JP2015156829A - 澱粉含有食品の物性改良剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、澱粉含有食品(米飯、お粥、麺類、芋類)に嗜好性の高い食味と摂食・嚥下適性に優れた物性を簡便な調理で付与するための品質改良剤を提供することを目的とする。
【解決手段】
澱粉含有食品にα−アミラーゼ、LMペクチン、カルシウム塩を添加して撹拌・均質化することにより、好ましい食味を残しつつ当該澱粉含有食品の摂食・嚥下適性を簡便な調理方法で改善する。
【選択図】なし
本発明は、澱粉含有食品(米飯、お粥、麺類、芋類)に嗜好性の高い食味と摂食・嚥下適性に優れた物性を簡便な調理で付与するための品質改良剤を提供することを目的とする。
【解決手段】
澱粉含有食品にα−アミラーゼ、LMペクチン、カルシウム塩を添加して撹拌・均質化することにより、好ましい食味を残しつつ当該澱粉含有食品の摂食・嚥下適性を簡便な調理方法で改善する。
【選択図】なし
Description
本発明は、ご飯やお粥、麺類、芋類などの澱粉を主成分とした食品の摂食・嚥下適性を改善する品質改良剤に関するものである。
従来、摂食・嚥下機能障害者の食事は、固形状のものをミキサーで処理してペースト状にして提供されることが多い。しかしながら、お粥や麺類などの澱粉含有食品はミキサーで処理してペースト状にすることでかえって澱粉特有のべたつきが顕在化し咽頭部に付着しやすくなり嚥下しづらくなる。そこで、特許文献1、特許文献2のようにべたつきを減少させるためにα−アミラーゼとネイティブジェランガムを主体としたゲル化剤を配合した製剤が出願されている。
特許文献1ではα−アミラーゼとネイティブジェランガムと寒天の製剤が示されている。特許文献2ではα−アミラーゼとネイティブジェランガム、グアガム、カラギーナン及びトレハロース若しくはマルトースを主成分とする製剤が示されている。
しかしながら、いずれも、ネイティブジェランガムが主成分をなす製剤であることから
ミキサーでの処理温度が85℃以上と非常に高い温度が必要となる。通常の家庭用ミキサーの機械耐性としては60℃以上のものは処理しないようにとの注意書きが書かれている。また、大量調理を行う場合などは、お粥の温度を85℃以上に保つことは難しく火傷の危険も高くなる。また、ネイティブジェランガムの固化温度は60℃と高いので、盛り付けをきれいに行うことができないといった欠点が指摘されている。
ミキサーでの処理温度が85℃以上と非常に高い温度が必要となる。通常の家庭用ミキサーの機械耐性としては60℃以上のものは処理しないようにとの注意書きが書かれている。また、大量調理を行う場合などは、お粥の温度を85℃以上に保つことは難しく火傷の危険も高くなる。また、ネイティブジェランガムの固化温度は60℃と高いので、盛り付けをきれいに行うことができないといった欠点が指摘されている。
物性面ではネイティブジェランガムの特性から、お粥からは程遠い「もちもち食感」になる。また、酵素量を最小限にして食味を残そうとすると、ネイティブジェランガムの性質上「べたつき」感が増えることから、非常に多く配合する必要があり、甘さが目立って、これがお粥風味をまったく消してしまっている。
本発明は、嚥下困難者が摂食し易いように、澱粉含有食品をミキサー処理する際に加えることで、澱粉含有食品の物性を改良し嚥下困難者が嚥下しやすい適正な硬さ、凝集性、付着性を有する澱粉含有食品を得ると同時に、簡便で容易な調理条件で食味や風味にお粥らしさを残すことができる物性改良剤を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意努力した結果、澱粉含有食品を、α−アミラーゼ及びLMペクチンを主成分とした品質改良剤で処理することで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下よりなる。
(1)α−アミラーゼとLMペクチンを配合してなる、簡便で容易な条件で調理できかつ良好な食味・風味を残して摂食・嚥下適性の高い物性を付与するための品質改良剤。
(2)全粥の場合のお米のような澱粉食材に対してα−アミラーゼの活性が10〜1000U/g−澱粉食材であり、澱粉含有食品に対してLMペクチンを0.8〜4.0wt%配合し、LMペクチンに対する遊離カルシウムイオンの配合量を0.5wt%以上としたことを特徴とする(1)に記載の品質改良剤。
(3)LMペクチンのエステル化度が10〜30である(1)に記載の品質改良剤。
(1)α−アミラーゼとLMペクチンを配合してなる、簡便で容易な条件で調理できかつ良好な食味・風味を残して摂食・嚥下適性の高い物性を付与するための品質改良剤。
(2)全粥の場合のお米のような澱粉食材に対してα−アミラーゼの活性が10〜1000U/g−澱粉食材であり、澱粉含有食品に対してLMペクチンを0.8〜4.0wt%配合し、LMペクチンに対する遊離カルシウムイオンの配合量を0.5wt%以上としたことを特徴とする(1)に記載の品質改良剤。
(3)LMペクチンのエステル化度が10〜30である(1)に記載の品質改良剤。
本発明の品質改良剤を用いると、ミキサーでの処理温度は60℃以上でよく、ミキサーの機械耐性範囲に近く、大量調理の場合のお粥の温度を維持することも容易になる。食味もLMペクチンの性質から「もちもち食感」のような弾力がなく、崩すとお粥に近い食感となり、かつ、風味をのこすまで酵素量を減らしてもべたつきが少なく嚥下困難者に適正な物性で提供できる。
本発明で使用する澱粉質とは小麦、大麦、トウモロコシ等の穀類、該穀類を原料とする小麦粉、大麦粉、米粉、コーンフラワー等の穀粉、該穀粉、或いは馬鈴薯、甘藷、片栗、蕨、タピオカ、レンコン等を原料とするコーンスターチ、片栗粉等の澱粉、加工澱粉、デキストリン類等が挙げられる
本発明の澱粉性食品含有食品物性改良剤はα−アミラーゼとLMペクチンを配合してなる。
α−アミラーゼとは澱粉を加水分解する酵素の総称である。アミラーゼにはエキソ型の分解様式をもつものとエンド型の分解様式を持つものとあるが、目的に応じて適時選択することができる。
α−アミラーゼとは澱粉を加水分解する酵素の総称である。アミラーゼにはエキソ型の分解様式をもつものとエンド型の分解様式を持つものとあるが、目的に応じて適時選択することができる。
本発明における澱粉食材に対するアミラーゼの添加量は、目的とする効果が得られるように適時決定すればいい。一般的なαアミラーゼ製剤であるαアミラーゼ60(HBI製、澱粉液化力50,000U/g)であれば、通常、全粥100g当たり0.004〜0.4g、好ましくは0.005〜0.05g、この範囲であれば、甘みが出ず、お粥の風味を残すことができる。
本発明に用いるLMペクチンとは、ペクチンの一種である。ペクチンはレモン、リンゴのジュースやエキスを取った絞りかすから穏やかな酸で抽出したものである。化学構造はガラクチュロン酸を主体とする酸性多糖類と数種の中性糖が存在す。主鎖はα−D−ガラクツロン酸がα−1,4結合しており、部分的にメタノールでエステル化されている。分子量は5万〜15万である。ペクチンを構成するガラクツロン酸は、メチルエステルの形と酸の2つの形で存在している。そのエステルの形で存在するガラクツロン酸の割合をエステル化度(=DE)と呼び、このDEの割合で性質が異なる。50wt%以上のDEをHM(高メトキシル)ペクチン、それ以下をLM(低メトキシル)ペクチンと呼んでいる。
HMペクチンは約55wt%以上の糖、pH3.5以下で熱不可逆性のゲルを形成する。一方LMペクチンはカルシウム、マグネシウムなどの多価イオンの存在でゲル化する。糖、pH、固形分の量などにあまり関係がない。そのゲルはHMペクチンとは異なり熱可逆性である。
LMペクチンのゲル化性はカルシウムイオンの濃度に左右される。適正な量であれば熱可逆性のゲルができるが、その範囲を超えるとゲル化速度が速くなり不均一なゲルになる。また、カルシウム量が十分あると耐熱性のゲルを得ることができる。
本発明に用いるLMペクチンは、全粥に対して0.8〜4.0wt%、好ましくは1.0〜3.5wt%が望ましい。0.8wt%以下ではゲル強度が弱く嚥下に適したゲルを形成することができない。4.0以上ではゲルが硬くなりすぎる。
本発明で用いるLMペクチンのエステル化度は10〜30が好ましい。10以下ではゲル強度は強くなるが、ゲルの柔らかさがなくなり寒天様に近づく。30以上では、ゲル強度が弱く、べたつき感が増す。
本発明で用いるカルシウム塩類には、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、炭酸カルシウムなどがあるが、キレート剤と併用してゲル化速度を調節できるものが好ましい。中でも硫酸カルシウムが、調節しやすさから望ましい。
全粥は米に対して水は5.5倍とした。
70℃の全粥をミキサーに入れて、次に実施例1の改良剤を上記表1に示す配合量で添加し、1分間処理を行い、
容器に注ぎ、45℃の恒温庫で60分保管してから物性評価と官能評価を行った。
物性評価は厚生労働省嚥下困難者用食品許可基準の測定法に準拠して行った。20℃で行った結果を表2、45℃で行った結果を表3に示す。
70℃の全粥をミキサーに入れて、次に実施例1の改良剤を上記表1に示す配合量で添加し、1分間処理を行い、
容器に注ぎ、45℃の恒温庫で60分保管してから物性評価と官能評価を行った。
物性評価は厚生労働省嚥下困難者用食品許可基準の測定法に準拠して行った。20℃で行った結果を表2、45℃で行った結果を表3に示す。
20℃での測定結果では、厚生労働省嚥下困難者用食品許可基準IIに入った。
45℃は厚生労働省嚥下困難者用食品基準の基準Iに入った。
また、45℃で2時間保管した後、官能評価を行った結果、甘さは感じず、コメの風味が残っていた。
また、45℃で2時間保管した後、官能評価を行った結果、甘さは感じず、コメの風味が残っていた。
<味粥>
味付き粥は、白がゆ300gに次の調味液を加えて調製した。
味付き粥は、白がゆ300gに次の調味液を加えて調製した。
味粥100gに対しての改良剤配合量は下記表5のようにした。
調理と物性測定の条件は実施例1と同じ条件で行った。
20℃における物性測定の結果は下記表6に示し、45℃における物性測定の結果は表7に示すとおり。
20℃における物性測定の結果は下記表6に示し、45℃における物性測定の結果は表7に示すとおり。
実施例1とほぼ近い物性値を示し、いずれも厚生労働省嚥下困難者用食品許可基準のIIに入った。
Claims (3)
- 澱粉含有食品に好ましい食味を残しつつ嚥下困難者用食品に適した物性を付与するための物性改良剤であって、α−アミラーゼ、LMペクチン、カルシウム塩を主成分としたことを特徴とする澱粉含有食品の品質改良剤。
- 前記主成分の配合量を、澱粉食材に対してα−アミラーゼを10〜1000U/g−澱粉食材、澱粉含有食品に対してLMペクチンの配合量を0.8〜4wt%、LMペクチンに対する遊離カルシウムイオンの配合量を0.5wt%以上としたことを特徴とする請求項1に記載の品質改良剤。
- 前記LMペクチンのエステル化度が10〜30としたことを特徴とする請求項1に記載の物性改良剤。
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JP2014033198A JP2015156829A (ja) | 2014-02-24 | 2014-02-24 | 澱粉含有食品の物性改良剤 |
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Citations (4)
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JP2000325041A (ja) * | 1999-05-18 | 2000-11-28 | Q P Corp | 嚥下補助食品 |
JP2001136919A (ja) * | 1999-11-18 | 2001-05-22 | Q P Corp | 嚥下補助食品 |
JP2007228834A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Food Care:Kk | 澱粉性食品用品質改良剤および易嚥下加工食品の調製方法 |
JP2013226135A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-11-07 | Fuji Oil Co Ltd | タンパク質素材およびその製造法 |
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2014
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