JP2015160844A - トリアジン(triazine)誘導体及びこれを用いた有機発光素子 - Google Patents

トリアジン(triazine)誘導体及びこれを用いた有機発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】有機発光素子の駆動電圧を低下させることが可能な、新規かつ改良されたトリアジン誘導体及びこれを用いた有機発光素子を提供する。【解決手段】上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、以下の化学式(1)で示されることを特徴とする、トリアジン誘導体が提供される。【化1】・・・(化学式1)化学式1において、Aは、環形成原子数が5〜30であるアリール基またはヘテロアリール基であり、Bは、2つ以上のアジン環で置換されたフェニレン基である。【選択図】図1

Description

本発明は、トリアジン誘導体及びこれを用いた有機発光素子に関する。
特許文献1〜4には、トリアジン誘導体およびこれを用いた有機発光素子が開示されている。具体的には、特許文献1、2には、トリアジンの2、4、6位に同じ置換基が結合したトリアジン誘導体が開示されている。特許文献3、4には、トリアジンの2、4、6位に結合した3つのフェニル(phenyl)基のうち、2つのフェニル基が1つのピリジル(pyridyl)基で置換されたトリアジン誘導体が開示されている。
特開2004−022334号公報 特開2007−137829号公報 国際公開2011/021689号公報 国際公開2012/091026号公報
しかし、特許文献1〜4に開示された有機発光素子は、駆動電圧が非常に高く、実用的ではないという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、有機発光素子の駆動電圧を低下させることが可能な、新規かつ改良されたトリアジン誘導体及びこれを用いた有機発光素子を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、以下の化学式(1)で示されることを特徴とする、トリアジン誘導体が提供される。
Figure 2015160844
・・・(化学式1)
化学式1において、Aは、環形成原子数が5〜30であるアリール基またはヘテロアリール(aryl)基であり、Bは、2つ以上のアジン環で置換されたフェニレン(phenlene)基である。
この観点によるトリアジン誘導体を有機発光素子に含めることで、有機発光素子の駆動電圧を低下させることができる。
ここで、Aは、環形成炭素原子数が6〜30であるアリール基であってもよい。
この観点によるトリアジン誘導体を有機発光素子に含めることで、有機発光素子の駆動電圧を低下させることができる。
また、Bは、2つ以上のピリジル基で置換されたフェニレン基であってもよい。
この観点によるトリアジン誘導体を有機発光素子に含めることで、有機発光素子の駆動電圧を低下させることができる。
また、ピリジル基の3位または4位にフェニレン基が結合していてもよい。
この観点によるトリアジン誘導体を有機発光素子に含めることで、有機発光素子の駆動電圧を低下させることができる。
本発明の他の観点によれば、上記トリアジン誘導体を含むことを特徴とする、有機発光素子が提供される。
この観点による有機発光素子は、上記のトリアジン誘導体を含むので、駆動電圧を低下させることができる。
ここで、トリアジン誘導体は、電子輸送層及び発光層のうち、少なくとも一方に含まれていてもよい。
この観点による有機発光素子は、電子輸送層及び発光層のうち、少なくとも一方に上記のトリアジン誘導体を含むので、駆動電圧を低下させることができる。
以上説明したように本発明によれば、有機発光素子の駆動電圧を低下させることができる。
本発明の実施形態に係る有機発光素子の概略構成を示す断面図である。 前駆体5のH−NMRスペクトル(spectrum)である。 前駆体5のH−NMRスペクトル(低磁場側)である。 前駆体5のマススペクトル(mass spectrum)である。 本実施例の1つであるB3PyPTZのH−NMRスペクトルである。 B3PyPTZのH−NMR(低磁場側)スペクトルである。 B3PyPTZのマススペクトルである。 本実施例の1つであるB4PyPTZのH−NMRスペクトルである。 B4PyPTZのH−NMR(低磁場側)スペクトルである。 B4PyPTZのマススペクトルである。 B3PyPTZ及びTPBi(比較例)の電流密度−電圧特性を示すグラフである。 B3PyPTZ及びTPBiの輝度−電圧特性を示すグラフである。 B3PyPTZ及びTPBiの電力効率−輝度特性を示すグラフである。 B3PyPTZ及びTPBiの電流効率−輝度特性を示すグラフである。 B3PyPTZ及びTPBiの外部量子効率−輝度特性を示すグラフである。 B3PyPTZ及びTPBiのELスペクトルである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.トリアジン誘導体の構成>
本発明者は、有機発光素子の駆動電圧を下げることができる材料について鋭意検討した結果、本実施形態に係るトリアジン誘導体に想到した。このトリアジン誘導体は、特に電子輸送材料及び発光層のホスト材料として用いた場合に、有機発光素子の駆動電圧を大きく低減させることができる。そこで、まず、本実施形態に係るトリアジン誘導体の構成について説明する。本実施形態に係るトリアジン誘導体は、以下の化学式(1)で示される。
Figure 2015160844
・・・(化学式1)
化学式1において、Aは、環形成原子数が5〜30であるアリール基またはヘテロアリール基である。Aは、環形成炭素原子数が6〜30であるアリール基であることが好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。ヘテロアリール基の具体例としては、後述するアジン環の他、フラニル基、チエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基等が挙げられる。なお、Aを構成するアリール基及びヘテロアリール基は、各種の官能基で置換されていてもよい。
Bは、2つ以上のアジン環で置換されたフェニレン基である。ここで、アジン環は、窒素原子を含む複素芳香族化合物である。アジン環の例としては、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、テトラジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン等が挙げられる。
アジン環の好適な例はピリジンである。フェニレン基が2つ以上のピリジン(すなわちピリジル基)で置換されている場合、フェニレン基は、ピリジル基の3位または4位に結合していることが好ましい。上述したアジン環は何らかの置換基で置換されていてもよい。フェニレン基もアジン環以外の置換基で置換されていてもよい。
後述する実施例にて説明するが、上述した構成を有するトリアジン誘導体を有機発光素子の電子輸送層及び発光層のうち、少なくとも一方に含めることで、有機発光素子の駆動電圧を低下させることができる。この理由として、第1に、トリアジン部位の高い電子受容性により、第2電極(陰極)からの電子注入性が向上したことが考えられる。第2に、トリアジン誘導体同士が水素結合することで、強固なネットワーク(network)を形成していることが考えられる。すなわち、アジン環中の窒素原子は非共有電子対を有する。そして、この非共有電子対が他のトリアジン誘導体中の水素原子と水素結合を形成する。これにより、トリアジン誘導体同士が強化なネットワークを形成する。トリアジン誘導体は、このネットワークを介して電子を効率よく輸送する。このため、駆動電圧が下がると考えられる。
なお、本発明者は、フェニレン基に結合したアジン環が1つだけでは、駆動電圧が高いことを確認した(後述する比較例参照)。したがって、トリアジン誘導体同士のネットワークは、フェニレン基に2つ以上のアジン環が結合した場合に強固になる。また、トリアジン誘導体同士のネットワークは、フェニレン基がピリジル基の3位または4位に結合している場合に、特に強固になる。
トリアジン誘導体の具体例は、以下の化学式(2)〜(5)で示されるB3PyPTZ、B4PyPTZ、B2PyPTZ、B2QPyTZである。
Figure 2015160844
・・・(化学式2)
Figure 2015160844
・・・(化学式3)
Figure 2015160844
・・・(化学式4)
Figure 2015160844
・・・(化学式5)
<2.トリアジン誘導体の製造方法>
次に、トリアジン誘導体の製造方法について説明する。まず、B3PyPTZ及びB4PyPTZを製造するための反応スキーム(scheme)は以下の通りである。
Figure 2015160844

B3PyPTZ及びB4PyPTZは、上記の反応スキームに従って製造することができる(詳細は後述の合成例参照)。また、上記前駆体2の臭化フェニルマグネシウム(Phenyl Magnesium Bromide)を所望の臭化アリールマグネシウムまたは臭化ヘテロアリールマグネシウムに変更することで、所望のアリール基またはヘテロアリール基が導入された前駆体3を合成することができる。また、ピリジンのボロン酸(boromic acid)誘導体を所望のアジン環のボロン酸誘導体に変更することで、各フェニレン基に所望のアジン環が2つ導入されたトリアジン誘導体を合成することができる。例えば、B2QPyTZは、以下の反応スキームによって合成可能である。
Figure 2015160844
<3.トリアジン誘導体を用いた有機発光素子について>
次に、図1を参照しながら、本実施形態に係るトリアジン誘導体を利用した有機発光素子について、簡単に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る有機発光素子の一例を示す概略断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る有機発光素子100は、基板110と、基板110上に配置された第1電極120と、第1電極120上に配置された正孔注入層130と、正孔注入層130上に配置された正孔輸送層140と、正孔輸送層140上に配置された発光層150と、発光層150上に配置された電子輸送層160と、電子輸送層160上に配置された電子注入層170と、電子注入層170上に配置された第2電極180と、を備える。
ここで、本実施形態に係るトリアジン誘導体は、電子輸送層160及び発光層150のうち、少なくとも一方に含まれる。トリアジン誘導体は、これらの層の両方に含まれていてもよい。
有機発光素子の第1電極120及び第2電極180の間に配置された各有機薄膜層は、公知の様々な方法、例えば蒸着法等で形成することができる。
基板110は、一般的な有機発光素子で使用される基板を使用することができる。例えば、基板110は、ガラス(glass)基板、半導体基板、又は、透明なプラスチック(plastic)基板等であってもよい。
第1電極120は、例えば、陽極であり、蒸着法又はスパッタリング(sputtering)法などを用いて基板110上に形成される。具体的には、第1電極120は、仕事関数が大きい金属、合金、導電性化合物等によって透過型電極として形成される。第1電極120は、例えば、透明であり、導電性に優れる酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等で形成されてもよい。また、第1電極120は、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)などを用いて反射型電極として形成されてもよい。
正孔注入層130は、第1電極120からの正孔の注入を容易にする機能を備えた層であり、例えば第1電極120上に約10nm〜約150nmの厚さにて形成される。正孔注入層130は、公知の材料を用いて形成することができる。かかる公知の材料としては、例えば、トリフェニルアミン含有ポリエーテルケトン(TPAPEK)、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(PPBI)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−[4−(フェニル−m−トリル−アミノ)−フェニル]−ビフェニル−4,4’−ジアミン(DNTPD)、銅フタロシアニン等のフタロシアニン化合物、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)、4,4’,4”−トリス{N,Nジフェニルアミノ}トリフェニルアミン(TDATA)、4,4’,4”−トリス(N,N−2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、又は、ポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PANI/PSS)等を挙げることができる。
正孔輸送層140は、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料を含む層であり、例えば正孔注入層130上に約10nm〜約150nmの厚さにて形成される。正孔輸送層140は、公知の正孔輸送材料を用いて形成することができる。公知の正孔輸送材料として、例えば、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、N−フェニルカルバゾール(N−phenyl carbazole)、ポリビニルカルバゾール(polyvinyl carbazole)などのカルバゾール誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)等を挙げることができる。
発光層150は、蛍光やリン光等により光を発する層である。発光層150は、ホスト材料、及び、発光材料であるドーパント(dopant)材料を含んで形成されてもよい。なお、発光層150は、具体的には、約10nm〜約60nmの厚さで形成されてもよい。
本実施形態に係るトリアジン誘導体は、発光層150のホスト材料とすることができる。なお、トリアジン誘導体を電子輸送層160に含める場合には、ホスト材料は必ずしも本実施形態に係るトリアジン誘導体でなくてもよい。この場合、発光層150には、公知のホスト材料を含めればよい。
発光層150に含まれる公知のホスト材料としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、4,4’−N,N’−ジカバゾール−ビフェニル(CBP)、ポリ(n−ビニルカルバゾール)(PVK)、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(ADN)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBI)、3−tert−ブチル−9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン(TBADN)、ジスチリルアリーレン(DSA)、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−2,2’−ジメチル−ビフェニル(dmCBP)が挙げられる。
また、発光層150は、特定の色の光を発する発光層として形成されてもよい。例えば、発光層150は、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層として形成されてもよい。
発光層150が青色発光層である場合、青色ドーパントとしては公知の材料が使用可能であるが、例えば、ペリレン(perlene)及びその誘導体、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジネート]ピコリネートイリジウム(III)(FIrpic)等のイリジウム(Ir)錯体等を使用することができる。
また、発光層150が赤色発光層である場合、赤色ドーパントとしては公知の材料が使用可能であるが、例えば、ルブレン(rubrene)及びその誘導体、4−ジシアノメチレン−2−(p−ジメチルアミノスチリル)−6−メチル−4H−ピラン(DCM)及びその誘導体、ビス(1‐フェニルイソキノリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)(Ir(piq)(acac))等のイリジウム錯体、オスミウム(Os)錯体、白金錯体等を使用することができる。
また、発光層150が緑色発光層である場合、緑色ドーパントとしては公知の材料が使用可能であるが、例えば、クマリン(coumarin)及びその誘導体、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(Ir(ppy))等のイリジウム錯体等を使用することができる。
電子輸送層160は、電子を輸送する機能を有する電子輸送材料を含む層であり、例えば発光層150上に約15nm〜約50nmの厚さにて形成される。本実施形態に係るトリアジン誘導体が電子輸送材料となる。なお、トリアジン誘導体を発光層に含める、すなわち発光層のホスト材料として用いる場合には、電子輸送材料は必ずしも本実施形態に係るトリアジン誘導体でなくてもよい。この場合、電子輸送層160は、公知の電子輸送材料を用いて形成することができる。公知の電子輸送材料としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)のようなキノリン誘導体、1,2,4−トリアゾール誘導体(TAZ)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−(p−フェニルフェノラート)−アルミニウム(BAlq)、ベリリウムビス(ベンゾキノリン−10−オラート)(BeBq2)、リチウムキノレート(LiQ)等のLi錯体等が挙げられる。
電子注入層170は、第2電極180からの電子の注入を容易にする機能を備えた層であり、約0.3nm〜約9nmの厚さにて形成される。なお、電子注入層170は、公知の材料を用いて形成することができるが、フッ化リチウム(LiF)、塩化ナトリウム(NaCl)、フッ化セシウム(CsF)、酸化リチウム(LiO)、酸化バリウム(BaO)等を用いて形成することができる。
第2電極180は、例えば、陰極である。具体的には、第2電極180は、仕事関数が小さい金属、合金、導電性化合物等で反射型電極として形成される。第2電極180は、例えば、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)等で形成されてもよい。また、第2電極180は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)などを用いて透過型電極として形成されてもよい。第2電極180は、例えば蒸着法又はスパッタリング(sputtering)法などを用いて電子注入層170上に形成される。
以上、本実施形態に係る有機発光素子100の構造の一例について説明した。本実施形態に係るトリアジン誘導体を含む有機発光素子100では、トリアジン誘導体同士が強固なネットワークを形成するため、電子輸送性が向上し、ひいては、駆動電圧が低下する。
なお、本実施形態に係る有機発光素子100の構造は、上記例示に限定されない。本実施形態に係る有機発光素子100は、公知の他の様々な有機発光素子の構造を用いて形成されてもよい。例えば、有機発光素子100は、正孔注入層130、正孔輸送層140、電子輸送層160及び電子注入層170のうち1層以上を備えていなくともよい。また、有機発光素子100の各層は、単層で形成されてもよく、複数層で形成されてもよい。
また、有機発光素子100は、三重項励起子又は正孔が電子輸送層160に拡散する現象を防止するために、正孔輸送層140と発光層150との間に正孔阻止層を備えていてもよい。なお、正孔阻止層は、例えば、オキサジアゾール(oxadiazole)誘導体、トリアゾール(triazole)誘導体、又は、フェナントロリン(phenanthroline)誘導体等によって形成することができる。
以下では、実施例及び比較例を示しながら、本発明の実施形態に係る有機発光素子について、具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明の実施形態に係る有機発光素子のあくまでも一例であって、本発明の実施形態に係る有機発光素子が下記の例に限定されるものではない。
(合成例1:前駆体3の合成)
「Chem.Eur.J.2011、17、10871−10878」を参考に前駆体3を合成した。
(合成例2:前駆体5の合成)
窒素導入管、ジムロート(dimroth)、メカニカルスターラー(mechanical stirrer)を装着した300mL4つ口フラスコ(flask)にジクロロフェニルトリアジン 11.5g (50.9mmol)、ジクロロフェニルボロン酸 21.4g (112mmol)、CHCN 600mL、1M NaCOaq 200mLを加え、2時間Nバブリング(bubbling)を行った。次にPdCl(PPh 1.79g (2.55mmol)を加え加熱還流撹拌を行った。20時間経過後、原料の消失を確認し放冷した。反応溶液を2000mL三角フラスコに移し、水500mLを加えて撹拌し塩を取り除いた。ガラスフィルター(glass filter)を用いて吸引濾過にて濾物と濾液に分け、濾物をカラム精製することで目的物を得た(収量8.2g、収率57%)。
また、目的物のH−NMR(400MHz、CDCl3)を測定したところ、以下の化学シフト(chemical shift)を得た(単位はppm。以下同様。)。8.73−8.70(m、2H)、8.58(d、J=2.0Hz、4H)、7.69−7.52(m、5H)。図2及び図3にNMRスペクトルを示す。図3は図2の低磁場側のスペクトルを示す。また、目的物のマススペクトルを測定したところ、m/z=447[M]の結果を得た。マススペクトルを図4に示す。これらの結果により、目的物がたしかに前駆体5であることを確認した。
(合成例3:B3PyPTZの合成)
窒素導入管、ジムロート、マグネチックスターラー(magnetic stirrer)を装着した200mL3つ口フラスコに前駆体5 1.14g(2.55mmol)、3−ピリジンボロン酸エステル 2.63g(12.8mmol)、1、4−dioxane 40mL、1.35M KPOaq 13mLを加え、3時間Nバブリングを行った。次にPd(dba) 0.048g(0.052mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2'、6'−ジメトキシビフェニル(S−Phos)0.044g(0.107mmol)を加え強撹拌下、加熱還流を行った。32時間経過後、TLC(薄膜クロマトグラフィー)にて原料の消失を確認放冷した。吸引濾過にて濾物と濾液に分け、水を用いて濾物から塩を取り除いた。濾物を溶解し、カラムクロマトグラフィーによって目的物を得た(収量1.42g、90%)。
目的物のH−NMR(400MHz、CDCl3)を測定したところ、以下の化学シフトを得た。9.07(d、4H、J=2.4Hz)、9.02(s、4H)、8.83(d、2H、J=7.6Hz)、8.72(d、4H、J=4.4Hz)、8.10(d、4H、J=8.4Hz)、8.03(s、2H)、7.69−7.64(m、3H)、7.51(dd、4H、J=5.2、5.2Hz)。図5及び図6にNMRスペクトルを示す。図6は図5の低磁場側のスペクトルを示す。また、目的物のマススペクトルを測定したところ、m/z=618[M](Anal.Calcd for C4128:C 79.72;H、4.41;N、15.87%。Found:C、79.52;H、4.25;N、15.90%)の結果を得た。マススペクトルを図7に示す。これらの結果により、目的物がたしかにB3PyPTZであることを確認した。
(合成例4:B4PyPTZの合成)
窒素導入管、ジムロート、マグネチックスターラーを装着した100mL3つ口フラスコに前駆体5 1.20g(2.68mmol)、4−ピリジンボロン酸エステル2.75g(13.4mmol)、1、4−dioxane 40mL、1.35M KPOaq(KPO3.82gをHO 13.3mLに溶解)を加え、1.5時間Nバブリングを行った。次にPd(dba) 0.050g(0.055mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2'、6'−ジメトキシビフェニル(S−Phos)0.046g(0.112mmol)を加え強撹拌下、加熱還流を行った。43時間経過後TLCにて原料の消失を確認、塩を溶解するために水を50mL加え撹拌し放冷した。析出固体を回収、水を用いて濾物から塩を取り除いた。濾物を溶解し、カラムクロマトグラフィーによって目的物を得た(収量1.40g、85%)。
目的物のH−NMR(400MHz、CDCl3)を測定したところ、以下の化学シフトを得た。9.09(d、4H、J=1.6Hz)、8.86−8.75(m、10H)、8.13(d、2H、J=3.6Hz)、7.73−7.63(m、11H)。図8及び図9にNMRスペクトルを示す。図9は図8の低磁場側のスペクトルを示す。また、目的物のマススペクトルを測定したところ、m/z=617[M](Anal.Calcd for C4128:C、79.72;H、4.41;N、15.87%。Found:C、79.81;H、4.36;N、15.97%。)の結果を得た。マススペクトルを図10に示す。これらの結果により、目的物がたしかにB4PyPTZであることを確認した。
(合成例5:B2PyPTZの合成)
合成例3で3−ピリジンボロン酸エステルの代わりに2.63gの2−ピリジンボロン酸エステルを使用した他は合成例3と同様の処理を行うことで、目的物を得た(収量1.40g、89%)。
目的物のマススペクトルを測定したところ、m/z=618[M](Anal.Calcd for C4128:C、79.72;H、4.41;N、15.87%。Found:C、79.52%;H、4.25%;N、15.90の結果を得た。これらの結果により、目的物がたしかにB2PyPTZであることを確認した。
(合成例6:B2QPyTZの合成)
合成例1でフェニルマグネシウムブロマイドを用いる代わりに3−ピリジンマグネシウムブロマイドを用いることで、前駆体6を合成した。
ジクロロフェニルトリアジンの代わりに前駆体6を11.6g用いた他は合成例2と同様の処理を行うことで、前駆体7を得た(収量7.10g、31%)。次に、前駆体5の代わりに1.14gの前駆体7を用い、3−ピリジンボロン酸エステルの代わりに3.26gの3−キノリンボロン酸エステルを用いた他は合成例3と同様の処理を行うことで、B2QPyTZを得た。(収量1.71g、82%)
目的物のマススペクトルを測定したところ、m/z=819[M](Anal.Calcd for C5634:C、82.12;H、4.19;N、13.69%。Found:C、82.12;H、4.19;N、13.69%。)の結果を得た。
(有機発光素子の作製)
つぎに、有機発光素子を以下の製法により作製した。まず、予めパターニング(patterning)して洗浄処理を施したITO−ガラス基板に、紫外線オゾン(O)による表面処理を行った。なお、かかるITO膜(第1電極)の膜厚は、130nmであった。オゾン処理後、基板を洗浄した。洗浄済基板を有機層成膜用ガラスベルジャー型蒸着機にセットし、真空度10−4〜10−5Pa下で、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に蒸着を行った。つづいて、金属成膜用ガラスベルジャー型蒸着機に基板を移し、真空度10−4〜10−5Pa下で電子注入層、陰極材料を蒸着した。
ここで、正孔注入材料としては、TPAPEK及びPPBIを用いた。すなわち、これらの材料をITO上に共蒸着することで、正孔注入層を作製した。正孔注入層の厚さは20nmとした。正孔輸送材料としては、TAPCを用いた。正孔輸送層の厚さは30nmとした。発光材料のホストはCBP(実施例1〜4、比較例1〜3)またはB3PyPTZ(実施例5)とした。ドーパントは(Ir(ppy))とした。ドーパントのドープ量は、ホストの質量に対して8質量%とした。すなわち、これらの材料を正孔輸送層上に共蒸着することで、発光層を作製した。発光層の厚さは、10nmとした。電子輸送材料としては、B3PyPTZ(実施例1、5)、B4PyPTZ(実施例2)、B2PyPTZ(実施例3)、B2QPyTZ(実施例4)、TPBi(比較例1)、ETM1(比較例2)、またはETM2(比較例3)を用いた。電子輸送層の厚さは50nmとした。ETM1、ETM2の構造は以下の化学式(6)、(7)でそれぞれ示される。
Figure 2015160844
・・・(化学式6)
Figure 2015160844
・・・(化学式7)
なお、ETM1、2は、「Chem.Eur.J.2011、17、10871−10878」の記載を参照し、かつ、上述した反応スキーム中の各材料を変更することで合成された。電子注入材料としては、LiFを用いた。電子注入層の厚さは0.5nmとした。第2電極材料としては、Alを用いた。第2電極の厚さは100nmとした。
有機化合物の成膜は抵抗加熱式蒸着法により、蒸着速度0.1〜5.0Å/secにて行った。LiFは同蒸着法により、蒸着速度0.01〜0.1Å/secで行った。Alの成膜は同蒸着法で、蒸着速度5.0〜20.0Å/secで行った。また膜厚の制御は水晶発振式成膜コントローラーを使用し制御した。これにより、有機発光素子(緑色燐光素子)を作製した。
(輝度測定)
Keithley Instruments社製2400シリーズのソースメーター(source meter)、色彩輝度計CS−200(株式会社コニカミノルタホールディングス(Konica Minolta Holdings)製、測定角1°)、測定用PCプログラムLabVIEW8.2(株式会社日本ナショナルインスツルメンツ(National Instruments)製)を使用し、暗室内にて輝度測定を行った。測定条件は、「電圧設定モード、DCモード」、電圧ステップ幅0.2V、発光面積4.0mmにて行った。測定結果に基づいて、電流密度−電圧特性、輝度−電圧特性、電力効率−輝度特性、電流効率−輝度特性、外部量子効率−輝度特性を評価した。結果を図11〜図15及び表1に示す。なお、B2PyPTZ、B2QPyTZ、及びB4PyPTZの特性はB3PyPTZとほぼ同様であったため、図11〜図15では、B2PyPTZ、B2QPyTZ、及びB4PyPTZの特性を示していない。また、図11〜図15では、ETM1、2の特性も示していないが、いずれもTPBiと同程度の特性を示した。
Figure 2015160844
(エレクトロルミネッセンス(EL)スペクトル測定)
分光器とマルチチャンネル(multi channel)検出素子を一体化した分光測光装置であるフォトマルチチャンネルアナライザー(photo multi channel analyzer)PMA−11(株式会社浜松ホトニクス(photonics)製)、Keithley Instruments社製2400シリーズのソースメーターを使用し、ELスペクトルを測定した。測定用PCプログラム(program)はPMA用基本ソフトウエア(software)U6039−01version8.2(株式会社浜松ホトニクス製)、測定条件は検出器の露光時間は任意(19ms〜)、波長299.6〜800.4nm、電流値は任意値(mA)にて行った。結果を図16に示す。なお、B2PyPTZ、B2QPyTZ、及びB4PyPTZのスペクトルはB3PyPTZとほぼ同様であったため、図16では、B2PyPTZ、B2QPyTZ、及びB4PyPTZのスペクトルを示していない。
B3PyPTZを用いた有機発光素子は、一般的な素子構造を有しているにも関わらず、高い外部量子効率と極めて低い駆動電圧を実現した。具体的には、100cdm−2時では駆動電圧2.3V、外部量子効率20%、電流効率71cdA−1、電力効率96lmW−1の効率を示した。TPBiを電子輸送材料に用いた同構造の有機発光素子(比較例1)と比べると、外部量子効率は同程度であるが、0.7Vの大幅な駆動電圧の低減効果がある。また、ETM1、2を用いた有機発光素子と比べても、0.5〜0.6Vの大幅な駆動電圧の低減効果がある。他の実施例に係るトリアジン誘導体を用いた有機発光素子もB3PyPTZとほぼ同様の特性を示した。
この理由として、第1に、トリアジン部位の高い電子受容性により、第2電極(陰極)からの電子注入性が向上したことが考えられる。第2に、トリアジン誘導体は、フェニレン基が有する2つのアジン環によって他のトリアジン誘導体と水素結合によって結合することが考えられる。すなわち、トリアジン誘導体同士は、水素結合によって強固なネットワークを形成し、このネットワークが電子輸送性の向上に寄与していると考えられる。また、実施例1〜3を比較すると、フェニレン基がピリジル基の3位または4位に結合している実施例1、2は、フェニレン基がピリジル基の2位に結合している実施例3よりも駆動電圧が低い。したがって、トリアジン誘導体同士のネットワークは、フェニレン基がピリジル基の3位または4位に結合している場合に、特に強固になることがわかる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 有機EL素子
110 基板
120 第1電極
130 正孔注入層
140 正孔輸送層
150 発光層
160 電子輸送層
170 電子注入層
180 第2電極

Claims (6)

  1. 以下の化学式(1)で示されることを特徴とする、トリアジン誘導体。
    Figure 2015160844
    ・・・(化学式1)
    化学式1において、Aは、環形成原子数が5〜30であるアリール基またはヘテロアリール基であり、
    Bは、2つ以上のアジン環で置換されたフェニレン基である。
  2. Aは、環形成炭素原子数が6〜30であるアリール基であることを特徴とする、請求項1記載のトリアジン誘導体。
  3. Bは、2つ以上のピリジル基で置換されたフェニレン基であることを特徴とする、請求項1または2記載のトリアジン誘導体。
  4. ピリジル基の3位または4位にフェニレン基が結合していることを特徴とする、請求項3記載のトリアジン誘導体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のトリアジン誘導体を含むことを特徴とする、有機発光素子。
  6. 前記トリアジン誘導体は、電子輸送層及び発光層のうち、少なくとも一方に含まれることを特徴とする、請求項5記載の有機発光素子。
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