JP2015168923A - コンクリート構造物の製造方法及びコンクリート養生シート - Google Patents
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Abstract
Description
まず、本発明のコンクリート構造物の製造方法に用いるコンクリート養生シートについて、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本発明のコンクリート構造物の製造方法に用いられる養生シートを示している。図1(a)に示されるように、養生シート10は、所定の厚みを有するコンクリート養生シートであり、例えば略矩形形状を呈している。養生シート10は、矩形形状のシート本体12と、シート本体12の幅方向の両端に位置する端部14と、両端部14からコンクリートが打設される側に延出する複数の突起部16とを備えているものであることが好ましい。本実施形態では、シート本体12、端部14及び突起部16は、例えば同一材料からなっており、一体成形されているが、突起部16を別体として設け、端部14に接続されるようにしてもよい。
続いて、以上のような構成を備えた養生シート10、20を用いて、コンクリート構造物を製造する方法について説明する。以下の説明では養生シート10を用いた例を説明するが、養生シート20を用いた場合でも同様である。
図3に示す通り、本発明のコンクリート構造物の製造方法Pは、型枠設置工程ST10、打設工程ST20、脱型工程ST30、養生工程ST40を必須の手順とするプロセスである。尚、養生シート10は、打設工程ST20に先行して予め型枠内に貼付され、脱型工程ST30では、養生シート10をコンクリート表面に残置したままの状態で型枠のみがコンクリート構造物から脱型される。養生シート10がコンクリート構造物への密着を保ったままの状態で、養生工程ST40が行われる。養生に必要な水分は、打設工程ST20に先行して予め型枠内に貼付された養生シート10によって保持される打設されたコンクリートに含まれる水分がそのまま活用される。よって、従来プロセスP0において必須とされていた散水工程ST50は、本発明の製造方法Pにおいては、基本的には不要である。例えば、水量の微調整のため等の散水を行う場合であっても、従来方法に比べて、はるかに少ない養生水を供給する程度でよい。
まず、図4に示されるように、コンクリート打設用の型枠30の内面(つまり打設されるコンクリート側の面)に、上述の通り線膨張率が所定範囲にある本発明の養生シート10を、粘着性を有する両面テープ等で予め貼付し(養生シート貼付)、型枠30を所定の位置に設置する。型枠30同士は隙間なく設置するが、養生シート10同士の間には、例えば約30〜40mm程度の間隔が空いてしまう。これは、養生シート10の施工精度から勘案して、養生シート10の端部14を直線に施工し、且つ、型枠30の端部と完全に一致させることが困難なためである。尚、型枠30に養生シート10を貼付けるために、両面テープに代えて水の表面張力を用いてもよいし、グリース等を使用してもよい。又、型枠30の設置の際、互いに隣接する型枠30の境界部において型枠30の内面に貼付された養生シート10の突起部16を型枠30からコンクリート打設側に向けて略直角になるように折り返した状態で保持する。尚、型枠30を設置してから、養生シート10を型枠30の内面に貼り付けてもよい。
続いて、養生シート10が貼り付けられた型枠30が所定の位置に設置されると、図4の矢印で示すように、コンクリートCを型枠30内に流し込み、コンクリートの打設を行う。打設を行う際、養生シート10の折り返された突起部16がコンクリートC中に埋入されるようにする。突起部16は、コンクリートC中に埋入されても形状を維持できる剛性を有し、又、コンクリートCと付着する性状を有している。この突起部16の埋入により、養生シートがコンクリートCに対して固定される。折り返された養生シート10同士は、上述したように、所定間隔を空けている。コンクリートの打設後、バイブレータ等を用いて締固めを行う。これにより、型枠30内の隅々まで十分にコンクリートCが流れこむようになる。
コンクリートCの凝結がある程度進み硬化したら、図5に示すように、型枠30を脱型する。脱型の際、型枠30内に貼付された養生シート10は、そのままコンクリートCに貼り付けておく。つまり、養生シート10を残置しておく。養生シート10を残置しておくことにより、型枠30を外したものの、そのままコンクリートの湿潤養生を続けることができる。上述したように養生シート10間には(型枠境界部に)隙間があり、コンクリートCの表面が露出している箇所もあるため、当該露出部分は、図5に示すように、ガムテープ40(テープ部材)を貼付し、コンクリートCからの水分の逸散を防止する。ガムテープ40を貼付して水分の逸散を防止した状態を図6に示す。
型枠30を脱型した後、コンクリート構造物の表面に残置された養生シート10を用いて、コンクリート構造物を所定期間養生する。この養生工程ST40では、既に型枠30が取り除かれており、シート状の養生シート10をコンクリート表面に残置させるだけで、特別な設備を用いることなくそのまま長期に養生を続けることができる。例えば、型枠30の脱型後7日以上養生を続けてもよいし、型枠の脱型後28日以上、或いは91日以上養生を続けてもよい。更に、コンクリート構造物の引き渡しに至るまで(例えば脱型後1年以上)養生を続けてももちろんよい。このような長期の養生を続けられることにより、コンクリート構造物の強度を飛躍的に高めることができる。
表5及び図10に養生シートの線膨張係数と中性化深さの関係を示す。中性化深さの測定は、20℃,60%RH、5%CO2濃度の促進環境下に28日間曝露し、「JIS A 1152 コンクリートの中性化深さ測定方法」により行った。線膨張係数が80μ/℃までは線膨張係数の値によらず、普通型枠や透水型枠の場合よりも顕著に中性化深さが小さく、高い養生効果が得られた。100μ/℃を超えると線膨張係数が大きいほど、中性化深さも大きくなり養生効果が低下する傾向にあった。100μ/℃の場合、中性化深さは若干増大するものの、高い養生効果が得られている。120μ/℃を超えると透水桁枠と同等の養生効果となり、200μ/℃を超えると、普通型枠と同等で養生効果が得られない結果となった。
表5及び図11に養生シートの線膨張係数と表面吸水速度の関係を示す。表面吸水速度の測定は、大気圧におけるコンクリート表面の10分間の吸水量を測定する方法よって行った。線膨張係数が80μ/℃までは線膨張係数の値によらず、普通型枠や透水型枠の場合よりも顕著に表面吸水速度が小さく、高い養生効果が得られた。100μ/℃を超えると線膨張係数が大きいほど、表面吸水速度も大きくなり養生効果が低下する傾向にあった。100μ/℃の場合、表面吸水速度は僅かに増大するものの、高い養生効果が得られている。120〜150μ/℃では透水桁枠と同等の養生効果となり、250μ/℃を超えると、普通型枠と同等で養生効果が得られない結果となった。
Claims (18)
- コンクリート打設用の型枠を設置する型枠設置工程と、
前記型枠の内面に養生シートが貼付された状態でコンクリートの打設を行う打設工程と、
前記コンクリートの打設後に前記型枠を脱型する脱型工程と、
前記脱型工程の後に、前記養生シートをコンクリート構造物の表面に残置させて、前記コンクリート構造物を所定期間養生する養生工程と、を備え、
前記養生シートは、線膨張係数が100μ/℃以下であるコンクリート構造物の製造方法。 - 前記養生シートの線膨張係数が80μ/℃以下である請求項1に記載のコンクリート構造物の製造方法。
- 前記型枠設置工程の前に前記型枠内に予め前記養生シートを貼付する養生シート貼付工程を、更に備える請求項1又は2に記載のコンクリート構造物の製造方法。
- 前記養生工程における前記所定期間が、前記型枠の脱型後、7日以上である請求項1から3のいずれかに記載のコンクリート構造物の製造方法。
- 前記養生工程における前記所定期間が、前記型枠の脱型後、28日以上である請求項1から3のいずれかに記載のコンクリート構造物の製造方法。
- 前記養生工程における前記所定期間が、前記型枠の脱型後、91日以上である請求項1から3のいずれかに記載のコンクリート構造物の製造方法。
- 前記養生シートの厚みが0.1mm以上である請求項1から6のいずれかに記載のコンクリート構造物の製造方法。
- 前記型枠設置工程において前記型枠を設置する際、前記型枠の境界部において前記型枠の内面に貼付された前記養生シートの端が前記型枠から略直角になるように折り返されており、
前記打設工程では、前記折り返されている突出部がコンクリート打設時に前記コンクリート中に埋入されることにより前記養生シートが固定され、前記折り返された前記養生シート同士が所定間隔を空けていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のコンクリート構造物の製造方法。 - 前記所定間隔を空けて配置される前記養生シート間に露出するコンクリート表面を、前記型枠の脱型後にテープ部材で覆うことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のコンクリート構造物の製造方法。
- 前記コンクリートが、高炉セメントコンクリートである請求項1から9のいずれかに記載のコンクリート構造物の製造方法。
- コンクリート打設用の型枠の内面に貼付されてコンクリートの養生に用いられる養生シートであって、熱可塑性樹脂をベース樹脂とし、線膨張係数が100μ/℃以下であるコンクリート養生シート。
- 線膨張係数が80μ/℃以下である請求項11に記載のコンクリート養生シート。
- 前記熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂である請求項11又は12に記載のコンクリート養生シート。
- 前記オレフィン系樹脂がオレフィン系熱可塑性エラストマーである請求項13に記載のコンクリート養生シート。
- 熱可塑性樹脂100重量部と無機充填剤10〜50重量部とを含んでなる請求項11から14のいずれかに記載のコンクリート養生シート。
- 前記無機充填剤が珪酸含有物である請求項15に記載のコンクリート養生シート。
- シートの厚みが0.1mm以上である請求項11から16のいずれかに記載のコンクリート養生シート。
- シート本体の端に配置される針状又はシート状の複数の突起部を更に備え、前記複数の突起部は前記シート本体の面に対して略直交するように所定間隔で配置されている請求項11から17のいずれかに記載のコンクリート養生シート。
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JP2016196730A (ja) * | 2015-04-02 | 2016-11-24 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | コンクリート構造物の製造方法、コンクリートの中性化抑制方法、及び粘着シート |
CN106193635A (zh) * | 2016-07-12 | 2016-12-07 | 青建集团股份公司 | 一种混凝土结构墙体带模养护施工工艺 |
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2014
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