JP2015169765A - 表示装置用前面板およびその製造方法 - Google Patents

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和幸 日野
裕樹 坂田
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裕樹 坂田
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一義 佐竹
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晋 宮崎
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Abstract

【課題】本発明は、反射防止性および耐擦傷性に優れる安価な表示装置用前面板およびその製造方法を提供することを主目的とする。【解決手段】本発明においては、透明基板と、上記透明基板上に直に形成され、無機酸化物、無機酸化窒化物または無機窒化物を含有する無機層と、上記無機層上に形成され、上記無機層よりも屈折率が低い有機層とを有することを特徴とする表示装置用前面板を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置の前面に配置される表示装置用前面板およびその製造方法に関するものである。
一般に、液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、有機EL表示装置、電子ペーパー等の表示装置の前面には、表示装置の保護のために前面板が設けられている。このような表示装置においては、前面板と空気との界面の屈折率差により光の反射が起こり、視認性が低下する。そこで、前面板の最表面に反射防止フィルムや反射防止層を配置することが提案されている。
反射防止フィルムとしては、例えばTACフィルムやPETフィルム等の透明基材上に反射防止層を形成したものを挙げることができ、反射防止層としては、例えば高屈折率層および低屈折率層が積層されたものが挙げられる。このような反射防止フィルムは、前面板の最表面に粘着層や接着層を介して貼付される。
反射防止フィルムは前面板に貼付するだけで反射防止性を付与することができる。しかしながら、反射防止フィルムにおいては透明基材および粘着層または接着層が存在するため、光学設計が複雑になる。また、透明基材にはうねりがあるため、平坦性が低下し、表示品位が劣化する。また、反射防止フィルムを貼付する際に異物や気泡の混入等の不具合が生じ、歩留りが低下する。また、透明基材および粘着層または接着層によって、透過率が低下する。
一方、反射防止層としては、例えばスパッタリング法や真空蒸着法等のドライプロセスにより形成された無機膜を挙げることができる。このような反射防止層はガラス基板や樹脂基板等の透明基板上に形成可能であることから、上記の反射防止フィルムにおける問題点を解消することができる。また、無機膜は膜強度が高く、表面硬度の高い反射防止層を得ることができる。
しかしながら、無機膜では低屈折率化が難しく、高屈折率層および低屈折率層を交互に複数積層するのが一般的である。この場合、ドライプロセスにより複数層の無機膜を積層するため、生産性が低下し、製造コストがかかる。特に、大面積の表示装置に用いられる前面板の場合には設備が大掛かりになりコストが増大する。また、ドライプロセスの場合には、反射防止層の厚みの面内分布にばらつきが生じ、反射防止性の均一性が損なわれる。
そこで、前面板に塗布により反射防止層として有機膜を形成する技術が提案されている(例えば特許文献1、2参照)。この場合、生産性やコスト面で有利である。
しかしながら、有機膜は無機膜と比較して膜強度が低く、耐擦傷性が低下するという問題がある。
このような問題点を解決するために、特許文献3には、高い擦傷性を有する前面板を提供することを目的として、透明基板と反射防止層との間に、外部から反射防止層に印加される応力を緩和する緩衝層を形成する技術が提案されている。
しかしながら、反射防止性および耐擦傷性にはさらなる改善の余地がある。
特開2012−88683号公報 特開2012−225992号公報 特開2012−189986号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、反射防止性および耐擦傷性に優れる安価な表示装置用前面板およびその製造方法を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、透明基板と、上記透明基板上に直に形成され、無機酸化物、無機酸化窒化物または無機窒化物を含有する無機層と、上記無機層上に形成され、上記無機層よりも屈折率が低い有機層とを有することを特徴とする表示装置用前面板を提供する。
本発明によれば、高屈折率層および低屈折率層として無機層および有機層が積層されていることにより、高い耐擦傷性および反射防止性を得ることができる。また本発明によれば、有機層はウェットプロセスにより形成可能であるため、製造コストを低減することができる。したがって、反射防止性および耐擦傷性に優れる安価な表示装置用前面板とすることが可能である。
上記発明においては、上記無機層がインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、五酸化ニオブ、酸化窒化ケイ素または窒化ケイ素を含有することが好ましい。
また本発明においては、上記無機層と上記有機層との間に、上記無機層よりも屈折率が低く、上記有機層よりも屈折率が高い第2有機層が形成されていてもよい。反射防止性を高めることができるからである。
また本発明は、透明基板上に直に、無機酸化物、無機酸化窒化物または無機窒化物を含有する無機層をスパッタリング法により形成する無機層形成工程と、上記無機層上に有機層用硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて、上記無機層よりも屈折率が低い有機層を形成する有機層形成工程とを有することを特徴とする表示装置用前面板の製造方法を提供する。
本発明によれば、高屈折率層および低屈折率層として無機層および有機層を積層することにより、高い耐擦傷性および反射防止性を得ることができる。また本発明によれば、有機層をウェットプロセスにより形成するため、製造コストを低減することができる。したがって、反射防止性および耐擦傷性に優れる表示装置用前面板を安価に製造することが可能である。
本発明においては、反射防止性および耐擦傷性に優れる安価な表示装置用前面板を提供することが可能であるという効果を奏する。
本発明の表示装置用前面板の一例を示す概略断面図である。 本発明の表示装置用前面板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の表示装置用前面板の製造方法の一例を示す工程図である。
以下、本発明の表示装置用前面板およびその製造方法について詳細に説明する。
A.表示装置用前面板
本発明の表示装置用前面板は、透明基板と、上記透明基板上に直に形成され、無機酸化物、無機酸化窒化物または無機窒化物を含有する無機層と、上記無機層上に形成され、上記無機層よりも屈折率が低い有機層とを有することを特徴とするものである。
ここで、「透明基板上に直に形成された無機層」とは、透明基板と無機層とが直に接しており、透明基板と無機層との間に例えば接着層や粘着層、透明基材等が形成されていないことをいう。
本発明の表示装置用前面板について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の表示装置用前面板の一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、表示装置用前面板1は、透明基板2と、透明基板2上に直に形成され、無機酸化物、無機酸化窒化物または無機窒化物を含有する無機層3と、無機層3上に形成され、無機層3よりも屈折率が低い有機層4とを有している。
本発明においては、反射防止層の最表面に位置する低屈折率層として有機層が形成されているが、高屈折率層および低屈折率層として無機層および有機層が積層されていることにより、高屈折率層および低屈折率層として2層の有機層が積層されている場合と比較して、耐擦傷性を高めることができる。また、高屈折率層として無機層が形成されているが、高屈折率層および低屈折率層として無機層および有機層が積層されていることにより、高屈折率層および低屈折率層として2層の無機層が積層されている場合と比較して、反射防止性を向上させることができる。また本発明においては、有機層はウェットプロセスにより形成可能であるため、大面積であっても均一な層を容易に形成することができ、製造コストを低減することができる。したがって、反射防止性および耐擦傷に優れる安価な表示装置用前面板とすることが可能である。
また、有機層をウェットプロセスにより形成する際に、有機層用硬化性樹脂組成物中の樹脂成分の種類によっては、空気中の酸素により硬化反応が阻害され、有機層の密着性が低下する場合がある。特に、有機層が微粒子を含有する場合や、有機層の厚みが薄い場合には、硬化反応が不十分になりやすく、密着性の低下が懸念される。これに対し本発明においては、無機酸化物、無機酸化窒化物または無機窒化物を含有する無機層上に有機層が形成されているため、有機層の密着性を確保することができる。
以下、本発明の表示装置用前面板における各構成について説明する。
1.無機層
本発明における無機層は、上記透明基板上に直に形成され、無機酸化物、無機酸化窒化物または無機窒化物を含有するものであり、有機層よりも屈折率が高い高屈折率層である。
無機層の屈折率としては、有機層の屈折率よりも高く、透明基板の屈折率よりも高ければよい。具体的には、無機層の屈折率は1.5〜1.7の範囲内であることが好ましい。なお、後述するように無機層と有機層との間に第2有機層が形成されている場合には、無機層の屈折率は第2有機層の屈折率よりも高いため1.7以上であってもよく、1.7〜2.5の範囲内で設定することができる。
ここで、各部材の「屈折率」とは、波長550nmの光に対する屈折率をいう。屈折率の測定方法は特に限定されないが、例えば、分光反射スペクトルから算出する方法、エリプソメーターを用いて測定する方法、アッベ法を挙げることができる。エリプソメーターとしてはジョバンーイーボン社製UVSELが挙げられる。具体的には、テクノ・シナジー社製DF1030Rにて屈折率を測定することができる。
無機層は、無機酸化物、無機酸化窒化物または無機窒化物から構成される層である。
無機酸化物、無機酸化窒化物および無機窒化物には屈折率が高いものもあるが、例えば無機層の組成、結晶性、結晶構造、膜質等を調整することにより無機層の屈折率を制御することができる。具体的には、無機層の結晶性が低くなると、屈折率が低くなる傾向がある。また、無機酸化物または無機酸化窒化物から構成される無機層の場合、無機層中の酸素含有量が多くなると、屈折率が低くなる傾向がある。
具体的には、無機層をPVD法やCVD法等のドライプロセスで形成する場合には、原料の組成、成膜時の酸素分圧や出力、基板温度、加熱温度等を調整することにより無機層の屈折率を制御することができる。より具体的には、成膜時の出力を低くすると、無機層の結晶性が低くなり、屈折率が低くなる傾向がある。基板温度を低くすると、無機層の結晶性が低くなり、屈折率が低くなる傾向がある。加熱温度を低くすると、無機層の結晶性が低くなり、屈折率が低くなる傾向がある。また、無機酸化物または無機酸化窒化物から構成される無機層の場合、原料の酸素含有量を多くすると、無機層中の酸素含有量が多くなり、屈折率が低くなる傾向がある。成膜時の酸素分圧を高くすると、無機層中の酸素含有量が多くなり、屈折率が低くなる傾向がある。
また、無機微粒子が分散媒中に分散している分散液を用いて無機層をウェットプロセスで形成する場合には、例えば無機微粒子の組成、加熱温度等を調整することにより無機層の屈折率を制御することができる。より具体的には、加熱温度を低くすると、無機層の結晶性が低くなり、屈折率が低くなる傾向がある。また、無機酸化物または無機酸化窒化物から構成される無機層の場合、無機微粒子の酸素含有量を多くすると、無機層中の酸素含有量が多くなり、屈折率が低くなる傾向がある。
無機酸化物、無機酸化窒化物および無機窒化物としては、光透過性を有し、上記の屈折率を満たす無機層を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、五酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム合金、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化アンチモン、酸化セリウム、アンチモン錫酸化物(ATO)、燐錫化合物(PTO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)、アンチモン酸亜鉛、チタン酸バリウム、酸化窒化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
中でも、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、五酸化ニオブ、酸化窒化ケイ素、窒化ケイ素が好ましい。ITOおよびIZOは汎用材料であることから、既存の設備を利用することができ、製造コストを低減することができるからである。
無機層の厚みとしては、屈折率に応じて異なるが、50nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。無機層の厚みが上記範囲内であれば、高い反射防止性および耐擦傷性を得ることができる。
ここで、各部材の「厚み」とは、一般的な測定方法によって得られる厚みをいう。厚みの測定方法としては、例えば、触針で表面をなぞり凹凸を検出することによって厚みを算出する触針式の方法や、分光反射スペクトルに基づいて厚みを算出する光学式の方法等を挙げることができる。具体的には、ケーエルエー・テンコール株式会社製の触針式膜厚計P−15を用いて厚みを測定することができる。なお、厚みとして、対象となる部材の複数箇所における厚み測定結果の平均値が用いられてもよい。
無機層の形成方法としては、上記屈折率を満たす無機層を形成可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等のPVD法、CVD法等が挙げられる。また、無機微粒子が分散媒中に分散している分散液を塗布し、加熱する方法も挙げられる。中でも、PVD法が好ましく、スパッタリング法がより好ましい。これらの方法は比較的安価な方法だからである。
なお、スパッタリング法による無機層の形成方法については、「B.表示装置用前面板の製造方法」に記載するので、ここでの説明は省略する。
2.有機層
本発明における有機層は、無機層よりも屈折率が低い低屈折率層である。
有機層の屈折率としては、無機層の屈折率よりも低く、透明基板の屈折率よりも低ければよい。具体的には、有機層の屈折率は1.3〜1.4の範囲内であることが好ましい。
有機層は、光透過性を有し、上記屈折率を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば樹脂を含有するものや、バインダー樹脂および微粒子を含有するものが挙げられる。中でも、有機層はバインダー樹脂および微粒子を含有することが好ましい。
有機層に用いられる樹脂およびバインダー樹脂としては、光透過性を有し、上記の屈折率を満たす有機層を得ることが可能なものであれば特に限定されるものではなく、成膜性や膜強度等の観点から適宜選択される。中でも、樹脂およびバインダー樹脂は、熱または紫外線や電子線等の電離放射線の照射により硬化した硬化樹脂であることが好ましい。硬化樹脂としては、例えば熱硬化樹脂や電離放射線硬化樹脂が挙げられる。中でも、電離放射線硬化樹脂が好ましい。有機層の表面硬度を高めることができるからである。
ここで、「電離放射線硬化樹脂」とは、電離放射線の照射により硬化した樹脂をいう。「電離放射線」とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものをいい、例えば、紫外線や電子線の他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線が挙げられる。
電離放射線硬化樹脂としては、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂を挙げることができる。中でも、紫外線硬化樹脂が好ましい。紫外線硬化樹脂や電子線硬化樹脂の場合には、空気中の酸素により硬化反応が阻害される場合がある。このような場合において、有機層が微粒子を含有する場合には、有機層の厚みが比較的薄いので硬化反応が不十分になりやすく、密着性の低下が懸念される。これに対し本発明においては、有機層の下に所定の無機層が形成されているため、紫外線硬化樹脂や電子線硬化樹脂を用いた場合であっても、密着性を確保することができる。
具体的に、バインダー樹脂としては、特開2013−142817号公報、特開2012−150226号公報、特開2011−170208号公報、特開2009−86360号公報、特開2008−9347号公報等に記載されている低屈折率層に用いられるものを挙げることができる。
有機層に用いられる微粒子としては、上記の屈折率を満たす有機層を得ることが可能なものであれば特に限定されるものではなく、無機系、有機系のいずれも用いることができる。中でも、屈折率が低いことから、中空粒子や多孔質粒子が好ましく用いられる。中空粒子および多孔質粒子としては、例えば、多孔質シリカ粒子、中空シリカ粒子、多孔質ポリマー粒子、中空ポリマー粒子が挙げられる。
また、微粒子は、表面処理されたものであってもよい。微粒子に表面処理を施すことにより、バインダー樹脂や溶媒との親和性が向上し、微粒子の分散が均一となり、微粒子同士の凝集が生じにくくなるので、有機層の光透過性の低下や、有機層用硬化性樹脂組成物の塗布性、有機層用硬化性樹脂組成物の塗膜強度の低下を抑制することができる。
表面処理された微粒子としては、例えば特開2013−142817号公報、特開2008−9348号公報に記載されているものを挙げることができる。
また、微粒子は、その表面に光硬化性基を有する反応性微粒子であってもよい。
具体的に、微粒子としては、特開2013−142817号公報、特開2012−150226号公報、特開2011−170208号公報、特開2009−86360号公報、特開2008−9347号公報等に記載されている低屈折率層に用いられるものを挙げることができる。
微粒子の平均粒径としては、均一な厚みを有する有機層を形成可能な程度であればよく、例えば5nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、中でも5nm〜100nmの範囲内、特に10nm〜80nmの範囲内であることが好ましい。微粒子の平均粒径が上記範囲内にあれば、有機層の光透過性を損なうことがなく、良好な微粒子の分散状態が得られる。なお、微粒子の平均粒径が上記範囲内にあれば、平均粒径は1次粒径および2次粒径のいずれであってもよく、また微粒子が鎖状に連なっていてもよい。
ここで、微粒子の平均粒径は、有機層の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真により観察される粒子20個の平均値をいう。
微粒子の形状は特に限定されるものではなく、例えば、球状、鎖状、針状等を挙げることができる。
有機層におけるバインダー樹脂および微粒子の含有量としては、有機層全体としての屈折率が上記の屈折率を満たすように適宜設定される。
電離放射線硬化樹脂として紫外線硬化樹脂を用いる場合、有機層は光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤としては、一般的なものから適宜選択することができる。
また、有機層は、所望の物性に応じて各種添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば分散助剤、耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤等が挙げられる。
有機層の厚みは、屈折率に応じて異なるが、可視光領域における反射を低減する観点から、50nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。有機層の厚みが上記のように薄い場合、有機層に含有されるバインダー樹脂の種類によっては空気中の酸素により硬化反応が阻害される場合があり、密着性の低下が懸念される。これに対し本発明においては、有機層の下に所定の無機層が形成されているため、有機層の厚みが薄くとも密着性を確保することができる。
有機層の形成方法としては、無機層上に有機層用硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させる方法が挙げられる。
なお、有機層の形成方法については、「B.表示装置用前面板の製造方法」に記載するので、ここでの説明は省略する。
3.第2有機層
本発明においては、図2に例示するように、無機層3と有機層4との間に、無機層3よりも屈折率が低く、有機層4よりも屈折率が高い第2有機層5が形成されていてもよい。第2有機層は、無機層よりも屈折率が低く、有機層よりも屈折率が高い中屈折率層である。無機層、第2有機層および有機層が順に積層されていることにより、反射防止性を高めることができる。そのため、無機層の屈折率が比較的高い場合であっても、高い反射防止性を得ることができる。
第2有機層の屈折率は、無機層の屈折率よりも低く、有機層の屈折率よりも高ければよい。具体的には、第2有機層の屈折率は1.5〜1.9の範囲内であることが好ましい。
第2有機層は、光透過性を有し、上記屈折率を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば第2樹脂を含有するものや、第2バインダー樹脂および第2微粒子を含有するものが挙げられる。
第2有機層に用いられる第2樹脂および第2バインダー樹脂としては、光透過性を有し、上記の屈折率を満たす第2有機層を得ることが可能なものであれば特に限定されるものではなく、成膜性や膜強度等の観点から適宜選択される。中でも、第2樹脂および第2バインダー樹脂は、熱または紫外線や電子線等の電離放射線の照射により硬化した硬化樹脂であることが好ましい。硬化樹脂としては、例えば熱硬化樹脂、電離放射線硬化樹脂が挙げられる。中でも、電離放射線硬化樹脂が好ましい。第2有機層の表面硬度を高めることができるからである。また、電離放射線硬化樹脂としては、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂を挙げることができる。中でも、上記有機層と同様に、紫外線硬化樹脂が好ましい。
具体的に、第2バインダー樹脂としては、特開2013−142817号公報、特開2012−150226号公報、特開2011−170208号公報等に記載されている中屈折率層に用いられるものを挙げることができる。
第2有機層に用いられる第2微粒子としては、上記の屈折率を満たす第2有機層を得ることができるものであれば特に限定されるものではない。中でも、第2微粒子の屈折率は1.5〜2.8程度であることが好ましい。
このような第2微粒子としては、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO、屈折率:2.10)、酸化アンチモン(Sb、屈折率:1.79〜2.04)、アンチモン錫酸化物(ATO、屈折率:1.75〜2.05)、インジウム錫酸化物(ITO、屈折率:1.95〜2.00)、燐錫化合物(PTO、屈折率:1.75〜1.85)、β−Al(屈折率:1.63〜1.76)、γ−Al(屈折率:1.63〜1.76)、チタン酸バリウム(BaTiO、屈折率:2.4)、酸化チタン(TiO、屈折率:2.3〜2.7)、酸化セリウム(CeO、屈折率:1.95〜2.20)、酸化錫(SnO、屈折率:2.00)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO、屈折率:1.90〜2.00)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO、屈折率:1.90〜2.00)、アンチモン酸亜鉛(ZnSb、屈折率:1.9〜2.0)、酸化亜鉛(ZnO、屈折率:1.90)、酸化イットリウム(Y、屈折率:1.87)、酸化ジルコニウム(ZrO、屈折率:2.0)等が挙げられる。
また、第2微粒子は、表面処理されたものであってもよい。第2微粒子に表面処理を施すことにより、第2バインダー樹脂や溶媒との親和性が向上し、第2微粒子の分散が均一となり、第2微粒子同士の凝集が生じにくくなるので、第2有機層の光透過性の低下や、第2有機層用硬化性樹脂組成物の塗布性、第2有機層用硬化性樹脂組成物の塗膜強度の低下を抑制することができる。
表面処理された第2微粒子としては、例えば特開2013−142817号公報に記載されているものを挙げることができる。
また、第2微粒子は、その表面に光硬化性基を有する反応性微粒子であってもよい。
第2微粒子の平均粒径としては、均一な厚みを有する第2有機層を形成可能な程度であればよく、例えば5nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、中でも5nm〜100nmの範囲内、特に10nm〜80nmの範囲内であることが好ましい。第2微粒子の平均粒径が上記範囲内にあれば、第2有機層の光透過性を損なうことがなく、良好な第2微粒子の分散状態が得られる。なお、第2微粒子の平均粒径が上記範囲内にあれば、平均粒径は1次粒径および2次粒径のいずれであってもよく、また第2微粒子が鎖状に連なっていてもよい。
ここで、第2微粒子の平均粒径は、第2有機層の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真により観察される粒子20個の平均値をいう。
第2微粒子の形状は特に限定されるものではなく、例えば、球状、鎖状、針状等を挙げることができる。
第2有機層における第2バインダー樹脂および第2微粒子の含有量としては、第2有機層全体としての屈折率が上記の屈折率を満たすように適宜設定される。
電離放射線硬化樹脂として紫外線硬化樹脂を用いる場合、第2有機層は光重合開始剤を含有していてもよい。また、第2有機層は、所望の物性に応じて各種添加剤を含有していてもよい。なお、光重合開始剤、各種添加剤については、上記有機層と同様とすることができる。
第2有機層の厚みは、屈折率に応じて異なるが、可視光領域における反射を低減する観点から、50nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。第2有機層の厚みが上記のように薄い場合、第2有機層に含有される第2バインダー樹脂の種類によっては空気中の酸素により硬化反応が阻害される場合があり、密着性の低下が懸念される。これに対し本発明においては、第2有機層の下に所定の無機層が形成されているため、第2有機層の厚みが薄くとも密着性を確保することができる。
第2有機層の形成方法としては、無機層上に第2有機層用硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させる方法が挙げられる。
なお、第2有機層の形成方法については、「B.表示装置用前面板の製造方法」に記載するので、ここでの説明は省略する。
4.透明基板
本発明の表示装置用前面板は、表示装置の前面に配置された際に表示装置を保護するものである。そのため、本発明における透明基板は、高い剛性を有する剛性基板である。透明基板の剛性は、表示装置を保護することが可能な程度であればよい。
透明基板の材料としては、光透過性、剛性、強度、耐久性等に応じて適宜選択されるものであり、例えば、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス等のアルカリガラス、無アルカリガラス、強化ガラス等のガラスや、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル等の樹脂を挙げることができる。中でも、透明基板はガラス基板であることが好ましい。透明基板がガラス基板の場合には、ガラス基板上に所定の無機層を介して有機層が形成されていることにより、ガラス基板に対する無機層および有機層の密着性を高めることができるからである。
ここで、「強化ガラス」とは、ガラスの表面に圧縮応力層が設けられたものである。圧縮応力層は、例えばガラス中のナトリウムをカリウムに置換することにより形成される。このような圧縮応力層がガラスの表面に形成されていることにより、透明基板に何らかの衝撃が加えられた場合に透明基板が割れるのを抑制することができる。
圧縮応力層の厚みは特に限定されることはなく、要求特性に応じて適宜設定される。例えば、ガラスにある程度の強度を付与しながら、ガラスの切断性および生産性も確保される必要がある場合、圧縮応力層の厚みは約5μm〜10μmの範囲内に設定される。また、ガラスにさらに高い強度を付与することが求められる場合、圧縮応力層の厚みは、約10μm〜35μmの範囲内に設定されてもよく、35μm以上に設定されてもよい。圧縮応力層の厚みが約10μm〜35μmの範囲内である場合は、ガラスはある程度の切断性を有している。一方、圧縮応力層の厚みが35μm以上である場合は、仮にダイヤモンドカッター等の高性能の切断手段が用いられる場合であっても、ガラスを切断することが困難になる。そのため、圧縮応力層の厚みを35μm以上にすることが求められる場合、所望の形状に切り出された後のガラスにイオン交換処理を施すことにより、ガラスの表面に圧縮応力層が形成されることが好ましい。
このように表面に圧縮応力層が形成されたガラスの例としては、コーニング社のGorilla Glass(ゴリラガラス)や、旭硝子社のDragontrail(ドラゴントレイル)等が挙げられる。
透明基板の厚みとしては、表示装置用前面板として使用可能な程度であればよく、表示装置用前面板に求められる強度や、表示装置用前面板が使用される表示装置の寸法等に応じて適宜設定され、例えば0.1mm〜1.5mmの範囲内にすることができる。
5.用途
本発明の表示装置用前面板は、例えば液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、有機EL表示装置、無機EL表示装置、電子ペーパー等の表示装置に用いることができる。また、本発明の表示装置用前面板の用途としては、例えば携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピューター、テレビ、デジタルサイネージ、ウェアラブル端末等を挙げることができる。中でも、有機層はウェットプロセスにより形成可能であるため、大面積であっても均一な層を容易に形成することができ、製造コストを低減することができるので、本発明の表示装置用前面板は大面積の表示装置に好適である。特に、テレビが好ましく、大型テレビがより好ましい。
6.製造方法
本発明の表示装置用前面板は、後述の表示装置用前面板の製造方法により製造されたものであることが好ましい。すなわち、無機層はスパッタリング法により形成されたものであることが好ましく、有機層および第2有機層はウェットプロセスで形成されたものであることが好ましい。
B.表示装置用前面板の製造方法
本発明の表示装置用前面板の製造方法は、透明基板上に直に、無機酸化物、無機酸化窒化物または無機窒化物を含有する無機層をスパッタリング法により形成する無機層形成工程と、上記無機層上に有機層用硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて、上記無機層よりも屈折率が低い有機層を形成する有機層形成工程とを有することを特徴とする。
ここで、「透明基板上に直に無機層をスパッタリング法により形成する」とは、透明基板と無機層とが直に接しており、透明基板と無機層との間に例えば接着層や粘着層、透明基材等を形成しないことをいう。
本発明の表示装置用前面板の製造方法について図面を参照して説明する。
図3(a)〜(b)は本発明の表示装置用前面板の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図3(a)に示すように、透明基板2上に直に、無機酸化物、無機酸化窒化物または無機窒化物を含有する無機層3をスパッタリング法により形成する無機層形成工程を行う。次に、図3(b)に示すように、無機層3上に有機層用硬化性樹脂組成物を塗布し、紫外線照射により硬化させて有機層4を形成する有機層形成工程を行う。
本発明においては、高屈折率層および低屈折率層として無機層および有機層を積層することにより、高い耐擦傷性および反射防止性を得ることができる。また本発明においては、有機層をウェットプロセスにより形成するため、大面積であっても均一な層を容易に形成することができ、製造コストを低減することができる。したがって、反射防止性および耐擦傷性に優れる表示装置用前面板を安価に製造することが可能である。
また本発明においては、無機層をスパッタリング法により形成しており、スパッタリングターゲットを適宜選択したり成膜条件を制御したりすることにより無機層の屈折率を調整することができる。スパッタリングターゲットを適宜選択する又は成膜条件を制御することにより、得られる無機層の組成、結晶性、結晶構造、膜質等を調整することができ、その結果、無機層の屈折率を調整することができる。これにより、反射防止性を高めることができる。
さらに本発明においては、無機層をスパッタリング法により形成することにより、透明基板が樹脂基板である場合であっても、透明基板との密着性の良好な無機層を得ることができる。また、無機酸化物、無機酸化窒化物または無機窒化物を含有する無機層上に有機層を形成することにより、有機層が微粒子を含有する場合や、有機層の厚みが比較的薄い場合であっても、密着性の良好な有機層を得ることが可能である。
以下、本発明の表示装置用前面板の製造方法における各工程について説明する。
1.無機層形成工程
本発明においては、透明基板上に直に、無機酸化物、無機酸化窒化物または無機窒化物を含有する無機層をスパッタリング法により形成する無機層形成工程を行う。
無機層の屈折率を調整する方法としては、例えば無機層の組成、結晶性、結晶構造、膜質等を調整する方法が挙げられる。具体的には、スパッタリングターゲットの組成、成膜時の酸素分圧や出力、基板温度、加熱温度等を制御することにより無機層の屈折率を調整することができる。より具体的には、成膜時の出力を低くすると、無機層の結晶性が低くなり、屈折率が低くなる傾向がある。基板温度を低くすると、無機層の結晶性が低くなり、屈折率が低くなる傾向がある。加熱温度を低くすると、無機層の結晶性が低くなり、屈折率が低くなる傾向がある。また、無機酸化物または無機酸化窒化物から構成される無機層を形成する場合、スパッタリングターゲットの酸素含有量を多くすると、無機層中の酸素含有量が多くなり、屈折率が低くなる傾向がある。成膜時の酸素分圧を高くすると、無機層中の酸素含有量が多くなり、屈折率が低くなる傾向がある。
これらの無機層の屈折率を調整する方法は、単独で適用してもよく、複数を組み合わせてもよい。
無機酸化物または無機酸化窒化物から構成される無機層を形成する場合、スパッタリングターゲットの酸素含有量としては、所望の屈折率を満たし、目的とする耐擦傷性を達成できる無機層を形成可能であれば特に限定されるものではなく、屈折率、反射防止性、耐擦傷性等に応じて適宜選択される。
また、無機酸化物または無機酸化窒化物から構成される無機層を形成する場合、無機層の成膜時の酸素分圧としては、所望の屈折率を満たし、目的とする耐擦傷性を達成できる無機層を形成可能であれば特に限定されるものではない。酸素分圧を高くすると無機層の屈折率が低くなる傾向がある。
また、スパッタガスとしては、酸素の他に、例えばアルゴン、ヘリウム、窒素等が挙げられるが、通常はアルゴンが用いられる。
成膜時の圧力としては、上記の酸素分圧を満たすことができれば特に限定されるものではない。圧力を高くすると酸素分圧が高くなり無機層の屈折率が低くなる傾向がある。一方で圧力が高すぎると成膜速度が遅くなる。
無機層の成膜時の出力としては、所望の屈折率を満たし、目的とする耐擦傷性を達成できる無機層を形成可能であれば特に限定されるものではない。出力を低くすると無機層の屈折率が低くなる傾向があり、出力は一般的な範囲で適宜選択することができる。
無機層の成膜時の基板温度としては、所望の屈折率を満たし、目的とする耐擦傷性を達成できる無機層を形成可能であれば特に限定されるものではない。基板温度を低くすると無機層の屈折率が低くなる傾向がある。
また、スパッタリング法により無機層を形成した後、加熱してもよい。加熱温度としては、所望の屈折率を満たし、目的とする耐擦傷性を達成できる無機層を形成可能であれば特に限定されるものではない。加熱温度を低くすると無機層の屈折率が低くなる傾向があることから、加熱温度は100℃〜200℃の範囲内であることが好ましい。
なお、無機層のその他の点については、上記「A.表示装置用前面板」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
2.有機層形成工程
本発明においては、上記無機層上に有機層用硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて、上記無機層よりも屈折率が低い有機層を形成する有機層形成工程を行う。
有機層用硬化性樹脂組成物は、例えば樹脂成分と微粒子と各種添加剤と溶媒とを含有するものである。溶媒としては、各成分を溶解もしくは分散させることが可能であれば特に限定されるものではなく、例えば特開2013−142817号公報、特開2012−150226号公報、特開2011−170208号公報、特開2009−86360号公報、特開2008−9347号公報等に記載されている低屈折率層の形成に用いられるものを挙げることができる。
塗布方法としては、例えば、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法等の透明基板の全域に有機層用硬化性樹脂組成物を塗布する方法や、インクジェット法等の透明基板上に有機層用硬化性樹脂組成物を吐出する方法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法等の印刷法等が挙げられる。
有機層用硬化性樹脂組成物の塗布後は、溶媒の除去のために乾燥させてもよい。
硬化方法としては、樹脂成分の種類に応じて異なるが、例えば熱あるいは紫外線や電子線等の電離放射線の照射が挙げられる。塗膜を硬化させる際には、酸素による硬化阻害を抑制するために、不活性ガス雰囲気、例えば窒素ガス雰囲気とすることが好ましい。また、硬化条件としては、例えば特開2013−142817号公報、特開2012−150226号公報等に記載されている条件を適用することができる。
なお、有機層のその他の点については、上記「A.表示装置用前面板」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
3.第2有機層形成工程
本発明においては、上記有機層上に第2有機層用硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて、上記有機層よりも屈折率が低い第2有機層を形成する第2有機層形成工程を行ってもよい。
第2有機層用硬化性樹脂組成物は、例えば樹脂成分と微粒子と各種添加剤と溶媒とを含有するものである。溶媒としては、各成分を溶解もしくは分散させることが可能であれば特に限定されるものではなく、上記有機層用硬化性樹脂組成物の溶媒と同様とすることができる。
第2有機層の形成方法は、上記有機層の形成方法と同様とすることができる。
なお、第2有機層のその他の点については、上記「A.表示装置用前面板」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
本実施例において使用した材料は下記の通りである。
・透明基板:強化ガラス 旭硝子社製Dragontrail サイズ100mm×100mm 厚み0.7mm
・有機層用硬化性樹脂組成物A:JSR社製TU2205 屈折率1.35
・有機層用硬化性樹脂組成物B:JSR社製KZ6719 屈折率1.65
[実施例1]
まず、透明基板上に無機層としてITOを厚み1000Åで成膜した。ITO膜の屈折率は波長550nmにおいて1.70であった。次に、無機層上に有機層用硬化性樹脂組成物Aを所定の膜厚になるようにスピンコーティングした後、N雰囲気下で露光照度30mWの高圧水銀ランプを用いて30秒間露光し、230℃で20分間乾燥し、前面板を作製した。
[実施例2]
実施例1において、無機層としてIZOを厚み1000Åで成膜したこと以外は、実施例1と同様にして前面板を作製した。IZO膜の屈折率は波長550nmにおいて1.73であった。
[実施例3]
実施例1において、無機層としてSiNを厚み1000Åで成膜したこと以外は、実施例1と同様にして前面板を作製した。SiN膜の屈折率は波長550nmにおいて1.60であった。
[実施例4]
まず、透明基板上に無機層としてITOを厚み1000Åで成膜した。この際、実施例1よりも成膜時の酸素分圧を低くした。ITO膜の屈折率は波長550nmにおいて1.85であった。次に、無機層上に有機層用硬化性樹脂組成物Bを所定の膜厚になるようにスピンコーティングした後、N雰囲気下で露光照度30mWの高圧水銀ランプを用いて30秒間露光し、230℃で20分間乾燥し、前面板を作製した。
[実施例5]
実施例4において、無機層としてNbを厚み1000Åで成膜したこと以外は、実施例4と同様にして前面板を作製した。Nb膜の屈折率は波長550nmにおいて2.35であった。
[比較例1]
実施例1において、無機層の代わりに、有機層用硬化性樹脂組成物Bを用いて高屈折率層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして前面板を作製した。
[評価]
(耐擦傷性)
得られた前面板について、各荷重の条件で#0000のスチールウールを10往復させた後の傷つき有無を目視評価した。
◎:荷重600g以上で傷つき無し
○:荷重400g以上で傷つき無し
×:荷重400g未満で傷つき有り
(反射見栄え)
得られた前面板について、無機層および有機層の形成面とは反対側の面に黒テープを貼付し、コニカミノルタ社製の分光測色計CM−2500dで反射率を測定した。この際、光源にはD65を用い、正反射光を含むSCI方式で測定を行った。
◎:反射率 0.5%未満
○:反射率 1.0%未満
×:反射率 1.0%以上
Figure 2015169765
1 … 表示装置用前面板
2 … 透明基板
3 … 無機層
4 … 有機層
5 … 第2有機層

Claims (4)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板上に直に形成され、無機酸化物、無機酸化窒化物または無機窒化物を含有する無機層と、
    前記無機層上に形成され、前記無機層よりも屈折率が低い有機層と
    を有することを特徴とする表示装置用前面板。
  2. 前記無機層がインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、五酸化ニオブ、酸化窒化ケイ素または窒化ケイ素を含有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置用前面板。
  3. 前記無機層と前記有機層との間に、前記無機層よりも屈折率が低く、前記有機層よりも屈折率が高い第2有機層が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置用前面板。
  4. 透明基板上に直に、無機酸化物、無機酸化窒化物または無機窒化物を含有する無機層をスパッタリング法により形成する無機層形成工程と、
    前記無機層上に有機層用硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて、前記無機層よりも屈折率が低い有機層を形成する有機層形成工程と
    を有することを特徴とする表示装置用前面板の製造方法。
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