JP2015167884A - 処理水製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、簡易な構成で、陰イオン交換樹脂のイオン交換能力の低下が、経年劣化によるものか、あるいは再生不良によるものかを区別して判断できる処理水製造装置を提供することを目的とする。【解決手段】陽イオン交換塔11Aと、陰イオン交換塔11Bと、からなり、原水W11を導入することによって処理水W13を製造するイオン交換装置11と、処理水W13の電気伝導率又は比抵抗を測定する第1測定部14と、処理水W13のシリカ濃度を測定する第2測定部15と、第1測定部14及び第2測定部15を制御する制御部16と、を備え、制御部16は、電気伝導率又は比抵抗を測定するように第1測定部14を制御し、電気伝導率又は比抵抗が所定の範囲外の値であると判断すると、シリカ濃度を測定するように第2測定部15を制御し、シリカ濃度が所定の範囲外であると判断すると、異常報知準備信号を出力する第1制御を行う処理水製造装置。【選択図】図1

Description

本発明は、陽イオン交換樹脂が収容された陽イオン交換塔と、陰イオン交換樹脂が収容された陰イオン交換塔とからなるイオン交換装置を備えた処理水製造装置に関する。
従来より、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を有するイオン交換装置と、このイオン交換装置で製造された処理水のシリカ濃度を測定するシリカ計と、を備えた処理水製造装置が知られている(特許文献1参照)。このような処理水製造装置においては、シリカ計で処理水のシリカ濃度を測定し、測定されたシリカ濃度に基づいてイオン交換装置の再生の要否を判断している。
また、陰イオン交換体を有するイオン交換装置と、このイオン交換装置で製造された処理水の炭酸濃度を測定する炭酸濃度測定計と、を備えた処理水製造装置が知られている(特許文献2参照)。この処理水製造装置においては、炭酸濃度測定計で処理水の炭酸濃度を測定し、測定された炭酸濃度に基づいてイオン交換装置の再生の要否を判断している。
特開平8−24852号公報 特開2013−208566号公報
イオン交換装置内のイオン交換樹脂は、処理水を製造するにつれて、イオン交換能力(交換容量)が低下する。イオン交換能力が低下したイオン交換樹脂は、適切に再生処理されることにより、元のイオン交換能力を持つ状態に可逆的に戻される。
しかし、イオン交換能力が低下したイオン交換樹脂は、適切に再生処理されず、再生不良となった結果、元のイオン交換能力を持つ状態に戻されないことがある。また、イオン交換樹脂は、再生不良以外の要因によって経年劣化し、イオン交換能力のベース値(再生直後の交換容量)が不可逆的に低下することがある。特に、陰イオン交換樹脂は、陽イオン交換樹脂に比べて、再生不良以外の要因による経年劣化が起こりやすい。
陰イオン交換樹脂の経年劣化の主な要因としては、例えば、残留塩素等の酸化剤の存在によるイオン交換基の酸化分解、高温流体との接触によるイオン交換基の熱分解、通水−再生サイクルの繰り返しに伴う磨耗や破砕流失などがある。このような要因で経年劣化した陰イオン交換樹脂は、適切に再生処理されたとしても、イオン交換能力のベース値が元の状態に戻らない。
イオン交換能力のベース値が許容できないレベルまで低下した陰イオン交換樹脂は、早期に交換を必要とするが、再生不良時にも見掛け上はイオン交換能力のベース値が低下した状態となっているため、経年劣化と再生不良を区別して判断するのは、一般に困難である。しかしながら、イオン交換装置のメンテナンスを行う上では、陰イオン交換樹脂の経年劣化(不可逆的なイオン交換能力の低下)と再生不良(可逆的なイオン交換能力の低下)を区別して判断できれば、非常に有用である。
本発明は、簡易な構成で、陰イオン交換樹脂のイオン交換能力の低下が、経年劣化によるものか、あるいは再生不良によるものかを区別して判断できる処理水製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、陽イオン交換樹脂が収容された陽イオン交換塔と、陰イオン交換樹脂が収容された陰イオン交換塔と、からなり、原水を導入することによって処理水を製造するイオン交換装置と、前記イオン交換装置で製造された処理水の電気伝導率又は比抵抗を測定する第1測定部と、前記イオン交換装置で製造された処理水のシリカ濃度を測定する第2測定部と、前記第1測定部及び前記第2測定部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、電気伝導率又は比抵抗を測定するように前記第1測定部を制御し、前記第1測定部で測定された電気伝導率又は比抵抗が所定の範囲外の値であると判断すると、シリカ濃度を測定するように前記第2測定部を制御し、前記第2測定部で測定されたシリカ濃度が所定の範囲外であると判断すると、異常報知準備信号を出力する第1制御を行う処理水製造装置に関する。
また、前記イオン交換装置に原水を導入することにより処理水を製造する水処理モードと、前記陽イオン交換塔及び前記陰イオン交換塔のそれぞれに再生液を導入することにより前記陰イオン交換樹脂及び前記陽イオン交換樹脂を再生させる再生モードと、を有する流通手段を備え、前記制御部は、前記流通手段が前記水処理モードである場合に、前記第1制御を行い、前記第2測定部がシリカ濃度を測定した後、前記流通手段が前記再生モードに移行するように前記流通手段を制御する第2制御を行い、前記流通手段が前記再生モードである場合に、所定の移行条件に基づいて、前記流通手段が前記水処理モードに移行するように前記流通手段を制御する第3制御を行うことが好ましい。
また、前記制御部は、前記第1制御、前記第2制御及び前記第3制御を繰り返し行うことにより、前記流通手段が前記水処理モードと前記再生モードとを交互に繰り返すように前記流通手段に対して制御を行い、前記異常報知準備信号の出力が連続して所定回数行われると、第1異常報知信号を出力することが好ましい。
また、前記制御部は、前記異常報知準備信号の出力が前記所定回数に達する前に途絶した場合には、第2異常報知信号を出力することが好ましい。
本発明によれば、簡易な構成で、陰イオン交換樹脂のイオン交換能力の低下が、経年劣化によるものか、あるいは再生不良によるものかを区別して判断できる処理水製造装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る処理水製造装置1の概略構成図である。 処理水製造装置1の動作の前半を示すフローチャートである。 処理水製造装置1の動作の後半を示すフローチャートである。 シリカ濃度センサ15の全体構成を示す図である。 検査水W101のシリカ濃度が0mgSiO/L(蒸留水)と0.1mgSiO/Lと0.2mgSiO/Lの場合において、試薬添加開始からの経過時間と、検査水W101の吸光度と、の関係を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態の処理水製造装置1を示す概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態の処理水製造装置1は、陽イオン交換塔11A及び陰イオン交換塔11Bからなるイオン交換装置11と、陽イオン交換塔流路切換弁12A及び陰イオン交換塔流路切換弁12Bからなる流通手段12と、陽イオン交換樹脂用再生液タンク13A及び陰イオン交換樹脂用再生液タンク13Bからなる再生液タンク13と、第1測定部としての電気伝導率計14と、第2測定部としてのシリカ濃度センサ15と、制御部16と、を備える。本実施形態におけるイオン交換装置11は、いわゆる2床2塔式のイオン交換装置である。
また、処理水製造装置1は、原水供給ラインL11と、通水ラインL12と、処理水ラインL13と、陽イオン交換樹脂用再生液供給ラインL14と、陽イオン交換樹脂用再生液排出ラインL15と、陰イオン交換樹脂用再生液供給ラインL16と、陰イオン交換樹脂用再生液排出ラインL17と、を備える。なお、「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
原水供給ラインL11には、原水W11が流通する。原水供給ラインL11の下流側端部は、陽イオン交換塔流路切換弁12Aに接続されている。原水供給ラインL11の上流側端部は、原水供給部(不図示)に接続されている。
通水ラインL12には、陽イオン交換塔11Aから陽イオン交換塔流路切換弁12Aを介して排出される陽イオン除去水W12が流通する。通水ラインL12の上流側端部は、陽イオン交換塔流路切換弁12Aに接続され、通水ラインL12の下流側端部は、陰イオン交換塔流路切換弁12Bに接続されている。
処理水ラインL13には、陰イオン交換塔11Bから陰イオン交換塔流路切換弁12Bを介して排出される処理水W13(純水、脱塩水)が流通する。処理水ラインL13の上流側端部は、陰イオン交換塔流路切換弁12Bに接続され、処理水ラインL13の下流側端部は、例えば、処理水W13の需要箇所(不図示)に接続される。
陽イオン交換樹脂用再生液供給ラインL14には、陽イオン交換樹脂用再生液W14が流通する。陽イオン交換樹脂用再生液供給ラインL14の上流側端部は、陽イオン交換樹脂用再生液タンク13Aに接続され、陽イオン交換樹脂用再生液供給ラインL14の下流側端部は、陽イオン交換塔流路切換弁12Aに接続されている。陽イオン交換樹脂用再生液排出ラインL15には、陽イオン交換樹脂の再生に使用された後の廃液W15が流通する。陽イオン交換樹脂用再生液排出ラインL15の上流側端部は、陽イオン交換塔流路切換弁12Aに接続されている。陽イオン交換樹脂用再生液排出ラインL15の下流側端部は、再生液排出部(不図示)に接続されている
陰イオン交換樹脂用再生液供給ラインL16には、陰イオン交換樹脂用再生液W16が流通する。陰イオン交換樹脂用再生液供給ラインL16の上流側端部は、陰イオン交換樹脂用再生液タンク17に接続され、陰イオン交換樹脂用再生液供給ラインL16の下流側端部は、陰イオン交換塔流路切換弁12Bに接続されている。陰イオン交換樹脂用再生液排出ラインL17には、陰イオン交換樹脂の再生に使用された後の廃液W17が流通する。陰イオン交換樹脂用再生液排出ラインL17の上流側端部は、陰イオン交換塔流路切換弁12Bに接続されている。陰イオン交換樹脂用再生液排出ラインL17の下流側端部は、再生液排出部(不図示)に接続されている
電気伝導率計14は、接続部J1において処理水ラインL13に接続されている。シリカ濃度センサ15は、接続部J2において処理水ラインL13に接続されている。接続部J2は、接続部J1よりも下流側に位置する。
制御部16は、陽イオン交換塔流路切換弁12A、陰イオン交換塔流路切換弁12B、電気伝導率計14及びシリカ濃度センサ15に電気的に接続されている。図1において、電気的な接続の経路は、破線で示されている。
陽イオン交換塔11Aは、陽イオン交換樹脂からなるイオン交換樹脂床(不図示)を収容した圧力タンクで構成されている。原水供給ラインL11を介して原水W11が陽イオン交換塔11Aに導入された場合、陽イオン交換塔11Aは、導入された原水W11から陽イオンを除去し、原水W11から陽イオンを除去したものを陽イオン除去水W12として通水ラインL12に流通させる。また、陽イオン交換樹脂用再生液供給ラインL14を介して陽イオン交換樹脂用再生液W14が陽イオン交換塔11Aに導入された場合、陽イオン交換樹脂は再生される。
陰イオン交換塔11Bは、陰イオン交換樹脂からなるイオン交換樹脂床(図示せず)を収容した圧力タンクで構成されている。通水ラインL12を介して陽イオン除去水W12が陰イオン交換塔11Bに導入された場合、陰イオン交換塔11Bは、陽イオン除去水W12から陰イオンを除去し、陽イオン除去水W12から陰イオンを除去したものを処理水W13(純水、脱塩水)として処理水ラインL13に流通させる。また、陰イオン交換樹脂用再生液供給ラインL16を介して陰イオン交換樹脂用再生液W16が陰イオン交換塔11Bに導入された場合、陰イオン交換樹脂は再生される。
陰イオン交換塔11Bは、陽イオン交換塔11Aの陽イオン除去能力が喪失(すなわち、陽イオン吸着量が飽和)した時点では、まだ陰イオン除去能力が喪失(すなわち、陰イオン吸着量が飽和)しないように設計されている。すなわち、陰イオン交換塔11Bの陰イオン除去能力は、陽イオン交換塔11Aの陽イオン除去能力に比べて、余裕を持ったイオン交換能力になるように設計されている。上述したように、陰イオン交換樹脂は、陽イオン交換樹脂に比べて経年劣化しやすい。そのため、例えば、陰イオン交換塔11Bの陰イオン交換樹脂の量は、陽イオン交換塔11Aの陽イオン交換樹脂の量よりも多くされている。
陽イオン交換樹脂用再生液タンク13Aには、陽イオン交換塔11Aの陽イオン交換樹脂の再生液として、例えば塩酸や硫酸等の無機酸が貯留されている。
陰イオン交換樹脂用再生液タンク13Bには、陰イオン交換塔11Bの陰イオン交換樹脂の再生液として、例えば水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液が貯留されている。
陽イオン交換塔流路切換弁12Aは、原水供給ラインL11を介して、陽イオン交換塔11Aに原水W11を導入し、陽イオン除去水W12を通水ラインL12に流通させる流路と、陽イオン交換樹脂用再生液供給ラインL14を介して、陽イオン交換塔11Aに陽イオン交換樹脂用再生液W14を導入し、陽イオン交換塔11Aの陽イオン交換樹脂を再生させる流路と、を切換え可能な弁である。
陰イオン交換塔流路切換弁12Bは、通水ラインL12を介して、陰イオン交換塔11Bに陽イオン除去水W12を導入し、処理水W13を処理水ラインL13に流通させる流路と、陰イオン交換樹脂用再生液供給ラインL16を介して、陰イオン交換塔11Bに陰イオン交換樹脂用再生液W16を導入し、陰イオン交換塔11Bの陰イオン交換樹脂を再生させる流路と、を切換え可能な弁である。
陽イオン交換塔流路切換弁12A及び陰イオン交換塔流路切換弁12Bは、イオン交換装置11に原水W11を導入することにより処理水W13を製造する水処理モードと、陽イオン交換塔11A及び陰イオン交換塔11Bのそれぞれに陽イオン交換樹脂用再生液W14及び陰イオン交換樹脂用再生液W16を導入することにより陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を再生させる再生モードと、を有する流通手段として機能する。
電気伝導率計14は、処理水ラインL13を流通する処理水W13の電気伝導率を測定し、測定した電気伝導率の値E1を制御部16に出力する計測器である。
シリカ濃度センサ15は、処理水ラインL13を流通する処理水W13のシリカ濃度を測定し、測定したシリカ濃度の値F1を制御部16に出力する計測器である。シリカ濃度センサ15の具体的な構成については、図4及び図5を用いて後述する。
制御部16は、電気伝導率計14、シリカ濃度センサ15、陽イオン交換塔流路切換弁12A及び陰イオン交換塔流路切換弁12Bを制御する。制御部16は、電気伝導率計14から出力された電気伝導率の値E1及びシリカ濃度センサ15から出力されたシリカ濃度の値F1に基づいて、異常報知準備信号(異常を報知する準備をするために使用するフラグ信号)、第1異常報知信号(経年劣化による不可逆的なイオン交換能力の低下を報知する信号)又は第2異常報知信号(再生不良による可逆的なイオン交換能力の低下を報知する信号)を出力することが可能である。また、制御部16は、カウンタ(不図示)有している。カウンタの値の初期値は0である。制御部16は、異常報知準備信号を出力した場合に、カウンタの値を1増加させ、第2異常報知信号を出力した場合に、カウンタの値を0にリセットする。(具体的な制御については、図2及び図3を使用して後述する。)
次に、一実施形態の処理水製造装置1の動作について、図2及び図3のフローチャートを参照しながら説明する。図2は、処理水製造装置1の動作の前半を示すフローチャートである。図3は、処理水製造装置1の動作の後半を示すフローチャートである。
図2に示すように、ステップST101において、制御部16は、陽イオン交換塔流路切換弁12A及び陰イオン交換塔流路切換弁12Bを水処理モードで動作させる。原水W11は、原水供給ラインL11及び陽イオン交換塔流路切換弁12Aを介して陽イオン交換塔11Aに導入される。導入された原水W11は、陽イオン交換塔11Aによって陽イオンが除去され、陽イオン除去水W12として通水ラインL12を流通する。陽イオン除去水W12は、通水ラインL12及び陰イオン交換塔流路切換弁12Bを介して陰イオン交換塔11Bに導入される。導入された陽イオン除去水W12は、陰イオン交換塔11Bによって陰イオンが除去され、処理水W13(純水、脱塩水)として処理水ラインL13を流通する。
ステップST102において、制御部16は、電気伝導率計14から電気伝導率の値E1を取得する。具体的には、制御部16は、所定の時間間隔で処理水ラインL13を流通する処理水W13の電気伝導率を測定するように、電気伝導率計14を制御する。制御部16は、電気伝導率計14から出力される電気伝導率の値E1を取得する。
ステップST103において、制御部16は、電気伝導率の値E1と、予め設定・保持しておいた所定の電気伝導率の値E0とを比較する。制御部16により、E1>E0であると判定された場合に、処理はステップST104へ移行する。また、ステップST103において、制御部16により、E1>E0でないと判定された場合に、処理はステップST102へ戻り、水処理モードでの動作を継続する。なお、所定の電気伝導率の値E0は、処理水W13において許容可能とされる溶存イオンの最大量に対応する電気伝導率の値である。所定の電気伝導率の値E0は、需要箇所での処理水W13の要求品質に応じて決定され、例えば1μS/cmに設定される。
ステップST104において、制御部16は、シリカ濃度センサ15からシリカ濃度の値F1を取得する。具体的には、制御部16は、処理水ラインL13を流通する処理水W13のシリカ濃度を測定するようにシリカ濃度センサ15を制御する。制御部16は、シリカ濃度センサ15から出力されるシリカ濃度の値F1を取得する。その後、処理は、図3に示すステップST105へ移行する。
図3に示すように、ステップST105において、制御部16は、シリカ濃度の値F1と、予め設定・保持しておいた所定のシリカ濃度の値F0とを比較する。制御部16により、F1>F0であると判定された場合に、処理はステップST106へ移行する。また、ステップ105において、制御部16により、F1>F0でないと判断された場合に、処理はステップST112へ移行する。なお、所定のシリカ濃度の値F0は、処理水W13において許容可能とされるシリカ濃度の値である。所定のシリカ濃度の値F0は、需要箇所での処理水W13の要求品質に応じて決定され、例えば0.5mgSiO/Lに設定される。
ステップST106において、制御部16は、異常報知準備信号(フラグ信号)を出力する。
ステップST107において、制御部16は、ステップST106でのフラグ信号の出力を受けて、カウンタの値を1増加させる。
ステップST108において、制御部16は、カウンタの値と、予め設定・保持しておいた所定回数(例えば、3回)とを比較する。制御部16により、カウンタの値≧3であると判定された場合に、処理はステップST109へ移行する。制御部16により、カウンタの値≧3でないと判定された場合に、処理はステップST110へ移行する。なお、所定回数の値は、処理水製造装置1の管理状況(例えば、再生液の補充に係る管理状況)を鑑みて再生不良が連続して発生し得る上限回数(例えば、2回)を予測し、その回数を超える数値(例えば、3回)に設定される。
ステップST109において、制御部16は、第1異常報知信号を出力する。前述したように、第1異常報知信号は、経年劣化による不可逆的なイオン交換能力の低下を報知する信号である。
ステップST110において、制御部16は、陽イオン交換塔流路切換弁12A及び陰イオン交換塔流路切換弁12Bを再生モードで動作させる。すなわち、ステップST110において、制御部16は、イオン除去能力が喪失したイオン交換樹脂を再生させるために、陽イオン交換塔11A及び陰イオン交換塔11Bのそれぞれに再生液を導入させる。
ステップST111において、制御部16は、所定の移行条件を満たすか否か、例えば、再生工程、押出工程及びリンス工程からなる一連の再生動作を完了したか否かを判断する。制御部16により、所定の移行条件が満たされていないと判断された場合に、処理はステップST111へ戻り、再生モードでの動作を継続する。陽イオン交換塔11Aの陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換塔11Bの陰イオン交換樹脂は、所定の移行条件が満たされるまで再生処理され、元のイオン交換能力に戻される。
制御部16により、所定の移行条件を満たすと判定された場合に、処理はステップST101へリターンし、再び水処理モードでの動作を開始する。
ステップST112(ステップST105:NO判定)以降について説明する。ステップST112において、制御部16は、カウンタの値が0であるか否かを判定する。制御部16により、カウンタの値=0であると判定された場合に、処理はステップST110へ移行する。制御部16により、カウンタの値=0でないと判断された場合、ステップST113へ移行する。
ステップST113において、制御部16は、第2異常報知信号を出力する。前述したように、第2異常報知信号は、再生不良による可逆的なイオン交換能力の低下を報知する信号である。
ステップST114において、制御部16は、カウンタの値を0にリセットする。その後、処理はステップST110へ移行する。ステップST110以降の処理は、上述した通りである。
ステップST103において、制御部16が電気伝導率の値E1と予め設定・保持しておいた所定の電気伝導率の値E0とを比較する理由は、次の通りである。E1>E0である場合、処理水W13に含まれる溶存イオンの量は許容可能な量を超え、需要箇所での処理水W13の要求品質を満足しない状態となっている。すなわち、陽イオン交換塔11A及び/又は陰イオン交換塔11Bで溶存イオンを十分に除去できておらず、処理水W13の製造能力が喪失した状態である。そのため、陽イオン交換塔11Aの陽イオン交換樹脂、及び陰イオン交換塔11Bの陰イオン交換樹脂に対して再生処理を行う必要がある。よって、ステップST103の処理は、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂に対して再生処理が必要であるか否かを判断するために行われる。
ステップST105において、制御部16がシリカ濃度の値F1と予め設定・保持しておいた所定のシリカ濃度の値F0とを比較する理由は、次の通りである。上述したように、陰イオン交換塔11Bは、陽イオン交換塔11Aの陽イオン除去能力が喪失(すなわち、陽イオン吸着量が飽和)した時点では、まだ陰イオン除去能力が喪失(すなわち、陰イオン吸着量が飽和)しないように設計されている。そのため、E1>E0になった場合であっても、陰イオン交換樹脂の再生不良や経年劣化が起こっていなければ、シリカ濃度の値F1は所定のシリカ濃度の値F0以下となる。しかし、陰イオン交換樹脂は、イオン交換能力のベース値(再生直後の交換容量)が設計時よりも低下していることがある。陰イオン交換樹脂は、経年劣化により不可逆的なイオン交換能力の低下を起こしている場合があるし、再生不良により可逆的なイオン交換能力の低下を起こしていることがあるからである。そのため、ステップST105の処理は、陰イオン交換樹脂のイオン交換能力のベース値が低下していないか判断するために行われる。
ステップST106において、制御部16が異常報知準備信号を出力する理由は、次の通りである。ステップST105において、F1>F0であるということは、陰イオン交換樹脂のイオン交換能力のベース値(より具体的には、シリカ吸着能力のベース値)が低下していたということである。ただし、F1>F0であることだけで、制御部16が第1異常報知信号を出力することは、適切でないことがある。ベース値の低下の原因が前回再生処理時の再生不良にある場合には、陰イオン交換樹脂が正常に再生処理されることによって、元のベース値に戻ることがあり得るからである。そのため、ステップST106においては、制御部16が異常報知準備信号(フラグ信号)を出力する。本実施形態では、制御部16から異常報知準備信号が出力されただけでは、処理水製造装置1は、異常であると判断されない。
ステップST108において、カウンタの値≧3であると判定された場合に、ステップST109において、制御部16が第1異常報知信号を出力する理由は、次の通りである。ステップST108において、カウンタの値≧3であると判定されたということは、ステップST105において、3回連続でF1>F0であると判定されたことになる。すなわち、再生処理が3回行われたにも関わらず、イオン交換能力のベース値(より具体的には、シリカ吸着能力のベース値)が低下した陰イオン交換樹脂は、元のベース値に戻らなかったことを意味する。よって、陰イオン交換樹脂は、再生不良以外の要因により経年劣化していると考えられる。そのため、ステップST109において、制御部16は第1異常報知信号を出力する。第1異常報知信号が出力された場合、陰イオン交換樹脂は、再生処理しても元のベース値に戻らないものであり、交換が必要なものと判断され得る。
ステップST112において、カウンタの値=0でないと判定された場合に、ステップST113において、制御部16が第2異常報知信号を出力する理由は、次の通りである。処理が、ステップST105からステップST112へ移行したということは、陰イオン交換樹脂のイオン交換能力のベース値(より具体的には、シリカ吸着能力のベース値)は低下していないことを意味する。しかし、ステップST112において、カウンタの値=0でないと判定されたということは、前回のステップST106において、異常報知準備信号が出力されたことを意味する。すなわち、陰イオン交換樹脂のイオン交換能力は、前回の再生処理が行われた時点で元のベース値に戻ったことを意味する。よって、陰イオン交換樹脂は、再生不良が起こっていたと考えられる。そのため、ステップST113において、制御部16は第2異常報知信号を出力する。第2異常報知信号が出力された場合、陰イオン交換樹脂の一時的な再生不良があったということであり、陽イオン交換樹脂用再生液供給ラインL14や陰イオン交換樹脂用再生液供給ラインL16の詰りなどの点検が必要なものと判断され得る。
第1異常報知信号や第2異常報知信号は、例えば、液晶パネル(不図示)や報知ランプ(不図示)に出力される。処理水製造装置1のユーザーは、液晶パネルの表示や報知ランプの点灯等を確認することによって、処理水製造装置1の異常を知ることができる。第1異常報知信号や第2異常報知信号は、例えば、インターネット回線や専用回線等の通信回線に出力されてもよい。処理水製造装置1のメンテナンス作業員は、通信回線を介して、処理水製造装置1の異常を知ることができる。また、異常報知準備信号は、液晶パネル(不図示)、報知ランプ(不図示)、通信回線に出力されなくてもよい、あるいは出力されてもよい。
制御部16は、電気伝導率を測定するように電気伝導率計14を制御し(ST102)、電気伝導率計14で測定された電気伝導率の値E1が所定の電気伝導率の値E0よりも大きい値(すなわち、所定の範囲外の値)であると判断すると、シリカ濃度を測定するようにシリカ濃度センサ15を制御する(ST103、ST104)。その後、制御部16は、シリカ濃度センサ15で測定されたシリカ濃度の値F1が、所定のシリカ濃度の値F0よりも大きい値(すなわち、所定の範囲外の値)であると判断すると、異常報知準備信号を出力する(ST105、ST106)。制御部16が、このような制御(第1制御)を行うことにより、処理水製造装置1は、陰イオン交換樹脂のイオン交換能力の低下が、経年劣化によるものか、あるいは再生不良によるものかを区別して判断するための準備を行うことができる。
制御部16は、陽イオン交換塔流路切換弁12A及び陰イオン交換塔流路切換弁12Bが水処理モードである場合に、第1制御を行う。制御部16は、シリカ濃度センサ15がシリカ濃度を測定した後、陽イオン交換塔流路切換弁12A及び陰イオン交換塔流路切換弁12Bを再生モードに移行する制御(第2制御)を行う(ST110)。制御部16は、陽イオン交換塔流路切換弁12A及び陰イオン交換塔流路切換弁12Bが再生モードである場合に、所定の移行条件に基づいて、陽イオン交換塔流路切換弁12A及び陰イオン交換塔流路切換弁12Bが水処理モードに移行する制御(第3制御)を行う(ST111)。そのため、処理水製造装置1は、陰イオン交換樹脂のイオン交換能力の低下を監視しながら適時再生処理を行い、処理水W13を製造し続けることができる。
制御部16は、第1制御、第2制御及び第3制御を繰り返し行うことにより、陽イオン交換塔流路切換弁12A及び陰イオン交換塔流路切換弁12Bが水処理モードと再生モードとを交互に繰り返すように制御を行い、異常報知準備信号の出力が連続して所定回数(例えば、3回)行われると、第1異常報知信号を出力する(ST109)。そのため、処理水製造装置1は、陰イオン交換樹脂が経年劣化によりイオン交換能力の低下を起こしていることが判断され得る。
制御部16は、異常報知準備信号の出力が所定回数(例えば、3回)に達する前に途絶した場合(ST105、ST112)には、第2異常報知信号を出力する(ST113)。そのため、処理水製造装置1は、陰イオン交換樹脂が再生不良によりイオン交換能力の低下を起こしていることが判断され得る。
このように、処理水製造装置1において、異常報知準備信号、第1異常報知信号及び第2異常報知信号が使用されることにより、陰イオン交換塔11Bのイオン交換能力の低下が、再生処理しても元に戻らない陰イオン交換樹脂の経年劣化によるものなのか、一時的な陰イオン交換樹脂の再生不良によるものなのかを区別して判断することができる。
次に、図4及び図5を用いて、シリカ濃度センサ15の構造について、説明する。シリカ濃度センサ15は、モリブデンイエロー法(モリブデン黄吸光光度法)により処理水W13のシリカ濃度を測定する装置である。ここでは、説明の便宜上、シリカ濃度センサ15により測定する処理水W13を検査水W101として説明する。
シリカ濃度センサ15は、測定波長の切り替えにより、低濃度のシリカ濃度と、高濃度シリカ濃度とを測定することができる。図4に示すように、シリカ濃度センサ15は、測定セル120と、試薬注入部130と、吸光度測定部の一部を構成する光学検出部140と、攪拌部150と、センサ表示部160と、センサ制御部110と、検査水導入ラインL101と、検査水排出ラインL102と、を備える。
測定セル120は、シリカ濃度を測定する検査水W101を収容する容器である。測定セル120は、不透明の樹脂材料により形成されている。測定セル120は、その側壁に一対の光透過窓121,122が形成されている。光透過窓121,122には、透明な板材121a,122aが嵌め込まれている。
検査水導入ラインL101は、測定セル120への検査水W101の導入を行うラインである。検査水導入ラインL101は、図4に示すように、測定セル120の光透過窓121,122よりも下方の側壁に接続されている。検査水導入ラインL101は、測定セル120へ検査水W101を導入する流路である。検査水導入ラインL101には、電磁弁123が設けられている。電磁弁123は、検査水W101を採取する際に用いられる弁である。電磁弁123の開閉は、センサ制御部110から出力される駆動信号により制御される。センサ制御部110は、制御部16により制御される。
検査水排出ラインL102は、測定セル120からの検査水W101(試薬W102を含む)の排出を行うラインである。検査水排出ラインL102は、図4に示すように、測定セル120の光透過窓121,122よりも上方の側壁に接続されている。検査水排出ラインL102は、測定セル120から検査水W101を排出する流路である。
試薬注入部130は、測定セル120の内部へ試薬W102を注入する設備である。試薬注入部130は、試薬W102を内部に保持しており、所望の量の試薬W102を測定セル120の内部に吐出して供給する。試薬W102には、検査水W101に含まれるシリカと反応して、発色する呈色物質が配合されている。本実施形態では、モリブデンイエロー法によりシリカ濃度を測定しており、試薬としては、七モリブデン酸六アンモニウムおよび無機酸を含む水溶液を用いる。本実施形態に好適な一液型の試薬水溶液の組成は、本願の出願人による特許第5169809号公報に詳細に開示されているため、当該特許文献を引用して詳細な説明を省略する。
試薬注入部130は、試薬カートリッジ131と、ローラポンプ機構132と、を備える。試薬カートリッジ131は、試薬W102(上述した一液型の試薬水溶液)が充填された試薬パック(不図示)と、試薬パックに一端側が接続され且つ他端にノズルを有する弾性チューブとからなる注入体(不図示)とが収納された容器である。
ローラポンプ機構132は、図4に示すように、測定セル120の上方に設けられている。ローラポンプ機構132の上部には、カートリッジ差込口133が設けられている。試薬カートリッジ131は、カートリッジ差込口133に着脱自在に装着される。
ローラポンプ機構132は、ローラポンプ134を備える。ローラポンプ134を駆動して、試薬カートリッジ131に収納された注入体の弾性チューブをしごくことにより、試薬パック内の試薬W102をノズルから測定セル120に向けて注入することができる。ローラポンプ134の駆動は、センサ制御部110から出力される駆動信号により制御される。
光学検出部140は、試薬W102と共に攪拌された検査水W101の吸光度を測定する設備である。光学検出部140は、図4に示すように、第1発光素子141と、第2発光素子142と、発光基板143と、第1受光素子144と、第2受光素子145と、受光基板146と、を備える。
第1発光素子141及び第2発光素子142は、発光基板143に実装されている。第1発光素子141及び第2発光素子142は、測定セル120の光透過窓121に向けて光を照射する素子である。第1発光素子141及び第2発光素子142は、それぞれ発光波長の異なるLED(発光ダイオード)により構成される。本実施形態においては、第1発光素子141は、低濃度のシリカ濃度を測定するために、375nmの波長(低濃度測定波長)の光を発光可能な発光素子である。第2発光素子142は、高濃度のシリカ濃度を測定するために、450nmの波長(高濃度測定波長)の光を発光可能な発光素子である。
第1発光素子141及び第2発光素子142の点灯/消灯は、センサ制御部110から出力される駆動信号により制御される。
第1受光素子144及び第2受光素子145は、受光基板146に実装されている。第1受光素子144及び第2受光素子145は、測定セル120の光透過窓122を通過した透過光を受光する素子である。第1受光素子144及び第2受光素子145は、フォトトランジスタにより構成される。第1受光素子144及び第2受光素子145は、受光した透過光量に対応した検出値信号をセンサ制御部110に出力する。
攪拌部150は、測定セル120の内部に収容された検査水W101及び試薬W102を攪拌する設備である。図4に示すように、攪拌部150は、測定セル120の底部に設けられている。攪拌部150は、攪拌子151と、ステータコイル152と、を備える。攪拌子151は、測定セル120の底部に、回転可能に配置されている。ステータコイル152は、測定セル120の周囲を囲むようにリング状に形成された電磁誘導コイルである。ステータコイル152に駆動電流を供給すると、電磁誘導の作用により、測定セル120の底部に配置された攪拌子151が非接触で回転する。ステータコイル152の動作は、センサ制御部110から供給される駆動電流により制御される。
センサ表示部160は、測定した検査水W101のシリカ濃度の測定値やシリカ濃度センサ15の動作状況等を表示する装置である。センサ表示部160は、液晶表示パネルにより構成される。
センサ制御部110は、シリカ濃度センサの動作を制御する装置である。センサ制御部110は、制御部16に接続され、制御部16により制御される。センサ制御部110は、第1発光素子141、第2発光素子142を制御する。センサ制御部110は、第1受光素子144及び第2受光素子145からの出力を受信する。センサ制御部110は、光学検出部140により検出された吸光度に基づいて、検査水W101に含まれるシリカ成分の濃度を測定する。センサ制御部110は、測定した検査水W101のシリカ濃度の測定値をセンサ表示部160に表示させる。センサ制御部110は、後述する検量線を、測定波長毎に内部のメモリに格納している。
センサ制御部110は、低濃度のシリカ濃度を測定するために、吸光度測定部の一部を構成する吸光度算出部111と、変化量算出部112と、計時部113と、シリカ濃度検出部114と、を有する。
吸光度算出部111は、光学検出部140により検出された透過光量の検出値に基づいて、第1時間T1及び第2時間T2(図5参照)において、検査水W101の吸光度を算出する。これにより、本実施形態においては、光学検出部140及び吸光度算出部111は、試薬W102が添加された検査水W101における375nmの吸光度を測定する。
第1時間T1は、試薬W102が添加された直後の時間である(図5参照)。第1時間T1は、好ましくは、検査水W101に試薬W102が添加されてから3分以内である。なお、第1時間T1は、規定量の試薬W102の添加を実行可能な範囲で、規定量の試薬W102の添加が完了された直後に近い時間が採用される。本実施形態においては、第1時間T1は、2分程度である(図5参照)。また、試薬W102の添加操作に要する時間が極く短時間の場合には、第1時間T1は、検査水W101に試薬W102が添加された時間と同時である0分であってもよい。
第2時間T2は、検査水W101と試薬W102との反応が終了した試薬反応終了時間である(図5参照)。第2時間T2は、検査水W101と試薬W102との呈色反応がほぼ完結し、検査水W101の発色が安定する時間であり、予め試験等により求められた時間であって、予めセンサ制御部110のメモリ(不図示)に記憶されている。本実施形態においては、第2時間T2は、試薬W102の添加が開始されてから、20分程度である(図5参照)。
計時部113は、第2時間T2を計時する。計時部113により計時された第2時間T2において、吸光度算出部111は、検査水W101の吸光度を算出する。
変化量算出部112は、光学検出部140及び吸光度算出部111により測定される試薬W102が添加された検査水W101の吸光度について、試薬W102が添加されてから第1時間T1経過後の検査水W101の吸光度A1と、試薬W102が添加されてから第1時間T1よりも長い第2時間T2経過後の検査水W101の吸光度A2との変化量、すなわち差分A2−A1を算出する。
シリカ濃度検出部114は、変化量算出部112により算出された吸光度の変化量(差分)に基づいて、シリカ濃度を検出する。具体的には、シリカ濃度検出部114は、算出された吸光度の変化量(差分)を検査水W101の吸光度と見做し、この吸光度に対してシリカ濃度と吸光度との検量線を用いて検査水W101中のシリカ濃度を求める。検量線は、予めシリカ標準液を用いてシリカ濃度と吸光度との関係線として作成されており、センサ制御部110のメモリ(不図示)に記憶されている。本実施形態においては、メモリ(不図示)には、検査水W101の吸光度とシリカ濃度との検量線として、検査水W101と試薬W102との呈色反応が完結された状態で作成された検量線が記憶されている。
以上のように構成されるシリカ濃度センサは、測定波長を切り替えることより、高濃度のシリカのシリカ濃度(10〜80mgSiO/L)を測定可能な高濃度レンジと、低濃度のシリカのシリカ濃度(0.1〜1mgSiO/L)を測定可能な低濃度レンジとを、切替可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、種々の形態で実施することができる。
上記実施形態においては、処理水製造装置1は、2床2塔式の処理水製造装置であったが、陽イオン交換塔11Aと陰イオン交換塔11Bの間に脱炭酸塔を設けた、いわゆる2床3塔式の処理水製造装置であってもよい。
上記実施形態においては、第1測定部として電気伝導率計14が使用されていたが、比抵抗計が使用されてもよい。比抵抗計が使用される場合、図2のステップST103において、制御部16は、比抵抗計から出力される比抵抗の値と、予め設定・保持しておいた所定の比抵抗の値とを比較する。そして、制御部16により、比抵抗計から出力される比抵抗の値が所定の比抵抗の値よりも小さい値(すなわち、所定の範囲外の値)になったと判定された場合に、処理はステップST104へ移行する。
上記実施形態においては、異常報知準備信号(フラグ信号)を使用して、図2及び図3のフローチャートのように第1異常報知信号や第2異常報知信号が出力されたが、これに限定されない。処理水製造装置1において、異常報知準備信号は、イオン交換能力の低下の原因を特定するための様々な用途に使用され得る。例えば、異常報知準備信号が1回又は複数回出力された時点で、作業員がイオン交換装置11を目視等でチェックすることも可能である。
上記実施形態においては、図2及び図3のフローチャートのように第1異常報知信号や第2異常報知信号が出力された後、処理はステップST110へ移行していたが、これに限定されない。例えば、第1異常報知信号又は第2異常報知信号が出力された時点で、処理水製造装置1の動作を停止させることも可能である。特に、第1異常報知信号は、陰イオン交換樹脂の経年劣化の発生を意味するものであるため、処理水製造装置1の動作を停止させて、陰イオン交換樹脂の交換を行うのが望ましい。
上記実施形態においては、処理水ラインL13において、シリカ濃度センサ15は、電気伝導率計14の下流に設けられていたが、上流に設けられていてもよい。また、シリカ濃度センサ15は、高濃度レンジと低濃度レンジとを切換可能な構成でなくてもよい。
また、上記実施形態においては、シリカ濃度センサ15は、第1制御において、電気伝導率計から出力された電気伝導率の値E1が所定の電気伝導率の値E0以上になった場合に、処理水W13のシリカ濃度を測定するように制御されていたが、これに限定されない。シリカ濃度センサ15は、第1制御において、電気伝導率計から出力された電気伝導率の値E1が所定の電気伝導率の値E0以上になった場合に、処理水W13のシリカ濃度を測定するように制御されるとともに、例えば、定期的に処理水W13のシリカ濃度を測定するように制御されてもよい。
1 処理水製造装置
11 イオン交換装置
11A 陽イオン交換塔
11B 陰イオン交換塔
12 流通手段
14 電気伝導率計(第1測定部)
15 シリカ濃度センサ(第2測定部)
16 制御部
W11 原水
W13 処理水

Claims (4)

  1. 陽イオン交換樹脂が収容された陽イオン交換塔と、陰イオン交換樹脂が収容された陰イオン交換塔と、からなり、原水を導入することによって処理水を製造するイオン交換装置と、
    前記イオン交換装置で製造された処理水の電気伝導率又は比抵抗を測定する第1測定部と、
    前記イオン交換装置で製造された処理水のシリカ濃度を測定する第2測定部と、
    前記第1測定部及び前記第2測定部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、電気伝導率又は比抵抗を測定するように前記第1測定部を制御し、前記第1測定部で測定された電気伝導率又は比抵抗が所定の範囲外の値であると判断すると、シリカ濃度を測定するように前記第2測定部を制御し、前記第2測定部で測定されたシリカ濃度が所定の範囲外であると判断すると、異常報知準備信号を出力する第1制御を行う
    処理水製造装置。
  2. 前記イオン交換装置に原水を導入することにより処理水を製造する水処理モードと、前記陽イオン交換塔及び前記陰イオン交換塔のそれぞれに再生液を導入することにより前記陰イオン交換樹脂及び前記陽イオン交換樹脂を再生させる再生モードと、を有する流通手段を備え、
    前記制御部は、前記流通手段が前記水処理モードである場合に、前記第1制御を行い、前記第2測定部がシリカ濃度を測定した後、前記流通手段が前記再生モードに移行するように前記流通手段を制御する第2制御を行い、前記流通手段が前記再生モードである場合に、所定の移行条件に基づいて、前記流通手段が前記水処理モードに移行するように前記流通手段を制御する第3制御を行う
    請求項1に記載の処理水製造装置。
  3. 前記制御部は、前記第1制御、前記第2制御及び前記第3制御を繰り返し行うことにより、前記流通手段が前記水処理モードと前記再生モードとを交互に繰り返すように前記流通手段に対して制御を行い、前記異常報知準備信号の出力が連続して所定回数行われると、第1異常報知信号を出力する
    請求項2に記載の処理水製造装置。
  4. 前記制御部は、前記異常報知準備信号の出力が前記所定回数に達する前に途絶した場合には、第2異常報知信号を出力する
    請求項3に記載の処理水製造装置。
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