JP6271341B2 - ホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法 - Google Patents

ホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6271341B2
JP6271341B2 JP2014111330A JP2014111330A JP6271341B2 JP 6271341 B2 JP6271341 B2 JP 6271341B2 JP 2014111330 A JP2014111330 A JP 2014111330A JP 2014111330 A JP2014111330 A JP 2014111330A JP 6271341 B2 JP6271341 B2 JP 6271341B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boric acid
waste liquid
containing waste
kneaded
kneading
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014111330A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015225026A (ja
Inventor
寛史 岡部
寛史 岡部
恵二朗 安村
恵二朗 安村
金子 昌章
昌章 金子
佐藤 龍明
龍明 佐藤
宮本 真哉
真哉 宮本
哲郎 本橋
哲郎 本橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Energy Systems and Solutions Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Energy Systems and Solutions Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Energy Systems and Solutions Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2014111330A priority Critical patent/JP6271341B2/ja
Publication of JP2015225026A publication Critical patent/JP2015225026A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6271341B2 publication Critical patent/JP6271341B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

本発明は、ホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法に関する。
加圧水型原子力発電所では、原子炉の出力調整等に使用したホウ酸含有廃液が多く発生する。また、沸騰水型原子力発電所では、原子炉に緊急に注入するホウ酸水が貯蔵されており、ホウ酸含有廃液が発生する。
ホウ酸含有廃液は水酸化ナトリウム等により中和処理され、その後、セメントやアスファルトで固化されている。
セメント固化ではホウ酸がセメントの凝結反応を妨害するために、大幅な硬化遅延や固化体の強度低下が生じることがある。そのため、減容性を高めながらホウ酸含有廃液をセメント固化する観点から、ホウ酸含有廃液とセメントの混練物に、水酸化カルシウム等を前処理剤として添加して固化する等、種々の提案がなされている。
また、ホウ酸塩による硬化遅延やホウ酸ナトリウムの水和物化を回避するために、放射性のホウ酸含有廃液に水酸化カルシウムを添加して乾燥粉体化した後、圧縮固化、樹脂による固化、セメント固化等を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法では、ホウ酸塩を安定化してから処理するため有用であるが、難溶化した廃液成分が配管内や乾燥機等の内部に付着する可能性があり、さらにこれら付着した廃液成分が洗浄し難い等の不都合があった。
また、放射性のホウ酸含有廃液を乾燥粉体化した後にセメント固化する方法として、難溶化等の前処理をせずにホウ酸含有廃液を乾燥し、セメントの固化促進材としてアルミン酸ナトリウムを固化材に添加するとともに、助材として水酸化リチウムを固化材に添加してセメント固化する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法では、アルミン酸ナトリウム及び水酸化リチウムの添加量が固化材中35重量%程度と多くなる。そして、これらの固化促進材等が高価であるため、コストが増大するという課題もあった。
また、従来のホウ酸含有廃液のセメント固化方法では、混練時に混練性の悪化や偽凝結が生じることがあった。
特開平2−208600号公報 特開2001−97757号公報
このように、従来のホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法においては、作業安定性を向上させるとともに、さらなる高減容や、より安定な固化体を製造することなどへの要望があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、作業安定性を向上させるとともに、ホウ酸含有廃液を高減容化し、安定した固化体を作製することのできるホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法を提供することを目的とする。
本発明によるホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法の一態様は、放射性のホウ酸含有廃液を、固化容器内で固化する方法であって、前記ホウ酸含有廃液に、前記ホウ酸含有廃液に含まれるホウ酸に対して、アルカリ金属/ホウ素モル比が0.15〜0.35となる量のアルカリ金属化合物を添加する調整工程と、前記調整工程でアルカリ金属化合物の添加された前記ホウ酸含有廃液を乾燥機に供給して乾燥粉体を調製する乾燥工程と、前記乾燥粉体と混練水と水硬性無機固化材とを0〜45℃に温度制御しつつ混練して混練物を調製する混練工程とを備えることを特徴とする。
本発明のセメント固化処理方法によれば、作業安定性を向上させるとともに、ホウ酸含有廃液を、高減容化し、安定した固化体を作製することができる。
本発明の一実施形態に係るホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法の工程を示すフロー図。 本発明の一実施形態に係るホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法に用いられるホウ酸含有廃液のセメント固化処理装置を概略的に示すブロック図。 実施例及び比較例における混練物の温度と粘度の関係を示すグラフ。
図1は、本発明の一実施形態に係るホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法の工程を示すフロー図であり、図2は本実施形態のセメント固化処理方法に用いられるホウ酸含有廃液のセメント固化処理装置を示す概略構成図である。以下、図1及び図2を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態のホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法を示すフロー図である。本実施形態のホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法は、ホウ酸含有廃液1に、アルカリ金属/ホウ素モル比が0.15〜0.35となる量のアルカリ金属化合物2を添加する調整工程S100と、アルカリ金属化合物2の添加されたホウ酸含有廃液1を乾燥して乾燥粉体3を調製する乾燥工程S200と、乾燥粉体3に混練水4及び水硬性無機固化材5を混練して混練物6を調製する混練工程S300を有している。
また、図2は本実施形態のセメント固化処理方法に用いられるセメント固化処理装置20を概略的に示すブロック図である。セメント固化処理装置20は、ホウ酸含有廃液1を収容するホウ酸含有廃液タンク21と、ホウ酸含有廃液タンク21内のホウ酸含有廃液1にアルカリ金属化合物2を供給するアルカリ金属化合物供給装置22とを備えている。アルカリ金属化合物供給装置22は、アルカリ金属化合物2を計量し、ホウ酸含有廃液タンク21内に供給する。また、セメント固化処理装置20は、アルカリ金属化合物2の添加されたホウ酸含有廃液1を乾燥して乾燥粉体3を調製する乾燥機23と、乾燥機23に接続された混練機24とを備えている。乾燥機23で調製された乾燥粉体3は、混練機24に供給される。さらに、混練機24には、混練機24に混練水4を供給する混練水供給装置25と、水硬性無機固化材5を供給する水硬性無機固化材供給装置26とが接続されている。符号27は混練物6を内部に収容して固化する固化容器である。
(調整工程S100)
本実施形態におけるセメント固化の対象物は、ホウ酸を含有する放射性の廃液(ホウ酸含有廃液1)である。調整工程S100は、ホウ酸含有廃液1にアルカリ金属化合物2を添加する工程である。これにより、アルカリ金属化合物2がホウ酸含有廃液1中のホウ素と反応して、ホウ酸アルカリ金属化合物塩が生成する。アルカリ金属化合物2としては、例えば、アルカリ金属水酸化物を用いることができる。また、ナトリウム化合物を用いることができる。アルカリ金属化合物2として具体的には、水酸化ナトリウムが好適に用いられる。
調整工程S100では、アルカリ金属/ホウ素モル比が0.15〜0.35、好ましくは0.2〜0.3となる量のアルカリ金属化合物2を添加する。これにより、ホウ酸アルカリ金属化合物塩の水に対する溶解度を高め、配管や乾燥機等の洗浄性を向上させることができる。
(乾燥工程S200)
本実施形態の乾燥工程S200は、ホウ酸含有廃液1を高減容で多量に固化するために、アルカリ金属化合物2を添加したホウ酸含有廃液1を乾燥して減容する工程である。乾燥工程S200では、アルカリ金属化合物2を添加したホウ酸含有廃液1を乾燥機へ供給し、ここで乾燥処理を施して乾燥粉体3を得る。
配管等への付着物低減の観点から、アルカリ金属化合物2の添加後のホウ酸含有廃液1の温度を、例えば、アルカリ金属化合物2として水酸化ナトリウムを用いる場合、ホウ酸ナトリウム塩の析出温度以上、好ましくは60℃以上、より好ましくは80℃〜90℃以上程度に調節して、ホウ酸含有廃液1を乾燥機23に供給する。乾燥機23内では、ホウ酸含有廃液1を好ましくは80℃以上程度、より好ましくは120〜180℃程度、特に好ましくは160℃程度に加熱して乾燥処理を施す。
乾燥機23としては特に限定されるものではないが、遠心薄膜乾燥機を用いることが好ましい。遠心薄膜乾燥機は、熱効率が高いことから装置をコンパクト化できる、乾燥処理時の気相部への粉体移行量が少ない、得られるホウ酸ナトリウム塩粉末の粒径が安定する等の特徴を有するためである。
なお、ホウ酸含有廃液1の減容に際しては、上記した乾燥工程S200を行う代わりに、濃縮処理や沈降処理を行ってもよい。これにより、濃縮廃液を得ることができる。濃縮処理では、例えば、ホウ酸含有廃液1を加熱濃縮し、ホウ酸含有廃液1中の水分含有量を重量比で30%以下程度に調製する。沈降処理では、ホウ酸含有廃液1に添加剤を添加することでホウ酸ナトリウム塩を沈降させる。この沈降したホウ酸ナトリウム塩を分離して濃縮廃液を得ることができる。本実施形態では、いずれの処理を行っても同様の効果を得ることができる。
(混練工程S300)
混練工程S300では、乾燥粉体3、混練水4、水硬性無機固化材5を混練し、混練物6を得る。このとき、混練中に発熱するため、混練物6の温度を0〜45℃、好ましくは0〜40℃に温度制御する。また、混練工程S300では、さらに、必要に応じて、アルカリ性骨材、高性能減水剤を混練する。
乾燥粉体3と混練水4を混練すると、水和反応によって、含水塩が生成する。含水塩が生成した場合には、混練物6の粘度が極端に高まって混練性が悪化するおそれがある。また、乾燥粉体3と混練水4の水和反応によって発熱し、偽凝結が起こるおそれがある。本実施形態によれば、混練工程S300において、混練物6の温度を45℃以下に温度制御しつつ混練を行うことで、含水塩の生成やこれによる発熱を抑制することができる。そのため、混練性の悪化や偽凝結を抑制することができる。
混練工程S300において、混練物6を温度制御する方法としては、例えば実験室レベルでは、混練時間を調節して、例えば10〜60分間以上の時間をかけて、混練物6を45℃以下に除熱しながら混練する方法を採ることができる。また、実際の装置のスケールでは発熱量が多くなるため、冷却装置等を用いて混練機24を冷却することで、混練物6を上記した温度以下に冷却してもよい。この方法は、多量の乾燥粉体3をセメント固化処理する場合に、工業的に有利である。また、混練物6の温度が45℃以下となるように、混練工程S300で混練される材料、すなわち、乾燥粉体3、混練水4、水硬性無機固化材5等を予め冷却してもよい。この場合、例えば予め−20℃以上20℃以下に冷却することで、混練物6を45℃以下に温度制御することができる。なお、混練水4を予め冷却して用いる場合には、混練水4の温度は混練水4が凍結しない温度、通常は0度以上に冷却する。
なお、混練時間や混練後の混練機24の洗浄時間を、裕度を持って確保する観点から、混練物6の流動性(粘度特性)は、1時間以上程度に亘って得られることが好ましい。
水硬性無機固化材5としては、特に限定されるものではないが、ポルトランドセメントを用いることが好ましい。ホウ酸含有廃液1をセメント固化する際には、セメント中のカルシウムがホウ酸と結合することでセメント固化に寄与するカルシウムが少なくなる傾向にある。そのため、水硬性無機固化材5中のカルシウム量が多いポルトランドセメントを好適に用いることができる。また、水硬性無機固化材5としては、ポルトランドセメントと高炉スラグの混合物、ポルトランドセメントとフライアッシュの混合物等を用いてもよい。
アルカリ性骨材としては、例えば、セメント硬化物を粉砕したものや、粒状の消石灰などを用いることができる。アルカリ性骨材の粒径は、一般的なセメント固化に用いられる細骨材と同様に、2.5mm以下程度であることが好ましい。我が国における放射性廃棄物処分の観点から、セメント固化体8の浸出液はアルカリ性であることが好ましいが、アルカリ性骨材を添加することで、セメント固化体8の浸出液をアルカリ性、好ましくはpHを12以上に調整することができる。
また、本実施形態における混練工程S300は、一次混練工程S301と二次混練工程S302を備えることが好ましい。
この場合、一次混練工程S301では、混練水4に乾燥粉体3を混練して、一次混練物7を得る。通常のセメント練り混ぜ手順のように、セメントと混練水とを混練したものに乾燥粉体3を混練すると、含水塩が生成するため、混練性が悪化し易い。本態様では、一次混練工程で、乾燥粉体3と混練水4とを先に混練することで、この間にあらかじめ含水塩を生成させておくことができる。一次混練工程S301では、含水塩の生成時間を考慮して、乾燥粉体3と混練水4を例えば10分以上混練することが好ましい。
二次混練工程S302では、一次混練工程S301で得られた一次混練物7に水硬性無機固化材5を混練して、混練物6を得る。必要に応じて用いられるアルカリ性骨材、高性能減水剤は、二次混練工程S302で混練することが好ましい。
なお、一次混練工程S301と二次混練工程S302の順序は、上記に限定されず、二次混練工程S302を先に行い、次いで一次混練工程S301を行ってもよい。この場合、先ず、二次混練工程S302で混練水4に水硬性無機固化材5を混練して、次いで、一次混練工程S301で乾燥粉体3を混練する。
このようにして得られる混練物6は粘度特性に優れる。混練物6は、混練機23から固化容器27に投入して固化容器27内で固化することで、固化特性に優れたセメント固化体8を得ることができる(アウトドラムミキシング法)。
また、本実施形態のセメント固化処理方法は、インドラムミキシング法で行ってもよい。すなわち乾燥粉体3、混練水4、水硬性無機固化材5、必要に応じて用いられるアルカリ性骨材、高性能減水剤の混練を全て固化容器27の中で行い、得られる混練物6を固化容器27内でそのまま固化させてもよい。この場合、混練物6の冷却方法としては、固化容器27を冷却することで混練物6を冷却する方法を採ることもできる。インドラムミキシング法では、さらに設備コスト、運転コストを低減することができる。
以上、本実施形態のセメント固化処理方法は、混練物6の粘度上昇を抑制し、良好な粘度特性を有する混練物6を得ることができるため、作業性に優れる。さらに、カルシウムを用いないため廃液成分の配管等への付着の問題がない。
(実施例1)
以下、図1に示した工程に基づき、ホウ酸含有廃液のセメント固化試験を行った結果について説明する。本実施例では、以下で混練する乾燥粉体、混練水、普通ポルトランドセメント(水硬性無機固化材)は、使用前に常温(25℃)で保存されていたものを用いた。
60℃程度に加温したホウ酸12重量%の水溶液に水酸化ナトリウムを投入して、Na/Bモル比を0.25に調整し、ホウ酸ナトリウムの水溶液を得た(調整工程)。このホウ酸ナトリウム水溶液を模擬廃液として、加熱温度160℃程度に設定した遠心薄膜乾燥機に定量供給して、ホウ酸ナトリウムの乾燥粉体を得た(乾燥工程)。
次に、1Lポリカップに、混練水393g、続いて上記で作製したホウ酸ナトリウムの乾燥粉体315gを投入して卓上攪拌機で60分程度混練した(一次混練工程)。このとき、乾燥粉体と混練水の水和反応によって、発熱したが、混練に上記の時間を費やすことで、一次混練物を除熱した。
次いで、一次混練物に、普通ポルトランドセメント750gを混合し、10分程度混練して混練物を得た(二次混練工程)。このとき、混練に上記の時間を費やすことで、混練物を除熱した。また、混練中に発熱したが、発熱量は一次混練工程より少なく、混練性は良好であった。混練終了時の混練物の温度は29.8℃、粘度は8.5dPa・sであった。その後、混練物を、内径50mmφ×高さ100mmHの型枠に注ぎ、固化することで、良好な固化特性の固化体を得た。
(実施例2)
実施例1と同様に、ホウ酸ナトリウムの乾燥粉体、混練水を60分程度混練した。これに、実施例1と同様に普通ポルトランドセメントを混合して、10分程度混練した。混練性は良好であり、混練終了時の混練物の、温度は35.8℃、粘度は8dPa・sであった。その後、混練物を実施例1と同様に固化することで、良好な固化特性の固化体を得た。
(実施例3)
実施例1と同様に、ホウ酸ナトリウムの乾燥粉体、混練水を60分程度混練した。これに、実施例1と同様に普通ポルトランドセメントを混合して、10分程度混練した。混練性は良好であり、混練終了時の混練物の、温度は34.1℃、粘度は9dPa・sであった。その後、混練物を実施例1と同様に固化することで、良好な固化特性の固化体を得た。
(比較例1)
実施例1と同様に、ホウ酸ナトリウムの乾燥粉体、混練水を15分程度混練した。これに、実施例1と同様に普通ポルトランドセメントを混合して10分程度混練したところ、混練物の粘度が上昇し、混練性が悪化した。このときの混練物の温度は49.5℃、粘度は80dPa・sであった。
(比較例2)
実施例1において、温度を予め40℃に調節したホウ酸ナトリウムの乾燥粉体、混練水を用いた他は、実施例1と同様の条件で混練した。ホウ酸ナトリウムの乾燥粉体と混練水を60分間混練した後に、普通ポルトランドセメントを混合したところ、混練物の粘度が上昇し、偽凝結が起こって、混練できなくなった。このときの混練物の温度は67℃であり、粘度は150dPa・s以上に上昇した。
上記した実施例及び比較例における混練開始前の材料(乾燥粉体、混練水、普通ポルトランドセメント)の温度と、混練終了時の温度及び粘度、混練性について表1に示す。
Figure 0006271341
また、実施例及び比較例における、混練終了時の温度と粘度の関係を、混練物の温度を横軸、粘度を縦軸として、図3のグラフに示す。
表1より、実施例1〜3では、混練物を45℃以下に温度制御するため、混練終了時の混練物は、粘度が50dPa・s以下であり、粘度特性に優れることが分かる。さらに、実施例1〜3では、偽凝結の発生も確認されていない。
これに対し、比較例1、2では、混練工程(一次混練工程又は二次混練工程)において、混練物の粘度が大きく上昇し、混練性が悪化したことが分かる。さらに、比較例2では偽凝結が起こった。
また、図3より、混練物の粘度を50dPa・s以下に調整するためには、混練物の濃度を略43℃以下に冷却すればよいことが分かる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
S100…調整工程、S200…乾燥工程、S300…混練工程、S301…一次混練工程、S302…二次混練工程、1…ホウ酸含有廃液、2…アルカリ金属化合物、3…乾燥粉体、4…混練水、5…水硬性無機固化材、6…混練物、7…一次混練物、8…セメント固化体、17…固化容器、20…セメント固化処理装置、21…ホウ酸含有廃液タンク、22…アルカリ金属化合物供給装置、23…乾燥機、24…混練機、25…混練水供給装置、26…水硬性無機固化材供給装置。

Claims (10)

  1. 放射性のホウ酸含有廃液を、固化容器内で固化する方法であって、
    前記ホウ酸含有廃液に、前記ホウ酸含有廃液に含まれるホウ酸に対して、アルカリ金属/ホウ素モル比が0.15〜0.35となる量のアルカリ金属化合物を添加する調整工程と、
    前記調整工程でアルカリ金属化合物の添加された前記ホウ酸含有廃液を乾燥機に供給して乾燥粉体を調製する乾燥工程と、
    前記乾燥粉体と混練水と水硬性無機固化材とを0〜45℃に温度制御しつつ混練して混練物を調製する混練工程と
    を備えることを特徴とするホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法。
  2. 前記混練工程は、
    前記乾燥粉体と前記混練水を混練して一次混練物を調製する一次混練工程と、
    前記一次混練物に水硬性無機固化材を混練する二次混練工程と
    を備えることを特徴とする請求項1記載のホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法。
  3. 前記アルカリ金属化合物は、ナトリウム化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載のホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法。
  4. 前記アルカリ金属化合物は、アルカリ金属水酸化物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法。
  5. 前記乾燥機は、遠心薄膜乾燥機であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法。
  6. 前記水硬性無機固化材は、ポルトランドセメントであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法。
  7. 前記混練工程において、前記固化容器内で前記混練物を調製し、その後固化することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法。
  8. 前記混練工程において、混練機を用いて前記混練物を調製し、前記混練物を前記混練機から前記固化容器に投入し、その後固化することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法。
  9. 前記乾燥粉体、前記混練水及び前記水硬性無機固化材を、前記混練工程の前に予め冷却することで、前記混練工程における前記混練物の温度制御を行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載のホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法。
  10. 前記乾燥粉体、前記混練水及び前記水硬性無機固化材を前記混練工程の前に予め−20〜20℃に冷却することを特徴とする請求項9に記載のホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法。
JP2014111330A 2014-05-29 2014-05-29 ホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法 Active JP6271341B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014111330A JP6271341B2 (ja) 2014-05-29 2014-05-29 ホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014111330A JP6271341B2 (ja) 2014-05-29 2014-05-29 ホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015225026A JP2015225026A (ja) 2015-12-14
JP6271341B2 true JP6271341B2 (ja) 2018-01-31

Family

ID=54841863

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014111330A Active JP6271341B2 (ja) 2014-05-29 2014-05-29 ホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6271341B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021032595A (ja) * 2019-08-19 2021-03-01 株式会社東芝 放射性廃棄物固化方法、および、放射性廃棄物固化装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6150694A (ja) * 1984-08-20 1986-03-12 Kobe Steel Ltd ホウ酸ソ−ダ廃液の処理方法
JPS6189593A (ja) * 1984-10-08 1986-05-07 三菱重工業株式会社 放射性廃液の処理方法
JPH0727070B2 (ja) * 1986-08-13 1995-03-29 株式会社日立製作所 放射性廃棄物の処理方法
US5732363A (en) * 1994-10-27 1998-03-24 Jgc Corporation Solidifying material for radioactive wastes, process for solidifying radioactive wastes and solidified product
TW321774B (ja) * 1994-10-27 1997-12-01 Jgc Corp
JPH08179097A (ja) * 1994-12-22 1996-07-12 Hitachi Ltd 放射性廃棄物の固化方法およびその装置
JP4612591B2 (ja) * 2006-07-13 2011-01-12 株式会社東芝 放射性廃棄物の固化処理方法及び固化処理装置
JP2011149803A (ja) * 2010-01-21 2011-08-04 Toshiba Corp 放射性廃棄物の固化処理システムおよび方法
JP2014106144A (ja) * 2012-11-28 2014-06-09 Toshiba Corp ホウ酸含有放射性廃液の固化処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015225026A (ja) 2015-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105741899B (zh) 一种放射性含硼废液的固化处理添加剂、固化配方及工艺
JP6672014B2 (ja) 放射性廃液の処理方法
JP2018002587A (ja) 付加製造装置用水硬性組成物および鋳型の製造方法
JP6371127B2 (ja) 生コンクリートの製造方法
JP6271341B2 (ja) ホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法
CN104402286B (zh) 一种混凝土早强剂及其制备方法
JP6934337B2 (ja) ジオポリマー組成物及びジオポリマー硬化体
JP2010228953A (ja) セメント組成物
JP5231975B2 (ja) ホウ酸廃液の固化方法
JP2017081763A (ja) シリカフューム含有セメント組成物
JP6897918B2 (ja) セメント系水硬組成物における高炉スラグの水和反応促進方法
JP2018084412A (ja) 放射性廃棄物の固化処理方法
JP6139288B2 (ja) ホウ酸含有廃液のセメント固化処理方法及びセメント固化処理装置
JP2014106144A (ja) ホウ酸含有放射性廃液の固化処理方法
KR101991317B1 (ko) 클링커 조성물
JP2008230961A (ja) 水硬性固化材、その製造方法、耐酸性コンクリート、鉄腐食抑制コンクリートおよび鉄筋腐食抑制コンクリート
JP2008029937A (ja) 副生物の処理方法
JP6292257B2 (ja) 脱硫スラグを用いた水和固化体
JP2015105859A (ja) ホウ酸廃液のセメント固化処理方法及びセメント固化処理装置
JP3990547B2 (ja) 膨張抑制剤及びセメント組成物
JP6058474B2 (ja) ジオポリマー硬化体の製造方法
JP5846494B2 (ja) セメント組成物、及び、コンクリート組成物
WO2020121738A1 (ja) 地盤注入材、その硬化物、地盤改良方法および地盤注入用粉体材料
JP2010285301A (ja) 水硬性セメント組成物
JP4846653B2 (ja) 黒鉛粉末廃棄物の処理方法および処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171124

TRDD Decision of grant or rejection written
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20171201

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20171201

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6271341

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150