JP2015160023A - 顎位矯正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 咬合平面をコントロールすることにより、顎位矯正期間を短縮し得る装置を提供する。
【解決手段】 上顎に取り付けられる上顎プレート1と、下顎に取り付けられる下顎プレート2と、ヤング率が100GPa以下であり、ヤング率に対する引張り強度の値が0.01以上の弾性変形可能な線材によって構成される連結ワイヤ3,4とを備えている。連結ワイヤは、少なくとも1個所の湾曲部31,41を構成するとともに、一端34,35を上顎プレートに、他端44,45を下顎プレートに、それぞれ装着されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、顎位矯正装置に関し、特に、上顎に対する下顎の位置を正常な状態に矯正する際に使用される可撤式の矯正装置に関するものである。
一般に、不正咬合の治療において、矯正歯科治療が行われるが、不正咬合には、叢生に代表される歯列弓の形態に異常がある場合のほかに、上下顎歯列弓関係に異常がある場合が挙げられる。叢生などの治療においては、マルチブラケットと称する装置を歯の表面に装着し、圧迫または牽引しつつ歯列弓の形態を矯正するものである。他方、顎間関係に異常がある場合の治療には、顎位矯正装置が使用されるものである。さらに、顎位矯正装置には、ヘッドギアなどを使用する外部に装着する形態と、口腔内に装着する形態とがあり、口腔内に装着するものの代表的な装置としては、アクチバトール、バイオネーター、ビムラーのアダプターまたはフレンケルのファンクションレギュレーターなどが周知である。因みに、アクチバトールは、上顎前突や下顎前突などの治療に使用されるものであって、誘導線を上下歯列に装着して正常咬合に導くようにする装置である。また、このアクチバトールの基本的コンセプトに基づき、種々の機能的(可撤式)装置が開発されている。
これらの各装置は、基本的には異常とされる顎位または歯列弓を正常な位置に誘導するものであり、人為的に誘導した構成咬合位で製作され、習慣的な咬頭嵌合位に復帰しようとする筋肉の力を機能力として歯の移動に利用するとともに、顎関節部の形態変化を促して顎位を改善し、成長発育のコントロールを図るものである。
しかしながら、上記構成の装置は、前歯軸の唇舌的変化や顎位の水平的偏位に対しては有効に機能することが認められるが、垂直的な方向、すなわち咬合高径(咬合平面の高さ)のコントロールに関しては、十分に機能していなかった。そのため、下顎に対して圧下するためには、上下臼歯間に弾性体を介在させて咬合力を伝達する(特許文献1参照)などによることとなっていた。これは、いわゆる間歇的な咬合力によるものであるため、顎位矯正に長期間を要することとなり、結果的には患者に長期間の負担を強いることとなっていた。
特開2008−183126号公報
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、咬合平面をコントロールすることにより、顎位矯正期間を短縮し得る装置を提供することである。
そこで、本願の発明者は、持続的な咬合力の作用によって、不正咬合の機能的要因を迅速に解消することができると考え、次のとおりの発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、上顎に取り付けられる上顎プレートと、下顎に取り付けられる下顎プレートと、ヤング率が100GPa以下の弾性変形可能な線材によって構成される連結ワイヤとを備え、前記連結ワイヤは、少なくとも1個所の湾曲部を構成するとともに、一端を前記上顎プレートに、他端を前記下顎プレートに、それぞれ装着されるものであることを特徴とするものである。
上記構成によれば、連結ワイヤは湾曲された部分を中心として、全体的に弾性変形可能となり、この弾性変形により生じる復元力が上下の両プレートに作用することとなる。連結ワイヤの湾曲部分の両側に適宜長さの直線部分を有する形状とすることにより、前記弾性変形は、専ら湾曲部分の曲率を変更させるとともに、直線部分も屈曲することとなり、連結ワイヤの全体の復元力が両端部分に作用することとなる。ところで、連結ワイヤを構成する線材のヤング率を100GPa以下の低剛性とすることにより、当該両端の変位に対しワイヤに発生する応力を小さくすることができ、また両端の変位あるいは角度変化(弾性変形すべき範囲)が限定的である場合、当該両端が受ける繰り返し外力は、ひずみ振幅にて近似するため、疲労寿命に対する影響を僅少にすることができる。これにより、長期間の使用による疲労破壊を抑制することができ、適度な咬合力を持続的に作用させることができ、迅速な矯正効果を得ることができる。
そして、両端が近接するように弾性変形したときは、両端に外向きの反発力が生じ、咬合の際に上顎プレートまたは下顎プレートのいずれか一方に対して反発力を作用させることができる。例えば、上顎プレートと下顎プレートとの間において、相互に対向する位置に連結ワイヤの両端を固定した顎位矯正装置の場合には、咬合による反発力が両プレートの間隙方向に作用することとなり、下顎に対して圧下力を作用させることができる。これは咬合平面の垂直方向(バーチカル)へのコントロールを可能にするものであり、持続的な咬合力の作用により、下顎の位置を迅速に矯正し得るものである。他方、例えば、上顎プレートと下顎プレートとの間において、前後に離れた位置に連結ワイヤの両端を固定した顎位矯正装置の場合には、咬合による反発力が両プレートの前後方向に作用することとなり、上顎に対して押し出すような力(押出力)を作用させることができる。これは咬合平面の水平方向(ホリゾンタル)へのコントロールを可能にし、この場合においても、持続的な咬合力の作用により、上顎の位置を迅速に矯正し得るものである。
上記発明において、連結ワイヤに使用される線材としては、ヤング率に対する引張り強度の値が0.01以上であることが好ましい。ヤング率に対する引張り強度の値とは、引張り強度をヤング率で除した値(以下、これを引張り強度のヤング率比と呼ぶことがある)であり、この値が大きいほど、せん断強度も大きくなるので、線材のねじれに伴うせん断応力の作用による疲労破壊を抑制することができる。本発明の連結ワイヤは、湾曲部分を有し上顎プレートと下顎プレートに分かれて両端が装着される構成であるため、歯軋りのような動作によって上下顎が横方向に変位することが考えられる。このような場合には、その両端の変位に伴って連結ワイヤにねじれによるせん断応力が作用する。しかしながら、歯軋りのような動作による変位の程度に限界があり、ねじれ角は予め想定することができる。そこで、引張り強度のヤング率比が0.01以上の特性を有する材料を使用することにより、横弾性係数が小さく、かつ、せん断疲労強度が高い材料によって連結ワイヤを構成することができる。これにより、顎位矯正のための所定期間中は、繰り返しのねじりが作用した場合であっても疲労破壊なく使用できるものとなる。
上記の趣旨に従えば、弾性変形域内において引張試験で得られる応力−歪み線図上の接線の傾きが応力の増加に伴って減少する特性を有する材料を使用する場合には、作用する応力の増加に伴ってヤング率が低下することとなり、高強度かつ低剛性の特性を利用し、顎位の矯正能力を維持しつつ、せん断疲労強度を大きくすることができる。そして、この種の特性を発揮させるためには、引張弾性限強度が700MPa以上であり、加える応力が0から引張弾性限強度までの弾性変形域内において、引張試験で得られる応力−歪み線図上の接線の傾きが応力の増加に伴って減少する特性を有し、その平均ヤング率が75GPa以下であるチタン合金による線材を使用することができる。この種のチタン合金は、GUMMETAL(登録商標)として市販されているものがある。
ところで、上記発明による連結ワイヤの外形的特徴としては、直線的な線材の中間付近の1個所を湾曲し、全体的に略U字状とする場合と、約三等分したときの2個所を反対方向に湾曲し、全体的に略S字状とする場合とがある。このうち、略U字状とする場合には、湾曲部分の両側に位置する直線部分が当該湾曲部分から同じ方向に突出した状態となり、その先端(連結ワイヤの両端)を相互に対向しつつ比較的近接した位置とすることができる。この場合には、直線部部分を略平行な状態とすることができることから、直線部分の軸線を歯列の方向に沿った状態としつつ、近接する両端を、上顎プレートおよび下顎プレートにそれぞれ分かれるように装着することができるものである。そして、両プレートの間隙の変化に応じて、連結ワイヤを弾性変形可能な状態で配置することができ、当該弾性変形による反発力は、両プレートの間隙の変化に伴って発生させることができるのである。このとき、上下の両プレートが適宜の間隔を有した状態で、弾性変形していない状態の連結ワイヤを装着することにより、上下のプレートを接近させるとき(咬合時)に弾性変形し、その際の反発力は両者を離れさせる方向へ作用することとなり、下顎に対して圧下力を与えることができるのである。なお、この反発力を下顎の前歯付近に作用させる場合は、両端を上下の両プレートの前方に装着し、下顎の大臼歯に作用させる場合は、両端を上下の両プレートの後方に装着するのである。このように装着することによって、本発明を口腔内に装着し、噛み込んだとき、構成咬合位において下顎の所定の位置に圧下力を発揮させることができる。
他方、略S字状とする場合には、二つの湾曲部分の両側に連結ワイヤの両端が位置することとなる。このときの両端の位置関係は、反対向きに湾曲した二つの湾曲部分が介在されることとなるため、両端には比較的距離を有することとなり、先端の向きが反対向きとなるものである。この場合には、例えば、一端を上顎プレートの前方に、他端を下顎プレートの後方に装着することにより、前歯付近と大臼歯との間に反発力を作用させることが可能となる。また、連結ワイヤの両端が近接するとき弾性変形するような状態で装着することにより、当該弾性変形による反発力が、下顎を基準として上顎を前に出すような力(押出力)となって作用するのである。なお、下顎プレート側の先端に隣接する湾曲部分を上顎プレートの側面に、上顎プレート側の先端に隣接する湾曲部分を下顎プレートの側面に配置させることにより、両プレートの側面部分の範囲内に連結ワイヤの全体を配置することができる。
このように、本装置を使用する場合、上顎プレートと下顎プレートの間に、適宜形状に湾曲させた連結ワイヤが装着されていることから、咬合動作を行うことにより咬合平面がコントロールされるのである。また、連結ワイヤに使用される線材が、ヤング率の小さい低剛性の材料によって構成されることにより、さらに、引張り強度のヤング率比を大きくすることにより、持続的かつ長期間の使用による疲労破壊を抑制することができる。そして、弾性変形域内において引張試験で得られる応力−歪み線図上の接線の傾きが応力の増加に伴って減少する特性を有するものである場合には、連結ワイヤを弾性変形させるために与えられるひずみを増大させたときの応力の変化が減少することとなる。そのため、咬合のために噛み込む際のプレート間の間隙の変化(歪み)を大きくすることで反発力(応力)が非線形に変化し、好適な反発力を下顎に与えることがきることとなり、顎位矯正期間を短縮し得る。
本発明の第一の実施形態を示す説明図である。 連結ワイヤの詳細を示す説明図である。 連結ワイヤに使用する線材の特性を示すグラフである。 第一の実施形態の作動態様を示す説明図である。 本発明の第二の実施形態を示す説明図である。 第二の実施形態の作動態様を示す説明図である。 本発明の第三の実施形態を示す説明図である。 第三の実施形態の作動態様を示す説明図である。 第二の実施形態の変形例を示す説明図である。 第二の実施形態の他の変形例を示す説明である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、上下前後左右の各方向に関する表現を使用しているが、これらは、本発明の顎位矯正装置を使用する患者を中心とする位置関係を表すものとして使用することとする。
図1は、本発明の第一の実施形態を示す図である。この図に示すように、本実施形態の顎位矯正装置100は、上顎プレート1、下顎プレート2および左右一対の連結ワイヤ3,4とで構成されている。上顎プレート1および下顎プレート2は、患者の歯列に合わせて作製されるものであり、ポリカーボネートなどのエンプラとして利用される汎用の合成樹脂が使用される。連結ワイヤ3,4は、左右対称に設置され、同じものが使用される。
本実施形態における連結ワイヤ3,4は、弾性変形可能な直線状の線材をほぼ中央で湾曲させ、略U字状に形成したものである。略U字状とは、湾曲部31,41の両側から直線部32,33,42,43が、それぞれ同じ方向に突出し、両者が略平行となった状態である。この直線部32,33,42,43の先端(連結ワイヤ3,4の両端)には、上顎プレート1および下顎プレート2との連結部34,35,44,45が形成されている。この連結部34,35,44,45は、両プレート1,2の側壁に当接し得るように、両側が扁平され、部分的に平面部が形成されている。なお、本実施形態の連結ワイヤ3,4に使用される線材は、断面形状円形のものを代表例として示しており、そのため、以下において線材の肉厚を径によって表現するが、本発明の趣旨からは、その断面形状が円形に限られるものではなく、楕円または矩形の断面を有する線材で構成する場合もあり得る。
連結ワイヤ3,4の両端(連結部)34,35,44,45は、接着力ある樹脂材料(即時重合レジンなど)6によって両プレート1,2の側面に固定される。連結部34,35,44,45のほぼ中央(平面部のほぼ中央)には貫通孔36,37,46,47が穿設されており、前記樹脂材料6を連結部34,35,44,45に充填することにより、当該樹脂材料6が当該連結部34,35,44,45の周辺のみならず、貫通孔36,37,46,47においてもプレート1,2の表面に接着できるようにしている。連結部34,35,44,45を、その周辺および中央部の双方においてプレート1,2に接着されることにより、強固に固定し得るものとしている。このような趣旨に基づけば、連結部34,35,44,45のほぼ中央は、貫通孔36,37,46,47の穿設に限定されるものではなく、先端部分を湾曲して小さい弧状を形成するなどの形態としてもよい。
また、本実施形態は、後述するAngleII級1類の不正咬合の矯正のためのものを例示しており、連結ワイヤ3,4の両端(連結部)34,35,44,45は、上顎プレート1および下顎プレート2の前方(使用時の前歯部近傍)に装着され、上下から近接させる(咬合する)とき、湾曲部31,41の曲率を変化させ、直線部32,33,42,43を撓ませるように弾性変形するものである。この弾性変形により、反対向きの反発力が上下両プレート1,2に作用するものである。さらに、この反発力が両プレート1,2を介して上顎および下顎に作用し、顎位矯正効果を発揮させるものである。
一方の連結ワイヤ3の詳細を図2に示す。図2のうち、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は右側面図である。この図に示すように、連結ワイヤ3は、湾曲部31と直線部32,33とに区分されるが、全体として長手方向に向かって僅かに湾曲させている。従って、湾曲部31は、三次元的に湾曲された状態となっており、直線部32,33は厳密には直線状ではなく僅かに湾曲した状態となっている。このように、連結ワイヤ3の全体について、長手方向に僅かに湾曲させることにより、当該連結ワイヤ3を上顎プレート1および下顎プレート2の側面に沿った状態で装着できることとなるのである。さらに、連結部34,35の平面部は、図示のように少し傾けて斜状としており、プレート1,2の側面が平滑ではない場合であっても、当該側面に容易に当接し得るように構成している。上記構成は、他方の連結ワイヤ4についても同様の構成としている。
ところで、連結ワイヤ3,4を構成する線材の材質としては、弾性変形可能であることが要求される。本発明は、連結ワイヤ3,4の弾性変形に伴う反発力を利用するからである。しかしながら、ヤング率の大きい材料を使用する場合には、所定のひずみに対する応力が大きくなるため、連結ワイヤ3,4の両端(連結部)34,35,44,45を所望程度に接近させる場合、その変形による応力が大きくなり、所望の反発力を得るためには材料の直径を小さくしなければならず、強度が不足するため、本発明が目的とする顎位矯正に不向きである。そこで、本実施形態における連結ワイヤ3,4は、ヤング率が100GPa以下の材料を使用しているのである。
このように、ヤング率の比較的小さい低剛性の材料を使用することにより、変形(ひずみ)の程度に比して応力が大きくならず、線材の径を大きくすることができ、高強度の線材を得ることができる。また、本実施形態の顎位矯正装置100の場合、その両端(連結部)34,35,44,45の変位(距離の変化)は、限定的であることから、僅かな変位のための弾性変形には、強力な外力を必要とせず、その反発力も強力に過ぎることがなく、適度な反発力を得ることができる。
詳細には、本実施形態の連結ワイヤ3,4は、GUMUMETAL(登録商標)を熱処理せずに加工したものを使用しており、図2中に示されているように、直径dを1.8mmの線材を使用し、湾曲部分の半径rを7.5mmに加工して両端の距離Wを15mmとし、さらに先端から湾曲部分末端までの長さLを30mmとしたものを想定している。そして、両端(連結部)34,35,44,45の変位(距離の変化)を15mmと仮定したとき、最大曲げ応力は13MPa程度であり、当該変位による反発力は15N程度となるものである。この反発力は、同種形状におけるステンレススチール鋼の場合の1/4程度である。
このように、高強度かつ低剛性の材料による連結ワイヤ3,4を使用することにより、長期間の使用による疲労破壊の可能性を抑制し、適度な反発力を持続的に作用させることができるのである。
また、材料の特性として、引張り強度のヤング率比を0.01以上とすることにより、ねじりによる疲労破壊を抑制している。破壊の原因となるせん断応力は、連結ワイヤ3,4の両端(連結部)34,35,44,45の位置が、相互に対向する方向に対して直交方向に移動することによって線材がねじれ、このねじれに伴って発生するものである。そして、せん断応力が最も高くなる部分は線材の外周部であるため、上述のように1.8mmの外径を有する線材にあっては、比較的せん断応力が大きくなり得る。しかしながら、口腔内におけるねじれ角θには、限度があるため、そのねじれ角θを例えば10°以内と想定し、さらに、引張り強度のヤング率比が0.01以上の特性を有する材料を使用することで、せん断応力による疲労破壊を抑制することができる。
上記特性を有する材料を選定するために、各種材料の引張り強度のヤング率比を求め、図3に示す。この図は、横軸にヤング率を示し、縦軸に引張り強度をヤング率で除した値を示したグラフである。この図に示されているように、コバルトクロム合金やステンレス鋼などは高剛性であるため、連結ワイヤ3,4には不向きである。また、純チタンについては、低剛性であるので、連結ワイヤ3,4として使用できるものの、上述したせん断応力による疲労破壊の観点から好ましいものとは言い難い。そこで、上記条件を満たす材料としては、各種のベータチタン合金を挙げることができる。これらのベータチタン合金の中には、前掲のGUMMETAL(登録商標)も含まれる。また、図中に表示してはいないが、形状記憶合金として周知のNi−Ti合金、Ni−Ti−Co合金またはNi−Ti−Cu合金などを使用してもよい。これらのNi−Ti系の合金は、母相(オーステナイト相)とマルテンサイト相とで引張り強度が異なるものの、いずれの相においても上記条件を満たすものである。ただし、この種の合金は、ねじりトルクが小さいことからねじれ易く、そのために、断面形状または肉厚等を部分的に変更するなど、ねじれ防止のための加工を要するものである。従って、本実施形態の連結ワイヤ3,4としては、上記Ni−Ti系の合金を使用してもよいが、好適にはベータチタン合金が使用されるものである。
このように、ヤング率が100GPa以下の低剛性で、かつヤング率に対する引張り強度が0.01以上の高強度の材料を使用することにより、連結ワイヤ3,4が曲げ変形に加えてねじり変形を受ける状態であっても疲労破壊を抑制することができる。そして、十分な径の線材によって強度を維持しつつ、適度な反発力を得ることができるのである。
なお、ヤング率を100GPa以下としたが、引張試験で得られる応力−歪み線図上の接線の傾きが応力の増加に伴って減少する特性を有する材料の場合は、前記ヤング率は、その平均のヤング率を意味することとなる。この場合、ヤング率が非線形に変化し徐々に小さくなることから、歪みが大きくなったときの応力変化が小さいことを意味するため、大きく変位したときの強度を確保し得ることができる。そして、GUMMETAL(登録商標)は、引張弾性限強度が700MPa以上であり、加える応力が0から引張弾性限強度までの弾性変形域内において、引張試験で得られる応力−歪み線図上の接線の傾きが応力の増加に伴って減少する特性を有し、その平均ヤング率が75GPa以下であるチタン合金と定義されることから、上記条件を満たすものである。因みに、GUMMETAL(登録商標)にかかる特性については、特許第3375083号において詳細に開示されている。
次に、上記実施形態による具体的な不正咬合の矯正のための装置について説明する。
<AngleII級1類の不正咬合の矯正>
図1に示した本実施形態は、AngleII級1類の不正咬合の矯正に使用されるものである。このAngleII級1類の不正咬合とは、下顎遠心咬合で、上顎前歯の前突を伴う不正咬合である。この種の不正咬合の場合には、下顎の前端(前歯部付近)が、上顎前歯の後方に位置するものであり、下顎前歯部を下向きに圧下することにより、上顎前歯の前突も矯正され得るものである。そこで、本実施形態では、図示のように、連結ワイヤ3,4の両端34,35,44,45を上下のプレート1,2の前方付近に装着することで、当該両端34,35,44,45が近接するように弾性変形した際、その反発力を利用して下顎の前歯部付近に圧下力を作用させるものである。
本実施形態のような矯正装置100は、図2に示すように、上下のプレート1,2の側面部外方に連結ワイヤ3(図は他方の連結ワイヤ4を省略している)が装着されている。両端34,35の装着位置は、プレート1,2の前部10a,20aの近傍である。ここで、連結ワイヤ3を機能的に作用させるため、弾性変形を生じていない状態では、図2(a)に示しているように、上下のプレート1,2の前部10a,10bにおける対向側端縁に、適宜間隔H1を形成するようにしている。この状態から、図2(b)に示すように、上下のプレート1,2の対向側端縁を相互に当接させることにより、連結ワイヤ3が弾性変形し、このとき、反発力が両プレート1,2の間に作用することとなる。
ところで、両プレート1,2の間に作用する矯正ワイヤ3の反発力は、両端34,35に集中することとなることから、前述のとおり、プレート1,2の前部10a,20aの近傍に両端34,35を装着することにより、当該位置に反発力を集中させることができる。また、その向きは、両プレート1,2を開放する(間隔を広げる)方向に作用することとなる。そして、本実施形態の装置を使用する際には、両プレート1,2の前部10a,10bに作用する反発力は、当該プレート1,2を介して上顎および下顎に作用することとなる。従って、本実施形態の顎位矯正装置を使用する場合には、下顎前歯部付近に対して圧下力を作用させることとなるため、咬合平面の垂直方向(バーチカル)のコントロールを可能にし、AngleII級1類の不正咬合の矯正を効果的なものとすることができる。
また、連結ワイヤ3を上下のプレート1,2に装着する際には、予め咬合位置を調整した状態で行われ、そのときの調整状態は、咬頭嵌合位(図2(b)に示す状態)とし、その後、連結ワイヤ3を塑性変形して両端34,35の間に所定間隔H1を形成させるのである。このように、予め咬頭嵌合位となる状態に両プレート1,2を配置し、その後に装着された連結ワイヤ3を塑性変形することにより、連結ワイヤ3が弾性変形する際の変形方向が、咬頭嵌合位に誘導させることとなる。すなわち、塑性変形は、湾曲部31の曲率の変化のみによって行われることから、弾性変形の際においても湾曲部31の曲率を変化させるような状態となるのである。
なお、上下のプレート1,2は、患者の歯形に合わせて作製されるため、特に、固定のための部材を用いる必要はなく、取り外しが可能(可撤式)としている。また、上顎プレート1の作製に関しては、下顎位置の矯正に従って前突の上顎前歯が正常位に変化することが予想されるため、上顎前歯が変化し得る程度の空隙を形成させるなどの配慮がなされている。
<開咬の矯正>
次に、開咬の矯正に使用する実施形態を本発明の第二の実施形態として説明する。図3は、本実施形態を示す図である。この図に示すように、本実施形態の顎位矯正装置200は、第一の実施形態と同様に、上下のプレート1,2および略U字状に湾曲させた一対の連結ワイヤ3,4を使用するものである。しかしながら、本実施形態の顎位矯正装置200は、連結ワイヤ3,4の設置状態を異ならせているものである。すなわち、連結ワイヤ3,4の両端34,35,44,45は、それぞれ両プレート1,2の後方に装着されるものである。
本実施形態は、開咬の矯正に使用されるものであるところ、開咬とは、上下顎の大臼歯部を咬合すると、上下顎前歯が開いた状態となる不正咬合である。このような不正咬合の場合には、下顎の大臼歯部を圧下させて矯正することにより、正常な咬合を可能にすることができる。そこで、本実施形態は、連結ワイヤ3,4の両端34,35,44,45をプレート1,2の後方に装着することにより、弾性変形時に生じる反発力を大臼歯部に集中して作用させている。なお、連結ワイヤ3,4の向きが第一実施形態と反対であることから、湾曲部31,41は両端34,35,44,45の前側に位置することとなるものである。直線部32,33,42,43については、第一実施形態と同様に、歯列に沿って配置することができる。
本実施形態の側面視における状態を図4に示す。この図に示すように、本実施形態は、連結ワイヤ3(図は他方の連結ワイヤ4を省略している)の向きが第一の実施形態と逆向きとなっているが、使用する連結ワイヤ3は、同じものである。また、図4(a)に示しているように、弾性変形を生じていない状態では、上下のプレート1,2の後部10b,20bにおける対向側端縁には、適宜間隔H2を形成させている。これは、咬合による連結ワイヤ3に作用する反発力を大臼歯部に作用させるためである。すなわち、図2(b)に示すように、上下のプレート1,2の対向側端縁を相互に当接させることにより、連結ワイヤ3が弾性変形し、反発力は、連結ワイヤ3の両端34,35を介して、両プレート1,2の後部10b,20bに作用させることができるのである。
本実施形態においても、連結ワイヤ3を装着する際には、咬合位置を調整した状態(図4(b)参照)とし、その後、湾曲部31の曲率を変更するように塑性変形させて、両プレート1,2の後部10b,20bの当接側端縁に所定の間隙H2を形成する(図4(a)参照)のである。このような構成の顎位矯正装置200を装着することにより、咬合の動作により、下顎の大臼歯部に対し圧下力を作用させることができ、下顎の位置を矯正することができるのである。
<反対咬合の矯正>
次に、反対咬合の矯正に使用する実施形態を本発明の第三の実施形態として説明する。図5は、本実施形態を示す図である。この図に示すように、本実施形態の顎位矯正装置300は、第一の実施形態と同様の上下のプレート1,2を使用するが、連結ワイヤ303,304の構成を変形している。すなわち、連結ワイヤ303,304は、2個所に湾曲部331a,331b,341a,341bが形成され、その両端から逆向きに直線部332,333,342,343が突出した状態となっており、全体として略S字状に形成されているのである。そして、連結ワイヤ303,304の両端334,335,344,345は、それぞれの直線部332,333,342,343の先端に位置し、適宜距離を有して配置される状態となっている。なお、図において、直線部332,333,342,343は適度な長さを有する状態を示しているが、湾曲部331a,331b,341a,341bの曲率を小さく(径を大きく)する場合には、当該直線部332,333,342,343は短くなり、極端な場合には、当該直線部332,333,342,343が形成されない場合もあり得る。本実施形態の要諦は、逆向きに湾曲して形成される各二つの湾曲部331a,331b,341a,341bによって略S字状となっており、一端334,344が上顎プレート1に、他端335,345が下顎プレート2に装着できるようになっていることである。
このように、略S字状に形成したのは、上顎プレート1に一端334,344を、下顎プレート2に他端335,345を装着した場合、両端が前後方向に適宜間隔を有する状態で配置するためである。そして、これらの両端334,335,344,345の距離を短くするように(前後方向に近接するように)変形するとき、反発力が前後方向外向きに作用させるのである。本実施形態では、反対咬合の矯正に使用するため、当該反発力を上顎プレート1に対して前方へ作用させることを目的としている。すなわち、反対咬合とは、下顎前歯の前突を伴う不正咬合であり、この種の不正咬合を矯正する場合には、下顎を基準として、上顎を前方へ押し出すように反発力(押出力)を作用させるのである。
本実施形態の側面視における状態を図6に示す(なお、図は他方の連結ワイヤ304を省略している)。図6(a)は連結ワイヤ303が弾性変形していない状態を示し、図6(b)は、弾性変形した状態を示している。この図に示すように、連結ワイヤ303が弾性変形していない状態では、上顎プレート1は、下顎プレート2に対して前方に位置している。この状態から、下顎プレート1が前方へ移動する場合に、連結ワイヤ303を弾性変形させるとともに、その弾性変形による反発力が上顎に対して前方へ作用することとなるのである。
すなわち、弾性変形されない状態では、図6(a)に示すように、連結ワイヤ3は、直線部332,333の軸線を歯列の方向に対して直交方向または僅かに有角状としつつ、一端334を上顎プレート1に装着し、他端335を下部プレート2に装着するのである。このとき、一端334は上顎プレート1の前方に装着し、他端335は下顎プレート2の後方に装着するのである。さらに、上顎プレート1は下顎プレート2よりも前方に位置している。従って、両端334,335の間には適宜間隔D1が形成されることとなるのである。なお、連結ワイヤ303の湾曲部331a,331bについて、上顎プレート1に装着される一端334に隣接する湾曲部331aは、下顎プレート2の側方に位置させており、下顎プレート2に装着される他端335に隣接する湾曲部331bは、上顎プレート1の側方に位置させるようにしている。これにより、連結ワイヤ303の全体が、両プレート1,2によって形成される装置側面の範囲内に納まるようにしている。
上述した弾性変形がされていない状態で反対咬合の患者が使用することにより、患者の下顎によって下顎プレート2が前方へ誘導されることとなる。これは、前述のとおり、反対咬合の場合は、下顎前歯の前突を伴うものであり、上顎が下顎よりも後方(遠心)に位置しているため、下顎が上顎よりも前方へ移動するように動作するからである。このように、下顎プレート2が前方へ移動することにより、連結ワイヤ303の両端が圧縮され、図6(b)に示すように、略S字状の連結ワイヤ303は、湾曲部331a,331bを中心に弾性変形しつつ、両端334,335が接近するような状態となるのである。このとき、両端334,335の間隔D2は小さくなり、その弾性変形による反発力は、両端334,335の間隔を拡大させるように作用することとなるのである。
このように、反対咬合の患者が本実施形態を使用する場合、下顎が下顎プレート2を前方へ押し出すような状態となり、連結ワイヤ303を弾性変形させることとなるが、その反発力は、上顎に対し押出力として作用し、顎位矯正効果を発揮することとなるのである。
なお、この場合においても、連結ワイヤ303の装着は、咬合位置を調整した状態(図6(b)参照)で行われ、その後、湾曲部331a,331bの曲率を変更するように塑性変形させる(図6(a)参照)ことにより、正常な咬合状態となるように顎位を矯正し得るものである。
本発明の実施形態は、上記のとおりであるが、本発明は、これらに例示した実施形態に限定されるものではない。従って、本発明の趣旨の範囲内において、上記実施形態を適宜変更することができるものである。そこで、その変形例について説明する。
図7は、第二の実施形態(図3参照)の変形例を示している。この図に示されているように、本変形例の装置400は、第二の実施形態の装置200における連結ワイヤ3,4の構成および装着方法を変更したものである。すなわち、連結ワイヤ3,4の両端34,35,44,45は、それぞれ内向きに弧状に湾曲させたものである。また、両端34,35,44,45を弧状に形成したことから、扁平させた平面部を構成することなく、弧状部分の周縁がプレート1,2の側面の適宜範囲に当接できるようにしている。このような構成においても、接着力ある樹脂材料(即時重合レジンなど)5で弧状部分を包囲させることにより、弧状部分の周辺および内側に当該樹脂材料5が充填されるため、弧状部分が形成される領域の全体を強固に接着することができる。
また、図8は、他の変形例を示している。この図に示すように、本変形例の装置500は、連結ワイヤ3,4の両端34,35,44,45が円筒状の受部6を介在させつつ両プレート1,2に装着したものである。具体的には、受部6が、両プレート1,2に樹脂材料(即時重合レジンなど)5によって固着され、その中空内部に両端34,35,44,45を挿入したものであり、両端34,35,44,45は、いずれも円形断面の直線状とするものである。このような構成の場合には、連結ワイヤ3の両端34,35,44,45は、それぞれ周方向へ回動(正逆方向への回転を意味する。以下同じ。)が可能な状態で装着されることとなる。このように、連結ワイヤ3,4の両端34,35,44,45が両プレート1,2に装着された状態において、周方向への回動が可能となることにより、歯軋りなどの動作によって連結ワイヤ3,4に捻れを生じさせる場合、両端34,35,44,45が回動できる範囲において当該捻れを解消させることとなる。
以上のとおり、変形例を例示したが、実施形態およびその変形例について、更なる変更が可能であり、使用される材料についても適宜選択することができる。例えば、前記変形例に使用した受部6は、樹脂材料で構成することができるが、強度を保持させるために、金属材料で構成してもよい。
また、前記各実施形態または変形例において、プレート1,2は、ポリカーボネート製としたが、ポリ塩化ビニル(PVC)を使用することができ、さらに、十分な強度を保持できるものであれば、エンプラとして汎用される合成樹脂を選択的に使用してもよい。
1 上顎プレート
2 下顎プレート
3,4,303,403 連結ワイヤ
5 樹脂材料
6 受部
31,41,331a,331b,341a,341b 湾曲部
32,33,42,43,332,333 直線部
34,35,44,45,334,335,344,345 連結ワイヤの両端
100,200,300,400,500 顎位矯正装置

Claims (8)

  1. 上顎に取り付けられる上顎プレートと、下顎に取り付けられる下顎プレートと、ヤング率が100GPa以下の弾性変形可能な線材によって構成される連結ワイヤとを備え、
    前記連結ワイヤは、少なくとも1個所の湾曲部を構成するとともに、一端を前記上顎プレートに、他端を前記下顎プレートに、それぞれ装着されるものであることを特徴とする顎位矯正装置。
  2. 前記連結ワイヤを構成する線材は、さらに、ヤング率に対する引張り強度の値が0.01以上の線材で構成されている請求項1に記載の顎位矯正装置。
  3. 前記連結ワイヤを構成する線材は、さらに、弾性変形域内において引張試験で得られる応力−歪み線図上の接線の傾きが応力の増加に伴って減少する特性を有している請求項1または2に記載の顎位矯正装置。
  4. 前記連結ワイヤを構成する線材は、引張弾性限強度が700MPa以上であり、加える応力が0から引張弾性限強度までの弾性変形域内において、引張試験で得られる応力−歪み線図上の接線の傾きが応力の増加に伴って減少する特性を有し、その平均ヤング率が75GPa以下のチタン合金である請求項3に記載の顎位矯正装置。
  5. 前記連結ワイヤは、1個所を湾曲させた略U字形とし、両端を上下に配置しつつ、一端を前記上顎プレートに、他端を前記下顎プレートに、それぞれ装着されており、該両プレートを咬合させるために前記連結ワイヤの両端の位置が近接するように変形させるとき、外向きの反発力により前記下顎プレートとの装着位置において下向きに押圧力を作用させるものである請求項1ないし4のいずれかに記載の顎位矯正装置。
  6. 前記連結ワイヤは、2個所を逆向きに湾曲させた略S字形とし、両端を前後方向かつ上下方向に配置しつつ、一端を前記上顎プレートの前位に、他端を前記下部プレートの後位に、それぞれ装着されており、両プレートを咬合させるために前記連結ワイヤの両端の位置が近接するように変形させるとき、外向きの反発力により前記下顎プレートとの装着位置において後退方向に押圧力を作用させるものである請求項1ないし4のいずれかに記載の顎位矯正装置。
  7. 前記連結ワイヤは、前記上顎プレートおよび下顎プレートの左右両側の外部表面に各1個装着されるものである請求項1ないし6のいずれかに記載の顎位矯正装置。
  8. 前記連結ワイヤは、断面形状円形であり、前記上顎プレートおよび下顎プレートに対して周方向に回動可能な状態で装着されている請求項1ないし7のいずれかに記載の顎位矯正装置。
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