JP2015161204A - タービン非常用制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】タービン運転中における、主要蒸気弁等に供給される圧油の圧力変動を一層防止して、信頼性を向上させることができるタービン非常用制御装置を提供する。
【解決手段】実施の形態によるタービン非常用制御装置は、第1マスタートリップ弁1a及び第2マスタートリップ弁1bの各ドレンポートに接続される上流側共通ドレン配管25と、上流側共通ドレン配管25から下流側に延びる下流側共通ドレン配管26と、を備えている。下流側共通ドレン配管26は、上方に延びた後に下方に延びる逆Uシール配管部27を有している。逆Uシール配管部27には、当該逆Uシール配管部27における頂部27Uよりも上流側に油を供給するための給油配管28が接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明の実施の形態は、タービン非常用制御装置に関する。
例えば蒸気タービンプラントでは、発電機に安定した電力を発生させるとともに、発電機を駆動する蒸気タービンが安全な運転を行うことができるように、数多くの保安装置が備えられている。この中で、例えば緊急停止(トリップ)時に、蒸気タービンに暴走運転をさせないように、主要蒸気弁、燃料弁、再熱蒸気止め弁等の弁(以下、主要蒸気弁等と記す。)を急速閉鎖させ、蒸気発生器から蒸気タービンに供給する蒸気を迅速に遮断する蒸気タービンの非常用制御装置(以下、タービン非常用制御装置と記す。)がある。
このようなタービン非常用制御装置は、緊急停止時に、タービンロータが定格回転数の例えば110%を超えないように、油圧機器の駆動力を利用して主要蒸気弁等を急速閉鎖させるものである。特許文献1及び特許文献2には、従来のタービン非常用制御装置の一例が開示されている。
ところで、ガスタービン、蒸気タービン、発電機等を一つの軸線上に配置した1軸形コンバインドサイクル発電設備においては、蒸気タービンを中央に配置する方式が採用されるに至っている。このような発電設備では、蒸気タービンのタービンロータ両端に大きな軸トルクが加わる状態となり、機械式非常調速機を設置することが困難である。また、駆動機であるガスタービンの一端には、ガスタービン高温排気口が形成されており、作動油が供給される機械式非常調速機を設置するには、難しい環境となっている。
特許文献1及び特許文献2に開示されたタービン非常用制御装置は、上述のような機械式非常調速機がなくても十分な信頼性を確保することができるものである。
図11は、従来のタービン非常用制御装置の概略構成を示したものである。図11に示すように、当該タービン非常用制御装置は、マスタートリップ弁301aと当該マスタートリップ弁301aの下流側に配置されたロックアウト弁302aとを有する第1トリップ装置TAと、マスタートリップ弁301bと当該マスタートリップ弁301bの下流側に配置されたロックアウト弁302bとを有する第2トリップ装置TBと、を備えている。
第1トリップ装置TAのマスタートリップ弁301a及びロックアウト弁302aにはそれぞれ、P,B,Tで示すポートが設けられ、同様に、第2トリップ装置TBのマスタートリップ弁301b及びロックアウト弁302bにはそれぞれ、P,B,Tで示すポートが設けられている。マスタートリップ弁301a、ロックアウト弁302a、マスタートリップ弁301b、及びロックアウト弁302bはそれぞれ、圧油を流通させる流路として、PポートとBポートとが連通する流路と、TポートとBポートとが連通する流路と、を切り替えることができる。高圧油発生装置からの圧油は、マスタートリップ弁301aのPポートと、ロックアウト弁302aのPポートとに供給されるようになっている。更に、マスタートリップ弁301aのBポートからの圧油は、ロックアウト弁302aのTポートとともに、ロックアウト弁302bのPポートにも供給されるようになっている。
このようなタービン非常用制御装置では、蒸気タービンの通常の運転時に、マスタートリップ弁301a,301bの流路が、PポートとBポートとが連通する流路に設定され、ロックアウト弁302a,302bの流路が、TポートとBポートとが連通する流路に設定される。これにより、高圧油発生装置から第1トリップ装置TAのマスタートリップ弁301aのPポートに供給された圧油(非常油)は、マスタートリップ弁301aのBポートからロックアウト弁302aのTポートに供給される。次に、圧油は、ロックアウト弁302aのBポートから第2トリップ装置TBのマスタートリップ弁301bのPポートへ供給され、マスタートリップ弁301bのBポートからロックアウト弁302bのTポートに供給される。そして、圧油は、ロックアウト弁302bのBポートから主要蒸気弁等へ供給される。圧油が主要蒸気弁等に供給されている状態で、蒸気タービンの通常の運転が行われる。この際、ロックアウト弁302aでは、その流路がTポートとBポートとが連通する流路に設定されているので、そのPポートに供給された圧油はBポートに供給されない。
一方、蒸気タービンを緊急停止させる時には、タービン停止信号が発生し、マスタートリップ弁301a,301bの流路が、PポートとBポートとが連通する流路からTポートとBポートとが連通する流路に切り替えられる。これにより、主要蒸気弁等に供給されていた圧油は、マスタートリップ弁301aのBポートを介してマスタートリップ弁301aのTポートから排出されるとともに、マスタートリップ弁301bのBポートを介してマスタートリップ弁301bのTポートから排出される。このことにより、主要蒸気弁等に圧油が供給されなくなるので、同弁を急速に閉鎖させることができ、蒸気タービンを急速に停止できる。そして、この緊急停止動作において、万一、マスタートリップ弁301a,301bのどちらか一方が不具合により動作しなくても、他方のマスタートリップ弁から圧油は排出される。このため、このタービン非常用制御装置は、その信頼性を大きく向上させている。
また、この種のタービンプラントでは、蒸気タービンを停止するためのマスタートリップ弁301a,301bのような弁が正常に動作するか否かを試験する実動作試験(ロックアウト試験)を、定期的に実施することが義務づけられている場合がある。ここで、このタービン非常用制御装置では、ロックアウト弁302a,302bを備えることによって、マスタートリップ弁301a,301bの実動作試験を、圧油を主要蒸気弁等へ支障なく供給しながら実施することができる。
すなわち、マスタートリップ弁301aの実動作試験を行う場合、ロックアウト弁302aの流路が、TポートとBポートとが連通する流路からPポートとBポートとが連通する流路へ切り替えられる。この際、ロックアウト弁302aのTポートからBポートへの圧油の供給は制限される。これにより、ロックアウト弁302aのPポートに供給される高圧油発生装置からの圧油が、ロックアウト弁302aのBポートから第2トリップ装置TBを介して主要蒸気弁等へ供給される。この状態において、マスタートリップ弁301aの実動作試験を行うことができる。この間、ロックアウト弁302aのPポートに供給された圧油が、主要蒸気弁等へ供給されているため、主要蒸気弁等に供給される圧油の圧力は変動しない。
そして、マスタートリップ弁301aの実動作試験時に、万一、タービン停止信号が発生した場合には、第2トリップ装置TBのマスタートリップ弁301bの流路が、TポートとBポートとが連通する流路に切り替わる。これにより、マスタートリップ弁301bのPポートからBポートへの圧油の供給は制限され、主要蒸気弁等に供給されていた圧油はマスタートリップ弁301bのTポートより排出される。このため、蒸気タービンを安全に停止することができる。
一方、マスタートリップ弁301bの実動作試験を行う場合は、ロックアウト弁302bの流路が、TポートとBポートとが連通する流路からPポートとBポートとが連通する流路に切り替えられる。これにより、第1トリップ装置TAのマスタートリップ弁301aのBポートからロックアウト弁302bのPポートに供給されていた圧油が、ロックアウト弁302bのBポートから主要蒸気弁等に供給される。この際、ロックアウト弁302bのTポートからBポートへの圧油の供給は制限される。この状態において前述のマスタートリップ弁301aと同様に、第2トリップ装置TBのマスタートリップ弁301bの実動作試験が可能となる。そして、万一、この状態においてタービン停止信号が発生した場合、第1トリップ装置TAのマスタートリップ弁301aの流路が、TポートとBポートとが連通する流路に切り替わる。これにより、蒸気タービンを安全に停止することができる。
ここで、上記のようなタービン非常用制御装置では、マスタートリップ弁301a,301bにおいて、圧油をTポートから排出させる際(ドレン時)、マスタートリップ弁301a,301bの流路内に空気が混入され圧油と空気が置換される場合があった。空気が混入すると、マスタートリップ弁301a,301bからロックアウト弁302a,302bに進入する場合がある。そして、例えば、マスタートリップ弁301a,301bからロックアウト弁302a,302bに空気が進入した状態で、ロックアウト弁302a,302bの流路をマスタートリップ弁301a,301bの実動作試験時の流路に切り替えると、圧油によってロックアウト弁302a,302b内の空気が急激に圧縮されることで、タービン非常用制御装置の上流側での圧油の圧力の低下が引き起こされ得る。この結果、主要蒸気弁等に供給される圧油の圧力が低下し、主要蒸気弁等の開度が変動し、蒸気タービンの速度や負荷制御に異常が発生し得る。この場合、蒸気タービンの安全な運転の継続が困難となる場合が生じ得るといった問題があった。
上記のような問題に鑑みて、特許文献2に係るタービン非常用制御装置は、マスタートリップ弁のTポート(ドレンポート)から延びるドレン配管の下流側に、上方に延びた後に下方に延びる逆U字状の配管を設けている。この逆U字状の配管によれば、マスタートリップ弁の流路内に空気が混入することを抑制することができ、混入した空気に起因する主要蒸気弁等に供給される圧油の圧力変動を防止することができる。この空気混入の抑制は、逆U字状の配管頂部上流側に排油を貯留することで可能となる。当該貯留される排油は、高圧油発生装置からの圧油がマスタートリップ弁301a,301b及びロックアウト弁302a,302bの間隙部を通り排出された場合の油のことである。また、特許文献2に係るタービン非常用制御装置では、逆U字状の配管が、外部への開放がない密閉された配管となっている。
特許第2988816号公報 特許第3020893号公報
ところで、前記特許文献2に係るタービン非常用制御装置は、逆U字状の配管が設けられることで、マスタートリップ弁の流路内に空気が混入することを抑制して、混入した空気に起因する主要蒸気弁等に供給される圧油の圧力変動を防止し、当該タービン非常用制御装置が蒸気タービンの安全な運転に影響を与えないことに関しての信頼性を高めようとするものである。このような信頼性は、一層向上させることが望ましい。
しかしながら、前記特許文献2に係わるタービン非常用制御装置では、逆U字状の配管頂部上流側部位に貯留される排油は、高圧油発生装置からの圧油がマスタートリップ弁301a,301b及びロックアウト弁302a,302bの間隙部を通り排出された油である。また、マスタートリップ弁301a,301b及びロックアウト弁302a,302bのスプールの間隙は非常に微小である。このため、逆U字状の配管頂部上流側部位に排油を貯留するのに、長時間を要する問題があった。そして、逆U字状の配管は、外部への開放がない密閉された配管であり、前述のように排油の貯留に長時間を要する。このため、逆U字状配管部に排油が十分に貯留されたことが確認できずに、十分に排油が貯留されていない状態で実運転を開始してしまうことで、当該実運転時に主要蒸気弁等に供給される圧油の圧力変動を発生させる可能性があった。このため、タービン非常用制御装置が蒸気タービンの安全な運転に影響を与えないことに関しての信頼性に問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、タービン運転中における、主要蒸気弁等に供給される圧油の圧力変動を一層防止して、信頼性を向上させることができるタービン非常用制御装置を提供することを目的とする。
実施の形態によるタービン非常用制御装置は、第1マスタートリップ弁と、当該第1マスタートリップ弁の出力ポートの下流側に第1配管を介して配置された第1ロックアウト弁と、を有する第1トリップ装置と、第2マスタートリップ弁と、当該第2マスタートリップ弁の出力ポートの下流側に第2配管を介して配置された第2ロックアウト弁と、を有する第2トリップ装置と、前記第1トリップ装置の前記第1ロックアウト弁の出力ポートと前記第2トリップ装置の前記第2マスタートリップ弁の入力ポートとを接続する第3配管と、前記第1配管から分岐して、前記第2トリップ装置の前記第2ロックアウト弁に接続される第4配管と、前記第1マスタートリップ弁及び前記第2マスタートリップ弁の各ドレンポートに接続される上流側共通ドレン配管と、前記上流側共通ドレン配管から下流側に延びる下流側共通ドレン配管と、を備えている。そして、前記下流側共通ドレン配管は、上方に延びた後に下方に延びる逆Uシール配管部を有しており、前記逆Uシール配管部には、当該逆Uシール配管部における頂部よりも上流側に油を供給するための給油配管が接続されている。
また、実施の形態によるタービン非常用制御装置は、第1マスタートリップ弁と、当該第1マスタートリップ弁の出力ポートの下流側に第1配管を介して配置された第1ロックアウト弁と、を有する第1トリップ装置と、第2マスタートリップ弁と、当該第2マスタートリップ弁の出力ポートの下流側に第2配管を介して配置された第2ロックアウト弁と、を有する第2トリップ装置と、前記第1トリップ装置の前記第1ロックアウト弁の出力ポートと前記第2トリップ装置の前記第2マスタートリップ弁の入力ポートとを接続する第3配管と、前記第1配管から分岐して、前記第2トリップ装置の前記第2ロックアウト弁に接続される第4配管と、前記第1マスタートリップ弁及び前記第2マスタートリップ弁の各ドレンポートに接続される上流側共通ドレン配管と、前記上流側共通ドレン配管から下流側に延びる下流側共通ドレン配管と、前記下流側ドレン配管の排出口が内部に配置され、油が貯留されたドレンタンクと、を備えている。そして、前記ドレンタンクにおける油の液面高さは、前記排出口の高さ以上に維持されている。
また、実施の形態によるタービン非常用制御装置は、第1マスタートリップ弁と、当該第1マスタートリップ弁の出力ポートの下流側に第1配管を介して配置された第1ロックアウト弁と、を有する第1トリップ装置と、第2マスタートリップ弁と、当該第2マスタートリップ弁の出力ポートの下流側に第2配管を介して配置された第2ロックアウト弁と、を有する第2トリップ装置と、前記第1トリップ装置の前記第1ロックアウト弁の出力ポートと前記第2トリップ装置の前記第2マスタートリップ弁の入力ポートとを接続する第3配管と、前記第1配管から分岐して、前記第2トリップ装置の前記第2ロックアウト弁に接続される第4配管と、前記第1マスタートリップ弁及び前記第2マスタートリップ弁の各ドレンポートに接続される上流側共通ドレン配管と、前記上流側共通ドレン配管から下流側に延びる下流側共通ドレン配管と、を備えている。そして、前記下流側共通ドレン配管は、下方に延びた後に上方に延びるUシール配管部を有している。
第1の実施の形態のタービン非常用制御装置が設置された圧油供給システムの概略構成図である。 第1の実施の形態のタービン非常用制御装置の詳細図である。 第1の実施の形態のタービン非常用制御装置におけるタービンの通常の運転時の圧油の流れを説明する図である。 第1の実施の形態のタービン非常用制御装置におけるタービンの緊急停止(トリップ)時の圧油の流れを説明する図である。 第1の実施の形態のタービン非常用制御装置におけるマスタートリップ弁の実動作試験時の圧油の流れを説明する図である。 第2の実施の形態のタービン非常用制御装置の概略構成図である。 第3の実施の形態のタービン非常用制御装置の概略構成図である。 第4の実施の形態のタービン非常用制御装置の概略構成図である。 第5の実施の形態のタービン非常用制御装置の概略構成図である。 第6の実施の形態のタービン非常用制御装置の概略構成図である。 従来のタービン非常用制御装置の概略構成図である。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態のタービン非常用制御装置EAが設置された圧油供給システムSの概略構成図であり、図2は、タービン非常用制御装置EAの詳細図である。タービン非常用制御装置EAは、蒸気タービンプラントにおける主要蒸気弁及び燃料弁等に圧油を供給する圧油供給システムSに設置される。図1には、一例として、圧油供給システムSから圧油が供給される弁のうちの主要蒸気弁MSVの概略構成が示されている。
ここで、まず、圧油供給システムSについて説明する。
図1に示すように、圧油供給システムSは、圧油を発生させる高圧油発生装置40と、高圧油発生装置40と主要蒸気弁MSVの制御油室51(後述)とを接続する配管P1と、配管P1に設けられた開閉制御弁30と、を備えている。配管P1からは、配管P2が分岐しており、当該配管P2に、タービン非常用制御装置EAが接続されている。高圧油発生装置40から配管P2に供給される圧油は、タービン非常用制御装置EAを介して主要蒸気弁MSVの非常油室52(後述)に供給される。
主要蒸気弁MSVは、蒸気が通過する蒸気流通路Fを開閉させるための弁体50と、弁体50を駆動するための圧油が供給される上述した制御油室51と、タービン非常用制御装置EAから圧油が供給される上述した非常油室52と、弁体50を閉じる方向に付勢するスプリング54と、を備えている。さらに、非常油室52と制御油室51とは連通しており、非常油室52内には、非常油室52と制御油室51との連通部を閉塞させるための閉塞部材53が設けられている。以下では、高圧油発生装置から供給される圧油のうち、制御油室51に供給される圧油を制御油と呼ぶ場合があり、非常油室52に供給される圧油を非常油と呼ぶ場合がある。
このような構成により、高圧油発生装置40から主要蒸気弁MSVの制御油室51に供給される制御油の油量が、開閉制御弁30によって調整されることで、弁体50の開度を調整することが可能となっている。弁体50は、制御油室51内に供給された制御油の油量に応じて進退動して、蒸気流通路Fを開閉することが可能となっている。すなわち、制御油室51内に供給された制御油がスプリング54の付勢力に抗して弁体50を進出させることで、弁体50が蒸気流通路Fを開放させる。また、制御油室51内に供給された制御油の圧力がスプリング54を圧縮させるのに十分でない場合は、蒸気流通路Fが弁体50によって閉鎖された状態が維持される。
一方、タービン非常用制御装置EAは、蒸気タービン(以下、タービンと略す。)の通常の運転時には、非常油室52に非常油を供給する。このことにより、閉塞部材53が非常油室52と制御油室51との連通部を閉塞させる。この場合、制御油室51は、閉空間となるため、制御油室51に供給された制御油は油量に応じて、制御油室51内で膨張圧縮することで、弁体50を進退動させることが可能となる。
また、タービンを緊急停止(トリップ)させる際には、タービン非常用制御装置EAは、非常油室52に対する非常油の供給を停止して排出する。このことにより、非常油室52と制御油室51との連通部を閉塞させていた閉塞部材53が急速に連通部から離れて、非常油室52と制御油室51とが、前記連通部を介して連通される。そして、制御油室51内に供給された制御油が非常油室52側に流入し、弁体50がスプリング54の付勢力によって急速に閉じる方向に移動されて、蒸気流通路Fが閉鎖される。このため、タービンに供給される蒸気が遮断され、タービンが急速に停止する。この際、非常油は、タービン非常用制御装置EAから排出される。
次に、本実施の形態のタービン非常用制御装置EAについて詳述する。
図1及び図2に示すように、タービン非常用制御装置EAは、第1マスタートリップ弁1aと当該第1マスタートリップ弁1aの下流側に配置された第1ロックアウト弁2aとを有する第1トリップ装置TAと、第2マスタートリップ弁1bと当該第2マスタートリップ弁1bの下流側に配置された第2ロックアウト弁2bとを有する第2トリップ装置TBと、を備えている。
図2に示すように、第1トリップ装置TAにおいて、第1マスタートリップ弁1aは、2つの電磁弁101,102と、当該電磁弁101,102の作動に応じて流路を切り替えるメインスプール弁103と、を有している。第1ロックアウト弁2aは、1つの電磁弁201と、当該電磁弁201の作動に応じて流路を切り替えるメインスプール弁202と、を有している。第1マスタートリップ弁1aには、図2において、X,A,P,B,T,Yで示すポートが設けられており、第1ロックアウト弁2aには、X,T,P,B,Yで示すポートが設けられている。
第1マスタートリップ弁1aの2つの電磁弁101,102は電磁駆動式のスプール弁であり、それぞれ、スプール101s,102sを有している。スプール101s,102sは、励磁の状態であるか無励磁の状態であるかに応じて移動する。この例では、電磁弁101,102が常時励磁形電磁弁とされ、図2は、励磁の状態の電磁弁101,102を示し、スプール101s,102sがタービンの通常の運転時の位置にある状態を示している。電磁弁101,102が無励磁の状態となると、スプール101s,102sは、図2の破線で示す位置(紙面右側)へ移動する。
また、メインスプール弁103は油圧駆動式のスプール弁であり、スプール103sを有している。スプール103sは、電磁弁101,102が励磁の状態であるか無励磁の状態であるかに応じて移動する。図1及び図2は、電磁弁101,102が励磁の状態に対応するメインスプール弁103を示し、スプール103sがタービンの通常の運転時の位置にある状態を示している。この場合、第1マスタートリップ弁1aでは、PポートとBポートとが連通する圧油の流路が形成される。また、電磁弁101,102が無励磁の状態となると、スプール101s、102sの紙面右方向の移動により、圧油がXポートから電磁弁101,102を経由してメインスプール弁103に流れ込むことにより、スプール103sは、図2の破線で示す位置(紙面左側)に移動し、第1マスタートリップ弁1aでは、TポートとBポートとが連通する圧油の流路が形成される。
このように第1マスタートリップ弁1aでは、メインスプール弁103においてスプール103sが移動することによって、PポートとBポートとが連通する圧油の流路と、TポートとBポートとが連通する圧油の流路と、が切り替わる。すなわち、メインスプール弁103は、そのスプール103sが、PポートとBポートとが連通する圧油の流路を形成する位置と、TポートとBポートとが連通する圧油の流路を形成する位置とに選択的に位置付けられる構成となっている。
また、第1トリップ装置TAにおいて、第1ロックアウト弁2aの1つの電磁弁201は電磁駆動式のスプール弁であり、スプール201sを有している。スプール201sは、励磁の状態であるか無励磁の状態であるかに応じて移動する。この例では、電磁弁201が常時無励磁形電磁弁とされ、図2は、無励磁の状態の電磁弁201を示し、スプール201sがタービンの通常の運転時の位置にある状態を示している。電磁弁201が励磁の状態となると、スプール201sは、図2の破線で示す位置(紙面左側)へ移動する。
一方、メインスプール弁202は油圧駆動式のスプール弁であり、スプール202sを有している。スプール202sは、電磁弁201が励磁の状態であるか無励磁の状態であるかに応じて移動する。図1及び図2は、電磁弁201が無励磁の状態に対応するメインスプール弁202を示し、スプール202sがタービンの通常の運転時の位置にある状態を示している。この場合、第1ロックアウト弁2aでは、TポートとBポートとが連通する圧油の流路が形成される。また、電磁弁201が励磁の状態となると、スプール201sが紙面左側に移動することにより、圧油がXポートから電磁弁201を経由してメインスプール弁202に流れ込むことにより、スプール202sは、図2の破線で示す位置(紙面右側)に移動し、第1ロックアウト弁2aでは、PポートとBポートとが連通する圧油の流路が形成される。
第1マスタートリップ弁1aと同様に、第2トリップ装置TBにおいて、第2マスタートリップ弁1bは、2つの電磁弁104,105と、当該電磁弁104,105の作動に応じて流路を切り替えるメインスプール弁106と、を有している。第2ロックアウト弁2bは、1つの電磁弁203と、当該電磁弁203の作動に応じて流路を切り替えるメインスプール弁204と、を有している。第2マスタートリップ弁1bには、図2において、X,A,P,B,T,Yで示すポートが設けられており、第2ロックアウト弁2bには、X,T,P,B,Yで示すポートが設けられている。
第2マスタートリップ弁1bの2つの電磁弁104,105は電磁駆動式のスプール弁であり、それぞれ、スプール104s,105sを有している。スプール104s,105sは、励磁の状態であるか無励磁の状態であるかに応じて移動する。この例では、電磁弁104,105が常時励磁形電磁弁とされ、図2は、励磁の状態の電磁弁104,105を示し、スプール104s,105sがタービンの通常の運転時の位置にある状態を示している。電磁弁104,105が無励磁の状態となると、スプール104s,105sは、図2の破線で示す位置(紙面右側)へ移動する。
また、メインスプール弁106は油圧駆動式のスプール弁であり、スプール106sを有している。スプール106sは、電磁弁104,105が励磁の状態であるか無励磁の状態であるかに応じて移動する。図1及び図2は、電磁弁104,105が励磁の状態に対応するメインスプール弁106を示し、スプール106sがタービンの通常の運転時の位置にある状態を示している。この場合、第2マスタートリップ弁1bでは、PポートとBポートとが連通する圧油の流路が形成される。また、電磁弁104,105が無励磁の状態となると、スプール104s、105sの紙面右方向の移動により、圧油がXポートから電磁弁104,105を経由してメインスプール弁106に流れ込むことにより、スプール106sは、図2の破線で示す位置(紙面左側)に移動し、第2マスタートリップ弁1bでは、TポートとBポートとが連通する圧油の流路が形成される。
このように第2マスタートリップ弁1bでは、メインスプール弁106においてスプール106sが移動することによって、PポートとBポートとが連通する圧油の流路と、TポートとBポートとが連通する圧油の流路と、が切り替わる。すなわち、メインスプール弁106は、そのスプール106sが、PポートとBポートとが連通する圧油の流路を形成する位置と、TポートとBポートとが連通する圧油の流路を形成する位置とに選択的に位置付けられる構成となっている。
また、第2トリップ装置TBにおいて、第2ロックアウト弁2bの1つの電磁弁203は電磁駆動式のスプール弁であり、スプール203sを有している。スプール203sは、励磁の状態であるか無励磁の状態であるかに応じて移動する。この例では、電磁弁203が常時無励磁形電磁弁とされ、図2は、無励磁の状態の電磁弁203を示し、スプール203sがタービンの通常の運転時の位置にある状態を示している。電磁弁203が励磁の状態となると、スプール203sは、図2の破線で示す位置(紙面左側)へ移動する。
一方、メインスプール弁204は油圧駆動式のスプール弁であり、スプール204sを有している。スプール204sは、電磁弁203が励磁の状態であるか無励磁の状態であるかに応じて移動する。図1及び図2は、電磁弁203が無励磁の状態に対応するメインスプール弁204を示し、スプール204sがタービンの通常の運転時の位置にある状態を示している。この場合、第2ロックアウト弁2bでは、TポートとBポートとが連通する圧油の流路が形成される。また、電磁弁203が励磁の状態となると、スプール203sが紙面左側に移動することにより、圧油がXポートから電磁弁203を経由してメインスプール弁204に流れ込むことにより、スプール204sは、図2の破線で示す位置(紙面右側)に移動し、第2ロックアウト弁2bでは、PポートとBポートとが連通する圧油の流路が形成される。
次に、第1マスタートリップ弁1a、第1ロックアウト弁2a、第2マスタートリップ弁1b、及び第2ロックアウト弁2bに接続される配管について説明する。
第1マスタートリップ弁1aの出力ポートに対応するBポートと、第1ロックアウト弁2aの入力ポートに対応するTポートとは、第1配管10によって接続されている。第2マスタートリップ弁1bの出力ポートに対応するBポートと、第2ロックアウト弁2bの入力ポートに対応するTポートとは、第2配管11によって接続されている。第1ロックアウト弁2aの出力ポートに対応するBポートと、第2マスタートリップ弁1bの入力ポートに対応するPポートとは、第3配管12によって接続されている。また、第1マスタートリップ弁1aのBポートから延びる第1配管10からは第4配管13が分岐しており、当該第4配管13は、第2ロックアウト弁2bのPポート(サブ入力ポート)に接続されている。
第1マスタートリップ弁1aのPポートには、高圧油発生装置40からの圧油が供給され前述の配管P2が接続されており、高圧油発生装置40からの圧油は、第1マスタートリップ弁1aのPポートに供給されるようになっている。更に、配管P2からは、配管P3が分岐しており、当該配管P3は、第1ロックアウト弁2aのPポートに接続されている。これにより、高圧油発生装置40からの圧油は、第1ロックアウト弁2aのPポート(サブ入力ポート)にも供給されるようになっている。
また、図2に示すように、配管P2からは、配管P4も分岐しており、当該配管P4は、第1マスタートリップ弁1aのXポートに接続されている。これにより、高圧油発生装置40からの圧油は、第1マスタートリップ弁1aのXポートにも供給されるようになっている。また、配管P3からは、配管P5及び配管P6が分岐している。配管P5は、第1ロックアウト弁2aのXポートに接続されており、配管P6は、第2ロックアウト弁2bのXポートに接続されている。これにより、高圧油発生装置40からの圧油は、第1ロックアウト弁2aのXポート及び第2ロックアウト弁2bのXポートに供給されるようになっている。更に、第1ロックアウト弁2aのBポートに接続された配管12からは配管12Aが分岐しており、当該配管12Aは、第2マスタートリップ弁1bのXポートに接続されている。
一方、図1に示すように、第1マスタートリップ弁1aのドレンポートに対応するTポートには、第1マスタートリップ弁用ドレン配管20が接続され、第1ロックアウト弁2aのドレンポートに対応するYポートには、第1ロックアウト弁用ドレン配管21が接続されている。第2マスタートリップ弁1bのドレンポートに対応するTポートには、第2マスタートリップ弁用ドレン配管22が接続され、第2ロックアウト弁2bのドレンポートに対応するYポートには、第2ロックアウト弁用ドレン配管23が接続されている。
そして、図1に示すように、本実施の形態では、第1マスタートリップ弁用ドレン配管20、第1ロックアウト弁用ドレン配管21、第2マスタートリップ弁用ドレン配管22、及び第2ロックアウト弁用ドレン配管23の各下流側端部に、これら各ドレン配管20〜23を合流させる上流側共通ドレン配管25が接続されている。したがって、上流側共通ドレン配管25は、各ドレン配管20〜23を介して、第1マスタートリップ弁1a、第1ロックアウト弁2a、第2マスタートリップ弁1b、及び第2ロックアウト弁2bの各ドレンポートに接続されている。
上流側共通ドレン配管25には、下流側に延びる下流側共通ドレン配管26が接続され、本実施の形態では、下流側共通ドレン配管26の下流側端部(排出口)が高圧油発生装置40に接続されている。これにより、第1トリップ装置TA及び第2トリップ装置TB内の圧油が各ドレンポートから排出されて、高圧油発生装置40に還流するようになっている。なお、以下では、第1トリップ装置TA及び第2トリップ装置TBの各ドレンポート内から排出された圧油のことを排油と呼ぶ。
そして、下流側共通ドレン配管26は、上方に延びた後に下方に延びる逆Uシール配管部27を有している。すなわち、逆Uシール配管部27は、上流側共通ドレン配管25における、ドレン配管20〜23の下流側端部との合流部のうちの最も下流の合流部よりも、下流側に設けられている。なお、本実施の形態では、逆Uシール配管部27が下流側共通ドレン配管26の一部として一体に形成されている。
そして、逆Uシール配管部27には、当該逆Uシール配管部27における頂部27Uよりも上流側に油を供給するための給油配管28が接続されている。本実施の形態において、給油配管28は、高圧油発生装置40から供給される油を流通させて、Uシール配管部27における頂部27Uよりも上流側に供給するものである。詳しくは、給油配管28は、Uシール配管部27の頂部27Uよりも上流側の部位における上部に接続されている。なお、本実施の形態では、給油配管28は、配管P2から分岐している例を示している。
本実施の形態では、逆Uシール配管部27の頂部27Uは、第1マスタートリップ弁1a、第1ロックアウト弁2a、第2マスタートリップ弁1b、及び第2ロックアウト弁2bに設けられている弁本体である電磁弁及びメインスプール弁のうちの最も高い位置に設置される弁本体よりも、高い位置に設定されている。すなわち、逆Uシール配管部27の頂部27Uの高さは、図2において示される、電磁弁101,102,104,105,201,203及びメインスプール弁103,106,202,204のいずれよりも(詳しくは、これら各弁本体内の流路のいずれよりも)、高くなっている。更に詳しくは、逆Uシール配管部27は、その頂部27Uよりも上流側の部位に油が貯留された場合に、当該貯留された油の液面が前記弁本体(弁本体の流路)のいずれよりも高く位置することが可能となるように、頂部27Uの高さ寸法が設定されている。
なお、図2に示される第1マスタートリップ弁1aのYポートは、電磁弁101,102に連通しており、第1マスタートリップ弁1aのXポートから電磁弁101,102に供給された圧油を排出するための機能を有し、図示省略するドレン配管が接続されている。同様に、第2マスタートリップ弁1bのYポートは、電磁弁104,105に連通しており、第2マスタートリップ弁1bのXポートから電磁弁104,105に供給された圧油を排出するための機能を有し、図示省略するドレン配管が接続されている。また、第1マスタートリップ弁1aのAポート及び第2マスタートリップ弁1bのAポートは、閉止状態とされている。
また、図2に示すように、第1ロックアウト弁2aのYポートは、電磁弁201に連通し、第2ロックアウト弁2bのYポートは、電磁弁203に連通している。第1ロックアウト弁用ドレン配管21は、電磁弁201内の圧油を排出するために設けられ、第2ロックアウト弁用ドレン配管23は、電磁弁203内の圧油を排出するために設けられている。
次に、本実施の形態のタービン非常用制御装置EAの作用について説明する。図3は、タービンの通常の運転時の圧油の流れを説明する図である。図4は、タービン停止信号が発生した場合の緊急停止時の圧油の流れを説明する図である。図5は、マスタートリップ弁1a,1bの実動作試験時(ロックアウト試験時)の圧油の流れを説明する図である。まず、図3乃至図5を用いて、タービン非常用制御装置EAの基本的な動作について説明する。
図3に示すように、タービンの通常の運転時では、第1マスタートリップ弁1aにおいて電磁弁101,102が励磁の状態とされることで、スプール103sが紙面右側に位置し、第1マスタートリップ弁1aの流路が、PポートとBポートとが連通する流路に設定される。すなわち、メインスプール弁103のスプール103sが、出力ポートに対応するBポートから第1ロックアウト弁2aに圧油を供給するための流路を形成する位置に位置付けられる。同様に、第2マスタートリップ弁1bにおいて電磁弁104,105が励磁の状態とされることで、スプール106sが紙面右側に位置し、第2マスタートリップ弁1bの流路が、PポートとBポートとが連通する流路に設定される。すなわち、メインスプール弁106のスプール106sが、出力ポートに対応するBポートから第2ロックアウト弁2bに圧油を供給するための流路を形成する位置に位置付けられる。
また、第1ロックアウト弁2aにおいて電磁弁201が無励磁の状態とされることで、スプール202sが紙面左側に位置し、第1ロックアウト弁2aの流路が、TポートとBポートとが連通する流路に設定される。同様に、第2ロックアウト弁2bにおいて電磁弁203が無励磁の状態とされることで、スプール204sが紙面左側に位置し、第2ロックアウト弁2bの流路が、TポートとBポートとが連通する流路に設定される。
これにより、図3において白抜きの状態で示される矢印に示すように、高圧油発生装置40から第1トリップ装置TAの第1マスタートリップ弁1aのPポートに供給された圧油(非常油)は、第1マスタートリップ弁1aのBポートから第1ロックアウト弁2aのTポートに供給される。次に、圧油は、第1ロックアウト弁2aのTポートからBポートを経由して第2トリップ装置TBの第2マスタートリップ弁1bのPポートへ供給され、第2マスタートリップ弁1bのPポートからBポートを経由して第2ロックアウト弁2bのTポートに供給される。そして、圧油は、第2ロックアウト弁2bのTポートからBポートを経由して主要蒸気弁MSVの非常油室52へ供給される。この際、ロックアウト弁2aでは、その流路がTポートとBポートとが連通する流路に設定されているので、そのPポートに供給された圧油はBポートに供給されない。
なお、図3に示すように、タービンの通常の運転時では、第1マスタートリップ弁1aのXポートに供給された圧油が、図3において白抜きの状態で示される矢印に示すように、スプール103sを紙面右側に向けて押圧し、スプール103sを紙面左側に向けて付勢する図3において符号103eで示すスプリングが圧縮されるようになっている。このことにより、スプール103sが紙面右側に位置し、第1マスタートリップ弁1aの流路が、PポートとBポートとが連通する流路に維持されるようになっている。なお、第2マスタートリップ弁1bにおいても、第1マスタートリップ弁1aと同様のため説明は省略する。
また、タービンの通常の運転時の第1ロックアウト弁2aでは、そのXポートに供給された圧油は、図3において白抜きの状態で示される矢印に示すように、スプール202sを紙面左側に向けて押圧するように供給される。この際、当該圧油は、スプール202sを紙面左側に向けて付勢する図3において符号202eで示すスプリングとともに、スプール202sを紙面左側に向けて押圧するようになっている。このことにより、スプール202sは、紙面左側に位置し、第1ロックアウト弁2aの流路が、TポートとBポートとが連通する流路に維持されるようになっている。なお、第2ロックアウト弁2bにおいても、第1ロックアウト弁2aと同様のため説明は省略する。
続いて、タービンの緊急停止(トリップ)時の動作について説明する。タービンの通常の運転からタービンを緊急停止させる時には、タービン停止信号が発生する。タービン停止信号が発生すると、第1マスタートリップ弁1aにおいて電磁弁101,102が無励磁の状態とされることで、図4に示すように、スプール103sが紙面左側に移動し、第1マスタートリップ弁1aの流路が、TポートとBポートとが連通する流路に設定される。すなわち、メインスプール弁103におけるスプール103sの位置が、出力ポートに対応するBポートからドレンポートに対応するTポートを通して圧油を排油として排出するための位置に位置付けられる。同様に、第2マスタートリップ弁1bにおいて電磁弁104,105が無励磁の状態とされることで、スプール106sが紙面左側に移動し、第2マスタートリップ弁1bの流路が、TポートとBポートとが連通する流路に設定される。すなわち、メインスプール弁106におけるスプール106sが、出力ポートに対応するBポートからドレンポートに対応するTポートを通して圧油を排油として排出するための位置に位置付けられる。
これにより、図4において白抜きの状態で示される矢印に示すように、主要蒸気弁MSVに供給されていた圧油は、第1マスタートリップ弁1aのBポートを介して第1マスタートリップ弁1aのTポートから排出されるとともに、第2マスタートリップ弁1bのBポートを介して第2マスタートリップ弁1bのTポートから排出される。このことにより、主要蒸気弁MSVに供給されていた圧油が排油としてマスタートリップ弁1a,1bから排出され、主要蒸気弁MSVを急速に閉鎖させることができ、タービンを急速に停止できる。
なお、図4に示すように、タービンの緊急停止時では、第1マスタートリップ弁1aのXポートに供給された圧油が、図4において白抜きの状態で示される矢印に示すように、Yポートから排出される。これにより、タービンの通常の運転時にスプール103sを紙面右側に向けて押圧していた圧油の圧力が小さくなり、スプール103sを紙面左側に向けて付勢するスプリング103eが紙面左側に向けて伸びるようになっている。このことにより、スプール103sが紙面左側に移動し、第1マスタートリップ弁1aの流路が、TポートとBポートとが連通する流路に切り替えられるようになっている。なお、第2マスタートリップ弁1bにおいても、第1マスタートリップ弁1aと同様のため説明は省略する。
続いて、タービンの通常の運転中に行う、第1マスタートリップ弁1a,第2マスタートリップ弁1bの実動作試験時(ロックアウト試験)の動作について説明する。図5に示すように、第1マスタートリップ弁1aの実動作試験時では、第1ロックアウト弁2aにおいて電磁弁201が励磁の状態とされることで、スプール202sが紙面右側に移動し、第1ロックアウト弁2aの流路が、PポートとBポートとが連通する流路に設定される。
これにより、第1ロックアウト弁2aのPポートに供給されていた高圧油発生装置40からの圧油が、図5において白抜きの状態で示される矢印に示すように、第1ロックアウト弁2aのBポートから第2トリップ装置TBを介して主要蒸気弁MSVへ供給される。この際、第1ロックアウト弁2aのTポートからBポートへの圧油の供給は制限される。この状態において、第1マスタートリップ弁1aの実動作試験を行うことができる。すなわち、第1マスタートリップ弁1aの電磁弁101,102をテスト駆動することにより、メインスプール弁103のメインスプール103sが動作するか否かを、例えば、図5中の符号120で示すリミットスイッチにて確認できる。この間、第1ロックアウト弁2aのPポートに供給された圧油が、主要蒸気弁MSVへ供給されているため、主要蒸気弁MSVへ供給される圧油の圧力が変動することを防止できる。
なお、図5に示すように、第1マスタートリップ弁1aの実動作試験時では、第1ロックアウト弁2aのXポートに供給された圧油が、図5において白抜きの状態で示される矢印に示すように、スプール202sを紙面右側に向けて押圧するように切り替わり、スプール202sを紙面左側に向けて付勢するスプリング202eが圧縮されるようになっている。このことにより、スプール202sが紙面右側に位置し、第1ロックアウト弁2aの流路が、PポートとBポートとが連通する流路に維持されるようになっている。
なお、第2マスタートリップ弁1bの実動作試験時における第2ロックアウト弁2bの動作は、第1ロックアウト弁2aと同様のため説明は省略する。
そして、以上に説明したタービンの通常の運転、緊急停止、及び実動作試験の中で、本実施の形態のタービン非常用制御装置EAは、図1に示したように、給油配管28を備えていることによって、逆Uシール配管部27における頂部27Uよりも上流側に油を供給して貯留することができる。これにより、本実施の形態のタービン非常用制御装置EAでは、タービンを最初に又は定期検査後に運転する際であっても、タービンの運転開始後に一定の時間が経過した場合であっても、逆Uシール配管部27における頂部27Uよりも上流側に油を供給して貯留することができる。そして、流路の切り替えによって、第1トリップ装置TA及び第2トリップ装置TBの各ドレンポートから排出される排油または第1トリップ装置TA及び第2トリップ装置TBの各弁の間隙部を通り各ドレンポートから排出される排油が、逆Uシール配管部27における頂部27Uよりも上流側に貯留されるのを待つのではなく、給油配管28から積極的に油を貯留する構成であるため、逆Uシール配管部27への油の貯留に長時間を要することがない。
そして、逆Uシール配管部27における頂部27Uよりも上流側に油を貯留した場合には、当該貯留した油によって、逆Uシール配管部27の上流側への空気の流入を防止することができる。具体的には、上流側共通ドレン配管25、第1マスタートリップ弁用ドレン配管20及び第2マスタートリップ弁用ドレン配管22内に空気が流入することを防止することができる。もっとも、本実施の形態のタービン非常用制御装置EAでは、給油配管28が、高圧油発生装置40から圧油を直接的に供給される構成であるため、逆Uシール配管部27における頂部27Uよりも上流側には、常に油が貯留された状態となる。
このため、本実施の形態のタービン非常用制御装置EAでは、例えば、タービンを最初に又は定期検査後に運転した直後、及び、タービンの運転開始後に一定の時間が経過した後に、図4で説明したようにタービンを緊急停止させた場合であっても、タービンを緊急停止させる際の非常油の排出により、第1マスタートリップ弁1aのメインスプール弁103及び第2マスタートリップ弁1bのメインスプール弁106の流路内に空気が混入することを防止することができる。このことにより、例えば、タービンの運転後に最初に行うマスタートリップ弁1a,1bの実動作試験においても、タービンの緊急停止後の運転再開(リセット)直後のマスタートリップ弁1a,1bの実動作試験においても、混入した空気に起因する主要蒸気弁MSV等に供給される圧油の圧力変動を防止することができる。したがって、このタービン非常用制御装置EAによれば、タービン運転中における、主要蒸気弁MSV等に供給される圧油の圧力変動を一層防止することができる。
以上のように本実施の形態のタービン非常用制御装置EAは、給油配管28を備えていることによって、タービン運転中における、主要蒸気弁MSV等に供給される圧油の圧力変動を一層防止することができる。この結果、信頼性を向上させることができる。すなわち、逆Uシール配管部27への油の貯留に長時間を要することがなく、このように油の貯留に長時間を要することがないため、逆Uシール配管部27に十分に油が貯留されたことを確認しなくても、実運転時に主要蒸気弁等に供給される圧油の圧力変動が発生することを防止することができる。その結果、タービン非常用制御装置EAが蒸気タービンの安全な運転に影響を与えないことに関しての信頼性を向上させることができる。そして、これにより、逆Uシール配管部27に油が貯留されたかどうかの確認も不要となるという効果もある。
また、本実施の形態のタービン非常用制御装置EAでは、第1マスタートリップ弁1a及び第2マスタートリップ弁1bに設けられている弁本体に対応するメインスプール弁103,106よりも、逆Uシール配管部27における頂部27Uが高い位置に設定されている。この場合、メインスプール弁103,106よりも液面が高くなるように、逆Uシール配管部27における頂部27Uよりも上流側の部位に油を貯留することができる。そして、このように油を貯留した場合には、逆Uシール配管部27における油の水頭圧によって、メインスプール弁103,106まで油が至ることになる。このため、本実施の形態のタービン非常用制御装置EAでは、これらメインスプール弁103,106の流路内に空気が混入することを確実に防止することができる。
なお、第1マスタートリップ弁1a及び第2マスタートリップ弁1bの各Yポートに接続された各ドレン管(図示省略)は、下流側共通ドレン配管26に接続されることが好ましい。この場合、給油配管28によって逆Uシール配管部27における頂部27Uよりも上流側に油が貯留されることで、第1マスタートリップ弁1aのYポートから圧油が排出された際に、電磁弁101,102に空気が混入することが抑制される。同様に、第2マスタートリップ弁1bのYポートから圧油が排出された際に、電磁弁104,105に空気が混入することが抑制される。
ここで、本実施の形態のタービン非常用制御装置EAでは、逆Uシール配管部27における頂部27Uは、第1マスタートリップ弁1a及び第2マスタートリップ弁1bにおける電磁弁101,102,104,105よりも高くなっている。このため、第1マスタートリップ弁1a及び第2マスタートリップ弁1bの各Yポートに接続された各ドレン管(図示省略)が、下流側共通ドレン配管26に接続された場合には、前述と同様に、油の水頭圧によって、電磁弁101,102,104,105に空気が混入することを確実に防止することができる。
また、本実施の形態のタービン非常用制御装置EAでは、上流側共通ドレン配管25が、第1ロックアウト弁2aのYポート(ドレンポート)に第1ロックアウト弁用ドレン配管21を介して接続されている。また、上流側共通ドレン配管25が、第2ロックアウト弁2bのYポート(ドレンポート)に第2ロックアウト弁用ドレン配管23を介して接続されている。この場合、給油配管28によって逆Uシール配管部27における頂部27Uよりも上流側に油が貯留されることで、第1ロックアウト弁2aのYポートから圧油が排出された際に、電磁弁201に空気が混入することが抑制される。同様に、第2ロックアウト弁2bのYポートから圧油が排出された際に、電磁弁203に空気が混入することが抑制される。
そして、本実施の形態のタービン非常用制御装置EAでは、逆Uシール配管部27の頂部27Uが、第1ロックアウト弁2aの電磁弁201及び第2ロックアウト弁2bの電磁弁203よりも高い位置に設定されているため、メインスプール弁201,203よりも液面が高くなるように、逆Uシール配管部27における頂部27Uよりも上流側の部位に油を貯留することができる。そして、このように油を貯留した場合には、逆Uシール配管部27における油の水頭圧によって、メインスプール弁201,203まで油が至ることになるため、これらメインスプール弁201,203の流路内に空気が混入することを確実に防止することができる。
なお、本実施の形態のタービン非常用制御装置EAでは、逆Uシール配管部27の頂部27Uは、電磁弁101,102,104,105,201,203及びメインスプール弁103,106,202,204のいずれよりも、高くなっているといった構成を説明したが、頂部27Uは、これらの弁のうちのいずれかよりも低い位置にあってもよいし、これらの弁の全てよりも低い位置にあっても構わない。また、本実施の形態では、上流側共通ドレン配管25と下流側共通ドレン配管26とが別体であるものとしたが、一体に形成されていてもよい。また、逆Uシール配管部27が下流側共通ドレン配管26と一体であると説明したが、別体で組み付けられるものでもよい。また、本実施の形態では、給油配管28が高圧油発生装置40から直接的に油を供給される構成を説明したが、給油配管28は、高圧油発生装置40とは別の装置から油を供給されても構わない。
(第2の実施の形態)
次に、図6は、本発明の第2の実施の形態のタービン非常用制御装置を示している。本実施の形態における第1の実施の形態と同様の構成部分については、同一符号を付し、説明は省略する。
図6に示すように、本実施の形態では、給油配管28に、オリフィス60が設けられている点で第1の実施の形態と異なっている。
本実施の形態によれば、オリフィス60によって、給油配管28から逆Uシール配管部27に供給される油の給油量を調整でき、また、急激に油が供給されないようにして、給油配管28の上流側の圧力低下を抑制できる。
(第3の実施の形態)
次に、図7は、本発明の第3の実施の形態のタービン非常用制御装置を示している。本実施の形態における第1の実施の形態と同様の構成部分については、同一符号を付し、説明は省略する。
図7に示すように、本実施の形態では、給油配管28に、開閉弁としての手動弁62が設けられている点で第1の実施の形態と異なっている。手動弁62は、作業者の操作に応じて給油配管28の開度を調整できるように構成されている。
本実施の形態によれば、給油配管28から逆Uシール配管部27に供給する油の給油量を手動弁62によって柔軟に調整することができ、例えば、給油中であっても給油量を容易に調整できる。なお、油の給油量を柔軟に調整するために、手動弁62に代えて電動弁を用いてもよい。
(第4の実施の形態)
次に、図8は、本発明の第4の実施の形態のタービン非常用制御装置を示している。本実施の形態における第1の実施の形態と同様の構成部分については、同一符号を付し、説明は省略する。
図8示すように、本実施の形態では、給油配管28に、開閉弁としての電磁弁64が設けられている点で第1の実施の形態と異なっている。電磁弁64は、ソレノイドを備え、ソレノイドの駆動に応じて給油配管28の開閉を切り替えることが可能となっている。
本実施の形態によれば、給油配管28から逆Uシール配管部27に供給される油の給油状態と非給油状態とを電磁弁64によって切替え可能であることで、給油必要時に効率的に油を逆Uシール配管部27に給油できる。
なお、第2の実施の形態及び第3の実施の形態による装置においても、本実施の形態で説明した電磁弁64が追加的に設けられていてもよい。
(第5の実施の形態)
次に、図9は、本発明の第5の実施の形態のタービン非常用制御装置を示している。本実施の形態における第1の実施の形態と同様の構成部分については、同一符号を付し、説明は省略する。
図9に示すように、本実施の形態では、下流側共通ドレン配管26が逆Uシール配管部27を有しておらず、下流側共通ドレン配管26の下流側端部(排出口26Ex)が高圧油発生装置40に接続されていない点で第1の実施の形態と異なっている。更に、本実施の形態では、下流側共通ドレン配管26の排出口26Exが内部に配置され、内部に油POが貯留されたドレンタンク66が備えられている点で、第1の実施の形態と異なっている。
本実施の形態では、下流側共通ドレン配管26が、上流側共通ドレン配管25から水平状態で延びた後に下方に延びて、その排出口26Exを下方に向けており、排出口26Exがドレンタンク66内に挿入された状態となっている。ドレンタンク66には、排出口26Exから排出された排油が貯留される。当該排油はドレンタンク66内の油POに混入されてドレンタンク66内に貯留される。また、ドレンタンク66の側壁部において下流側共通ドレン配管26の排出口26Exよりも上方の部位には、ドレンポート66Aが設けられ、ドレンタンク66に貯留された排油の混入によって油POがドレンポート66Aの高さ位置まで到達すると、ドレンポート66Aから油POが高圧油発生装置40に排出されるようになっている。
このようにして、本実施の形態では、ドレンタンク66における油POの液面高さは、下流側共通ドレン配管26の排出口26Exの高さ以上に維持されるようになっている。
本実施の形態によれば、ドレンタンク66における油POの液面高さが、下流側ドレン配管26の排出口26Exの高さ以上に維持されていることで、当該排出口26Exが油POに浸漬され、その上流側への空気の流入が防止される。このことにより、第1マスタートリップ弁1aのメインスプール弁103及び第2マスタートリップ弁1bのメインスプール弁106の流路内に空気が混入することが防止される。このため、タービン運転中における、主要蒸気弁MSV等に供給される圧油の圧力変動を防止することができる。そして、流路の切り替えによって、第1トリップ装置TA及び第2トリップ装置TBの各ドレンポートから排出される排油または第1トリップ装置TA及び第2トリップ装置TBの各弁の間隙部を通り各ドレンポートから排出される排油がドレンタンク66に貯留されるのを待つのではなく、ドレンタンク66には油POが既に貯留されているので、油の貯留に長時間を要することがない。この結果、当該タービン非常用制御装置が蒸気タービンの安全な運転に影響を与えないことに関しての信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、ドレンタンク66の側壁部において下流側共通ドレン配管26の排出口26Exよりも上方の部位にドレンポート66Aが設けられている。このことにより、ドレンタンク66内の油POがドレンポート66Aの高さ位置まで到達すると、油POがドレンポート66Aから高圧油発生装置40に排出されるようになっている。このため、ドレンタンク66における油POの液面高さを、下流側共通ドレン配管26の排出口26Exの高さ以上に維持しつつ、過剰な油POが適宜自動的に排出され、ドレンタンク66内において油POを排出口26Exの高さ以上に維持させるための管理が容易となる。
(第6の実施の形態)
次に、図10は、本発明の第6の実施の形態のタービン非常用制御装置を示している。本実施の形態における第1の実施の形態と同様の構成部分については、同一符号を付し、説明は省略する。
図10に示すように、本実施の形態では、下流側共通ドレン配管26が、下方に延びた後に上方に延びるUシール配管部68を有している。本実施の形態によれば、Uシール配管部68に、第1トリップ装置TA及び第2トリップ装置TBの各ドレンポートから排出される排油または第1トリップ装置TA及び第2トリップ装置TBの各弁の間隙部を通り排出された排油が貯留される。このことにより、Uシール配管部68の上流側への空気の流入が防止され、第1マスタートリップ弁1aのメインスプール弁103及び第2マスタートリップ弁1bのメインスプール弁106の流路内に空気が混入することが防止される。このため、タービン運転中における、主要蒸気弁MSV等に供給される圧油の圧力変動を防止することができる。そして、第1マスタートリップ弁1aのメインスプール弁103及び第2マスタートリップ弁1bのメインスプール弁106の流路内への空気の混入を防ぐために必要なUシール配管部68に貯留すべき油量が、従来の逆U字状の配管のみを追加したタービン非常用制御装置と比較して、少量で済む。すなわち、Uシール配管部68の底部が満油(配管断面が全て満たされた状態)となれば、空気の混入を防ぐことができる。このことにより、従来の逆U字状の配管のみを追加した前記装置と比較して、シール配管部68への油の貯留に長時間を要することがない。この結果、タービン非常用制御装置が蒸気タービンの安全な運転に影響を与えないことに関しての信頼性を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるタービン非常用制御装置は、上述した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。
さらに、上述した実施の形態に、適宜構成要素を追加してもよい。例えば、第1〜第4の実施の形態の構成においては、逆Uシール配管部27において油の液面高さが所定高さ以上に維持されることが好ましく、油の液面高さを所定高さ以上に維持するために、油の液面高さを検出する油面計や、当該油面計の検出結果に応じて給油配管28から供給する油の給油量を制御する電動制御弁等を追加しても構わない。
1a 第1マスタートリップ弁
1b 第2マスタートリップ弁
2a 第1ロックアウト弁
2b 第2ロックアウト弁
10 第1配管
11 第2配管
12 第3配管
13 第4配管
20 第1マスタートリップ弁用ドレン配管
21 第1ロックアウト弁用ドレン配管
22 第2マスタートリップ弁用ドレン配管
23 第2ロックアウト弁用ドレン配管
25 上流側共通ドレン配管
26 下流側共通ドレン配管
27 逆Uシール配管部
28 給油配管
60 オリフィス
62 手動弁
64 電磁弁
66 ドレンタンク
68 Uシール配管部
101,102,104,105, 201, 203 電磁弁
103,106,202,204 メインスプール弁
TA 第1トリップ装置
TB 第2トリップ装置
EA タービン非常用制御装置

Claims (11)

  1. 第1マスタートリップ弁と、当該第1マスタートリップ弁の出力ポートの下流側に第1配管を介して配置された第1ロックアウト弁と、を有する第1トリップ装置と、
    第2マスタートリップ弁と、当該第2マスタートリップ弁の出力ポートの下流側に第2配管を介して配置された第2ロックアウト弁と、を有する第2トリップ装置と、
    前記第1トリップ装置の前記第1ロックアウト弁の出力ポートと前記第2トリップ装置の前記第2マスタートリップ弁の入力ポートとを接続する第3配管と、
    前記第1配管から分岐して、前記第2トリップ装置の前記第2ロックアウト弁に接続される第4配管と、
    前記第1マスタートリップ弁及び前記第2マスタートリップ弁の各ドレンポートに接続される上流側共通ドレン配管と、
    前記上流側共通ドレン配管から下流側に延びる下流側共通ドレン配管と、
    を備え、
    前記下流側共通ドレン配管は、上方に延びた後に下方に延びる逆Uシール配管部を有しており、
    前記逆Uシール配管部には、当該逆Uシール配管部における頂部よりも上流側に油を供給するための給油配管が接続されている
    ことを特徴とするタービン非常用制御装置。
  2. 前記第1マスタートリップ弁は、前記出力ポートから前記第1ロックアウト弁に圧油を供給するための位置と、前記出力ポートから前記ドレンポートを通して圧油を排出するための位置とに選択的に位置付けられる弁本体を有し、
    前記第2マスタートリップ弁は、前記出力ポートから前記第2ロックアウト弁に圧油を供給するための位置と、前記出力ポートから前記ドレンポートを通して圧油を排出するための位置とに選択的に位置付けられる弁本体を有し、
    前記逆Uシール配管部の頂部は、前記第1マスタートリップ弁の前記弁本体及び前記第2マスタートリップ弁の前記弁本体よりも、高い位置に設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のタービン非常用制御装置。
  3. 前記上流側共通ドレン配管は更に、前記第1ロックアウト弁及び前記第2ロックアウト弁の各ドレンポートに接続されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタービン非常用制御装置。
  4. 前記第1ロックアウト弁は、当該第1ロックアウト弁の前記ドレンポートに連通する弁本体を有し、
    前記第2ロックアウト弁は、当該第2ロックアウト弁の前記ドレンポートに連通する弁本体を有し、
    前記逆Uシール配管部の頂部は、前記第1ロックアウト弁の前記弁本体及び前記第2ロックアウト弁の前記弁本体よりも高い位置に設定されている
    ことを特徴とする請求項3に記載のタービン非常用制御装置。
  5. 前記給油配管に、オリフィスが設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のタービン非常用制御装置。
  6. 前記給油配管に、開閉弁が設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のタービン非常用制御装置。
  7. 前記開閉弁は、手動弁である
    ことを特徴とする請求項6に記載のタービン非常用制御装置。
  8. 前記開閉弁は、電磁弁である
    ことを特徴とする請求項6に記載のタービン非常用制御装置。
  9. 前記給油配管に、電磁弁が更に設けられている
    ことを特徴とする請求項7に記載のタービン非常用制御装置。
  10. 第1マスタートリップ弁と、当該第1マスタートリップ弁の出力ポートの下流側に第1配管を介して配置された第1ロックアウト弁と、を有する第1トリップ装置と、
    第2マスタートリップ弁と、当該第2マスタートリップ弁の出力ポートの下流側に第2配管を介して配置された第2ロックアウト弁と、を有する第2トリップ装置と、
    前記第1トリップ装置の前記第1ロックアウト弁の出力ポートと前記第2トリップ装置の前記第2マスタートリップ弁の入力ポートとを接続する第3配管と、
    前記第1配管から分岐して、前記第2トリップ装置の前記第2ロックアウト弁に接続される第4配管と、
    前記第1マスタートリップ弁及び前記第2マスタートリップ弁の各ドレンポートに接続される上流側共通ドレン配管と、
    前記上流側共通ドレン配管から下流側に延びる下流側共通ドレン配管と、
    前記下流側ドレン配管の排出口が内部に配置され、油が貯留されたドレンタンクと、
    を備え、
    前記ドレンタンクにおける油の液面高さは、前記排出口の高さ以上に維持されている
    ことを特徴とするタービン非常用制御装置。
  11. 第1マスタートリップ弁と、当該第1マスタートリップ弁の出力ポートの下流側に第1配管を介して配置された第1ロックアウト弁と、を有する第1トリップ装置と、
    第2マスタートリップ弁と、当該第2マスタートリップ弁の出力ポートの下流側に第2配管を介して配置された第2ロックアウト弁と、を有する第2トリップ装置と、
    前記第1トリップ装置の前記第1ロックアウト弁の出力ポートと前記第2トリップ装置の前記第2マスタートリップ弁の入力ポートとを接続する第3配管と、
    前記第1配管から分岐して、前記第2トリップ装置の前記第2ロックアウト弁に接続される第4配管と、
    前記第1マスタートリップ弁及び前記第2マスタートリップ弁の各ドレンポートに接続される上流側共通ドレン配管と、
    前記上流側共通ドレン配管から下流側に延びる下流側共通ドレン配管と、
    を備え、
    前記下流側共通ドレン配管は、下方に延びた後に上方に延びるUシール配管部を有している
    ことを特徴とするタービン非常用制御装置。
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