JP4782723B2 - 麺紐延ばし装置 - Google Patents

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Description

本発明は麺紐延ばし装置に関し、特に素麺、ひやむぎ、うどん、中華麺等の麺類の製造に用いる麺紐を所望の太さに正確に延ばすことができるようにした装置に関する。
例えば、素麺は概ね次のような作業工程で製造される。まず、小麦粉、食塩及び水をこね合わせて麺生地を作り(こね前作業)、麺生地を幅ほぼ10cm、厚さほぼ5cmの麺帯にして採桶に巻き込み(板切作業)、麺帯にごま油を塗りながら延ばしロールに通して麺紐にして採桶に巻き込み(油返し作業)、熟成させた後、麺紐に縒りをかけながら延ばしロールで直径ほぼ12mmにして採桶に巻き込み(細目作業)、熟成させた後、麺紐にさらに延ばしロールで直径ほぼ6mmにして採桶に巻き込み(こなし作業)、所望の太さの麺紐を製造する。
こうして得られた麺紐を熟成させた後、縒りをかけながら2本の棒に8の字を描くように掛け(かけば作業)、室箱(おも)に入れて熟成し、室箱から取り出した麺紐を2本の棒の間隔をほぼ50cmまで広げることによって延ばし(小引き作業)、室箱に入れ、室箱から取り出した麺紐を2本の棒の間隔をほぼ1.4mまで広げることによって延ばし(小分け作業)、はたで麺紐をさらに延ばしながら乾燥させ(門干し作業)、さらに1.6m、2mと徐々に引き延ばし、乾燥後に切断して製品の素麺が得られる。
素麺は上述のような作業工程を経て製造されるので、油返し・細目及びこなしの工程で得られる麺紐の太さは製品の素麺の太さに影響し、油返し・細目及びこなしの工程で麺紐を所望の太さに正確に延ばす必要がある。
そこで、円板状をなす合成樹脂製のローラの外周面に半円形凹状の部分を形成し、両ローラをその外周面が重なるように嵌め込み、採桶から引き出した麺紐をその円形の隙間に通して延ばし、さらに小さな隙間に通して麺紐の太さを調整するようにした延ばしローラ装置が提案されている(特許文献1)。
実公昭58−32632号公報
しかし、特許文献1記載の装置は作業者が手作業で麺紐の延ばし作業を行う際に用いるものであり、自動化するには大幅な改良をする必要があった。
また、太い麺紐をローラの小さな隙間に順次通して麺紐を延ばす関係上、麺紐を隙間に案内するガイドを設ける必要があるが、例えば薄い銅板等の金属材料でガイドを製作すると、麺紐がガイドの表面と擦れて麺紐の滓や粉が発生し、これが麺紐に巻き込まれると麺紐の品質が低下するという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑み、麺紐を所望の太さに正確に自動的に製造でき、しかも麺の滓や粉が巻き込まれて麺紐の品質が低下することのないようにした麺紐延ばし装置を提供することを課題とする。
そこで、本発明に係る麺紐延ばし装置は、麺紐を所定の太さに延ばすようにした麺紐延ばし装置において、延ばすべき麺紐が螺旋状に巻き込まれた第1の採桶と、麺紐を上記第1の採桶から引き出す引出し機構と、外周部に半円凹形状の部分を有する一対の円板状の延ばしローラを備え、上記半円凹形状の部分を相互に重ね合わされることにより楕円形状の隙間が構成され、該楕円形状の隙間に上記引き出された麺紐を引き込んで加圧することにより麺紐を上記隙間に応じた太さに延ばす延ばしローラ機構と、該延ばしローラ機構によって延ばされた麺紐が巻き込まれる第2の採桶と、該第2の採桶を回転させる回転機構と、上記延ばされた麺紐を、上記回転される第2の採桶内に螺旋状に巻き込む巻き込み機構と、上記延ばしローラに対する駆動力の伝達を接続・切断するクラッチ機構と、上記巻き込み機構に向けて送られる麺紐に所定の大きさの弛みが生じたときに上記クラッチ機構によって上記延ばしローラに対する駆動力の伝達を切断させる制御装置と、を備えたことを特徴とする。
本発明の特徴の1つは第1の採桶内に巻き込まれた麺紐を引出し機構によって引き出し、これを一対の延ばしローラの楕円形状の隙間に送り込んで延ばし、延ばした麺紐を巻き込み機構によって第2の採桶内に螺旋状に巻き込むようにした点にある。これによって例えば素麺の製造時の油返し・細目及びこなしの工程における麺紐の延ばし作業を完全に自動化することができるとともに、麺紐を所望の太さに延ばすことができる。
本発明の他の特徴は麺紐の延ばし速度と麺紐の第2の採桶への巻き込み速度のバランスが崩れ、延ばしローラ機構と巻き込み機構との間で麺紐に弛みが生じた時に延ばしローラ機構への駆動力の伝達系を切断するようにした点にある。これにより、麺紐を巻き込み機構に円滑に送り込んで第2の採桶に巻き込むことができる。
引出し機構は麺紐を第1の採桶から引き出すことができればどのような機構でもよい。例えば、第1の採桶の上方に引出しローラを設け、引出しローラが回転することによって引出しローラの外周面に接触された麺紐を採桶から引き出すような方式を採用することができる。この場合、引出しローラは適切な駆動源によって回転させてもよく、又延ばしローラ機構によって麺紐を引っ張って回転させるようにしてもよい。
引出しローラはその回転軸の両端部を取付けフレームに対して回転自在に支持してもよいが、両持ち構造の場合には麺紐が引出しローラ近傍で切れると、取付けフレームが邪魔になって切れた麺紐を取り出すのが煩わしい。そこで、引出しローラはその回転軸の一端部を取付けフレームに対して回転自在に片持ち支持すると、取付けフレームのない箇所から手を差し込んで切れた麺紐を容易に取り出すことができる。
また、延ばしローラ機構には延ばしローラの背後に受けローラを設け、受けローラはその回転軸の両端部を取付けフレームに対して両持ち支持する方式が採用されることが多いが、麺紐が延ばしローラ機構内で切れると、麺紐が受けローラに巻きついてしまうとともに、取付けフレームが邪魔になって麺紐を受けローラから取り外すのが繁雑になる。
そこで、延ばしローラ機構には延ばしローラの背後に受けローラを設け、受けローラはその回転軸を取付けフレームに対して片持ち支持するのがよく、切れた麺紐を受けローラから簡単に取り出すことができる。また、受けローラにはカバーを取付けて麺紐が受けローラの外周面に巻き付くのを阻止するようにするのがよい。
延ばしローラは外周部に半円凹形状の部分を有するものであればよく、例えば円板状の延ばしローラの外周面を半円凹形状に形成してもよいが、その場合には一対の延ばしローラを相互に高精度に位置決めする部材が必要となる。そこで、一対のうちの一方の延ばしローラの外周部には深溝部を形成し、深溝部の底部を半円凹形状に形成し、他方の延ばしローラの外周部には深溝部に摺動可能に嵌まり込む縦壁部を形成し、縦壁部の外端面を半円凹形状に形成し、2つの半円凹状部分を相互に重ね合わせて楕円形状の隙間を構成するようにするのがよい。
引出しローラや延ばしローラの材質は特に限定されず、銅や砲金などの金属材料でもよいが、耐久性及び麺紐への影響などを考慮すると、少なくとも外表面の部分にMCナイロンなどの合成樹脂材料を用いるのが好ましい。
一対の延ばしローラにはその楕円状の隙間に麺紐を案内するガイドを設けるが、ガイドを薄い銅板等の金属材料で製作すると、麺紐がガイドの表面と擦れて麺紐の粉が発生し、これが麺紐に巻き込まれると麺紐の品質が低下するおそれがある。
そこで、延ばしローラの楕円形状の隙間には麺紐を案内する合成樹脂製のガイドをそのガイド面の終端部分が延ばしローラの外周端面の外縁部分と面一となるように設けるのがよい。これにより、太い麺紐がガイドによって延ばしローラの隙間にスムーズに案内されて麺紐の粉が生ずることはなく、麺紐の品質を保証できる。
延ばしローラの隙間を楕円形状としたのは延ばしローラを通過した後、麺紐が膨らんでほぼ円形状になるからである。延ばしローラの半円凹形状の外周端面は平滑な面のままでもよいが、麺紐を円滑に引き込み円滑に送り出せるように、例えばサンドブラスト処理などによって微小凹凸加工を施すのがよい。
本発明では巻き込み機構と延ばしローラ機構との間における麺紐の弛みを検知する必要があるが、検知の方式は特に限定されない。例えば、巻き込み機構と延ばしローラ機構との間で麺紐を受ける受け皿と、受け皿によってON・OFFされるリミットスイッチとにより検知手段を構成し、巻き込み機構に向けて送られる麺紐に弛みが生じたことを検知し、リミットスイッチの信号を制御装置に入力するのがよい。
巻き込み機構は第2の採桶を回転機構によって回転させながら、延ばされた麺紐を第2の採桶に巻き込むことができればよい。例えば、第2の採桶の半径方向に揺動されながら麺紐を送り込むアームを設けて構成することができる。
以下、本発明を具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図12は本発明に係る麺紐の延ばし装置の好ましい実施形態を示す。図において、本例の延ばし装置には麺紐11が螺旋状に連続して巻き込まれた第1の採桶10が設けられるとともに、第1の採桶10から麺紐11を引き出す引出し機構12が配置されている。
この引出し機構12では床面上に支柱12Aが立設され、支柱12Aの上部には取付けバー12Fが横方向に延びて固定され、取付けバー12Fにはガイド筒12Bが取付けられ、第1の採桶10から引き出された麺紐11がガイド筒12B内を挿通されるようになっている。
支柱12Aの上端には取付けフレーム12Cが斜め上方に延びかつ傾斜角度を調整可能に取付けられ、取付けフレーム12Cには2つの引出しローラ12D、12Eの回転軸の一端部が回転自在に片持ち支持され、又引出しローラ12Dは長溝(図示せず)内におけるその回転軸の一端部の位置を調整することによって取付けフレーム12Cの長手方向に取付け位置を変更できるようになっている。そして、取付けフレーム12Cの傾斜を大きくすると、麺紐11の引出しローラ12Dの外周上における接触長さが長くなるので、麺紐11が細くなり、傾斜を低くすると接触長さが短くなるので、麺紐11は太くなる。
引出しローラ12D、12EはMCナイロンなどの合成樹脂材料を用いて製作され、外周端面は半円形状に加工され、引き出された麺紐11が受けられ、引出しローラ12D、12Eが駆動モータ(図示せず)によって回転されることによって麺紐11が第1の採桶10から引き出されるようになっている。
引き出された麺紐11は延ばしローラ機構13に送られるようになっている。この延ばしローラ機構13において、ほぼY字状の取付けフレーム13Aには外径の異なる一対の第2の延ばしローラ13B、13Cが回転自在に取付けられ、第2の延ばしローラ13B、13CはMCナイロンなどの合成樹脂材料を用いて円板状に製作され、その外周端面は半円形状に加工され、サンドブラストなどによって微小凹凸が加工されている。
一対の第2の延ばしローラ13B、13Cは外周端面が相互に嵌まり合うように重ねられて楕円形状の隙間13Qが形成され、楕円形状の隙間13Qに麺紐11が通されて延ばされるようになっている。なお、2つの半円形を重ねて楕円形状の隙間13Qを構成する関係上、隙間13Qの両端部分は鋭角状となるが、このように両端が鋭角になった場合も本発明では楕円形状に含まれている。
この一対の第2の延ばしローラ13B、13Cは図7に示されるように、一方の延ばしローラ13Bの外周部に深溝部13B−1を形成し、深溝部13B−1の底部を半円凹形状に形成する一方、他方の延ばしローラ13Cの外周部には縦壁部13C−1を形成し、縦壁部13C−1の外端面を半円凹形状に形成し、縦壁部13C−1を深溝部13B−1に摺動可能に嵌め込み、2つの半円凹状の部分を相互に重ね合わせて楕円形状の隙間13Qを構成するようにしてもよい。この場合には延ばしローラ13B、13Cが相互に位置決めするので、位置決め部材を別途設ける必要はない。
また、取付けフレーム13Aには一対の第2のガイド13Dが支持され、第2のガイド13DはMCナイロンなどの合成樹脂材料を用いて製作され、第2のガイド13Dの対向する面は凹状のガイド面13Rに加工され、ガイド面13Rは図8及び図9に示されるように、その後端縁が第2の延ばしローラ13B、13Cの隙間13Qの外端縁と面一となるように取付けフレーム13Aに取付けられている。
第2の延ばしローラ13Bの回転軸にはギア13K及びプーリ13Lが取付けられ、ギア13Kはギア13Jと噛合され、ギア13Jにはクラッチ機構13Sを介してプーリ13Iが連結され、プーリ13Iはベルト13Hによって駆動モータ13Fのプーリ13Gに連結され、延ばしローラ13Bは駆動モータ13Fによって回転されるようになっている。
さらに、取付けフレーム13Aには第2の延ばしローラ13B、13Cの背後に第2の受けローラ13Pが設けられ、一側方の取付けフレーム13AはY字形状の一方の傾斜辺部分が削除され、受けローラ13Pの回転軸の一端部が他側方の取付けフレーム13Aに回転自在に片持ち支持されている。
この第2の受けローラ13RはMCナイロンなどの合成樹脂材料を用いて円板状に製作され、その外周端面は半円形状に加工され、第2の受けローラ13Rの回転軸の一端部にはプーリ13Nが取付けられ、プーリ13Nはベルト13Mによって延ばしローラ13Bのプーリ13Lに連結され、第2の受けローラ13Rは第2の延ばしローラ13Bと同期して回転されるようになっている。
第2の延ばしローラ13B、13Cの回転軸には第1の延ばしローラ13B’、13C’が取付けられ、第1の延ばしローラ13B’、13C’には第1のガイド13D’が設けられ、第1の延ばしローラ13B’、13C’の背後には第1の受けローラ13P’が設けられ、第1の延ばしローラ13B’、13C’、第1のガイド13D’及び第1の受けローラ13P’は第2の延ばしローラ13B、13C、第2のガイド13D及び第2の受けローラ13Pと同様の構造に構成されている。
取付けフレーム13Aにはブラケット13Wが幅方向に延びて固定され、ブラケット13Wにはカバー13Xが取付けられ、カバー13Xは受けローラ13P、13P’の下部に摺接されており、これによって切れた麺紐11が受けローラ13P、13P’に巻きつくのを阻止するようになっている。
また、延ばしローラ機構13の背後には受け皿14が設けられ、受け皿14の支持台内にはリミットスイッチ14Aが内蔵され、麺紐11が受け皿14上にのった時にリミットスイッチ14AがONとなって麺紐11に所定の大きさの弛みが生じたことが検知されるようになっている。
受け皿14の背後には巻き込み機構15が設けられている。この巻き込み機構15において、受け台15Aの表面には滑り止め部材が貼着され、その上には第2の採桶16が載せられ、受け台15Aは回転軸の上端に固定され、回転軸15Bはギア機構15Cによって円錐台形状の駆動ドラム15Dの回転軸に連結されている。
駆動ドラム15Dは逆円錐台状の駆動ドラム15Eにベルト15Fによって連結され、駆動ドラム15Eはベルトによって駆動モータ15Gに連結されている。駆動ドラム15D、15Eの間にはねじ棒15Hが設けられ、ねじ棒15Hにはナット15Kが螺合され、ナット15Kにはベルト15Fのカバーが取付けられ、ねじ棒15Hの回転・逆回転によってベルト15Fが駆動ドラム15D、15Eの回転軸に沿って変位するようになっている。
また、ねじ棒15Hにはプーリ15L、ベルト15I及びプーリ15Mを介して駆動ドラム15Dの回転軸に連結され、回転軸の途中には切換え機構15Jが設けられ、切換え機構15Jはナット15Kがねじ棒15Hの所定の限界位置に達した時に回転方向を切り換えるようになっている。
さらに、ナット15Kにはリンク機構15Pによって送込みアーム15Qが設けられ、送込みアーム15Qはねじ棒15Hの回転によって第2の採桶16の中心側から外側に、逆回転によって第2の採桶16の外側から中心に向けて揺動されるようになっている一方、麺紐11が弛んだときにはリンク機構15Pを調整することによって麺紐11を張ることができる。
送込みアーム15Qには一対の受けローラ15R、15Sが回転自在に設けられ、その間には麺紐11の垂れ下がりを規制するU字状の受け具15Tが設けられ、又送込みアーム15Qの傾斜部分には複数の受けローラ15Uが設けられ、受けローラ15Uによって麺紐11が受けられるようになっている。
さらに、送込みアーム15Qの先端にはガイドローラ15Vが設けられ、ガイドローラ15Vの表面には中心軸方向に延びる複数の凹溝が相互に平行に形成され、これによってガイドローラ15Vに麺紐11が巻きつき難いようになっている。
麺紐11を延ばす場合、延ばすべき麺紐11を螺旋状に巻き込んだ第1の採桶10を所定の位置にセットし、作業者が第1の採桶10から麺紐11の始端を手で引出し、ガイド筒12B内を通し、引出しローラ12D、12Eの上に載せた後、延ばしローラ機構13のガイド13D内を通して第1の延ばしローラ13B’、13C’の隙間13Qに押し込む。
こうして準備が済むと、コントローラ17のスイッチをONする。すると、第2の延ばしローラ13B’が回転され、第2の延ばしローラ13B’、13C’の隙間13Qに押し込まれた麺紐11が延ばしローラ13B’の回転によって引き込まれて圧延され、麺紐11は隙間13Qの大きさに応じた太さの楕円形状となる。
麺紐11の始端側部分が延ばされると、始端側部分を受け皿14の上方に通した後、送込みアーム15Qの受けローラ15R、15S及び受け具15Tの上に載せ、コントローラ17のスイッチをONすると、第2の採桶16が回転されるとともに、駆動ドラム15D、15Eが回転されるとともに、ねじ棒15Hが回転され、ナット15Kが変位し、その変位がリンク機構15Pによって送込みアーム15Qに与えられ、送込みアーム15Qが第2の採桶16の中心から外側に向けて次第に速度を遅くしながら揺動され、麺紐11は送込みアーム15Qの受けローラ15R、15S、15Uを経てガイドローラ15Vによって案内されながら第2の採桶16内に螺旋状に巻き込まれる。
延ばし作業中に何らかの原因で麺紐11の延ばし速度が麺紐11の巻き込み速度よりも速くなった場合には延ばした後の麺紐11に弛みが生じて受け皿14上に載り、受け皿14に荷重が加わり、リミットスイッチ14AがONとなり、その信号がコントローラ17に入力される。
すると、コントローラ17はクラッチ機構13Sに切断信号を与え、クラッチ機構13 Sを切断させるので、第2の延ばしローラ13B’には回転力は伝わらず、麺紐11の延ばし作業は一時停止される。
麺紐11の弛みが少なくなり、麺紐11が受け皿14から浮き上がると、リミットスイッチ14AがOFFとなり、これがコントローラ17に入力され、コントローラ17はクラッチ機構13Sを接続し、麺紐11の延ばしが再開される。
第1の採桶16の最初の段について麺紐11が巻き込まれると、ねじ棒15H上におけるナット15Kの位置からそれが検知され、コントローラ17は切換え機構15Jによって回転方向が切り換えられ、ねじ棒15Hが逆回転され、送込みアーム15Qは第2の採桶16の外側から中心に向けて次第に速度を速くしながら揺動され、麺紐11は第2の採桶16内に螺旋状に巻き込まれ、このような操作が繰り返された麺紐11は延ばされて第2の採桶16内に螺旋状に連続して巻き込まれる。
他方、第1の採桶10から引き出された麺紐11に大きな荷重が加わって切れた場合、引出し機構12及び延ばしローラ機構13内において取付けフレーム12C、13Aが片持ち構造であるので、切れた麺紐11を簡単に取り出すことができる。
最初の延ばしが済み、さらに細く延ばす必要がある時には、麺紐11を巻き込んだ採桶16を引出し機構12の下側に置き、空になった採桶10を受け台15A上に載せ、今度は麺紐11を隙間の小さい第2の延ばしローラ13B、13Cによって延ばすようにすると、さらに細く延ばすことができる。
また、外径の異なる一対の延ばしローラ13B、13C、13B’、13C’を用いて麺紐11を延ばすと、外表面の非常に平滑な麺紐11が得られることが確認された。
以上のように、素麺の製造時の油返し・細目及びこなしの工程における麺紐11の延ばし作業を完全に自動化することができ、しかも麺紐11を後の工程を考慮した所望の太さに正確に延ばすことができる。
本発明に係る麺紐の延ばし装置の好ましい実施の形態を示す全体構成図である。 上記実施形態における引出し機構を示す概略平面図である。 上記実施形態における延ばし機構を示す側面図である。 上記延ばし機構を示す平面図である。 上記延ばし機構を示す背面図である。 上記延ばし機構を示す概略斜視図である。 上記延ばし機構における延ばしローラの他の例を示す図である。 上記実施形態における延ばしローラ及びガイドを示す斜視図である。 上記延ばしローラ及びガイドを示す正面図である。 上記実施形態における巻き込み機構の送込みアームを示す概略構成図である。 上記実施形態における巻き込み機構を示す側面構成図である。 上記巻き込み機構を示す平面構成図である。
符号の説明
10 第1の採桶
11 麺紐
12 引出し機構
12D、12E 引出しローラ
13 延ばしローラ機構
13B、13C 延ばしローラ
13D ガイド
13Q 隙間
13S クラッチ機構
14 受け皿
14A リミットスイッチ
15 巻き込み機構
15Q 送込みアーム
17 コントローラ(制御装置)

Claims (10)

  1. 麺紐を所定の太さに延ばすようにした麺紐延ばし装置において、
    延ばすべき麺紐が螺旋状に巻き込まれた第1の採桶と、
    麺紐を上記第1の採桶から引き出す引出し機構と、
    外周部に半円凹形状の部分を有する一対の円板状の延ばしローラを備え、上記半円凹形状の部分を相互に重ね合わされることにより楕円形状の隙間が構成され、該楕円形状の隙間に上記引き出された麺紐を引き込んで加圧することにより麺紐を上記隙間に応じた太さに延ばす延ばしローラ機構と、
    該延ばしローラ機構によって延ばされた麺紐が巻き込まれる第2の採桶と、
    該第2の採桶を回転させる回転機構と、
    上記延ばされた麺紐を、上記回転される第2の採桶内に螺旋状に巻き込む巻き込み機構と、
    上記延ばしローラに対する駆動力の伝達を接続・切断するクラッチ機構と、
    上記巻き込み機構に向けて送られる麺紐に所定の大きさの弛みが生じたときに上記クラッチ機構によって上記延ばしローラに対する駆動力の伝達を切断させる制御装置と、
    を備えたことを特徴とする麺紐延ばし装置。
  2. 上記引出し機構は引出しローラを有し、該引出しローラが回転することによって上記引出しローラの外周端面に接触された上記採桶内の麺紐が引き出されるようになっている請求項1記載の麺紐延ばし装置。
  3. 上記引出しローラはその回転軸が取付けフレームに対して回転自在に片持ち支持されている請求項2記載の麺紐延ばし装置。
  4. 上記延ばしローラ機構には上記延ばしローラの背後に受けローラが設けられ、該受けローラはその回転軸が取付けフレームに対して片持ち支持されている請求項2又は3記載の麺紐延ばし装置。
  5. 上記受けローラには麺紐が切れたときに上記受けローラの外周面に巻き付くのを阻止するカバーが取付けられている請求項4記載の麺紐延ばし装置。
  6. 上記一対の延ばしローラの少なくとも外表面の部分が合成樹脂材料を用いて製作され、該延ばしローラの楕円形状の隙間には麺紐を案内する合成樹脂製のガイドがそのガイド面の終端部分が上記延ばしローラの外周端面の外縁部分と面一となるように設けられている請求項1記載の麺紐延ばし装置。
  7. 上記一対のうちの一方の延ばしローラの外周部には深溝部が形成され、該深溝部の底部が半円凹形状に形成され、他方の延ばしローラの外周部には上記深溝部に摺動可能に嵌まり込む縦壁部が形成され、該縦壁部の外端面が半円凹形状に形成され、上記2つの半円凹状部分が相互に重ね合わされて楕円形状の隙間が構成されるようになっている請求項1記載の麺紐延ばし装置。
  8. 上記一対の延ばしローラの半円凹形状の外表面には微小凹凸加工が施されている請求項1、5又は6記載の麺紐延ばし装置。
  9. 上記巻き込み機構と延ばしローラ機構との間で麺紐を受ける受け皿と、該受け皿によってON・OFFされるリミットスイッチとにより、上記巻き込み機構に向けて送られる麺紐に弛みが生じたことが検知され、上記リミットスイッチの信号が上記制御装置に入力されるようになっている請求項1記載の麺紐延ばし装置。
  10. 上記巻き込み機構は上記第2の採桶の半径方向に揺動されながら麺紐を送り込むアームを備えている請求項1記載の麺紐延ばし装置。
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