JPH11267643A - 逆浸透膜海水淡水化装置および方法 - Google Patents
逆浸透膜海水淡水化装置および方法Info
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- JPH11267643A JPH11267643A JP11010294A JP1029499A JPH11267643A JP H11267643 A JPH11267643 A JP H11267643A JP 11010294 A JP11010294 A JP 11010294A JP 1029499 A JP1029499 A JP 1029499A JP H11267643 A JPH11267643 A JP H11267643A
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- Y02A20/144—Wave energy
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Abstract
(57)【要約】
【課題】エネルギーの無駄をなくし、高効率、かつ安価
で海水から水を得るための海水淡水化装置を提供するこ
と。 【解決手段】 ポンプおよび逆浸透膜モジュールを含む
逆浸透膜利用の海水淡水化装置であって、ポンプが、逆
浸透膜モジュールに供給される原水を重油あるいは石炭
を燃料とするボイラーの蒸気で加圧する手段を具備する
ものである逆浸透膜海水淡水化装置。
で海水から水を得るための海水淡水化装置を提供するこ
と。 【解決手段】 ポンプおよび逆浸透膜モジュールを含む
逆浸透膜利用の海水淡水化装置であって、ポンプが、逆
浸透膜モジュールに供給される原水を重油あるいは石炭
を燃料とするボイラーの蒸気で加圧する手段を具備する
ものである逆浸透膜海水淡水化装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海水あるいはかん
水から真水を得るための新規な逆浸透膜分離装置に関す
るものである。本発明によりエネルギーの無駄なく経済
的に海水から真水を得ることのできる方法および装置を
提供することができる。
水から真水を得るための新規な逆浸透膜分離装置に関す
るものである。本発明によりエネルギーの無駄なく経済
的に海水から真水を得ることのできる方法および装置を
提供することができる。
【0002】
【従来の技術】海水の淡水化技術に関しては、これまで
に様々な方法が考えられ、実際に利用されてきた。例え
ば、最も一般的な例として、海水を沸点まで加熱し発生
した蒸気を冷却凝縮させて真水を得る蒸発法が古くから
用いられてきた。蒸発法には、さらに、海水やかん水の
蒸発に有するエネルギーの効率を高めるために、多重効
用法、多段フラッシュ法や蒸気圧縮法などが考え出さ
れ、ともに広く利用されている。
に様々な方法が考えられ、実際に利用されてきた。例え
ば、最も一般的な例として、海水を沸点まで加熱し発生
した蒸気を冷却凝縮させて真水を得る蒸発法が古くから
用いられてきた。蒸発法には、さらに、海水やかん水の
蒸発に有するエネルギーの効率を高めるために、多重効
用法、多段フラッシュ法や蒸気圧縮法などが考え出さ
れ、ともに広く利用されている。
【0003】多重効用法は効用缶と称する蒸発器に送ら
れた加熱蒸気によって発生した蒸気を次段の効用缶の加
熱蒸気として用い、これを多段に繰り返して行うことに
より熱効率を高めたものであり、一方、多段フラッシュ
法は、蒸発器内部の圧力を海水の飽和蒸気圧以下にする
ことによって、海水を瞬間的にフラッシュ蒸発させ、こ
れを多段に繰り返し、エネルギー効率を高めたものであ
る。
れた加熱蒸気によって発生した蒸気を次段の効用缶の加
熱蒸気として用い、これを多段に繰り返して行うことに
より熱効率を高めたものであり、一方、多段フラッシュ
法は、蒸発器内部の圧力を海水の飽和蒸気圧以下にする
ことによって、海水を瞬間的にフラッシュ蒸発させ、こ
れを多段に繰り返し、エネルギー効率を高めたものであ
る。
【0004】上述したこれらの蒸発法の各方式は、いず
れも蒸発という相変化を伴うため、海水から真水を得る
には、例えば、多段フラッシュ法の場合では真水1m3
を得るのに必要なエネルギーが226MJと、多くのエ
ネルギーを必要とする。
れも蒸発という相変化を伴うため、海水から真水を得る
には、例えば、多段フラッシュ法の場合では真水1m3
を得るのに必要なエネルギーが226MJと、多くのエ
ネルギーを必要とする。
【0005】普通、蒸発法では、海水を蒸発させるため
の熱源としてボイラにより過熱された蒸気を使用する
が、必要エネルギーが多いために蒸気を発生させるため
の燃料も多量に必要となり、また、ボイラー効率等を考
慮すると経済的であるとは言えない。
の熱源としてボイラにより過熱された蒸気を使用する
が、必要エネルギーが多いために蒸気を発生させるため
の燃料も多量に必要となり、また、ボイラー効率等を考
慮すると経済的であるとは言えない。
【0006】そのため、例えば特開昭52−90472
号公報や特開昭53−109872号公報で提案されて
いるように、発電所の蒸気タービンの排気蒸気や、ゴミ
焼却炉の排熱を利用して蒸発法による海水淡水化を行
い、コストを下げることが検討されてきたが、原理的に
多量の蒸気が必要になるため、大型設備以外には不向き
であるという欠点があり、広く普及するには至っていな
い。
号公報や特開昭53−109872号公報で提案されて
いるように、発電所の蒸気タービンの排気蒸気や、ゴミ
焼却炉の排熱を利用して蒸発法による海水淡水化を行
い、コストを下げることが検討されてきたが、原理的に
多量の蒸気が必要になるため、大型設備以外には不向き
であるという欠点があり、広く普及するには至っていな
い。
【0007】一方、近年では省エネルギーおよび省資源
に有効なプロセスとして逆浸透膜分離法が研究され利用
され始めている。この方法によれば、海水を浸透圧以上
の圧力をもって逆浸透膜を透過させることにより、容易
に真水を製造することが可能である。しかも逆浸透膜に
よる海水淡水化は、蒸発のような相変化を伴わないた
め、多段フラッシュ法などの蒸発法と比較するとエネル
ギー的に有利であり、また、運転管理が容易であるとい
う特徴を合わせ持っている。
に有効なプロセスとして逆浸透膜分離法が研究され利用
され始めている。この方法によれば、海水を浸透圧以上
の圧力をもって逆浸透膜を透過させることにより、容易
に真水を製造することが可能である。しかも逆浸透膜に
よる海水淡水化は、蒸発のような相変化を伴わないた
め、多段フラッシュ法などの蒸発法と比較するとエネル
ギー的に有利であり、また、運転管理が容易であるとい
う特徴を合わせ持っている。
【0008】逆浸透膜による海水淡水化の場合、効率よ
く真水を得るためには、通常、海水の塩濃度に対応する
浸透圧よりも2MPaから3MPa程度高い圧力を逆浸
透膜に加えることが必要である。海水の場合、塩濃度は
NaClに換算して約3.5%であり、この塩濃度に対
応する浸透圧は約2.8MPaに達する。そのため、高
圧ポンプを用いて約5から6MPaというかなり高い圧
力を発生させなければならず、特にこの高圧ポンプを駆
動するのに電力を多く消費する。
く真水を得るためには、通常、海水の塩濃度に対応する
浸透圧よりも2MPaから3MPa程度高い圧力を逆浸
透膜に加えることが必要である。海水の場合、塩濃度は
NaClに換算して約3.5%であり、この塩濃度に対
応する浸透圧は約2.8MPaに達する。そのため、高
圧ポンプを用いて約5から6MPaというかなり高い圧
力を発生させなければならず、特にこの高圧ポンプを駆
動するのに電力を多く消費する。
【0009】近年では逆浸透膜による海水淡水化装置に
タービンや水車などの動力回収装置を取り付け、逆浸透
膜モジュールの高圧側出口から排出される濃縮海水の圧
力エネルギーで動力回収装置を駆動させて、圧力エネル
ギーを電力に変換するか、もしくは動力回収装置を高圧
ポンプに直結させて圧力エネルギーを回収し、電力消費
を軽減させる方法が用いられ始めている。
タービンや水車などの動力回収装置を取り付け、逆浸透
膜モジュールの高圧側出口から排出される濃縮海水の圧
力エネルギーで動力回収装置を駆動させて、圧力エネル
ギーを電力に変換するか、もしくは動力回収装置を高圧
ポンプに直結させて圧力エネルギーを回収し、電力消費
を軽減させる方法が用いられ始めている。
【0010】逆浸透膜による海水淡水化装置を運転する
のに必要なエネルギーについては、逆浸透膜海水淡水化
装置の規模や運転条件によって多少異なるが、供給海水
に対する真水の回収率が40%となるような運転操作を
行うとすると、消費されるエネルギーは、上述の動力回
収装置を用いた場合、製造される真水1m3あたり約2
5MJ、電力に換算して約7kWhである。これは、蒸
発法など他の海水淡水化方式の必要エネルギーと比較す
ると非常に少ない。
のに必要なエネルギーについては、逆浸透膜海水淡水化
装置の規模や運転条件によって多少異なるが、供給海水
に対する真水の回収率が40%となるような運転操作を
行うとすると、消費されるエネルギーは、上述の動力回
収装置を用いた場合、製造される真水1m3あたり約2
5MJ、電力に換算して約7kWhである。これは、蒸
発法など他の海水淡水化方式の必要エネルギーと比較す
ると非常に少ない。
【0011】また、真水の回収効率の面から見ると、逆
浸透膜による海水淡水化では、供給海水の温度が高くな
ると、得られる真水の量は1℃の温度上昇につき約3%
程度の割合で増大することが知られている。従って、水
質の要求が厳しくない場合は、供給海水の温度を上昇さ
せることによって真水の回収率を向上させることが可能
である。しかし、現状では逆浸透膜モジュールに供給す
る海水の温度を制御することは、熱交換器を介して海水
を所定の温度にするのに相当量のエネルギーが必要にな
るため、ほとんど行われていないのが現状である。
浸透膜による海水淡水化では、供給海水の温度が高くな
ると、得られる真水の量は1℃の温度上昇につき約3%
程度の割合で増大することが知られている。従って、水
質の要求が厳しくない場合は、供給海水の温度を上昇さ
せることによって真水の回収率を向上させることが可能
である。しかし、現状では逆浸透膜モジュールに供給す
る海水の温度を制御することは、熱交換器を介して海水
を所定の温度にするのに相当量のエネルギーが必要にな
るため、ほとんど行われていないのが現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、蒸発
法による海水淡水化は原理的に真水を得るために必要な
エネルギーが大きく、そのための燃料も多量に必要とす
るため、経済的に真水を得ることは困難である。
法による海水淡水化は原理的に真水を得るために必要な
エネルギーが大きく、そのための燃料も多量に必要とす
るため、経済的に真水を得ることは困難である。
【0013】また、逆浸透膜による海水淡水化は、蒸発
法と比較すると少ないエネルギーで真水を得ることがで
きるが、逆浸透膜海水淡水化装置を運転するための電力
を発生させる過程を考慮すると、発電効率がたかだか4
0%程度しか期待できないことから,実際には燃料が発
生するエネルギーの半分以上を無駄にしていることにな
り、使用する石油などの化石燃料のコストを考慮すると
真の意味で経済的なプロセスであるとは言いがたい。
法と比較すると少ないエネルギーで真水を得ることがで
きるが、逆浸透膜海水淡水化装置を運転するための電力
を発生させる過程を考慮すると、発電効率がたかだか4
0%程度しか期待できないことから,実際には燃料が発
生するエネルギーの半分以上を無駄にしていることにな
り、使用する石油などの化石燃料のコストを考慮すると
真の意味で経済的なプロセスであるとは言いがたい。
【0014】したがって、これらの海水淡水化装置は石
油などのエネルギーコストの低い産油国等では、広く利
用されているが、逆にエネルギーコストの高い我が国で
は、通常の真水の供給手段であるダムや湖水等を利用し
た場合と比較すると、真水の製造コストが高くなるとい
う問題がある。本発明はかかる問題を解決するため、少
ないエネルギーで海水から真水を得ることのできる逆浸
透膜分離装置において、該装置を駆動するために必要な
エネルギーの利用効率を向上するにより、経済的に真水
を得ることのできる装置を提供することにある。
油などのエネルギーコストの低い産油国等では、広く利
用されているが、逆にエネルギーコストの高い我が国で
は、通常の真水の供給手段であるダムや湖水等を利用し
た場合と比較すると、真水の製造コストが高くなるとい
う問題がある。本発明はかかる問題を解決するため、少
ないエネルギーで海水から真水を得ることのできる逆浸
透膜分離装置において、該装置を駆動するために必要な
エネルギーの利用効率を向上するにより、経済的に真水
を得ることのできる装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、重油や
石炭などの化石燃料の燃焼で発生した熱を有効に利用す
るため、逆浸透膜分離装置のポンプの動力に蒸気エネル
ギーを用いて、経済的に海水の淡水化を行うことにあ
る。即ち、本願発明の課題は下記により達成される。
「ポンプおよび逆浸透膜モジュールを含む逆浸透膜利用
の海水淡水化装置であって、ポンプが、逆浸透膜モジュ
ールに供給される原水を蒸気で加圧する手段を具備する
ものである逆浸透膜海水淡水化装置。」「蒸気で加圧す
る手段に重油または石炭を燃料とするボイラーが接続し
ている前記逆浸透膜海水淡水化装置。」「ポンプが駆動
軸を有するものであって、該駆動軸がボイラーの蒸気で
回転する蒸気タービンに連結してなる前記いずれかの逆
浸透膜海水淡水化装置。」「2以上の逆浸透膜モジュー
ルから構成され、ポンプが前段の逆浸透膜モジュールの
濃縮水出口と、後段の逆浸透膜モジュールへの供給口と
の間に存在する前記いずれかの逆浸透膜海水淡水化装
置。」「2以上の逆浸透膜モジュールから構成され、ポ
ンプが前段の逆浸透膜モジュールの透過水出口と、後段
の逆浸透膜モジュールへの供給口との間に存在する前記
いずれかに記載の逆浸透膜海水淡水化装置。」「逆浸透
膜モジュールの供給水流路に、重油あるいは石炭を燃料
とするボイラーの蒸気で原水を加温する手段を配してな
る前記いずれかの逆浸透膜海水淡水化装置。」「原水を
加温する蒸気が、蒸気タービンから抽気または排出され
た蒸気である前記逆浸透膜海水淡水化装置。」「海水も
しくはかん水、またはそれらを逆浸透膜で処理して得ら
れる濃縮水もしくは透過水をポンプによって加圧し、逆
浸透膜での透過によって海水あるいはかん水、またはそ
れらの濃縮水ないしは透過水を淡水化する方法であっ
て、ポンプが蒸気によって駆動するものである海水の淡
水化方法。」「海水あるいはかん水を重油あるいは石炭
を燃料とするボイラーの蒸気によって加温した後、ポン
プによって加圧する前記の海水の淡水化方法。」
石炭などの化石燃料の燃焼で発生した熱を有効に利用す
るため、逆浸透膜分離装置のポンプの動力に蒸気エネル
ギーを用いて、経済的に海水の淡水化を行うことにあ
る。即ち、本願発明の課題は下記により達成される。
「ポンプおよび逆浸透膜モジュールを含む逆浸透膜利用
の海水淡水化装置であって、ポンプが、逆浸透膜モジュ
ールに供給される原水を蒸気で加圧する手段を具備する
ものである逆浸透膜海水淡水化装置。」「蒸気で加圧す
る手段に重油または石炭を燃料とするボイラーが接続し
ている前記逆浸透膜海水淡水化装置。」「ポンプが駆動
軸を有するものであって、該駆動軸がボイラーの蒸気で
回転する蒸気タービンに連結してなる前記いずれかの逆
浸透膜海水淡水化装置。」「2以上の逆浸透膜モジュー
ルから構成され、ポンプが前段の逆浸透膜モジュールの
濃縮水出口と、後段の逆浸透膜モジュールへの供給口と
の間に存在する前記いずれかの逆浸透膜海水淡水化装
置。」「2以上の逆浸透膜モジュールから構成され、ポ
ンプが前段の逆浸透膜モジュールの透過水出口と、後段
の逆浸透膜モジュールへの供給口との間に存在する前記
いずれかに記載の逆浸透膜海水淡水化装置。」「逆浸透
膜モジュールの供給水流路に、重油あるいは石炭を燃料
とするボイラーの蒸気で原水を加温する手段を配してな
る前記いずれかの逆浸透膜海水淡水化装置。」「原水を
加温する蒸気が、蒸気タービンから抽気または排出され
た蒸気である前記逆浸透膜海水淡水化装置。」「海水も
しくはかん水、またはそれらを逆浸透膜で処理して得ら
れる濃縮水もしくは透過水をポンプによって加圧し、逆
浸透膜での透過によって海水あるいはかん水、またはそ
れらの濃縮水ないしは透過水を淡水化する方法であっ
て、ポンプが蒸気によって駆動するものである海水の淡
水化方法。」「海水あるいはかん水を重油あるいは石炭
を燃料とするボイラーの蒸気によって加温した後、ポン
プによって加圧する前記の海水の淡水化方法。」
【0016】
【発明の実施の形態】本発明における逆浸透膜海水淡水
化装置、および方法は、好適には、少なくとも重油や石
炭を燃焼し蒸気を発生させるためのボイラーと、蒸気の
エネルギーをポンプの駆動力に変換する蒸気タービン
と、取水部分、高圧ポンプ部分、および逆浸透膜部分か
らなる装置を用いる。取水部分から取り込まれた海水
は、重油や石炭の燃焼によって発生した蒸気によって駆
動する蒸気タービンに連結するポンプで加圧されて逆浸
透膜部分に送られ、ここで塩分が濃縮した濃縮水と真水
に分離される。
化装置、および方法は、好適には、少なくとも重油や石
炭を燃焼し蒸気を発生させるためのボイラーと、蒸気の
エネルギーをポンプの駆動力に変換する蒸気タービン
と、取水部分、高圧ポンプ部分、および逆浸透膜部分か
らなる装置を用いる。取水部分から取り込まれた海水
は、重油や石炭の燃焼によって発生した蒸気によって駆
動する蒸気タービンに連結するポンプで加圧されて逆浸
透膜部分に送られ、ここで塩分が濃縮した濃縮水と真水
に分離される。
【0017】本発明では、ボイラーにおいて重油あるい
は石炭を燃焼し、熱を発生させるが、この過程について
は何ら規定するものではない。例えば、重油や石炭につ
いては、品位、形態はいかなるものでも良く、特に種類
を限定するものではない。また、燃焼方法についても特
に限定するものではなく、例えば重油、あるいは石炭の
みを単独で焼却する方法や、重油と石炭を混合させて焼
却する方法を用いることができる。
は石炭を燃焼し、熱を発生させるが、この過程について
は何ら規定するものではない。例えば、重油や石炭につ
いては、品位、形態はいかなるものでも良く、特に種類
を限定するものではない。また、燃焼方法についても特
に限定するものではなく、例えば重油、あるいは石炭の
みを単独で焼却する方法や、重油と石炭を混合させて焼
却する方法を用いることができる。
【0018】本発明では経済的に海水から真水を得るた
めの手段として、重油や石炭の燃焼熱を蒸気に変換し、
さらに該蒸気を用いて蒸気タービンを駆動させる。
めの手段として、重油や石炭の燃焼熱を蒸気に変換し、
さらに該蒸気を用いて蒸気タービンを駆動させる。
【0019】このとき、熱から蒸気エネルギー、および
蒸気エネルギーから蒸気タービンの駆動力への変換効率
については特に規定しないが、効率が高いほど得られる
タービンの出力も多くなり、かつ、駆動できる逆浸透膜
分離装置の能力も大きくできることから、熱から蒸気へ
の変換効率、即ちボイラー効率については、少なくとも
50%以上であることが好ましい。ボイラー効率が50
%以上であれば、どのような形式のボイラーを用いても
本発明の目的を達成することができる。ここで、ボイラ
ー効率とは、ボイラーによって発生する蒸気の熱量と、
廃棄物の焼却によって発生する単位時間あたりの熱量と
の比である。また、蒸気タービンについても、蒸気から
タービン駆動力への変換効率、即ちタービン効率は特に
限定しないが、少なくとも50%以上あれば好ましい。
タービン効率が50%以上であれば、どのような形式で
もかまわない。
蒸気エネルギーから蒸気タービンの駆動力への変換効率
については特に規定しないが、効率が高いほど得られる
タービンの出力も多くなり、かつ、駆動できる逆浸透膜
分離装置の能力も大きくできることから、熱から蒸気へ
の変換効率、即ちボイラー効率については、少なくとも
50%以上であることが好ましい。ボイラー効率が50
%以上であれば、どのような形式のボイラーを用いても
本発明の目的を達成することができる。ここで、ボイラ
ー効率とは、ボイラーによって発生する蒸気の熱量と、
廃棄物の焼却によって発生する単位時間あたりの熱量と
の比である。また、蒸気タービンについても、蒸気から
タービン駆動力への変換効率、即ちタービン効率は特に
限定しないが、少なくとも50%以上あれば好ましい。
タービン効率が50%以上であれば、どのような形式で
もかまわない。
【0020】また、海水を加圧する高圧ポンプについて
は渦巻きポンプ、タービンポンプ、プランジャーポンプ
などがよく使用されているが、本発明では、ポンプの種
類についてはいずれの形式を選択しても良い。
は渦巻きポンプ、タービンポンプ、プランジャーポンプ
などがよく使用されているが、本発明では、ポンプの種
類についてはいずれの形式を選択しても良い。
【0021】本発明の逆浸透膜部分は、通常、逆浸透膜
エレメントと耐圧容器からなる、いわゆる逆浸透膜モジ
ュールの形式が用いられる。ここで逆浸透膜エレメント
は逆浸透膜を形態化したものであり、例えば酢酸セルロ
ース、ポリアミド、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエ
ステル、ビニルポリマーなどの高分子素材からなる平
膜、あるいは中空糸形状の逆浸透膜を、平膜はスパイラ
ル、チューブラー、プレート・アンド・フレームのエレ
メントに組み込むか、中空糸は結束してエレメントに組
み込んで使用することができるが、本発明はこれらの材
質、形態に左右されるものではない。
エレメントと耐圧容器からなる、いわゆる逆浸透膜モジ
ュールの形式が用いられる。ここで逆浸透膜エレメント
は逆浸透膜を形態化したものであり、例えば酢酸セルロ
ース、ポリアミド、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエ
ステル、ビニルポリマーなどの高分子素材からなる平
膜、あるいは中空糸形状の逆浸透膜を、平膜はスパイラ
ル、チューブラー、プレート・アンド・フレームのエレ
メントに組み込むか、中空糸は結束してエレメントに組
み込んで使用することができるが、本発明はこれらの材
質、形態に左右されるものではない。
【0022】本発明では、さらに経済的かつ効率的に海
水から真水を得るため、多段に配置した逆浸透膜モジュ
ールの前段の逆浸透膜モジュールの原水出口から出る濃
縮海水をさらに昇圧して後段の逆浸透膜モジュールに供
給し真水を得ることもできる。あるいはまた、多段に配
置した逆浸透膜モジュールの前段の逆浸透膜モジュール
の透過水出口から透過水を再び昇圧して後段の逆浸透膜
モジュールに供給し真水を得ることもできる。この時、
濃縮海水ないしは透過水の昇圧にはどのようなポンプを
用いても良いが、前段の海水を加圧するポンプと同様、
重油や石炭の燃焼によって発生した蒸気によって駆動す
る蒸気タービンに連結するポンプを用いることが好まし
い。また、この時、蒸気タービンとポンプの駆動軸との
連結方法としては、各段のポンプ駆動軸にそれぞれ蒸気
タービンを連結させる方法と、1台の蒸気タービンの駆
動軸に多軸の減速機を介してポンプの駆動軸を連結させ
る方法があるが、本発明ではどちらを用いてもかまわな
い。
水から真水を得るため、多段に配置した逆浸透膜モジュ
ールの前段の逆浸透膜モジュールの原水出口から出る濃
縮海水をさらに昇圧して後段の逆浸透膜モジュールに供
給し真水を得ることもできる。あるいはまた、多段に配
置した逆浸透膜モジュールの前段の逆浸透膜モジュール
の透過水出口から透過水を再び昇圧して後段の逆浸透膜
モジュールに供給し真水を得ることもできる。この時、
濃縮海水ないしは透過水の昇圧にはどのようなポンプを
用いても良いが、前段の海水を加圧するポンプと同様、
重油や石炭の燃焼によって発生した蒸気によって駆動す
る蒸気タービンに連結するポンプを用いることが好まし
い。また、この時、蒸気タービンとポンプの駆動軸との
連結方法としては、各段のポンプ駆動軸にそれぞれ蒸気
タービンを連結させる方法と、1台の蒸気タービンの駆
動軸に多軸の減速機を介してポンプの駆動軸を連結させ
る方法があるが、本発明ではどちらを用いてもかまわな
い。
【0023】また、逆浸透膜モジュールの段数について
は特に規定するものではないが、好ましくは2段とする
のが装置のコストとエネルギーから、経済的である。
は特に規定するものではないが、好ましくは2段とする
のが装置のコストとエネルギーから、経済的である。
【0024】さらに、経済的かつ効率的に海水から真水
を得るため、重油や石炭の燃焼により発生した熱を熱源
として海水を加温し、これを本発明の逆浸透膜海水淡水
化装置に供給して海水から真水を得ることもできる。前
述したように逆浸透膜による海水淡水化では、供給海水
の温度を1℃上昇させるごとに、真水の量を3%増大さ
せることができ、高回収率での運転や、あるいは逆浸透
膜モジュールの本数を少なくする等の高効率運転が可能
となるが、本発明では、供給海水の加温のために、重油
や石炭の燃焼によって発生した蒸気を利用することによ
り経済的に高効率運転を行うことができる。
を得るため、重油や石炭の燃焼により発生した熱を熱源
として海水を加温し、これを本発明の逆浸透膜海水淡水
化装置に供給して海水から真水を得ることもできる。前
述したように逆浸透膜による海水淡水化では、供給海水
の温度を1℃上昇させるごとに、真水の量を3%増大さ
せることができ、高回収率での運転や、あるいは逆浸透
膜モジュールの本数を少なくする等の高効率運転が可能
となるが、本発明では、供給海水の加温のために、重油
や石炭の燃焼によって発生した蒸気を利用することによ
り経済的に高効率運転を行うことができる。
【0025】海水の加温については、いくつかの方法が
考えられる。例えば、蒸気ボイラーから発生した蒸気を
直接、熱交換器に通して海水を加温する方法、蒸気ター
ビンから蒸気を抽出して熱交換器に通し海水を加温する
方法、あるいは蒸気ボイラーから排出される蒸気を熱交
換器に通し海水を加温する方法などが考えられるが、本
発明の逆浸透膜海水淡水化装置では、いずれを用いても
かまわない。また、熱交換器では高温の蒸気が通過する
経路と、低温の海水が通過する経路が熱を伝導するため
の伝熱管や伝熱板を介して設けられ、この間で熱をやり
とりして海水を加温するが、この熱交換器の形式につい
ては特に限定はしない。
考えられる。例えば、蒸気ボイラーから発生した蒸気を
直接、熱交換器に通して海水を加温する方法、蒸気ター
ビンから蒸気を抽出して熱交換器に通し海水を加温する
方法、あるいは蒸気ボイラーから排出される蒸気を熱交
換器に通し海水を加温する方法などが考えられるが、本
発明の逆浸透膜海水淡水化装置では、いずれを用いても
かまわない。また、熱交換器では高温の蒸気が通過する
経路と、低温の海水が通過する経路が熱を伝導するため
の伝熱管や伝熱板を介して設けられ、この間で熱をやり
とりして海水を加温するが、この熱交換器の形式につい
ては特に限定はしない。
【0026】上述の方法で加温された海水の温度につい
ては、上限は特に規定しないが、逆浸透膜が熱劣化し、
性能低下を引き起こさない範囲で用いるのが好ましく、
さらに好ましくは40℃以下するのが良い。また、下限
は、真水の回収効率を考慮すると、20℃以上にするの
が好ましい。さらに好ましくは25℃以上である。
ては、上限は特に規定しないが、逆浸透膜が熱劣化し、
性能低下を引き起こさない範囲で用いるのが好ましく、
さらに好ましくは40℃以下するのが良い。また、下限
は、真水の回収効率を考慮すると、20℃以上にするの
が好ましい。さらに好ましくは25℃以上である。
【0027】本発明ではさらに、逆浸透膜海水淡水化装
置において上述したような方法をすべて組み合わせるこ
とも可能である。この場合、それぞれの組み合わせの方
法としては、例えば、多段に配した各々の逆浸透膜モジ
ュールに供給する海水を、重油あるいは石炭を燃料とす
るボイラーの蒸気で駆動する蒸気タービンに連結したポ
ンプで加圧し、さらに蒸気タービンの出口から排出され
る蒸気を利用して海水を加温し、逆浸透膜海水淡水化に
よる真水の回収率を向上させる方法があり、これにより
重油あるいは石炭の燃焼により発生する熱を無駄なく有
効利用することができる。
置において上述したような方法をすべて組み合わせるこ
とも可能である。この場合、それぞれの組み合わせの方
法としては、例えば、多段に配した各々の逆浸透膜モジ
ュールに供給する海水を、重油あるいは石炭を燃料とす
るボイラーの蒸気で駆動する蒸気タービンに連結したポ
ンプで加圧し、さらに蒸気タービンの出口から排出され
る蒸気を利用して海水を加温し、逆浸透膜海水淡水化に
よる真水の回収率を向上させる方法があり、これにより
重油あるいは石炭の燃焼により発生する熱を無駄なく有
効利用することができる。
【0028】
【実施例】実施例1 脱塩率99.5%、造水量3.5m3/日の性能を有し
たポリアミド系逆浸透膜エレメントを使用し、これを1
つの圧力容器に3本入れた逆浸透膜モジュールを3本並
列に組み込んだモジュールユニット(エレメント合計本
数9本)と、該モジュールユニットの供給海水入口に接
続され、海水の圧力を上げるための高圧ポンプと、該高
圧ポンプ駆動軸に連結された蒸気タービンと、該蒸気タ
ービンの排気管に接続され、かつ供給海水の出口が高圧
ポンプの入口に接続された熱交換器と、さらにこれらの
蒸気タービンや熱交換器に蒸気を供給するための重油ボ
イラーからなる図1に示す逆浸透海水淡水化装置を製作
した。該装置の重油ボイラーの効率は70%、ボイラー
給水温度は20℃、タービン効率は90%である。ま
た、ボイラーの燃料として重油を使用した。このとき、
熱交換器に供給される海水の温度を15℃とし、これら
の条件で、ボイラーにより発生する蒸気の圧力を2MP
a、蒸気温度を270℃、高圧ポンプの出口圧力を6M
Paに設定し、海水淡水化実験を行った。
たポリアミド系逆浸透膜エレメントを使用し、これを1
つの圧力容器に3本入れた逆浸透膜モジュールを3本並
列に組み込んだモジュールユニット(エレメント合計本
数9本)と、該モジュールユニットの供給海水入口に接
続され、海水の圧力を上げるための高圧ポンプと、該高
圧ポンプ駆動軸に連結された蒸気タービンと、該蒸気タ
ービンの排気管に接続され、かつ供給海水の出口が高圧
ポンプの入口に接続された熱交換器と、さらにこれらの
蒸気タービンや熱交換器に蒸気を供給するための重油ボ
イラーからなる図1に示す逆浸透海水淡水化装置を製作
した。該装置の重油ボイラーの効率は70%、ボイラー
給水温度は20℃、タービン効率は90%である。ま
た、ボイラーの燃料として重油を使用した。このとき、
熱交換器に供給される海水の温度を15℃とし、これら
の条件で、ボイラーにより発生する蒸気の圧力を2MP
a、蒸気温度を270℃、高圧ポンプの出口圧力を6M
Paに設定し、海水淡水化実験を行った。
【0029】その結果、定常状態において、供給海水量
115m3/日に対して、透過水量50m3/日の真水を
得た。このとき、逆浸透膜海水淡水化装置を駆動するの
に要した重油の量は26L/日であり、真水1m3あた
りの重油使用量は0.52Lであった。
115m3/日に対して、透過水量50m3/日の真水を
得た。このとき、逆浸透膜海水淡水化装置を駆動するの
に要した重油の量は26L/日であり、真水1m3あた
りの重油使用量は0.52Lであった。
【0030】また、供給海水は、熱交換によって15℃
から24℃に加温され、その結果、逆浸透膜の回収率は
27%上昇し、エレメント1本あたりの造水量は4.5
m3/日に上昇した。
から24℃に加温され、その結果、逆浸透膜の回収率は
27%上昇し、エレメント1本あたりの造水量は4.5
m3/日に上昇した。
【0031】実施例2 脱塩率99.5%、造水量3.5m3/日の性能を有し
たポリアミド系逆浸透膜エレメントを使用し、これを1
つの圧力容器に3本入れた逆浸透膜モジュールを3本並
列に組み込んだモジュールユニット(エレメント合計本
数9本)を2段に配置し、かつ前段の逆浸透膜モジュー
ルユニットの濃縮水流路に、蒸気タービンに多軸の減速
機を介して連結した昇圧ポンプを配して後段の逆浸透膜
モジュールユニットの供給水流路に接続した他は、実施
例1と同じ、図2に示す逆浸透膜海水淡水化装置を製作
し、前段の逆浸透膜モジュールユニットの運転圧力を6
MPa、後段の逆浸透膜モジュールユニットの運転圧力
を9MPaとし、他の条件は実施例1と同じにして海水
淡水化実験を行った。その結果、定常状態において、供
給海水量115m3/日に対して、透過水量69m3/日
の真水を得た。このとき、逆浸透膜海水淡水化装置を駆
動するのに要した重油の量は29L/日であり、真水1
m3あたりの重油使用量は0.42Lであった。
たポリアミド系逆浸透膜エレメントを使用し、これを1
つの圧力容器に3本入れた逆浸透膜モジュールを3本並
列に組み込んだモジュールユニット(エレメント合計本
数9本)を2段に配置し、かつ前段の逆浸透膜モジュー
ルユニットの濃縮水流路に、蒸気タービンに多軸の減速
機を介して連結した昇圧ポンプを配して後段の逆浸透膜
モジュールユニットの供給水流路に接続した他は、実施
例1と同じ、図2に示す逆浸透膜海水淡水化装置を製作
し、前段の逆浸透膜モジュールユニットの運転圧力を6
MPa、後段の逆浸透膜モジュールユニットの運転圧力
を9MPaとし、他の条件は実施例1と同じにして海水
淡水化実験を行った。その結果、定常状態において、供
給海水量115m3/日に対して、透過水量69m3/日
の真水を得た。このとき、逆浸透膜海水淡水化装置を駆
動するのに要した重油の量は29L/日であり、真水1
m3あたりの重油使用量は0.42Lであった。
【0032】実施例3 脱塩率99.5%、造水量3.5m3/日の性能を有し
たポリアミド系逆浸透膜エレメントを使用し、これを1
つの圧力容器に3本入れた逆浸透膜モジュールを3本並
列に組み込んだモジュールユニット(エレメント合計本
数9本)を2段に配置し、かつ前段の逆浸透膜モジュー
ルユニットの透過水流路に、蒸気タービンに多軸の減速
機を介して連結した加圧ポンプを配して後段の逆浸透膜
モジュールユニットの供給水流路に接続した他は、実施
例1と同じ、図3に示す逆浸透膜海水淡水化装置を製作
し、前段の逆浸透膜モジュールユニットの運転圧力を1
0MPa、後段の逆浸透膜モジュールユニットの運転圧
力を6MPaとし、他の条件は実施例1と同じにして海
水淡水化実験を行った。その結果、定常状態において、
供給海水量115m3/日に対して、透過水量69m3/
日の真水を得た。このとき、逆浸透膜海水淡水化装置を
駆動するのに要した重油の量は31L/日であり、真水
1m3あたりの重油使用量は0.45Lであった。
たポリアミド系逆浸透膜エレメントを使用し、これを1
つの圧力容器に3本入れた逆浸透膜モジュールを3本並
列に組み込んだモジュールユニット(エレメント合計本
数9本)を2段に配置し、かつ前段の逆浸透膜モジュー
ルユニットの透過水流路に、蒸気タービンに多軸の減速
機を介して連結した加圧ポンプを配して後段の逆浸透膜
モジュールユニットの供給水流路に接続した他は、実施
例1と同じ、図3に示す逆浸透膜海水淡水化装置を製作
し、前段の逆浸透膜モジュールユニットの運転圧力を1
0MPa、後段の逆浸透膜モジュールユニットの運転圧
力を6MPaとし、他の条件は実施例1と同じにして海
水淡水化実験を行った。その結果、定常状態において、
供給海水量115m3/日に対して、透過水量69m3/
日の真水を得た。このとき、逆浸透膜海水淡水化装置を
駆動するのに要した重油の量は31L/日であり、真水
1m3あたりの重油使用量は0.45Lであった。
【0033】比較例1 蒸気タービンに連結したポンプの代わりに、蒸気タービ
ンで一旦発電し、該電力を用いて駆動するポンプ用いた
他は、実施例1と同じ装置を用いて、実施例1と同じ条
件で海水淡水化実験を行った。
ンで一旦発電し、該電力を用いて駆動するポンプ用いた
他は、実施例1と同じ装置を用いて、実施例1と同じ条
件で海水淡水化実験を行った。
【0034】その結果、実施例1と同じ50m3/日の
真水を得るのに要した重油の量は40L/日、真水1m
3あたり0.8Lであった。
真水を得るのに要した重油の量は40L/日、真水1m
3あたり0.8Lであった。
【0035】比較例2 重油ボイラーに直接、多重効用法海水淡水化ユニットを
接続した図4に示す海水淡水化装置を製作し、ボイラー
効率70%、ボイラー給水温度を80℃、蒸気圧力0.
6MPa、重油を実施例1と同じ26L/日で燃焼させ
て海水淡水化実験を行った。その結果、得られた真水の
量は20m3/日であり、真水1m3あたり1.3Lを要
した。
接続した図4に示す海水淡水化装置を製作し、ボイラー
効率70%、ボイラー給水温度を80℃、蒸気圧力0.
6MPa、重油を実施例1と同じ26L/日で燃焼させ
て海水淡水化実験を行った。その結果、得られた真水の
量は20m3/日であり、真水1m3あたり1.3Lを要
した。
【0036】
【発明の効果】本発明により、エネルギーの無駄をなく
し、高効率、かつ安価で海水から真水を得るための海水
淡水化装置を提供することができる。
し、高効率、かつ安価で海水から真水を得るための海水
淡水化装置を提供することができる。
【図1】 本発明に基づく、重油ボイラーの蒸気でポン
プを駆動し海水を加圧するとともに、タービンの排蒸気
で供給海水を加温し、逆浸透膜による海水淡水化を行う
装置の概念図である。
プを駆動し海水を加圧するとともに、タービンの排蒸気
で供給海水を加温し、逆浸透膜による海水淡水化を行う
装置の概念図である。
【図2】 本発明に基づく、多段の逆浸透膜モジュール
のポンプを、重油ボイラーの蒸気で駆動して海水および
濃縮海水を加圧するとともに、蒸気タービンの排蒸気で
供給海水を加温して逆浸透膜による海水淡水化を行う装
置の概念図である。
のポンプを、重油ボイラーの蒸気で駆動して海水および
濃縮海水を加圧するとともに、蒸気タービンの排蒸気で
供給海水を加温して逆浸透膜による海水淡水化を行う装
置の概念図である。
【図3】 本発明に基づく、多段の逆浸透膜モジュール
のポンプを、重油ボイラーの蒸気で駆動して海水および
透過水を加圧するとともに、蒸気タービンの排蒸気で供
給海水を加温して逆浸透膜による海水淡水化を行う装置
の概念図である。
のポンプを、重油ボイラーの蒸気で駆動して海水および
透過水を加圧するとともに、蒸気タービンの排蒸気で供
給海水を加温して逆浸透膜による海水淡水化を行う装置
の概念図である。
【図4】 従来の廃棄物焼却による熱で蒸発法による海
水淡水化のみを行う装置の概念図である。
水淡水化のみを行う装置の概念図である。
1:重油ボイラー 2:蒸気タービン 3:駆動軸 4:多軸減速機 5:熱交換器、 6:高圧ポンプ 7:逆浸透膜ユニット 8:重油 9:蒸気 10:蒸気タービン排気 11:供給海水 12:濃縮海水 13:真水 14:蒸気ドレン 15:発電機 16:電力ライン 17:蒸発法海水淡水化ユニット(多重効用法) 18:供給海水、 19:蒸気ドレン 20:濃縮海水
Claims (9)
- 【請求項1】ポンプおよび逆浸透膜モジュールを含む逆
浸透膜利用の海水淡水化装置であって、ポンプが、逆浸
透膜モジュールに供給される原水を蒸気で加圧する手段
を具備するものである逆浸透膜海水淡水化装置。 - 【請求項2】蒸気で加圧する手段に重油または石炭を燃
料とするボイラーが接続している請求項1記載の逆浸透
膜海水淡水化装置。 - 【請求項3】ポンプが駆動軸を有するものであって、該
駆動軸がボイラーの蒸気で回転する蒸気タービンに連結
してなる請求項1または2に記載の逆浸透膜海水淡水化
装置。 - 【請求項4】2以上の逆浸透膜モジュールから構成さ
れ、ポンプが前段の逆浸透膜モジュールの濃縮水出口
と、後段の逆浸透膜モジュールへの供給口との間に存在
する請求項1〜3いずれかに記載の逆浸透膜海水淡水化
装置。 - 【請求項5】2以上の逆浸透膜モジュールから構成さ
れ、ポンプが前段の逆浸透膜モジュールの透過水出口
と、後段の逆浸透膜モジュールへの供給口との間に存在
する請求項1〜3いずれかにに記載の逆浸透膜海水淡水
化装置。 - 【請求項6】逆浸透膜モジュールの供給水流路に、重油
あるいは石炭を燃料とするボイラーの蒸気で原水を加温
する手段を配してなる請求項1〜5いずれかに記載の逆
浸透膜海水淡水化装置。 - 【請求項7】原水を加温する蒸気が、蒸気タービンから
抽気または排出された蒸気である請求項6記載の逆浸透
膜海水淡水化装置。 - 【請求項8】海水もしくはかん水、またはそれらを逆浸
透膜で処理して得られる濃縮水もしくは透過水をポンプ
によって加圧し、逆浸透膜での透過によって海水あるい
はかん水、またはそれらの濃縮水ないしは透過水を淡水
化する方法であって、ポンプが蒸気によって駆動するも
のである海水の淡水化方法。 - 【請求項9】海水あるいはかん水を重油あるいは石炭を
燃料とするボイラーの蒸気によって加温した後、ポンプ
によって加圧する請求項8に記載の海水の淡水化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11010294A JPH11267643A (ja) | 1998-01-26 | 1999-01-19 | 逆浸透膜海水淡水化装置および方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-12435 | 1998-01-26 | ||
JP1243598 | 1998-01-26 | ||
JP11010294A JPH11267643A (ja) | 1998-01-26 | 1999-01-19 | 逆浸透膜海水淡水化装置および方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11267643A true JPH11267643A (ja) | 1999-10-05 |
Family
ID=26345552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11010294A Pending JPH11267643A (ja) | 1998-01-26 | 1999-01-19 | 逆浸透膜海水淡水化装置および方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11267643A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013193017A (ja) * | 2012-03-19 | 2013-09-30 | Toshiba Corp | 海水淡水化装置 |
WO2013154367A1 (ko) * | 2012-04-13 | 2013-10-17 | 한국기계연구원 | 정삼투-연료전지 하이브리드 담수화 및 발전방법 및 이를 이용한 정삼투-연료전지 하이브리드 담수화 및 발전시스템 |
JP2014180652A (ja) * | 2013-03-21 | 2014-09-29 | Kayaba Ind Co Ltd | 蒸気プラントシステム |
JP2015157283A (ja) * | 2015-03-23 | 2015-09-03 | 株式会社東芝 | 海水淡水化装置 |
JP2017032224A (ja) * | 2015-08-03 | 2017-02-09 | 三浦工業株式会社 | 加温水製造システム |
CN109516630A (zh) * | 2019-01-24 | 2019-03-26 | 中南大学 | 太阳能加热蒸馏式井水净化装置 |
US10466644B2 (en) | 2016-10-12 | 2019-11-05 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Exposure window component, and exposure device and image forming apparatus using the same |
CN111023062A (zh) * | 2019-12-23 | 2020-04-17 | 中国船舶重工集团公司第七一九研究所 | 一种海上核能供汽浮动平台及供汽方法 |
-
1999
- 1999-01-19 JP JP11010294A patent/JPH11267643A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013193017A (ja) * | 2012-03-19 | 2013-09-30 | Toshiba Corp | 海水淡水化装置 |
WO2013154367A1 (ko) * | 2012-04-13 | 2013-10-17 | 한국기계연구원 | 정삼투-연료전지 하이브리드 담수화 및 발전방법 및 이를 이용한 정삼투-연료전지 하이브리드 담수화 및 발전시스템 |
JP2014180652A (ja) * | 2013-03-21 | 2014-09-29 | Kayaba Ind Co Ltd | 蒸気プラントシステム |
JP2015157283A (ja) * | 2015-03-23 | 2015-09-03 | 株式会社東芝 | 海水淡水化装置 |
JP2017032224A (ja) * | 2015-08-03 | 2017-02-09 | 三浦工業株式会社 | 加温水製造システム |
US10466644B2 (en) | 2016-10-12 | 2019-11-05 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Exposure window component, and exposure device and image forming apparatus using the same |
CN109516630A (zh) * | 2019-01-24 | 2019-03-26 | 中南大学 | 太阳能加热蒸馏式井水净化装置 |
CN109516630B (zh) * | 2019-01-24 | 2023-09-05 | 中南大学 | 太阳能加热蒸馏式井水净化装置 |
CN111023062A (zh) * | 2019-12-23 | 2020-04-17 | 中国船舶重工集团公司第七一九研究所 | 一种海上核能供汽浮动平台及供汽方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |