JP2015161842A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着ベルトの端部の座屈を抑制する。【解決手段】本発明の定着装置は、回転可能に設けられる定着ベルト22と、定着ベルト22に圧接して定着ニップ90を形成し、回転可能に設けられる加圧部材23と、加圧部材23との間に定着ベルト22を挟み込むように配置され、回転可能に設けられる加熱部材24と、加圧部材23との間に定着ベルト22を挟み込むように配置され、定着ベルト22を加圧部材23側に向かって押圧する押圧部材と、加熱部材24と同軸上に設けられ、定着ベルト22の端部22a、22bの外側に配置されるフランジ29と、加熱部材24との間に定着ベルト22の端部22a、22bを挟み込むように配置される補強部材30と、を備えていることを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、記録媒体にトナー像を定着させる定着装置と、この定着装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、複写機やプリンターなどの電子写真方式の画像形成装置は、用紙などの記録媒体にトナー像を定着させる定着装置を備えている。この定着装置の中には、ベルト定着方式を採用するものが存在する。ベルト定着方式とは、定着ベルトと加圧部材(例えば、加圧ローラー)を圧接させて定着ニップを形成する方式である。
例えば、特許文献1には、回転可能に設けられる定着ベルトと、定着ベルトに圧接して定着ニップ(特許文献1の「加熱ニップ部Na」参照)を形成する加圧部材(特許文献1の「加圧ローラ17b」参照)と、加圧部材との間に定着ベルトを挟み込むように配置される加熱部材(特許文献1の「張架ローラ17a」参照)と、加圧部材との間に定着ベルトを挟み込むように配置される押圧部材(特許文献1の「摺動体SDa」参照)と、を備えた定着装置が開示されている。
特開2003−302852号公報
特許文献1のような構成の定着装置では、各構成部品の個体差等に起因して、定着ベルトを片側(一端側又は他端側)に寄せる力が不可避的に発生する。これに伴って、定着ベルトが片側に大きく寄ると、定着ベルトの端部の外側に配置されたフランジに定着ベルトの端部が接触し、定着ベルトの端部が座屈する恐れがある。
本発明は上記事情を考慮し、定着ベルトの端部の座屈を抑制することを目的とする。
本発明の定着装置は、回転可能に設けられる定着ベルトと、前記定着ベルトに圧接して定着ニップを形成し、回転可能に設けられる加圧部材と、前記加圧部材との間に前記定着ベルトを挟み込むように配置され、回転軸を中心に回転可能に設けられる加熱部材と、前記加圧部材との間に前記定着ベルトを挟み込むように配置され、前記定着ベルトを前記加圧部材側に向かって押圧する押圧部材と、前記加熱部材と同軸上に設けられ、前記回転軸方向において前記定着ベルトの端部の外側に配置されるフランジと、前記加熱部材との間に前記定着ベルトの前記端部を挟み込むように配置される補強部材と、を備えていることを特徴とする。
このような構成を採用することで、加熱部材、フランジ及び補強部材によって定着ベルトの端部を3方向から囲むことが可能となる。これに伴って、定着ベルトが片側(一端側又は他端側)に寄った際に定着ベルトの端部がフランジに接触したとしても、定着ベルトの端部が座屈しにくくなる。
前記補強部材は、前記定着ベルトの回転に従動して回転しても良い。
このような構成を採用することで、定着ベルトの端部と補強部材の間の摩擦を抑制することができる。これに伴って、定着ベルト及び補強部材の長寿命化を図ることが可能となる。
前記補強部材は、前記定着ベルトを摺動可能に支持しても良い。
このような構成を採用することで、定着ベルトと補強部材の接触面積を大きくすることが可能となり、定着ベルトの端部の座屈を一層効果的に抑制することが可能となる。
前記補強部材を前記定着ベルトの前記端部に押し付ける付勢体を更に備えていても良い。
このような構成を採用することで、定着ベルトの端部と補強部材の接触の安定性を確保することができる。これに伴って、定着ベルトの端部の座屈を一層効果的に抑制することが可能となる。
前記フランジは、前記加熱部材と一体に形成されていても良い。
このような構成を採用することで、定着装置の部品点数を削減し、定着装置の製造コストを低廉化することが可能となる。
前記フランジは、前記加熱部材と別体に形成されていても良い。
このような構成を採用することで、加熱部材の形状の複雑化を回避することが可能となる。
前記補強部材は、前記加熱部材を挟んで前記加圧部材の反対側に配置されていても良い。
このような構成を採用することで、定着ベルトの端部の座屈をより一層効果的に抑制することが可能となる。
本発明の画像形成装置は、上記したいずれかの定着装置を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、定着ベルトの端部の座屈を抑制することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係るプリンターの概略を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る定着装置を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る定着装置を示す斜視図である。 図2のIV−IV断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る定着装置において、押圧部材を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る定着装置において、展開した状態のシート部材を示す平面図である。 本発明の他の異なる実施形態に係る定着装置を示す断面図である。 本発明の他の異なる実施形態に係る定着装置を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る定着装置を示す断面図である。 図9のX−X断面図である。
<第1の実施形態>
まず、図1を用いて、プリンター1(画像形成装置)の全体の構成について説明する。
プリンター1は、箱型形状のプリンター本体2を備えており、プリンター本体2の下部には、用紙(記録媒体)を収納する給紙カセット3が収容され、プリンター本体2の上面には排紙トレイ4が設けられている。プリンター本体2の上面には、排紙トレイ4の側方に上カバー5が開閉可能に取り付けられ、上カバー5の下方にはトナーコンテナ6が収納されている。
プリンター本体2の上部には、レーザー・スキャニング・ユニット(LSU)で構成される露光器7が排紙トレイ4の下方に配置され、露光器7の下方には、画像形成部8が設けられている。画像形成部8には、像担持体である感光体ドラム10が回転可能に設けられており、感光体ドラム10の周囲には、帯電器11と、現像器12と、転写ローラー13と、クリーニング装置14とが、感光体ドラム10の回転方向(図1の矢印X参照)に沿って配置されている。
プリンター本体2の内部には、用紙の搬送経路15が設けられている。搬送経路15の上流端には給紙部16が設けられ、搬送経路15の中流部には、感光体ドラム10と転写ローラー13によって構成される転写部17が設けられ、搬送経路15の下流部には定着装置18が設けられ、搬送経路15の下流端には排紙部19が設けられている。搬送経路15の下方には、両面印刷用の反転経路20が形成されている。
次に、このような構成を備えたプリンター1の画像形成動作について説明する。
プリンター1に電源が投入されると、各種パラメーターが初期化され、定着装置18の温度設定等の初期設定が実行される。そして、プリンター1に接続されたコンピューター等から画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、以下のようにして画像形成動作が実行される。
まず、帯電器11によって感光体ドラム10の表面が帯電された後、露光器7からのレーザー光(図1の二点鎖線P参照)により感光体ドラム10に対して画像データに対応した露光が行われ、感光体ドラム10の表面に静電潜像が形成される。次に、この静電潜像を、現像器12がトナーによりトナー像に現像する。
一方、給紙部16によって給紙カセット3から取り出された用紙は、上記した画像形成動作とタイミングを合わせて転写部17へと搬送され、転写部17において感光体ドラム10上のトナー像が用紙に転写される。トナー像を転写された用紙は、搬送経路15を下流側へと搬送されて定着装置18に進入し、この定着装置18において用紙にトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙は、排紙部19から排紙トレイ4に排出される。なお、感光体ドラム10上に残留したトナーは、クリーニング装置14によって回収される。
次に、図2〜図5を用いて、定着装置18について詳細に説明する。以下、説明の便宜上、図2における紙面手前側を定着装置18の前側(正面側)とする。図2の矢印Yは、用紙の搬送方向を示している。各図に適宜付される矢印Frは、定着装置18の前側(正面側)を示している。図4の矢印Iは前後方向内側を示し、図4の矢印Oは前後方向外側を示している。
図2、図3に示されるように、定着装置18は、定着フレーム21と、定着フレーム21の上部に内設される定着ベルト22と、定着フレーム21の下部に内設される加圧ローラー23(加圧部材)と、定着ベルト22の径方向内側に配置される加熱ローラー24(加熱部材)と、加熱ローラー24の径方向内側に配置されるヒーター25(熱源)と、定着ベルト22の径方向内側において加熱ローラー24の右側(用紙搬送方向における上流側)に配置される押圧部材26と、定着ベルト22の径方向内側において押圧部材26の右側(用紙搬送方向における上流側)に配置される支持部材27と、定着ベルト22と押圧部材26の間に介装されるシート部材28と、加熱ローラー24の前後両端側に配置されるフランジ29及び補強ローラー30(補強部材)と、を備えている。
図3に示されるように、定着フレーム21は、上フレーム32と下フレーム33によって構成されている。上フレーム32は、下フレーム33に対して昇降可能に設けられている。
定着フレーム21の上フレーム32は、鉛直方向に延びる前後一対の上側ベース板34を備えている。前後一対の上側ベース板34の上端部は、連結フレーム35によって連結されている。各上側ベース板34の上面には、左右一対のコイルバネ36(付勢部材)の下端部が当接している。コイルバネ36は、上フレーム32を下側(下フレーム33側)に付勢している。各上側ベース板34の外面には、支持片37が固定されている。支持片37の左右方向中央部には、取付溝38が凹設されている。各上側ベース板34の内面には、規制板39が固定されている。
定着フレーム21の下フレーム33は、鉛直方向に延びる前後一対の下側ベース板41を備えている。前後一対の下側ベース板41の下部は、連結板42によって連結されている。連結板42の左右両縁部には、ガイド板43が固定されている。各ガイド板43は、左右方向内側に向かって屈曲されて加圧ローラー23の側方まで延びている。各下側ベース板41の外面には、軸受板44が固定されている。
定着ベルト22は、前後方向に長い円筒状を成している。つまり、本実施形態では、前後方向が定着ベルト22の軸線方向である。定着ベルト22は、可撓性を有している。定着ベルト22は、前述のコイルバネ36によって下側(加圧ローラー23側)に付勢されている。
図2に示されるように、定着ベルト22は、上部に緩みのある状態で加熱ローラー24、押圧部材26及び支持部材27に架け渡されている。定着ベルト22は、回転可能に設けられている。図2の矢印Aは、定着ベルト22の回転方向を示している。
定着ベルト22は、例えば、直径24mmである。定着ベルト22は、例えば、基材層と、この基材層に周設される弾性層と、この弾性層を被覆する離型層と、によって構成されている。定着ベルト22の基材層は、例えば、厚さ50μmのPI(ポリイミド)によって形成されている。定着ベルト22の弾性層は、例えば、厚さ200μmのシリコンゴムによって形成されている。定着ベルト22の離型層は、例えば、厚さ10μmのPFAコーティングによって形成されている。なお、各図において、定着ベルト22の各層(基材層、弾性層、離型層)は、特に区別されていない。
加圧ローラー23は、前後方向に長い円柱状を成している。図3等に示されるように、加圧ローラー23は、定着ベルト22の下側(径方向外側)に配置されている。加圧ローラー23の前後両端部は、下フレーム33の各軸受板44に軸支されている。これにより、加圧ローラー23が下フレーム33に回転可能に支持されている。加圧ローラー23の後端部には、伝達ギア51が固定されている。伝達ギア51は、モーター等の駆動源52に接続されている。このような構成により、駆動源52が伝達ギア51を介して加圧ローラー23に接続されており、駆動源52の回転が伝達ギア51を介して加圧ローラー23に伝達され、加圧ローラー23が回転するように構成されている。つまり、駆動源52によって加圧ローラー23を回転させるように構成されている。
図2に示されるように、加圧ローラー23は、例えば、円柱状(中実状)の芯材53と、この芯材53に周設される弾性層54と、を備えている。加圧ローラー23の芯材53は、例えば、アルミニウムなどの金属によって形成されている。加圧ローラー23の弾性層54は、例えば、直径20mm、厚さ5mm、硬度44°の発泡シリコンゴムによって形成されている。加圧ローラー23の弾性層54は、加圧ローラー23の芯材53よりも摩擦係数が高い。
加熱ローラー24は、前後方向に長い円筒状を成している。加熱ローラー24は、加圧ローラー23との間に定着ベルト22を挟み込むように配置されている。加熱ローラー24は、例えば、基材層61と、この基材層61を被覆するコーティング層62と、を備えている。加熱ローラー24の基材層61は、例えば、直径15mm、厚さ1mmのアルミニウムによって形成されている。加熱ローラー24のコーティング層62は、例えば、厚さ50μmのシリコンゴムによって形成されており、加熱ローラー24の基材層61よりも摩擦係数が高い。加熱ローラー24のコーティング層62は、定着ベルト22の内周面に接触している。
加熱ローラー24の前後両端部は、上フレーム32(図3参照)の支持片37にベアリング(図示せず)を介して軸支されている。これにより、前後方向に延びる回転軸S(図3参照)を中心に回転可能となるように加熱ローラー24が上フレーム32に支持されている。つまり、本実施形態では、前後方向が加熱ローラー24の回転軸方向である。
ヒーター25は、前後方向に長い形状を成している。図2に示されるように、ヒーター25は、加熱ローラー24の中央部に収容されている。ヒーター25は、例えば、800Wのハロゲンヒーターによって構成されている。ヒーター25は、通電によって発熱し、加熱ローラー24を加熱するように構成されている。ヒーター25の前後両端部は、上フレーム32(図3参照)の支持片37の取付溝38に挿入されている。これにより、ヒーター25が上フレーム32に支持されている。
押圧部材26は、前後方向に長い形状を成している。押圧部材26の前後両端部は、上フレーム32(図3参照)の各上側ベース板34に固定されている。これにより、押圧部材26が上フレーム32に支持されている。図2、図5に示されるように、押圧部材26は、押圧体67と、押圧体67の上側に配置される装着体68と、を備えている。
押圧部材26の押圧体67は、例えば、液晶ポリマーやPPS(ポリフェニレンサルファイド)などの耐熱性樹脂やアルミニウム、SUS又は鉄などの金属によって形成されている。押圧体67は、加圧ローラー23との間に定着ベルト22を挟み込むように配置されている。押圧体67は、定着ベルト22を下側(加圧ローラー23側)に向かって押圧している。
押圧体67は、ベース部69と、ベース部69の上面に設けられる複数の突出部70と、を備えている。ベース部69は、前後方向に長い板状を成している。ベース部69の上面には、複数の突出部70の形成間隔に突部71が設けられている。ベース部69の下面は、加圧ローラー23の外周面に沿って円弧状に湾曲している。ベース部69の左面(加熱ローラー24側の面)は、下側(加圧ローラー23側)に向かって左側(加熱ローラー24側)に傾斜している。複数の突出部70は、前後方向に間隔をおいて設けられている。各突出部70は、円柱状を成している。各突出部70の上面には、ビス穴72が設けられている。
押圧部材26の装着体68は、例えば、アルミニウム、SUS又は鉄などの金属によって形成されている。装着体68は、前後方向に長い形状を成している。装着体68は、押圧体67を支えるベースフレームとしての機能を果たしている。
装着体68は、鉛直方向に延びる側壁部73と、側壁部73の上端から左側(左右方向内側)に向かって屈曲される上壁部74と、を備えている。上壁部74には、前後方向に間隔をおいて複数の貫通穴76が上下方向に設けられている。そして、各貫通穴76を貫通するビス79が各突出部70のビス穴72に螺合することにより、装着体68が押圧体67に装着されている。
支持部材27は、前後方向に長い形状を成している。図2に示されるように、支持部材27は、加圧ローラー23との間に定着ベルト22を挟み込んでいない。支持部材27は、定着ベルト22の回転方向(図2の矢印A参照)において後述する定着ニップ90の上流側に配置されている。支持部材27の下面(定着ベルト22の回転方向における下流側の面)は、押圧部材26の押圧体67と装着体68の間に挟み込まれた補強板83によって支持されている。
支持部材27は、固定体81と、固定体81の右面(外面)に固定される弾性体82と、を備えている。固定体81は、例えば、アルミニウムやSUSや鉄などの金属又は液晶ポリマーやPPS(ポリフェニレンサルファイド)などの耐熱性樹脂によって形成されている。固定体81は、押圧部材26の装着体68の側壁部73の右面(外面)に固定されている。弾性体82は、例えば、シリコンスポンジ等の弾性材料によって形成されている。弾性体82の右面(外面)には、支持面84が設けられている。支持面84は、定着ベルト22の内周面に接触しており、定着ベルト22を径方向内側から支持している。
図6に示されるように、シート部材28は、前後方向に長い形状を成している。シート部材28は、例えば、ガラスクロスシート等の低摩擦材によって形成されており、押圧部材26及び支持部材27よりも摩擦係数が低い。シート部材28の表面には、PFA等のフッ素系樹脂によるコーティングが施されている。なお、図6の二点鎖線L1は、シート部材28の幅方向一側部28aと幅方向中央部28bの境界を示し、図6の二点鎖線L2は、シート部材28の幅方向中央部28bと幅方向他側部28cの境界を示している。シート部材28の幅方向一側部28aには、複数の取付穴85が前後方向に間隔をおいて形成されている。図2に示されるように、各取付穴85には、押圧部材26の押圧体67の各突出部70が貫通している。これにより、シート部材28の幅方向一側部28aが押圧部材26に固定されている。シート部材28の幅方向一側部28aは、押圧部材26の押圧体67と装着体68の間に挟み込まれている。シート部材28の幅方向中央部28bは、押圧部材26の押圧体67のベース部69の右面(外面)に当接している。シート部材28の幅方向他側部28cは、押圧部材26の押圧体67のベース部69の下面と定着ベルト22の内周面の間に介装されている。
図4に示されるように、各フランジ29は、加熱ローラー24と同軸上に設けられている。各フランジ29は、加熱ローラー24の基材層61と一体に形成されており、加熱ローラー24の基材層61から径方向外側に向かって突出している。各フランジ29の前後方向外側の面は、加熱ローラー24の基材層61の前後方向外側の面よりも前後方向内側に位置している。そのため、各フランジ29の前後方向外側の面と加熱ローラー24の基材層61の前後方向外側の面は、段差状を成している。各フランジ29は、前後方向において定着ベルト22の前後両端部22a、22bの外側に配置されている。各フランジ29は、上フレーム32(図3参照)の各規制板39に係合することで、前後方向への移動を規制されている。
図2等に示されるように、各補強ローラー30は、加熱ローラー24を挟んで加圧ローラー23の反対側に配置されている。各補強ローラー30は、例えば、シリコン、フッ素系樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)等によって形成されている。図4等に示されるように、各補強ローラー30は、加熱ローラー24との間に定着ベルト22の前後両端部22a、22bを挟み込むように配置されている。そのため、定着ベルト22の前後両端部22a、22bは、加熱ローラー24、各フランジ29及び各補強ローラー30によって3方向から囲まれている。
各補強ローラー30は、前後方向に延びるローラー軸88によって回転可能に支持されている。ローラー軸88には、コイルスプリング89(付勢体)が取り付けられている。コイルスプリング89は、ローラー軸88を介して各補強ローラー30を加熱ローラー24の回転軸S側に付勢している。これにより、各補強ローラー30が定着ベルト22の前後両端部22a、22bに押し付けられている。各補強ローラー30の前後方向の幅Wは、例えば、3mm≦W≦20mmであり、少なくとも10mm以上であることが好ましい。各補強ローラー30の前後方向外側の面は、各フランジ29の前後方向内側の面に接触している。
図2に示されるように、定着ベルト22と加圧ローラー23の圧接部分には、定着ニップ90が形成されている。定着ニップ90は、第1ニップ部91と、第1ニップ部91よりも右側に形成される第2ニップ部92と、第1ニップ部91と第2ニップ部92の間に形成される第3ニップ部93と、を備えている。
第1ニップ部91は、加圧ローラー23と加熱ローラー24が定着ベルト22を挟み込む部分に形成されている。第1ニップ部91は、加熱ローラー24によって定着ベルト22の径方向内側からバックアップされている。第1ニップ部91の形成幅は、例えば、1.5mmである。
第2ニップ部92は、加圧ローラー23と押圧部材26の押圧体67が定着ベルト22を挟み込む部分に形成されている。第2ニップ部92は、押圧部材26の押圧体67によって定着ベルト22の径方向内側からバックアップされている。第2ニップ部92は、定着ベルト22の回転方向(図2の矢印A参照)において第1ニップ部91よりも上流側に設けられている。第2ニップ部92にかかる力の総和は、第1ニップ部91にかかる力の総和よりも大きい。つまり、加圧ローラー23と押圧部材26の押圧体67が定着ベルト22を挟み込む力は、加圧ローラー23と加熱ローラー24が定着ベルト22を挟み込む力よりも大きい。第2ニップ部92の形成幅は、例えば9mmである。
第3ニップ部93は、加熱ローラー24の下端部と押圧部材26の押圧体67のベース部69の下端部の間に形成される隙間94と対応する位置に設けられている。そのため、第3ニップ部93は、定着ベルト22の径方向内側からバックアップされていない。第3ニップ部93の形成幅は、例えば、1.5mmである。
上記のように構成された定着装置18において、用紙にトナー像を定着させる際には、駆動源52を駆動させる。このように駆動源52を駆動させると、駆動源52の回転が伝達ギア51を介して加圧ローラー23に伝達され、図2に矢印Bで示されるように、加圧ローラー23が回転する。このように駆動源52によって加圧ローラー23を回転させると、図2に矢印Aで示されるように、加圧ローラー23の回転に従動して定着ベルト22が回転する。また、図2に矢印Cで示されるように、定着ベルト22の回転に従動して加熱ローラー24が回転する。なお、定着ベルト22は、加圧ローラー23と加熱ローラー24に挟み込まれた状態で、押圧部材26側から加熱ローラー24側に向かって回転する。また、上記のように定着ベルト22が回転すると、定着ベルト22の回転に従動して各補強ローラー30が回転する(図2の矢印D参照)。
また、用紙にトナー像を定着させる際には、ヒーター25を稼働(点灯)させる。このようにヒーター25が稼働すると、ヒーター25によって加熱ローラー24が径方向内側から加熱され、加熱ローラー24からの伝熱によって定着ベルト22が径方向内側から加熱される。この状態で、用紙が定着ニップ90を通過すると、トナー像が加熱及び加圧されて用紙に定着する。
ところで、上記のように構成された定着装置18では、各構成部品の個体差等に起因して、定着ベルト22の回転時に定着ベルト22を片側(前端側又は後端側)に寄せる力が不可避的に発生する。これに伴って、定着ベルト22が片側に大きく寄ると、定着ベルト22の前後両端部22a、22bが各フランジ29に接触し、定着ベルト22の前後両端部22a、22bが座屈する恐れがある。
しかしながら、本実施形態では、定着ベルト22の内周面に接触する加熱ローラー24と、定着ベルト22の前後両端部22a、22bの前後方向外側に配置される各フランジ29と、定着ベルト22の前後両端部22a、22bの外周面に接触する各補強ローラー30と、によって定着ベルト22の前後両端部22a、22bが3方向から囲まれている。そのため、定着ベルト22が片側(前端側又は後端側)に寄った際に定着ベルト22の前後両端部22a、22bが各フランジ29に接触したとしても、定着ベルト22の前後両端部22a、22bが座屈しにくくなる。
また、本実施形態では、定着ニップ90以外の領域において定着ベルト22が径方向内側から加熱ローラー24によって広範囲に支持されているため、定着ベルト22が径方向内側には座屈しにくい構成になっている。一方で、定着ニップ90以外の領域において定着ベルト22が径方向外側から十分に支持されていない場合には、定着ベルト22が径方向外側に座屈しやすくなる。しかしながら、本実施形態では、定着ニップ90以外の領域において定着ベルト22が各補強ローラー30によって径方向外側から支持されているため、定着ベルト22が径方向内側だけでなく径方向外側にも座屈しにくくなる。
また、加熱ローラー24、各フランジ29及び各補強ローラー30によって定着ベルト22の前後両端部22a、22bが3方向から囲まれることで、定着ベルト22にかかる応力を、定着ベルト22の前後両端面だけでなく、定着ベルト22の内周面及び定着ベルト22の外周面にも分散させることができる。これに伴って、定着ベルト22の前後両端部22a、22bの座屈を一層確実に抑制することが可能となる。
また、各補強ローラー30が定着ベルト22の回転に従動して回転するため、定着ベルト22の前後両端部22a、22bと各補強ローラー30の間の摩擦を抑制することができる。これに伴って、定着ベルト22及び各補強ローラー30の長寿命化を図ることができる。
また、各補強ローラー30がコイルスプリング89によって定着ベルト22の前後両端部22a、22bに押し付けられている。このような構成を採用することで、定着ベルト22の前後両端部22a、22bと各補強ローラー30の接触の安定性を確保することができる。これに伴って、定着ベルト22の前後両端部22a、22bの座屈を一層効果的に抑制することが可能となる。
また、各フランジ29が加熱ローラー24の基材層61と一体に形成されているため、定着装置18の部品点数を削減し、定着装置18の製造コストを低廉化することが可能となる。
また、各補強ローラー30が加熱ローラー24を挟んで加圧ローラー23の反対側に配置されているため、定着ベルト22の前後両端部22a、22bの座屈をより一層効果的に抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、加熱ローラー24の基材層61よりも摩擦係数が高い加熱ローラー24のコーティング層62を定着ベルト22の内周面に接触させている。このような構成を採用することにより、加圧ローラー23と加熱ローラー24によって定着ベルト22を強力にグリップし、定着ニップ90の第1ニップ部91において定着ベルト22を左側(定着ベルト22の回転方向における下流側)に引っ張ることができる。これに伴って、定着ニップ90の第1ニップ部91と第2ニップ部92の間で定着ベルト22が張架されることになるため、定着ニップ90の第3ニップ部93における定着ベルト22の撓みや座屈を効果的に防止することが可能となり、画像劣化を抑制することができる。
本実施形態では、各フランジ29が加熱ローラー24の基材層61と一体に形成される場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、図7に示されるように、各フランジ29が加熱ローラー24の基材層61と別体に形成されていても良い。このような構成を採用することで、加熱ローラー24の形状の複雑化を回避することが可能となる。なお、各フランジ29が加熱ローラー24の基材層61と別体に形成される場合には、各フランジ29が加熱ローラー24の基材層61に相対回転可能に支持されていても良いし、各フランジ29が加熱ローラー24の基材層61に固定されていても良い。
本実施形態では、各フランジ29の前後方向外側の面と加熱ローラー24の基材層61の前後方向外側の面が段差状を成している場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、各フランジ29の前後方向外側の面と加熱ローラー24の基材層61の前後方向外側の面が面一であっても良い。
本実施形態では、各補強ローラー30の前後方向外側の面が各フランジ29の前後方向内側の面に接触している場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、各補強ローラー30の前後方向外側の面が各フランジ29の前後方向内側の面とわずかな隙間を介して対向していても良い。
本実施形態では、加圧ローラー23に伝達ギア51を固定し、この伝達ギア51を介して加圧ローラー23に駆動源52を接続する場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、図8に示されるように、加熱ローラー24に伝達ギア51を固定し、この伝達ギア51とギア列100を介して加熱ローラー24に駆動源52を接続しても良い。この場合には、駆動源52によって加熱ローラー24を回転させると、加熱ローラー24の回転に従動して定着ベルト22及び加圧ローラー23が回転することになる。
本実施形態では、コイルバネ36(付勢部材)によって定着ベルト22を下側(加圧ローラー23側)に付勢する場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、図8に示されるように、コイルバネ36(付勢部材)によって加圧ローラー23を上側(定着ベルト22側)に付勢しても良い。
本実施形態では、定着ベルト22が上部に緩みのある状態で加熱ローラー24、押圧部材26及び支持部材27に架け渡される場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、定着ベルト22が緩みの無い状態で加熱ローラー24、押圧部材26及び支持部材27に架け渡されていても良い。
本実施形態では、定着ベルト22の基材層が樹脂(PI(ポリイミド))によって形成される場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、定着ベルト22の基材層がSUSやニッケルなどの金属によって形成されていても良い。
本実施形態では、加圧ローラー23が芯材53と弾性層54を備えている場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、加圧ローラー23が、芯材53と弾性層54の他に弾性層54を被覆する離型層を備えていても良い。加圧ローラー23の離型層は、例えば、PFAチューブによって形成される。
本実施形態では、ハロゲンヒーターによって構成されるヒーター25を熱源として用いる場合について説明したが、他の異なる実施形態では、カーボンヒーター、セラミックヒーター又はIHコイルなどを熱源として用いても良い。
本実施形態では、プリンター1に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、複写機、ファクシミリ、複合機等の他の画像形成装置に本発明の構成を適用することも可能である。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態にかかる定着装置101について、図9及び図10を用いて説明する。
定着装置101は、定着フレーム21と、定着フレーム21の上部に内設される定着ベルト22と、定着フレーム21の下部に内設される加圧ローラー23(加圧部材)と、定着ベルト22の径方向内側に配置される加熱ローラー24(加熱部材)と、加熱ローラー24の径方向内側に配置されるヒーター25(熱源)と、定着ベルト22の径方向内側において加熱ローラー24の右側(用紙搬送方向における上流側)に配置される押圧部材26と、定着ベルト22の径方向内側において押圧部材26の右側(用紙搬送方向における上流側)に配置される支持部材27と、定着ベルト22と押圧部材26の間に介装されるシート部材28と、加熱ローラー24の前後両端側に配置されるフランジ29及び補強ガイド102(補強部材)と、を備えている。なお、補強ガイド102以外の部材の構成については、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図9に示されるように、各補強ガイド102は、加熱ローラー24を挟んで加圧ローラー23の反対側に配置されている。各補強ガイド102の内面(定着ベルト22の外周面に接触する面)は、加熱ローラー24の外周面に沿って円弧状に湾曲している。各補強ガイド102は、例えば、シリコン、フッ素系樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)等によって形成されている。
図10に示されるように、各補強ガイド102は、加熱ローラー24との間に定着ベルト22の前後両端部22a、22bを挟み込むように配置されている。そのため、定着ベルト22の前後両端部22a、22bは、加熱ローラー24、各フランジ29及び各補強ガイド102によって3方向から囲まれている。
各補強ガイド102は、前後方向に延びる支持板103によって支持されている。支持板103には、コイルスプリング104(付勢体)が取り付けられている。コイルスプリング104は、支持板103を介して各補強ガイド102を加熱ローラー24の回転軸S側に付勢している。これにより、各補強ガイド102が定着ベルト22の前後両端部22a、22bに押し付けられている。各補強ガイド102の前後方向の幅Wは、例えば、3mm≦W≦20mmであり、少なくとも10mm以上であることが好ましい。各補強ガイド102の前後方向外側の面は、各フランジ29の前後方向内側の面に接触している。
上記のように構成された定着装置101において、加圧ローラー23の回転に従動して定着ベルト22が回転すると、定着ベルト22が各補強ガイド102に対して摺動する。つまり、各補強ガイド102は、定着ベルト22を摺動可能に支持している。このような構成を採用することで、定着ベルト22と各補強ガイド102の接触面積を大きくすることが可能となり、定着ベルト22の前後両端部22a、22bの座屈を一層効果的に抑制することが可能となる。
1 プリンター(画像形成装置)
18 定着装置
22 定着ベルト
22a (定着ベルトの)前端部
22b (定着ベルトの)後端部
23 加圧ローラー(加圧部材)
24 加熱ローラー(加熱部材)
26 押圧部材
29 フランジ
30 補強ローラー(補強部材)
89 コイルスプリング(付勢体)
90 定着ニップ
101 定着装置
102 補強ガイド(補強部材)
106 コイルスプリング(付勢体)
S (加熱ローラーの)回転軸

Claims (8)

  1. 回転可能に設けられる定着ベルトと、
    前記定着ベルトに圧接して定着ニップを形成し、回転可能に設けられる加圧部材と、
    前記加圧部材との間に前記定着ベルトを挟み込むように配置され、回転軸を中心に回転可能に設けられる加熱部材と、
    前記加圧部材との間に前記定着ベルトを挟み込むように配置され、前記定着ベルトを前記加圧部材側に向かって押圧する押圧部材と、
    前記加熱部材と同軸上に設けられ、前記回転軸方向において前記定着ベルトの端部の外側に配置されるフランジと、
    前記加熱部材との間に前記定着ベルトの前記端部を挟み込むように配置される補強部材と、を備えていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記補強部材は、前記定着ベルトの回転に従動して回転することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記補強部材は、前記定着ベルトを摺動可能に支持することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記補強部材を前記定着ベルトの前記端部に押し付ける付勢体を更に備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記フランジは、前記加熱部材と一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記フランジは、前記加熱部材と別体に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記補強部材は、前記加熱部材を挟んで前記加圧部材の反対側に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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