以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。ただし、以下の説明において特に断らない限り、方向や向きに関する記述は、当該説明の便宜上、図面に対応するものであり、例えば実施品、製品または権利範囲等を限定するものではない。
また、電気機器の動作状態をある状態から他の状態に遷移させる動作を「遷移動作」と称する。例えば、電気機器である照明装置は、点灯コマンドを実行することにより、消灯状態から点灯状態に遷移するための遷移動作を実行する。あるいは、照明装置は、消灯コマンドを実行することにより、点灯状態から消灯状態に遷移するための遷移動作を実行する。
また、以下の説明では、遷移動作が行われている期間を「遷移時間」と称するとともに、遷移時間内に電気機器において生じる電力の需要の移り変わりを「電力需要推移」と称する。一般に、電気機器が、なんらかの遷移動作を開始してから、当該遷移動作を完了するまでの期間(すなわち遷移時間内)においては、電気回路などの電力を消費する各構成の駆動状態等が変化する。このような変化により、電気機器では、上記の期間において、通常、電力の需要は一定せず、電力需要推移は変化する。
<1. 第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態における電気機器制御システム1を示す図である。電気機器制御システム1は、複数の電気機器10ないし19、電力測定ユニット2、制御盤3および携帯電話4を備えている。
ネットワーク90は、例えば、インターネットや電話回線などが想定される。また、商用電力線ネットワーク91は、商用電力線を通信ケーブルとするネットワークであり、いわゆるPLC通信網である。
複数の電気機器10ないし16は、いずれも、商用電力線ネットワーク91からの電力供給を受けることが可能な状態で接続されており、当該商用電力線ネットワーク91からの電力供給を受けるように構成されている。また、複数の電気機器10ないし16は、いずれも、データ通信が可能な状態で商用電力線ネットワーク91に接続されている。このように、電気機器制御システム1は、電力を供給するために敷設された商用電力線ネットワーク91を、通信ケーブルとして兼用することができる。
第1の実施の形態では、電気機器10ないし14は、いずれもLED照明機器として構成されている。図1に示すように、電気機器10は玄関に設置されており、電気機器11は廊下に設置されており、電気機器12は洗面所に設置されている。また、電気機器13は台所に設置されており、電気機器14は居間に設置されている。
また、電気機器15および電気機器16は、LED照明機器以外の電気機器である。図1に示す例では、電気機器15,16は、エアコンなどの空調機器である。そして、電気機器15は台所に設置されており、電気機器16は居間に設置されている。
なお、電気機器制御システム1が備える電気機器10ないし16の数は、図1に示す数に限定されるものではない。また、電気機器10ないし16の設置場所などについても、図1はあくまでも例示であって、これに限定されるものではない。
図2は、LED照明機器としての電気機器10の構成を示すブロック図である。なお、電気機器11ないし14は、電気機器10と同様の構成により実現可能である。したがって、ここでは電気機器11ないし14の構成についての詳細な説明は省略する。
電気機器10は、CPU100、記憶装置101、受信部102、LED部103および調光回路104を備えている。
CPU100は、記憶装置101に格納されているプログラム109を読み取りつつ実行し、各種データの演算や制御信号の生成等を行う。これにより、CPU100は、電気機器10が備える各構成を制御するとともに、各種データを演算し作成する機能を有している。すなわち、電気機器10は、一般的なコンピュータとして構成されている。
記憶装置101は、電気機器10において各種データを記憶する機能を提供する。言い換えれば、記憶装置101が電気機器10において電子的に固定された情報を保存する。
記憶装置101としては、CPU100の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAMやバッファ、読み取り専用のROM、不揮発性のメモリ(例えばNANDメモリなど)等が該当する。図2においては、記憶装置101を、あたかも1つの構造物であるかのように図示している。しかし、通常、記憶装置101は、上記例示した各種装置(あるいは媒体)のうち、必要に応じて採用される複数種類の装置から構成されるものである。すなわち、記憶装置101は、データを記憶する機能を有する装置群の総称である。
また、現実のCPU100は高速にアクセス可能なRAMを内部に備えた電子回路である。しかし、このようなCPU100が備える記憶装置も、説明の都合上、記憶装置101に含めて説明する。すなわち、第1の実施の形態においては、一時的にCPU100自体が記憶するデータも、記憶装置101が記憶するとして説明する。図2に示すように、第1の実施の形態における記憶装置101は、プログラム109および制御情報8等を記憶するために使用される。
詳細は後述するが、制御情報8は、電力測定ユニット2において生成され、電気機器10に向けて送信された情報である。電気機器10は、電力測定ユニット2から送信された制御情報8を、商用電力線ネットワーク91を介して受信部102により受信し、記憶装置101に格納する。そして、CPU100は、制御情報8を解析することにより、制御情報8によって指定されるコマンドを特定して、当該コマンドを実行する。
このように、電力測定ユニット2が制御情報8を電気機器10ないし16に向けて送信することにより、電気機器制御システム1は、電力測定ユニット2によって電気機器10ないし16を制御する。
受信部102は、商用電力線ネットワーク91に接続されており、電気機器10において、PLC通信によるデータの受信機能を提供する。第1の実施の形態における受信部102は、商用電力線ネットワーク91を介して、電力測定ユニット2から送信された制御情報8や報知情報84などを受信する。
LED部103は、調光回路104からの制御により、商用電力線(商用電力線ネットワーク91)からの電力供給を受けて、点灯あるいは消灯する。すなわち、LED部103は、制御情報8により指示された遷移動作を実行する実行手段に相当する。
電気機器10において、LED部103以外の構成も当然電力を消費する。しかし、これらの電力消費はLED部103における消費電力に比べれば少量であり、電力需要推移としては無視することができる。すなわち、電気機器10における電力需要推移は、遷移時間内におけるLED部103の点灯状態によって生じるものとみなせる。
調光回路104は、CPU100からの制御信号に応じて、LED部103に供給される電力(電流)を制御して、LED部103の明るさを調節する機能を有する。昨今の一般的なLED照明機器では、このような明るさ調節機能を有しており、電気機器10もLED部103の明るさを段階的に変更することができるように設計されている。
また、すでに説明したように、電気機器10における電力需要推移は、遷移時間内におけるLED部103の点灯状態によって生じるものとみなせる。そして、LED部103の点灯状態を決定する機能は調光回路104が有している。したがって、調光回路104は、LED照明機器としての電気機器10において、設定された電力需要推移をLED部103に生じさせる機能を有している。
このように、電気機器制御システム1は、LED照明機器が、通常、備えている調光回路104を利用して、任意の(所望の)電力需要推移を生じさせることが可能である。したがって、所望の電力需要推移を生じさせるための専用の回路が不要となる。言い換えれば、市場に流通している一般的な電気機器を電気機器10として採用可能である。したがって、電気機器10のコストを抑制することができる。
なお、図2に示すように、電気機器10は、データを送信する機能を提供する構成を備えていない。すなわち、電気機器10は、他の装置に対してデータを送信する機能は有していない。したがって、LED部103は、受信部102による制御情報8の受信に対するACK情報を送信することなく、制御情報8により指示された遷移動作を実行する。電気機器10がデータ送信機能を有していなくてもよい理由については後述する。
図3は、空調機器としての電気機器15の構成を示すブロック図である。なお、電気機器16は、電気機器15と同様の構成により実現可能である。したがって、ここでは電気機器16の構成についての詳細な説明は省略する。
電気機器15は、CPU150、記憶装置151、受信部152、空調用電気回路群153および付加回路154を備えている。
CPU150は、記憶装置151に格納されているプログラム159を読み取りつつ実行し、各種データの演算や制御信号の生成等を行う。これにより、CPU150は、電気機器15が備える各構成を制御するとともに、各種データを演算し作成する機能を有している。すなわち、電気機器15は、一般的なコンピュータとして構成されている。
記憶装置151は、電気機器15において各種データを記憶する機能を提供する。言い換えれば、記憶装置151が電気機器15において電子的に固定された情報を保存する。
記憶装置151としては、CPU150の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAMやバッファ、読み取り専用のROM、不揮発性のメモリ(例えばNANDメモリなど)等が該当する。図3においては、記憶装置151を、あたかも1つの構造物であるかのように図示している。しかし、通常、記憶装置151は、上記例示した各種装置(あるいは媒体)のうち、必要に応じて採用される複数種類の装置から構成されるものである。すなわち、記憶装置151は、データを記憶する機能を有する装置群の総称である。
また、現実のCPU150は高速にアクセス可能なRAMを内部に備えた電子回路である。しかし、このようなCPU150が備える記憶装置も、説明の都合上、記憶装置151に含めて説明する。すなわち、第1の実施の形態においては、一時的にCPU150自体が記憶するデータも、記憶装置151が記憶するとして説明する。図3に示すように、第1の実施の形態における記憶装置151は、プログラム159および制御情報8等を記憶するために使用される。
受信部152は、商用電力線ネットワーク91に接続されており、電気機器15において、PLC通信によるデータの受信機能を提供する。特に、受信部152は、商用電力線により電力測定ユニット2からの制御情報8を受信する。
空調用電気回路群153は、電気機器15において空調機能を実現するために必要となる様々な電気回路の総称である。空調用電気回路群153は、商用電力線ネットワーク91に接続されており、商用電力線ネットワーク91から供給された電力を消費することにより、電気機器15における空調機能を実現する。すなわち、空調用電気回路群153は、制御情報8により指示された遷移動作を実行する実行手段に相当する。空調用電気回路群153は、例えば、駆動モータやインバータ回路などであるが、空調用電気回路群153としては従来の技術を適宜採用することが可能であるため、詳細な説明は省略する。
付加回路154は、CPU150からの制御信号に応じて、空調機能とは無関係の動作を行うことにより電力を消費する電気回路である。すなわち、電気機器15は、電気機器15における電力需要推移を生じさせる専用の電気回路として付加回路154を備えている。
電気機器によっては、当該電気機器の機能を実現するために設けられている回路(例えば、電気機器15における空調用電気回路群153など)において、任意の電力需要遷移を生じさせるような遷移動作させることができない装置も想定される。例えば、任意の電力需要推移を生じさせようとすると、電気機器の故障や不具合の原因となり得る場合などである。しかし、電気機器15のように、付加回路154によって任意の電力消費を生じるように構成すれば、故障や不具合を回避しつつ、任意の電力需要推移を設定することができる。
第1の実施の形態における電気機器15が備える付加回路154は、電力を蓄電する蓄電池を含む回路として構成されている。したがって、付加回路154は、遷移動作において消費する電力の一部を当該蓄電池に蓄電することが可能である。
電気機器15にとって、付加回路154による動作は、空調機能になんら寄与しない動作である。したがって、当該動作は、空調機能からみれば無駄な電力消費を生じる動作である。しかし、電気機器15は、付加回路154において消費する電力を蓄電池に蓄電することにより、例えば、遷移時間以外の時間において、当該蓄電池に蓄電された電力を利用することができる。したがって、電気機器15は、任意の電力需要推移が設定されることにより無駄になる電力消費を抑制することができる。
なお、付加回路154としては、蓄電池を含む回路に限定されるものではなく、例えば、可変抵抗器やランプなどを備えた回路であってもよい。付加回路154としては、ある程度の電力を消費する回路(観測可能な電力需要推移を生じる回路)であって、かつ、消費する電力を遷移時間中において任意に変更したとしても故障等の問題が生じることの少ない回路であることが好ましい。
電源ボタン155は、ユーザによって操作される機械式のボタンである。ユーザが電源ボタン155をONの状態に操作すると、CPU150は空調用電気回路群153を起動させる。一方、ユーザが電源ボタン155をOFFの状態に操作すると、CPU150は空調用電気回路群153を停止させる。すなわち、電源ボタン155は、稼働状態(起動状態)と非稼働状態(停止状態)との間で当該電気機器15の動作状態を切り替える機能を有している。
このように、電気機器15は、ユーザによって操作される電源ボタン155を備えることにより、制御情報8を受信したときに限らず、ユーザによって電源ボタン155が操作されたときにも、遷移動作が実行され、電力需要(消費電力)の変化が生じる。また、温度調節など、電気機器15の自立的な遷移動作が実行される場合にも、電気機器15において電力需要の変化が生じる。
なお、電気機器15においては、電気機器10と同様に、商用電力線ネットワーク91を用いて、データを送信する機能を提供する構成は設けられていない。すなわち、電気機器15は、データを他の装置に対して送信する機能は有していない。したがって、空調用電気回路群153は、受信部152による制御情報8の受信に対するACK情報を送信することなく、制御情報8により指示された遷移動作を実行する。電気機器15がデータ送信機能を備えていなくてもよい理由については後述する。
図1には、商用電力線ネットワーク91に接続される電気機器17ないし19が図示されている。電気機器17ないし19は、電力測定ユニット2による制御対象ではなく、電力測定ユニット2以外によって制御される外部制御電気機器である。住居や職場に敷設される商用電力線ネットワーク91には、電力供給を受けるために、多様な電気機器が接続されるのが普通である。したがって、電力測定ユニット2の制御対象とならない電気機器17ないし19のような外部制御電気機器も、当然、当該商用電力線ネットワーク91に接続されることが想定される。
図1に示す例においては、電気機器17は洗面所に設置された洗濯機である。また、電気機器18は台所に設置された冷蔵庫である。さらに、電気機器19は居間に設置されたテレビ受像器である。
電気機器17ないし19は、主に、ユーザによって直接制御される電気機器である。すなわち、電気機器17ないし19は、商用電力線ネットワーク91から電力の供給を受けることは可能であるが、商用電力線ネットワーク91を介してデータ通信を行うことはできない(データ通信が可能な状態では接続されていない。)。
なお、商用電力線ネットワーク91に接続される外部制御電気機器としての電気機器17ないし19の数はここに示す数に限定されるものではない。また、電気機器17ないし19の種類や設置場所などについても、図1はあくまでも例示であって、これに限定されるものではない。
図1に示す電力測定ユニット2は、電気機器10ないし16を制御する機能を有する制御装置である。なお、すでに説明したように、電気機器17ないし19は、外部制御電気機器であって、電気機器制御システム1による制御の対象外であり、電力測定ユニット2による制御は行われない。
図4は、第1の実施の形態における電力測定ユニット2を示すブロック図である。電力測定ユニット2は、CPU20、記憶装置21、操作部22、表示部23、送信部24、受信部25、電力測定センサ26およびタイマ27を備えている。
CPU20は、記憶装置21に格納されているプログラム210を読み取りつつ実行し、各種データの演算や制御信号の生成等を行う。これにより、CPU20は、電力測定ユニット2が備える各構成を制御するとともに、各種データを演算し作成する機能を有している。すなわち、電力測定ユニット2は、一般的なコンピュータとして構成されている。
記憶装置21は、電力測定ユニット2において各種データを記憶する機能を提供する。言い換えれば、記憶装置21が電力測定ユニット2において電子的に固定された情報を保存する。
記憶装置21としては、CPU20の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAMやバッファ、読み取り専用のROM、不揮発性のメモリ(例えばNANDメモリなど)等が該当する。また、図4においては、記憶装置21を、あたかも1つの構造物であるかのように図示している。しかし、通常、記憶装置21は、上記例示した各種装置(あるいは媒体)のうち、必要に応じて採用される複数種類の装置から構成されるものである。すなわち、記憶装置21は、データを記憶する機能を有する装置群の総称である。
また、現実のCPU20は高速にアクセス可能なRAMを内部に備えた電子回路である。しかし、このようなCPU20が備える記憶装置も、説明の都合上、記憶装置21に含めて説明する。すなわち、第1の実施の形態においては、一時的にCPU20自体が記憶するデータも、記憶装置21が記憶するとして説明する。図4に示すように、第1の実施の形態における記憶装置21は、プログラム210、制御情報8、設定情報80および観測情報82等を記憶するために使用される。
設定情報80は、予め設計者やオペレータ、設置作業者等によって作成され、記憶装置21に格納される情報である。ただし、ユーザによって入力された情報が含まれていてもよい。また、設定情報80は、携帯電話4を操作することにより、ネットワーク90に接続された図示しないサーバ装置から、携帯電話4にダウンロードされ、さらに制御盤3を介して電力測定ユニット2に転送される情報を含んでいてもよい。
ここで設定情報80に含まれる具体的な情報について説明する。
すでに定義したように、「遷移動作」とは、電気機器の動作状態をある状態から他の状態に遷移させる動作である。そして、遷移動作に注目すると、電気機器において実行される遷移動作において、当該電気機器が備える電気回路などの駆動状態等を、どれくらいの時間をかけて、どのように変化させて実現するかは、設計者等が予め決定することが可能な設計事項である。すなわち、このような設計事項によって、電気機器の各遷移動作における「遷移時間」および「電力需要推移」がそれぞれ決定されることになる。
何らかの指示を実行するときの遷移動作は、当該指示を実行するために電気機器が必ず実行しなければならない遷移動作(以下、「必須遷移動作」と称する。)を含んでさえいれば、それ以外の増長な動作を含むこともある程度は許容される。以下の説明では、指示を実行するために電気機器が必ず実行しなければならない遷移動作ではないが、当該指示があったときに当該電気機器が「必須遷移動作」とは別に実行する遷移動作を「付加遷移動作」と称する。
必須遷移動作は、指示により要求される必須の動作であるため、任意性は低く、比較的固定的な動作である。したがって、必須遷移動作のみの遷移動作により定まる遷移時間および電力需要推移は、固定的であり、状況に応じて任意に設定することが困難である。これに対して、付加遷移動作は、自由度が高く、汎用性の高い動作である。したがって、制御情報8により指示され実行される遷移動作に付加遷移動作を含めることにより、当該付加遷移動作を含む遷移動作により定まる遷移時間および電力需要推移を任意に設定することが可能となる。
したがって、電気機器10ないし16について所望する電力需要推移を定義するためには、まず、所望する電力需要推移を生じさせる遷移動作を必須遷移動作を含むように決定し、必須遷移動作を実行する必須コマンドと付加遷移動作を実行する付加コマンドとを決定する。そしてさらに、遷移動作が実行されるように、当該必須コマンドと当該付加コマンドとの実行順序や実行タイミングに係る情報(以下、「実行スケジュール情報」と称する。)を決定すればよい。
すなわち、実行スケジュール情報を適切に設計すれば、所望の電力需要推移を設定することができる。ただし、遷移動作は、必須遷移動作を含まなければならないため、設定される電力需要推移には必須遷移動作による消費電力の変化が表現される。したがって、厳密には、電力需要推移を完全に任意に設定することができるわけではない。
また、実行スケジュール情報によって電力需要推移が設定されれば、通常は、遷移時間(電力需要に変化が生じている時間)も設定されることになる。
なお、付加遷移動作を実行することにより、結果として、必須遷移動作も実行される場合には、実行スケジュール情報に必須コマンドが設定されない場合もあり得る。例えば、明るさ「0」の状態のLED部103を明るさ「255」の状態に点灯させるという動作が要求された場合に、付加遷移動作として明るさ「0」の状態から明るさ「255」の状態まで明るさ「1」刻みで変化させていくという動作を設定すれば、当該付加遷移動作により、最終的にはLED部103の明るさが「255」に到達するため、必須コマンドを改めて実行する必要はない。また、付加遷移動作が必要ない状況の場合には、付加コマンドが設定されない場合もあり得る。また、必須遷移動作または付加遷移動作を実現するためのコマンドは1つに限定されるものではない。例えば、複数のコマンドにより付加遷移動作が実現される場合には、実行スケジュール情報において、付加コマンドが複数設定される。
詳細は後述するが、電力測定ユニット2は、商用電力線ネットワーク91における消費電力を記録した観測情報82を解析することにより、設定された電力需要遷移が検出されるか否かを判定する。そして、当該解析は、観測情報82が記録された全時間にわたって実行されるのではなく、電力需要推移が検出される蓋然性の高い期間に限定して行われることが好ましい。以下の説明では、観測情報82のうちの解析する対象となる部分を決定する時間を「観測時間」と称する。すなわち、第1の実施の形態では、観測時間内の観測情報82について解析することにより、電力需要推移を検出する。
設定された電力需要推移は遷移動作によって生じるため、これを検出するための観測時間は、遷移動作が実行されている時間内に設定されなければならない。すなわち、観測時間は、遷移時間内に設定されることが必要である。
第1の実施の形態では、観測時間は、遷移時間と一致しているものとして説明する。ただし、必須遷移動作と付加遷移動作とが時間的に独立している場合は、付加遷移動作が実行されている時間のみを観測時間として設定してもよい。例えば、付加遷移動作が実行され終了してから、必須遷移動作が実行されるような遷移動作においては、付加遷移動作によって生じる電力需要推移のみを観測するように構成してもよい。
これにより、必須遷移動作によって生じる電力需要推移が終了するまでに長時間を要する場合など、必須遷移動作によって生じる電力需要推移が観測に適していない場合には、任意に設定された付加遷移動作によって生じる電力需要推移のみを観測することができ、観測に要する時間を短縮できる。また、付加遷移動作は任意性が高く、例えば、電気機器10に対して要求される得るすべての動作に対して共通に設定することも可能である。したがって、付加遷移動作のみによって観測することにより、解析が容易になるという効果がある。
次に、具体的に、どのような電力需要推移が設定されるかを、電気機器10を例にして説明する。
図5は、LED照明機器としての電気機器10における電力需要推移を例示する図である。
すでに説明したように、電気機器10における電力需要推移は、付加遷移動作を任意に設定することにより、ほぼ自由に造形することができる。図5に示す電力需要推移は、設計者が実行スケジュール情報を適切に設計することにより、意図的に設定した電力需要推移である。
一般に、手動の電気機器17ないし19において、手動による制御の際に生じる消費電力の変化(電気機器17ないし19における電力需要推移ともみなせる。)に要する遷移時間は、概ね、数ミリ秒〜数十ミリ秒と想定される。遷移時間は、電気機器が所望の動作状態に到達するまでの所要時間であるから、一般的には短い方が好ましく、また、そのように設計されるからである。
これに対して、電気機器制御システム1では、手動の電気機器17ないし19において手動による制御の際に生じる消費電力の変化に比べて長い時間となるように、電気機器10ないし16における電力需要推移に要する遷移時間(例えば、1〜2秒)が設定されている。
これにより、手動の電気機器17ないし19における短時間の電力需要推移と、電気機器10ないし16における長時間の電力需要推移とを容易に分離することができる。したがって、手動の電気機器17ないし19における電力需要推移と、電気機器10ないし16における電力需要推移とが時間的に重なったとしても、容易に、電気機器10ないし16における電力需要推移を検出することができる。
また、図5に例示するように、電気機器10における電力需要推移は、所定の周波数成分を含むように設定されている。
図6は、LED照明機器としての電気機器10の電力需要推移の周波数分布を例示する図である。また、図7は、他のLED照明機器としての電気機器11の電力需要推移の周波数分布を例示する図である。
図6に示すように、電気機器10の電力需要推移には、周波数T1の成分が含まれているが、周波数T2,T3,T4の成分はいずれも含まれていない。これに対して電気機器11の電力需要推移には、図7に示すように、周波数T1,T3の成分が含まれているが、周波数T2,T4の成分はいずれも含まれていない。
このように、電気機器制御システム1では、電気機器10における電力需要推移は、他の電気機器11における電力需要推移と異なるように設定されている。したがって、詳細は後述するが、電力測定ユニット2において、電気機器10の電力需要推移を、他の電気機器11ないし16の電力需要推移と容易に区別することができる。
ここで、周波数T1,T2,T3,T4によって4ビットのそれぞれの桁を表現するとすると、電気機器10の電力需要推移によって「0001」が表現されており、10進数の「1」が表現されている。また、電気機器11の電力需要推移によって「0101」が表現されており、10進数の「5」が表現されている。
したがって、例えば、電気機器10ないし16に予め機器識別情報(ID)を割り当てておけば、各電気機器10ないし16の機器識別情報を表現したものとして、各電気機器10ないし16の電力需要推移を容易に設定することができる。そして、このように設定しておくことにより、詳細は後述するが、電力測定ユニット2において、電気機器10ないし16の電力需要推移をより確実に個別に識別することができる。
個別に識別可能な電力需要推移をそれぞれの電気機器10ないし16において設定する作業は、比較的煩雑な作業である。一方で、個別に識別可能な機器識別情報を設定する作業は比較的簡単な作業である。すなわち、電気機器制御システム1において、電気機器10の電力需要推移に含まれる所定の周波数成分が電気機器10を個別に識別するために割り当てられた機器識別情報を表現するように設定することにより、個別に識別可能な電力需要推移を容易に設定することができる。
なお、電気機器10を個別に識別するために割り当てる機器識別情報としては、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)によって自動的に割り当てられる電気機器10のIPアドレスに応じて決定してもよい。例えば、IPアドレスそのものを機器識別情報としてもよいし、IPアドレスの下位8ビットなどを機器識別情報としてもよい。IPアドレスは、ネットワーク90において電気機器10を個別に識別可能となるように割り当てる機器識別情報である。したがって、このように構成することにより、さらに容易に電力需要推移を設定することができる。
このようにして決定される電力需要推移に関する情報は、設定情報80に含められ、記憶装置21に格納される。
第1の実施の形態における設定情報80は、観測しようとする電力需要推移ごとに1つのレコードが作成されるテーブル構造のデータベースである。設定情報80の各レコードには、レコード番号と、観測情報82に対する解析方法と、機器識別情報と、動作識別番号と、実行スケジュール情報と、遷移時間(観測時間)とが含まれており、互いに関連づけられている。
ここで、レコード番号とは、設定された各電力需要推移を個別に識別する情報である。また、機器識別情報とは、電気機器10ないし19を個別に識別するための情報であって、関連づけられるレコード番号で示される電力需要推移を生じさせる電気機器を示す。また、動作識別番号とは、指示され得る動作(必須遷移動作)を個別に識別する情報である。
なお、設定情報80に含まれる情報は、ここに示した例に限定されるものではない。例えば、レコード番号に関連づけて、報知情報84の送信先情報や報知情報84におけるユーザに提供される情報(詳細後述)などを格納するようにしてもよい。また、電気機器10ないし16のそれぞれの設置位置や用途、アドレスに関する情報を設定情報80に格納してもよい。また、設定情報80は、ここに示す情報をすべて含んでいなければならないものでもない。
図4に戻って、操作部22は、ユーザが電力測定ユニット2に対して指示を入力するために操作するハードウエアである。操作部22としては、例えば、各種キーやボタン類、スイッチ、タッチパネル、ポインティングデバイス、あるいは、ジョグダイヤルなどが該当する。ただし、操作部22は、電力測定ユニット2が一旦設置されて運用が開始されると、それほど頻繁にユーザによって操作されるものではない。したがって、操作部22は、複雑な情報を入力するように構成されている必要はなく、比較的簡易な入力装置で十分であり、例えば、電源ボタンやリセットボタンなどが想定される。
表示部23は、各種データを表示することにより出力する機能を有するハードウェアである。表示部23としては、例えば、ランプやLED、液晶ディスプレイや液晶パネルなどが該当する。
送信部24は、商用電力線ネットワーク91を介して他の装置に情報を送信する機能を提供する。これにより、電力測定ユニット2は、電気機器10ないし16に対して制御情報8を送信することができる。また、電力測定ユニット2は、制御盤3(携帯電話4)に対しても必要な情報を送信することができる。
受信部25は、他の装置から送信された情報を、商用電力線ネットワーク91を介して受信する機能を提供する。これにより、電力測定ユニット2は、制御盤3(携帯電話4)から送信された情報を受信することができる。
電力測定センサ26は、商用電力線ネットワーク91に接続されており、当該商用電力線ネットワーク91における消費電力を観測情報82として測定する。詳細は後述するが、電気機器10ないし19における電力需要推移は、電力測定センサ26によって取得される観測情報82に表現(観測)されることになる。なお、観測情報82は、測定時点におけるすべての電気機器10ないし19における消費電力を合成した情報となる。
タイマ27は、CPU20からの制御信号に従って、時間を計測する機能を有している。詳細は後述するが、タイマ27は、送信部24による制御情報8の送信からの経過時間を計測するためなどに使用される。
図8は、第1の実施の形態における電力測定ユニット2が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。図8に示す通信制御部200、機器制御部201、推定部202および再送部203は、CPU20がプログラム210に従って動作することにより実現される機能ブロックである。
通信制御部200は、受信部25によって受信された情報を記憶装置21に転送して記憶させる機能を有している。特に、通信制御部200は、受信部25が指示情報81を受信すると、受信された指示情報81を記憶装置21に記憶させる。
指示情報81とは、制御盤3または携帯電話4において入力された情報であって、機器識別情報(当該ユーザが所望する動作を実行させる電気機器(制御対象の電気機器)を識別するための情報)と、動作識別番号(ユーザが所望する動作を識別する情報)とが含まれている。記憶装置21に記憶される指示情報81は、図8に示すように、操作部22が直接ユーザによって操作されることにより入力された情報も含まれる場合がある。
通信制御部200は、記憶装置21上に記憶されている情報を送信部24に送信させる機能を有している。特に、通信制御部200は、制御情報8を送信部24に伝達し、当該制御情報8を送信するように送信部24を制御する。より具体的には、通信制御部200は、制御情報8に含まれる機器識別情報を取得し、当該機器識別情報によって特定される電気機器(電気機器10ないし16のうちのいずれか)の宛先を示す情報を特定する。そして、制御情報8と共に宛先を示す情報を送信部24に伝達して、当該宛先に対して当該制御情報8を送信するように送信部24を制御する。ここで宛先を示す情報とは、商用電力線ネットワーク91における電気機器10ないし16のアドレスである。
第1の実施の形態においては、通信制御部200が制御情報8を送信部24に伝達することにより、送信部24が速やかに制御情報8を送信する。したがって、電力測定ユニット2から制御情報8が送信されるタイミング(以下、単に「送信タイミング」と称する。)は、通信制御部200が送信部24に当該制御情報8を伝達するタイミングによって決定される。すなわち、送信タイミングを決定する機能は、通信制御部200が有しているといえる。ただし、通信制御部200が、送信タイミングを決定する手法については後述する。
また、通信制御部200は、送信部24が制御情報8の送信を完了すると、そのタイミングで、当該制御情報8に含まれているレコード番号を推定部202に伝達する。
機器制御部201は、ユーザによって入力された指示情報81に従って、電気機器10ないし16を制御するための制御情報8を作成する機能を有する。
機器制御部201は、作成する制御情報8に、指示情報81に含まれる機器識別情報を含める。当該機器識別情報は、制御情報8において、当該制御情報8の宛先となる電気機器を示す。
また、機器制御部201は、設定情報80を参照し、指示情報81から取得した動作識別番号を検索キーとして設定情報80を検索し、当該動作識別番号に関連づけられている実行スケジュール情報を取得して、作成する制御情報8に含める。
これにより、制御情報8を受信した電気機器10ないし16は、当該制御情報8に含まれる実行スケジュール情報に従ってコマンドを実行することにより、ユーザにより指示された動作を実行することができる。なお、後述する推定部202による検索の便宜のために、機器制御部201は、作成する制御情報8に、当該動作識別番号に関連づけられているレコード番号を含める。
推定部202は、タイマ27に、制御情報8が送信されてからの経過時間を計測させる機能を有している。
すでに説明したように、制御情報8が送信されたときに、推定部202には、通信制御部200から当該制御情報8に含まれるレコード番号が伝達される。推定部202は、通信制御部200から伝達されたレコード番号を検索キーとして、設定情報80を検索し、当該レコード番号に関連づけられている遷移時間を取得する。
次に、推定部202は、設定情報80から取得した遷移時間を、通信制御部200から制御情報8が伝達されたタイミング(より厳密には検索に要する時間分の遅延は生じている。)で、タイマ27にセットする。これにより、タイマ27は、制御情報8が送信されてからの経過時間を計測することとなる。
なお、推定部202は、制御情報8が送信されてから電気機器においてコマンドの実行が開始されるまでの間の遅延時間を想定して、当該遅延時間分だけタイミングを遅らせてからタイマ27に遷移時間をセットしてもよい。このような遅延時間は、予測値として予め設定しておくことができる。
また、推定部202は、制御情報8による電気機器10ないし16に対する制御結果を推定し、制御結果情報83を作成する。
商用電力線における消費電力を測定して、当該消費電力の変化がどの電気機器の動作によるものであるかを特定する手法としては、例えば、特開2003−009430号公報に記載された技術などが知られている。推定部202は、これをさらに応用し、どの電気機器の動作であるかを特定することにより、特定された電気機器に対する制御が正常に実行されたと推定する。
すでに説明したように、電気機器制御システム1では、電気機器10ないし16における動作(電力測定ユニット2からの制御により実行される動作)ごとに他の機器と異なる電力需要推移が設定されている。具体的には、電力需要推移における周波数分布において、所定の周波数成分T1,T2,T3,T4が4ビットの各桁を表しており、これによって対応する電気機器の機器識別情報を表現するように電力需要推移が設定されている。例えば、周波数成分T1,T2,T3,T4がそれぞれ「あり」、「なし」、「なし」、「なし」の場合(図7)は、機器識別情報としての「1」を表現している。
したがって、推定部202は、遷移時間内における観測情報82に対してFFT(Fast Fourier Transform)を実行して、消費電力の変化において周波数成分T1,T2,T3,T4がそれぞれ存在しているか否かを判定することにより、観測情報82から機器識別情報を抽出する。さらに、推定部202は、観測情報82から取得した機器識別情報が、送信された制御情報8に含まれていた機器識別情報と一致するか否かを判定する。
そして、観測情報82から取得された機器識別情報と、送信された制御情報8に含まれていた機器識別情報とが一致した場合、推定部202は、制御情報8の宛先となっている電気機器において予め設定されていた電力需要推移が観測情報82から検出されたとみなす。制御情報8の宛先となっている電気機器において予め設定されていた電力需要推移が検出されたのであれば、当該電気機器において制御情報8における実行スケジュール情報が正常に実行されたとみなせる。すなわち、送信した制御情報8による所望の動作が正常に実行されたと推定できる。
このように、推定部202は、送信部24により送信された制御情報8を受信部102により受信した電気機器(電気機器10ないし16のうちのいずれか)が当該制御情報8により指示された遷移動作を実行することによって当該電気機器において生じる電力需要推移を、電力測定センサ26により測定された観測情報82に基づいて検出することにより、当該制御情報8による当該電気機器に対する制御結果を推定する。そして、推定部202は、当該電力需要推移が観測されたと判定した場合は、制御情報8が正常に実行されたとみなして制御結果情報83に「0(是)」を記録する。一方で、当該電力需要推移が観測されないと判定した場合は、制御情報8が正常に実行されなかったとみなして「1(否)」を記録する。
なお、推定部202は、通信制御部200から取得しているレコード番号を検索キーとして設定情報80を検索し、当該レコード番号に関連づけられている電力需要推移の解析方法を設定情報80から特定して取得する。そして、推定部202は、このようにして取得した解析方法により、遷移時間内の観測情報82を解析する。このように、個々の電力需要推移に対してそれぞれ電力需要推移の解析方法を関連づけておくことにより、個々の電力需要推移に対する解析方法が異なる場合に対応することができる。
一方で、第1の実施の形態では、電気機器10のみならず、電気機器11ないし16においても、電力需要推移の周波数分布によって機器識別情報を表現するようにそれぞれの電力需要推移が設定されている。したがって、第1の実施の形態における推定部202が実行する解析方法はFFTのみであるため、第1の実施の形態においては、設定情報80に各電力需要推移ごとの解析方法を格納しておく必要はない。
しかしながら、このように構成しておくことにより、様々な電気機器が接続された場合に、柔軟に対応することができる。すなわち、FFTによって解析するように電力需要推移が設定されていない電気機器にも対応することができる。例えば、個々の電力需要推移そのものを解析方法として設定情報80に登録しておき、観測情報82において観測された電力需要推移と、登録されている電力需要推移とが一致するか否かによって制御結果を推定するように構成すれば、あらゆる電気機器に対して適応可能である。
また、第1の実施の形態における推定部202は、制御結果情報83における制御結果には、後に設定情報80を検索するときの便宜のために制御情報8から取得されたレコード番号を付与する。
再送部203は、推定部202により推定された制御結果情報83において、当該制御結果情報83に対応する制御情報8が正しく実行されていないと推定された場合に、当該制御情報8を再送させる機能を有している。具体的には、制御結果情報83において、制御結果が「1(否)」となっている場合、再送部203は、対応する制御情報8のフラグを「未送信」に書き換える。これにより、未送信状態となった制御情報8は、通信制御部200によって送信部24に伝達され、送信される。
また、再送部203は、制御情報8の送信の回数を管理しており、当該回数が再送制限回数に達した場合には、当該再送制限回数に達した制御情報8については、フラグを書き換えることはない。これにより、例え、制御結果情報83において制御結果が「否」となっていても、再送制限回数に達している場合には、通信制御部200が送信部24に対して当該制御情報8の送信を指示しないので、送信部24による当該制御情報8の再送は禁止される。
また、再送部203は、制御情報8の再送の回数が報知要請回数に達した場合には、報知情報84を作成する。作成された報知情報84は、通信制御部200によって送信部24に伝達され、制御盤3や電気機器10ないし16に向けて送信される。なお、以下では、報知要請回数と再送制限回数とは同数(3回)として説明するが、もちろん、これらの回数は互いに異なっていてもよいし、3回に限定されるものでもない。ただし、報知要請回数は、再送制限回数以下である。
図9は、制御盤3を示す図である。制御盤3は、CPU30、記憶装置31、操作部32、表示部33、送信部34、受信部35および通信部36を備えている。
制御盤3は、ユーザによって操作される装置であって、当該ユーザの操作により入力された指示情報81を商用電力線ネットワーク91を介して電力測定ユニット2に向けて送信する。言い換えれば、制御盤3は、ユーザにとって、電力測定ユニット2(電気機器制御システム1)の操作部としての機能を提供する装置である。
先述のように、電力測定ユニット2は、消費電力を測定するという目的を有している。したがって、電力測定ユニット2は、住居やオフィスの分電盤内などに設置される装置である。しかしながら、分電盤は、通常、ユーザにとってアクセスしやすい場所に設置されているものではない。したがって、例えば、電力測定ユニット2に操作部22を設けていたとしても、分電盤に設置された電力測定ユニット2の操作部22をユーザが直接操作しなければならないとすれば、ユーザの負担は増大する。
第1の実施の形態における電気機器制御システム1は、電力測定ユニット2の操作部としての機能を有する制御盤3を備えている。そして、制御盤3は、電力測定ユニット2に比べれば設置場所に関する制約が少なく、ユーザにとって操作しやすい場所に設置することができる装置である。したがって、ユーザは、制御盤3を操作しやすい場所に設置して操作することによって、電力測定ユニット2(電気機器制御システム1)に対して、指示情報81などの任意の情報を容易に入力することができる。すなわち、制御盤3を備えることにより、ユーザによる電気機器制御システム1の操作性が向上する。
CPU30は、記憶装置31に格納されているプログラム310を読み取りつつ実行し、各種データの演算や制御信号の生成等を行う。これにより、CPU30は、制御盤3が備える各構成を制御するとともに、各種データを演算し作成する機能を有している。すなわち、制御盤3は、一般的なコンピュータとして構成されている。
記憶装置31は、制御盤3において各種データを記憶する機能を提供する。言い換えれば、記憶装置31が制御盤3において電子的に固定された情報を保存する。図9に示すように、第1の実施の形態における記憶装置31は、プログラム310、指示情報81、制御結果情報83および報知情報84等を記憶するために使用される。
記憶装置31としては、CPU30の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAMやバッファ、読み取り専用のROM、不揮発性のメモリ(例えばNANDメモリなど)等が該当する。また、図9においては、記憶装置31を、あたかも1つの構造物であるかのように図示している。しかし、通常、記憶装置31は、上記例示した各種装置(あるいは媒体)のうち、必要に応じて採用される複数種類の装置から構成されるものである。すなわち、記憶装置31は、データを記憶する機能を有する装置群の総称である。
また、現実のCPU30は高速にアクセス可能なRAMを内部に備えた電子回路である。しかし、このようなCPU30が備える記憶装置も、説明の都合上、記憶装置31に含めて説明する。すなわち、第1の実施の形態においては、一時的にCPU30自体が記憶するデータも、記憶装置31が記憶するとして説明する。
操作部32は、ユーザが制御盤3に対して指示を入力するために操作されるハードウエアである。操作部32としては、例えば、各種キーやボタン類、スイッチ、タッチパネル、ポインティングデバイス、あるいは、ジョグダイヤルなどが該当する。特に、操作部32は、指示情報81を入力するために使用される。
表示部33は、各種データを表示することにより出力する機能を有するハードウェアである。表示部33は、液晶ディスプレイや液晶パネルなどの比較的複雑な情報を画像として表示することが可能な装置を備えている。これにより、制御盤3は、電力測定ユニット2において測定された観測情報82や、各電気機器10ないし16に対する制御結果情報83および報知情報84を表示することも可能である。
観測情報82が表示部33に表示されることにより、ユーザは、住居やオフィスにおける消費電力を確認することができる。
また、制御結果情報83や報知情報84が表示部33に表示されることにより、ユーザは、電気機器10ないし16が正常に動作しているか否かを確認することができる。すなわち、電気機器制御システム1による電気機器10ないし16に対する制御が正常に実行されているか否かをユーザは確認することができる。
このように、電気機器制御システム1は、電気機器10ないし16に、制御情報8に対するACK信号を送信するための構成を備えなくても、電力測定ユニット2(制御装置)からの制御が正常に実行されたか否かを判定することができる。したがって、電気機器10ないし16にデータを送信するための構成を設ける必要がなく、電気機器10ないし16のコストを抑制することができる。
送信部34は、商用電力線ネットワーク91を介して他の装置に情報を送信する機能を提供する。これにより、制御盤3は、電力測定ユニット2に向けて指示情報81を送信することができる。
受信部35は、他の装置から送信された情報を、商用電力線ネットワーク91を介して受信する機能を提供する。これにより、制御盤3は、電力測定ユニット2から送信された情報を受信することができる。
通信部36は、制御盤3をネットワーク90にデータ通信可能な状態で接続する機能を提供する。これにより、制御盤3は、ネットワーク90を介して、携帯電話4との間でデータ通信が可能となる。
図1に戻って、携帯電話4は、ユーザによって携帯される装置であり、ネットワーク90を介して制御盤3とデータ通信が可能な状態で接続されている。電気機器制御システム1を構成する携帯電話4は、ハードウェアとしては特に特別な装置である必要はなく、市場に広く流通している一般的な携帯電話を採用することができる。市販の携帯電話として構成されている携帯電話4は、キーやボタン、ジョグダイヤル、あるいは、タッチパネルなどの入力装置(図示せず)を備えている。ユーザは、当該入力装置を操作することにより、指示情報81などの任意の情報を電気機器制御システム1(制御盤3)に向けて送信することが可能である。
このように、携帯電話4は、主に、ユーザが外部(屋外や外出先など)から電気機器制御システム1(制御盤3)に対して指示を与える際に使用される。
なお、電力測定ユニット2が、携帯電話4に対して、電気機器10ないし16に対する制御結果情報83や報知情報84などの情報を送信してもよい。携帯電話4が受信した情報は、携帯電話4の表示部(図示せず)に表示すれば、ユーザは必要な情報を外出先などで確認することができる。また、ユーザが外出先等から指示を入力するための装置としては、携帯電話4に限定されるものではなく、スマートフォンやPDA、携帯ゲーム機あるいは電子書籍端末などであってもよい。すなわち、外出先等においてネットワーク90に接続可能な装置であればよい。
以上が、第1の実施の形態における電気機器制御システム1の構成および機能の説明である。次に、電気機器制御システム1を用いて実現される電気機器制御方法について説明する。
図10は、第1の実施の形態における電気機器制御方法のうち、電力測定ユニット2において実行される工程を示した流れ図である。
なお、図10に示す各工程が実行されるまでに、すでに商用電力線ネットワーク91に接続されている電気機器10ないし16におけるそれぞれの遷移動作に対して電力需要推移(実行スケジュール情報)が設定されており、設定情報80が完成しているものとする。また、電力測定ユニット2においては、所定の初期設定が実行されているものとする。また、以下では、特に断らない限り、電気機器10に対してLED部103を点灯させるための制御情報8が作成されて送信される例を用いて説明する。
図10に示す処理が開始されると、電力測定ユニット2(CPU20)は、測定タイミングの到来(ステップS1)と、未だ処理されていない指示情報81の有無(ステップS5)と、未だ送信されていない制御情報8の有無(ステップS7)と、タイマ27からのタイマ割り込みの有無(ステップS10)とを監視する状態となる。この状態を、以下、「監視状態」と称する。
監視状態において、測定タイミングが到来していることを検出すると、CPU20は、ステップS1においてYesと判定し、電力測定センサ26の値を読み取って、商用電力線ネットワーク91における消費電力を測定する(ステップS2)。
次に、測定した消費電力に基づいて、観測情報82を更新する(ステップS3)。これにより、所定の時間間隔で、商用電力線における消費電力の様子が観測情報82として記録される。すなわち、電気機器制御システム1は、HEMS(Home Energy Management System)としての機能を有している。
ステップS3が実行されると、通信制御部200は、更新された観測情報82を、制御盤3に向けて送信するように、送信部24を制御する。これにより、当該観測情報82が制御盤3に向けて送信され(ステップS4)、制御盤3において観測情報82を閲覧することが可能となる。
ここでは説明を簡単にするために、ステップS1においてYesと判定されるたびに、ステップS4が実行されるとして説明した。すなわち、測定タイミングが到来するたびに、観測情報82が制御盤3に向けて送信される。しかし、測定タイミングは比較的短周期に到来するタイミングであり、当該タイミングで観測情報82を送信するように構成すると、観測情報82の送信頻度が高くなりすぎることも予想される。
したがって、例えば、観測情報82を送信するタイミングを測定タイミングとは別に定義して、別途定義したタイミングが到来したときにのみ観測情報82を制御盤3に向けて送信するように構成してもよい。あるいは、制御盤3から、観測情報82を送信するように要求されたときにのみ観測情報82を送信するようにしてもよい。
ステップS4が実行され、観測情報82の送信が完了すると、電力測定ユニット2は、監視状態に戻る。
監視状態において、未だ処理されていない指示情報81が記憶装置21に記憶されていることが検出されると、CPU20はステップS5においてYesと判定する。例えば、受信部25が商用電力線ネットワーク91を介して新たな指示情報81を受信し、当該指示情報81が通信制御部200によって記憶装置21に転送された場合や、操作部22が操作されて新たな指示情報81が記憶装置21に格納された場合などに、ステップS5においてYesと判定される。
ステップS5においてYesと判定された場合、機器制御部201は、制御情報8を作成する(ステップS6)。
ステップS6において機器制御部201は、ステップS5において検出された未処理の指示情報81から、動作識別番号を取得し、当該動作識別番号を検索キーとして、設定情報80を検索する。そして、検索キーとしての動作識別番号に関連づけられているレコード番号と実行スケジュール情報とを設定情報80から取得する。さらに、機器制御部201は、指示情報81から取得した機器識別情報と、設定情報80から取得したレコード番号および実行スケジュール情報とに基づいて、これらの情報を含む制御情報8を作成する。なお、新たに作成された制御情報8には、未だ送信されていない状態であることを示すフラグも付加される。
制御情報8が作成されると、電力測定ユニット2は、監視状態に戻る。
監視状態において未送信状態の制御情報8が検出されると、CPU20は、ステップS7においてYesと判定する。ステップS7の処理は、記憶装置21上に記憶されている制御情報8のそれぞれに付加されているフラグを確認することにより実現できる。
ステップS7においてYesと判定されると、通信制御部200は、タイマ27を参照して、すでに送信待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS8)。
通信制御部200は、送信部24が制御情報8の送信を完了したタイミングで、タイマ27に送信待機時間をセットする。送信待機時間とは、送信した制御情報8によって生じる電力需要推移の遷移時間に対応した時間であって、当該電力需要推移が終了するまで、次の制御情報8の送信を遅らせるために設定される時間である。通信制御部200は、遷移時間に所定時間を加算した値を送信待機時間としてタイマ27にセットする。なお、遷移時間に加算される所定時間は、送信による遅延時間などを考慮して予め設定することができる。
ステップS8において、通信制御部200は、直前に送信した制御情報8が送信されたときにセットしておいた送信待機時間が、すでに経過しているか否かをタイマ27を参照することにより判定する。
未だ送信待機時間が経過していない場合(ステップS8においてNo。)、通信制御部200は、ステップS7において検出された制御情報8について処理することなく、一旦、監視状態に戻る。
未だに送信待機時間が経過していない場合とは、直前に送信された制御情報8による電力需要推移が、未だ終了していないことを示している(このように送信待機時間が定義されている。)。この状態で、新しい制御情報8を送信すると、新しい制御情報8による電力需要推移が開始されるため、新旧の制御情報8による2つの電力需要推移が観測情報82内で重なって(合成されて)観測され、推定部202による推定が困難になる。
したがって、通信制御部200は、ステップS8においてNoと判定した場合には、新しい制御情報8を通信部24に送信させることなく、監視状態に戻る。すなわち、電力測定ユニット2は、送信待機時間が経過するまでは新しい制御情報8を送信しないことにより、先の制御情報8による遷移時間が経過するまでは新しい制御情報8が実行されることを禁止する。
一方、すでに送信待機時間が経過している場合(ステップS8においてYes。)、通信制御部200は、ステップS7において検出された制御情報8を送信部24に伝達し、当該制御情報8を送信するように送信部24を制御する。これにより、送信部24は、当該制御情報8の宛先に、当該制御情報8を送信する(ステップS9)。
すでに送信待機時間が経過している場合は、直前に作成された制御情報8による電力需要推移は終了していることを示している。したがって、この状態で、新しい制御情報8が実行されたとしても、当該制御情報8による電力需要推移と、直前に送信された制御情報8による電力需要推移とが時間的に重なることはない。
このように、電気機器制御システム1では、ステップS8を実行することにより、直前の制御情報8が送信されてから、当該制御情報8に対応する遷移時間に応じて決定された送信待機時間が経過するまで、新しい制御情報8を送信することはない。これにより、送信部24は、複数の電気機器10ないし16のそれぞれの電力需要推移が、商用電力線ネットワーク91における消費電力の変化として互いに重ならないようなタイミングで、複数の電気機器10ないし16のそれぞれに対する制御情報8を送信することになる。したがって、複数の電気機器10ないし16における消費電力の変化(電力需要推移)をそれぞれ時間的に分離することができ、推定精度が向上する。
ステップS9が実行されると、通信制御部200は、ステップS9において送信された制御情報8に対応する送信待機時間をタイマ27にセットする(ステップS10)。これにより、通信制御部200が、次に送信される制御情報8に対する送信タイミングを管理する。
次に、通信制御部200は、ステップS9において送信された制御情報8のフラグを送信済みに書き換えるとともに、当該制御情報8に含まれるレコード番号を推定部202に伝達する。推定部202は、伝達されたレコード番号を検索キーとして設定情報80を検索する。そして、当該レコード番号に関連づけられている観測時間(本実施の形態では遷移時間と同じ)を設定情報80から取得して、タイマ27にセットする(ステップS11)。
ステップS11が実行されることによって、タイマ27が起動され、タイマ27において、制御情報8を送信してからの経過時間の計測が開始される。そして、タイマ27にセットされた観測時間が経過したとき、その旨がタイマ割り込みとしてタイマ27から推定部202に通知される。
ステップS11が実行され、遷移時間がタイマ27にセットされると、電力測定ユニット2は、監視状態に戻る。
監視状態において、タイマ27からのタイマ割り込みがあると、CPU20は、ステップS12においてYesと判定する。ステップS12においてYesと判定されると、推定部202は、ステップS9において送信した制御情報8の制御結果を推定する(ステップS13)し、推定結果に応じて制御結果情報83を作成する(ステップS14)。
ステップS13において、推定部202は、まず、すでに通信制御部200から伝達されているレコード番号(送信された制御情報8に含まれていたレコード番号)を検索キーとして設定情報80を検索し、当該レコード番号に関連づけられている解析方法、機器識別情報および遷移時間を取得する。次に、取得した遷移時間に基づいて、観測情報82において解析の対象となる部分を特定する。さらに、推定部202は、特定した部分に、設定情報80から取得した解析方法を適用して、同じく設定情報80から取得された機器識別情報と比較する。
観測情報82から抽出した機器識別番号が、設定情報80から取得した機器識別番号と一致した場合、推定部202は、制御情報8による制御が正常に実行されたとみなして、制御結果を「是」とする制御結果情報83を作成する。一方で、観測情報82から抽出した機器識別番号が、設定情報80から取得した機器識別番号と一致しない場合、推定部202は、制御情報8による制御が正常に実行されなかったとみなして、制御結果を「否」とする制御結果情報83を作成する。
制御結果情報83が作成されると、通信制御部200は、制御結果情報83を制御盤3に向けて送信するように送信部24を制御する。これにより、通信部24が制御盤3に向けて制御結果情報83を送信する(ステップS15)。
ステップS15の処理と並行して、再送部203は、ステップS14において作成された制御結果情報83が「是」か否かを判定する(ステップS16)。
更新された制御結果情報83が「是」の場合(ステップS16においてYes。)、送信した制御情報8に含まれていた実行スケジュール情報は正常に実行されているので、電力測定ユニット2は、監視状態に戻る。このとき、正常に実行された制御情報8は不要になるため、再送部203が、送信済みとなっている制御情報8を記憶装置21上から削除してもよい。
一方、更新された制御結果情報83が「否」の場合(ステップS16においてNo。)、電力測定ユニット2は再送処理を実行する(ステップS17)。
図11は、第1の実施の形態における再送処理を示す流れ図である。
再送処理が開始されると、再送部203は、まず、再送回数を格納するカウンタの値が「3」か否かを判定する(ステップS21)。
当該カウンタの値が「3」でない場合(ステップS21においてNo。)、再送部203は、送信の回数が再送制限回数に達していないと判定し、制御情報8のフラグを未送信に書き換える(ステップS22)。
フラグが未送信となっている制御情報8が存在する状態となると、ステップS7においてYesと判定され、通信制御部200が当該制御情報8を送信するように送信部24を制御する(ステップS9)。これにより、すでに送信された制御情報8が再び送信されることとなり、当該制御情報8が再送される。
ステップS22が実行されると、制御情報8が再送されたものとみなして、再送部203は、カウンタの値をインクリメントする(ステップS23)。ステップS23が実行されると、電力測定ユニット2は、再送処理を終了して、図10に示す処理に戻る。
一方、カウンタの値が「3」の場合(ステップS21においてYes。)、再送部203は、送信部24による制御情報8の送信の回数が報知要請回数に達したと判定する。このとき、再送部203は、ステップS22を実行することなく、報知情報84を作成する(ステップS24)。
ステップS24において作成される報知情報84には、実行スケジュール情報を正常に実行できなかった電気機器を示す機器識別情報と、報知情報84の宛先と、ユーザに提供される情報(メッセージや画像など)とが含まれる。再送部203は、制御結果情報83に含まれるレコード番号を検索キーとして設定情報80を検索することにより、これらの情報を設定情報80から取得して、報知情報84を作成する。
例えば、電気機器10が正常に動作しなかった場合を例に説明すると、機器識別情報としては電気機器10の機器識別情報である「1」が格納される。また、報知情報84の宛先としては、携帯電話4、制御盤3および電気機器11のそれぞれのアドレスが格納される。さらに、ユーザに提供される情報としては、携帯電話4および制御盤3に向けて送信される情報として、「玄関のLED証明機器が異常です。」などのメッセージが格納され、電気機器11に向けて送信される情報として、電気機器10が異常である場合に実行する電気機器11の代替動作を示す情報が格納される。
第1の実施の形態における電気機器制御システム1は、例えば、電気機器10が正常に点灯しない場合には、代替動作として、近傍に存在する電気機器11を点灯させる。
このように、電気機器制御システム1は、複数の電気機器10ないし16の中から、再送が禁止された制御情報8の宛先となっている電気機器10以外の電気機器11を選択して、宛先となっている電気機器10の代替動作をさせる。これにより、正常に動作させることを断念した電気機器10の動作を、他の電気機器11に代替させることができる。
したがって、玄関の電気機器10が点灯しなくても、近傍の廊下の電気機器11が点灯するため、玄関付近も多少は明るくなることが期待される。これにより、ユーザは、帰宅時等において、真っ暗の中で移動しなければならない事態を回避することができる。
なお、電気機器11に向けて送信される情報として、電気機器10が異常である場合に実行する電気機器11の代替動作を示す情報の代わりに、例えば、異常が発生していることが容易に感得されるような動作(激しい点滅動作など)を示す情報としてもよい。
すなわち、電気機器11を報知手段として用いてもよい。これにより、必ずしも制御盤3や携帯電話4に報知情報84を伝達しなくても、ユーザに異常を知らせることができる。また、複数の電気機器10ないし16の中から、報知要請回数に達した制御情報8の宛先となっている電気機器10の近傍に存在する電気機器11を選択して報知手段として用いることにより、ユーザが問題の発生している電気機器を発見しやすいという効果が期待できる。
ステップS24において作成された報知情報84は、通信制御部200によって送信部24に伝達される。これにより、通信部24が当該報知情報84を、宛先(当該報知情報84に含まれている。)に向けて送信する(ステップS25)。
ステップS25が実行されると、再送部203は、カウンタを「1」にリセットして(ステップS26)、再送処理を終了し、図10に示す処理に戻る。なお、ステップS26を実行するときに、制御情報8を削除してもよい。すでに再送が禁止された制御情報8を送信する必要はないからである。
このように、ステップS21においてNoと判定された場合、再送部203は、制御情報8の送信の回数が再送制限回数を超えたとみなして、ステップS22を実行しないことにより、当該制御情報8の再送を禁止する。このように構成することによって、故障等により、制御不能になっている電気機器に対して、無制限に制御情報8を送信し続けることを防止することができる。
再送処理を終了すると、電力測定ユニット2は、監視状態に戻る。
以上のように、第1の実施の形態における電気機器制御システム1は、商用電力線ネットワーク91からの電力供給を受ける電気機器10ないし16と電気機器10ないし16を制御する制御装置である電力測定ユニット2とを備えており、電気機器10ないし16は、商用電力線ネットワーク91を介して電力測定ユニット2からの制御情報8を受信する受信部102,152を備え、電力測定ユニット2は、商用電力線ネットワーク91を介して電気機器10ないし16に対して制御情報8を送信する送信部24と、商用電力線ネットワーク91における消費電力を観測情報82として測定する電力測定センサ26と、送信部24により送信された制御情報8を受信部102,152により受信した電気機器が当該制御情報8により指示された遷移動作を実行することによって当該電気機器において生じる電力需要推移を、電力測定センサ26により測定された観測情報82に基づいて検出することにより、当該制御情報8による当該電気機器に対する制御結果情報83を推定する推定部202とを備える。これにより、電気機器10ないし16が送信機能を備えていなくても制御結果情報83を得ることができる。したがって、電気機器10ないし16に送信機能を設ける必要がないのでコストを抑制することができる。また、ACK信号を送信する必要がないため、通信に関するシーケンスを単純化することができる。
また、送信部24は、複数の電気機器10ないし16のそれぞれの電力需要推移が、商用電力線ネットワーク91における消費電力の変化として互いに重ならないようなタイミングで、複数の電気機器10ないし16のそれぞれに対する制御情報8を送信する。これにより、複数の電気機器10ないし16における消費電力の変化をそれぞれ時間的に分離することができる。
また、複数の電気機器10ないし16のうちの1の電気機器における電力需要推移は、他の電気機器と異なるように設定されている。これにより、電力需要推移の特徴から、他の電気機器と区別することができる。
また、手動による制御の際に生じる電力需要推移に要する遷移時間に比べて長い時間となるように、1の電気機器における電力需要推移に要する遷移時間が設定されている。これにより、手動の電気機器における短時間の電力需要推移を分離することができる。
また、電気機器10ないし16における電力需要推移が所定の周波数成分を含むように設定されており、推定部202は、当該周波数成分を検出することにより、電気機器10ないし16に対する制御結果情報83を推定する。これにより、電力需要推移ごとの特徴を容易に設定することができる。
また、所定の周波数成分が電気機器を個別に識別するために割り当てられた機器識別情報を表現するように設定されており、推定部202は、所定の周波数成分により表現された機器識別情報を検出することにより、当該電気機器に対する制御結果情報83を推定する。これにより、電気機器10ないし16のうちのどの電気機器で電力需要推移が生じているか容易に判定することができる。
また、電気機器10がLED照明機器であって、明るさを調整する調光回路104を備え、調光回路104は、LED照明機器である電気機器10において受信部102により受信された制御情報8が実行されるときに、予め設定されたLED照明機器における電力需要推移が生じるように、明るさを調整する。これにより、意図する電力需要推移を生じさせるための別構成を設ける必要がない。また、電気機器10として、市販のLED照明機器を採用することができる。
また、電気機器15は、電気機器15における電力需要推移を生じさせる専用の付加回路154をさらに備えることにより、制御情報8による制御時に、本来の機能目的で設けられている電気回路によっては自由に電力需要推移を設定できない場合であっても、任意の電力需要推移を生じさせることができるように専用の付加回路154を設計することができる。すなわち、設定する電力需要推移の自由度が広がる。
また、付加回路154は、蓄電池を含むことにより、任意の電力需要推移をさせるために使用された電気を有効に再利用することができる。
また、推定部202により推定された制御結果情報83において、当該制御結果情報83に対応する制御情報8が正しく実行されていないと推定された場合に、当該制御情報8を再送させる再送部203をさらに備えることにより、意図する応答が得られなかった電気機器に対して、繰り返し制御情報8を送信することができる。したがって、制御情報8を受信し損ねた場合であっても、再度、受信の機会を与えることができるので、意図した応答を得る蓋然性が高まる。
また、再送部203は、制御情報8の送信の回数が再送制限回数を超えたときに、当該制御情報8の再送を禁止する。これにより、故障等により、制御不能になっている電気機器に対して、無制限に制御情報8を送信し続けることを防止することができる。
また、複数の電気機器10ないし16の中から、再送が禁止された制御情報8の宛先となっている電気機器以外の電気機器を選択して、当該宛先となっている電気機器の代替動作をさせることにより、正常に動作させることを断念した電気機器の動作を、他の電気機器に代替させることができる。
また、送信部24による制御情報8の送信の回数が報知要請回数に達したことを報知する表示部33をさらに備えることにより、ユーザに異常を知らせることができる。
また、電気機器10に対する制御情報8の送信の回数が報知要請回数に達した場合に、電気機器11を点滅させることによって、電気機器10に対する制御情報8の送信の回数が報知要請回数に達したことを報知することにより、電気機器を報知手段とすることができる。
また、複数の電気機器10ないし16の中から、報知要請回数に達した制御情報8の宛先となっている電気機器10の近傍に存在する電気機器11を選択して報知手段として用いることにより、ユーザは、問題の発生している電気機器を発見しやすくなる。
また、送信部24は、商用電力線ネットワーク91により電気機器10ないし16に対して制御情報8を送信し、受信部102,152は、商用電力線ネットワーク91により電力測定ユニット2からの制御情報8を受信する。これにより、商用電力線ネットワーク91を制御情報8を送受信するデータ通信線として兼用することができ、コストを抑制することができる。
なお、電気機器10ないし16における電力需要推移は、遷移時間に対する一次関数となるように設定されてもよい。そして、推定部202は、当該一次関数の微分値に応じて電気機器に対する制御結果を推定してもよい。例えば、推定部202は、遷移時間を複数の短い期間に分割して、当該期間における観測情報82の微分値をそれぞれ求め、求めた微分値の分布が上記一次関数の微分値に集中している場合に、制御情報8が正常に実行されたと推定する。このような構成によっても、比較的急激な変化となる手動の電気機器による影響を排除することができる。
また、LED照明機器である電気機器10ないし14における電力需要推移は、PWM(Pulse Width Modulation)制御におけるデューティ比をユーザの所望した明るさに応じて固定した上で、パルスの周期が個々の電気機器10ないし14ごとに異なるように構成してもよい。これにより、ユーザの所望した明るさ(見かけの明るさ。デューティ比によって決まる。)に速やかに点灯させつつ、電気機器10ないし14ごとに固有の電力需要推移を生じさせることができる。
<2. 第2の実施の形態>
また、第1の実施の形態では、観測時間を予め設定し、全時間にわたって記録されつづけている観測情報82から、当該観測時間内の観測情報82を抽出して、推定部202による観測の対象とした。すなわち、第1の実施の形態では、制御情報8が送信されて初めて推定部202が、制御情報8の制御結果を推定するように構成されていた。しかし、本発明は、このような構成に限定されるものではない。
例えば、入力信号の変化を検出する検出回路を電力測定ユニット2に設け、当該検出回路に電力測定センサ26から出力される信号(観測情報82)を入力するように構成する。これにより、当該検出回路によって電力測定センサ26からの出力信号(観測情報82)を常に監視しつづけ、当該検出回路により当該出力信号の変化(消費電力の変化に相当する。)が検出されている間は、当該出力信号を推定部202にも入力して、解析するように構成してもよい。すなわち、制御情報8が送信されたか否かにかかわらず、消費電力に変化が生じている限り、推定部202が観測情報82に対して解析を行うように構成してもよい。
このように構成することにより、電気機器15,16の電源ボタン155が操作された場合や、電気機器17ないし19が手動により操作された場合などにおける消費電力の変化も推定部202に入力され、解析されることになる。したがって、例えば、電気機器15が稼働状態のときの電力需要推移や、電源ボタン155が操作されたときの電力需要推移などを予め実験によって求め、登録しておいて比較することにより、推定部202は、電力測定ユニット2による制御か否かに関わらず、電気機器15の動作状態が稼働状態であるか否かを判定することが可能となる。これにより、推定部202は、電力測定ユニット2以外によって制御されたときにも、電気機器の状態を検出することができる。
<3. 第3の実施の形態>
第1および第2の実施の形態では、電気機器10ないし19がすべて同一の電気系統(商用電力線ネットワーク91)に接続されている例について説明した。しかし、手動で操作される電気機器15ないし19を、電気機器10ないし14とをそれぞれ別系統の電力線に接続することにより、手動で制御された場合等に生じる電力需要推移と、制御装置によって制御された場合に生じる電力需要推移とを物理的に分離することも可能である。
図12は、第3の実施の形態における電気機器制御システム5を示す図である。
商用電力線ネットワーク91は、外部制御電気機器である電気機器15ないし19および制御盤3に対して電力供給する第1電気系統線92と、第1電気系統線92と電気的に分離され、外部制御電気機器以外の電気機器10ないし14に対して電力供給する第2電気系統線93とを備えている。このように、第3の実施の形態における商用電力線ネットワーク91は、分電盤において第1電気系統線92と第2電気系統線93とに分かれて宅内に配線されている。
第3の実施の形態における電気機器制御システム5は、電力測定ユニット2の代わりに、電力測定ユニット6を備えている点が、第1の実施の形態における電気機器制御システム1と異なっている。以下、第3の実施の形態における電気機器制御システム5において、第1の実施の形態における電気機器制御システム1と同様の構成については同符号を付し、適宜説明を省略する。
図13は、第3の実施の形態における電力測定ユニット6を示す図である。電力測定ユニット6は、送信部241,242および電力測定センサ261,262を備えている点が電力測定ユニット2と異なっている。
送信部241は第1電気系統線92を通信ケーブルとしてデータを他の装置に対して送信する機能を有しており、送信部242は第2電気系統線93を通信ケーブルとしてデータを他の装置に対して送信する機能を有している。すなわち、第1電気系統線92に接続されている送信部241は、電気機器15ないし19や制御盤3に向けてデータを送信する。一方、第2電気系統線93に接続されている送信部242は、電気機器10ないし14に向けてデータを送信する。
第3の実施の形態における受信部25は、第1電気系統線92を通信ケーブルとして、制御盤3から送信されるデータを受信する機能を有している。なお、電気機器10ないし14は、いずれもデータを送信する機能を有していないので、電力測定ユニット6において、第2電気系統線93を介してデータを受信する必要ない。したがって、電力測定ユニット6において、第2電気系統線93に接続される、受信部25に相当する構成は設けられていない。
電力測定センサ261は、第1電気系統線92における消費電力を測定し、観測値を観測情報82とする。電力測定センサ262は、第2電気系統線93における消費電力を測定し、観測値を観測情報82とする。
以上のような構成において、第3の実施の形態における推定部202は、制御情報8が電気機器10ないし14のうちのいずれかに送信された場合には、電力測定センサ262により測定された観測情報82に基づいて、当該制御情報8が正常に実行されたか否かを推定する。第2電気系統線93には、手動で制御される電気機器(電気機器15ないし19)は接続されていない。したがって、第2電気系統線93に対して送信される制御情報8について、第1の実施の形態と同様に電力需要推移が時間的に重ならないように送信タイミングを管理すれば、観測情報82において複数の電気機器におけるそれぞれの電力需要推移が互いに重なる事態は回避される。すなわち、第2電気系統線93に接続されている電気機器10ないし14についての推定精度は向上する。
なお、第1電気系統線92については、第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
以上のように、第3の実施の形態における電気機器制御システム5は、電力測定ユニット6以外により制御される外部制御電気機器としての電気機器15ないし19を含み、商用電力線ネットワーク91は、外部制御電気機器である電気機器15ないし19に対して電力供給する第1電気系統線92と、第1電気系統線92と電気的に分離され、外部制御電気機器以外の電気機器10ないし14に対して電力供給する第2電気系統線93とを備えることにより、例えば、手動により制御された電気機器15ないし19による消費電力の変化と、電力測定ユニット6により制御された電気機器10ないし14による消費電力の変化とを容易に分離することができる。
<4. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
例えば、上記実施の形態に示した各工程は、あくまでも例示であって、上記に示した順序や内容に限定されるものではない。すなわち、同様の効果が得られるならば、適宜、順序や内容が変更されてもよい。
また、上記実施の形態に示した機能ブロック(例えば、通信制御部200や推定部202など)は、CPU20がプログラム210に従って動作することにより、ソフトウェア的に実現されると説明した。しかし、これらの機能ブロックの一部または全部を専用の論理回路で構成し、ハードウェア的に実現してもよい。
また、電力測定ユニット2と電気機器10ないし16との間のネットワークは、PLC通信網(商用電力線ネットワーク91)に限定されるものではなく、例えば、無線通信網により実現してもよい。すなわち、送信部24は、無線通信により電気機器10ないし16に対して制御情報8を送信し、受信部102,152は、無線通信により電力測定ユニット2からの制御情報8を受信するように構成してもよい。
また、電力測定ユニット2が、直接、ネットワーク90に接続されていてもよい。すなわち、電力測定ユニット2が制御盤3を介することなく、携帯電話4との間でデータ通信を行うように構成されていてもよい。この場合、制御盤3を設けない構成とすることもできる。
また、上記実施の形態では、報知情報84は、制御盤3において出力されると説明したが、報知情報84は電気機器10ないし16において出力するように構成してもよい。例えば、電気機器15に対する制御情報8が、正常に実行されなかったために報知情報84が作成された場合において、当該報知情報84を電気機器15に送信し、電気機器15のエラーランプなどの表示部(図示せず)に報知情報84を表示させるように構成してもよい。このように電気機器15が備えている表示部を報知手段として利用することにより報知手段を別に設ける必要がなくなる。また、電気機器15において報知情報84を出力することにより、電気機器15において問題が発生している蓋然性が高いことを直接的にユーザに知らせることができる。
また、報知要請回数に達した制御情報8の宛先となっている電気機器の近傍に存在する電気機器を選択して、当該選択された電気機器を報知情報84の出力先として用いてもよい。例えば、電気機器10に対する制御情報8について報知情報84が作成された場合、当該報知情報84を電気機器11に送信して出力するように構成してもよい。電気機器10において制御情報8が実行されない場合には、電気機器10において何らかの問題が発生している蓋然性が高い。その場合には、報知情報84を電気機器10に向けて送信しても、電気機器10が報知情報84自体を受信できない、あるいは、報知情報84を出力できない(例えばLED部103が点灯しない)といった事態が考えられる。このような場合には、電気機器10に報知情報84を送信しても、当該報知情報84が出力されないことになり、ユーザが異常に気づくのが遅れることになる。しかし、報知情報84を、問題の発生している電気機器10ではなく、電気機器10の近傍に存在する電気機器11に向けて送信することにより、報知情報84がまったく出力されないという事態を回避することができる。また、問題が発生している電気機器10の近傍の電気機器11に報知情報84が出力されることにより、ユーザが問題の発生している電気機器10を発見しやすくなる。
また、送信部24が制御情報8を送信するタイミングは、制御情報8を作成するタイミングによって決定されてもよい。例えば、機器制御部201が所定の作成スケジュールに従って制御情報8を作成し、制御情報8が作成されると、通信制御部200が、速やかに送信部24に当該制御情報8を伝達し、当該制御情報8を送信するように制御してもよい。このように構成すれば、作成スケジュールによって送信タイミングを間接的に決定することができる。あるいは、例えば、機器制御部201が制御情報8を作成するとともに、当該制御情報8を送信する時間を決定しておき、当該時間が到来したときに通信制御部200が送信部24に当該制御情報8を送信させることにより、制御情報8を送信するタイミングを管理するように構成してもよい。
また、電力需要推移が、電気機器10ないし16を識別する機器識別情報を表現する例について説明した。しかし、電力需要推移が表現することができる情報は機器識別情報に限定されるものではない。例えば、機器識別情報に加えて、コマンドを正常に実行できたか否かを示す情報などを含めることもできる。
また、上記実施の形態では詳細な説明を省略したが、携帯電話4から入力された指示情報81に基づいて作成された制御情報8に対する制御結果情報83や報知情報84は、当該携帯電話4に向けて送信することが好ましい。携帯電話4を用いて指示情報81を入力した者は、携帯電話4を所持し操作していると想定されるため、その結果を携帯電話4に表示することがその者の便宜に資するからである。一方、制御盤3から入力された指示情報81に基づいて作成された制御情報8に対する制御結果情報83や報知情報84は、当該制御盤3に向けて送信し制御盤3において表示することが好ましい。制御盤3を操作している者は、携帯電話4を所持しているとは限らないからである。
また、LED照明機器である電気機器10ないし14における電力需要推移は、電気機器10ないし14の用途や設置場所などに応じて設定されてもよい。これによって、要求された動作(必須遷移動作)とは無関係な動作(付加遷移動作)が行われることによる不自然さを抑制することができる。