JP2015155629A - 開閉体のロック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プル操作式やプッシュ操作式の操作部材に適用できる、開閉体のロック装置を提供する。
【解決手段】このロック装置10は、一対のロック部と、一対の可動ロック部材と、可動ロック部材をロック部に結合する方向に付勢する付勢手段15と、一対の可動ロック部材をロック部から離脱する位置に移動させる操作部材40とを備え、一方の可動ロック部材に連結された第1ロータ50と、他方の可動ロック部材に連結された第2ロータ60とを有し、付勢手段15によって、両ロータ50,60は、それぞれに連結された可動ロック部材がロック部に結合する方向に移動するように回転付勢され、操作部材40は、両ロータ50,60に操作力を作用させて、各ロータを、可動ロック部材がロック部から離脱する方向に回転させる。
【選択図】図7

Description

本発明は、固定体の開口部に開閉可能に取付けられる開閉体を閉じた状態にロックするための、開閉体のロック装置に関する。
例えば、自動車のグローブボックス等の固定体に形成された開口部には、リッド等の開閉体が開閉可能に取付けられている。そして、開口部をリッド等で閉じた状態にロックすると共に、開口部からリッド等を開いた状態とするためのロック装置が設けられている。
例えば、下記特許文献1には、支持体に収納体を開閉可能に取り付けて、該収納体側に左右一対のスライドピンを移動可能に保持すると共に、左右の各スライドピンを付勢ばね圧で支持体側に形成されたロック孔方向ヘ付勢して、操作ハンドルの揺動操作で、左右の各スライドピンの先端部を支持体側のロック孔から付勢ばね圧に抗して後退させるように構成したサイドロック装置が記載されている。
上記サイドロック装置は、取付壁にネジ止めされる支持枠を有しており、該支持枠に操作ハンドルが上下方向に引き上げ可能に取付けられている。また、操作ハンドルの背面側の左右両側部には、円筒部がそれぞれ形成されており、各円筒部の内面には凸部が突設されている。更に一対の円筒部内には、背面側にカム溝を設けたカム部材が左右にスライド可能にそれぞれ収容されており、これらのカム部材にスライドピンが取付けられている。そして、操作ハンドルを引き上げることにより、一対の円筒部が回動し、それに伴って凸部がカム溝上を移動して、一対のカム部材を操作ハンドル内方に互いに引き込ませ、スライドピンの先端部とロック孔との係合が解除されるようになっている。
特開2004−156331号公報
上記特許文献1記載のサイドロック装置の場合、操作ハンドルを引き上げることで、一対のカム部材が、それぞれ対応する左右のスライドピンをスライドさせるようになっているので、左右のスライドピンのような、一対の可動ロック部材の各ストローク量を、ロック装置の仕様に合わせて適宜変更することができる。
しかしながら、上記サイドロック装置は、操作ハンドルの引上げ動作で円筒部を回動させることで、凸部を回動させて、カム部材背面のカム溝を介してカム部材をスライドさせるようになっており、凸部が回動する構造であることが必要であるので、操作部材を押し込むタイプのロック装置には適用しにくい。
したがって、本発明の目的は、引上げ式や押込み式の操作部材に適用することができると共に、一対の可動ロック部材の各ストローク量を変更することができる、開閉体のロック装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、固定体の開口部に開閉可能に取付けられる開閉体のロック装置であって、前記開閉体又は前記固定体の開口部のどちらか一方に設けられた一対のロック部と、前記開閉体又は前記固定体のどちらか他方に取付けられ、前記ロック部に離脱可能に結合する一対の可動ロック部材と、前記可動ロック部材を、前記ロック部に結合する方向に付勢する付勢手段と、前記一対の可動ロック部材を、前記ロック部から離脱する位置に移動させる操作部材とを備え、前記一方の可動ロック部材に連結されて、該可動ロック部材と連動する第1のロータと、前記他方の可動ロック部材に連結されて、該可動ロック部材と連動する第2のロータとを有し、前記付勢手段によって、第1のロータ及び前記第2のロータは、それぞれに連結された可動ロック部材が、前記ロック部に結合する方向に移動するように回転付勢されており、前記操作部材は、前記第1のロータ及び前記第2のロータに設けられたそれぞれの受け部に操作力を作用させて、それぞれのロータを、前記可動ロック部材が前記ロック部から離脱する方向に回転させるように構成されていることを特徴とする。
本発明の開閉体のロック装置においては、前記第1のロータ及び前記第2のロータは、同軸に配置されていることが好ましい。
本発明の開閉体のロック装置においては、前記付勢手段は、その一端が第1のロータに係止され、他端が第2のロータに係止された1つの付勢部材からなり、前記一対の可動ロック部材が前記ロック部に結合する方向に移動するように、前記各ロータを回転付勢していることが好ましい。
本発明の開閉体のロック装置においては、前記付勢手段は、巻回部を有するねじりコイルばねからなり、前記第1のロータ、前記第2のロータ及び前記ねじりコイルばねが、同軸に配置されていることが好ましい。
本発明によれば、固定体の開口部に対して開閉体を閉じることにより、付勢手段により付勢された一対の可動ロック部材が、一対のロック部にそれぞれ結合するので、固定体の開口部を開閉体で閉じた状態にロックすることができる。この状態で操作部材により、第1のロータ及び前記第2のロータに設けられたそれぞれの受け部を押圧して、それぞれのロータを、可動ロック部材がロック部から離脱する方向に回転させることにより、開閉体のロック解除がなされて、固定体の開口部を開くことができる。
そして、操作部材は、一対のロータの受け部に操作力を作用させて、それぞれのロータを回転させる機能を有するものであればよいので、プル操作式のものに限らず、プッシュ操作式のものであってもよく、適用箇所に適した形態の操作部材を選択することができる。また、操作部材と、それぞれのロータに形成された受け部との形状を選択することにより、一方の可動ロック部材の移動量(ストローク量)及び他方の可動ロック部材の移動量(ストローク量)を、目的に応じて適宜変更することができる。
本発明に係る開閉体のロック装置の、一実施形態を示す分解斜視図である。 図1のA部における拡大斜視図である。 図1のB部における拡大斜視図である。 図1のC部における拡大斜視図である。 図1のD部における拡大斜視図である。 同ロック装置の当接ロック構造を示す斜視図である。 同ロック装置の要部の分解斜視図である。 同ロック装置の要部の背面側斜視図である。 同ロック装置の要部の正面側斜視図である。 同ロック装置を構成する操作部材の斜視図である。 同ロック装置において、操作部材を取り除いた状態の要部正面図である。 同ロック装置の要部正面図である。 同ロック装置において、操作部材及び一対のロータを示す斜視図である。 同ロック装置の要部背面図である。 同ロック装置の要部断面図である。 同ロック装置において、一対のロータの動作を示しており、(a)は操作部材が操作された状態の説明図、(b)は一方のロータに連結されたロッド先端部が引き込み保持された状態の説明図、(c)は操作部材の操作前の状態の説明図である。 同ロック装置において、一対のロッドを取り除いた状態の要部背面図である。 同ロック装置において、ロッド先端部を引き込み保持する保持手段の概略構造を示す斜視図である。 (a)はロッド先端部が引き込み保持される前の状態の説明図、(b)はロッド先端部が引き込み保持された状態の説明図である。 同ロック装置において、固定体の開口部を開閉体で閉じた状態にロックした場合の断面説明図である。 同ロック装置において、固定体の開口部から開閉体を開いた状態の断面説明図である。 本発明に係る開閉体のロック装置の、他の実施形態を示す分解斜視図である。 同ロック装置の要部の分解斜視図である。 (a)は固定体の開口部を開閉体で閉じた状態にロックした場合の説明図、(b)は固定体の開口部から開閉体を開いた状態の説明図である。 本発明に係る開閉体のロック装置の、更に他の実施形態を示す斜視図である。 同ロック装置の要部の分解斜視図である。 同ロック装置の要部斜視図である。 (a)は固定体の開口部を開閉体で閉じた状態にロックした場合の説明図、(b)は固定体の開口部から開閉体を開いた状態の説明図である。
以下、図1〜21を参照して、本発明に係る開閉体のロック装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、この実施形態における開閉体のロック装置10(以下、「ロック装置10」という)は、車両のインストルメントパネルに設けられた横長枠状のグローブボックス1(本発明における「固定体」)の開口部2に、開閉可能に取付けられるリッド7(本発明における「開閉体」)を開閉ロックするために用いられるものである。
なお、開閉体のロック装置としては、例えば、インストルメントパネルの開口部に箱状のグローブボックスが回動可能に取付けられた構造に適用したり(この場合、インストルメントパネルが「固定体」、グローブボックスが「開閉体」をなす)、或いは、インストルメントパネルの開口部にリッドが開閉可能に取付けられた構造(この場合、インストルメントパネルが「固定体」、リッドが「開閉体」をなす)に適用したりしてもよく、固定体の開口部を開閉する各種の開閉体に広く用いることができる。
図1及び図2に示すように、前記グローブボックス1の開口部2の一側部内方には、角孔状のロック部3が設けられている。なお、ロック部3は、孔状でなくとも、後述するロッド70が係合可能な形状、例えば、凹部や突起等であってもよく、特に限定はされない。
一方、図1及び図4に示すように、前記グローブボックス1の開口部2の他側部内方には凹部4が設けられており、該凹部4内には磁石吸着部材5が配置されている。この磁石吸着部材5は、後述するロッド80に設けられる磁石83(図5参照)が吸着可能な金属(鉄等)から形成され、その先端面が平坦な磁気吸着面5aをなしている。この凹部4及び磁石吸着部材5が、本発明におけるもう一つの「ロック部」をなしている。なお、グローブボックス1の開口部2の他側部内方に、孔状や突起形状等をなしたロック部を設けてもよい。
図1に示すように、前記リッド7は、グローブボックス1の開口部2を覆う板状のパネル8と、該パネル8の裏側上方に配設された箱状のボックス9とを有しており、同リッド7の下部両側が図示しない支軸を介して、グローブボックス1の開口部2に開閉可能に取付けられている。前記パネル8と前記ボックス9との間の内部空間に、ロック装置10が配置されるようになっている。また、図3及び図5に示すように、ボックス9の幅方向両側からは、ロッド挿出孔9a,9aがそれぞれ形成されている。
図1及び図7〜9に示すように、この実施形態におけるロック装置10は、前記リッド7に取付けられるハウジング20と、該ハウジング20の正面側に装着されるベゼル38と、前記ハウジング20に対して押込み可能に装着される操作部材40と、前記ハウジング20に回転可能に装着された第1ロータ50及び第2ロータ60と、各ロータ50,60に連結されたロッド70,80と、ロッド70の係合部71(図1参照)を前記ロック部3に係合する方向となるように、かつ、ロッド80の当接部81(図1参照)を前記磁石吸着部材5に当接する方向となるように、両ロッド70,80を付勢するねじりコイルばね15とから主として構成されている。
なお、図7に示すように、前記ねじりコイルばね15は、巻回部16と、該巻回部16の周方向一端から巻回部内径側に向けて屈曲した一端部17と、前記巻回部16の周方向他端から巻回部内径側に向けて屈曲した他端部18とからなる。このねじりコイルばね15が、本発明における「付勢手段」をなしている。
図7、図11及び図15に示すように、前記ハウジング20は横長箱状をなしており、その表側のほぼ中央に、操作部材40が収容配置される凹状の操作部材配置部21(図11参照)が形成され、同ハウジング20の表側の一側部に、キーシリンダ90(図9及び図15参照)が収容配置される筒状のシリンダ配置部23が形成されている。また、ハウジング20の裏側であって、前記操作部材配置部21に整合する位置には、半円弧状の筒状壁25が突設されており、その内側に一対のロータ50,60が配置されるようになっている。
図11に示すように、凹状の操作部材配置部21の底面のほぼ中央には、円弧状のカム挿入孔27が、ハウジング20の裏側に連通して形成されている。また、同操作部材配置部21の底面であって、その長手方向一側部に丸孔28が形成され、長手方向他側部に長孔29が形成されており、各孔28,29の裏側周縁からはガイド筒30,31がそれぞれ突設されている(図8参照)。図14及び図15に示すように、ガイド筒30,31の外周には、溝部30a,31aが形成されており、各溝部30a,31aの奥側には係止突起30b,31bがそれぞれ形成されている。
また、図7に示すように、ハウジング20の裏側であって、前記カム挿入孔27に隣接した位置からは、円柱状の回転軸33が突設されていると共に、同カム挿入孔27の、回転軸33に対向する周縁からは、円弧状のガイド壁34が突設されており、一対のロータ50,60の回動動作時のガイドをなしている。また、図8及び図14に示すように、前記筒状壁25の先端内周には、抜け止め突起35,35が突設されており、第2ロータ60の抜け止めをなしている。
更に図7に示すように、シリンダ配置部23の側方には、スロット状のストッパ差込孔23aがシリンダ配置部23内に連通するように形成されており、ストッパ95(図7参照)がスライド可能に挿入されるようになっている。また、シリンダ配置部23の底面には、抜け止め孔23b及び位置規制孔23c,23cが形成されている。
次に、ハウジング20に対して押込み可能に装着される操作部材40について説明する。
図9、図10及び図12に示すように、この操作部材40は、前記ハウジング20の凹状の操作部材配置部21に適合する横長板状の押込み部41と、該押込み41の裏側中央から突設し、略円弧状の断面をなす押込み凸部45と、前記押込み部41の裏側の長手方向両側から突設した略円筒状のガイド用ボス46,47とを有している。各ガイド用ボス46,47の外周には、コ字状のスリット48を介して、ボス内方に向けて撓み可能な抜け止め片46a,47aが形成されている。
図14及び図15に示すように、上記操作部材40のガイド用ボス46,47が、ハウジング20のガイド筒30,31にそれぞれ挿入されて、操作部材40の押込み動作のガイドがなされると共に、各抜け止め片46a,47aが、ガイド筒30,31の溝部30a,31aにスライド可能に挿入されて、各抜け止め片46a,47aが係止突起30b,31bに係合することで、操作部材40のハウジング20からの抜け止めがなされるようになっている。
この操作部材40は、ハウジング20に対して押し込んだときに、図16(a)及び図21に示すように、第1ロータ50及び第2ロータ60にそれぞれ突設された、後述する受け部52,63に当接して、これらの受け部52,63を押圧する構成、すなわち、受け部52,63に操作部材40の押し込みによる操作力を作用させて、各ロータ50,60を、可動ロック部材であるロッド70の係合部71、及び、ロッド80の当接部81の磁石83を、ロック部3や磁石吸着部材5から離脱する方向に回転させるようになっている。
次に、上記ハウジング20のシリンダ配置部23に収容されるキーシリンダ90、及び、ハウジング20のストッパ差込孔23aにスライド可能に配置されるストッパ95について説明する。
図9及び図15に示すように、キーシリンダ90は、図示しないキーの回転操作により回転する回転体92と、この回転体92の背面側から突設したキー突起93とを有している。
一方、ストッパ95は、板状をなす基部96と、該基部96の一側部から突出した突片97とを有している。前記基部96には、前記キー突起93が移動する移動孔96aが形成され、該移動孔96a内でキー突起93が移動することで、ストッパ95がストッパ差込孔23a内にてスライド動作するようになっている。また、基部96には、前記ハウジング20の抜け止め孔23bに係合する抜け止め爪96b、及び、位置規制孔23c、23cに係脱可能に係止するクリック爪96cが形成されている(図7、図14及び図15参照)。
そして、キーの回転操作でキーシリンダ90のキー突起93が移動して、ストッパ95がスライドすることにより、ハウジング20のガイド筒31の背面側開口の一部が、ストッパ95の突片97により覆われて(図17の仮想線参照)、操作部材40の押込み規制がなされ、キーを反対側に戻すことにより押込み規制が解除されるようになっている。
次に、ハウジング20に回転可能に装着される第1ロータ50及び第2ロータ60について説明する。
図7、図13及び図16に示すように、第1ロータ50は、略円筒状をなし、前記回転軸33が挿通されて回転支持される筒部51と、該筒部51の外周に連設された略半円弧状をなす受け部52とを有している。受け部52の周方向一側部からは外径方向に向かってアーム部53が延設され、同アーム部53の表面側から連結突部53aが突設されており、ロッド70の基端部が連結されるようになっている。
また、図13、図15及び図16に示すように、前記受け部52の周方向他側部の表面側には、前記操作部材40の押込み凸部45に押圧されるカム斜面55が形成されている。このカム斜面55は、受け部52の周方向に沿って端部に向かって次第に高さが低くなるように形成され、かつ、前記押込み凸部45の円弧形状に適合するように、第1ロータ50を表側から見たときに円弧状をなしている。更に図7に示すように、受け部52の裏側(カム斜面55の反対側)には、ねじりコイルばね15の一端部17を引き掛けるための、ばね引き掛け溝53bが形成されている。
一方、第2ロータ60は、図7,9,13,14,16等に示すように、略円板状の基部61と、該基部61の中心に形成された孔の周縁から筒状に突設し、前記回転軸33が挿通されて回動支持する筒状の軸受け部62とを有している。
また、図16に示すように、第2ロータ60が第1ロータ50及び回転軸33に対して同軸的に配置されたときに、第2ロータ60の基部61の表面側であって、前記軸受け部62が突設された中心孔の周縁には、第1ロータ50の受け部52の周方向延長線上に位置するように、受け部63が突設されている。
そして、この受け部63にも、前記操作部材40の押込み凸部45に押圧されるカム斜面65が形成されている。このカム斜面65は、受け部63の周方向に沿って、第1ロータ50のカム斜面55側に向けて次第に高さが低くなるように形成され、かつ、前記押込み凸部45の円弧形状に適合するように、第2ロータ60を表側から見たときに円弧状をなしている(図13、図15及び図16参照)。
上記のように、両ロータ50,60に突設された受け部52,63にそれぞれ形成されたカム斜面55,65は、操作部材40からの操作力(ここでは押し込み力)を、該ロータ50,60の回転力へと変換する役割をなすものである。また、両ロータ50,60の回転軸心は互いに平行となるように、かつ、操作部材40の押込み方向と同一向き(すなわち、リッド7の表面に対して直交する向き)となるように設定されている。なお、前記第1ロータ50が本発明における「第1のロータ」をなし、前記第2ロータ60が本発明における「第2のロータ」をなしている。
また、図13及び図16に示すように、基部61の表側であって、前記受け部63に隣接した位置には、所定隙間を空けてバネ挟持部64が突設されている。更に図7及び図17に示すように、基部61の裏側の所定位置には連結突部61aが突設されており、ロッド80の基端部が連結されるようになっている(図8及び図14参照)。
そして、図13及び図15に示すように、第2ロータ60の表側に第1ロータ50が配置され、第1ロータ50の筒部51及び第2ロータ60の軸受け部62に、ハウジング20の回転軸33が挿通されることで、ハウジング20に対して第1ロータ50及び第2ロータ60が同軸的に回転可能に装着されるようになっている。
更に、ねじりコイルばね15の巻回部16が、第1ロータ50の受け部52及び第2ロータ60の受け部63の外周に配置されると共に、一端部17が第1ロータ50の前記ばね引き掛け溝53bに引き掛けられ、他端部18が第2ロータ60の上記バネ挟持部64により挟持されて装着されており、その結果、ねじりコイルばね15、第1ロータ50及び第2ロータ60が、ハウジング20の回転軸33に対して同軸的に配置されるようになっている。
そして、上記状態(操作部材40を押し込んでいない状態)では、第1ロータ50のカム斜面55と、第2ロータ60のカム斜面65との、最も低い端部どうしが対向する位置となるように配置されており、かつ、第1ロータ50及び第2ロータ60は、ねじりコイルばね15によって、図16(c)の矢印に示すように、カム斜面55,65の最も低い端部どうしが近接する方向となるように回転付勢されるようなっている。
この状態で、ハウジング20に際して操作部材40を押し込むと、操作部材40の押込み凸部45によって、各ロータ50,60のカム斜面55,65がそれぞれ押圧されて、ねじりコイルばね15の回転付勢力に抗して、カム斜面55,65の最も低い端部どうしが離反する方向となるように、第1ロータ50及び第2ロータ60が回転するようになっている(図16(a)参照)。このとき、第1ロータ50又は第2ロータ60は、他のロータの回転動作に影響を受けることなく、互いに独立して回転するようになっている。
また、操作部材40の押し込みを終えて、操作部材40から手を離した場合は、基本的には、ねじりコイルばね15の回転付勢力によって、図16(c)に示す状態に両ロータ50,60が回転復帰するが、この実施形態においては、後述する保持手段によって、ロッド70の係合部71をロック部3に係合しない位置となるように、引き込んだ状態で保持されるようになっているので、図16(b)に示すように、第2ロータ60だけが回転復帰する一方、第1ロータ50の回転復帰が規制されて、第1ロータ50のカム斜面55の最も低い端部と、第2ロータ60のカム斜面65の最も低い端部との間が、所定周長だけ離れた状態となる。
なお、この実施形態における第1ロータ50及び第2ロータ60は、上記形状に限定されるものではなく、操作部材40を押し込んだときに当接し(図1〜21及び図22〜24の実施形態参照)、又は、引き上げたときに当接して(図25〜28の実施形態参照)、操作部材40から操作力を、受け止めるための受け部が両ロータ50,60に設けられていればよい。また、この実施形態では、両ロータ50,60の受け部52,63にカム斜面55,65が設けられており、これを操作部材40の押込み凸部45が当接して押圧するようになっているが、操作部材40の押込み凸部45側にカム斜面を設けてもよい。
更に、受け部や押込み凸部にカム斜面を設けずとも、操作部材を操作したときに、両ロータに設けた各受け部に、操作部材からの操作力を作用させて、可動ロック部材をロック部から離脱する方向に回転させることが可能であれば、特に限定されない。また、この実施形態では、第1ロータ50及び第2ロータ60が同軸的に配置されているが、例えば、第1ロータ50の回転軸心の位置と、第2ロータ60の回転軸心の位置とを、所定距離をあけて設けてもよく、特に限定はされない。
次に、一対のロータ50,60にそれぞれ連結される一対のロッド70,80について説明する。
図1に示すように、一対のロッド70,80は、所定長さで直線状に伸びる棒状をなしており、この実施形態では、ロッド80の方がロッド70よりも長く形成されている。また、ロッド70の先端部は、外面がテーパ状をなした係合部71をなしており、グローブボックス1に形成されたロック部3に係脱する部分となっている(図20及び図21参照)。更に図18及び図20に示すように、ロッド70の先端部よりもやや基端部側には、枠状のロッド保持部73が突設されている。一方、図5に示すように、ロッド80の先端側の当接部81の裏面側には、磁石83が埋設されており、これがグローブボックス1に配置された磁石吸着部材5に当接して接合する部分となっている。
そして、これらのロッド70及びロッド80は、その基端部にそれぞれ連結され、ねじりコイルばね15によって、図16(c)の矢印に示すように回転付勢された第1ロータ50及び第2ロータ60によって、図14の矢印に示すように、ロッド70の係合部71をロック部3に係合する方向となるように、かつ、ロッド80の当接部81を磁石吸着部材5に当接する方向となるように、両ロッド70,80が付勢されるようになっている。
その結果、ロッド70は、ねじりコイルばね15に回転付勢された第1ロータ60を介して、常時は係合部71がロック部3に係合する方向に付勢されて、図20に示すように、リッド7が閉じたときに、同係合部71がロック部3に係合するようになっている。
一方、ロッド80は、その当接部81に設けた磁石83が、グローブボックス1に配設された磁石吸着部材5に磁力により吸着されて、磁石吸着部材5の磁気吸着面5aと磁石83の磁気吸着面83aとが互いに当接することで、磁石吸着部材5及び磁石83が接合し(図6及び図20参照)、また、この状態でリッド7の開き方向に外力を作用させることによって引き剥がすことが可能となっている(図21参照)。
そして、ハウジング20に対して操作部材40を押し込むと、前述したように、両ロータ50,60のカム斜面55,65の最も低い端部どうしが離反する方向となるように回転し、ロッド70の係合部71がロック部3に係合しない方向にスライドして、ロック解除がなされると共に、ロッド80の当接部81の磁石83が、その磁気吸着面83a及び磁石吸着部材5の磁気吸着面5aに沿って、磁石吸着部材5から離れる方向にスライドして、磁石83と磁石吸着部材5との磁気吸着による当接ロックが解除され(図21参照)、グローブボックス1の開口部2からリッド7が開くようになっている。
なお、この実施形態においては、ロッド70及びロッド80が、本発明における「可動ロック部材」をなしている。また、この実施形態においては、ロッド70の係合部71がロック部3に係脱し、ロッド80の当接部81が磁石吸着部材5に互いに当接して接合するようになっているが、固定体に孔状や突起形状等のロック部3をもう一つ設けて、ロッド80の先端部を係脱させるようにしてもよい。更に本発明においては、一対の可動ロック部材は、「ロック部に離脱可能に結合する」ように構成されているが、これは、上記のように、ロック部に可動ロック部材が係脱する場合や、磁石吸着部材に可動ロック部材が当接して接合する場合も含むことを意味する。
また、この実施形態においては、図1に示すように、操作部材40、第1ロータ50及び第2ロータ60、更にロッド70は、グローブボックス1の開口部2に開閉可能に取付けられるリッド7の運転席寄りの一側部に配置されている。なお、図1は、車両が右ハンドルの場合が示されている。
更にこの実施形態のロック装置10は、ロッド70の係合部71を、ロック部3に係合しない位置となるように、引き込んだ状態で保持する保持手段を有している。
図18〜21に示すように、この保持手段は、リッド7を構成するボックス9のロッド挿出孔9a(図3参照)の内方に配置される枠状の保持枠75と、該保持枠75に回動可能に装着されるレバー77とを有している。前記レバー77の先端部77aは、ピン状をなしており、保持枠75に形成された長孔75aから挿出され、同長孔75a内にて揺動可能とされている。また、図19(a)及び図20に示すように、レバー77は、操作部材40を押し込んでいない状態で、その基端部77bがロッド70の枠状のロッド保持部73内に挿入配置されており、更に、同基端部77b側が、図示しない付勢手段によって、リッド7のパネル8側に向けて回動付勢されている(図20の矢印参照)。
そして、グローブボックス1の開口部2がリッド7で閉じた状態にロックされ、ロッド70の係合部71がロック部3に係合する方向に付勢された状態から、操作部材40を押し込んで、第1ロータ50を回転させて、ロッド70の係合部71を、ロック部3に係合しない方向にスライドさせると、図示しない付勢手段の付勢力によってレバー77が回動し、その基端部77bがロッド70のロッド保持部73の下端部73aに係合し(図18及び図21参照)、ロッド70の係合部71がロック部3に係合しない状態に保持されるようになっている。
また、上記状態でグローブボックス1の開口部2に対してリッド7を押し込むと、ロック部3の周縁に、レバー77の先端部77aが押圧されて、図示しない付勢手段に抗してレバー77が回動し、その基端部77bがロッド保持部73内に挿入されるので、ロッド70の係合部71の保持状態が解除されて、ロッド70の係合部71が再度ロック部3に係合する方向に付勢されるようになっている(図19(a)及び図20参照)。
次に、上記構成部材からなるロック装置10の作用効果について説明する。
このロック装置10は、グローブボックス1の開口部2を閉じる前の状態において、ねじりコイルばね15によって、カム斜面55,65の最も低い端部どうしが近接する方向となるように、第1ロータ50及び第2ロータ60が回転付勢され(図16(c)参照)、更に両ロータ50,60を介して、ロッド70の係合部71をロック部3に係合する方向に、かつ、ロッド80の当接部81を磁石吸着部材5に当接する方向に、両ロッド70,80が付勢されている(図14及び図20参照)。なお、ロッド70のロッド保持部73内にレバー77の基端部77bが挿入されて、ロッド70の引込み保持が解除された状態の場合について説明する(図19(a)及び図20参照)。
上記状態において、グローブボックス1の開口部2を閉じるべく、リッド7を押し込むと、ロッド70の係合部71のテーパ面が開口部2の内面に押圧されて、ねじりコイルばね15からの付勢力に抗して、ロッド70がリッド内方に向けて引き込まれていくと共に、ロッド80の当接部81が、グローブボックス1の凹部4(図4参照)内に入り込んでいく。
その後、係合部71が開口部2の角孔状のロック部3に至ると、ねじりコイルばね15により第1ロータ50が回転付勢されて、ロッド70が再度リッド外方に向けて押し出され、係合部71がロック部3に係合すると共に、ロッド80の当接部81に設置された磁石83が、グローブボックス1の凹部4内に配置された磁石吸着部材5に磁力によって吸着されて、磁気吸着面5a,83aどうしが互いに当接して、磁石83と磁石吸着部材5が接合し、グローブボックス1の開口部2がリッド7により閉じた状態にロックされる(図20参照)。
このとき、このロック装置10においては、一対の可動ロック部材(ロッド70,80)がそれぞれ別々のロータ50,60に連結されて、他方の可動ロック部材の動作に影響されることなくスライドするようになっているので、例えば、グローブボックス1の開口部2に対してリッド7を閉じたときに、一方の可動ロック部材が対応するロック部に完全に結合しないで止まったとしても、他方の可動ロック部材は、それに影響されることなく、対応するロック部に完全に結合させることができる。その結果、一方の可動ロック部材が一方のロック部に片掛かりした状態で、他方の可動ロック部材が他方のロック部に結合していない状態が発生することを軽減でき、片掛かりによってリッド7が不用意に開くという不都合を回避することができる。
一方、グローブボックス1の開口部2からリッド7を開く場合には、ハウジング20に対して操作部材40を押し込む。すると、操作部材40の押込み凸部45が、両ロータ50,60のカム斜面55,65をそれぞれ押圧する、すなわち、押し込み凸部45がカム斜面55,65に当接し、その操作力を作用させることによって、ねじりコイルばね15の回転付勢力に抗して、両ロータ50,60のカム斜面55,65の最も低い端部どうしが離反する方向となるように回転し(図16(a)参照)、ロッド70の係合部71がロック部3に係合しない方向にスライドしてロック解除がなされると共に、ロッド80の当接部81の磁石83が、その磁気吸着面83a及び磁石吸着部材5の磁気吸着面5aに沿って、磁石吸着部材5から離れる方向にスライドして、磁石83と磁石吸着部材5とが互いに離れて、磁気吸着による当接ロックが解除されて(図21参照)、グローブボックス1の開口部2からリッド7を開くことができる(図1参照)。
このとき、この実施形態においては、操作部材40の押込み凸部45が円弧状をなし、該押込み凸部45に押圧される一対のロータ50,60のカム斜面55,65も、押込み凸部45に適合する円弧状をなしているので、操作部材40からの押込み力を無駄なく効率的に伝達させることができ、一対のロータ50,60をスムーズに回転させることができる。
そして、このロック装置10においては、前述したように、操作部材40側に押込み凸部45を設け、ロータ50,60側に受け部を設けた構造、すなわち、操作部材40は、一対のロータ50,60に設けた受け部52,63に操作力を作用させて、それぞれのロータ50,60を回転させる機能を有するものであればよいので、操作部材を引き上げるタイプ(プル操作式)だけではなく、操作部材40を押し込むタイプ(プッシュ操作式)のものにも適用することができ、ロック装置10の適用箇所に適した形態の操作部材を選択することができる。
また、操作部材40と、それぞれのロータ50,60に形成された受け部52,63との形状を適宜選択することにより、一方の可動ロック部材の移動量(ストローク量)と、他方の可動ロック部材の移動量(ストローク量)とを、目的に応じて適宜変更することができる。なお、一対の可動ロック部材の移動量は特に変更しなくともよく、実際に、本実施形態におけるロッド70及びロッド80は、互いに独立してスライドするものの、各ストローク量はほぼ同一となっている。
更に、このロック装置10においては、上記特許文献1のサイドロック装置のように、カム溝と該カム溝内を移動する凸部とにより、カム部材をスライドさせる構造ではなく、操作部材40側に押込み凸部45を設け、ロータ50,60側に受け部を設けるだけの構造でよいので、構造を簡単にすることができると共に、操作部材40の操作により一対のロータ50,60を確実に回転させることができる。
また、この実施形態においては、グローブボックス1の開口部2がリッド7で閉塞された状態で操作部材40を押し込み、ロッド70の係合部71をロック部3に係合しない方向にスライドさせると、前述したように、レバー77の基端部77bがロッド保持部73の下端部73aに係合して、ロッド70の係合部71がロック部3に係合しない状態に保持されるため(図19(b)及び図21参照)、グローブボックス1の開口部2にリッド7を再度押し込むときに、グローブボックス1の開口部2の内面に当接せず、押込み抵抗を少なくしてリッド7をスムーズに閉じることができる。
更にこの実施形態においては、第1ロータ50の筒部51及び第2ロータ60の軸受け部62に、ハウジング20の回転軸33が挿通されることで、第1ロータ50及び第2ロータ60が同軸に配置されているので(図13、図15及び図16参照)、ロック装置10のコンパクト化を図ることができると共に、一対のロータ50,60の受け部52,63を近接させて、操作部材40によって、それぞれのロータ50,60の受け部52,63を押圧しやすくすることができる。
また、この実施形態においては、図7、図13及び図16等に示すように、付勢手段をなすねじりコイルばね15は、その一端部17が第1ロータ50に係止され、他端部18が第2ロータ60に係止された1つの部材からなり、ロッド70の係合部71をロック部3に係合する方向となるように、かつ、ロッド80の当接部81を磁石吸着部材5に当接する方向となるように、各ロータ50,60を回転付勢している。このように、1つのねじりコイルばね15によって、一対のロータ50,60を回転付勢することができるので、ロック措置10の製造コストの低減を図ることができる。
更にこの実施形態においては、付勢手段をなすねじりコイルばね15は、巻回部16を有しており、この巻回部16が、第1ロータ50の受け部52及び第2ロータ60の受け部63の外周に配置され、ねじりコイルばね15、第1ロータ50及び第2ロータ60が、ハウジング20の回転軸33に対して同軸に配置されるようになっているので(図13、図15及び図16参照)、ねじりコイルばね15の巻回部16の巻回長を長く確保しつつ、ロック装置10の更なるコンパクト化を図ることができる。
また、図16(a)に示すように、一対のロータ50,60が回転するときに、その外周に配置されたねじりコイルばね15の巻回部16は、拡径した円形状態から、相似形をなすように縮径せず、歪んだ状態で縮径するようになっている。しかしながら、この実施形態においては、ねじりコイルばね15が、第1ロータ50の受け部52及び第2ロータ60の受け部63の外周に配置されているので、操作部材40を押し込んで、受け部52,63が互いに離れる方向に一対のロータ50,60が回転するときに、図16(a)に示すように、ねじりコイルばね15の巻回部16が受け部52,63の外周面に摺接して、巻回部16を比較的歪みが少ない状態で縮径させることができる。その結果、ねじりコイルばね15の回転付勢力によって、両ロータ50,60を回転復帰させるときに、迅速かつスムーズに回転復帰させることができる。
図22〜24には、本発明に係る開閉体のロック装置の、他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
図22〜24に示すように、この実施形態の開閉体のロック装置10a(以下、「ロック装置10a」)は、グローブボックス1の上面側に、操作部材40や、第1ロータ50、第2ロータ60等を収容するハウジング20が取付けられており、ロッド70a及びロッド80aも、グローブボックス1側に配設されている。
一方、リッド7のボックス9の長手方向一側部に孔状のロック部3が形成されており(図24参照)、同ボックス9の長手方向他側部から、磁気吸着面5aを有する磁石吸着部材5が所定長さで延設されている。
また、前記ロッド70aは、先端部側がL字状に屈曲した形状をなすと共に、係合部71がグローブボックス1内方に向けて屈曲形成されている。更にロッド80aは、先端部側がL字状に屈曲した形状をなし、その先端の当接部81に磁石83が埋設されており、グローブボックス1の他側部に形成されたスライド孔4aから挿出されている。
そして、これらのロッド70a,80aは、ねじりコイルばね15によって回転付勢された第1ロータ50及び第2ロータ60を介して、ロッド70aの係合部71をロック部3に係合する方向となるように、かつ、ロッド80aの当接部81を磁石吸着部材5に当接する方向となるように、すなわち、ロッド70aの係合部71及びロッド80aの当接部81が互いに近づくようにグローブボックス1の内方に向けて、ロッド70a,80aが付勢されるようになっている(図24(a)の矢印参照)。
一方、ハウジング20に対して操作部材40を押し込むことにより、一対のロータ50,60が回転して、ロッド70aの係合部71がロック部3から抜け出てロック解除がなされると共に、ロッド80aの当接部81の磁石83がグローブボックス1外方に向けてスライドし、磁石83と磁石吸着部材5との磁気吸着による当接ロックが解除されて(図24(b)参照)、グローブボックス1の開口部2からリッド7が開くようになっている。
図25〜28には、本発明に係る開閉体のロック装置の、更に他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
前記実施形態が、操作部材40を押し込むタイプ(プッシュ操作式)であるのに対し、この実施形態の開閉体のロック装置10b(以下、「ロック装置10b」)は、操作部材を引き上げるタイプ(プル操作式)となっている。
図26に示すように、このロック装置10bは、第1ロータ50a及び第2ロータ60aを有している。第1ロータ50aは、筒部51の外周に連設された受け部52の表面側から、突起状の当接凸部56が突設されている。また、第2ロータ60aは、基部61の表面側から、受け部63が隣接するバネ挟持部64よりも高く突設しており、該受け部63の突出端面から更に、突起状の当接凸部66が突設されている。
そして、これらのロータ50a,60aは、図示しないハウジングの回転軸に同軸的に装着されており、常時は、ねじりコイルばね15によって、当接凸部56,66が互いに近接した位置となるように回転付勢され(図27及び図28(a)参照)、その結果、ロッド70の係合部71をロック部3に係合する方向となるように、かつ、ロッド80の当接部81を磁石吸着部材5に当接する方向となるように、両ロッド70,80が付勢されている(図28(a)参照)。
更にこのロック装置10bは、プル操作式の操作部材40aを有している。この操作部材40aは、その裏面側の上縁部から一対の操作凸部47,47が突設している。そして、この操作部材40aは、図示しないハウジングに対して、その長手方向両側部の上方部分が回動可能に装着されており、操作部材40aの下端部を把持して引き上げる方向に回動させることが可能となっている。また、ハウジングに対して操作部材40aを装着した状態では、図27に示すように、一対の操作凸部47,47が、第1ロータ50の当接凸部56及び第2ロータ60の当接凸部66に当接するようになっている。
そして、操作部材40aの下端部を把持して、上方に向けて引き上げることにより、一対の操作凸部47,47が、各ロータ50a,60aの当接凸部56,66に当接し、操作部材40aからの操作力によって、ねじりコイルばね15の付勢力に抗して、両ロータ50a,60aの当接凸部56,66どうしが離反する方向に両ロータ50,60が回転し(図28(b)参照)、それによってロッド70,80がスライドして、各ロック部に対するロックが解除されて、グローブボックス1の開口部2からリッド7を開くことができる。
なお、この実施形態における操作部材40aは、その下端部を把持して上方に引き上げることが可能となっているが、これに限定されず、操作部材の下方部分をハウジングに対して回動可能に装着させ、上方部分を把持して、押し下げる方向に回動させるようにしてもよく、すなわち、操作部材は、開閉体の表面に対して近接離反する方向に回動可能に取付けられていてもよい。この場合、その操作部材の一対の操作凸部に対応するように、第1ロータ及び第2ロータに当接凸部を設けることとなる。
また、上記実施形態においては、ねじりコイルばね15を用いて第1ロータ50,50aや、第2ロータ60,60aをそれぞれ回転付勢させることで、間接的にロッド70,70a、80、80aをスライド付勢させたが、例えば、引張りばねやコイルスプリング等を用いて、これらのロッドをスライド付勢させてもよく、特に限定されるものではない。その場合には、引張りばねやコイルスプリング等が、本発明における「付勢手段」をなす。
1 グローブボックス(固定体)
2 開口部
3 ロック部
7 リッド(開閉体)
10,10a,10b 開閉体のロック装置(ロック装置)
15 ねじりコイルばね(付勢手段)
16 巻回部
17 一端部
18 他端部
20,20a ハウジング
33 回転軸
40,40a 操作部材
50,50a 第1ロータ(第1のロータ)
55 カム斜面
60,60a 第2ロータ(第2のロータ)
65 カム斜面
70,70a,70b ロッド(可動ロック部材)

Claims (4)

  1. 固定体の開口部に開閉可能に取付けられる開閉体のロック装置であって、
    前記開閉体又は前記固定体の開口部のどちらか一方に設けられた一対のロック部と、
    前記開閉体又は前記固定体のどちらか他方に取付けられ、前記ロック部に離脱可能に結合する一対の可動ロック部材と、
    前記可動ロック部材を、前記ロック部に結合する方向に付勢する付勢手段と、
    前記一対の可動ロック部材を、前記ロック部から離脱する位置に移動させる操作部材とを備え、
    前記一方の可動ロック部材に連結されて、該可動ロック部材と連動する第1のロータと、
    前記他方の可動ロック部材に連結されて、該可動ロック部材と連動する第2のロータとを有し、
    前記付勢手段によって、第1のロータ及び前記第2のロータは、それぞれに連結された可動ロック部材が、前記ロック部に結合する方向に移動するように回転付勢されており、
    前記操作部材は、前記第1のロータ及び前記第2のロータに設けられたそれぞれの受け部に操作力を作用させて、それぞれのロータを、前記可動ロック部材が前記ロック部から離脱する方向に回転させるように構成されていることを特徴とするロック装置。
  2. 前記第1のロータ及び前記第2のロータは、同軸に配置されている請求項1記載の開閉体のロック装置。
  3. 前記付勢手段は、その一端が第1のロータに係止され、他端が第2のロータに係止された1つの部材からなり、前記一対の可動ロック部材が前記ロック部に結合する方向に移動するように、前記各ロータを回転付勢している請求項1又は2記載の開閉体のロック装置。
  4. 前記付勢手段は、巻回部を有するねじりコイルばねからなり、前記第1のロータ、前記第2のロータ及び前記ねじりコイルばねが、同軸に配置されている請求項3記載の開閉体のロック装置。
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