JP2015168900A - シンガード保持用袋部付きニット製品 - Google Patents

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【課題】シンガードの装着又は交換が容易であり、シンガードを収納した状態で安定的に保持できるシンガード保持用袋部付きニット製品を提供する。
【解決手段】丸編機を用いて編成され脚部に装着するサポータ10であって、サポータ10の本体部11にシンガードを挿入可能とする上下一対の袋部(上側袋部14、下側袋部15)が形成され、本体部11と上下一対の袋部(上側袋部14、下側袋部15)は丸編機で連続編成した編地により構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、シンガードの装着又は交換が容易であり、シンガードを収納した状態で安定的に保持できるシンガード保持用袋部付きニット製品に関する。
サッカーやラグビー等の競技においては、足の脛部分を保護する目的でシンガード又はレガースと称する脛当て具(以下、「シンガード」という)を使用するよう指導されており、特に試合の際にはシンガ−ドを使用することが義務づけられている。しかし、シンガ−ドは、競技中に激しい動きや接触によってずれるため、粘着性を有するテープやベルト状の保持具等で脛部分に直接取り付けるのが一般的であった。
特開平11−206948号公報(特許文献1)には、激しいゲ−ム中にもずれることなく、着用時に圧迫感がなく、専用具を必要とせず、怪我や破れの恐れがない「サッカー用シンガ−ドの固定方法とそのためのストッキング類とシンガード」が提案されている。
一方、プロテクターなどの物品を挿入できるように改良を施したポケット又は袋を有する靴下又はサポータについて、以下に示すような先行技術が提案されている。
実用新案登録第3174981号公報(特許文献2)には、プロテクターや使い捨て懐炉などの物品を挿入でき、足裏或いは足甲部へと位置変更自在なポケットを有する靴下を提供することを目的とし、丸編み機を使用して靴下を編成する途中で、編み針を休止させて往復動で袋状ポケット部を構成する帯状編地を形成する、帯状編地の途中に踵部の形成方法と同様の方法で膨出部を形成する「ポケット付靴下」が提案されている。
特開2011−26749号公報(特許文献3)には、袋を有しつつ、製品本体の伸縮性には影響を与えることがないようにすることを目的とし、サポータは、製品本体(サポータ本体)から連続する丸編みニットで開口部を有する袋が形成され、この袋に関節を保護するパッド(収納部品)が収納され、袋の開口部が袋生地の間で縫合されることにより閉塞されて、筒状の製品本体の内側に配されている「袋付き丸編みニット製品」が提案されている。
特開平10−280202号公報(特許文献4)には、袋部の入口が外部に露見せず、且つ、ソックス自体のサポート力を損なわずにプロテクター等の物品を確実に挿入,保持できると共に、製造コスト的にも有利なソックスを提供することを目的とし、脚部と一体にダブルウエルトに編成され内外二重の編地からなる外層側穿口部と、該外層側穿口部の内側編地端部に連続する内層側穿口部とを有し、且つ、それらの連続部分に、筒状編地の略半周に相当するウエールのみを正逆転編成することによって袋部を形成し、プロテクター等を挿入可能とした。また、1乃至は数本置きに編針を不作用位置とした状態で跣部側から編み始め、足首部から脚部にかけての編成において、1乃至は数コースの編成毎に、1乃至は数本ずつ編針を増やし、脚部の略上半分から穿口部にかけては全編針で編成することによって、脚部以上の部分を漸次拡径した「ソックス」が提案されている。
特開平11−206948号公報 実用新案登録第3174981号公報 特開2011−26749号公報 特開平10−280202号公報
しかし、特許文献1に記載のサッカー用シンガ−ドの固定方法では、係止具を別個に必要とするため部品コストがかかり且つシンガ−ドを取り付ける手間もかかるという問題を有している。また、特許文献2に記載のポケット付靴下では、開口したポケット上部からプロテクターを挿入するため、使用中に飛び出すおそれがあるという問題を有している。また、特許文献3に記載の袋付き丸編みニット製品では、シンガードを自由に装着又は交換することができないという問題を有している。また、特許文献4に記載のソックスでは、袋部の挿入口が外層側穿口部と内層側穿口部の層間に位置して外側に露見しない構造であるため、シンガードを挿入しづらいという問題を有している。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みて出願人が鋭意開発したものであり、シンガードの装着又は交換が容易であり、シンガードを収納した状態で安定的に保持でき、更には締付け効果を維持したままシンガードを装着することができるシンガード保持用袋部付きニット製品を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、丸編機を用いて編成され脚部に装着するニット製品であって、前記ニット製品の本体部にシンガードを挿入可能とする上下一対の袋部が形成され、前記本体部と前記上下一対の袋部は丸編機で連続編成した編地により構成されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の前記上下一対の袋部の境界領域を含む前記本体部の周方向に締付力を付与するために伸縮性の強い編地組織が配置されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の前記上下一対の袋部の周縁端部の一部又は全部が前記本体部に縫着されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3に記載の前記上下一対の袋部を編成する糸は前記本体部を編成する糸と伸縮性が異なる糸を使用したことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4に記載の前記上下一対の袋部を編成する糸は前記本体部を編成する糸と色彩が異なる糸を使用したことを特徴とする。
以上のように、本発明にかかるシンガード保持用袋部付きニット製品によれば、本体部に上下一対の袋部が形成されているので、シンガードの装着又は交換が容易である。また、上下一対の袋部の内部にシンガードを収納した状態で安定的に保持することができる。
更には、上下一対の袋部の境界領域に本体部の周方向に締付力を付与するために伸縮性の強い編地組織が配置された締付部が形成されているので、締付け効果を維持したままシンガードを装着して使用することができる。
加えて、上下一対の袋部を編成する糸は本体部を編成する糸と伸縮性又は色彩が異なる糸を使用したので、機能性又はデザイン性を高めることができる。
本発明にかかるニット製品(サポータ)の実施形態の一例を示す正面図である。 図1に示すニット製品(サポータ)の側面図である。 図1に示すニット製品(サポータ)の一部拡大断面図である。 図1に示すニット製品(サポータ)にシンガードを挿入した状態を表す一部拡大断面図である。 図1に示すニット製品(サポータ)の使用状態を表す説明図である。 図1に示すニット製品(サポータ)の別の使用例を示す正面図である。 図6に示す別の使用例におけるシンガードを挿入した状態を表す一部拡大断面図である。 本発明にかかるニット製品(ソックス)の使用状態を表す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参酌しながら説明する。本発明にかかるニット製品は、丸編機を用いて編成されるものであって、且つ運動時に脚部に装着するサポータ、ソックスなどを対象としているが、パッド等を収納する各種サポータにも適用することができる。また、実施例で説明するサポータ、ソックスなどの具体的な構成については、図示する内容に限定されるものではなく、使用状況によって適宜変更できる。
図1は本発明にかかるニット製品(サポータ)の実施形態の一例を示す正面図、図2は図1に示すニット製品(サポータ)の側面図である。
本発明にかかるサポータ10は、両端開口の円筒状の本体部11を有し、両端開口の口編部周辺には、本体部11の周方向に締付力を付与するために伸縮性の強い編地組織(糸ゴムその他の弾性糸を編み込んで形成)が配置された第1締付部12及び第2締付部13が形成されている。
図1及び図2に示すように、本体部11の略中間の位置には、後述するシンガードを挿入可能とする上下一対の袋部(上側袋部14、下側袋部15)が丸編機を用いて本体部11と連続編成した編地により形成されている。上下一対の袋部の構成については、図3に示すように、本体部11から連続編成される上側袋部14との境界領域には上側開口部14aが形成され、上側袋部14の内部には上側収納空間14bが設けられる。また、下側袋部15から連続編成される本体部11との境界領域には下側開口部15aが形成され、下側袋部15の内部には下側収納空間15bが設けられる。また、上下一対の袋部(上側袋部14、下側袋部15)の周縁端部の一部又は全部を本体部11に縫着することができる(図示省略)。なお、上下一対の袋部(上側袋部14、下側袋部15)の形状、大きさ、位置及び個数等は図示する内容に限定されるものではなく適宜変更(例えば、脛側と脹脛側の両方に上下一対の袋部を形成)してもよい。
また、図1乃至図3に示すように、上下一対の袋部(上側袋部14、下側袋部15)の境界領域には、本体部11の周方向に締付力を付与するために伸縮性の強い編地組織(糸ゴムその他の弾性糸を編み込んで形成)が配置された第3締付部16が形成されている。なお、上下一対の袋部(上側袋部14、下側袋部15)の境界領域の間隔を広げて各袋部を離して配置してもよい。
上下一対の袋部(上側袋部14、下側袋部15)にシンガードを装着する際は、図4に示すように、本体部11の内側からシンガードAの上半分を上側袋部14に挿入するとともに、シンガードAの下半分を下側袋部15に挿入することにより簡単に装着して使用することができる(図5参照)。
なお、本発明にかかるサポータ10を使用する場合は、その上に別途ソックスを着用することになる。また、ソックスを上から着用する場合は、図6に示す別の使用例のように、上下一対の袋部(上側袋部14、下側袋部15)を本体部11の内側に挿入した状態で、本体部11の外側からシンガードAの上半分を上側袋部14に挿入するとともに、シンガードAの下半分を下側袋部15に挿入して使用することもできる(図7参照)。
また、上下一対の袋部(上側袋部14、下側袋部15)を編成する糸の種類を適宜変更することにより、機能性やデザイン性を高めて品質向上を図ることができる。具体的には、上下一対の袋部(上側袋部14、下側袋部15)を編成する糸は本体部11を編成する糸と伸縮性が異なる糸を使用する。この場合、上下一対の袋部(上側袋部14、下側袋部15)を編成する糸を伸縮性が高い糸を使用することにより、競技中に激しい動きや接触による衝撃を吸収又は緩和して袋部内にシンガードをより安定的に保持することができる。また、上下一対の袋部(上側袋部14、下側袋部15)を編成する糸は本体部11を編成する糸と色彩が異なる糸を使用する。この場合、上下一対の袋部(上側袋部14、下側袋部15)を本体部11と異なる色彩を有する色糸を使用することにより、デザイン性を高めることができる。
以上のようなシンガード保持用袋部付きニット製品(サポータ)を使用する場合、本体部11に上下一対の袋部(上側袋部14、下側袋部15)が形成されているので、シンガードの装着又は交換が容易であり、上下一対の袋部(上側袋部14、下側袋部15)の内部にシンガードを収納した状態で安定的に保持することができ、更には上側袋部14と下側袋部15の境界領域には、本体部11の周方向に締付力を付与するために伸縮性の強い編地組織が配置された第3締付部16が形成されているので、締付け効果を維持したままシンガードを装着して使用することができる。
次に、本発明にかかるニット製品(ソックス)の実施形態の一例について説明する。図8は本発明にかかるニット製品(ソックス)の使用状態を表す説明図である。なお、上下一対の袋部の構成については、上述したサポータの実施例と共通するため、図3及び図4を参照しながら説明する。
本発明にかかるソックス20は、円筒状の本体部21を有し、口編部周辺には本体部21の周方向に締付力を付与するために伸縮性の強い編地組織(糸ゴムその他の弾性糸を編み込んで形成)が配置された第1締付部22と、足首部周辺には本体部21の周方向に締付力を付与するために伸縮性の強い編地組織(糸ゴムその他の弾性糸を編み込んで形成)が配置された第2締付部23と、足甲部周辺には本体部21の周方向に締付力を付与するために伸縮性の強い編地組織(糸ゴムその他の弾性糸を編み込んで形成)が配置された第3締付部24が形成されている。
図8に示すように、本体部21の足の脛部分の位置には、シンガードを挿入可能とする上下一対の袋部(上側袋部25、下側袋部26)が丸編機を用いて本体部21と連続編成した編地により形成されている。上下一対の袋部の構成については、上述したサポータの実施例と同様に、本体部21から連続編成される上側袋部25との境界領域には上側開口部が形成され、上側袋部25の内部には上側収納空間が設けられる(図3参照)。また、下側袋部26から連続編成される本体部21との境界領域には下側開口部が形成され、下側袋部26の内部には下側収納空間が設けられる(図3参照)。また、内部にシンガードを収納した状態で安定的に保持するため、上下一対の袋部(上側袋部25、下側袋部26)の周縁端部の全部が本体部21に縫着されている(図示省略)。なお、上下一対の袋部(上側袋部25、下側袋部26)の形状、大きさ、位置及び個数等は図示する内容に限定されるものではなく適宜変更(例えば、脛側と脹脛側の両方に上下一対の袋部を形成)してもよい。
また、図8に示すように、上下一対の袋部(上側袋部25、下側袋部26)の境界領域には、本体部21の周方向に締付力を付与するために伸縮性の強い編地組織(糸ゴムその他の弾性糸を編み込んで形成)が配置された第4締付部27が形成されている。なお、上下一対の袋部(上側袋部25、下側袋部26)の境界領域の間隔を広げて各袋部を離して配置してもよい。
上下一対の袋部(上側袋部25、下側袋部26)にシンガードを装着する際は、本体部21の内側からシンガードの上半分を上側袋部25に挿入するとともに、シンガードの下半分を下側袋部26に挿入することにより簡単に装着して使用することができる(図4参照)。
また、上下一対の袋部(上側袋部25、下側袋部26)を編成する糸の種類を適宜変更することにより、機能性やデザイン性を高めて品質向上を図ることができる。具体的には、上下一対の袋部(上側袋部25、下側袋部26)を編成する糸は本体部21を編成する糸と伸縮性が異なる糸を使用する。この場合、上下一対の袋部(上側袋部25、下側袋部26)を編成する糸を伸縮性が高い糸を使用することにより、競技中に激しい動きや接触による衝撃を吸収又は緩和して袋部内にシンガードをより安定的に保持することができる。また、上下一対の袋部(上側袋部25、下側袋部26)を編成する糸は本体部21を編成する糸と色彩が異なる糸を使用する。この場合、上下一対の袋部(上側袋部25、下側袋部26)を本体部21と異なる色彩を有する色糸を使用することにより、デザイン性を高めることができる。
以上のようなシンガード保持用袋部付きニット製品(ソックス)を使用する場合、本体部21に上下一対の袋部(上側袋部25、下側袋部26)が形成されているので、シンガードの装着又は交換が容易であり、上下一対の袋部(上側袋部25、下側袋部26)の内部にシンガードを収納した状態で安定的に保持することができ、更には上側袋部25と下側袋部26の境界領域には、本体部21の周方向に締付力を付与するために伸縮性の強い編地組織が配置された第4締付部27が形成されているので、締付け効果を維持したままシンガードを装着して使用することができる。
A シンガード
10 サポータ
11 本体部
12 第1締付部
13 第2締付部
14 上側袋部
14a 上側開口部
14b 上側収納空間
15 下側袋部
15a 下側開口部
15b 下側収納空間
16 第3締付部
20 ソックス
21 本体部
22 第1締付部
23 第2締付部
24 第3締付部
25 上側袋部
26 下側袋部
27 第4締付部
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、丸編機を用いて編成され脚部に装着するニット製品であって、前記ニット製品の本体部にシンガードを挿入可能とする上下一対の上側袋部と下側袋部が形成され、前記本体部と前記上下一対の上側袋部と下側袋部は丸編機で連続編成した編地により構成され、前記本体部から連続編成される前記上側袋部との境界領域には上側開口部が形成され、前記上側袋部の内部には上側収納空間が設けられると共に、前記下側袋部から連続編成される前記本体部との境界領域には下側開口部が形成され、前記下側袋部の内部には下側収納空間が設けられ、前記上下一対の上側袋部と下側袋部の境界領域を含む前記本体部の周方向に締付力を付与するために伸縮性の強い編地組織が配置されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の前記上下一対の上側袋部と下側袋部の周縁端部の一部又は全部が前記本体部に縫着されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の前記上下一対の上側袋部と下側袋部を編成する糸は前記本体部を編成する糸と伸縮性が異なる糸を使用したことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3に記載の前記上下一対の上側袋部と下側袋部を編成する糸は前記本体部を編成する糸と色彩が異なる糸を使用したことを特徴とする。

Claims (5)

  1. 丸編機を用いて編成され脚部に装着するニット製品であって、前記ニット製品の本体部にシンガードを挿入可能とする上下一対の袋部が形成され、前記本体部と前記上下一対の袋部は丸編機で連続編成した編地により構成されていることを特徴とするシンガード保持用袋部付きニット製品。
  2. 前記上下一対の袋部の境界領域を含む前記本体部の周方向に締付力を付与するために伸縮性の強い編地組織が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシンガード保持用袋部付きニット製品。
  3. 前記上下一対の袋部の周縁端部の一部又は全部が前記本体部に縫着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシンガード保持用袋部付きニット製品。
  4. 前記上下一対の袋部を編成する糸は前記本体部を編成する糸と伸縮性が異なる糸を使用したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシンガード保持用袋部付きニット製品。
  5. 前記上下一対の袋部を編成する糸は前記本体部を編成する糸と色彩が異なる糸を使用したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のシンガード保持用袋部付きニット製品。
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