図18にトータリゼータシステムの構成例を示す。トータリゼータシステムは、競技場の投票券発売窓口の各投票所に設けられたトータリゼータシステム端末(以下、「投票端末」と記す場合がある)18−1と、トータリゼータシステムのホストシステム(以下、「ホスト」と記す場合がある)18−2とを備える。
ホストシステム18−2は、現金系ホストシステム18−21と情報系ホストシステム18−22とを備える。現金系ホストシステム18−21は、ホストサーバ及び記憶装置を備え、該記憶装置は、投票履歴データベース、払戻履歴データベース、開催情報データベース等の情報を記憶する。開催情報データベースには、開催要領、出走表、発売賭式等が記憶されている。情報系ホストシステム18−22は、ホストサーバ及び記憶装置を備え、該記憶装置は、騎手情報等を含む選手名データベース、競走成績データベース、過去のレースのデータベース等のレース情報を記憶する。
現金系ホストシステム18−21及び情報系ホストシステム18−22のホストサーバ及び記憶装置は、それぞれ各投票端末18−1と、LAN(Local Area Network)回線又は独自回線を介して、或いは、レイヤ3スイッチ18−4と専用回線又は公衆回線18−5と介して接続される。
公営競技の愛好者の中には、自身が特に贔屓とする競技者(騎手、選手等)が乗馬、乗船、又は乗車する馬、艇、又は車両等の番号の馬券、舟券、又は車券等の投票券の購入を欲する愛好者が少なからず存在する。そのような愛好者が投票券を購入する場合、特定の競技者の出場予定のレースを調べ、その競技者の馬番、艇番、車番等を軸として、購入組番(買い目)を選定して投票券を購入することとなる。
ここで、競技者(騎手、選手等)の馬番、艇番、車番等の出走番号を軸として、購入組番を任意に選定する投票方式を「競技者名ながし投票」と呼ぶ。以下の説明では、競馬の投票券の発売の例について説明するが、全ての公営競技(JRA(登録商標)/地方競馬/競輪/オート)の投票券の発売にも同様に転用可能である。なお、競馬の投票券発売の説明において、「競技者名ながし投票」を「騎手名ながし投票」といい、「選手」を「騎手」ということがある。
競馬愛好者の中には、自身が特に愛好する特定の競走馬の単勝馬券や複勝馬券を「応援馬券」として購入する愛好者が大勢いる。他方、競馬愛好者の中には、競走馬ではなく特定の騎手を応援するための投票券を購入する愛好者もいる。そのような競馬愛好者は、特定の騎手が出場するレースを調べ、そのレースで該特定の騎手が騎乗する馬番の投票券を購入して、その騎手の「応援馬券」とすることがある。
しかし、ここで「競走馬の応援馬券」と「騎手の応援馬券」とには大きな違いがある。前者、つまり「競走馬の応援馬券」の場合は、該当の競走馬は一日に1レースにしか出走しないため、その馬券の購入機会は1日に1度だけであり、1レース分の応援馬券を購入すればよい。愛好の競走馬が複数頭出走する場合は、出走する複数頭分の応援馬券を購入すればよい。
しかし、後者、つまり「騎手の応援馬券」の場合は、該当の騎手は1日に複数レースに騎乗する場合があり、その場合、該騎手が騎乗する全てのレースに対して購入操作を行うこととなる。また、愛好の特定の騎手がどのレースに出場するのかを事前に調べておく必要があり、また、購入するレース数分のマークカードの記入と投票券購入の操作とを行う必要があり、手間が掛かるという問題(問題点1)がある。
また、特定の騎手を愛好する競馬愛好者は、投票券を購入するとき、該特定の騎手が騎乗する競走馬から買い目の組み合わせを検討するが、組み合わせる競走馬の相手候補を選定するには、出走する競走馬の情報を集めて予想しなければならない。しかし、特定の騎手を愛好する競馬愛好者は、大抵、競走馬よりも騎手を中心とした知識を蓄え、競走馬についての知識を十分蓄えていない傾向がある。
特定の騎手を愛好する競馬愛好者が、該特定の騎手の馬番を軸にして、或る程度の的中をも見込める相手候補の組み合わせを抽出するには、「勝ち馬予想」を行う一般の競馬愛好者と同様のプロセスで予想する必要があり、非常に労力を費やすという問題(問題点2)がある。
なお、上述の問題点2の「相手候補の組み合わせ」の抽出労力を解決する方策として、JRA(登録商標)には「クイックピック投票」という投票方式が用意されている。「クイックピック投票」は、購入する投票券における競走馬の組み合わせを「完全ランダム選定」、「軸以外をランダム選定」などのように指定し、トータリゼータシステム側で任意に組み合わせを指定する“おまかせ”の投票方式である。「クイックピック」についてはURL:http://www.jra.go.jp/kouza/yougo/w536.htmlに掲載されている。
しかし、クイックピック投票による投票券の購入は、全ての発売場で可能なものではなく、また、恒常的に実施されるものでもない。また、地方競馬、その他の公営競技には、クイックピック投票のサービス自体が提供されていないため、この方策では上述の問題点2は解決されない。また、この方策は、あくまで、トータリゼータシステム側に“おまかせ”の投票方式であるため、問題点2で提起した「或る程度の馬券的中をも見込める相手候補の組み合わせ」の抽出という課題の解決には至らないという問題(問題点3)がある。
なお、地方競馬の「単勝」馬券には、競走馬名と騎手名とが印刷され、競馬愛好者は、愛好の騎手が格式の高いレース(GIレース等)で勝利することを祈り、「応援馬券」(「ご祝儀馬券」とも呼ばれる)として購入することがある。
なお、「応援馬券」投票について、URL:http://www.jra.go.jp/kouza/yougo/w534.htmlに掲載されている。このURLのウェブページに掲載の「応援馬券」という投票方式は、馬券購入方式の一つであり、この投票方式では、投票券(馬券)に「馬名」が印刷され、「がんばれ!」という応援文字が印刷されるため、記念馬券として購入する競馬愛好者も多い。
本明細書における「応援馬券」は、上述の投票方式の馬券だけでなく、「愛好の競走馬や騎手を応援することを目的に購入する馬券」を含むものである。そのため、上述の投票方式としての応援馬券は、本明細書における「応援馬券」の一部といえる。
特定の騎手を軸とした投票券購入手順について以下に説明する。まず、(1)特定の騎手の投票券購入者は、専門紙や新聞、インターネット、テレビ番組等から、該特定の騎手がどのレースに出走するかを事前に調査する。
なお、人気の高い騎手(実力の有る騎手)は、最大で12レースに騎乗することもあり、購入者は、その12レース全ての投票券を購入するのか、それともそのうちの一部のレースかの投票券を厳選して購入するのかをも判断しなければならない。
特定の騎手が出走するレースを調べ終えた後、次に(2)どのような賭式で投票券を購入するのかを決定する。大抵の投票券購入者は、普段購入する賭式が決まっているが、初心者や経験の浅い購入者は、的中率のより高い単勝式や複勝式の購入を望むことが多い。
次に(3)購入する馬番の組番(組み合わせ)を決定する。組番の軸は応援したい特定の騎手が騎乗する競走馬の馬番となるので、その馬番と組み合わせる連勝式の相手競走馬の馬番を指定する必要がある。上述の(2)で決定した賭式によっては、2着候補以外にも3着候補の馬番も指定する必要がある。新聞のコメントやインターネットのコメント、テレビ解説者のコメント等を参考に、相手競走馬の馬番を選定することとなるが、多くの情報を参考に選定することとなるため、多くの時間を要する作業となる。複数のレースの投票券を購入する場合、この作業を購入するレース分だけ実施することになる。
組番を決定した後、次に(4)実際に購入する投票券の情報を、例えばマークカードに記入(マーク)する。マークカードは、投票方式によって「通常投票」「ながし投票」「BOX投票」「フォーメーション投票」などの専用の記入方法(投票方式によりマークカードが異なる)があり、上述の(2)(3)で選定したプランに従ってマークカードを記入する。マークカードには、組番だけでなく、購入対象のレースの競技場、レース番号、投票券1点当たりの購入金額等の情報もマークする。マークカードは、購入レース数分の情報を記入する。
次に(5)投票端末18−1に現金を投入し、マークカードを挿入して投票券を購入する。マークカードに記入ミスがなければ投票券が発券される。マークカードに記入ミスが有った場合は、ミスの個数にもよるが、投票端末18−1に修正画面を表示し、購入者がその表示に従って修正すれば、改めてマークカードを記入することなく発券される。
全てのマークカードが投票端末18−1に挿入され、投票端末18−1で受け付けられれば、投票券の発券処理が完了する。投票端末18−1に購入金額よりも多い現金が投入された場合、投票端末18−1は、投票券とともに釣銭を放出する。以上が特定の騎手を軸とした投票券購入の手順である。この手順は、「競技者名ながし投票」特有の購入手順ではなく、一般的な競走馬を軸とした投票券の購入の手順に、特定の騎手を競走馬に対応付ける手順が加わったものである。
特定の騎手を応援するために投票券を購入する購入者にとっては、その騎手とその騎乗する競走馬とに関心があり、投票券における組み合わせ相手の競走馬にはほとんど関心がない場合が多い。しかし、投票券を購入する以上、多かれ少なかれ投票券を的中させたいという心理が働くため、組み合わせ相手の競走馬について取捨検討を行わざるをえない。そのため、上述の(3)及び(4)の手順が必要になる。
本発明に関連する先行技術文献として下記の文献が挙げられる。特許文献1は、公営競技における予約投票を可能にし、更に、投票者により指定された競技者に関する情報の提供を行う予約投票システム等について記載されている。特許文献2は、公営競技における様々な買い目についてのオッズ情報をファンに提供するための買い目情報提供システム等について記載されている。
特許文献3は、競馬、競輪、競艇、オートレースなどに代表される公営競技でレース情報の参照や投票に使用されるプログラム等について記載されている。特許文献4は、投票に必要な複数の項目を指定して投票する投票手段を有する競技投票装置と、その競技投票装置の投票手段からの投票データを受け付け、所定の集計処理を行う投票受付集計装置とを備えた競技投票システム等について記載されている。
本発明の実施形態について以下図面を参照して説明する。本実施形態として、競馬の投票券発券の例について説明するが、全ての公営競技の投票券の発券にも同様に転用可能である。また、本実施形態としてマークカードを用いた例について説明するが、投票端末のタッチパネルを用いた投票、携帯端末を用いたモバイル投票にも同様に転用可能である。
以下、投票券の購入者、投票端末18−1及びホストシステム18−2における投票券発券手順のフローの例について、図1〜図3を参照して説明する。まず、[投票券の購入者の操作手順]について説明する。投票券の購入者は、通常の従来通りの投票用のマークカードを入手する(図1のステップP1−1)。通常の投票用のマークカードには、日本中央競馬会のスーパーマルチカード、地方競馬の全国共通マークカード等が存在するが、本実施形態ではその何れのマークカードでも適用可能である。
次に購入者は、「騎手名ながし投票」の記入ルールに従ってマークカードの記入(マーク)を行う(ステップP1−2)。「騎手名ながし投票」の記入ルールについては後述する。マークカードの記入後、購入者は、「騎手名ながし投票」の画面を表示するために投票端末18−1の騎手名ながし投票釦を押下する(ステップP1−3)。
購入者は、投票端末18−1に表示された騎手名一覧から、購入を希望する特定の騎手名の釦を押下する(図2のステップP2−1)。次に購入者は、投票券を購入するための現金を投入する(ステップP2−2)。そして、購入者は、ステップP1−2で記入したマークカードを投票端末18−1に挿入する(ステップP2−3)。
購入者は、投票端末18−1に表示される購入確認の画面を見て、購入対象の投票券の組番(買い目)を確認する(図3のステップP3−1)。なお、この購入確認の画面では、購入対象の修正は不可能であるが、削除は可能なようにすることができる。次に購入者は、ステップP3−1の購入確認の画面で「OK/中止」を選択し、購入の最終確認の入力行う(ステップP3−2)。
購入者は、ステップP3−2で「中止」を選択した場合、投票端末18−1から放出されるマークカード及び現金を受け取る(ステップP3−3)。また、ステップP3−2で「OK」を選択した場合、投票端末18−1から放出される投票券及び現金(釣銭)を受け取る(ステップP3−4)。
次に[投票端末の処理手順]について説明する。投票端末18−1は、トータリゼータシステムのホストシステム18−2の現金系ホスト18−21に記憶されている「出走表情報」を含む開催情報を要求して取得し、開催情報の格納データ領域に開催情報を記憶する。また、情報系ホスト18−22記憶されている「騎手情報」を含むレース情報を要求して取得し、レース情報の格納データ領域にレース情報を記憶する(図1のステップT1−1)。また、投票端末18−1は、後に使用する「オッズ情報」の格納用データ領域を確保する。
次に投票端末18−1は、アイドル画面に「騎手名ながし投票」の専用画面へ遷移するための騎手名ながし投票釦を表示する(ステップT1−2)。次に投票端末18−1は、ステップP1−3により投票券購入者が騎手名ながし投票釦を押下したことを検出し(ステップT1−3)、「騎手名ながし投票」の専用画面へ遷移する。
投票端末18−1は、開催情報やレース情報(騎手情報)の変更を更新するため、現金系ホスト18−21及び情報系ホスト18−22に逐次アクセスして変更情報の取得を要求し、変更があった場合、投票端末18−1の格納データ領域に記憶されているそれらの情報を変更する(ステップT1−4)。
投票端末18−1は、「開催情報」及び「レース情報(騎手情報)」を基に、その日に出走する騎手の「騎手一覧」を作成して表示する(図2のステップT2−1)。投票端末18−1は、どのレースにどの騎手が出走するかを「レース情報」を基に調べ、その日に出走する騎手のレース番号及び騎手名の一覧表を表示する。
その後、ステップP2−1で購入者により購入希望の特定の騎手名の釦が押下されたことを投票端末18−1が検出すると、投票端末18−1は、「騎手名ながし投票」の受付を開始する(ステップT2−2)。投票端末18−1は、ステップP2−2で購入者が現金を投入したことを検出すると、投入された現金を受け付け、その集計を行い、情報系ホスト18−22に対して、購入対象レースの「オッズ情報(単勝)」の取得を要求する(ステップT2−3)。
次に投票端末18−1は、マークカード挿入口を開口する(ステップT2−4)。そして、ステップP2−3で購入者により挿入口に挿入されたマークカードのマーク情報を読取る(ステップT2−5)。投票端末18−1は、読取ったマークカードのマーク情報を、「騎手名ながし投票」の記入ルールに従って解釈し、購入者が記入(マーク)した情報を基に、レース情報(騎手名情報)及びオッズ情報を用いて、選択された騎手を軸とする購入組番(買い目)を表示する画面生成する(ステップT2−6)。
次に投票端末18−1は、ステップT2−6で生成した購入組番(買い目)を含む購入確認の画面を表示する(図3のステップT3−1)。購入確認の画面には、購入者が組番(買い目)の一部の削除、購入の中止、又は購入の承諾(OK)の何れかを選択する釦を表示する。したがって、購入者は、不要な組番があれば、ステップP3−1においてそれを削除することもできる。
購入者が購入の最終確認の入力を行うと、投票端末18−1は、購入者の操作内容(「OK/中止/組番の削除」)に応じて、(1)発券処理(「OK」の入力時)、(2)発券処理(「一部削除」の入力時)、又は(3)中止処理(「中止」の入力時)の何れの処理を行うかを決定する(ステップT3−2)。
ステップT3−2で中止処理が決定された場合(ステップT3−3でYESの場合)、投票端末18−1は、挿入されたマークカード及び投入された現金を放出し、購入者に対して「中止」のガイダンスを画面に表示し、発売処理を終了する。
ステップT3−2で発券処理が行われることとなった場合(ステップT3−3でNOの場合)、「OK」が入力された場合は、購入確認の画面で表示した購入組番(買い目)の投票券の発券処理を行い、「一部削除」が入力された場合は、購入者によって指定された組番(買い目)を削除した組番(買い目)の投票券の発券処理を行う(ステップT3−4)。
ステップT3−4で正常に発券処理が行われた場合、投票端末18−1は、投票券を放出する(ステップT3−5)。発券処理に異常が発生した場合は、ホストシステム18−2において、実施された投票及び投入金額を集計値から減算して、通常の投票と同様の発券処理手順で再試行する。
ステップT3−5で投票券を放出した後、組番選定の際に使用した「オッズ情報」の格納データ領域を初期化(クリア)する等の後処理を行う(ステップT3−6)。その後、図1のステップT1−2に戻り、同様の処理を繰り返す。
次に[ホストシステムの処理手順]について説明する。ホストシステム18−2の現金系ホスト18−21は、投票端末18−1から要求された「開催情報」を投票端末18−1へ送信する(図1のステップC1−1)。また、現金系ホスト18−21は、「開催情報」に変更が発生した場合、投票端末18−1からの「開催情報」の再要求時に、投票端末18−1へ再度「開催情報」を送信する(ステップC1−2)。
ホストシステム18−2の情報系ホスト18−22は、投票端末18−1から「レース情報(騎手情報)」の取得要求が到来すると、情報系ホスト18−22の記憶装置に記憶されている「レース情報(騎手情報)」を投票端末18−1へ応答する(図1のステップI1−1)。
「レース情報(騎手情報)」に変更が発生した場合、投票端末18−1から「レース情報(騎手情報)」の再要求時に、投票端末18−1へ再度「レース情報(騎手情報)」を送信する(ステップI1−2)。また、情報系ホスト18−22は、投票端末18−1から「オッズ情報」の取得要求が届いた時点の要求レースの「単勝オッズ」を投票端末18−1応答する(図2のステップI2−1)。
以上、「騎手名ながし投票」の全体の手順について説明した。前述の課題が本実施形態によりどのように解決されるかについて以下に説明する。まず、課題(A)の解決について説明する。
購入者の操作としては、図1のステップP1−2で行う「騎手名ながし投票」の記入ルールに従って、1枚のマークカードに記入し、ステップP1−3で「騎手名ながし投票釦」を押下し、投票端末18−1のステップT1−1〜T2−1の処理により表示される騎手一覧の表示を見て、特定の騎手名を釦操作で選定するだけで、その日に開催される複数のレースの「騎手名ながし投票」の投票券の購入操作を簡単に行うことができる。
次に、課題(B)の解決について説明する。投票券の多くの購入者は、大抵、「勝ち馬予想」を行い、より的中率の高いと予想される競走馬の投票券を購入するので、投票券の購入者の予想結果が、最終的には投票票数(即ち、オッズ)として表現される。特に単勝オッズは、勝ち馬の人気順位を表す指標として使用される。
したがって、購入者が選定した騎手が騎乗する競走馬の馬番を軸とする組番(買い目)として、単勝オッズにより表される人気順の上位の競走馬から順に購入組番に自動的に抽出することにより、的中確率のより高い組番を購入者に表示することができ、競走馬の知識に乏しい購入者でも、的中確率のより高い組番を簡単に選定することが可能となる。この機能は、投票端末18−1のステップT2−3によるオッズ情報取得と、ステップT2−6,T3−1における騎手名を軸とする購入組番(買い目)の生成とその表示の処理とにより実現される。
次に、課題(C)の解決について説明する。上述の課題(B)の解決の処理で説明した、単勝オッズにより表される人気の上位から購入組番に選定する処理を、1枚の既存のマークカード(通常投票形式)の記入情報の読み取りを基に実現する。購入者の操作としては、図1のステップP1−2において、「騎手名ながし投票」の記入ルールに従って、投票券購入に必要な最少の情報を1枚のマークカードに記入(マーク)する。
投票端末18−1は、「騎手名ながし投票釦」が押下された場合、通常投票とは異なるルールで、マークカードの記入情報の解釈(意味づけ)を行って、マークカードの記入情報を展開する。この処理は、ステップT2−6で実施される。したがって、複数のレース分のマークカードを用意することなく、1枚のマークカードの記入により、複数のレース分の投票券を発券することができる。
なお、マークカードの読取機能は、競技種別に関係なく、投票端末18−1のファームウェアにより実装されており、投票端末18−1のアプリケーションプログラムの変更によって、「騎手名ながし投票」に対応したルールに基づいた記入情報の展開を行うことができる。また、投票端末18−1でマークカードの記入情報の展開を行うことにより、ホストシステム18−2側での対応も不要である。
次に、上述の「騎手名ながし投票」を実現するための個々の手段の詳細について説明する。まず、「騎手名ながし投票」のマークカードの記入ルールについて説明する。「騎手名ながし投票」の投票券の購入者は、「騎手名ながし投票」の記入ルールに基づき、マークカードに情報を記入する。従来は、購入するレース数分のマークカードに記入する必要があったが、本実施形態におけるマークカードの記入ルールでは、マークカード1枚だけに記入すれば良い。
この記入ルール1として、マークカードに「競技場名」は記入しなくてもよいものとする。記入ルール2として、マークカードに「レース番号」が記入されていない場合は「全レースを購入対象とする」ものとし、「レース番号」が記入されている場合は記入されたレース番号のみ購入対象とするものとする。
記入ルール3として、「単勝」「複勝」「枠連複」「枠連単」「馬連複」「馬連単」「ワイド」「3連複」「3連単」等の式別を必ず記入する(通常通り)。記入ルール4として、1ベットあたりの金額を数字と単位を組み合わせて記入する(通常通り)。
記入ルール5として、「1着」「2着」「3着」の馬番(枠番)の欄を記入する。「1着」の欄は記入しなくてよい。式別が連複連単(枠/馬/ワイド)の場合は「2着」の欄にマークする。式別が3連(3連複/3連単)の場合は「2着」の欄と「3着」の欄にマークする。
記入ルール6として、記入ルール5で記入する「2着」「3着」の馬番(枠番)の欄に人気順位の番号を記入する。通常投票の場合は、「2着」「3着」の馬番(枠番)の欄は「馬番(枠番)」を表すが、「騎手名ながし投票」の場合は、「単勝人気順位」(1位〜16位)の番号を表すものとする。なお、単勝人気順位の番号はここでは1位〜16位としたが番号の最大数はこれに限定されるものではない。
投票端末18−1は、「騎手名ながし投票」の投票券の発券処理中は、読取ったマークカードの記入情報を、「騎手名ながし投票」のマークカードの記入ルールに基づいた意味づけで展開し、投票端末18−1の内部メモリへ格納する。
投票端末18−1は、指定された特定の騎手を軸として、この馬番(枠番)の欄にマークされた単勝オッズ人気順位の競走馬に「ながし投票」するよう、組番(買い目)を生成する。なお、式別が3連複/3連単の場合は、「2着欄」に塗られたマーク番号及び「3着欄」に塗られたマーク番号の組み合わせを購入組番(買い目)として生成する。
次に「騎手名ながし投票」の投票券の発券時の画面の表示例について説明する。なお、画面の表示例のみを記載するが、それらを表示するためのプログラムは適宜生成可能であることはいうまでもない。図4の(a)は投票端末18−1のアイドル画面の表示例を示す。アイドル画面には、「騎手名ながし投票」画面に遷移するための「騎手名ながし投票釦」4−1を表示する。
図4の(b)は騎手名選定の表示画面の例を示す。「騎手名ながし投票釦」4−1を押下すると、図4の(b)に示すような騎手名一覧を表示し、購入者は表示された騎手名一覧の中から特定の騎手名を選定する。ここで、騎手名1が選定されたものとする。
すると、図5(a)に示すように、選定した騎手名1が出走するレース番号が表示される。図5(a)の例では、騎手名1は、レース番号1,2,3,4,6,7,9,10のレースに出走することを示している。購入者は画面の右側に表示される番号釦を操作して、購入を控えるレース番号を指定する。
投票端末18−1は、その後、ホストシステム18−2と投票券発売情報を交信し、その間、図示省略の「交信中」を示す画面を表示し、図5の(b)に示す購入確認の画面を表示する。図5の(b)は、或る一つのレースにおける購入対象の投票券の組番(買い目)の例を示している。前述の騎手名1は馬番2に騎乗し、該馬番2を軸として、オッズの人気順の3番、13番、8番、6番、10番の競走馬を相手として組み合わせた投票券の表示例を示している。
購入者は、この表示画面を見て、購入を控えたい組番の右側にある削除の釦を押下して、一部の組番を削除することができる。購入者は、この表示画面を確認した後、購入を承諾する「購入(OK」の釦又は購入をキャンセルする「中止」の釦を押下する。
投票端末18−1は、「購入(OK」の釦が押下されたことを検出すると、図示省略の「発券中」を示す画面を表示した後、投票券の放出及び釣銭の返却を示す画面を表示する。「中止」の釦が押下された場合は、マークカードの返却及び投入金の返金を示す画面(図示省略)を表示する。
上述の説明では、「騎手名ながし投票」の投票券の発券処理を、主に投票端末18−1で実行する実施形態について説明したが、ホストシステム18−2に「騎手名ながし投票」の投票券の発券処理を実行させるためのプログラムを用いる実施形態としてもよい。
また、投票端末18−1として、タッチパネル等を備え、マークカードの記入情報と同等の投票情報を入力することができる投票情報入力手段を備えた情報端末機器や携帯端末等を用い、それらの情報端末機器や携帯端末等とインターネットを介して接続されるWebサーバに「騎手名ながし投票」の投票券の発券処理を実行させるプログラムを用いる実施形態としてもよい。
図6に本発明の「騎手名ながし投票」を可能にするシステム構成例を示す。図6に示すように、顧客端末6−1と既存の競技場の投票システム6−2と本発明適用のWebサーバ6−3と本発明適用の競技場の投票システム6−4と銀行システム6−5とをインターネット6−6を介して接続可能なように構成する。なお、図中ISPはインターネット接続業者である。
顧客端末6−1として、パーソナルコンピュータ6−11とマークカード読取り装置6−12とモバイル端末6−13等を用い、パーソナルコンピュータ6−11にマークカードを読取るアプリケーションプログラムを実装する。なお、顧客端末6−1には、タッチパネル等を備え、マークカードの記入情報と同等の投票情報を入力することができる情報端末機器や携帯端末等を用いてもよい。
そして、インターネット6−6を介して、本発明の「騎手名ながし投票」の投票券発券の処理を実行可能なWebサーバ6−3に接続し、本発明による「騎手名ながし投票」の投票券の発券処理をWebサーバ6−3のホストコンピュータ6−31に実行させる。なお、Webサーバ6−3の記憶装置6−32は、投票履歴データベース、払戻データベース、開催情報データベース、レース情報データベース、取込み投票券履歴データベース、等を記憶する。
Webサーバ6−3と銀行システム6−5とは、銀行の専用回線で接続され、顧客端末6−1を用いて購入した投票券の代金は、Webサーバ6−3と銀行システム6−5のコンピュータ6−51との連係処理により、顧客端末6−1を用いる顧客の銀行口座か6−52ら引き落とされるように構成することができる。こうすることにより、顧客端末6−1を用いて、購入者は、前述の投票端末18−1を用いて購入する場合と同様に、簡易に「騎手名ながし投票」の投票券を購入することができる。
また、既存の競技場の投票システム6−2では、既存の発券機6−22が投票システム6−2のホストコンピュータ6−21にLAN回線又は独自回線により接続され、既存の発券機6−22はマークカードの読取り機能を有している。
そこで、インターネット6−6を介して、ホストコンピュータ6−21を本発明の「騎手名ながし投票」の投票券発券の処理を実行可能なWebサーバ6−3又は本発明適用の競技場の投票システム6−4に接続し、本発明による「騎手名ながし投票」の投票券の発券処理を本発明適用のWebサーバ6−3又は投票システム6−4に実行させ、既存の競技場の投票システム6−2で本発明による「騎手名ながし投票」の投票券を購入することができるよう構成することができる。
本発明を適用した競技場の投票システム6−4では、前述したように「騎手名ながし投票」の投票券発券の主な処理を投票端末18−1で実行するようにしてもよいが、投票端末18−1として既存の発券機6−41を使用し、本発明による「騎手名ながし投票」の投票券発券の処理を投票システムのホストシステム6−42に実行させる構成としてもよい。なお、既存の発券機6−41とホストシステム6−42とは、LAN回線又は独自回線により接続される。
以上説明したように、本発明による「騎手名ながし投票」の投票券の発券処理は、投票端末18−1として発券機6−41で実行させるようにしてもよいし、投票システムのホストシステム6−42で実行させるようにしてもよいし、Webサーバ6−3などで実行させるようにしてもよく、本発明による発券処理を実行させるためのプログラムを実装した装置又は発券処理の手段を備えた装置を投票券発売装置と称する。
図7〜図9に本発明に関連するトータリゼータシステムのハードウェア構成例を示す。トータリゼータシステムは、現金系ホストサーバ(現用/予備)、情報系ホストサーバ(現用/予備)、投票端末制御サーバ(現用/予備)、及び投票端末がネットワークを介して接続されたシステムとして構成することができる。
図7は現金系ホストサーバ(現用/予備)のハードウェア構成例を示す。現金系ホストサーバ(現用/予備)は、CPU7−1、メインメモリ7−2、ハードディスクドライブ(HDD)7−3、グラフィック制御チップ7−4、入出力インタフェース7−5、通信インタフェース(現用系)7−6、通信インタフェース(予備系)7−7を備える。
現用系及び予備系のグラフィック制御チップ7−4は、ディスプレイ切替機7−9を介してディスプレイ7−8が接続される。現用系及び予備系の入出力インタフェース7−5には、キーボード(K/B)切替機7−10を介してキーボード(K/B)7−11が接続される。また、現用系及び予備系の入出力インタフェース7−5には、それぞれバックアップ装置7−12が接続される。
また、現用系及び予備系の入出力インタフェース7−5には、ネットワークストレージ(現用系)7−13、ネットワークストレージ(予備系)7−14が接続される。また、現用系及び予備系の通信インタフェース(現用系)7−6は、ネットワーク(現用系)7−15が接続され、現用系及び予備系の通信インタフェース(予備系)7−7は、ネットワーク(予備系)7−15が接続される。
情報系ホストサーバ(現用/予備)のハードウェア構成も、現金系ホストサーバ(現用/予備)と同様の構成とすることができる。複数個所の競技場の投票端末に対して発券処理を制御する共通の投票センタのサーバの場合は、CPUやメモリなどの搭載数が、ホストサーバよりも多く実装される。
図8は投票端末制御サーバ(現用/予備)のハードウェア構成例を示す。投票端末制御サーバ(現用/予備)は、CPU8−1、メインメモリ8−2、ハードディスクドライブ(HDD)8−3、グラフィック制御チップ8−4、入出力インタフェース8−5、通信インタフェース(現用系)8−6、通信インタフェース(予備系)8−7を備える。
現用系及び予備系のグラフィック制御チップ8−4には、ディスプレイ切替機8−9を介してディスプレイ8−8が接続される。現用系及び予備系の入出力インタフェース8−5には、キーボード(K/B)切替機8−10を介してキーボード(K/B)8−11が接続される。
また、現用系及び予備系の入出力インタフェース8−5には、投票端末接続ボード8−12が接続される。また、現用系及び予備系の通信インタフェース(現用系)8−6には、ネットワーク(現用系)8−13が接続され、現用系及び予備系の通信インタフェース(予備系)8−7には、ネットワーク(予備系)8−14が接続される。
図9に投票端末機の構成例を示す。投票端末機900は、CPU9−1、メインメモリ9−2、ハードディスクドライブ(HDD)9−3、専用通信インタフェース9−4、電源装置9−5、グラフィック制御チップ9−6、入出力インタフェース9−7、通信インタフェース(現用系)9−8、通信インタフェース(予備系)9−9を備える。
投票端末機900は、専用通信インタフェース9−4により投票端末接続ボード901に接続され、該投票端末接続ボード901を介して、投票端末制御サーバ902に接続される。専用通信インタフェース9−4を搭載しない投票端末機900の場合は、一般的な通信インタフェース(LAN)を使用するようにしてもよい。
投票端末接続ボード901には、1枚当たり百数十台の投票端末機900が接続可能である。投票端末機900の動作は、投票端末制御サーバ902により制御される。なお、図9に記載の投票端末接続ボード901は、図8に示した投票端末接続ボード8−12に相当する。
投票端末機900のグラフィック制御チップ9−6は、購入者用ディスプレイ9−10及び保守員用ディスプレイ9−11に接続される。投票端末機900の入出力インタフェース9−7には、購入者用タッチパネル9−12、保守員用タッチパネル9−13、投票券読取ユニット9−14、マークカード読取ユニット9−15、投票券発券ユニット9−16、硬貨還流ユニット9−17、紙幣還流ユニット9−18、IC・磁気カードR/Wユニット9−19、汎用入出力装置9−20、3色ランプ&スイッチ9−21、QRリーダユニット9−22が接続される。QRリーダユニット9−22はオプションで接続するようにしてもよい。
投票端末機900の通信インタフェース(現用系)9−8及び通信インタフェース(予備系)9−9には、それぞれネットワーク(現用系)9−23、ネットワーク(予備系)9−24が接続される。
図10に現金系ホストシステム、情報系ホストシステム及び投票端末接続システムのハードウェア機器の搭載構成例を示す。これらのハードウェア機器は、通常、ラックマウントに搭載され設置される。図10では、1セット分しか示していないが、競技場の規模に応じて複数セット設置される場合がある。
現金系ホストシステムのラック10−1には、専用線又は公衆回線に接続されるONU(現用系/予備系)、ファイアーウォール(現用系/予備系)、ネットワークルータ(現用系/予備系)、ネットワークHUB(現用系/予備系)、現金系ホストサーバ(現用系/予備系)、バックアップ装置(現用系/予備系)、CRT/KB切替機、フラットディスプレイ、ネットワークストレージ(現用系/予備系)、UPSユニット(現用系/予備系)が搭載される。
情報系ホストシステムのラック10−2には、専用線又は公衆回線に接続されるONU(現用系/予備系)、ファイアーウォール(現用系/予備系)、ネットワークルータ(現用系/予備系)、ネットワークHUB(現用系/予備系)、情報系ホストサーバ(現用系/予備系)、バックアップ装置(現用系/予備系)、CRT/KB切替機、フラットディスプレイ、ネットワークストレージ(現用系/予備系)、UPSユニット(現用系/予備系)が搭載される。
投票端末接続システムのラック10−3には、ネットワークHUB(現用系/予備系)、CRT/KB切替機、投票端末接続サーバ(現用系/予備系)、投票端末接続装置(#1〜#N)、UPSユニットが搭載される。投票端末接続装置(#1〜#N)は、投票端末機の接続台数に応じて搭載数が増減する。
図11は本発明の現金系ホストシステムの機能ブロック構成例を示す。図11に示すように、現金系ホストシステムは、通信処理機能部11−1、運用制御機能部11−2、開催情報管理機能部11−3、投票処理機能部11−4、払戻処理機能部11−5、開催情報データベース11−6、投票履歴データベース11−7、払戻履歴データベース11−8等を備える。
通信処理機能部11−1は、クライアント要求通信、投票システム関連通信(開催情報等)、投票・照会通信(投票・払戻の照会等)、クライアント通信等の通信を行い、それらの通信情報は、開催情報管理機能部11−3、投票処理機能部11−4、払戻処理機能部11−5に与えられる。
開催情報管理機能部11−3、投票処理機能部11−4、払戻処理機能部11−5は、通信処理機能部11−1から取得される通信情報に従って、開催情報管理、投票処理、払戻処理をそれぞれ行い、処理した情報を、開催情報データベース11−6、投票履歴データベース11−7、払戻履歴データベース11−8にそれぞれ格納する。
図12は本発明の情報系ホストシステムの機能ブロック構成例を示す。図12に示すように、情報系ホストシステムは、通信処理機能部12−1、運用制御機能部12−2、開催情報管理機能部12−3、騎手情報処理機能部12−4、過去レース管理機能部12−5、開催情報(オッズ等)データベース12−6、騎手情報データベース12−7、過去レース情報データベース12−8等を備える。
通信処理機能部12−1は、クライアント要求通信、投票システム関連通信(制御・指令等)、開催情報関連通信(騎手名、競走成績等)、クライアント通信等の通信を行い、それらの通信情報は、開催情報管理機能部12−3、騎手情報処理機能部12−4、過去レース管理機能部12−5に与えられる。
開催情報管理機能部12−3、騎手情報処理機能部12−4、過去レース管理機能部12−5は、通信処理機能部11−1から取得される通信情報に従って、開催情報管理、騎手情報処理、過去レースの情報管理をそれぞれ行い、処理した情報を、開催情報(オッズ情報等)データベース12−6、騎手情報データベース12−7、過去レース情報データベース12−8にそれぞれ格納する。
図13は本発明の投票端末の機能ブロック構成例を示す。図13に示すように、投票端末は、投票券読取機能部13−1、投票券発券機能部13−2、マークカード読取機能部13−3、現金受付放出機能部13−4、ICカード受付放出機能部13−5、開催情報管理機能部13−6、発券処理機能部13−7、払戻処理機能部13−8、現金管理機能部13−9、端末管理機能部13−10、騎手名ながし投票機能部13−11、ホスト通信機能部13−12、現金系/情報系情報記憶部13−13、端末設定情報記憶部13−14、通信データ生成処理部13−15等を備える。
投票券読取機能部13−1は、挿入された投票券を読み取る機能を有する。投票券発券機能部13−2は、購入者に投票券を発券する機能を有する。マークカード読取機能部13−3は、購入者により挿入されたマークカードを読取る機能を有する。現金受付放出機能部13−4は、投入された現金を受け付け、また、現金又は釣銭を放出する機能を有する。ICカード受付放出機能部13−5は、投入されたICカード(会員カード等)を受け付け、また放出する機能を有する。
開催情報管理機能部13−6は、競技の開催情報を管理する機能を有し、発券処理機能部13−7は、投票券を発券する機能を有し、払戻処理機能部13−8は、的中投票券に対する払戻しの機能を有し、現金管理機能部13−9は、投入された現金を管理する機能を有し、端末管理機能部13−10は、投票端末の動作を管理する機能を有する。
騎手名ながし投票機能部13−11は、本発明による前述の「騎手名ながし投票」による投票券を処理する機能を有する。ホスト通信機能部13−12は、現金系ホストサーバ又は情報系ホストサーバと開催情報やレース情報等を通信する機能を有する。
現金系/情報系情報記憶部13−13は、現金系ホストシステムからの情報として、開催情報、発券情報、読取情報、現金情報等を記憶し、情報系ホストシステムからの情報として、オッズ情報、騎手情報、過去レース情報等を記憶する。端末設定情報記憶部13−14は、投票端末の設定情報を記憶する。通信データ生成処理部13−15は、現金系ホストサーバ又は情報系ホストサーバと通信する通信データを生成する。
図14は騎手名ながし投票の投票券情報の例を示す。投票券情報として、「場名ID(例.1010)」、「場名(例.AAA競馬場)」、「施行者ID(例.9999)」、「施行者名(例.BBB株式会社)」、「開催日(例.2011年12月09日の場合20111209)」、「購入レース番号(例.第1レースの場合01)」、「購入レース名(例.○×△記念GI)」、「購入投票券情報」として「投票賭式(例.001:単勝、002:複勝、003:枠複、004:馬複、等)」、「投票形式(例.01:通常、02:ながし、03:ボックス、04:フォーメーション(軸1頭)等)」、「投票組番(例.3連勝(01−02−03)の場合010203、2連勝(01−02)の場合010200、単勝(01)の場合010000)」、「購入金額(例.1000円の場合001000)」の情報が扱われる。これらの情報は、既存の投票券情報と同様である。なお、図中太線で囲んだ「購入投票券情報」は、購入した件数分発生する。
図15は騎手名ながし投票の競技情報の例を示す。競技情報として、「場名ID(例.1010)」、「場名(例.AAA競馬場)」、「施行者ID(例.9999)」、「施行者名(例.BBB株式会社)」、「開催日(例.2011年12月09日の場合20111209)」、「レース情報」として「レース番号(例.第1レースの場合01)」、「レース名(例.○×△記念GI)」、「騎手ID_01番(例.001234)」、・・・「騎手ID_18番(例.002234)」、「騎手名_01番(例.競馬一郎)」、・・・「騎手名_18番(例.馬券二郎)」、「競走馬ID_01番(例.456)」、「競走馬ID_18番(例.678)」、「馬名_01番(例.ナガシトウヒョウ)」、「馬名_18番(例.クイックトウヒョウ)」、「単勝オッズ取得時刻(例.14時30分56秒の場合143056)」、「単勝オッズ_01番(例.5.7倍)」、・・・「単勝オッズ_18番(例.23.4倍)」の情報が扱われる。図15の破線で囲まれたレース情報は、最大で12レース分取得される。
図16に騎手名ながし投票における購入組番(買い目)の選定のフロー例を示す。本実施形態において、「騎手名にながし投票」の記入ルールでは、「相手組番」が、実際の「枠番」「馬番(選手番号、舟番等)」ではなく、「単勝オッズの人気順の番号」として指定される。
そのため、指定された(マークされた)番号を、実際に購入すべき馬番の組番へ、本発明の「騎手名ながし投票機能」により変換する。以下に、「単勝人気オッズ順」の番号から「購入する組番」へ変換する処理について説明する。
まず、投票端末は、マークカード情報を読取り(ステップ16−1)、読取ったマークカード情報をメモリに保存する(ステップ16−2)。このマークカードの読取りに際して、購入者により「騎手名ながし投票」が選択されていたか否かをチェックし(ステップ16−3)、「騎手名ながし投票」が選択されていた場合(ステップ16−3でYESの場合)、騎手名ながし投票用マークカードとして、該マークカードの記入情報の展開処理を行う(ステップ16−4)。マークカードの記入情報の展開については、図17を参照して後述する。
そして、「単勝人気オッズ順」の番号が記入されたマークカード記入情報から、実際に購入すべき騎手名の馬番を軸とする相手馬番の組番を生成する(ステップ16−5)。「騎手名ながし投票」が選択されていない場合(ステップ16−3でNOの場合)は、通常のマークカード情報の展開処理を行い(ステップ16−6)、通常の組番生成処理を行う(ステップ16−7)。
そして、投票端末は現金系投票ホストへ問合せて、生成した組番の投票券について照会し(ステップ16−8)、投票券の発券処理を行い(ステップ16−9)、投票券放出、釣銭放出等の発売終了処理を行う(ステップ16−9)。
図17に騎手名ながし投票用マークカードの記入情報の展開処理の例を示す。図17は、応援する特定の騎手が「1番」の競走馬に騎乗するものとし、賭式として「馬番連勝複式(馬連)」が指定されている例を掲載している。ここで、マークカード情報やオッズ情報の変換処理を行うために一時的に格納するメモリ領域を、「テーブル」と表記する。
図17の(a)は、マークカード情報テーブルを示し、マークカード情報テーブル17−1の「1着欄」には、レース情報を基に騎手名から探索されたその騎手の競走馬の番号「1」が格納される。マークカード情報テーブル17−1の「2着欄」には、購入者が選定したオッズ人気順位の「1番、2番、4番、17番、18番」が格納される。馬連のため、マークカード情報テーブル17−1の「3着欄」にデータはセットされない。
マークカード情報テーブル17−1の格納データを基に、図17の(b)に示すように、購入組番テーブル17−2の「人気」の欄に、人気順位の番号「1、2、4、17、18」を、1着の馬番「1」と組み合わせて格納する。
図17の(c)は、単勝オッズ人気順位テーブルを示し、単勝オッズ人気順位テーブル17−3は、単勝オッズ人気順位に対応付けて枠番、馬番、単勝オッズのデータを格納している。そこで、図17の(d)に示すように、購入組番テーブル17−2の「馬番」の欄に、単勝オッズ人気順位テーブル17−3を検索して人気順位の番号に対応した馬番を格納する。
即ち、人気順位1番に対応する馬番15、人気順位2番に対応する馬番4、人気順位4番に対応する馬番18、人気順位17番に対応する馬番5、人気順位18番に対応する馬番1を、購入組番テーブル17−2の「馬番」の欄に格納する。
購入組番テーブル17−2の「馬番」の欄に格納された馬番「15,4,18,5,1」を、購入組番テーブル17−2の「2着」の欄に転記する。この展開処理により、「単勝オッズの人気順位の番号」として指定された番号が、購入組番テーブル17−2の「1着」と「2着」との組番として、実際に購入すべき馬番の組番へと変換される。ただし、5ベット目の組番は「1−1」となり、組番不成立となるため、チェック処理により除外される。
以上説明した実施形態によれば、
(1)投票券購入者が選定する特定の競技者(騎手、選手等)の出走予定のレースを自動的に抽出し、かつ、特定の競技者を購入組番(買い目)の軸として、購入組番(買い目)を適宜選定して投票することができる投票券発売装置及びプログラムが提供され、また、投票券購入者が特定の競技者の出走レース数分だけのマークカードを用意する等の労力を低減することができる。
(2)特定の競技者の愛好者に対して、一般的な「勝ち馬予想」を行う競馬愛好者と同等の的中率の高い相手組番を簡易に選定することを可能にする。
(3)本実施形態の「騎手名ながし投票」の発券機能を実現させるプログラムをインターネットにWebサーバ等に実装することにより、クイックピック投票のような間欠サービスではなく、恒常的にサービスを提供することができる。
(4)また、クイックピック投票が提供されていない競技場でも、上述の相手組番の選定サービスを受けることができるネットワークシステムを容易に構築することが可能となる。
なお、本実施形態の説明において、「競技者名ながし投票」の具体例として競馬の場合を例に「騎手名ながし投票」の処理について説明したが、本発明は、競馬だけでなく、競輪(選手)、競艇(選手)、及びオートレース(選手)等における「選手名ながし投票」に対しても同様に適用が可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上に述べた実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成又は実施形態を取ることができる。