JP2015160216A - 銅電解用アノードの鋳造方法及び鋳造装置 - Google Patents

銅電解用アノードの鋳造方法及び鋳造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 複数種の離型剤を散布してアノードを鋳造する際、離型剤が鋳型内で混ざり合わないように散布することにより、アノード側面の亀裂の抑制とアノード表面の“膨れ”の発生を防止し得る銅電解用アノードの鋳造方法及び装置を提供する。
【解決手段】
アノード本体の頂部両側に一対の垂下用耳部を有する銅電解用アノードを、間欠的に回転移動するターンテーブル上の鋳型で鋳造するに際し、ターンテーブルが1周する毎に、該鋳型内に離型剤として粘土水又は硫酸バリウムのスラリーを交互に散布することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、銅電解用アノードの鋳造方法及び鋳造設備に係り、より詳しくは間欠的に回転移動するターンテーブル上の鋳型で銅電解用アノードを鋳造する方法とその鋳造装置に関する。
一般に銅製錬工程では、銅原料を銅品位が約99.2重量%の精製粗銅にまで乾式製錬し、その精製粗銅を鋳型に鋳造することで銅電解用アノードを製造している。銅電解工程では、その銅電解用アノードを原料として電解精製することにより、製品である電気銅を生産している。銅電解工程においては、電解槽内にアノードとカソードが交互に1枚ずつ吊下げられ、配列されて電解される。そのため、銅電解用アノードは、本体の頂部両側に、本体の保持と電気的接触のための一対の垂下用耳部を有する形状に鋳造されている。
この銅電解用アノードは、一般に銅アノード回転鋳造装置によって製造されている。その銅アノード回転鋳造装置としては、図1にその概略を示すように、銅精製炉(図示せず)から排出された溶銅を、溜樋1を経由して、単数あるいは複数(図1では一対)の間欠的に回転移動するターンテーブル2、3上に載置された多数の銅鋳型4、5に、一定量ずつ注湯して冷却固化させた後、その鋳型4、5から剥ぎ取ることによって、銅アノードを製造している。この銅電解用アノードの鋳造では、鋳型4、5を載置した一対のターンテーブル2、3を間欠的に相対する方向に回転移動させながら、溜樋1の下部にある注湯ブロック7で、1100℃〜1150℃の溶銅を鋳型4、5に注湯するとともに、剥取装置9にて、水冷フード8内での冷却により固化したアノードを鋳型4、5から取外すという作業が同時に行われる。アノードの鋳型からの取外しは、ターンテーブル2、3にて、鋳型4、5を下から貫通して鋳型底面に上端を一致させて配置した突上げピン(図示せず)を押上げ、鋳造されたアノードの一対の垂下用耳部側を斜めに持ち上げて両耳部を浮かせた後、剥取装置9の位置に設置されたアノード剥ぎ取り設備によってアノードの両耳部を一対のフックに掛けて冷却水槽に移すことにより行われる。
これら鋳造工程での最後の段階では、鋳型から銅アノードを取外した後、次の溶銅を鋳型に注湯するまでの間に、次の鋳造を行うための準備作業を行う必要がある。その準備作業としては、ターンテーブル2、3の上方に設置した離型剤散布装置6により鋳型の内面に、離型剤を水に懸濁させたスラリーや離型剤水溶液の散布又は塗布を行っている。離型剤としては、粘土粉、硫酸バリウム、フライアッシュ、珪石粉等が用いられる。離型剤を水に懸濁させたスラリーや離型剤水溶液の散布又は塗布を行う目的は、剥離を容易にして剥ぎ取りの際に発生するアノードの折れ曲がりを防止することの他、鋳型の内側に断熱性を有する粉末を散布又は塗布して、鋳型と粗銅との焼き付き及び高温による鋳型の脆化を防ぐこと、鋳型の底部を平滑にして、アノードの表面を平滑にすること等である。
この銅電解用アノードを鋳造する際、離型剤の散布又は塗布後に行われる鋳型への注湯時、溶銅は鋳型内で波を生じて側壁に当たるため、側壁の溶銅液面よりも上方に、溶銅が付着して冷却固化した部分が生成されることがある。そのため、剥ぎ取られたアノードの周囲に、鋳型の側壁に沿って大きく立ち上がった“鋳張り”が発生し易い。一方、銅電解工程では、単位設備当たりの生産性を向上させるために、電解槽内に吊下げられるアノードとカソードの間隔は、可能な限り狭く配列される。この時、前記の“鋳張り”が大きいと、鋳張りとカソードが接触して電流のショートが発生するため、電流効率の低下による生産性の低下、ショート修正作業量の増加による作業性の悪化が引き起こされると共に、粒の発生によって電気銅の品質が悪化することになる。
又、特に、アノードの垂下用耳部の下辺部に鋳張りが生成した場合、耳部へのプレスによる鋳張りの押し潰し及び耳部の下辺部の切削加工を行ってもなお、電解槽内に吊下げた時にアノードの懸垂性が悪化する場合もあり、そのことによってさらに電流のショートが増加することにもなる。
かかる対策として、例えば特許文献1には、鋳型への溶融金属注湯に先立ち、鋳型の少なくとも耳部に被鋳造溶融金属に対してぬれ性の悪い離型剤を施しておく技術が開示されている。又、特許文献2には、ターンテーブル上の所定の停止位置に鋳型が停止あるいは停止する直前に鋳型内の所定の場所に離型剤を散布し、一定時間経過後に前記所定の停止位置において鋳型内の所定の場所に鋳張り防止剤を散布する方法及び装置が開示されている。これら、ぬれ性の悪い離型剤あるいは鋳張り防止剤としては、シリコン油、黒鉛粉末、骨灰等が用いられている。
さらに、アノード形状の不具合として、鋳造後のアノード側面に亀裂が発生する場合がある。亀裂の深さがアノードの厚みの1/3程度以下であれば、後工程の電解工程に影響は無いが、これ以上の深さの亀裂が発生すると、電解時間が増加するに従ってアノードが溶解されて薄くなるため、アノードが亀裂に沿って切断され、電解槽内にアノードの破片もしくはアノードそのものが落下する事態となる。アノードの破片が落下すると、電解操業を停止して、その取り出し作業を実施しなければならず、作業に危険を伴うのみならず、通電時間の減少による生産性の低下、アノードスライムの付着等による電気銅品質の悪化が引き起こされることになる。
上記亀裂対策として、特許文献3には、硫酸バリウムより熱伝導率が高い離型剤を鋳型の中心部に散布し、前記熱伝導率が高い離型剤より熱伝導率が低い離型剤を前記鋳型の周縁部に散布する技術が提案されている。この方法は、具体的には、鋳型底面のみに離型剤として粘土水を散布した後に、鋳型側面に亀裂防止用の離型剤として硫酸バリウムのスラリーを散布することによって、鋳造後のアノード側面に亀裂が発生する問題を解決するものである。しかしながらこの方法では、粘土水と硫酸バリウムのスラリーが混ざり合う部分において、アノード表面に“膨れ”が発生するという問題が生じる。これは、鋳型の同じ停止位置において複数種の離型剤を散布した場合、鋳型内における未乾燥状態の離型剤スラリーの混合を避けることができないことがその原因である。即ち、鋳型底面に粘土水を散布した直後に、同鋳型側面に亀裂防止用の離型剤として硫酸バリウムのスラリーを散布した場合には、鋳型内の粘土水と硫酸バリウムのスラリーが混ざり合った部分において、離型剤水分が乾きにくくなり、鋳型上に水分が残った状態で注湯されることがある。この時、溶銅を注湯した後に溶銅の下部で鋳型底面に残った水分が水蒸気となるが、その水蒸気が溶銅表面から大気中に抜け出す前に溶銅表面の固化が進行してしまうため、アノードの表面に、数mmから数十mm盛り上がった内部が空洞となる部分が形成される。この盛り上がった部分が、“膨れ”である。アノード表面に“膨れ”が発生すると、前記の“鋳張り”が発生した時と類似の問題が引き起こされる。即ち、大きな“膨れ”とカソードが接触して電流のショートが発生するため、電流効率の低下による生産性の低下、ショート修正作業量の増加による作業性の悪化が引き起こされると共に、粒の発生によって電気銅の品質が悪化することになる。
特開昭59−133966号公報 特開2001−191171号公報 特開2012−183556号公報
本発明は、上記特許文献3に記載された方法の問題点を解決すべくなされたもので、アノード本体の頂部両側に一対の垂下用耳部を有する銅電解用アノードを、間欠的に回転移動するターンテーブル上の鋳型で鋳造するに際して、鋳造後のアノード側面への亀裂の発生を防止しつつ、鋳造後のアノード表面の膨れの発生を防止することが可能な銅電解用アノードの鋳造方法及び鋳造装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決すべく、特に鋳型内への離型剤の散布方法に着目して鋭意研究を重ねた結果、複数種の離型剤を散布する場合、その複数種の離型剤が鋳型内で混ざり合わないようにタイミングを考慮して散布することにより、鋳造後のアノード側面への亀裂の発生を防止しつつ、鋳造後のアノード表面の膨れの発生を防止することが可能となり、良好な形状のアノードが得られることを見出した。
即ち、本発明に係る銅電解用アノードの鋳造方法は、アノード本体の頂部両側に一対の垂下用耳部を有する銅電解用アノードを、間欠的に回転移動するターンテーブル上の鋳型で鋳造するに際し、ターンテーブルが1周する毎に、該鋳型内の鋳込み面に離型剤として粘土水又は硫酸バリウムのスラリーを交互に散布することを特徴とするものである。又、本発明に係る銅電解用アノードの鋳造装置は、アノード本体の頂部両側に一対の垂下用耳部を有する銅電解用アノードを鋳型で鋳造するための、間欠的に回転移動するターンテーブルを備えたアノード鋳造装置において、ターンテーブルが1周する毎に、ターンテーブル上の鋳型の同一停止位置において粘土水又は硫酸バリウムのスラリーを交互に散布する散布装置を備えたことを特徴とするものである。
本発明の銅電解用アノードの鋳造方法及び装置によれば、粘土と硫酸バリウムの2種類の離型剤をターンテーブルが1周する毎に交互に使用することにより、一方の離型剤が鋳型の余熱で乾燥されその離型剤の一部が鋳型内に残るため、鋳型の内面は断熱材や表面平滑剤として優れている粘土と、アノードの形状品質を良好に維持し得る硫酸バリウムが層状に重なった状態となり、鋳造後のアノード側面への亀裂の発生を防止しつつ、鋳造後のアノード表面の膨れの発生を防止することが可能になるため、良好な形状のアノードを鋳造することができる。又、そのことにより、銅電解工程における、電解槽内へのアノード破片の落下を防止することができると共に、電流のショート発生を減少させることができるため、生産性が高くて作業効率の良い銅電解操業を実現することができ、併せて品質の良い電気銅を製造することができる。
本発明に係る銅アノード回転鋳造装置の一実施例を示す概略平面図である。 同上の銅アノード回転鋳造装置における離型剤散布装置を示す概略フロー図である。
図1に示す銅アノード回転鋳造装置は、前記したごとく間欠的に相対する方向に回転移動する一対のターンテーブル2、3上に載置された多数の銅鋳型4、5に、注湯ブロック7で一定量ずつ注湯するとともに、水冷フード8内での冷却により固化したアノードを剥取装置9にて鋳型4、5から取外すことによって銅アノードを鋳造する方式となしたものである。
本発明は、この銅アノード回転鋳造装置において、ターンテーブル2、3の上方に設置された離型剤散布装置6により、ターンテーブル2、3が1周する毎に、離型剤として粘土水又は硫酸バリウムのスラリーを交互に散布する方式を採用したもので、その離型剤散布装置6は、図2にその一例を示すように、硫酸バリウムスラリー化槽6A−1、供給配管6A−2、供給ポンプ6A−3、切替え弁6A−4、流量調節弁6A−5及び硫酸バリウムスラリー散布ノズル(鋳型側面用)6A−6からなる硫酸バリウムスラリー供給系6Aと、粘土粉スラリー化槽6B−1、供給配管6B−2、供給ポンプ6B−3、切替え弁6B−4、流量調節弁6B−5及び粘土水散布ノズル(鋳型底面用)6B−6からなる粘土水供給系6Bと、前記供給配管6A−2及び6B−2間に配管した切替え弁6C−1付き連通管6Cとで構成されている。
本発明において、離型剤として特に粘土と硫酸バリウムの2種類を選択したのは、前記したように粘土は鋳型と粗銅との焼き付きを防止して高温による鋳型の脆化を防止する作用を有することから断熱材や表面平滑剤として優れ、硫酸バリウムは前記鋳張等の発生を防止してアノードの形状品質を良好に維持する作用を有するためである。なお、固体としての硫酸バリウムの熱伝導率は1.31W/m・Kであり、一般的な粘土の熱伝導率は0.7〜1.5W/m・K程度である。よって、固体そのものの熱伝導率を比較すれば、硫酸バリウムと粘土は、ほぼ同じである。
本発明では、上記粘土と硫酸バリウムの2種類の離型剤をターンテーブルが1周する毎に交互に使用することを主たる特徴とするものであるが、その理由は、以下に示す理由による。
即ち、前記したように、鋳型底面に離型剤として粘土水を散布した後に、鋳型側面に亀裂防止用の離型剤として硫酸バリウムのスラリーを散布することによって、鋳造後のアノード側面に亀裂が発生する問題を解決することはできるが、鋳型底面に粘土水を散布した直後に、同鋳型側面に亀裂防止用の離型剤として硫酸バリウムのスラリーを散布した場合には、鋳型内における未乾燥状態の離型剤スラリーが混合し、その粘土水と硫酸バリウムのスラリーが混ざり合った部分において、離型剤水分が乾きにくくなり、鋳型内に水分が残った状態で注湯されることにより、溶銅を注湯した後に溶銅の下部で鋳型底面に残った水分が水蒸気となり、その水蒸気が溶銅表面から大気中に抜け出す前に溶銅表面の固化が進行してしまうため、アノード表面に“膨れ”が発生する。本発明では、前記“膨れ”の発生を防止する手段として、粘土と硫酸バリウムの2種類の離型剤をターンテーブルが1周する毎に交互に使用することとしたのである。即ち、粘土と硫酸バリウムの2種類の離型剤をターンテーブルが1周する毎に交互に使用することにより、一方の離型剤が鋳型の余熱で乾燥されその離型剤の一部が鋳型内に残るため、鋳型の内面は断熱材や表面平滑剤として優れている粘土と、アノードの形状品質を良好に維持し得る硫酸バリウムが層状に重なった状態となり、鋳造後のアノード側面への亀裂の発生を防止しつつ、鋳造後のアノード表面の膨れの発生を防止することが可能になるため、良好な形状のアノードを鋳造することができる。
次に、図1及び図2に示す銅アノード回転鋳造装置により銅電解用アノードを鋳造する方法について説明する。
図1に示す銅アノード回転鋳造装置おいて、2基の間欠的に回転移動するターンテーブル2、3は、12〜13秒で1ブロックを回転移動し、1ブロック分移動後に一定位置に12〜13秒停止するというサイクルで運転される。ターンテーブルは、図1中に示す矢印方向に回転する。鋳型1枚分が1ブロックになるため、ターンテーブル2、3は7〜8分で1周することになる。溶銅は注湯ブロック7の位置で鋳型4、5に注湯され、水冷フード8内で散水冷却された後、剥取装置9の位置で、アノードとして鋳型から取り出される。空になった鋳型には、離型剤散布装置6にて離型剤散布ノズルから離型剤が散布され、次に注湯ブロック7の位置で溶銅が注湯される。
本発明では、2基の間欠的に回転移動するターンテーブル2、3の1周目では、硫酸バリウムのスラリーを離型剤散布装置6の硫酸バリウムスラリー散布ノズル(鋳型側面用)6A−6および粘土水散布ノズル(鋳型底面用)6B−6から散布する。硫酸バリウムスラリーを散布する時は、粘土スラリー供給系6Bの切替え弁6B−4を閉じて、硫酸バリウムスラリー供給系6Aの切替え弁6A−4と連通管6Cの切替え弁6C−1を開けばよい。鋳型4、5内に散布された硫酸バリウムスラリーは鋳型の余熱で乾燥され、注湯ブロック7の位置で溶銅が鋳型4、5に注湯され、水冷フード8内での冷却により固化したアノードは剥取装置9にて鋳型4、5から取外される。この時、鋳型内の硫酸バリウムの大部分は、このアノードに付着して持ち出されてしまうが、硫酸バリウムの一部は鋳型4、5内に残る。続いて、ターンテーブル2、3の2周目では、粘土水を離型剤散布装置6の粘土水散布ノズル(鋳型底面用)6B−6および硫酸バリウムスラリー散布ノズル(鋳型側面用)6A−6から散布する。粘土水を散布する時は、硫酸バリウムスラリー供給系6Aの切替え弁6A−4を閉じて、粘土水供給系6Bの切替え弁6B−4と連通管6Cの切替え弁6C−1を開けばよい。この時、前記アノードが剥ぎ取られた鋳型4、5内には、前記したように先の硫酸バリウムの一部が残存しているため、鋳型4、5の内面は粘土と硫酸バリウムが混ざらないで層状に重なった状態となる。この状態で、再び注湯ブロック7の位置で溶銅が鋳型4、5に注湯され、水冷フード8内での冷却により固化したアノードは剥取装置9にて鋳型4、5から取外される。以降、前記と同様の工程が繰り返されてアノードが製造される。
このように本発明によれば、粘土と硫酸バリウムの2種類の離型剤をターンテーブルが1周する毎に交互に使用することにより、粘土と硫酸バリウムの混合を防止することができるので、アノード側面に亀裂が無く、アノード表面にも膨れの無い良好な形状のアノードを鋳造することができる。
なお、硫酸バリウムスラリーと粘土水の散布順序は、どちらが先でも後でも構わない。又、離型剤散布装置6の硫酸バリウムスラリーと粘土水の各供給系における切替え弁6A−4、6B−4、連通管6Cの切替え弁6C−1の作動は、設定条件(硫酸バリウムと粘土水の順番、1周毎、2周毎等の切替え方法等)を入力した上で、センサー等によって鋳型の周回数信号(1周目、2周目等)が検出されれば、簡単なシーケンスにより自動化することができる。さらに、それぞれの散布ノズル6A−6、6B−6からの散布量については、例えば図2に示す流量調節弁6A−5、6B−5で調節すればよい。この調節弁は、より細かい調節をするために、ノズル1本毎に設置してもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例によって制限を受けるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で変更・実施することは全て本発明の技術的範囲に含まれる。
1ブロックを12〜13秒で回転移動し、1ブロック分移動後に12〜13秒停止するというサイクルで間欠的に回転移動するターンテーブル2、3を備えた図1、図2に示す銅アノード回転鋳造装置において、ターンテーブルが1周する毎に、離型剤散布装置6に設置された離型剤散布ノズル(側面用散布ノズル及び底面用散布ノズル)6A−6、6B−6から、硫酸バリウムのスラリーと粘土水を交互に散布し、1100℃の溶銅を各鋳型に注湯して銅電解用アノードを製造した。
本実施例では、ターンテーブル上の鋳型が離型剤散布装置の直下に停止した時に、離型剤散布装置の離型剤散布ノズルから硫酸バリウムのスラリーと粘土水をその順番で交互にそれぞれ約5〜6秒間散布した。なお、硫酸バリウムのスラリーは、鋳型1枚当たり250gの硫酸バリウムを1.1〜1.5リットルの水に懸濁させたものであり、粘土水は、鋳型1枚当たり110gの粘土を1.1〜1.5リットルの水に懸濁させたものである。
このようにして鋳造を行った後、異なった10の鋳造ロットで製造された銅電解用アノードから、各20枚ずつ、計200枚のアノードを抜き出した。なお、鋳造1ロットで製造されるアノードは、約1300枚である。その抜き出したアノードについて、1枚ずつ、亀裂の発生に関して目視検査を行い、亀裂が発生したアノード枚数を集計した検査結果を表1に示す。
実施例1と同じ銅アノード回転鋳造装置を使用し、ターンテーブルが1周する毎に、離型剤散布装置6に設置された離型剤散布ノズル(側面用散布ノズル及び底面用散布ノズル)6A−6、6B−6から、実施例1と同じ硫酸バリウムのスラリーと粘土水を実施例1と散布順序を変えて交互に散布し、1150℃の溶銅を各鋳型に注湯して銅電解用アノードを製造した。
本実施例では、ターンテーブル上の鋳型が離型剤散布装置の直下に停止した時に、離型剤散布装置の離型剤散布ノズルから粘土水と硫酸バリウムスラリーをその順番で交互にそれぞれ約5〜6秒間散布した。
このようにして鋳造を行った後、異なった10の鋳造ロットで製造された銅電解用アノードから、各20枚ずつ、計200枚のアノードを抜き出した。なお、鋳造1ロットで製造されるアノードは、約1300枚である。その抜き出したアノードについて、1枚ずつ、膨れの発生に関して目視検査を行い、膨れが発生したアノード枚数を集計した検査結果を表2に示す。
[従来例1]
実施例1と同じ銅アノード回転鋳造装置を使用し、ターンテーブル上の鋳型が前のブロックから回転移動を開始してから11〜12秒後、即ち離型剤散布装置の位置に停止する直前に、底面用散布ノズルから粘土水を約5〜6秒間散布し、次いで、鋳型が離型剤散布装置に停止してから8〜9秒後、即ち底面散布用ノズルからの粘土水の散布が終了してから約3〜5秒後に、側面用散布ノズルからシリコンオイルを約2〜3秒間散布し、1100℃の溶銅を各鋳型に注湯して銅電解用アノードを製造した。なお、シリコンオイルは、モメンティブ社製エマルジョン型シリコン離型剤YMR7212を使用し、原液を水で10倍希釈した液を、鋳型1枚当たり75〜80mLとなるように散布した。
このようにして鋳造を行った後、異なった10の鋳造ロットで製造された銅電解用アノードから、各20枚ずつ、計200枚のアノードを抜き出し、その抜き出したアノードについて、1枚ずつ、亀裂及び膨れの発生に関して目視検査を行い、亀裂及び膨れが発生したアノード枚数を集計した検査結果を表1、表2に併せて示す。
[従来例2]
実施例1と同じ銅アノード回転鋳造装置を使用し、ターンテーブル上の鋳型が前のブロックから回転移動を開始してから11〜12秒後、即ち離型剤散布装置の位置に停止する直前に、底面散布用ノズルから粘土水を約5〜6秒間散布し、次いで、鋳型が離型剤散布装置に停止してから8〜9秒後、すなわち底面散布用ノズルからの粘土水の散布が終了してから約3〜5秒後に、側面用散布ノズルから硫酸バリウムのスラリーを約2〜3秒間散布し、1150℃の溶銅を各鋳型に注湯して銅電解用アノードを製造した。なお、硫酸バリウムスラリーは、鋳型1枚当たり250gの硫酸バリウムを1.1〜1.5リットルの水に懸濁させたものである。
このようにして鋳造を行った後、異なった10の鋳造ロットで製造された銅電解用アノードから、各20枚ずつ、計200枚のアノードを抜き出し、その抜き出したアノードについて、1枚ずつ、亀裂及び膨れの発生に関して目視検査を行い、亀裂及び膨れが発生したアノード枚数を集計した検査結果を表1、表2に併せて示す。
表1に示す結果より明らかなように、実施例1は、従来例1(特許文献2に記載された従来技術)と比較して、大幅に亀裂発生量が減少し、従来例2(特許文献3に記載された従来技術)と同程度の亀裂発生量となっている。又、表2に示す結果より明らかなように、実施例2では、従来例2(特許文献3に記載された従来技術)と比較して、大幅に膨れ発生量が減少している。このことから、本発明によれば、鋳造後のアノード側面への亀裂の発生を防止しつつ、鋳造後のアノード表面の膨れの発生を防止する効果が得られることがわかる。
1 溜樋
2、3 ターンテーブル
4、5 鋳型
6 離型剤散布装置
6A 硫酸バリウムスラリー供給系
6A−1 硫酸バリウムスラリー化槽
6A−2、6B−2 供給配管
6A−3、6B−3 供給ポンプ
6A−4、6B−4、6C−1 切替え弁
6A−5、6B−5 流量調節弁
6A−6 硫酸バリウムスラリー散布ノズル(鋳型側面用)
6B 粘土水供給系
6B−1 粘土粉スラリー化槽
6B−6 粘土水散布ノズル(鋳型底面用)
6C 連通管
7 注湯ブロック
8 水冷フード
9 剥取装置

Claims (2)

  1. アノード本体の頂部両側に一対の垂下用耳部を有する銅電解用アノードを、間欠的に回転移動するターンテーブル上の鋳型で鋳造するに際し、ターンテーブルが1周する毎に、該鋳型内の鋳込み面に離型剤として粘土水又は硫酸バリウムのスラリーを交互に散布することを特徴とする銅電解用アノードの鋳造方法。
  2. アノード本体の頂部両側に一対の垂下用耳部を有する銅電解用アノードを鋳型で鋳造するための、間欠的に回転移動するターンテーブルを備えたアノード鋳造装置において、ターンテーブルが1周する毎に、ターンテーブル上の鋳型の同一停止位置において粘土水又は硫酸バリウムのスラリーを交互に散布する散布装置を備えたことを特徴とする銅電解用アノードの鋳造装置。
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