JP2015162940A - 電力変換器の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力変換器において、モータ由来のリップル成分を簡素な構成で効果的に除去する。【解決手段】三相交流モータ(M1)を含む電気負荷(M1、300)と直流電源(B)との間に電気的に接続された電力変換器(200)を制御する電力変換器の制御装置(130)は、前記電力変換器の出力電圧信号(VHs)が入力され、カットオフ周波数(fc1、fc2)に対応するフィルタ定数(FCfix)が切り替え可能なデジタルフィルタ(132)と、前記フィルタ定数(FCfix)を、(1)前記三相交流モータ(M1)の制御モードがPWMモードである場合に前記電気負荷のキャリア周波数(Fcar)に基づいて設定し、(2)前記制御モードが矩形波モードである場合に前記三相交流モータの電気6次周波数(Fm6)に基づいて設定する設定手段(135、136)とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、電力変換器の制御装置の技術分野に関する。
モータ電流に重畳されるリップルを検出する装置が開示されている(特許文献1参照)。特許文献1に開示されたリップル検出装置によれば、モータ電流のデジタルデータをデジタルフィルタに入力すると共に、このデジタルフィルタのフィルタ係数をリップル検出に最適な値に変化させることによって、リップル検出を良好に行うことができるとされている。
また、デジタルフィルタの定数を切り替える技術において、出力の不安定化を抑えるため積分制御を用いるものも提案されている(特許文献2参照)。デジタルフィルタの定数を切り替える際の出力の不安定化を抑える技術としては、入力やフィルタ内部の数値を全てゼロにするものも提案されている(特許文献3参照)。
特開2009−207236号公報 特開平11−112289号公報 特開平2−252307号公報
例えば三相交流モータ及びインバータを含む電気負荷と直流電源との間に、例えば昇圧コンバータ等の電力変換器を介装する構成が広く知られている。このような構成においては、電力変換器の出力電圧信号が電力変換器の制御にフィードバック的に利用される。
一方、この出力電圧信号には、電気負荷の一部であるモータの駆動に伴うリップルが重畳される。近年、電力変換器における、例えば過飽和リアクトルや平滑コンデンサ等の受動素子の体格は縮小化の傾向にあり、出力電圧信号に対するリップルの影響は相対的に大きくなっている。
ここで、このリップルの影響を緩和する目的から、近年、電力変換器の制御の高速化(即ち、制御周期の短縮化)が模索されている。即ち、制御を高速化する(制御周期を短縮化する)ことにより、リップル成分の振幅を低下させる効果が期待できる。例えば、制御の高速化とは、現状の概ね10倍程度の高速化を意味する。
しかしながら、出願人の研究によれば、受動素子の体格縮小及びそれに伴う電力変換器の制御周期の短縮化によって、新たな問題として、このリップルが電源電流に小さからぬ規模で重畳されることが見出された。電源電流にリップルが重畳されると、例えば電源の劣化が相対的に早まる等、電源の性能に影響が及ぶ可能性がある。従って、制御周期の短縮化を図るためには、電力変換器の出力電圧信号からリップルを除去する必要がある。
ここで、デジタルフィルタによる信号の最適化は、特許文献1に開示されたリップル検出のみならず、このようなリップル除去にも同様に効果がある。
しかしながら、三相モータの駆動に伴うリップルは、周波数帯域の異なる数多のリップル成分からなり、その周波数帯域は多岐にわたる。従って、それら各リップル成分に対してフィルタ定数を逐一割り当てると、デジタルフィルタの構成が複雑となり、電力変換器の制御系の構成が複雑化する。
即ち、従来の技術には、電力変換器の制御系の複雑化を招くことなく電力変換器の制御周期の短縮化を図ることが困難であるという技術的問題点がある。
本発明は係る技術的問題点に鑑みてなされたものであり、簡素な構成で電力変換器の制御周期を短縮化し得る電力変換器の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る電力変換器の制御装置は、三相交流モータを含む電気負荷と直流電源との間に電気的に接続された電力変換器を制御する電力変換器の制御装置であって、前記電力変換器の出力電圧信号が入力され、カットオフ周波数に対応するフィルタ定数が切り替え可能なデジタルフィルタと、前記フィルタ定数を、(1)前記三相交流モータの制御モードがPWMモードである場合に前記電気負荷のキャリア周波数に基づいて設定し、(2)前記制御モードが矩形波モードである場合に前記三相交流モータの電気6次周波数に基づいて設定する設定手段とを備えることを特徴とする(請求項1)。
本発明に係る電力変換器の制御装置は、例えば、昇圧コンバータ等の電力変換器を制御する装置であって、デジタルフィルタと、例えばコントローラやコンピュータ装置等の設定手段とを含んで構成される。電力変換器は、例えば三相交流モータ及びモータ駆動用インバータ等から構成される電気負荷と、二次電池等の直流電源との間に電気的に介装される。尚、本発明に係る「三相交流モータ」とは、モータ及びモータジェネレータを含む概念である。
出願人の研究によれば、三相交流モータの駆動に伴って電力変換器の制御用の電圧信号に重畳されるリップルは、その複数のリップル成分のうちの支配的なリップル成分が、三相交流モータの制御モードに依存して変化する。
より具体的には、三相交流モータがPWM(Pulse Width Modulation)モードで駆動される場合、電気負荷のキャリア周波数に対応するリップル成分が支配的となる。また、三相交流モータが矩形波モードで駆動される場合、三相交流モータの電気6次周波数に対応するリップル成分が支配的となる。
本発明に係る電力変換器の制御装置は、このような出願人の知見に基づき、デジタルフィルタのカットオフ周波数を規定するフィルタ定数が、三相交流モータの制御モードに基づいて設定される構成となっている。即ち、設定手段は、三相交流モータの制御モードがPWMモードである場合に、フィルタ定数を電気負荷のキャリア周波数に基づいて設定する。また、設定手段は、三相交流モータの制御モードが矩形波モードである場合に、フィルタ定数を三相交流モータの電気6次周波数に基づいて設定する。尚、「電気6次周波数」とは、三相交流モータの電気角一周期に相当する基本波の6次高調波の周波数を意味する。
本発明に係る電力変換器の制御装置によれば、デジタルフィルタのフィルタ定数が、三相交流モータの制御モードに応じて選択的に設定される。従って、デジタルフィルタを、リップル成分の各々に応じた複数のフィルタからなる多段フィルタとして構成する必要が生じない。また、フィルタ定数は、リップルにおいてその都度最も支配的なリップル成分に対応して設定されるため、デジタルフィルタに入力される電力変換器の出力電圧信号(所謂VH信号)から、リップルを効果的に除去することができる。即ち、簡素な構成でリップル成分を効果的に除去し、もって電力変換器の制御周期を短縮化することができるのである。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
本発明の一実施形態に係るモータ駆動システムのシステム図である。 図1のモータ駆動システムにおける制御装置のブロック図である。 図2の制御装置において定数選定部により実行される定数選定処理のフローチャートである。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<1.実施形態の構成>
始めに、図1を参照し、本発明の一実施形態に係るモータ駆動システム10の構成について説明する。ここに、図1は、モータ駆動システム10の構成を概念的に表すシステム構成図である。
図1において、モータ駆動システム10は、制御装置100、昇圧コンバータ200、インバータ300、平滑コンデンサC、直流電源B及び三相交流モータM1を備える。モータ駆動システム10は、図示せぬ車両に搭載される。
制御装置100は、モータ駆動システム10の動作を制御可能に構成された電子制御装置である。制御装置100は、後述するHVECU110、MGECU120及び昇圧制御装置130を備える。制御装置100の詳細な構成について後述する。
昇圧コンバータ200は、リアクトルL1と、スイッチング素子Q1及びQ2と、ダイオードD1及びD2とを備えた、本発明に係る「電力変換器」の一例である。
リアクトルL1の一方端は、直流電源Bの正極に接続される正極線(符号省略)に接続され、他方端は、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との中間点、即ち、スイッチング素子Q1のエミッタ端子と、スイッチング素子Q2のコレクタ端子との接続点に接続される。
スイッチング素子Q1及びQ2は、上記正極線と直流電源Bの負極に接続される負極線(符号省略)との間に直列に接続されており、また、スイッチング素子Q1のコレクタ端子は上記正極線に、スイッチング素子Q2のエミッタ端子は上記負極線に接続されている。ダイオードD1及びD2は、夫々のスイッチング素子において、エミッタ側からコレクタ側への電流のみを許容する整流素子である。
スイッチング素子Q1及びQ2並びに後述するインバータ300の各スイッチング素子(Q3乃至Q8)は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)や電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ等として構成される。
平滑コンデンサCは、上記正極線と負極線との間に接続された電圧平滑用のコンデンサである。この平滑コンデンサCの端子間電圧、即ち、正極線と負極線との間の電圧は、昇圧コンバータ200の出力電圧(一義的に、インバータ300の入力電圧)である。
インバータ300は、p側スイッチング素子Q3及びn側スイッチング素子Q4を含むU相アーム(符号省略)、p側スイッチング素子Q5及びn側スイッチング素子Q6を含むV相アーム(符号省略)及びp側スイッチング素子Q7及びn側スイッチング素子Q8を含むW相アーム(符号省略)を備えた電力制御機器であり、三相交流モータM1と共に、本発明に係る「電気負荷」の一例を構成する。インバータ300の各アームは、上記正極線と上記負極線との間に並列に接続されている。
尚、スイッチング素子Q3乃至Q8には、スイッチング素子Q1及びQ2と同様、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流す整流用ダイオードD3乃至D8が夫々接続されている。また、インバータ300における各相アームのp側スイッチング素子とn側スイッチング素子との中間点は、夫々三相交流モータM1の各相コイルに接続されている。
直流電源Bは、例えば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の各種二次電池セルが複数個直列に接続された、充電可能な二次電池装置である。尚、直流電源Bとしては、この種の二次電池に替えて又は加えて、電気二重相キャパシタや大容量のコンデンサ、フライホイール等が用いられてもよい。
三相交流モータM1は、ロータに永久磁石が埋設されてなる三相交流電動発電機である。三相交流モータM1は、図示せぬ車両の駆動輪に機械的に連結され、車両を駆動するためのトルクを発生可能に構成される。また、三相交流モータM1は、例えば車両の制動時等において、車両の運動エネルギの入力を受けて電力回生(発電)を行うこともできる。この車両が所謂ハイブリッド車両である場合、この三相交流モータM1は、図示されないエンジンに機械的に連結され、エンジンの動力により電力回生を行うことも、エンジンの動力をアシストすることも可能である。尚、車両は、三相交流モータM1を含む回転電機のみを動力源として備えた所謂電気自動車であってもよい。
モータ駆動システム10には、不図示のセンサ群が付設されている。このセンサ群により、例えば、直流電源Bの電源電圧値Vb、昇圧コンバータ200におけるリアクトルL1の負荷電流値IL、昇圧コンバータ200の出力電圧値VHs、インバータ300におけるv相電流値Iv及びw相電流値Iw、三相交流モータM1のモータ回転角θ及び車両状態値Sys等が適宜検出される構成となっている。尚、車両状態値Sysは、車両の状態を示す複数の状態値の包括概念である。車両状態値Sysには、例えば、アクセル開度値や車速値等が含まれる。また、車両にエンジンが備わる場合には、エンジンの各種状態値も含まれる。これらセンサ群を構成するセンサの各々は、制御装置100と電気的に接続されており、上記の各種センサ出力値は、制御装置100により適宜参照される構成となっている。
次に、図2を参照し、制御装置100の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、制御装置100のブロック図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、制御装置100は、HVECU110、MGECU120及び昇圧制御装置130を備える。
HVECU110は、車両全体の動作を統括的に制御する電子制御装置である。HVECU100は、例えば、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)等から構成されたコンピュータシステムである。尚、HVECU110は、センサ出力値や制御値等を一時的に格納する揮発性メモリや、制御マップが格納される不揮発性メモリ等を適宜備える。
MGECU120は、インバータ300の駆動制御(即ち、各スイッチング素子のスイッチング状態の制御)を介して三相交流モータM1の動作を制御する電子制御装置である。MGECU120は、HVECU110と電気的に接続されており、HVECU110によりその動作が制御される構成となっている。
昇圧制御装置130は、昇圧コンバータ200の動作を制御する、本発明に係る「電力変換器の制御装置」の一例である。昇圧制御装置130は、A/Dコンバータ131、デジタルフィルタ132、電圧制御部133、電流制御部134、ゲート生成部135、定数選定部136及び定数算出部137を含んで構成される。これら昇圧制御装置130の各部の詳細については、下記実施形態の動作の項で説明する。
<2.実施形態の動作>
次に、実施形態の動作について説明する。
<2−1.三相交流モータM1の制御モード>
モータ駆動システム10では、三相交流モータM1の制御モードとして、公知のPWM制御に対応するPWM制御モードと、公知の矩形波制御に対応する矩形波制御モードとが用いられる。これらは、MGECU120の制御下で運用される。
PWM制御は、電流フィードバック制御であり、電圧指令値とキャリア(搬送波)との比較により、U相、V相及びW相の各相についてPWM信号を三相交流モータM1に供給する制御である。
具体的には、PWM制御では、HVECU110が車両状態値Sysに基づいて決定する三相交流モータM1のトルク指令値TRに基づいて二相電流指令値(Idtg、Iqtg)が生成される。その一方で、センサからフィードバック情報として供給されるv相電流値Ivとw相電流値Iwから、三相電流値がd軸電流値Id及びq軸電流値Iqからなる二相電流値に変換される。そして、上記二相電流指令値(Idtg、Iqtg)と、この二相電流値Id及びIqとの差分に基づいて、d軸電圧値Vd及びq軸電圧値からなる二相電圧指令値が生成される。生成された二相電圧指令値Vd及びVqは、三相電圧指令値Vu、Vv及びVwに変換される。
尚、トルク指令値TRの決定方法については、公知の各種態様を適用できる。例えば、トルク指令値TRは、車両が動力源としてエンジンを有さぬ電気自動車である場合には、例えば、車速及びアクセル開度に基づいて決定される車両要求出力に応じて決定されてもよい。また、車両が動力源としてエンジンを有するハイブリッド車両である場合には、例えば、これらに更にエンジンの熱効率や直流電源BのSOC等に基づく両者の動力出力比率等が考慮された上で、トルク指令値TRが決定されてもよい。
三相電圧指令値が得られると、この変換された三相電圧指令値Vu,Vv及びVwと、キャリア周波数Fcar(例えば、数十〜数百kHz程度の範囲で可変)で変化するキャリア信号値CARとの大小関係が比較される。そして、この比較結果に応じて論理状態が変化する、U相スイッチング信号Gup及びGun、V相スイッチング信号Gvp及びGvn並びにW相スイッチング信号Gwp及びGwnが生成され、インバータ300に供給される。
キャリア信号値CARと各相電圧指令値との比較において、各相電圧指令値がキャリア信号値CARよりも小さい値からキャリア信号値CARに一致すると、p側スイッチング素子をターンオンさせるためのスイッチング信号が生成される。また、各相電圧指令値がキャリア信号値CARよりも大きい値からキャリア信号値CARに一致すると、n側スイッチング素子をターンオンさせるためのスイッチング信号が生成される。即ち、スイッチング信号は、オンオフが表裏一体の信号であり、各相のスイッチング素子は、p側とn側とのうち常にいずれか一方がオン状態であり、他方がオフ状態となる。インバータ300が各相スイッチング信号により規定される各スイッチング素子の駆動状態に変化する又は維持されると、その変化した又は維持された駆動状態に対応する回路状態に従って、三相交流モータM1が駆動される。PWM制御は、例えばこのように実行される。
矩形波制御は、三相交流モータM1のモータ電気角に応じて1パルススイッチング信号を三相交流モータM1に供給する制御である。矩形波制御では、電圧振幅値は最大値に固定され、位相の制御によってトルクがフィードバックされる。
PWM制御モードと矩形波制御モードとの間の制御モードの切り替えは、例えば、三相交流モータM1の回転速度を表すモータ回転速度値MRN及び三相交流モータM1のトルク指令値TRに応じて行われる。この場合、MGECU120は、例えば、入力されるモータ回転角θを時間処理して得られるモータ回転速度値MRN及びHVECU110から供給されるトルク指令値TRと、三相交流モータM1の制御モードとを相互に対応付けてなる制御マップから、その時点のモータ回転速度値MRN及びトルク指令値TRに対応する一の制御モードを選択する。
尚、MGECU120は、選択されている制御モードがPWM制御モードと矩形波制御モードとのうちいずれであるかを示す制御モード情報値mcmodを昇圧制御装置130に供給する。また、MGECU120は、モータ回転速度値MRNと、キャリア周波数Fcarの値を示すキャリア周波数値fcarを昇圧制御装置130に供給する。
<2−2.昇圧コンバータ200の制御の概要>
昇圧コンバータ200は、昇圧制御装置130によりその動作状態が制御される。具体的には、昇圧コンバータ200は、昇圧制御装置130から供給される信号PWCに基づいて、正極線と負極線との間の電圧、即ち、平滑コンデンサCの端子間電圧である出力電圧VHを、直流電源Bの出力電圧以上に昇圧することができる。
この際、出力電圧VHが目標電圧よりも低ければ、スイッチング素子Q2のオンデューティが相対的に大きくされ、正極線を直流電源B側からインバータ300側へ流れる電流を増加させることができ、出力電圧VHを上昇させることができる。一方、出力電圧VHが目標電圧よりも高ければ、スイッチング素子Q1のオンデューティが相対的に大きくされ、正極線をインバータ300側から直流電源B側へ流れる電流を増加させることができ、出力電圧VHを低下させることができる。
<2−3.昇圧制御装置130の詳細>
次に、図2を参照し、昇圧制御装置130の構成及び動作について説明する。
図2において、A/Dコンバータ131は、アナログ信号をデジタル信号に変換する変換器である。A/Dコンバータ131には、上記センサから供給される昇圧コンバータ200の出力電圧値VHsが入力される。この出力電圧値VHsは、A/Dコンバータ131によりサンプリング処理が施され、離散的なサンプリング値(デジタルデータ値)である出力電圧サンプリング値VHssmpに変換される。出力電圧サンプリング値VHssmpは、デジタルフィルタ132に入力される。
デジタルフィルタ132は、後述するフィルタ定数FCfixに応じてカットオフ周波数fc1及びfc2(fc2>fc1)が変化する帯域減衰フィルタである。デジタルフィルタ132に入力された出力電圧サンプリング値VHssmpは、デジタルフィルタ132によりフィルタ定数FCfixに応じた帯域減衰処理がなされ、出力電圧フィルタ値VHsftとして出力される。出力電圧フィルタ値VHsftは、電圧制御部133に入力される。
電圧制御部133は、インバータ入力演算部、加減算器、電圧制御演算部、キャリア生成部及びサンプリングホールド回路を含むコントローラである。
インバータ入力演算部は、昇圧コンバータ200の出力電圧VHの目標値を表すVH指令値VHtgを生成する。VH指令値VHtgは、例えば、三相交流モータM1のトルク指令値TR及びモータ回転速度値MRNから算出される三相交流モータM1の出力値に基づいてVH指令値VHtgを生成する。尚、モータ回転速度値MRN及びトルク指令値TRは、HVECU110及びMGECU120から供給されている。
加減算部では、このVH指令値VHtgからデジタルフィルタ132の出力値である出力電圧フィルタ値VHsftが減算され、減算結果が電圧制御演算部へ出力される。
電圧制御演算部は、この減算結果を加減算部から受け取ると、昇圧コンバータ200の出力電圧VHをVH指令値VHtgに一致させるための電流指令値IRを演算する。
一方、サンプリングホールド回路では、キャリア生成部により生成されるキャリア信号値の山及び谷のタイミングで負荷電流値ILがサンプリングされる。キャリア信号値の山及び谷のタイミングで負荷電流値ILをサンプリングすることにより、負荷電流値ILの変動がキャンセルされた平均的な負荷電流値ILを特定することができる。
電圧制御演算部では、上記電流指令値IRから、このサンプリングホールドされた負荷電流値ILが減算され、負荷電流制御値IL’が求められる。負荷電流制御値IL’は、電流制御部134に供給される。
電流制御部134は、電圧制御部133から供給される負荷電流制御値IL’に基づき、負荷電流値ILを電流指令値IRに一致させるための制御量としてデューティ指令値dutyを演算する。この際、例えば、比例項(P項)及び積分項(I項)を含む公知のPI制御演算等が用いられる。算出されたデューティ指令値dutyは、ゲート生成部135に供給される。
ゲート生成部135では、このデューティ指令値dutyとキャリア信号との大小関係が比較され、当該大小関係に応じて論理状態が変化するゲート信号SG1及びSG2を含む信号PWCが生成される。
ゲート信号SG1は、昇圧コンバータ200のスイッチング素子Q1をオン又はオフさせる信号であり、ゲート信号SG2は昇圧コンバータ200のスイッチング素子Q2をオン又はオフさせる信号である。両者はスイッチング素子Q1及びQ2の双方が同時にオンとならないように定義付けがなされた信号である。生成された信号PWCは、昇圧コンバータ200に供給され、各ゲート信号により各スイッチング素子のオンデューティが制御される。
定数選定部136は、デジタルフィルタ132のフィルタ定数FCfixを選定し、選定されたフィルタ定数FCfixをデジタルフィルタ132のフィルタ定数として設定する。フィルタ選定部136によるフィルタ定数FCfixの選定は、後述する定数選定処理により実現される。
定数算出部137は、定数選定部136によるフィルタ定数FCfixの選定に必要な選択肢として、第1フィルタ定数FCcと、第2フィルタ定数FC6とを算出する。
第1フィルタ定数FCcは、インバータ300(一義的に三相交流モータM1)を駆動するためのキャリア信号値CARの信号周波数であるキャリア周波数Fcarに基づいたフィルタ定数である。より具体的には、第1フィルタ定数FCcは、デジタルフィルタ132のカットオフ周波数fc1及びfc2と、キャリア周波数Fcarとの間に、fc1<Fcar<fc2なる関係が成立するように、予め実験的に、経験的に又は理論的に策定された方法で設定される。即ち、デジタルフィルタ132のフィルタ定数FCfixに第1フィルタ定数FCcが設定されると、昇圧コンバータ200の出力電圧値VHsから、インバータ300のキャリア周波数Fcarに対応するリップル成分が除去される。尚、キャリア周波数Fcarは、本発明に係る「電気負荷のキャリア周波数」の一例である。
第2フィルタ定数FC6は、三相交流モータM1の電気6次周波数Fm6に基づいたフィルタ定数である。より具体的には、第2フィルタ定数FC6は、デジタルフィルタ132のカットオフ周波数fc1及びfc2と、当該電気6次周波数Fm6との間に、fc1<Fm6<fc2なる関係が成立するように、予め実験的に、経験的に又は理論的に策定された方法で設定される。即ち、デジタルフィルタ132のフィルタ定数FCfixに第2フィルタ定数FC6が設定されると、昇圧コンバータ200の出力電圧値VHsから、三相交流モータM1の電気6次周波数Fm6に対応するリップル成分が除去される。尚、三相交流モータM1の電気6次周波数Fm6は、MGECU120から供給されるモータ回転速度MRNから算出される。
<2−4.定数選定処理の詳細>
次に、図3を参照し、定数選定処理の詳細について説明する。ここに、図3は、定数選定処理のフローチャートである。
図3において、定数選定部136は、MGECU120から三相交流モータM1の制御モードを示す制御モード情報値mcmodを取得する(ステップS110)。制御モード情報値mcmodは、三相交流モータM1がPWM制御モードで駆動されていることを示す「pwm」又は矩形波制御モードで駆動されていることを示す「sqr」のいずれかの値を採る。
制御モード情報値mcmodが取得されると、取得された制御モード情報値mcmodが「pwm」であるか否かが判定される(ステップS120)。制御モード情報値mcmodが「pwm」である場合(ステップS120:YES)、即ち、三相交流モータM1がPWM制御モードで駆動されている場合、定数選定部136は、デジタルフィルタ132のフィルタ定数FCfixとして第1フィルタ定数FCcを選定し、デジタルフィルタ132のフィルタ定数FCfixとして設定する(ステップS130)。
一方、制御モード情報値mcmodが「pwm」でない場合(ステップS120:NO)、即ち、制御モード情報値mcmodが「sqr」である場合(即ち、三相交流モータM1が矩形波制御モードで駆動されている場合)、定数選定部136は、デジタルフィルタ132のフィルタ定数FCfixとして第2フィルタ定数FC6を選定し、デジタルフィルタ132のフィルタ定数FCfixとして設定する(ステップS140)。
ステップS130又はS140が実行されると、定数選定処理は終了し、所定周期の後に処理は再びステップS110に戻される。定数選定処理は以上のように実行される。
<2−5.定数選定処理の効果>
出願人の研究によれば、昇圧コンバータ200の出力電圧値VHsに重畳される三相交流モータM1由来のリップルのうち支配的なリップル成分は、三相交流モータM1の制御モードに依存する。
即ち、三相交流モータM1の制御モードがPWM制御モードである場合、出力電圧値VHsに重畳されるリップルのうち最も支配的な(影響が大きい)成分は、キャリア周波数Fcarに対応するリップル成分である。また、三相交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードである場合、出力電圧値VHsに重畳されるリップルのうち最も支配的な(影響が大きい)成分は、三相交流モータM1の電気6次周波数Fm6に対応するリップル成分である。
モータ駆動システム10においては、この研究成果に基づき、三相交流モータM1がPWM制御モードで駆動されている場合にデジタルフィルタ132のフィルタ定数FCfixがキャリア周波数Fcarに基づく第1フィルタ定数FCcに設定される。また、三相交流モータM1が矩形波制御モードで駆動されている場合にデジタルフィルタ132のフィルタ定数FCfixが三相交流モータM1の電気6次周波数Fm6に基づく第2フィルタ定数FC6に設定される。
従って、デジタルフィルタ132により、出力電圧値VHsに重畳されるリップルを効果的に除去することができ、昇圧コンバータ200のリアクトルL1及び平滑コンデンサCの体格縮小に伴って昇圧コンバータ200の制御周期を短縮化した場合に発生する、負荷電流IL(即ち、直流電源Bの出力電流)へのリップルの重畳を防止することができる。
一方、デジタルフィルタ132は、三相交流モータM1の制御モードに応じて設定されるフィルタ定数FCfixのみで動作する単一の(或いは、適宜LPF等の他のフィルタを含む数個の)フィルタであり、簡素な構成を有している。例えば、上述した、出願人の研究成果に基づかない技術思想の下では、制御周期の短縮化が招く負荷電流ILへの数多のリップル成分の重畳に対して、各リップル成分に逐一対応するフィルタ定数を有する複数のフィルタを用意するより他、有効な対策がない。即ち、デジタルフィルタ132の多段化及び複雑化が避けられない。
モータ駆動システム10では、昇圧制御装置130の機能により、このような多段化及び複雑化を回避することができるため、簡素な構成の下で負荷電流ILへのリップルの重畳を防止し、もって昇圧コンバータ200の制御周期の短縮化を実現することができるのである。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電力変換器の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10…モータ駆動システム、100…制御装置、110…HVECU、120…MGECU、130…昇圧制御装置、200…昇圧コンバータ、300…インバータ、C…平滑コンデンサ、B…直流電源、M1…三相交流モータ。

Claims (1)

  1. 三相交流モータを含む電気負荷と直流電源との間に電気的に接続された電力変換器を制御する電力変換器の制御装置であって、
    前記電力変換器の出力電圧信号が入力され、カットオフ周波数に対応するフィルタ定数が切り替え可能なデジタルフィルタと、
    前記フィルタ定数を、(1)前記三相交流モータの制御モードがPWMモードである場合に前記電気負荷のキャリア周波数に基づいて設定し、(2)前記制御モードが矩形波モードである場合に前記三相交流モータの電気6次周波数に基づいて設定する設定手段と
    を備えることを特徴とする電力変換器の制御装置。
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