JP2015157899A - フマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた靱性、耐熱性、透明性を有する光学材料に好適な新規なフマル酸ジエステル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体を提供する。【解決手段】フマル酸ジエステル残基単位、オキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又はテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位、並びにウレタン結合を有する多官能性アクリレート残基単位を含むことを特徴とするフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体。【選択図】なし
Description
本発明は、新規なフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体に関するものであり、さらに詳しくは、優れた靱性、耐熱性、透明性を有する新規なフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体に関するものである。
フマル酸ジエステルから得られる単独重合体または共重合体は、一般的な熱可塑性ビニル重合体と比べて高い耐熱性を示し、さらに透明性に優れた樹脂となることが知られている。例えば、フマル酸ジイソプロピルやフマル酸ジシクロヘキシルから得られる単独重合体は、200℃以上でも軟化点およびガラス転移温度を示さず、光学分野において様々な用途に使用可能な透明樹脂として有望な材料である。そして、フマル酸ジエステル系樹脂よりなるフィルムは優れた耐熱性、透明性を有することが知られている(例えば、特許文献1〜3、および非特許文献1参照)。
大津隆行著、未来材料、2002年、Vol.2、No.12発行、(第70〜74頁)
特許文献1〜3および非特許文献1に示されたフマル酸ジエステル系樹脂よりなるフィルムは優れた耐熱性、透明性を有するものの靱性が不足しているために破断、割れを起こしやすく、取扱い性に課題を有している。
本発明の目的は、耐熱性、透明性を損なうことなく、破断伸度を高めることで靱性を付与したフィルムの材料となる新規なフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位、下記一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又は下記一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位、並びにウレタン結合を有する多官能性アクリレート残基単位を含むことを特徴とするフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体、ならびにその製造方法に関するものである。
以下、本発明のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体について詳細に説明する。
本発明のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体は、特定の一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位、特定の一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又は特定の一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位、並びにウレタン結合を有する多官能性アクリレート残基単位を含む共重合体である。そして、本発明のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体は、特定の一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位、並びに特定の一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又は特定の一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位を含んでなることにより、優れた耐熱性及び透明性を有している。また、本発明のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体は、ウレタン結合を有する多官能性アクリレート残基単位を含んでなることにより、フィルムとした際に、該フィルムの伸度が、フマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を用いて得られるフィルムよりも高くなるものである。そして、その結果、該フィルムは、破断、割れを起こしにくく、取扱い性に優れるものとなる。
本発明のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体において、一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位中のR1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状アルキル基もしくは分岐状アルキル基、または炭素数3〜6の環状アルキル基を示し、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、炭素数1〜6の分岐状アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、炭素数3〜6の環状アルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、本発明の共重合体が耐熱性に優れるものとなることから、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等が好ましく、特にイソプロピル基が好ましい。
そして、具体的な一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位としては、例えば、フマル酸ジメチル残基、フマル酸ジエチル残基、フマル酸ジプロピル残基、フマル酸ジ−n−ブチル残基、フマル酸ジペンチル残基、フマル酸ジヘキシル残基、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジイソブチル残基、フマル酸ジ−sec−ブチル残基、フマル酸ジ−tert−ブチル残基、フマル酸ジシクロプロピル残基、フマル酸ジシクロブチル残基、フマル酸ジシクロヘキシル残基等が挙げられる。これらの中でも、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−tert−ブチル残基、フマル酸ジシクロヘキシル残基等が好ましく、特にフマル酸ジイソプロピル残基が好ましい。
また、本発明のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体が一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位を含む場合、一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位中のR3は水素またはメチル基であり、R4は水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基または分岐状アルキル基であり、nは1または2である。R4における炭素数1〜4の直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜4の分岐状アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
そして、具体的な一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位としては、例えば、アクリル酸−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルエチル残基等が挙げられる。
また、本発明のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体が一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位を含む場合、一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位中のR5は水素またはメチル基であり、R6は水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基または分岐状アルキル基である。R6における炭素数1〜4の直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜4の分岐状アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
そして、具体的な一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位としては、例えば、アクリル酸テトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−メチルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−エチルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−プロピルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−n−ブチルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−イソプロピルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−イソブチルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−sec−ブチルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−tert−ブチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−メチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−エチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−プロピルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−n−ブチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−イソプロピルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−イソブチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−sec−ブチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−tert−ブチルテトラヒドロフルフリル残基等が挙げられる。
そして、これら(メタ)アクリル酸エステル残基単位の中でも、耐熱性、透明性に優れたフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体が得られることから、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸テトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル残基が好ましく用いられる。
また、ウレタン結合を有する多官能性アクリレートの残基単位としては、ウレタン結合を有する部位と2個以上のアクリレート単位を有する部位を含む多官能性アクリレートの残基単位であれば如何なるものでもよい。
該残基単位を誘導するウレタン結合を有する多官能性アクリレートは、例えば、イソシアネート基を有するアクリレート類とポリアルコール類とのウレタン化反応により製造する方法、ヒドロキシル基を有するアクリレート類とポリイソシアネート類とのウレタン化反応により製造する方法等により入手することが可能である。イソシアネート基を有するアクリレート類としては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、3−アクリロイルオキシプロピルイソシアネート、4−アクリロイルオキシブチルイソシアネート、5−アクリロイルオキシペンチルイソシアネート、6−アクリロイルオキシヘキシルイソシアネート、3−アクリロイルオキシフェニルイソシアネート、4−アクリロイルオキシフェニルイソシアネート等が挙げられ、ポリアルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。また、ヒドロキシル基を有するアクリレート類としては、ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられ、ポリイソシアネート類としては、ヘキサメチレンジイソシアナート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン、ヘキサメチレンジイソシアナートトリマー等が挙げられる。そして、該ウレタン結合を有する多官能性アクリレートは、例えば、ヒドロキシエチルアクリレートとヘキサメチレンジイソシアナートとの反応生成物、ヒドロキシエチルアクリレートとビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタンとの反応生成物、ヒドロキシエチルアクリレートとイソホロンジイソシアナートとの反応生成物、2−ヒドロキシプロピルアクリレートとビス(イソシアナトメチル)ノルボルナンとの反応生成物、ポリエチレングリコールアクリレートとヘキサメチレンジイソシアナートとの反応生成物、ポリエチレングリコールアクリレートビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタンとの反応生成物、ポリエチレングリコールアクリレートとイソホロンジイソシアナートとの反応生成物、ペンタエリスリトールトリアクリレートとヘキサメチレンジイソシアナートとの反応生成物、ペンタエリスリトールトリアクリレートとイソホロンジイソシアナートとの反応生成物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとヘキサメチレンジイソシアナートトリマーとの反応生成物等であることができ、これらが1種または2種以上含まれているものであってもよい。
また、該ウレタン結合を有する多官能性アクリレートは、市販品として、例えば、(商品名)U−2PPA(新中村化学工業(株)製)、(商品名)UA−122P(新中村化学工業(株)製)、(商品名)U−6HA(新中村化学工業(株)製)、(商品名)UA−32P(新中村化学工業(株)製)、(商品名)UA−NDP(新中村化学工業(株)製)、(商品名)U−108A(新中村化学工業(株)製)、(商品名)UA−511(新中村化学工業(株)製)、(商品名)UA−4200(新中村化学工業(株)製)、(商品名)UA−340P(新中村化学工業(株)製)、(商品名)UA−6200(新中村化学工業(株)製)、(商品名)U−108(新中村化学工業(株)製)、(商品名)UA−512(新中村化学工業(株)製)、(商品名)UA−7000(新中村化学工業(株)製)、(商品名)UA−7200(新中村化学工業(株)製)、(商品名)M−1200(東亞合成(株)製)、(商品名)M−1600(東亞合成(株)製)、(商品名)M−1960(東亞合成(株)製)等が入手可能である。
本発明のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体には、本発明の目的を逸脱しない範囲において、他の単量体残基単位が含まれていても良く、他の単量体残基単位としては、例えば、エチレン残基、プロピレン残基、1−ブテン残基等のオレフィン類残基;アクリル酸メチル残基、アクリル酸エチル残基、アクリル酸ブチル残基等のアクリル酸アルキルエステル類残基;メタクリル酸メチル残基、メタクリル酸エチル残基、メタクリル酸ブチル残基等のメタクリル酸アルキルエステル類残基;スチレン残基、α−メチルスチレン残基等のビニル芳香族炭化水素類残基;酢酸ビニル残基、プロピオン酸ビニル残基、ピバル酸ビニル残基等のカルボン酸ビニルエステル類残基;メチルビニルエーテル残基、エチルビニルエーテル残基、ブチルビニルエーテル残基等のビニルエーテル類残基;N−メチルマレイミド残基、N−シクロヘキシルマレイミド残基、N−フェニルマレイミド残基等のN−置換マレイミド類残基;アクリロニトリル残基;メタクリロニトリル残基等が挙げられる。
本発明のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体における一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位、一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又は一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位、並びにウレタン結合を有する多官能性アクリレート残基単位の組成は、本発明のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体が得られる限り如何なる組成でも可能であり、その中でも耐熱性、透明性に優れたフマル酸ジエステル共重合体が得られることから、フマル酸ジエステル残基単位50〜98.5モル%、オキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又はテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位49.5〜1モル%、並びにウレタン結合を有する多官能性アクリレート残基単位0.001〜0.5モル%であることが好ましく、フマル酸ジエステル残基単位79.7〜98.5モル%、オキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又はテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位20〜1.2モル%、並びにウレタン結合を有する多官能性アクリレート残基単位0.001〜0.3モル%であることがさらに好ましい。
本発明のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算による数平均分子量は、強度及び取扱い性に優れたものとなることから、70,000〜500,000であり、好ましくは90,000〜400,000であることが好ましい。
本発明のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の製造方法としては、一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位、一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又は一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位、並びにウレタン結合を有する他官能性アクリレートの残基単位を含む共重合体が得られる限り如何なる製造方法をも用いることができ、その中でも容易に製造可能であることから、前記した一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位を誘導する化合物、前記した一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又は一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位を誘導する化合物、並びに前記したウレタン結合を有する他官能性アクリレートの残基単位を誘導する化合物をラジカル重合する方法が好ましく用いられる。
前記ラジカル重合は公知の重合方法、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法のいずれも採用可能である。
ラジカル重合を行う際のラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーピバレート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系開始剤等が挙げられる。
そして、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法において使用可能な溶媒として特に制限はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;シクロヘキサン;ジ
オキサン;テトラヒドロフラン;アセトン;メチルエチルケトン;ジメチルホルムアミド;酢酸イソプロピル;水等が挙げられ、これらの混合溶媒も挙げられる。
オキサン;テトラヒドロフラン;アセトン;メチルエチルケトン;ジメチルホルムアミド;酢酸イソプロピル;水等が挙げられ、これらの混合溶媒も挙げられる。
また、ラジカル重合を行う際の重合温度は、ラジカル重合開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができ、反応の制御が容易であることから、一般的には30〜150℃の範囲で行うことが好ましい。
本発明のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体は、耐熱性、透明性を有する新規なフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体であり、フィルム、シート、射出成形品等の各種成形材料に用いることができる。
本発明は、靱性、耐熱性、透明性に優れたフィルムの材料となる新規なフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体を提供するものである。
本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下に合成例により得られたフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の評価・測定方法を示す。なお、断りのない限り用いた試薬は市販品を用いた。
<数平均分子量>
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、HLC−8320(カラムsuperHM−Hを装着))を用い、テトラヒドロフランを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算として求めた。
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、HLC−8320(カラムsuperHM−Hを装着))を用い、テトラヒドロフランを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算として求めた。
<フマル酸ジエステル共重合体の組成>
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM−GSX400)を用い、プロトン核磁気共鳴分光(1H−NMR)スペクトル分析より求めた。
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM−GSX400)を用い、プロトン核磁気共鳴分光(1H−NMR)スペクトル分析より求めた。
<透明性の評価方法>
透明性の評価を行うために、トルエン及び2−ブタノンを重量比1:1で混合した溶媒を用いて、溶液キャスト法で厚さ80μmのシートを作製し、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名NDH5000)にて、全光線透過率及びヘーズを測定した。
透明性の評価を行うために、トルエン及び2−ブタノンを重量比1:1で混合した溶媒を用いて、溶液キャスト法で厚さ80μmのシートを作製し、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名NDH5000)にて、全光線透過率及びヘーズを測定した。
<耐熱性の評価方法>
透明性の評価に用いたシートを、150℃のオーブン内に1時間保持し、変色、変形の有無を目視により判断した。判断基準は、変色、変形のない良好な場合を○、変色、変形が見られる場合を×とした。
透明性の評価に用いたシートを、150℃のオーブン内に1時間保持し、変色、変形の有無を目視により判断した。判断基準は、変色、変形のない良好な場合を○、変色、変形が見られる場合を×とした。
<伸度の評価方法>
透明性の評価に用いたシートを、伸度測定装置(東洋ボールドウィン製、商品名テンシロンUTM−2.5T−PL)を用い、引張速度50mm/minでS−Sカーブを測定して求めた。
透明性の評価に用いたシートを、伸度測定装置(東洋ボールドウィン製、商品名テンシロンUTM−2.5T−PL)を用い、引張速度50mm/minでS−Sカーブを測定して求めた。
合成例1(フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の製造)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル40.8g(0.20モル(96.64モル%))、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル1.2g(0.0071モル(3.35モル%))、ウレタン結合を有する多官能性アクリレートとしてウレタンアクリレート化合物(商品名)UA−122P(新中村化学工業(株)製)0.029g(2.6×10−5モル(0.01モル%))および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.225g(0.0013モル(0.61モル%))を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを52℃の恒温槽に入れ、15時間保持することによりラジカル重合を行った。重合反応終了後、アンプルから重合物を取り出し、トルエン150gで溶解させた。このポリマー溶液を3Lのメタノール中に滴下して析出させた後、60℃で4時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体30.8gを得た(収率:73%)。
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル40.8g(0.20モル(96.64モル%))、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル1.2g(0.0071モル(3.35モル%))、ウレタン結合を有する多官能性アクリレートとしてウレタンアクリレート化合物(商品名)UA−122P(新中村化学工業(株)製)0.029g(2.6×10−5モル(0.01モル%))および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.225g(0.0013モル(0.61モル%))を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを52℃の恒温槽に入れ、15時間保持することによりラジカル重合を行った。重合反応終了後、アンプルから重合物を取り出し、トルエン150gで溶解させた。このポリマー溶液を3Lのメタノール中に滴下して析出させた後、60℃で4時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体30.8gを得た(収率:73%)。
合成例2(フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の製造)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル40.8g(0.20モル(96.65モル%))、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル1.2g(0.0071モル(3.34モル%))、ウレタン結合を有する多官能性アクリレートとしてウレタンアクリレート化合物(商品名)UA−7200(新中村化学工業(株)製)0.026g(2.1×10−5モル(0.01モル%))および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.225g(0.0013モル(0.61モル%))を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを52℃の恒温槽に入れ、15時間保持することによりラジカル重合を行った。重合反応終了後、アンプルから重合物を取り出し、トルエン150gで溶解させた。このポリマー溶液を3Lのメタノール中に滴下して析出させた後、60℃で4時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体30.1gを得た(収率:72%)。
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル40.8g(0.20モル(96.65モル%))、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル1.2g(0.0071モル(3.34モル%))、ウレタン結合を有する多官能性アクリレートとしてウレタンアクリレート化合物(商品名)UA−7200(新中村化学工業(株)製)0.026g(2.1×10−5モル(0.01モル%))および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.225g(0.0013モル(0.61モル%))を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを52℃の恒温槽に入れ、15時間保持することによりラジカル重合を行った。重合反応終了後、アンプルから重合物を取り出し、トルエン150gで溶解させた。このポリマー溶液を3Lのメタノール中に滴下して析出させた後、60℃で4時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体30.1gを得た(収率:72%)。
合成例3(フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の製造)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル40.8g(0.20モル(96.65モル%))、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル1.2g(0.0071モル(3.34モル%))、ウレタン結合を有する多官能性アクリレートとしてウレタンアクリレート化合物(商品名)U−6HA(新中村化学工業(株)製)0.025g(2.1×10−5モル(0.01モル%))および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.225g(0.0013モル(0.61モル%))を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを52℃の恒温槽に入れ、15時間保持することによりラジカル重合を行った。重合反応終了後、アンプルから重合物を取り出し、トルエン150gで溶解させた。このポリマー溶液を3Lのメタノール中に滴下して析出させた後、60℃で4時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体30.6gを得た(収率:73%)。
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル40.8g(0.20モル(96.65モル%))、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル1.2g(0.0071モル(3.34モル%))、ウレタン結合を有する多官能性アクリレートとしてウレタンアクリレート化合物(商品名)U−6HA(新中村化学工業(株)製)0.025g(2.1×10−5モル(0.01モル%))および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.225g(0.0013モル(0.61モル%))を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを52℃の恒温槽に入れ、15時間保持することによりラジカル重合を行った。重合反応終了後、アンプルから重合物を取り出し、トルエン150gで溶解させた。このポリマー溶液を3Lのメタノール中に滴下して析出させた後、60℃で4時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体30.6gを得た(収率:73%)。
合成例4(フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の製造)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル40.8g(0.20モル(96.65モル%))、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル1.2g(0.0071モル(3.34モル%))、ウレタン結合を有する多官能性アクリレートとしてウレタンアクリレート化合物(商品名)UA−160TM(新中村化学工業(株)製)0.034g(2.1×10−5モル(0.01モル%))および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.225g(0.0013モル(0.61モル%))を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを52℃の恒温槽に入れ、15時間保持することによりラジカル重合を行った。重合反応終了後、アンプルから重合物を取り出し、トルエン150gで溶解させた。このポリマー溶液を3Lのメタノール中に滴下して析出させた後、60℃で4時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体31.0gを得た(収率:74%)。
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル40.8g(0.20モル(96.65モル%))、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル1.2g(0.0071モル(3.34モル%))、ウレタン結合を有する多官能性アクリレートとしてウレタンアクリレート化合物(商品名)UA−160TM(新中村化学工業(株)製)0.034g(2.1×10−5モル(0.01モル%))および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.225g(0.0013モル(0.61モル%))を入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを52℃の恒温槽に入れ、15時間保持することによりラジカル重合を行った。重合反応終了後、アンプルから重合物を取り出し、トルエン150gで溶解させた。このポリマー溶液を3Lのメタノール中に滴下して析出させた後、60℃で4時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体31.0gを得た(収率:74%)。
合成例5(フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル共重合体の製造)
ウレタン結合を有する多官能性アクリレートであるウレタンアクリレート化合物(商品名)UA−122P(新中村化学工業(株)製)を用いなかった以外は、合成例1と同様の方法により、フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル共重合体31.2gを得た(収率:74%)。
ウレタン結合を有する多官能性アクリレートであるウレタンアクリレート化合物(商品名)UA−122P(新中村化学工業(株)製)を用いなかった以外は、合成例1と同様の方法により、フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル共重合体31.2gを得た(収率:74%)。
実施例1(フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の評価)
合成例1で得たフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の数平均分子量は153000であった。
合成例1で得たフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の数平均分子量は153000であった。
また、1H−NMR測定により、共重合体組成はフマル酸ジイソプロピル残基単位/アクリル酸エステル残基単位/多官能性アクリレートの残基単位= 97.41/2.58/0.01(モル%)であることを確認した。
得られたフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合は、靱性、耐熱性および透明性に優れるものであった。
実施例2(フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の評価)
合成例2で得たフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の数平均分子量は151000であった。
合成例2で得たフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の数平均分子量は151000であった。
また、1H−NMR測定により、共重合体組成はフマル酸ジイソプロピル残基単位/アクリル酸エステル残基単位/多官能性アクリレートの残基単位=97.55/2.44/0.01(モル%)であることを確認した。
得られたフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の耐熱性、透明性、伸度を評価した。結果を表1に合わせて示す。
得られたフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合は、靱性、耐熱性および透明性に優れるものであった。
実施例3(フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の評価)
合成例3で得たフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の数平均分子量は150000であった。
合成例3で得たフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の数平均分子量は150000であった。
また、1H−NMR測定により、共重合体組成はフマル酸ジイソプロピル残基単位/アクリル酸エステル残基単位/多官能性アクリレートの残基単位= 97.37/2.62/0.01(モル%)であることを確認した。
得られたフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の耐熱性、透明性、伸度を評価した。結果を表1に合わせて示す。
得られたフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合は、靱性、耐熱性および透明性に優れるものであった。
実施例4
合成例4で得たフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の数平均分子量は155000であった。
合成例4で得たフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の数平均分子量は155000であった。
また、1H−NMR測定により、共重合体組成はフマル酸ジイソプロピル残基単位/アクリル酸エステル残基単位/多官能性アクリレートの残基単位= 97.39/2.60/0.01(モル%)であることを確認した。
得られたフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の耐熱性、透明性、伸度を評価した。結果を表1に合わせて示す。
得られたフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合は、靱性、耐熱性および透明性に優れるものであった。
比較例1(フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル共重合体の評価)
合成例5で得たフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル共重合体の数平均分子量は138000であった。
合成例5で得たフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル共重合体の数平均分子量は138000であった。
また、1H−NMR測定により、共重合体組成はフマル酸ジイソプロピル残基単位/アクリル酸エステル残基単位の残基単位=97.51/2.49(モル%)であることを確認した。
得られたフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル共重合体の耐熱性、透明性、伸度を評価した。結果を表1に合わせて示す。
得られたフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸エステル共重合は、耐熱性および透明性に優れるものであるものの、靱性に劣るものであった。
Claims (7)
- 下記一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位、下記一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又は下記一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位、並びにウレタン結合を有する多官能性アクリレート残基単位を含むことを特徴とするフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体。
- フマル酸ジエステル残基単位が、フマル酸ジイソプロピル残基単位であることを特徴とする請求項1に記載のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体。
- (メタ)アクリル酸エステル残基単位が、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基単位、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基単位、アクリル酸テトラヒドロフルフリル残基単位、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル残基単位からなる群より選ばれる残基単位であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体。
- フマル酸ジエステル残基単位50〜98.5モル%、(メタ)アクリル酸エステル残基単位1〜49.5モル%及びウレタン結合を有する多官能性アクリレートの残基単位0.001〜0.5モル%を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体。
- 標準ポリスチレン換算の数平均分子量が70000〜500000であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体。
- フマル酸ジエステル50〜98.5モル%、(メタ)アクリル酸エステル1〜49.5モル%、ウレタン結合を有する多官能性アクリレート0.001〜0.5モル%の割合で含む合計単量体を100モル%として、ラジカル重合開始剤0.001〜2モル%の存在下、ラジカル重合反応を行うことを特徴とするフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体の製造方法。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のフマル酸ジエステル−(メタ)アクリル酸エステル−多官能性アクリレート共重合体を用いたことを特徴とする透明フィルム。
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