JP2015156443A - 半導体パッケージ - Google Patents
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Abstract
【課題】製造歩留りを改善する半導体パッケージを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、半導体パッケージは、第1接合面34a、第1接合面34aと直交する第1放熱面34b、および、第1接合面34aと対向した第1主面34cを有する第1導電体34と、第2接合面36a、第2接合面36aと直交し第1放熱面34bを含む仮想平面上に位置する第2放熱面36b、および、第2接合面36aと対向した第2主面36cを有する第2導電体36と、第1電極が第1接合面34aと電気的に接続し、第2電極が第2接合面36aと電気的に接続した半導体スイッチ38、40と、半導体スイッチ38、40を覆い封止した絶縁体52と、を備え、第1放熱面34bと第2放熱面36bとは絶縁体52から露出し、第1主面34cおよび第2主面36cは、その長手方向が仮想平面と略平行な直線状である凹部34d、36dを有する。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態によれば、半導体パッケージは、第1接合面34a、第1接合面34aと直交する第1放熱面34b、および、第1接合面34aと対向した第1主面34cを有する第1導電体34と、第2接合面36a、第2接合面36aと直交し第1放熱面34bを含む仮想平面上に位置する第2放熱面36b、および、第2接合面36aと対向した第2主面36cを有する第2導電体36と、第1電極が第1接合面34aと電気的に接続し、第2電極が第2接合面36aと電気的に接続した半導体スイッチ38、40と、半導体スイッチ38、40を覆い封止した絶縁体52と、を備え、第1放熱面34bと第2放熱面36bとは絶縁体52から露出し、第1主面34cおよび第2主面36cは、その長手方向が仮想平面と略平行な直線状である凹部34d、36dを有する。
【選択図】図1
Description
この発明の実施形態は、半導体パッケージに関する。
近年、自動車の燃費向上を目的とし、内燃機関とモータとを併用したハイブリッド車の普及が急速に進んでいる。また一方で、モータだけで走行可能な電気自動車の製品化も進んでいる。これら自動車を実現するためには、電池とモータとの間に、直流電力から交流電力への変換および交流電力から直流電力への変換を行なう電力変換装置が必要となる。
ハイブリッド車および電気自動車では、半導体電力変換装置の小型化、高信頼性が要求されている。半導体電力変換装置の小型化、高信頼性を図るためには、冷却効率が良い半導体電力変換装置が必要となる。これを実現する方法としては、半導体素子の表裏面に導電体を接続し、導電体から冷却器へ放熱させる両面放熱型の半導体パッケージが提案されている。
両面放熱型の半導体パッケージの製造過程において、例えば、半導体素子および半導体素子の表裏面に接続した導電体を樹脂材料によりモールドした後に、樹脂材料および導電体の一部を研削して平坦な底部を形成する。このとき、例えば高速回転するグラインダ等により樹脂材料および導電体を研削すると、樹脂材料と導電体との界面が剥がれて製造歩留りが低下する原因となっていた。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その課題は、製造歩留りを改善する半導体パッケージを提供することにある。
実施形態によれば、半導体パッケージは、第1接合面、前記第1接合面と直交する第1放熱面、および、前記第1接合面と対向した第1主面を有する第1導電体と、前記第1接合面と対向する第2接合面、前記第2接合面と直交し前記第1放熱面を含む仮想平面上に位置する第2放熱面、および、前記第2接合面と対向した第2主面を有する第2導電体と、第1電極と第2電極とを備え、前記第1電極が前記第1接合面と電気的に接続し、前記第2電極が前記第2接合面と電気的に接続した半導体スイッチと、前記半導体スイッチを覆い封止した絶縁体と、を備え、前記第1放熱面は前記絶縁体から露出し、前記第1主面は前記第1放熱面と接続した位置近傍に設けられた凹部を有し、前記第2放熱面は前記絶縁体から露出し、前記第2主面は前記第2放熱面と接続した位置近傍に設けられた凹部を有し、前記凹部は、その長手方向が前記仮想平面と略平行な直線状であることを特徴とする。
以下に、図面を参照しながら、実施形態に係る半導体電力変換装置ついて詳細に説明する。なお、各図は実施形態とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
図1は、実施形態の半導体パッケージのモールド樹脂体内部の構造の一例を説明する分解斜視図である。
本実施形態の半導体パッケージ16は、いわゆる両面放熱型および垂直実装型の電力変換装置として構成されている。本実施形態の半導体パッケージ16は、第1導電体(コレクタ導電体)34と、第2導電体(エミッタ導電体)36と、半導体スイッチと、外囲器(図2に示す)と、を備えている。
半導体スイッチは、接続剤42a〜42fにより第1導電体34および第2導電体36に固定されている。接続剤42a〜42fは例えば半田シートである。
半導体スイッチは、第1電極と第2電極とを備え、第1電極が第1導電体34と電気的に接続し、第2電極が第2導電体36と電気的に接続している。より具体的には、半導体スイッチは、第1半導体素子38と、第2半導体素子40と、第1凸型導電体44aと、第2凸型導電体44bと、接続部(エミッタ板)48と、第1電力端子46aと、第2電力端子46bと、接触部47a、47bと、複数の信号端子50と、を備えている。
第1導電体34は、例えば、銅により形成された略角柱形状である。第1導電体34は、矩形状の接合面(第1接合面)34aと、接合面34aと対向した主面(第1主面)34cと、接合面34aと第1主面34cと直交した略矩形状の放熱面(第1放熱面)34bと、を有している。
接合面34aと第1主面34cとは、半導体パッケージ16の部品が積層する方向Wと略直交している。
主面34cは、部品の積層方向Wおよび信号端子50が延びた第1方向Hと直交した第2方向Lに沿って延びた直線状の凹部として2つの溝34dを有している。2つの溝34dの第2方向Lに延びた両端は、主面34cと放熱面34bとに直交して互いに対向した2つの端面と接続している。一方の溝34dは、主面34cにおいて放熱面34bと接続した位置近傍に配置している。他方の溝34dは、主面34cにおいて、放熱面34bと対向した略矩形状の主面(第3主面)34eと接続した位置近傍に配置している。溝34dは、放熱面34bおよび主面34eとは接続しない。
第2導電体36は、例えば、銅により形成された略角柱形状である。第2導電体36は、矩形状の接合面(第2接合面)36aと、接合面36aと対向した主面(第2主面)36cと、接合面36aと主面36cと直交した略矩形状の放熱面(第2放熱面)36bと、を有している。接合面36aと主面36cとは積層方向Wと略直交している。放熱面36bは、放熱面34bを含む仮想平面上に位置している。
主面36cは、部品の積層方向Wおよび第2方向Lに沿って延びた直線状の凹部として2つの溝36dを有している。2つの溝36dの第2方向Lに延びた両端は、主面36cと放熱面36bとに直交して互いに対向した2つの端面と接続している。一方の溝36dは、主面36cにおいて放熱面36bと接続した位置近傍に配置している。他方の溝36dは、主面36cにおいて、放熱面36bと対向した略矩形状の主面(第4主面)36eと接続した位置近傍に配置している。溝36dは、放熱面36bおよび主面36eとは接続しない。
第1導電体34の接合面34aと第2導電体36の接合面36aとは互いに平行に対向している。第1導電体34の放熱面34bと第2導電体36の放熱面36bとは同一平面上に位置している。
第2導電体36は、第2方向Lの幅が第1導電体34とほぼ等しく、積層方向Wの幅が第1導電体34よりも小さく、例えば、約3分の1程度に形成され、更に、第1方向Hの幅が第1導電体34よりも小さく形成されている。
第1半導体素子38は、パワー半導体素子、例えば、IGBT(insulated gate bipolar transistor)である。第1半導体素子38は、第1導電体34と第2導電体36との間に挟まれて、これらの導電体に接合されている。第1半導体素子38は、矩形板状に形成され、表面および裏面に異なる電極を構成している。また、第1半導体素子38の一方の表面に、複数、例えば、4つの接続端子38aが形成されている。そして、第1半導体素子38の表面および裏面は、電極部分および接続端子部分を除いて、絶縁膜、例えば、ポリイミドのフィルムで覆われている。
第1半導体素子38は、第1導電体34の接合面34aと平行に配置され、一方の電極(コレクタ)が第1接続剤42a、例えば、矩形状の半田シートにより第1導電体34の接合面34aに接合されている。
第2半導体素子40は、第1導電体34と第2導電体36との間に挟まれて、第1導電体34と第2導電体36とに接合されている。第2半導体素子40は、ダイオードを備えている。第2半導体素子40は、矩形板状に形成され、表面および裏面に異なる電極を構成している。第2半導体素子38の表面および裏面は、矩形状の電極部分を除いて、絶縁膜、例えば、ポリイミドのフィルムで覆われている。
第2半導体素子40は、第1導電体34の接合面34aと平行に配置され、更に、第2方向Lに隙間を置いて第1半導体素子38と並んで配置されている。第2半導体素子40は、一方の電極が第2接続剤42b、例えば、矩形状の半田シートにより第1導電体34の接合面34aに接合されている。
すなわち、第1半導体素子38の一方の電極と第2半導体素子40の一方の電極とは、半導体スイッチの第1電極であって、第1導電体34と電気的に接続している。
このように、第1半導体素子38および第2半導体素子40は、第1導電体34の接合面34aと平行に、かつ、第1導電体34の放熱面34bに対して垂直に配置されている。
また、第1導電体34の接合面34aには、第5接続剤42e、例えば、矩形状の半田シートが設けられ、第2方向Lにおいて第1半導体素子38と並んで位置している。
第1凸型導電体44aは、第1半導体素子38の他方の電極上に第3接続剤42c、例えば、矩形状の半田シートを介して接合されている。第1凸型導電体44aは、例えば、銅により形成され、扁平な直方体形状の本体と、本体の一方の主面から突出し、本体よりも小径で扁平な直方体形状の凸部45aと、を一体に有している。第1凸型導電体44aは、本体の平坦な主面側が第3接続剤42cにより第1半導体素子38の他方の電極に電気的かつ機械的に接合されている。
第2凸型導電体44bは、第2半導体素子40の他方の電極上に第4接続剤42d、例えば、矩形状の半田シートを介して接合されている。第2凸型導電体44bは、例えば、銅により形成され、扁平な直方体形状の本体と、本体の一方の主面から突出し、本体よりも小径で扁平な直方体形状の凸部45bと、を一体に有している。そして、第2凸型導電体44bは、本体の平坦な主面側が接続剤42dにより第2半導体素子40の他方の電極に電気的かつ機械的に接合されている。
なお、第1および第2凸型導電体44a、44bは、別体に限らず、2つの本体を一体に形成し、2つの凸部を共通の本体上に設ける構成としてもよい。
なお、第1および第2凸型導電体44a、44bは、別体に限らず、2つの本体を一体に形成し、2つの凸部を共通の本体上に設ける構成としてもよい。
第1電力端子46aは、独立して形成され、その基端部が第5接続剤42eにより第1導電体34の接合面34aに接合されている。第1電力端子46aは、第1導電体34の長手方向一端からモジュールの外側に突出し、その接触部47aは、第1導電体34側へ直角に折り曲げられ、モジュールの端面とほぼ平行に対向している。
第2電力端子46bは、その基端部が接続部(エミッタ板)48に連結されている。また、第2電力端子46bは、第1導電体34の第2方向Lにおける他端側からモジュールの外側に突出し、その接触部47bは、第1導電体34側へ直角に折り曲げられ、半導体パッケージ16の他端面とほぼ平行に対向している。
接続部(エミッタ板)48は、細長い矩形板状に形成されている。この接続部48には、それぞれ位置決め用の矩形状の第1開口51aおよび第2開口51bが長手方向Lに並んで形成されている。第1開口51aは、第1凸型導電体44aの凸部45aが嵌合可能な大きさで、かつ、第1凸型導電体44aの本体よりも小さく形成されている。同様に、第2開口51bは、第2凸型導電体44bの凸部45bが嵌合可能な大きさで、かつ、第2凸型導電体44bの本体よりも小さく形成されている。接続部48の第2導電体36側の表面には、第1および第2開口51a、51bを含む領域に亘って浅い矩形状の凹所56が形成されている。更に、接続部48は、その上縁から上方に突出する3本の支持突起を一体に有している。真ん中の支持突起から一本の信号端子50が上方へ延びている。すなわち、5本の信号端子50の内、エミッタ分岐端子50aは、接続部48から分岐して延び、他の信号端子50とほぼ平行に位置している。
接続部48および第2電力端子46bは、第1および第2凸型導電体44a、44bの凸部45a、45bが第1開口51a、第2開口51bにそれぞれ係合した状態で、第1および第2凸型導電体44a、44bに接合されている。
更に、接続部48および第1および第2凸型導電体44a、44bの凸部45a、45bは、接続部48の凹所56内に配置された第6接続体42f、例えば、矩形状の半田シートにより、第2導電体36の接合面36aに電気的および機械的に接合されている。すなわち、接続部48、第1および第2凸型導電体44a、44b、および第2導電体36の3部材は、接続剤42fにより相互に接合されている。
以上により、第1半導体素子38および第2半導体素子40の他方の電極は、第1および第2凸型導電体44a、44bを介して、第2導電体36に電気的に接合されている。すなわち、第1半導体素子38の他方の電極と第2半導体素子40の他方の電極とは、半導体スイッチの第2電極であって、第1導電体36と電気的に接続している。
第1半導体素子38および第2半導体素子40は、第1導電体34と第2導電体36と間に挟まれ、接合面34a、36aと平行に、かつ、第1導電体および第2導電体の放熱面34b、36bに対して垂直に配置されている。
信号端子50は、モジュールから上方に突出し、第1導電体34の接合面34aと平行に延びている。4本の信号端子50の基端は、ボンディングワイヤ(図示せず)により、第1半導体素子38の接続端子38aに接続されている。
信号端子50は、前述した接続部48から分岐した、すなわち、接続部48に導通しているエミッタ分岐端子(コレクタ、エミッタ間電圧モニタ端子)(分岐信号端子)50a、電流(エミッタセンス電流)モニタ端子50b、ゲート(ゲート、エミッタ間電圧)端子50c、チップ温度モニタ端子50d、50eを含んでいる。信号端子50b、50c、50d、50eのそれぞれの基端と第1半導体素子38の対応する接続端子38aとを図示しないボンディングワイヤ(導線)で接続している。第1半導体素子38は、第1導電体34および第2導電体36を介して、第1電力端子46a、第2電力端子46bに接続されている。同様に、第2半導体素子40は、第1導電体34および第2導電体36を介して、第1電力端子46a、第2電力端子46bに接続されている。
図2は、実施形態の半導体パッケージの一例を示す斜視図である。
外囲器52は、例えば樹脂等により形成された絶縁体であって、半導体パッケージ16の構成部材を被覆および封止している。外囲器52は、ほぼ直方体形状に形成されている。外囲器52は、積層方向Wにおいて対向し互いに平行な2つの端面52a、52bと、これらの端面52a、52bと直交するとともに、放熱面34b、36bと同一平面にある端面(図3に示す)と、信号端子50が突出した端面52dと、端面52dにおいてパーティングライン54が延びた方向(第2方向L)の両端に位置する2つの端面52eと、を有している。
パーティングライン54は、上述したリードフレームの接続部48、第1電力端子46aおよび第2電力端子46bを含む平面内に位置し、外囲器52の端面52dおよび両端面52eに沿って残っている。また、パーティングライン54は、積層方向Wにおける外囲器52の中心よりも、端面52b側にずれて位置している。
外囲器52の端面52dにおいて、パーティングライン54と側面52aとの間の部分は、パーティングライン54から側面52aに向かって底面側へ僅かに傾斜して延び、パーティングライン54と側面52bとの間の部分は、パーティングライン54から端面52bに向かって底面側へ僅かに傾斜して延びている。
モールド樹脂体52の各端面52eにおいて、パーティングライン54と側面52aとの間の部分は、パーティングライン54から側面52aに向かって他方の端面52e側へ僅かに傾斜して延び、パーティングライン54と側面52bとの間の部分は、パーティングライン54から側面52bに向かって他方の端面52e側へ僅かに傾斜して延びている。
第1電力端子46aは、パーティングライン54の位置でモールド樹脂体52の一方の端面52eからモールド樹脂体の第2方向L外方に突出している。第1電力端子46aの接触部47aは、側面52a側へ直角に折り曲げられ、外囲器52の端面52eと隙間を置いて対向している。また、接触部47aは、第2方向Lに対して略直角に折り曲げられ、外囲器52に対して、積層方向Wの略中央に位置している。
第2電力端子46bは、パーティングライン54の位置で外囲器52の他方の端面52eからモールド樹脂体の第2方向L外方に突出し、更に、第2電力端子46bの接触部47bは、側面52a側へ直角に折り曲げられ、外囲器52の端面52eと隙間を置いて対向している。また、接触部47aは、第2方向Lに対して略直角に折り曲げられ、外囲器52に対して、積層方向Wの略中央に位置している。
信号端子50は、外囲器52の端面52dから第1方向Hと略平行に延びている。本実施形態の半導体パッケージ16は5本の信号端子50を有している。5本の信号端子50は、細長い棒状に形成され、パーティングライン54の位置で外囲器52の上面52dから突出している。5本の信号端子50は、互いに平行に延びている。また、5本の信号端子50は、それぞれ第1方向Hに離間した2箇所で折曲げられ、信号端子の延出端側の端部53aは、積層方向Wにおける外囲器52の略中央に位置している。
また、これら5本の信号端子50、並びに、第1電力端子46aおよび第2電力端子46bは、外囲器52の第2方向中央に位置する中心線Cに対して、左右対称に配置されている。信号端子50の少なくとも端部53aの外面に、図示しない導電膜が形成されている。
図3は、実施形態の半導体パッケージの一例を放熱面34b、36b側から見た斜視図である。
外囲器52の端面52cは、平坦に研削され、この端面52cに、第1および第2導電体34、46の放熱面34b、36bが露出し、端面52cと同一平面に位置している。
外囲器52の端面52cは、平坦に研削され、この端面52cに、第1および第2導電体34、46の放熱面34b、36bが露出し、端面52cと同一平面に位置している。
第1導電体34は、その放熱面34b以外を外囲器52に被覆されている。換言すると、第1導電体34は、放熱面34bのみが外囲器52から露出している。
第2導電体36は、その放熱面36b以外を外囲器52に被覆されている。換言すると、第2導電体36は、放熱面36bのみが外囲器52から露出している。
第2方向Lにおける幅は、第1導電体34と第2導電体36とは略同一である。積層方向Wにおける幅は、第1導電体34が第2導電体36よりも大きい。したがって、外囲器52から露出した面積も第1導電体34の方が第2導電体36よりも大きい。
図4は、長手方向に直交する平面における本実施形態の半導体パッケージの断面の一例を示す図である。
第1導電体34の溝34dの一方と放熱面34bとは略0.5mm離れている。第1導電体34の溝34dの他方と主面34eとは略1.0mm離れている。溝34dは、第1導電体34と外囲器52とが接触する面積を考慮すると、その断面が半径略0.5mm以上の半円形状とすることが望ましく、更に後述する引き抜きダイスの強度を考慮すると半径略0.8mm以上とすることが望ましい。図4では、溝34dは断面が半径略0.8mmである。
第2導電体36の溝36dの一方と放熱面36bとは略0.5mm離れている。第2導電体36の溝36dの他方と主面36eとは略1.0mm離れている。溝36dは、第2導電体36と外囲器52とが接触する面積を考慮すると、その断面は半径略0.5mm以上の半円形状とすることが望ましく、更に後述する引き抜きダイスの強度を考慮すると半径略0.8mm以上とすることが望ましい。図4では、溝36dは断面が半径略0.8mmである。
図5は、実施形態の半導体パッケージの製造過程における一構成例を説明するための図である。
本実施形態の半導体パッケージ16の端面52cおよび放熱面34b、36bは、樹脂材料に覆われた部分を研削して第1導電体34および第2導電体36を露出するとともに平坦な面となるように形成される。この研削加工時には、砥石を有する円盤状のグラインダを用いて高速に回転する砥石を接触させて樹脂および金属の一部を除去する。このときに、外囲器52と第1導電体34との界面、および、外囲器52と第2導電体36との界面での接着強度が十分でないと、外囲器52が剥離して製造歩留りが低下する原因となる。
そこで、本実施形態では、第1導電体34と第2導電体36とに溝34d、36dを設けて、外囲器52と第1導電体34との界面および外囲器52と第2導電体36との界面の面積を大きくして、第1導電体34および第2導電体36とモールド樹脂体52との接着強度を増している。
また、本実施形態では、溝34d、36dの断面を半円形とすることにより、研削時に積層方向Wおよび第2方向Lで規定される平面と略平行な方向に加えられる応力を、溝34d、36dの表面に沿った方向へ分散させることができ、外囲器52を剥離する方向に加わる応力を小さくすることができる。
第1導電体34および第2導電体36は、略矩形状の開口を有する引き抜きダイスを用いて、所定の大きさの略直方体形状に形成される。この際、引き抜きダイスの開口に断面が半円の突起を設けることにより、この開口を通過した材料に引き抜き方向に延びる溝34d、36dを設けることができる。
例えば、溝34d、36dの径(第1方向Hの幅)が小さいと、溝34d、36dに樹脂が十分に流れ込まず、モールド樹脂体52と第1導電体34との間、および、モールド樹脂体52と第2導電体36との間に空間が生じ、十分な強度を得ることができない場合がある。また、溝34d、36dの径が小さいと、ダイスの突起が小さくなり、ダイスの加工寿命や、引き抜きによる加工精度が低下する可能性がある。したがって、溝34d、36dの径および位置は、モールド樹脂体52を形成する際の樹脂流動性や引き抜きダイスの加工寿命、加工精度等を考慮して適切な値とすべきである。
本実施形態では、溝がない部分と比較して溝34d、36dを設けた部分は、外囲器52と第1導電体34とが接触する面積、および外囲器52と第2導電体36とが接触する面積は91.2%((1.6×3.14÷2)−1.6=0.912)増しとなる。
図5に示す例では、第1導電体34の溝34dの一方と主面34eと対向した端面とは略1.0mm離れている。第1導電体34の溝34dの他方と主面34eとは略1.0mm離れている。溝34dは、その断面は半径略0.8mmの半円形状である。
第2導電体36の溝36dの一方と主面36eと対向した面とは略1.0mm離れている。第2導電体36の溝36dの他方と主面36eとは略1.0mm離れている。溝36dは、その断面は半径略0.8mmの半円形状である。
上記のように、第1導電体34および第2導電体36は、積層方向Wと略平行な軸を中心に180°回転しても同様の形状である。したがって、半導体パッケージ16の構成を組み立てる際には、第1導電体34および第2導電体36の端面34e、36eと端面34e、36eと対向した端面との区別をする必要がなくなる。
また、本実施形態では、第1導電体34および第2導電体36の接合面34a、36aには溝を設けていない。これは、接合面34a、36aに溝を設け、半導体素子等を接合するための半田が溝に流れ込むと、半導体素子等の接合不良の原因となるためである。
第1導電体34と第2導電体36と端面34e、36eと対向した端面は、第1方向Hの厚さが略0.7mmの樹脂に覆われている。研削工程において、この状態の半導体パッケージ16から第1方向Hに略1.2mmの厚さの樹脂および金属を除去する。これにより、第1導電体34および第2導電体36の放熱面34b、36b側を覆う樹脂と第1導電体34および第2導電体36の一部が除去されて、第1導電体34と第2導電体36との放熱面34b、36bとが露出した半導体パッケージ16が形成される。
上述のように、本実施形態の半導体パッケージ16によれば、樹脂および金属の研削工程における外囲器52の剥離を回避することができ、この結果、製造歩留りを改善することが可能である。
なお、溝34d、36dは複数である必要はなく、少なくとも主面34c、36cの放熱面34b、36bと接続した位置近傍に設けられていればよい。また、溝34d、36dの第1方向Hにおける位置は、半導体パッケージ16の放熱面34b、36b側を研削した後に、放熱面34b、36bから少なくとも0.1mm離れていることが望ましく、少なくとも0.2mm離れていることが更に望ましい。
図6は、本実施形態の半導体パッケージの他の構成例を示す図である。
この例では、第1導電体34、第2導電体36および外囲器52の構成が上述の半導体パッケージ16と異なっている。
この例では、第1導電体34、第2導電体36および外囲器52の構成が上述の半導体パッケージ16と異なっている。
第1導電体34は、その積層方向Wの厚さが第1方向Hの両端部において小さくなっている。この例では、第1導電体34の端面34eから第1方向Hに略1mmの領域と放熱面34bから第1方向Hに略0.5mmの領域とで、積層方向Wの厚さが、主面34eおよび放熱面34bに近付くにつれて小さくなっている。第1導電体34の接合面34aは主面34eと放熱面34bとの間に延びた平面である。すなわち、主面34cは第1放熱面34bと交差する部分および主面34eと交差する部分に設けられた段差部を有している。この段差部は、第2方向Lに沿って延びた直線状の凹部であり、第2方向Lに沿って延びた両端は、放熱面34bおよび主面34cに直交して互いに対向した一対の側面と接続している。
端面34cに設けられた段差部は、外囲器52の材料となる樹脂の段差部への回り込みやすさを考慮すると、その曲面が半径略0.5mm以上の円弧(0.5R)となっていることが望ましく、引き抜きダイスの強度を考慮するとその曲面が半径略0.8mm以上の円弧(0.8R)となっていることが更に望ましい。
第2導電体36は、その積層方向Wの厚さが第1方向Hの両端部において小さくなっている。この例では、第2導電体36の端面36eから第1方向Hに略1mmの領域と、放熱面36bから第1方向Hに略0.5mmの領域で積層方向Wの厚さが、主面36eおよび放熱面36bに近付くにつれて小さくなっている。第2導電体36の接合面36aは主面36eと放熱面36bとの間に延びた平面である。すなわち、第3端面36cは第2放熱面36bと交差する部分および第4端面36eと交差する部分に設けられた段差部を有している。この段差部は、第2方向Lに沿って延びた直線状の凹部であり、第2方向Lに沿って延びた両端は、放熱面36bおよび主面36cに直交して互いに対向した一対の側面と接続している。
主面34c、36cに設けられた段差部は、外囲器52の材料となる樹脂の段差部への回り込みやすさを考慮すると、その曲面が半径略0.5mm以上の円弧(0.5R)となっていることが望ましく、引き抜きダイスの強度を考慮するとその曲面が半径略0.8mm以上の円弧(0.8R)となっていることが望ましい。
上記のように、第1導電体34および第2導電体36を構成すると、外囲器52と第1導電体34の主面34cとの界面、および、外囲器52と第2導電体36の主面36cとの界面の面積を大きくして、研削工程時に外囲器52が剥離することを回避できる。さらに、上述の実施形態と比較すると、半導体パッケージ16の底部において、第1導電体34および第2導電体36の厚さが小さくなった分外囲器52の積層方向Wの厚さが大きくなり、研削工程時に外囲器52に加わる応力に対して強度を増すことができる。
したがって、図6に示すように半導体パッケージ16を構成した場合も、放熱面34b、36b側の研削工程における外囲器52の剥離を回避することができ、この結果、製造歩留りを改善することが可能である。
また、上記のように、第1導電体34および第2導電体36は、積層方向Wと略平行な軸おいて、180°回転しても同様の形状である。したがって、半導体パッケージ16の構成を組み立てる際には、第1導電体34および第2導電体36の主面34e、36eと主面34e、36eと対向した面との区別をする必要がなくなる。
なお、図6に示す場合も、少なくとも放熱面34b、36b側の端部において、第1導電体34および第2導電体36の積層方向Wの厚さが小さくなっていれば良い。また、図6に示す例では、接合面34a、36aは平坦な面であったが、半田が付着しない領域であれば接合面34a、36aの第1方向Hの両端部に段差部を設けても構わない。接合面34a、36aに端面34c、36cと同様に段差部を設けることにより、半導体パッケージ16を組み立てる際に接合面34a、36aと端面34c、36cとを区別することが可能となる。
以下、上記半導体パッケージ16を搭載した装置の一例として半導体電力変換装置10について説明する。
図7は、半導体電力変換装置の支持フレームおよび冷却器の一例を示す斜視図である。
図7に示すように、半導体電力変換装置は、冷却器12、冷却器12上に固定された支持フレーム14、および、冷却器12上に載置され、支持フレーム14により支持される複数の半導体パッケージ16を備える。
図7に示すように、半導体電力変換装置は、冷却器12、冷却器12上に固定された支持フレーム14、および、冷却器12上に載置され、支持フレーム14により支持される複数の半導体パッケージ16を備える。
冷却器12は、平坦な矩形状の受熱面18aを有する扁平な直方体形状の冷却ブロック18を有している。この冷却ブロック18は、例えば、アルミニウムで形成されている。また、冷却ブロック18内には、水等の冷却媒体を流す冷媒流路20が形成されている。
支持フレーム14は、受熱面18aに対応する大きさの矩形状の外枠と、外枠間を延びる互いに平行な複数の連結梁とを一体に有し、これら外枠および連結梁により例えば、4列に並んだ、それぞれ矩形状の設置空間部22を形成している。また、支持フレーム14には、上述した半導体パッケージ16に電気的に接続される複数の接続端子24を有する複数のバスバー26、複数の入力端子28、および2組の3相の出力端子30が設けられている。バスバー26の接続端子24は、各設置空間部22の各側縁に沿って、複数個ずつ間隔を置いて並んで配置されている。そして、支持フレーム14は、例えば、インサートモールドにより、複数の端子と一体に樹脂により成形されている。また、支持フレーム14は、例えば、複数のねじにより冷却ブロック18の受熱面18a上に固定されている。
半導体パッケージ16は、例えば、6個ずつ積層方向Wに並んだ列が第2方向Lに4列並んで支持フレーム14に設置される。各列において、6個の半導体パッケージ16は、支持フレーム14の設置空間部22内に配置され、各半導体パッケージ16の放熱面34b、36bは、図示しない絶縁シートを介して冷却器12の受熱面18a上に設置される。これにより、第1導電体34および第2導電体36は、冷却器12に熱的に接続され、第1半導体素子38および第2半導体素子40で発生した熱を第1導電体34および第2導電体36を介して冷却器12に放熱することができる。半導体パッケージ16の第1電力端子46aおよび第2電力端子46bの接触部47a、47bは、それぞれバスバー26の接続端子24に接触し、バスバー26に電気的に接続される。また、半導体パッケージ16の複数の信号端子50は、上方へ突出している。
積層方向Wに並んだ複数の半導体パッケージ16において、隣合う2つの半導体パッケージ16は、外囲器52の端面52a、52b同志が隣接対向して、あるいは、互いに当接した状態で配置されている。隣合う2つの半導体パッケージ16の内、一方は、他方に対して第1方向Hと略平行な軸に対して180度反転した向きで配置してもよい。いずれの向きで配置した場合でも、半導体パッケージ16の第1電力端子46aおよび第2電力端子46bは、バスバー26の接続端子24に確実に係合する。また、この場合でも、いずれの向きで配置した場合でも、半導体パッケージ16の信号端子50は、外囲器52の積層方向W中央部に位置する。
半導体電力変換装置は、半導体パッケージ16および装置全体の入出力および動作を制御する制御回路基板(図示せず)を備えている。制御回路基板は、支持フレーム14とほぼ等しい大きさの矩形状に形成されている。この制御回路基板は、半導体パッケージ16上に重ねて設置され、図示しない固定ねじ等により支持フレーム14に取り付けられている。各半導体パッケージ16の信号端子50は、制御回路基板に電気的に接続されている。
半導体パッケージ16は、支持フレーム14の設置空間部22内に配置され、外囲器52の端面52cは、図示しない絶縁シートを介して冷却器12の受熱面18a上に設置されている。
制御回路基板を半導体パッケージ16上に設置することにより、各半導体パッケージ16の信号端子50の端部は、制御回路基板に形成されたスルーホールに挿通され、図示しない半田等により制御回路基板に電気的に接続される。
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、半導体パッケージおよび電力変換装置の構成部材の寸法、形状等は、前述した実施形態に限定されることなく、設計に応じて種々変更可能である。
例えば、半導体パッケージおよび電力変換装置の構成部材の寸法、形状等は、前述した実施形態に限定されることなく、設計に応じて種々変更可能である。
12…冷却器、14…支持フレーム、16…半導体パッケージ、18…冷却ブロック、18a…受熱面、20…冷媒流路、22…設置空間部、24…接続端子、26…バスバー、28…入力端子、30…出力端子、34…導電体、34a…接合面(第1接合面)、34b…放熱面(第1放熱面)、34c…主面(第1主面)、34d…溝(凹部)、34e…主面(第3主面)、36…第2導電体、36a…接合面(第2接合面)、36b…放熱面(第2放熱面)、36c…主面(第2主面)、36d…溝(凹部)、36e…主面(第4主面)、38…第1半導体素子、38a…接続端子、40…第2半導体素子、42a〜42f…接続剤(半田シート)、44a…第1凸型導電体、44b…第2凸型導電体、45a…凸部、45b…凸部、46…導電体、46a…電力端子、46b…電力端子、47a…接触部、47b…接触部、48…接続部、50…信号端子、52…外囲器(絶縁体)、52a〜52e…端面、53a…端部、54…パーティングライン、56…凹所。
Claims (4)
- 第1接合面、前記第1接合面と直交する第1放熱面、および、前記第1接合面と対向した第1主面を有する第1導電体と、
前記第1接合面と対向する第2接合面、前記第2接合面と直交し前記第1放熱面を含む仮想平面上に位置する第2放熱面、および、前記第2接合面と対向した第2主面を有する第2導電体と、
第1電極と第2電極とを備え、前記第1電極が前記第1接合面と電気的に接続し、前記第2電極が前記第2接合面と電気的に接続した半導体スイッチと、
前記半導体スイッチを覆い封止した絶縁体と、を備え、
前記第1放熱面は前記絶縁体から露出し、前記第1主面は前記第1放熱面と接続した位置近傍に設けられた凹部を有し、
前記第2放熱面は前記絶縁体から露出し、前記第2主面は前記第2放熱面と接続した位置近傍に設けられた凹部を有し、
前記凹部は、その長手方向が前記仮想平面と略平行な直線状であることを特徴とする半導体パッケージ。 - 前記第1導電体は直方体形状であって、前記第1放熱面と対向した第3主面を更に有し、前記第1主面は前記第3主面と接続した位置近傍に設けられ、前記仮想平面と略平行な直線状の凹部を更に備え、
前記第2導電体は直方体形状であって、前記第2放熱面と対向した第4主面を更に有し、前記第2主面は前記第4主面と接続した位置近傍に設けられ、前記仮想平面と略平行な直線状の凹部を更に備えることを特徴とする請求項1記載の半導体パッケージ。 - 前記第1主面の前記凹部は溝であって、前記溝は長手方向が前記仮想平面と略平行に延び、前記長手方向における前記溝の両端は前記第1放熱面および前記第1主面と直交し互いに対向する一対の側面と接続し、
前記第2主面の前記凹部は溝であって、前記溝は長手方向が前記仮想平面と略平行に延び、前記長手方向における前記溝の両端は前記第2放熱面および前記第2主面と直交し互いに対向する一対の側面と接続していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体パッケージ。 - 前記第1主面の前記凹部は段差部であって、前記段差部は長手方向が前記仮想平面と略平行に延び、前記長手方向における前記段差部の両端は前記第1放熱面および前記第1主面と直交し互いに対向する一対の側面と接続し、
前記第2主面の前記凹部は段差部であって、前記段差部は長手方向が前記仮想平面と略平行に延び、前記長手方向における前記段差部の両端は前記第2放熱面および前記第2主面と直交し互いに対向する一対の側面と接続していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体パッケージ。
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