JP2015169258A - アンギュラ玉軸受および機械装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な構成によって外輪の傾きを防止して剛性の低下を防止することが可能なアンギュラ玉軸受および機械装置を提供する。【解決手段】アンギュラ玉軸受1は、内輪4と、当該内輪4の軌道面に接触する転動体としての玉3と、当該転動体に接触する外輪2とを備える。アンギュラ玉軸受1の荷重作用点O側の外輪2の端面13の位置が、荷重作用点Oより軸受中心から軸方向外側に位置する。このようにすれば、軸方向における外輪2の長さを十分長く取ることができるので、ハウジング5に対する外輪2の傾きの発生を防止でき、外輪2の傾きに起因する剛性の低下を防止できる。【選択図】図7

Description

この発明は、アンギュラ玉軸受および機械装置に関し、より特定的には、剛性を高めたアンギュラ玉軸受および当該アンギュラ玉軸受を用いた機械装置に関する。
工作機械、ロケットエンジン用ターボポンプおよびダイナモメータなどの機械装置における高速回転軸の支持には、アンギュラ玉軸受が用いられることが多い。また、回転速度が高い場合、あるいは、軸受周辺の温度変化が大きい場合、定位置予圧ではなく、ばねによる定圧予圧機構が用いられる(たとえば、特開2002−254304号公報参照)。
ここで、従来の機械装置における回転軸の支持機構では、引用文献1の図1のように、一定のアキシアル荷重により予圧を与えたアンギュラ玉軸受が用いられている。ここで、ばねによるアキシアル荷重を受ける軸受の外輪は、機械装置のハウジングに対してすきまばめで勘合され、軸方向に移動できるようになっている。しかし、外輪は、ハウジングに対してわずかに傾きの自由度を有しており、ラジアル荷重が作用すると傾く。そして、この傾きにより回転軸のラジアル変位が増すため、結果として剛性の低下につながる(M. F. Butner, et.al.、 "THE INFLUENCE OF MOUNTING COMPLIANCE AND OPERATING CONDITIONS ON THE RADIAL STIFFNESS OF BALL BEARINGS:ANALYTIC AND TEST RESULTS"、 DE-Vol.35、 Rotating Machinery and Vehicle Dynamics、ASME 1991)。剛性の低下は工作機用主軸の振れ回り半径の増大(つまり加工精度の低下)や回転体の危険速度の予測精度の低下につながる。
外輪の傾きを防止して剛性低下を防止しつつ、定圧予圧機構を成立させるためには、たとえば特開2009−28803号公報の図2に示すように、外輪が挿入される軸受スリーブと外輪とのすきまをしまりばめとし、軸受スリーブにアキシアル予圧を与えるといった構成を用いることができる。
特開2002−254304号公報 特開2009−28803号公報
M. F. Butner, et.al.、 "THE INFLUENCE OF MOUNTING COMPLIANCE AND OPERATING CONDITIONS ON THE RADIAL STIFFNESS OF BALL BEARINGS:ANALYTIC AND TEST RESULTS"、 DE-Vol.35、 Rotating Machinery and Vehicle Dynamics、ASME 1991
しかし、上述のような構成を採用する場合、部品として軸受スリーブを新たに追加する必要があるため、部品点数や必要なスペースが増加し、装置構成が複雑化するという問題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、この発明の目的は、簡便な構成によって外輪の傾きを防止して剛性の低下を防止することが可能なアンギュラ玉軸受および機械装置を提供することである。、
この発明に従ったアンギュラ玉軸受は、内輪と、当該内輪の軌道面に接触する転動体と、当該転動体に接触する外輪とを備える。荷重作用点が存在する側の外輪の端面の軸方向位置が、この荷重作用点より軸受中心から外側に位置する。
この発明に従った機械装置は、回転軸と、当該回転軸の周囲に配置されたハウジングと、上記アンギュラ玉軸受とを備える。上記アンギュラ玉軸受は、ハウジングに対して回転軸を支持する。
この発明に従った機械装置は、回転軸と、ハウジングと、アンギュラ玉軸受と、予圧部材とを備える。ハウジングは、回転軸の周囲に配置される。アンギュラ玉軸受は、ハウジングに対して回転軸を支持する。アンギュラ玉軸受は、内輪と、転動体と、外輪とを含む。内輪は回転軸の外周面上に位置する。転動体は内輪の軌道面に接触する。外輪は、転動体に接触するとともに、ハウジングに接触する。予圧部材は、外輪に接触するとともに、ハウジングに接触し、外輪に予圧を負荷する。予圧部材の最大幅は、外輪の最大幅より大きい。
本発明によれば、アンギュラ玉軸受においてラジアル荷重が作用した場合でも、外輪の傾きを防止し、その結果剛性の低下を防止できる。
アンギュラ玉軸受の外輪に生じるモーメントの釣り合いを説明するための模式図である。 アンギュラ玉軸受においてアキシアル予圧およびラジアル荷重が負荷された状態を説明するための模式図である。 2K/(πμ)とcosτとの関係をしめずグラフである。 アキシアル荷重下のラジアル荷重とラジアル変位および外輪の傾き角の関係を示すグラフである。 アキシアル荷重下のラジアル荷重とラジアル変位および外輪の傾き角の関係を示すグラフである。 ラジアル荷重とラジアル剛性との関係を示すグラフである。 実施の形態1に従ったアンギュラ玉軸受を示す模式図である。 実施の形態2に従ったアンギュラ玉軸受を示す模式図である。 実施の形態3に従ったアンギュラ玉軸受を示す模式図である。
発明者は、本願発明を完成するにあたり、アンギュラ玉軸受の外輪の傾きおよびその影響について詳細に検討した。そこで、まずアンギュラ玉軸受の外輪の傾きの発生機構およびその影響について説明する。
外輪の傾きを検討するために、発明者は外輪に生じるモーメントのつり合いを考えた。図1および図2を参照して、アンギュラ玉軸受における外輪のモーメントを考える。
図1を参照して、アンギュラ玉軸受1が回転軸6とハウジング5との間に配置されている。アンギュラ玉軸受1は、回転軸6に接触する内輪4と、転動体としての玉3と、ハウジング5に接する外輪2とを含む。外輪2はハウジング5にすきまばめで挿入されている。外輪2の幅面にはアキシアル予圧を負荷するためのばね7が接触している。ここで、アンギュラ玉軸受の初期接触角αと、荷重作用点Oとを図1のように規定する。図1では、荷重作用点Oが軸受1の外輪2の端面13よりも外側に位置している場合を示す。
図1に示した軸受において、アキシアル予圧およびラジアル荷重が負荷した場合の軸受の状態を図2に示す。内輪4にはアキシアル予圧Fおよびラジアル荷重Fが作用する。外輪2には転動体としての玉3からの接触荷重Fen、ハウジング5の内径面からの力Fおよび予圧用のばね7からの力FSCが作用する。図1および図2に示すアンギュラ玉軸受1において、内輪の溝曲率中心の半径Rおよび外輪の溝曲率中心の半径R、外輪外径の半径R、ハウジング内径の半径R、ばね7の接触部の半径R、外輪2の幅L、外輪2の溝中心から端面までの幅Lle、外輪2のチャンファの幅Lを考える。そして、回転軸6には、アキシアル荷重Fおよびラジアル荷重Fが作用する。この場合、外輪2に作用する力には、以下の関係が成立する。
Figure 2015169258
ここで、Fenはn番目の玉3から外輪2に作用する荷重、αはn番目の玉3の接触角、ΨはX軸とn番目の玉3の角度である。荷重作用点O周りの外輪2のモーメントのつり合い式は次式となる。
Figure 2015169258
ここで、Mrlはハウジング5から外輪2に作用するモーメント、MSCはばね7から外輪2に作用するモーメントである。上記荷重Fenおよび接触角αは次式で与えられる。なお、以下の式は、たとえば「転がり軸受工学」、転がり軸受工学編集委員会編、養賢堂発行(1978)、P.283-285などの記載に基づき導くことができる。
Figure 2015169258
ここで、上記数式(4)、数式(5)中の変数は、次式で与えられる。
Figure 2015169258
上記数式において、δは外輪2に対する内輪4のラジアル変位、δは外輪2に対する内輪4のアキシアル変位、θはラジアル荷重線に直交する軸まわりの外輪2に対する内輪4の傾き角、fおよびfは内輪4および外輪2の軌道溝半径と玉直径の比、Dは玉直径を意味する。また、上記数式(4)中のkは軸受の幾何形状、寸法、材質によって決まる接触定数であり、次式で与えられる。
Figure 2015169258
ここで、kおよびkは内輪側および外輪側の接触部における非線形ばね定数であり、次式で与えられる。
Figure 2015169258
ここで、E*は軌道ところの材料の等価弾性係数、2K/(πμ)は補助変数cosτによって決まる定数、Σρは主曲率の和である。2K/(πμ)とcosτには図3に示す関係がある。ここで、図3の横軸はcosτを示し、縦軸は2K/(πμ)を示す。なお、補助変数cosτ、cosτは次式で与えられる。
Figure 2015169258
ここで、fは玉直径に対する軌道溝半径の比である。上記数式中のΣρおよびΣρは、次式で与えられる。
Figure 2015169258
図2に示すように、外輪2の傾き角θe(<0)を考えると、ハウジング5と外輪外径面での接触に生じるモーメントMrlは次式のように表される。
Figure 2015169258
ここで、θは微小なため、sinθ≒θおよびcosθ≒1と近似した。また、ばね7と外輪2端面での接触により生じるモーメントMSCは次式のように表される。
Figure 2015169258
ここで、kはばね7のばね定数、δa0はアキシアル荷重により生じるばね7の平均変位量である。
よって、数式(3)は、次式のように書き表される。
Figure 2015169258
アンギュラ玉軸受1の外輪2の傾き角θは、上述した数式(1)、(2)、(4)、(5)および(13)を連立して解けば、求められる。この場合、軸受諸元、ばね7のばね定数k、アキシアル荷重F、ラジアル荷重Fが入力条件であり、出力変数は外輪2の傾き角θ、外輪に対する内輪のアキシアル変位δ、外輪に対する内輪のラジアル変位δ、n番目の玉の接触角α、n番目の玉から外輪に作用する荷重Fenである。
ここで、上記の計算式の妥当性を確認するために行った実験結果を図4および図5を参照して説明する。
図4は、アンギュラ玉軸受(型番7209)にアキシアル荷重Fを4000N負荷し、さらにラジアル荷重を変えながら測定したラジアル変位および外輪の傾き角である。また、図5は、同じアンギュラ玉軸受にアキシアル荷重を8000N負荷し、さらにラジアル荷重を変えながら測定したラジアル変位および外輪の傾き角である。また、外輪の傾き角をゼロに固定した場合と、測定して得られた外輪の傾き角を計算の入力値として求めたラジアル変位計算値も併せて示している。なお、図4および図5の横軸はラジアル荷重(単位:N)を示し、左側の縦軸はラジアル変位(単位:mm)、右側の縦軸は傾き角(単位:mrad)をそれぞれ示している。図4および図5からもわかるように、外輪の傾き角を計算に反映させることで、ラジアル変位の計算値は実測値とよく一致した。
上記の計算結果をもとに、アンギュラ玉軸受のラジアル剛性を整理すると図6のようになる。図6において、横軸はラジアル荷重(単位:N)を示し、縦軸はラジアル剛性(単位:N/mm)を示している。図6からわかるように、外輪が傾くことで、ラジアル剛性は低下し、特にラジアル荷重の小さい領域では、外輪が傾くことによってラジアル剛性は大幅に低下する。
次に、発明者は、上述した数式に基づき、アンギュラ玉軸受において外輪2の傾きを低減できる軸受形状について、以下のように検討した。
まず、上述した数式(13)を外輪の傾き角θについて整理すれば、次の数式(14)が得られる。
Figure 2015169258
アンギュラ玉軸受においては、ラジアル荷重のわずかな変化に対する接触角の変化は比較的小さいため、sin(α−α)のかかる項を無視すれば、上記数式(14)から下記の数式(15)が得られる。
Figure 2015169258
外輪の傾き角θをゼロに近づけるには、上述した数式から、Rtanα=Lとなればよい。この“Rtanα=L”はハウジングと傾いた外輪が接触した場合に図2のように外輪の端面部でラジアル荷重が外輪に作用することを前提としたものである。すなわち、外輪幅面(端面)と荷重作用点が軸方向に一致することを意味する。しかしながら、実際には、外輪の傾きが減少すると、ハウジングと外輪の外径面の接触部は、軸方向に向かって広がるため、これを満たしても外輪の傾きが完全にゼロになるわけではない。よって、さらに好ましくは、外輪の外径円筒部が軸方向に長いほど、外輪の傾きは実際上、小さくなることは明らかで、次式の関係を満たすことである。
Figure 2015169258
上述のような検討結果に基づき、本発明の実施形態に係るアンギュラ玉軸受を説明する。
(実施の形態1)
図7を参照して、本実施形態に係るアンギュラ玉軸受1は機械装置に組込まれており、回転軸6とハウジング5との間に配置されている。アンギュラ玉軸受5は、回転軸6に接触する内輪4と、内輪4の外周表面に形成された転送面としての溝に接する転動体としての玉3と、玉3に接するとともにハウジング5に接する外輪2とを備える。外輪2の幅面にはアキシアル予圧を負荷するためのばね7が接触している。
図7に示したアンギュラ玉軸受1では、外輪2の幅が従来の軸受より広くなっており、当該外輪2の端面13の位置が荷重作用点Oより軸方向での外側に配置されている。このようにすれば、上記の数式(16)を満たすことになるので、外輪2とハウジング5との接触面積を大きくできるので、外輪2の傾きの発生を防止できる。このため、ラジアル剛性の低下を防止できる。
なお、図7に示したアンギュラ玉軸受1では、外輪の幅がこれまでの軸受に比べ広いため、外径面の研磨面積が増し、研磨工数の増加と外輪自体の研磨時の温度上昇が懸念される。そのため、端面13に連ならない研磨盗み14が外輪外径面にあるといった構成を採用できる。
(実施の形態2)
図8を参照して、本実施の形態に係るアンギュラ玉軸受1は、基本的には図7に示したアンギュラ玉軸受1と同様の構成を備えるが、外輪2に当該外輪2とは別部材である補助部材22が接続されている。補助部材22はリング状の部材であって、図8の外輪2と補助部材22とが接続された接合体全体で、図7に示した外輪2と同様にハウジング5との接触面積を大きくしている。補助部材22の端面23の位置は、荷重作用点Oより軸方向での外側に配置されている。このようにしても、接合体全体で数式(16)を満たすことになるため、図7に示したアンギュラ玉軸受1と同様に外輪2の傾きを抑制し、ラジアル剛性の低下を防止できる。
なお、補助部材22は、外輪2の内径部に嵌合または接着により結合してもよい。ここで、補助部材22は、玉3と直接接触しないため、外輪2よりも温度変化が小さい。そのため、常温におけるハウジング5と補助部材22との隙間を、外輪2とハウジング5との隙間よりも小さくすると、常温時から外輪2の傾きをより効果的に抑制することができる。
さらに、図8に示したアンギュラ玉軸受1では、補助部材22の外径面に図7の外輪の場合と同様に研磨盗みがあるといった構成を採用できる。
さらに、外輪2としては一般的な外輪も利用できるように、補助部材22の嵌合面形状が、一般的な外輪2の内径面にぴったりと嵌合する形状にすることが好ましい。
(実施の形態3)
図9を参照して、本実施の形態に係るアンギュラ玉軸受1は、基本的には図8に示したアンギュラ玉軸受1と同様の構成を備えるが、外輪2に当該外輪2とは別部材である予圧部材32が接続されている。予圧部材32はばね7により外輪2に予圧を負荷している。図8の予圧部材32は、これ単体でハウジング5の内径面に対し、傾きが小さくなる形状とされている。この傾きにくい予圧部材32が外輪2に接触し、この接触部で外輪2の傾きを拘束することで、外輪2の傾きを抑制し、ラジアル剛性の低下を防止できる。
ここで、外輪2と予圧部材32との接触部の接触剛性が、数式(14)のkに相当する。そのため、kの絶対値が大きければ、外輪2の傾きを抑制することができる。このため、予圧部材32とハウジング5との隙間は、外輪2とハウジング5との隙間よりも小さくする必要がある。また、予圧部材32の軸方向における幅L1は外輪2の幅L2よりも広くすることが好ましい。
さらに、予圧部材32の幅L1は軸受の幅L2よりも広いため、外径面の中央部に研磨盗みが設けてあるといった構成を採用できる。また、外輪2と比べ、予圧部材32は、発熱源である玉と軌道面の接触部から離れているため、温度上昇し難い。よって、予圧部材32とハウジング5の間の隙間は、外輪2とハウジング5の間の隙間よりも小さくしても、しまりばめになることはなく、スムーズに予圧を外輪2に負荷することができる。これによって、予圧部材32はより傾きにくくなる。
また、予圧部材32を外輪2と接着材などで一体化すれば、予圧部材32単独の場合よりも傾きがさらに減少し、ラジアル剛性を向上できる。
ここで、上述した実施の形態と一部重複する部分もあるが、本発明の特徴的な構成を列挙する。
この発明に従ったアンギュラ玉軸受1は、内輪4と、当該内輪4の軌道面に接触する転動体としての玉3と、当該転動体に接触する外輪2とを備える。図7や図8に示すように、アンギュラ玉軸受1の荷重作用点O側の外輪2の端面13の位置が、荷重作用点Oより軸受中心から軸方向外側に位置する。
このようにすれば、軸方向における外輪2の長さを十分長く取ることができるので、アンギュラ玉軸受1が組みつけられるハウジング5と外輪2との接触部の軸方向における長さを十分大きくすることができる。この結果、ハウジング5に対する外輪2の傾きの発生を防止でき、外輪2の傾きに起因する剛性の低下を防止できる。このため、軸受スリーブなどの追加の部品を用いることなく、アンギュラ玉軸受1が本来有するラジアル剛性を十分に発揮させることができる。
さらに、上記アンギュラ玉軸受1が組込まれた回転機械などの機械装置の固有振動数を向上させることができる。また、外輪2の傾きが防止されるため、理論的に求めたラジアル剛性が実際の機械装置においても比較的高い精度で適用できる(有効になる)。このため、設計時に想定されていなかったような共振問題の発生を回避できる。また、この効果は、特にラジアル荷重の小さい領域で顕著に表れる。
上記アンギュラ玉軸受1において、図8に示すように、外輪は、第1部分(図8の外輪2)と第2部分(図8の補助部材22)とを含む。第1部分(図8の外輪2)は、転動体(玉3)が接触する円筒状の部分であってもよい。第2部分(補助部材22)は、第1部分に接続され、上記端面23を有していてもよい。この場合、第1部分として従来の一般的なアンギュラ玉軸受1の外輪2を用い、第2部分として第1部分に接続され、外輪の軸方向における長さを延長するための補助部材22を用いることができる。この結果、従来の構成のアンギュラ玉軸受(外輪2の軸方向における端部が荷重作用点Oより軸受中心側に位置する軸受)に、上記追加部材22を接続することで本実施形態に従ったアンギュラ玉軸受1を実現できる。
上記アンギュラ玉軸受1において、外輪の第2部分(補助部材22)の外径面の最大直径D1は、外輪の第1部分(図8の外輪2)の外径面の最大直径D2より大きくてもよい。第1部分に発熱源があるため、第2部分は第1部分よりも温度が上がりにくいためである。この場合、アンギュラ玉軸受1が設置されるハウジング5などの部材と第2部分(補助部材22)との隙間が狭いために、外輪2の傾きをより確実に防止できる。
この発明に従った機械装置は、図7や図8に示すように、回転軸6と、当該回転軸6の周囲に配置されたハウジング5と、上記アンギュラ玉軸受1とを備える。上記アンギュラ玉軸受1は、ハウジング5に対して回転軸6を支持する。このようにすれば、アンギュラ玉軸受1の外輪2の傾きが防止されるため、当該アンギュラ玉軸受1の剛性(特にラジアル剛性)の低下が防止され、機械装置の回転軸6を支持する構造について高い剛性を得ることができる。
この発明に従った機械装置は、図9に示すように、回転軸6と、ハウジング5と、アンギュラ玉軸受1と、予圧部材32とを備える。ハウジング5は、回転軸6の周囲に配置される。アンギュラ玉軸受1は、ハウジング5に対して回転軸6を支持する。アンギュラ玉軸受1は、内輪4と、玉3と、外輪2とを含む。内輪4は回転軸6の外周面上に位置する。玉3は内輪4の軌道面に接触する。外輪2は、玉3に接触するとともに、ハウジングに接触する。予圧部材32は、外輪2に接触するとともに、ハウジング5に接触し、外輪2に予圧を負荷する。上記機械装置は、予圧部材32の外径面の最大幅(幅L1)が外輪2の外径面の最大幅(幅L2)より大きいという第1の条件と、予圧部材32の外径面の最大直径D3が外輪2の外径面の最大直径D2より大きいという第2の条件との少なくともいずれか一方を満たす。
予圧部材32とハウジング5および外輪2とハウジング5の間のそれぞれの隙間が同じ場合でも、このようにすれば、予圧部材32の傾きは外輪2よりも小さくなる。そして、この傾きの小さい予圧部材32と外輪2はアキシアル予圧により接触しているため、予圧部材32を用いて外輪2の傾きを防止できる。この結果、機械装置の回転軸6を支持する構造について高い剛性を得ることができる。
上記機械装置では、予圧部材32の幅L1は外輪2の幅L2より大きいほどよい。あるいはハウジングに対する予圧部材32の隙間が、外輪2のそれよりも小さいほどよい。この場合、外輪2の傾きをより確実に防止できる。このため、アンギュラ玉軸受1の剛性の低下を果実に防止できる。
上記機械装置では、予圧部材32が外輪2と一体接合されていてもよい。この場合、予圧部材32と外輪2とが接合されていない場合よりさらに外輪2の傾きを小さくでき、ラジアル剛性を向上させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、工作機械など剛性の向上が求められる機械装置に適用されるアンギュラ玉軸受に特に有利に適用される。
1 アンギュラ玉軸受、2,12 外輪、3 玉、4 内輪、5 ハウジング、6 回転軸、7 ばね、13,23 端面、22 補助部材、32 予圧部材。

Claims (6)

  1. 内輪と、
    前記内輪の軌道面に接触する転動体と、
    前記転動体に接触する外輪とを備え、
    軸受の荷重作用点側の前記外輪の端面の位置が、前記荷重作用点より軸受中心から軸方向外側に位置する、アンギュラ玉軸受。
  2. 前記外輪は、
    前記転動体が接触する円筒状の第1部分と、
    前記第1部分に接続され、前記端面を有する第2部分とを含む、請求項1に記載のアンギュラ玉軸受。
  3. 前記外輪の径方向における前記第2部分の外径面の直径は、前記外輪の前記第1部分の外径面の直径より大きい、請求項2に記載のアンギュラ玉軸受。
  4. 回転軸と、
    前記回転軸の周囲に配置されたハウジングと、
    前記ハウジングに対して前記回転軸を支持する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンギュラ玉軸受とを備える、機械装置。
  5. 回転軸と、
    前記回転軸の周囲に配置されたハウジングと、
    前記ハウジングに対して前記回転軸を支持するアンギュラ玉軸受とを備え、
    前記アンギュラ玉軸受は、
    前記回転軸の外周面上に位置する内輪と、
    前記内輪の軌道面に接触する転動体と、
    前記転動体に接触するとともに、前記ハウジングに接触する外輪とを含み、さらに、
    前記外輪に接触するとともに、前記ハウジングに接触し、前記外輪に予圧を負荷する予圧部材を備え、
    前記予圧部材の外径面の最大幅が前記外輪の外径面の最大幅より大きいという第1の条件と、前記予圧部材の外径面の直径が前記外輪の外径面の直径より大きいという第2の条件との少なくともいずれか一方を満たす、機械装置。
  6. 前記予圧部材が前記外輪と一体接合された、請求項5に記載の機械装置。
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