JP2015167272A - 弾性表面波デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電基板上にIDT電極と一対の反射器とを配置した弾性表面波デバイスにおいて、反射器における反射器電極指の周期長λをIDT電極における電極指の周期長λと揃えながら、反射特性に優れた反射器を得ること。【解決手段】反射器3、3の上層側に、二酸化シリコンからなる絶縁膜22をスパッタ法により形成する一方、IDT電極2の上層側には当該絶縁膜22を形成せずに、IDT電極2が形成された領域を伝搬する弾性表面波の伝搬速度V1に対して、反射器3、3が形成された領域を伝搬する弾性表面波の伝搬速度V2が遅くなるようにする。具体的には、V2=V1?0.95〜0.99となるように、絶縁膜22の膜厚寸法hを設定する。【選択図】図2
Description
本発明は、弾性表面波を利用した弾性表面波デバイスに関する。
弾性表面波を利用したデバイスの一つとして、IDT(IDT:インターディジタルトランスデューサ)電極と、このIDT電極から見て弾性表面波の伝搬方向両側に各々配置された反射器とを例えばタンタル酸リチウム(LiTaO3)などの圧電基板上に形成した構成が知られている。IDT電極では、圧電基板上を伝搬する弾性表面波の波長に対応する周期長となるように複数の電極指が周期的に配置されており、各々の電極指には、これら電極指間に電界を形成するためのバスバーが接続されている。また、反射器では、弾性表面波の伝搬方向に対して直交する方向に伸びる反射器電極指が前記伝搬方向に沿って複数箇所に配置されており、これら反射器電極指の各々の一端側及び他端側は夫々反射器バスバーに接続されている。
IDT電極及び反射器を備えた構成の具体例としては、例えば1ポート型共振子や、縦結合共振子型フィルタが知られている。具体的には、1ポート型共振子は、反射器間に一つのIDT電極を配置すると共に、当該IDT電極における一対のバスバーに夫々入力ポート及び出力ポートを接続している。また、縦結合共振子型フィルタは、前記反射器間に複数のIDT電極を配置して、これらIDT電極のうち一のIDT電極のバスバーに入力ポートを接続し、他のIDT電極のバスバーに出力ポートを接続している。そして、1ポート型共振子や縦結合共振子型フィルタでは、入力ポートを介して入力信号を入力すると、一対の反射器間にて弾性表面波が反射してキャビティが形成され、出力ポートを介して電気信号が取り出される。
縦結合共振子型フィルタでは、通過帯域にて良好な周波数特性を得るために、具体的には通過帯域の上端及び下端における減衰曲線の肩ダレを抑えるために、反射器における反射器電極指のピッチをIDT電極における電極指のピッチに対してわずかに広げる技術が知られている。しかしながら、反射器間におけるキャビティ内にて電極指のピッチとは異なるピッチの領域が形成されていると、電極の周期構造が不連続となるので、通過帯域に損失が生じてしまう。即ち、通過帯域にて良好な周波数特性を得ることと、損失の劣化を抑制することとは、いわばトレードオフの関係となっており、通過帯域にて良好な周波数特性を得ながら低損失のフィルタを構成することは極めて難しい。また、既述の1ポート型共振子にて同様に反射器電極指のピッチを電極指のピッチよりも広げると、共振点や反共振点が設定値からずれてしまう。
特許文献1には、反射効率が最大となる周波数が互いに異なる複数の領域を反射器に設けた弾性表面波素子について記載されている。また、特許文献2、3には、1ポート型共振子において、反射器を構成する電極の表面を酸化する技術について記載されている。しかしながら、これら特許文献1〜3の技術では、周波数特性を高い精度で調整できるとは言い難い。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧電基板上にIDT電極と一対の反射器とを配置した弾性表面波デバイスにおいて、反射特性に優れた反射器を構成しながら、反射器における反射器電極指のピッチをIDT電極における電極指のピッチと揃えることのできる技術を提供することにある。
本発明の弾性表面波デバイスは、
圧電基板と、
この圧電基板上にて弾性表面波の伝搬方向に対して交差する方向に互いに離間するように配置された一対のバスバーと、各々のバスバーから対向するバスバーに向かって各々櫛歯状に伸び出す電極指と、を有するIDT電極と、
このIDT電極から見て弾性表面波の伝搬方向における一方側及び他方側に各々配置され、弾性表面波の伝搬方向に対して交差する方向に互いに離間するように設けられた一対の反射器バスバーと、これら反射器バスバー間を接続する反射器電極指と、を有する反射器と、
前記IDT電極が配置された領域を伝搬する弾性表面波の伝搬速度に対して、前記反射器が配置された領域を伝搬する弾性表面波の伝搬速度を遅くするために、当該反射器の各々を覆うように形成された絶縁膜と、を備え、
前記電極指の配列間隔と、前記反射器電極指の配列間隔とは、前記圧電基板上を伝搬する弾性表面波の波長に対応するように、互いに同じ寸法に設定されていることを特徴とする。
圧電基板と、
この圧電基板上にて弾性表面波の伝搬方向に対して交差する方向に互いに離間するように配置された一対のバスバーと、各々のバスバーから対向するバスバーに向かって各々櫛歯状に伸び出す電極指と、を有するIDT電極と、
このIDT電極から見て弾性表面波の伝搬方向における一方側及び他方側に各々配置され、弾性表面波の伝搬方向に対して交差する方向に互いに離間するように設けられた一対の反射器バスバーと、これら反射器バスバー間を接続する反射器電極指と、を有する反射器と、
前記IDT電極が配置された領域を伝搬する弾性表面波の伝搬速度に対して、前記反射器が配置された領域を伝搬する弾性表面波の伝搬速度を遅くするために、当該反射器の各々を覆うように形成された絶縁膜と、を備え、
前記電極指の配列間隔と、前記反射器電極指の配列間隔とは、前記圧電基板上を伝搬する弾性表面波の波長に対応するように、互いに同じ寸法に設定されていることを特徴とする。
前記絶縁膜は、前記IDT電極が配置された領域を伝搬する弾性表面波の伝搬速度をV1、前記反射器が配置された領域を伝搬する弾性表面波の伝搬速度をV2とすると、
V2=V1×0.95〜0.99
となる膜厚寸法に設定されていても良い。
前記絶縁膜は、スパッタ法により形成されていることが好ましい。
前記IDT電極及び前記反射器は、絶縁体からなる保護用の保護膜により被覆されていても良い。
前記IDT電極は、弾性表面波の伝搬方向に沿って複数配置され、
前記反射器は、これらIDT電極の並びを挟むように形成されていても良い。
V2=V1×0.95〜0.99
となる膜厚寸法に設定されていても良い。
前記絶縁膜は、スパッタ法により形成されていることが好ましい。
前記IDT電極及び前記反射器は、絶縁体からなる保護用の保護膜により被覆されていても良い。
前記IDT電極は、弾性表面波の伝搬方向に沿って複数配置され、
前記反射器は、これらIDT電極の並びを挟むように形成されていても良い。
本発明は、IDT電極及び反射器を圧電基板上に配置するにあたって、各々の反射器を覆うように絶縁膜(あるいは絶縁膜と共に絶縁体からなる保護膜)を形成して、IDT電極が配置された領域を伝搬する弾性表面波の伝搬速度に対して、反射器が配置された領域を伝搬する弾性表面波の伝搬速度が遅くなるようにしている。そのため、反射特性に優れた反射器を構成しながら、IDT電極の電極指のピッチと反射器の反射器電極指のピッチとを互いに同じ寸法に設定できる。
本発明に係る弾性表面波デバイスの実施の形態の一例について、図1〜図3を参照して説明する。このデバイスは、図1に示すように、例えばタンタル酸リチウムなどの圧電基板10上に配置されており、通過帯域とこの通過帯域よりも低域側及び高域側に各々設定された阻止域とを備えた縦結合共振子型フィルタとなっている。即ち、圧電基板10上には、弾性表面波の伝搬方向(左右方向)に沿って複数この例では3つのIDT電極2が配置されており、これらIDT電極2の並びを左右方向から挟むように、一対の反射器3、3が配置されている。この例では、通過域における中央の周波数は、900MHzとなっている。図1中11は入力ポート、12は出力ポートであり、13は接地ポートである。尚、図2は図1におけるA−A線にて切断した縦断面を示している。
各々のIDT電極2は、一対のバスバー5、5と、これらバスバー5、5間の領域に配置されると共にバスバー5、5のいずれかに接続された複数の電極指6とを備えている。各々のバスバー5、5は、弾性表面波の伝搬方向に沿って各々伸びると共に、弾性表面波の伝搬方向に対して直交する(交差する)方向に互いに離間するように形成されている。また、各々の電極指6は、弾性表面波の伝搬方向に対して直交する方向に伸び出すと共に、一対のバスバー5、5のうち一方のバスバー5から伸びる電極指6と、他方のバスバー5から伸びる電極指6とが弾性表面波の伝搬方向に沿って交互に交差するように櫛歯状に形成されている。そして、各々の電極指6は、圧電基板10上を伝搬する弾性表面波の波長に対応するように、幅寸法及び互いに隣接する電極指6、6間の離間寸法が夫々設定されている。
即ち、一方のバスバー5から伸びる電極指6と、当該電極指6に隣接して他方のバスバー5から伸びる電極指6と、により周期的に繰り返される周期構造の周期長(ピッチ)λは、圧電基板10上を伝搬する弾性表面波の波長に対応する(波長と同じ寸法)となるように形成されている。具体的には、弾性表面波の伝搬方向における電極指6の幅寸法と、互いに隣接する電極指6、6間の離間寸法とを加算した寸法は、圧電基板10上を伝搬する弾性表面波の半波長分の長さとなるように設定されている。
各々のIDT電極2では、周期長λが互いに同じ値になるように構成されている。そして、3つのIDT電極2のうち中央のIDT電極2は、奥側のバスバー5が入力ポート11に接続され、手前側のバスバー5が接地ポート13に接続されている。左右のIDT電極2、2は、手前側のバスバー5が出力ポート12に各々接続され、奥側のバスバー5が接地ポート13に各々接続されている。
また、各々の反射器3は、一対の反射器バスバー7、7と、これら反射器バスバー7、7間の領域にて反射器バスバー7、7に各々接続された複数の反射器電極指8とを備えている。反射器バスバー7、7は、弾性表面波の伝搬方向に沿って各々伸びると共に、弾性表面波の伝搬方向に対して直交する方向に互いに離間するように形成されている。反射器電極指8は、弾性表面波の伝搬方向に対して直交する方向に各々伸び出すと共に、当該伝搬方向に沿って複数箇所に形成されている。
そして、反射器3、3では、反射器電極指8の周期長λがIDT電極2における電極指6の周期長λと同じ値となるように設定されている。具体的には、弾性表面波の伝搬方向における反射器電極指8の幅寸法は、電極指6の幅寸法と同じ寸法に設定されている。また、互いに隣接する反射器電極指8、8間の離間寸法は、互いに隣接する電極指6、6間の離間寸法と同じ寸法に設定されている。従って、圧電基板10上を伝搬する弾性表面波の波長は、IDT電極2が形成された領域と、反射器3が形成された領域とでは、同じ寸法となるように設定されている。
ここで、図2及び図3に示すように、圧電基板10上には、以上説明したIDT電極2及び反射器3を覆うように、例えば二酸化シリコン(SiO2)からなる保護膜21が形成されている。即ち、IDT電極2や反射器3を構成する電極膜(電極指6、バスバー5、反射器電極指8及び反射器バスバー7)が表面に露出していると、例えば埃やゴミあるいは水などが付着した場合には、当該電極膜が物理的に劣化(損傷)するおそれがある。また、圧電基板10が露出していると、圧電基板10において焦電が起こるおそれもある。そこで、圧電基板10の表面に保護膜21を形成している。この保護膜21の膜厚寸法は、400Å(40nm)〜2000Å(200nm)となっている。図3に示すように、この保護膜21において既述の各ポート11〜13に対応する位置には、外部から引き回されるワイヤをこれらポート11〜13に電気的に接続するための凹部11a〜13aが形成されており、従って圧電基板10を平面で見るとこれらポート11〜13が露出している。尚、図3ではIDT電極2及び反射器3の描画を省略している。
そして、保護膜21の上層側には、図2及び図3に示すように、各反射器3、3に対向するように、同様に二酸化シリコンからなる絶縁膜22が形成されており、この絶縁膜22は、IDT電極2の上層側には形成されていない。絶縁膜22の膜厚寸法は、数10nmレベル(数百Åレベル)となっており、具体的には10nmである。以上説明した縦結合共振子型フィルタの製法について、以下に簡単に説明する。尚、図1では、絶縁膜22を破線にて描画している。
先ず、圧電材料(タンタル酸リチウム)からなるウエハの表面に、アルミニウム(Al)などからなる電極膜を当該表面に亘って一様に形成する。次いで、レジスト膜を電極膜の上層側に塗布すると共に、当該レジスト膜にパターニング(露光及び現像)して、このレジスト膜を介して前記電極膜をエッチングすることにより、既述の反射器3やIDT電極2からなるパターンを形成する。続いて、レジスト膜を除去してウエハを洗浄した後、二酸化シリコンからなるターゲット(二酸化シリコンのバルク材)をスパッタすることにより、前記パターンの表面に既述の保護膜21を形成する。
しかる後、保護膜21の表面にレジスト膜を形成して、パターニングによってこのレジスト膜における反射器3、3に対向する位置に凹部を形成した後、同様に二酸化シリコンからなるターゲットのスパッタにより絶縁膜22を形成する。スパッタでは、前記ターゲットが例えば放電やプラズマなどのエネルギーにより微少な粒子となって保護膜21の表面に堆積するので、前記エネルギーの大きさを調整することにより、またはスパッタ時間を調整することにより、膜厚寸法が極めて厳密に制御される。反射器3の上層側における保護膜21及び絶縁膜22の合計の膜厚寸法hは、IDT電極2が形成された領域を伝搬する弾性表面波の伝搬速度をV1、反射器3が形成された領域を伝搬する弾性表面波の伝搬速度をV2とすると、
V2=V1×0.95〜0.99
となる寸法に設定される。
V2=V1×0.95〜0.99
となる寸法に設定される。
その後、レジスト膜の上層側に形成された不要な二酸化シリコン膜を当該レジスト膜と共に除去すると共に、別のレジスト膜を利用したフォトリソグラフィ法を用いて、各ポート11〜13が露出するように保護膜21をエッチングする。こうしてウエハをチップ状に個片化して各々の圧電基板10を切り出すことにより、既述の図1〜図3に示した縦結合共振子型フィルタが形成される。
ここで、反射器3、3の上層側に絶縁膜22を形成した理由について、以下に詳述する。即ち、背景の項目にて説明したように、反射器3、3における反射率を高めるにあたって、従来では反射器電極指8の周期長λをIDT電極2における電極指6の周期長λよりも広げたり、反射器電極指8の表面を酸化したりする技術が用いられている。しかしながら、反射器電極指8の周期長λを広げると、図4に「従来2」として模式的に示すように、フィルタの挿入損失が劣化してしまう。また、反射器電極指8の表面を酸化する手法では、それ程厳密な調整を行いにくい。一方、反射器3の反射器電極指8の周期長λをIDT電極2の電極指6の周期長λと同じ値に設定しただけだと、図4に「従来1」として示すように、通過帯域の上端及び下端にて肩ダレが発生してしまう。そこで、本発明では、反射器3、3における反射率を高めるにあたって、反射器電極指8の周期長λをIDT電極2の電極指6の周期長λと同じ値に設定しながら、反射器3、3の表面だけに絶縁膜22を形成している。そのため、図4に「本発明」として示すように、通過帯域の上端及び下端における肩ダレが抑制されると共に、損失の劣化が抑制される。
図5〜図9は、既述の伝搬速度V1に対して伝搬速度V2を種々変えた時、通過域における周波数特性がどのように変化するかシミュレーションした結果を示している。即ち、図5では、V2=V1×0.92、図6ではV2=V1×0.94、図7ではV2=V1×0.96、図8ではV2=V1×0.98、図9ではV2=V1の夫々の場合の周波数特性を示している。従って、図7及び図8は既述の数式の範囲内となっており、残りの図5、図6及び図9は当該数式の範囲外となっている。これら図5〜図9から分かるように、図7及び図8では通過域においてほぼフラットな周波数特性が得られている。一方、図5、図6及び図9では、通過域にて挿入損失が劣化しており、また通過域では振幅の偏差(ばらつき)が大きくなっている。
図5〜図9は、既述の伝搬速度V1に対して伝搬速度V2を種々変えた時、通過域における周波数特性がどのように変化するかシミュレーションした結果を示している。即ち、図5では、V2=V1×0.92、図6ではV2=V1×0.94、図7ではV2=V1×0.96、図8ではV2=V1×0.98、図9ではV2=V1の夫々の場合の周波数特性を示している。従って、図7及び図8は既述の数式の範囲内となっており、残りの図5、図6及び図9は当該数式の範囲外となっている。これら図5〜図9から分かるように、図7及び図8では通過域においてほぼフラットな周波数特性が得られている。一方、図5、図6及び図9では、通過域にて挿入損失が劣化しており、また通過域では振幅の偏差(ばらつき)が大きくなっている。
上述の実施の形態によれば、IDT電極2及び反射器3を圧電基板10上に配置するにあたって、反射器3の上層側に絶縁膜22を形成して、一方IDT電極2の上層側には当該絶縁膜22を形成していない。従って、反射器3、3が形成された領域では、IDT電極2が形成された領域と比べて、弾性表面波の伝搬速度が遅くなる。そのため、反射特性に優れた反射器3を構成しながら、IDT電極2における電極指6の周期長λと反射器3における反射器電極指8の周期長λとを互いに同じ値に設定できる。従って、この反射器3を縦結合共振子型フィルタに適用することにより、通過帯域の上端及び下端にて肩ダレの発生を抑制すると共に、フィルタの挿入損失の劣化を抑えることができる。
また、保護膜21及び絶縁膜22の合計の膜厚寸法hを既述の範囲内に設定しているので、損失の劣化を抑えながら、反射器3、3の反射器電極指8の周期長λについて、IDT電極2の電極指6の周期長λの1.01〜1.04倍に広げた場合と同じ効果が得られる。そして、既述のようにスパッタ法を用いて絶縁膜22を成膜しており、膜厚寸法hを精度高く調整できるので、反射器電極指8の表面を酸化する従来の手法と比べて、歩留まり高く縦結合共振子型フィルタを製造できる。
図10は、本発明の他の例を示している。具体的には、図10では、保護膜21が形成されておらず、絶縁膜22が反射器3、3の上層側に直接形成されている。従って、IDT電極2は露出しており、また反射器3、3の反射器電極指8及び反射器バスバー7の側面のうち上層側の部位についても露出している。この例においても、既述の例と同様の効果が得られる。
また、図11は、1ポート型共振子に本発明を適用した例を示している。圧電基板10上には、一つのIDT電極2が配置されており、このIDT電極2から見て弾性表面波の伝搬方向両側に隣接して反射器3が各々形成されている。この1ポート型共振子においても、良好な反射特性を持つ反射器3が得られるので、設定通りの共振点や反共振点が得られる。
以上説明した絶縁膜22の成膜方法としては、例えばシリコン系の塗布液をウエハ上にスピンコーティングして、その後熱処理を行う塗布法であっても良い。更に、絶縁膜22を構成する材料としては、二酸化シリコンに代えて、窒化シリコン(Si3N4)などの絶縁体を用いても良く、この場合には各々の絶縁体の密度に応じて膜厚寸法hが調整される。
h 膜厚寸法
2 IDT電極
3 反射器
10 圧電基板
21 保護膜
22 絶縁膜
2 IDT電極
3 反射器
10 圧電基板
21 保護膜
22 絶縁膜
Claims (5)
- 圧電基板と、
この圧電基板上にて弾性表面波の伝搬方向に対して交差する方向に互いに離間するように配置された一対のバスバーと、各々のバスバーから対向するバスバーに向かって各々櫛歯状に伸び出す電極指と、を有するIDT電極と、
このIDT電極から見て弾性表面波の伝搬方向における一方側及び他方側に各々配置され、弾性表面波の伝搬方向に対して交差する方向に互いに離間するように設けられた一対の反射器バスバーと、これら反射器バスバー間を接続する反射器電極指と、を有する反射器と、
前記IDT電極が配置された領域を伝搬する弾性表面波の伝搬速度に対して、前記反射器が配置された領域を伝搬する弾性表面波の伝搬速度を遅くするために、当該反射器の各々を覆うように形成された絶縁膜と、を備え、
前記電極指の配列間隔と、前記反射器電極指の配列間隔とは、前記圧電基板上を伝搬する弾性表面波の波長に対応するように、互いに同じ寸法に設定されていることを特徴とする弾性表面波デバイス。 - 前記絶縁膜は、前記IDT電極が配置された領域を伝搬する弾性表面波の伝搬速度をV1、前記反射器が配置された領域を伝搬する弾性表面波の伝搬速度をV2とすると、
V2=V1×0.95〜0.99
となる膜厚寸法に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波デバイス。 - 前記絶縁膜は、スパッタ法により形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の弾性表面波デバイス。
- 前記IDT電極及び前記反射器は、絶縁体からなる保護用の保護膜により被覆されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の弾性表面波デバイス。
- 前記IDT電極は、弾性表面波の伝搬方向に沿って複数配置され、
前記反射器は、これらIDT電極の並びを挟むように形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の弾性表面波デバイス。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2018016169A1 (ja) * | 2016-07-20 | 2018-01-25 | 信越化学工業株式会社 | 弾性表面波デバイス用複合基板の製造方法 |
CN109560788A (zh) * | 2017-09-27 | 2019-04-02 | 株式会社村田制作所 | 弹性波装置、高频前端电路以及通信装置 |
-
2014
- 2014-03-03 JP JP2014040622A patent/JP2015167272A/ja active Pending
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