JP2015167224A - 磁性素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気抵抗効果膜を含む磁性素子において、磁気抵抗効果膜に充分な強度の磁界が印加されない。【解決手段】磁性素子10は、非磁性スペーサー層と非磁性スペーサー層を介して配設された第1強磁性層および第2強磁性層とを備えた磁気抵抗効果膜3と、磁気抵抗効果膜3の積層方向に磁気抵抗効果膜3を介して配設された一対の電極と、少なくとも2つの第1軟磁性層4と、コイル7と、コイル7と磁気的に接続された第2軟磁性層6とを備え、第2軟磁性層6は環状で、第2軟磁性層6と磁気抵抗効果膜3との離間距離は第1軟磁性層4と磁気抵抗効果膜3との離間距離より大きく、第2軟磁性層6の膜厚は第1軟磁性層4の膜厚より厚く、少なくとも2つの第1軟磁性層4の各々の一部と第2軟磁性層6の一部は磁気抵抗効果膜3の積層方向に重なっていて、第1軟磁性層4と第2軟磁性層6は磁気的に結合していて、少なくとも2つの第1軟磁性層4の各々の先端部の間に磁気抵抗効果膜3が配設されていることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、無配線信号伝達、通信用新機能素子などに応用される磁性素子に関する。
電子の電荷を応用したエレクトロニクスの分野に対して、電子の電荷とスピンを同時に利用するスピントロニクスの分野が、近年、注目されている(非特許文献1)。スピントロニクスは、巨大磁気抵抗(GMR)効果やトンネル磁気抵抗(TMR)効果に代表される磁気抵抗効果素子の急速な発達により、ハードディスクドライブ(HDD)や磁気抵抗メモリ(MRAM)といった形態で、産業に大きく貢献している。
磁気抵抗効果素子では、一方の強磁性体のスピンが伝送・輸送されることで、他方の強磁性体のスピンを回転させるエネルギー(スピントランスファートルク)が生じることが知られている。このスピントランスファートルクと、外部磁界によるトルクが拮抗した際に、スピンの発振・共鳴現象が生じる。これらの現象を利用した、高周波の発振、検波、ミキサー、フィルターといったデバイスとしての産業利用が提案されてきている(特許文献1)。磁気抵抗効果素子の高周波特性は、印加磁界およびスピントランスファートルクによって制御されることが知られている(非特許文献2)。
磁気抵抗効果素子の高周波特性を利用する素子(以下、磁性素子)は前述した通り印加磁界で制御可能だが、産業利用を考えた場合、印加磁界の強度及び方向を広範囲且つ可変に制御可能な磁界印加機構を含んだ素子構造が必要である。
印加磁界の強度を可変制御する磁界印加機構を含んだ素子構造の一例として、電流制御によるコイル磁界を磁気抵抗効果膜に印加する構造が提案されている(特許文献2)。
また、印加磁界の方向を可変制御する磁界印加機構を含んだ素子構造の一例として、バイアス磁界印加器と、バイアス磁界の方向と異なる方向に配設された調整用磁界印加器とを含んだ素子構造が提案されている(特許文献3)。
国際公開WO2010/119569号公報 特開2006−303097号公報 特開2007−184923号公報
Nature、Vol.438、 No.7066、 pp.339−342、17 November 2005 まぐね、Vol.2、No.6、2007、pp282−290
しかしながら、従来技術では以下のような課題がある。
特許文献2に記載の構造は、コイルが巻かれた導磁路層が直接磁気抵抗効果膜近傍まで形成される構造となっている。この場合、導磁路層の膜厚は磁気抵抗効果膜の膜厚と同程度に規定されるため、コイルから発生した磁界が導磁路層内で大きく減衰してしまい、磁気抵抗効果膜近傍での導磁路層内の磁界は少なくなってしまう。一方、磁界を増やすために導磁路層の膜厚を十分厚くしたい場合、導磁路層を磁気抵抗効果膜から十分離間した位置に配設する必要がある。この場合、導磁路層から放出される磁界は、磁気抵抗効果膜に印加される前に、外部へ漏れてしまう。従って、磁気抵抗効果膜に充分な強度の磁界が印加されないという課題がある。
特許文献3に記載の構造は、バイアス磁界印加器と、バイアス磁界の方向と異なる方向に形成された調整用磁界印加器とを有する構造となっている。本構造では、磁気抵抗効果膜にはバイアス磁界と調整用磁界との合成磁界が印加される。調整用磁界の強度を変えることで、合成磁界の強度が変化し、その結果、発振周波数を所望の値に設定することができる。しかしながら、特許文献3には磁界印加についての具体的な構造が明記されていない。
本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであり、磁気抵抗効果膜に充分な強度の磁界が印加される磁性素子を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく本発明に係る磁性素子は、非磁性スペーサー層と前記非磁性スペーサー層を介して配設された第1強磁性層および第2強磁性層とを備えた磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の積層方向に前記磁気抵抗効果膜を介して配設された一対の電極と、少なくとも2つの第1軟磁性層と、電流による磁界発生源と、前記磁界発生源と磁気的に接続された第2軟磁性層とを備え、前記第2軟磁性層は環状で、前記第2軟磁性層と前記磁気抵抗効果膜との離間距離は前記第1軟磁性層と前記磁気抵抗効果膜との離間距離より大きく、前記第2軟磁性層の膜厚は前記第1軟磁性層の膜厚より厚く、前記少なくとも2つの第1軟磁性層の各々の一部と前記第2軟磁性層の一部は前記積層方向に重なっていて、前記第1軟磁性層と前記第2軟磁性層は磁気的に結合していて、前記少なくとも2つの第1軟磁性層の各々の先端部の間に前記磁気抵抗効果膜が配設されていることを特徴とする。
本発明において、2つの第1軟磁性層の各々の先端部の間の磁界が磁気抵抗効果膜に印加されるように磁気抵抗効果膜が配設されていれば、その状態は「2つの第1軟磁性層の各々の先端部の間に磁気抵抗効果膜が配設されている」ことに含まれるものとする。
本発明の構成によれば、磁界発生源から発生した磁束は第2軟磁性層に伝搬する。第2軟磁性層を環状とすることでこの磁束の外部への漏えいを抑えることができる。また、第2軟磁性層と磁気抵抗効果膜との離間距離を大きくすることができるので、第2軟磁性層の膜厚を十分大きくすることが可能となり、磁界発生源から発生した磁束をより多く第2軟磁性層に伝搬させることが可能となる。さらに、少なくとも2つの第1軟磁性層の各々の一部と第2軟磁性層の一部が磁気抵抗効果膜の積層方向に重なり、第1軟磁性層と第2軟磁性層が磁気的に結合していることで、第2軟磁性層の内部で発生した磁束を第1軟磁性層に伝搬させることが可能となる。このように、磁界発生源から発生した磁束の伝搬経路を第1軟磁性層と第2軟磁性層に分けることにより、比較的膜厚が薄い第1軟磁性層の磁路長を短くすることが可能となる。これにより、第1軟磁性層内での磁束の減衰量が小さくなり、第1軟磁性層から充分な強度の磁界が発生する。従って、少なくとも2つの第1軟磁性層の各々の先端部の間に磁気抵抗効果膜が配設されることで、第1軟磁性層から磁気抵抗効果膜に充分な強度の磁界を印加することが可能となる。
さらに本発明の磁性素子は、前記第1軟磁性層は平板状であり、前記第1軟磁性層と前記第2軟磁性層との間に第3軟磁性層が配設されていることを特徴とする。
さらに本発明の磁性素子は、前記第2軟磁性層と前記第3軟磁性層とが直接接続されていることを特徴とする。
さらに本発明の磁性素子は、前記第1軟磁性層と前記第3軟磁性層とが直接接続されていることを特徴とする。
さらに本発明の磁性素子は、前記第1軟磁性層と前記第3軟磁性層が直接接続されていて、且つ前記第2軟磁性層と前記第3軟磁性層とが直接接続されていることを特徴とする。
さらに本発明の磁性素子は、前記第1軟磁性層の飽和磁束密度は、前記第2軟磁性層の飽和磁束密度より大きいことを特徴とする。
さらに本発明の磁性素子は、前記第1軟磁性層の飽和磁束密度は、前記第3軟磁性層の飽和磁束密度より大きいことを特徴とする。
本発明に係る磁性素子によれば、磁気抵抗効果膜に充分な強度の磁界を印加することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る磁性素子10の平面図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 図2に記載の絶縁層8の各部位を詳細に示した図である。 図1のB−B線に沿った断面図である。 図1のC−C線に沿った断面図である。 図1に記載の磁気抵抗効果膜3の詳細積層構成を示す図である。 図1に記載の第1軟磁性層4の平面図である。 第1軟磁性層4の配設の他の例を示す平面図である。 第1軟磁性層4の配設の他の例を示す平面図である。 第1軟磁性層4の配設の他の例を示す平面図である。 第2軟磁性層6の他の例を示す平面図である。 第2軟磁性層6の他の例を示す平面図である。 コイルに流す電流の制御を説明するための図である。 発振出力を測定するための装置構成の概略図である。 本発明の第2〜第5の実施形態に係る磁性素子の平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る図15のA―A線に沿った断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る図15のB―B線に沿った断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る図15のA―A線に沿った断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る図15のB―B線に沿った断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る図15のA―A線に沿った断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る図15のB―B線に沿った断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る図15のA―A線に沿った断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る図15のB―B線に沿った断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る磁性素子10において、α=0°の方向に磁場を印加する場合の磁束の流れを説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る磁性素子10において、α=45°の方向に磁場を印加する場合の磁束の流れを説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る磁性素子10において、他の方法でα=45°の方向に磁場を印加する場合の磁束の流れを説明するための図である。 磁性素子100において、α=45°の方向に磁場を印加する場合の磁束の流れを説明するための図である。
以下、本発明の実施形態の一例について図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。さらに、本実施形態はその趣旨を逸脱しない限り、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
(第1の実施形態)
まず、図1〜図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係る磁性素子10の構成について説明する。図1は磁性素子10の平面図である。図2は図1のA−A線に沿った断面図である。図3は図2記載の絶縁層8の各部位を詳細に示した図である。図4は図1のB−B線に沿った断面図である。図5は図1のC−C線に沿った断面図である。図6は図1に記載の磁気抵抗効果膜3の詳細積層構成を示す図である。尚、図1では、本発明を理解するうえで重要ではない部分は一部省略している。
図1に示すように、磁性素子10は、磁気抵抗効果膜3を挟んでX軸方向及びY軸方向に対向して配設された4つの平板状の第1軟磁性層4と、電流による磁界発生源としての機能を有するコイル7と、コイル7と磁気的に接続された環状の第2軟磁性層6とを備えている。第1軟磁性層4の各々の一部と第2軟磁性層6の一部は磁気抵抗効果膜3の積層方向に重なるように配設されている。尚、コイル7は後述する下部配線71、側部配線72および上部配線73から構成される。また、以下において、「磁気抵抗効果膜3の積層方向」を単に「積層方向」と省略して表記する場合がある。
図2に示すように、磁性素子10では、基板1上に、下部電極層2、磁気抵抗効果膜3および上部電極層5がこの順に配設されている。磁気抵抗効果膜3のX軸方向両側には、第1軟磁性層4が配設されている。上部電極5のX軸方向両側には、第2軟磁性層6が配設されている。また、各層の層間には絶縁層8が配設されている。
図3では、図2に記載の絶縁層8の各部位を詳細に示している。図3に示すように、磁性素子10では、基板1上に絶縁層81、絶縁層83、絶縁層84、絶縁層85、絶縁層86および絶縁層87が配設されている。
図4に示すように、磁性素子10では、基板1上に、絶縁層81、絶縁層82、絶縁層83、第1軟磁性層4、絶縁層84、下部配線71、絶縁層85、第2軟磁性層6、絶縁層86および上部配線73が配設されている。
図5に示すように、磁性素子10では、基板1上に、絶縁層81、絶縁層82、下部配線71、絶縁層85、側部配線72、第2軟磁性層6、絶縁層86および上部配線73が配設されている。
図6では、磁気抵抗効果膜3の詳細積層構成を示す。図6に示すように、磁気抵抗効果膜3では、バッファー層31、反強磁性層32、磁化固定層33、非磁性スペーサー層34、磁化自由層35およびキャップ層36がこの順に配設されている。尚、本第1の実施形態では、磁化固定層33が本発明における第1強磁性層に相当し、磁化自由層35が本発明における第2強磁性層に相当するが、本発明における第1強磁性層および第2強磁性層はこれに限定されない。
次に、各層の説明を行う。
基板1は平滑面を有するシリコン基板である。基板1は、例えばアルティック(Al・TiC)、ガラス(SiO)、又はカーボン(C)などの材料により構成されてもよい。また、基板1として基板表面があらかじめ熱酸化されたシリコン基板またはガラス基板を用いることもできる。また、図示しないが、基板1表面に絶縁層を形成してもよい。この絶縁層は、後述する下部電極層2から電流が基板1に流れ込むことにより、基板1と下部電極層2との間にキャパシタ成分が発生し、高周波の伝送損失が生じることを防ぐように機能する。この絶縁層としては、例えばスパッタ法またはIBD(イオンビームデポジション)法等により形成される酸化アルミニウム(Al)又は酸化ケイ素(SiO)などの非磁性絶縁材料により構成される。その厚さは、0.05μm〜10μm程度とすることが好ましい。
下部電極層2は、上部電極層5と一対の電極としての役目を備えている。つまり、下部電極層2および上部電極層5は、電流を磁気抵抗効果膜3に対して、磁気抵抗効果膜3を構成する各層の面と交差する方向、例えば、磁気抵抗効果膜3を構成する各層の面に対して垂直な方向(磁気抵抗効果膜3の積層方向)に流すための一対の電極としての機能を有している。
このような下部電極層2および上部電極層5としては、例えばスパッタ法またはIBD法等により形成されるTa、Cu、Au、AuCuまたはRuからなる膜、もしくはこれらの材料のいずれか2つ以上からなる膜で構成される。下部電極層2および上部電極層5の膜厚は、0.05μm〜5μm程度とすることが好ましい。磁性素子10では、伝送損失の低減のため、電極層の形状が重要となる。この実施形態では、下部電極層2および上部電極層5を、周知のフォトレジストパターニング、イオンビームエッチング等により、磁性素子10の上から見た形状を、コプレーナーウェイブガイド(CPW)型の形状に規定する。
磁気抵抗効果膜3は、バッファー層31、反強磁性層32、磁化固定層33、非磁性スペーサー層34、磁化自由層35およびキャップ層36で形成される。各層は、例えばスパッタ成膜装置を用いて成膜する。
バッファー層31は、下部電極層2の結晶性を遮断することと、反強磁性層32の配向・粒径を制御するための層であり、特に、反強磁性層32と磁化固定層33との交換結合を良好にするために設けられている。
バッファー層31は、例えばTaとNiCrとの膜や、TaとRuとの膜が好ましい。バッファー層31の膜厚は、例えば2nm〜6nm程度とすることが好ましい。
反強磁性層32は、磁化固定層33との交換結合により、磁化固定層33に一方向磁気異方性を付与することを目的とした層である。
反強磁性層32は、例えば、Pt、Ru、Rh、Pd、Ni、Cu、Ir、CrおよびFeのグループの中から選ばれた少なくとも1種からなる元素と、Mnとを含む反強磁性材料から構成される。具体的には、RuRhMn、FeMn、IrMn、PtMn、NiMn、PtRhMn等が例示でき、Mnの含有量は35at%〜95at%とすることが好ましい。また、反強磁性層32の膜厚は、4nm〜30nm程度とすることが好ましい。
尚、磁化固定層33の磁化方向を固定するための層として、反強磁性層32に代えてCoPt等の硬磁性材料からなる硬磁性層を設けるようにしても良い。
さらに、図6には、反強磁性層32をボトム側(下部電極層2側)に形成した実施の形態が示されているが、反強磁性層32をトップ側(キャップ層36側)に形成して、磁化自由層35と磁化固定層33の位置を入れ替えた実施の形態とすることもできる。
磁化固定層33は、ピンニング作用を果たす反強磁性層32の上に形成されている。好適な形態として磁化固定層33は、反強磁性層32側から、図示しないアウター層、非磁性中間層およびインナー層が順次積層された構成、すなわちシンセティックピンド層を構成している。
アウター層およびインナー層は、例えば、CoやFeを含む強磁性材料からなる強磁性層を有して構成される。アウター層とインナー層は、反強磁性的に結合し、互いの磁化の方向が逆方向になるように固定されている。
アウター層およびインナー層は、例えば、CoFe合金、組成の異なるCoFe合金の積層構造またはCoFeB合金とCoFe合金との積層構造とすることが好ましい。アウター層の膜厚は1nm〜7nm、インナー層の膜厚は1nm〜10nm程度とすることが好ましい。インナー層は、ホイスラー合金を含んでいても良い。
非磁性中間層は、例えば、Ru、Rh、Ir、Re、Cr、ZrおよびCuのグループから選ばれた少なくとも1種を含む非磁性材料から構成される。非磁性中間層の膜厚は、例えば0.35nm〜1.0nm程度とされる。非磁性中間層は、インナー層の磁化とアウター層の磁化とを互いに逆方向に固定するために設けられている。「磁化が互いに逆方向」というのは、これらの2つの磁化が互いに180°異なる場合のみに狭く限定解釈されることなく、180°±20°異なる場合をも含む広い概念である。
非磁性スペーサー層34は、磁化固定層33の磁化と磁化自由層35の磁化を相互作用させて磁気抵抗効果を得るための層である。
非磁性スペーサー層34としては、絶縁体、半導体、導体が挙げられる。
非磁性スペーサー層34として絶縁体を適用する場合、Alや酸化マグネシウム(MgO)が挙げられる。非磁性スペーサー層34の格子定数と磁化固定層33の格子定数、および非磁性スペーサー層34の格子定数と磁化自由層35の格子定数はできるだけ近い値とした方が好ましい。これにより、非磁性スペーサー層34を介したコヒーレントトンネル効果が発現し、高い磁気抵抗変化率が得られるようになる。絶縁体の膜厚は、0.5nm〜3.0nm程度とすることが好ましい。
非磁性スペーサー層34として半導体を適用する場合、非磁性スペーサー層34は、磁化固定層33側から第1の非磁性金属層、半導体酸化物層および第2の非磁性金属層が順次積層された構成が好ましい。第1の非磁性金属層の材料としては、例えばCuまたはZnが挙げられる。第1の非磁性金属層の膜厚は0.1nm〜1.2nm程度とすることが好ましい。半導体酸化物層の材料としては、例えば酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In)、酸化錫(SnO)、酸化インジウム錫(ITO:Indium Tin Oxide)または酸化ガリウム(GaOもしくはGa)が挙げられる。半導体酸化物層の膜厚は1.0nm〜4.0nm程度とすることが好ましい。第2の非磁性金属層の材料としては、Zn、ZnとGaとの合金、ZnとGaOとの膜、CuまたはCuとGaの合金が挙げられる。第2の非磁性金属層の膜厚は0.1nm〜1.2nm程度とすることが好ましい。
非磁性スペーサー層34として導体を適用する場合、非磁性スペーサー層34の材料としてCuまたはAgが挙げられる。導体の膜厚は1nm〜4nm程度とすることが好ましい。
磁化自由層35は、外部磁界もしくはスピン偏極電子によってその磁化の向きが変化する層である。
磁化自由層35は、膜面内方向に磁化容易軸を有する材料を選定する場合、例えば、CoFe、CoFeB、CoFeSi、CoMnGe、CoMnSiまたはCoMnAl等からなる厚さ1nm〜10nm程度の膜により構成される。この膜に、磁歪調整層として例えばNiFe等からなる厚さ1nm〜9nm程度の軟磁性膜を付加してもよい。
磁化自由層35は、膜面法線方向に磁化容易軸を有する材料を選定する場合、例えば、Co、Co/非磁性層積層膜、CoCr系合金、Co多層膜、CoCrPt系合金、FePt系合金、希土類を含むSmCo系合金、TbFeCo合金またはホイスラー合金により構成される。
また、磁化自由層35と非磁性スペーサー層34との間に、高スピン偏極材料を挿入しても良い。これによって、高い磁気抵抗変化率を得ることが可能となる。
高スピン偏極材料としては、CoFe合金またはCoFeB合金が挙げられる。高スピン分極材料の層の膜厚は0.2nm以上1nm以下とすることが好ましい。
また、磁化自由層35の成膜時に膜面垂直方向に一定磁界を印加することにより誘導磁気異方性を導入しても良い。
キャップ層36は、酸化・エッチングなどから磁化自由層35を保護する目的の層である。キャップ層36は、例えば、Ru膜、Ta膜またはRuとTaの積層膜とすることが好ましく、膜厚は2nm〜10nm程度とすることが好ましい。
キャップ層36の成膜後、磁化固定層33の磁化固着のためのアニールを行う。アニールは、真空度1.0×10−3Pa以下のもと、温度は250℃〜300℃、時間は1時間〜5時間、印加磁界は3kOe〜10kOeで行うことが好ましい。
アニール後、周知のフォトレジストパターニング、イオンビームエッチング等を行い、磁気抵抗効果膜3の上から見た平面視形状を、円形、楕円形、長方形などにパターニングする。平面視形状の寸法は、100nm以下とすることが好ましい。
第1軟磁性層4は、後述する第2軟磁性層6と磁気的に結合していて、第2軟磁性層6から放出される磁束を取り込み、磁束を集中させて所望の磁界を磁気抵抗効果膜3に印加するための層である。
第1軟磁性層4の材料としては、例えばスパッタ法、IBD法等により形成される軟磁気特性に優れた軟磁性材料を用いることが好ましい。このような軟磁性材料としては、NiFe、CoNiFe、NiFeX(X=Ta,Nb,Mo)等のNiFe合金や、FeCo合金、CoZrNb、CoAl−O、Fe−SiO、CoFeB等がある。第1軟磁性層4の飽和磁束密度は、第2軟磁性層6の飽和磁束密度より大きくすることが好ましい。このようにすることで、第2軟磁性層6から発生した磁束をより多く第1軟磁性層4に取り込むことが可能となり、第1軟磁性層4から磁気抵抗効果膜3に印加する磁界をより強くすることが可能となる。強磁性体は飽和磁束密度が大きくなると保磁力も大きくなる傾向にある。第2軟磁性層6の飽和磁束密度を第1軟磁性層4と同じように大きくすると、第1軟磁性層4および第2軟磁性層6から構成される磁路全体の保磁力が上昇してしまい、磁路全体の軟磁気特性は大きく低下する。第1軟磁性層4の飽和磁束密度を第2軟磁性層6の飽和磁束密度より大きくし、第2軟磁性層6の保磁力を第1軟磁性層4の保磁力よりも小さくすれば、磁路全体の保磁力の上昇を抑えつつ、より多くの磁束を第1軟磁性層4に取り込むことが可能となり、第1軟磁性層4から磁気抵抗効果膜3に印加する磁界を強くすることができる。第1軟磁性層4の膜厚は、5nm〜30nm程度とすることが好ましい。
ここで、第1軟磁性層4で規定している寸法について、図7を参照して説明する。
図7に、第1軟磁性層4の平面図を示す。第1軟磁性層4は第1軟磁性層先端領域41と第1軟磁性層後端領域42から構成される。第1軟磁性層4の先端部43は第1軟磁性層先端領域41の先端部である。ここでは、図7に示すようにX方向に第1軟磁性層先端領域41と第1軟磁性層後端領域42が並ぶ構成の第1軟磁性層4の例を用いて、第1軟磁性層4の平面視形状の寸法について説明する。第1軟磁性層後端領域42には、そのY方向長さが第1軟磁性層先端領域41に向かっていくに伴い狭くなる領域が設けられ、この領域のX方向長さをL1m、この領域の側面のX方向に対する角度をθとする。L1mは0.1μm〜10μm程度、角度θは10°〜80°程度とすることが好ましい。これにより、第1軟磁性層後端領域42で磁束を集中させることが可能となる。また、第1軟磁性層後端領域42のX方向長さからL1mを減じた長さをL1rとする。L1rは0の場合も有り得る。また、第1軟磁性層先端領域41のX方向幅をL1f、第1軟磁性層先端領域41のY方向長さをW1fとする。L1fは0.1μm〜5μm程度、W1fは0.01μm〜5μm程度とすることが好ましい。これにより、第1軟磁性層後端領域42で集中させた磁束を減衰させることなく第1軟磁性層先端領域41に伝搬させることが可能となる。
次に、磁気抵抗効果膜3と第1軟磁性層4との位置関係について詳細に説明する。
磁気抵抗効果膜3は少なくとも2つの第1軟磁性層4の各々の先端部43の間に配設されている。このとき、第1軟磁性層4の各々の先端部43と磁気抵抗効果膜3との離間距離は50nm以下とすることが好ましい。これにより、第1軟磁性層4から磁気抵抗効果膜に充分な強度の磁界を印加することが可能となる。第1軟磁性層4は、例えば図1に示す通り2対でも良いし、図8に示す通りX軸方向に対向するように1対にしても良いし、図9に示す通りY軸方向に対向するように1対にしても良いし、図10に示すX軸方向及びY軸方向にそれぞれ一つ配設しても良い。本明細書において、2つの第1軟磁性層4の各々の先端部43の間の磁界が磁気抵抗効果膜3に印加されるように磁気抵抗効果膜3が配設されていれば、その状態は「2つの第1軟磁性層の各々の先端部の間に磁気抵抗効果膜が配設されている」という。図1に示す磁性素子10は、磁気抵抗効果膜3へ磁界を印加する方向をXY面内の任意の方向に設定したい場合に好ましい形態である。これにより、例えば、磁気抵抗効果膜3のスピントルク発振出力を大きくするために最適な磁界印加方向を設定することができる。一方、図8、図9および図10に示す形態は、磁気抵抗効果膜3へ磁界を印加する方向をXY面内のある特定方向に限定して設定したい場合に好ましい形態である。
第2軟磁性層6は、後述するコイル7から発生した磁束を第1軟磁性層4に誘導するための層である。第2軟磁性層6の膜厚は、第1軟磁性層4の膜厚よりも厚くなっている。第2軟磁性層6の平面視形状は、軟磁性体が連続的に連なった環状である。形状が環状であることで、この磁束の外部への漏えいを抑えることができる。ここで環状とは、図1に記載の菱形形状に限らず、例えば図11に記載の円形でも良いし、図12に記載したように、第2軟磁性層6の磁路の内周側を鈍角にした形状でも良い。これにより、第2軟磁性層6内の磁気抵抗を低減させることが可能となり、所望の磁束を得るためにコイル7に流す電流量を少なくすることが可能となる。
第2軟磁性層6と磁気抵抗効果膜3との離間距離は、第1軟磁性層4と磁気抵抗効果膜3との離間距離よりも大きくなっている。これにより、第2軟磁性層6の膜厚を十分大きくすることが可能となり、後述するコイル7から発生した磁束をより多く第2軟磁性層6に伝搬させることが可能となる。さらに、少なくとも2つの第1軟磁性層4の各々の一部と第2軟磁性層6の一部が磁気抵抗効果膜3の積層方向に重なり、第1軟磁性層4と第2軟磁性層6が磁気的に結合している。これにより、第2軟磁性層6の内部で発生した磁束を第1軟磁性層4に伝搬させることが可能となる。このように、コイル7から発生した磁束の伝搬経路を第1軟磁性層4と第2軟磁性層6に分けることにより、比較的膜厚が薄い第1軟磁性層4の磁路長を短くすることが可能となる。これにより、第1軟磁性層4内での磁束の減衰量が小さくなり、第1軟磁性層4から充分な強度の磁界が発生する。
第2軟磁性層6は、例えばスパッタ法、IBD法またはフレームめっき法等により形成される軟磁気特性に優れた軟磁性材料で構成されることが好ましい。このような軟磁性材料としては、NiFe、NiFeCo、NiFeX(X=Ta,Nb,Mo)等のNiFe合金や、FeCo合金、CoZrNb、CoAl−O、Fe−SiO、CoFeB等がある。第2軟磁性層6の膜厚は、0.1μm〜10μm程度とすることが好ましい。これにより、第2軟磁性層6の内部に所望の磁束を発生させることが可能となる。
コイル7は、下部配線71、側部配線72および上部配線73から構成され、電流を印加することで磁束が発生する電流による磁界発生源である。図1に示すように、磁性素子10では、4つのコイル7が第2軟磁性層6に巻回されて構成されており、隣接するコイル7の間の部分の第2軟磁性層6と、第1軟磁性層4の各々の一部(第1軟磁性層後端領域42の各々の一部)が磁気抵抗効果膜3の積層方向に重なっている。
下部配線71、側部配線72および上部配線73は、例えば、スパッタ法、IBD法またはフレームめっき法等によりAu、CuまたはAuCuなどの高導電性材料で形成される。また、下部配線71、側部配線72および上部配線73は所望の導電性が確保できれば必ずしも同じ材料である必要はない。さらに、側部配線72については、第2軟磁性層6と同じ材料で構成してもよい。この場合、側部配線72を第2軟磁性層6と同時に作製することができるので、作製プロセスの簡略化が可能である。下部配線71、側部配線72および上部配線73の膜厚は0.1μm〜10μm程度とすることが好ましい。これにより、コイル7の導電性を高く設定することが可能となる。また、コイル7は、第2軟磁性層6を中心として巻回する構造(スパイラル構造)を有している。なお、コイル7の巻回数(ターン数)は任意に設定可能である。
絶縁層8は、絶縁層81、絶縁層82、絶縁層83、絶縁層84、絶縁層85、絶縁層86および絶縁層87から構成され、上述した任意の層間同士の電気的絶縁をとるための層である。
絶縁層8は、例えばスパッタ法、IBD法または塗布法等により形成される、例えばAl、SiOまたは加熱時に流動性を示すフォトレジストやスピンオングラス(SOG;Spin On Glass )などの非磁性絶縁材料で構成される。また、絶縁層8としては、前述した非磁性絶縁材料を複数使用してもよい。絶縁層8の膜厚は0.005μm〜10μm程度とすることが好ましい。さらに、絶縁層8の成膜後に、膜の平坦性を上げるために化学機械研磨(CMP)法等による平坦化処理を行ってもよい。
各層のパターニングは、周知のフォトレジストパターニング、イオンビームエッチング、リフトオフ法等により行われる。
次に、コイル7に流す電流の制御(コイル7から発生する磁束の向きの制御)とスピントルク発振について説明する。
はじめに、コイル7に流す電流の制御について図13を参照して説明する。
図13に示す通り、磁性素子10が備える4つのコイル701、702、703、704は、それぞれport1、port2、port3、port4の4つの独立した制御ラインに接続されている。ここで、コイル701に流す電流をI1、コイル702に流す電流をI2、コイル703に流す電流をI3、コイル704に流す電流をI4とする。また、図13および後述する図24〜27に記載した破線矢印の方向に電流を流す場合を+電流、破線矢印と逆方向に電流を流す場合を−電流とする。また、4つのコイル701、702、703、704から発生する環状の第2軟磁性層6における磁束の向きは、各コイルに流す電流の向きが+の場合の磁束の向き(図13および後述する図24〜27の第2軟磁性層6における反時計回りの向き)を+の向きとし、各コイルに流す電流の向きが−の場合の磁束の向き(図13および後述する図24〜27の第2軟磁性層6における時計回りの向き)を−の向きとする。また、XY平面内において磁界印加方向とX軸とのなす角をαとする。ここで、第1軟磁性層4の各部の材料、形状および寸法はすべて同じとする。また、コイル701、702、703および704の材料、形状、寸法およびターン数はすべて同じとする。
磁気抵抗効果膜3に充分な強度の磁界を印加するために、4つの独立したコイル701、702、703および704のうち、少なくとも2つのコイルに電流を流し、少なくとも2つのコイルのうちの一つのコイルから発生する第2軟磁性層6における磁束の向きを、他の少なくとも1つのコイルから発生する第2軟磁性層6における磁束の向きに対して逆向きにする。
例えば、磁気抵抗効果膜3にα=0°の方向に磁界を印加したい場合、例えば、電流方向をI1、I2では+方向、I3、I4では−方向に設定して、電流量はI1、I2、I3、I4を同じ値にすれば良い。この場合、コイル701および702から発生する第2軟磁性層6における磁束の向きは+方向になり、コイル703および704から発生する第2軟磁性層6における磁束の向きは−方向になり、磁束の流れは図24に示す一点鎖線の矢印の通りとなる。この場合、コイル701とコイル704の間の部分の第2軟磁性層6と積層方向に重なっている第1軟磁性層4の部分から、コイル702とコイル703の間の部分の第2軟磁性層6と積層方向に重なっている第1軟磁性層4の部分に磁束が流れ、磁気抵抗効果膜3にα=0°の方向に磁界が印加される。
磁気抵抗効果膜3にα=45°の方向に磁界を印加したい場合、例えば、電流方向をI1では+方向、I3では−方向に設定して、電流量はI1、I3を同じ値にし、I2、I4の電流量は0とすれば良い。この場合、コイル701から発生する第2軟磁性層6における磁束の向きは+方向になり、コイル703から発生する第2軟磁性層6における磁束の向きは−方向になり、磁束の流れは図25に示す一点鎖線の矢印の通りとなる。この場合、コイル701とコイル704の間の部分の第2軟磁性層6と積層方向に重なっている第1軟磁性層4の部分から、コイル702とコイル703の間の部分の第2軟磁性層6と積層方向に重なっている第1軟磁性層4の部分、およびコイル701とコイル702の間の部分の第2軟磁性層6と積層方向に重なっている第1軟磁性層4の部分に磁束が流れる。また、コイル703とコイル704の間の部分の第2軟磁性層6と積層方向に重なっている第1軟磁性層4の部分から、コイル701とコイル702の間の部分の第2軟磁性層6と積層方向に重なっている第1軟磁性層4の部分、およびコイル702とコイル703の間の部分の第2軟磁性層6と積層方向に重なっている第1軟磁性層4の部分に磁束が流れる。その結果、磁気抵抗効果膜3に印加される磁界の方向はα=45°となる。
他の方法で磁気抵抗効果膜3にα=45°の方向に磁界を印加したい場合、例えば、電流方向をI1では+方向、I2、I3、I4では−方向に設定して、電流量はI1、I2,I3、I4を同じ値にすれば良い。この場合、コイル701から発生する第2軟磁性層6における磁束の向きは+方向になり、コイル702、703および704から発生する第2軟磁性層6における磁束の向きは−方向になり、磁束の流れは図26に示す一点鎖線の矢印の通りとなる。この場合、コイル701とコイル704の間の部分の第2軟磁性層6と積層方向に重なっている第1軟磁性層4の部分から、コイル701とコイル702の間の部分の第2軟磁性層6と積層方向に重なっている第1軟磁性層4の部分に磁束が流れる。その結果、磁気抵抗効果膜3に印加される磁界の方向はα=45°となる。
同様にして、磁気抵抗効果膜3にα=90°の方向に磁界を印加したい場合、電流方向をI1、I4では+方向、I2、I3では−方向に設定して、電流量はI1、I2、I3、I4を同じ値にすれば良い。磁気抵抗効果膜3にα=135°の方向に磁界を印加したい場合、電流方向をI2では−方向、I4では+方向に設定して、電流量はI2、I4を同じ値にし、I1、I3の電流量は0とすれば良い。磁気抵抗効果膜3にα=180°の方向に磁界を印加したい場合、電流方向をI1、I2では−方向、I3、I4では+方向に設定して、電流量はI1、I2、I3、I4を同じ値にすれば良い。次に、磁気抵抗効果膜3にα=225°の方向に磁界を印加したい場合、電流方向をI1では−方向、I3では+方向に設定して、電流量はI1、I3を同じ値にし、I2、I4の電流量は0とすれば良い。磁気抵抗効果膜3にα=270°の方向に磁界を印加したい場合、電流方向をI1、I4では−方向、I2、I3では+方向に設定して、電流量はI1、I2、I3、I4を同じ値にすれば良い。磁気抵抗効果膜3にα=315°の方向に磁界を印加したい場合、電流方向をI2では+方向、I4では−方向に設定して、電流量はI2、I4を同じ値にし、I1、I3の電流量は0とすれば良い。
上述した例では、電流量が0の場合を除いて、各コイル7に流す電流量を同じ場合のみで説明したが、各コイル7に流す電流量を調整することで、任意の方向の磁界を磁気抵抗効果膜3に印加することができる。
また、図27に示すような磁性素子100においても、磁気抵抗効果膜3に充分な強度の磁界を印加することができる。磁性素子100では、2つの第1軟磁性層4の先端部の間に磁気抵抗効果膜3が配設され、2つのコイル701および703が第2軟磁性層6に巻回されて構成されており、隣接するコイル701と703の間の部分の第2軟磁性層6と、第1軟磁性層4の各々の一部(第1軟磁性層後端領域42の各々の一部)が磁気抵抗効果膜3の積層方向に重なっている。
この場合、例えば、電流方向をI1では+方向、I3では−方向に設定して、電流量はI1、I3を同じ値にすると、コイル701から発生する第2軟磁性層6における磁束の向きは+方向になり、コイル703から発生する第2軟磁性層6における磁束の向きは−方向になり、磁束の流れは図27に示す一点鎖線の矢印の通りとなる。この場合、コイル701とコイル703の間の一方の部分の第2軟磁性層6と積層方向に重なっている第1軟磁性層4の部分から、コイル701とコイル703の間の他方の部分の第2軟磁性層6と積層方向に重なっている第1軟磁性層4の部分に磁束が流れる。その結果、磁気抵抗効果膜3に印加される磁界の方向はα=45°となる。
αと、各コイルから発生する環状の第2軟磁性層6における磁束の向きと、各コイルに流す電流方向および電流量との関係を表1にまとめた。
Figure 2015167224
このように、少なくとも2つの電流による磁界発生源(コイル7)のうちの一つの磁界発生源から発生する第2軟磁性層6における磁束の向きを、他の少なくとも1つの磁界発生源から発生する第2軟磁性層6における磁束の向きに対して逆向きにし、磁界発生源からの磁束を少なくとも2つ第1軟磁性層4の間に流すことで、磁気抵抗効果膜3に充分な強度の磁界を印加することができる。
また、磁性素子10のように、4つの電流による磁界発生源(コイル701〜704)と4つの第1軟磁性層4を備え、隣接するコイル7の間の部分の第2軟磁性層6と、第1軟磁性層4の各々の一部が磁気抵抗効果膜3の積層方向に重なっていることで、磁気抵抗効果膜3に印加する磁界の方向を変化させることができる。
次に、スピントルク発振出力について説明する。
以下に、スピントルク発振現象に関して簡易に説明する。磁気抵抗効果膜3に対して直流電流を流した場合、磁化固定層33にてスピン偏極を受けた電子が、磁化自由層35へ流入することにより、スピントルクがトランスファーされ、磁化自由層35内部にて磁化の反転が生じようとする。この磁化反転の向きと逆向きにトルクが生じる向きに外部磁界を印加した場合、2つの相反するトルクが拮抗した際に、大きな磁化の歳差運動が生じ、歳差運動の周期に対応した周波数の高周波信号が出力される。この現象がスピントルク発振である。
図14に、磁性素子10の発振出力を測定するための装置構成の概略図を示す。11はバイアスティーであり、AC信号とDC信号の分離を行う。12はパワーアンプであり、バイアスティー11により分離されたAC信号の増幅を行う。13はスペクトラムアナライザであり、パワーアンプ12で増幅された高周波信号の出力を測定する。14はソースメーターであり、磁気抵抗効果膜3への電流印加を行う。ソースメーター14より磁気抵抗効果膜3に対して印加する電流は、素子の破壊電圧を考慮し設定する。15はダイオードであり、磁気抵抗効果膜3の破壊防止のため接続する。
また、磁性素子10に対してスピントルク発振測定を行えば、磁化自由層35の磁化の歳差運動の周期に対応した周波数近傍で発振ピークを得ることが可能となる。
このように磁性素子10は、非磁性スペーサー層34と非磁性スペーサー層34を介して配設された第1強磁性層(磁化固定層33)および第2強磁性層(磁化自由層35)とを備えた磁気抵抗効果膜3と、磁気抵抗効果膜3の積層方向に磁気抵抗効果膜3を介して配設された一対の電極(下部電極層2と上部電極層5)と、少なくとも2つの第1軟磁性層4と、電流による磁界発生源(コイル7)と、磁界発生源(コイル7)と磁気的に接続された第2軟磁性層6とを備え、第2軟磁性層6は環状で、第2軟磁性層6と磁気抵抗効果膜3との離間距離は第1軟磁性層4と磁気抵抗効果膜3との離間距離より大きく、第2軟磁性層6の膜厚は第1軟磁性層4の膜厚より厚く、少なくとも2つの第1軟磁性層4の各々の一部と第2軟磁性層6の一部は積層方向に重なっていて、第1軟磁性層4と第2軟磁性層6は磁気的に結合していて、少なくとも2つの第1軟磁性層4の各々の先端部43の間に磁気抵抗効果膜3が配設されているので、磁気抵抗効果膜3に充分な強度の磁界を印加することが可能となる。
(第2の実施形態)
図15〜図17を参照して、本発明の第2の実施形態に係る磁性素子200の構成について説明する。図15は、本発明の第2の実施形態に係る磁性素子200の平面図、図16は図15のA−A線断面図、図17は図15のB−B線断面図、である。尚、図15では、本発明を理解するうえで重要ではない部分は一部省略している。磁性素子200が第1の実施形態の磁性素子10と異なるのは、第3軟磁性層9が第1軟磁性層4と第2軟磁性層6との間に配設されている点である。
第3軟磁性層9は、第1軟磁性層4と第2軟磁性層6との磁気的結合を強くするための層である。第3軟磁性層9が第1軟磁性層4と第2軟磁性層6との間に配設されることで、第2軟磁性層6の内部で発生した磁束が第3軟磁性層9を介して第1軟磁性層4へ伝搬
する。これにより、第2軟磁性層6から外部に発生する漏れ磁界を低減することが可能となる。従って、磁気抵抗効果膜3に充分な強度の磁界を印加することが可能となる。
さらに、第1軟磁性層4の飽和磁束密度は、第3軟磁性層9の飽和磁束密度より大きくすることが好ましい。このようにすることで、第3軟磁性層9から発生した磁束をより多く第1軟磁性層4に取り込むことが可能となり、第1軟磁性層4から磁気抵抗効果膜3に印加する磁界をより強くすることが可能となる。強磁性体は飽和磁束密度が大きくなると保磁力も大きくなる傾向にある。第3軟磁性層9の飽和磁束密度を第1軟磁性層4と同じように大きくすると、第1軟磁性層4、および第3軟磁性層9から構成される磁路全体の保磁力が上昇してしまい、磁路全体の軟磁気特性は大きく低下する。第1軟磁性層4の飽和磁束密度を、第3軟磁性層9の飽和磁束密度より大きくし、第3軟磁性層9の保磁力を第1軟磁性層4の保磁力よりも小さくすれば、磁路全体の保磁力の上昇を抑えつつ、より多くの磁束を第1軟磁性層4に取り込むことが可能となり、第1軟磁性層4から磁気抵抗効果膜3に印加する磁界を強くすることができる。
第3軟磁性層9の材料としては、例えばスパッタ法、IBD法またはフレームめっき法等により形成される軟磁気特性に優れた軟磁性材料で構成されることが好ましい。このような軟磁性材料としては、NiFe、NiFeCo、NiFeX(X=Ta,Nb,Mo)等のNiFe合金や、FeCo合金、CoZrNb、CoAl−O、Fe−SiO2、CoFeB等がある。第3軟磁性層9の膜厚は、0.01μm〜10μm程度とすることが好ましい。これにより、第1軟磁性層4と第2軟磁性層6との磁気的結合を強くすることが可能となる。
第3軟磁性層9のパターニングは、周知のフォトレジストパターニング、イオンビームエッチング、リフトオフ法等により行われる。
(第3の実施形態)
図18〜図19を参照して、本発明の第3の実施形態に係る磁性素子300の構成について説明する。尚、第3の実施形態における磁性素子300の平面図は図15と同じなので、図15を参照して以下の説明を行う。図18は第3の実施形態に係る図15のA−A線断面図、図19は第3の実施形態に係る図15のB−B線断面図である。磁性素子300が第2の実施形態の磁性素子200と異なるのは、第2の実施形態の磁性素子200では第2軟磁性層6と第3軟磁性層9との間に絶縁層8が配設されているのに対して、磁性素子300では第2軟磁性層6と第3軟磁性層9が直接接続されている点である。これにより、磁性素子300は第2の実施形態の磁性素子200と比較して、第2軟磁性層6と第3軟磁性層9との磁気的結合を強くすることが可能となり、第2軟磁性層6から外部に発生する漏れ磁界を低減することができる。従って、磁性素子300は第2の実施形態の磁性素子200と比較して、磁気抵抗効果膜3に強い磁界を印加することが可能となる。
(第4の実施形態)
図20〜図21を参照して、本発明の第4の実施形態に係る磁性素子400の構成について説明する。尚、第4の実施形態における磁性素子400の平面図は図15と同じなので、図15を参照して以下の説明を行う。図20は第4の実施形態に係る図15のA−A線断面図、図21は第4の実施形態に係る図15のB−B線断面図である。磁性素子400が第2の実施形態の磁性素子200と異なるのは、第2の実施形態の磁性素子200では第1軟磁性層4と第3軟磁性層9との間に絶縁層8が配設されているのに対して、磁性素子400では第1軟磁性層4と第3軟磁性層9が直接接続されている点である。これにより、磁性素子400は第2の実施形態の磁性素子200と比較して、第1軟磁性層4と第3軟磁性層9との磁気的結合を強くすることが可能となり、第3軟磁性層9から外部に発生する漏れ磁界を低減することができる。
(第5の実施形態)
図22〜図23を参照して、本発明の第5の実施形態に係る磁性素子500の構成について説明する。尚、第5の実施形態における磁性素子500の平面図は図15と同じなので、図15を参照して以下の説明を行う。図22は第5の実施形態に係る図15のA−A線断面図、図23は第5の実施形態に係る図15のB−B線断面図である。磁性素子500が第2の実施形態の磁性素子200と異なるのは、第2の実施形態の磁性素子200では第1軟磁性層4と第3軟磁性層9との間及び第2軟磁性層6と第3軟磁性層9との間に絶縁層8が配設されているのに対して、磁性素子500では第1軟磁性層4と第3軟磁性層9とが直接接続されていて、且つ第2軟磁性層6と第3軟磁性層9とが直接接続されている点である。これにより、磁性素子500は第2の実施形態の磁性素子200と比較して、第1軟磁性層4と第3軟磁性層9との磁気的結合を強くすることが可能となり、且つ第2軟磁性層6と第3軟磁性層9との磁気的結合を強くすることができる。よって、第2軟磁性層6及び第3軟磁性層9から外部に発生する漏れ磁界を低減することができる。
以上、本発明をその好適な実施の形態を参照して具体的に示し説明してきたが、本発明はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載の発明の要旨の範疇において様々に変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、電流による磁界発生源として巻回形成されたコイルを用いているが、電流による磁界発生源はワイアー形状でも良い。この場合、ワイアー形状の磁界発生源を第2軟磁性層6の近傍に設置して、ワイアー形状の磁界発生源と第2軟磁性層6とを磁気的に接続すれば良い。
また、例えば、上記の実施形態では磁化固定層33が下部電極層2側、磁化自由層35が上部電極層5側に配設されるボトム型スピンバルブ積層構造を用いているが、磁化固定層33が上部電極層5側、磁化自由層35が下部電極層2側に配設されるトップ型スピンバルブ構造でも良い。
また、例えば、上記の実施形態では基板1上に、第1軟磁性層4、第3軟磁性層9および第2軟磁性層6がこの順に配設されているが、基板1上に、第2軟磁性層6、第3軟磁性層9および第1軟磁性層4がこの順に配設されていても良い。
本発明の産業上の利用可能性として、局部発振器、無線通信用送受信器、高周波アシスト記録(MAMR)用素子、整合回路、周波数可変型アンテナ装置などが挙げられる。
1 基板
2 下部電極層
3 磁気抵抗効果膜
31 バッファー層
32 反強磁性層
33 磁化固定層
34 非磁性スペーサー層
35 磁化自由層
36 キャップ層
4 第1軟磁性層
41 第1軟磁性層先端領域
42 第1軟磁性層後端領域
43 第1軟磁性層先端部
5 上部電極層
6 第2軟磁性層
7、701、702、703、704 コイル
71 下部配線
72 側部配線
73 上部配線
8、81、82、83、84、85、86、87 絶縁層
9 第3軟磁性層
10、100、200、300、400、500 磁性素子
11 バイアスティー
12 パワーアンプ
13 スペクトラムアナライザ
14 ソースメーター
15 ダイオード

Claims (7)

  1. 非磁性スペーサー層と前記非磁性スペーサー層を介して配設された第1強磁性層および第2強磁性層とを備えた磁気抵抗効果膜と、
    前記磁気抵抗効果膜の積層方向に前記磁気抵抗効果膜を介して配設された一対の電極と、
    少なくとも2つの第1軟磁性層と、
    電流による磁界発生源と、
    前記磁界発生源と磁気的に接続された第2軟磁性層とを備え、
    前記第2軟磁性層は環状で、
    前記第2軟磁性層と前記磁気抵抗効果膜との離間距離は前記第1軟磁性層と前記磁気抵抗効果膜との離間距離より大きく、
    前記第2軟磁性層の膜厚は前記第1軟磁性層の膜厚より厚く、
    前記少なくとも2つの第1軟磁性層の各々の一部と前記第2軟磁性層の一部は前記積層方向に重なっていて、
    前記第1軟磁性層と前記第2軟磁性層は磁気的に結合していて、
    前記少なくとも2つの第1軟磁性層の各々の先端部の間に前記磁気抵抗効果膜が配設されていることを特徴とする磁性素子。
  2. 前記第1軟磁性層は平板状であり、前記第1軟磁性層と前記第2軟磁性層との間に第3軟磁性層が配設されていることを特徴とする請求項1記載の磁性素子。
  3. 前記第2軟磁性層と前記第3軟磁性層とが直接接続されていることを特徴とする請求項2記載の磁性素子。
  4. 前記第1軟磁性層と前記第3軟磁性層とが直接接続されていることを特徴とする請求項
    2記載の磁性素子。
  5. 前記第1軟磁性層と前記第3軟磁性層が直接接続されていて、且つ前記第2軟磁性層と前記第3軟磁性層とが直接接続されていることを特徴とする請求項2記載の磁性素子。
  6. 前記第1軟磁性層の飽和磁束密度は、前記第2軟磁性層の飽和磁束密度より大きいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁性素子。
  7. 前記第1軟磁性層の飽和磁束密度は、前記第3軟磁性層の飽和磁束密度より大きいことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の磁性素子。
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