JP2016528223A - 低下する分離温度を有する膜カスケード - Google Patents

低下する分離温度を有する膜カスケード Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも2段階の膜カスケードを用い、各段階において少なくとも1つの膜による物質の分離を、それぞれの段階に割り当てられた分離温度で行う、物質混合物を分離する方法に関する。更に、本発明は、相応する膜カスケード、均一系触媒による反応混合物から触媒を分離するためのこの膜カスケードの使用、並びに前記触媒分離を膜カスケードによって行うヒドロホルミル化する方法に関する。本発明の基礎となる課題は、できる限り小さな膜面積で済むが、要求された分離課題及び分離効率を満たす、物質混合物を膜に基づき分離する方法を提供することである。この課題は、分離温度が低下する膜カスケードの使用により解決される。

Description

本発明は、少なくとも2段階の膜カスケードを用い、各段階において少なくとも1つの膜による物質の分離を、それぞれの段階に割り当てられた分離温度で行う、物質混合物を分離する方法に関する。更に、本発明は、相応する膜カスケード、均一系触媒による反応混合物から触媒を分離するためのこの膜カスケードの使用、並びに前記触媒分離を膜カスケードによって行うヒドロホルミル化する方法に関する。
プロセス技術者は、分離操作とは、物質混合物の質的分離のための手段であり、複数の成分を含む導入物質混合物を少なくとも2つの導出物質混合物に変え、ここで、得られた導出物質混合物は、導入物質混合物とは異なる量的組成を有することであると理解している。得られた導出物質混合物は、一般に、所望の成分の特に高い濃度を有し、最も好ましい場合には純粋生成物である。精製度(Aufreinigungsgrad)又は分離度(Trennschaerfe)は、大抵は、処理量の能力及び必要な装置コスト及びエネルギー必要量とは目的が対立する。
いわゆる膜分離法の場合に、分離されるべき物質混合物0を供給物Fとして膜1に供給し、この膜1は物質混合物0中に含まれる成分について異なる透過性を有する。この膜1を特に良好に通過する成分は、透過物Pとして膜1の向こう側に集まり、かつ搬出される。膜1が優先的に保持する成分は、残留物Rとして膜1のこちら側に集まり、かつ搬出される。
膜に接するこれらの流れの状態は図1から明らかである。
図1:最も簡単な膜分離法(先行技術)
この膜分離法の場合、多様な分離効果をもたらすことになる。特に、成分の大きさの違い(機械的篩い分け作用)だけでなく、溶解作用及び拡散作用も利用される。膜の分離活性層が厚くなればそれだけ、溶剤作用及び分散作用が優勢となる。従って、膜の分離挙動は、単なる篩い分け効果による簡単なフィルターの分離挙動とは全く比較することはできない。
膜分離技術の優れた概論を次に示す:
Melin/Rautenbach:膜分離法.モジュール設計及びプラント設計の基礎(Membranverfahren. Grundlagen der Modul- und Anlagenauslegung)、Springer, Berlin Heidelberg 2004。
他の分離法と比べた膜分離法の利点は、エネルギー必要量が低い点にある。よって、一般に、必要な流れ及び圧力を維持するためのポンプを駆動するために、機械的な出力が必要なだけである。例えば熱的な分離法と異なり、膜分離法は熱エネルギーを必要としない。
この膜分離法の特別な欠点は、このまだ比較的新しい技術の成否が、膜の調達性次第である点にある。よって、特別な成分の物質混合物からの効果的分離は、しばしば、常には十分に大量には調達可能でないか又は全く知られてもいない特別な膜材料を必要とする。大量の物質流の分離は、極めて大きな膜面積を必要とし、従って、相応して多くの材料及び高い投資コストに結びつく。
これは、所定の成分の特に大きな阻止率が必要とされる場合には、よりいっそう当てはまる。
この阻止率は、供給物中に含まれる成分を残留物中で濃縮し、透過物中では希薄化するという膜の性能に関する尺度である。この阻止率Rは、観察された成分の、膜の透過物側の物質量割合xPと、観察された成分の、膜の残留物側の物質量割合xRとから、次のように計算される:
R=1−xP/xR
これらの濃度xP及びxRは、この場合、膜の両側で直接測定される。
この膜が、保持されるべき成分に関して、例えば有効な膜材料が知られていないために、低い阻止率を有する場合、全体として十分な阻止率を達成するために、分離されるべき物質流を何度も膜に供給しなければならない。これは、透過物を同じ膜の供給物中に返送することによるか、又は第1の膜の透過物を第2の膜に供給することによって行われる。
分離されるべき物質流が複数の膜を透過する膜分離法は、多段階と言われる。多段階膜分離法は、いわゆる膜カスケード中で実施され;この膜カスケードは、互いに直列接続及び/又は並列接続されている複数の個別の膜の配列である。膜カスケードは、一般に、膜を通過する推進力として必要な膜間差圧の維持のために、並びに場合により、カスケード内で部分流を個々の工程に複数回通過させる返送操作のためにポンプも有する。
膜カスケードは極めて複雑に構成することができるにもかかわらず、各膜カスケードは、図1に示された基本接続に関して、供給物、残留物及び透過物を提供する唯一の膜のようにブラックボックスとして見なすことができる。このブラックボックスの流れを膜カスケードの内部の流れと区別するために、以後、全体の膜カスケードの残留物及び透過物を述べる場合には、それぞれ、生じる残留物及び生じる透過物と言う。
既に述べたように、膜カスケードの内部では複数の膜が並列及び/又は直列に接続されていてもよい。これはこの工業においてかなり頻繁に行われる、というのも膜は、工業的に一般に規定された膜面積を有する膜モジュールとして構成されていて、必要な総面積は複数の並列接続された膜モジュールによって準備されるためである。
従って、膜カスケードの特性決定のために、膜分離装置内の膜の数が重要なのではなく、むしろ段階の数が重要である。段階とは、膜技術者にとって、1つ以上の膜によって圧力低下が生じる分離ステップであると解釈される。この圧力低下は、観察された膜による供給物と透過物との間の差であり、膜間差圧といわれる。この圧力差なしでは、膜による分離は行われない。多段階の膜プロセスの場合に、第1段階の後に生じる圧力損失は、再び上昇させなければならないため、この段階の数は、膜間差圧の調節又は再上昇のためのポンプの数から読み取れる。しかしながら、これとは別に、実際にはまれにしか変更されないが、2以上の段階の膜間差圧を1つのポンプで作り出すこともできる。このために、このポンプは、全体の中の1つの段階の前で2以上の段階の膜間差圧を作り出す。つまり、前の段階の透過物圧力が、後の段階の供給物圧力を形成する。
膜カスケードの2つの基本的な接続形式、つまり濃縮部カスケード(英語:enriching cascade)及び回収部カスケード(英語:stripping cascade)は公知である。更に、両方の基本接続に起因することができる混合形式も存在する。
図2は、2つの膜分離段階を備えた濃縮部カスケードの構造を示す。
図2:二段階の濃縮部カスケード(先行技術)
濃縮部カスケード10は、唯一の膜のように、分離されるべき物質混合物0を供給物Fとして受け取り、かつ生じる残留物Rと生じる透過物Pとに分離するブラックボックスとしてとらえることもできる。この濃縮部カスケード10は、透過物の流動方向で2つの直列接続された段階11,12を有し、これらの段階11,12はそれ自体1つ以上の膜を有する。流動する供給物Fは、供給ポンプ13により第1段階11に送られる。ここで膜による最初の物質分離が行われて、第1段階の残留物14及び第1段階の透過物15が生じる。第1段階の残留物14は、濃縮部カスケード10の生じる残留物Rに相当し、かつこの分離プロセスから搬出される。
それに対して、第1段階11の透過物15は、第2段階12の供給物として供給される。第1段階11で生じる圧力損失(膜間差圧)を補償するために、高圧ポンプ16が第1段階と第2段階との間に設けられている。
この第2段階12では、新たに少なくとも1つの膜による物質分離が行われて、第2段階の残留物17と第2段階の透過物18が生じる。従って、第2段階の透過物18は、2つの段階11,12を越えて、従って特に高い純度を示す。この第2段階の透過物18は、生じる透過物Pとしてこのプロセスから搬出される。
第2段階12の残留物17は、新たに精製するために、第1段階11の供給物中に再循環される。
濃縮部カスケード10の生じる透過物Pは、全ての段階11,12を透過するため、濃縮部カスケードは、流動する物質流0中に含まれる、膜により優先的に透過される成分を、生じる透過物P中に濃縮するために利用される。
それに対して、使用した膜により優先的に保持される成分を残留物中に濃縮することが通用する場合には、回収部カスケードを使用する。
図3は、2つの膜分離段階を備えた回収部カスケードの構造を示す。
図3:二段階の回収部カスケード(先行技術)
この回収部カスケード20は、ここでも、流動する物質流0が供給物Fとして供給され、この供給物Fを、生じる残留物Rと生じる透過物Pとに分離する唯一の膜に相当するブラックボックスとしてとらえることができる。
この回収部カスケード20は、図2に示された濃縮部カスケード10とは、これらの段階が、残留物の流動方向で直列に配置されていることにより区別される。物質分離のために、図3に示された二段階の回収部カスケードは2つの工程21,22を利用する。
物質流0の分離の目的で、この物質流0を、回収部カスケード20の第1段階21に供給し、そこで残留物24と透過物25とに分離する。必要な膜間差圧を作り出すために、昇圧ポンプ23が設けられている。第1段階21の透過物25は、回収部カスケード20から搬出され、従って、これは生じる透過物Pに相応する。
それに対して、第1段階21の残留物24は、供給物として第2段階22に供給される。このために、第1段階21と第2段階22との間に配置されるポンプは必要ない、というのもこの膜間差圧は、常に透過物の方向で低下するため残留物24の圧力は、流動損失を除いて、主に第1段階21の供給物の圧力に一致するためである。
第2段階22内で、もう一度、少なくとも1つの膜により物質分離が行われる。この場合に生じる、第2段階の残留物27は、生じる残留物Rとして回収部カスケード20から搬出される。この残留物Rは、2つの段階21,22の膜を越えないため、特にこの膜により優先的に保持される成分に富む。
それに対して、第2段階22の透過物26は再循環され、第1段階21の供給物と混合される。この昇圧ポンプ23は、第2段階22中に生じる、透過物26の圧力損失を補償する。
水の脱塩、ガス分離及び製剤学的物質精製の分野で、この膜カスケードは既に広く普及している。
それに対して、膜カスケードの比較的新しい使用分野は、均一系触媒による化学反応からの触媒の分離である。
ここで、接触反応について述べる場合、これは少なくとも1つの出発材料を触媒の存在下で少なくとも1つの生成物に変換する化学反応を意味する。出発材料及び生成物は、共通して反応に参加する物質である。触媒は、通常の劣化現象及び分解減少を除いて、この反応の間には主に消費されない。
この反応は、位置的に限定された反応区域内で実施される。これは、最も簡単な場合に、各種の構造様式の反応器であるが、多数の相互に接続された反応器であってもよい。
この反応区域から連続的に又は不連続的に取り出された材料は、ここで反応混合物といわれる。この反応混合物は、少なくともこの反応の目的生成物を含む。工業的な反応管理に応じて、この反応混合物は、未反応の出発物質、後続反応又は副反応からの程度に差はあるがあまり望ましくない分解生成物又は随伴生成物及び溶剤を含むことができる。更に、この反応混合物は触媒を含むことができる。
触媒により実施される化学反応は、使用される触媒の相の状態によって2つのグループに分けることができる。一方は、不均一系触媒による反応といわれ、ここでは触媒は固体として反応区域内に存在し、反応に関与する物質により取り囲まれている。それに対して、均一系触媒による反応の場合には、触媒は反応混合物中に溶解している。均一に溶解した触媒は、不均一系触媒よりも接触的にはたいていは明らかに有効である。
触媒により実施される各反応の場合、触媒を反応混合物から分離する必要がある。この理由は、この触媒はこの反応の間に実際には消費されず、従って再使用できることにある。更に、この触媒は、たいていは、この触媒によって製造される生成物よりも明らかに価値が高い。従って、触媒損失はできる限り回避しなければならない。
この触媒分離は、不均一系触媒による反応の場合には工業的に簡単に実行することができる:固体の触媒は、簡単に反応区域中に残留し、それに対して液状及び/又はガス状の反応混合物は反応器から取り出される。反応混合物からの不均一系触媒の分離は、従って、反応区域内で機械的にかつ直接的に行われる。
それに対して、反応混合物からの均一系触媒の分離は明らかに難しい、というのも、この均一系触媒は反応混合物中に溶解しているためである。従って、簡単な機械的分離は除外される。よって、均一系触媒によるプロセスの場合に、反応混合物中に溶解して触媒を反応区域から取り出し、特別な工程で反応混合物から除去される。この触媒分離は、通常では反応区域の外側で行われる。分離された触媒は、反応区域に返送される。
特別な工業的問題は、状態変化に敏感に反応し、それにより特に取り扱いに留意して分離しなければならない触媒系の分離の場合に生じる。
このようにいくつかの反応は、高効率であるが、敏感性が高い均一系触媒系、例えば金属有機錯化合物の存在下で実施される。触媒系に含まれる金属は、ほぼ完全に分離でき、かつプラント内に保持することができる。ただし、この錯化合物は不適切な分離の際に分解されるため、返送される触媒は不活性であり、従って使用できなくなる。
従って、できる限り低い材料損失でかつできる限り低い活性損失で、均一に溶解した触媒系を反応混合物から分離することは、プロセス工学での要求の多い課題である。
この課題は、特にロジウム触媒によるヒドロホルミル化の分野で課せられる。
ヒドロホルミル化(オキソ反応ともいう)は、オレフィン(アルケン)を合成ガス(一酸化炭素と水素との混合物)と反応させて、アルデヒドにすることができる。よって、得られたアルデヒドは、使用されたオレフィンよりも炭素原子を1つ多く有する。このアルデヒドの引き続く水素化により生じるアルコールは、その生成にもとづき「オキソアルコール」ともいわれる。
基本的に、全てのエチレン性不飽和化合物をヒドロホルミル化することができるが、実際には、ヒドロホルミル化における基質として、2〜20個の炭素原子を有するオレフィンが大抵使用される。ヒドロホルミル化及び水素化により得られたアルコールは、多岐にわたり使用することができるので(例えばPVC用の可塑剤として、洗剤中の界面活性剤として及び臭気物質として)、このヒドロホルミル化は大規模工業的に実施される。
工業的ヒドロホルミル化法を区別するための重要な基準は、使用される基質の他に、触媒系、反応器内での相の分配及び反応器からの反応生成物の搬出のための技術である。他の技術的に重要な観点は、実施される反応工程の数である。
工業的には、コバルトを基礎とする触媒系又はロジウムを基礎とする触媒系が使用され、後者のロジウムを基礎とする触媒系は、配位子として有機リン化合物で錯化される。一般に、この場合、ホスフィン化合物、ホスフィット化合物又はホスホルアミジット化合物が配位子として使用される。この触媒系は、全体として均一系触媒として反応混合物中に溶解して存在する。
このヒドロホルミル化反応は、大抵は、オレフィン、溶解した触媒及び生成物を含む液相と、主に合成ガスによって形成された気相との二相で実施される。有用性生物は、反応器から液相で取り出される(「液体返送物」)か又は合成ガスと共に気相(「ガス返送物」)で排出される。特別な場合は、ルールヒェミー/ローヌ−プーラン(Ruhrchemie/Rhone-Poulenc)法であり、この場合、触媒は水相中に存在する。
いくつかのヒドロホルミル化法は、溶剤の存在でも実施される。この溶剤は、例えばアルカンであり、これは導入混合物中にも含まれている。
本発明は、主に物質分離、殊に、均一系触媒による反応、例えば殊にヒドロホルミル化に由来する反応混合物からの触媒系の分離に取り組んでいるため、ヒドロホルミル化の化学及び反応技術に関して広範囲な先行技術を参照する。特に、次のものが有用である:
Falbe, Juergen:New Syntheses with Carbon Monoxide. Springer, 1980. (ヒドロホルミル化のための基本文献)
Pruett, Roy L:Hydroformylation. Advances in Organometallic Chemistry.第17巻、1〜60頁、1979(概略文献)
Frohning, Carl D.及びKohlpaintner, Christian W.:Hydroformylation (Oxo Synthesis, Roelen Reaction). Applied homogeneous catalysis with organometallic Compounds. Wiley, 1996.29〜104頁(概略文献)
Van Leeuwen, Piet W.N.M及びClaver, Carmen(編):Rhodium Catalyzed Hydroformylation. Catalysis by Metal Complexes. 第22巻. Kluwer, 2000.(Rh接触ヒドロホルミル化のためのモルホロジー、化学に重点、しかし方法技術的観点も議論されている)
R. Franke, D. Selent及びA. Boerner:Applied “Hydroformylation”, Chem. Rev., 2012, DOI:10.1021/cr3001803(最新の研究状態の外観)。
Rhを基礎とする、均一系触媒によるヒドロホルミル化を効果的に大規模工業的に実施するために重要な点は、触媒分離に精通することである。
これは、一方で、Rhが極めて高価な貴金属であり、この損失はできるだけ避けなければならないことにある。この理由から、ロジウムは生成物流からできる限り完全に分離しかつ回収しなければならない。典型的なヒドロホルミル化反応の場合のRh濃度は、20〜100ppmにすぎず、かつ典型的な「ワールドスケールの」オキソ−プラントは、200000トンの年間生産量を達成しているため、一方で大きな処理量を許容しかつ他方で少量で含まれるRhを確実に分離する分離装置を使用しなければならない。困難なことに、使用した触媒錯体がパラメータ変化(例えば、反応混合物中での温度変化及び/又はCO分圧の変化)に敏感に反応することも更に加わる。このような変化が生じる場合、最悪の場合には不可逆な触媒錯体の失活が生じかねない。配位子として触媒錯体の一部であることができる有機リン化合物も、無制限に安定ではないため、この有機リン化合物は例えば水分、酸素導入又は高すぎる温度で分解することがあり、これが同様に触媒の失活につながる。失活した触媒は、最善でも手間を掛けて再活性化しなければならないだけである。従って、この触媒分離は特に取り扱いに留意して行わなければならない。重要な他の開発目標は、分離操作のエネルギー効率である。
膜分離技術は、均一系触媒系の分離のために適していると考えられる、というのも、この膜分離技術は、熱エネルギーをあまり使わずかつ触媒を、取り扱いに留意して扱うことができるためである:
ヒドロホルミル化混合物の後処理のために膜分離技術を使用する可能性について報告しているのは、
Priske, M. et al.:Reaction integrated Separation of homogeneous catalysts in the hydroformylation of higher olefins by means of organophilic nanofiltration. Journal of Membrane Science, 第360巻, Issues 1-2, 15 September 2010、77〜83頁;doi:10.1016/j.memsci.2010.05.002
である。
膜分離の間の触媒失活の問題は、膜の供給物中、透過物中及び残留物中で所定の一酸化炭素分圧を維持するというEP 1 931 472 B1に記載されたヒドロホルミル化混合物の後処理のための方法により解決された。これにより、膜分離技術を工業的ヒドロホルミル化に有効に利用することが初めて成功した。多段階膜分離は、ここでは明らかではない:EP 1 931 472 B1の図3は、2つの直列接続されたナノフィルトレーションを用いる触媒分離が示されている。しかしながら、この2つのナノフィルトレーションの間では、薄層蒸発器を用いた熱による生成物分利が予定されているため、この2つのナノフルトレーションは膜カスケードを形成していない。
殊にヒドロホルミル化のような均一系触媒による反応の他の膜による触媒分離方法は、WO 2013/034690 A1からも公知である。ここに示された一段階の膜分離技術は、特に反応区域として利用されたジェットループ型反応器の要求に調整されている。
ヒドロホルミル化混合物からの均一系触媒の膜による分離は、まだ未公開のドイツ国特許出願DE 10 2012 223 572 A1にも記載されている。確かにここでも、1つのプラント内に複数のナノフィルトレーションが予定されているが、唯一のナノフィルトレーションが、1つの反応器カスケードのそれぞれ1つの反応器に割り当てられている。このナノフィルトレーション自体は、同様に膜カスケードを形成していない。
同じことが、特に膜分離ユニットの温度調節及び阻止率調節に取り組んでいる、同様にまだ未公開のDE 10 2013 208 759 A1にも当てはまる。
最後に、同様にまだ未公開のDE 10 2013 203 117 A1は、均一系触媒によるヒドロホルミル化からの触媒分離又は高沸点物排出のための回収部カスケード及び濃縮部カスケードの使用が記載されている。膜カスケード内の温度管理のための詳細は議論されていない。
Schmidt et al.は、雑誌Computer Aided Chemical Engineering 第30巻、(2012), 第727〜731頁に、同様にヒドロホルミル化における膜カスケードの使用を記載している。
先行技術において、反応混合物から均一系触媒系を分離するための措置が既に記載されているにもかかわらず、いまだに、正当化できる価格で有効な材料を調達するという問題がある。
確かに、均一に溶解した触媒系を保持することができる現存の材料は、阻止率が比較的低いので、相応して大きな膜面積を予定しなければならない。このことは、極めて大量の物質混合物を分離する場合に、例えば「ワールドスケール」サイズのオキソプラントの触媒分離の場合にはなおいっそう当てはまる。このために必要な巨大な膜面積は、投資コストを明らかに高めるため、膜による触媒分離は、従来の熱による分離と比較して常に経済的ではない。
従って、これらの先行技術に照らして、本発明の基礎となる課題は、できる限り小さな膜面積で済むが、要求された分離課題及び分離効率を満たす、物質混合物を膜に基づき分離する方法を提供することである。
この課題は、分離温度が低下する膜カスケードの使用により解決される。
従って、本発明の主題は、少なくとも2段階の膜カスケードを用いて、各段階において物質の分離を、少なくとも1つの膜でそれぞれの段階に割り当てられた分離温度で行う、物質混合物を分離する方法において、物質混合物の流動方向で見て、それぞれの分離温度は段階毎に低下する、物質混合物を分離する方法である。
本発明は、カスケード内の分離温度が段階毎に低下する場合に、膜カスケードの面積、ひいては分離活性膜材料の面積の必要量は、必要とされる分離効率(阻止率及び処理されるべき供給物の体積流量)を維持しつつ、最適化できるという意外な知見に基づいている。
この知見は、公知の膜カスケード内では常に同じ温度を維持していたとする点で意外である:
通常の熱損失を考慮しない限り、慣用の膜カスケードはつまり等温で運転される。従って、膜カスケードの供給物の温度を調節することにより、分離温度は全ての工程についてあらかじめ同じに設定される。
それに対して、本発明は、カスケード内のそれぞれ個々の段階についての分離温度を、適切にかつ個別に調節し、しかもこの分離温度を下流に向かって段階毎に低下させることを教示する。
本発明は、個々の膜分離段階の阻止率が、その段階の分離温度に依存するという観察結果を利用する:つまり、基本的に、温度が低下すると共に膜の阻止率が向上することが当てはまる。阻止率が向上すると共に透過物流束は低くなり、このことが、またこの段階内で比較的小さな膜面積を可能にする。
これは、第1段階での阻止率をむしろ小さく設定するが、段階毎に温度低下によってこの阻止率を向上させることにより、カスケードの総膜面積を最適化できることを意味する。結局のところ、膜は段階毎に密になることを意味する。それによって低下する、透過物の体積流量は、全体としての膜面積を低減するために利用することができる。
ただし、これは膜面積を段階毎に減少させることを意味しない;反対に、この膜面積は最後にまた増大させることができる。段階内でのそれぞれの膜面積の正確な大きさを、膜技術者がそれぞれ満たすべき分離課題に基づいて算定する。相応する算定方法は、Melin/Rautenbachの引用された教書に記載されている。
総膜面積を最適化する際の決定的な境界条件は、低下する分離温度である。この知見は、基本的に、物質系及び相の組成とは無関係に、全ての物質混合物の膜カスケードによる分離について通用する。所望の物質成分の分離のために適した膜材料を使用しなければならないだけである。この「膜材料」の概念は、膜の分離活性層の材料を表す。
均一に溶解した触媒系を反応混合物から分離するために、好ましくは、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、硝酸セルロース、再生セルロース、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズイミダゾロン、ポリアクリルニトリル、ポリアリールエーテルスルホン、ポリエステル、ポリカルボナート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオリド、ポリプロピレン、末端又は側鎖が有機変性されたシロキサン、ポリジメチルシロキサン、シリコーン、ポリホスファゼン、ポリフェニルスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ナイロン−6,6、ポリスルホン、ポリアニリン、ポリウレタン、アクリロニトリル/グリシジルメタクリラート(PANGMA)、ポリトリメチルシリルプロピン、ポリメチルペンチン、ポリビニルトリメチルシラン、ポリフェニレンオキシド、異なる結晶構造を有する酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、EP 1 603 663 B1に記載されているようなシランで疎水化されたセラミック膜、例えばEP 0 781 166及びI. Cabasso著、Encyclopedia of Polymer Science and Technlogy, John Wiley and Sons, New York, 1987の「膜」に記載されているような内在性ミクロ孔(PIM)を有するポリマー、例えばPIM−1等から選択される材料からなる分離活性層を有する膜が使用される。
上述の材料は、殊に分離活性層中で、場合により助剤の添加によって架橋されて存在するか又はいわゆる混合マトリックス膜(Mixed Matrix Membranen)として充填剤、例えばカーボンナノチューブ、金属有機フレームワーク又は中空球並びに無機酸化物の粒子又は無機繊維、例えばセラミックファイバ又はガラスファイバを備えていてもよい。
特に好ましくは、分離活性層として、PIM−1のような内在性ミクロ孔(PIM)を有するポリマーから構築されている、末端又は側鎖で有機変性されたシロキサン、ポリジメチルシロキサン又はポリイミドを有するポリマー層を有する膜を使用するか、又は分離活性層が疎水性セラミック層上に構築されている膜を使用する。高沸点物排出で使用するためのこのような膜の詳細な記載は、EP 2401078 A1にある。
更に特に好ましくは、末端又は側鎖が有機変性されたシロキサン又はポリジメチルシロキサンからなる膜が使用される。このような膜は市場で入手可能である。
上述の材料の他に、これらの膜は他の材料を有していてもよい。特に、これらの膜は、分離活性層が施されている支持材料又は担持材料を有していてもよい。このような複合膜の場合には、本来の膜の他に支持材料が存在している。支持材料の選択は、EP 0 781 166に記載されていて、これについて明確に参照される。
市場で入手可能な、溶剤に安定な膜の選択は、Koch Membrane Systems, Inc.社のMPF及びSelroシリーズ、Solsep BV社の多様なタイプ、Grace/UOP社のStarmen(商標)シリーズ、Evonik Indstries AG社のDuraMem(商標)及びPuraMem(商標)、AMS Technologies社のNano-Proシリーズ、IKTS社のHITK-T1並びにGMT Membrantechnik GmbH社のoNF-1、oNF-2及びNC-1及びInopor GmbH社のinopor(登録商標)nanoタイプである。
膜材料の他に、個々の段階の分離効率のために、膜モジュールの構造様式も重要である:好ましくは、この膜は渦巻式エレメントとして構成されている。これとは別に、膜は、例えばプレート型モジュール、クッション型モジュール、管型モジュール、ホース型モジュール、毛管型モジュール、中空糸型モジュール又は膜層の形状でも使用することができる。
分離課題を満たすために必要な膜面積にとって、カスケード内の段階の接続も重要である:
膜カスケードは、つまり好ましくは、濃縮部カスケードであり、つまり個々の段階が透過物の流動方向で直列に接続されている接続配置である。本発明によるコンセプトは、濃縮部カスケードの場合に特に良好に機能する、というのも、この接続は減少する透過物の流動方向で行われ、これは全体の膜面積の最適化が特に成果を上げることができるためである。
同じ理由から、この濃縮部カスケードは、生じる透過物がこの膜カスケードの全ての段階を透過するように構成される。
この膜カスケードの阻止率を全体として改善するために、少なくとも1つの段階の残留物を、更なる分離段階の目的で返送することが提案される。この残留物の返送は、それに従って、この残留物を再循環する同じ段階の供給物中へ行うか、及び/又は物質混合物の流動方向とは反対方向に置かれた他の段階の供給物中へ行う。この再循環される残留物は、常により低い後処理等級の物質流と混合される。
当然のことながら、1つの膜カスケードが少なくとも2つの段階を有する。しかしながら、三段階又は四段階の膜カスケードも経済的である。
既に上述のように、膜カスケードは、膜内での温度管理のための他の技術的措置を備えていない限り等温と見なされる。透過物の方向でカスケード内で自然に生じる熱損失は、一般に、個々の段階での最適な分離温度を達成するためには十分でない。この理由から、この膜カスケードの各段階に1つの温度調節ユニットを割り当て、この温度調節ユニットがそれぞれの段階の供給物の温度を、この段階に割り当てられたそれぞれの分離温度に調節することが示される。この温度調節ユニットは、必ずしも膜カスケード内部に配置されている必要はなく、その外部に存在していてもよい。このように、殊に、分離されるべき物質混合物を、既に第1段階で必要な温度で準備することができる。
この温度調節ユニットは、最も簡単な場合に冷却器である、というのも、この温度は透過物の流動方向に向かってその都度低下されるためである。膜カスケード内での冷却器の配置は、もちろん、膜カスケードが、冷却する冷媒の形の熱エネルギー必要量を有することを意味する。従って、本発明による膜カスケードの運転コストは、単に機械的出力だけを受ける慣用の膜カスケードの運転コストよりも高い。ただし、この比較的高い運転コストは、比較的低い投資コスト又は改善された阻止率、それによる改善された生成物純度によって更に相殺できるので、本発明による膜カスケードは、冷媒を必要とするにもかかわらず、慣用のプラントよりも経済的である。
既に述べたように、本発明による方法は、基本的に全ての物質混合物の分離のために適している。しかしながら、これは、特に好ましくは、均一に溶解した触媒系の分離のために使用される、というのも、これは特別にコスト的に効率的であると判明しているためである。本発明の特に好ましい実施態様は、従って、この物質混合物は、元は均一系触媒による化学反応に由来し、かつ前記物質混合物はこの反応の少なくとも1つの生成物、この反応の少なくとも1つの未反応の出発材料、この反応中に存在する触媒系及び/又はその少なくとも1つの成分及び/又はその分解生成物を含み、ここでこの触媒系又はその成分又はその分解生成物がこの物質混合物中に溶解していることを予定する。
好ましくは、この反応はヒドロホルミル化である。それに従って、生成物は、アルデヒド又はアルコールであり、出発材料は、オレフィン及び合成ガスである。この触媒系は、好ましくはロジウムの金属有機錯体(ここでは、しかしながら、元素の周期表の第7〜9族の他の遷移金属の錯体も使用できる)であり、この金属有機錯体は、例えば配位子として有機リン化合物を含むことができる。この特別な使用分野に関して、本発明による方法は、特に好ましく使用することができる。
本発明の主題は、物質混合物の本発明による分離のために規定されている膜カスケードでもある。この膜カスケードは、殊に濃縮部カスケードとして構成されていて、このカスケードは、少なくとも2つの直列に配置された段階を有し、各段階には1つの温度調節ユニットが割り当てられていて、この温度調節ユニットによって、それぞれの段階の供給物の温度を、この段階に割り当てられたそれぞれの分離温度に調節可能であり、かつこのそれぞれの分離温度は、物質混合物の流動方向で見て、それぞれの分離温度が段階毎に低下するように調節されている。
本発明の主題は、元は触媒錯体の存在で均一系触媒による化学反応に由来する物質混合物から、溶解した触媒錯体及び/又はその少なくとも1つの成分及び/又はその分解生成物を分離するための、膜カスケードの使用でもある。
本発明による方法は、好ましくは、均一系触媒による工業的ヒドロホルミル化内での触媒分離のために使用されるため、触媒系の存在下での一酸化炭素及び水素との反応によりエチレン性不飽和化合物をヒドロホルミル化する方法も本発明の主題であり、この触媒系は、配位子として少なくとも1つの有機リン化合物を備えた、元素周期表の第8副族の金属の、溶解した金属錯体化合物を含み、この際に、ヒドロホルミル化の生成物の他に、未反応の出発物質及び触媒系又はその少なくとも成分及び/又は分解生成物を溶解して含む反応混合物が得られ、この反応混合物は、触媒分離に供給され、この触媒分離において、触媒系又はその成分及び/又はその分解生成物は、ヒドロホルミル化に返送する目的で、反応混合物から少なくとも部分的に膜分離技術によって分離され、ここで、この触媒分離は、少なくとも2段階の膜カスケードを有し、各段階で、少なくとも1つの膜による物質分離を、それぞれの段階に割り当てられた分離温度で行い、ここで、反応混合物の流動方向で見て、それぞれの分離温度は、段階毎に低下する。
最も簡単な膜分離法(先行技術)を示す図を表す。 二段階の濃縮部カスケード(先行技術)を示す図を表す。 二段階の回収部カスケード(先行技術)を示す図を表す。 二段階の膜カスケード(本発明による)を示す図を表す。 三段階の膜カスケード(本発明による)を示す図を表す。 四段階の膜カスケード(本発明による)を示す図を表す。 透過性の、温度への依存性を示す図を表す。 阻止率の、温度への依存性を示す図を表す。 ジェットループ型反応器を備えた試験プラントを示す図を表す。
本発明を、次に実施例を用いて詳細に説明する。この実施例について、
図4は、二段階の膜カスケード(本発明による)を示し;
図5は、三段階の膜カスケード(本発明による)を示し;
図6は、四段階の膜カスケード(本発明による)を示し;
図7は、透過性の、温度への依存性を示し;
図8は、阻止率の、温度への依存性を示す。
図4は、本発明による方法を実施するために適している二段階の濃縮部カスケードの形態の本発明の第1の実施態様を示す。二段階の濃縮部カスケード30の供給物Fは、均一系触媒によるヒドロホルミル化の搬出物である。正確に言うと、ここでは、C5オレフィン(ペンテン)を、ロジウム−ホスフィット触媒系の存在下で、水素と二酸化炭素と反応させてヘキサナールにされる。
反応搬出物は、形成された2種のヘキサナールの混合物(n−ヘキサナールと2−メチルペンタナール)であり、この混合物中には均一に溶解した触媒が37ppmの濃度(質量基準)で存在する。ペンテンの転化率は99%であり、線状生成物についての位置選択率は67%である。これは、100℃の温度、40barの圧力、1のCO/H2比率、並びに反応器中での2時間の滞留時間での反応に対応する。生成されたヘキサナール、未反応のペンテン、溶解した合成ガス及び触媒系を有する反応搬出物は、濃縮カスケード30の供給物Fとして供給される。必要な場合にあらかじめ反応搬出物の脱ガスを行うことができ、ここで、供給物中の合成ガスの残留量は、有機リン配位子を失活に対して安定化するために保持しなければならない。
この濃縮部カスケード30は、2つの段階31及び32を有する。2つの段階31,32は、それぞれ、直列接続された2つの膜モジュールから形成されるが、これらの膜モジュールは、唯一の膜のように解釈することができる。膜材料として、ZrO2支持体を基礎としかつ3nmの孔径を有するシラン変性されたセラミックが使用され、モジュール形式として、長さ40インチ及び面積2.54m2のInopor M07-19-41-L型の管状モジュールを選択する。
本発明による濃縮部カスケード30の特徴は、それぞれの膜段階の供給路中に、それぞれの段階31,32に所属するそれぞれ1つの温度調節装置33,34が設けられている点にある。この温度調節装置33,34は、サーモスタット制御された冷却器であり、この冷却器は、それぞれの段階31,32の供給物をそれぞれの段階に割り当てられた温度に調節する。これらの段階の分離温度は、供給物Fの流動方向で見て、この分離温度が低下するように選択される。
よって、第1の温度調節装置33は、第1段階31の分離温度を43.4℃に調節する;一方で第2段階32の温度調節装置34は、第2段階32の分離温度を30℃に固定する。
膜間差圧として、各段階で60barに設定され、このために各段階の供給路中にそれぞれ1つのポンプ35,36が設けられている。
第1段階のポンプ35は、供給物Fを第1の温度調節装置33に通して搬送し、この供給物Fは第1段階31に到達する。ここで物質分離が行われて、反応混合物中に含まれる生成物と出発材料とは、優先的に、つまりより迅速に膜を通過し、従って第1段階の透過物37中で濃縮される。それに対して、触媒系は膜を迅速に通過することができないため、第1段階の残留物中に濃縮され、この残留物は、膜カスケード30から生じる残留物Rとして取り出され、ヒドロホルミル化反応器に返送される。
この触媒系を全く通さない膜は存在しない。従って、第1段階31の透過物37もまだロジウム及び有機リン配位子又はこれらの分解生成物を含む。この触媒錯体を更に分離するために、この第1段階31の透過物37は、第2段階32の供給物として供給される。第1段階によって作用する膜間差圧の高さで受ける圧力損失を補償するために、この透過物37の圧力をポンプ36によって更に高める。更に、温度調節装置34中で冷却が行われるので、第2段階32中では、同じ圧力水準であるがより低い分離温度で膜分離を再び行うことができる。
第2段階32の透過物は、二段階の濃縮部カスケード30から生じる透過物Pとして排出される。この透過物Pは、触媒系又はその場合による分解生成物を十分に除去されている。こうして、この透過物Pは蒸留による生成物分離に供給することができ、ここで本来の目的生成物(ヘキサナール)を、副反応で生成された高沸点物から分離することができる。
しかしながら、第2段階32の残留物38は、膜カスケード30内で再循環され、つまり、返送路を介して第2段階32内へ(このためには、この返送路38内に返送ポンプが配置されている)並びに第2の返送路39を介して再循環され、この第2の返送路39はこの第2段階32の残留物を第1段階31の供給物中へ返送する。この第2の返送路39は、専用のポンプなしですまされる、というのも第1段階の前方のポンプ35が第2段階32の再循環される残留物を吸引するためである。
RRint値は、第2段階では12.1kmol/kmolに調節され、第1段階では10.5kmol/kmolに調節される。これは、(モル量基準で)、外部よりも内部が12.1又は10.5倍多く再循環され(例えば流路38)、より下位の段階に(例えば流路39に、又は包括的な残留物に関して第1段階に)供給されることを意味する。
第1段階の43.4℃から第2段階の30℃への温度低下に基づいて、第1段階の阻止率は、第2段階の阻止率よりも低い。第1段階での阻止率は88.7%であるが、第2段階での阻止率は91.3%である。
この低い阻止率により、第1段階31の透過物流束(つまり透過物37の体積流量)は、第2段階32の透過物流束(つまり生じる透過物Pの体積流量)よりも明らかに大きい。従って、第1段階の163m2の膜面積も、第2段階の81.4m2の膜面積よりも明らかに大きい。
全体として、図4に示された二段階の膜カスケード30は、244.4m2の総膜面積を必要とする。これにより、触媒錯体に関して98.33%の総阻止率が達成される。これは、供給物と共に持ち込まれた触媒の98.33%を回収でき、かつこの膜カスケード30から、生じる残留物Rを介して反応器の方向へ再び戻ることを意味する。触媒系の残りの1.67%は、透過物Pと共に失われる。
生じる透過物Pを介した触媒損失を低減するために、触媒阻止率を更に向上させなければならない。このために、例えば図5に示されている三段階の濃縮部カスケードが提案される。
その名称から既にわかるように、三段階の濃縮部カスケード40は、3つの段階41,42,43を有し、これらの段階は、図4に示した二段階の濃縮カスケード30と同様に相互に接続されている。このカスケード40の生じる残留物Rは、第1段階41から取り出される。生じる透過物Pは、全ての段階41,42及び43を透過する。第2段階及び第3段階の残留物は再循環され、つまり、それぞれ部分的に同じ段階の供給物中へ及び下位の段階の供給物中へ再循環される。RRint値は、第1段階で0.5kmol/kmolであり、第2段階で5.1kmol/kmolであり、第3段階で16.6kmol/kmolである。
使用される膜材料は統一され、つまり図4で示された二段階の濃縮部カスケード30と同様である。ここでも同じく60barの同一の膜間差圧が選択された。分離温度は、ここでも透過物流の方向で、第1段階41の88.9℃から、第2段階42の73.1℃を経て、第3段階43の30.17℃まで低下する。膜面積として、第1段階では64.5m2を選択し;これは、直列接続された2つの、長さ40インチ及びそれぞれ2.54m2の面積の「Inopor M07-19-41-L」モジュールにより準備された。第2段階42は、61m2の膜面積を有し、同様に、直列接続された2つの膜モジュールによって実現する。最後の第3段階43では、膜面積は81.2m2に増大されるが、唯一の膜から準備された。全体で、この三段階の濃縮部カスケードは、206.7m2の高価な膜材料を必要とする。しかしながらこの触媒錯体に関する阻止率は、99.24%である。二段階の濃縮部カスケード30と比較して、この三段階の濃縮部カスケードは、より少ない膜面積でより良好な阻止率を達成する。従って、図5で示した三段階の実施態様は、図4で示した二段階の膜カスケードよりも明らかにより有効である。
この膜カスケードの阻止率を更に向上させるために、四段階の系を予定することができる。図6は、相応する四段階の濃縮部カスケード50を示す。その接続は、三段階の濃縮部カスケード40及び二段階の濃縮部カスケード30と同様である。供給物Fの組成及び膜材料及びモジュール形式は、図4及び5からの膜カスケードに相応する。段階51,52,53及び54は、次のように選択した:
第1段階51:分離温度90℃、膜間差圧60bar、膜の数2、膜面積53.2m2、RRint 0.3kmol/kmol。
第2段階52:分離温度85.5℃、膜間差圧60bar、膜の数2、膜面積73.9m2、RRint 7.8kmol/kmol。
第3段階53:分離温度80.9℃、膜間差圧60bar、膜の数2、膜面積66.5m2、RRint 4.8kmol/kmol。
第4段階54:分離温度63.9℃、膜間差圧60bar、53.3m2の全体の面積を有する膜の数2、RRint 6.1kmol/kmol。
この四段階の膜カスケード50は、245.9m2の総膜面積で、99.5%の総阻止率を達成する。この膜面積は、図4の二段階の濃縮部カスケード30とほぼ同じ大きさであるが、阻止率は明らかに改善されている。
比較のために、3つの本発明による濃縮部カスケード30,40及び50を変更せずに運転するが、このカスケード内で均一な分離温度で運転した。この結果は、表1に示されている。
Figure 2016528223
この比較は、本発明による膜カスケード30,40及び50は、本発明による教示に反して等温で運転したカスケードよりも、同一の膜面積でより高い阻止率を提供することを示す。
これは、逆に、同じ回収率をより少ない膜面積で達成できることを意味する。
図7及び8は、阻止率又は透過性の温度依存性を利用した本発明の効果を示す。図7及び8は、触媒阻止率(Rh阻止率)及び透過性に関する結果を示す。温度が低くなればそれだけ、阻止率は高まり、かつ透過性は小さくなる。
図9に示すような、ジェットループ型反応器(61)を備えた試験プラント中で、1−ペンテン(68)を、合成ガス(62)によるヒドロホルミル化反応を実施して、相応するアルデヒド異性体にした。渦流ポンプ(64)によって運転される液体循環路(63)中で、ジェットループ型反応器(61)中でのヒドロホルミル化反応に触媒−配位子系を連続的に再使用するために、膜分離段(65)によって触媒−配位子系の分離及び回収を行った。
この反応のために、反応器に1−ペンテン(68)を酸素遮断下で連続的に膜分離段の透過物を介した、反応器搬出量に相応して供給した。この触媒前駆体は、ロジウムアセチルアセトナトジカルボニル(CAS-No. 14847-82-9)であった。配位子として、Alkanox P-24(CAS-No. 26741-53-7)を使用した。ループ型反応器中でのロジウム濃度及び配位子濃度は、連続的な後供給によって、それぞれ10mg/kg及び1170mg/kgに一定に保持した。この反応を、50barの合成ガス圧(CO/H2、質量比1:1)で、110℃で実施した。
この反応生成物を、一段階のナノフィルトレーション膜として構成された膜分離段(65)に連続的に供給した。必要な膜間差圧は、反応器圧と調節された透過物側の圧力とにより形成される。膜の高圧側を介した500kg/hの所望の流出量は、渦流ポンプ(64)によって調節される。
膜分離段(65)の膜モジュール中では、Fraunhofer-Institut fuer Keramische Technologie und Systeme IKTSの単一通路管(Monokanalrohr)としてのシラン化により疎水化された膜のプロトタイプを使用した。支持体は、3μmの平均孔径を有するAl23からなり、疎水化された膜層は3nmの平均孔径を有するZrO2層を基礎とした。
通路長500mm及び内径7mmで、約100cm2の活性膜面積が生じる。この膜は、4.4m/sで流される。30〜90℃の膜の温度となった。触媒−配位子錯体の安定化のために、透過物側で10barの合成ガス圧(CO/H2、質量比1:1)に保ち、それにより、残留物側の20〜40barの圧力で、10〜30barの膜間差圧が調節された。
この膜分離段でこの系から膜を介して、主に反応生成物からなる透過物(66)を取り出した。触媒及び配位子のAlkanoxは、この膜によって十分に阻止され、残留物(67)中に濃縮された。この残留物(67)を連続的にジェットループ型反応器(61)に返送した。
この一連のプロセスを、ガスクロマトグラフィー分析、HPLC分析、原子吸収分光分析及び誘導結合高周波プラズマを用いた光学的発光分光分析によって得られた測定データ及び分析データによって評価した。この反応を1−ペンテンの転化率並びにアルデヒドの収率及び選択率に関して調査した。この膜分離段(65)を、透過物流束及びロジウムについての阻止率に関して調査した。反応搬出物の組成は次のようであった:
Figure 2016528223
0 物質混合物
1 膜
F 供給物
P (生じる)透過物
R (生じる)残留物
10 濃縮部カスケード(先行技術)
11 濃縮部カスケードの第1段階
12 濃縮部カスケードの第2段階
13 第1段階の供給ポンプ
14 第1段階の残留物
15 第1段階の透過物
16 高圧ポンプ
17 第2段階の残留物
18 第2段階の透過物
20 回収部カスケード(先行技術)
21 回収部カスケードの第1段階
22 回収部カスケードの第2段階
23 昇圧ポンプ
24 第1段階の残留物
25 第1段階の透過物
26 第2段階の透過物
27 第2段階の残留物
30 二段階の濃縮部カスケード
31 濃縮部カスケードの第1段階
32 濃縮部カスケードの第2段階
33 第1の温度調節装置
34 第2の温度調節装置
35 第1段階のポンプ
36 第2段階のポンプ
37 第1段階の透過物
38 第2段階前への返送路
39 第1段階前への返送路
40 三段階の濃縮部カスケード
41 濃縮部カスケードの第1段階
42 濃縮部カスケードの第2段階
43 濃縮部カスケードの第3段階
50 四段階の濃縮部カスケード
51 濃縮部カスケードの第1段階
52 濃縮部カスケードの第2段階
53 濃縮部カスケードの第3段階
54 濃縮部カスケードの第4段階
61 ジェットループ型反応器
62 合成ガス
63 液体循環路
64 渦流ポンプ
65 膜分離段
66 透過物
67 残留物
68 1−ペンテン

Claims (12)

  1. 少なくとも2段階の膜カスケードを用い、各段階において少なくとも1つの膜による物質の分離を、それぞれの段階に割り当てられた分離温度で行う、物質混合物を分離する方法において、前記それぞれの分離温度は、前記物質混合物の流動方向で段階毎に低下することを特徴とする、物質混合物を分離する方法。
  2. 前記膜カスケードは、濃縮部カスケードであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記膜カスケードから生じる透過物は、前記膜カスケードの全ての段階を透過したことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 1つの段階の残留物を同段階の供給物中に、及び/又は物質混合物の流動方向とは反対側にある他の段階の供給物中に少なくとも返送することを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記膜カスケードは、正確に2段階、又は正確に3段階、又は正確に4段階であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記膜カスケードの各段階には、1つの温度調節ユニットが割り当てられていて、前記温度調節ユニットは、それぞれの段階の供給物の温度を、前記段階に割り当てられたそれぞれの分離温度に調節することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 少なくとも1つの温度調節ユニットは、冷却器であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 前記物質混合物は均一系触媒による化学反応に由来し、かつ前記物質混合物は前記反応の少なくとも1つの生成物、前記反応の少なくとも1つの未反応の出発材料、前記反応中に存在する触媒系及び/又はその少なくとも1つの成分及び/又はその分解生成物を含み、ここで前記触媒系又はその成分又はその分解生成物が前記物質混合物中に溶解していることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記反応がヒドロホルミル化であり、ここで、前記生成物はアルデヒド又はアルコールであり、前記出発材料はオレフィン又は合成ガスであり、かつ前記触媒系は、有機金属錯体、殊に有機リン錯体で錯化されたロジウムであることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 少なくとも2つの直列に配置された段階を有する、物質混合物を分離するための膜カスケード、特に濃縮部カスケードにおいて、前記膜カスケードの各段階に1つの温度調節ユニットが割り当てられていて、前記温度調節ユニットによって、それぞれの段階の供給物の温度を、前記段階に割り当てられたそれぞれの分離温度に調節可能であり、
    かつ
    前記それぞれの分離温度は、物質混合物の流動方向で段階毎に低下するように調節されている、
    ことを特徴とする、膜カスケード。
  11. 触媒錯体の存在で均一系触媒による化学反応に由来する物質混合物から、溶解した前記触媒錯体及び/又はその少なくとも1つの成分及び/又はその分解生成物を分離するための、請求項10に記載の膜カスケードの使用。
  12. 触媒系の存在で一酸化炭素と水素とを用いる反応によりエチレン性不飽和化合物をヒドロホルミル化する方法であって、前記触媒系は、配位子として少なくとも1つの有機リン化合物を有する、元素の周期表の第8副族の金属の溶解した金属錯体化合物を含み、前記反応の際に、ヒドロホルミル化の生成物の他に、未反応の出発物質及び前記触媒系又は少なくともその成分及び/又はその分解生成物を溶解して含む反応混合物が得られ、ここで、前記反応混合物を、前記触媒系又はその成分及び/又はその分解生成物を、ヒドロホルミル化に返送する目的で、少なくとも部分的に膜技術によって前記反応混合物から分離する触媒分離工程に供給する、エチレン性不飽和化合物をヒドロホルミル化する方法において、
    前記触媒分離工程は、少なくとも2段階の膜カスケードを有し、各段階において少なくとも1つの膜による物質の分離を、それぞれの段階に割り当てられた分離温度で行い、ここで、前記それぞれの分離温度は、前記反応混合物の流動方向で段階毎に低下することを特徴とする、エチレン性不飽和化合物をヒドロホルミル化する方法。
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