JP2015164218A - 半導体装置 - Google Patents

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淑 木村
Kiyoshi Kimura
淑 木村
保人 角
Yasuto Sumi
保人 角
浩史 大田
Hiroshi Ota
浩史 大田
裕行 入船
Hiroyuki Irifune
裕行 入船
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
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Abstract

【課題】終端部での耐圧向上により、素子破壊を抑制できる半導体装置を提供する。
【解決手段】本発明の実施形態に係る半導体装置は、素子部と、前記素子部を囲む終端部
に設けられた第1導電形の第1半導体領域と、前記第1半導体領域に接続された第1電極
と、前記第1半導体領域の表面に複数設けられた第2導電形の第2半導体領域と、前記第
1電極と水平な第1方向に複数設けられた第2導電形の第4半導体領域と、前記第1方向
に対して垂直な第2方向において複数設けられた第2導電形の第5半導体領域と、ゲート
絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、を有し、前記第5半導体領域は第2導電形不純
物濃度分布の極大値を有し、前記第5半導体領域同士の間において第2導電形不純物濃度
分布の極小値を有する。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)では、
オン抵抗はドリフト層の不純物濃度できまる。オン抵抗を下げるために不純物濃度を上げ
ると、ベース層からドリフト層中に空乏層が十分に広がらないために耐圧が低下する。つ
まり、オン抵抗と耐圧との間には、トレードオフの問題がある。
この問題を解決する手段として、nピラー層とpピラー層とを交互に水平方向に繰り返
し配置されたスーパージャンクション構造が用いられる。スーパージャンクション構造は
、nピラー層中のn形不純物量とpピラー層中のp形不純物量とのバランスをとることで
、完全に空乏化しやすく、擬似的にノンドープ層を形成している。このため、各ピラー層
の不純物濃度を上げてオン抵抗を低減しても、MOSFETの耐圧の低下を抑制すること
ができる。
パワーMOSFETには、電流が流れる素子部と、その素子部を取り囲んでチップの外
周部に形成される終端部と、が形成される。アバランシェ耐量が高い素子部で先にアバラ
ンシェを発生させることで、パワーMOSFETを破壊から防ぐことができる。スーパー
ジャンクション構造を有するパワーMOSFETにおいても、素子部より終端部での耐圧
が高いことが望まれる。
特開2007−36213号公報
終端部での耐圧向上により、素子破壊を抑制できる半導体装置を提供する。
本発明の実施形態に係る半導体装置は、素子部と、前記素子部を囲む終端部に設けられ
た第1導電形の第1半導体領域と、前記第1半導体領域に接続された第1電極と、前記素
子部において、前記第1電極と対向する前記第1半導体領域の表面に複数設けられた第2
導電形の第2半導体領域と、前記第2半導体領域の表面に選択的に設けられた第1導電形
の第3半導体領域と、前記第1半導体領域内において前記第2半導体領域に接続され、前
記第1電極と水平な第1方向に複数設けられた第2導電形の第4半導体領域と、前記第4
半導体領域に接続され、前記第1半導体領域と前記第4半導体領域との間に位置し、前記
第1方向に対して垂直な第2方向において複数設けられた第2導電形の第5半導体領域と
、前記第1半導体領域、前記第2半導体領域、及び前記第3半導体領域の上に、ゲート絶
縁膜を介して設けられたゲート電極と、前記第2半導体領域、及び前記第3半導体領域に
接続された第2の電極と、前記終端部において、前記第1半導体領域の表面から前記第1
半導体領域内部に達し、前記第2方向について、前記第5半導体領域よりも前記第1の電
極と離れている第2導電形の第6半導体領域と、を有し、前記第2方向において、前記第
5半導体領域は第2導電形不純物濃度分布の極大値を有し、前記第5半導体領域同士の間
において第2導電形不純物濃度分布の極小値を有する。
第1の実施の形態に係る半導体装置のチップ上面図。 第1の実施の形態に係る半導体装置の要部断面図。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す要部断面図。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す要部断面図。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す要部断面図。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す要部断面図。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す要部断面図。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す要部断面図。 第2の実施の形態に係る半導体装置の要部断面図。
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。実施の形態中の説明で
使用する図は、説明を容易にするための模式的なものであり、図中の各要素の形状、寸法
、大小関係などは、実際の実施においては必ずしも図に示されたとおりとは限らず、本発
明の効果が得られる範囲内で適宜変更可能である。第1導電形をn形で、第2導電形をp
形で説明するが、それぞれこの逆の導電形とすることも可能である。半導体としては、シ
リコンを一例に説明するが、SiCやGaNなどの化合物半導体にも適用可能である。絶
縁膜としては、シリコン酸化膜を一例に説明するが、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜
、アルミナなどの他の絶縁体を用いることも可能である。n形の導電形をn、n、n
で表記した場合は、この順にn形不純物濃度が低いものとする。p形においても同様に、
、p、pの順にp形不純物濃度が低いものとする。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、第1の実施の形
態に係る半導体装置のチップを上からみた上面図である。図2は、第1の実施の形態に係
る半導体装置の要部断面図であり、図1のA−Aに沿った断面図である。
第1の実施形態にかかる半導体装置100は、n形チャネルのMOSFET(Me
tal Oxide Semiconductor Field Efect Transistor)であり、n形(第1導電形)のド
レイン層(第1の半導体層)1と、第1のドリフト層5と、第2のドリフト層8と、ゲー
ト電極14と、ドレイン電極(第1の電極)24と、ソース電極(第2の電極)25とを
備え、ドレイン電極24からこれに対向するソース電極25に向かって図中Y方向(垂直
方向)にゲート電極14により制御された電流が流れる素子部と、水平面内で素子部を囲
んだ環状構造の終端部とを有する。すなわち、素子部は、ドレイン電極24からソース電
極24へ流れる電流をゲート電極が制御するMOSFETのセル領域を内部に有する。終
端部は、そのMOSFETのセル領域を含まず、その外側で素子部を囲んでいる。
シリコンからなるn形のドレイン層1の上に第1のドリフト層5が形成されている。
形のドレイン層1のn形不純物濃度は、例えば1019/cm台であればよい。第
1のドリフト層5は、シリコンからなるn形の第1のエピタキシャル層2と、シリコン
からなる第1のn形(第1導電形)ピラー層3と、シリコンからなる第1のp形(第2導
電形)ピラー層4とを有する。n形の第1のエピタキシャル層2は、第1の半導体層1
よりもn形不純物濃度が低い低不純物濃度層であり、そのn形不純物濃度は例えば10
〜1014/cmであり、第1の半導体層1の上に形成される。第1のエピタキシャ
ル層2よりもn形不純物濃度が高い第1のn形ピラー層3と第1のp形ピラー層4とが、
第1のエピタキシャル層2中の素子部においてのみ、図中X方向(水平面に平行な第1の
方向)に交互に繰り返し配置された第1のスーパージャンクションSJ1が形成されてい
る。第1のn形ピラー層3のn形不純物量と第1のp形ピラー層4の不純物量とが等しく
なるように形成される。第1のn形ピラー層3と第1のp形ピラー層4の不純物量が等し
くなることで、逆バイアスが印加されたときに、両者が完全に空乏化されやすく、擬似的
に低不純物濃度層と同じ働きをする。第1のエピタキシャル層2中の終端部においては、
第1のn形ピラー層3及び第1のp形ピラー層4は、形成されていない。第1のエピタキ
シャル層2の終端部においては、第1のエピタキシャル層が低不純物濃度層としてそのま
ま配置される。
第1のn形ピラー層3は、Y方向におけるn形不純物の濃度分布の中心に不純物濃度の
極大値を有する複数の第1のn形層(第1導電形層)が、互いに結合して形成されている
。その結合部では、n形不純物濃度が極小値を有する。すなわち、第1のn形ピラー層3
は、Y方向に沿って不純物濃度の極大値と極小値を繰り返した不純物濃度分布を有する。
上記n形層は、その中心に不純物濃度の極大値を有する拡散層であり、イオン注入及び熱
処理により形成される。本実施の形態では、第1のn形ピラー層3は、2つの第1のn形
層から構成される。
第1のp形ピラー層4は、Y方向におけるp形不純物の濃度分布の中心に不純物濃度の
極大値を有する複数のp形層(第2導電形層)が互いに結合して形成されている。その結
合部では、p形不純物濃度が極小値を有する。すなわち、p形ピラー層4は、Y方向に沿
って不純物濃度の極大値と極小値を繰り返した不純物濃度分布を有する。上記p形層は、
その中心に不純物濃度の極大値を有する拡散層であり、イオン注入及び熱処理により形成
される。本実施の形態では、第1のp形ピラー層4は、2つの第1のp形層から構成され
る。
本実施の形態では、一例として、第1のエピタキシャル層2の厚さは30μmである。
第1のn形層の不純物濃度の極大値は、第1のエピタキシャル層2の表面から約5μmと
約15μmの深さにあり、2つのn形層が拡散によりY方向に結合して第1のn形ピラー
層3を形成している。p形層の不純物濃度の極大値は、第1のn形層同様に、第1のエピ
タキシャル層2の表面から例えば約5μmと約15μmの深さにあり、2つのp形層が拡
散によりY方向に結合して第1のp形ピラー層4を形成している。第1のn形ピラー層3
及び第1のp形ピラー層4の底部は、第1のn形層と、p形層の、拡散の程度によりきま
り、第1のエピタキシャル層の表面から例えば約20〜25μmの深さである。すなわち
、第1のn形ピラー層3と第1のp形ピラー層4のY方向の厚さが約20〜25μmであ
る。なお、第1のn形ピラー層3及び第1のp形ピラー層4は、設計に応じてnドレイ
ン層1に達するように形成されてもよい。
第2のドリフト層8が、第1のドリフト層5の上に形成される。第2のドリフト層8は
、それぞれシリコンからなる、n形の第2のエピタキシャル層6bと、第2のn形ピラー
層6と、第2のp形ピラー層7と、第3のn形ピラー層6aと、第3のp形ピラー層7a
と、を有する。n形の第2のエピタキシャル層6bは、第1のドリフト層5上に形成され
、第1のエピタキシャル層2よりもn形不純物濃度が高く、例えば、1015〜1016
/cmであり、厚さは、例えば20μmである。
第2のエピタキシャル層6b中の素子部において、第2のp形ピラー層7は、X方向に
沿って第1のp形ピラー層と同じ間隔で離間配置され、第1のp形ピラー層と電気的に接
続する。第2のn形ピラー層6は、隣り合う第2の第2導電形ピラー層7に挟まれた第2
のエピタキシャル層6bからなり第1のn形ピラー層3と接続する。第2のn形ピラー層
6と第2のp形ピラー層7とが素子部に第1の方向に繰り返し配置されることで第2のス
ーパージャンクションSJ2を形成している。両ピラー層は、第1のn形及びp形ピラー
層と同様に、両ピラー層の不純物量が等しくなるように形成される。
第2のエピタキシャル層8中の終端部において、第3のp形ピラー層7aは、X方向に
沿って離間配置され、第1のエピタキシャル層2上に配置される。第3のn形ピラー層6
aは、隣り合う第3のp形ピラー層7aに挟まれた第2のエピタキシャル層6bからなり
、第1のエピタキシャル層2上に配置される。第3のn形ピラー層6aと第3のp形ピラ
ー層7aとが終端部に第1の方向に繰り返し配置されることで第3のスーパージャンクシ
ョンSJ3を形成している。
両ピラー層は、第1のn形及びp形ピラー層と同様に、両ピラー層の不純物量が等しく
なるように形成される。第2のp形ピラー層7及び第3のp形ピラー層7aは、第1のp
形ピラー層4と同様に拡散層で形成することもできるが、本実施の形態では一例として、
後述の製造方法の説明のように、それぞれ第2のエピタキシャル層6b中に形成されて第
1のドリフト層に達する第1のトレンチと第2のトレンチとに埋め込んで形成された埋込
層である。従って、第2のn形ピラー層6、第2のp形ピラー層7、第3のn形ピラー層
6a、及び第3のp形ピラー層7aのY方向の厚さは、第2のエピタキシャル層6bと同
じ厚さの20μmである。
また、本実施の形態では、第2のn形ピラー層6と第3のn形ピラー層6aとは、同じ
n形ピラー層であり、X方向における幅及び不純物量が同じである。第2のp形ピラー層
7と第3のp形ピラー層7aに関しても同様で、同じp形ピラー層であり、X方向におけ
る幅及び不純物量が同じである。
素子部では、p形ベース層9が第2のドリフト層8の表面に形成され、第2のp形ピラ
ー層7に接続されている。素子部と終端部の境界には、p形ベース層9aが、第2のドリ
フト層8の表面に形成され、第2のp形ピラー層7に接続されていて、素子部のp形ベー
ス層9よりもX方向の幅が広く形成されている。終端部には、p形ベース層9bが、ダイ
シングによりチップ端部となる部分に隣接して、第2のエピタキシャル層6bの表面に形
成されている。p形ベース層9、9a、9bはシリコンからなる。
ソース層10が、素子部のp形ベース層9の表面に選択的に形成されている。n
ソース層10aが、終端部のチップ端部に隣接してp形ベース層9bの表面に形成されて
いる。nソース層10、10aはシリコンからなる。ゲート電極14が、nソース層
10、p形ベース層9、及び第2のn形ピラー層6上に、ゲート絶縁膜12を介して形成
されている。例えば、ゲート電極は、ポリシリコンで、ゲート絶縁膜は、シリコンの熱酸
化膜で形成できる。
終端部では、p形ベース層9a、第3のn形ピラー層6a、第3のp形ピラー層7a、
第2のエピタキシャル層6b、及びn形ソース層10a上に絶縁膜13が形成されている
。絶縁膜13も、シリコンの熱酸化膜で形成可能である。ポリシリコンからなるゲート配
線層15が、絶縁膜13上の終端部と素子部の境界部に形成される。ポリシリコンからな
るチャネルストッパ層16が、絶縁膜13上の第3のn形ピラー層6a及び第3のp形ピ
ラー層7aよりもチップ端部側に形成される。p形コンタクト層11が、素子部のp形
ベース層9上のn形ソース層10間に形成される。p形コンタクト層11aが、素子
部と終端部の境界部のp形ベース層9a上に形成される。
層間絶縁膜17が、ゲート電極14、ゲート配線層15、及びチャネルストッパ層16
上に形成され、ゲート電極14、ゲート配線層15、及びチャネルストッパ層16を外部
から絶縁する。第1の開口部18が、隣り合うゲート電極14の間に、層間絶縁膜を貫通
し素子部のp形ベース層9及びn形ソース層10に達するように形成される。第2の開
口部19が、素子部と終端部の境界部で、層間絶縁膜を貫通しp形ベース層9aに達する
ように形成される。
ソース電極25が層間絶縁膜13上に形成され、第1の開口部18を介してnソース
層10及びp形コンタクト層11と、第2の開口部19を介してp形コンタクト層1
1aと電気的に接続される。ソース電極は、p形コンタクト層11及びp形コンタク
ト層11aを介して、p形ベース層9及びp形ベース層9aに電気的に接続される。ドレ
イン電極24が、n形ドレイン層1の第1のドリフト層5と反対側の表面に形成され、
形ドレイン層1と電気的に接続される。
ゲート金属配線層20が、層間絶縁膜13の開口部20を介してゲート配線層15に電
気的に接続される。チャネルストッパ電極16が層間絶縁膜13の開口部21を介してチ
ャネルストッパ層16と電気的に接続され、層間絶縁膜13の開口部22を介してn
ソース層10aと電気的に接続される。これにより、チャネルストッパ層16、チャネル
ストッパ電極27、及びn形ソース層10aは電気的に接続され、導電性の高いチップ
の端部を介してドレイン電極と同電位に維持される。
次に本実施形態にかかるMOSFET100の動作について説明する。ゲート電極14
に閾値を超える電圧が印加されてMOSFET100がON状態になると、n形ソース
層10と第2のn形ピラー層6との間のp形ベース層9にはチャネル層が形成さる。ドレ
イン電極24にソース電極25に対して正電圧を印加すると、チャネル層を介してドレイ
ン電極24からソース電極25に電流が流れる。
ゲート電極14に閾値より低い電圧が印加されるとMOSFET100はOFF状態と
なり、チャネル層が消失し電流は流れない。ドレイン・ソース間の電圧が上昇し、第1の
ドリフト層と第2のドリフト層は空乏化する。ドレイン・ソース間の電圧が、第1及び第
2のドリフト層の耐圧を超えるとアバランシェ降伏が起こり、これにより生じた電子及び
正孔は、それぞれ、ドレイン電極24及びソース電極25に排出される。素子部により生
じた正孔は、第1の開口部18を介してソース電極25に排出され、終端部により生じた
正孔は、素子部と終端部の境界にある第2の開口部19からソース電極25に排出される
。第2の開口部19の方が、素子部の全体に形成されている第1の開口部18より、正孔
による電流が流れる断面積が狭い。このため、素子部と終端部で耐圧が同じであると、終
端部のアバランシェにより生じた正孔の電流により、素子部と終端部の境界部にある第2
の開口部19で電流集中が発生し破壊しやすい。すなわち、終端部では耐量が低い。
本実施の形態に係るMOSFET100は、ドリフト層を第1のドリフト層5と第2の
ドリフト層8の2断構造とし、それぞれのドリフト層の水平方向にn形ピラー層とp形ピ
ラー層を交互に繰り返し配置したスーパージャンクション構造を備えている。第2ドリフ
ト層8は、素子部と終端部のどちらにもスーパージャンクション構造を備えている。これ
に対して、第1のドリフト層5は、素子部にはスーパージャンクション構造を備えている
が、終端部にはスーパージャンクション構造を備えていない。すなわち、第1のドリフト
層5は、終端部にはnピラー層とpピラー層が繰り返し配置されたスーパージャンクショ
ン構造の代わりに、nのエピタキシャル層2が配置される。
スーパージャンクション構造は、n形ピラー層とp形ピラー層の不純物量が等しくなる
ように形成し、擬似的に低濃度不純物層としているが、製造バラツキにより不純物量のバ
ランスが崩れやすい。不純物量のバランスが崩れると、スーパージャンクション構造は、
擬似的にn形またはp形の不純物層となり、MOSFETがOFF状態のときに、完全に
空乏化しにくくなり耐圧が低下する。これに対し、nのエピタキシャル層2は、MOS
FETがOFF状態のときは、完全に空乏化しやすいように不純物が低濃度に設定されて
おり、製造バラツキによるnのエピタキシャル層2の空乏化への影響が少ない。製造バ
ラツキに対して耐圧が安定している。
ここで、第1のドリフト層5の素子部と終端部の両者にスーパージャンクションが形成
されていると、素子部と終端部で耐圧が同じなので、素子部のアバランシェの発生と同時
に、終端部でのアバランシェが発生する。この場合、終端部の方がアバランシェの電流に
対する耐量が低いので、終端部でMOSFETが破壊されてしまい、MOSFETの耐量
は低い。しかし、本実施形態のMOSFET100では、第1のドリフト層の終端部には
、製造バラツキに対して耐圧が安定しているnのエピタキシャル層2がスーパージャン
クションの代わりに配置されているので、耐圧の低い素子部のSJ1でアバランシェが発
生する。素子部の方がアバランシェに対する耐量が高いので、MOSFET100の耐量
が向上する。
MOSFET100では、第1のドリフト層と第2のドリフト層の厚さの和が耐圧をき
める。本実施の形態に係るMOSFET100は、耐圧が約600Vを想定し、一例とし
て、第1のドリフト層の厚さを30μm、第1のn形ピラー層とp形ピラー層は厚さ約2
0〜25μmで2つのn形層の結合で形成され、第2のドリフト層、第2のn形ピラー層
及びp形ピラー層、第3のn形ピラー層及びp形ピラー層は、厚さ20μmで形成されて
いる。しかしながら、これらの設定は耐圧に対する設計事項により変更されるものである
。また、第1のn形ピラー層3及び第1のp形ピラー層4は、それぞれY方向の2つのn
形層とp形層の結合で形成されているが、これも設計に応じて、3つ以上のn形層とp形
層の結合によりそれぞれ形成されていてもよい。
本実施の形態に係るMOSFET100では、第1のドリフト層中の第1のn形ピラー
層3と第1のp形ピラー層4との不純物量とが等しく、第2のドリフト層中の第2のn形
ピラー層6と第2のp形ピラー層7との不純物量とが等しく、及び第2のドリフト層中の
n形ピラー層6aと第2のp形ピラー層7aとの不純物量が等しく設定されていればよい
。第1のドリフト層中の不純濃度と第2のドリフト層中の不純物濃度との高低関係は任意
である。しかし、詳細な実施例による説明は省略するが、本実施形態の変形例に係るMO
SFET101として、第2のドリフト層のスーパージャンクションSJ2、SJ3中の
n形及びp形の不純物濃度が、第1のドリフトのスーパージャンクションSJ1よりも高
くすることもできる。例えば、各スーパージャンクションSJ1、SJ2、SJ3中のn
形不純物量とp形不純物量とのバランスがとれた状態(n形とp形の不純物量が互いに等
しい状態)で、スーパージャンクションSJ2、SJ3の各n形ピラー層及び各p形ピラ
ー層の不純物濃度がスーパージャンクションSJ1のn形ピラー層及びp形ピラー層より
も高くして形成されることも可能である。
MOSFET100がOFFになると、徐々にドレイン・ソース電圧が上昇していく。
ドリフト層にスーパージャンクション構造を用いると、ドレイン・ソース間電圧が低い段
階で急激にゲート・ドレイン容量CGDが減少し、これが原因でゲート電極からノイズが
発生する。上記のように第2ドリフト層中のn形ピラー層とp形ピラー層の不純物濃度を
第1のドリフト層中よりも高くすることで、ドレイン・ソース間電圧の低い段階での第2
のドリフト層の空乏化が抑制されるので、急激なゲート・ドレイン容量CGDの減少が抑
制される。この結果、本実施形態の変形例に係るMOSFET101では、ゲートからの
ノイズの発生が抑制される。本変形例は、以後の実施形態でも適用可能である。
本実施の形態の係るMOSFET100は、ドリフト層を第1のドリフト層と第2のド
リフト層の2断構造とし、それぞれのドリフト層の水平方向にnピラー層とpピラー層を
交互に繰り返し配置したスーパージャンクション構造を備えている。第2ドリフト層は、
素子部と終端部のどちらにもスーパージャンクション構造を備えている。これに対して、
第1のドリフト層は、素子部にはスーパージャンクション構造を備えているが、終端部に
はスーパージャンクション構造を備えていない。すなわち、第1のドリフト層は、終端部
において、nピラー層とpピラー層が繰り返し配置された構造の代わりに、nのエピタ
キシャル層2が配置される。
後述の製造方法で説明するように、第1のドリフト層のn形ピラー層3とp形ピラー層
4は、第1のエピタキシャル層2のエピタキシャル成長とn形不純物及びp形不純物のイ
オン注入を繰り返すマルチエピの手法により形成され、Y方向におけるn形不純物の濃度
分布の中心に不純物濃度の極大値を有する複数のn形拡散層及びp形拡散層がそれぞれ互
いに結合して形成されている。第2のドリフト層のp形ピラー層7、7aは、それぞれ第
2のエピタキシャル層6bに形成された第1及び第2のトレンチに埋込形成され、それぞ
れにp形ピラー層7、7aに挟まれた第2のエピタキシャル層6bが第2のドリフト層の
n形ピラー層6、6aとして形成されている。この第2のドリフト層のようにトレンチに
埋め込まれたp形ピラー層で第1のドリフト層5のスーパージャンクションSJ1を形成
すると、n形ピラー層は第1のエピタキシャル層2から形成されるので、第1のドリフト
層の終端部に低不純物濃度のn形エピタキシャル層を形成することができない。また、
第1のドリフト層5のn形ピラー層3及びp形ピラー層4をどちらもトレンチに埋め込ま
れたピラー層で形成すると、製造工程が複雑となり製造が困難である。さらに、第2のド
リフト層8のスーパージャンクションの構造を、第1のドリフト層のスーパージャンクシ
ョンを形成するマルチエピの手法を用いた拡散層で形成すると、製造工程が増大して製造
コストが増大してしまう。
本実施形態に係るMOSFET100では、第1のドリフト層の第1のスーパージャン
クションを、複数のn形拡散層からなるn形ピラー層と複数のp形拡散層からなるp形ピ
ラー層とで形成し、第2のドリフト層の第2及び第3のスーパージャンクションをトレン
チに埋め込まれたp形ピラー層とこれに挟まれたn形ピラー層で形成している。このこと
が、容易な製造工程で、MOSFET100が、素子部に第1のスーパージャンクション
構造SJ1を有し、終端部に低不純物濃度のエピタキシャル層2を有した第1のドリフト
層5と、素子部と終端部にそれぞれ第2のスーパージャンクションSJ2及び第3のスー
パージャンクションSJ3を有した第2のドリフト層8とを、有することを可能にしてい
る。
なお、本実施の形態に係るMOSFET100における、第2のドリフト層8の素子部
の第2のn形ピラー層6と第2のp形ピラー層7と、終端部の第3のn形ピラー層6aと
第3p形ピラー層7aとは、それぞれn形とp形の不純物量が互いに等しく形成されてい
る。そして、第2のn形ピラー層6と第3のn形ピラー層6aとは、同じn形ピラー層で
あり、第2のp形ピラー層7と第3のp形ピラー層7aとは、同じp形ピラー層である。
しかしながら、設計に応じて、第3のn形ピラー層6a及び第3のp形ピラー層7aは、
各ピラー層のX方向の幅などを変えることで、それぞれ、第2のn形ピラー層6及び第2
のp形ピラー層7との不純物量と異なって形成されても良い。
次に、本実施の形態に係るMOSFET100の製造方法を、図3〜図8を用いて説明
する。図3〜図8の各図は、本実施の形態に係るMOSFET100の製造工程を示す要
部断面図である。各図は、図2の断面図をさらに簡略化し、素子部と終端部のそれぞれの
要部を簡単に比較しながら説明する。
図3に示すように、n形不純物濃度が1019/cm台のn形シリコン基板をn
形のドレイン層1とし、この上に、低不純物濃度(1013〜1014/cm)のn
形の第1のエピタキシャル層2の一部(第1層)2aが、シリコンのエピタキシャル成長
により形成される。n形の第1のエピタキシャル層2の第1層2aの厚さは、15μm
である。フォトレジスト31aが、n形の第1のエピタキシャル層2の第1層2aの表
面に形成され、素子部においてだけX方向に所定の間隔で離間した開口部を有する。p形
不純物のボロン(B)が、イオン注入により、n形の第1のエピタキシャル層2の第1
層2aの表面に、上記フォトレジスト31aの開口部を介して注入され、ボロン注入層(
第2導電形不純物層)34が形成される。イオン注入の条件は、例えば、ボロンのドーズ
量が数1013/cm2程度で、加速電圧は数100kV程度である。なお、イオン注入
以外にも、ボロンの原料ガスを含んだ雰囲気中から気相拡散によりボロンを注入させるこ
と、または、ボロンを含んだ固体から固相拡散によりボロンを注入させることも可能であ
る。
次に図4に示すように、フォトレジスト31aを剥離した後に、別のフォトレジスト3
1bが、n形の第1のエピタキシャル層2の第1層2aの表面に形成される。フォトレ
ジスト31bは、素子部においてだけX方向に所定の間隔で離間し、それぞれの隣り合う
上記ボロン注入層34の間に開口部を有する。n形不純物のリン(P)が、イオン注入に
より、n形の第1のエピタキシャル層2の第1層2aの表面に、上記フォトレジスト3
1bの開口部を介して注入され、リン注入層(第1導電形不純物層)33が形成される。
イオン注入の条件は、例えば、リンのドーズ量が数1013/cm2程度で、加速電圧は
数100kV程度である。なお、イオン注入以外にも、リンの原料ガスを含んだ雰囲気中
から気相拡散によりリンを注入させること、または、リンを含んだ固体から固相拡散させ
ることによりリンを注入させることも可能である。
フォトレジスト31bを剥離した後に、図5に示したように、さらに、n形の第1の
エピタキシャル層2の第2層2bが、エピタキシャル成長により形成される。n形の第
1のエピタキシャル層2の第2層2bの厚さは、例えば10μmである。
図6に示したように、n形の第1のエピタキシャル層2の第2層2bの表面に、図3
に示した上記フォトレジスト31aを介したイオン注入によるボロン注入層34の形成、
及び図4に示したフォトレジスト31bを介したイオン中によるリン注入層33の形成が
行われる。なお、MOSFETの耐圧を上げる設計に対応して、上記n形の第1のエピ
タキシャル層2の第2層2bの形成、ボロン注入層34の形成、及びリン注入層33の形
成を、単位工程として、この単位工程が複数回さらに繰り返されることも可能である。本
実施の形態に係るMOSFET100は、この単位工程が1回行われて、二段構造のボロ
ン注入層34とリン注入層33を有する。さらに、n形の第1のエピタキシャル層2の
第3層2cが、エピタキシャル成長により形成される。n形の第1のエピタキシャル層
2の第3層2cの厚さは、例えば5μmである。以上により、n形の第1のエピタキシ
ャル層2中に、2段のボロン注入層34とリン注入層33が、X方向に沿って交互に配置
されて形成された構造を備えた、第1のドリフト層5が形成される。n形の第1のエピ
タキシャル層2の厚さは、合計30μm形成され、ボロン注入層34とリン注入層33は
、n形の第1のエピタキシャル層2の表面から、深さ5μm及び15μmの位置に形成
される。
次に、n形の第2のエピタキシャル層6bが、第1のドリフト層5上にシリコンのエピ
タキシャル成長により形成される。n形の第2のエピタキシャル層6bの厚さは、例えば
20μmであり、n形不純物濃度は、例えば、1015〜1016/cmである。図7
に示したように、フォトレジスト35が、n形の第2のエピタキシャル層6bの表面上に
形成され、素子部と終端部にそれぞれ後述の第2及び第3のp形ピラー層の形成される位
置に対応させてX方向に離間配置された開口部を有する。なお、本実施形態にかかるMO
SFET100は、第2及び第3のp形ピラー層は同じp形ピラー層を有するので、上記
の素子部及び終端部でのX方向の開口幅は同じ幅である。
n形の第2のエピタキシャル層6bが、上記フォトレジスト35の開口部を介して、R
IE(Riactive Ion Etching)によりエッチングされる。この結果、n形の第2のエピタ
キシャル層6bの素子部に第1のトレンチが、終端部に第2のトレンチが、それぞれ、n
形の第2のエピタキシャル層6bを貫通し、第1のドリフト層5に達するように形成され
る。
フォトレジスト35を剥離した後に、図8に示したように、p形のシリコン層が、n形
の第2のエピタキシャル層6bに形成された第1のトレンチと第2のトレンチに、エピタ
キシャル成長により埋込まれる。この結果、素子部には、第1のトレンチに埋め込まれた
第2のp形ピラー層7が形成され、終端部には、第2のトレンチに埋め込まれた第3のp
形ピラー層7aが形成される。隣り合う第2のp形ピラー層で挟まれたn形の第2のエピ
タキシャル層6bは、第2のn形ピラー層6であり、隣り合う第3のp形ピラー層7aで
挟まれたn形の第2のエピタキシャル層6bは、第3のn形ピラー層6aである。なお、
上記トレンチが埋め込まれるp形シリコンのエピタキシャル成長のp形不純物のドーピン
グ条件は、第2及び第3のp形ピラー層中のp形不純物量が、それぞれ第2及び第3のn
形ピラー層のn形不純物量と同じとなるように決められる。以上により、n形の第2のエ
ピタキシャル層6b中に、第2のn形ピラー層6と、第2のp形ピラー層7と、第3のn
形ピラー層6aと、第3のp形ピラー層7aを有する、第2のドリフト層8が形成される
続いて図示しない工程において熱処理工程が行われる。この熱処理工程にて、第1のド
リフト層中の2段のリン注入層33は、それぞれ、その中のリン原子が拡散して広がりそ
れぞれがn形拡散層となり、Y方向で互いに結合する。この結果、n形拡散層がY方向に
連結した第1のn形ピラー層3が、第1のドリフト層5中に形成される。同様にして、第
1のドリフト層中の2段のボロン注入層34は、それぞれ、その中のボロン原子が拡散し
て広がりそれぞれがp形拡散層となり、Y方向で互いに結合する。この結果、p形拡散層
がY方向に連結した第1のp形ピラー層4が、第1のドリフト層5中に形成される。また
、第1のn形ピラー層3は、第2のn形ピラー層6とリンの拡散により連結され、第2の
p形ピラー層4は、第2のp形ピラー層7とボロンの拡散により連結される。
以上により、第1のスーパージャンクション構造SJ1が、第1のドリフト層中の素子
部に形成され、n形の第1のエピタキシャル層2が、終端部に形成される。また、第2
のスーパージャンクションSJ2及び第3のスーパージャンクションSJ3が、それぞれ
第2のドリフト層8中の素子部及び終端部に形成される。
以後は、図示による詳細な説明は省略するが、通常のMOSFETの素子部を形成する
製造工程が行われる。例えば、絶縁膜13が熱酸化により終端部の第2ドリフト層8上に
形成される。素子部の隣り合うp形ベース層9の間で、n形ソース層10、p形ベース
層9及び第2のn形ピラー層6上に、ゲート絶縁膜12を介してゲート電極14がポリシ
リコンで形成される。ゲート電極14と同一工程にて、ゲート配線層15及びチャネルス
トッパ層16がポリシリコンで形成される。ゲート絶縁膜12、ゲート電極14、ゲート
配線層15、絶縁膜13、及びチャネルストッパ層16上に、シリコン酸化膜の層間絶縁
膜17がCVD(Chemical Vapor Deposition)等で形成される。その後、層間絶縁膜1
7の素子部のゲート電極14間に第1の開口部18が、層間絶縁膜17の素子部と終端部
の境界部に第2の開口部19が、p形ベース層9とn形ソース層10に達するようにそ
れぞれ形成される。また、ゲート配線層15に達する開口部20、チャネルストッパ層1
6に達する開口部21、p形ベース層9bに達する開口部22、及びチップ端部に開口部
23が形成される。p形ベース層9が素子部に、p形ベース層9aが素子部と終端部の境
界部に、及びp形ベース層9bがチップ端部に、それぞれ同一工程のp形不純物の拡散に
より形成される。p形不純物のイオン注入のドーズ量は、例えば1013/cm台とす
ることができる。続いて、n形ソース層10が素子部に、n形ソース層10aがチッ
プ端部に、n形不純物の拡散により形成される。n形不純物のイオン注入のドーズ量は、
例えば1015/cm台とすることができる。
ドレイン電極24が、n形ドレイン層1に電気的に接続するように形成される。ソー
ス電極25が、第1の開口部と第2の開口部を介して、p形ベース層9とn形ソース層
10に電気的に接続するように形成される。ゲート金属配線層26が、開口部20を介し
てゲート配線層に電気的に接続するよう形成される。チャネルストッパ電極27が、開口
部21及び開口部22を介して、それぞれチャネルストッパ層及びn形ソース層10a
に電気的に接続されるように形成される。ドレイン電極24、ソース電極25、ゲート金
属配線層26、及びチャネルストッパ電極27は、金属材料であればよく、例えば、アル
ミニウム、銅、金などを用いることができる。
以上説明した製造方法を用いることで、図1及び図2に記載の本実施の形態に係るMO
SFET100を製造することができる。なお、上記製造方法の説明の中で、第2のp形
ピラー層7及び第3のp形ピラー層7aが、それぞれ第1及び第2のトレンチに、p形の
シリコン層がエピタキシャル成長で埋め込まれて形成される工程を説明した。ここで、第
1及び第2のトレンチのアスペクト比が高すぎる場合に、第2のp形ピラー層7及び第3
のp形ピラー層7a内にボイドが形成されることがある。この場合は、第1及び第2のト
レンチのX方向の幅が、第2の電極側に向かって(第1の電極から離れるほど)広くなる
構造としてもよい。こうすることで、p形のシリコン層がエピタキシャル成長によりトレ
ンチ内に良好に埋め込まれるようになるので、第2のp形ピラー層7及び第3のp形ピラ
ー層7a内のボイドの発生を抑制できる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係るMOSFET200を、図9を用いて説明する。図9は、第2
の実施の形態に係る半導体装置の要部断面図である。なお、第1の実施の形態で説明した
構成と同じ構成の部分には同じ参照番号または記号を用いその説明は省略する。第1の実
施の形態との相異点について主に説明する。
本実施の形態に係る半導体装置は、第1の実施の形態同様のMOSFETであり、その
チップ上面図は、図1に示した第1の実施の形態に係るMOSFET100と同じである
。図9は、図1に示したA−Aに沿った断面図である。本実施の形態に係るMOSFET
200は、以下の点で第1の実施形態に係るMOSFET100と相異する。MOSFE
T200は、チップ端部において、n形のピラー層3aが、n形の第1のエピタキシャ
ル層2中にさらに形成されており、Y方向におけるn形不純物の濃度分布の中心に、n形
不純物濃度の極大値を有する2つの第2のn形層がY方向に互いに結合して形成されてい
る。その結合部では、n形不純物濃度が極小値を有する。すなわち、ピラー層3aは、Y
方向に沿って不純物濃度の極大値と極小値を繰り返した不純物濃度分布を有する。上記第
2のn形層は、その中心に不純物濃度の極大値を有する拡散層であり、イオン注入及び熱
処理により形成される。このピラー層3aは、第2のドリフト層中の第2のエピタキシャ
ル層6bに接続し、p形ベース層9bの直下に配置される。ピラー層3aの第2のn形層
は、第1のn形ピラー層3を構成する第1のn形層と同様に拡散層であり、第1のn形層
と一体に形成されることができる。つまり、第2のn形層は、第1のエピタキシャル層2
中に第1のn形層と表面から同じ深さの位置に極大値を有する。これ以外は、第1の実施
の形態に係るMOSFET100と同じ構造である。
また、製造方法も第1の実施の形態に係るMOSFETと同じ製造方法で製造すること
ができる。図4及び図6に示された製造工程において、MOSFET200の第1のドリ
フト層の第1のn形ピラー層3を形成する際に、チップ端部に隣接する位置にフォトレジ
スト31bの開口部をさらに設けることで、第1のn形ピラー層3の第1のn形層と同時
に、ピラー層3aの第2のn形層を形成することができる。すなわち、図4及び図6に示
された工程において、ピラー層3aの第2のn形層を形成するためのリン注入層(第2の
n形不純物層)が、第1のn形ピラー層の第1のn形層を形成するリン注入層33と同時
に、チップ端部にY方向に二段形成される。この後の熱処理で、リンが拡散して、第2の
n形層がY方向に結合したn形ピラー層3aが形成される。
本実施形態のMOSFET200においても、ドリフト層を第1のドリフト層と第2の
ドリフト層の2断構造とし、それぞれのドリフト層の水平方向にnピラー層とpピラー層
を交互に繰り返し配置したスーパージャンクション構造を備えている。第2ドリフト層は
、素子部と終端部のどちらにもスーパージャンクション構造を備えている。これに対して
、第1のドリフト層は、素子部にはスーパージャンクション構造を備えているが、終端部
には、nピラー層とpピラー層が繰り返し配置されたスーパージャンクション構造の代わ
りに、nのエピタキシャル層2が配置される。ドリフト層が上記第1のドリフト層5及
び第2のドリフト層8から構成されることで、第1の実施の形態に係るMOSFET10
0と同様に、本実施形態に係るMOSFET200も、アバランシェに対する耐量が高い
素子部でアバランシェを起こさせるので、MOSFET100の耐量が向上する。
さらに、本実施形態に係るMOSFET200においても、上記第1のドリフト層5の
第1のスーパージャンクションSJ1を、複数のn形拡散層からなるn形ピラー層3と複
数のp形拡散層からなるp形ピラー層4とで形成し、上記第2のドリフト層8の第2及び
第3のスーパージャンクションSJ2、SJ3をトレンチに埋め込まれたp形ピラー層と
これに挟まれたn形ピラー層とで形成している。これにより、本実施の形態に係るMOS
FET200は、第1の実施の形態に係るMOSFET100と同様に、容易な製造工程
で製造されることができる。
さらに、本実施の形態に係るMOSFET200は、第1のエピタキシャル層2のチッ
プ端部に隣接して、n形のピラー層3aが形成されている。MOSFET200がOFF
状態の時に、ドレイン・ソース電極間の電圧が上昇するとともに、空乏層が素子部からチ
ップ端部に向かって広がっていく。n形のピラー層3aは、この空乏層がチップ端部に達
することを防ぐことで、チップ端部でのリーク電流を防止する。このため、本実施形態の
係るMOSFET200は、第1の実施形態に係るMOSFET100に比べて、チップ
端部での破壊が起こりにくく、信頼性が高い。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、各実施形態や変形例で説明した特徴は、それ
ぞれ組み合わせて実施することも可能である。また、大半導体装置として、MOSFET
を例にして説明したが、これに限定されることなく、SBD(Schottky Barrier Diode)
やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの他の大半導体装置のドリフト層
に対して適用することが可能である。例えば、SBDの場合は、図2に示した構造で、素
子部にゲート電極とゲート絶縁膜を設けずに、第2のドリフト層の表面で、ソース電極が
第2のn形ピラー層6とショットキー接合するように形成することでSBDが提供される
。SBDの場合は、図2中のゲート配線層15は、フィールドプレート電極として作用す
ることができる。また、IGBTの場合、図2の構造のn形ドレイン層2とドレイン電
極24との間に、p形コレクタ層を設けることで、IGBTが提供される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したも
のであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その
他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の
省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や
要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる
1 n形ドレイン層
2、2a、2b、2c n形エピタキシャル層
3 第1のn形ピラー層
3a ピラー層
4 第2のp形ピラー層
5 第1のドリフト層
6 第2のn形ピラー層
6a 第3のn形ピラー層
6b n形エピタキシャル層
7 第2のp形ピラー層
7a 第3のp形ピラー層
8 第2のドリフト層
9、9a、9b p形ベース層
10、10a n形ソース層
11、11a、11b pコンタクト層
12 ゲート絶縁膜
13 絶縁膜
14 ゲート電極
15 ゲート配線層
16 チャネルストッパ層
17 チャネルストッパ電極
18 第1の開口部
19 第2の開口部
20〜23 開口部
24 ドレイン電極
25 ソース電極
26 ゲート金属配線層
27 フィールドストッパ電極
31a、31b、35 レジストマスク
33 リン注入層
34 ボロン注入層
100、200 MOSFET
SJ1 第1のスーパージャンクション
SJ2 第2のスーパージャンクション
SJ3 第3のスーパージャンクション

Claims (1)

  1. 素子部と、前記素子部を囲む終端部に設けられた第1導電形の第1半導体領域と、
    前記第1半導体領域に接続された第1電極と、
    前記素子部において、前記第1電極と対向する前記第1半導体領域の表面に複数設けら
    れた第2導電形の第2半導体領域と、
    前記第2半導体領域の表面に選択的に設けられた第1導電形の第3半導体領域と、
    前記第1半導体領域内において前記第2半導体領域に接続され、前記第1電極と水平な
    第1方向に複数設けられた第2導電形の第4半導体領域と、
    前記第4半導体領域に接続され、前記第1半導体領域と前記第4半導体領域との間に位
    置し、前記第1方向に対して垂直な第2方向において複数設けられた第2導電形の第5半
    導体領域と、
    前記第1半導体領域、前記第2半導体領域、及び前記第3半導体領域の上に、ゲート絶
    縁膜を介して設けられたゲート電極と、
    前記第2半導体領域、及び前記第3半導体領域に接続された第2の電極と、
    前記終端部において、前記第1半導体領域の表面から前記第1半導体領域内部に達し、
    前記第2方向について、前記第5半導体領域よりも前記第1の電極と離れている第2導電
    形の第6半導体領域と、
    を有し、前記第2方向において、前記第5半導体領域は第2導電形不純物濃度分布の極
    大値を有し、前記第5半導体領域同士の間において第2導電形不純物濃度分布の極小値を
    有する半導体装置。
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