JP2015155518A - 筆記具用水性インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 筆記描線に滲みもなく、また、紙裏面へのインクの裏抜けもなく、しかも、初筆性能に優れ、トメ、ハネ、ハライが明瞭で、美しい文字となるシャープできれいな描線が筆記できる筆記具用水性インク組成物を提供する。【解決手段】 少なくとも分子内にケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基を有する水溶性高分子化合物と、下記式(I)で示されるジヒドラジド化合物とを含有することを特徴とする筆記具用水性インク組成物。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、トメ、ハネ、ハライが明瞭で、美しい文字となるシャープできれいな描線が筆記できる筆記具用水性インク組成物に関する。
従来より、剪断減粘性をもつインクの特性を利用した筆記具用水性インク組成物が知られている。
このような筆記具用水性インク組成物としては、剪断減粘性を示す増粘剤(ゲル化剤)を含有するものであり、例えば、1)キサンタンガムを0.20〜0.45重量%含有することを特徴とする水性ボールペン用インク組成物(例えば、特許文献1参照)、2)必須成分として(イ)着色剤、(ロ)グルコース/ガラクトース/ピルビン酸又はその塩/こはく酸又はその塩/酢酸がモル比5〜8/1〜2/0.5〜2/0.5〜2/0.5〜1で構成されている基本単位からなる平均分子量約100万乃至約800万の有機酸修飾ヘテロ多糖体、及び(ハ)水と水溶性有機溶剤を含み、水が50重量%以上を占める水性媒体を含有してなる筆記具用水性インク組成物(例えば、特許文献2参照)が知られている。
これらの剪断減粘性をもつ従来のインク組成物は、筆記していない時(非筆記時)はインクの粘度が高く(インクの)ボタ落ちを抑制し、筆記している時(高剪断時)は、ボール回転の作用などで粘度が下がり、滑らかに筆記が出来るという特徴を有するものであり、剪断速度が高くなるものである。
しかしながら、このような粘性挙動をもつ従来の筆記具用水性インク組成物は、書き出し部においては、筆記感が重く、カスレ易くボテ易いという課題がある。また、筆記中は粘度が極端に下がることで、トメの部分の濃度が薄くなる、ハライの部分の描線が割れたようになるなどの課題があり、シャープできれいな文字、描線が得られにくい傾向があった。
特開昭59−74175号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平6−88050号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、筆記描線に滲みもなく、また、紙裏面へのインクの裏抜けもなく、しかも、初筆性能に優れ、トメ、ハネ、ハライが明瞭で、美しい文字となるシャープできれいな描線が筆記できる筆記具用水性インク組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等に鑑み、鋭意研究を行った結果、筆記具用水性インク組成物において、少なくとも分子内に特定の官能基を有する水溶性高分子化合物と、特定のジヒドラジド化合物とを含有することにより、上記目的の筆記具用水性インク組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(4)に存する。
(1) 少なくとも分子内にケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基を有する水溶性高分子化合物と、下記式(I)で示されるジヒドラジド化合物とを含有することを特徴とする筆記具用水性インク組成物。
Figure 2015155518
(2) 水溶性高分子化合物が分子内にケトン基又はアルデヒド基を有する変性ポリビニルアルコール、分子内にケトン基又はアルデヒド基を有する変性エポキシ樹脂、分子内にイソシアネート基を有するウレタン樹脂から選ばれることを特徴とする上記(1)に記載の筆記具用水性インク組成物。
(3) ジヒドラジド化合物がアジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドから選ばれることを特徴とする上記(1)に記載の筆記具用水性インク組成物。
(4) 上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の筆記具用水性インク組成物を搭載したことを特徴とする筆記具。
本発明によれば、筆記描線に滲みもなく、また、紙裏面へのインクの裏抜けもなく、しかも、初筆性能に優れ、トメ、ハネ、ハライが明瞭で、美しい文字となるシャープできれいな描線が筆記できる筆記具用水性インク組成物が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の筆記具用水性インク組成物は、少なくとも分子内にケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基を有する水溶性高分子化合物と、下記式(I)で示されるジヒドラジド化合物とを含有することを特徴とするものである。
Figure 2015155518
本発明に用いる少なくとも分子内にケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基を有する水溶性高分子化合物としては、少なくとも分子内にケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基を有する水溶性高分子化合物であれば、特に限定されないが、好ましくは、分子内の側鎖及び/又は末端にケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基を有するものが好ましい。
用いることができる水溶性高分子化合物としては、例えば、分子内にケトン基又はアルデヒド基を有する変性ポリビニルアルコール(以下、変性PVAという)、分子内にケトン基又はアルデヒド基を有する変性エポキシ樹脂、分子内にイソシアネート基を有するウレタン樹脂などが挙げられる。
具体的には、分子内の側鎖及び/又は末端にケトン基を有する変性PVA、例えば、日本酢ビ・ポバール社製の変性PVA(DF−20などのDシリーズ)、日本合成化学社製の変性PVA(ゴーセネックスシリーズ)、分子内の側鎖及び/又は末端にアルデヒド基を有する変性エポキシ樹脂、例えば、荒川化学工業社製の変性エポキシ樹脂(モデピクス301などのモデピクスシリーズ)、分子内の側鎖及び/又は末端にイソシアネート基を有するウレタン樹脂、例えば、第一工業製薬社製のウレタン樹脂(エラストロンシリーズ)等が挙げられる。これらは各単独で、または、2種以上を混合してもよい。
また、これらの水溶性高分子化合物の質量平均分子量(Mw)は、好ましくは、3000〜15万であるものが望ましい。
このような少なくとも分子内にケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基を有する水溶性高分子化合物の含有量は、筆記具用水性インク組成物全量に対して、好ましくは、0.1〜10.0質量%(以下、単に「%」と略記する)、更に好ましくは、0.5〜3.0%であることが望ましい。
この含有量が0.1%未満では、本発明の効果が得られず、一方、10%を越えると、粘度上昇により追従性が低下するため、好ましくない。
本発明に用いるジヒドラジド化合物は、下記式(I)で示されるものであり、上記分子内にケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基を有する水溶性高分子化合物の架橋剤となるものであり、水溶性高分子化合物中のケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基と架橋剤となるジヒドラジド化合物中のジヒドラジド基との化学結合により増粘作用を発揮し、これにより筆記具用水性インク組成物中では従来のゲルインクとは異なるレオロジー特性を発現せしめるものとなる。
Figure 2015155518
上記(I)のRは、芳香環、炭素数2〜12の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖状炭化水素からなる群より選ばれるが、具体的には、フェニレン基、ナフチレン基、置換されているヒダントイン環、テトラメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、n−オクチレン基、2−エチルヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基等が挙げられる。
上記式(I)で表わされるジヒドラジド化合物としては、例えば、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、1,12−ドデカンジカルボン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジヒドラジド、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、ドデカンジオヒドラジド(ドデカン二酸ジヒドラジド)等を例示でき、中でも、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジドが好ましい。
これらのジヒドラジド化合物は市販のものを使用することができる。
これらの式(I)で示されるジヒドラジド化合物の含有量は、筆記具用水性インク組成物全量に対して、好ましくは、0.01〜2.0%、更に好ましくは、0.05〜1.0%であることが望ましい。
この含有量が0.01%未満では、架橋反応が進行せず、本発明の効果が得られないものとなり、一方、2.0%を越えても、それ以上の効果は見られないものとなる。
また、少なくとも分子内にケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基を有する水溶性高分子化合物と、ジヒドラジド化合物の含有量比は、良好な架橋状態を発現させる点から、30:1〜2:1、更に好ましくは20:1〜3:1であることが望ましい。
本発明の筆記具用水性インク組成物は、上記少なくとも分子内にケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基を有する水溶性高分子化合物と、上記式(I)で示されるジヒドラジド化合物を含有することを特徴とするものであり、例えば、水性のボールペンなどの筆記具用水性インク組成物として使用に供される。
本発明の筆記具用水性インク組成物には、上記少なくともケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基を有する水溶性高分子化合物、上記式(I)で示されるジヒドラジド化合物の他、少なくとも着色剤、水溶性溶剤が含有される。
用いることができる着色剤としては、顔料及び/又は水溶性染料が挙げられる。顔料の種類については特に制限はなく、従来筆記具用水性インクに慣用されている無機系及び有機系顔料の中から任意のものを使用することができる。
無機系顔料としては、例えば、カーボンブラックや、金属粉等が挙げられる。
また、有機系顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料などが挙げられる。具体的には、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、フタロシアニングリーン(C.I.74260)、ハンザイエロー3G(C.I.11670)、ジスアゾイエローGR(C.I.21100)、パーマネントレッド4R(C.I.12335)、ブリリアントカーミン6B(C.I.15850)、キナクリドンレッド(C.I.46500)などが使用できる。
また、スチレンやアクリル樹脂の粒子から構成されているプラスチックピグメントも使用できる。さらに、粒子内部に空隙のある中空樹脂粒子は白色顔料として、または、発色性、分散性に優れる後述する塩基性染料で染色した樹脂粒子(擬似顔料)等も使用できる。
水溶性染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料のいずれも用いることができる。
直接染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.ダイレクトエロー4、同26、同44、同50、C.I.ダイレクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15、同71、同86、同106、同119などが挙げられる。
酸性染料としては、例えば、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.アシッドエロー7、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49、同61、同72、同78、同110、同127、同135、同141、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同51、同52、同57、同82、同87、同92、同94、同115、同129、同131、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.アシッドバイオレット18、同17、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同22、同23、同25、同40、同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同103、同112、同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、同27などが挙げられる。
食用染料としては、その大部分が直接染料又は酸性染料に含まれるが、含まれないものの一例としては、C.I.フードエロー3が挙げられる。
塩基性染料としては、例えば、C.I.ベーシックエロー1、同2、同21、C.I.ベーシックオレンジ2、同14、同32、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同14、C.I.ベーシックブラウン12、ベーシックブラック2、同8などが挙げられる。
また、塩基性染料で染色した樹脂粒子としては、アクリロニトリル系共重合体の樹脂粒子を塩基性蛍光染料で染色した蛍光顔料などが挙げられる。具体的な商品名として、シンロイヒカラーSFシリーズ(シンロイヒ株式会社)、NKW及びNKPシリーズ(日本蛍光化学株式会社)などが挙げられる。
これらの着色剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよく、筆記具用水性インク組成物全量中の含有量は、通常、0.5〜30%、好ましくは、1〜15%の範囲である。
この着色剤の含有量が、0.5%未満では、着色が弱くなったり、筆跡の色相がわからなくなってしまうことがあり、一方、30%を超えて含有した場合に、筆記不良を生じることがあるので好ましくない。
用いることができる水溶性溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、単独或いは混合して使用することができる。この水溶性溶剤の含有量は、筆記具用水性インク組成物全量中、5〜40%とすることが望ましい。
本発明の記具用水性インク組成物には、上記少なくとも分子内にケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基を有する水溶性高分子化合物、上記式(I)で示されるジヒドラジド化合物、着色剤、水溶性溶剤の他、残部として溶媒である水(水道水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水等)の他、本発明の効果を損なわない範囲で、分散剤、潤滑剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤もしくは防菌剤などを適宜含有することができる。
着色剤として顔料を用いた場合には、分散剤を使用することが好ましい。この分散剤は、顔料表面に吸着して、水との親和性を向上させ、水中に顔料を安定に分散させる作用をするものであり、ノニオン、アニオン界面活性剤や水溶性樹脂が用いられる。好ましくは水溶性高分子が用いられる。
潤滑剤としては、顔料の表面処理剤にも用いられる多価アルコールの脂肪酸エステル、糖の高級脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、アルキル燐酸エステルなどのノニオン系や、高級脂肪酸アミドのアルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩などのアニオン系、ポリアルキレングリコールの誘導体やフッ素系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン、リン酸エステルなどが挙げられる。
pH調整剤としては、アンモニア、尿素、モノエタノーアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンや、トリポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなとの炭酸やリン酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水和物などが挙げられる。
また、防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロへキシルアンモニウムナイトライト、サポニン類など、防腐剤もしくは防菌剤としては、フェノール、ナトリウムオマジン、安息香酸ナトリウム、ベンズイミダゾール系化合物などが挙げられる。
本発明の筆記具用水性インク組成物は、上記少なくとも分子内にケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基を有する水溶性高分子化合物、上記式(I)で示されるジヒドラジド化合物、着色剤、水溶性溶剤、その他の各成分を筆記具用(ボールペン用、マーキングペン用)インクの用途に応じて適宜組み合わせて、ホモミキサー、ホモジナイザーもしくはディスパー等の攪拌機により攪拌混合することにより、更に必要に応じて、ろ過や遠心分離によってインク組成物中の粗大粒子を除去すること等によって筆記具用水性インク組成物を調製することができる。
水性ボールペン用では、該筆記具用水性インク組成物を、直径が0.18〜2.0mmのボールを備えた水性ボールペン体に充填することにより作製することができる。
用いる水性ボールペン体として、直径が上記範囲のボールを備えたものであれば、特に限定されず、特に、上記水性インク組成物をポリプロピレンチューブのインク収容管に充填し、先端のステンレスチップ(ボールは超鋼合金)を有するリフィールの水性ボールペンに仕上げたものが望ましい。
本発明の筆記具用水性インク組成物の製造方法は、他の水性インク組成物の製造方法と比べて特に変わるところはなく製造することができる。
すなわち、本発明の筆記具用水性インク組成物は、上述した少なくとも分子内にケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基を有する水溶性高分子化合物、上記式(I)で示されるジヒドラジド化合物などを含む各成分をミキサー等によって混合攪拌することによって、従来のゲルインクとは異なるレオロジー特性を発現せしめる、例えば、ゲルインク水性ボールペン用インクなどの筆記具用水性インク組成物を製造することができる。
また、本発明の筆記具用水性インク組成物のpH(25℃)は、使用性、安全性、インク自身の安定性、インク収容体とのマッチング性の点からpH調整剤などにより5〜10に調整されることが好ましく、更に好ましくは、6〜9.5とすることが望ましい。
本発明の筆記具用水性インク組成物は、ボールペンチップ、繊維チップ、フェルトチップ、プラスクチップなどのペン先部を備えたボールペン、マーキングペン等に搭載される。
本発明におけるボールペンとしては、上記組成の筆記具用水性インク組成物をボールペン用インク収容体(リフィール)に収容すると共に、該インク収容体内に収容された水性インク組成物とは相溶性がなく、かつ、該水性インク組成物に対して比重が小さい物質、例えば、ポリブテン、シリコーンオイル、鉱油等がインク追従体として収容されるものが挙げられる。
なお、ボールペン、マーキングペンの構造は、特に限定されず、例えば、軸筒自体をインク収容体として該軸筒内に上記構成の筆記具用水性インク組成物を充填したコレクター構造(インク保持機構)を備えた直液式のボールペン、マーキングペンであってもよいものである。
このように構成される本発明の筆記具用水性インク組成物にあっては、少なくとも分子内にケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基を有する水溶性高分子化合物と、上記式(I)で示されるジヒドラジド化合物とを含有することにより、上記水溶性高分子化合物中のケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基と、架橋剤となるジヒドラジド化合物のジヒドラジド基との化学結合により増粘作用を発揮し、これにより筆記具用水性インク組成物中では従来のゲルインクとは異なるレオロジー特性を発現せしめるものとなり、筆記具用水性インク組成物の増粘・ゲル化剤として、従来の微細セルロースや、キサンタンガムより少量で、また、架橋剤となるジヒドラジド化合物の種類、量等をコントロールすることにより好適なレオロジーコントロール効果を発揮すると共に、筆記描線に滲みもなく、また、紙裏面へのインクの裏抜けもなく、しかも、初筆性能に優れ、トメ、ハネ、ハライが明瞭で、美しい文字となるシャープできれいな描線が筆記できる筆記具用水性インク組成物が得られることとなる。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〜9及び比較例1〜4〕
下記表1に示す配合処方にしたがって、常法により各水性ボールペン用インク組成物を調製した。
また、得られた各水性ボールペン用インク組成物(全量100質量%)について、下記方法により水性ボールペンを作製し、下記各評価方法により、トメ、ハネ、ハライ、初筆性能及び描線の滲みとカスレについて評価した。
(水性ボールペンの作製)
ボールペン〔三菱鉛筆株式会社製、商品名:シグノUM−100〕の軸を使用し、内径4.0mm、長さ113mmのポリプロピレン製インク収容管とステンレス製チップ(超硬合金ボール、ボール径0.7mm)及び該収容管と該チップを連結する継手からなるリフィールに上記各インクを充填し、インク後端にポリブテンからなるインク追従体を装填し、水性ボールペンを作製した。
(トメの評価方法)
上記で作製した各水性ボールペンを用いて筆記試験用紙にフリーハンドで「永」の字を筆記し、1画目の点の滲み、ボテの状態を目視で、下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:滲み、ボテがほとんどなし。
△:滲み、またはボテが若干ある。
×:滲みやボテがひどく、描線が醜い。
(ハネの評価方法)
上記で作製した各水性ボールペンを用いて筆記試験用紙にフリーハンドで「永」の字を筆記し、2画目の終筆部のハネの状態を目視で、下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:終筆部の描線が非常に細く、カスレもなく、きれいな描線が表現できている。
△:描線が多少カスレており、描線濃度がうすい。
×:描線が酷くカスレており、描線が醜い。
(ハライの評価方法)
上記で作製した各水性ボールペンを用いて筆記試験用紙にフリーハンドで「永」の字を筆記し、5画目の品位を目視で、下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:描線の割れが全くなく、きれいな描線が表現できている。
△:描線の割れが多少あり、描線濃度がうすい。
×:描線の割れがあり、描線が醜い。
(初筆性能の評価方法)
上記で作製した各水性ボールペンを用いて筆記試験用紙にフリーハンドで「永」の字を筆記し、1画目の点のインク出性能の状態を目視で、下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:カスレがほとんどなく、きれいに点がうてる。
△:カスレが若干あり、描線がうすい。
×:カスレがひどく、点がほとんど判読できない。
(描線の滲みとカスレの評価方法)
上記で作製した各水性ボールペンを用いて筆記試験用紙にフリーハンドで「永」の字を筆記し、2画目の終筆部のハネの状態を目視で、下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:終筆部の描線が非常に細く、カスレも滲みもなく、きれいな描線が表現できている。
△:描線が多少カスレており、描線濃度がうすい。もしくは、若干の滲みが認められる。
×:描線が酷くカスレている若しくは滲みが大きく、描線が醜い。
Figure 2015155518
上記表1の結果から明らかなように、本発明となる実施例1〜9は、本発明の範囲外となる比較例1〜4に較べ、筆記描線に滲みもなく、また、紙裏面へのインクの裏抜けもなく、しかも、初筆性能に優れ、トメ、ハネ、ハライが明瞭で、美しい文字となるシャープできれいな描線が筆記できる筆記具用水性インク組成物であることが判明した。
水性のボールペンなどに好適な筆記具用水性インク組成物が得られる。

Claims (4)

  1. 少なくとも分子内にケトン基、アルデヒド基及びイソシアネート基の何れかの官能基を有する水溶性高分子化合物と、下記式(I)で示されるジヒドラジド化合物とを含有することを特徴とする筆記具用水性インク組成物。
    Figure 2015155518
  2. 水溶性高分子化合物が分子内にケトン基又はアルデヒド基を有する変性ポリビニルアルコール、分子内にケトン基又はアルデヒド基を有する変性エポキシ樹脂、分子内にイソシアネート基を有するウレタン樹脂から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の筆記具用水性インク組成物。
  3. ジヒドラジド化合物がアジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の筆記具用水性インク組成物。
  4. 請求項1〜3の何れか一つに記載の筆記具用水性インク組成物を搭載したことを特徴とする筆記具。
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