JP2015157876A - メタクリル樹脂組成物からなる板状成形体 - Google Patents
メタクリル樹脂組成物からなる板状成形体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015157876A JP2015157876A JP2014031884A JP2014031884A JP2015157876A JP 2015157876 A JP2015157876 A JP 2015157876A JP 2014031884 A JP2014031884 A JP 2014031884A JP 2014031884 A JP2014031884 A JP 2014031884A JP 2015157876 A JP2015157876 A JP 2015157876A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- methacrylic resin
- plate
- acrylate
- polymer block
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Planar Illumination Modules (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
【解決手段】メタクリル酸メチル単位を80質量%以上有するメタクリル樹脂(A)10〜99質量部、およびメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)10〜80質量%とアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)90〜20質量%とを有するブロック共重合体(B)90〜1質量部を含み、メタクリル樹脂(A)の重量平均分子量Mw(A)、メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)のうち最大の重量平均分子量Mw(b1)、およびアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)のうち最大の重量平均分子量Mw(b2)が、下記(1)および(2)を満たすメタクリル樹脂組成物からなる板状成形体である。(1)0.5≦Mw(A)/Mw(b1)≦2.5(2)40000≦Mw(b2)≦120000
【選択図】なし
Description
(1) 0.5≦Mw(A)/Mw(b1)≦2.5
(2) 40000≦Mw(b2)≦120000
〔2〕:前記ブロック共重合体(B)の屈折率が1.485〜1.495である〔1〕に記載の板状成形体。
〔3〕:前記アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)が、アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位50〜90質量%と(メタ)アクリル酸芳香族エステルに由来する構造単位50〜10質量%とを含む〔1〕または〔2〕に記載の板状成形体。
〔4〕:〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の板状成形体と、該板状成形体の端面に位置する光源とを備える面状光源素子。
〔5〕:ディスプレイ装置のフロントライトである〔4〕に記載の面状光源素子。
〔6〕:ディスプレイ装置のバックライトである〔4〕に記載の面状光源素子。
なお、Mw(A)およびMn(A)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)で
測定した標準ポリスチレン換算値である。
また、メタクリル樹脂の分子量や分子量分布は、重合開始剤および連鎖移動剤の種類や量などを調整することによって制御できる。
これらメタクリル酸エステルを1種単独でまたは2種以上を組み合わせて重合することによって、メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)を形成できる。
アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシルなどが挙げられる。これらのうち、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましい。
アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)が、アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸芳香族エステルとからなる場合、該アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)は、アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位50〜90質量%と(メタ)アクリル酸芳香族エステルに由来する構造単位50〜10質量%とを含むことが好ましく、アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位60〜80質量%と(メタ)アクリル酸芳香族エステルに由来する構造単位40〜20質量%とを含むことがより好ましい。
リスチレン換算値である。
これらのうち、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、星型ブロック共重合体が好ましく、(b1)−(b2)構造のジブロック共重合体、(b1)−(b2)−(b1)構造のトリブロック共重合体、[(b1)−(b2)−]nX構造の星形ブロック共重合体、[(b1)−(b2)−(b1)−]nX構造の星形ブロック共重合体がより好ましい。
重合体ブロック(b3)を構成する主たる構造単位はメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステル以外の単量体に由来する構造単位である。かかる単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−オクテンなどのオレフィン;ブタジエン、イソプレン、ミルセンなどの共役ジエン;スチレン、α−メチルスチレン、p-メチルスチレン、m−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル、ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、ε−カプロラクトン、バレロラクトンなどを挙げることができる。
ブロック共重合体(B)の重量平均分子量が小さいと、溶融押出成形において十分な溶融張力を保持できず、良好な板状成形体が得られにくく、また得られた板状成形体の破断強度などの力学物性が低下する傾向がある。一方、ブロック共重合体(B)の重量平均分子量が大きいと、溶融樹脂の粘度が高くなり、溶融押出成形で得られる板状成形体の表面に微細なシボ調の凹凸や未溶融物(高分子量体)に起因するブツが発生し、良好な板状成形体が得られにくい傾向がある。
なお、重量平均分子量および数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)で測定した標準ポリスチレン換算の分子量である。
メタクリル樹脂組成物におけるメタクリル樹脂(A)の含有量がブロック共重合体(B)に対して少ないと、Tダイを用いた溶融押出成形により得られる板状成形体の表面に微細なスジ状の凹凸が発生し、表面平滑性の良好な板状成形体が得られにくい傾向がある。一方、メタクリル樹脂(A)の含有量がブロック共重合体(B)に対して多いと、メタクリル樹脂組成物からなる板状成形体の引張弾性率が増加し、柔軟性が低下する傾向がある。
添加剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、熱劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、離型剤、無機充填剤、無機繊維または有機繊維、鉱物油軟化剤、高分子加工助剤、帯電防止剤、難燃剤、染顔料、着色剤、艶消し剤、光拡散剤、耐衝撃性改質剤、蛍光体、粘着剤、粘着付与剤、可塑剤、発泡剤などが挙げられる。
リン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤とを併用する場合、その割合は特に制限されないが、リン系酸化防止剤/ヒンダードフェノール系酸化防止剤の質量比で、好ましくは1/5〜2/1、より好ましくは1/2〜1/1である。
該熱劣化防止剤としては、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGM)、2,4−ジ−t−アミル−6−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)フェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGS)などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、トリアジン類、ベンゾエート類、サリシレート類、シアノアクリレート類、蓚酸アニリド類、マロン酸エステル類、ホルムアミジン類などが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ベンゾトリアゾール類、アニリド類が好ましい。
アニリド類としては、2−エチル−2’−エトキシ−オキサルアニリド(クラリアントジャパン社製;商品名サンデユボアVSU)などが挙げられる。
これら紫外線吸収剤の中、紫外線被照による樹脂劣化が抑えられるという観点からベンゾトリアゾール類がもっとも好ましく用いられる。
該重合体粒子は、単一組成比および単一極限粘度の重合体からなる単層粒子であってもよいし、また組成比または極限粘度の異なる2種以上の重合体からなる多層粒子であってもよい。この中でも、内層に低い極限粘度を有する重合体層を有し、外層に5dl/g以上の高い極限粘度を有する重合体層を有する2層構造の粒子が好ましいものとして挙げられる。
光拡散剤や艶消し剤としては、ガラス微粒子、ポリシロキサン系架橋微粒子、架橋ポリマー微粒子、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。
蛍光体として、蛍光顔料、蛍光染料、蛍光白色染料、蛍光増白剤、蛍光漂白剤などが挙げられる。
鉱物油軟化剤は、成形加工時の流動性を向上させるために使用される。例えば、パラフィン系オイル、ナフテン系オイルなどが挙げられる。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、カーボンブラック、酸化チタン、シリカ、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。繊維状充填材としては、ガラス繊維、カーボン繊維などが挙げられる。
具体的には、例えば、携帯電話、デジタル情報端末、ポケットベル、ナビゲーション、車載用液晶ディスプレイ、液晶モニター、調光パネル、OA機器用ディスプレイ、AV機器用ディスプレイ等の各種液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス表示素子あるいはタッチパネルなどに用いることができる。また、耐候性、柔軟性などに優れている点から、例えば、建築用内・外装用部材、カーテンウォール、屋根用部材、屋根材、窓用部材、雨どい、エクステリア類、壁材、床材、造作材、道路建設用部材、再帰反射フィルム・シート、農業用フィルム・シート、照明カバー、看板、透光性遮音壁など、公知の建材用途へも特に好適に適用可能である。
延伸温度が低くすぎると延伸中に板状成形体が破断しやすくなる。延伸温度が高すぎると延伸処理の効果が十分に発揮されず板状成形体の強度が高くなりにくい。
延伸は、通常100〜5000%/分で行われる。
延伸速度が小さいと強度が高くなりにくく、また生産性も低下する。また延伸速度が大きいと成形体が破断したりして均一な延伸が困難になることがある。
延伸の後、熱固定を行うことが好ましい。熱固定によって、熱収縮の少ない板状成形体を得ることができる。延伸して得られる板状成形体の厚さは、10〜200μmであることが好ましい。
射出成形同時貼合法は、本発明の板状成形体を射出成形用雌雄金型間に挿入し、その金型に該板状成形体の片方の面から溶融した熱可塑性樹脂を射出して、射出成形体を形成すると同時に、その成形体に前記板状成形体を貼合する方法である。
板状成形体の予備成形は、別個の成形機で行ってもよいし、射出成形同時貼合法に用いる射出成形機の金型内で予備成形を行ってもよい。後者の方法、すなわち、板状成形体を予備成形した後その片面に溶融樹脂を射出する方法は、インサート成形法と呼ばれる。
光を反射するための凹凸は、融着、接着、コーティング、印刷、射出成形、レーザー光による加工などの公知の手法によって、形成することができる。凹凸は、それを構成する凸部または凹部の大きさ、形状、配置、間隔などが、導光板の大きさや厚み、導光板端面から光源までの距離、などの因子に基づいて最適な構造に設計される。凹凸の形状としては、真円や楕円状のドットパターン、矩形やV溝のようなライン状パターン、半球レンズ状の凹凸、シボパターン等が挙げられる。一枚の導光板内に形成される凹凸は、同一形状同一サイズの繰り返しパターンであってもよいし、異なる形状を組み合わせてなるパターンであってもよいし、同一形状異なるサイズの繰り返しパターンであってもよい。凹凸を構成する凸部または凹部の大きさは、例えば、幅1〜600μm、長さ2〜1200μm、高さまたは深さ1〜500μmにすることができる。また、隣接する凹部または凸部の中心点間距離は、好ましくは2〜10000μmである。凸部または凹部の大きさや間隔は、要求される導光性能と、生産性や製造装置の能力に応じて選択することができる。一般に、凹部または凸部が大きすぎたり、間隔が広く開きすぎたりすると、正面から出射する光の強度に斑が生じたり、正面に出射する光の強度が弱くなったりして、ディスプレイの品位が低下する傾向がある。逆に凹部または凸部を小さくしたり、間隔を狭くしたりすることによって、斑を減らすことができるが、凹凸の形成に高い精度が要求されるようになるので、生産性の低下やコストの増大を招く傾向がある。
白色反射材は、通常、印刷(例えばスクリーン印刷など)によって設置することができる。白色反射材は、その一つの大きさ、形状、配置、間隔などが、導光板の大きさや厚み、導光板端面から光源までの距離、などの因子に基づいて最適な構造に設計される。白色反射材は、その一つの幅または長さが、好ましくは500μm〜5000μmであり、白色反射材の中心点間距離が、好ましくは1000〜5000μmである。白色反射材の大きさや間隔は、要求される導光性能と、生産性や製造装置の能力に応じて選択することができる。一般に、白色反射材一つが大きすぎたり、間隔が広く開きすぎたりすると、正面から出射する光の強度に斑が生じたり、正面に出射する光の強度が弱くなったりして、ディスプレイの品位が低下する傾向がある。逆に白色反射材の一つを小さくしたり、間隔を狭くしたりすることによって、斑を減らすことができるが、印刷に高い精度が要求されるようになるので、生産性の低下やコストの増大を招く傾向がある。
ブロック共重合体(B)およびメタクリル樹脂(A)の重合中および重合終了後の重量平均分子量(Mw)および分子量分布はGPC(ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー)によりポリスチレン換算分子量で求めた。
・装置:東ソー株式会社製GPC装置「HLC−8020」
・分離カラム:東ソー株式会社製の「TSKgel GMHXL」、「G4000HXL」および「G5000HXL」を直列に連結
・溶離剤:テトラヒドロフラン
・溶離剤流量:1.0ml/分
・カラム温度:40℃
・検出方法:示差屈折率(RI)
各重合体ブロックの構成割合は1H−NMR(1H−核磁気共鳴)測定によって求めた。
・装置:日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「JNM−LA400」
・重溶媒:重水素化クロロホルム
3cm×3cm、厚さ3mmのシートをプレス成形にて作製し、カルニュー光学工業株式会社「KPR−200」を用いて、23℃にて測定波長587.6nm(d線)で屈折率を測定した。
射出成形機により樹脂温度240℃および金型温度55℃で50mm×50mm、厚さ3mmの板状成形体を得、JIS K7105に準拠して23℃にてヘイズを測定した。
射出成形機により樹脂温度240℃および金型温度55℃で成形した射出成形品から、ISO178に準拠して曲げ弾性率を測定した。
射出成形機により樹脂温度240℃および金型温度55℃で成形した射出成形品から、ISO179−1eUに準拠して、ノッチ無しのシャルピー衝撃強度を測定した。
Optical Control System社製のTダイ製膜機(型式FS−5)にて、シリンダおよびTダイ温度240℃、リップ間隙0.5mmで押出し、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られた厚み0.1mmのフィルムの表面状態を目視観察し、この結果を以下の基準により評価した。
○:表面に不規則なスジ状およびシボ調の凹凸はなく、外観品位が優れる。
△:表面の一部に表面がスジ状あるいはシボ調の不規則な凹凸があり、外観品位がやや劣る。
×:表面全体に不規則なスジ状およびシボ調の凹凸があり、外観品位が劣る。
Optical Control System社製の製膜機(型式FS−5)にて、シリンダおよびTダイ温度240℃、リップ間隙1.0mmで押出し、厚さ0.5mmの板状成形体(シート)を押し出し、このシートを、コア径50mmφのロールに巻き取った。巻き取り時の状態を観察し、その結果を以下の基準により評価した。
○:シートが破断する事なく、巻き取り可能である。
×:シートが破断し、巻き取りが不可能である。
上記の方法で成形した厚さ0.5mmの板状成形体から50mm×50mmの試験片を切出し、直読ヘイズメーター(日本電色製)により、JIS K7136に準拠して23℃にてヘイズを測定した。この測定値を23℃におけるヘイズ値とした。
次いで試験片を60℃の恒温器のなかに30分間放置した。試験片を恒温器から取り出し、直ぐに、直読ヘイズメーター(日本電色製)により、JIS K7136に準拠してヘイズを測定した。この測定値を60℃におけるヘイズ値とした。
温度依存性を60℃におけるヘイズ値と23℃におけるヘイズ値との差で表わした。値が小さい方が温度依存性が小さいことを表す。
内部を脱気し、窒素で置換した三口フラスコに、室温にて乾燥トルエン735g、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.4g、およびイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム20mmolを含有するトルエン溶液39.4gを加え、さらに、sec−ブチルリチウム1.17mmolを加えた。これにメタクリル酸メチル35.0gを加え、室温で1時間反応させた。反応液に含まれる重合体をサンプリングして重量平均分子量(以下、Mw(b1-1)と称する)を測定したところ、40,000であった。かかるメタクリル酸メチル重合体はさらにアクリル酸エステルをブロック共重合することで、該メタクリル酸メチルはメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)(以下、「メタクリル酸メチル重合体ブロック(b1−1)」と称する)となる。
得られたブロック共重合体(B−1)は、アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)中、にアクリル酸n−ブチルに由来する構造単位を70質量%、アクリル酸ベンジルに由来する構造単位を30質量%有していた。その他の分析結果と併せて表1に示す。
なお、表1中、メタクリル酸メチルに由来する構造単位は「MMA」、アクリル酸n−ブチルに由来する構造単位は「BA」、アクリル酸ベンジルに由来する構造単位は「BzA」と、それぞれ略号を用いて表記している。
ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、およびsec−ブチルリチウムの使用量を変更した以外は、参考例1と同じ方法でブロック共重合体(B)(それぞれブロック共重合体(B−2)〜(B−6)と称する)を合成した。得られたブロック共重合体(B−2)〜(B−6)の分析結果を表1に示す。
メタクリル酸メチル95質量部、アクリル酸メチル5質量部からなる単量体混合物に重合開始剤(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、水素引抜能:1%、1時間半減期温度:83℃、0.1質量部および連鎖移動剤(n−オクチルメルカプタン0.77質量部を加え溶解させて原料液を得た。
イオン交換水100質量部、硫酸ナトリウム0.03質量部および懸濁分散剤0.46質量部を混ぜ合わせて混合液を得た。耐圧重合槽に、前記混合液420質量部と前記原料液210質量部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、温度を70℃にして重合反応を開始させた。重合反応開始後、3時間経過時に、温度を90℃に上げ、撹拌を引き続き1時間行って、ビーズ状共重合体が分散した液を得た。なお、重合槽壁面あるいは撹拌翼にポリマーが若干付着したが、泡立ちもなく、円滑に重合反応が進んだ。
得られた共重合体分散液を適量のイオン交換水で洗浄し、バケット式遠心分離機により、ビーズ状共重合体を取り出し、80℃の熱風乾燥機で12時間乾燥し、ビーズ状のメタクリル樹脂(A)(以下「メタクリル樹脂(A−1)」と称する)を得た。
得られたメタクリル樹脂(A−1)の重量平均分子量Mw(A)は30,000、分子量分布は1.8であった。
連鎖移動剤の量を0.45質量部に変更した以外は、参考例7と同様にして、Mw(A)55,000、分子量分布1.8のメタクリル樹脂(A−2)を得た。
連鎖移動剤の量を0.26質量部に変更した以外は、参考例7と同様にして、Mw(A)は90,000、分子量分布1.8のメタクリル樹脂(A−3)を得た。
連鎖移動剤の量を0.16質量部に変更した以外は、参考例7と同様にして、Mw(A)は130,000、分子量分布1.8のメタクリル樹脂(A−4)を得た。
ブロック共重合体(B−1)40質量部と、メタクリル樹脂(A−3)60質量部とを、二軸押出機により230℃で溶融混練した。その後、押出し、切断することによって、メタクリル樹脂組成物のペレットを製造した。
このペレットを用いて、上記試験法に従って、ヘイズ、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強度、表面平滑性、巻き取り性、およびヘイズの温度依存性を評価した。結果を表2に示す。
製造例2〜10
表1に示す配合処方に従った以外は製造例1と同じ方法でペレットを製造した。
これらペレットを用いて製造例1と同じ方法で物性を測定した。結果を表2および表3に示す。なお、製造例10においては、ブロック共重合体(B)に代えて、株式会社クラレ製、架橋ゴム粒子配合樹脂「パラペットGR−100」を用いた。
製造例1で得られたメタクリル樹脂組成物のペレットを65mmΦベント式1軸押出機を用い、幅350mmのダイより押出温度250℃、吐出量60kg/hにて押出し、45℃の1対の金属鏡面ロールでニップし、10m/分で引き取り、厚さ250μmのフィルムを製膜した。
ついで前記フィルムを押出流れ方向と平行な方向を長辺として150mm×200mmの長方形に切断した。さらに真空プレス成形機を用い、135℃に加熱した1対の平板金型間に前記切断したフィルムをセットして0.95MPaの圧力にて900秒間加圧成形した。前記平板金型の一方の表面には深さ2μm、直径5μmの凹部が複数、全面に設けられており、凹部の中心点間距離は前記切断したフィルムの短辺方向および長辺方向に50μmの均等間隔である。
前記もう一方の平板金型の表面は鏡面である。
前記プレス工程により、一方の表面に深さ2μm、直径5μmの凸部が縦横50μmの均等間隔で設けられたフィルムを得た。
製造例2で得られたメタクリル樹脂組成物のペレットを65mmΦベント式1軸押出機を用い、幅350mmのダイより押出温度250℃にて、吐出量60kg/hにて押出し、45℃の1対の金属ロールでニップし、10m/分で引き取り、厚さ250μmのフィルムを製膜した。
前記金属ロールの一方の表面には深さ2μm、直径5μmの凹部が複数、全面に設けられており、凹部の中心点間距離は前記金属ロールの回転方向および幅方向に50μmの均等間隔である。前記もう一方の金属ロールの表面は鏡面である。
前記押出製造工程により、一方の表面に深さ2μm、直径5μmの凸部が縦横50μmの均等間隔で設けられたフィルムを得た。
ついで実施例1と同様にしてフロントライトを製造し、目視観察評価した。その結果、表4に示すように、明室および暗室それぞれにおいて、紙面は良好に観察できた。
製造例3で得られたメタクリル樹脂組成物のペレットを射出成形機を用い、シリンダー温度180℃〜220℃、金型温度60℃にて成形し、縦190mm、横240mmの長方形で厚さ500μmのフィルムを製膜した。
前記金型の一方の表面には深さ2μm、直径5μmの凹部が複数、全面に設けられており、凹部の中心点間距離は前記フィルムの短辺方向および長辺方向に50μmの均等間隔である。
前記もう一方の平板金型の表面は鏡面である。
前記射出成形工程で得たフィルムの横方向端部及び縦方向端部を切断し、150mm×200mmの長方形であり、一方の表面に深さ2μm、直径5μmの凸部が縦横50μmの均等間隔で設けられたフィルムを得た。
ついで実施例1と同様にしてフロントライトを製造し、目視観察評価した。その結果、表4に示すように、明室および暗室それぞれにおいて、紙面は良好に観察できた。
製造例4で得られたメタクリル樹脂組成物のペレットを使用し、実施例2と同様にして、一方の表面に深さ2μm、直径5μmの凸部が縦横50μmの均等間隔で設けられた厚さ250μmのフィルムを得た。さらに実施例1と同様にしてフロントライトを製造し、目視観察評価した。その結果、表4に示すように、明室および暗室それぞれにおいて、フロントライトに曇りがあるため紙面が白っぽく見え、コントラストが悪かった。
製造例5で得られたメタクリル樹脂組成物のペレットを使用し、実施例2と同様にして、一方の表面に深さ2μm、直径5μmの凸部が縦横50μmの均等間隔で設けられた厚さ250μmのフィルムを得た。さらに実施例1と同様にしてフロントライトを製造し、目視観察評価した。その結果、表4に示すように、明室において、フロントライトの表面に筋状の外観欠点が目立った。
製造例6で得られたメタクリル樹脂組成物のペレットを使用し、実施例2と同様にして、一方の表面に深さ2μm、直径5μmの凸部が縦横50μmの均等間隔で設けられた厚さ250μmのフィルムを得た。さらに実施例1と同様にしてフロントライトを製造し、目視観察評価した。その結果、表4に示すように、明室において、フロントライトの表面に筋状の外観欠点が目立った。
製造例7で得られたメタクリル樹脂組成物のペレットを使用し、実施例2と同様にして、一方の表面に深さ2μm、直径5μmの凸部が縦横50μmの均等間隔で設けられた厚さ250μmのフィルムを得た。さらに実施例1と同様にしてフロントライトを製造し、目視観察評価した。その結果、表4に示すように、明室においてはフロントライトの表面に筋状の外観欠点が目立ち、暗室においてはフロントライトに曇りがあるため紙面が白っぽく見え、コントラストが悪かった。
製造例10で得られたメタクリル樹脂組成物のペレットを使用し、実施例2と同様にして、一方の表面に深さ2μm、直径5μmの凸部が縦横50μmの均等間隔で設けられた厚さ250μmのフィルムを得た。さらに実施例1と同様にしてフロントライトを製造し、目視観察評価した。その結果、表4に示すように、明室および暗室それぞれにおいて、フロントライトに曇りがあるため紙面が白っぽく見え、コントラストが悪かった。
ブロック共重合体を含まない、株式会社クラレ製メタクリル樹脂「パラペットEH」(MFR:1.3g/10分(230℃、37.3N))を使用し、実施例2と同様にして、一方の表面に深さ2μm、直径5μmの凸部が縦横50μmの均等間隔で設けられた厚さ250μmのフィルムを製造した。しかしながら前記フィルムを巻き取ろうとすると割れてしまい、巻き取る事ができなかった。
すなわち、本発明の板状成形体は、各種光学用途、特に面状光源素子に好適である。
Claims (6)
- メタクリル酸メチルに由来する構造単位を80質量%以上有するメタクリル樹脂(A)10〜99質量部、および
メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)10〜80質量%とアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)90〜20質量%とを有するブロック共重合体(B)90〜1質量部
(ただし、メタクリル樹脂(A)とブロック共重合体(B)との合計が100質量部)を含み、
前記メタクリル樹脂(A)の重量平均分子量Mw(A)、
前記メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)のうち最大の重量平均分子量Mw(b1)、および
前記アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)のうち最大の重量平均分子量Mw(b2)が、
下記(1)および(2)を満たすメタクリル樹脂組成物からなり、2つの主面のうちの少なくとも一方に凹凸構造が形成された板状成形体。
(1) 0.5≦Mw(A)/Mw(b1)≦2.5
(2) 40000≦Mw(b2)≦120000 - 前記ブロック共重合体(B)の屈折率が1.485〜1.495である請求項1に記載の板状成形体。
- 前記アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)が、アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位50〜90質量%と(メタ)アクリル酸芳香族エステルに由来する構造単位50〜10質量%とを含む請求項1または2に記載の板状成形体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の板状成形体と、該板状成形体の端面に位置する光源とを備える面状光源素子。
- ディスプレイ装置のフロントライトである請求項4に記載の面状光源素子。
- ディスプレイ装置のバックライトである請求項4に記載の面状光源素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014031884A JP6317131B2 (ja) | 2014-02-21 | 2014-02-21 | メタクリル樹脂組成物からなる板状成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014031884A JP6317131B2 (ja) | 2014-02-21 | 2014-02-21 | メタクリル樹脂組成物からなる板状成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015157876A true JP2015157876A (ja) | 2015-09-03 |
JP6317131B2 JP6317131B2 (ja) | 2018-04-25 |
Family
ID=54182120
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014031884A Active JP6317131B2 (ja) | 2014-02-21 | 2014-02-21 | メタクリル樹脂組成物からなる板状成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6317131B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018044102A (ja) * | 2016-09-16 | 2018-03-22 | 株式会社クラレ | フィルムの製造方法 |
JP2018051838A (ja) * | 2016-09-27 | 2018-04-05 | 株式会社クラレ | アクリル系フィルムの製造方法 |
JP2021066892A (ja) * | 2018-07-13 | 2021-04-30 | 旭化成株式会社 | 射出成形体、光学部品又は自動車部品 |
JP2021066893A (ja) * | 2018-07-13 | 2021-04-30 | 旭化成株式会社 | 射出成形体、光学部品又は自動車部品 |
CN114829493A (zh) * | 2019-12-27 | 2022-07-29 | 株式会社可乐丽 | 甲基丙烯酸类树脂组合物 |
JP7442520B2 (ja) | 2019-05-29 | 2024-03-04 | 株式会社クラレ | メタクリル共重合体および成形品 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010055798A1 (ja) * | 2008-11-11 | 2010-05-20 | 株式会社クラレ | 熱可塑性重合体組成物およびそれからなるシート状成形体 |
WO2012057079A1 (ja) * | 2010-10-29 | 2012-05-03 | 株式会社クラレ | メタクリル樹脂組成物及び樹脂改質剤並びに成形体 |
JP2012514212A (ja) * | 2008-12-25 | 2012-06-21 | 株式会社クラレ | アクリル系ブロック共重合体からなる光学部材 |
JP2013159099A (ja) * | 2012-02-08 | 2013-08-19 | Kuraray Co Ltd | 光学部材の製造方法 |
WO2014073216A1 (ja) * | 2012-11-09 | 2014-05-15 | 株式会社クラレ | メタクリル樹脂組成物 |
-
2014
- 2014-02-21 JP JP2014031884A patent/JP6317131B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010055798A1 (ja) * | 2008-11-11 | 2010-05-20 | 株式会社クラレ | 熱可塑性重合体組成物およびそれからなるシート状成形体 |
JP2012514212A (ja) * | 2008-12-25 | 2012-06-21 | 株式会社クラレ | アクリル系ブロック共重合体からなる光学部材 |
WO2012057079A1 (ja) * | 2010-10-29 | 2012-05-03 | 株式会社クラレ | メタクリル樹脂組成物及び樹脂改質剤並びに成形体 |
JP2013159099A (ja) * | 2012-02-08 | 2013-08-19 | Kuraray Co Ltd | 光学部材の製造方法 |
WO2014073216A1 (ja) * | 2012-11-09 | 2014-05-15 | 株式会社クラレ | メタクリル樹脂組成物 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018044102A (ja) * | 2016-09-16 | 2018-03-22 | 株式会社クラレ | フィルムの製造方法 |
JP2018051838A (ja) * | 2016-09-27 | 2018-04-05 | 株式会社クラレ | アクリル系フィルムの製造方法 |
JP2021066892A (ja) * | 2018-07-13 | 2021-04-30 | 旭化成株式会社 | 射出成形体、光学部品又は自動車部品 |
JP2021066893A (ja) * | 2018-07-13 | 2021-04-30 | 旭化成株式会社 | 射出成形体、光学部品又は自動車部品 |
JP7348217B2 (ja) | 2018-07-13 | 2023-09-20 | 旭化成株式会社 | 射出成形体、光学部品又は自動車部品 |
JP7442520B2 (ja) | 2019-05-29 | 2024-03-04 | 株式会社クラレ | メタクリル共重合体および成形品 |
CN114829493A (zh) * | 2019-12-27 | 2022-07-29 | 株式会社可乐丽 | 甲基丙烯酸类树脂组合物 |
CN114829493B (zh) * | 2019-12-27 | 2023-08-11 | 株式会社可乐丽 | 甲基丙烯酸类树脂组合物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6317131B2 (ja) | 2018-04-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6284483B2 (ja) | メタクリル樹脂組成物 | |
JP6808613B2 (ja) | メタクリル樹脂組成物 | |
JP6324406B2 (ja) | アクリル系樹脂フィルム | |
KR102221882B1 (ko) | 메타크릴 수지 조성물 | |
JP5649974B2 (ja) | 熱可塑性重合体組成物およびそれからなるシート状成形体 | |
JP6317131B2 (ja) | メタクリル樹脂組成物からなる板状成形体 | |
JP7009377B2 (ja) | メタクリル樹脂組成物 | |
JP6345086B2 (ja) | 樹脂組成物および成形体 | |
JP6909209B2 (ja) | メタクリル樹脂組成物および成形体 | |
JP6571111B2 (ja) | 加飾用複層シートおよび立体成型体 | |
JP7184793B2 (ja) | メタクリル樹脂、メタクリル樹脂組成物及び成形体 | |
JP7187482B2 (ja) | メタクリル樹脂組成物、成形体およびフィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20161222 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170720 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170829 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20171027 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180327 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180329 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6317131 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |