるまで研磨し旋光板を形成する旋光板形成工程と、
旋光板の主面に透明部材を接合する透明部材接合工程と、
前記旋光板の一方の主面の等しい二辺が成す角を頂角とし、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺が接する点を頂点とし、前記旋光板の一方の主面の等しい二辺を結ぶ辺を底辺としたとき、
前記旋光板の頂角が合わされて360°となるように複数の前記旋光板の側面が接合される旋光板接合工程と、
を備え、
前記旋光板形成工程で、
所定の2つの旋光板が所定の他の旋光板より光学軸に平行な長さが長くなっており、
前記旋光板の光学軸に平行な長さが前記接合工程後の前記頂点から前記底辺に引いた直線と入射される直線偏光の電気ベクトルとの成す角度によって決定され、
前記透明部材接合工程で、両主面が二等辺三角形の三角柱形状となっている透明部材が所定の他の前記旋光板の他方の主面に設けられ、所定の2つの前記旋光板と同じ形状となり、
前記接合工程で、複数の前記旋光板が接合されて正多角柱形状となっており、
ことを特徴とする偏光変換素子の製造方法。
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