JP2015161050A - 導電性複合繊維 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、複写機、ファクシミリ等に用いる帯電用ブラシ及び感光体ドラムクリーニング用ブラシ等の各種ブラシに用いた場合に好適なポリアミド系導電性複合繊維、及び織物として防塵衣に用いた場合、繰り返し洗濯処理による寸法安定性に優れたポリアミド系導電性複合繊維、さらに本発明のポリアミド系導電性複合繊維を少なくとも一部に用いた導電性ブラシ、防塵衣、医療用ユニフォームを提供する。【解決手段】導電性カーボンブラックを15〜50重量%含有するポリアミド系樹脂からなる導電性ポリマー層の鞘ポリマー層(A)と、融点170℃以上、飽和吸水率3.0%以下の熱可塑性ポリアミドからなる芯ポリマー層(B)とからなる芯鞘型の導電性複合繊維であって、伸度DE(%)及びヤング率YM(cN/dtex)が下記式を同時に満足することを特徴とする導電性芯鞘型複合繊維。DE(%)=95〜50 (1)YM(cN/dtex)=28〜15 (2)【選択図】なし
Description
本発明は、優れた除電性能、耐オートクレーブ特性、寸法安定性、柔軟さ等を有するポリアミド系導電性複合繊維、及び該導電性複合繊維を少なくとも一部に用いた導電性ブラシ、防塵衣、医療用ユニフォームに関するものである。
従来から除電性能に優れた繊維としての導電性繊維については種々の提案がなされており、例えば導電性を有さない繊維の表面に金属メッキして導電性を付与せんとしたものや導電性カーボンブラックを樹脂やゴム類に分散させたあと、これを繊維表面にコートすることによって導電性被覆層を形成せしめたもの等がある。
しかし、これらは製造工程が複雑であり、技術的に困難な方法によって得られるものであったり、導電性繊維を実用に供するための準備段階、例えば製織編のための精練工程での薬品処理や、実際の使用における摩耗や繰返し洗濯といった外的な作用によって導電性が容易に低下して実用の域を脱してしまうという問題があった。
他の導電性繊維として、スチール繊維のような金属繊維が除電性能に優れたものとして知られているが、金属繊維はコストが高く、しかも一般の有機素材とはなじみにくく紡績性不良となったり、製織、染仕上工程でのトラブルの原因となったり、着用時の洗濯による断線、脱落が生じやすく、さらに通電性に基づく感覚、スパークの問題、布地の溶融トラブル等の原因となっていた。
さらにまた別のタイプの導電性繊維として、導電性カーボンブラックを均一に分散させたポリマーを繊維化する方法が提案されているが、カーボンブラックを多量に含有するために繊維の製造が難しく、収率も悪く、コスト高であり、かつ繊維物性が著しく低下し、特殊な工程を用いる以外に製品化が困難という問題を有していた。
これらの問題を少しでも解消しようという目的で、例えば特許文献1には、芯成分ポリマーに導電性カーボンブラックを含有させ、それを通常の繊維形成性ポリマーからなる鞘で包み込んだ芯鞘型の導電性複合繊維が提案されている。あるいは特許文献2等で提案されている如く、導電性カーボンブラックを含む芯成分のかなりの部分が鞘をつきぬけて繊維の表面に露出している例もある。前者の場合、繊維性能を保つため芯部の比率を50%以下にする必要があり、非導電性の鞘が厚く包囲しているため低カーボン含有量では充分な性能が発揮されない。後者はそれを改良しようとするものであるが、カーボンを含む芯部がたくさん繊維表面に出ているために耐薬品性、耐久性に劣り剥離等のトラブルを生じやすい。
さらに特許文献3では、導電性カーボンを含む導電性ポリマー層とそれと同じポリマーで導電性カーボンを含まない非導電性ポリマー層とを多層状に張合わせた繊維が、上記単一の芯鞘型導電性繊維の除電性能向上と成分層間の剥離防止を中心とした耐久性向上を目的として提案されているものの、この場合もやはり導電性カーボンブラックを含む層が表面に露出しすぎているため耐薬品性、耐久性の向上は認められない。
一方、特許文献4や特許文献5等においては、有機導電性物質を含有する線状重合体を繊維形成性重合体内に筋状分散の形で分散せしめた導電性繊維が提案されているが、これらにおいては導電性成分が繊維表面ではなく内部に入っているために剥離、表面摩擦、洗濯等の耐久性が向上するというものである。しかし、この場合、有機導電性物質を含有する線状重合体はそれと全く相溶性のない繊維形成性重合体に筋状分散、つまり長さ方向へは非連続状態で分散混合しているわけで、繊維強度には全く寄与しないため繊維強度の低下は避けることができない。また、もっとも重要な性能である導電性が筋状分散によって変化するため、製造条件、製品品質の管理が非常に難しくならざるを得ない。さらに、一般的に非相溶重合体を混合分散させた場合、分散成分は100%完全に非分散ポリマーに包み込まれるものではなく一部表面に露出するため、その部分からの導電性重合体の一部脱落の可能性もある。また、このような繊維を製造する場合の工程調子、例えば紡糸吐出におけるバルーニングをみても異常に大きく、口金汚れや断糸が多く発生して生産性の非常に低いものとなってしまう。
これに対して、本発明者らはすでに特許文献6や特許文献7、特許文献8において以上のような従来の多数の公知の導電性繊維に関する欠点や問題点を克服した除電性能に優れた導電性複合繊維を提案している。
しかしながら、従来提案されてきた導電性ポリマー層と非導電性ポリマー層との組み合わせでは、製造工程は問題なくても、複写機用ブラシ等の繊維製品にしたときの導電性のバラツキや接触する部品を傷つける等実使用には問題を生じたり、長期間での使用においては導電性の低下や環境における導電性のバラツキを生じる問題があった。
本発明の目的は、従来公知の導電性複合繊維では十分に達成できなかった、低摩擦帯電圧の環境下においても優れた除電性能を有し、ファクシミリ等に用いる帯電用ブラシ及び感光体ドラムクリーニング用ブラシに利用されても感光体を傷つけることもなく除電性能を維持することができ、またユニフォーム等の着用を続けた場合の除電性能の低下もほとんどなく、繰り返し洗濯処理後の寸法変化がなく、性能が長期にわたり維持できる優れた導電性複合繊維を提供することである。
本発明の第一の構成は、導電性カーボンブラックを15〜50重量%含有するポリアミドからなる導電性ポリマー層の鞘ポリマー層(A)と、融点170℃以上、飽和吸水率3.0%以下のポリアミドからなる芯ポリマー層(B)とからなる芯鞘型の導電性複合繊維であって、伸度DE(%)及びヤング率YM(cN/dtex)が下記式を同時に満足することを特徴とする導電性複合繊維である。
DE(%)=95〜50 (1)
YM(cN/dtex)=28〜15 (2)
DE(%)=95〜50 (1)
YM(cN/dtex)=28〜15 (2)
前記導電性複合繊維は、芯ポリマー層(B)に平均粒径0.5μm以下の無機微粒子が5重量%以下添加されていることを特徴とすることが好ましい。
前記導電性複合繊維は、鞘ポリマー層(A)が、繊維横断面の中心部に向かって突出する突起部を2〜50個有することを特徴とすることが好ましい。
前記導電性複合繊維は、鞘ポリマー層(A)及び芯ポリマー層(B)の各ポリマー層を構成する少なくとも一成分のポリアミドが、ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分と、から重合されてなるポリアミドであることを特徴とすることが好ましい。
前記導電性複合繊維は、芯ポリマー層(B)及び鞘ポリマー層(A)の各ポリマー層を構成する少なくとも一成分のポリアミドが、ジカルボン酸成分の60モル%以上が蓚酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分と、から重合されてなるポリアミドであることを特徴とすることが好ましい。
本発明の第二の構成は、前記導電性複合繊維を経糸及び/または緯糸の一部として用いられた織物からなる防塵衣であって、前記導電性複合繊維が織物の経方向及び/または緯方向に間隔をおいて打ち込まれている防塵衣である。
本発明の第三の構成は、前記導電性複合繊維を用いてなるOA機器用の帯電ブラシ、またはクリーニングブラシである。
本発明の第四の構成は、前記導電性複合繊維を含有してなる医療用ユニフォームである。
本発明においては、導電性カーボンブラックを所定量含有したポリアミドと、特定の融点及び飽和吸水率を有するポリアミドとを用いて複合繊維を形成し、所定の物性を満足することによって、例えば防塵衣や医療用ユニフォームとして実着用を長期間実施した後、あるいは複写機ブラシとして長期間使用した後でも優れた除電性能を有している導電性複合繊維が得られる。
本発明の導電性複合繊維は、鞘ポリマー層(A)と芯ポリマー層(B)からなる芯鞘型の複合繊維であり、鞘ポリマー層(A)が導電性ポリマー層を形成することが必要である。以降、鞘ポリマー層と導電性ポリマー層を同一のものとして、ともに(A)と表現する。導電性ポリマー層(A)に含まれる導電性カーボンブラックの含有量は15〜50重量%であることが重要であり、好ましくは20〜40重量%である。導電性カーボンブラックの含有量が15重量%より少ない場合には好ましい導電性が得られず、充分な除電性能は発揮されない。一方、50重量%を越える場合は、導電性のより一層の向上は認められず、ポリマーの流動性が著しく低下して紡糸性が極端に悪化するので好ましくない。
本発明において用いる導電性カーボンブラックは10−3〜102Ω・cmの固有電気抵抗を有するものがよい。カーボンブラックは完全に粒子状分散をしている場合は一般に導電性が不良であって、ストラクチャーと呼ばれる連鎖構造をとると導電性が向上して、導電性カーボンブラックと言われるものになる。したがって、導電性カーボンブラックによってポリマーを導電化するに当たっては、このストラクチャーを破壊しないでカーボンブラックを分散させることが肝要となる。そして、導電性カーボンブラック含有複合体の電気伝導メカニズムとしてはカーボンブラック連鎖の接触によるものとトンネル効果によるものと考えられているが、前者の方が主と考えられる。したがって、カーボンブラックの連鎖は長いほうが、また高密度でポリマー中に存在するほうが、接触確率が大きくなり高導電性となる。本発明者らの検討結果では、導電性カーボンブラックの含有量が15重量%未満ではほとんど効果がなく、20重量%になると急激に導電性が向上し、30重量%を越えるとほぼ飽和する。
次に本発明で重要な点は、導電性ポリマー層(A)に用いる樹脂としてポリアミドを使用することである。導電性繊維は、静電気発生により爆発が発生するような場所での作業服等に用いられるが、長期間使用している過程で、過酷な曲げ、引張り、屈曲、摩耗等の繰返しと同時に洗濯も繰返し行われ、その結果として必然的に導電性繊維の導電層部分の性能低下が進み布帛としての除電性能が低下せざるを得なかった。通常、導電層を構成する部分は一度クラック等の歪により連続性が失われると修復は困難であり、長期間の実着用は難しく、一定年月で交換せざるを得ないのが現状であった。
本発明のように導電性カーボンブラックをポリアミドに含有させることにより、長期間の実着用をしても布帛の除電性能があまり低下しない。導電性ポリマー層(A)に使用されるポリアミドとしては、アミド結合を繰返し縮重合したものであればよく、具体的にはナイロン12、ナイロン11、ナイロン6、ナイロン66、ナイロンエラストマー等、さまざまなポリアミドが挙げられる。
なかでも、鞘ポリマー層(A)に用いられるポリアミドとして、ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分と、から重合されてなるポリアミド、あるいは、ジカルボン酸成分の60モル%以上が蓚酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分と、から重合されてなるポリアミドであることが好ましい。これらのポリアミドは、芯ポリマー層(B)に用いることもでき、本発明において、鞘ポリマー層(A)、及び芯ポリマー層(B)の各ポリマー層を構成する少なくとも一成分のポリアミドとして用いられていることが好ましい。芯ポリマー層(B)に用いられる場合の詳細は後述する。
ここで、本発明の導電性ポリマー層(A)として、なぜポリアミドが顕著な効果があるかについては現時点では明確にはわかっていないが、例えば以下のような理由が推測される。
本発明において、導電性カーボンブラックをポリマーに分散して導電性を発現し、これを一成分とした導電性複合繊維を得ようとする際に重要なことは、(1)導電性カーボンブラックを分散することによって高い電子伝導性が得られること、(2)得られた導電性ポリマー中のカーボンブラックの分散性が良好で紡糸時に異常なフィルター詰まりを発生しないこと、(3)得られた導電性ポリマーの流動が良好であること、(4)得られた導電性ポリマーの機械的物性が良好であること等である。本発明者らはこの観点から各種ポリマーに導電性カーボンブラックを分散せしめて検討したところ、ポリアミド系ポリマーが最適であった。これは、ポリアミドが適当な極性基を持つために導電性カーボンブラックと相溶性、接着性が良好で、高濃度にカーボンブラックを配合しても流動性があまり低下せず、高い導電性と良好な流動性を兼ね備えたものとなるからであった。さらに、カーボンブラックとポリアミドは強固な接着をするためか機械的物性も極めて良好である。これに対して、ポリエステル系ポリマーに導電性カーボンブラックを混練配合した場合、理由は明確ではないが低配合比でもポリマーの粘度が急上昇して流動性を失う。したがって、所望の導電性を持ちかつ繊維化できるような導電性ポリマーになりにくく、ポリアミド系ポリマーには全く対抗できない。また、ポリオレフィン系ポリマーは、ポリエステル系ポリマーに比べると導電性カーボンブラックの混練配合によって流動性をある程度持ち、かつ導電性も良好な導電性ポリマーということができる。しかしながら、ポリオレフィン系ポリマーと導電性カーボンブラックの接着性が不良で、得られる導電性ポリマーの機械的物性はポリアミド系ポリマーの場合に比べるとかなりもろく、複合繊維化に当たっては充分に注意をしないと導電性ポリマー層の切断といった問題が起こることがある。以上の理由から、導電性カーボンブラックを含有せしめた導電性複合繊維を構成するための導電性ポリマーとしては、ポリアミドが汎用ポリマーのうちで最も好適である。
また、本発明において、更なる耐久性向上を狙い、本発明者等が特開平2−300317号公報で提案した極性を示す金属塩をポリアミド層に含有させることは好ましい方向である。即ち、ポリアミドはある種の金属塩をポリマー中に溶解分散させるため、一種のイオン伝導機構が発現し導電性が得られると考えられる。導電性カーボンブラックの導電性機構は電子伝導と言われているが、導電性カーボンブラックの電子伝導性とポリアミド中に溶融している金属塩のイオン伝導性が相乗効果を及ぼし合い、優れた耐久性の導電性繊維が得られると考えられる。
また、導電性カーボンブラックが高含量練込まれた樹脂は、たとえマトリックスとなる樹脂が充分な繊維形成性を有していたとしても、紡糸性及び延伸性が不良であり、単独での繊維化は難しく、芯ポリマーとの複合化により繊維化工程性及び繊維物性の維持を行うのが好適である。しかしながら、導電性カーボンブラックを含有する導電性ポリマー層(A)が繊維重量の大部分を占める場合は紡糸時の曳糸性が低下する傾向にあり、紡糸断糸、延伸断糸が頻発するので好ましくない。一方、除電性能の見地から導電性ポリマー層(A)が複合繊維の鞘成分に配置され、繊維表面に露出していることが必要であるが、複合比率が高すぎると繊維製造工程中及び加工工程中あるいは実着用中における変質、劣化、脱落等が導電性カーボンブラックを含有する導電性ポリマー層(A)に発生したり、導電性ポリマー層(A)と芯ポリマー層(B)との組み合わせによっては界面剥離が生じたりして、長期間実着用を続けても優れた除電性能を維持させるという本発明の重要な目的の達成が不可能になる。導電性ポリマー層(A)と芯ポリマー層(B)との複合比率についての詳細は後述する。
次に、本発明の導電性複合繊維における芯ポリマー層(B)に関して説明する。芯ポリマー層(B)は本発明の最も重要な点の一つであるが、繊維化の際の良好な工程性を維持することと導電性ポリマー層(A)との界面剥離を生じさせず、湿度依存性が小さく弾性率が低いことによる柔軟性と摩擦による変形が小さい等、消費性能及び長期耐久性能を維持するための重要な役割を担っている。この芯ポリマー層(B)のポリマーとしては、融点170℃以上、飽和吸水率3.0%以下の繊維形成性可能なポリアミドを使用することが重要である。融点が170℃未満の場合には、耐熱性が劣るため使用することができない。一方、飽和吸水率が3.0%を超える場合は、高湿度環境下で性能のバラツキを生じるため、ブラシに使用した場合は安定した除電性能が発揮できず、ユニフォーム等の衣類に使用した場合は、繰り返し洗濯による収縮のため寸法変化を生じるため生地に凹凸が発生し除電性能が不安定となる。飽和吸水率は2.0%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがより好ましい。
本発明の複合繊維の芯ポリマー層(B)に用いるポリアミドの一例として、ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分と、から重合されてなるポリアミドを用いること、もしくは、ジカルボン酸成分の60モル%以上が蓚酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分と、から重合されてなるポリアミドを用いることが好ましい。このようなポリアミドは、良好な機械的強度及び伸度を有し、かつ低吸水性で低熱水収縮性でありながら、溶融重合による高分子量化が可能で、融点と熱分解温度の差で見積もられる成形可能温度幅が例えば50℃以上と広く溶融成形性に優れ、耐薬品性及び耐加水分解性に優れる。
本発明の芯ポリマー層(B)のポリアミドのジカルボン酸成分は、前述したように60モル%以上が芳香族ジカルボン酸単位からなることが好ましく、より好ましくは、芳香族ジカルボン酸単位として、テレフタル酸単位を60モル%以上、さらに好ましくは75モル%以上含有している場合であり、特に90モル%以上含有していることが好ましい。芳香族ジカルボン酸単位の含有率が60モル%未満の場合には、得られる繊維の耐アルカリ性、耐酸性、強度等の諸物性が低下するおそれがあり好ましくない。
テレフタル酸単位以外の他のジカルボン酸単位としては、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸から誘導される単位を1種または2種以上含ませることができる。耐薬品性、耐熱性等の点から、上記したジカルボン酸単位の中でも、芳香族ジカルボン酸単位を含ませるのが好ましい。さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の官能基を3個以上有する多価カルボン酸を、繊維化が可能な範囲内で含ませることができる。
一方、本発明の芯ポリマー層(B)のポリアミドのジアミン成分として好ましいのは、前述したように炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであり、より好ましくは1,9−ノナンジアミンである。1,9−ノナンジアミン単位以外の他のジアミン単位を含ませる場合は、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン等の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミンから誘導される単位を1種または2種以上含ませることができる。1,9−ノナンジアミン単位以外の他のジアミン単位を含有させる場合は、例えば、電池セバレーター等の耐熱性、耐加水分解性、耐薬品性等が要求される用途に用いることを考慮して、ジアミン単位として、2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を導入することが好ましい。
そして、ジアミン単位が、1,9−ノナンジアミン単位及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を含有する場合は、ジアミン単位の60モル%以上が1,9−ノナンジアミン単位及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位からなり、かつ1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位のモル比が1:99〜99:1であることが好ましく、40:60〜99:1であることがより好ましく、70:30〜95:5であることがさらに好ましい。
本発明で芯ポリマー層(B)成分に用いるポリアミドは、本発明の効果を損なわない範囲で、一部が他のポリマー成分で置き換えられたものであってもよい。他のポリマー成分としては、ジカルボン酸成分が蓚酸からなり、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が1:99〜99:1であるポリアミド以外のポリアミドとしての、ポリオキサミド、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミド等のポリアミド類や、ポリアミド以外の熱可塑性ポリマー等が挙げられる。本発明において用いるポリアミド中の他のポリマー成分の割合は、50質量%未満が好ましく、さらに30質量%未満が好ましい。
本発明の芯ポリマー層(B)に用いるポリアミドの製造法は特に制限されず、結晶性ポリアミドを製造する方法として知られている任意の製造方法を用いることができる。例えば、酸クロライドとジアミンを原料とする溶液重合法あるいは界面重合法、ジカルボン酸とジアミンを原料とする溶融重合法、固相重合法、溶融押出機重合法等の方法により重合可能である。製造方法の例は、後述の実施例において詳細を記載する。
また、本発明の芯ポリマー層(B)で使用されるポリアミドの対数粘度は0.4〜2.0の範囲内であり、0.4未満ではペレット化ができない。2.0より大きい場合は重合が困難である。好ましくは0.6〜1.4の範囲であり、より好ましくは0.7〜1.2の範囲である。
本発明の芯ポリマー層(B)においては、上述のポリアミドに加えて、その他の含有成分として必要に応じて各種添加剤を組合せることができ、これらはポリアミド重縮合反応時、またはその後に組み合わせることができる。
各種添加剤としては、補強剤、フィラー、銅化合物等の安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、ガラス繊維、可塑剤、潤滑剤、耐熱剤等が挙げられる。
本発明において芯ポリマー層(B)を形成するポリアミドは、本発明の重要なポイントの一つである導電性ポリマー層(A)との接着性も良好であり、界面剥離も生じ難く、耐熱性、繊維物性の点から好適である。
本発明の導電性複合繊維の製造方法は、例えば、芯鞘複合繊維を製造するために使用される溶融紡糸装置を使用して、通常の紡糸をし、その後延伸する方式で製造してもよいし、高速紡糸を行い延伸省略方式で製造してもよい。ただし、導電性ポリマー層(A)が所望の状態で繊維表面に露出するようにするためには、紡糸装置内での分配板における導電性ポリマー用の導入孔と保護ポリマー用の導入孔の位置関係を調節したり、両ポリマーの複合比率を調整したりすることが好ましい。また、複合繊維の延伸性をより向上させるために、芯ポリマー層(B)に平均粒子径が0.5μm以下である無機微粒子を5重量%以下の割合で含有させておくことが好ましい。より好ましくは、3重量%以下の割合である。
また、このような方法で得られる本発明の導電性複合繊維の単繊維繊度は、特に限定されず、用途に応じて2.2〜33dtex程度のものとすることができる。
本発明においては、前述の導電性ポリマー層(A)に対して特定の芯ポリマー層(B)を用いることにより、低摩擦帯電圧の環境下においても導電性能を発揮できるような複合繊維の設計、即ち導電性ポリマー層(A)の繊維表面への一部露出が容易となるものである。以下に複合形状について詳述する。
まず、本発明において好適な要件である導電性複合繊維の断面形状(繊維軸方向に対して直角方向の断面)について詳述する。本発明の導電性複合繊維の断面形状形態は、芯ポリマー層(B)が繊維の内部を占め、導電性ポリマー層(A)が、芯ポリマー層(B)の表面を覆うごとく、好ましくは繊維表面の85〜100%、より好ましくは繊維表面全体を実質的に全て(即ち100%)を覆っているような断面形状であり、具体的には、下記式(b)を満たすことが好ましい。
1.04≦L1/L0≦10.0 (b)
(但し、上記式中、L1は、複合繊維の横断面における芯成分と鞘成分との界面長さ、L0は、芯成分と同一太さの断面積を有する真円の円周長さをそれぞれ示す。)
このL1/L0比が本発明で規定する範囲内であることがなぜ好適なのかについての理論的説明は、現時点では推論の域を出ないが、おそらく複合成分の接着面積の増大によるものと推察される。
1.04≦L1/L0≦10.0 (b)
(但し、上記式中、L1は、複合繊維の横断面における芯成分と鞘成分との界面長さ、L0は、芯成分と同一太さの断面積を有する真円の円周長さをそれぞれ示す。)
このL1/L0比が本発明で規定する範囲内であることがなぜ好適なのかについての理論的説明は、現時点では推論の域を出ないが、おそらく複合成分の接着面積の増大によるものと推察される。
L1/L0が1.04未満の場合、繊維を常温で延伸した時に導電性能(1011Ω/cm以下)が維持できる伸度を表す危険伸度(Re)が短いため、長期間使用している過程で、過酷な曲げ、引張り、屈曲、摩耗等の繰返しと同時に洗濯も繰返し行われ、その結果として必然的に導電性複合繊維の導電性ポリマー層(A)部分の性能低下が進み、衣類としての除電性能が低下するおそれがある。一方、L1/L0が10.0より大きい場合は、安定な断面形成が困難である。L1/L0は、より好ましくは1.06以上であり、さらに好ましくは1.1以上である。一方、L1/L0は、より好ましくは7.0以下であり、さらに好ましくは5.5以下であり、特に好ましくは3.0以下である。
また、鞘成分(導電性ポリマー層(A))が繊維表面の85%未満しか被覆していない場合には導電性が低下するため、鞘成分の繊維表面被覆率が85%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは95%以上である。なお、該繊維表面被覆率は、例えば、繊維断面の写真を用いて鞘成分を観測することにより算出できる。
次に、本発明の導電性複合繊維の特に好適な断面形状は、導電性ポリマー層(A)(鞘ポリマー層)が、繊維横断面の中心部に向かって突出する突起部を2〜50個有している場合である。なかでも、2〜4個の該突起部が等間隔で導電層から突出している場合が、紡糸のしやすさの点で好ましい。したがって、突起部が2つの場合には、鞘成分層から繊維中心部に向けて突起部が繊維中心部を対象点として対面で存在している場合であり(図1に示す)、この場合が本発明において紡糸性及び導電性能の点で特に優れた結果が得られる場合である。また、突起部を10個以上有している場合も製造可能で、例えば、図2の断面形状は突起部を30個有している場合である。この場合には、抵抗値で代表される導電性能が、図1に示されるような突起部が2〜4個の場合と比べて、導電性繊維に張力がかかり繊維が引き伸ばされても導電性能が失われにくく、この点では、突起部2〜4個のものよりも優れている。しかしながら、突起部の数があまりにも多くなると、紡糸性が困難となる。したがって、突起部の数としては50個以下が好ましい。よって、突起部が2〜4個の場合が抵抗値の点で好ましく、また突起部が10〜50個のものが伸度に対する導電性能の点で好ましいこととなる。より好ましくは、突起部が2個の場合と16〜40個の場合である。
本発明において、好適な個々の突起部の形状としては、突起物の繊維中心部方向の長さxと繊維の外径(直径)Rとの比(x/R)が0.05〜0.35の範囲にあることが導電性及び繊維物性の点で好ましく、さらに突起部の幅(突起部の繊維中心方向の直角方向の長さy)は、個々の突起部の平均値で、突起部の該長さxよりも小さく、かつ突起部の繊維中心方向の直角方向の長さyと外径(直径)Rとの比(y/R)が、0.02〜0.2の範囲、即ち繊維中心部方向に長く伸びているような形状を有している場合が界面の剥離を防ぐことができる点、及び除電性能の耐久性の点から好ましい。比(x/R)が0.35より大きくなると、芯成分が突起部により複数に分割されるような形状となり、芯成分としての繊維を保護して破断強度等の物性を担う力が低下する。また比(x/R)が0.05より小さい場合も、突起部を設けた効果が低下する。また、突起部の大きさとしては、複数の突起部がほぼ同一の大きさで、ほぼ同一の形状を有している場合が、紡糸のしやすさの点で好ましい。
本発明の導電性複合繊維において、伸度DEが95〜50%の範囲にあることが、最も重要な点の一つである。DEが95%を超える場合には実用上寸法変化が生じやすく耐久性に問題があり、50%未満の場合には繊維の硬度が高くなることから、衣料であれば風合いが硬くなる、あるいはブラシであれば硬く対象物を傷つけやすくなるため使用できない。好ましくは、90〜55%であり、より好ましくは80〜60%である。
さらに、本発明の導電性複合繊維において、ヤング率YMが28〜15cN/dtexの範囲にあることが、最も重要な点の一つである。YMが28cN/dtexを超える場合には風合いとして硬いものとなり、15cN/dtex未満の場合には実用上寸法変化を生じやすくなり使用できない。好ましくは、25〜18cN/dtexであり、より好ましくは23〜20cN/dtexである。
本発明の導電性複合繊維は、耐オートクレーブ特性を有することが好ましい。ここでいう耐オートクレーブ特性とは、140℃の湿熱処理1500分後に50%以上の強度保持率を示すことを指す。より好ましくは強度保持率が60%以上で、特に好ましくは70%以上である。この特性により、本発明の導電性複合繊維を医療用のユニフォーム等に用いた場合、繰り返し滅菌処理を施しても強度を保つことができる。
また、本発明の導電性複合繊維の電気抵抗値R(Ω/cm・f)は用途によって適宜設定可能であるが、下式を満足することが好ましい。
logR=6.3〜11.9
この範囲において、logRが6.3〜9の領域は、衣料分野の用途に好適であり、9を超えて11.9までの領域は複写機の帯電ブラシ等の非衣料分野に適している。そして、この値が6.3未満であると導電性が良すぎてスパークが発生するという欠点が現れ、11.9を超えると本発明で目的とする良好な導電性能が得られないおそれがある。なお、上記電気抵抗値Rは、後述の実施例において記載する方法により求めることができる。
logR=6.3〜11.9
この範囲において、logRが6.3〜9の領域は、衣料分野の用途に好適であり、9を超えて11.9までの領域は複写機の帯電ブラシ等の非衣料分野に適している。そして、この値が6.3未満であると導電性が良すぎてスパークが発生するという欠点が現れ、11.9を超えると本発明で目的とする良好な導電性能が得られないおそれがある。なお、上記電気抵抗値Rは、後述の実施例において記載する方法により求めることができる。
本発明の導電性複合繊維において、芯ポリマー層(B)の繊維全体重量に対する比率は30〜90重量%であることが好ましい。90重量%を超えて導電性ポリマー層(A)の比率が10重量%未満になると、安定した複合構造として紡糸することが困難となるおそれがある。特に鞘ポリマー層(A)で形成される突起部の個数の多い場合には、芯の長さ方向への連続性繊維を得るのが難しくなる。一方、芯ポリマー層(B)の比率が30重量%未満の場合、芯ポリマー層(B)を形成するポリマーが充分な繊維形成性を持っていたとしても、複合紡糸時の紡糸性及び延伸後の繊維物性が極端に低下し実用性が失われる可能性がある。これは導電性カーボンブラックを含有することによって鞘ポリマー層(A)を形成するポリマーは曳糸性が著しく低下し、このようなポリマーが複合繊維の大部分を占めることにより複合繊維の紡糸性に大きく影響するためと考えられる。以上のことから、本発明において、鞘ポリマー層と芯ポリマー層との複合比率(A)/(B)は、重量比で70/30〜10/90であることが好ましく、50/50〜15/85であることがより好ましい。
本発明の導電性複合繊維は、色々な形態で、種々の除電性能が要求される用途に用いられる。例えば、本発明の導電性マルチフィラメントと非導電性マルチフィラメントを混繊し、かつ導電性マルチフィラメントが側糸、非導電性マルチフィラメントが芯糸となるように、さらには導電性マルチフィラメントの方が1〜30%糸長が長くなるように混繊して用いることができる。芯糸としてはポリエステル系のマルチフィラメントが好ましい。芯糸となる非導電性マルチフィラメントのト−タル太さとしては、20〜120dtexの範囲が好ましい。混繊糸とする場合には、芯糸と側糸が分離しないように交絡を付与するのが一般的であり、交絡を付与した後、混繊糸に撚を付与しても良い。
また、非導電性マルチフィラメントを芯糸とし、その周りに導電性マルチフィラメントを螺旋状に巻きつけても良い。芯糸の太さとしては上記混繊糸の場合と同様のものが用いられ、芯糸としてポリエステル系マルチフィラメントが好適であることも同様である。このような導電性複合繊維を使用したマルチフィラメントは、織物や編物等の布帛に、5〜50mm間隔に一本の割合で経糸及び/または緯糸の一部として打ち込まれる。その結果、得られる織編物は除電性能を有するものとなる。
このような織編物は、除電性能が要求される用途に用いられ、例えば、クリーンルームで着用される防塵衣として、また、化学プラントで従事する作業者や化学薬品を扱う作業者のように、静電気により爆発の可能性のある職場で従事する労働者の除電用ワーキングウェアとして使用することができる。他に、本発明の導電性芯鞘型複合繊維は、除電カーペットのパイルの一部として、あるいはOA機器用の帯電ブラシ、またはクリーニングブラシしても用いることができる。さらに、優れた除電性能と耐オートクレーブ特性を兼ね備えていることから、本発明の導電性複合繊維は手術着、白衣等の滅菌処理を必要とする医療用ユニフォームにも好適に用いることができる。
以下に実施例によって本発明を詳述するが、これによって本発明は何ら限定されるものではない。なお、導電性複合繊維の伸度DE、ヤング率YM、耐オートクレーブ特性、電気抵抗値R、帯電ブラシにしたときの除電性能耐久性、織物の繰り返し洗濯に対する寸法変化は以下に示す方法で測定・評価した。
<伸度DE %>
JIS−1094に準じて測定した。
JIS−1094に準じて測定した。
<ヤング率YM cN/dtex>
JIS−1094に準じて測定した。
JIS−1094に準じて測定した。
<強度保持率 %>
耐オートクレーブ特性の指標として、繊維を140℃の飽和水蒸気中に放置した状態で1500分経過後の繊維の強度を測定し、処理前後の強度保持率を求めた。該強度保持率K(%)は、繊維の初期強度をA1、処理後の残留強度をA2として、下記式にて表される。なお、繊維は任意の20本を抜き出し、それぞれの強度を測定し、その平均値を用いた。
K={(A1−A2)/A1}×100(%)
耐オートクレーブ特性の指標として、繊維を140℃の飽和水蒸気中に放置した状態で1500分経過後の繊維の強度を測定し、処理前後の強度保持率を求めた。該強度保持率K(%)は、繊維の初期強度をA1、処理後の残留強度をA2として、下記式にて表される。なお、繊維は任意の20本を抜き出し、それぞれの強度を測定し、その平均値を用いた。
K={(A1−A2)/A1}×100(%)
<電気抵抗値R Ω/cm・f>
電圧電流計法により、平行クリップ電極にセットされた導電性複合繊維(単繊維)を試料として、直流電圧25〜500Vを印加し、その電圧とその時の試料に流れる電流値を測定しオームの法則を用いて算出した。特に、100V印加時の測定値を導電性複合繊維の電気抵抗値Rとして規定した。
電圧電流計法により、平行クリップ電極にセットされた導電性複合繊維(単繊維)を試料として、直流電圧25〜500Vを印加し、その電圧とその時の試料に流れる電流値を測定しオームの法則を用いて算出した。特に、100V印加時の測定値を導電性複合繊維の電気抵抗値Rとして規定した。
<帯電ブラシの除電性能耐久性>
導電性複合繊維をブラシ用の繊維として用い、ブラシ密度6本/in2の複写機用帯電ブラシを作成した。得られた帯電ブラシを試料として、ブラシ帯電法において、ブラシの回転を停止し、直流のバイアス電圧をかけて帯電画像出しテストを行ない、初期及び4万枚コピー後の画像を観察し、以下に示す基準で除電性能耐久性を評価した。
(1)初期性能評価
○:鮮明均一な画像が得られる。
△:やや異常放電跡が認められる。
×:画像が不鮮明であり、スジ斑が目立つ。
(2)繰り返し(4万枚)複写後性能評価
○:初期と同様な鮮明均一な画像が得られる。
△:やや異常放電跡が認められる。
×:画像が不鮮明であり、スジ斑が目立つ。
導電性複合繊維をブラシ用の繊維として用い、ブラシ密度6本/in2の複写機用帯電ブラシを作成した。得られた帯電ブラシを試料として、ブラシ帯電法において、ブラシの回転を停止し、直流のバイアス電圧をかけて帯電画像出しテストを行ない、初期及び4万枚コピー後の画像を観察し、以下に示す基準で除電性能耐久性を評価した。
(1)初期性能評価
○:鮮明均一な画像が得られる。
△:やや異常放電跡が認められる。
×:画像が不鮮明であり、スジ斑が目立つ。
(2)繰り返し(4万枚)複写後性能評価
○:初期と同様な鮮明均一な画像が得られる。
△:やや異常放電跡が認められる。
×:画像が不鮮明であり、スジ斑が目立つ。
<織物の繰り返し洗濯に対する寸法変化>
導電性複合繊維をポリエチレンテレフタレート/綿=65/35の混紡糸でカバーリングして導電性糸とし、該導電性糸をポリエチレンテレフタレート/綿=65/35かつ綿番手20S/2の経糸に80本に1本の割合で打ち込んで、経80本/in、緯50本/inの2/1ツイル織物を作成した。得られた織物を試料として、家庭用洗濯機を用いて40℃の水で繰り返し洗濯を50回行い、洗濯後の織物の表面状態を観察し、以下に示す基準により寸法変化の小ささを評価した。
○:織物の表面に凹凸が無い状態。
×:織物の表面に凹凸が有る状態。
導電性複合繊維をポリエチレンテレフタレート/綿=65/35の混紡糸でカバーリングして導電性糸とし、該導電性糸をポリエチレンテレフタレート/綿=65/35かつ綿番手20S/2の経糸に80本に1本の割合で打ち込んで、経80本/in、緯50本/inの2/1ツイル織物を作成した。得られた織物を試料として、家庭用洗濯機を用いて40℃の水で繰り返し洗濯を50回行い、洗濯後の織物の表面状態を観察し、以下に示す基準により寸法変化の小ささを評価した。
○:織物の表面に凹凸が無い状態。
×:織物の表面に凹凸が有る状態。
実施例及び比較例において芯ポリマー層(B)として使用した、ポリアミドの製造例を以下に示す。
<参考例1〜2>
[ポリアミドPA9MTの製造例]
表1に示す量のテレフタル酸(TA)、1,9−ノナンジアミン(NMDA)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン(MODA)、安息香酸、次亜リン酸ナトリウム一水和物(原料に対して0.1重量%)及び蒸留水2.2リットルを、内容積20リットルのオートクレープに添加し、窒素置換を行った。ついで100℃で30分間攪拌し、2時間かけて内温を210℃に昇温した。この時、オートクレープは2.2×106Paまで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後、230℃に昇温し、その後2時間、230℃に保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2.2×106Paに保持しながら反応を続けた。次に、30分かけて圧力を9.8×105Pa まで下げ、さらに1時間反応を続けてプレポリマーを得た。このプレポリマーを100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。粉砕物を230℃、1.3×10Pa下にて10時間固相重合することによりポリアミド系ポリマーを得た。得られたポリアミドの融点、及び飽和吸水率を表1に示す。以降、本製造例で得られたポリアミドをPA9MTと称することがある。
[ポリアミドPA9MTの製造例]
表1に示す量のテレフタル酸(TA)、1,9−ノナンジアミン(NMDA)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン(MODA)、安息香酸、次亜リン酸ナトリウム一水和物(原料に対して0.1重量%)及び蒸留水2.2リットルを、内容積20リットルのオートクレープに添加し、窒素置換を行った。ついで100℃で30分間攪拌し、2時間かけて内温を210℃に昇温した。この時、オートクレープは2.2×106Paまで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後、230℃に昇温し、その後2時間、230℃に保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2.2×106Paに保持しながら反応を続けた。次に、30分かけて圧力を9.8×105Pa まで下げ、さらに1時間反応を続けてプレポリマーを得た。このプレポリマーを100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。粉砕物を230℃、1.3×10Pa下にて10時間固相重合することによりポリアミド系ポリマーを得た。得られたポリアミドの融点、及び飽和吸水率を表1に示す。以降、本製造例で得られたポリアミドをPA9MTと称することがある。
<参考例3〜4>
[ポリアミドPA92の製造例]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、ダイアフラムポンプを直結した原料投入口、窒素ガス導入口、放圧口、圧力調節装置及びポリマー抜出し口を備えた内容積が150リットルの圧力容器に、表1に示す量のシュウ酸ジブチルを仕込み、圧力容器の内部を純度が99.9999%の窒素ガスで0.5MPaに加圧した後、次に常圧まで窒素ガスを放出する操作を5回繰り返し、窒素置換を行った後、封圧下、攪拌しながら系内を昇温した。約30分間かけてシュウ酸ジブチルの温度を100℃にした後、表1に示す量の1,9−ノナンジアミン(NMDA)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン(MODA)の混合物をダイアフラムフポンプにより流速1.49リットル/分で約17分間かけて反応容器内に供給すると同時に昇温した。供給直後の圧力容器内の内圧は、重縮合反応により生成したブタノールによって0.35MPaまで上昇し、重縮合物の温度は約170℃まで上昇した。その後、1時間かけて温度を235℃まで昇温した。その間、生成したブタノールを放圧口より抜き出しながら、内圧を0.5MPaに調節した。重縮合物の温度が235℃に達した直後から放圧口よりブタノールを約20分間かけて抜き出し、内圧を常圧にした。常圧にしたところから、1.5リットル/分で窒素ガスを流しながら昇温を開始し、約1時間かけて重縮合物の温度を260℃にし、260℃において4.5時間反応させた。その後、攪拌を止めて系内を窒素で1MPaに加圧して約10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重縮合物を圧力容器下部抜出口より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、水冷した紐状の樹脂はペレタイザーによってペレット化した。得られたポリマーは白色で強靭なポリアミドであり、その融点、及び飽和吸水率を表1に示す。以降、本製造例で得られたポリアミドをPA92と称することがある。
[ポリアミドPA92の製造例]
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、ダイアフラムポンプを直結した原料投入口、窒素ガス導入口、放圧口、圧力調節装置及びポリマー抜出し口を備えた内容積が150リットルの圧力容器に、表1に示す量のシュウ酸ジブチルを仕込み、圧力容器の内部を純度が99.9999%の窒素ガスで0.5MPaに加圧した後、次に常圧まで窒素ガスを放出する操作を5回繰り返し、窒素置換を行った後、封圧下、攪拌しながら系内を昇温した。約30分間かけてシュウ酸ジブチルの温度を100℃にした後、表1に示す量の1,9−ノナンジアミン(NMDA)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン(MODA)の混合物をダイアフラムフポンプにより流速1.49リットル/分で約17分間かけて反応容器内に供給すると同時に昇温した。供給直後の圧力容器内の内圧は、重縮合反応により生成したブタノールによって0.35MPaまで上昇し、重縮合物の温度は約170℃まで上昇した。その後、1時間かけて温度を235℃まで昇温した。その間、生成したブタノールを放圧口より抜き出しながら、内圧を0.5MPaに調節した。重縮合物の温度が235℃に達した直後から放圧口よりブタノールを約20分間かけて抜き出し、内圧を常圧にした。常圧にしたところから、1.5リットル/分で窒素ガスを流しながら昇温を開始し、約1時間かけて重縮合物の温度を260℃にし、260℃において4.5時間反応させた。その後、攪拌を止めて系内を窒素で1MPaに加圧して約10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重縮合物を圧力容器下部抜出口より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、水冷した紐状の樹脂はペレタイザーによってペレット化した。得られたポリマーは白色で強靭なポリアミドであり、その融点、及び飽和吸水率を表1に示す。以降、本製造例で得られたポリアミドをPA92と称することがある。
<実施例1>
導電性ポリマー層(A)用の成分として、導電性カーボンブラックを35重量%含有したナイロン6(Ny6)を用い、芯ポリマー層(B)用の成分として参考例1のPA9MTを用い、複合比率(鞘A/芯B)15/85(重量比)、芯鞘型断面で複合紡糸し、24本の複合フィラメントの集合体からなり、その合計繊度が84dtexの導電性複合繊維のマルチフィラメントを得た。紡糸方法として、上記(A)の溶融物と(B)の溶融物を合流して複合紡糸口金より溶融吐出し、吐出された溶融ポリマーを、一旦ガラス転移点未満の温度に冷却し、次いで加熱装置内を走行させて延伸熱処理し、その後に油剤を付与し、そして3000m/分の速度で巻き取る方法を用い、上記吐出糸条が最初にローラーあるいはガイドに接する以前に上記延伸熱処理を行った。なお、上記冷却方法として、25℃の冷却風を0.5m/秒の速度でノズル直下の繊維に吹き当てた。また、延伸熱処理方法として、ノズル直下1.5mの位置に、直径3cm、長さ1mの加熱チューブを設け、チューブ内を180℃に保つ方法を用いた。繊維化工程性は良好で問題なかった。この導電性複合繊維の構成、及び各評価結果をまとめて表2及び3に示す。なお、この導電性複合繊維の断面形状は図1の通りで、表面全面を導電性ポリマー層が覆っていた。
導電性ポリマー層(A)用の成分として、導電性カーボンブラックを35重量%含有したナイロン6(Ny6)を用い、芯ポリマー層(B)用の成分として参考例1のPA9MTを用い、複合比率(鞘A/芯B)15/85(重量比)、芯鞘型断面で複合紡糸し、24本の複合フィラメントの集合体からなり、その合計繊度が84dtexの導電性複合繊維のマルチフィラメントを得た。紡糸方法として、上記(A)の溶融物と(B)の溶融物を合流して複合紡糸口金より溶融吐出し、吐出された溶融ポリマーを、一旦ガラス転移点未満の温度に冷却し、次いで加熱装置内を走行させて延伸熱処理し、その後に油剤を付与し、そして3000m/分の速度で巻き取る方法を用い、上記吐出糸条が最初にローラーあるいはガイドに接する以前に上記延伸熱処理を行った。なお、上記冷却方法として、25℃の冷却風を0.5m/秒の速度でノズル直下の繊維に吹き当てた。また、延伸熱処理方法として、ノズル直下1.5mの位置に、直径3cm、長さ1mの加熱チューブを設け、チューブ内を180℃に保つ方法を用いた。繊維化工程性は良好で問題なかった。この導電性複合繊維の構成、及び各評価結果をまとめて表2及び3に示す。なお、この導電性複合繊維の断面形状は図1の通りで、表面全面を導電性ポリマー層が覆っていた。
得られた導電性複合繊維において導電性ポリマー層(A)は繊維軸方向に均一に連続されていた。また、複合繊維の25〜500V印加時の電気抵抗値は(5.0±2)×106Ω/cm・f、特に100V印加時の電気抵抗値Rは5.4×106Ω/cm・fであり、非常に安定しており、低印加電圧下においても優れた導電性能を有するものであった。得られた複合繊維を筒編状とし、100回、200回のHL後も性能は106Ω/cm・fレベルで良好であった。さらに、得られた複合繊維より作成した帯電ブラシの除電性能耐久性は、表3に示すように良好であった。
次いで、得られた導電性複合繊維のマルチフィラメントを、ポリエチレンテレフタレート/綿=65/35の混紡糸に螺旋状に巻きつけてカバーリングし、ポリエチレンテレフタレート/綿=65/35、綿番手20S/2の経糸に80本に1本の割合で打ち込んで、経80本/in、緯50本/inの2/1ツイル織物とし、引き続き、通常のポリエステル綿混織物の条件で染色加工仕上げを行った。得られた織物を試料として、繰り返し洗濯後の織物の表面状態を観察したところ、表3に示すように寸法安定性が良好であった。
<実施例2〜4>
芯ポリマー層(B)の条件を表2に示すように変更した以外はそれぞれ実施例1と同様に実施した。各評価結果は表3に示した通り、いずれも良好であった。
芯ポリマー層(B)の条件を表2に示すように変更した以外はそれぞれ実施例1と同様に実施した。各評価結果は表3に示した通り、いずれも良好であった。
<実施例5〜7>
繊維断面と複合比率を表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様に実施した。各評価結果は表3に示した通り、いずれも良好であった。
繊維断面と複合比率を表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様に実施した。各評価結果は表3に示した通り、いずれも良好であった。
<実施例8>
芯ポリマー層(B)に用いるポリアミドを、融点177℃、飽和吸水率1.6%のナイロン12(Ny12)に変更したこと以外は実施例1と同様に実施した。各評価結果は表3に示した通り、いずれも良好であった。
芯ポリマー層(B)に用いるポリアミドを、融点177℃、飽和吸水率1.6%のナイロン12(Ny12)に変更したこと以外は実施例1と同様に実施した。各評価結果は表3に示した通り、いずれも良好であった。
<比較例1〜2>
紡糸方法を1000m/minの未延伸原糸を採取し、ついで延伸する2段階方式に変更した以外は実施例1と同様に実施し、表3に示した評価結果が得られた。得られた導電性複合繊維は、帯電ブラシとして用いたときの除電性能の耐久性に劣るものであった。
紡糸方法を1000m/minの未延伸原糸を採取し、ついで延伸する2段階方式に変更した以外は実施例1と同様に実施し、表3に示した評価結果が得られた。得られた導電性複合繊維は、帯電ブラシとして用いたときの除電性能の耐久性に劣るものであった。
<比較例3〜4>
芯ポリマー層(B)に用いるポリアミドを表2に示した樹脂に変更したこと以外は実施例1と同様の条件で実施し、表3に示した評価結果が得られた。得られた導電性複合繊維は、織物に用いた際に繰り返し洗濯後の寸法安定性に劣るものであった。
芯ポリマー層(B)に用いるポリアミドを表2に示した樹脂に変更したこと以外は実施例1と同様の条件で実施し、表3に示した評価結果が得られた。得られた導電性複合繊維は、織物に用いた際に繰り返し洗濯後の寸法安定性に劣るものであった。
本発明の導電性複合繊維は、優れた除電性能、耐オートクレーブ特性、寸法安定性、特定の物性による柔軟さを有することから、ワーキングウェアや防塵衣、医療用ユニフォーム等の衣料用分野だけでなく、帯電用ブラシ等の非衣料用分野等にも好適に利用できる。
A:鞘ポリマー層(導電性ポリマー層)
B:芯ポリマー層
B:芯ポリマー層
Claims (8)
- 導電性カーボンブラックを15〜50重量%含有するポリアミドからなる導電性ポリマー層の鞘ポリマー層(A)と、融点170℃以上、飽和吸水率3.0%以下のポリアミドからなる芯ポリマー層(B)とからなる芯鞘型の導電性複合繊維であって、伸度DE(%)及びヤング率YM(cN/dtex)が下記式を同時に満足することを特徴とする導電性複合繊維。
DE(%)=95〜50 (1)
YM(cN/dtex)=28〜15 (2) - 芯ポリマー層(B)に平均粒径0.5μm以下の無機微粒子が5重量%以下添加されていることを特徴とする、請求項1記載の導電性複合繊維。
- 鞘ポリマー層(A)が、繊維横断面の中心部に向かって突出する突起部を2〜50個有することを特徴とする、請求項1または2に記載の導電性複合繊維。
- 鞘ポリマー層(A)及び芯ポリマー層(B)の各ポリマー層を構成する少なくとも一成分のポリアミドが、ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分と、から重合されてなるポリアミドであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性複合繊維。
- 鞘ポリマー層(A)及び芯ポリマー層(B)の各ポリマー層を構成する少なくとも一成分のポリアミドが、ジカルボン酸成分の60モル%以上が蓚酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分と、から重合されてなるポリアミドであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性複合繊維。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性複合繊維を経糸及び/または緯糸の一部として用いられた織物からなる防塵衣であって、前記導電性複合繊維が織物の経方向及び/または緯方向に間隔をおいて打ち込まれている防塵衣。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性複合繊維を用いてなるOA機器用の帯電ブラシ、またはクリーニングブラシ。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性複合繊維を含有してなる医療用ユニフォーム。
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