JP2015165212A - 温度検知デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定の温度を超える温度に到達したか否かを検知するための温度検知デバイスを低コストで提供すること。【解決手段】温度検知デバイスは、液体を収容可能な容器本体と、前記容器本体の内部空間と外部とを連通させる貫通孔を有する接続部とを含む収容器と、前記収容器に収容された、所定の温度を超える温度で融解する有色の示温剤と、前記貫通孔の開口部を閉塞するように配置された、融解した前記示温剤が浸透可能な被着色層と、を有する。融解した前記示温剤の体積は、前記容器本体の内部空間の体積よりも小さい。前記収容器は、前記容器本体と前記接続部との間または前記接続部内に、前記容器本体側から前記被着色層側に向かって内径が不連続に大きくなる段部を全周に亘って有する。【選択図】図1

Description

本発明は、所定の温度を超える温度に到達したか否かを検知するための温度検知デバイスおよびその製造方法に関する。
食品や薬品などに関する商品の製造や輸送、販売などの流通プロセスにおいて、商品の品質管理は、国民の生命および健康に多大な影響を与えるため、極めて重要である。品質管理の手段の例には、食品に防腐剤などの添加物を添加する方法が含まれる。しかし、食品の味、質またはこれら両方に影響を与えることになるため、添加物の添加は好ましくない。そこで、このように添加剤などを用いる必要のない、低温保存による品質管理が行われている。
商品の製造プロセスにおいて、低温を維持することは難しくない。しかし、輸送および販売以降のプロセスにおいて、低温を維持し続けることは容易ではない。そのため、現状として商品の温度管理は充分になされていない。
そこで、所定温度以下の温度で保存すべきものを、その温度を超える温度に置いたことを検知するための温度センサーが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、多孔性連通気孔を有する試験紙と、有色の試験液とを有する、2種類の不可逆温度センサーが開示されている。第1の不可逆温度センサーは、試験紙および有色の試験液を有する。第1の不可逆温度センサーは、試験紙および試験液をあらかじめ所定温度以下の温度に冷却した後に、それらを接触させることで製造される。また、第2の不可逆温度センサーは、試験紙および有色の試験液に加えて、さらにゲイトを有する。第2の不可逆温度センサーでは、試験紙と試験液との間にゲイトが配置され、試験紙と試験液とがそれぞれ別個の容器に保持される。第2の不可逆温度センサーでは、容器の間に設置されたゲイトを開くことで、試験液は試験紙に接触することができる。
特許文献1に記載の不可逆温度センサーが所定温度以下の温度に置かれている場合、試験液は、固体または半固体であるため、試験紙に浸透することができない。一方、不可逆温度センサーが、所定の温度を超える温度に置かれている場合、試験液は、液体となるため、試験紙に毛細管現象により浸透することができる。それにより、試験紙が着色される。その結果として、所定温度以下の温度で保存すべきものをその温度を超える温度に置かれたことおよびその時間を検知できる。
特開昭59―164929号公報
しかしながら、特許文献1に記載の不可逆温度センサーには、製造コストが高くなるという問題がある。具体的には、第1の不可逆温度センサーは、製造時において、所定温度以下の温度で製造しなければならないため、製造コストが増大する。また、第2の不可逆温度センサーは、試験紙と試験液との間にゲイトを配置しなければならず、原料コストおよび製造ステップ数が増大してしまうため、製造コストが増大する。
そこで、本発明の目的は、所定の温度を超える温度に到達したか否かを検知するための温度検知デバイスであって、低コストで製造されうる温度検知デバイスを提供することである。
本発明者は、所定の温度を超える温度で融解する有色の示温剤を収容する収容器に段部を設けることで、上記課題を解決できることを見出し、さらに検討を加えて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の温度検知デバイスに関する。
[1]液体を収容可能な容器本体と、前記容器本体の内部空間と外部とを連通させる貫通孔を有する接続部とを含む収容器と、前記収容器に収容された、所定の温度を超える温度で融解する有色の示温剤と、前記貫通孔の開口部を閉塞するように配置された、融解した前記示温剤が浸透可能な被着色層と、を有し、融解した前記示温剤の体積は、前記容器本体の内部空間の体積よりも小さく、前記収容器は、前記容器本体と前記接続部との間または前記接続部内に、前記容器本体側から前記被着色層側に向かって内径が不連続に大きくなる段部を全周に亘って有する、温度検知デバイス。
[2]前記接続部の前記段部より前記被着色層側に位置する内表面は、融解した前記示温剤に対して撥液性を有する、[1]に記載の温度検知デバイス。
[3]前記被着色層は、前記収容器の深さ方向に直交する少なくとも一つの方向において、前記貫通孔の開口径より長く、融解した前記示温剤は、前記貫通孔の開口部を通って前記被着色層に浸透した後、前記一つの方向に経時的に前記被着色層内を進むことが可能である、[1]または[2]に記載の温度検知デバイス。
また、本発明は、以下の温度検知デバイスの製造方法に関する。
[4]液体を収容可能な容器本体と、前記容器本体の内部空間と外部とを連通させる貫通孔を有する接続部とを含む収容器を準備するステップと、前記容器本体に、所定の温度を超える温度で融解する有色の示温剤を融解した状態で収容するステップと、融解した前記示温剤が浸透可能な被着色層を、前記示温剤が融解した状態において、前記貫通孔の開口部を閉塞するように配置するステップと、前記被着色層を配置した後に、前記示温剤を冷却して凝固させるステップと、を有し、融解した前記示温剤の体積は、前記容器本体の内部空間の体積よりも小さく、前記収容器は、前記容器本体と前記接続部との間または前記接続部内に、前記容器本体側から前記被着色層側に向かって内径が不連続に大きくなる段部を全周に亘って有する、温度検知デバイスの製造方法。
[5]前記接続部の前記段部より前記被着色層側に位置する内表面は、融解した前記示温剤に対して撥液性を有する、[4]に記載の温度検知デバイスの製造方法。
本発明によれば、温度検知デバイスを低コストで提供することができる。
図1Aおよび図1Bは、検知前の実施の形態1に係る温度検知デバイスの模式図である。 図2Aおよび図2Bは、検知後の実施の形態1に係る温度検知デバイスの模式図である。 図3A〜図3Eは、実施の形態1に係る温度検知デバイスの製造ステップの模式図である。 図4Aおよび図4Bは、検知前の実施の形態2に係る温度検知デバイスの模式図である。 図5A〜図5Dは、検知後の実施の形態2に係る温度検知デバイスの模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[実施の形態1]
実施の形態1に係る温度検知デバイスは、所定の温度を超える温度に到達したか否かを検知するための温度検知デバイスである。
(温度検知デバイスの構成)
図1および図2は、実施の形態1に係る温度検知デバイス100の模式図である。図1Aは、所定の温度を超える温度に到達したことを検知する前(使用直後)の温度検知デバイス100の平面図である。図1Bは、図1Aに示されるI−I線に沿う断面図である。図2Aは、所定の温度を超える温度に到達したことを検知した後の温度検知デバイス100の平面図である。図2Bは、図2Aに示されるII−II線に沿う断面図である。
図1Aおよび図1Bに示されるように、温度検知デバイス100は、収容器110、有色の示温剤120、被着色層130およびカバー140を有している。以下、各構成要素について説明する。
収容器110は、示温剤120を収容するための容器である。収容器110は、液体を収容可能な容器本体111と、容器本体111の内部空間と外部とを連通させる貫通孔112を有する接続部113とを含む。
容器本体111は、有色の示温剤120を収容する。容器本体111の内部空間の体積(容積)は、被着色層130を充分に着色できる量の示温剤120を収容できれば特に限定されない。かかる条件を満たしていれば、容器本体111の形状および大きさは、特に限定されず、用途に応じて適宜設定されうる。
接続部113は、容器本体111と被着色層130とを接続する部材である。接続部113は、容器本体111と一体として形成されていてもよいし、別個に形成された容器本体111と接合されていてもよい。前述のとおり、接続部113は、容器本体111の内部空間と外部とを連通させる貫通孔112を有する。貫通孔112の形状は、特に限定されない。貫通孔112の形状は、本実施の形態に係る温度検知デバイス100の製造工程において、融解した示温剤120を容器本体111に収容する際に妨げにならない形状であることが好ましい。また、貫通孔112の形状は、温度検知デバイス100の使用時、融解した示温剤120が被着色層130に浸透するのに妨げにならない形状であることが好ましい。
収容器110は、容器本体111側から被着色層130側に向かって内径が不連続に大きくなる段部114を有する。段部114は、容器本体111と接続部113の間または接続部113内に、収容器110の全周に亘って形成されている。後述するように、本実施の形態に係る温度検知デバイス100の製造工程において、収容器110が水平に静置されているときは、段部114により、容器本体111内の融解した示温剤120と、接続部113の段部114より被着色層130側に位置する内表面との接触が防止される(図1B参照)。そのため、段部114により、示温剤120の表面張力による液面上昇が抑制される。ここで「内径が不連続に大きくなる」とは、上記効果を発揮できる程度に収容器110の内径が変化していればよい。たとえば、段部114は、下部の内周面と上部の内周面とを水平面(深さ方向に対して垂直な面)により接続していてもよいが、これら2つの内周面を非常に緩やかな勾配の面で接続していてもよい。このように、「内径が不連続に大きくなる」には、上記効果を発揮できる程度に実質的に内径が不連続に大きくなることも含まれる。
接続部113の段部114より被着色層130側に位置する部分の高さおよび当該部分の内径は、上記効果を発揮できれば、特に限定されない。たとえば、容器本体111の高さが2〜4mm、容器本体111の内径が4〜6mmのとき、接続部113の段部114より被着色層130側に位置する部分の高さが1〜2mm程度、当該部分の内径が7〜10mm程度であればよい。また、接続部113の段部114より被着色層130側に位置する部分の形状も、上記効果を発揮できれば、特に限定されない。たとえば、接続部113は、複数の段部を有していてもよい。
接続部113の段部114より被着色層130側に位置する内表面は、製造時における示温剤120と被着色層との接触を防止する観点から、示温剤120に対して撥液性を有することが好ましい。ここで「撥液性を有する」とは、融解した示温剤120の接触角が90°を超えることを意味する。接続部113の内表面に撥液性を付与する方法は、特に限定されず、示温剤120の種類などに応じて適宜選択されうる。接続部113の内表面に撥液性を付与する方法の例には、接続部113の内表面への撥液処理(撥水処理または撥油処理)や、接続部113の材料として示温剤120の接触角が大きい材料を使用することなどが含まれる。
撥水処理および撥油処理を施す例には、撥水剤または撥油剤を刷毛やローラーで塗布するコーティング法や、撥水剤または撥油剤を噴霧塗布するスプレー法、撥水剤溶液または撥油剤溶液に浸漬するディッピング法などが含まれる。撥水剤および撥油剤の例には、フッ素系の撥水剤および撥油剤、シリコン系の撥水剤および撥油剤などが含まれる。また、示温剤120の接触角が大きい材料の例には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やパーフルオロアルキルエチルアクリレート(PFAA)などが含まれる。
収容器110の材料は、示温剤120を収容可能であれば特に限定されないが、耐油性、耐水性またはこれら両方を有するものであることが好ましい。収容器110の材料の例には、ポリエチレンテレフタラート(PET)やポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PE)などの樹脂;アルミニウムやステンレス鋼などの金属が含まれる。
示温剤120は、所定温度以下の温度では、固体または半固体であるが、その温度を超える温度においては融解する。融解した示温剤120は、有色であり、かつ被着色層130に浸透することができる。示温剤120の融点を調整する方法は、特に限定されない。示温剤120の融点を調整する方法の例には、二種以上の物質を混合する方法や、水溶液中の溶質濃度を調整して凝固点降下を利用する方法などが含まれる。
示温剤120の種類は、所定の温度を超える温度で融解し、かつ被着色層130に浸透することができれば特に限定されない。示温剤120の例には、食塩水や砂糖水などの水溶液;ヒマワリ油(融点:−18〜−16℃)やコーン油(融点:−14℃)、アーモンド油(融点:−10℃以下)、大豆油(融点:−8〜−7℃)、マカデミアナッツ油(融点:−6℃以下)、サフラワー油(融点:−5℃)、胡麻油(融点:−3〜−6℃)、オリーブ油(融点:0〜6℃)、コーヒー豆油(融点:8〜9℃)、扁桃油(融点:12〜15℃)、くるみ油(融点:16〜20℃)、菜種油(融点:16〜21℃)およびヤシ油(融点:22〜26℃)などの植物性油;などが含まれる。
また、示温剤120の材料として有色のものを使用する場合は、そのまま使用できるが、無色のものを使用する場合は、色素などを添加して有色にする。色素の例には、食紅や水溶性タール色素、油溶性タール色素、植物系色素、染料、顔料などが含まれる。また、必要に応じて、示温剤120は、潤滑剤や粘着剤などの添加物を含んでもよい。ただし、示温剤120を構成する各材料(添加物を含む)は、食品衛生上の観点などから、食品の包装などへの使用が許容されるものが好ましい。
被着色層130は、収容器110の貫通孔112の開口部を閉塞するように配置された、融解した示温剤120に浸透されうる部材である。被着色層130は、貫通孔112の開口部に直接配置されてもよいし、他の部材を介して開口部に配置されていてもよい。たとえば、被着色層130を配置した樹脂製のホルダーを開口部に配置してもよい。
被着色層130の種類は、示温剤120の浸透により着色されうるものであれば特に限定されない。被着色層130は、示温剤120の浸透容易性の観点からは、多孔質構造のものが好ましい。また、被着色層130は、示温剤120による被着色層130の着色を識別しやすくする観点からは、示温剤120の色と異なる色のものが好ましい。被着色層130の材料の例には、濾紙やパルプ紙、合成紙、織布、不織布などが含まれる。被着色層130の厚みは、特に限定されないが、10〜200μmの範囲内であることが好ましい。被着色層130の厚みを薄くすることで、示温剤120が少量であっても、示温剤120を適切に被着色層130に浸透させることができる。
カバー140は、融解した示温剤120の外部への漏出を防止する観点から、少なくとも被着色層130および収容器110の上部を覆うように配置されている(図1Bおよび図2B参照)。カバー140の材料は、被着色層130に示温剤120が浸透しているか否かを外部から視認できるものであれば、特に限定されない。示温剤120の外部への漏出を防止する観点からは、カバー140の材料は、融解した示温剤120に溶解せず、かつ融解した示温剤120が浸透できない、透明のものが好ましい。カバー140の材料の例には、ポリエチレンテレフタラート(PET)やポリ塩化ビニル(PVC)やポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PE)などの樹脂が含まれる。
また、温度検知デバイス100を、所定温度以下の温度で保存すべきものに貼付する場合には、収容器110の裏面(被着色層130が配置されていない側の面)に粘着層(図示せず)を形成してもよい。粘着層を構成する粘着剤の種類は、特に限定されないが、収容器110と反応しないものが好ましい。粘着剤の種類の例には、ゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤およびウレタン系粘着剤などが含まれる。
(温度検知デバイスの製造方法)
本実施の形態に係る温度検知デバイス100の製造方法は、特に限定されない。たとえば、温度検知デバイス100は、収容器110を準備するステップと、融解した示温剤120を収容器110に収容するステップと、収容器110の貫通孔112の開口を閉塞するように被着色層130を配置するステップと、被着色層130を配置した後に、示温剤120を冷却して凝固させるステップと、カバー140を被着色層130上に配置するステップとにより製造されうる。以下、図3A〜Eを参照しながら、各ステップについて説明する。
第1のステップでは、図3Aに示されるように、示温剤120を収容するための収容器110を準備する。たとえば、収容器110は、前述した収容器110の材料を用いて、ブロー法などで製造してもよいし、市販のものを購入してもよい。このときに前述した通り、接続部113の内表面に撥液処理を施してもよい。
第2のステップでは、図3Bに示されるように、第1のステップで準備した収容器110に、融解した示温剤120を収容する。このとき、示温剤120の体積は、容器本体111の内部空間の体積よりも小さくする。示温剤120は、前述した段部114の効果により、接続部113の段部114より被着色層130側には到達しない。
第3のステップでは、図3Cに示されるように、示温剤120が融解したままの状態において、収容器110の貫通孔112の開口部を閉塞するように被着色層130を配置する。たとえば、開口部を閉塞するように、アクリル系接着剤などを用いて濾紙を貼り付ければよい。前述の通り、示温剤120は、接続部113の段部114より被着色層130側には到達しない。そのため、示温剤120が融解した状態においても、被着色層130が着色されることなく被着色層130を配置することができる。したがって、特許文献1に記載の不可逆温度センサーのように、示温剤120を凝固させたり、ゲイトなどの別部材を追加したりしなくても、示温剤120を収容した直後に被着色層130を配置することができる。その結果として、温度検知デバイス100の製造コストは、低減する。
第4のステップでは、図3Dに示されるように、被着色層130を配置した後、示温剤120を冷却し、凝固させる。たとえば、一定温度の恒温槽内で示温剤120を冷却すればよい。
第5のステップでは、図3Eに示されるように、融解した示温剤120の外部への漏出を防止する観点から、少なくとも被着色層130および収容器110上部を覆うようにカバー140を配置する。たとえば、透明PETなどにより被着色層130および接続部113を覆うようにラミネートしてもよい。
(温度検知デバイスの使用方法)
本実施の形態の温度検知デバイス100の使用方法は、特に限定されない。たとえば、所定温度以下の温度で保存すべきものの周囲に配置すればよい。
図1Aおよび図1Bに示されるように、温度検知デバイス100が所定温度以下の温度にある場合、示温剤120は凝固しているので、示温剤120と被着色層130とが接触しない。そのため、示温剤120は、被着色層130に浸透しない。
一方、図2Aおよび図2Bに示されるように、温度検知デバイス100が、所定の温度を超える温度にある場合、示温剤120は融解する。そして、融解した示温剤120が、被着色層130に浸透し、着色する。着色域を観察することで、所定の温度を超える温度に置かれたことを検知することができる。
温度検知デバイス100が水平に静置されている場合、示温剤120が融解しても、示温剤120が被着色層130に接触できないおそれがある。この場合、温度検知デバイス100を使用しても、所定の温度を超える温度に到達したか否かを適切に検知できないおそれがある。このようなことを防止するため、温度検知デバイス100は、振動する環境下や、水平以外の条件で設置されることが好ましい。
(効果)
以上のように、本実施の形態に係る温度検知デバイス100は、所定の温度を超える温度に到達したか否かを検知することができる。また、本実施の形態に係る温度検知デバイス100は、示温剤120を凝固させたり、ゲイトなどの別部材を追加したりしなくても、示温剤120を収容した直後に被着色層130を配置して製造されうるので、低コストで製造されうる。
[実施の形態2]
実施の形態2に係る温度検知デバイスは、所定の温度を超える温度に到達したか否かに加えて、所定の温度を超える温度に置かれた時間を測定することができる温度検知デバイスである。
(温度検知デバイスの構成)
図4および図5は、実施の形態2に係る温度検知デバイス200の模式図である。図4Aは、所定の温度を超える温度に到達したことを検知する前(使用直後)の温度検知デバイス200の平面図である。図4Bは、図4Aに示されるIII−III線に沿う断面図である。図5Aは、所定の温度を超える温度に1時間置かれた後の温度検知デバイス200の平面図である。図5Bは、図5Aに示されるIV−IV線に沿う断面図である。図5Cは、所定の温度を超える温度に3時間以上置かれた後の温度検知デバイス200の平面図である。図5Dは、図5Cに示されるV−V線に沿う断面図である。
図4に示されるように、温度検知デバイス200は、収容器110、有色の示温剤120、被着色層230、第1のカバー240および窓を有する第2のカバー250を有する。なお、図1および図2に示される実施の形態1に係る温度検知デバイス100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明は省略する。
被着色層230は、収容器110の貫通孔112の開口部を閉塞するように配置された、融解した示温剤120に浸透されうる部材である。本実施の形態では、被着色層230は、図4B、図5Bおよび図5Dに示されるように、収容器110の深さ方向に直交する少なくとも一つの方向において貫通孔112の開口径より長くなるように延在している。したがって、融解した示温剤120は、貫通孔112の開口部を通って被着色層230に浸透した後、前記延在方向(図4では右方向)に経時的に被着色層230内を進むことができる。
第1のカバー240は、実施の形態1に係るカバー140に相当する部材である。第1のカバー240は、融解した示温剤120の外部への漏出を防止する観点から、少なくとも被着色層230および収容器110の上部を覆うように配置されている(図4B、図5Bおよび図5D参照)。第1のカバー240の材料の例は、前述したカバー140と同一である。
第2のカバー250は、4つの貫通孔251〜254を有する部材である。各貫通孔は、ユーザーが被着色層230に示温剤120が浸透している(着色している)か否かを視認するための窓として機能する。貫通孔の形状およびサイズは、ユーザーが被着色層230を視認することができれば特に限定されない。
第1の貫通孔251は、所定の温度を超える温度に到達したか否かを視認するための窓であり、収容器110の貫通孔112の直上に配置される。第2の貫通孔252は、所定の温度を超える温度に到達してから1時間経過したか否かを視認するための窓であり、融解した示温剤120が前記延在方向(図4では右方向)に被着色層230内を1時間進んだ箇所に配置される。第3の貫通孔253は、所定の温度を超える温度に到達してから2時間経過したか否かを視認するための窓であり、融解した示温剤120が前記延在方向(図4では右方向)に被着色層230内を2時間進んだ箇所に配置される。第4の貫通孔254は、所定の温度を超える温度に到達してから3時間経過したか否かを視認するための窓であり、融解した示温剤120が前記延在方向(図4では右方向)に被着色層230内を3時間進んだ箇所に配置される。
第2のカバー250の材料は窓としての機能を発揮できれば、特に限定されない。第2のカバー250の材料の例には、ポリエチレンテレフタラート(PET)やポリ塩化ビニル(PVC)やポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PE)などの樹脂;アルミニウム、ステンレス鋼などの金属が含まれる。
また、第2のカバー250の窓の構成は、被着色層230の着色が視認されることができれば、特に限定されない。窓の例には、本実施の形態のような貫通孔や、不透明な材料の一部(窓となる部分)が透明な材料に置換されたものなどが含まれる。
(温度履歴の検知方法)
本実施の形態の温度検知デバイス200の使用方法は、特に限定されない。たとえば、所定温度以下の温度で保存すべきものの周囲に配置すればよい。
図4Aおよび図4Bに示されるように、温度検知デバイス200が所定温度以下の温度にある場合、示温剤120は凝固しているので、示温剤120と被着色層230とが接触しない。そのため、示温剤120は、被着色層230に浸透しない。
一方、図5A〜図5Dに示されるように、温度検知デバイス200が、所定の温度を超える温度にある場合、示温剤120は融解する。そして、融解した示温剤120は、貫通孔112の開口部を通って被着色層230に浸透した後、前記延在方向(図5では右方向)に経時的に被着色層230内を進む。図5A〜図5Dに示されるように、示温剤120が融解してから1時間経過した後よりも3時間経過した後の方が被着色層230の着色域は拡がる。貫通孔112の開口部上の着色を第1の貫通孔251の窓から観察することで、所定の温度を超える温度に到達したことを検知することができる。また、被着色層230における示温剤120の移動距離を、第2の貫通孔252、第3の貫通孔253および第4の貫通孔254から観察することで、所定の温度を超える温度に置かれた時間を測定することができる。
(効果)
以上のように、本実施の形態に係る温度検知デバイス200は、実施の形態1の温度検知デバイス100の効果に加えて、所定の温度を超える温度に置かれた時間を測定できるという効果も有する。
本発明に係る温度検知デバイスは、例えば、食品や薬品などの商品が、流通プロセスにおいて所定の温度を超えた温度に置かれたか否かの検知およびその時間の測定に有用である。
100,200 温度検知デバイス
110 収容器
111 容器本体
112,251,252,253,254 貫通孔
113 接続部
114 段部
120 有色の示温剤
130,230 被着色層
140,240 (第1の)カバー
250 第2のカバー

Claims (5)

  1. 液体を収容可能な容器本体と、前記容器本体の内部空間と外部とを連通させる貫通孔を有する接続部とを含む収容器と、
    前記収容器に収容された、所定の温度を超える温度で融解する有色の示温剤と、
    前記貫通孔の開口部を閉塞するように配置された、融解した前記示温剤が浸透可能な被着色層と、
    を有し、
    融解した前記示温剤の体積は、前記容器本体の内部空間の体積よりも小さく、
    前記収容器は、前記容器本体と前記接続部との間または前記接続部内に、前記容器本体側から前記被着色層側に向かって内径が不連続に大きくなる段部を全周に亘って有する、
    温度検知デバイス。
  2. 前記接続部の前記段部より前記被着色層側に位置する内表面は、融解した前記示温剤に対して撥液性を有する、請求項1に記載の温度検知デバイス。
  3. 前記被着色層は、前記収容器の深さ方向に直交する少なくとも一つの方向において、前記貫通孔の開口径より長く、
    融解した前記示温剤は、前記貫通孔の開口部を通って前記被着色層に浸透した後、前記一つの方向に経時的に前記被着色層内を進むことが可能である、
    請求項1または2に記載の温度検知デバイス。
  4. 液体を収容可能な容器本体と、前記容器本体の内部空間と外部とを連通させる貫通孔を有する接続部とを含む収容器を準備するステップと、
    前記容器本体に、所定の温度を超える温度で融解する有色の示温剤を融解した状態で収容するステップと、
    融解した前記示温剤が浸透可能な被着色層を、前記示温剤が融解した状態において、前記貫通孔の開口部を閉塞するように配置するステップと、
    前記被着色層を配置した後に、前記示温剤を冷却して凝固させるステップと、
    を有し、
    融解した前記示温剤の体積は、前記容器本体の内部空間の体積よりも小さく、
    前記収容器は、前記容器本体と前記接続部との間または前記接続部内に、前記容器本体側から前記被着色層側に向かって内径が不連続に大きくなる段部を全周に亘って有する、
    温度検知デバイスの製造方法。
  5. 前記接続部の前記段部より前記被着色層側に位置する内表面は、融解した前記示温剤に対して撥液性を有する、請求項4に記載の温度検知デバイスの製造方法。
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