JP2015161058A - 電動機によって駆動される供給シリンダを備えたコーミング機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】供給シリンダを1つの電動機で個別に駆動することができ、かつ公知の解決策における欠点を排除する解決策を提供する。
【解決手段】コーミング機械の、伝動装置段Gを介して電動機式の駆動装置Mに接続されているニッパユニット2のための供給シリンダ12であって、前記電動機式の駆動装置M及び前記伝動装置段Gが、中空体Hとして形成された前記供給シリンダ12の内部に配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、コーミング機械の、伝動装置段を介して電動機式の駆動装置に接続されているニッパユニットのための供給シリンダに関する。
本発明はまた、本発明のように形成された供給シリンダを用いて、コーミングされた繊維フリースを形成するための、コーミング機械におけるコーミング除去高さを調節する方法に関する。
本発明はさらにまた、本発明のように形成された少なくとも1つの供給シリンダを備えたコーミング機械に関する。
欧州特許出願公開第360064号明細書に基づいて、既に、コーミング機械の供給シリンダのための駆動装置が公知である。この公知の駆動装置では、中間伝動装置を介して供給シリンダに接続されている電動機が、ニッパユニットの領域に取り付けられている。電動機の駆動パルスは、ニッパユニットの運動に同期される。例えば円形コーム軸のその都度の回転角は、増分発信器を介してピックアップされ、供給シリンダの駆動装置を制御するためのベースとして使用される。
コーミング機械の各供給シリンダのための特別な電動機の使用は、連続運転中においても供給シリンダの供給量と供給インターバルとの個別の適合を可能にする。欧州特許出願公開第360064号明細書の出願時点では、このような使用のために利用できる電動機は、なおかなり大型でかつ重かったので、ニッパユニットの往復動中に、電動機及び伝動ユニットの追加的に運動させられる質量が、追加的なエネルギ消費を必要とした。さらに、ニッパユニットのための旋回レバーの軸受箇所も追加的に負荷され、摩耗し易さも高められていた。
また独国特許発明第19506351号明細書には、供給ローラの駆動をニッパ軸の旋回軸受から行うことが提案されており、このように構成されていると、使用される電動機を、もはやニッパユニットによって動かす必要がない。この公知の構成では、機械フレームに固定された電動機は、例えば、旋回軸受に支持されたベルト車を駆動し、このベルト車を用いて駆動力は、歯付きベルトを介して別のベルト車、つまり供給シリンダに回動不能に結合された別のベルト車に伝達される。この構成は、電動機の質量もしくは重量をコーミング動作中にもはや一緒に運動させる必要がないようにすることができる。しかしながらこの構成には、駆動力を電動機から各供給シリンダに伝達するために、かなり長い伝動エレメント(例えば歯付きベルト)の使用が不可欠である、という欠点がある。一般的に、駆動力伝達のための伝動装置エレメントを、電動機と供給シリンダの間の領域に設けることには問題がある。それというのは、このような伝動エレメントは繊維フライによって比較的早期に汚染される可能性があるからである。このことを回避するためには、これらの伝動エレメントに相応のカバーを設けることが必要である。このことは面倒でかつコストが掛かるのみならず、追加的な所要スペースまで必要とする。さらに、カバーの重量の少なくとも一部は、コーミング動作中にやはり一緒に運動されねばならない。
欧州特許出願公開第360064号明細書 独国特許発明第19506351号明細書
ゆえに本発明の課題は、供給シリンダを1つの電動機で個別に駆動することができ、かつ公知の解決策における欠点を回避する解決策を提供することである。
この課題を解決するために本発明の構成では、供給シリンダの電動機式の駆動装置及び駆動装置のための伝動装置段が、中空体として形成された前記供給シリンダの内部に配置されている。
このように構成されていると、電動機式の駆動装置(もしくは電動機)、並びに伝動装置エレメントは、供給シリンダの中空体の内部における隔離された室内に位置することになり、これにより汚染に対して保護される。さらに、供給シリンダ内に組み込まれた電動機の質量は比較的僅かであり、従って、モータがコーミング動作中に一緒に運動させられる場合でも、大きな追加的負荷(エネルギ、軸受負荷)が生じることはない。供給シリンダの中空室内に電動機式の駆動装置を組み込むことによって、一方では汚染に対して敏感ではなく、かつ他方では容易に取付け・取外しが可能な、コンパクトな構成ユニットが得られる。
さらに別の態様では、供給シリンダは、軸受スリーブに取り付けられた軸受エレメントを介して回転可能に支持されていて、軸受スリーブは、供給シリンダの両端部において該供給シリンダの中空室内に進入している。
好適な態様では、電動機式の駆動装置及び伝動装置段は、供給シリンダ内に進入する軸受スリーブの間に配置されており、伝動装置段は一方では、電動機式の駆動装置のモータ軸に回動不能に結合され、かつ他方では、供給シリンダの中空体に回動不能に結合されている。
さらに別の態様では、電動機式の駆動装置は制御部分を有していて、かつモータ軸の角度位置を検出するためのセンサユニットを備えている。制御部分もまた同様に、供給シリンダの中空室の内部に位置している。
中空シリンダを支持するために軸受スリーブを使用することによって、電動機式の駆動装置に通じる給電線を、軸受スリーブのうちの1つの中空室を通って延ばすことが可能である。
供給シリンダをニッパユニットに取り付けるために、別の態様では、供給シリンダの中空体から突出している、軸受スリーブの端部が、ニッパユニットに固定されている。
供給プロセスの位置正確な制御を実施することができるようにするために、別の態様では、電動機式の駆動装置はサーボモータを有している。
さらに、コーミングされた繊維フリースを形成するために、ニッパユニットの、電動機式の駆動装置によって駆動される供給シリンダを用いて、コーミング機械におけるコーミング除去高さを調節する方法が提案される。
本発明の方法では、コーミング過程のためにニッパユニットのニップ箇所を越えて進出する繊維材料の長さと、裂断過程のためにニッパユニットのニップ箇所を越えて進出する繊維材料の長さとの比を、回転角及び回転方向に関する、供給シリンダの制御された運動によって確定する。
両方の長さの比は、コーミング過程のための繊維タフトの長さ/裂断過程のための繊維タフトの長さによって確定される。
公知のコーミング機械では、コーミング除去高さ(ノイルの百分率による割合)を確定するために、設定間隔(下側のニッパプレートと後続の裂断ローラのクランプ箇所との間における最小間隔)が調節される。この調節は、ニッパ軸の領域における調節装置において行われ、機械停止状態においてしか行うことができない。このような調節は時間が掛かり、かつ特定の段階に制限されている。本発明のように電動機式の駆動装置を制御することによって、コーミング除去高さのフレキシブルな調節が、運転中においても単に制御装置を用いて行うことができる。これによって、例えば供給シリンダの回転方向の逆転によって、裂断過程のために既に予め供給された供給量を、再び部分量だけ戻し搬送することが可能となり、ひいては、ニッパのニップ箇所から進出している繊維材料(繊維タフトとも呼ばれる)の長さをコーミング過程のために短くすることができる。これによってコーミング除去高さを減じることができ、このとき設定間隔は不変のままである。このような調節とは逆に、供給シリンダの駆動装置を制御して、設定間隔を変化させることなくコーミング除去のレベルを高めることも可能である。この場合には、コーミング過程のためのニッパの閉鎖直前に、繊維材料の供給量に加えて追加的な部分量が供給される。これによってコーミング過程のためにより長い繊維タフトが得られる。コーミング過程が終了して、ニッパが再び開放されると、追加的に供給された部分量は、供給シリンダの回転方向の逆転によって再び引き戻される。これにより、追加的な部分量なしに、次いで行われる裂断過程のために、再び本来の繊維タフト長さを有することができる。
さらに、本発明による供給シリンダを使用して、コーミング機械において繊維フリースを形成する方法が提案される。この方法では、ニッパユニットのニップ箇所の閉鎖前にその都度、予め供給された供給量が、予め設定された部分量だけ引き戻され、これによってニッパユニット(略してニッパ)の閉鎖時に、コームセグメントに提供された繊維材料自由端部(繊維タフトとも呼ぶ)は、前記部分量だけ短縮された長さを有することになる。この部分量は、供給シリンダの逆転運動によって正確に決定することができる。コーミング除去動作の前に繊維タフトの長さを減じることによって、コーミング除去された成分(ノイル)を減じることができる。
紡績設備所有者は、必要な品質を達成しながら可能な限り高い生産性を得ることを考えている。すなわち、コーミング機械において製造されるコーミング機械ベルトの、顧客が望む品質を維持することができるならば、コーミング機械において可能な限り僅かな除去物(ノイル)しか生じないことが望まれている。
供給シリンダの電動機式の駆動装置を相応に制御することによって、コーミング機械の調節過程時における、供給量のうちの引き戻される部分量は、紡績工にとって最適な結果が得られるまで長く変化させることができる。
供給シリンダの電動機式の駆動装置を相応に制御することによって、コーミング除去される繊維タフトの長さの変化を、設定間隔を同じ値のままで、後退供給(ニッパの後退時における供給量の供給)時にも又は混合供給(前進及び後退における供給)時にも、可能にすることができる。
重要なポイントは、コーミング過程のために提供された繊維タフトの長さを、供給シリンダの制御された回転運動(前進回転及び後退回転)によって変化させることである。
繊維タフトの後端部をも裂断過程中にコーミング除去するために、固定カムの針布が繊維タフトに係合させられる。すなわち、裂断装置(例えば裂断ローラ対)によって、提供された繊維タフトから引き出された繊維材料は、少なくともその後端部が固定カムの針布によって引っ張られる。これによって、特にこの領域になお存在する「ネップ(Nisse)」及びその他の不純物は引き留められて引き離される。
本発明のように構成された供給シリンダは、コーミング機械において使用されると好適である。
各供給シリンダの電動機式の駆動装置と、コーミングプロセスに関与するその他のユニット(例えばニッパ、円形コーム、裂断ローラ)との間における同期運転を保証するために、少なくとも1つの供給シリンダの電動機式の駆動装置の制御部分は、中央の制御ユニットに接続されており、この制御ユニットは、コーミング機械の少なくとも1つの主軸の回転角を検出するセンサユニットに接続されている。
供給シリンダの駆動装置のフレキシブルな調節のために、別の態様では、コーミング機械は、中央の入力箇所を備えていて、該入力箇所を用いて、供給量の値、該供給量の戻し搬送される部分量の値、並びに、供給量と該供給量の部分量との時間インターバルが調節可能である。
本発明のその他の利点については、以下の実施形態において詳しく図示及び説明する。
裂断ポジションにおけるコーミング機械のコーミングヘッドを概略的に示す側面図である。 図1に示したコーミングヘッドをコーミングポジションにおいて示す側面図である。 本発明のように構成された供給シリンダを示す断面図である。 可能な供給インターバルを示す線図である。
図1には、コーミング機械のコーミングヘッド1が側面図で示されており、コーミング機械では通常、このようなコーミングヘッドが複数互いに並んで位置するように配置されている。コーミングヘッドは、往復揺動するニッパユニット2(略してニッパと呼ぶ)を有しており、このニッパ2は、旋回アームS1,S2を介して旋回運動可能にコーミング機械の機械フレームに支持されている。
旋回アームS1(これは2つであってもよい)は、双方向矢印で示すように、ニッパ軸ZWを介して往復動させられる。旋回アームS1は、旋回軸22を介してニッパ2のニッパフレーム3に旋回可能に取り付けられている。ニッパ2の前側領域には、1つ(又は2つ)の旋回アームS2が旋回軸22を介してニッパフレーム3に結合されており、旋回アームS2の他方の端部は、機械フレームに回転可能に支承された、円形コーム8の軸9に支持されている。コーミング過程のために、円形コーム8はその外周部にコーミングセグメント10を備えている。
ニッパ2は、下側のニッパプレート4を有しており、このニッパプレート4はニッパフレーム3に堅く取り付けられている。下側のニッパプレート4の上には、旋回軸6及び旋回アームB1,B2を介して上側のニッパプレート5(「ニッパカッタ」とも呼ぶ)が旋回可能に取り付けられている(双方向矢印参照)。図1に示した実施形態では、ニッパ2は、開放された最前位の位置にある。この位置において、下側のニッパプレート4の前端部(この前端部にはニップ箇所KSも位置している)は、後続の裂断ローラ対20のクランプラインKLに対して間隔(設定間隔(Ecartement))Eを有している。公知のように、裂断ローラ対20の下流側には、継ぎ合わせプロセス(Loetprozess)を促進するために図示されていない別のローラ対が配置されていてよい。クランプラインKLからは、既に形成された繊維フリースVの端部VEが進出しており、この端部VEには、ニッパ2から進出している繊維材料Wの端部FB(繊維タフトという)が合致させられる。裂断ローラ20の回転方向(矢印参照)で、繊維タフトFBの端部は裂断ローラ対20のクランプラインKLに達し、これによって、このとき捕捉された繊維は繊維タフトFBから引き出され、繊維フリースVと継ぎ合わされる。この過程は一般に知られており、ゆえにここでは詳説しない。裂断過程中に、少なくとも、引き出された繊維の後端部は、下側のニッパプレート4の前端部と裂断ローラ対20との間に位置している図示されていない固定コームの針布によって引っ張られる。このような固定コームの使用も一般的に知られている。
繊維材料W(例えばケンスからの巻成体又は繊維ベルトのラップ(Watte))をコーミング動作(Kammspiel)中に歩進的に予め設定された供給量でニッパ2のニップ箇所KSに供給するために、ニッパ2における下側のニッパプレート4の上には、回転可能に支承された供給シリンダ12が取り付けられている。所定供給量の供給は、コーミング動作中に確定された時間インターバル内において断続的に行われる。今日のコーミング機械は、1分当たり600回までのコーミング動作(ニップ数)を実施することができる。供給シリンダ12の断続的な駆動は、図示の実施形態では電動機式の駆動装置(略してモータ)Mによって行われる。このモータMは、図3に示すように、中空シリンダとして形成された供給シリンダ12の内部に設けられており、これについては後で詳しく述べる。
図2は、後方位置におけるニッパ2を示し、この後方位置においてニッパ2は閉鎖されている。このときニッパカッタ5(上側のニッパプレート)は、略示された少なくとも1つのばねアームFDの作用下で押圧されてニップ箇所KSの領域において下側のニッパプレート4に押し付けられ、これにより繊維材料Wはこの領域においてクランプされる。
矢印により略示された円形コーム8の回転運動によって、コーミングセグメント10の針布は、繊維材料Wの、ニップ箇所KSを越えて突出する端部(繊維タフトFB)に刺さり、ニップ箇所によって固定されていない繊維及びその他の夾雑物をコーミング除去する。これらのコーミング除去された成分は、次いで公知の処理装置を介して下方に向かって排出される。
供給シリンダ12の運動を円形コーム軸9の運動に正確に合わせることができるようにするために、円形コーム軸9の各回転角は、センサ18を介して検出され、ライン19を介して制御ユニットSTに伝達される。ライン25を介して制御ユニットSTは、制御部分Sに接続されており、この制御部分Sは、同様に供給シリンダ12の中空シリンダHの内部に配置されており(図3参照)、この制御部分Sを介して、供給シリンダ12の内部におけるモータMが制御される。制御部分Sには、回転角発信器が組み込まれており、この回転角発信器を介して、モータMのモータ軸M1のその都度の回転角が検出される。
モータMへの給電のために、モータMは、制御部分S及びライン26を介して略示された電流源30に接続されている。
供給シリンダ12の内部における破線で示した矢印によって暗示されるように、ニッパ2の閉鎖直前に、予めニッパ2の前進移動時(ニッパ2が裂断ローラ20に接近運動する時)に供給シリンダ12を介して供給された供給量は、再び、部分量aだけ引き戻される。これによって、ニップ箇所KSを越えて進出する繊維タフトFBは、長さL1を有することになり、この長さL1は部分量aだけ短縮されている。つまりコーミングプロセス(図2)のためには、後続の裂断過程のためよりも短い(長さL1を有する)繊維タフトFBが使用される。このことは、コーミングプロセスの終了後でかつニッパの前進運動の導入後にニッパが再び開放された時に、この引き戻された部分量aが再び供給量bと共に、供給シリンダ12によって再び供給されることによって起こる。これについては後で線図(図4)を参照しながらさらに詳説する。
図3には、本発明によって提案された供給シリンダ12が横断面図で略示されている。この供給シリンダ12は中空シリンダHから成っており、この中空シリンダH内には、モータM、伝動装置G及び制御部分Sを備えた電動機式の駆動装置が配置されている。制御部分Sにはさらに回転角発信器(図示せず)が接続されており、この回転角発信器を介してモータ軸のその都度の回転角位置がピックアップされて、制御部分Sに伝達される。
電動機式の駆動装置は、中空シリンダHの中空室HR内において2つの軸受スリーブ32,33の間に位置しており、両軸受スリーブ32,33には中空シリンダHが、軸受Nを介して回転可能に支承されている。軸受スリーブ32,33は軸受エレメント14,15によって保持され、両軸受エレメント14,15は、ニッパフレーム3に固定されている。略示されたねじRによって、軸受スリーブ32,33は軸受エレメント14,15内に固定されている。軸受エレメント14,15は、軸受スリーブ32,33のより簡単な取付けのために、2分割されて形成されていてもよい(図示せず)。中空室Hの内部における電動機式の駆動装置の固定部へのアクセスを得るため、ライン(電流ケーブル、制御ライン)を供給するためのアクセスを得るために、軸受スリーブ32,33は、中央の貫通孔Dを有している。
制御部分Sと共に1つのユニットを形成するモータMは、固定手段(図示せず)を介して軸受スリーブ32,33に堅く結合されている。モータMの出力軸M1は、伝動装置G内に進入しており、この伝動装置Gにおいて回転数が減じられる。減じられた回転数は、伝動装置Gの出力軸M2において供給シリンダ12の中空シリンダHの内面に伝達される。モータ回転数の調整及び軸M2の角運動は、制御部分Sを介して行われ、この制御部分Sはさらに、軸受スリーブ32を貫通するライン25を介して中央の制御ユニットSTに接続されている。電流源30からの給電は、軸受スリーブ32を貫通するライン26を介して行われる。
伝動装置Gの軸M2の回転運動を供給シリンダ12の中空体Hに伝達するために、例えばねじ40である固定手段を介して、カップリング34が軸M2に回動不能に固定されている。供給シリンダ12の回転軸線11に対する軸方向で見て、軸M2のための収容孔37が位置している端部とは反対側に位置する、カップリング34の端部には、ねじ山付き孔41が設けられている。このねじ山付き孔41にはねじ38がねじ込まれており、このねじ38は、円板36の孔Bを貫いて延びている。カップリング34と円板36との間には、スリットを備えたクランプリング35が設けられており、このクランプリング35の外周部Uは、クランプされた状態において、中空体Hの内面H1に接触している。クランプリング35はその両端面に斜めのクランプ面Kを備えており、両クランプ面Kはそれぞれ、カップリング34及び円板36の端面に取り付けられている。
軸受スリーブ33の中央孔を通して引き締めることができるねじ38を介して、円板36はカップリング34に対して押圧される。この際にクランプ面Kを介して、スリットを備えたクランプリング35の外径は拡大され、これによってクランプリング35の外周部Uは、中空成形体の内周部H1に接触し、確実なクランプ結合部を形成する。
制御ユニットSTに、供給シリンダ12のモータMを制御するための所望の供給量及び供給インターバルを、制御部分Sを介して与えるために(材料、コーミング除去、スタック長さ等々に関連して)、制御ユニットSTはライン47を介して入力ユニット44(例えばキーボード)及び光学式の表示器(例えばモニタ)に接続されている。これによって、相応の材料提供及び所望のコーミング除去に関連して、相応の値を設定することができ、ひいて供給シリンダ12の回転運動を、モータMを介して相応に制御することができる。供給シリンダ12のコーミング動作中における、例えば円形コーム軸9との同期運動を保証するために、円形コーム軸9の回転角はセンサ18を介して正確に検出され、このセンサ18はその信号を、ライン19を介して制御ユニットSTに伝達する。制御ユニットSTにおいて、所与のプログラム(ソフトウェア)によって、キーボード44を介して入力された値が、円形コーム軸9の回転角位置と合わせられ、モータMの制御部分Sは相応に制御される。既に述べたように、モータMの軸M1のための回転角検出装置も設けられており、この回転角検出装置は例えば制御部分S内に組み込まれていてよい。
図4の線図を参照しながら、本発明に係る「前進供給(Vorlaufspeisung)」の方法について詳説する。この図4には、ニッパ及び供給シリンダ(供給装置)のニッパカッタ(上側のニッパプレート)の運動及び時間インターバル、並びにコーミング動作中における円形コームのコームセグメントのコーミング周期(コーミング)が示されている。コーミング動作は40のインデックスにわたって分割される。インデックス0/40の位置において、ニッパは最後方位置にあり、この最後方位置において、ニッパと後続の裂断ローラ20との間における間隔Aは最大である。この位置は、後方の死点HTとも呼ばれる。ニッパと裂断ローラとの間における最も小さな間隔E(「設定間隙」とも呼ばれる)は、インデックス24において生じ、このインデックス24において、ニッパは再びその後方への運動を開始する。この位置は、前方の死点VTとも呼ばれる。
ニッパカッタは、インデックス34からインデックス10に至る間において下側のニッパカッタとのニップ箇所にあり、これによってニッパはこの期間において閉鎖されている。線図の下側部分から分かるように、この期間中には、円形コーム8のコームセグメント10によってコーミング過程(コーミング)が行われる。
線図から分かるように、ニッパは前方の死点VTにおいて最も開放されている。次いでニッパの閉鎖運動は、その後退運動においてインデックス24とインデックス34との間において行われる。
コーミング過程のための供給量bの供給は、供給シリンダの前進回転(図1)によって、もしくは制御部分SによるモータMの相応の制御によって行われる。この供給過程は、インデックス14において開始し、ニッパの最前位の位置が得られるインデックス24において終了する。裂断ローラによる裂断過程は、既に、ニッパの最前位の位置が得られる前に行われる。このことは一般的に知られているので(例えば「単繊維紡績(Die Kurzstapelspinnerei)」; 第3巻; The Textile Institute; 第3ページ ISBN 3-908.059-01-1)、ここではこれについて詳しく触れない。裂断過程の前における固定コームの係合の説明も、ここでは省く。
図4の線図から分かるように、予め供給された供給量bは、インデックス24とインデックス34との間におけるニッパの後退運動中に、再び部分量aだけ引き戻される。このことは、制御ユニットSTもしくは制御部分Sによる供給シリンダ12のモータMの相応の制御によって行われ、これによってモータMは、例えば図2における破線の矢印によって略示されているように後退回転させられる。この戻し搬送はいずれにせよ、ニッパがインデックス34において完全に閉鎖される前には、終了されていなくてはならない。つまりインデックス34とインデックス6との間におけるコーミング過程のためには、長さL1を有する繊維タフトFBが存在しており、この長さL1は、裂断過程時に前方の死点位置VTにおいて存在している長さLに対して部分量aだけ減じられている(L1=L−a)。コーミング過程が終了した(インデックス6)後で、予め引き戻されていた部分量aは再び供給される。この部分量aの供給は、本来の供給量bが供給される前に行われる。部分量aの供給は、既にインデックス10の前にも、つまり閉鎖されたニッパにおいて既に行うことができる。
供給シリンダ12の内部における電動機式の駆動装置の提案された使用によって、供給シリンダ12の運動は正確かつ迅速に実施することができ、このときコーミング除去高さは大きな手間もしくはコストを掛けることなしに変化させること及び調節することができる。コーミング除去高さを相応に変化させる及び調節するためには、単に入力ユニット44における手動入力だけしか必要ない。
すなわち、引き戻される部分量aの長さの選択によって、設定間隔Eを調節する必要なしに、コーミング除去高さ(ノイル(Kaemmling))を変化させることができる。供給シリンダ12の内部に組み込まれた電動機式の駆動装置の質量は、比較的小さいので、ニッパの旋回時に追加的に必要なエネルギ消費も比較的わずかである。
供給シリンダ12のための提案された駆動装置及び制御装置は、後退供給又は混合供給(前進と後退において組み合わせられた供給)が行われる場合にも、相応の適合を可能にする。すなわち供給シリンダ12のための電動機式の駆動装置の制御によって、設定間隔(間隔E)を調節する必要なしに、(VTにおける)裂断過程時における繊維タフトFBの長さが、(HTにおける)コーミング過程時における繊維タフトFBの長さと異なっていてよい、ということが可能になる。
1 コーミングヘッド、 2 ニッパユニット、ニッパ、 3 ニッパフレーム、 4 下側のニッパプレート、 5 上側のニッパプレート、 6 旋回軸、 8 円形コーム、 9 軸、 10 コーミングセグメント、 12 供給シリンダ、 14,15 軸受エレメント、 18 センサ、 19 ライン、 20 裂断ローラ、 25 ライン、 26 ライン、 30 電流源、 32,33 軸受スリーブ、 34 カップリング、 35 クランプリング、 36 円板、 37 収容孔、 38 ねじ、 40 ねじ、 41 ねじ山付き孔、 44 入力ユニット、 45 表示器、 47 ライン、 a 部分量、 A 間隔、 b 供給量、 B 孔、 B1,B2 旋回アーム、 D 貫通孔、 E 間隔、 F 搬送方向、 FB 繊維タフト、 FD ばねアーム、 G 伝動装置、 H 中空シリンダ、 H1 内面、 HR 中空室、 HT 後方の死点、 K クランプ面、 KL クランプライン、 KS ニップ箇所、 L1 長さ、 M 駆動装置、モータ、 M1,M2 出力軸、 R ねじ、 S 制御部分、 S1,S2 旋回アーム、 ST 制御ユニット、 U 外周部、 V 繊維フリース、 VT 前方の死点、 W 繊維材料、 W2 軸

Claims (13)

  1. コーミング機械の、伝動装置段(G)を介して電動機式の駆動装置(M)に接続されているニッパユニット(2)のための供給シリンダ(12)であって、
    前記電動機式の駆動装置(M)及び前記伝動装置段(G)が、中空体(H)として形成された前記供給シリンダ(12)の内部に配置されていることを特徴とする、コーミング機械のニッパユニット(2)のための供給シリンダ(12)。
  2. 前記供給シリンダ(12)は、軸受スリーブ(32,33)に取り付けられた軸受エレメント(N)を介して回転可能に支持されていて、前記軸受スリーブ(32,33)は、前記供給シリンダ(12)の両端部において該供給シリンダ(12)の中空室(HR)内に進入している、請求項1記載の供給シリンダ(12)。
  3. 前記電動機式の駆動装置(M)及び前記伝動装置段(G)は、前記供給シリンダ(12)内に進入する前記軸受スリーブ(32,33)の間に配置されており、前記伝動装置段(G)は一方では、前記電動機式の駆動装置(M)のモータ軸(M1)に回動不能に結合され、かつ他方では、前記供給シリンダ(12)の前記中空体(H)に回動不能に結合されている、請求項2記載の供給シリンダ(12)。
  4. 前記電動機式の駆動装置(M)は制御部分(S)を有していて、かつ前記モータ軸(M1)の角度位置を検出するためのセンサユニットを備えている、請求項3記載の供給シリンダ(12)。
  5. 前記電動機式の駆動装置(M)に通じる給電線(25,26)が、前記軸受スリーブ(32)のうちの1つの中空室を通って延びている、請求項3又は4記載の供給シリンダ(12)。
  6. 前記供給シリンダ(12)の前記中空体(H)から突出している、前記軸受スリーブ(32,33)の端部が、軸受エレメント(14,15)を介して前記ニッパユニット(2)に固定されている、請求項3から5までのいずれか1項記載の供給シリンダ(12)。
  7. 前記電動機式の駆動装置(M)はサーボモータを有している、請求項1から6までのいずれか1項記載の供給シリンダ(12)。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項記載のニッパユニットの、電動機式の駆動装置によって駆動される供給シリンダ(12)を用いて、コーミング機械におけるコーミング除去高さを調節する方法であって、
    コーミング過程のために前記ニッパユニットのニップ箇所を越えて進出する繊維材料の長さと、裂断過程のために前記ニッパユニットのニップ箇所を越えて進出する繊維材料の長さとの比を、回転角及び回転方向に関する、前記供給シリンダの制御された運動によって確定することを特徴とする、コーミング機械におけるコーミング除去高さを調節する方法。
  9. 請求項8記載の方法を用いて、コーミング機械においてコーミングされた繊維フリース(V)を形成する方法であって、下記の方法ステップ、すなわち、
    a)前記供給シリンダ(12)を介して、ニッパユニット(2)の開放したニップ箇所(KS)に、提供された繊維材料(W)の予め設定された供給量(b)を搬送方向(F)で供給するステップと、
    b)前記ニッパユニット(2)の前記ニップ箇所(KS)と後続の裂断装置(20)のクランプライン(KL)との間における間隔を、予め設定された最小値(E)にまで減じながら、前記ニッパユニット(2)の前記ニップ箇所(KS)を越えて突出していて予めコーミングされた、前記繊維材料の端部(FB)を、前記裂断装置(20)の前記クランプライン(KL)に引き渡すステップと、
    c)前記裂断装置(20)の前記クランプライン(KL)によって繊維パケットを裂断するステップと、
    d)裂断された前記繊維パケットの端部を、既に形成された繊維フリース(V)の端部(VE)に継ぎ合わせするステップと、
    e)前記搬送方向(F)とは逆方向に前記供給シリンダ(12)を用いて前記供給値(b)の部分量(a)を戻し搬送すると同時に、前記裂断装置(20)の前記クランプライン(KL)と前記ニッパユニット(2)の前記ニップ箇所(KS)との間における間隔を増大させるステップと、
    f)前記ニッパユニット(2)の前記ニップ箇所(KS)を閉鎖するステップと、
    g)閉鎖された前記ニップ箇所(KS)を越えて突出している、前記繊維材料(W)の前記端部(FB)を、コーミングセグメント(10)によってコーミング除去するステップと、
    h)コーミング過程終了後に前記ニップ箇所(KS)を開放するステップと、
    i)予め戻し搬送された前記部分量(a)と、別の供給量(b)とを前記搬送方向(F)において前記供給シリンダ(12)によって供給し、かつ前記方法ステップ(b)による方法を続けるステップと、
    を特徴とする、コーミング機械においてコーミングされた繊維フリース(V)を形成する方法。
  10. 前記裂断装置(20)の前記クランプライン(KL)への、前記繊維材料(W)の前記コーミング除去された端部(FB)の引渡し(方法ステップb)中に、前記繊維材料(W)の前記コーミング除去された端部(FB)に、固定コームを刺し込む、請求項9記載の方法。
  11. 請求項1から7までのいずれか1項記載の少なくとも1つの供給シリンダ(12)を備えたコーミング機械。
  12. 前記少なくとも1つの供給シリンダ(12)の前記電動機式の駆動装置(M)の制御部分(S)が、中央の制御ユニット(ST)に接続されており、該制御ユニット(ST)は、前記コーミング機械の少なくとも1つの主軸(9)の回転角を検出するセンサユニット(18)に接続されている、請求項11記載のコーミング機械。
  13. 前記コーミング機械は、中央の入力箇所(44,45)を備えていて、該入力箇所(44,45)を用いて、前記供給量(b)の値、該供給量(b)の戻し搬送される部分量(a)の値並びに、前記供給量(b)と該供給量(b)の前記部分量(a)との時間インターバルが調節可能である、請求項12記載のコーミング機械。
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