JP2005144301A - 脱塩処理装置および脱塩処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 効率的に所望のろ過液を得ることができる脱塩処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 脱塩処理装置は、熱交換器1で加熱された海水が加熱器3によりさらに加熱されて第1の膜ろ過装置5で膜ろ過される。ろ過液はさらに第2の膜ろ過装置7で膜ろ過される。第2の膜ろ過装置7で膜ろ過されて得られるろ過液の塩濃度を電導度計20により測定する。測定された塩濃度が予め設定された限界値より高いと制御部21は弁4の開度を上げ、海水は水路42を介して第1の膜ろ過装置5へ導入される。
【選択図】図7

Description

本発明は、溶液を脱塩することができる脱塩処理装置および脱塩処理方法に関する。
従来、海水等の溶液から淡水を得るには、溶液中に含まれるイオン類、微粒子、微小な有機物等を除去する処理(以下、省略して脱塩処理という)を行う。脱塩処理の具体例としては、逆浸透膜(Reverse Osmosis、以下、RO膜という)を用いた方法を挙げることができる。この方法においては、海水の供給側に圧力をかけ、水分子が強制的に浸透膜を通過するようにして脱塩処理を行う。RO膜を用いると、RO膜を透過したろ過液の塩濃度を飲料水レベルや工業用水レベルとなるまで下げることができる。
ところで、このRO膜を用いた脱塩処理では、供給される海水の一部がろ過されてろ過液として淡水が得られる一方、水分子が奪われることにより塩濃度が高くなった排液が排出される。供給する海水に対して得られるろ過液の割合は回収率として表される。例えば海水の供給側に4〜8MPaの圧力をかけて脱塩処理すると、30〜60%の回収率で淡水を得ることができる。すなわち、70〜40%が排液として排出される。
脱塩処理においては、ろ過液の回収率を高くするため、従来より様々な検討が行われている。例えば、供給する海水を熱交換器により加熱し、浸透膜を透過する水分子の量を多くする、すなわち回収率を高くする技術が検討されている(特許文献1参照)。
特開昭52−27067号公報(第1−2頁、図面)
しかしながら、海水を加熱してRO膜を透過させると、水分子以外のものが膜を透過しやすくなるため、得られるろ過液の塩濃度が増加してしまう。このように上昇した塩濃度を下げるためには、海水の供給量を増加させればよいが、供給量を増加させると回収率が低下してしまう。また、浸透膜の膜面積を小さくして単位面積あたりにかかる水の圧力を大きくすることにより塩濃度を下げることができるが、膜ろ過の処理量が低下し、さらに浸透膜に負荷がかかりすぎることにより膜の劣化が早まってしまう。その他、複数段の膜ろ過装置を設けて対処する方法もあるが、いたずらに設置数を多くすることは非効率的でコストがかかり、また設備面積が限られている場所では難しい。
加えて、得られるろ過液の塩濃度は、その用途に応じた塩濃度の限界値が設定されており、この限界値をクリアしていれば、過度に脱塩する必要がないのが通常である。
したがって、所望の塩濃度のろ過液を効率的に得るための方法が要求されている。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、効率的に所望の塩濃度のろ過液を得ることができる脱塩処理装置および脱塩処理方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の脱塩処理装置は、導入される被処理液を膜ろ過装置において膜ろ過し、膜ろ過より得られるろ過液を送出する。さらに、温度調整部にて、膜ろ過装置へ導入する被処理液の温度を調整する。これには、測定部によりろ過液の濃度を測定し、測定部により測定された濃度に基づき、温度調整部で調整する被処理液の温度を制御する。温度調整部は、加熱された被処理液を膜ろ過装置へ導入する第1の導入路と、第1の導入路の被処理液の温度より低い温度の被処理液を膜ろ過装置へ導入する第2の導入路とを備えることができ、測定部によりろ過液の濃度を測定し、測定部により測定された濃度に基づき制御部で弁の開閉を調節することで、第1の導入路と第2の導入路のそれぞれから膜ろ過装置へ送出する被処理液の流量を調節する。
一般的に、膜ろ過においては、被処理液の温度によって膜を透過する成分が変わり、例えば高温でろ過するとろ過液の塩濃度は高くなるが大量のろ過液を得ることができ、その反面、低温でろ過するとろ過液の量は減るが得られるろ過液の塩濃度は低くなる。そこで、本発明の脱塩処理装置では、制御部で弁の開度を制御し、互いに異なる温度の被処理液を導入させる第1の導入路と第2の導入路のそれぞれからの被処理液の流量を調節することで、第1の導入路からのろ過液と第2の導入路からのろ過液の混合比を調整し、膜ろ過装置に導入される被処理液の温度を調節することができるのである。この他、制御部では弁を「開」または「閉」に切り替えることで、第1の導入路または第2の導入路のいずれか一方から被処理液を膜ろ過装置へ導入することもできる。この場合も、第1の導入路、第2の導入路のそれぞれからの流量を調整することになる。
また、温度調整には、火力発電所の復水器から排出される、原水より例えば7℃程度高くなっている海水を、被処理液に直接混ぜることも可能である。
なお、このような構成の膜ろ過装置は、一段のみ備えてもよいし、複数段備えるようにしてもよい。
この脱塩処理装置では、第1の導入路において被処理液を加熱する加熱器をさらに備えることができる。上記のように、第1の導入路、第2の導入路から導入する、互いに異なる温度の被処理液の流量を調節することによって、膜ろ過装置に導入される被処理液の温度を調節することができるので、加熱器自体では、被処理液に対して付与する熱量を変化させることで被処理液の温度調節をする必要が無く、ほぼ一定の熱量を被処理液に付与する構成であればよい。
また、膜ろ過装置へ導入する被処理液を、膜ろ過装置から排出された未ろ過液の熱により加熱する熱交換器をさらに備えてもよい。
その他、複数の膜ろ過装置を並列に接続し、第1の導入路と第2の導入路は互いに異なる膜ろ過装置へ接続させることができる。また、複数の膜ろ過装置を並列に接続し、膜ろ過装置のそれぞれに第1の導入路と第2の導入路とが接続されていてもよい。
さらに、膜ろ過装置から排出された未ろ過液のエネルギーをエネルギー回収装置で回収し、そのエネルギーにより膜ろ過装置へ被処理液を送り込むポンプを駆動する構成とすることもできる。
また、本発明の脱塩処理装置は、加熱された被処理液を膜ろ過する第1の膜ろ過装置と、第1の膜ろ過装置のろ過液をさらに膜ろ過する第2の膜ろ過装置と、を備える。そして、第1の膜ろ過装置のろ過液を第2の膜ろ過装置へ導入するろ過液導入路と、第2の膜ろ過装置のろ過液を送出する送出路と、第1の膜ろ過装置のろ過液を、第2の膜ろ過装置を迂回するようにして送出路へ送出する迂回路と、を備え、ろ過液導入路と迂回路のそれぞれにおける第1の膜ろ過装置のろ過液の通過量を調整する切替弁をさらに備える。そして、測定部により、ろ過液導入路におけるろ過液および/または送出路におけるろ過液の濃度を測定し、測定された濃度に基づき切替弁の開閉を制御部で制御するものである。この脱塩処理装置では、制御部により制御された切替弁と、第2の膜ろ過装置を迂回する迂回路を設けているので、第1の膜ろ過装置のろ過液の塩濃度がそれ以上ろ過しなくてもよい濃度である場合等には、第2の膜ろ過装置を介さずに生産水を得ることができる。
この脱塩処理装置においては、加熱された被処理液を第1の膜ろ過装置へ導入する第1の導入路と、第1の導入路の被処理液の温度より低い温度の被処理液を第1の膜ろ過装置へ導入する第2の導入路と、第1の導入路、第2の導入路のそれぞれから第1の膜ろ過装置へ送出する被処理液の流量を調節する弁とをさらに備え、制御部は、弁の開閉も制御することができる。このときも、弁の開閉の制御は、単に「開」と「閉」のみを切り替えるのみでもよいし、「開度」を調整するようにしても良い。
さらに、本発明の脱塩処理装置は、第1の膜ろ過装置において加熱された被処理液を膜ろ過し、第2の膜ろ過装置において第1の膜ろ過装置のろ過液をさらに膜ろ過し、測定部において第1の膜ろ過装置のろ過液および/または第2の膜ろ過装置のろ過液の濃度を測定し、温度調節部において測定部により測定された濃度に基づき第2の膜ろ過装置へ導入されるろ過液の温度を調節することを特徴とするものである。この脱塩処理装置では、ろ過液の濃度に基づいて第2の膜ろ過装置へ導入されるろ過液の温度を調節することができる。
ここで、例えば温度調節部には、第1の膜ろ過装置のろ過液の熱エネルギーを、第1の膜ろ過装置へ新たに導入される被処理液へ与えることでろ過液を冷却する熱交換器や、逆に第1の膜ろ過装置のろ過液を加熱する加熱器を採用することができる。
その他、本発明の脱塩処理装置は、加熱部では被処理液を加熱し、膜ろ過装置では加熱された被処理液を膜ろ過し、熱交換器では膜ろ過装置から排出された排出液の熱により膜ろ過装置へ新たに導入される被処理液を加熱する。さらに、エネルギー回収装置では排出液のエネルギーを回収し、エネルギー回収装置により回収されたエネルギーにより駆動されるポンプにより、膜ろ過装置へ被処理液を送り込む。この脱塩処理装置では、加熱された被処理液を膜ろ過する脱塩処理装置を駆動するために必要なエネルギーを、膜ろ過装置内に設けられる熱交換器、エネルギー回収装置により得ることができる。
このとき、加熱部、熱交換器、エネルギー回収装置、ポンプ等の配置(順序)については何ら限定するものではなく、適宜設計した順序で配置することができる。
この脱塩処理装置では、加熱された被処理液を膜ろ過装置へ導入する第1の導入路と、第1の導入路の被処理液の温度より低い温度の被処理液を膜ろ過装置へ導入する第2の導入路と、第1の導入路および/または第2の導入路上に設けられ、膜ろ過装置へ送出する被処理液の流量を調節する弁と、膜ろ過装置において得られるろ過液を送出する送出路と、送出路に設けられ、ろ過液の濃度を測定する測定部と、測定部により測定された濃度に基づき、弁の開閉を調節する制御部とをさらに有することもできる。
ところで、上記において、弁を第1の導入路および/または第2の導入路上に設ける、と記述しているが、これは言うまでもなく、弁を第1の導入路と第2の導入路の双方に設ける構成、第1の導入路または第2の導入路のいずれか一方にのみ設ける構成、のいずれであっても良いことを示している。同様に、第1の膜ろ過装置のろ過液および/または第2の膜ろ過装置でのろ過液の濃度を測定する、との記述は、第1の膜ろ過装置のろ過液と第2の膜ろ過装置のろ過液の双方の濃度を測定する構成と、第1の膜ろ過装置のろ過液または第2の膜ろ過装置のろ過液のいずれか一方のみで濃度を測定する構成、のいずれであっても良いことを示している。
本発明は被処理液を膜ろ過する脱塩処理方法として捉えることもできる。本脱塩処理方法は、加熱ステップにおいて被処理液を加熱し、膜ろ過ステップにおいて加熱された被処理液を膜ろ過し、測定ステップにおいて膜ろ過により得られるろ過液の濃度を測定し、送出ステップでは、測定された濃度が予め設定された限界値より高いときに、加熱ステップをスキップした被処理液を膜ろ過装置へ送出することを特徴とする。この脱塩処理方法では、予め設定された限界値と実際の濃度とを比較し、その濃度が限界値より高いと、温度の低い被処理液を膜ろ過装置へ導入することができる。
また本発明は、被処理液を膜ろ過する複数段の膜ろ過装置を備えた脱塩処理装置における脱塩処理方法として捉えることもでき、膜ろ過ステップにて被処理液を第1の膜ろ過装置により膜ろ過して送出した後、第1の生産水取得ステップにて第1の膜ろ過装置から送出されたろ過液を第2の膜ろ過装置で膜ろ過して生産水を得る場合と、第2の生産水取得ステップにて第1の膜ろ過装置から送出されたろ過液をそのまま生産水として得る場合とがあり、これらは、膜ろ過により得られるろ過液の濃度に基づいて切り替えて実行される。つまりこの脱塩処理方法では、複数段の膜ろ過装置において、ろ過液の濃度が限界値より低い場合には、2回目の膜ろ過を経ずに生産水を得るように制御することができる。
本発明の脱塩処理によれば、熱エネルギーを有効に活用しながら、所定の塩濃度以下のろ過液を効率的に得ることが可能となる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1の脱塩処理装置を説明する図である。
図1に示す脱塩処理装置は、熱交換器1と、第1のポンプ(ポンプ)2と、加熱器3と、弁4と、RO膜を備えた第1の膜ろ過装置(膜ろ過装置)5と、第2のポンプ(ポンプ)6と、RO膜を備えた第2の膜ろ過装置(膜ろ過装置)7と、エネルギーを回収する第1のエネルギー回収タービン(エネルギー回収装置)8と、第2のエネルギー回収タービン(エネルギー回収装置)9とを備え、これらがパイプ管等の水路によって接続されて構成されている。
具体的には、脱塩処理装置では、海水(被処理液)を供給する水路40が熱交換器1を介して第1のポンプ2に接続されている。第1のポンプ2から延びる水路は分岐し、一方の水路(第1の導入路)41は加熱器3へ接続され、さらに第1の膜ろ過装置5へ接続されている。また、第1のポンプ2から延びて分岐した水路(第2の導入路)42は弁4へ接続され、さらに加熱器3の後段側で水路41に合流して第1の膜ろ過装置5へ延びている。第1の膜ろ過装置5から延びてろ過液を通す水路(ろ過液導入路)44は第2のポンプ6へ接続されている。また、第1の膜ろ過装置5から延びて未ろ過液(排出液)を排出する水路45は、熱交換器1と第1のエネルギー回収タービン8を介して延びており、最終的に排水用の水路へと繋がっている。
また、第2のポンプ6から延びる水路44は第2の膜ろ過装置7へ接続されている。第2の膜ろ過装置7から、ろ過液を通す水路が延びており、最終的に生産水を得るための水路(送出路)47へと繋がっている。また、第2の膜ろ過装置7から未ろ過液(排出液)を通す水路46は、第2のエネルギー回収タービン9を介すように延びており、さらに熱交換器1と第1のポンプ2との間で水路40に接続されている。
ここで、加熱器3は、例えば通常の電気を用いた加熱に限られず、例えば太陽熱による加熱や、エアコンの排熱や、ボイラの排熱を利用した加熱するものを使用することができる。第1および第2の膜ろ過装置5、7は、例えばRO膜を備えるものの他、UF膜(限外ろ過膜,Ultrafiltration)、MF膜(精密ろ過膜,Microfiltration)等を備えるものであってもよく、いずれも溶液中の不純物や塩を除去できるものである。このなかでもRO膜は分離できる不純物が精密であるため、海水を淡水化するのに適している。また、第1および第2のエネルギー回収タービン8、9は、高圧排水のエネルギーを利用して、脱塩処理装置内のポンプの動力を補助するものである。
次に、図1に示す脱塩処理装置における海水の膜ろ過処理の方法について具体的に説明する。なお、以下の図においては水の流れを矢印にて示している。
まず、供給される海水は熱交換器1を通ることにより加熱される。そして、加熱された海水は、第1のポンプ2により水路41を通って加熱器3へと送られる。加熱器3では、海水はさらに加熱されて第1の膜ろ過装置5へと送られる。加熱器3における加熱は、求める生産水の塩濃度に応じて適宜設定すれば良い。
なお、第1のポンプ2から送出される海水は、熱交換器1によりある程度温められている場合には、適宜、弁4を開き、海水の一部分が水路42により加熱器3を経ずに第1の膜ろ過装置5へ直接送出されるようにすることができる。RO膜を透過する海水の温度が高いほどRO膜を透過し易いものとなるが、その反面、RO膜のろ過液の塩濃度が高くなる。ここでは、第1の膜ろ過装置5へ導入される海水の温度は加熱器3と弁4によって調整されるが、この温度は第1の膜ろ過装置5のRO膜の特性や最終的に得る生産水の塩濃度によって適宜決定される。
続けて、第1のポンプ2により加圧されて第1の膜ろ過装置5へ導入された海水はRO膜によりろ過される。このとき、RO膜によりろ過されなかった未ろ過液は排水として廃棄されるが、その前に、図1に示すように熱交換器1へと送られる。第1の膜ろ過装置5へ導入される海水は、加熱器3や熱交換器1を経て加熱されている。この加熱された水温は、第1の膜ろ過装置5を通った後もさほど低下しない。したがって、この未ろ過液の熱を熱交換器1にて新たに導入される海水を温めるために使用している。このように熱交換器1を設けることで、廃棄される排水の熱を有効に使用することができ、その分、加熱器3における加熱で使用されるエネルギーも通常より少なくて済む。
また、第1の膜ろ過装置5のRO膜においてろ過されて塩濃度が低くなったろ過液は、水路44を通って第2のポンプ6へと導入される。ここで、第1の膜ろ過装置5のろ過液の回収率は、例えば60%程度である。さらに、ろ過液は水路44に設けられた第2のポンプ6により加圧されて第2の膜ろ過装置7へと送出される。第2の膜ろ過装置7では、ろ過液はRO膜によりさらにろ過され、所定の塩濃度のろ過液を生産水として得ることができる。ここで、第2の膜ろ過装置7のろ過液(生産水)の回収率は例えば95%程度である。
また、第2の膜ろ過装置7のRO膜によりろ過されなかった未ろ過液は、水路46を通って第2のエネルギー回収タービン9へと排出される。第2のエネルギー回収タービン9では、未ろ過液の水圧を、第2のポンプ6を駆動させるために使用する。このように、加圧された状態で第2の膜ろ過装置7から排出された未ろ過液の水圧を利用することで第2のポンプ6を駆動することができるので、第2のポンプ6を駆動するために新たに供給するエネルギーが少なくて済む。
なお、第2のエネルギー回収タービン9を通過した未ろ過液は、既に第1の膜ろ過装置5を透過して塩濃度がある程度低くなっている。この塩濃度が低くなった未ろ過液を有効に利用するため、この未ろ過液を熱交換器1と第1のポンプ2との間に供給し、新たに供給される海水と一緒に、再度脱塩処理を行うことができる。
以上のように実施の形態1の脱塩処理装置では、加熱された海水、未ろ過液、ろ過液の熱を無駄なく徹底的に再利用およびエネルギー変換して利用することで、従来と比較して少ないエネルギーで効率的に脱塩処理を行うことができる。したがって、エネルギー供給が難しい地域であっても、安価に安定して大量のろ過液すなわち淡水を供給することができる。
さて、上記実施の形態では、第1の膜ろ過装置5へ導入される海水の温度を加熱器3と弁4によって調整する構成としたが、これに代え、図2に示すように、加熱器3にて、加熱用流体を熱源として海水の温度を調整する構成とすることもできる。この場合、加熱器3の熱源となる加熱用流体の流量を弁4’の開閉により調整することができる。
なお、加熱用流体としては、プラント等で使用される蒸気、加熱水、作動流体(油)等が好適である。
図3は、本発明の実施の形態2の脱塩処理装置を説明する図である。
図3に示す脱塩処理装置は、電導度計(測定部)20と制御部21とを備えた点以外は図1に示す実施の形態1の脱塩処理装置と同じ構成を有する。電導度計20は、第2の膜ろ過装置7から延びる水路47上に設けられている。電導度計20と制御部21は接続されており、さらに制御部21は弁4の開閉を制御するようになっている。
ここで、電導度計20は、溶液の塩濃度(イオン濃度)を測定できるものであり、一般に使用されるものを用いることができる。また、制御部21は、例えばCPU等の演算処理部、メモリやハードディスク等の記憶部、データの入出力部を備えており、予め導入されたプログラムにより所定の処理を行うことが可能とされている。なお、図3に示す脱塩処理装置において、図1に示す脱塩処理装置と同じ部材は同じ記号を付して説明を省略する。
次に、図3に示す脱塩処理装置における海水の膜ろ過処理の方法について具体的に説明する。
まず、供給される海水は水路40の熱交換器1を通ることにより加熱される。そして、加熱された海水は、第1のポンプ2により水路41に設けられた加熱器3へと送られる。加熱器3では、海水がさらに加熱されて第1の膜ろ過装置5へと送られる。なお、弁4が開いている場合には、第1のポンプ2により送られる海水の一部分は加熱器3を通らず、水路42により第1の膜ろ過装置5へと直接導入される。
続けて、第1のポンプ2により加圧されて第1の膜ろ過装置5へ導入された海水はRO膜によりろ過される。このとき、RO膜によりろ過されなかった未ろ過液は実施の形態1と同様に水路45の熱交換器1および第1のエネルギー回収タービン8を通って排出される。また、第1の膜ろ過装置5のRO膜においてろ過されて塩濃度が低くなったろ過液は、実施の形態1と同様にして水路44を通り第2のポンプ6へと送出される。そして、第2のポンプ6により加圧され、第2の膜ろ過装置7へと導入される。
第2の膜ろ過装置7のRO膜によりろ過されなかった未ろ過液は、実施の形態1と同様にして水路46の第2のエネルギー回収タービン9を通り、熱交換器1と第1のポンプ2との間に供給され、新たに供給される海水と一緒にされて再度脱塩処理が行われる。一方、第2の膜ろ過装置7のRO膜によりろ過されたろ過液は、水路47において電導度計20により塩濃度が測定される。そして、電導度計20により測定されたろ過液の塩濃度の測定値は制御部21へと送出される。そして、制御部21は得られた塩濃度の測定値に基づいて、弁4の開度を制御する。
ここで、実施の形態2における制御部21による脱塩処理装置の制御について以下に説明する。
図4は、実施の形態2の制御部21における処理を説明するフロー図である。
まず、制御部21は、電導度計20により測定されたろ過液の塩濃度(EC)の測定値を受け取ると、塩濃度(EC)が予め設定された限界値(ECL)以下であるか否かを判断する(ステップS101)。ここで、限界値(ECL)は最終的に得られる生産水の塩濃度を調整するためのものであり、例えば目的とする生産水の塩濃度そのものや、目的とする生産水の塩濃度より少し低い濃度に設定する。なお、目的とする生産水の塩濃度は使用目的に応じて適宜設定され、例えば工業用水であればCl-≦100ppm、飲料水であればCl-≦200〜250ppmである。
ステップS101において塩濃度(EC)は限界値(ECL)以下である、すなわち生産水の塩濃度は上限より低いと判断すると、ステップS101へ戻り新たに測定される塩濃度(EC)に基づいて再度処理を行う。一方、ステップS101において制御部21が塩濃度(EC)は限界値(ECL)より大きいと判断すると、制御部21は弁4の開度が100%(即ち全開)未満か否かを判断する(ステップS102)。
ステップS102において弁4の開度は100%未満、すなわち全開ではないと判断すると、制御部21は弁4を開く処理を行う(ステップS103)。弁4を開くと、第1のポンプ2により送出された海水の一部が弁4を通って、すなわち加熱器3を通らずに第1の膜ろ過装置5へと導入される。したがって、第1の膜ろ過装置5に導入される海水の温度は下がり、第1の膜ろ過装置5のRO膜の脱塩率が向上する。その結果、第1の膜ろ過装置5でろ過されたろ過液の塩濃度(EC)は低いものとなる。なお、弁4の開き具合(以下、開度という)は、塩濃度(EC)に応じて適宜調整されるように予め設定することができる。そして制御部21が弁4の開度を調整した後、ステップS101へ戻り、新たに測定される塩濃度(EC)に基づいて再度処理を行う。
また、ステップS102において弁4の開度が100%すなわち全開であると判断すると、制御部21が脱塩処理装置の処理を停止し(ステップS104)、本処理を終了する。
弁4が全開されている状態とは、すなわち第1の膜ろ過装置5へ導入される海水の温度を弁4の開度を調節することにより下げることができない状態である。このような状態におけるろ過液の塩濃度(EC)が限界値(ECL)より高くなっている原因としては、第1の膜ろ過装置5や第2の膜ろ過装置7のRO膜が劣化していたり、付着物が堆積していること等が想定される。したがって、ろ過液の塩濃度(EC)を限界値(ECL)以下に下げるためには、一旦処理を停止して、RO膜の交換等の処置を行うことが好ましい。
なお、上記処理と同様にして、制御部21は塩濃度(EC)が予め設定される限界値(ECL)を所定量下回る場合、弁4の開度を小さくするように調整することもできる。生産水として得るろ過液の濃度は、目的とする濃度以下であればよい。したがって、導入される海水の温度を高くすることで生産水の塩濃度を限界値までの範囲内で高くし、大量のろ過液を得ることができる。
このように実施の形態2では、実施の形態1においても実現可能な省エネルギー処理を可能とするだけではなく、ろ過液の塩濃度に応じて第1の膜ろ過装置5へ導入する海水の温度を調節することで、最終的に得られる生産水の塩濃度を簡単に且つ効率的に調整することができる。通常、膜ろ過を用いた脱塩処理においては、生産水の塩濃度は、膜ろ過装置へ導入される海水の温度や量、RO膜の種類、RO膜の劣化状態等、様々な要因により変化する。そこで実施の形態2においては、最終的に得られる生産水の塩濃度に応じて流入される海水の温度を上下させることにより、確実に且つ効率的に所定の塩濃度の生産水を大量に得ることができる。また、生産水は目的の塩濃度を満足していればよいので、塩濃度が所定の値を下回る場合には塩濃度を上げて、できるだけ多くの生産水を得ることもできる。
また、海水温度の調整においては、弁4の開度の調節のみで生産水の塩濃度の制御をすることができ、例えば第1の膜ろ過装置5へ導入する海水の温度を直接測定し加熱器3による加熱温度を変えたり、第1のポンプ2の出力を変える必要がなく、応答性のよい制御を行うことができる。
ただし、この脱塩処理装置に、加熱器3の温度を加熱温度を変えたり、第1のポンプ2の出力を変えることにより調節する機構を設ける構成とすることも可能であり、このような構成を採用することを積極的に排除する意図はない。
ところで、弁4の開度の調節は、塩濃度の測定値と弁4の開度との相関を示すデータ等を制御部21で記憶しておき、得られた塩濃度に基づいて、その塩濃度に対応した弁4の開度に制御してもよいし、また、弁4の開度を複数段階に設定しておき、得られた塩濃度に基づいて、弁4の開度を変更する必要がある場合には、開度を1段階ずつ変更していくようにしてもよい。この他、弁4を単に「開」と「閉」とで切り替えるようにすることも可能である。
なお、上記実施の形態2では、第2の膜ろ過装置7のRO膜によりろ過されなかった未ろ過液を、実施の形態1と同様にして水路46の第2のエネルギー回収タービン9を通して熱交換器1と第1のポンプ2との間に供給し、新たに供給される海水と一緒にして再度脱塩処理を行う構成としたが、これに限るものではない。このような構成とした場合、ホウ素の濃度が徐々に高まることもあるため、求める生産水の水質、供給する海水の性状等によっては、第2の膜ろ過装置7のRO膜によりろ過されなかった未ろ過液は、水路46の第2のエネルギー回収タービン9を通した後、そのまま排出する構成とすることも可能である。
なお、本実施の形態で示した構成においても、図2と同様の構成が適用できる。すなわち、図5に示すように、加熱器3にて、プラント等で使用される蒸気、加熱水、作動流体(油)等の加熱用流体を熱源とし、海水の温度を調整するのである。この場合、加熱器3の熱源となる加熱用流体の流量を調整する弁4’の開度を、制御部21で制御する。
制御部21で弁4’の開度を制御する処理の流れは、基本的には図4に示したのと同様であるが、以下に差異点のみを示す。
図6に示すように、ステップS101において制御部21が、塩濃度(EC)は限界値(ECL)より大きいと判断すると、制御部21は弁4’の開度が0%(即ち全閉)であるか否かを判断する(ステップS102’)。
そして、弁4’の開度は0%、すなわち全閉ではないと判断すると、制御部21は弁4’を閉じる処理を行う(ステップS103’)。弁4’を閉じると、加熱用流体の流量が減り、したがって、第1の膜ろ過装置5に導入される海水の温度は下がり、第1の膜ろ過装置5のRO膜への負担が軽くなるのでろ過の性能が高くなる。
このように弁4’の開度を制御部21で制御し、加熱用流体の流量を調整することで第1の膜ろ過装置5へ導入される海水の温度を調整する構成は、以下に示す各実施の形態にも同様に適用することが可能である。
図7は、本発明の実施の形態3の脱塩処理装置を説明する図である。
図7に示す脱塩処理装置は、図3に示す実施の形態2における脱塩処理装置の第1および第2のエネルギー回収タービン8、9が設けられていない点以外は、当該実施の形態2の脱塩処理装置とほぼ同じ構成を有し、また同じように機能する。このように、本発明の実施の形態3では、エネルギー回収タービンは設けられなくてもよい。図7に示す脱塩処理装置では、図4に示す脱塩処理装置よりシンプルで簡単な設備でありながら、電導度計20と制御部21が設けられているので、塩濃度が十分に調整された質のよい生産水を得ることができる。
図8は、本発明の実施の形態4の脱塩処理装置を説明する図である。
図8に示す脱塩処理装置は、切替弁10と水路48(迂回路)を備えた点以外は図7に示す実施の形態3の脱塩処理装置とほぼ同じ構成を有する。具体的には、図8に示す脱塩処理装置は、第1の膜ろ過装置5のろ過液を第2の膜ろ過装置7へ導入する水路44において、第1の膜ろ過装置5と第2のポンプ6との間に切替弁10を備えている。この切替弁10から矢印Aの方向(以下、これを経路Aと称する)へ延びる水路44は第2のポンプ6へ接続され、切替弁10から矢印Bの方向(以下、これを経路Bと称する)へ延びる水路48は、第2の膜ろ過装置7から延びる水路47に対し第2の膜ろ過装置7と電導度計20の接続個所との間にバイパス接続されている。また、切替弁10は制御部21により、その開閉が制御されるようになっており、ろ過液が流れる方向が経路Aまたは経路Bへと決定される。
次に、図8に示す脱塩処理装置における海水の膜ろ過処理の方法について説明する。
まず、脱塩処理装置に導入される海水は、図7に示す実施の形態3と同様にして、熱交換器1、第1のポンプ2、加熱器3を経て第1の膜ろ過装置5へと導入される。第1の膜ろ過装置5のRO膜を透過しなかった未ろ過液は熱交換器1を経て排出される。一方、第1の膜ろ過装置5のRO膜を透過したろ過液は、水路44を通って切替弁10へと導入される。切替弁10は後述する制御部21の制御によってろ過液の送出方向を経路Aと経路Bを切り替える。
切替弁10が、経路Aへろ過液が流れるように開いている場合には、ろ過液は第2のポンプ6を経て第2の膜ろ過装置7へと導入される。そして、第2の膜ろ過装置7のRO膜を透過しなかった未ろ過液は、水路46を通って熱交換器1と第1のポンプ2との間で新たに導入された海水へ流入される。また切替弁10が、経路Bへろ過液が流れるように開いている場合には、ろ過液は水路48を通って第2の膜ろ過装置7をバイパスし、生産水を送出する水路47へと直接導入される。
そして、経路Aを通って第2の膜ろ過装置7のRO膜を透過したろ過液、または経路Bを通って第2の膜ろ過装置7を経ずに2回目の膜ろ過処理を受けなかったろ過液は、電導度計20により塩濃度が測定された後、生産水として外部へ送出される。電導度計20により測定された塩濃度は制御部21へと送出され、制御部21では得られた塩濃度に基づいて弁4と切替弁10の開閉(開度)の制御を行う。
ここで、実施の形態4における制御部21による切替弁10の制御について以下に説明する。
図9は、実施の形態4の制御部21における切替弁10の処理を説明するフロー図である。
まず、制御部21は、切替弁10が経路Bへろ過液が流れるように開いているか否かを判断する(ステップS110)。切替弁10が経路Bへろ過液が流れるように開いていると判断すると、制御部21は塩濃度(EC)が予め設定された限界値(ECL1)以下であるか否かを判断する(ステップS111)。ステップS111において塩濃度(EC)は限界値(ECL1)以下であると判断すると、制御部21はステップS110へ戻り新たに測定される塩濃度(EC)に基づいて再度処理を行う。一方、ステップS111において制御部21が塩濃度(EC)は限界値(ECL1)より大きいと判断すると、制御部21は切替弁10をろ過液が経路Aへ流れるように切り換え(ステップS112)、ステップS110へ戻り新たに測定される塩濃度(EC)について再度処理を行う。
このように、第1の膜ろ過装置5のRO膜を透過したろ過液が所定の塩濃度以下になっている場合には、そのろ過液を経路Bへ送出することで第2の膜ろ過装置7における膜ろ過処理を行わずに済む。したがって、第2の膜ろ過装置7のRO膜の劣化を抑えることができ、また処理時間も短縮させることができる。
また、ステップS110において、切替弁10が経路Bへろ過液が流れるように開いていない、すなわち第1の膜ろ過装置5のろ過液は経路Aへ流れるように切替弁10が開いていると判断すると、制御部21は塩濃度(EC)が予め設定された限界値(ECL2)以下であるか否かを判断する(ステップS113)。限界値(ECL2)は、限界値(ECL1)と同様に予め適宜設定することができる。ステップS113において塩濃度(EC)は限界値(ECL2)以下である、すなわち生産水の塩濃度は上限より低いと判断すると、制御部21はステップS110へ戻り、新たに測定される塩濃度(EC)に基づいて再度処理を行う。一方、ステップS113において制御部21が塩濃度(EC)は限界値(ECL2)より大きい、すなわち生産水の塩濃度は目的とする塩濃度の上限を超していると判断すると、制御部21は、切替弁10の開度が全開(100%)以下であるか否かを判断する(ステップS114)。
ステップS114において切替弁10の開度が全開(100%)未満であると判断すると、切替弁10の開度をさらに上げる(ステップS115)。なお、開度は塩濃度(EC)に応じて適宜調節される。そして、制御部21はステップS110へ戻り新たに測定される塩濃度(EC)に基づいて再度処理を行う。一方、ステップS114において切替弁10の開度が全開(100%)未満ではない、すなわち開度はこれ以上、上がらないと判断すると、制御部21は脱塩処理装置の処理を停止し(ステップS116)、本処理を終了する。切替弁10の開度は上げることができない、すなわち切替弁10の切替や開度の調節のみでは生産水の塩濃度を下げることができない状態なので、一旦処理を停止して膜ろ過装置のRO膜の交換等の処置を行うことが好ましい。
このように実施の形態4では、生産水の塩濃度に基づき必要に応じて第2の膜ろ過装置7を透過させずに生産水を得ることができるので、RO膜の劣化を抑えて長期間にわたって使用することができるため経済的である。また、生産水の塩濃度に応じて第2の膜ろ過装置7を透過させずに生産水を得ることにより、短時間で効率的に生産水を得ることができる。
なお、実施の形態4における弁4の制御は、切替弁10の制御と共に実施の形態2および3と同様に図4に示す処理に従って行うことができる。このとき、弁4の制御における限界値(ECL)と切替弁10の制御における限界値(ECL)とはそれぞれ個別に適宜決めることもできる。また、制御部21は、弁4の開放により塩濃度(EC)の制御ができなくなった場合(図4に示すステップS104の場合)において、図8に示した切替弁10の制御を開始するものであってもよい。その反対に、切替弁10の経路Aの開放により塩濃度(EC)の制御ができなくなった場合(図9に示すステップS116の場合)において、制御部21は図4に示した弁4の制御を開始するものであってもよい。この切替弁10も、制御部21による開閉の制御は、その開度を調整するものであっても良いし、「開」と「閉」を単純に切り替えるものとすることも可能である。
なお上記実施の形態において、切替弁10を、水路44、48の分岐部分に設けることで第2の膜ろ過装置7への透過水量を調整する構成としたが、これに代えて、以下に示すような構成を採用することもできる。
すなわち、図10に示すように、第1の膜ろ過装置5のろ過液を第2の膜ろ過装置7へ導入する水路44から分岐する水路48に、調整弁10’を設け、この調整弁10’の開度を制御部21により制御することで、第2の膜ろ過装置7への透過水量を調整するのである。
このような構成によっても、上記と同様の効果を得ることができる。
図11は、本発明の実施の形態5の脱塩処理装置を説明する図である。
図11に示す脱塩処理装置は、第2の熱交換器11(温度調節部)及び第2の弁12を備えた点以外は図7に示す実施の形態3の脱塩処理装置とほぼ同じ構成を有する。具体的には、図11に示す脱塩処理装置は、第2の熱交換器11を、第1の膜ろ過装置5からろ過液を送出する水路44上に備えている。そして海水を供給する水路40は、第2の熱交換器11を経て熱交換器1へと接続されている。また、第2の熱交換器11へ海水を導入する水路と、第2の熱交換器11から熱交換器1へと延びる水路との間を接続し、第2の熱交換器11をバイパスする水路49が設けられ、その水路49上に第2の弁12が設けられている。第2の弁12は制御部21によりその開閉が制御されるようになっている。なお、第2の膜ろ過装置7から延びる未ろ過液を送出する水路46は、第2の熱交換器11から加熱された海水を送出する水路に対し、第2の熱交換器11と熱交換器1との間で接続されている。
次に、図11に示す脱塩処理装置における海水の膜ろ過処理の方法について具体的に説明する。
まず、供給される海水は第2の熱交換器11を通ることにより加熱される。続けて、図7に示す実施の形態3と同様にして、熱交換器1、第1のポンプ2、加熱器3を経て第1の膜ろ過装置5へと導入される。第1の膜ろ過装置5のRO膜を透過しなかった未ろ過液は熱交換器1を経て排出される。一方、第1の膜ろ過装置5のRO膜を透過したろ過液は、第2の熱交換器11へと導入される。
ところで、第1の膜ろ過装置5へ導入されて膜ろ過される海水は、第2の熱交換器11、熱交換器1および加熱器3により加熱されて水温が高くなっている。この海水は、第2の熱交換器11を省略した構成とした場合を考えると、第1の膜ろ過装置5のRO膜を透過してろ過液となった後も、その温度をあまり下げることがない。このように水温が高くなっているろ過液を第2の膜ろ過装置7へとそのまま導入すると、ろ過液はRO膜を透過しやすく、その結果、第2の膜ろ過装置7のRO膜を透過して得られる生産水の塩濃度が高くなってしまう。そこで、図11に示す脱塩処理装置では、第2の熱交換器11を備え、新たに脱塩処理装置へ導入される海水にろ過液の熱を移動させ、導入される海水の温度を上昇させると共に、ろ過液の温度を下げている。したがって、実施の形態5では、実施の形態1〜4と比較して、ろ過液がより低い水温で第2の膜ろ過装置7へ導入されて膜ろ過の処理がなされる。その結果、塩濃度が高くない優れた水質の生産水を得ることができる。
その他、実施の形態5では第1の膜ろ過装置5へ導入される海水の温度をろ過液の廃熱を利用して上げることができ、従来あるいは他の各実施の形態の脱塩処理装置と比較して、少ないエネルギーで効率的に運転することができる。
ところで、最終的に得られる生産水の塩濃度を電導度計20によって測定し、この生産水の塩濃度に基づき、制御部21にて弁4の開閉だけではなく、第2の弁12の開閉も調節することができる。例えば、生産水の塩濃度(EC)が限界値(ECL)より低いときには、第2の膜ろ過装置7へ導入されるろ過液の温度を第2の熱交換器11で下げることを特に行わず、第2の弁12を開放して新たに供給される海水が第2の熱交換器11を経ずに熱交換器1へと導入されるように制御することもできる。
なお、実施の形態5では、第2の熱交換器11において、ろ過液を冷却するために、ろ過のために新たに導入した海水との間で熱交換させる構成としたが、必ずしも第2の熱交換器11による海水とろ過液との熱交換は行われなくてもよい。
また、第2の膜ろ過装置7に導入されるろ過液を冷却する場合でも、その冷却手段は、第2の熱交換器11において、例えばろ過のために導入する海水とは別の経路で導入した海水を用いて冷却するものであってもよいし、また、夜間における放射熱やペルチエ効果を利用した冷却を行ってもよい。
なお、実施の形態1〜4において第2の膜ろ過装置7の未ろ過液は熱交換器1を経た海水に合流しているが、図11に示す実施の形態5では、第2の膜ろ過装置7の未ろ過液が、第2の熱交換器11と熱交換器1とを接続する水路に供給されている。実施の形態5では、第2の膜ろ過装置7の未ろ過液は第2の熱交換器11を経ることで新たに供給された海水と熱を交換しているので、実施の形態1〜4の未ろ過液と比較して未ろ過液の温度が低下している。したがって、未ろ過液を脱塩処理装置へ新たに導入される海水と共に熱交換器1を経させることで、その温度を上昇させている。ただし、実施の形態1〜4と同様に、未ろ過液は熱交換器1を経た海水に合流させるものであってもよい。
また、上記実施の形態5では、第2の熱交換器11において、ろ過液と熱交換することで、ろ過のために新たに導入した海水を加熱し、この海水を、さらに熱交換器1にて第1の膜ろ過装置5の未ろ過液と熱交換することで、さらに加熱する構成としたが、これに代えて、以下に示すような構成とすることができる。
すなわち、図12に示すように、新たに導入した海水を、水路40と水路40’に分岐し、一方の水路40では、第2の熱交換器11においてろ過液と熱交換することで、新たに導入した海水を加熱するようにし、他方の水路40’では、第2の熱交換器11’において、第1の膜ろ過装置5の未ろ過液と熱交換する。さらに、これら第2の熱交換器11、11’をバイパスする水路49に第2の弁12を設け、この第2の弁12の開度を制御部21により制御するのである。
これにより、新たに導入した海水は、第1の膜ろ過装置5のろ過液と熱交換する第2の熱交換器11と、第1の膜ろ過装置5の未ろ過液と熱交換する第2の熱交換器11’とで並列に加熱されることになり、より効率の良い加熱が行える。
図13は、本発明の実施の形態6の脱塩処理装置を説明する図である。
図13に示す脱塩処理装置は、第2の加熱器13と水路50と第3の弁14とを備えた点以外は図7に示す実施の形態3とほぼ同じ構成を有する。具体的には、図13に示す脱塩処理装置は、第2の加熱器13を第1の膜ろ過装置5と第2のポンプ6との間に備えている。第2の加熱器13は制御部21により、その加熱が制御できるようになっている。また、第1の膜ろ過装置5のろ過液が、第2の加熱器13を介さずに第2のポンプ6へ導入できるように、第1の膜ろ過装置5と第2の加熱器13の間から、第2の加熱器13と第2のポンプ6の間へと延びる水路50と、その水路50を開閉する第3の弁14が設けられている。さらに第3の弁14は、制御部21により、その開閉が制御されるようになっている。
次に、図13に示す脱塩処理装置における海水の膜ろ過処理の方法について具体的に説明する。
まず、図7に示す実施の形態3と同様にして、熱交換器1、第1のポンプ2、加熱器3を経て第1の膜ろ過装置5へと導入される。第1の膜ろ過装置5のRO膜を透過しなかった未ろ過液は熱交換器1を経て排出される。一方、第1の膜ろ過装置5のRO膜を透過したろ過液は、第2の加熱器13へと導入されて加熱される。第2の加熱器13による加熱は、制御部21により調節される。具体的には、まず第2の膜ろ過装置7を透過した生産水の塩濃度(EC)を電導度計20により測定する。測定された塩濃度(EC)が限界値(ECL)より低かった場合には、塩濃度(EC)が限界値(ECL)に近づくように制御を行う。すなわち、第2の加熱器13によりろ過液を加熱して温度を上げ、第2の膜ろ過装置7のRO膜を透過しやすくする。制御部21がこのように制御することで、最低限の水質を維持しながら、大量の生産水を得ることができる。
なお、実施の形態6における脱塩処理装置では、第2の加熱器13により第2の膜ろ過装置7へ導入されるろ過液を急激に加熱すると、第2の膜ろ過装置7のRO膜が劣化してしまうため、徐々に加熱する注意が必要である。また、生産水の塩濃度(EC)が限界値(ECL)より高い場合には、制御部21は第3の弁14を開放し、ろ過液を、第2の加熱器13を介さずに第2の膜ろ過装置7へ導入し、低い温度で膜ろ過するようにしてもよい。
なお、上記実施の形態6においても、図2に示したような、加熱用流体の流量を調整することで第1の膜ろ過装置5へ導入される海水の温度を加熱器3で調整する構成を適用可能であるが、さらに、第2の加熱器13についても、同様に、加熱用流体の流量を調整することで第1の膜ろ過装置5へ導入される海水の温度を調整する構成を備えることができる。
図14は、本発明の実施の形態7の脱塩処理装置を説明する図である。
図14に示す脱塩処理装置は、図7に示す実施の形態3における脱塩処理装置の第1の膜ろ過装置5の代わりに、第1の膜ろ過装置5と同じように第1の膜ろ過装置として機能する2つの膜ろ過装置(第1の膜ろ過装置)5a、5bを並列して備えており、それに伴い水路および電導度計20の設置個所が実施の形態3とは異なっている。具体的には、図14に示す脱塩処理装置では、海水を供給する水路40が熱交換器1を介して第1のポンプ2に接続されている。第1のポンプ2から延びる水路は、加熱器3および膜ろ過装置5aが設けられた水路41と、弁4および膜ろ過装置5bが設けられた水路42とに分岐している。水路41、42は、膜ろ過装置5aと膜ろ過装置5bの後段側で合流し、第2のポンプ6へと接続されている。第2のポンプ6へ至る前の水路44には電導度計20が接続されており、合流した膜ろ過装置5aのろ過液と膜ろ過装置5bのろ過液の塩濃度(EC)が測定可能とされている。
なお、膜ろ過装置5aから延びて未ろ過液を排出する水路45aは、熱交換器1を介して延びており、最終的に排水するための水路へと繋がっている。一方、膜ろ過装置5bから延びて未ろ過液を排出する水路45bは、熱交換器1を介さずに、最終的に排水するための水路へと繋がっている。また、図14においては第2の膜ろ過装置7の未ろ過液の処理に関する構造を省略しているが、実施の形態1〜5と同様に熱交換器1と第1のポンプ2との間へ水路が延びている。
図14に示す脱塩処理装置では、まず供給される海水は熱交換器1により加熱され、第1のポンプ2へと送出される。さらに、第1のポンプ2により送出された海水は、弁4が閉じている場合には加熱器3で加熱された後に膜ろ過装置5aへ送出される。または、弁4が開放されている場合には、第1のポンプ2から弁4を経て、膜ろ過装置5bへと送出される。ここで、弁4の開閉は、制御部21により調節される。具体的には、膜ろ過装置5aまたは膜ろ過装置5bを透過したろ過液の塩濃度を電導度計20により測定する。測定された塩濃度(EC)が限界値(ECL)より高くなった場合、制御部21は塩濃度(EC)に応じて弁4を開放して海水が加熱されずに膜ろ過装置5bにおいて膜ろ過されることで、ろ過液の塩濃度を低くすることができる。一方、塩濃度(EC)が限界値(ECL)より低い場合、弁4を閉じて加熱器3を経て加熱された海水を膜ろ過装置5aにおいて膜ろ過することで、大量のろ過液を得ることができる。
以上のように膜ろ過装置5a、5bを経たろ過液は、第2のポンプ6を介して第2の膜ろ過装置7へと送出される。そして、最終的に第2の膜ろ過装置7のRO膜を透過した、塩濃度の低い生産水を得ることができる。このように、本発明においては、複数の膜ろ過装置を並列に設けることにより、より効率的に脱塩処理することができる。
なお、上記実施の形態7では、膜ろ過装置5a、5bを経たろ過液は、第2のポンプ6を介して第2の膜ろ過装置7へと送出される構成としたが、この第2のポンプ6および第2の膜ろ過装置7は必須の構成ではなく、要求される生産水の水質等によっては省略することもできる。
図15は、本発明の実施の形態8の脱塩処理装置を説明する図である。
図15に示す脱塩処理装置は、膜ろ過装置5a、5bに海水を導入する水路が異なる点およびその水路を開閉する弁4a、4b、4cを備えた点以外は図14に示す実施の形態7とほぼ同じ構成を有する。具体的には、図15に示す脱塩処理装置では、第1のポンプ2から延びる水路41は加熱器3に接続されているが、加熱器3から延びる水路41は2つに分岐し、水路41aと水路41bとがそれぞれ膜ろ過装置5aと膜ろ過装置5bへ接続されている。膜ろ過装置5bへ接続する水路41bには、弁4cが設けられている。また、第1のポンプ2から延び、加熱器3へ至る前に分岐した水路42は弁4aへ接続されている。弁4aから延びる水路42は分岐して、一方の水路42bは膜ろ過装置5bへ接続されており、他方の水路42aは弁4bを経た後に水路41aと合流して膜ろ過装置5aへ接続されている。弁4a、4b、4cはそれぞれ制御部21に接続され、膜ろ過装置5a、5bのろ過液の塩濃度(EC)に基づいて弁4a、4b、4cの開閉が調節される。
例えば、図15に示す脱塩処理装置において、弁4a、4b、4cの開閉を制御部21で適宜制御することで、以下に示すようなろ過処理を行える。
膜ろ過装置5a、5bを経たろ過液の塩濃度(EC)が限界値(ECL)より低い場合、膜ろ過装置5a、5bの双方に加熱器3により加熱された海水を水路41a、41bを介して導入して多量の海水を透過させることができる。また、膜ろ過装置5a、5bを経たろ過液の塩濃度(EC)が限界値(ECL)以上の場合、膜ろ過装置5a、5bの双方に加熱器3を介さずに第1のポンプ2から水路42a、42bを介して直接海水を導入し、ろ過液の塩濃度を下げることができる。さらに、実施の形態7と同様に、水路41aを介して膜ろ過装置5aのみに加熱器3により加熱された海水が導入され、水路42bを介して膜ろ過装置5bには加熱されていない海水を導入させることもできる。その他、膜ろ過装置5a、5bのどちらか一方へ海水が導入されるようにしてもよい。
このように、実施の形態8では、制御部21が弁4a、4b、4cの開閉を調節することで、ろ過液の塩濃度(EC)を限界値(ECL)以下に保ちつつ、効率よく脱塩処理を行うことができる。
なお、上記各実施の形態においては、第1の膜ろ過装置5と第2の膜ろ過装置7により2段ろ過を行っているが、本発明はこれに限定されない。例えば、3つ以上の膜ろ過装置を用いて3段以上のろ過を行うものであってもよい。また、実施の形態7および8においては、1段を複数の膜ろ過装置5a、5bにより構成しているが、本発明はその並列する膜ろ過装置の数を限定するものではない。また、2段目以降を複数の膜ろ過装置により構成することもできる。その他、本発明の脱塩処理装置は1段のみの膜ろ過装置で構成してもよい。
また、制御部21では、第3の弁14、弁4a、4b、4cの開閉を制御するようにしたが、単なる「開」と「閉」ではなく、弁4と同様にその開度を制御する構成とすることも可能である。
また、上記実施の形態においてはろ過液の塩濃度を測定する測定部として電導度計20を用いているが、本発明はこれに限定されず、測定部は塩濃度を測定できるものであればよい。
さらに、上記各実施の形態において、加熱器3を、第1のポンプ2の後段側に備える構成としたが、これを第1のポンプ2の前段側に設けること等は、設計的事項に過ぎない。これ以外にも、各構成の配列順序等は、適宜変更することが可能である。
加えて、上記実施の形態1〜8に示した脱塩処理装置の各部の構成を適宜組み合わせた構成とすることももちろん可能であり、水質重視、水量重視、RO膜の寿命(メンテナンス性)重視等、その目的に応じた構成を組み合わせて採用すればよい。例えば、実施の形態4〜8に示した構成に、実施の形態1に示したエネルギー回収タービン8、9を備える構成とすること等が可能である。
この他、図4や図9に示した処理の流れはあくまでも一例に過ぎず、本発明の主旨に反しないのであれば、適宜他の処理内容に変更することが可能である。
また、電導度計20の位置等についても、例えば第1の膜ろ過装置5と第2の膜ろ過装置7の間としたり、適宜変更を加えた構成とすることができる。さらに、第1の膜ろ過装置5と第2の膜ろ過装置7の後段側にそれぞれ電導度計20を備え、さらにきめ細かい制御を行うこと等も可能である。
なお、上記実施の形態においては、被処理液が海水であるが、本発明はこれに限定されず、海水以外の溶液についても脱塩処理することができる。
その他、本発明においては主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本発明の実施の形態1の脱塩処理装置を説明する図である。 本発明の実施の形態1の脱塩処理装置の他の例を示す図である。 本発明の実施の形態2の脱塩処理装置を説明する図である。 実施の形態2の制御部21における処理を説明するフロー図である。 本発明の実施の形態2の脱塩処理装置の他の例を示す図である。 図5に示した構成における制御部21での処理を説明するフロー図である。 本発明の実施の形態3の脱塩処理装置を説明する図である。 本発明の実施の形態4の脱塩処理装置を説明する図である。 実施の形態4の制御部21における切替弁10の処理を説明するフロー図である。 本発明の実施の形態4の脱塩処理装置の他の例を示す図である。 本発明の実施の形態5の脱塩処理装置を説明する図である。 本発明の実施の形態5の脱塩処理装置の他の例を示す図である。 本発明の実施の形態6の脱塩処理装置を説明する図である。 本発明の実施の形態7の脱塩処理装置を説明する図である。 本発明の実施の形態8の脱塩処理装置を説明する図である。
符号の説明
1…熱交換器、2…第1のポンプ(ポンプ)、3…加熱器、4、4a、4b、4c…弁、5…第1の膜ろ過装置(膜ろ過装置)、5a、5b…膜ろ過装置(第1の膜ろ過装置)、6…第2のポンプ(ポンプ)、7…第2の膜ろ過装置(膜ろ過装置)、8、9…エネルギー回収タービン(エネルギー回収装置)、10…切替弁、11…第2の熱交換器(温度調節部)、12…第2の弁、13…第2の加熱器、14…第3の弁、20…電導度計(測定部)、21…制御部、41…水路(第1の導入路)、42…水路(第2の導入路)、44…水路(ろ過液導入路)、47…水路(送出路)、48…水路(迂回路)

Claims (15)

  1. 導入される被処理液を膜ろ過する膜ろ過装置と、
    前記膜ろ過装置へ導入する被処理液の温度を調整する温度調整部と、
    前記膜ろ過装置での膜ろ過により得られるろ過液の濃度を測定する測定部と、
    前記測定部により測定された濃度に基づき、前記温度調整部で調整する被処理液の温度を制御する制御部と
    を備えたことを特徴とする脱塩処理装置。
  2. 前記温度調整部は、
    加熱された被処理液を前記膜ろ過装置へ導入する第1の導入路と、
    前記第1の導入路の被処理液の温度より低い温度の被処理液を前記膜ろ過装置へ導入する第2の導入路と、
    前記第1の導入路、前記第2の導入路のそれぞれから前記膜ろ過装置へ送出する被処理液の流量を調節する弁と、を備え、
    前記制御部は前記弁の開閉を制御することを特徴とする請求項1に記載の脱塩処理装置。
  3. 前記第1の導入路において前記被処理液を加熱する加熱器をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の脱塩処理装置。
  4. 前記膜ろ過装置は複数が並列に接続され、前記第1の導入路と前記第2の導入路は互いに異なる前記膜ろ過装置へ接続されていることを特徴とする請求項2または3に記載の脱塩処理装置。
  5. 前記膜ろ過装置は複数が並列に接続され、前記膜ろ過装置のそれぞれに前記第1の導入路と前記第2の導入路とが接続されていることを特徴とする請求項2または3に記載の脱塩処理装置。
  6. 前記膜ろ過装置へ導入する被処理液を、当該膜ろ過装置から排出された未ろ過液の熱により加熱する熱交換器をさらに備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の脱塩処理装置。
  7. 前記膜ろ過装置から排出された未ろ過液のエネルギーを回収するエネルギー回収装置と、
    前記エネルギー回収装置により回収されたエネルギーにより駆動され、前記膜ろ過装置へ被処理液を送り込むポンプと、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の脱塩処理装置。
  8. 加熱された被処理液を膜ろ過する第1の膜ろ過装置と、
    前記第1の膜ろ過装置のろ過液をさらに膜ろ過する第2の膜ろ過装置と、
    前記第1の膜ろ過装置のろ過液を前記第2の膜ろ過装置へ導入するろ過液導入路と、
    前記第2の膜ろ過装置のろ過液を送出する送出路と、
    前記第1の膜ろ過装置のろ過液を、前記第2の膜ろ過装置を迂回するようにして前記送出路へ送出する迂回路と、
    前記ろ過液導入路と前記迂回路のそれぞれにおける前記第1の膜ろ過装置のろ過液の通過量を調整する切替弁と、
    前記ろ過液導入路におけるろ過液および/または前記送出路におけるろ過液の濃度を測定する測定部と、
    前記測定部により測定された濃度に基づき前記切替弁の開閉を制御する制御部とを備えたことを特徴とする脱塩処理装置。
  9. 加熱された被処理液を前記第1の膜ろ過装置へ導入する第1の導入路と、
    前記第1の導入路の被処理液の温度より低い温度の被処理液を前記第1の膜ろ過装置へ導入する第2の導入路と、
    前記第1の導入路と前記第2の導入路上のそれぞれから前記第1の膜ろ過装置へ送出する被処理液の流量を調節する弁とをさらに備え、
    前記制御部は、前記弁の開閉も制御することを特徴とする請求項8に記載の脱塩処理装置。
  10. 加熱された被処理液を膜ろ過する第1の膜ろ過装置と、
    前記第1の膜ろ過装置のろ過液をさらに膜ろ過する第2の膜ろ過装置と、
    前記第1の膜ろ過装置のろ過液および/または前記第2の膜ろ過装置のろ過液の濃度を測定する測定部と、
    前記測定部により測定された濃度に基づき前記第2の膜ろ過装置へ導入されるろ過液の温度を調節する温度調節部とを備えたことを特徴とする脱塩処理装置。
  11. 前記温度調節部は、前記第1の膜ろ過装置のろ過液の熱エネルギーを、前記第1の膜ろ過装置へ新たに導入される被処理液に与える熱交換器であることを特徴とする請求項10に記載の脱塩処理装置。
  12. 前記温度調節部は、前記第1の膜ろ過装置のろ過液を加熱する加熱器であることを特徴とする請求項10に記載の脱塩処理装置。
  13. 被処理液を加熱する加熱部と、
    加熱された被処理液を膜ろ過する膜ろ過装置と、
    前記膜ろ過装置から排出された排出液の熱により当該膜ろ過装置へ新たに導入される被処理液を加熱する熱交換器と、
    排出液のエネルギーを回収するエネルギー回収装置と、
    前記エネルギー回収装置により回収されたエネルギーにより駆動され、前記膜ろ過装置へ被処理液を送り込むことができるポンプと、
    を備えたことを特徴とする脱塩処理装置。
  14. 被処理液を膜ろ過する脱塩処理方法であって、
    被処理液を加熱する加熱ステップと、
    加熱された被処理液を膜ろ過する膜ろ過ステップと、
    膜ろ過により得られるろ過液の濃度を測定する測定ステップと、
    測定された濃度が予め設定された限界値より高いときに、前記加熱ステップをスキップした被処理液を膜ろ過装置へ送出する送出ステップと、
    を有することを特徴とする脱塩処理方法。
  15. 被処理液を膜ろ過する複数段の膜ろ過装置を備えた脱塩処理装置における脱塩処理方法であって、
    被処理液を第1の膜ろ過装置により膜ろ過して送出する膜ろ過ステップと、
    前記第1の膜ろ過装置から送出されたろ過液を第2の膜ろ過装置において膜ろ過して生産水を得る第1の生産水取得ステップと、
    前記第1の膜ろ過装置から送出されたろ過液をそのまま生産水として得る第2の生産水取得ステップと、を有し、
    前記第1の生産水取得ステップと前記第2の生産水取得ステップを、膜ろ過により得られるろ過液の濃度に基づいて切り替えて実行することを特徴とする脱塩処理方法。
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