JP2015168767A - 硬化性樹脂組成物、フィルム、プリプレグ、積層体、硬化物、及び複合体 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、フィルム、プリプレグ、積層体、硬化物、及び複合体 Download PDF

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Abstract

【課題】電気特性、及び導体層との密着性に優れた電気絶縁層を形成することができる硬化性樹脂組成物、並びに、これを用いて得られるフィルム、プリプレグ、積層体、硬化物、及び複合体を提供すること。
【解決手段】末端が芳香族ビニル基で変性されたポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)、トリアジン構造を有する重合体(B)、及び硬化剤(C)を含む硬化性樹脂組成物、並びに、これを用いて得られるフィルム、プリプレグ、積層体、硬化物、及び複合体を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、フィルム、プリプレグ、積層体、硬化物、及び複合体に関する。
電子機器の小型化、多機能化、通信高速化などの追求に伴い、電子機器に用いられる回路基板のさらなる高密度化が要求されており、このような高密度化の要求に応えるために、回路基板の多層化が図られている。このような多層回路基板は、例えば、電気絶縁層とその表面に形成された導体層とからなる内層基板の上に、電気絶縁層を積層し、この電気絶縁層の上に導体層を形成させ、さらに、これら電気絶縁層の積層と、導体層の形成と、を繰り返し行なうことにより形成される。
このような多層回路基板の電気絶縁層を構成するための材料としては、一般的にセラミックや熱硬化性樹脂が用いられている。例えば、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂や、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂等が提案されている。
このような電気絶縁層を構成するための樹脂材料の一例としてのポリフェニレンエーテル系樹脂を用いた樹脂材料として、例えば、特許文献1には、末端が芳香族ビニル基で変性されたポリフェニレンエーテルオリゴマーと、重量平均分子量が10,000〜300,000のスチレン系熱可塑性エラストマーとを必須成分として含有し、末端が芳香族ビニル基で変性されたポリフェニレンエーテルオリゴマーと、スチレン系熱可塑性エラストマーとの重量比が20:80〜95:5である硬化性樹脂組成物が開示されている。
特許第4867217号公報
一方で、近年、多層回路基板の一層の高性能化が求められており、電気絶縁層を構成するための樹脂材料にも、さらなる改善が求められている。このような状況において、本発明者が検討したところ、上述した特許文献1に記載の硬化性樹脂組成物を用いて多層回路基板の電気絶縁層を形成した場合、電気特性は概ね良好ではあるものの、導体層との密着性が未だ不充分であり、そのため、多層回路基板の高性能化に十分に応えられるものではなかった。
本発明の目的は、電気特性、及び導体層との密着性に優れた電気絶縁層を形成することができる硬化性樹脂組成物、並びに、これを用いて得られるフィルム、プリプレグ、積層体、硬化物、及び複合体を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、末端が芳香族ビニル基で変性されたポリフェニレンエーテルオリゴマーと、側鎖にトリアジン構造を有する重合体と、硬化剤とを含有してなる硬化性樹脂組成物によれば、電気特性、及び導体層との密着性に優れた電気絶縁層が得られることを見出し、このような知見に基づき本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、
〔1〕末端が芳香族ビニル基で変性されたポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)、側鎖にトリアジン構造を有する重合体(B)、及び硬化剤(C)を含む硬化性樹脂組成物、
〔2〕さらにエラストマー(D)を含有する前記〔1〕に記載の硬化性樹脂組成物、
〔3〕前記重合体(B)が、下記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物と、下記一般式(2A)又は(2B)で表される化合物とを縮合反応させることで得られる重合体である前記〔1〕又は〔2〕に記載の硬化性樹脂組成物、
Figure 2015168767
[上記一般式(1A)及び(1B)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルケニル基、又は炭素数6〜12のアリール基であり、X,Xは、それぞれ独立して、−H、−OR、−SR、又はNRで表される基(R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基である。)であり、Xは、化学的な単結合、又は、−R−O−R10−、−R11−S−R12−、もしくは−R13−C(=O)−OR14−で表される基(R〜R14は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基)である。)であり、
上記一般式(2A)及び(2B)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルケニル基、又は炭素数6〜12のアリール基であり、
前記重合体は、上記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物及び上記一般式(2A)又は(2B)で表される化合物の一方あるいは両方として、それぞれ異なる構造を有する化合物を2以上用いて、縮合反応させたものであってもよい。]
〔4〕前記ポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)が、下記一般式(3)で表される化合物である前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物、
Figure 2015168767
Figure 2015168767
(上記一般式(3)中、R15〜R21は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基である。上記一般式(3)中、−[O−Z−O]−は、上記一般式(4)又は上記一般式(5)で表される1種類の構造、あるいは2種類以上の構造であり、上記一般式(4)、(5)中、R22、R23、R24、R28、R29、R30、R31、R36、R37は、互いに独立に、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、R25、R26、R27、R32、R33、R34、R35は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基である。上記一般式(5)中、Aは、炭素数20以下の直鎖状、分岐状、又は環状の炭化水素である。上記一般式(3)中、−[Z−O]−は、上記一般式(6A)で表される1種類の構造、あるいは上記一般式(6A)で表される2種類以上の構造がランダムに配列したものであり、−[O−Z]−は、上記一般式(6B)で表される1種類の構造、あるいは上記一般式(6B)で表される2種類以上の構造がランダムに配列したものである。上記一般式(6A)、(6B)中、R38、R39は、互いに独立に、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、R40、R41は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基である。上記一般式(3)中、Zは、炭素数1以上の有機基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含むこともある。上記一般式(3)中、a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜30の整数であり、c,dは、0又は1である。)
〔5〕前記エラストマー(D)が、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体、又は該共重合体の水素化物である前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物、
〔6〕前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物からなるフィルム、
〔7〕前記〔6〕に記載のフィルムと、繊維基材と、からなるプリプレグ、
〔8〕前記〔6〕に記載のフィルム、又は前記〔7〕に記載のプリプレグを、基材に積層してなる積層体、
〔9〕前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物、前記〔6〕に記載のフィルム、前記〔7〕に記載のプリプレグ、又は前記〔8〕に記載の積層体を硬化してなる硬化物、
〔10〕前記〔9〕に記載の硬化物の表面に導体層を形成してなる複合体、並びに
〔11〕前記〔9〕に記載の硬化物又は前記〔10〕に記載の複合体を構成材料として含む電子材料用基板、
が提供される。
本発明によれば、電気特性、及び導体層との密着性に優れた電気絶縁層を形成することができる硬化性樹脂組成物、並びに、これを用いて得られるフィルム、プリプレグ、積層体、硬化物、及び複合体が提供される。
〔硬化性樹脂組成物〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、末端が芳香族ビニル基で変性されたポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)、側鎖にトリアジン構造を有する重合体(B)、及び硬化剤(C)を含んでなるものである。
〔末端が芳香族ビニル基で変性されたポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)〕
本発明で用いられる末端が芳香族ビニル基で変性されたポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)(以下、適宜、「ポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)」と略記する。)としては、ポリフェニレンエーテルオリゴマーの重合末端のうち、少なくとも一方が、芳香族ビニル基で変性されてなる化合物であればよく、特に限定されないが、下記一般式(3)で表される化合物を好適に用いることができる。
Figure 2015168767
Figure 2015168767
上記一般式(3)中、R15〜R21は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基であり、好ましくは水素原子である。
上記一般式(3)中、−[O−Z−O]−は、上記一般式(4)又は上記一般式(5)で表される1種類の構造、あるいは2種類以上の構造である。上記一般式(4)、(5)中、R22、R23、R24、R28、R29、R30、R31、R36、R37は、互いに独立に、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、炭素数3以下のアルキル基であることが好ましい。また、上記一般式(4)、(5)中、R25、R26、R27、R32、R33、R34、R35は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、水素原子又は炭素数3以下のアルキル基であることが好ましい。さらに、上記一般式(5)中、Aは、炭素数20以下の直鎖状、分岐状、又は環状の炭化水素である。
特に、上記一般式(3)中、−[O−Z−O]−としては、下記一般式(7)又は下記一般式(8)で表される1種類の構造、あるいは2種類以上の構造であることがより好ましい。
Figure 2015168767
(上記一般式(8)中、R32、R35は、水素原子又はメチル基であり、Aは、炭素数20以下の直鎖状、分岐状、又は環状の炭化水素である。)
また、上記一般式(3)中、−[Z−O]−は、上記一般式(6A)で表される1種類の構造、あるいは上記一般式(6A)で表される2種類以上の構造がランダムに配列したものである。同様に、上記一般式(3)中、−[O−Z]−は、上記一般式(6B)で表される1種類の構造、あるいは上記一般式(6B)で表される2種類以上の構造がランダムに配列したものである。上記一般式(6A)、(6B)中、R38、R39は、互いに独立に、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、R40、R41は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基である。
特に、上記一般式(3)中、−[Z−O]−としては、下記一般式(9A)で表される構造、下記一般式(10A)で表される構造、又は、下記一般式(9A)で表される構造と、下記一般式(10A)で表される構造とがランダムに配列した構造であることがより好ましい。同様に、上記一般式(3)中、−[O−Z]−としては、下記一般式(9B)で表される構造、下記一般式(10B)で表される構造、又は、下記一般式(9B)で表される構造と、下記一般式(10B)で表される構造とがランダムに配列した構造であることがより好ましい。
Figure 2015168767
また、上記一般式(3)中、a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜30の整数であり、c,dは、0又は1である。
上記一般式(3)で表される化合物の製造方法は特に限定されないが、下記一般式(11)で表される化合物に対して、クロロメチルスチレンなどのハロアルキル基含有芳香族ビニル化合物を水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムエトキサイド等のアルカリ触媒存在下で、必要に応じてベンジルトリn−ブチルアンモニウムブロマイド、18−クラウン−6−エーテル等の相間移動触媒を用いて反応させることにより得ることができる。また、下記一般式(11)で表される化合物は、特開2003−12796号公報や特開2003−212990号公報に記載されている2価のフェノールと、1価のフェノールとを共重合する方法により得ることができる。
Figure 2015168767
(上記一般式(11)中、−[O−Z−O]−、−[Z−O]−、a、bは、上記一般式(3)と同様。)
本発明で用いられるポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)は、数平均分子量(Mn)が、好ましくは500〜3,000である。数平均分子量(Mn)が小さすぎると、本発明の硬化性樹脂組成物を用いて、フィルムを得た際に、タック性が発現し易くなり、加工性に劣る場合があり、一方、大きすぎると、溶剤への溶解性が低下してしまい、加工性に劣るものとなってしまう。
〔トリアジン構造を有する重合体(B)〕
本発明で用いられる側鎖にトリアジン構造を有する重合体(B)(以下、適宜、「トリアジン構造含有重合体(B)」とする。)は、トリアジン構造を有する重合体であり、側鎖にトリアジン構造を有する重合体であることが好ましい。なお、本発明において、「側鎖にトリアジン構造を有する」とは、トリアジン構造が、重合体の主鎖を構成するものではなく、トリアジン構造が、重合体の主鎖に直接、あるいは他の基を介して結合している状態を意味する。また、側鎖にトリアジン構造を有する重合体は、環状の主鎖構造を有するものであってもよく、この場合においても、環状の主鎖構造中に、トリアジン構造が実質的に取り込まれていないような構造を有するものである。本発明においては、硬化性樹脂組成物中に、このようなトリアジン構造含有重合体(B)を配合することで、得られる電気絶縁層を、電気特性に優れたものとしながら、金属箔などからなる導体層に対する密着性の向上を可能とすることができる。
また、本発明で用いられるトリアジン構造を有する重合体(B)としては、重合度の比較的低いオリゴマー(たとえば、重合度が3程度あるいは3以上のオリゴマー)をも含むものである。
トリアジン構造含有重合体(B)としては、特に限定されないが、導体層に対する密着性の向上効果がより顕著となるという点より、下記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物と、下記一般式(2A)又は(2B)で表される化合物とを縮合反応させることで得られるトリアジン構造含有重合体(B1)が好適である。
Figure 2015168767
上記一般式(1A)及び(1B)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルケニル基、又は炭素数6〜12のアリール基である。また、X,Xは、それぞれ独立して、−H、−OR、−SR、又はNR表される基(R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基である。)であり、好ましくは、−NRで表される基である。さらに、Xは、化学的な単結合、又は、−R−O−R10−、−R11−S−R12−、もしくは−R13−C(=O)−OR14−で表される基(R〜R14は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基)であり、好ましくは、−R11−S−R12−で表される基である。
一方、上記一般式(2A)及び(2B)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、炭素数3〜16のシクロアルケニル基、又は炭素数6〜14のアリール基である。
本発明で用いられるトリアジン構造含有重合体(B1)は、上述したように、上記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物と、上記一般式(2A)又は(2B)で表される化合物とを縮合反応させることにより得られる化合物であり、上記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物に基づく単位は、トリアジン構造の効果により導体層に対する密着強度の向上作用を示し、また、上記一般式(2A)又は(2B)で表される化合物に基づく単位は、ポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)との相溶性を向上させる作用を有するものである。そして、このようなトリアジン構造含有重合体(B1)を用いることにより、得られる電気絶縁層の導体層に対する密着性をより適切に高めることができるものである。
本発明で用いられるトリアジン構造含有重合体(B1)を得る際に、上記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物と、上記一般式(2A)又は(2B)で表される化合物とを縮合反応させる方法としては、特に限定されないが、例えば、上記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物の−OR基、及び上記一般式(2A)又は(2B)で表される化合物の−OR基を加水分解し、得られた一般式(1A)又は(1B)で表される化合物の加水分解物と、一般式(2A)又は(2B)で表される化合物の加水分解物とを、脱水・縮合させる方法が挙げられる。この際における、加水分解反応及び脱水・縮合反応は、公知の方法にしたがって行えばよい。
また、上記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物として、Rや、X、X及びXのいずれかが互いに異なる複数の化合物を用いてもよく、この場合には、上記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物に基づく単位として、X、X及びXのいずれかが互いに異なる複数の単位を、トリアジン構造含有重合体(B1)中に導入することができる。同様に、上記一般式(2A)又は(2B)で表される化合物として、Rが互いに異なる複数の化合物を用いてもよく、この場合には、上記一般式(2A)又は(2B)で表される化合物に基づく単位として、Rが互いに異なる複数の単位を、トリアジン構造含有重合体(B1)中に導入することができる。
このようにして、上記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物と、上記一般式(2A)又は(2B)で表される化合物とを縮合反応させて得られるトリアジン構造含有重合体(B1)は、例えば、下記のような構造単位を有するものと考えられる。すなわち、上記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物に基づく単位として、下記一般式(12)で表される単位を備え、上記一般式(2A)又は(2B)で表される化合物に基づく単位として、下記一般式(13)で表される単位を有するものと考えられる。
Figure 2015168767
ここで、上記一般式(12)中、X〜Xは、上記一般式(1A)、(1B)と同様であり、Yは、R(Rは、上記一般式(1A)、(1B)と同様。)、−OH、もしくは−ORで表される基(Rは、上記一般式(1A)、(1B)と同様。)、又は、上記一般式(12)で表される単位、もしくは上記一般式(13)で表される単位である。すなわち、上記一般式(12)で表される単位においては、上記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物中に存在していた3つ又は2つの−OR基のうち、少なくとも2つが縮合反応に関与し縮合構造を形成し、その一方で、残り得る1つの−OR基については、その一部については、縮合反応に関与せずに、−OH、もしくは−ORで表される基のままとなっており、残部については、縮合反応に関与することで、さらに別の単位(すなわち、上記一般式(12)で表される単位、上記一般式(13)で表される単位)とともに縮合構造を形成していると考えられる。
また、上記一般式(13)中、Rは、上記一般式(2A)、(2B)と同様であり、Yは、R(Rは、上記一般式(2A)、(2B)と同様)、−OH、もしくは−ORで表される基(Rは、上記一般式(2A)、(2B)と同様。)、又は、上記一般式(12)で表される単位、もしくは上記一般式(13)で表される単位である。すなわち、上記一般式(13)で表される単位においても、上記一般式(2A)、(2B)で表される化合物中に存在していた3つもしくは2つの−OR基のうち、少なくとも2つが縮合反応に関与し縮合構造を形成し、その一方で、残り得る1つの−OR基については、その一部については、縮合反応に関与せずに、−OH、もしくは−ORで表される基のままとなっており、残部については、縮合反応に関与することで、さらに別の単位(すなわち、上記一般式(12)で表される単位、上記一般式(13)で表される単位)とともに縮合構造を形成していると考えられる。
本発明で用いられるトリアジン構造含有重合体(B1)中における、上記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物に基づく単位と、上記一般式(2A)又は(2B)で表される化合物に基づく単位との割合は、目的とする導体層に対する密着性と、ポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)に対する相溶性とに応じて適宜設定すればよいが、「上記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物に基づく単位:上記一般式(2A)又は(2B)で表される化合物に基づく単位」のモル比で、好ましくは0.1:99.9〜20:80、より好ましくは5:95〜15:85である。なお、上記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物に基づく単位と、上記一般式(2A)又は(2B)で表される化合物に基づく単位との割合は、縮合反応に用いる上記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物と、上記一般式(2A)又は(2B)で表される化合物との割合を調整することにより、制御することができる。
また、トリアジン構造含有重合体(B)として、上述したトリアジン構造含有重合体(B1)に代えて、あるいは、トリアジン構造含有重合体(B1)とともに、下記一般式(14)で表される単位及び下記一般式(15)で表される単位を有するトリアジン構造含有重合体(B2)を用いてもよい。
Figure 2015168767
上記一般式(14)中、X,Xは、それぞれ独立して、−H、−OR42、−SR43、又はNR4445で表される基(R42〜R45は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基である。)であり、好ましくは、−NR4445で表される基である。また、上記一般式(14)中、Xは、化学的な単結合、又は、−R46−O−R47−、−R48−S−R49−、又はR50−C(=O)−OR51−で表される基(R46〜R51は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基)であり、好ましくは、化学的な単結合である。なお、トリアジン構造含有重合体(B2)は、上記一般式(14)で表される単位として、X、X及びXのいずれかが互いに異なる複数の単位を含有していてもよい。
一方、上記一般式(15)中、X〜X10は、それぞれ独立して、−H、−R52、−OR53、−O−C(=O)−R54、−C(=O)−OR55、又はO−C(=O)−OR56で表される基(R52〜R56は、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルケニル基、又は炭素数6〜12のアリール基である。)である。なお、本発明で用いられるトリアジン構造含有重合体(B2)は、上記一般式(15)で表される単位として、X〜X10のいずれかが互いに異なる複数の単位を含有していてもよい。
本発明で用いられるトリアジン構造含有重合体(B2)は、上述したように、上記一般式(14)で表される単位、及び上記一般式(15)で表される単位を有するものであり、上述したトリアジン構造含有重合体(B1)と同様に、上記一般式(14)で表される単位は、トリアジン構造の効果により導体層に対する密着強度の向上作用を示し、また、上記一般式(15)で表される単位は、ポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)との相溶性を向上させる作用を有するものである。そして、これにより、得られる電気絶縁層の導体層に対する密着性をより適切に高めることができるものである。
本発明で用いられるトリアジン構造含有重合体(B2)中における、上記一般式(14)で表される単位と、上記一般式(15)で表される単位との割合は、目的とする導体層に対する密着性と、ポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)に対する相溶性とに応じて適宜設定すればよいが、「上記一般式(14)で表される単位:上記一般式(15)で表される単位」のモル比で、好ましくは0.01:99.99〜20:80、より好ましくは2:98〜5:95である。また、トリアジン構造含有重合体(B2)の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは2,000〜12,000である。
トリアジン構造含有重合体(B2)は、通常、下記一般式(16)で表される化合物と、下記一般式(17)で表される化合物とを共重合することにより製造することができる。共重合の形式としては、ブロック共重合、ランダム共重合のいずれの形式でもよいが、作用効果がより顕著になるという観点より、ブロック共重合の方が好ましい。なお、上記一般式(14)で表される単位として、X、X及びXのいずれかが互いに異なる複数の単位を含有させる場合には、下記一般式(16)で表される化合物として対応する複数の化合物を用いればよく、同様に、上記一般式(15)で表される単位として、X〜X10のいずれかが互いに異なる複数の単位を含有させる場合には、下記一般式(17)で表される化合物として対応する複数の化合物を用いればよい。
Figure 2015168767
(上記一般式(16)、(17)中、X〜X10は、上記一般式(14)、(15)と同様である。)
本発明の硬化性樹脂組成物中における、トリアジン構造含有重合体(B)の配合量は、ポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜40重量部、より好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜15重量部、特に好ましくは1〜10重量部である。トリアジン構造含有重合体(B)の配合量が少なすぎると、導体層に対する密着性の向上効果が得難くなり、一方、配合量が多すぎると、導体層に対する密着性が低下したり、電気特性や保存安定性が低下したりするおそれがある。
〔硬化剤(C)〕
本発明で用いられる硬化剤(C)としては、加熱や光等により、上述したポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)を硬化し得る化合物であればよく特に限定されないが、上述したポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)のビニル基を重合させ得る化合物であることが好ましく、具体的には、ラジカル発生剤が好ましい。
ラジカル発生剤としては、有機過酸化物や、アゾ化合物などが挙げられるが、反応性等の観点より、有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物としては、ジ−o−メチルベンゾイルパーオキサイド、ジ−p−メチルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド;p−メタンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;ジイソブチルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロへキシル)パーオキシカーボネート、ジ(2−エチルへキシル)パーオキシジカーボネート等パーオキシジカーボネート;t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−へキシルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシー2エチルヘキサノエート、t−へキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルマレイン酸、t−ブチルパ−オキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−へキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−へキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル;n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロへキシル)プロパン、1,1−ジ(t−へキシルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−へキシルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール;等が挙げられるが、これらの有機過酸化物の中でも半減期温度の高さからジアルキルパーオキサイドやハイドロパーオキサイドが好ましい。また、これらの有機過酸化物は1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物中における、硬化剤(C)の配合量は、ポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.02〜1重量部、さらに好ましくは0.05〜0.5重量部である。硬化剤(C)の配合量を上記範囲とすることにより、得られる電気絶縁層の電気特性をより良好なものとすることができる。
〔エラストマー(D)〕
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、上述したポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)、側鎖にトリアジン構造を有する重合体(B)、及び硬化剤(C)に加えて、エラストマー(D)を含有していることが好ましい。エラストマー(D)を含有していることで、得られる電気絶縁層を機械的特性(具体的には、引張強度や引張弾性率)により優れたものとすることができる。
エラストマー(D)としては、ゴムおよび熱可塑性エラストマーが挙げられ、特に限定されないが、重量平均分子量(Mw)が10,000以上である高分子化合物が好ましい。エラストマー(D)を用いることで、得られる電気絶縁層を、機械的特性に優れたものとすることができる。エラストマー(D)の具体例としては、スチレン−ブタジエンランダム共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン(ブタジエン/イソプレン)スチレンブロック共重合体などの芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのランダムまたはブロック共重合体、及び、その部分または完全水素化物;アクリロニトリルブタジエン共重合体及びその部分または完全水素化物;等が挙げられる。ここで、「部分または完全水素化物」とは、共重合体の一部の不飽和結合のみを水素化した部分水素化物と、共重合体の芳香環を含む全ての不飽和結合を水素化した完全水素化物との総称である。エラストマー(D)は単独で用いても、二種類以上を併用してもよい。これらのエラストマー(D)のなかでも、ポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)との相溶性が高く、得られる電気絶縁層の機械的特性の向上効果がより高いという観点より、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体及びその部分または完全水素化物が好ましく、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体及びその部分または完全水素化物がより好ましく、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)及びその部分または完全水素化物がさらに好ましい。
エラストマー(D)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、好ましくは10,000〜500,000、より好ましくは120,000〜300,000である。エラストマー(D)として、重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあるものを用いることにより、エラストマー(D)の添加効果をより高めることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物中における、エラストマー(D)の配合量は、上述したポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)とエラストマー(D)との合計100重量%に対して、好ましくは10〜70重量%の範囲であり、より好ましくは15〜60重量%の範囲、さらに好ましくは20〜50重量%の範囲である。エラストマー(D)の配合量を上記範囲とすることにより、その添加効果をより高めることができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物に、エラストマー(D)を配合する場合には、上述したトリアジン構造含有重合体(B)及び硬化剤(C)の配合量を、ポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)とエラストマー(D)との合計量に対し、以下の範囲とすることが好ましい。すなわち、トリアジン構造含有重合体(B)の配合量を、ポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)とエラストマー(D)との合計100重量部に対し、0.05〜20重量部の範囲とすることが好ましく、0.1〜10重量部の範囲とすることがより好ましい。また、硬化剤(C)の配合量を、ポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)とエラストマー(D)との合計100重量部に対し、0.01〜1重量部の範囲とすることが好ましく、0.02〜0.3重量部の範囲とすることがより好ましい。
〔その他の成分〕
本発明の硬化性樹脂組成物には、本発明の効果の発現を阻害しない範囲で、適宜、上記各成分に加えて、以下に記載するような、その他の成分をさらに含有させてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物に充填剤を配合することにより、得られる電気絶縁層を低線膨張性のものとすることができる。当該充填剤としては、公知の無機充填剤及び有機充填剤のいずれをも用いることができるが、無機充填剤が好ましい。無機充填剤の具体例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、水和アルミナ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、クレーなどを挙げることができる。中でも、電気特性に優れるとの観点でシリカが好ましい。なお、用いる充填剤は、シランカップリング剤等で予め表面処理されたものが好ましい。本発明の硬化性樹脂組成物中の充填剤の含有量としては、特に限定されるものではないが、固形分換算で、通常、30〜90重量%である。
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物には、得られる電気絶縁層の難燃性を向上させる目的で、例えば、ハロゲン系難燃剤やリン酸エステル系難燃剤などの一般の電気絶縁膜形成用の樹脂組成物に配合される難燃剤を適宜配合してもよい。
また、本発明の硬化性樹脂組成物には、さらに所望により、難燃助剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、老化防止剤、紫外線吸収剤(レーザー加工性向上剤)、レベリング剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、天然油、合成油、ワックス、乳剤、磁性体、誘電特性調整剤、靭性剤などの公知の成分を適宜配合してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物の製造方法としては、特に限定されるものではなく、上記各成分を、そのまま混合してもよいし、有機溶剤に溶解もしくは分散させた状態で混合してもよいし、上記各成分の一部を有機溶剤に溶解又は分散させた状態の組成物を調製し、当該組成物に残りの成分を混合してもよい。中でも、上記各成分を有機溶剤に溶解もしくは分散させた状態で混合することが好ましい。
(フィルム)
本発明のフィルムは、上述した本発明の硬化性樹脂組成物をシート状又はフィルム状に成形してなる成形体である。
本発明の硬化性樹脂組成物を、シート状又はフィルム状に成形して成形体とする際には、本発明の硬化性樹脂組成物を、所望により有機溶剤を添加して、支持体に塗布、散布又は流延し、次いで乾燥することより得ることが好ましい。
その際に用いる支持体としては、樹脂フィルムや金属箔などが挙げられる。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアリレートフィルム、ナイロンフィルムなどが挙げられる。これらのフィルムのうち、耐熱性、耐薬品性、及び剥離性などに優れることから、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリエチレンナフタレートフィルムが好ましい。金属箔としては、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、クロム箔、金箔、銀箔などが挙げられる。
シート状又はフィルム状の成形体の厚さは、特に限定されないが、作業性などの観点から、通常、1〜150μm、好ましくは2〜100μm、より好ましくは5〜80μmである。
本発明の硬化性樹脂組成物を塗布する方法としては、ディップコート、ロールコート、カーテンコート、ダイコート、スリットコート、グラビアコートなどが挙げられる。
なお、本発明においては、シート状又はフィルム状の成形体としては、本発明の硬化性樹脂組成物が未硬化又は半硬化の状態であることが好ましい。ここで未硬化とは、成形体を、該組成物の調製に用いたポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)を溶解可能な溶剤に浸けたときに、実質的にポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)の全部が溶解する状態をいう。また、半硬化とは、さらに加熱すれば硬化しうる程度に途中まで硬化された状態であり、好ましくは、該組成物の調製に用いたポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)を溶解可能な溶剤にポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)の一部(具体的には7重量%以上の量であり、かつ、一部が残存するような量)が溶解する状態であるか、又は、溶剤中に成形体を24時間浸漬した後の体積が、浸漬前の体積の200%以上(膨潤率)になる状態をいう。
また、本発明の硬化性樹脂組成物を、支持体上に塗布した後、所望により、乾燥を行ってもよい。乾燥温度は、本発明の硬化性樹脂組成物が完全に硬化しない程度の温度とすることが好ましく、通常、20〜300℃、好ましくは30〜200℃である。乾燥温度が高すぎると、硬化反応が進行しすぎて、得られる成形体が未硬化又は半硬化の状態とならなくなるおそれがある。また、乾燥時間は、通常、30秒間〜1時間、好ましくは1分間〜30分間である。
そして、このようにして得られる本発明のフィルムは、支持体上に付着させた状態で、又は支持体からはがして、使用される。
(プリプレグ)
本発明のプリプレグは、上述した本発明のフィルムに、繊維基材を含んでなるものである。
繊維基材としては、ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維やポリエステル繊維等の有機繊維や、ガラス繊維、カーボン繊維等などの無機繊維が挙げられる。また、繊維基材の形態としては、平織りもしくは綾織りなどの織物の形態、又は不織布の形態等が挙げられる。繊維基材の厚さは5〜100μmが好ましく、10〜50μmの範囲が好ましい。薄すぎると取り扱いが困難となり、厚すぎると相対的に樹脂層が薄くなり配線埋め込み性が不十分になる場合がある。
本発明のプリプレグが、上述した本発明のフィルムに繊維基材を含んでなるものである場合には、本発明のプリプレグは、本発明の硬化性樹脂組成物を、繊維基材に含浸させることにより、製造することができる。この場合において、本発明の硬化性樹脂組成物を、繊維基材に含浸させる方法としては、特に限定されないが、粘度などを調整するために本発明の硬化性樹脂組成物に有機溶剤を添加し、有機溶剤を添加した硬化性樹脂組成物に繊維基材を浸漬する方法、有機溶剤を添加した硬化性樹脂組成物を繊維基材に塗布や散布する方法などが挙げられる。塗布又は散布する方法においては、支持体の上に繊維基材を置いて、これに、有機溶剤を添加した硬化性樹脂組成物を塗布又は散布することができる。なお、本発明においては、シート状又はフィルム状の複合成形体としては、上述したシート状又はフィルム状の成形体と同様に、本発明の硬化性樹脂組成物が未硬化又は半硬化の状態で含有されていることが好ましい。
また、本発明の硬化性樹脂組成物を、繊維基材に含浸させた後、所望により、乾燥を行ってもよい。乾燥温度は、本発明の硬化性樹脂組成物が硬化しない程度の温度とすることが好ましく、通常、20〜300℃、好ましくは30〜200℃である。乾燥温度が高すぎると、硬化反応が進行しすぎて、得られる複合成形体が未硬化又は半硬化の状態とならなくなるおそれがある。また、乾燥時間は、通常、30秒間〜1時間、好ましくは1分間〜30分間である。
また、この際に用いる支持体としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアリレートフィルム、ナイロンフィルムなどの樹脂フィルムや、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、クロム箔、金箔、銀箔などの金属箔が挙げられ、これらは、プリプレグの一方の面だけでなく、両方の面に付いていてもよい。
本発明のプリプレグの厚みは、特に限定されないが、好ましくは10〜100μm、より好ましくは10〜80μm、さらに好ましくは15〜60μmとなるような厚みとすることが好ましい。
本発明のプリプレグを製造する際に、硬化性樹脂組成物を塗布する方法としては、ディップコート、ロールコート、カーテンコート、ダイコート、スリットコート、グラビアコートなどが挙げられる。
また、本発明のプリプレグにおいては、上記した本発明のフィルムと同様に、プリプレグを構成する樹脂組成物が未硬化又は半硬化の状態であることが好ましい。
そして、このようにして得られる本発明のプリプレグは、不活性ガス雰囲気下(例えば、窒素雰囲気下)で、加熱し、硬化させることにより硬化物とすることができる。
硬化温度は、通常、30〜400℃、好ましくは70〜300℃、より好ましくは100〜200℃である。また、硬化時間は、0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間である。加熱の方法は特に制限されず、例えば、電気オーブンなどを用いて行えばよい。
(積層体)
本発明の積層体は、上述した本発明のフィルム又はプリプレグを基材に積層してなるものである。本発明の積層体としては、少なくとも、上述した本発明のフィルム又はプリプレグを積層してなるものであればよいが、表面に導体層を有する基板と、上述した本発明のフィルム又はプリプレグからなる電気絶縁層とを積層してなるものが好ましい。
表面に導体層を有する基板は、電気絶縁性基板の表面に導体層を有するものである。電気絶縁性基板は、公知の電気絶縁材料(例えば、脂環式オレフィン重合体、エポキシ化合物、マレイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル、ガラス等)を含有する樹脂組成物を硬化して形成されたものである。導体層は、特に限定されないが、通常、導電性金属等の導電体により形成された配線を含む層であって、更に各種の回路を含んでいてもよい。配線や回路の構成、厚み等は、特に限定されない。表面に導体層を有する基板の具体例としては、プリント配線基板、シリコンウェーハ基板等を挙げることができる。表面に導体層を有する基板の厚みは、通常、10μm〜10mm、好ましくは20μm〜5mm、より好ましくは30μm〜2mmである。
本発明で用いられる表面に導体層を有する基板は、電気絶縁層との密着性を向上させるために、導体層表面に前処理が施されていることが好ましい。前処理の方法としては、公知の技術を、特に限定されず使用することができる。例えば、導体層が銅からなるものであれば、強アルカリ酸化性溶液を導体層表面に接触させて、導体表面に酸化銅の層を形成して粗化する酸化処理方法、導体層表面を先の方法で酸化した後に水素化ホウ素ナトリウム、ホルマリンなどで還元する方法、導体層にめっきを析出させて粗化する方法、導体層に有機酸を接触させて銅の粒界を溶出して粗化する方法、及び導体層にチオール化合物やシラン化合物などによりプライマー層を形成する方法等が挙げられる。これらのうち、微細な配線パターンの形状維持の容易性の観点から、導体層に有機酸を接触させて銅の粒界を溶出して粗化する方法、及び、チオール化合物やシラン化合物などによりプライマー層を形成する方法が好ましい。
本発明の積層体は、通常、表面に導体層を有する基板上に、上述した本発明のフィルム(すなわち、本発明の硬化性樹脂組成物を、シート状又はフィルム状に成形してなる成形体)、又はプリプレグ(本発明のフィルムに繊維基材を含んでなる複合成形体を加熱圧着することにより、製造することができる。
加熱圧着の方法としては、支持体付きの成形体又は複合成形体を、上述した基板の導体層に接するように重ね合わせ、加圧ラミネータ、プレス、真空ラミネータ、真空プレス、ロールラミネータなどの加圧機を使用して加熱圧着(ラミネーション)する方法が挙げられる。加熱加圧することにより、基板表面の導体層と成形体又は複合成形体との界面に空隙が実質的に存在しないように結合させることができる。前記成形体又は複合成形体は、通常、未硬化又は半硬化の状態で基板の導体層に積層されることになる。
加熱圧着操作の温度は、通常、30〜250℃、好ましくは50〜200℃、より好ましくは70〜120℃である。温度が低すぎると基板への密着性が不十分であったり、配線パターンへの埋め込み性が不十分で平坦にならない場合がある。一方、温度が高すぎると硬化が進行してしまい密着性が不十分であったり平坦にならない場合がある。加熱圧着操作で加える圧力は、通常、10kPa〜20MPa、好ましくは100kPa〜10MPaであり、時間は、通常、30秒〜5時間、好ましくは1分〜3時間である。また、加熱圧着は、配線パターンの埋め込み性を向上させ、気泡の発生を抑えるために減圧下で行うのが好ましい。加熱圧着を行う減圧下の圧力は、通常100kPa〜1Pa、好ましくは40kPa〜10Paである。
(硬化物)
本発明の硬化物は、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化してなるものであり、当該組成物で構成される、本発明のフィルム、プリプレグ、及び積層体を硬化してなるいずれのものも含まれる。硬化は、後述する硬化条件にて、本発明の硬化性樹脂組成物やフィルム等を適宜加熱することで行うことができる。
例えば、本発明の積層体については、それを構成する、本発明のフィルム又はプリプレグを硬化する処理を行なうことで、硬化物とすることができる。硬化は、通常、導体層上に、本発明のフィルム又はプリプレグが形成された基板全体を、不活性ガス雰囲気下(例えば、窒素雰囲気下)で、加熱することにより行う。また、本発明のフィルム又はプリプレグを導体層と他の導体層との間に挟んで加熱することにより行うこともできる。硬化は、上述した加熱圧着操作と同時に行うことができる。また、まず加熱圧着操作を硬化の起こらない条件、すなわち比較的低温、短時間で行った後、硬化を行ってもよい。
また、電気絶縁層の平坦性を向上させる目的や、電気絶縁層の厚みを増す目的で、基板の導体層上に本発明のフィルム又はプリプレグを2以上接して貼り合わせて積層してもよい。
硬化温度は、通常、30〜400℃、好ましくは70〜300℃、より好ましくは100〜200℃である。また、硬化時間は、通常、0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間である。加熱の方法は特に制限されず、例えば電気オーブンなどを用いて行えばよい。
(複合体)
本発明の複合体は、上述した、本発明の硬化物の表面に導体層を形成してなるものである。
例えば、本発明の積層体が多層基板を形成する場合、本発明の複合体は、該積層体の電気絶縁層上に、さらに別の導体層を形成してなるものである。かかる導体層としては金属めっき又は金属箔を使用することができる。金属めっきの方法は、スパッタリングや蒸着などの乾式めっきでも、無電解めっきや電解めっきなどの湿式めっきでもよい。金属めっきに用いる材料としては、金、銀、銅、ロジウム、パラジウム、ニッケル又はスズ等、金属箔としては前述のフィルム又はプリプレグの支持体として使用されるものが挙げられる。なお、本発明においては、導体層としては金属めっきを使用する方法が、微細配線が可能であるという点で好ましく、密着性に優れる導体層を形成できるという観点より、無電解めっき法により行なうことがより好ましい。以下、本発明の複合体の製造方法を、本発明の複合体の一例として、導体層として金属めっきを用いた多層回路基板を例示して、説明する。
まず、積層体に、電気絶縁層を貫通するビアホールやスルーホールを形成する。ビアホールは、多層回路基板とした場合に、多層回路基板を構成する各導体層を連結するために形成される。ビアホールやスルーホールは、フォトリソグラフィ法のような化学的処理により、又は、ドリル、レーザー、プラズマエッチングなどの物理的処理などにより形成することができる。これらの方法の中でもレーザーによる方法(炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー、UV−YAGレーザーなど)は、より微細なビアホールを電気絶縁層の特性を低下させずに形成できるので好ましい。
次に、積層体の電気絶縁層(すなわち、本発明の硬化物)の表面を、粗化する表面粗化処理を行う。表面粗化処理は、電気絶縁層上に形成する導体層との接着性を高めるために行う。
表面粗化処理方法としては、特に限定されないが、電気絶縁層表面と酸化性化合物とを接触させる方法などが挙げられる。
次いで、積層体の電気絶縁層について表面粗化処理を行った後、電気絶縁層の表面及び/またはビアホールやスルーホールの内壁面に、前記の金属めっきにより導体層を形成する。
以上のようにして得られた複合体を、上述した積層体を製造するための基板とし、これを上述した成形体又は複合成形体とを加熱圧着し、硬化して電気絶縁層を形成し、必要に応じさらにこの上に、上述した方法に従い、導体層の形成を行い、これらを繰り返すことにより、更なる多層化を行うことができ、これにより所望の多層回路基板とすることができる。
このようにして得られる本発明の複合体(及び本発明の複合体の一例としての多層回路基板)は、本発明の硬化性樹脂組成物からなる電気絶縁層(本発明の硬化物)を有してなり、該電気絶縁層は、電気特性、及び導体層との密着性に優れているため、本発明の複合体(及び本発明の複合体の一例としての多層回路基板)は、各種用途に好適に用いることができる。
(電子材料用基板)
本発明の電子材料用基板は、上述した本発明の硬化物又は複合体からなるものである。このような本発明の硬化物又は複合体からなる本発明の電子材料用基板は、携帯電話機、PHS、ノート型パソコン、PDA(携帯情報端末)、携帯テレビ電話機、パーソナルコンピューター、スーパーコンピューター、サーバー、ルーター、液晶プロジェクタ、エンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置などの各種電子機器に好適に用いることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、各例中の「部」及び「%」は、特に断りのない限り、重量基準である。各種の物性については、以下の方法に従って評価した。
(1)重合体の重量平均分子量(Mw)
テトラヒドロフランを展開溶媒として、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン換算値として求めた。
(2)比誘電率
硬化性樹脂組成物のフィルム状硬化物から幅2.0mm、長さ80mm、厚さ40μmの小片を切り出し、空洞共振器摂動法誘電率測定装置を用いて10GHzにおける比誘電率の測定を行なった。
(3)誘電正接
硬化性樹脂組成物のフィルム状硬化物から幅2.0mm、長さ80mm、厚さ40μmの小片を切り出し、空洞共振器摂動法誘電率測定装置を用いて10GHzにおける誘電正接の測定を行なった。
(4)銅箔の剥離強度(銅箔の密着性)
厚さ35μmの電解銅箔の表面をエッチング剤(商品名「CZ−8101」、メック社製)で0.5μmエッチングした。得られた電解銅箔のエッチング処理面に、硬化性樹脂組成物のフィルム成形体の樹脂層側の面が接するように積層し、真空ラミネータにて、真空度1kPa以下、90℃、30秒間、圧力0.7MPaの条件で加熱圧着した。次に、フィルム成形体の前記樹脂層と反対側の面から支持体を剥がし、現れた樹脂層の表面に、前記エッチング剤で約2μmエッチングしたガラスエポキシ銅張積層板(FR−4)のエッチング処理面を重ね、真空ラミネータにて前記と同条件で加熱圧着した。そのようにして得られた複合成形体をオーブンにて、窒素フロー下において195℃まで60分間かけて昇温させた後、窒素フロー下において、195℃で15分間加熱することにより積層体硬化物を得た。得られた積層体硬化物からの銅箔の引きはがし強さをJIS C6481に準じて測定した。
製造例1
下記式(18)で表されるジアミノトリアジン構造含有シラン化合物3.47部、及び下記式(19)で表されるノルボルネン構造含有シラン化合物21.2部を用いて、アルコキシシランの加水分解と脱水縮合反応の方法により、これらを加水分解し、得られた加水分解物を、脱水縮合させることで、ジアミノトリアジン構造含有シラン化合物/ノルボルネン構造含有シラン化合物縮合体を得た。得られた共重合体について、元素分析により組成比を測定したところ、ジアミノトリアジン構造含有シラン化合物に基づく単位=10モル%、ノルボルネン構造含有シラン化合物に基づく単位=90モル%であった。また、重量平均分子量は942であった。
Figure 2015168767
Figure 2015168767
実施例1
(硬化性樹脂組成物の調製)
ポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)としての両末端スチリル基変性ポリフェニレンエーテルオリゴマー(商品名「OPE−2St1200」、三菱瓦斯化学社製、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチルビフェニル−4,4’−ジオール・2,6−ジメチルフェノール重縮合物とクロロメチルスチレンとの反応生成物、数平均分子量(Mn)=1200、60%トルエン溶液)117部(両末端スチリル基変性ポリフェニレンエーテルオリゴマーとして、70部)、エラストマー(D)としてのスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(商品名「Quintac3390」、日本ゼオン社製、重量平均分子量(Mw)=120,000、スチレン単位含有量=48%)30部、トリアジン構造含有重合体(B)としての上記製造例1で得られたジアミノトリアジン構造含有シラン化合物/ノルボルネン構造含有シラン化合物縮合体1.1部、硬化剤(C)としてのジクミルパーオキサイド(商品名「パーカドックス BC−FF」、化薬アクゾ社製)0.07部、及びトルエン52部を混合し、遊星式攪拌機で5分間攪拌して硬化性樹脂組成物のワニスを得た。
(フィルム成形体の作製)
次いで、上記にて得られた硬化性樹脂組成物のワニスを、ダイコーターを用いて、縦300mm×横300mmの大きさで厚さが38μm、表面に離型剤層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム〔支持体:ユニピールTR6、ユニチカ社製〕上に塗工し、次いで、窒素雰囲気下、80℃で5分間乾燥し、支持体上に厚さ43μmの硬化性樹脂組成物のフィルム成形体を得た。得られたフィルム成形体を用い、上記方法に従って、銅箔の剥離強度の測定を行った。結果を表1に示す。
(フィルム状硬化物の作製)
次いで、厚さ10μmの銅箔に、得られた硬化性樹脂組成物のフィルム成形体から切り出した小片を、支持体が付いた状態で、硬化性樹脂組成物が内側になるようにして、耐熱性ゴム製プレス板を上下に備えた真空ラミネータを用い、200Paに減圧して、温度110℃、圧力0.1MPaで60秒間加熱圧着積層し、窒素フロー下において、195℃まで、60分間かけて昇温させた後、窒素フロー下において、195℃で、15分間の条件で加熱硬化した。硬化後、銅箔付き硬化樹脂を切り出し、銅箔を1mol/Lの過硫酸アンモニウム水溶液にて溶解し、フィルム状の硬化物を得た。得られたフィルム状硬化物を用いて、上記方法に従って、比誘電率及び誘電正接の測定を行った。結果を表1に示す。
実施例2
硬化性樹脂組成物を調製する際に、表面処理シリカ(商品名「SFP−20M」、電気化学工業社製、平均粒子径0.3μm、メタクリルシランカップリング剤処理品)100部をさらに配合するとともに、トルエンの配合量を52部から100部に変更した以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物のワニス、フィルム成形体及びフィルム状硬化物を得て、同様に測定、評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
硬化性樹脂組成物を調製する際に、上記製造例1で得られたジアミノトリアジン構造含有シラン化合物/ノルボルネン構造含有シラン化合物縮合体を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物のワニス、フィルム成形体及びフィルム状硬化物を得て、同様に測定、評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
硬化性樹脂組成物を調製する際に、上記製造例1で得られたジアミノトリアジン構造含有シラン化合物/ノルボルネン構造含有シラン化合物縮合体を配合しなかった以外は、実施例2と同様にして、硬化性樹脂組成物のワニス、フィルム成形体及びフィルム状硬化物を得て、同様に測定、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2015168767
表1に示すように、本発明の硬化性樹脂組成物によれば、比誘電率及び誘電正接が低く、電気特性に優れ、銅箔の剥離強度が高く、導体層に対する密着性に優れたフィルム状硬化物が得られる(実施例1,2)。したがって、本発明の硬化性樹脂組成物によれば、そのような優れた特性を有する電気絶縁層を形成可能であることが分かる。特に、実施例2の結果より、シリカ等の充填剤を比較的多く配合した場合でも、導体層に対して優れた密着性を示すことが分かる。
一方、本発明所定のトリアジン構造含有重合体(B)を配合しない場合には、得られるフィルム状硬化物は、銅箔の剥離強度が低く、導体層に対する密着性に劣り、特に、シリカ等の充填剤を配合した場合に、密着性の低下が顕著となる結果となった(比較例1,2)。

Claims (11)

  1. 末端が芳香族ビニル基で変性されたポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)、トリアジン構造を有する重合体(B)、及び硬化剤(C)を含む硬化性樹脂組成物。
  2. さらにエラストマー(D)を含有する請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記重合体(B)が、下記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物と、下記一般式(2A)又は(2B)で表される化合物とを縮合反応させることで得られる重合体である請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
    Figure 2015168767
    [上記一般式(1A)及び(1B)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルケニル基、又は炭素数6〜12のアリール基であり、X,Xは、それぞれ独立して、−H、−OR、−SR、又はNRで表される基(R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基である。)であり、Xは、化学的な単結合、又は、−R−O−R10−、−R11−S−R12−、もしくは−R13−C(=O)−OR14−で表される基(R〜R14は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基)である。)であり、
    上記一般式(2A)及び(2B)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルケニル基、又は炭素数6〜12のアリール基であり、
    前記重合体は、上記一般式(1A)又は(1B)で表される化合物及び上記一般式(2A)又は(2B)で表される化合物の一方あるいは両方として、それぞれ異なる構造を有する化合物を2以上用いて、縮合反応させたものであってもよい。]
  4. 前記ポリフェニレンエーテルオリゴマー(A)が、下記一般式(3)で表される化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
    Figure 2015168767
    Figure 2015168767
    (上記一般式(3)中、R15〜R21は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基である。上記一般式(3)中、−[O−Z−O]−は、上記一般式(4)又は上記一般式(5)で表される1種類の構造、あるいは2種類以上の構造であり、上記一般式(4)、(5)中、R22、R23、R24、R28、R29、R30、R31、R36、R37は、互いに独立に、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、R25、R26、R27、R32、R33、R34、R35は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基である。上記一般式(5)中、Aは、炭素数20以下の直鎖状、分岐状、又は環状の炭化水素である。上記一般式(3)中、−[Z−O]−は、上記一般式(6A)で表される1種類の構造、あるいは上記一般式(6A)で表される2種類以上の構造がランダムに配列したものであり、−[O−Z]−は、上記一般式(6B)で表される1種類の構造、あるいは上記一般式(6B)で表される2種類以上の構造がランダムに配列したものである。上記一般式(6A)、(6B)中、R38、R39は、互いに独立に、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基であり、R40、R41は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基である。上記一般式(3)中、Zは、炭素数1以上の有機基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含むこともある。上記一般式(3)中、a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜30の整数であり、c,dは、0又は1である。)
  5. 前記エラストマー(D)が、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体、又は該共重合体の水素化物である請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物からなるフィルム。
  7. 請求項6に記載のフィルムと、繊維基材と、からなるプリプレグ。
  8. 請求項6に記載のフィルム又は請求項7に記載のプリプレグを、基材に積層してなる積層体。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物、請求項6に記載のフィルム、請求項7に記載のプリプレグ、又は請求項8に記載の積層体を硬化してなる硬化物。
  10. 請求項9に記載の硬化物の表面に導体層を形成してなる複合体。
  11. 請求項9に記載の硬化物又は請求項10に記載の複合体を構成材料として含む電子材料用基板。
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