以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の車両用表示装置100は、車両1に搭載され、図1,2に示すように、前方に向けて車両1の状態量や車両1の関連情報を表示する。車両用表示装置100は、貫通孔12a〜cを有する画像表示パネル10と、貫通孔12a〜cに回転軸32a〜cが挿通される指針30a〜cを備え、当該指針30a〜cは、画像表示パネル10の表示面14に沿って回転軸32a〜cと共に駆動することにより、表示面14に表示される指標20a〜cを指示する。指標20a〜cは、車速等の車両1の状態量に対応しており、車両乗員は、指針30a〜cが当該指標20a〜cを指示する様子を視認することで、当該状態量を把握することが可能となる。また、指針30a〜cと交錯し難い箇所において、警報等の車両1の関連情報を表示することで、車両乗員は、当該関連情報を把握することが可能となる。
なお、本実施形態における前方とは、車両用表示装置100に対して、車両乗員への方向、すなわち車両乗員が車両1の車室内において着座している側を示す。また、本実施形態における後方とは、前方の反対方向を示す。
このような車両用表示装置100の構成を、図1〜11を用いて、以下に詳細に説明する。車両用表示装置100は、画像表示パネル10、複数の指針30a〜c、メモリ40、マイクロプロセッシングユニット50(Micro Processing Unit、以下MPU)、グラフィックディスプレイコントローラ60(Graphic Display Controller、以下GDC)を主として構成されている。
画像表示パネル10は、図3に示す画像用照明70からの光を透過させて、表示面14に画像を表示するTFT(Thin Film Transistor)液晶パネルである。画像表示パネル10は、図2に示すような、複数の貫通孔12a〜cを有している。特に第1実施形態では、複数の貫通孔12a〜cは、指針30a〜cの数に対応して3つ設けられている。なお、画像表示パネル10には、TFT液晶パネル以外の有機ELパネル等が採用されていてもよい。
複数の指針30a〜cは、図1,2に示すように、貫通孔12a〜cの数に対応して3つ設けられ、それぞれ回転軸32a〜c、及び針状部34a〜cを有している。回転軸32a〜cは、円柱状の軸であり、画像表示パネル10の法線方向に沿って配置され、貫通孔12a〜cに挿通されている。針状部34a〜cは、針状に形成されており、その針状先端は、回転軸32a〜cのうち前方に位置する前端において回転軸32a〜cと垂直に伸びている。回転軸32a〜cのうち後方に位置する後端は、各指針30a〜cに対応するステッパモータ74a〜cと機械的に接続されている。そして、各指針30a〜cの針状部34a〜cは、個別に対応するステッパモータ74a〜cの駆動によって、画像表示パネル10の表示面14に沿って回転軸32a〜cと共に駆動する。ステッパモータ74a〜cは、画像表示パネル10の後方に実質平行に配置される固定基板76に固定されている。その他、固定基板76には、指針用照明72も固定されており、前方の針状部34a〜cに向けて光を発することにより、針状部34a〜cが発光可能となっている。
ここで、複数の指針30a〜cのうち、長さが最も長い指針30aは、表示面14において中央の貫通孔12aに挿通され、指針30aよりも長さが短い指針30b,30cは、表示面14において貫通孔12aの左右に配置される貫通孔12b,12cに挿通されている。そして、各指針30a〜cは、表示面14において、個別に対応する指示領域16a〜cを形成している。各指示領域16a〜cは、各針状部34a〜cが回転軸32a〜cと共に駆動する軌跡を、表示面14に投影してできる円状領域である。ただし、指針30aのように、画像表示パネル10からはみ出す箇所がある場合には、当該箇所において、表示面14に表示される指標20a〜cを指示することは不可能であるので、当該箇所は指示領域16a〜cから除外される。このようにして各指針30a〜cは、それぞれの指示領域16a〜cにおいて、表示される指標20a〜cを指示可能となる。さらに、指示領域16aと指示領域16bは、互いに重複する重複領域18dを形成し、同様に、指示領域16aと指示領域16cは、互いに重複する重複領域18eを形成している。
図3に示すメモリ40は、記憶媒体であり、表示面14に表示される指標20a〜cを指示する指示形態42x,42yをデータとして複数記憶している。ここで、本実施形態における指示形態42x,42yとは、表示面14に表示される指標20a〜cを指示する形態であって、各指針30a〜cに対応する指標20a〜cの配置、大きさ、色、模様等の表示形態と、指標20a〜cを正確に指示するための各指針30a〜cの制御形態とを、含むものである。
具体的に、メモリ40は、複数の指示形態42x,42yのうちの1つとして、図4に示す指示形態42xを記憶している。例えば、各指示領域16a〜cには、指針30a〜cによる指標20a〜cの指示が許可される許可領域Aa1,Ab1,Ac1と、指針30a〜cによる指標20a〜cの指示が禁止される禁止領域Aa0,Ab0,Ac0とが設定される。例えば、指示領域16aでは、指示領域16aの全域が許可領域Aa1として設定されている。一方、指示領域16bでは、指示領域16bのうち指示領域16aと重複する重複領域18dを除く領域が、許可領域Ab1として設定され、重複領域18dは禁止領域Ab0として設定されている。同様に、指示領域16cでも、指示領域16cのうち指示領域16aと重複する重複領域18eを除く領域が、許可領域Ac1として設定され、重複領域18eは禁止領域Ac0として設定されている。
このようにして、重複領域18dにおいては、指針30aによる指標20aの指示が許可される一方、指針30bによる指標20bの指示が禁止される。また、重複領域18eにおいては、指針30aによる指標20aの指示が許可される一方、指針30cによる指標20cの指示が禁止される。すなわち、各重複領域18d,18eにおいて、それぞれ1つの指針30a以外の指針30b,30cによる指標20b,20cの指示が、禁止されるようになっている。
そして指示形態42xでは、指針30aが指示する指標20aが、指示領域16aのうち許可領域Aa1において表示される。一方、指針30bが指示する指標20bは、指示領域16bのうち許可領域Ab1において表示される。換言すれば、指標20bは、指示領域16bのうち禁止領域Ab0である重複領域18dにおいては表示されない。同様に、指針30cが指示する指標20cも、指示領域16cのうち許可領域Ac1において表示される。換言すれば、指標20cは、指示領域16cのうち禁止領域Ac0である重複領域18eにおいては表示されない。
指示形態42xの指標20a〜cは、それぞれ指針30a〜cの駆動に対応して円弧状に設けられる目盛21a〜c、目盛21a〜cに対応する状態量を示すための文字22a〜cを主として構成されている。なお、指示形態42xでは、指標20aに対応する状態量は車速、指標20bに対応する状態量はエンジン冷却水の水温、指標20cに対応する状態量はガソリン残量となっている。各指針30a〜cは、指標20a〜cとしての目盛21a〜cを指示することで、対応する状態量を視認させることが可能となっている。ここで、各許可領域Aa1,Ab1,Ac1の範囲に対応して、指標20aにおいて目盛21aの間隔がΔax、指標20bにおいて目盛21bの間隔がΔbx、指標20cにおいて目盛21cの間隔がΔcxとなっている。
なお、図4における指示形態42xから画像表示パネル10に向かう破線の矢印は、図4が指示形態42xにおける指示の様子を示していることを明らかにするためのものであって、指示形態42xと画像表示パネル10との関係を示すものではない。他の指示態様の例を示す図についても同様である。
メモリ40は、複数の指示形態42x,42yのうち別の1つとして、図5に示す指示形態42yを記憶している。指示領域16aでは、指示領域16aのうち重複領域18d及び18eを除く領域が許可領域Aa1として設定され、重複領域18d,18eは禁止領域Aa0として設定される。一方、指示領域16bでは、指示領域16bの全域が許可領域Ab1として設定される。また、指示領域16cでは、指示領域16cの全域が許可領域Ac1として設定される。
このようにして、重複領域18dにおいては、指針30bによる指標20bの指示が許可される一方、指針30aによる指標20aの指示が禁止される。また、重複領域18eにおいては、指針30cによる指標20cの指示が許可される一方、指針30aによる指標20aの指示が禁止される。すなわち、各重複領域18d,18eにおいて、それぞれ1つの指針30b,30c以外の指針30aによる指標の指示が、禁止されるようになっている。
そして指示形態42yでは、指針30aが指示する指標20aが、指示領域16aのうち許可領域Aa1において表示される。換言すれば、指標20aは、指示領域16aのうち禁止領域Aa0である重複領域18d,18eにおいては表示されない。一方、指針30bが指示する指標20bは、指示領域16bのうち許可領域Ab1において表示される。同様に、指針30cが指示する指標20cも、指示領域16cのうち許可領域Ac1において表示される。
なお、指示形態42yにおいても、指標20aに対応する状態量は車速、指標20bに対応する状態量はエンジン冷却水の水温、指標20cに対応する状態量はガソリン残量となっている。指示形態42xと同様に、指針30a〜cは、指標20a〜cとしての目盛21a〜cを指示することで、対応する状態量を視認させることが可能となっている。すなわち、指示形態42x,42y間において、共通の指針30a〜cが、共通の状態量に対応する指標20a〜cを指示する。ここで、各許可領域Aa1,Ab1,Ac1の範囲に対応して、指標20aにおいて目盛21aの間隔がΔay、指標20bにおいて目盛21bの間隔がΔby、指標20cにおいて目盛21cの間隔がΔcyとなっている。
このように、第1実施形態では、車速を広い領域で指示する指示形態42xが標準の指示形態として設定されている。一方、エンジン冷却水及びガソリン残量を広い領域で指示する指示形態42yがこれら状態量についての警告に適した特殊な指示形態として設定されている。
MPU50は、図3に示すように、演算処理を行なうことにより、車両用表示装置100の制御を行なう演算処理制御ユニットである。MPU50は、インターフェイス78aを介してエンジンスイッチ2と電気的に接続されており、エンジンスイッチ2がオンされると、MPU用5V電源5aによって電力が供給されるようになっている。なお、同時に、3V電源5bによって、GDC60、画像表示パネル10、及びメモリ40にも電源が供給されるようになっている。また、MPU50は、インターフェイス78bを介して車両1に搭載されている各種エンジンコントロールユニット3(Engine Control Unit、以下ECU)と通信が可能となっており、車両1における各種状態量、及び車両1の関連情報を電気信号として取得可能となっている。
その他、MPU50は、インターフェイス78cを介して各種操作スイッチ4と電気的に接続されており、車両乗員による操作スイッチ4の操作によって電気信号を取得可能となっている。特に第1実施形態では、車両1には、操作スイッチ4として自動モードのオン・オフの切替を行なう自動モードスイッチが搭載されている。自動モードがオンとなると、MPU50は、ECU3からの電気信号を元に指示形態42x,42yを選択し、自動で指示形態42x,42yを切替えるようになっている。また、車両1には、操作スイッチ4として、自動モードがオフの場合に機能する手動切替スイッチが搭載されており、手動で指示形態42x,42yを切替えることも可能となっている。
また、MPU50は、メモリ40と電気的に接続されており、メモリ40に記憶されたコンピュータプログラムを実行したり、メモリ40に記憶された指示形態42x,42yを含むデータを取得することが可能となっている。さらに、MPU50は、各指針30a〜cに対応するステッパモータ74a〜cと電気的に接続されており、ステッパモータ74a〜cを介して指針30a〜cの駆動を制御可能となっている。また、MPU50は、インターフェイス78dを介して各指針30a〜cに対応する指針用照明72と電気的に接続されており、各指針30a〜cの発光状態と消灯状態とを切替える制御が可能となっている。さらに、MPU50は、インターフェイス78eを介して画像用照明70と電気的に接続されており、画像用照明70を介して画像表示パネル10の表示輝度を制御可能となっている。その他、MPU50は、インターフェイス78fを介してインジゲータ用照明82を制御可能となっており、また、インターフェイス78gを介して発音器84に各種警報音を吹鳴させることが可能となっている。
GDC60は、画像表示パネル10の表示を制御するコントローラである。GDC60は、MPU50、メモリ40、及び画像表示パネル10と電気的に接続されている。そして、GDC60は、MPU50からの電気信号を元に、メモリ40に記憶された指示形態42x,42yに対応する画像データを取得しつつ、画像表示パネル10の表示を制御可能となっている。
なお、これらメモリ40、MPU50、及びGDC60には、セキュリティ対策が施されている。例えば、不正なアクセスに対し認証を行なうことで、外部端末から権限のない第3者によって、メモリ40に記憶されている指示形態42x,42yを書き換えたり、MPU50及びGDC60から正規の許可なく指示形態42x,42yを切替できないようになっている。
以下、第1実施形態におけるMPU50及びGDC60を主体として、コンピュータプログラムの実行により実施されるフローチャートを、図6〜8に基づいて詳細に説明する。
エンジンスイッチ2がオンされて、電力が供給されている車両用表示装置100では、複数の指示形態42x,42yのうちの1つの指示形態42x又は42yに基づいて、MPU50がGDC60を介した制御によって表示面14に指標20a〜cの表示を行い、かつ、MPU50の制御によって指針30a〜cによる指標20a〜cの指示を行なっている。例えば、標準の指示形態である指示形態42xに基づいて、図4に示す指標20a〜cの表示及び指針30a〜cによる指標20a〜cの指示を行なっている。このような車両用表示装置100のMPU50及びGDC60によって、図6に示すメインフローチャートが設定時間毎に実施される。
まず、ステップS10では、状態量等を取得する。具体的には、MPU50は、ECU3との通信により、後のステップS20において必要な状態量及び関連情報を取得する。また、MPU50は、操作スイッチ4の操作状況を取得する。特に第1実施形態では、状態量として、エンジンの冷却水の水温、及びガソリン残量を取得する。また、操作スイッチ4の操作状況として、自動モードスイッチのオン・オフ、及び手動切替スイッチのオン・オフを取得する。ステップS10の処理後、ステップS20に移る。
ステップS20では、指示形態42x,42yの選択処理を行なう。具体的には、ステップS10にて取得した状態量等に基づいて、MPU50は、メモリ40に記憶された指示形態42x,42yを択一的に選択する。ステップS20の処理後、ステップS30に移る。
ステップS30では、選択された指示形態42x又は42yが、現在使用中であるか否かを判定する。現在使用中の指示形態42x又は42yと一致していれば、わざわざ切替える必要がないためである。ステップS40において肯定判定を下すと、一連の処理を終了する。ステップS30において否定判定を下すと、ステップS40に移る。
ステップS40では、指示形態42x,42yの切替処理を行なう。具体的には、MPU50及びGDC60は、メモリ40を参照しつつ、ステップS20において選択された指示形態42x又は42yに切替える。ステップS40を以って一連の処理を終了する。
以下、MPU50が実施するステップS20の選択処理について、図7にサブルーチンとして示すフローチャートを用いて、さらに詳細に説明する。
ステップS21では、自動モードスイッチがオン状態か否かを判定する。ステップS21において肯定判定を下すと、ステップS22に移る。ステップS21において否定判定を下すと、ステップS24に移る。
ステップS22では、エンジンの冷却水の水温が設定値以上か否かを判定する。ステップS22において否定判定を下すと、ステップS23に移る。ステップS22において肯定判定を下すと、ステップS26に移る。
ステップS23では、ガソリン残量が設定値以下か否かを判定する。ステップS23において否定判定を下すと、ステップS25に移る。ステップS23において肯定判定を下すと、ステップS26に移る。
ステップS24では、手動切替スイッチがオン状態か否かを判定する。ステップS24において否定判定を下すと、ステップS25に移る。ステップS24において肯定判定を下すと、ステップS26に移る。
ステップS25では、指示形態42xを選択する。ステップS25を以って選択処理を終了する。
ステップS26では、指示形態42yを選択する。ステップS26を以って選択処理を終了する。
このように、自動モードでは、エンジンの冷却水の水温が設定値以上、すなわちオーバーヒートしそうな場合、又はガソリン残量が設定値以下、すなわちガス欠になりそうな場合等に、指示形態42yが選択されるようになっている。換言すると、特定の指示領域16b,16cの指針30b,30cが指示する指標20b,20cに対応する状態量が警告設定値を跨いだ場合、警告に適した特殊な指示形態であり、重複領域18d,18eにおいて特定の指示領域16b,16cの指針30b,30cにより指標20b,20cの指示を許可する指示形態42yが選択され、ステップS40の切替処理で切替わるようになっている。
ステップS20の選択処理にて指示形態42yが選択されたものとして、以下にMPU50及びGDC60が実施するステップS40の切替処理について、図8にサブルーチンとして示すフローチャートを用いて、さらに詳細に説明する。
ステップS41では、切替アニメーションを選択する。具体的には、現在使用中の指示形態42x及びステップS20にて選択された指示形態42yに基づいて、指示形態42xから指示形態42yへの切替えを補完する切替アニメーションを選択する。特に第1実施形態では、重複領域18d,18eにおいて指標20a〜cの指示が許可される指針30aと30b,30aと30cが切替わる。このため、切替アニメーションとして、第1切替アニメーション及び第2切替アニメーションの2段階のアニメーションが選択され、第1切替アニメーションと第2切替アニメーションとの間に一時的な指示形態としての切替用指示形態44が設定される。ステップS41の処理後、ステップS42へ移る。
ステップS42では、第1切替アニメーションを実行する。第1切替アニメーションでは、図9に示すように、指示形態42xのうち、指針30aに係る部分を選択された指示形態42yと同じものに切替える。具体的には、GDC60は、表示面14に表示される指標20aにおいて、現在使用中の指示形態42xにおける目盛21aの間隔Δaxを、選択された指示形態42yにおける目盛の間隔Δayに、視認可能な速さで、漸次変化させる。そして、MPU50は、指針30aを、この漸次変化に合わせて連動させる。すなわち、指針30aは、目盛21aの間隔Δaが漸次変化する間であっても、指標20aの指示を継続する。なお、指示形態42xから指示形態42yに切替わる場合では、目盛21aの間隔Δayは、Δaxよりも小さく、間隔Δaが漸次縮小することとなる。このようにして、指標20aは、指示領域16aのうち重複領域18d,18eを除く領域内に収まるように縮小し、指針30aは指標20aによる指示を継続することにより、重複領域18d,18e外に移動する。ステップS42の処理後、ステップS43へ移る。
ステップS43では、切替用指示形態44へ移行する。切替用指示形態44では、図10に示すように、指示領域16aにおいては、指示領域16aのうち重複領域18d,18eを除く領域が許可領域Aa1として設定され、重複領域18d,18eは禁止領域Aa0として設定される。指示領域16bでは、指示領域16bのうち重複領域18dを除く領域が、許可領域Ab1として設定され、重複領域18dは禁止領域Ab0として設定される。指示領域16cでは、指示領域16cのうち重複領域18eを除く領域が、許可領域Ac1として設定され、重複領域18eは禁止領域Ac0として設定される。すなわち、重複領域18d,18eにおいては、当該重複領域18d,18eを指示可能な全ての指針30a〜cによる指標20a〜cの指示が禁止される。切替用指示形態44は、第1アニメーションと第2アニメーションを連続的に表示する一時的な指示形態であり、ステップS43の移行後、即時にステップS44に移る。
ステップS44では、第2切替アニメーションを実行する。第2切替アニメーションでは、図11に示すように、第1アニメーションにて切替えを行なわなかった、指針30b,30cに係る部分を切替える。具体的には、GDC60は、表示面14に表示される指標20b,20cにおいて、指示形態42xのままとなっている目盛21b,21cの間隔Δbx,Δcxを、選択された指示形態42yにおける目盛21b,21cの間隔Δby,Δcyに、視認可能な速さで、漸次変化させる。そして、MPU50は、指針30b,30cを、この漸次変化に合わせて連動させる。すなわち、指針30b,30cは、目盛21b,21cの間隔Δb,Δcが漸次変化する間であっても、指標20b,20cによる指示を継続する。なお、目盛21a,21bの間隔Δby,Δcyは、Δbx,Δcxよりも大きく、間隔Δb,Δcが漸次拡大することとなる。このようにして、指標20bは、指針30bの指示を継続しながら、指示領域16bのうち重複領域18dを含む領域まで拡大する。同様に、指標20cは、指針30cの指示を継続しながら、指示領域16cのうち重複領域18eを含む領域まで拡大する。ステップS44の処理後、ステップS45へ移る。
ステップS45では、選択処理により選択された指示形態42x又は42yへ移行する。例えば図5に示す指示形態42yへ移行する。ステップS45を以って切替処理を終了する。
このように、MPU50及びGDC60は、重複領域18d,18eにおいていずれの指示領域16a〜cでも指針30a〜cによる指標20a〜cの指示を禁止する切替用指示形態44を経由して、重複領域18d,18eにおいて指針30a〜cにより指標20a〜cの指示が許可される指示領域16a〜cを、指示形態42x,42y間にて切替えるようになっている。
なお、以上では一例として指示形態42xから指示形態42yに切替える場合を示したが、同じ図8のフローチャートに示す切替処理において、ステップS41にて適切な切替アニメーションを選択することで、指示形態42yから指示形態42xに切替えることが可能である。
また第1実施形態では、メモリ40が「記憶手段」を構成し、ステップS20の選択処理を実行するMPU50が「選択手段」を構成し、ステップS40の切替処理を実行するMPU50及びGDC60が「切替手段」を構成する。
(作用効果)
このような第1実施形態の車両用表示装置100では、画像表示パネル10の貫通孔12a〜cを挿通する回転軸32a〜cと共に駆動する指針30a〜cが、画像表示パネル10の表示面14に表示される指標20a〜cを指示する。これによれば、有体物である指針30a〜cの指示による立体感による高い視認性を実現すると共に、表示面14により様々な指示形態42x,42yにカスタマイズ可能となる。また、車両用表示装置100のメモリ40が指針30a〜cにより指標20a〜cを指示する指示形態42x,42yを複数記憶して、MPU50が記憶された指示形態42x,42yを択一的に選択してから、MPU50及びGDC60がその指示形態42x又は42yに切替える。これによれば、車両用表示装置100内にて記憶から切替までの制御を行なうので、様々な状況に素早く対応して適切な指示形態42x又は42yに切替えることができる。以上により、車両乗員が状況を的確に把握可能な車両用表示装置100を提供することができる。
また、第1実施形態によると、共通指針30a〜cにより車両1における共通状態量に対応する指標20a〜cを指示する指示形態42x,y間にて、切替えが生じる際には、表示面14において当該指標20a〜cとしての目盛21a〜cの間隔Δa,Δb,Δcが変化する。これによれば、様々な状況に対応した適切な目盛21a〜cの間隔Δa,Δb,Δcにより、車両乗員が状況を的確に把握することができる。
指示形態の切替えとして指標が瞬間的に切替わる場合、指針が切替え前の指示位置から切替え後の指示位置に移動するまでの間、正しい状態量の値を指示できなくなることが懸念される。ところが、この第1実施形態では、指示形態42x,42yが切替わる際、目盛21a〜cの間隔Δa,Δb,Δcが漸次変化しつつ、指針30a〜cは、当該漸次変化に合わせて連動する。これによれば、指針30a〜cが正しい状態量の値を視認可能に指標20a〜cの指示を継続したまま、指示形態42x,42yを切替えることが可能となり、車両乗員が状況を的確に把握することができる。
また、第1実施形態によると、表示面14のうち複数の指針30a〜cによりそれぞれ指示可能な指示領域16a〜cが互いに重複する重複領域18d,18eを有するので、それら指針30a〜c同士が近くなり、大きく且つ視線移動少なく視認することができる。また、重複領域18d,18eにおいて指針30a〜cによる指標20a〜cの指示が許可される指示領域16a〜cが切替わることで、様々な状況に対応した指標20a〜cの指示が可能となり、車両乗員が状況を的確に把握することができる。
指示形態が瞬間的に切替わる場合、指針の位置関係によっては、複数の指針同士が重複領域内で衝突し、適切な指示を困難にすることが懸念される。ところが、この第1実施形態では、指示形態42x,42yを切替える際、重複領域18d,18eにおいていずれの指示領域16a〜cでも各指針30a〜cによる指標20a〜cの指示が禁止する指示形態44を経由して、重複領域18d,18eにおいて指針30a〜cによる指標20a〜cの指示が許可される指示領域16a〜cを切替える。これによれば、重複領域18d,18eにおいて指標20a〜cの指示が許可されていた指針30a〜cが重複領域18d,18e外に移動した後、他の指針30a〜cが移動することとなるので、指針30a〜c同士の衝突を回避することができる。
また、第1実施形態によると、特定の指針30b,30cが指示する指標20b,20cに対応する車両1の状態量が警告設定値を跨いだ場合、重複領域18d,18eにおいて、当該指針30b,30cにより指標20b,20cの指示を許可する指示形態42yに切替える。これによれば、注意の必要な状態量に対応する指標20b,20cが指針30b,30cにより指示される領域が大きくなるので、車両乗員が状況を的確に把握することができる。
(第2実施形態)
図12〜15に示すように、本発明の第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
第2実施形態の車両用表示装置200では、図12,13に示すように、指針230a〜bは、2つ設けられている。複数の指針230a〜bは、同じ長さである。そして、各指針230a〜bは、表示面14において、個別に対応する指示領域216a〜bを形成している。このようにして、各指針230a〜bは、それぞれの指示領域216a〜bにおいて、表示される指標220a〜bを指示可能となる。さらに、指示領域216aと指示領域216bは、互いに重複する重複領域218dを形成している。
第2実施形態では、メモリ40は、複数の指示形態242x,242yのうちの1つとして、図12に示す指示形態242xを記憶している。指示領域216aでは、指示領域216aの全域が許可領域Aa1として設定されている。一方、指示領域216bでは、指示領域216bのうち重複領域218dを除く領域の一部である半円状の領域が、許可領域Ab1として設定され、許可領域Ab1を除く領域は禁止領域Ab0として設定されている。このようにして、重複領域218dにおいては、指針230aによる指標220aの指示が許可される一方、指針230bによる指標220bの指示が禁止される。すなわち、重複領域218dにおいて、1つの指針230a以外の指針230bによる指標220bの指示が、禁止されるようになっている。
そして指示形態242xでは、指針230aが指示する指標220aが、指示領域216aのうち許可領域Aa1において表示される。一方、指針230bが指示する指標220bは、指示領域216bのうち許可領域Ab1において表示される。換言すれば、指標220bは、指示領域216bの禁止領域Ab0である重複領域218dにおいては表示されない。指示形態242xでは、指標220aに対応する状態量は車両1のエンジン回転数、指標220bに対応する状態量は車速となっている。これら指針230a〜bは、指標220a〜bとしての目盛221a〜bを指示することで、対応する状態量を視認させることが可能となっている。また、文字222a〜bが目盛221a〜bに対応して設けられている。ここで、各許可領域Aa1,Ab1の範囲に対応して、指標220aにおいて目盛221aの間隔がΔax、指標220bにおいて目盛221bの間隔がΔbxとなっている。
また、メモリ40は、複数の指示形態242x,242yのうち別の1つとして、図13に示す指示形態242yを記憶している。指示領域216aでは、指示領域216aのうち重複領域218dを除く領域の一部である半円状の領域が、許可領域Aa1として設定され、許可領域Aa1を除く領域は禁止領域Aa0として設定されている。一方、指示領域216bでは、指示形態242xと同様に、指示領域216bのうち重複領域218dを除く領域の一部である半円状の領域が、許可領域Ab1として設定され、許可領域Ab1を除く領域は禁止領域Ab0として設定されている。
そして指示形態242yでは、指針230aが指示する指標220aが、指示領域216aのうち許可領域Aa1において表示される。また、指針230bが指示する指標220bは、指示領域216bのうち許可領域Ab1において表示される。なお、指示形態242yにおいても、指標220aに対応する状態量は車両1のエンジン回転数、指標220bに対応する状態量は車速となっている。ここで、各許可領域Aa1,Ab1の範囲に対応して、指標220aにおいて目盛221aの間隔がΔay、指標220bにおいて目盛221bの間隔が指示形態242xと同じΔbxとなっている。
また、指示形態242yでは、重複領域218dを含む、各指針230a〜bによる指標220a〜bの指示が禁止される禁止領域Aa0,Ab0において、車両1の関連情報を表示可能な関連情報スペース224が設けられている。
第1実施形態と同様に、MPU50及びGDC60を主体として、コンピュータプログラムの実行により図6のフローチャートが実施される。このうち、ステップS20の選択処理のサブルーチン、及びステップS40の切替処理のサブルーチンが、第1実施形態と異なるため、以下に説明する。
まず、MPU50が実施する、第2実施形態におけるステップS20の選択処理について、図14にサブルーチンとして示すフローチャートを用いて、詳細に説明する。
ステップS221では、表示対象となる関連情報が存在するか否かを判定する。具体的には、S10において表示対象となる道路情報、安全情報、車両故障等の関連情報が取得されている場合、表示対象となる関連情報が存在するものと判定する。ステップS221において否定判定を下すと、ステップS222に移る。ステップS221において肯定判定を下すと、ステップS223に移る。
ステップS222では、指示形態242xを選択する。ステップS222を以って選択処理を終了する。
ステップS223では、指示形態242yを選択する。ステップS223を以って選択処理を終了する。
次に、MPU50及びGDC60が実施する、第2実施形態におけるステップS40の切替処理について、図15にサブルーチンとして示すフローチャートを用いて、詳細に説明する。特に、現在使用中の指示形態242xからステップS20にて選択された指示形態242yへ切替える場合を説明する。
ステップS241では、切替アニメーションを選択する。第1実施形態と同様に、現在使用中の指示形態242x及びステップS20にて選択された指示形態242yに基づいて、指示形態242xから指示形態242yへの切替えを補完する切替アニメーションを選択する。ただし、第2実施形態では1つの切替アニメーションを選択する。ステップS241の処理後、ステップS242に移る。
ステップS242では、切替アニメーションを実行する。具体的には、GDC60は、表示面14に表示される指標220a〜bにおいて、図12に示す現在使用中の指示形態242xにおける目盛221aの間隔Δaxを、選択された指示形態242yにおける目盛221aの間隔Δayに、視認可能な速さで、漸次変化させる。そして、MPU50は、指針230aを、この漸次変化に合わせて連動させる。すなわち、指針230aは、目盛221aの間隔Δaが漸次変化する間であっても、指標220aの指示を継続する。目盛221aの間隔Δayは、Δaxよりも小さく、間隔Δaが漸次縮小することとなる。その後、GDC60は、指標220aとしての目盛221aの間隔Δaが縮小することで空白となった重複領域218dを含む領域において、関連情報スペース224を表示として出現させる。ステップS242の処理後、ステップS243に移る。
ステップS243では、選択処理により選択された指示形態242x又は242yへ移行する。例えば、図13に示す指示形態242yへ移行する。ステップS243を以って切替処理を終了する。
なお、以上では一例として指示形態242xから指示形態242yに切替える場合を示したが、同じ図15のフローチャートに示す切替処理において、ステップS241にて適切な切替アニメーションを選択することで、指示形態242xから指示形態242yに切替えることが可能である。
第2実施形態においても、車両用表示装置200のメモリ40が指針230a〜bにより指標220a〜bを指示する指示形態242x,242yを複数記憶して、MPU50が記憶された指示形態242x,242yを択一的に選択してから、MPU50及びGDC60がその指示形態242x又は242yに切替える。したがって、第2実施形態によっても、第1実施形態に準じた作用効果の発揮が可能となる。
また、第2実施形態によると、MPU50及びGDC60は、指針230a〜bが表示面14において指示可能な指示領域216a〜bのうち指標220a〜bの指示が禁止された禁止領域Aa0,Ab0において、車両1の関連情報を表示する指示形態242yに切替える。これによれば、関連情報が必要な状況で、指針230a〜bに邪魔されずに関連情報を表示できる。
(第3実施形態)
図16〜18に示すように、本発明の第3実施形態は第2実施形態の変形例である。第3実施形態について、第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
第3実施形態の車両用表示装置300では、図16,17に示すように、2つの指針330a〜bに個別に対応する各指示領域316a〜bは、隣接して形成されている。すなわち、指示領域316aと指示領域316bとは、互いに重複する重複領域を形成していない。
第3実施形態では、メモリ40は、複数の指示形態342x,342yのうちの1つとして、図16に示す指示形態342xを記憶している。指示領域316aでは、指示領域316aの全域が許可領域Aa1として設定されている。一方、指示領域316bでも、指示領域316bの全域が許可領域Ab1として設定されている。
そして指示形態342xでは、指針330aが指示する指標320aが、指示領域316aの許可領域Aa1において表示される。一方、指針330bが指示する指標320bは、指示領域316bの許可領域Ab1において表示される。指示形態242xでは、指標320aに対応する状態量は車両1のエンジン回転数、指標320bに対応する状態量は車速となっている。指針330a〜bは、発光状態で、指標320a〜bとしての目盛321a〜bを指示することで、対応する状態量を視認させることが可能となっている。また、文字322a〜bが目盛321a〜bに対応して設けられている。
また、メモリ40は、複数の指示形態342x,342yのうち別の1つとして、図17に示す指示形態342yを記憶している。指示領域316bでは、指示形態342xと同様に、指示領域316bの全域が許可領域Ab1として設定されている。指針330bが指示する指標320bは、指示領域316bの許可領域Ab1において表示される。指標320bに対応する状態量は、車速となっている。指針330bは、発光状態で、指標320bとしての目盛321bを指示することで、対応する状態量を視認させることが可能となっている。一方、指針330aは、指標320aの指示を停止する。具体的には、指示領域316aの全域が禁止領域Aa0として設定されている。このため、指針330aが指示する指標320aは、表示されず、指針330aは、消灯状態で、停止箇所326にて駆動を停止する。なお、図17では、ドットによって指針330aが消灯状態であることを示している。
そして指示形態342yでは、指針330aによる指標320aの指示が禁止される禁止領域Aa0において、車両1の関連情報を表示可能な関連情報スペース324が設けられている。関連情報スペース324は、指針330aの停止箇所326に外れて設けられる。すなわち、指針330aと関連情報スペース324とは、隣接することとなるが、交錯が抑制されている。
第2実施形態と同様に、MPU50及びGDC60を主体として、コンピュータプログラムの実行により図6のフローチャートが実施される。S20の選択処理のサブルーチンは、第2実施形態と同様に、図14に示すフローチャートが採用される。ただし、ステップS222の指示形態242xを指示形態342xと、ステップS223の指示形態242yを指示形態342yと、それぞれ読替える。一方、S40の切替処理のサブルーチンが、第2実施形態と異なるため、以下に説明する。
MPU50及びGDC60が実施する、第3実施形態におけるステップS40の切替処理について、図18にサブルーチンとして示すフローチャートを用いて、詳細に説明する。
ステップS341では、選択された指示形態342x又は342yにおける指針330aが指標320aの指示を停止するものか否かを判定する。指針330aが指標320aを指示する指示形態342xから指標320aの指示を停止する指示形態342yに切替える場合、すなわちステップS341において肯定判定を下すと、ステップS342に移る。逆に、指示形態342yから指示形態342xに切替える場合、すなわちステップS341において肯定判定を下すと、ステップS344に移る。
ステップS342では、指針330aの制御を切替える。具体的には、MPU50は、発光状態である指針330aを、消灯状態へ切替える。これと共に、MPU50は、指標320aを指示している指針330aを、停止箇所326へと駆動させて、指針330aによる指標320aの指示を停止する。ステップS342の処理後、ステップS343へ移る。
ステップS343では、表示を切替える。具体的には、GDC60は、指示形態342xにおける指標320aの表示を停止し、指示形態342yにおける関連情報スペース324を出現させ、ステップS10において取得した関連情報を表示する。ステップS343を以って切替処理を終了する。
ステップS344では、表示を切替える。具体的には、GDC60は、指示形態342yにおける関連情報スペース324の表示を停止し、指示形態342xにおける指標320aを表示する。ステップS344の処理後、ステップS345へ移る。
ステップS345では、指針330aの制御を切替える。具体的には、MPU50は、消灯状態である指針330aを、発光状態へ切替える。これと共に、MPU50は、指標320aの指示を停止している指針330aを駆動させて、指針330aによる指標320aの指示を開始する。ステップS345を以って切替処理を終了する。
なお、ステップS342とステップS343との処理、及びステップS344とステップS345との処理は、同時であってもよい。
第3実施形態においても、指示形態342yでは、車両1の関連情報を表示する。したがって、第3実施形態によっても、第2実施形態に準じた作用効果の発揮が可能となる。
また、第3実施形態によると、禁止領域Aa0において関連情報を表示する指示形態342yでは、指針330aが指標320aの指示を停止する。これによれば、指標320aの指示が停止することで、関連情報が必要な状況で、指針330aに邪魔されずに関連情報を大きく表示できる。
また、第3実施形態によると、禁止領域Aa0において関連情報を表示する指示形態342yでは、停止された指針330aが消灯状態で指標320bの指示を停止し、かつ、他の指針330bが発光状態で指標320bを指示する。これによれば、指標320bを指示する発光状態の指針330bに対し、消灯状態で停止する指針330aが指示を停止していることを、容易に認識することができる。
また、第3実施形態によると、禁止領域Aa0において関連情報を表示する指示形態342yでは、当該関連情報を表示する関連情報スペース324と隣接する停止箇所326において、指針330aが消灯状態で指標320aの指示を停止する。これによれば、停止箇所326が関連情報スペース324と隣接していても、指針330aが消灯状態で停止することにより、関連情報スペース324に対し極力目立たなくなるので、車両乗員に、関連情報を強調して視認させることができる。
(第4実施形態)
図19〜21に示すように、本発明の第4実施形態は第1実施形態の変形例である。第4実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
第4実施形態の車両用表示装置400は、スポーツモードを有する車両1に搭載されている。スポーツモードは、操作スイッチ4としてのスポーツモードスイッチにより通常モードと切替可能になっている。スポーツモードでは、シフトチェンジ等の車両制御が変更されることで、車両乗員が、車両1の操作性を楽しむことができるようになっている。このようなモードでは、車両乗員が、シフトチェンジのタイミングを正確に見計らうため、エンジン回転数の視認性を高めることが求められている。
第4実施形態では、図19,20に示すように、指針430a〜bは、2つ設けられている。複数の指針430a〜bは、互いに長さが異なっており、指針430aの長さLaが指針430bの長さLbに対して長くなっている。そして、各指針430a〜bは、表示面14において、個別に対応する指示領域416a〜bを形成している。各指針430a〜bは、それぞれの指示領域416a〜bにおいて、表示される指標420a〜bを指示可能となる。すなわち、指針430bに対して長い指針430bにより、指示領域416bに対して指示領域416aは、広い領域となっている。さらに、指示領域416aと指示領域416bは、互いに重複する重複領域418dを形成している。
第4実施形態では、メモリ40は、複数の指示形態442x,442yのうちの1つとして、図19に示す指示形態442xを記憶している。指示領域416aでは、指示領域416aの全域が許可領域Aa1として設定されている。一方、指示領域416bでは、指示領域416bのうち重複領域418dを除く領域が、許可領域Ab1として設定され、許可領域Ab1を除く領域は禁止領域Ab0として設定されている。このようにして、重複領域418dにおいては、指針430aによる指標420aの指示が許可される一方、指針430bによる指標420bの指示が禁止される。すなわち、重複領域218dにおいて、1つの指針430a以外の指針430bによる指標420bの指示が、禁止されるようになっている。
そして指示形態442xでは、指針430aが指示する指標420aが指示領域416aのうち許可領域Aa1において表示される。一方、指針430bが指示する指標420bは、指示領域416bのうち許可領域Ab1において表示される。換言すれば、指標420bは、重複領域418dにおいては表示されない。指示形態442xでは、指標420aに対応する状態量は車速、指標420bに対応する状態量は車両1のエンジン回転数となっている。これら指針430a〜bは、指標420a〜bとしての目盛421a〜bを指示することで、対応する状態量を視認させることが可能となっている。また、文字422a〜bが目盛421a〜bに対応して設けられている。
また、メモリ40は、複数の指示形態442x,442yのうち別の1つとして、図20に示す指示形態442yを記憶している。指示領域416a〜bにおける、許可領域Aa1,Ab1及び禁止領域Ab0の設定は、指示形態442xと同様となっている。
そして指示形態442yでは、指針430aが指示する指標420aが、指示領域416aのうち許可領域Aa1において表示される。一方、指針430bが指示する指標420bは、指示領域416bのうち許可領域Ab1において表示される。ここで、指示形態442yでは、指標420aに対応する状態量は車両1のエンジン回転数、指標420bに対応する状態量は車速となっている。すなわち、指示形態442xと指示形態442yとでは、各指針430a〜bが指示する指標420a〜bに対応する車両1の状態量が入替わっている。
第1実施形態と同様に、MPU50及びGDC60を主体として、コンピュータプログラムの実行により図6のフローチャートが実施される。このうち、ステップS20の選択処理のサブルーチン、及びステップS40の切替処理のサブルーチンが、第1実施形態と異なるため、以下に説明する。
まず、MPU50が実施する、第4実施形態におけるステップS20の選択処理について、図21にサブルーチンとして示すフローチャートを用いて、詳細に説明する。
ステップS421では、スポーツモードスイッチがオン状態か否かを判定する。ステップS421において否定判定を下すと、ステップS422に移る。ステップS421において肯定判定を下すと、ステップS423に移る。
ステップS422では、指示形態442xを選択する。ステップS422を以って選択処理を終了する。
ステップS423では、指示形態442yを選択する。スポーツモードでは、長い指針430aに対応する状態量がエンジン回転数である指示形態442yが選択されるようになっている。ステップS423を以って選択処理を終了する。
また、MPU50及びGDC60が実施する、第4実施形態におけるステップS40の切替処理では、指示形態442xと指示形態442yとの表示が瞬間的に切替わり、それと共に、各指針430a〜bが切替後の指標420a〜bに対応する状態量を示す位置へ移動する。
第4実施形態においても、車両用表示装置400のメモリ40が指針430a〜bにより指標420a〜bを指示する指示形態442x,442yを複数記憶して、MPU50が記憶された指示形態442x,442yを択一的に選択してから、MPU50及びGDC60がその指示形態442x又は442yに切替える。したがって、第4実施形態によっても、第1実施形態に準じた作用効果の発揮が可能となる。
また、第4実施形態によると、長さLa,Lbが互いに異なる各指針430a〜bにより指標420a〜bが指示されることで表示される状態量は、指示形態442x,442y間にて切替わる。これによれば、注意の必要な状態量を例えば長い指針430aに対応させることで、視認性を高めることができる。
(第5実施形態)
図22〜24に示すように、本発明の第5実施形態は第1実施形態の変形例である。第5実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
本発明の第5実施形態の車両用表示装置500は、複数の動力源が設けられる車両1に搭載されている。具体的に、複数の動力源が設けられる車両1とは、ハイブリッド車両であり、複数の動力源として、図示しない内燃機関及び電動モータが設けられている。
図22,23に示すように、第5実施形態において設けられている指針530,590のうち指針530に対応する箇所が、画像表示パネル10の表示面14となっている。その他の指針590は、合成樹脂等により形成された平板状の表示板586において、印刷等により形成された印刷指標588を指示するようになっている。
すなわち、指針530は、1つ設けられている。指針530は、表示面14において、指示領域516を形成している。指針530は、指示領域516において、表示される指標520を指示可能となる。第5実施形態では、指示領域516が表示面14の全域と実質一致している。
第5実施形態では、メモリ40は、複数の指示形態542x,542yのうちの1つとして、図22に示す指示形態542xを記憶している。指示領域516では、指示領域516の全域が許可領域Aa1として設定されている。
そして指示形態542xでは、指針530が指示する指標520が、許可領域Aa1において表示される。指示形態542xでは、指標520に対応する状態量は車両1のエンジン回転数となっている。指針530は、指標520としての目盛521を指示することで、対応する状態量を視認させることが可能となっている。また、文字522が目盛521に対応して設けられている。
また、メモリ40は、複数の指示形態542x,542yのうち別の1つとして、図23に示す指示形態542yを記憶している。指示領域516における、許可領域Aa1の設定は、指示形態542xと同様となっている。
そして指示形態542yでは、指針530が指示する指標520が、指示領域516の許可領域Aa1において表示される。ここで、指示形態542yでは、指標520に対応する状態量は電動モータの電流値となっている。指針530は、指標520としての目盛521を指示することで、対応する状態量を視認させることが可能となっている。さらには、指標520としての「POWER」「ECO」「CHARGE」等の文字522により、電動モータの電流値に対応する状況を容易に理解できるようになっている。
第1実施形態と同様に、MPU50及びGDC60を主体として、コンピュータプログラムの実行により図6のフローチャートが実施される。このうち、ステップS20の選択処理のサブルーチン、及びステップS40の切替処理のサブルーチンが、第1実施形態と異なるため、以下に説明する。
まず、MPU50が実施する、第5実施形態におけるステップS20の選択処理について、図24にサブルーチンとして示すフローチャートを用いて、詳細に説明する。
ステップS521では、内燃機関による走行中であるか否かを判定する。ステップS521において肯定判定を下すと、ステップS522に移る。ステップS521において否定判定を下すと、ステップS523に移る。
ステップS522では、指示形態542xを選択する。ステップS522を以って選択処理を終了する。
ステップS523では、指示形態542yを選択する。ステップS523を以って選択処理を終了する。
また、MPU50及びGDC60が実施する、第4実施形態におけるステップS40の切替処理では、図15にサブルーチンとして示す第2実施形態と同様のフローチャートが採用される。ただし、図示しないが、表示面14における指標520を指示領域516の内周側から外周側へ向かって漸次切替える切替アニメーションが、選択される。
すなわち、内燃機関による走行中であれば、内燃機関の状態を示す状態量であるエンジン回転数が選択され、その他の電動モータによる走行中又は充電中であれば、電動モータの電流値が選択される。このようにして、MPU50は、複数の動力源の作動状態をECU3を介して取得し、当該作動状態に応じて指示形態542x,542yを選択し、当該指示形態542x又は542yに切替わるようになっている。
第5実施形態においても、車両用表示装置500のメモリ40が指針530により指標520を指示する指示形態542x,542yを複数記憶して、MPU50が記憶された指示形態542x,542yを択一的に選択してから、MPU50及びGDC60がその指示形態542x又は542yに切替える。したがって、第5実施形態によっても、第1実施形態に準じた作用効果の発揮が可能となる。
また、第5実施形態によると、車両1に設けられた複数の動力源の作動状態に応じて指示形態542x,542yが選択されて切替えに供されることとなるので、不要な状態量を視認させず、必要な状態量だけを視認することができる。
(第6実施形態)
図25〜27に示すように、本発明の第6実施形態は第1実施形態の変形例である。第6実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
第6実施形態の車両用表示装置600では、メモリ40は、複数の指示形態642x,642yのうちの1つとして、図25に示す指示形態642xを記憶している。指針630aに対応する指示領域616aでは、指示領域616aのうち後述する表示スペース628と重複しない領域が許可領域Aa1として設定され、許可領域Aa1を除く領域が禁止領域Aa0として設定されている。一方、指針630bに対応する指示領域616bでは、指示領域616bのうち指示領域616aと重複する重複領域618d及び下方の一部領域を除く領域が許可領域Ab1として設定され、許可領域Ab1を除く領域が禁止領域Ab0として設定されている。指針630cに対応する指示領域616cでは、指示領域616cのうち指示領域616aと重複する重複領域618eを除く領域が許可領域Ac1として設定され、重複領域618eは禁止領域Ac0として設定されている。
このようにして、重複領域618dにおいては、指針630aによる指標620aの指示が許可される一方、指針630bによる指標620bの指示が禁止される。また、重複領域618eにおいては、指針630aによる指標620aの指示が許可される一方、指針630cによる指標620cの指示が禁止される。すなわち、各重複領域618d,618eにおいて、それぞれ1つの指針630a以外の指針630b,630cによる指標620b,620cの指示が、禁止されるようになっている。
そして指示形態642xでは、第1実施形態の指示形態42xと同様に、各指針630a〜cが指示する指標620a〜cは、各指示領域616a〜616cの許可領域Aa1,Ab1,Ac1において表示される。指示形態642xでは、指標620aに対応する状態量は車速、指標620bに対応する状態量はエンジン回転数、指標620cに対応する状態量はガソリン残量となっている。指針630a〜cは、指標620a〜cとしての目盛621a〜cを指示することで、対応する状態量を視認させることが可能となっている。また、文字622a〜cが目盛621a〜cに対応して設けられている。
また、メモリ40は、複数の指示形態642x,642yのうち別の1つとして、図26に示す指示形態642yを記憶している。各指示領域616a〜cにおける、許可領域Aa1,Ab1,Ac1及び禁止領域Aa0,Ab0,Ac0の設定は、指示形態642xと同様となっている。
そして指示形態642yでも、指示形態642xと同様に、各指針630a〜cが指示する指標620a〜cは、各指示領域616a〜616cの許可領域Aa1,Ab1,Ac1において表示される。ただし、指示形態642yでは、指示形態642xと同様に、指標620aに対応する状態量は車速、指標620bに対応する状態量はエンジン回転数となっている。一方、指標620cに対応する状態量は、指示形態642xと異なり、エンジン冷却水の水温となっている。
また、指示形態642x,642yにおいて、表示面14に設定されている許可領域Aa1,Ab1,Ac1の外側では、画像により状態量及び関連情報を表示する表示スペース628が設けられている。表示スペース628では、状態量としてのガソリン残量及びエンジン冷却水の水温のうち、指示領域616c内で指示されない状態量が、バー状に配列された画像指標629により表示される。また、オド値が文字として表示される他、警告等の関連情報を表示することが可能となっている。
第1実施形態と同様に、MPU50及びGDC60を主体として、コンピュータプログラムの実行により図6のフローチャートが実施される。このうち、ステップS20の選択処理のサブルーチン、及びステップS40の切替処理のサブルーチンが、第1実施形態と異なるため、以下に説明する。
まず、MPU50が実施する、第6実施形態におけるステップS20の選択処理について、図27にサブルーチンとして示すフローチャートを用いて、詳細に説明する。
ステップS621では、自動モードスイッチがオン状態か否かを判定する。ステップS621において肯定判定を下すと、ステップS622に移る。ステップS621において否定判定を下すと、ステップS623に移る。
ステップS622では、エンジンの冷却水の水温が設定値以上か否かを判定する。ステップS622において否定判定を下すと、ステップS624に移る。ステップS622において肯定判定を下すと、ステップS625に移る。
ステップS623では、手動切替スイッチがオン状態か否かを判定する。ステップS623において否定判定を下すと、ステップS624に移る。ステップS623において肯定判定を下すと、ステップS625に移る。
ステップS624では、指示形態642xを選択する。ステップS624を以って選択処理を終了する。
ステップS625では、指示形態642yを選択する。自動モードでは、エンジンの冷却水の水温が設定値以上、すなわちオーバーヒートしそうな場合、指示形態642yが選択されるようになっている。ステップS625を以って選択処理を終了する。
また、MPU50及びGDC60が実施する、第6実施形態におけるステップS40の切替処理では、指示形態642xと指示形態642yとの表示が瞬間的に切替わり、それと共に、指針630cが切替後の指標620cに対応する状態量を示す位置へ移動する。
このようにして、MPU50は、複数の指示形態642x,642y間で異なる状態量のうちのいずれかが警告設定値を跨いだ場合、当該状態量を指示可能な指示形態642x,642yを選択し、当該指示形態642x又は642yに切替えるようになっている。
第6実施形態においても、車両用表示装置600のメモリ40が指針630a〜cにより指標620a〜cを指示する指示形態642x,642yを複数記憶して、MPU50が記憶された指示形態642x,642yを択一的に選択してから、MPU50及びGDC60がその指示形態642x又は642yに切替える。したがって、第6実施形態によっても、第1実施形態に準じた作用効果の発揮が可能となる。
また、第6実施形態によると、状態量のうちのいずれかが警告設定値を跨いだ場合、状態量を指示可能な指示形態642x,642yが選択されて切替えに供されることとなるので、注意が必要な状態量を正確に視認することができる。
(第7実施形態)
図28〜31に示すように、本発明の第7実施形態は第1実施形態の変形例である。第6実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
第7実施形態の車両用表示装置700では、メモリ40は、複数の指示形態742x,742yを記憶している。加えて、メモリ40は、切替用の指示形態744を記憶している。図28に示す指示形態742xは、第1実施形態の指示形態42xと同様であるが、各指標720b,720cの各回転軸32b,32cからの距離Rb,Rcは、それぞれRbx,Rcxとなっている。具体的に指示形態742xでは、指標720b〜cとしての目盛721b〜cが回転軸32b〜cを中心に円弧状に設けられているため、指標720b〜cの回転軸からの距離Rb,Rcは、実質的に、当該円弧状の目盛721b〜cの半径に相当している。また、指針の長さLb,Lcは、それぞれ距離Rbx,Rcx以下となっている。
一方、図29に示す指示形態742yにおいても、第1実施形態の指示形態42yと同様に、許可領域Aa1,Ab1,Ac1、及び禁止領域Aa0が設定される。
そして指示形態742yでは、指針30bに対応する指標720bは、指示領域16b外にはみ出して指示領域16bの周囲にも表示される。すなわち、指標720bの回転軸32bからの距離Rbは、Rbxよりも大きなRbyとなっている。具体的に指示形態42yでは、指標720bとしての円弧状の目盛721bが回転軸32bを中心に指示形態742xよりも拡径された表示となっている。同様に、指針30cに対応する指標720cも、指示領域16c外にはみ出して指示領域16cの周囲にも表示され、指標720cの回転軸32cからの距離Rcは、Rcxよりも大きなRcyとなっている。なお、指標720b〜cは、指示領域16b〜c外のみに表示されるまで距離Rb,Rcを拡大してもよい。
表示面14において、このように指示形態742xよりも距離Rb,Rcが拡大している指示形態742yでは、各指針30b〜cの方向に、それぞれの指針30b〜cを伸長させて見せる伸長画像727b〜cが表示されている。具体的に、伸長画像727b〜cは、それぞれ指針30b〜cの外縁35b〜cと重なって表示されており、さらに指針30b〜cの先端から指標720b〜cとしての目盛721b〜cに向かって伸びるように表示されている。また、伸長画像727b〜cは、回転軸32b〜cと共に駆動する指針30b〜cと連動して移動するようになっている。
このような距離Rb,Rcの拡大に対応して、指針30aが指示する指標720aは、指示領域16aのうち許可領域Aa1において、指標720b〜cの表示される領域を除外して表示される。
なお、指示形態742yにおいても、指標720aに対応する状態量は車速、指標720bに対応する状態量はエンジン冷却水の水温、指標720cに対応する状態量はガソリン残量となっている。すなわち、第1実施形態と同様に、指示形態742x,742y間において、共通の指針30a〜cが、共通の状態量に対応する指標720a〜cを指示する。
第1実施形態と同様に、MPU50及びGDC60を主体として、コンピュータプログラムの実行により図6〜8のフローチャートが実施される。このうち、図7に示すステップS20の選択処理において、ステップS25の指示形態42xを指示形態742xと、ステップS26の指示形態42yを指示形態742yと、それぞれ読替える。また、このうち、図8に示すステップS40の切替処理において、ステップS42〜S44の詳細が異なるため、以下に説明する。なお、以下では、一例として指示形態742xから指示形態742yに切替える場合を示す。
第7実施形態におけるステップS42では、第1切替アニメーションを実行する。第1実施形態と異なる点として、指標720aの目盛721aの間隔Δaの縮小は、指標720b〜cが指示領域16b〜cの周囲に表示されることを考慮したものとなっている。ステップS42の処理後、ステップS43へ移る。
第7実施形態におけるステップS43では、切替用指示形態744へ移行する。図30に示す切替用指示形態744では、指標720b〜cが指示領域16b〜cの周囲に表示されることを考慮し、指標720aは、指示領域16aのうち許可領域Aa1において、切替後に指標720b〜cの表示される領域を除外して表示される。ステップS43の処理後、即時にステップS44へ移る。
第7実施形態におけるステップS44では、第2切替アニメーションを実行する。第7実施形態では、図31に示すように、第1実施形態と同様の目盛721b〜cの間隔Δb,Δcの漸次変化と同時に、指標720b〜cの回転軸32b〜cからの距離Rb,Rcの変化、及び伸長画像727b〜cの表示が行われる。具体的には、GDC60は、表示面14に表示される指標720b〜cにおいて、指示形態742xのままとなっている回転軸32b〜cからの距離Rbx,Rcxを、選択された指示形態742yにおける回転軸32b〜cからの距離Rby,Rcyに、視認可能な速さで、漸次変化させる。なお、距離Rby,Rcyは、それぞれRbx,Rcxよりも大きいので、漸次拡大することとなる。そして、距離Rb,Rcの拡大によって各指針30b〜cの先端と指標720b〜cとしての各目盛721b〜cとがそれぞれ離れるに従って、伸長画像727b〜cが表示され、各目盛721b〜cに向かって漸次伸長する。ステップS44の処理後、ステップS45へ移る。
なお、第1実施形態と同様に、ステップS41にて適切な切替アニメーションを選択することで、指示形態742yから指示形態742xに切替えることが可能である。
第7実施形態においても、車両用表示装置700のメモリ40が指針30a〜cにより指標720a〜cを指示する指示形態742x,742yを複数記憶して、MPU50が記憶された指示形態742x,742yを択一的に選択してから、MPU50及びGDC60がその指示形態742x又は742yに切替える。したがって、第7実施形態によっても、第1実施形態に準じた作用効果の発揮が可能となる。
また、第7実施形態によると、共通指針30b〜cにより車両1における共通状態量に対応する指標720b〜c指示する指示形態742x,742y間にて、切替えが生じる際には、表示面14において当該指標720b〜cの回転軸32b〜cからの距離Rb,Rcが変化する。これによれば、注意の必要な状態量に対応する指標720b〜cについて例えば回転軸32b〜cからの距離Rb,Rcを大きくすることで、視認性を高め、車両乗員が状況を的確に把握することができる。
また、第7実施形態によると、指標720b〜cの回転軸32b〜cからの距離Rb,Rcが変化することで、有体物たる指針30b〜cの先端から指標720b〜cまでの距離が離れて視認性が低下することが懸念される。ところが、表示面14において、距離Rb,Rcが拡大した場合、指針30b〜cの方向に、指針30b〜cを伸長させて見せる伸長画像727b〜cを表示させるので、このような視認性の低下を抑制することが可能となる。
また、第7実施形態によると、伸長画像727b〜cは、指針30b〜cの外縁35b〜cと重なって表示される。これによれば、指針30b〜cの外縁35b〜cを挟んで、伸長画像727b〜cと指針30b〜cとが重なる箇所及び伸長する箇所が形成されるので、車両乗員が見る角度等により伸長画像727b〜cと指針30b〜cとがずれて見えたりする心配が抑制され、視認性の低下を抑制することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に、第1〜第7実施形態に関する変形例1として、メモリ40は、指示形態42x,42y以外の合計3つ以上の指示形態を記憶していてもよく、MPU50は、これら指示形態を択一的に選択してもよい。
第1〜第7実施形態に関する変形例2としては、複数のメモリ40が、指示形態42x,42yを複数記憶していてもよい。この例として、指示形態42x,42yのうち、指標20a〜cの表示形態としての画像データを一方のメモリ40が記憶し、指針30a〜cの制御形態としての許可領域Aa1,Ab1,Ac1及び禁止領域Aa0,Ab0,Ac0の設定データを他方のメモリ40が記憶していてもよい。
第5実施形態に関する変形例3としては、その他の指針590も、画像表示パネル10の表示面14に表示される指標を指示するようにしてもよい。
第7実施形態に関する変形例4としては、ステップS40の切替処理において、指標720a〜cの目盛721a〜cの間隔Δa,Δb,Δcの変化を行なわずに、指標720b〜cの回転軸32b〜cからの距離Rb,Rcの変化、及び伸長画像727b〜cの表示を切替えるようにしてもよい。この場合、指示形態742yとしては、図32に示すように、許可領域Aa1,Ab1,Ac1、及び禁止領域Aa0の設定は、742xのままである。そして、指針30b〜cに対応する指標720b〜cは、指示領域16b外にはみ出して指示領域16bの周囲のうち、指示領域16aを除外した領域にも表示される。また、応用例として、図28,29,32に示す3つの指示形態742x,742yを択一的に選択し、これらを相互に切替えるようにしてもよい。
第7実施形態に関する変形例5としては、ステップS40の切替処理において、伸長画像727b〜cの表示を行なわずに、指標320b〜cの回転軸32b〜cからの距離Rb,Rcを変化させるようにしてもよい。
第7実施形態に関する変形例6としては、ステップS44において、目盛721b〜cの間隔Δb,Δcの変化、指標720b〜cの回転軸32b〜cからの距離Rb,Rcの変化、及び伸長画像727b〜cの表示は同時に行わなくてもよい。ここで、距離Rb,Rcを拡大する場合、伸長画像727b〜cの表示は、距離Rb,Rcの拡大以後に行なうことが好ましい。あるいは、距離Rb,Rcを縮小する場合、伸長画像727b〜cの表示は、距離Rb,Rcの縮小以前に行なうことが好ましい。
第7実施形態に関する変形例7としては、伸長画像727b〜cは、図33に示すように、指針30b〜cの先端を端部として目盛721b〜cに向かって伸びるように表示してもよい。
第1,7実施形態に関する変形例8としては、図34に示すように、指針30a及び30bの長さの合計が、回転軸32a及び32b間の距離Dabよりも小さくなる指針の配置としてもよい。この配置では、重複領域18d,18eにおいて両方の指針30a,30bによる指標20a,20bの指示を許可すると指針30aと指針30bとが確実に衝突してしまうので、ステップS40の切替処理の採用意義が高まる。なお、回転軸32a及び32c間の距離Dacについても同様である。
第1〜7実施形態に関する変形例9としては、各実施形態で開示された目盛21a〜cの間隔Δa,Δb,Δcの変化、指標720b〜cの回転軸32b〜cからの距離Rb,Rcの変化、禁止領域Aa0,Ab0における関連情報の表示、及びステップS20の選択処理の内容等々を任意に組み合わせてもよい。組み合わせ例として、第1実施形態に関して、指針30a〜cの指示領域16a〜cのうち指標の指示を禁止する禁止領域を設定し、当該禁止領域において、第2,3実施形態のように車両の関連情報を表示する指示形態を設け、当該指示形態にも切替わるようにしてもよい。別の組み合わせ例として、第6実施形態に関して、第5実施形態のように、複数の動力源の作動状態に応じて切替わる指示形態が追加されてもよい。