JP2015157283A - 海水淡水化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】夜間余っている蒸気タービンプラントの余剰エネルギを海水淡水化に利用し、海水淡水化装置の消費エネルギ低減や薬品注入量の低減を図る。【解決手段】蒸気タービン1からの抽気蒸気8により小型蒸気タービン49を駆動させ、その発生動力で逆浸透膜18に流入する海水を高圧化する浸透圧ポンプ7等を駆動させるか、又は抽気蒸8気により、逆浸透膜18に流入する海水や海水から固体物を取り除く前処理膜15の洗浄水を加熱する事ができる構成とし、夜間余っている蒸気タービンプラントのエネルギを海水淡水化に利用し、海水淡水化装置の消費エネルギ低減や薬品注入量低減を図る。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、海水を淡水化する海水淡水化装置に関する。
逆浸透膜を用いた海水淡水化装置が知られている。この海水淡水化装置は、海水を海水ポンプにて搬送し、前処理膜に流入させる。前処理膜は例えば中空糸膜であり、海水は濾過により固体物が取り除かれた濾過水になる。濾過水は、例えば6MPa超の浸透圧ポンプにより昇圧され高圧海水になり、逆浸透膜に流入する。逆浸透膜により高圧海水は、膜を通過する淡水と通過しない濃縮海水に分離される。このように飲料水に利用するための淡水を得ている。
蒸気タービンプラントにおいては、給水ポンプにより水がボイラに搬送され、そこで加熱される事で蒸気に変化する。ボイラは例えば石炭を燃料とし発生した燃焼排ガスによって水を加熱する。蒸気は蒸気タービンに流入し、蒸気タービン内部にて膨張し、圧力、温度ともに低下する。
タービン排気は復水器に流入する。タービン排気は復水器にて海水により冷却され水になり、循環する。海水は海水ポンプにて復水器に搬送されている。膨張していく蒸気によって回転する蒸気タービンの回転軸は発電機に接続されており、発生した軸動力を用いて
発電機にて発電される。
特開昭52−27067号公報 特許第4475925号公報
電力需要は時間帯によって異なり、夜間は電力余剰状態にある。一部の発電所では夜間発電しなくてもよい状態にあるが、ボイラは容易に停止したり運転開始したりできず運転し続けたい。そこで一部の発電所では夜間、ボイラや蒸気タービンを部分負荷運転する事で発電量を減らしている。
夜間余っている蒸気タービンプラントのエネルギを、海水淡水化に利用したい。余剰エネルギを利用できれば、海水淡水化の消費エネルギ低減が図られる。更に、余剰エネルギとして熱が利用できれば逆洗浄に用いる洗浄水を加熱することで、洗浄に用いられる薬品注入量の低減が図られる。又、昼間電力を低減する事で、電力平準化になる。尚、蒸気タービンプラント、海水淡水化装置はともに海水を用いるため、海の近くに設置されている。
本発明が解決しようとする課題は、電力需要に応じて、蒸気タービンプラントの余剰エネルギを海水淡水化に利用できる海水淡水化装置を提供する。
課題を解決するため、一実施形態の海水淡水化装置は、次のように構成されている。海水を淡水化する逆浸透膜を備え、逆浸透膜に海水を圧送する浸透圧ポンプと、蒸気タービンから抽気した抽気蒸気で駆動される小型蒸気タービンの駆動軸に連結され、小型蒸気タービンの駆動により海水を前記逆浸透膜に圧送する第2の浸透圧ポンプと、を備えている。
第1実施形態にかかる海水淡水化装置の全体を示す構成図。 第2実施形態にかかる海水淡水化装置の全体を示す構成図。 第3実施形態にかかる海水淡水化装置の全体を示す構成図。 第4実施形態にかかる海水淡水化装置の全体を示す構成図。 第5実施形態にかかる海水淡水化装置の全体を示す構成図。 第6実施形態にかかる海水淡水化装置の全体を示す構成図。 第7実施形態にかかる海水淡水化装置の全体を示す構成図。 第1の技術にかかる蒸気タービンプラントを示す概略図。 第2の技術にかかる蒸気タービンプラントを示す概略図。 第3の技術にかかる海水淡水化装置を示す概略図。 第4の技術にかかる海水淡水化装置を示す概略図。 第5の技術にかかる海水淡水化装置を示す概略図。 第6の技術にかかる海水淡水化装置を示す概略図。 第7の技術にかかる海水淡水化装置を示す概略図。
<第1の技術>
以下、本実施形態を説明するにあたり、各実施形態の前提となる第1〜第7の技術を、図を用いて説明する。第1の技術にかかる蒸気タービンプラントを、図8を用いて説明する。第1の技術にかかる蒸気タービンプラントでは、水6は、給水ポンプ7によりボイラ3に搬送され、そこで加熱される事で蒸気2に変化する。ボイラ3は、例えば石炭を燃料とし発生した燃焼排ガスによって水6を加熱する。蒸気2は、蒸気タービン1に流入し、蒸気タービン1内部にて膨張し、圧力、温度ともに低下する。
タービン排気4は、復水器5に流入する。タービン排気4は復水器5にて海水により冷却され水6になり、循環する。図示していないが、海水は海水ポンプにて復水器5に搬送されている。膨張していく蒸気2によって回転する蒸気タービン1の回転軸は図示していない発電機に接続されており、発生した軸動力を用いて発電機にて発電される。
<第2の技術>
第2の技術である蒸気タービンプラントを、図9を用いて説明する。第1の技術と異なる部分のみ説明する。これは、蒸気タービン1の途中段にて抽気蒸気8を抽気し、給水加熱器9に流入させる。タービン排気4は、復水器5にて海水により冷却され復水10になり、給水加熱器9に流入し、そこで抽気蒸気8の熱によって加熱される。
抽気蒸気8は給水加熱器9で冷却されドレン11になり、ドレンポンプ12により搬送され、給水加熱器9を通過した復水10に合流する。合流した水は水6としてボイラ3に流入する。第1の技術と比較してカルノーサイクルにより近くなりタービンサイクル効率が高くなる。
<第3の技術>
第3の技術である海水淡水化装置を、図10を用いて説明する。これは、海水13を海水ポンプ14にて搬送し、前処理膜15に流入させる。前処理膜15は例えば中空糸膜であり、海水13は濾過により固体物が取り除かれた前処理膜後海水16になる。前処理膜後海水16は、例えば6MPa超の浸透圧ポンプ17により昇圧され高圧海水22になり、逆浸透膜18に流入する。逆浸透膜18により高圧海水22は、膜を通過する淡水19と通過しない濃縮海水24に分離される。このように飲料水に利用するための淡水19を得る。
<第4の技術>
第4の技術である海水淡水化装置を、図11を用いて説明する。第3の技術と異なる部分のみ説明する。これは、前処理膜後海水16を第2の濾過水21と第3の濾過水25に分岐させ、それぞれ浸透圧ポンプ17と第2の浸透圧ポンプ23で昇圧させた後、合流させて高圧海水22にする。濃縮海水24は高圧なので羽根車26に流入させると羽根車26を回転駆動させ低圧となる。第2の浸透圧ポンプ23と羽根車26の回転軸は直接的あるいは間接的に接続されており、羽根車26の回転により第2の浸透圧ポンプ23は回転駆動する。よって、第3の技術と比較し、浸透圧ポンプ17の必要動力、即ち消費電力が
低減される。
<第5の技術>
第5の技術である海水淡水化装置を、図12を用いて説明する。第3の技術と異なる部分のみ説明する。これは、通常運転では、開閉弁27、28を開き、開閉弁76、78、34を閉じる。以下、開閉弁27等は、流路を開閉させるとともに、流路の分岐手段もしくは停止手段として機能する。逆洗ポンプ77は停止し、他のポンプは全て運転する。
前処理膜後海水16は濾過水槽75に一旦入り、そこから浸透圧ポンプ17で昇圧されながら搬送される。前処理膜15には取り除いた固体物が堆積するため、膜が詰まっていき海水13が流れにくくなっていく。そこで膜差圧がある程度大きくなるか、ある程度時間経過したら、逆洗運転を以下のように実施する。
海水ポンプ14を停止し、開閉弁27、28を閉止する。そして開閉弁76、78、34を開き、逆洗ポンプ77を運転し、濾過水槽75からの洗浄水79を前処理膜15に流す。洗浄水79は海水13と逆方向に流れるため、膜に堆積した固体物は洗浄水79に乗って、図示していない洗浄排水槽に排出される。このように前処理膜15を水流によって逆洗する事ができる。尚、逆洗を繰り返しても前処理膜15の差圧はある程度の割合で上昇していくので、充分に差圧が上昇したら、薬品を用いた洗浄も実施する。尚、逆洗運転中も浸透圧ポンプ17は運転し、濾過水槽75に貯蔵されている前処理膜後海水16を昇圧しながら搬送し、淡水化処理を継続する。
<第6の技術>
第6の技術である海水淡水化装置を、図13を用いて説明する。第5の技術と異なる部分のみ説明する。これは、通常運転では、開閉弁27、28を開き、開閉弁76、78、35、36、34を閉じる。逆洗ポンプ77、第2の逆洗ポンプ32は停止し、他のポンプは全て運転する。ヒータ80は例えば電気ヒータであり、通常は作動させない。前処理膜後海水16は濾過水槽75に一旦入り、そこから浸透圧ポンプ17で昇圧されながら搬送される。淡水19は淡水水槽29に流入し、そこから淡水ポンプ30により第2の淡水31として適当量が取り出される。前処理膜15には取り除いた固体物が堆積するため、膜が詰まっていき海水13が流れにくくなっていく。そこで膜差圧がある程度大きくなるかある程度時間経過したら、逆洗運転を以下のように実施する。
海水ポンプ14を停止し、開閉弁27、28を閉止する。そして開閉弁76、78、34を開き、逆洗ポンプ77を運転し、濾過水槽75からの洗浄水79を前処理膜15に流す。洗浄水79は海水13と逆方向に流れるため、膜に堆積した固体物は洗浄水79に乗って、図示していない洗浄排水槽に排出される。さて、逆洗運転の実施の内、幾つか例えば数回に1回においては、以下のように実施する。
海水ポンプ14を停止し、開閉弁27、28、76、78を閉止する。そして開閉弁34、35、36を開き、第2の逆洗ポンプ32を運転し、ヒータ80を作動させ第2の洗浄水33を加熱する。濾過水槽75からの洗浄水79を加熱せず、淡水水槽29からの第2の洗浄水33を加熱するのは、海水成分によるヒータ80の腐食を防止するためであり、洗浄水加熱器63を開閉弁76と開閉弁78の間に配置し、洗浄水79を加熱してもよい。
淡水水槽29からの第2の洗浄水33を前処理膜15に流すが、前処理膜15に流入する時点では温水である。第2の洗浄水33は海水13と逆方向に流れるため、膜に堆積した固体物は第2の洗浄水33に乗って、図示していない洗浄排水槽に排出される。
このように前処理膜15を、水流によって逆洗する事ができる。逆洗を繰り返しても前処理膜15の差圧はある程度の割合で上昇していくので、充分に差圧が上昇したら、薬品を用いた洗浄も実施する。前処理膜15は温水で逆洗すると洗浄効果が大きいため、加熱された第2の洗浄水33を用いることで、薬品を用いた洗浄が必要になる値まで膜差圧が上昇する時間が延びる。
よって、薬品を用いた洗浄を実施する時間間隔は第5の技術よりも長くなり、1日当たりの薬品注入量が低減される。尚、温水によるか否かに関わらず逆洗運転中も浸透圧ポンプ17は運転し、濾過水槽75に貯蔵されている前処理膜後海水16を昇圧しながら搬送し、淡水化処理を継続する。
<第7の技術>
第7の技術である海水淡水化装置を、図14を用いて説明する。第3〜6の技術と異なる部分のみ説明する。これは、通常運転時は、開閉弁27、28、47を開き、開閉弁76、78、34、35、36を閉じ、逆洗ポンプ77、第2の逆洗ポンプ32を停止し、ヒータ80を作動させない。海水13は第2の海水ポンプ40により沈砂池39に流入し、一部の砂が取り除かれる。その後、第3の海水ポンプ38により砂濾過器37に流入し、残りの砂が取り除かれる。その後、第2の海水41となり調整水槽42に流入する。
淡水19は第3の浸透圧ポンプ44によりやや高圧に昇圧され第2の逆浸透膜45に流入する。第2の逆浸透膜45により淡水19は、膜を通過する第3の淡水46と通過しない第2の濃縮海水20に分離される。第3の淡水46は淡水水槽29に流入し、第2の濃縮海水20は調整水槽42に流入する。
逆洗運転は第6の技術のように実施し、逆洗運転中も浸透圧ポンプ17、第3の浸透圧ポンプ44は運転し、濾過水槽75に貯蔵されている前処理膜後海水16、あるいは淡水水槽29内の淡水19を昇圧しながら搬送し、淡水化処理を継続する。尚、殺菌剤、凝集剤、スケール抑制剤、還元剤、pH調整剤を図14のフロー中の適切な場所にて、それぞれ注入する。このように飲料水に利用するための第2の淡水31を得る。
次に、海水淡水化装置の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態にかかる海水淡水化装置を、図1を用いて説明する。第1〜3の技術と異なる部分のみ説明する。第1実施形態は、請求項1、12、13に対応している。
第1実施形態にかかる海水淡水化装置は、夜間、以下のように運転する。開閉弁48、53、54を開く。尚、開閉弁51、52を閉じて浸透圧ポンプ17を停止するシステム構成にしても、夜間も昼間と同様に開閉弁51、52を開いて浸透圧ポンプ17を運転するシステム構成にしてもよい。
抽気蒸気8を小型蒸気タービン49に流入させる。抽気蒸気8は小型蒸気タービン49内部にて膨張し、圧力、温度ともに低下し、小型タービン排気50は復水器5に流入する。第2の浸透圧ポンプ23と小型蒸気タービン49の回転軸は直接的あるいは間接的に接続されており、小型蒸気タービン49の回転により第2の浸透圧ポンプ23は回転駆動する。
第4の技術では第2の浸透圧ポンプ23を羽根車26の回転によって駆動させていたが、第1実施形態では小型蒸気タービン49の回転によって駆動させる。又、説明していない技術に、小型蒸気タービン49の回転によって給水ポンプ7を駆動させる技術も存在する。
夜間は、抽気蒸気8を小型蒸気タービン49に流入させることにより、抽気蒸気8が抽気される段以降にて蒸気タービン1の蒸気流量が減少している上、抽気蒸気8は水6の加熱を実施していないため、蒸気タービンサイクルの発電出力も発電効率も低下するが、電力余剰なので問題ない。第1実施形態にかかる海水淡水化装置は第3の技術と比較し、浸透圧ポンプ17の必要動力、即ち消費電力が低減されるか、又は不要になる。
第1実施形態にかかる海水淡水化装置は、昼間は、開閉弁48、53、54を閉じ、小型蒸気タービン49と第2の浸透圧ポンプ23を駆動させずに、蒸気タービンプラント、海水淡水化装置ともに通常の運転を実施するが、どちらも問題は生じない。
尚、第1実施形態に第4〜7の技術を適用してもよい。第1実施形態では第2の浸透圧ポンプ23は浸透圧ポンプ17と並列だが、浸透圧ポンプであればどれと並列させてもよく、第7の技術でいう第3の浸透圧ポンプ44と並列にさせてもよい。又、抽気蒸気8を給水加熱器9向けと小型蒸気タービン49向けに分岐手段により分岐し、夜間は後者のみに昼間は前者のみに流通させるよう切替える構成にしてもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態を、図2を用いて説明する。第1〜3の技術と異なる部分のみ説明する。第2実施形態は、請求項2、3、12、13に対応している。
第2実施形態にかかる海水淡水化装置は、夜間、以下のように運転する。開閉弁48、54を開いて第4の海水ポンプ67を運転する。尚、開閉弁53を閉じて第2の海水ポンプ40を停止するシステム構成にしても、夜間も昼間と同様に開閉弁53を開いて第2の海水ポンプ40を運転するシステム構成にしてもよい。
海水13、第4の海水55は合流し第2の海水41となり調整水槽42に流入する。その後、海水ポンプ14により前処理膜15に搬送される。第4の海水ポンプ67と小型蒸気タービン49の回転軸は直接的あるいは間接的に接続されており、小型蒸気タービン49の回転により第4の海水ポンプ67は回転駆動する。
夜間は、抽気蒸気8が抽気される段以降にて蒸気タービン1の蒸気流量が減少している上、抽気蒸気8は水6の加熱を実施していないため、蒸気タービンサイクルの発電出力も発電効率も低下するが、電力余剰なので問題ない。海水淡水化装置としては第2の海水ポンプ40の必要動力、即ち消費電力が低減されるか、又は不要になる。
昼間は、開閉弁48、54を閉じ、小型蒸気タービン49と第4の海水ポンプ67を駆動させない。夜間、開閉弁53を閉じて第2の海水ポンプ40を停止するシステム構成の場合は、昼間、開閉弁53を開き第2の海水ポンプ40を運転する。蒸気タービンプラント、海水淡水化装置ともに通常の運転を実施するが、どちらも問題は生じない。
尚、第2実施形態に第4〜7の技術を適用してもよい。抽気蒸気8を給水加熱器9向けと小型蒸気タービン49向けに分岐し、夜間は後者のみに昼間は前者のみに流通させるよう切替える構成にしてもよい。又、海水淡水化の方法は逆浸透膜を用いる方法である必要はない。
<第3実施形態>
第3実施形態を、図3を用いて説明する。第1〜3の技術と異なる部分のみ説明する。第3実施形態は、請求項2、4、5、12、13に対応している。
第3実施形態にかかる海水淡水化装置は、夜間、以下のように運転する。開閉弁48、53、54を開く。尚、開閉弁51、52を閉じて海水ポンプ14を停止するシステム構成にしても、夜間も昼間と同様に開閉弁51、52を開いて海水ポンプ14を運転するシステム構成にしてもよい。第2の海水ポンプ40により海水13は調整水槽42に流入する。調整水槽42から流出した第5の海水56は、海水ポンプ14で搬送される第6の海水57と、第4の海水ポンプ67で搬送される第7の海水58に分岐しその後、合流し第8の海水68となり前処理膜15に流入する。
第4の海水ポンプ67と小型蒸気タービン49の回転軸は直接的、あるいは間接的に接続されており、小型蒸気タービン49の回転により第4の海水ポンプ67は回転駆動する。夜間は、抽気蒸気8が抽気される段以降にて蒸気タービン1の蒸気流量が減少している
上、抽気蒸気8は水6の加熱を実施していないため、蒸気タービンサイクルの発電出力も発電効率も低下するが、電力余剰なので問題ない。海水淡水化装置は第3の技術と比較し、浸透圧ポンプ17の必要動力即ち消費電力が低減されるか、又は不要になる。
昼間は、開閉弁48、53、54を閉じ、小型蒸気タービン49と第4の海水ポンプ67を駆動させずに、蒸気タービンプラント、海水淡水化装置ともに通常の運転を実施するが、どちらも問題は生じない。抽気蒸気8を給水加熱器9向けと小型蒸気タービン49向けに分岐し、夜間は後者のみに昼間は前者のみに流通させるよう切替える構成にしてもよい。
尚、第3実施形態に第4〜7の技術や第1、2実施形態の技術を適用してもよい。第3実施形態では第4の海水ポンプ67は海水ポンプ14と並列だが、海水や淡水を搬送するポンプであればどのポンプと並列させてもよく、第7の技術でいう、第2の海水ポンプ40、第3の海水ポンプ38、淡水ポンプ30と並列させてもよい。淡水ポンプ30と並列にした場合が請求項5に対応する。又、海水淡水化の方法は逆浸透膜を用いる方法である必要はない。
<第4実施形態>
第4実施形態を、図4を用いて説明する。第1、2、5の技術と異なる部分のみ説明する。第4実施形態は、請求項6、9、12、13に対応する。
夜間にて前処理膜15の逆洗運転を実施する時、第4実施形態にかかる海水淡水化装置は、以下のように運転する。開閉弁27、28、48を閉じ、開閉弁34、61、70、74を開き、海水ポンプ14、ドレンポンプ12を停止する。尚、開閉弁76、78を閉じて逆洗ポンプ77を停止するシステム構成にしても、夜間の逆洗運転も昼間の逆洗運転と同様に開閉弁76、78を開いて逆洗ポンプ77を運転するシステム構成にしてもよい。第3の逆洗ポンプ71と小型蒸気タービン49の回転軸は直接的あるいは間接的に接続されており、小型タービン向け抽気蒸気60による小型蒸気タービン49の回転により第3の逆洗ポンプ71は回転駆動し、淡水水槽29からの第2の洗浄水33を前処理膜15に流す。
夜間は、抽気蒸気8が抽気される段以降にて蒸気タービン1の蒸気流量が減少している上、抽気蒸気8は水6の加熱を実施していないため、蒸気タービンサイクルの発電出力も発電効率も低下するが、電力余剰なので問題ない。海水淡水化装置は第5の技術と比較し、第2の逆洗ポンプ32の必要動力即ち消費電力が低減されるか、又は不要になる。
昼間にて前処理膜15の逆洗運転を実施する時、以下のように運転する。開閉弁27、28、70、74、61を閉じ、開閉弁34、76、78、48を開き、逆洗ポンプ77、海水ポンプ14、ドレンポンプ12を運転する。小型蒸気タービン49と第3の逆洗ポンプ71を駆動させずに、蒸気タービンプラントは通常の運転を、海水淡水化装置は通常の逆洗運転を実施するが、どちらも問題は生じない。この時、加熱器向け抽気蒸気59により給水加熱器9にて復水10は加熱される。
夜間や昼間にて前処理膜15の逆洗運転を実施しない時は、以下のように運転する。開閉弁27、28、48を開き、開閉弁34、76、78、70、74、61を閉じ、第2の逆洗ポンプ32を停止し海水ポンプ14、ドレンポンプ12を運転する。小型蒸気タービン49と第3の逆洗ポンプ71を駆動させずに、蒸気タービンプラント、海水淡水化装置ともに通常の運転を実施するが、どちらも問題は生じない。
この時、加熱器向け抽気蒸気59により給水加熱器9にて復水10は加熱される。尚、温水によるか否かに関わらず夜間や昼間の逆洗運転中も浸透圧ポンプ17は運転し、濾過水槽75に貯蔵されている前処理膜後海水16を昇圧しながら搬送し、淡水化処理を継続する。
第4実施形態では、抽気蒸気8を加熱器向け抽気蒸気59と小型タービン向け抽気蒸気61に分岐しているが、分岐させず全量、小型タービン向け抽気蒸気61にし、加熱器向け抽気蒸気59をなくしてもよい。
しかし、逆洗運転の開始と終了までの時間が短時間であるため、抽気蒸気8の流通有無が短時間で切り替わる事になる。その時、蒸気タービン1や蒸気タービンサイクルの状態変化が激しくなるので、それを避けるため第4実施形態では、抽気蒸気8の流通は続けたままで、小型タービン向け抽気蒸気60と加熱器向け抽気蒸気59を切替手段により切替える構成にしている。又、開閉弁48、61を流量調節弁とし、加熱器向け抽気蒸気59、小型タービン向け抽気蒸気60それぞれの流量を調節しながら切替えるようにしてもよい。
尚、第4実施形態に第4、6、7の技術や第1〜3実施形態の技術を適用してもよく、例えば第6、7の技術における第2の逆洗ポンプ32と小型蒸気タービン49の回転軸を直接的あるいは間接的に接続させてもよい。又、海水淡水化の方法は逆浸透膜を用いる方法である必要はない。
<第5実施形態>
第5実施形態を、図5を用いて説明する。第1〜3の技術と異なる部分のみ説明する。第5実施形態は、請求項7、12に対応する。
第5実施形態にかかる海水淡水化装置は、夜間、以下のように運転する。開閉弁48を開き、抽気蒸気8を海水加熱器62に流入させる。前処理膜後海水16は海水加熱器62にて抽気蒸気8にて加熱される。抽気蒸気8は海水加熱器62にて温度低下した後、復水器5に流入する。前処理膜後海水16は水温上昇により粘性が低下し、逆浸透膜18の膜透過性が上がるので、浸透圧ポンプ17の必要動力即ち消費電力が低減される。例えば前処理膜後海水16が20℃から25℃に水温上昇すると、0.2kWh/m3低減される。ただし、水温上昇により膜阻止率が低下し処理水質は悪化する作用もあるので、水温上昇は大きいほど良いという事ではないので、適当量、水温上昇させる。
夜間は、抽気蒸気8を海水加熱器62に流入させることにより、抽気蒸気8が抽気される段以降にて蒸気タービン1の蒸気流量が減少している上、抽気蒸気8は水6の加熱を実施していないため、蒸気タービンサイクルの発電出力も発電効率も低下するが、電力余剰なので問題ない。海水淡水化装置は第3の技術と比較し、浸透圧ポンプ17の必要動力即ち消費電力が低減される。昼間は、開閉弁48を閉じ、蒸気タービンプラント、海水淡水化装置ともに通常の運転を実施するが、どちらも問題は生じない。
尚、第5実施形態に第4〜7の技術や第1〜4実施形態の技術を適用してもよい。抽気蒸気8を給水加熱器9向けと海水加熱器62向けに分岐し、夜間は後者のみに昼間は前者のみに流通させるよう切替える構成にしてもよい。
<第6実施形態>
第6実施形態を、図6を用いて説明する。第1、2、5の技術と異なる部分のみ説明する。第6実施形態は、請求項8、9、12に対応する。
第6実施形態にかかる海水淡水化装置は、夜間にて前処理膜15の逆洗運転として温水洗浄を実施する時、以下のように運転する。開閉弁27、28、76、78を閉じ、開閉弁34、35、36、48を開き、海水ポンプ14、逆洗ポンプ77を停止し、第2の逆洗ポンプ32を運転し、ヒータ80を作動させない。抽気蒸気8を洗浄水加熱器63に流入させ、第2の洗浄水33は抽気蒸気8にて加熱される。抽気蒸気8は洗浄水加熱器63にて温度低下した後、復水器5に流入する。前処理膜15は温水で逆洗すると、洗浄効果が大きいため、加熱された第2の洗浄水33を用いる事で、薬品を用いた洗浄が必要になる値まで膜差圧が上昇する時間が延びる。
夜間は、抽気蒸気8を洗浄水加熱器63に流入させることにより、抽気蒸気8が抽気される段以降にて蒸気タービン1の蒸気流量が減少している上、抽気蒸気8は水6の加熱を実施していないため、蒸気タービンサイクルの発電出力も発電効率も低下するが、電力余剰なので問題ない。海水淡水化装置は第5の技術と同様に、薬品を用いた洗浄の時間間隔が延び、夜間の薬品注入量の総量が減る。第5の技術と比較するならば、ヒータ80の夜間の消費エネルギ、例えば電気ヒータの消費電力がなくなる。濾過水槽75からの洗浄水79を加熱せず、淡水水槽29からの第2の洗浄水33を加熱するのは、海水成分による洗浄水加熱器63の腐食を防止するためであり、洗浄水加熱器63を開閉弁76と開閉弁78の間に配置し、洗浄水79を加熱してもよい。
昼間にて前処理膜15の逆洗運転として温水洗浄を実施する時は、夜間にて逆洗運転する状態から、開閉弁48を閉止し、ヒータ80を作動させる。蒸気タービンプラントは通常の運転を、海水淡水化装置は通常のヒータ80で加熱した温水による逆洗運転を実施するが、どちらも問題は生じない。
夜間や昼間にて前処理膜15の逆洗運転として温水洗浄を実施しない時は、昼間にて温水による逆洗運転する状態から、開閉弁35、36を閉じ開閉弁76、78を開き、第2の逆洗ポンプ32を停止し逆洗ポンプ77を運転し、ヒータ80を作動させない。蒸気タービンプラントは通常の運転を、海水淡水化装置は通常の逆洗運転を実施するが、どちらも問題は生じない。尚、温水によるか否かに関わらず夜間や昼間の逆洗運転中も浸透圧ポンプ17は運転し、濾過水槽75に貯蔵されている前処理膜後海水16を昇圧しながら搬送し、淡水化処理を継続する。
夜間や昼間にて前処理膜15の逆洗運転を実施しない時は、以下のように運転する。開閉弁27、28を開き、開閉弁34、35、36、76、78、48を閉じ、第2の逆洗ポンプ32、逆洗ポンプ77を停止し海水ポンプ14を運転し、ヒータ80を作動させない。蒸気タービンプラント、海水淡水化装置ともに通常の運転を実施するが、どちらも問題は生じない。
第6実施形態では、昼間に温水を用いた逆洗運転が可能な構成としているが、ヒータ80を設置しないで、昼間は温水を用いた逆洗運転ができない構成にしてもよく、その場合は第4の技術と比較し、夜間において第5の技術と同様の効果がある。尚、第6実施形態に第4〜7の技術や第1〜5実施形態の技術を適用してもよい。抽気蒸気8を給水加熱器9向けと海水加熱器62向けに分岐し、夜間は後者のみに昼間は前者のみに流通させるよう切替える構成にしてもよい。又、海水淡水化の方法は逆浸透膜を用いる方法である必要はない。
<第7実施形態>
第7実施形態を、図7を用いて説明する。第7実施形態は、請求項7、8、9、10、11、12に対応する。第7実施形態にかかる海水淡水化装置では、抽気蒸気8を、加熱器向け抽気蒸気59と第2の抽気蒸気66と第3の抽気蒸気69に分岐する。給水加熱器9、海水加熱器62、洗浄水加熱器63にて加熱する場合は、それぞれ開閉弁48、64、65を開く。洗浄水加熱器63によって濾過水槽75からの洗浄水79を加熱せず、淡水水槽29からの第2の洗浄水33を加熱するのは、海水成分による洗浄水加熱器63の腐食を防止するためであり、洗浄水加熱器63を開閉弁76と開閉弁78の間に配置し、洗浄水79を加熱してもよい。
逆洗運転の開始と終了までの時間が短時間であるため、洗浄水加熱器63を通過する第3の抽気蒸気69の流通有無が短時間で切り替わることになる。そのとき、蒸気タービンや蒸気タービンサイクルの状態変化が激しくなるので、それを避けるため、第7実施形態では、抽気蒸気8の流通は続けたままとする。
すなわち、加熱器向け抽気蒸気59、第2の抽気蒸気66の内、少なくとも一方の流通が存在した状態で、第3の抽気蒸気69の流通をなくす。又、開閉弁48、64、65を流量調整弁とし、加熱器向け抽気蒸気59、第2の抽気蒸気66、第3の抽気蒸気69それぞれの流量を調節しながら切り替えるようにしてもよい。第5実施形態の技術と第6実施形態の技術の効果がともにある。尚、第7実施形態に第4〜7の技術や第1〜4実施形態の技術を適用してもよい。
<第8実施形態>
第8実施形態を説明する。第8実施形態は、請求項14に対応する。第1〜7実施形態において、第8実施形態にかかる海水淡水化装置は、システム運転を以下のようにする。電力需要が第1の所定値より大きい時は抽気蒸気8の全量、又は一部を給水加熱器9向け以外には使用しない運転を実施する。開閉弁48を閉じ、抽気蒸気8を流通させなくてもよい。電力需要が第2の所定値より小さい時には、抽気蒸気8の全量、又は一部を小型蒸気タービン49、又は海水加熱器62、又は洗浄水加熱器63に流通させるシステム運転を、連続的あるいは断続的に実施する。第2の所定値は第1の所定値より小さいか同じである。電力需要の所定値を設けて、運転パターン切替えの目安とする。
<第9実施形態>
第9実施形態を説明する。第9実施形態は、請求項15に対応する。第1〜7実施形態において、第9実施形態にかかる海水淡水化装置は、システム運転を以下のようにする。蒸気タービン1による発電量が第4の所定値より小さい時は抽気蒸気8の全量、又は一部を給水加熱器9向け以外には使用しない運転を実施する。開閉弁48を閉じ、抽気蒸気8を流通させなくてもよい。発電量が第3の所定値より大きい時には、抽気蒸気8の全量、
又は一部を小型蒸気タービン49、又は海水加熱器62、又は洗浄水加熱器63に流通させるシステム運転を、連続的あるいは断続的に実施する。第4の所定値は第3の所定値より小さいか同じである。発電量の所定値を設けて、運転パターン切替えの目安とする。
<第10実施形態>
第10実施形態を説明する。第10実施形態は、請求項16に対応する。第2実施形態において、第10実施形態にかかる海水淡水化装置は、システム運転を以下のようにする。
電力需要が第1の所定値より大きい時は開閉弁48、54を閉じ、第4の海水ポンプ67を駆動させない。さらに開閉弁53を閉じて第2の海水ポンプ40も停止し、調整水槽42に貯蔵されている海水のみを淡水化処理する。
電力需要が第2の所定値より小さい時には、開閉弁48、54を開き、第4の海水ポンプ67を駆動させ、海から搬送した第4の海水55を淡水化処理する。尚、開閉弁53を閉じて第2の海水ポンプ40を停止するシステム構成にしても、開閉弁53を開いて第2の海水ポンプ40を運転するシステム構成にして海水13も淡水化処理してもよい。第2の所定値は第1の所定値より小さいか同じである。第10実施形態では第2の海水ポンプ40はなくてもよいが、仮の蒸気タービンサイクルがメンテナンス等で運転不可の場合は、第4の海水55が搬送できないので、第2の海水ポンプ40も設置するのがよい。第2実施形態の効果に加えて、電力需要の多い時の電力消費を低減し電力平準化が図られる。
<第11実施形態>
第11実施形態を説明する。第11実施形態は、請求項17に対応する。第2実施形態において、第11実施形態にかかる海水淡水化装置は、システム運転を以下のようにする。
蒸気タービン1による発電量が第4の所定値より小さい時は開閉弁48、54を閉じ、第4の海水ポンプ67を駆動させない。さらに開閉弁53を閉じて第2の海水ポンプ40も停止し、調整水槽42に貯蔵されている海水のみを淡水化処理する。
発電量が第3の所定値より大きい時には、開閉弁48、54を開き、第4の海水ポンプ67を駆動させ、海から搬送した第4の海水55を淡水化処理する。尚、開閉弁53を閉じて第2の海水ポンプ40を停止するシステム構成にしても、開閉弁53を開いて第2の海水ポンプ40を運転するシステム構成にして海水13も淡水化処理してもよい。第4の所定値は第3の所定値より小さいか同じである。第11実施形態では第2の海水ポンプ40はなくてもよいが、仮の蒸気タービンサイクルがメンテナンス等で運転不可の場合は、第4の海水55が搬送できないので、第2の海水ポンプ40も設置するのがよい。第2実施形態の効果に加えて、電力需要の多い時の電力消費を低減し電力平準化が図られる。
以上説明したように、本実施形態によれば、電力需要に応じて、蒸気タービンプラントの余剰エネルギを海水淡水化に利用できる海水淡水化装置を提供することができる。尚、実施形態では、逆浸透膜18、前処理膜15としたが、これらは、内部に逆浸透膜、もしくは前処理膜を備え、これらで内部を区画し、これら膜による浸透圧を利用した機器を指している。又、本実施形態は制御装置を備え、制御装置からの指示で作動するものとしてもよい。
1…蒸気タービン、2…蒸気、3…ボイラ、4…タービン排気、5…復水器、6…水、7…給水ポンプ、8…抽気蒸気、9…給水加熱器、10…復水、11…ドレン、12…ドレンポンプ、13…海水、14…海水ポンプ、15…前処理膜、16…前処理膜後海水、17…浸透圧ポンプ、18…逆浸透膜、19…淡水、20…第2の濃縮海水、21…第2の濾過水、22…高圧海水、23…第2の浸透圧ポンプ、24…濃縮海水、25…第3の濾過水、26…羽根車、27…開閉弁、28…開閉弁、29…淡水水槽、30…淡水ポンプ、31…第2の淡水、32…第2の逆洗ポンプ、33…第2の洗浄水、34…開閉弁、35…開閉弁、36…開閉弁、37…砂濾過器、38…第3の海水ポンプ、39…沈砂池、40…第2の海水ポンプ、41…第2の海水、42…調整水槽、43…第3の海水、44…第3の浸透圧ポンプ、45…第2の逆浸透膜、46…第3の淡水、47…開閉弁、48…開閉弁、49…小型蒸気タービン、50…小型タービン排気、51…開閉弁、52…開閉弁、53…開閉弁、54…開閉弁、55…第4の海水、56…第5の海水、57…第6の海水、58…第7の海水、59…加熱器向け抽気蒸気、60…小型タービン向け抽気蒸気、61…開閉弁、62…海水加熱器、63…洗浄水加熱器、64…開閉弁、65…開閉弁、66…第2の抽気蒸気、67…第4の海水ポンプ、68…第8の海水、69…第3の抽気蒸気、70…開閉弁、71…第3の逆洗ポンプ、72…第3の洗浄水、73…第4の洗浄水、74…開閉弁、75…濾過水槽、76…開閉弁、77…逆洗ポンプ、78…開閉弁、79…洗浄水、80…ヒータ
一実施形態に係る海水淡水化装置は、蒸気タービンと複合し、かつ逆浸透膜を用いて淡水化を実施する海水淡水化装置であり、前記蒸気タービンからの抽気蒸気により、前記逆浸透膜に流入する海水を加熱する海水加熱器を備え、前記逆浸透膜に流入する海水を加熱することが可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、電力需要に応じて、蒸気タービンプラントの余剰エネルギを海水淡水化に利用できる海水淡水化装置を提供することができる。尚、実施形態では、逆浸透膜18、前処理膜15としたが、これらは、内部に逆浸透膜、もしくは前処理膜を備え、これらで内部を区画し、これら膜による浸透圧を利用した機器を指している。又、本実施形態は制御装置を備え、制御装置からの指示で作動するものとしてもよい。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
蒸気タービンと複合し、かつ逆浸透膜を用いて海水の淡水化を実施する海水淡水化装置であり、
前記蒸気タービンからの抽気蒸気により駆動される第2の蒸気タービンと、
前記逆浸透膜に流入する海水を高圧化する浸透圧ポンプと、を備え、
前記第2の蒸気タービンの発生動力により前記浸透圧ポンプを駆動させることが可能であることを特徴とした海水淡水化装置。
[2]
蒸気タービンと複合した海水淡水化装置であり、
前記蒸気タービンからの抽気蒸気により駆動される第2の蒸気タービンと、
海水あるいは淡水を搬送するポンプとを備え、
前記第2の蒸気タービンの発生動力により前記ポンプを駆動させることが可能であることを特徴とした海水淡水化装置。
[3]
前記ポンプは、海水を取水するポンプであることを特徴とした[2]に記載の海水淡水化装置。
[4]
前記ポンプは、海水から固体物を取り除く前処理膜まで海水を搬送するポンプである、ことを特徴とした[2]に記載の海水淡水化装置。
[5]
前記ポンプは、海水を淡水化した水を搬送するポンプであることを特徴とした[2]に記載の海水淡水化装置。
[6]
蒸気タービンと複合した海水淡水化装置であり、
前記蒸気タービンからの抽気蒸気により駆動される第2の蒸気タービンと、
海水から固体物を取り除く前処理膜の逆洗に使用する洗浄水を搬送するポンプとを備え、
前記第2の蒸気タービンの発生動力により前記洗浄水を搬送するポンプを駆動させることが可能であることを特徴とした海水淡水化装置。
[7]
蒸気タービンと複合し、かつ逆浸透膜を用いて淡水化を実施する海水淡水化装置であり、
前記蒸気タービンからの抽気蒸気により、前記逆浸透膜に流入する海水を加熱する海水加熱器を備え、前記逆浸透膜に流入する海水を加熱することが可能であることを特徴とした海水淡水化装置。
[8]
蒸気タービンと複合した海水淡水化装置であり、
前記蒸気タービンからの抽気蒸気により、海水から固体物を取り除く前処理膜の逆洗に使用する洗浄水を加熱する洗浄水加熱器を備え、前記洗浄水を加熱することが可能であることを特徴とした海水淡水化装置。
[9]
蒸気タービンと複合した海水淡水化装置であり、
前記蒸気タービンから抽気した蒸気を、給水加熱器向け抽気蒸気と前記第2の蒸気タービンを駆動させる抽気蒸気に分岐する分岐手段と、
前記分岐手段により分岐した前記第2の蒸気タービンを駆動させる抽気蒸気と、前記給水加熱器向け抽気蒸気の流通をそれぞれ停止する停止手段とを、更に具備したことを特徴とした[1]乃至[6]のいずれか1に記載の海水淡水化装置。
[10]
蒸気タービンと複合した海水淡水化装置であり、
前記蒸気タービンから抽気した蒸気を、給水加熱器向け抽気蒸気と前記海水加熱器向け抽気蒸気とに分岐する分岐手段と、
前記分岐手段により分岐した前記給水加熱器向け抽気蒸気と前記海水加熱器向け抽気蒸気との流通をそれぞれ停止する停止手段と、を更に具備したことを特徴とした[7]に記載の海水淡水化装置。
[11]
蒸気タービンと複合した海水淡水化装置であり、
前記蒸気タービンから抽気した蒸気を、給水加熱器向け抽気蒸気と前記洗浄水加熱器向け抽気蒸気とに分岐する分岐手段と、
前記分岐手段により分岐した前記給水加熱器向け抽気蒸気と前記洗浄水加熱器向け抽気蒸気との流通をそれぞれ停止する停止手段と、を更に具備したことを特徴とした[8]に記載の海水淡水化装置。
[12]
前記抽気蒸気の流通を停止させることが可能であることを特徴とした[1]乃至[11]のいずれかに記載の海水淡水化装置。
[13]
前記抽気蒸気の流通を停止させ、前記第2の蒸気タービンを駆動させず、異なる動力源によって前記浸透圧ポンプあるいは前記ポンプを駆動可能としたことを特徴とした[1]乃至[6]のいずれか1、又は[9]に記載の海水淡水化装置。
[14]
電力需要が第1の所定値より大きい時は、前記第2の蒸気タービンまたは前記海水加熱器または前記洗浄水加熱器に、前記抽気蒸気を流通させない運転パターンで運転し、電力需要が第2の所定値より小さい時は前記抽気蒸気を流通させる運転パターンで運転することを特徴とした[12]、又は[13]に記載の海水淡水化装置。
[15]
前記蒸気タービンによる発電量が第4の所定値より小さい時は、前記第2の蒸気タービンまたは前記海水加熱器または前記洗浄水加熱器に、前記抽気蒸気を流通させない運転パターンで運転し、前記発電量が第3の所定値より大きい時は前記抽気蒸気を流通させる運転パターンで運転することを特徴とした[12]、又は[13]に記載の海水淡水化装置。
[16]
前記ポンプは、海水を水槽まで搬送するポンプの内の1つ以上であり、電力需要が第1の所定値より大きい時は、前記第2の蒸気タービンに、前記抽気蒸気を流通させず、前記水槽内の海水を淡水化する運転パターンで運転し、電力需要が第2の所定値より小さい時は前記抽気蒸気を流通させながら海水淡水化する運転パターンで運転することを特徴とした[2]に記載の海水淡水化装置。
[17]
前記ポンプは、海水を水槽まで搬送するポンプの内の1つ以上であり、前記蒸気タービンによる発電量が第4の所定値より小さい時は、前記第2の蒸気タービンに、前記抽気蒸気を流通させず、前記水槽内の海水を淡水化する運転パターンで運転し、前記発電量が第3の所定値より大きい時は前記抽気蒸気を流通させながら海水淡水化する運転パターンで運転することを特徴とした請求項2に記載の海水淡水化装置。

Claims (17)

  1. 蒸気タービンと複合し、かつ逆浸透膜を用いて海水の淡水化を実施する海水淡水化装置であり、
    前記蒸気タービンからの抽気蒸気により駆動される第2の蒸気タービンと、
    前記逆浸透膜に流入する海水を高圧化する浸透圧ポンプと、を備え、
    前記第2の蒸気タービンの発生動力により前記浸透圧ポンプを駆動させることが可能であることを特徴とした海水淡水化装置。
  2. 蒸気タービンと複合した海水淡水化装置であり、
    前記蒸気タービンからの抽気蒸気により駆動される第2の蒸気タービンと、
    海水あるいは淡水を搬送するポンプとを備え、
    前記第2の蒸気タービンの発生動力により前記ポンプを駆動させることが可能であることを特徴とした海水淡水化装置。
  3. 前記ポンプは、海水を取水するポンプであることを特徴とした請求項2に記載の海水淡水化装置。
  4. 前記ポンプは、海水から固体物を取り除く前処理膜まで海水を搬送するポンプである、ことを特徴とした請求項2に記載の海水淡水化装置。
  5. 前記ポンプは、海水を淡水化した水を搬送するポンプであることを特徴とした請求項2に記載の海水淡水化装置。
  6. 蒸気タービンと複合した海水淡水化装置であり、
    前記蒸気タービンからの抽気蒸気により駆動される第2の蒸気タービンと、
    海水から固体物を取り除く前処理膜の逆洗に使用する洗浄水を搬送するポンプとを備え、
    前記第2の蒸気タービンの発生動力により前記洗浄水を搬送するポンプを駆動させることが可能であることを特徴とした海水淡水化装置。
  7. 蒸気タービンと複合し、かつ逆浸透膜を用いて淡水化を実施する海水淡水化装置であり、
    前記蒸気タービンからの抽気蒸気により、前記逆浸透膜に流入する海水を加熱する海水加熱器を備え、前記逆浸透膜に流入する海水を加熱することが可能であることを特徴とした海水淡水化装置。
  8. 蒸気タービンと複合した海水淡水化装置であり、
    前記蒸気タービンからの抽気蒸気により、海水から固体物を取り除く前処理膜の逆洗に使用する洗浄水を加熱する洗浄水加熱器を備え、前記洗浄水を加熱することが可能であることを特徴とした海水淡水化装置。
  9. 蒸気タービンと複合した海水淡水化装置であり、
    前記蒸気タービンから抽気した蒸気を、給水加熱器向け抽気蒸気と前記第2の蒸気タービンを駆動させる抽気蒸気に分岐する分岐手段と、
    前記分岐手段により分岐した前記第2の蒸気タービンを駆動させる抽気蒸気と、前記給水加熱器向け抽気蒸気の流通をそれぞれ停止する停止手段とを、更に具備したことを特徴とした請求項1乃至6のいずれか1項に記載の海水淡水化装置。
  10. 蒸気タービンと複合した海水淡水化装置であり、
    前記蒸気タービンから抽気した蒸気を、給水加熱器向け抽気蒸気と前記海水加熱器向け抽気蒸気とに分岐する分岐手段と、
    前記分岐手段により分岐した前記給水加熱器向け抽気蒸気と前記海水加熱器向け抽気蒸気との流通をそれぞれ停止する停止手段と、を更に具備したことを特徴とした請求項7に記載の海水淡水化装置。
  11. 蒸気タービンと複合した海水淡水化装置であり、
    前記蒸気タービンから抽気した蒸気を、給水加熱器向け抽気蒸気と前記洗浄水加熱器向け抽気蒸気とに分岐する分岐手段と、
    前記分岐手段により分岐した前記給水加熱器向け抽気蒸気と前記洗浄水加熱器向け抽気蒸気との流通をそれぞれ停止する停止手段と、を更に具備したことを特徴とした請求項8に記載の海水淡水化装置。
  12. 前記抽気蒸気の流通を停止させることが可能であることを特徴とした請求項1乃至11のいずれか1項に記載の海水淡水化装置。
  13. 前記抽気蒸気の流通を停止させ、前記第2の蒸気タービンを駆動させず、異なる動力源によって前記浸透圧ポンプあるいは前記ポンプを駆動可能としたことを特徴とした請求項1乃至6のいずれか1項、又は請求項9に記載の海水淡水化装置。
  14. 電力需要が第1の所定値より大きい時は、前記第2の蒸気タービンまたは前記海水加熱器または前記洗浄水加熱器に、前記抽気蒸気を流通させない運転パターンで運転し、電力需要が第2の所定値より小さい時は前記抽気蒸気を流通させる運転パターンで運転することを特徴とした請求項12、又は13に記載の海水淡水化装置。
  15. 前記蒸気タービンによる発電量が第4の所定値より小さい時は、前記第2の蒸気タービンまたは前記海水加熱器または前記洗浄水加熱器に、前記抽気蒸気を流通させない運転パターンで運転し、前記発電量が第3の所定値より大きい時は前記抽気蒸気を流通させる運転パターンで運転することを特徴とした請求項12、又は13に記載の海水淡水化装置。
  16. 前記ポンプは、海水を水槽まで搬送するポンプの内の1つ以上であり、電力需要が第1の所定値より大きい時は、前記第2の蒸気タービンに、前記抽気蒸気を流通させず、前記水槽内の海水を淡水化する運転パターンで運転し、電力需要が第2の所定値より小さい時は前記抽気蒸気を流通させながら海水淡水化する運転パターンで運転することを特徴とした請求項2に記載の海水淡水化装置。
  17. 前記ポンプは、海水を水槽まで搬送するポンプの内の1つ以上であり、前記蒸気タービンによる発電量が第4の所定値より小さい時は、前記第2の蒸気タービンに、前記抽気蒸気を流通させず、前記水槽内の海水を淡水化する運転パターンで運転し、前記発電量が第3の所定値より大きい時は前記抽気蒸気を流通させながら海水淡水化する運転パターンで運転することを特徴とした請求項2に記載の海水淡水化装置。
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