JP2015166814A - 液晶表示セルの製造方法及びその方法で得られる液晶表示セル - Google Patents
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Abstract
【課題】製造工程において、液晶シール剤の描画性に優れ、また液晶の液晶シール剤への差し込みが発生しない液晶表示セルの製造方法を提案する。この製造方法を用いることによって、安定に液晶表示セルを製造することができ、更には、生産タクトの短縮も可能である為、量産性向上を実現できる。【解決手段】一方の基板に形成された液晶シール剤からなる堰の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせ、熱等で前記液晶シール剤を硬化する液晶表示セルの製造方法において、前記液晶シール剤が(a)有機フィラー、及び(b)成分(a)以外のフィラーを含有し、該成分(a)の平均粒子径をA(μm)、該成分(b)の平均粒子径をB(μm)、前記液晶表示セルのシールギャップをC(μm)とした場合に、下記式(1)及び(2)を満たす液晶表示セルの製造方法。1.0μm≰A−C≰9.0μm・・・(1)−2.0μm≰B−C≰0μm・・・(2)【選択図】なし
Description
本発明は、液晶表示セルの製造方法及びその方法によって製造される液晶表示セルに関する。より詳細には、製造工程において、液晶シール剤の描画性に優れ、また液晶が液晶シール剤へ差し込まず、安定に液晶表示セルを製造することができる製造方法、及びその方法によって製造される液晶表示セルに関する。
近年の液晶表示セルの大型化に伴い、液晶表示セルの製造方法として、より量産性の高い、いわゆる液晶滴下工法が提案されている(特許文献1、特許文献2)。この液晶滴下工法は、具体的には、一方の基板に形成された液晶シール剤からなる堰の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせ、その後液晶シール剤を硬化する製造方法である。
しかし、液晶滴下工法では、液晶シール剤が硬化する前に液晶と液晶シール剤とが接触するため、液晶による圧力によって液晶シール剤に差込現象が発生し、最悪の場合には、液晶シール剤からなる堰が決壊し、液晶が漏れ出してしまうこともあり、問題とされている。この問題は、光及び熱を併用する液晶滴下工法においても、配線等の影になって十分な紫外線が照射されない部分が存在する場合には発生する。また、紫外線照射を行わず、熱のみで液晶シール剤を硬化する場合には特に大きな問題である。この解決のためには、液晶の滴下量の精度を高めることが必要であるが、それでも液晶シール剤の硬化工程である加熱時に液晶が膨脹するため、上記差込現象を完全に抑えるのは困難である。
この課題を解決するため、液晶シール剤に関して様々な技術が提案されている。
特許文献3では、有機ベントナイトを用いて上記課題の解決を図っている。この方法は、液晶の差し込みに対して一定の成果は有するものの、十分であるとは言いがたい。
特許文献4には、ヒュームドシリカ、ポリチオールを用いた液晶シール剤を用い、液晶シール剤のBステージ化処理を行う方法が記載されている。しかし、この方法には、工程が長くなってしまう、その工程のための装置が必要となってしまうという欠点がある。
特許文献5には、熱ラジカル重合開始剤を用いて、硬化速度を上げることにより差し込みを防止する液晶滴下工法用液晶シール剤が開示されている。
特許文献3では、有機ベントナイトを用いて上記課題の解決を図っている。この方法は、液晶の差し込みに対して一定の成果は有するものの、十分であるとは言いがたい。
特許文献4には、ヒュームドシリカ、ポリチオールを用いた液晶シール剤を用い、液晶シール剤のBステージ化処理を行う方法が記載されている。しかし、この方法には、工程が長くなってしまう、その工程のための装置が必要となってしまうという欠点がある。
特許文献5には、熱ラジカル重合開始剤を用いて、硬化速度を上げることにより差し込みを防止する液晶滴下工法用液晶シール剤が開示されている。
このように、上記課題は、液晶シール剤の改良のみによって解決が図られているが、現実的には達成が困難である。このため、液晶表示セルの設計及びそれに合わせた液晶シール剤の設計という2つの側面からの改良が必要となっている。しかし、上記課題を解決するための方法は未だ提案されておらず、液晶の液晶シール剤への差し込みを十分に抑えた液晶表示セルの製造方法は確立されていない。
本発明は、液晶表示セル及びその製造方法に関する。より詳細には、製造工程において、液晶シール剤の描画性に優れ、さらに液晶が液晶シール剤へ差し込まず、安定に液晶表示セルを製造することができる製造方法、及びその方法によって製造される液晶表示セルを提案するものである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、2枚の基板により構成される液晶表示セルのシールギャップと液晶シール剤中に含有される有機フィラー及び無機フィラーの平均粒径とが一定の関係にある場合に、液晶シール剤の描画性に優れ、かつ液晶の液晶シール剤への差し込みのない液晶表示セルの製造方法を実現できることを発見し、本発明に至った。
なお、本明細書中、「(メタ)アクリル」とは「アクリル及び/又はメタクリル」を意味し、「(メタ)アクリロイル基」とは「アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基」を意味する。
また、本明細書中、平均粒子径は平均粒径と記載する場合もあるが、両者は同じ意味を表すものとする。
また、シールギャップは、液晶表示セルにおけるシール剤の厚みを意味し、セルギャップとほぼ同じである場合にはセルギャップということもある。
なお、本明細書中、「(メタ)アクリル」とは「アクリル及び/又はメタクリル」を意味し、「(メタ)アクリロイル基」とは「アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基」を意味する。
また、本明細書中、平均粒子径は平均粒径と記載する場合もあるが、両者は同じ意味を表すものとする。
また、シールギャップは、液晶表示セルにおけるシール剤の厚みを意味し、セルギャップとほぼ同じである場合にはセルギャップということもある。
すなわち本発明は、次の1)〜7)に関するものである。
1)
2枚の基板により構成される液晶表示セルにおいて、一方の基板に形成された液晶シール剤からなる堰の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせ、次いで紫外線及び/又は熱で前記液晶シール剤を硬化する液晶表示セルの製造方法において、
前記液晶シール剤が(a)有機フィラー、及び(b)成分(a)以外のフィラーを含有し、該(a)有機フィラーの平均粒子径をA(μm)、該(b)成分(a)以外のフィラーの平均粒子径をB(μm)、前記液晶表示セルのシールギャップをC(μm)とした場合に、下記式(1)及び(2)を満たす液晶表示セルの製造方法。
1.0μm≦A−C≦9.0μm・・・(1)
−2.0μm≦B−C≦0μm・・・(2)
2)
液晶シール剤の総量を100質量部としたときの成分(a)の含有量が5質量部以上50質量部未満である上記1)に記載の液晶表示セルの製造方法、
3)
上記液晶シール剤の硬化工程が、熱のみによって行われる上記1)又は2)に記載の液晶表示セルの製造方法、
4)
上記液晶シール剤が、(c)熱ラジカル重合開始剤、(d)(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物をさらに含有する上記1)乃至3)のいずれか一項に記載の液晶表示セルの製造方法、
5)
上(a)有機フィラーがゴム微粒子である上記1)乃至4)のいずれか一項に記載の液晶表示セルの製造方法、
6)
上記ゴム微粒子がアクリルゴム、スチレンゴム、スチレンオレフィンゴム、又はシリコーンゴムからなる上記5)に記載の液晶表示セルの製造方法、
7)
上記1)乃至6)のいずれか一項に記載の製造方法によって製造される液晶表示セル。
1)
2枚の基板により構成される液晶表示セルにおいて、一方の基板に形成された液晶シール剤からなる堰の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせ、次いで紫外線及び/又は熱で前記液晶シール剤を硬化する液晶表示セルの製造方法において、
前記液晶シール剤が(a)有機フィラー、及び(b)成分(a)以外のフィラーを含有し、該(a)有機フィラーの平均粒子径をA(μm)、該(b)成分(a)以外のフィラーの平均粒子径をB(μm)、前記液晶表示セルのシールギャップをC(μm)とした場合に、下記式(1)及び(2)を満たす液晶表示セルの製造方法。
1.0μm≦A−C≦9.0μm・・・(1)
−2.0μm≦B−C≦0μm・・・(2)
2)
液晶シール剤の総量を100質量部としたときの成分(a)の含有量が5質量部以上50質量部未満である上記1)に記載の液晶表示セルの製造方法、
3)
上記液晶シール剤の硬化工程が、熱のみによって行われる上記1)又は2)に記載の液晶表示セルの製造方法、
4)
上記液晶シール剤が、(c)熱ラジカル重合開始剤、(d)(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物をさらに含有する上記1)乃至3)のいずれか一項に記載の液晶表示セルの製造方法、
5)
上(a)有機フィラーがゴム微粒子である上記1)乃至4)のいずれか一項に記載の液晶表示セルの製造方法、
6)
上記ゴム微粒子がアクリルゴム、スチレンゴム、スチレンオレフィンゴム、又はシリコーンゴムからなる上記5)に記載の液晶表示セルの製造方法、
7)
上記1)乃至6)のいずれか一項に記載の製造方法によって製造される液晶表示セル。
本発明の液晶表示セルの製造方法によれば、製造工程中に液晶が液晶シール剤へ差し込むことがないため、極めて安定に液晶表示セルを製造することができる。また、液晶シール剤の描画性にも優れる為、生産タクトの短縮も可能となるため、より一層の量産性向上を実現できる。
本発明の液晶表示セルの製造方法は、2枚の基板により構成される液晶表示セルにおいて、一方の基板に形成された液晶シール剤からなる堰の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせ、次いで紫外線及び/又は熱で上記液晶シール剤を硬化する製造方法に関する。すなわち、液晶滴下工法に関するものである。
背景技術の項でも述べたとおり、液晶滴下工法では、液晶シール剤が硬化する前に液晶と液晶シール剤とが接触するため、液晶による圧力によって液晶シール剤に差込現象が発生し、また液晶シール剤からなる堰が決壊し、液晶が漏れ出してしまうこともある。
背景技術の項でも述べたとおり、液晶滴下工法では、液晶シール剤が硬化する前に液晶と液晶シール剤とが接触するため、液晶による圧力によって液晶シール剤に差込現象が発生し、また液晶シール剤からなる堰が決壊し、液晶が漏れ出してしまうこともある。
この液晶滴下工法において、液晶シール剤中に含有される(a)有機フィラーの平均粒子径A(μm)、と液晶表示セルのシールギャップC(μm)とを一定の関係に保った場合に、液晶の液晶シール剤への差し込みは極めて少なくなる。これは、上下基板の圧力によって圧縮された有機フィラーが堰として作用して、液晶が膨張する圧力に対抗するためであると考えられる。
また、(b)成分(a)以外のフィラーの平均粒子径B(μm)と液晶表示セルのシールギャップC(μm)が一定の関係にあることによって、上記有機フィラー同様に堰としての効果を有する。従って、上記(a)有機フィラーの添加量を下げることができる。有機フィラーの添加量を下げることによる利点は、液晶シール剤のチクソ比(1rpmにおける粘度/10rpmにおける粘度)が増大することを抑え、描画性(塗布作業性)を向上できる点である。また、(a)有機フィラーは透湿度が比較的大きいものが多い為、(a)有機フィラーの添加量を下げられることによって、耐湿信頼性に優れる液晶表示セルの製造を可能とする。
上記一定の関係とは、上記式(1)及び(2)で表される関係である。
A−Cの値が、1.0μmより小さい場合には、成分(a)有機フィラーの圧縮が不十分であり、また、9.0μmより大きくなると、液晶表示セルのシールギャップが目的のギャップまで潰れなくなる場合がある。A−Cの値として、さらに好ましくは2.0μm以上8.0μm以下であり、特に好ましくは2.0μm以上6.0μ以下である。
また、B−Cの値が、−2.0μmより小さい場合には、堰としての効果が不十分であり、一方0μmより大きくなると、目的のシールギャップまで潰れず、ギャップ不良を引き起こす場合がある。B−Cの値として、さらに好ましくは−2.0μm以上−0.5μm以下であり、さらに好ましくは−1.5μm以上−0.5μm以下である。
ここで、(a)有機フィラー、(b)成分(a)以外のフィラーの平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器(乾式)(株式会社セイシン企業製;LMS−30)等により測定することができる。
また、(b)成分(a)以外のフィラーの平均粒子径B(μm)と液晶表示セルのシールギャップC(μm)が一定の関係にあることによって、上記有機フィラー同様に堰としての効果を有する。従って、上記(a)有機フィラーの添加量を下げることができる。有機フィラーの添加量を下げることによる利点は、液晶シール剤のチクソ比(1rpmにおける粘度/10rpmにおける粘度)が増大することを抑え、描画性(塗布作業性)を向上できる点である。また、(a)有機フィラーは透湿度が比較的大きいものが多い為、(a)有機フィラーの添加量を下げられることによって、耐湿信頼性に優れる液晶表示セルの製造を可能とする。
上記一定の関係とは、上記式(1)及び(2)で表される関係である。
A−Cの値が、1.0μmより小さい場合には、成分(a)有機フィラーの圧縮が不十分であり、また、9.0μmより大きくなると、液晶表示セルのシールギャップが目的のギャップまで潰れなくなる場合がある。A−Cの値として、さらに好ましくは2.0μm以上8.0μm以下であり、特に好ましくは2.0μm以上6.0μ以下である。
また、B−Cの値が、−2.0μmより小さい場合には、堰としての効果が不十分であり、一方0μmより大きくなると、目的のシールギャップまで潰れず、ギャップ不良を引き起こす場合がある。B−Cの値として、さらに好ましくは−2.0μm以上−0.5μm以下であり、さらに好ましくは−1.5μm以上−0.5μm以下である。
ここで、(a)有機フィラー、(b)成分(a)以外のフィラーの平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器(乾式)(株式会社セイシン企業製;LMS−30)等により測定することができる。
本発明の液晶表示セルの製造方法に使用される液晶シール剤は、(a)有機フィラー(以下、成分(a)ともいう。)を含有する。この(a)有機フィラーは平均粒径において上記条件を満たす限り特に限定されるものではなく、例えばナイロン6、ナイロン12、ナイロン66等のポリアミド微粒子、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン等のフッ素系微粒子、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系微粒子、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系微粒子、天然ゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム等のゴム微粒子等が挙げられる。なお、本明細書においては、ゴム的性質を有する微粒子はゴム微粒子として記載する。すなわち、アクリル樹脂の重合によって得られるポリマー微粒子であって、弾性体であるものはアクリルゴムとする。
上記(a)有機フィラーは、ゴム微粒子である場合が好ましい。ゴム微粒子としては、例えば天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、二トリルゴム(NBR)、エチレン・プロピレンゴム( EPM、EP)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM、ANM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、ウレタンゴム(PUR)、シリコーンゴム(Si、SR)、フッ素ゴム(FKM、FPM)、多硫化ゴム(チオコール)等が挙げられ、単独のゴム微粒子でもよいし、2種以上を用いてコアシェル構造としてもよい。また2種以上を併用してもよい。これらのうち、好ましくは、アクリルゴム、スチレンゴム、スチレンオレフィンゴム、又はシリコーンゴムであり、特に好ましくはアクリルゴム又はシリコーンゴムである。
アクリルゴムを使用する場合、2種類のアクリルゴムからなるコアシェル構造のアクリルゴムである場合が好ましく、コア層がn−ブチルアクリレートであり、シェル層がメチルメタクリレートであるものが特に好ましい。これはゼフィアックRTMF−351としてアイカ工業株式会社から販売されている。
また、上記シリコーンゴムとしては、オルガノポリシロキサン架橋物粉体、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋物粉体等が挙げられる。また、複合シリコーンゴムとしては、上記シリコーンゴムの表面にシリコーン樹脂(例えば、ポリオルガノシルセスキオキサン樹脂)を被覆したものが挙げられる。これらのゴム微粒子のうち、特に好ましいのは、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋粉末のシリコーンゴム又はシリコーン樹脂被覆直鎖ジメチルポリシロキサン架橋粉末の複合シリコーンゴム微粒子である。これらのものは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、ゴム粉末の形状は、添加後の粘度の増粘が少ない球状がよい。
上記有機フィラー(a)の具体例としては、シリコーンゴムとしては、KMP594、KMP597、KMP598(信越化学工業株式会社製)、EP2001(東レダウコーニング株式会社製)、ウレタンゴムとしてはJB−800T、HB−800BK(根上工業株式会社)、アクリルゴムとしては、AFX−8(積水化成品工業株式会社製)、F351S(アイカ工業株式会社製)、W−341、メタブレンシリーズ(三菱レーヨン株式会社製)スチレンゴムとしては、ラバロンシリーズ(三菱化学株式会社製)、スチレンオレフィンゴムとしてはTRシリーズ(JSR株式会社製)、セプトンシリーズ(株式会社クラレ)等を挙げることができる。ただし、これらに限定されることはない。
本発明で使用される液晶シール剤における(a)有機フィラーの含有量は、液晶シール剤の総量を100質量部とした場合に、5〜50質量部、好ましくは7〜40質量部である。
アクリルゴムを使用する場合、2種類のアクリルゴムからなるコアシェル構造のアクリルゴムである場合が好ましく、コア層がn−ブチルアクリレートであり、シェル層がメチルメタクリレートであるものが特に好ましい。これはゼフィアックRTMF−351としてアイカ工業株式会社から販売されている。
また、上記シリコーンゴムとしては、オルガノポリシロキサン架橋物粉体、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋物粉体等が挙げられる。また、複合シリコーンゴムとしては、上記シリコーンゴムの表面にシリコーン樹脂(例えば、ポリオルガノシルセスキオキサン樹脂)を被覆したものが挙げられる。これらのゴム微粒子のうち、特に好ましいのは、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋粉末のシリコーンゴム又はシリコーン樹脂被覆直鎖ジメチルポリシロキサン架橋粉末の複合シリコーンゴム微粒子である。これらのものは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、ゴム粉末の形状は、添加後の粘度の増粘が少ない球状がよい。
上記有機フィラー(a)の具体例としては、シリコーンゴムとしては、KMP594、KMP597、KMP598(信越化学工業株式会社製)、EP2001(東レダウコーニング株式会社製)、ウレタンゴムとしてはJB−800T、HB−800BK(根上工業株式会社)、アクリルゴムとしては、AFX−8(積水化成品工業株式会社製)、F351S(アイカ工業株式会社製)、W−341、メタブレンシリーズ(三菱レーヨン株式会社製)スチレンゴムとしては、ラバロンシリーズ(三菱化学株式会社製)、スチレンオレフィンゴムとしてはTRシリーズ(JSR株式会社製)、セプトンシリーズ(株式会社クラレ)等を挙げることができる。ただし、これらに限定されることはない。
本発明で使用される液晶シール剤における(a)有機フィラーの含有量は、液晶シール剤の総量を100質量部とした場合に、5〜50質量部、好ましくは7〜40質量部である。
また、本発明の構成を実現する為に、有機フィラー(a)に分級操作を行い、所望の平均粒子径のものを得ることができる。この操作を行うと粗大粒子の除去にも役立ちシャープな粒度分布をもつ有機フィラー(a)を準備することができる。粗大粒子は液晶のシールギャップ不良を引き起こし易くする為、この分級操作を行う方が好ましい。
分級操作は例えばジェットミル粉砕機JM−0202(株式会社セイシン企業製)にて解砕後、気流式分級機クラッシールN05(株式会社セイシン企業製)を用いて行うことができる。なお、より効率的にこの操作を行う為に、分散剤等を使用しても良い。
分級操作は例えばジェットミル粉砕機JM−0202(株式会社セイシン企業製)にて解砕後、気流式分級機クラッシールN05(株式会社セイシン企業製)を用いて行うことができる。なお、より効率的にこの操作を行う為に、分散剤等を使用しても良い。
本発明の液晶表示セルの製造方法に使用される液晶シール剤は、(b)成分(a)以外のフィラー(以下、成分(b)ともいう。)を含有する。
成分(b)は有機フィラーでも無機フィラーでも良い。
成分(b)が有機フィラーである場合には、上記成分(a)で記載した有機フィラーを、上記式(2)を満たすように分級処理したようなものが挙げられる。
また成分(b)が無機フィラーである場合には、溶融シリカ、結晶シリカ、シリコンカーバイド、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸リチウムアルミニウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、硝子繊維、炭素繊維、二硫化モリブデン、アスベスト等が挙げられ、好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム等が挙げられ、さらに好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、タルクである。これらフィラーは2種以上を混合して用いてもよい。
成分(b)の液晶シール剤中の含有量は、本発明で使用される液晶シール剤の全体を100質量部とした場合、通常1〜20質量部、好ましくは2〜15質量部である。成分(b)フィラーの含有量が少なすぎる場合、ガラス基板に対する接着強度が低下し、また耐湿信頼性も劣るために、吸湿後の接着強度の低下も大きくなる場合がある。一方、成分(b)フィラーの含有量が多すぎる場合、つぶれにくく液晶セルのギャップ形成ができなくなってしまうおそれがある。
成分(b)は有機フィラーでも無機フィラーでも良い。
成分(b)が有機フィラーである場合には、上記成分(a)で記載した有機フィラーを、上記式(2)を満たすように分級処理したようなものが挙げられる。
また成分(b)が無機フィラーである場合には、溶融シリカ、結晶シリカ、シリコンカーバイド、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸リチウムアルミニウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、硝子繊維、炭素繊維、二硫化モリブデン、アスベスト等が挙げられ、好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム等が挙げられ、さらに好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、タルクである。これらフィラーは2種以上を混合して用いてもよい。
成分(b)の液晶シール剤中の含有量は、本発明で使用される液晶シール剤の全体を100質量部とした場合、通常1〜20質量部、好ましくは2〜15質量部である。成分(b)フィラーの含有量が少なすぎる場合、ガラス基板に対する接着強度が低下し、また耐湿信頼性も劣るために、吸湿後の接着強度の低下も大きくなる場合がある。一方、成分(b)フィラーの含有量が多すぎる場合、つぶれにくく液晶セルのギャップ形成ができなくなってしまうおそれがある。
本発明の液晶表示セルの製造方法は、液晶の液晶シール剤への差し込みが極めて少ないため、熱のみによる液晶滴下工法への適用も可能である。熱のみによる液晶滴下工法は、生産タクト等の観点からより好ましい。
本発明の液晶表示セルの製造方法に使用される液晶シール剤は、上記条件を満たす(a)有機フィラー及び(b)成分(a)以外のフィラーを含有すれば、他の構成成分は特に限定されないが、(c)熱ラジカル重合開始剤、(d)(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物を含有する場合が特に好ましい。
上記(c)熱ラジカル重合開始剤は、加熱によりラジカルを生じ、連鎖重合反応を開始させる化合物であれば特に限定されないが、有機過酸化物、アゾ化合物、ベンゾイン化合物、ベンゾインエーテル化合物、アセトフェノン化合物、ベンゾピナコール等が挙げられ、ベンゾピナコールが好適に用いられる。例えば、有機過酸化物としては、カヤメックRTMA、M、R、L、LH、SP-30C、パーカドックスCH−50L、BC−FF、カドックスB−40ES、パーカドックス14、トリゴノックスRTM22−70E、23−C70、121、121−50E、121−LS50E、21−LS50E、42、42LS、カヤエステルRTMP−70、TMPO−70、CND−C70、OO−50E、AN、カヤブチルRTMB、パーカドックス16、カヤカルボンRTMBIC−75、AIC−75(以上、化薬アクゾ株式会社製)、パーメックRTMN、H、S、F、D、G、パーヘキサRTMH、HC、パTMH、C、V、22、MC、パーキュアーRTMAH、AL、HB、パーブチルRTMH、C、ND、L、パークミルRTMH、D、パーロイルRTMIB、IPP、パーオクタRTMND(以上、日油株式会社製)等が市販品として入手可能である。また、アゾ化合物としては、VA−044、V−070、VPE−0201、VSP−1001等(以上、和光純薬工業株式会社製)等が市販品として入手可能である。なお、本明細書中、上付きのRTMは登録商標を意味する。
上記(c)熱ラジカル重合開始剤として、好ましいのは、分子内に酸素−酸素結合(−O−O−)又は窒素−窒素結合(−N=N−)を有さない熱ラジカル重合開始剤である。分子内に酸素−酸素結合(−O−O−)や窒素−窒素結合(−N=N−)を有する熱ラジカル重合開始剤は、ラジカル発生時に多量の酸素や窒素を発するため、液晶シール剤中に気泡を残した状態で硬化し、接着強度等の特性を低下させる虞がある。ベンゾピナコール系の熱ラジカル重合開始剤(ベンゾピナコールを化学的に修飾したものを含む)が特に好適である。具体的には、ベンゾピナコール、1, 2−ジメトキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ジエトキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ジフェノキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ジメトキシ−1,1, 2,2−テトラ(4−メチルフェニル)エタン、1, 2−ジフェノキシ−1,1, 2,2−テトラ(4−メトキシフェニル)エタン、1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ビス(トリエチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ビス(t−ブチルジメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−トリメチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−トリエチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−t−ブチルジメチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン等が挙げられ、好ましくは1−ヒドロキシ−2−トリメチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−トリエチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−t−ブチルジメチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタンであり、さらに好ましくは1−ヒドロキシ−2−トリメチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタンであり、特に好ましくは1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタンである。
上記ベンゾピナコールは東京化成工業株式会社、和光純薬工業株式会社等から市販されている。また、ベンゾピナコールのヒドロキシ基をエーテル化することは、周知の方法によって容易に合成可能である。また、ベンゾピナコールのヒドロキシ基をシリルエーテル化することは、対応するベンゾピナコールと各種シリル化剤をピリジン等の塩基性触媒下で加熱させる方法により合成して得ることができる。シリル化剤としては、一般に知られているトリメチルシリル化剤であるトリメチルクロロシラン(TMCS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(BSTFA)やトリエチルシリル化剤としてトリエチルクロロシラン(TECS)、t−ブチルジメチルシリル化剤としてt−ブチルメチルシラン(TBMS)等が挙げられる。これらの試薬はシリコン誘導体メーカー等の市場から容易に入手することができる。シリル化剤の反応量としては対象化合物の水酸基1モルに対して1.0〜5.0倍モルが好ましい。さらに好ましくは1.5〜3.0倍モルである。1.0倍モルより少ないと反応効率が悪く、反応時間が長くなるため熱分解を促進してしまう。5.0倍モルより多いと回収の際に分離が悪くなったり、精製が困難になったりしてしまう。
上記(c)熱ラジカル重合開始剤として、好ましいのは、分子内に酸素−酸素結合(−O−O−)又は窒素−窒素結合(−N=N−)を有さない熱ラジカル重合開始剤である。分子内に酸素−酸素結合(−O−O−)や窒素−窒素結合(−N=N−)を有する熱ラジカル重合開始剤は、ラジカル発生時に多量の酸素や窒素を発するため、液晶シール剤中に気泡を残した状態で硬化し、接着強度等の特性を低下させる虞がある。ベンゾピナコール系の熱ラジカル重合開始剤(ベンゾピナコールを化学的に修飾したものを含む)が特に好適である。具体的には、ベンゾピナコール、1, 2−ジメトキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ジエトキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ジフェノキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ジメトキシ−1,1, 2,2−テトラ(4−メチルフェニル)エタン、1, 2−ジフェノキシ−1,1, 2,2−テトラ(4−メトキシフェニル)エタン、1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ビス(トリエチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ビス(t−ブチルジメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−トリメチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−トリエチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−t−ブチルジメチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン等が挙げられ、好ましくは1−ヒドロキシ−2−トリメチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−トリエチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−t−ブチルジメチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタンであり、さらに好ましくは1−ヒドロキシ−2−トリメチルシロキシ−1,1, 2,2−テトラフェニルエタン、1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタンであり、特に好ましくは1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタンである。
上記ベンゾピナコールは東京化成工業株式会社、和光純薬工業株式会社等から市販されている。また、ベンゾピナコールのヒドロキシ基をエーテル化することは、周知の方法によって容易に合成可能である。また、ベンゾピナコールのヒドロキシ基をシリルエーテル化することは、対応するベンゾピナコールと各種シリル化剤をピリジン等の塩基性触媒下で加熱させる方法により合成して得ることができる。シリル化剤としては、一般に知られているトリメチルシリル化剤であるトリメチルクロロシラン(TMCS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(BSTFA)やトリエチルシリル化剤としてトリエチルクロロシラン(TECS)、t−ブチルジメチルシリル化剤としてt−ブチルメチルシラン(TBMS)等が挙げられる。これらの試薬はシリコン誘導体メーカー等の市場から容易に入手することができる。シリル化剤の反応量としては対象化合物の水酸基1モルに対して1.0〜5.0倍モルが好ましい。さらに好ましくは1.5〜3.0倍モルである。1.0倍モルより少ないと反応効率が悪く、反応時間が長くなるため熱分解を促進してしまう。5.0倍モルより多いと回収の際に分離が悪くなったり、精製が困難になったりしてしまう。
該(c)熱ラジカル重合開始剤は粒径を細かくし、均一に分散することが好ましい。その平均粒径は、大きすぎると狭ギャップの液晶表示セル製造時に上下ガラス基板を貼り合わせる際のギャップ形成が上手くできない等の不良要因となるため、5μm以下が好ましく、より好ましくは3μm以下である。また、際限なく細かくしても差し支えないが、通常下限は0.1μm程度である。粒径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定器(乾式)(株式会社セイシン企業製;LMS−30)により測定できる。
(c)熱ラジカル重合開始剤の含有量としては、本発明で使用される液晶シール剤の総量を100質量部とした場合、0.0001〜10質量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.0005〜5質量部であり、0.001〜3質量部が特に好ましい。
上記(d)(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物は、例えば(メタ)アクリルエステル、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリルエステルとしては、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、フロログリシノールトリアクリレート等が挙げられる。エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応により公知の方法で得られる。原料となるエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、2官能以上のエポキシ樹脂が好ましく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂、その他、カテコール、レゾルシノール等の二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びそれらのハロゲン化物、水素添加物等が挙げられる。これらのうち液晶汚染性の観点からレゾルシン骨格を有するエポキシ樹脂が好ましく、例えばレゾルシンジグリシジルエーテル等が挙げられる。また、エポキシ基と(メタ)アクリロイル基との比率は限定されるものではなく、工程適合性及び液晶汚染性の観点から適切に選択される。
したがって、好ましい(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有し、さらにレゾルシン骨格を有する硬化性樹脂であり、例えば、レゾルシンジグリシジルエーテルのアクリル酸エステルやレゾルシンジグリシジルエーテルのメタクリル酸エステルである。
また、(d)(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物の液晶シール剤中に占める含有率としては、液晶シール剤の総量を100質量部とした場合に、30〜90質量部の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは40〜80質量部程度である。
したがって、好ましい(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有し、さらにレゾルシン骨格を有する硬化性樹脂であり、例えば、レゾルシンジグリシジルエーテルのアクリル酸エステルやレゾルシンジグリシジルエーテルのメタクリル酸エステルである。
また、(d)(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物の液晶シール剤中に占める含有率としては、液晶シール剤の総量を100質量部とした場合に、30〜90質量部の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは40〜80質量部程度である。
上記(d)(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物中には、一分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上有する化合物を含有する場合が好ましい。一分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上有する化合物は、架橋速度(反応速度)が速いため、優れた差込耐性を実現できる。なお、この方法を用いた場合、熱ラジカル重合開始剤等の量を増やして、反応性を向上させる方法とは異なり、ハンドリング性にも優れる。
一分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上有する化合物としては、KAYARADRTMPET−30、DPHA、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DPEA−12、GPO−303、TMPTA、THE-330、TPA−320、TPA−330、D−310,D−330、RP−1040、UX−5000、DPHA−40H(以上、日本化薬株式会社製)、NKエステルRTMA−9300、A−9300−1CL、A−GLY−9E、A−GLY−20E、A−TMM−3、A−TMM−3LM−N、A−TMPT、AD−TMP、ATM−35E、A−TMMT、A−9550、A−DPH(以上、新中村化学工業株式会社)、SR295、SR350、SR355、SR399、SR494、CD501、SR502、CD9021、SR9035、SR9041(以上、サートマー社製)等を挙げることができる。これらのうち、モル平均分子量が800以上である場合が好ましく、例えばKAYARADRTMDPCA−20、DPCA−30、DPEA−12が好ましい。また、分子内にC1−C4アルキレンオキサイド(−O−R−O−)を含有する硬化性化合物である場合が好ましく、KAYARADRTMDPEA−12が特に好ましい。
一分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上有する化合物としては、KAYARADRTMPET−30、DPHA、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DPEA−12、GPO−303、TMPTA、THE-330、TPA−320、TPA−330、D−310,D−330、RP−1040、UX−5000、DPHA−40H(以上、日本化薬株式会社製)、NKエステルRTMA−9300、A−9300−1CL、A−GLY−9E、A−GLY−20E、A−TMM−3、A−TMM−3LM−N、A−TMPT、AD−TMP、ATM−35E、A−TMMT、A−9550、A−DPH(以上、新中村化学工業株式会社)、SR295、SR350、SR355、SR399、SR494、CD501、SR502、CD9021、SR9035、SR9041(以上、サートマー社製)等を挙げることができる。これらのうち、モル平均分子量が800以上である場合が好ましく、例えばKAYARADRTMDPCA−20、DPCA−30、DPEA−12が好ましい。また、分子内にC1−C4アルキレンオキサイド(−O−R−O−)を含有する硬化性化合物である場合が好ましく、KAYARADRTMDPEA−12が特に好ましい。
本発明の液晶表示セルの製造方法に使用される液晶シール剤は、上記成分(a)、(b)及び必要な場合に含有される成分(c)、(d)以外に、エポキシ基を有する硬化性樹脂、熱硬化剤、シランカップリング剤、硬化促進剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、溶剤等を含有するものであってもよい。
上記エポキシ基を有する硬化性樹脂を用いることにより、接着強度向上を図ることができる。エポキシ基を有する硬化性樹としては、特に限定されるものではないが、2官能以上のエポキシ樹脂が好ましく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂、その他、二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びそれらのハロゲン化物、水素添加物等が挙げられる。これらのうち液晶汚染性の観点より好ましいのはビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂である。エポキシ基を有する硬化性樹脂の液晶シール剤中に占める含有量は、液晶シール剤の総量を100質量部とした場合に、1〜30質量部程度である。
上記熱硬化剤は特に限定されるものではなく、多価アミン類、多価フェノール類、ヒドラジド化合物等を挙げることができるが、固形の有機酸ヒドラジドが特に好適に用いられる。例えば、芳香族ヒドラジドであるサリチル酸ヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、1−ナフトエ酸ヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、2,6−ピリジンジヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド、ピロメリット酸テトラヒドラジド等を挙げることができる。また、脂肪族ヒドラジド化合物であれば、例えば、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、1,4−シクロヘキサンジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、N,N’−ヘキサメチレンビスセミカルバジド、クエン酸トリヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等のヒダントイン骨格、好ましくはバリンヒダントイン骨格(ヒダントイン環の炭素原子がイソプロピル基で置換された骨格)を有するジヒドラジド化合物、トリス(1−ヒドラジノカルボニルメチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(3−ヒドラジノカルボニルプロピル)イソシアヌレート、ビス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート等を挙げることができる。この熱硬化剤は、単独で用いても2種以上混合してもよい。硬化反応性と潜在性とのバランスから好ましくは、イソフタル酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、トリス(1−ヒドラジノカルボニルメチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(3−ヒドラジノカルボニルプロピル)イソシアヌレートであり、特に好ましくはマロン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドである。かかる熱硬化剤を使用する場合の含有量としては、液晶シール剤の総量を100質量部とした場合に、1〜30質量部程度である。
上記シランカップリング剤を用いて、接着強度向上や耐湿信頼性向上を図ることができる。シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤はKBMシリーズ、KBEシリーズ等として信越化学工業株式会社等によって販売されているため、市場から容易に入手可能である。シランカップリング剤の液晶シール剤に占める含有量は、本発明で使用される液晶シール剤の全体を100質量部とした場合、0.05〜3質量部が好適である。
上記硬化促進剤としては、有機酸やイミダゾール等を挙げることができる。
有機酸としては、有機カルボン酸や有機リン酸等が挙げられるが、有機カルボン酸である場合が好ましい。具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、フランジカルボン酸等の芳香族カルボン酸、コハク酸、アジピン酸、ドデカン二酸、セバシン酸、チオジプロピオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリス(2−カルボキシメチル)イソシアヌレート、トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−カルボキシプロピル)イソシアヌレート、ビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート等を挙げることができる。
また、イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2 ’−エチル−4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4− ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1 ’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
硬化促進剤の液晶シール剤中の含有量は、液晶シール剤の総量を100質量部とした場合に、通常0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
有機酸としては、有機カルボン酸や有機リン酸等が挙げられるが、有機カルボン酸である場合が好ましい。具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、フランジカルボン酸等の芳香族カルボン酸、コハク酸、アジピン酸、ドデカン二酸、セバシン酸、チオジプロピオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリス(2−カルボキシメチル)イソシアヌレート、トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−カルボキシプロピル)イソシアヌレート、ビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート等を挙げることができる。
また、イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2 ’−エチル−4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4− ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1 ’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
硬化促進剤の液晶シール剤中の含有量は、液晶シール剤の総量を100質量部とした場合に、通常0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
本発明の液晶表示セルは、基板に所定の電極を形成した一対の基板を所定の間隔に対向配置し、周囲を液晶シール剤でシールし、その間隙に液晶が封入されたものである。封入される液晶の種類は特に限定されない。ここで、基板とはガラス、石英、プラスチック、シリコン等からなる少なくとも一方に光透過性がある組み合わせの基板から構成される。その製法としては、液晶シール剤に、グラスファイバー等のスペーサ(間隙制御材)を添加後、該一対の基板の一方にディスペンサー、スクリーン印刷装置等を用いて該液晶シール剤を塗布した後、必要に応じて、80〜120℃で仮硬化を行う。その後、該液晶シール剤からなる堰の内側に液晶を滴下し、真空中にてもう一方のガラス基板を重ね合わせ、ギャップ出しを行う。場合によっては、液晶シール剤を塗布していない基板に液晶を滴下することもあるが、どちらでも本発明の効果に影響はない。また、適正なセルのギャップを実現するためには、面内スペーサ(例えばナトコスペーサ等)を一方の基板に、事前に塗布しておくことが好ましい。ギャップ形成後、必要に応じて1000mJ/cm2〜6000mJ/cm2の紫外線を照射し、その後90〜130℃で1〜2時間硬化することにより本発明の液晶表示セルを得ることができる。
本発明の液晶表示セルの製造方法に使用される液晶シール剤は、例えば次の方法によって得ることができる。まず、(d)成分に必要に応じ、エポキシ基を有する硬化性樹脂を溶解混合する。次いでこの混合物に必要に応じてシランカップリング剤を溶解する。次いで(a)成分、(b)成分、必要に応じ、(c)成分、熱硬化剤、消泡剤、レベリング剤、溶剤等を添加し、公知の混合装置、例えば3本ロール、サンドミル、ボールミル等により均一に混合し、金属メッシュにて濾過する。
本発明の液晶表示セルの製造方法によれば、製造工程における、液晶シール剤の描画性に優れ、かつ液晶が液晶シール剤へ差し込むことがないため、極めて安定に液晶表示セルを製造することができる。また、生産タクトの短縮も可能となるため、より一層の量産性向上を実現できる。
また、本発明の液晶表示セルは、耐湿信頼性に優れ、電圧保持率が高く、イオン密度が低いという液晶表示セルとして必要な特性も充足される。
また、本発明の液晶表示セルは、耐湿信頼性に優れ、電圧保持率が高く、イオン密度が低いという液晶表示セルとして必要な特性も充足される。
以下、合成例、製造例、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特別の記載のない限り、本文中「部」及び「%」とあるのは質量基準である。
[合成例1]
[1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタンの合成]
市販ベンゾピナコール(東京化成工業株式会社製)100部をジメチルホルムアルデヒド350部に溶解させた。これに塩基触媒としてピリジン32部、シリル化剤としてBSTFA(信越化学工業株式会社製)150部を加え70℃まで昇温し、2時間撹拌した。得られた反応液を冷却し、撹拌しながら、水200部を入れ、生成物を沈殿させるとともに未反応シリル化剤を失活させた。沈殿した生成物を濾別分離した後、十分に水洗した。次いで得られた生成物をアセトンに溶解し、水を加えて再結晶させ、精製した。目的の1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタンを105.6部(収率88.3%)得た。
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析した結果、純度は99.0%(面積百分率)であった。
[1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタンの合成]
市販ベンゾピナコール(東京化成工業株式会社製)100部をジメチルホルムアルデヒド350部に溶解させた。これに塩基触媒としてピリジン32部、シリル化剤としてBSTFA(信越化学工業株式会社製)150部を加え70℃まで昇温し、2時間撹拌した。得られた反応液を冷却し、撹拌しながら、水200部を入れ、生成物を沈殿させるとともに未反応シリル化剤を失活させた。沈殿した生成物を濾別分離した後、十分に水洗した。次いで得られた生成物をアセトンに溶解し、水を加えて再結晶させ、精製した。目的の1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタンを105.6部(収率88.3%)得た。
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析した結果、純度は99.0%(面積百分率)であった。
[合成例2]
[レゾルシンジグリシジルエーテルの全アクリル化物の合成]
レゾルシンジグリシジルエーテル181.2部(EX−201:ナガセケムテックス株式会社製)をトルエン266.8部に溶解し、これに重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.8部を加え、60℃まで昇温した。その後、エポキシ基の100%当量のアクリル酸117.5部を加え、さらに80℃まで昇温し、これに反応触媒であるトリメチルアンモニウムクロライド0.6部を添加して、98℃で約30時間撹拌し、反応液を得た。この反応液を水洗し、トルエンを留去することにより、目的とするレゾルシンジグリシジルエーテルのエポキシアクリレート293部を得た。得られたエポキシアクリレートの反応性基当量は理論値で183である。
[レゾルシンジグリシジルエーテルの全アクリル化物の合成]
レゾルシンジグリシジルエーテル181.2部(EX−201:ナガセケムテックス株式会社製)をトルエン266.8部に溶解し、これに重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.8部を加え、60℃まで昇温した。その後、エポキシ基の100%当量のアクリル酸117.5部を加え、さらに80℃まで昇温し、これに反応触媒であるトリメチルアンモニウムクロライド0.6部を添加して、98℃で約30時間撹拌し、反応液を得た。この反応液を水洗し、トルエンを留去することにより、目的とするレゾルシンジグリシジルエーテルのエポキシアクリレート293部を得た。得られたエポキシアクリレートの反応性基当量は理論値で183である。
[液晶シール剤の製造例1〜4、比較製造例1〜3]
下記表1に示す量の成分(a)、(b)、(c)、(d)等を用い、樹脂組成物の製造を行った。製造方法は以下に示すとおりである。
まず、成分(c)に、エポキシ基を有する硬化性樹脂を加熱溶解混合した。室温まで冷却後、シランカップリング剤、成分(a)、成分(b)、成分(d)、熱硬化剤、成分(a)、(b)以外のフィラー、硬化促進剤を順次添加し、3本ロールにより均一に混合し、金属メッシュ(635メッシュ)にて濾過した。
下記表1に示す量の成分(a)、(b)、(c)、(d)等を用い、樹脂組成物の製造を行った。製造方法は以下に示すとおりである。
まず、成分(c)に、エポキシ基を有する硬化性樹脂を加熱溶解混合した。室温まで冷却後、シランカップリング剤、成分(a)、成分(b)、成分(d)、熱硬化剤、成分(a)、(b)以外のフィラー、硬化促進剤を順次添加し、3本ロールにより均一に混合し、金属メッシュ(635メッシュ)にて濾過した。
[液晶の差込耐性評価]
液晶シール剤の製造例1〜4、比較製造例1〜3で製造された液晶シール剤を用いて、シールギャップ5μmの液晶表示セルを作成し、差し込み性について観察した。試験方法を以下に示す。
液晶シール剤各100gにスペーサとして直径5μmのグラスファイバー1g(PF−50S;日本電気硝子株式会社製)を添加して混合撹拌脱泡を行い、シリンジに充填した。ITO透明電極付きガラス基板に先にシリンジに充填した液晶シール剤をディスペンサー(SHOTMASTER300:武蔵エンジニアリング株式会社製)を使って、シールパターン及びダミーシールパターンの塗布を行い、次いで液晶(MLC−3007;メルク株式会社製)の微小滴をシールパターンの枠内に滴下した。さらにもう一枚のラビング処理済みガラス基板に面内スペーサ(KSEB−525F;ナトコ株式会社製;貼り合せ後のギャップ幅5μm)を散布、熱固着し、貼り合せ装置を用いて真空中で先の液晶滴下済み基板と貼り合わせた。大気開放してギャップ形成した後、10分間放置し、120℃オーブンに投入して1時間加熱硬化させた後に偏光顕微鏡にてシールと液晶との界面を観察し、以下の基準に従って評価を行った。結果を表2に示す。
○:シール剤に液晶の差し込みが観察されない。
△:シール剤にわずかに液晶の差し込みが観察される。
×:シール剤に液晶の差し込みが観察される。
液晶シール剤の製造例1〜4、比較製造例1〜3で製造された液晶シール剤を用いて、シールギャップ5μmの液晶表示セルを作成し、差し込み性について観察した。試験方法を以下に示す。
液晶シール剤各100gにスペーサとして直径5μmのグラスファイバー1g(PF−50S;日本電気硝子株式会社製)を添加して混合撹拌脱泡を行い、シリンジに充填した。ITO透明電極付きガラス基板に先にシリンジに充填した液晶シール剤をディスペンサー(SHOTMASTER300:武蔵エンジニアリング株式会社製)を使って、シールパターン及びダミーシールパターンの塗布を行い、次いで液晶(MLC−3007;メルク株式会社製)の微小滴をシールパターンの枠内に滴下した。さらにもう一枚のラビング処理済みガラス基板に面内スペーサ(KSEB−525F;ナトコ株式会社製;貼り合せ後のギャップ幅5μm)を散布、熱固着し、貼り合せ装置を用いて真空中で先の液晶滴下済み基板と貼り合わせた。大気開放してギャップ形成した後、10分間放置し、120℃オーブンに投入して1時間加熱硬化させた後に偏光顕微鏡にてシールと液晶との界面を観察し、以下の基準に従って評価を行った。結果を表2に示す。
○:シール剤に液晶の差し込みが観察されない。
△:シール剤にわずかに液晶の差し込みが観察される。
×:シール剤に液晶の差し込みが観察される。
液晶シール剤の製造例1〜4、比較製造例1〜3で製造された液晶シール剤について、以下評価を行った。結果を表3に示す。
[シール剤塗布性評価]
シリンジに充填した液晶シール材をディスペンサー(SHOTMASTER300:武蔵エンジニアリング株式会社製)を使って、塗出圧400kPa、塗布速度20mm/sec、クリアランス50μm、ノズル径200μmで直線塗布したときの線形を観察し、以下の基準に従って評価を行った。
○:シール切れ、シール擦れが無く、塗布性に優れる。
△:シール切れ、シール擦れがある。
×:シール塗布が安定せず、困難または不可能。
[透湿度]
製造例1〜4、比較製造例1〜3で製造された液晶シール剤液晶シール剤をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに挟み厚み100μmの薄膜としたものにUV照射機により3000mJ/cm2の紫外線を照射後、オーブンに投入して120℃1時間熱硬化させ、硬化後PETフィルムを剥がしてサンプルとし、透湿度測定機(Lessy社製L80−5000)を用いJIS K7129A法、温度60℃90%にて測定した。
[シール剤塗布性評価]
シリンジに充填した液晶シール材をディスペンサー(SHOTMASTER300:武蔵エンジニアリング株式会社製)を使って、塗出圧400kPa、塗布速度20mm/sec、クリアランス50μm、ノズル径200μmで直線塗布したときの線形を観察し、以下の基準に従って評価を行った。
○:シール切れ、シール擦れが無く、塗布性に優れる。
△:シール切れ、シール擦れがある。
×:シール塗布が安定せず、困難または不可能。
[透湿度]
製造例1〜4、比較製造例1〜3で製造された液晶シール剤液晶シール剤をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに挟み厚み100μmの薄膜としたものにUV照射機により3000mJ/cm2の紫外線を照射後、オーブンに投入して120℃1時間熱硬化させ、硬化後PETフィルムを剥がしてサンプルとし、透湿度測定機(Lessy社製L80−5000)を用いJIS K7129A法、温度60℃90%にて測定した。
表2の結果より、実施例1乃至4では、液晶が差し込むことなく液晶表示セルを製造できたが、比較例1、3では、差し込みが発生した。したがって、本発明の優位性が確認できる。
また表3の結果より、成分(b)を含有する液晶滴下工法用液晶シール剤は、塗布性に優れ、また低透湿であることが分かる。
以上から、成分(a)及び成分(b)を含有する液晶シール剤を用いた本願発明の液晶表示セルの製造方法では、液晶の差し込みも少なく、かつ製造された液晶表示セルの信頼性にも優れることが確認された。従って高効率で信頼性の高い液晶表示セルの製造を実現できる製造方法であることが確認された。
また表3の結果より、成分(b)を含有する液晶滴下工法用液晶シール剤は、塗布性に優れ、また低透湿であることが分かる。
以上から、成分(a)及び成分(b)を含有する液晶シール剤を用いた本願発明の液晶表示セルの製造方法では、液晶の差し込みも少なく、かつ製造された液晶表示セルの信頼性にも優れることが確認された。従って高効率で信頼性の高い液晶表示セルの製造を実現できる製造方法であることが確認された。
本発明の液晶表示セルの製造方法によれば、製造工程において、液晶シール剤の描画性に優れ、液晶が液晶シール剤へ差し込むことがないため、極めて安定に液晶表示セルを製造することができる。また、生産タクトの短縮も可能となるため、より一層の量産性向上を実現できる。
Claims (7)
- 2枚の基板により構成される液晶表示セルにおいて、一方の基板に形成された液晶シール剤からなる堰の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせ、次いで紫外線及び/又は熱で前記液晶シール剤を硬化する液晶表示セルの製造方法において、
前記液晶シール剤が(a)有機フィラー、及び(b)成分(a)以外のフィラーを含有し、該(a)有機フィラーの平均粒子径をA(μm)、該(b)成分(a)以外のフィラーの平均粒子径をB(μm)、前記液晶表示セルのシールギャップをC(μm)とした場合に、下記式(1)及び(2)を満たす液晶表示セルの製造方法。
1.0μm≦A−C≦9.0μm・・・(1)
−2.0μm≦B−C≦0μm・・・(2)
- 液晶シール剤の総量を100質量部としたときの成分(a)の含有量が5質量部以上50質量部未満である請求項1に記載の液晶表示セルの製造方法。
- 前記液晶シール剤の硬化工程が、熱のみによって行われる請求項1又は2に記載の液晶表示セルの製造方法。
- 前記液晶シール剤が、(c)熱ラジカル重合開始剤、(d)(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物をさらに含有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶表示セルの製造方法。
- 前記(a)有機フィラーがゴム微粒子である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶表示セルの製造方法。
- 前記ゴム微粒子がアクリルゴム、スチレンゴム、スチレンオレフィンゴム、又はシリコーンゴムからなる請求項5に記載の液晶表示セルの製造方法。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の製造方法によって製造される液晶表示セル。
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