JP2015166422A - 2層被覆構成をなす繊維強化熱可塑性樹脂複合体及びその製造方法 - Google Patents

2層被覆構成をなす繊維強化熱可塑性樹脂複合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】人体に対する危険性がほとんどなく、環境負荷が少ないFRTPのプリプレグであって、2種の熱可塑性樹脂を用いることによって、両者の長所を活かした繊維強化プラスチックを製造するためのプリプレグを提供する。【解決手段】イオン液体に溶解する2種の熱可塑性樹脂を無機繊維に2層に被覆することによって、両者の長所を活かしたプリプレグを作製し、成形品を製造することができる。【選択図】図1

Description

熱可塑性樹脂をマトリックスとした繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)用のプリプレグ及びその製造方法に関する。
プラスチックは軽量であるが、弾性率が低く自動車、航空機等の構造材料としては適していない。そのため、ガラス繊維、炭素繊維のような弾性率の高い繊維を強化繊維としてマトリックス材料を含浸させ、複合材料として軽量で強度の高い繊維強化プラスチック(FRP)が開発されてきた。
繊維強化プラスチックには、強化繊維にマトリックス材料を予め含浸させ、硬化剤とともに加熱することで半固形状態とした中間成形材料、いわゆるプリプレグが広く使用されている。
プリプレグは、賦形の前に樹脂を含浸させていることで、マトリックスに対し高い繊維含有率を得ることができ、繊維配向角の精密な制御、低ボイド等高品質の成形品を得られるという利点がある。また、プリプレグを用いて成形する場合には、予め含浸させている樹脂が未硬化モノマーであることから、それほど高い温度や圧力を加えなくても成形が可能であり、成形工程の自動化・省力化等、成形工程においても多くの利点がある。
現在、繊維強化プラスチックのマトリックスとしては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂が主流である。熱硬化性樹脂をマトリックスとした場合には、再加熱・架橋反応により完全に硬化し、溶媒を用いても再度溶解したり、加熱しても融解しない。そのため、廃棄、再利用の際にコストがかかるという問題点が生じていた。そこで熱可塑性樹脂をマトリックスとして用いた繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)が開発されてきた。
熱可塑性樹脂をマトリックスとして用いた場合、任意の形状へ成形する際に架橋反応を伴わないため、マトリックスが変形可能な温度まで加熱し、金型へ賦形した後は、冷却するだけで成形が完了する。したがって、再加工が容易であり、再利用に優れている。また、廃棄の際に、無機繊維と容易に分離することもできるので、コストを削減することができる。
しかしながら、FRPで一般的に用いられている、樹脂を溶媒に溶解して繊維束を含浸させるプリプレグの作製法である溶媒法は、熱可塑性樹脂を溶解可能な溶剤が、塩素系、フッ素系の溶剤が多く、環境に対する負荷が大きいため、工業的に用いることができない。そのため、FRTPの場合には、フィルムスタッキング法が主として採用されている。
フィルムスッタッキング法は、繊維基材と、シート状に加工した高分子フィルムを積層して高温・高圧でプレス成形する方法である。フィルムスタッキング法によりプリプレグを作製する場合には、樹脂の溶融温度や溶融粘度が高いために、非常に高い温度と圧力が必要とされる(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−090571号公報 特表2011−514401号公報 特許第5203698号
Ingildeev, D. et al., 50TH Dornbirn man-made fibers congress. 2011年
本発明は人体に対する危険性がほとんどなく、環境負荷が少ないFRTPのプリプレグであって、2種の熱可塑性樹脂を用いることによって、両者の長所を活かした繊維強化プラスチックを製造するためのプリプレグを提供することを課題とする。
本発明の繊維と、イオン液体に可溶な2種の熱可塑性樹脂とを用いた繊維強化熱可塑性プラスチックは、繊維が無機繊維であり、前記繊維に第1の樹脂が被覆され、第2の樹脂が第1の樹脂で被覆された繊維を内包することを特徴とする。
本発明者らは、熱可塑性樹脂の溶媒として、イオン液体を用い、FRTPのプリプレグの作製に用いることにより、人体及び環境への影響が少なくFRTPを製造することができないかと考え、本発明を完成した。
イオン液体は幅広い温度範囲で液体として存在する塩であり、イオンのみからなる液体で、蒸気圧が低く、難燃性であり、熱安定性・電気化学的安定性が高く、従来から用いられている熱可塑性樹脂の溶媒と比較して、非常に安全で環境への負荷も少ない。
第1の樹脂、第2の樹脂と2種類の熱可塑性樹脂を用いることにより、両者の長所を備えた成形品を製造することができる。
さらに、本発明の繊維強化熱可塑性プラスチックは、イオン液体に前記第1、第2の樹脂を夫々溶解し、水に接触させ再生した後の夫々の重量平均分子量と、イオン液体に溶解する前の夫々の重量平均分子量とを比較して、前記第1、第2の樹脂の重量平均分子量の夫々の低下率が、35%以下であることを特徴とする。
熱可塑性樹脂をイオン液体に溶解すると分子構造が変化し重量平均分子量が小さくなる。しかしながら、イオン液体に樹脂を溶解し、水に接触させ樹脂を再生した後の重量平均分子量と、イオン液体に溶解する前の重量平均分子量とを比較して低下率が35%以下となるように溶解し、成形品を製造すれば、成形品の強度を損なうことがない。
本発明者らは、イオン液体に溶解する条件を適宜設定することにより、再生後の樹脂の重量平均分子量変化を調整することが可能であることを明らかにした。
本発明の繊維強化熱可塑性プラスチックは、前記第1の樹脂がポリエーテルサルフォンであり、前記第2の樹脂がポリアミドMXD6であることを特徴とする。
第1の樹脂としてポリエーテルサルフォンを使用し、ポリエーテルサルフォンで無機繊維を被覆することにより、耐熱性と靱性を備えることが可能となる。また、第2の樹脂としてポリアミドMXD6を用いることによって、成形品の強度・弾性を向上させることができる。
本発明の繊維と、イオン液体に可溶な2種の熱可塑性樹脂とを用いた繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法は、前記繊維は長手方向に100mm以上延在する無機繊維からなる繊維束であり、前記繊維に第1の樹脂を被覆する工程と、イオン液体に溶解させた第2の樹脂に、第1の樹脂で被覆された繊維を塗布し繊維/樹脂複合体を形成させる工程と、前記繊維/樹脂複合体を水に接触させ、第2の樹脂を再生させる再生工程と、乾燥工程と、熱処理形成工程とを含むことを特徴とする。
イオン液体に可溶な第1の樹脂が被覆された無機繊維に、同じくイオン液体に可溶な第2の樹脂を被覆することによって、第2の樹脂の溶媒であるイオン液体によって第1の樹脂の表面が溶解し、樹脂間が接着性良く積層され、無機繊維を被覆する。したがって、2つの樹脂を被覆することにより、成形品の強度が損なわれることがない。
本発明の繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法は、第1の樹脂及び第2の樹脂を夫々イオン液体に溶解し、水に接触させ再生した後の夫々の重量平均分子量と、イオン液体に溶解する前の夫々の重量平均分子量とを比較したときに、重量平均分子量の夫々の低下率が、35%以下であることを特徴とする。
熱可塑性樹脂をイオン液体に溶解すると分子構造が変化し重量平均分子量が小さくなる。しかしながら、イオン液体での樹脂の溶解条件を調節し、水に接触させ樹脂を再生した後の重量平均分子量と、イオン液体に溶解する前の重量平均分子量とを比較して低下率が35%以下となるように溶解し、成形品を製造すれば、成形品の強度を損なうことがない。
また、本発明の繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法は、前記第1の樹脂がポリエーテルサルフォンであり、前記第2の樹脂がポリアミドMXD6であることを特徴とする。
第1の樹脂としてポリエーテルサルフォンを使用することにより、耐熱性と靱性を備えることが可能となり、第2の樹脂としてポリアミドMXD6を用いることによって、成形品の強度・弾性を向上させることができる。
本発明による繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法のフローを示す図。 本発明の製造方法によるプリプレグ断面模式図。
本発明の繊維は無機繊維であればどのようなものを用いてもよい。具体的にはガラス繊維、炭素繊維等が挙げられる。
また、無機繊維はカップリング剤で処理してもよい。特に、ガラス繊維の場合には、繊維と樹脂との接着性が増すことから、シランカップリング剤で処理することが望ましい。
シランカップリング剤としてはアミノシラン等が挙げられるが、用いる無機繊維及び樹脂との相性によってどのようなものを用いてもよい。好ましくは,X−Si−(OR)(式中、Xは置換基を表し、Rはアルキル基を表す。)で表されるシラン化合物からなるシランカップリング剤であり、該構造式において、置換基Xはマトリックス樹脂と反応することができる官能基を有する。官能基としては、具体的には例えばビニル基、アミノ基、エポキシ基、メタクリロキシ基またはメルカプト基などが挙げられる。Rはアルキル基で、中でもメチル基またはエチル基が好ましい。
シランカップリング剤として具体的には、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(塩酸塩)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらのシランカップリング剤は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤処理は、シランカップリング剤の水溶液中に繊維を浸漬し、乾燥させて水分を除去することで行われる。シランカップリング剤の濃度は0.01〜10重量%であるのが好ましく、ガラス繊維を表面処理液に浸漬した後の水溶液のピックアップはガラス繊維重量に対して15〜40%が好ましい。
用いる熱可塑性樹脂としては、イオン液体に可溶な樹脂であればどのようなものを用いてもよい。例えば、ポリアミド6、ポリアミド6.6、ポリアミドMXD6、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(PHEMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエーテルサルフォン(PES)等が挙げられる。
これらイオン液体に可溶な熱可塑性樹脂の中から所望の物性を備えた2種の樹脂を選択し、組み合わせて用いることができる。
また、樹脂を溶解するイオン液体としては、イミダゾリウム系、ピリジニウム系、ピリミジニウム系イオン液体等を用いることができる。中でも、非ハロゲン系且つ常温で低粘性液体であり、工業的生産が確立され比較的安価に入手可能なことから、イミダゾリウム系イオン液体が好ましい。
イミダゾリウム系イオン液体としては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチル−ホスフェート、1,3−ジメチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムプロピオネート、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロライド等のイミダゾリウム系イオン液体を挙げることができる。
粘性及び樹脂との相溶性の点で、より好ましくは、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチル−ホスフェートを挙げることができる。
以下実施例を挙げながら、本発明について詳細に説明する。これまでにイオン液体に溶解可能な熱可塑性がいくつか報告されている(特許文献2、3、非特許文献1)が、その中からイオン液体に溶解可能な樹脂であって、物性の異なる樹脂であるポリアミドMXD6(以下、MXD6という。)とポリエーテルサルフォン(以下、PESという。)を選択した。表1にMXD6及びPESの物性をまとめた。
表1に示すように、MXD6は強度・弾性率に優れ、また、PESは耐熱性・靭性に優れている。これら2種の樹脂を用いて、両者の長所、すなわちMXD6の高い強度・弾性率、PESの高耐熱・高靭性を兼ね備えた成形品の製造を検討した。
≪溶解条件の検討≫
樹脂を溶解するイオン液体としては、非ハロゲン系且つ常温で低粘性液体であり、工業的生産が確立され比較的安価に入手可能なイミダゾリウム系イオン液体である1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(Ionic Liquids Technologies GmbH製、以下、[EMIM][Ac]という。)を選択し、以下検討を行った。なお、MXD6は、三菱ガス化学株式会社製、MXD6ナイロンS6007、を用い、PESは、住友化学株式会社製、PES3600Pを用いた。
溶解温度を変えて、MXD6とPESの2種の樹脂の[EMIM][Ac]への溶解を検討した。溶液中の樹脂濃度が20重量%となるように調整し、溶液温度が40℃、60℃、80℃、100℃、120℃、140℃に設定して連続して撹拌を行い、各温度で樹脂が完全に見えなくなった時間を溶解に要した時間とした。
MXD6の溶解温度と溶解時間の関係を表2に、PESの溶解温度と溶解時間の関係を表3に示す。
表中、×は未溶解の樹脂が残っているもの、○は完全に溶解していることを示す。−は、すでに溶解していることから、それ以降の時間では、溶解実験を行っていないことを示す。なお、溶解は目視で確認している。
表2及び表3に示すように、溶液の温度及び時間を変えることによって、MXD6、PESともに溶解させることができる。
≪単一の樹脂を用いたプリプレグの作製方法≫
イオン液体で溶解した場合には、分子構造に変化が生じることから、作製した成形品の強度が損なわれる可能性がある。そこで、まず、単一の熱可塑性樹脂からなるプリプレグを作製し、成形品の強度等の物理的性質を測定することにした。以下、イオン液体に溶解した単一の熱可塑性樹脂を用いたプリプレグの作製方法等について記載する。なお、強化繊維としては、ガラス繊維織物(日東紡績株式会社製、WEA22Fのアミノシラン処理品)を用いた。
表2及び表3に示すように、MXD6、PESともに各々40℃で48時間、40℃で72時間加熱することにより溶解させることができる。しかしながら、60℃以上に加熱しないと粘性が5Pa・s程度まで低下しないことから、ガラス繊維織物への含浸が困難であった。そこで、樹脂をイオン液体に溶解した溶液を100℃に加熱し、プリプレグを作製に用いた。
まず、樹脂をイオン液体に溶解した溶液に、無機繊維を含浸させる。無機繊維としてはガラス繊維、炭素繊維等、公知の無機繊維を用いることができる。
無機繊維としてガラス繊維を用いる場合には、樹脂との接着性を増強させるためにシランカップリング剤で処理することが好ましい。また、ここではハンドレイアップ法(HLU法)で樹脂の含浸を行ったが、公知のどのような方法を用いて無機繊維への含浸を行っても良い。
無機繊維に、樹脂をイオン液体に溶解した溶液を含浸した繊維/樹脂複合体は、60℃の純水中に72時間浸漬することによって、イオン液体を除去する。その後、60℃24時間減圧乾燥を行い、プリプレグを作製した。作製したプリプレグは加熱し、成形することができる。
≪平均分子量及び成形品の物性との相関≫
上述のように熱可塑性樹脂をイオン液体に溶解した場合には、分子構造の変化が予想される。分子構造の変化が、成形品の物性に影響を与える可能性があることから、分子量の変化、及び成形品の強度について検討を行った。
まず、イオン液体に溶解する前の樹脂、イオン液体に溶解した後、水に接触させて再生した樹脂について、重量平均分子量の測定を行った。また、溶解した樹脂を用いて作製した成形品の強度を測定した。
結果を表4に示す。重量平均分子量(Mw)は、JIS−K7252に準じてゲル浸透クロマトグラフィーにより求めた。
表4に示すのは、樹脂をイオン液体に溶解し、水に浸漬することにより、イオン液体中から再生した樹脂の重量平均分子量である。
イオン液体に溶解する前の樹脂の重量平均分子量は、以下のとおりである。MXD6は重量平均分子量(Mw)82,900、PESは、重量平均分子量(Mw)27,000である。
これに対し、イオン液体で溶解後、水に接触させて再生した後の樹脂の重量平均分子量は、イオン液体中での加熱温度が高温となり、また、加熱時間が長くなるにしたがって低下している。
また、MXD6を140℃で48時間から72時間加熱していたものは、プリプレグは作製できたが茶色に着色していた。PESを120℃で6時間以上加熱して、又は、140℃で加熱して溶解させたものは、再生工程において水と接触させた際に、繊維束から樹脂が脱落してしまい、プリプレグが作製できなかった。その他の溶解条件のプリプレグ溶液を用いた場合は、問題なくプリプレグを作製することができた。
したがって、熱可塑性樹脂のイオン液体への溶解温度T(℃)及び溶解時間H(時間)は、以下の関係式を満たすことが好ましく、
60≦T≦120のとき
650000≦T2.5×H≦920000
さらに、
60≦T≦110のとき
650000≦T2.5×H≦910000
の関係式を満たすことがより好ましい。
次に単一の樹脂を用いて作製したプリプレグから成形した成形品の強度について検討を行った。
上記のようにして作製した単一の樹脂からなるプリプレグを5枚重ねて、平板形状の金型を用いてプレス成形により成形品を作製した。
また、物理的性質を比較するためにフィルムスタッキング法により、MXD6、PESの夫々についてFRTPを作製した。具体的には厚さ0.10mmのシート状に加工した樹脂フィルムとガラス繊維織物を交互に5枚積層して、同じ金型とプレスを用いて積層板を作製した。成形条件は表5に示す。FRTP積層板の仕上がり寸法と繊維体積含有率はすべてのFRTPで同じになるように金型のクリアランスを調整し、幅300mm、長さ300mm、厚さ1.05mmとした。繊維体積含有率Vfは40%であった。
表4に、表5の条件で作製した成形品の物性を測定しまとめた。表4中、BSは曲げ強度、BMは曲げ弾性率を示す。曲げ強度、曲げ弾性率ともに、JIS K 7017に準じた3点曲げ試験による強度、弾性率の測定を行った。試験片のサイズは厚さt=1.05mm、幅b=15mm、長さl=100mmで曲げスパンは20mmである。
表4に示すように、比較的低温で加熱し樹脂をイオン液体に溶解した場合には、MXD6、PESいずれの樹脂を用いた場合でもフィルムスタッキング法で作製した成形品に比べ、曲げ強度、曲げ弾性率ともに高い値となっている。一方、イオン液体中で高温で長時間加熱し重量平均分子量が低下した場合には、強度が低下傾向にある。
例えば、表4に示す曲げ強度は、MXD6の場合は、140℃72時間処理すると、曲げ強度はフィルムスタッキング法で作製した積層板より強いものの、140℃48時間及び、120℃以下の温度条件で作製したものと比較して10%以上低下している。その際のプリプレグ中のMXD6樹脂の重量平均分子量はイオン液体溶解前の82,900から56,500と30%程度小さくなっている。
また、PESの場合、100℃で9時間処理すると、曲げ強度はフィルムスタッキング法で作製した積層板より強いものの、90℃以下の温度条件で溶解し、作製したものと比較して曲げ強度が10%以上低下している。その際のプリプレグ中のPES樹脂の重量平均分子量はイオン液体溶解前の27,000から18,700と30%程度小さくなっている。
以上の結果を鑑みると、イオン液体に樹脂を溶解し、水に接触させて再生した後の重量平均分子量が、イオン液体に溶解する前と比較して35%以下の低下であれば、成形品の曲げ強度、曲げ弾性率の点でフィルムスタッキング法で作製した成形品と比べて優位である。用いる熱可塑性樹脂によっても異なるが、どのような樹脂を用いるとしても再生後の重量平均分子量の低下率が、イオン液体溶解前と比較して、好ましくは25%以下であることが望ましく、さらに好ましくは10%以下であることが望ましい。10%以下の低下であれば、フィルムスタッキング法で作製した成形品と比べて非常に高い曲げ強度、曲げ弾性率を有する成形品を製造することができる。
また、繊維強化熱可塑性樹脂複合体中の樹脂量は、10〜80体積%が望ましい。樹脂量が上記の範囲であれば、成形性に優れ、かつ、機械的物性に優れた成形品が得られる。
≪第1、第2の樹脂を用いたプリプレグの作製方法≫
次に、本発明の方法である第1、第2の樹脂を用いて無機繊維を処理し、プリプレグを作製する方法について説明する。
図1に本発明の2種の熱可塑性樹脂を用いた繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法を、図2に第1、第2の樹脂で被覆された無機繊維織物の断面図を模式的に示す。なお、図2には無機繊維織物を用いた場合を記載したが、無機繊維束を用いても良い。
まず、第1の樹脂が被覆された無機繊維を用意する。無機繊維としてはガラス繊維、炭素繊維等、公知の無機繊維を用いることができる。また、第1の樹脂による被覆方法はイオン液体に第1の樹脂を溶解して含浸させてもよいし、他の方法でもよい。
無機繊維としてガラス繊維を用いる場合には、樹脂との接着性を増強させるためにシランカップリング剤で処理することが好ましい。また、ここでは第1の樹脂もイオン液体に溶解し、ハンドレイアップ法(HLU法)で樹脂の含浸を行ったが、公知のどのような方法を用いて無機繊維への含浸を行っても良い。
次に、第1の樹脂被覆無機繊維に、第2の樹脂をイオン溶液に溶解した樹脂溶液を塗布し被覆する。第2の樹脂は、第1の樹脂が被覆されている上にさらに塗布すればよい。
無機繊維に第1、第2の樹脂が被覆されている繊維/樹脂複合体は、60℃の純水中に72時間浸漬することによって、イオン液体を除去する(再生工程)。その後、60℃24時間減圧乾燥を行い(乾燥工程)、プリプレグを作製した。作製されたプリプレグは、図2のプリプレグの断面模式図に示すように、第1の樹脂1によって、無機繊維2が被覆され、さらに第2の樹脂3によって被覆された構造となっている。作製したプリプレグは加熱し、成形品を製造する。
第1の樹脂としてPESを用い、第2の樹脂としてMXD6を用いて被覆し、作製したプリプレグを5枚重ねて、単一の樹脂を用いた場合と同様に平板上の金型を用いてプレス成形により成形品を作製した(実施例1)。成形条件は、表5のMXD6のプリプレグの成形条件と同一の条件で行った。
また、参考例として第1の樹脂としてMXD6、第2の樹脂としてPESを使用したプリプレグを用いて同様の状件で成形品を作製した。
比較例としては、フィルムスタッキング法によって、MXD6フィルムのみ(比較例1)、MXD6及びPESフィルムを用いて成形品を作製し(比較例2)、曲げ強度、剥離強度、耐熱性を測定した。
なお、実施例1、参考例1、比較例1および2においては、アミン系のシランカップリング剤0.5重量%水溶液(処理液)で浸漬処理を行い、ピックアップが30%の処理液含有ガラス繊維を、110℃で5分間乾燥し水分を除去し、シランカップリング剤処理を施した。結果を表6に示す。
剥離強度、耐熱性は以下のようにして測定した。剥離強度はJIS−K6854に準じて剥離試験を行い測定した。剥離試験は、実施例1、参考例1 並びに比較例1及び2で用意した成形品から、表層のガラスクロスを引き剥がし、その剥離加重を計測した。
耐熱性はJIS K7244−5に準じた動的粘弾性試験を実施し、30℃の貯蔵弾性率の値を基準として、MXD6のガラス転移温度付近である100℃の貯蔵弾性率の保持率を算出した。動的粘弾性試験は、厚み1.05mm,幅10mm,長さ50mmの形状の試験片を用い、試験機は動的粘弾性測定機DMS−6100(セイコーインスツルメンツ製)を用い,両端部を完全固定とし,試料中央部を5mm幅でクランプし曲げによる正弦的ひずみを加えた。試験条件は,測定温度25〜300℃とし,昇温速度を2℃/min,加振周波数は1Hzで測定を行った。
第1の樹脂としてPES樹脂を用いてガラス繊維を被覆した場合には、PES樹脂の有する耐熱性、及びMXD6の有する曲げ強度、剥離強度の両者を兼ね備えた成形品を得ることができた。実施例1のプリプレグは表層にMXD6が被覆されているため、成形条件としてMXD6の成形条件を用いて積層板を作製しても、プリプレグ間の接着を強固に行うことができ、且つPES樹脂の耐熱性を得ることができる。
これに対し、第1の樹脂としてMXD6を用いた参考例1の成形品の場合には、表層がPES樹脂であり、耐熱性が低くなっている。
また、フィルムスタッキング法により作製した成形品(比較例1、2)は、MXD6単一の場合には、耐熱性が得られず、MXD6、PES樹脂両者を用いた場合には、高い強度を得ることができない。
また、表6には示していないが、シランカップリング剤処理を施していないガラス繊維を用いた場合、曲げ強度が200MPa以下となり、十分な機械的物性が得られなかった。
また、繊維強化熱可塑性樹脂複合体中の第1の樹脂と第2の樹脂を合せた樹脂量は、10〜80体積%が望ましい。樹脂量が上記の範囲であれば、成形性に優れ、かつ、機械的物性に優れた成形品が得られる。成形性と耐熱性、靱性、強度、弾性をより高いレベルでバランスよい成形品を得るためには、繊維強化熱可塑性樹脂複合体中における第1の樹脂の樹脂量は5〜50体積%が望ましく、第2の樹脂の樹脂量は5〜30体積%が望ましい。
以上、検討してきたように、イオン液体に溶解可能な第1の樹脂、第2の樹脂を用いて無機繊維に被覆することにより、両者の長所を活かした成形品を製造することが可能となる。
ここでは、MXD6及びPESを用いた例を挙げたが、イオン液体に可溶で、物性の異なる樹脂を選択することにより、両者の長所を備えたプリプレグを作製し、成形品を製造することができる。

Claims (6)

  1. 繊維と、イオン液体に可溶な2種の熱可塑性樹脂とを用いた繊維強化熱可塑性プラスチックであって、
    前記繊維は無機繊維であり、
    前記繊維に第1の樹脂が被覆され、
    第2の樹脂が前記第1の樹脂で被覆された繊維を内包することを特徴とする繊維強化熱可塑性プラスチック。
  2. 請求項1記載の繊維強化熱可塑性プラスチックであって、
    イオン液体に前記第1、第2の樹脂を夫々溶解し、水に接触させ再生した後の夫々の重量平均分子量と、イオン液体に溶解する前の夫々の重量平均分子量とを比較して、前記第1、第2の樹脂の重量平均分子量の夫々の低下率が、35%以下であることを特徴とする繊維強化熱可塑性プラスチック。
  3. 請求項1又は2記載の繊維強化熱可塑性プラスチックであって、
    前記第1の樹脂がポリエーテルサルフォンであり、
    前記第2の樹脂がポリアミドMXD6であることを特徴とする繊維強化熱可塑性プラスチック。
  4. 繊維と、イオン液体に可溶な2種の熱可塑性樹脂とを用いた繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法であって、
    前記繊維は長手方向に100mm以上延在する無機繊維からなる繊維束であり、
    前記繊維に第1の樹脂を被覆する工程と、
    イオン液体に溶解させた第2の樹脂を、第1の樹脂で被覆された繊維に塗布し繊維/樹脂複合体を形成させる工程と、
    前記繊維/樹脂複合体を水に接触させ、第2の樹脂を再生させる再生工程と、
    乾燥工程と、
    成形工程とを含むことを特徴とする繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法。
  5. 請求項4に記載の繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法であって、
    イオン液体に前記第1、第2の樹脂を夫々溶解し、水に接触させ再生した後の夫々の重量平均分子量と、イオン液体に溶解する前の夫々の重量平均分子量とを比較して、前記第1、第2の樹脂の重量平均分子量の夫々の低下率が、35%以下であることを特徴とする繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載の繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法であって、
    前記第1の樹脂がポリエーテルサルフォンであり、
    前記第2の樹脂がポリアミドMXD6であることを特徴とする繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法。

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