JP2017124382A - 水処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】NF膜を用いた場合においてもエネルギ効率を高めた水処理システムを提供する。
【解決手段】海水を濾過することで当該海水中の多価イオンを除去するナノ濾過膜11,12,15と、ナノ濾過膜11,12,15に供給される海水に対して、ナノ濾過膜11,12,15を透過するための圧力を加える高圧ポンプ10と、ナノ濾過膜11,12,15を海水が透過することで得られた硫酸イオン除去水と、ナノ濾過膜11,12,15を透過せずに排出された濃縮水と、のうちの少なくとも一方の水が有する残圧を回収する動力回収装置30と、を備えるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は水処理システムに関する。
同一油田で原油の採掘を長期間継続すると、地層(具体的には原油の存在する油層)の圧力が低下し、原油の採掘量が低下する。そこで、油層に海水やガス等を圧入しながら採掘することで、油層の圧力が保持され、採掘効率の維持が図られる。ただ、油層に海水を圧入すると、海水中に含まれる硫酸イオンが土壌中のストロンチウム等と結合し、不溶性塩となって土壌粒子間に析出することがある。このような不溶性塩は、圧入を阻害する。そこで、圧入が阻害されないように、硫酸イオン等の多価イオンを選択的に除去する性質を有するNF膜(ナノ濾過膜)を用いた水処理が、陸上油田や海上油田等において世界的に広く普及しつつある。
NF膜では、硫酸イオン等の多価イオン以外のイオンについての透過性が高く、濃縮水の塩濃度上昇による浸透圧上昇が、RO膜(逆浸透膜)を用いた場合よりも抑制できる。そのため、NF膜を用いた水処理では、RO膜を用いて得られた脱塩水(即ち淡水)の製造と比べて低い圧力で、透過水として、硫酸イオン等が除去された「硫酸イオン除去水」が高効率に回収される。
水処理に関する技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、取水ポンプと、前処理装置と、前処理装置によって前処理が行われた被処理水を圧送する高圧ポンプと、高圧ポンプから圧送される被処理水を膜濾過する第1逆浸透処理装置と、第1逆浸透処理装置の一次側からそれぞれ流出する被処理水を昇圧するブースタポンプと、ブースタポンプから圧送される被処理水を膜濾過する第2逆浸透処理装置と、第2逆浸透処理装置の一次側から流出する濃縮水の残圧を利用して被処理水を昇圧する動力回収装置と、透過水を需要側に供給する送水ポンプと、第2逆浸透処理装置の一次側から流出し動力回収装置を経由した濃縮水を排水する排水ポンプと、を備えることが記載されている。
特開2014−133189号公報
NF膜において、「硫酸イオン除去水」の回収率を向上させるためには、膜エレメントを直列に接続し、接続された膜エレメントの数を増やすことが考えられる。しかし、膜エレメントの数を単に増やせば、下流側の膜エレメントほど、圧力損失や濃縮水の浸透圧上昇による影響が出やすくなる。そのため、膜間差圧が低下し透過流束も低下し易くなることから、全体としては「硫酸イオン除去水」の回収率が低下し易い。一方で、下流側の膜エレメントの透過流束を上げるために、上流側の膜エレメントに対する圧力を単に上げれば、上流側の膜エレメントにおける透過流束が過大となって、膜エレメントが閉塞し易くなる。
そこで、膜エレメントにおける濾過工程を複数段に区切って中間で再度昇圧したり、前段の「硫酸イオン除去水」に背圧をかけて透過流束を抑制したりすることで、透過流束を膜エレメント間で平均化する対応がなされている。これらのうち、特に、背圧を利用する後者の方法によれば、ポンプの数が増えず、また、制御についても背圧弁を調整するだけで済むため、管理がし易い。ただ、この方法では、背圧分のエネルギは、ただ消費されることになる。
特許文献1に記載の技術では、比較的高圧が要求されるRO膜を用いて、脱塩水が製造されている。そして、RO膜から排出された濃縮水からエネルギが回収されて、回収されたエネルギが再利用されている。しかし、NF膜では、濾過圧力がRO膜と比較して低く、また、濃縮水の流量も少なくなることから、回収可能なエネルギも少なくなると考えられる。そのため、従来は、NF膜を用いた水処理システムにおいては、エネルギ回収は考慮されておらず、エネルギ効率には依然として改善の余地があった。
本発明はこのような課題に鑑みて為されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、NF膜を用いた場合においてもエネルギ効率を高めた水処理システムを提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、以下のようにすることで前記課題を解決できることを見出した。即ち、本発明の要旨は、被処理水を濾過することで当該被処理水中の多価イオンを除去するナノ濾過膜と、当該ナノ濾過膜に供給される被処理水に対して、前記ナノ濾過膜を透過するための圧力を加える高圧ポンプと、当該ナノ濾過膜を被処理水が透過することで得られた透過水と、前記ナノ濾過膜を透過せずに排出された濃縮水と、のうちの少なくとも一方の水が有する残圧を回収する動力回収装置と、を備えることを特徴とする、水処理システムに関する。
本発明によれば、NF膜を用いた場合においてもエネルギ効率を高めた水処理システムを提供することができる。
第一実施形態の圧入水製造システムの系統図である。 第一実施形態の圧入水製造システムにおいて行われる制御フローである。 第二実施形態の圧入水製造システムの系統図である。 第三実施形態の圧入水製造システムの系統図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。
[1.第一実施形態]
図1は、第一実施形態の圧入水製造システム100の系統図である。圧入水製造システム100は、NF膜を用いて海水から圧入水を製造するものである。そして、NF膜を用いた圧入水の製造では、NF膜を透過した透過水(その後に圧入水となるものである)や濃縮水(NF膜を透過せずに排出された水)には圧力が残っている。そこで、圧入水製造システム100では、その残圧を用いて、RO膜により、海水から生活用水が製造されている。従って、圧入水製造システム100は二つの系統を備えている。一つ目は、海水から圧入水を製造し、製造された圧入水を油田での地層に圧入する圧入水系統である。また、二つ目は、海水から生活用水を製造する生活用水系統である。
なお、本明細書においては、海水からイオンを除去して淡水を得るものをRO膜(逆浸透膜)といい、海水から硫酸イオン等の多価イオンを選択的に除去(従って、ナトリウムイオンや塩化物イオン等は除去されない)するものをNF膜(ナノ濾過膜)というものとする。
圧入水系統は、高圧ポンプ10と、NF膜11,12と、調整弁(背圧弁)13と、流量計14と、NF膜15と、高圧ポンプ16(圧入ポンプ)と、調整弁(背圧弁)17と、流量計18と、流路切替弁19とを備えている。また、これら以外にも、圧入水系統には、海水や透過水、圧入水等を送液するための送液ポンプ(図示しない)が備えられている。さらに、図示はしないが、高圧ポンプ10や送液ポンプ20の前段には、海水中の異物(ゴミ等)を除去するための前処理装置(例えば砂濾過装置、MF膜、UF膜等)が備えられている。NF膜11,12は並列に接続されており、NF膜11,12には、高圧ポンプ10によって加圧された海水(被処理水)が供給される。高圧ポンプ10による加圧量は、RO膜22(後記する)に供給する海水に対する加圧量よりも小さいものである。
NF膜11,12の透過側には、調整弁(背圧弁)13及び流量計14が備えられている。そして、流量計14により測定される流量が一定になるように、調整弁13が制御される。この調整弁13は、演算制御装置50(後記する)により制御される。そして、透過側の流量が一定になることで、NF膜11,12による安定した濾過が可能となっている。
なお、NF膜11,12を海水が透過することで、硫酸イオン等の多価イオンを含まない透過水が得られる。そして、本明細書では、この透過水のことを、便宜的に「硫酸イオン除去水」というものとする。この硫酸イオン除去水は、高圧ポンプ16によって加圧された後、圧入水として、地層に圧入される。
また、NF膜11,12の非透過側からは、濃縮水が得られる。この濃縮水は、NF膜11,12とは別のNF膜15に供給される。そして、NF膜15により、再度濾過が行われる。NF膜15を透過して得られた透過水は、前記のNF膜11,12を透過して得られた透過水と同様に、「硫酸イオン除去水」である。従って、NF膜15を透過して得られた「硫酸イオン除去水」は、前記のNF膜11,12を透過して得られた透過水(硫酸イオン除去水)に混合され、地層に圧入されることになる。
NF膜15においても透過せずに排出された濃縮水では、硫酸イオン等が濃縮されている。よって、この濃縮水のことを、本明細書では便宜的に「硫酸イオン濃縮水」というものとする。そして、この「硫酸イオン濃縮水」は海洋に戻される。このNF膜15の後段においても、前記の調整弁13及び流量計14と同様に、調整弁(背圧弁)17及び流量計18が備えられ、NF膜15による安定的な濾過が可能となっている。調整弁17及び流量計18についての具体的な制御方法は、図2を参照しながら後記する。また、動力回収装置30については、生活用水系統を説明しながら後記する。
圧入水製造システム100に備えられるもう一つの系統である生活用水系統は、高圧ポンプ21(第二高圧ポンプ)と、RO膜22とを備えている。また、これら以外にも、生活用水系統には、海水や生活用水等を送液するための送液ポンプ20が備えられている。取水された海水は高圧ポンプ21によって加圧された後、RO膜22に供給される。そして、海水(第二被処理水)がRO膜22を透過することで、脱塩水(透過水)としての生活用水が得られる。一方で、RO膜22を透過せずに排出された濃縮水(非透過水)は、海洋へ戻される。
ここで、圧入水系統においてNF膜15から排出された濃縮水は、高圧ポンプ10により加圧されたもののNF膜11,12,15で透過できなかったため、高圧(例えば1.5×10Pa(15bar)程度)となっている。そこで、圧入水製造システム100では、エネルギの高効率化の観点から、この濃縮水の有する圧力が回収されている。具体的には、圧入水製造システム100には、圧入水系統での濃縮水が有する圧力を回収して、生活用水系統でのRO膜22による生活用水の製造に用いるための動力回収装置30が備えられている。図1に示す動力回収装置30では、この圧力の移動を破線の矢印で模式的に示している。
動力回収装置30は、圧力回収装置やエネルギ回収装置等とも呼称されるものである。動力回収装置30としては、ピストン型やロータ型等様々なタイプのものがあり、どのようなものであっても圧入水製造システム100に適用可能である。
また、圧入水製造システム100は、圧入水を製造しつつ生活用水を製造するものであるが、圧入水製造システム100が設置される場所や時間帯等の使用環境によっては、生活用水の新たな製造が一時的に不要となることがあり得る。そこで、このような場合には、RO膜22の上流に備えられた送液ポンプ20及び高圧ポンプ21を停止し、生活用水の新たな製造が停止される。これに伴い、動力回収装置30の駆動も停止される。これとともに、流路切替弁19が閉止され、これにより、濃縮水は動力回収装置30を介さずにそのまま海洋へ戻されることになる。
なお、高圧ポンプ20のオンオフや、調整弁13,17及び流路切替弁19の制御は、演算制御装置50によって行われる。演算制御装置50は、いずれも図示はしないが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、I/F(インターフェイス)等を備え、ROMに格納されている所定の制御プログラムがCPUによって実行されることにより具現化される。
図2は、第一実施形態の圧入水製造システム100において行われる制御フローである。この制御フローは、生活用水を製造していない状態で圧入水を製造しているとき、即ち、生活用水系統は稼働してしない一方で圧入水系統が稼働しているときに、演算制御装置50によって実行される。圧入水が製造されているとき、生活用水が必要になった場合(ステップS101のYes方向)、送液ポンプ20がオンになるとともに、高圧ポンプ21がオンになる(ステップS102)。これにより、加圧された海水がRO膜22に供給され、海水の脱塩処理、即ち生活用水の供給が開始される(ステップS103)。
次いで、圧入水系統において流路切替弁19が開放されることで、動力回収装置30を有する動力回収流路に切り替えられる(ステップS104)。これにより、NF膜15から排出された濃縮水は動力回収装置30に供給され、動力回収が開始される(ステップS105)。このようにして、濃縮水の有する残圧が、生活用水の製造に使用されることになる。
ただし、流路切替弁19が開放されることで動力回収装置30が接続されることになるから、NF膜15の下流側の負荷が変動する。そのため、NF膜15の非透過側の圧力及び流量が変動し得る。NF膜15において安定した濾過性能を維持する観点からは、NF膜15の非透過側の圧力及び流量はできるだけ変動せずに一定程度であることが好ましい。ここで、圧入水製造システム100では、製造される圧入水流量の大幅な急変を避ける観点から、非透過側の圧力及び流量変動が小さくなるようにしている。具体的には、非透過側の流量である流量計18により測定される流量が一定になるように、調整弁17の開度が制御されている。
即ち、希望流量と開度との関係(制御パラメータ)が演算制御装置50に予め記録されている。そして、演算制御装置50は、流量計18により測定される流量が希望流量になるように、当該制御パラメータに基づいて調整弁17の開度を調整している(所謂フィードフォワード制御)。一方で、長期的な膜の性能変化に対応する観点から、硫酸イオン除去水や濃縮水流量に基づくフィードバック制御も行われている。従って、圧入水製造システム100では、フィードフォワード制御とフィードバック制御とが組み合わされて行われている。
ただ、前記のステップS104において流路切替弁19が開放され、動力回収装置30に濃縮水が供給され始めると、前記のようにNF膜15の非透過側の環境が開放前から変更されることになる。そのため、流路切替弁19が開放される前に使用していた前記の制御パラメータに基づいて調整弁17の開度が制御されると、希望の流量が得られない可能性がある。
そこで、演算制御装置50には、流路切替弁19が開放されたときの環境に対応する制御パラメータ(流路切替弁19が「閉止」されているときの制御パラメータとは異なる)が記録されている。そして、動力回収装置30に濃縮水が供給され始めて動力回収が開始された後(前記のステップS105)、演算制御装置50は、調整弁17の制御に用いる制御パラメータを、流路切替弁19が開放されたときの環境に対応する制御パラメータに変更する(ステップS106)。これにより、動力回収装置30により圧力が回収されつつ、NF膜15の非透過側の圧力及び流量を維持して安定した濾過が可能となる。
そして、演算制御装置50は、運転停止ボタン(図示しない)が押下されていないかの動作に基づいて、生活用水が引き続き必要であるか否か、即ち、脱塩処理を継続するか否かを判断する(ステップS107)。そして、脱塩処理を継続する場合には(ステップS107のYes方向)、所定時間経過後に再びステップS107の判断が行われる。一方で、脱塩処理を停止する場合には(ステップS107のNo方向)、演算制御装置50は送液ポンプ20をオフにするとともに、高圧ポンプ21もオフにする。これにより、RO膜22への海水の供給が停止され、脱塩処理が停止される(ステップS109)。
そして、演算制御装置50は流路切替弁19を閉止して、NF膜15から排出された濃縮水の流路が通常流路(動力回収装置30を有しない)に切り替えられる(ステップS110)。さらに、演算制御装置50は、調整弁17の制御パラメータを、流路切替弁19を閉止しているときの環境に対応するものに変更する(即ち元の制御パラメータに戻す。ステップS111)。以上のフローにより、圧入水の製造の途中で生活用水が必要になったときの動作が終了する。
以上の圧入水製造システム100によれば、NF膜11,12,15を用いた圧入水の製造に使用されたエネルギ(残圧)を回収して再利用が図られるため、エネルギ効率が向上する。特に、NF膜11,12,15から排出された水の有する残圧を回収することで、前記の特許文献1に記載のようなRO膜から排出された水の有する残圧を回収するよりも、省エネルギ効果を高めることができる。即ち、NF膜11,12,15は圧入水の製造用に使用されるため、これらのNF膜11,12,15によって処理される海水の流量は圧倒的に大きい。従って、このような大流量の濃縮水(硫酸イオン濃縮水)の有する残圧を回収することで、回収される残圧の総量も多くなることから、省エネルギ効果が高められる。また、回収される残圧が多くなることから、場合によっては、高圧ポンプ21が不要になることもあり得る。
また、三つのNF膜11,12,15の濃縮水側に動力回収装置30が備えられることで、エネルギの回収効率をより高めることができる。即ち、濃縮水は、エネルギを付与したにも関わらずNF膜11,12,15を透過できなかった水(硫酸イオン濃縮水)であるため、エネルギを消費して透過した透過水(硫酸イオン除去水)と比べて、有するエネルギ(残圧力)が多い。従って、濃縮水側に動力回収装置30が備えられることで、エネルギの回収量を多くすることができる。
[2.第二実施形態]
次に、図3を参照しながら第二実施形態に係る圧入水製造システム200を説明する。なお、前記の圧入水製造システム100と同じ装置や系統については同じ符号や名称を付すものとし、その詳細な説明を省略する。
図3は、第二実施形態の圧入水製造システム200の系統図である。前記の圧入水製造システム100(図1参照)では、NF膜11,12,15から排出された濃縮水(硫酸イオン濃縮水)の有する残圧が回収されていたが、図3に示す圧入水製造システム200では、NF膜11,12,15から排出された透過水(硫酸イオン除去水、その後に圧入水となる)の有する残圧が回収されている。従って、圧入水製造システム200では、NF膜11,12,15の透過水側に、前記の図1や図2を参照しながら説明した調整弁17や流量計18、流路切替弁19、動力回収装置30が備えられている。そして、これらは、前記の圧入水製造システム100における制御(図2参照)と同様に制御される。
このような圧入水製造システム200によっても、エネルギ効率を向上させることができる。
[3.第三実施形態]
次に、図4を参照しながら第三実施形態に係る圧入水製造システム300を説明する。なお、前記の圧入水製造システム100と同じ装置や系統については同じ符号や名称を付すものとし、その詳細な説明を省略する。
図4は、第三実施形態の圧入水製造システム300の系統図である。前記の圧入水製造システム100,200では、圧入水とともに生活用水が併せて製造されており、この生活用水の製造にあたって圧入水の製造で生じた残圧が使用されていた。しかし、図4に示す圧入水製造システム300では、生活用水の製造は行われず、圧入水の製造で生じた残圧は、圧入水の高圧ポンプ16の補助圧力として再利用されている。従って、圧入水製造システム300では、NF膜11,12,15から排出された濃縮水(硫酸イオン濃縮水)の有する圧力が、NF膜11,12,15から排出された透過水としての圧入水(硫酸イオン除去水)に移動されるように、動力回収装置30が備えられている。
動力回収装置30がこのように備えられていることで、圧入用の高圧ポンプ16の稼働量を減らせるため、省エネルギ化を図ることができる。また動力回収装置30で予め加圧された濃縮水(硫酸イオン除去水)が高圧ポンプ16に供給されることになるため、高圧ポンプ16の供給側が負圧になることが防止される。そのため、圧入水の逆流が十分に防止され、圧入水の安定した圧入が可能となる。さらには、高圧ポンプ16でのキャビテーション防止効果が得られる。また、高圧ポンプ16の前段に図示しない微粒子除去フィルタ等を設ける場合には、当該フィルタによって生じた圧力損失を補うフィードポンプを追加するか又は高圧ポンプ10の圧力を微増することが好ましい。しかし、動力回収装置30が図4に示すように備えられていることでこれらの対応が不要となり、省エネルギ効果が見込まれる。
[4.変形例]
以上、三つの実施形態を挙げて本実施形態を説明したが、本発明は前記の例になんら限られるものではない。例えば、各実施形態を適宜組み合わせて実施することができる。例えば、前記の圧入水製造システム100において、生活用水を製造していないとき、回収した圧力が圧入ポンプ16への補助圧力として使用されるようにしてもよい。
さらに、例えば、前記の各実施形態では、本実施形態の水処理システムの例として圧入水製造システムを例に挙げたが、本実施形態の水処理システムは圧入水製造システムに限定されるものではない。即ち、NF膜11,12,15において得られた透過水の用途は圧入水に限定されるものではなく、他の用途に使用されてもよい。また、NF膜11,12,15において生じた濃縮水は、そのまま海洋に戻されているが、この濃縮水を例えば船舶のバラスト水と使用してもよい。濃縮水をバラスト水として使用することにより、バラストタンクに砂や生物の死骸等のゴミが溜まらないという利点がある。
また、例えば、前記の各実施形態では、NF膜11,12,15やRO膜22で処理される水として海水を挙げたが、例えば固形分を除去した下水や中水、工場排水等を処理に供してもよい。RO膜22に供給される海水についても同様に変更可能である。また、例えば、前記の水処理システムがFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)に設置される場合、FPSOに来た船舶に搭載されたバラスト水を前記の水処理システムで処理するようにしてもよい。また、動力回収装置30により回収された圧力は、例えばUF膜等(図示しない)による濾過のための圧力として使用して、搭載用のバラスト水の殺菌に用いてもよい。
さらに、例えば、前記の圧入水製造システムでは、海洋油田を主に例に挙げたが、陸上油田でもよい。
また、例えば、前記の各実施形態では、NF膜11,12,15により除去されるものとして多価イオンの例として硫酸イオンを主に挙げて説明したが、除去される多価イオンは硫酸イオンに限られるものではなく、他の多価イオンも同様にNF膜11,12,15によって除去されることになる。
さらに、例えば、前記の各実施形態では、NF膜11,12,15における透過水と濃縮水とのうちのいずれか一方のみから残圧が回収されていたが、これら双方の有する残圧を回収して、例えば高圧ポンプ16や高圧ポンプ21の補助圧力として用いてもよい。
また、前記の各実施形態では、流量計14が備えられて流量が測定されているが、例えば圧力計を備えて圧力で判断するようにしてもよい。
10 高圧ポンプ
11 NF膜(ナノ濾過膜)
12 NF膜(ナノ濾過膜)
15 NF膜(ナノ濾過膜)
16 高圧ポンプ(圧入ポンプ)
21 高圧ポンプ(第二高圧ポンプ)
22 RO膜
50演算制御装置
30 動力回収装置
100 圧入水製造システム
200 圧入水製造システム
300 圧入水製造システム

Claims (4)

  1. 被処理水を濾過することで当該被処理水中の多価イオンを除去するナノ濾過膜と、
    当該ナノ濾過膜に供給される被処理水に対して、前記ナノ濾過膜を透過するための圧力を加える高圧ポンプと、
    当該ナノ濾過膜を被処理水が透過することで得られた透過水と、前記ナノ濾過膜を透過せずに排出された濃縮水と、のうちの少なくとも一方の水が有する残圧を回収する動力回収装置と、を備えることを特徴とする、水処理システム。
  2. 第二被処理水を濾過することで当該第二被処理水の脱塩処理を行う逆浸透膜と、
    当該逆浸透膜に供給される第二被処理水に対して、前記逆浸透膜を透過するための圧力を加える第二高圧ポンプと、を備え、
    前記動力回収装置は、前記ナノ濾過膜を透過せずに排出された濃縮水が有する残圧を回収し、前記第二高圧ポンプに供給される第二被処理水に対して当該残圧を供給するものであることを特徴とする、請求項1に記載の水処理システム。
  3. 前記被処理水は海水であり、
    前記ナノ濾過膜に対して海水を透過させることで得られた透過水を油田での地層に圧入する圧入ポンプを備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の水処理システム。
  4. 前記被処理水は海水であり、
    前記ナノ濾過膜に対して海水を透過させることで得られた透過水を油田での地層に圧入する圧入ポンプと、を備え、
    前記動力回収装置は、前記ナノ濾過膜を透過せずに排出された濃縮水が有する残圧を回収し、前記圧入ポンプに供給される透過水に対して当該残圧を供給するものであることを特徴とする、請求項1に記載の水処理システム。
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