JP2015155869A - 放射性廃棄物の固化方法及び固化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】塩を含む放射性廃棄物を固化する場合に、優れた強度を備るとともに、固化体密度を向上させた固化体を形成することのできる固化方法及び固化装置を提供する。【解決手段】塩を含む放射性廃棄物の固化方法であって、前記放射性廃棄物、混練水及び水硬性無機固化材を減圧しながら混練して混練物を調製する減圧混練工程と、前記混練物を固化容器内で固化する固化工程とを備える。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、塩を含む放射性廃棄物の固化方法及び固化装置に関する。
従来、原子力施設より発生する放射性廃棄物の処理には、セメント固化、アスファルト固化、溶融固化等の方法が用いられている。中でも、セメント固化方法は、安価で処理が容易なために多くの放射性廃棄物の固化に用いられている。
セメント固化方法では、放射性廃棄物と、混練水と、セメントを混練して混練物を得、この混練物を固化することで固化体を形成する。
放射性廃棄物をセメント固化する方法としては、無機固化材を放射性廃棄物に添加する前の固化材あるいは添加した後の固化材の粘度を3000cP以下に調整して固化する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、使用済みイオン交換樹脂からなる放射性廃棄物を、加熱してイオン交換基を炭素化した後、吸着された気体を脱気し、セメント固化する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
これらの方法では、混練物の調整前あるいは調整後に、真空脱気や、撹拌翼を用いた撹拌により脱泡する方法が採られている。
また、埋設処分中に放射性分解してガスを発生させる程度に放射性核種濃度が高い放射性廃棄物に、水、セメント及び骨材を混練し、収納容器に収容して固化した後、得られた固化体を養生し、さらに、加熱及び/又は減圧を行って固化体から水分を除去する方法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
また、放射性廃棄物をプラスチックで固化する方法では、固形分を含む放射性廃液を脱水し、脱水して得られた固形分を撹拌し、加熱し、乾燥処理した後、バインダを加え、気泡の発生を防止できる程度の減圧状態で高速撹拌して固形分を造粒する方法が知られている(例えば、特許文献4参照。)。この方法では、放射性廃棄物の固形分と固化剤との混練時に減圧状態で撹拌することも行われている。
このように、放射性廃棄物の固化処理に際しては、固化対象物である放射性廃棄物の種類に応じた、固化体の物性を向上させるための方法が検討されている。
このように、放射性廃棄物の固化処理に際しては、固化対象物である放射性廃棄物の種類に応じた、固化体の物性を向上させるための方法が検討されている。
例えば海水などに含まれる塩(塩化ナトリウム)を含む放射性廃棄物をセメント固化すると、塩、水及びセメントの混練物に気泡が多く含まれることで、固化体の密度が低下し易い。そのため、固化体中の放射性廃棄物の含有量が少なくなり、高減容化が困難であるという課題があった。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであって、塩を含む放射性廃棄物を固化する場合に、優れた強度を備えるとともに、固化体密度を向上させた固化体を形成することのできる固化方法及び固化装置を提供することを目的とする。
本発明の固化方法の一態様は、塩を含む放射性廃棄物の固化方法であって、前記放射性廃棄物、混練水及び水硬性無機固化材を減圧しながら混練して混練物を調製する減圧混練工程と、前記混練物を固化容器内で固化する固化工程とを備えることを特徴とする。
本発明の固化装置の一態様は、塩を含む放射性廃棄物の固化装置であって、前記放射性廃棄物、水硬性無機固化材及び混練水を混練して混練物を調整する混練装置と、前記混練装置に放射性廃棄物を供給する放射性廃棄物供給装置と、前記混練装置に水硬性無機固化材を供給する水硬性無機固化材供給装置と、前記混練装置に混練水を供給する混練水供給装置と、前記混練装置内を減圧する減圧装置と、前記混練装置の内容物を所定の減圧度で減圧しながら混練するように、前記混練装置及び前記減圧装置を制御する制御装置とを備えることを特徴とする。
本発明の固化方法及び固化装置によれば、塩を含む放射性廃棄物を固化する場合に、優れた強度を備えるとともに、固化体密度を向上させた固化体を形成することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る放射性廃棄物の固化方法のフロー図である。実施形態の固化方法は、塩を含む放射性廃棄物(放射性廃棄物1、以下同じ。)、水硬性無機固化材2、混練水3及び減水剤4を減圧しながら混練して混練物5を調製する減圧混練工程S1と、混練物5を固化して固化体6を形成する固化工程S2とを備えている。
図1は、実施形態に係る放射性廃棄物の固化方法のフロー図である。実施形態の固化方法は、塩を含む放射性廃棄物(放射性廃棄物1、以下同じ。)、水硬性無機固化材2、混練水3及び減水剤4を減圧しながら混練して混練物5を調製する減圧混練工程S1と、混練物5を固化して固化体6を形成する固化工程S2とを備えている。
また、図2は、本実施形態の固化方法に用いられる固化装置10を示す概略図である。固化装置10は、混練物5を内部に収容して固化する固化容器11と、固化容器11の内容物を混練する混練装置12を備えている。固化容器11には、放射性廃棄物供給装置13、水硬性無機固化材供給装置14、混練水供給装置15及び減水剤供給装置16が接続されている。放射性廃棄物供給装置13は、放射性廃棄物1を計量して固化容器11に供給する。水硬性無機固化材供給装置14、混練水供給装置15、減水剤供給装置16は、それぞれ水硬性無機固化材2、混練水3、減水剤4を計量して固化容器11に供給する。
固化容器11には、固化容器11内を減圧する真空ポンプ等の減圧装置17が接続されている。固化装置10は、固化容器11の内容物を所定の減圧度で減圧しながら混練するように、混練装置12と減圧装置17を制御する制御装置18を備えている。
以下、本実施形態の固化方法の各工程について説明する。
実施形態に係る固化方法における固化対象物は、海水に晒されることで、海水中に含有される塩(塩化ナトリウム)を含む放射性廃棄物、又は放射性物質を含む海水を乾燥させた、放射性の乾燥塩である。
減圧混練工程S1では、放射性廃棄物1、水硬性無機固化材2及び混練水3を混練して混練物5を調製する。また、減圧混練工程S1で、必要に応じて、減水剤4を混練する。このとき、図2に示す減圧装置17を用いて、放射性廃棄物1、水硬性無機固化材2、混練水3及び減水剤4を減圧状態にしながら混練する。これにより、混練した後に減圧する場合や、減圧した後に混練する場合に比べて固化体密度を向上させることができる。
減圧混練工程S1における減圧度は、大気圧に対する相対圧力で、−60〜−20MPaであることが好ましい。減圧度を−20MPaより高くすることで、固化体密度を向上させることができる。−60MPaより減圧すると、減圧に要するエネルギーが大きくなりすぎることがある。
また、減圧混練工程S1において、放射性廃棄物1の混合量は、水硬性無機固化材2の100質量%に対して、140〜200質量%であることが好ましい。放射性廃棄物1及び水硬性無機固化材2の混合比が上記した範囲であることで、良好な粘度特性の混練物5を得ることができ、また、強度の優れた固化体6を得ることができる。
水硬性無機固化材2としては、容易に入手ができるとともに安価であって、かつ海水や化学物質に対して安定であるので、ポルトランドセメント、高炉セメント等が好適に用いられる。ポルトランドセメントとしては、例えば普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントが挙げられる。なお、水硬性無機固化材2としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
混練水3としては、水であれば特に限定されない。水は、例えば硬水、軟水のいずれであっても、優れた強度の固化体6を得ることができる。本実施形態において、固化対象物が塩を含んでいるため、混練水3としては、塩水を用いてもよい。
混練水3の混合量は、水硬性無機固化材2の100質量%に対して40〜50質量%であることが好ましい。混練水3の混合量が上記した範囲であることで、良好な粘度特性の混練物5を得ることができ、また、強度の優れた固化体6を得ることができる。
減水剤4は、通常セメント固化に用いられる減水剤である。減水剤4としては空気連行型(AE)減水剤を用いてもよい。また、減水剤4は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。減水剤4を混合することで、混練物5の粘度を低下させ、作業性を向上させることができる。減水剤4の混合量は、水硬性無機固化材2の100質量%に対して0.5〜2.0質量%であることが好ましく、0.5〜1.0質量%であることがより好ましい。減水剤4の量を上記した範囲とすることで、作業性を向上させ、かつ、強度の優れた固化体6を得ることができる。
減圧混練工程S1において、混練時間は、混練物5の量にもよるが例えば10分以上程度とする。混練温度は、常温(25℃)で構わない。
このようにして得られる混練物5は、混練する過程で徐々に粘度が上がっていく。そして、混練及び減圧を停止した後、次の固化工程S2でさらに固化が進行し、固化体6が形成される。
なお、上記した実施形態では、混練を全て固化容器11の中で行い、混練物5をそのまま固化させるインドラムミキシング方式を採用しているが、固化容器11外に設置した混練装置内で混練を行い、混練装置内の混練物5を固化容器11に投入して固化させるアウトドラムミキシング方式で行うこともできる。
以上、本実施形態の固化方法によれば、良好な粘度特性を持つ混練物を得られるため、作業性に優れる。また、混練と同時に減圧することで十分な強度を持つとともに、密度をより向上させた固化体を得ることができる。
(実施例1)
1Lポリカップに天日乾燥塩(Wa)576g、セメント(C、太平洋セメント社製、大船渡産普通ポルトランドセメント:OPC)302g、飽和食塩水(W、天日乾燥塩使用)151g、減水剤(SP、花王製マイティ21EB:MT21)3g(対セメント比で1.0質量%)を加え、全体が均一になるまで手練した。次いで、真空ポンプで−60kPaまで減圧しながら、卓上撹拌機で10分間混練した。実施例1における天日乾燥塩、水硬性無機固化材、混練水及び減水剤の混合量、混合比を表1に示す。
1Lポリカップに天日乾燥塩(Wa)576g、セメント(C、太平洋セメント社製、大船渡産普通ポルトランドセメント:OPC)302g、飽和食塩水(W、天日乾燥塩使用)151g、減水剤(SP、花王製マイティ21EB:MT21)3g(対セメント比で1.0質量%)を加え、全体が均一になるまで手練した。次いで、真空ポンプで−60kPaまで減圧しながら、卓上撹拌機で10分間混練した。実施例1における天日乾燥塩、水硬性無機固化材、混練水及び減水剤の混合量、混合比を表1に示す。
この混練物について物性を測定し、その後、混練物を内径50mm、高さ100mmの型枠に注ぎ、固化体を作成した。混練物の粘度は、60dPa・sで良好な流動特性が得られた。固化体は、24時間後及び48時間後のブリーディング率0vol%、材齢28日の一軸圧縮強度が33.3MPa、固化体密度が2.03g/cm3であり、良好な固化特性もあわせて得られた。
(実施例2〜4、比較例1〜4)
実施例2〜4、比較例1〜4では、天日乾燥塩、水硬性無機固化材、混練水及び減水剤を表1に示す割合で混練した。
実施例2〜4、比較例1〜4では、天日乾燥塩、水硬性無機固化材、混練水及び減水剤を表1に示す割合で混練した。
(実施例2)
実施例1において、真空ポンプで−20kPaまで減圧しながら、10分間混練した他は例1と同様の条件で固化体を作成した。その結果、混練物の粘度は47dPa・sであり、良好な流動特性が得られた。固化体は、24時間後及び48時間後のブリーディング率0vol%、材齢28日の一軸圧縮強度が29.6MPa、固化体密度が2.04g/cm3であり、良好な固化特性もあわせて得られた。
実施例1において、真空ポンプで−20kPaまで減圧しながら、10分間混練した他は例1と同様の条件で固化体を作成した。その結果、混練物の粘度は47dPa・sであり、良好な流動特性が得られた。固化体は、24時間後及び48時間後のブリーディング率0vol%、材齢28日の一軸圧縮強度が29.6MPa、固化体密度が2.04g/cm3であり、良好な固化特性もあわせて得られた。
(実施例3、4)
実施例3、4では、減水剤の種類を変えて固化体を作成した。
実施例3では、実施例1において、減水剤(SP)として、花王製マイティ21EB(MT21)に代えて、空気連行型(AE)減水剤(BASE製レオビルド;SP8SV)を用いた他は実施例1と同様の条件で固化体を作成した。
結果、混練物の粘度は58dPa・sであり、良好な流動特性が得られた。固化体は、24時間後及び48時間後のブリーディング率0vol%、材齢28日の一軸圧縮強度が34.3MPa、固化体密度が2.03g/cm3であり、良好な固化特性もあわせて得られた。
実施例3、4では、減水剤の種類を変えて固化体を作成した。
実施例3では、実施例1において、減水剤(SP)として、花王製マイティ21EB(MT21)に代えて、空気連行型(AE)減水剤(BASE製レオビルド;SP8SV)を用いた他は実施例1と同様の条件で固化体を作成した。
結果、混練物の粘度は58dPa・sであり、良好な流動特性が得られた。固化体は、24時間後及び48時間後のブリーディング率0vol%、材齢28日の一軸圧縮強度が34.3MPa、固化体密度が2.03g/cm3であり、良好な固化特性もあわせて得られた。
実施例4では、実施例3において、減圧度を−20MPaとした他は実施例3と同様の条件で固化体を作成した。
結果、混練物の粘度は47dPa・sであり、良好な流動特性が得られた。固化体は、24時間後及び48時間後のブリーディング率0vol%、材齢28日の一軸圧縮強度が35.3MPa、固化体密度が2.02g/cm3であり、良好な固化特性もあわせて得られた。
結果、混練物の粘度は47dPa・sであり、良好な流動特性が得られた。固化体は、24時間後及び48時間後のブリーディング率0vol%、材齢28日の一軸圧縮強度が35.3MPa、固化体密度が2.02g/cm3であり、良好な固化特性もあわせて得られた。
(比較例1、2)
比較例1、2では、実施例1において、混練と減圧を別々に行った場合の、混練物及び固化体の物性について調べた。
比較例1では、材料を手練した後、−60kPaで10分間減圧し、大気圧へ開放した。その後、卓上混練機を用いて10分間混練し、固化体を作成した。
比較例1、2では、実施例1において、混練と減圧を別々に行った場合の、混練物及び固化体の物性について調べた。
比較例1では、材料を手練した後、−60kPaで10分間減圧し、大気圧へ開放した。その後、卓上混練機を用いて10分間混練し、固化体を作成した。
結果、混練物の粘度は47dPa・sであった。固化体は、24時間後及び48時間後のブリーディング率0vol%、材齢28日の一軸圧縮強度が32.0MPa、固化体密度が2.00g/cm3にとどまった。
比較例2では、比較例1において、混練と減圧の順序を反対にして固化体を作成した。すなわち、10分間混練した後、−60kPaで10分間減圧して混練物を作成した。
結果、混練物の粘度は46dPa・sであった。固化体は、24時間後及び48時間後のブリーディング率0vol%、材齢28日の一軸圧縮強度が28.6MPa、固化体密度が1.95g/cm3にとどまった。
(比較例3)
比較例3では、実施例1において、混練時に真空ポンプでの減圧を行わない他は実施例1と同様の条件で固化体を作成した。その結果、混練物の粘度は46dPa・sであった。また、固化体は、24時間後及び48時間後のブリーディング率0vol%、材齢28日の一軸圧縮強度が26.2MPa、固化体密度は1.92g/cm3にとどまった。
(比較例3)
比較例3では、実施例1において、混練時に真空ポンプでの減圧を行わない他は実施例1と同様の条件で固化体を作成した。その結果、混練物の粘度は46dPa・sであった。また、固化体は、24時間後及び48時間後のブリーディング率0vol%、材齢28日の一軸圧縮強度が26.2MPa、固化体密度は1.92g/cm3にとどまった。
(比較例4)
比較例4では、混練時に真空ポンプでの減圧を行わない他は実施例3と同様の条件で固化体を作成した。その結果、混練物の粘度は46dPa・sであった。固化体は、24時間後及び48時間後のブリーディング率0vol%、材齢28日の一軸圧縮強度が31.5MPaであり、固化体密度が1.99g/cm3にとどまった。
比較例4では、混練時に真空ポンプでの減圧を行わない他は実施例3と同様の条件で固化体を作成した。その結果、混練物の粘度は46dPa・sであった。固化体は、24時間後及び48時間後のブリーディング率0vol%、材齢28日の一軸圧縮強度が31.5MPaであり、固化体密度が1.99g/cm3にとどまった。
実施例及び比較例の、混練物及び固化体の物性測定値を減圧混練条件とともに表2に示す。
実施例及び比較例での減圧混練条件と、固化体の物性の関係を図3〜6に示す。図3は、実施例及び比較例における材齢0日及び28日の固化体密度と、混練時の減圧度との関係を、固化体密度を縦軸、相対圧力を横軸として示したグラフである。図4は、実施例及び比較例における、固化体の一軸圧縮強度と、混練時の減圧度との関係を、一軸圧縮強度を縦軸、相対圧力を横軸として示したグラフである。
図5は、実施例1、比較例1〜3における、混練と減圧の順序と、混練物の粘度、材齢0日及び28日の固化体密度との関係を、固化体密度と粘度を縦軸にして示したグラフである。また、図6は、実施例1、比較例1〜3における、混練と減圧の順序と材齢28日の固化体の一軸圧縮強度の関係を、一軸圧縮強度を縦軸として示したグラフである。
各実施例において、天然のミネラル分を含む飽和食塩水を用いて優れた強度及び密度の固化体が得られており、このことから、混練水として、食塩水だけでなく、軟水及び硬水のいずれを用いても良好な固化体が得られることが分かる。
また、図3、4から、減水剤、空気連行型(AE)減水剤のいずれを用いた場合にも、減圧により、固化体密度及び一軸圧縮強度が向上したことが分かる。
また、図5、6より、減圧と混練の順序について、混練の後に減圧、減圧の後に混練、混練減圧同時、の順に固化体密度及び一軸圧縮強度が向上したことが分かる。
以上より、減圧と混練を同時に行うことで、固化体の密度及び圧縮強度が向上したことが分かる。さらに、減圧力を高くするほど、固化体内部の気泡が少なくなったほか、固化体の密度及び固化体強度が向上したことが分かる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…放射性廃棄物、2…水硬性無機固化材、3…混練水、4…減水剤、5…混練物、6…固化体、10…固化装置、11…固化容器、12…混練装置、13…放射性廃棄物供給装置、14…水硬性無機固化材供給装置、15…混練水供給装置、16…減水剤供給装置、17…減圧装置、S1…減圧混練工程、S2…固化工程。
Claims (8)
- 塩を含む放射性廃棄物の固化方法であって、
前記放射性廃棄物、混練水及び水硬性無機固化材を減圧しながら混練して混練物を調製する減圧混練工程と、
前記混練物を固化容器内で固化する固化工程と
を備えることを特徴とする放射性廃棄物の固化方法。 - 前記減圧混練工程は、前記固化容器内で前記混練物を調製することを特徴とする請求項1記載の放射性廃棄物の固化方法。
- 前記減圧混練工程は、前記固化容器外で前記混練物を調製することを特徴とする請求項1記載の放射性廃棄物の固化方法。
- 前記減圧混練工程でさらに、減水剤又は空気連行型減水剤を混練することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の放射性廃棄物の固化方法。
- 前記水硬性無機固化材は、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント及び高炉セメントから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の放射性廃棄物の固化方法。
- 前記混練水は、塩水であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の放射性廃棄物の固化方法。
- 前記減圧混練工程における減圧度は、大気圧に対する相対圧力で−60〜−20kPaであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の放射性廃棄物の固化方法。
- 塩を含む放射性廃棄物の固化装置であって、
前記放射性廃棄物、水硬性無機固化材及び混練水を混練して混練物を調整する混練装置と、
前記混練装置に放射性廃棄物を供給する放射性廃棄物供給装置と、
前記混練装置に水硬性無機固化材を供給する水硬性無機固化材供給装置と、
前記混練装置に混練水を供給する混練水供給装置と、
前記混練装置内を減圧する減圧装置と、
前記混練装置の内容物を所定の減圧度で減圧しながら混練するように、前記混練装置及び前記減圧装置を制御する制御装置と
を備えることを特徴とする放射性廃棄物の固化装置。
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