JP2015155365A - Lev型ゼオライト及びこれを含む窒素酸化物還元触媒、並びに窒素酸化物還元方法 - Google Patents

Lev型ゼオライト及びこれを含む窒素酸化物還元触媒、並びに窒素酸化物還元方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、従来の金属含有LEV型ゼオライトよりも耐熱水性に優れた金属含有LEV型ゼオライトを提供することを目的とする。
【解決手段】
歪んだ六員環に遷移金属を有することを特徴とする金属含有LEV型ゼオライト。金属含有LEV型ゼオライトは、遷移金属の50mol%以上が歪んだ六員環に存在することが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、LEV構造を有するゼオライト及びこれを含む窒素酸化物還元触媒を用いた、窒素酸化物の還元除去に関する。更には、本発明は遷移金属を含有するLEV構造を有するゼオライト及びこれを含む窒素酸化物還元触媒に関する。
窒素酸化物を還元して無害化する技術として、選択的接触還元(Selective catalytic reduction;以下、「SCR」とする)が実用化されている。これに伴い、SCRに用いられる触媒(以下、「SCR触媒」とする。)として適したゼオライトとして、遷移金属を含むゼオライトが検討されている。
近年、自動車向けの排ガス浄化用SCR触媒としてLEV型ゼオライトが注目されている。
例えば、特許文献1では、遷移元素、及び8個の四面体原子による最大環サイズを含む小細孔ゼオライトを用いた窒素酸化物を窒素に転化する方法として、LEV型ゼオライトを使用した方法が開示されている。
また、特許文献2では、銅を含み、シリカアルミナモル比が30未満、なおかつ、銅とアルミニウムの原子比が0.45未満であるレビ沸石モレキュラーシーブが開示されている。
国際公開第2008/132452号パンフレット 国際公開第2011/045252号パンフレット
本発明は、従来の金属含有LEV型ゼオライトよりも耐熱水性に優れた金属含有LEV型ゼオライトを提供することを目的とする。また、本発明は高温度の熱水雰囲気下に晒されても、低温下における高い窒素酸化物還元特性を有する金属含有LEV型ゼオライトを提供することを別の目的とする。
本発明者等は、金属含有LEV型ゼオライトについて検討した。その結果、LEV型ゼオライトの構造中に含まれる六員環構造のうち、特定の六員環に金属を配置させることで、高温度の熱水雰囲気下に晒されてもLEV型ゼオライトの劣化が抑制されることを見出した。更には、金属含有LEV型ゼオライトのシラノール基に着目し、これを制御することで、高温度の熱水雰囲気下に晒されても劣化が抑制されることを見出した。また更には、このような金属含有LEV型ゼオライトは窒素酸化物還元特性が低下しにくく、高温度の熱水雰囲気下に晒された後であっても窒素酸化物還元特性の変化が少ないこと、更には低温下において高い窒素酸化物還元特性を有することを見出した。これにより本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1) 歪んだ六員環に遷移金属を有することを特徴とする金属含有LEV型ゼオライト。
(2) 遷移金属の50mol%以上が歪んだ六員環に存在することを特徴とする上記(1)に記載の金属含有LEV型ゼオライト。
(3) 相対シラノール量が2.5以下であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の金属含有LEV型ゼオライト。
(4) 遷移金属が周期表の8族、9族、10族及び11族の群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の金属含有LEV型ゼオライト。
(5) 遷移金属が銅又は鉄の少なくともいずれかであることを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の金属含有LEV型ゼオライト。
(6) LEV型ゼオライトがNu−3であることを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の金属含有LEV型ゼオライト。
(7) LEV型ゼオライトに遷移金属を含有させる金属含有工程、及び、前記金属含有工程後のLEV型ゼオライトを焼成する焼成工程を含むことを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の金属含有LEV型ゼオライトの製造方法。
(8) 前記焼成工程において、500℃以上でLEV型ゼオライトを焼成することを特徴とする前記(7)に記載の金属含有LEV型ゼオライトの製造方法。
(9) 前記金属含有工程において、含浸担持法によりLEV型ゼオライトに遷移金属を含有させることを特徴とする上記(7)又は(8)に記載の金属含有LEV型ゼオライトの製造方法。
(10) 前記金属含有工程において、LEV型ゼオライトが、10体積%の水蒸気を含む空気中、900℃、1時間で処理後のアンモニアTPD法によるアンモニア脱離量が0.35mmol/g以上であるLEV型ゼオライトであることを特徴とする上記(7)乃至(9)のいずれかに記載の金属含有LEV型ゼオライトの製造方法。
(11) 上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のLEV型ゼオライトを含むことを特徴とする窒素酸化物還元触媒。
(12) 上記(11)に記載の窒素酸化物還元触媒を用いることを特徴とする窒素酸化物の還元除去方法。
以下、本発明の金属含有LEV型ゼオライトについて説明する。
本発明はLEV型ゼオライトに係る。LEV型ゼオライトとは、LEV構造を有するゼオライトであり、特にLEV構造を有するアルミノシリケートである。
アルミノシリケートは、アルミニウム(Al)とケイ素(Si)とが酸素(O)を介したネットワークの繰返しからなる構造(以下、「ネットワーク構造」ともいう。)、及び、ネットワーク構造の末端や欠陥などの端部(以下、「骨格端部」とする。)にシラノール基(Si−OH)を、その骨格に含む。
LEV構造とは、国際ゼオライト学会(International ZeoliteAssociation;以下、「IZA」)のStructure Commissionが定めているIUPAC構造コードで、LEV型となる構造である。
LEV構造は、IZAのStructure Commitionが定義するABC−6ファミリー(以下、単に「ファミリー」とする。)に属する構造である。A、B、及びCは、いずれも6個の酸素から構成される六角状の環状構造、いわゆる酸素六員環(以下、単に「六員環」ともいう。)を意味する。
LEV構造は、AABCCABBCで表される構造である。より詳細には、LEV構造は、2個の六員環がC軸方向に連続して結合された六員環(以下、「二重六員環」とする。)、独立してひとつの六員環がC軸方向に形成された六員環(以下、「平面六員環」とする。)、及び、独立してひとつの六員環がC軸方向以外に形成された六員環(以下、「歪んだ六員環」とする)、を有する構造である。このように、LEV構造は二重六員環、平面六員環、及び歪んだ六員環を有する構造である。なお、ファミリーに分類される構造であるCHA構造は、AABBCCで表される。当該構造は六員環として二重六員環のみを有する構造であり、平面六員環及び歪んだ六員環を含まない。
本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、歪んだ六員環に遷移金属を有することを特徴とする。これにより、従来の金属含有LEV型ゼオライトと比較して、高い耐熱水性を有するLEV型ゼオライトとなる。
なお、LEV構造に含まれる歪んだ六員環は、当該歪んだ六員環のみを構成する酸素原子(以下、「O1」とする。)、並びに、歪んだ六員環及び二重六員環の両者を構成する酸素原子(以下、「O3」とする。)の2種類の酸素原子から構成される。
本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、歪んだ六員環に遷移金属を有するが、更に、歪んだ六員環の中心に遷移金属を有することが好ましい。歪んだ六員環の中心に遷移金属を有することで、遷移金属とLEV型ゼオライトの相互作用がより強固になる。これにより、本発明の金属含有LEV型ゼオライトの窒素酸化物還元特性、特に200℃以下の低温下での窒素酸化物還元特性がより高くなる。
本発明において「歪んだ六員環の中心」とは、当該歪んだ六員環を構成するO1から2.87±0.90Å、更には2.87±0.50Å、また更には2.87±0.30Å、また更には2.87±0.10Å、なおかつ、O3から2.00±0.10Åを満たす位置である。そのため、本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、遷移金属がO1から2.87±0.90Å、更には2.87±0.50Å、また更には2.87±0.30Å、また更には2.87±0.10Å、なおかつ、O3から2.00±0.10Åを満たす距離に存在することが好ましい。
さらに、本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、これに含まれる遷移金属の50mol%以上、更には60mol%以上、また更には65mol%以上を歪んだ六員環上に有することがより好ましい。歪んだ六員環上に存在する遷移金属が多くなるほど、LEV型ゼオライトの窒素酸化物還元特性、特に200℃以下での窒素酸化物還元特性がより高くなる傾向にある。
本発明の金属含有LEV型ゼオライトの遷移金属の存在位置及び存在比率は、この粉末X線回折パターンをリートベルト解析することにより求めることができる。
LEV型ゼオライトとしては、Nu−3、ZK−20、LZ−132、LZ−133、ZSM−45、RUB−50及びSSZ−17の群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、Nu−3であることがより好ましい。
本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、遷移金属を含む。ゼオライトが遷移金属を含むことで、両者の間に相互作用が生じる。これにより、窒素酸化物還元特性を発現する。遷移金属としては、周期表の8族、9族、10族及び11族の群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、鉄(Fe)、銅(Cu)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)及びインジウム(In)の群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、鉄又は銅の少なくともいずれかであることが更により好ましく、実質的に、銅のみであることが好ましい。
本発明のLEV型ゼオライトは、更に金属を含んでもよい。金属としては、周期表の2族、3族及びランタノイドの元素の群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)及びランタン(La)の群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、カルシウムであることが更により好ましい。
本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、SiO/Alモル比が10以上、更には15以上、また更には20以上、また更には25以上、特に30以上であることが好ましい。SiO/Alモル比が低くなると固体酸点が多くなる。これにより、本発明の金属含有LEV型ゼオライトが、遷移金属を安定に保持しやすくなる。SiO/Alモル比が高くなると耐熱水性が向上する傾向にある。更に、SiO/Alモル比が30を超えると耐熱水性がより向上しやすくなる。SiO/Alモル比は40以下であれば、本発明の金属含有LEV型ゼオライトが、遷移金属を安定に保持するための固体酸点の量が十分になる。
本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、アルミニウムに対する遷移金属の原子割合(以下、「Me/Al」とする。)が0.20以上、更には0.30以上であることが好ましい。Me/Alが大きくなることで窒素酸化物還元率がより高くなる。一方、Me/Alが高いほど窒素酸化物還元率が高くなる傾向があるが、Me/Alが0.55以下、更には0.45以下、であれば実用的な窒素酸化物還元率を示す。
本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、遷移金属の含有量が1.0重量%以上であることが好ましく、1.5重量%以上であることがより好ましく、2.0重量%以上であることが更に好ましい。遷移金属の含有量が1.0重量%以上であることで、本発明の金属含有LEV型ゼオライトの窒素酸化物還元率がより高くなりやすい。一方、遷移金属の含有量が5.0重量%以下、更には4.0重量%以下、また更には3.5重量%以下、また更には3.0重量%以下であれば、余剰な遷移金属とゼオライト骨格のアルミニウムとの副反応が起こりにくくなる。
ここで、本発明において、遷移金属の含有量(重量%)は、本発明の金属含有LEV型ゼオライトの乾燥重量に対する遷移金属の重量である。当該遷移金属の重量は、例えば、誘導結合プラズマ発光分析法による組成分析などにより求めることができる。
本発明の金属含有LEV型ゼオライトはシラノール基(Si−OH)が少ないことが好ましい。シラノール基の含有量(以下、「シラノール量」とする。)が少ないことにより、金属含有LEV型ゼオライトが高温度の熱水雰囲気下に晒された後であっても、低温下における窒素酸化物還元特性、特に150℃以下の低温における窒素酸化物還元特性が高くなる傾向がある。そのため、熱水雰囲気下に晒された前後における、窒素酸化物還元率の低下が小さくなりやすく、より寿命の長い触媒となりやすい。
LEV型ゼオライトに含まれるシラノール基は骨格端部に含まれる。より具体的には、シラノール基はLEV型ゼオライト結晶の欠陥として、結晶内部に存在するシラノール基(以下、「内部シラノール」とする。)、及びゼオライト結晶の末端として、結晶の外表面に存在するシラノール基(以下、「表面シラノール」とする。)に分けられる。本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、内部シラノール及び表面シラノールのいずれもが少ないことが好ましい。
本発明において、金属含有LEV型ゼオライトに含まれるシラノール量は、FT−IRスペクトルから求めることでき、以下の式から求まる相対シラノール量から評価することができる。
相対シラノール量=(内部シラノール+表面シラノール)÷骨格振動
上記式において、内部シラノールは、FT−IRスペクトルにおける3720±2cm−1に頂点を有するピークの強度、表面シラノールは3738±2cm−1に頂点を有するピークの強度、及び、骨格振動は1850±5cm−1に頂点を有するピークの強度である。FT−IRスペクトルは、試料の表面からの拡散反射光を測定して得られる赤外スペクトル、いわゆる拡散反射法により得られるFT−IRスペクトルであることが好ましく、加熱拡散反射法により得られるFT−IRスペクトルであることがより好ましい。
より詳細には、上記式において、内部シラノールは、クベルカ−ムンク(Kubelka−Munk)変換後のFT−IRスペクトル(以下、「K−M変換後スペクトル」とする。)において、3100〜3800cm−1の範囲でベースラインを引き波形分離を行ったときの3720±2cm−1に頂点を有するピークの強度である。表面シラノールは、K−M変換後スペクトルにおいて、3100〜3800cm−1の範囲でベースラインを引き波形分離を行ったときの3738±2cm−1に頂点を有するピークの強度である。骨格振動は、K−M変換後スペクトルにおいて、1800〜1950cm−1の範囲でベースラインを引いたときの1850±5cm−1に頂点を有するピークの強度である。FT−IRスペクトルにおける各ピークの強度は、各FT−IRピークの高さから求めることができる。
上記式から求まる相対シラノール量は、金属含有LEV型ゼオライト中のシラノール量を当該ゼオライトの骨格振動を基準に指標化したものである。これにより、異なる金属含有LEV型ゼオライト間でのシラノール量が対比できる。FT−IRスペクトルの強度は、試料の粒子径や凝集状態等によって変化する。そのため、異なる2以上の試料のFT−IRスペクトルの強度を直接比較しても、これら試料間のシラノール量の対比はできない。
本発明の金属含有LEV型ゼオライトは相対シラノール量が少ないことが好ましい。相対シラノール量は2.5以下、更には2.0以下、また更には1.0以下であることが好ましい。これにより水熱雰囲気下に晒された後であっても、低温における窒素酸化物還元特性、特に150℃における窒素酸化物還元特性の低下が生じにくくなる。本発明の金属含有LEV型ゼオライトはシラノール基を含む。そのため、相対シラノール量は0.01以上、更には0.1以上、また更には0.25以上であることが挙げられる。
本発明の金属含有LEV型ゼオライトは高温度の熱水雰囲気下に晒すことにより、その相対シラノール量が増加する傾向がある。しかしながら、高温度の熱水雰囲気下に晒す前後の、相対シラノール量の増加率は10%以下、更には8%以下であり、その変化が小さい。例えば、本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、900℃で、10体積%のHOを含む空気を空間速度(SV)6,000hr−1で流通させる処理前後の相対シラノール量の増加率が0.1%以上、10%以下であることが挙げられる。これにより、長期間、高温度の水熱雰囲気下で使用された場合であっても、本発明の金属含有LEV型ゼオライトが安定した窒素酸化物還元特性を有しやすい。
なお、高温度の熱水雰囲気下への曝露した場合、曝露の前後で、相対シラノール量が大幅に減少するLEV型ゼオライトがある。相対シラノール量が減少する理由のひとつとして、LEV構造が部分的に崩壊することによるアモルファス化の進行が挙げられる。このようなLEV型ゼオライトは、LEV型構造の崩壊にともない窒素酸化物還元特性が著しく低くなる。
本発明のLEV型ゼオライトは、平均粒子径が0.4μm以上、更には0.5μm以上、また更には1.5μm以上、また更には2.0μm以上であることが好ましい。平均粒子径が0.4μm以上であることで、本発明のLEV型ゼオライトの耐熱性が高くなりやすい。
なお、本発明における平均粒子径とは、一次粒子の平均粒子径である。本発明における一次粒子は、走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」とする。)観察において、独立した最小単位の粒子として確認することができる粒子である。従って、SEM観察において複数粒子の凝集体として観察される粒子、いわゆる二次粒子の粒子径を平均して求まる平均粒子径と、本発明における平均粒子径は異なるものである。
本発明において、平均粒子径は、SEM観察によって一次粒子を無作為に100個以上観察し、観察された一次粒子の水平フェレ径の平均値から求めることができる。
次に、本発明の金属含有LEV型ゼオライトの製造方法について説明する。
本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、LEV型ゼオライトに遷移金属を含有させる金属含有工程、及び、前記金属含有工程後のLEV型ゼオライトを焼成する焼成工程を含むことにより製造することができる。
金属含有工程では、LEV型ゼオライトに遷移金属を含有させる。
金属含有工程で使用する遷移金属としては、周期表の8族、9族、10族及び11族の群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属を含む化合物であることが好ましく、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、鉄(Fe)、銅(Cu)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)及びインジウム(In)の群から選ばれる少なくとも1種を含む化合物であることがより好ましく、鉄又は銅の少なくともいずれかを含む化合物であることが更により好ましく、銅を含む化合物であることが好ましい。遷移金属を含む化合物として、これらの遷移金属の硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、錯塩、酸化物及び複合酸化物の群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
LEV型ゼオライトに遷移金属を含有させる方法としては、LEV型ゼオライトと遷移金属化合物とを混合する方法(以下、「後含有法」とする。)、又は、遷移金属を含む原料混合物からLEV型ゼオライトを結晶化させる方法(以下、「前含有法」とする。)が挙げられる。
後含有法として、例えば、含浸担持法、蒸発乾固法、沈殿担持法、及び物理混合法の群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。焼成工程において歪んだ六員環への遷移金属の導入が促進されやすいこと、及び、金属含有工程後のLEV型ゼオライトの遷移金属含有量を制御しやすいことから、後含有法による遷移金属の含有方法は含浸担持法であることが好ましい。
前含有法として、遷移金属を含む原料組成物を結晶化する方法が挙げられる。前記遷移金属を含む原料組成物は、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源、構造指向剤、及び遷移金属源と混合する方法、又は、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び構造指向剤のいずれかひとつ以上に遷移金属を含有する化合物を含む原料組成物をあげることができる。
本発明の製造方法では、金属含有工程後のLEV型ゼオライトを焼成する焼成工程を含む。これにより、LEV型ゼオライトに含まれる遷移金属が、LEV型ゼオライトの歪んだ六員環への導入が促進され、なおかつ、遷移金属が歪んだ六員環の中央に位置しやすくなる。これにより、金属含有LEV型ゼオライトの耐熱水性が特に高くなる。
上記の効果が得られる焼成工程の条件として、500℃以上、更には550℃以上、また更には600℃以上、また更には700℃以上、また更には800℃以上、また更には900℃以上で焼成することが挙げられる。また、焼成工程は、大気中、水熱雰囲気下等の雰囲気で行うことができ、大気中(空気中)であることが好ましい。焼成時間は任意であり、焼成温度が高くなるほど焼成時間を短くすることができる。焼成時間として、1時間以上、24時間以下が例示できる。
より広い温度範囲における窒素酸化物還元率、例えば、150℃以上500℃以下における窒素酸化物還元率が高くなる傾向があるため、焼成温度は700℃以上、更には800℃以上、また更には850℃以上、また更には900℃以上であることが好ましい。より好ましい焼成条件として大気中、800℃以上950℃以下で2時間以上5時間以下を挙げることができる。
上記金属含有工程に供するLEV型ゼオライトは、10体積%の水蒸気を含む空気中、900℃、1時間で処理後のアンモニアTPD法によるアンモニア脱離量が0.35mmol/g以上であるLEV型ゼオライト又はケイ素に対するシラノール基のモル比(以下、「SiOH/Si比」とする。)が1.5×10−2以下、更には1.0×10−2以下のLEV型ゼオライトの少なくともいずれかであることが好ましい。これにより、得られる金属含有LEV型ゼオライトの窒素酸化物還元特性、特に200℃以下での窒素酸化物還元特性がより高くなりやすい。
アンモニアTPD法としては、以下の3つの工程を有する方法を例示することができる。
1)ゼオライトに吸着したガスや水分等を除去する前処理工程
2)アンモニアをゼオライトに吸着させるアンモニア吸着工程、及び
3)ゼオライトに吸着されたアンモニアを、そこから脱離させるアンモニア脱離工程 上記1)から3)の工程で適用する条件、例えば、温度、ガス種、ガス流量など、により、アンモニアTPD法で定量されるアンモニア脱離量は異なりやすい。本発明におけるアンモニアTPD法としては以下の方法を例示することができる。
前処理工程として、試料0.1gに対し、60mL/分、500℃、1時間でヘリウムガスを流通する。次いで、アンモニア吸着工程として、試料へのアンモニア吸着が飽和になるまで、60mL/分、室温で10体積%アンモニアを含むヘリウムガスを試料に流通する。ヘリウムガスを60mL/分、100℃、1時間反応管に流通して雰囲気中のアンモニアを系外に排出した後、アンモニア脱離工程として、10℃/分の昇温速度で700℃まで昇温を行う。脱離したアンモニアを熱伝導度検出器により検出し、リファレンスガスとの比較により定量する。求まったアンモニア脱離量を、試料重量で割って得られる値をアンモニア脱離量(mmol/g)とする。この際の試料重量は、試料に物理的に吸着した水分を含まない重量、すなわち、ゼオライトに含まれるケイ素、アルミニウム及び遷移金属の酸化物重量の和である。このような重量として、例えば、試料を空気雰囲気下600℃で30分間熱処理した後の重量を用いることができる。
金属含有工程に供するLEV型ゼオライト、すなわち、遷移金属を含有しないLEV型ゼオライトのSiOH/Si比は、LEV型ゼオライトのケイ素の含有量に対する1H MAS NMRスペクトルから求まるシラノール量、から求めることができる。
金属含有工程に供するLEV型ゼオライトのケイ素の含有量はICP法その他の組成分析により求めることができる。シラノール量の求め方として、例えば、脱水処理をしたLEV型ゼオライトを1H MAS NMR測定し、得られた1H MAS NMRスペクトルから検量線法により、シラノール量を算出することが挙げられる。
より具体的なシラノール量の測定方法として、LEV型ゼオライトを真空排気下にて400℃で5時間保持して脱水処理し、脱水処理後のLEV型ゼオライトを窒素雰囲気下で採取し秤量し、1H MAS NMR測定をすることが挙げられる。当該測定により得られる1H MAS NMRスペクトルのシラノール基に帰属されるピーク(2.0±0.5ppmのピーク)の面積強度から、検量線法によりLEV型ゼオライト中のシラノール量を求めることが挙げられる。
なお、このようなLEV型ゼオライトは、たとえば、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び構造指向剤を含む原料組成物を結晶化する結晶化工程を含むLEV型ゼオライトの製造方法であって、前記シリカ源が沈殿法シリカ又はアルミノシリケートゲルの少なくともいずれかであることを特徴とする製造方法、又は、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び構造指向剤を含む原料組成物を結晶化する結晶化工程を含むLEV型ゼオライトの製造方法であって、前記原料組成物が、構造指向剤に対するアルカリ金属のモル比が0.2以上であり、なおかつ、アルミナに対するシリカのモル比が10以上であることを特徴とする製造方法により得ることができる。
結晶化工程により、原料組成物が結晶化してLEV型ゼオライトが得られる。
シリカ源は、シリカ(SiO)又はその前駆体となるケイ素化合物であり、例えば、コロイダルシリカ、無定型シリカ、珪酸ナトリウム、テトラエチルオルトシリケート、沈殿法シリカ又はアルミノシリケートゲルの群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができ、沈殿法シリカ又はアルミノシリケートゲルの少なくともいずれかであり、沈殿法シリカであることが好ましい。これにより上記のアンモニアTPD特性を有するLEV型ゼオライトが得られやすくなる。
アルミナ源としては、アルミナ(Al)又はその前駆体となるアルミニウム化合物であり、例えば、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミノシリケートゲル及び金属アルミニウムの群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。なお、シリカ源をアルミノシリケートゲルとした場合、これはアルミナ源ともなる。
アルカリ源はアルカリ金属の化合物であり、特に塩基性を示すアルカリ金属の化合物である。具体的なアルカリ源としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウムの群から選ばれる少なくとも1種、並びに、アルミナ源及びシリカ源の少なくともいずれかに含まれるアルカリ成分を挙げることができる。
SDAは、1−アダマンタンアミン(1−アミノアダマンタン)、メチルキヌクリジン、キヌクリジン、1−メチル−1−アゾニア−4−アザビシクロ[2,2,2]オクタン、ジメチルジエチルアンモニウム、コリン及びコバルトセンの群から選ばれる少なくとも1種であり、1−アダマンタンアミン、メチルキヌクリジン、1−メチル−1−アゾニア−4−アザビシクロ[2,2,2]オクタン、ジメチルジエチルアンモニウム及びコリンの群から選ばれる少なくとも1種、更には1−アダマンタンアミン又はジメチルジエチルアンモニウムのいずれか、また更には1−アダマンタンアミンである。
SDAは、1級アミン、2級アミン及び3級アミンの群から選ばれる少なくともいずれかであることが好ましく、1−アダマンタンアミン又はキヌクリジンの少なくともいずれかであることがより好ましく、1−アダマンタンアミンであることが更に好ましい。
これらのSDAはこれをそのまま又はこれらの塩であってもよい。SDAが塩である場合は無機酸塩、更には塩酸塩又は硫酸塩のいずれかであってもよい。例えば、1−アダマンタンアミンの塩として、1−アダマンタンアミン塩酸塩又は1−アダマンタンアミン硫酸塩の少なくともいずれかを挙げることができる。
原料組成物は上記を含み、なおかつ、以下の組成を有していることが好ましい。
SiO/Al 10以上、60未満
OH/SiO 0.05以上、1.00未満
SDA/SiO 0.05以上、1.00未満
O/SiO 5以上、50未満
なお、上記組成における各割合はモル(mol)割合である。
また、結晶化工程に供する原料組成物は、構造指向剤(SDA)に対するアルカリ金属のモル比(以下、「M/SDA比」とする。)は0.2以上であることが好ましく、0.30以上であることがより好ましく、0.33以上であることが更に好ましく、0.34以上であることがより更に好ましい。
M/SDA比が0.2以上であることでSDAがイオン化(カチオン化)しにくくなる。これにより、原料組成物の結晶化過程において、カチオン化したSDAのカウンターイオンとなる水酸化物イオンの取込が抑制される。さらに、M/SDA比が0.34以上であることで、アルミナに対するシリカのモル比(SiO/Al比)が30以上の、高いSiO/Al比を有するLEV型ゼオライトの単相が得られやすくなる。
結晶化工程において、原料組成物のアルミナに対するシリカのモル比(SiO/Al比)は10以上、更には20以上、また更には30以上、また更には35以上であることが好ましい。
原料組成物のシリカに対する水のモル比(以下、「HO/SiO比」とする。)は、5以上、50以下を挙げることができる。HO/SiO比がこの範囲であれば、結晶化中に適度な攪拌が可能な粘度となる。
そのため、原料組成物は、以下の組成を有していることが更に好ましい。
SiO/Al比 25以上、60未満
O/SiO比 5以上、50未満
M/SDA比 0.2以上、2.0以下
(Mはアルカリ金属、SDAは構造指向剤である)
さらには、以下の組成を有していることがより好ましい。
SiO/Al比 30以上、40未満
O/SiO比 5以上、30未満
M/SDA比 0.33以上、0.9以下
なお、上記組成における各割合はモル(mol)割合であり、Mはアルカリ金属、SDAは構造指向剤である。また、SDAは1−アダマンタンアミンである。
さらに、原料組成物は種晶を含んでいてもよい。これにより結晶化がより効率的になる。種晶としてはゼオライト骨格に二重六員環を有するゼオライト、更にはLEV型ゼオライト、CHA型ゼオライト及びFAU型ゼオライトの群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができ、また更にはLEV型ゼオライト又はCHA型のゼオライトの少なくともいずれかを挙げることができる。より好ましい種晶としてNu−3、ZK−20、LZ−132、LZ−133、ZSM−45、SSZ−17及び天然レビナイトの群から選ばれる少なくとも1種のゼオライト、更にはNu−3又はZSM−45の少なくともいずれか、また更にはNu−3を挙げることができる。原料組成物に含まれる種晶は、固形分量に対して0.05重量%以上、20重量%以下を例示することができる。
結晶化工程において、原料組成物が結晶化すれば、その結晶化方法は適宜選択することができる。好ましい結晶化方法として、原料組成物を水熱処理することが挙げられる。水熱処理は、原料組成物を密閉耐圧容器に入れ、これを加熱すればよい。水熱処理条件として以下のものを挙げることができる。
処理温度 :100℃以上、200℃以下、好ましくは150℃以上、190℃以下、より好ましくは170℃以上、180℃以下の任意の温度
処理時間 :2時間以上、500時間以下、好ましくは10時間以上、300時間以下
処理圧力 :自生圧
結晶化工程における原料組成物は、静置された状態又は攪拌された状態のいずれでもよい。得られるLEV型ゼオライトの組成がより均一になるため、結晶化は原料混合物が攪拌された状態で行うことが好ましい。
金属含有工程に供するLEV型ゼオライトは、結晶化工程の後、金属含有工程の前に、洗浄工程、乾燥工程、SDA除去工程、アンモニウム処理工程又は熱処理工程の1つ以上を含んでいてもよい。
洗浄工程は、結晶化後のLEV型ゼオライトと液相とを固液分離する。洗浄工程は、公知の方法で固液分離をし、固相として得られるLEV型ゼオライトを純水で洗浄すればよい。
乾燥工程は、結晶化工程後又は洗浄工程後のLEV型ゼオライトから水分を除去する。乾燥工程の条件は任意であるが、結晶化工程後又は洗浄工程後のLEV型ゼオライトを、大気中、100℃以上、150℃以下で2時間以上、静置又はスプレードライヤーによる乾燥が例示できる。
SDA除去工程は、LEV型ゼオライトに含まれるSDAを除去するために行う。通常、結晶化工程を経たLEV型ゼオライトは、その細孔内にSDAを含有している。そのため、必要に応じてこれらを除去することができる。
SDA除去工程は、SDAが除去されれば任意の方法で行うことができる。これらの除去法として、酸性水溶液を用いた液相処理、レジンなどを用いた交換処理、熱分解処理及び焼成処理の群からなる少なくとも1種の処理方法を挙げることができる。製造効率の観点から、SDA除去工程は熱分解処理又は焼成処理のいずれかであることが好ましい。
アンモニウム処理工程は、LEV型ゼオライトに含有されるアルカリ金属を除去するために行う。アンモニウム処理工程は一般的な方法で行うことができる。例えば、アンモニウムイオンを含有する水溶液をLEV型ゼオライトと接触させることで行う。
熱処理工程では、LEV型ゼオライトを400℃以上、600℃以下の熱処理を行う。カチオンタイプがアンモニウム型(NH 型)のLEV型ゼオライトである場合、当該熱処理により、カチオンタイプがプロトン型(H型)のLEV型ゼオライトとなる。より具体的な熱処理条件としては、大気中、500℃、1〜2時間を挙げることができる。
本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、これを窒素酸化物還元触媒として、特にSCR触媒として使用することができる。さらには、より高い排気ガス温度となるディーゼル車用のSCR触媒として使用することができる。
本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、高い窒素酸化物還元特性を有し、特に水熱耐久処理後であっても高い窒素酸化物還元特性を有する。
ここで、水熱耐久処理とは、900℃で、10体積%のHOを含む空気を空間速度(SV)6,000hr−1で流通させる処理をいう。水熱耐久処理の時間は任意であるが、当該処理の時間が長くなることで、ゼオライトへの熱負荷が大きくなる。そのため、一般的には水熱耐久処理が長くなるほど、ゼオライト骨格からのアルミニウムの脱離をはじめとする、ゼオライトの崩壊が起こりやすくなる。これにより窒素酸化物還元特性は低下する。
本発明は、従来の金属含有LEV型ゼオライトよりも耐熱水性に優れている。
本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、水熱耐久処理の後であっても、200℃以下、更には150℃以下の低温域においても高い窒素酸化物還元率を有する。
更には、本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、水熱耐久処理及びこれと同等な高温水熱下に晒されても、窒素酸化物還元率の低下が極めて小さい。これに加え、本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、高温に晒されることで、より窒素酸化物還元率が向上する。
本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、窒素酸化物還元触媒として、更にはSCR触媒として、また更にはアンモニアSCR触媒として使用することができる。そのため、本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、長期間、高温水熱下に晒されても安定した窒素酸化物還元特性を示す触媒として提供することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(LEV構造の同定)
一般的なX線回折装置(商品名:MXP−3、マックサイエンス社製)を使用し、試料の粉末X線回折測定をした。線源にはCuKα線(λ=1.5405Å)を用い、測定モードはステップスキャン、スキャン条件は毎秒0.04°、計測時間は3秒、および測定範囲は2θとして4°から44°の範囲で測定した。
得られたXRDパターンと、表1の粉末X線回折パターンとを比較することで、試料を同定した。
Figure 2015155365
(リートベルト解析)
リートベルト解析により、試料が含有する銅の総量、歪んだ六員環における銅の存在割合、及び、歪んだ六員環における銅の存在位置・距離を求めた。
前処理としてLEV型ゼオライトを400℃で30分間真空加熱した。その後、スペクトリス株式会社製 X‘PERT PRO MPDを用いて、X線源CuKα、加速電圧45kV、管電流40mA、操作速度2θ=0.02deg/sec、サンプリング間隔0.017deg、自動可変スリット(照射幅 10mm×10mm)、ゴニオ半径240mmで評価した。
得られたXRDプロファイルをリートベルト解析ソフト(RIETAN−2000)にて解析し、得られた各サイトの銅の席占有率から、歪んだ六員環における銅の存在割合及び各元素の原子間距離を算出した。なお、解析に用いたLEV型ゼオライトの結晶構造データは文献(Merlino, S., Galli, E. and Alberti, A. Tschermaks Min. Petr. Mitt., 22, 117−129 (1975))から引用した。
(平均粒子径の測定方法)
一般的な走査型電子顕微鏡(商品名:JSM−6390LV型、日本電子社製)を用い、試料を走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」とする)観察した。SEM観察の倍率は10,000倍とした。SEM観察により得られた試料のSEM像から、100個の結晶粒子を無作為に選択しその水平フェレ径を測定した。得られた測定値の平均値を求め、試料の平均結晶粒径とした。
(銅及びアルミニウムの定量)
組成分析は誘導結合プラズマ発光分析法(ICP法)により行った。すなわち、試料をフッ酸と硝酸の混合溶液に溶解させ、測定溶液を調製した。一般的な誘導結合プラズマ発光分析装置(商品名:OPTIMA3000DV、PERKIN ELMER製)を用いて、得られた測定溶液を測定して試料の組成を分析した。
アルミニウム(Al)のモル濃度に対する、銅(Cu)のモル濃度を求め、これをアルミニウムに対する銅の原子割合とした。
(窒素酸化物還元率の測定方法)
試料の窒素酸化物還元率は、以下に示すアンモニアSCR方法により測定した。
プレス成形後、12メッシュ〜20メッシュに整粒した試料を1.5mL量りとり、これを反応管に充填した。その後、150℃、200℃、300℃、400℃及び500℃の各温度で、窒素酸化物を含む以下の組成からなる処理ガスを当該反応管に流通させた。処理ガスの流量は1.5L/min、及び空間速度(SV)は60,000hr−1として測定を行った。
処理ガス組成 NO 200ppm
NH 200ppm
10容量%
O 3容量%
残部 N
反応管に流通させた処理ガス中の窒素酸化物濃度(200ppm)に対する、触媒流通後の処理ガス中の窒素酸化物濃度(ppm)を求め、以下の式に従って、窒素酸化物還元率を求めた。
窒素酸化物還元率(%)
={1−(接触後の処理ガス中の窒素酸化物濃度/接触前の処理ガス中の窒素酸化物濃度)}×100
(相対シラノール量の測定方法)
相対シラノール量は以下のようにFT−IRにより測定した。測定には、一般的なFT−IR装置(商品名:660−IR、Varian製)及び加熱拡散反射装置(商品名:STJ900℃加熱拡散反射装置、エス・ティ・ジャパン製)を用いた。前処理として試料を真空排気下、10℃/分で400℃に昇温した後、これを2時間保持した。測定条件はリファレンスをKBr、波長範囲を400〜4000cm−1、分解能を4cm−1、積算回数を128回として測定し、FT−IRスペクトルを得た。
得られたK−M変換後のスペクトルにおいて、1800〜1950cm−1の範囲でベースラインを引いたときの1850±5cm−1を頂点とするピークの強度(ピーク高さ)をゼオライトの骨格振動として定量した。同様に、K−M変換後のスペクトルにおいて3100〜3800cm−1の範囲でベースラインを引き波形分離を行ったときの3720±2cm−1及び3738±2cm−1を頂点とするピークの強度(ピーク高さ)を、それぞれ内部シラノール及び表面シラノールとして定量した。内部シラノール、表面シラノール及び骨格振動から、以下の式に従って、相対シラノール量を求めた。
相対シラノール量=(内部シラノール + 表面シラノール) ÷ 骨格振動
実施例1
(LEV型ゼオライトの製造)
沈降法シリカ(Nipsil VN−3)11.3gに純水117.3g、アルミン酸ナトリウム(試薬特級)2.97g及び1−アダマンタンアミン(試薬特級)8.5gを加え撹拌して反応混合物を得た。反応混合物の組成はモル比で以下のとおりであった。
SiO/Al =30
Na/SiO =0.120
O/SiO =40
Na/1−アダマンタンアミン =0.360
得られた反応混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを回転させながら、180℃で240時間加熱して生成物を得た。
生成物を濾過、洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。得られた生成物の粉末X線回折パターンは表1と同等な粉末X線回折パターンを示した。これにより、当該生成物はLEV型ゼオライトであること、すなわちLEV型ゼオライト以外の相を含まない、単一相のNu−3が確認できた。また、本実施例のSiO/Alモル比は24及び平均粒子径は2.9μmであった。また、当該LEV型ゼオライトの1H MAS NMRスペクトルから検量線法により求めたSiOH/Si比は0.49×10−2であった。
(銅の含有)
得られたLEV型ゼオライトを空気中、600℃で2時間焼成することでLEV型ゼオライトが含有する1−アダマンタンアミンを除去した。
焼成後のLEV型ゼオライトを20%塩化アンモニウム水溶液で処理した後、大気中110℃で一晩乾燥した。これにより、NH型のLEV型ゼオライトを得た。
銅の含有は含浸担持法により行った。硝酸銅三水和物1.3gを純水4.2gに溶解して硝酸銅溶液を調製した。当該硝酸銅溶液を、得られたNH型のLEV型ゼオライト12gに滴下し、乳鉢により5分間混合した。混合後の試料を110℃で一晩乾燥させた。乾燥後の試料を、空気中、550℃で2時間焼成する処理を行った。当該処理後の試料の状態を「フレッシュ」とし、当該処理後の状態の試料を「フレッシュ試料」とする。
得られたフレッシュ試料は、銅が2.9重量%、及びCu/Alが0.37であった。
(水熱耐久処理)
フレッシュ試料をプレス成形し、凝集径12メッシュ〜20メッシュの凝集粒子とした。凝集粒子状の試料3mLを常圧固定床流通式反応管に充填し、これに10体積%のHOを含む空気を300mL/分(空間速度として6,000h−1)で流通させて水熱耐久処理を行った。水熱耐久処理は900℃で1時間、2時間、4時間及び8時間のいずれかの時間で行った。
本実施例の水熱耐久処理後の試料についてFT−IR測定を行い、相対シラノール量を算出した。
実施例2
沈降法シリカ9.75gに純水100.7g、アルミン酸ナトリウム2.10g、48%水酸化ナトリウム0.22g及び1−アダマンタンアミン7.3gを加え撹拌して反応混合物を得た。反応混合物の組成はモル比で以下のとおりであった。
SiO/Al =36
Na/SiO =0.117
O/SiO =40
Na/1−アダマンタンアミン =0.350
得られた反応混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを回転させながら、180℃で240時間加熱して生成物を得た。
生成物を濾過、洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。得られた生成物の粉末X線回折パターンは表1と同等な粉末X線回折パターンを示した。これにより、当該生成物はLEV型ゼオライト以外の相を含まない、単一相のNu−3であることが確認できた。また、生成物のシリカアルミナモル比は31及び平均粒子径は4.3μmであった。また、当該LEV型ゼオライトの1H MAS NMRスペクトルから検量線法により求めたSiOH/Si比は0.63×10−2であった。
硝酸銅三水和物1.1gを純水4.3gに溶解して調製した硝酸銅溶液を使用したこと以外は実施例1と同様な方法で試料と硝酸銅溶液との混合、乾燥及び焼成を行い、フレッシュ試料を得た。
得られたフレッシュ試料は、銅が2.4重量%、及びCu/Alが0.38であった。
本実施例の銅含有LEV型ゼオライトを使用したこと、及び、任意の処理時間としたこと以外は実施例1と同様な方法で水熱耐久処理を行った。また、フレッシュ試料及び各水熱耐久処理後の試料について実施例1と同様な方法で及び窒素酸化物還元特性の評価を行った。
本実施例の水熱耐久処理後の試料についてFT−IR測定を行い、相対シラノール量を算出した。
実施例3
沈降法シリカ9.57gに純水100.0g、アルミン酸ナトリウム1.89g、48%水酸化ナトリウム0.31g、及び1−アダマンタンアミン7.2gを加え、これを撹拌して反応混合物を得た。反応混合物の組成はモル比で以下のとおりであった。
SiO/Al =40
Na/SiO =0.115
O/SiO =40
Na/1−アダマンタンアミン =0.346
当該反応混合物に、実施例1で得たLEV型ゼオライト1.01gを添加した後、得られた反応混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを回転させながら、180℃で240時間加熱して生成物を得た。
生成物を濾過、洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。得られた生成物の粉末X線回折パターンは表1と同等な粉末X線回折パターンを示した。これにより、当該生成物はLEV型ゼオライト以外の相を含まない、単一相のNu−3であることが確認できた。また、生成物のシリカアルミナモル比は33及び平均粒子径は7.0μmであった。また、当該LEV型ゼオライトの1H MAS NMRスペクトルから検量線法により求めたSiOH/Si比は0.65×10−2であった。
硝酸銅三水和物1.0gを純水4.3gに溶解して調製した硝酸銅溶液を使用したこと以外は実施例1と同様な方法で試料と硝酸銅溶液との混合、乾燥及び焼成を行い、フレッシュ試料を得た。
得られたフレッシュの試料は、銅が2.3重量%、及びCu/Alが0.38であった。
本実施例の銅含有LEV型ゼオライトを使用したこと、及び、任意の処理時間としたこと以外は実施例1と同様な方法で水熱耐久処理を行った。また、フレッシュ試料及び各水熱耐久処理後の試料について実施例1と同様な方法で及び窒素酸化物還元特性の評価を行った。
実施例4
沈降法シリカ9.58gに純水100.3g、アルミン酸ナトリウム1.89g、1−アダマンタンアミン7.2gを加え撹拌して反応混合物を得た。反応混合物の組成はモル比で以下のとおりであった。
SiO/Al =40
Na/SiO =0.090
O/SiO =40
Na/1−アダマンタンアミン =0.271
当該反応混合物に、チャバザイト型ゼオライト(CHA型ゼオライト)1.01gを添加した後、得られた反応混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを回転させながら、180℃で240時間加熱して生成物を得た。
チャバザイト型ゼオライトはシリカアルミナモル比が30のものを使用した。
生成物を濾過、洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。得られた生成物の粉末X線回折パターンは表1と同等な粉末X線回折パターンを示した。これにより、当該生成物はLEV型ゼオライト以外の相を含まない、単一相のNu−3であることが確認できた。また、生成物のシリカアルミナモル比は34及び平均粒子径は0.67μmであった。また、当該LEV型ゼオライトの1H MAS NMRスペクトルから検量線法により求めたSiOH/Si比は0.65×10−2であった。
硝酸銅三水和物0.9gを純水4.3gに溶解して調製した硝酸銅溶液を使用したこと以外は実施例1と同様な方法で試料と硝酸銅溶液との混合、乾燥及び焼成を行い、フレッシュ試料を得た。
得られたフレッシュの試料は、銅が2.1重量%、及びCu/Alが0.35であった。
本実施例の銅含有LEV型ゼオライトを使用したこと、及び、任意の処理時間としたこと以外は実施例1と同様な方法で水熱耐久処理を行った。また、フレッシュ試料及び各水熱耐久処理後の試料について実施例1と同様な方法で及び窒素酸化物還元特性の評価を行った。
本実施例の水熱耐久処理後の試料についてFT−IR測定を行い、相対シラノール量を算出した。
実施例5
実施例1と同様な方法で、LEV型ゼオライトを得、これを焼成、20%塩化アンモニウム水溶液で処理、及び乾燥することでNH型のLEV型ゼオライトを得た。
硝酸銅三水和物1.8gを純水4.1gに溶解して調製した硝酸銅溶液を使用したこと以外は実施例1と同様な方法で試料と硝酸銅溶液との混合、乾燥及び焼成を行い、フレッシュ試料を得た。得られたフレッシュ試料は、シリカアルミナモル比が24、銅が2.9重量%、及びCu/Alが0.49であった。
本実施例の銅含有LEV型ゼオライトを使用したこと、及び、任意の処理時間としたこと以外は実施例1と同様な方法で水熱耐久処理を行った。また、フレッシュ試料及び各水熱耐久処理後の試料について実施例1と同様な方法で及び窒素酸化物還元特性の評価を行った。
実施例6
実施例4と同様な方法で、LEV型ゼオライトを得、これを焼成、20%塩化アンモニウム水溶液で処理、及び乾燥することでNH型のLEV型ゼオライトを得た。
硝酸銅三水和物1.2gを純水4.2gに溶解して調製した硝酸銅溶液を使用したこと以外は実施例1と同様な方法で試料と硝酸銅溶液との混合、乾燥及び焼成を行い、フレッシュ試料を得た。得られたフレッシュ試料は、シリカアルミナモル比が33、銅が2.6重量%、及びCu/Alが0.44であった。
本実施例の銅含有LEV型ゼオライトを使用したこと、及び、任意の処理時間としたこと以外は実施例1と同様な方法で水熱耐久処理を行った。また、フレッシュ試料及び各水熱耐久処理後の試料について実施例1と同様な方法で及び窒素酸化物還元特性の評価を行った。
本実施例のフレッシュ試料及び水熱耐久処理後の試料についてFT−IR測定を行い、相対シラノール量を算出した。
実施例7
実施例4と同様な方法で、LEV型ゼオライトを得、これを焼成、20%塩化アンモニウム水溶液で処理、及び乾燥することでNH型のLEV型ゼオライトを得た。
硝酸銅三水和物1.3gを純水4.2gに溶解して調製した硝酸銅溶液を使用したこと以外は実施例1と同様な方法で試料と硝酸銅溶液との混合、乾燥及び焼成を行い、フレッシュ試料を得た。得られたフレッシュ試料は、シリカアルミナモル比が33、銅が2.9重量%、及びCu/Alが0.49であった。
本実施例の銅含有LEV型ゼオライトを使用したこと、及び、任意の処理時間としたこと以外は実施例1と同様な方法で水熱耐久処理を行った。また、フレッシュ試料及び各水熱耐久処理後の試料について実施例1と同様な方法で及び窒素酸化物還元特性の評価を行った。
実施例8
実施例4と同様な方法で、LEV型ゼオライトを得、これを焼成、20%塩化アンモニウム水溶液で処理、及び乾燥することでNH型のLEV型ゼオライトを得た。
硝酸銅三水和物1.2gを純水4.2gに溶解して調製した硝酸銅溶液を使用したこと、及び、乾燥後の試料を、空気中、850℃で2時間焼成する処理を行ったこと以外は実施例1と同様な方法で試料と硝酸銅溶液との混合、乾燥及び焼成を行い、試料を得た。当該処理後の試料の状態を「高温フレッシュ」とし、当該処理後の状態の試料を「高温フレッシュ試料」とする。得られた高温フレッシュ試料は、シリカアルミナモル比が33、銅が2.6重量%、及びCu/Alが0.44であった。
本実施例の銅含有LEV型ゼオライトを使用したこと、及び、任意の処理時間としたこと以外は実施例1と同様な方法で水熱耐久処理を行った。また、高温フレッシュ試料及び各水熱耐久処理後の試料について実施例1と同様な方法で及び窒素酸化物還元特性の評価を行った。
比較例1
ジメチルジエチルアンモニウムをSDAとして使用したLEV型ゼオライトを合成した。すなわち、アルミン酸ナトリウム(19.7重量%NaO,19.1%Al)2.6gをジメチルジエチルアンモニウムハイドロオキサイド20%溶液96.6gに溶解した。48%水酸化ナトリウム溶液0.68g、水0.2g及び最後に沈降法シリカ19.9gを加えた。反応混合物は次の組成を有していた。
SiO/Al =60
(NaO+DMDEAO)/SiO = 0.32
NaO/(NaO+DMDEAO) = 0.14
この混合物を130℃で23日間加熱した。生成物の試料を遠心分離により洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。生成物は表1のXRDパターンではなく、米国特許4,495,303号の表1に示されたLEV型ゼオライトと同様なXRDパターンを示した。生成物のシリカアルミナモル比は27及び平均粒子径は0.31μmであった。また、当該LEV型ゼオライトの1H MAS NMRスペクトルから検量線法により求めたSiOH/Si比は2.7×10−2であった。
硝酸銅三水和物1.2gを純水4.2gに溶解して調製した硝酸銅溶液を使用したこと以外は実施例1と同様な方法で試料と硝酸銅溶液との混合、乾燥及び焼成を行い、フレッシュ試料を得た。
得られたフレッシュの試料は、銅が2.5重量%、及びCu/Alが0.35であった。
本比較例の銅含有LEV型ゼオライトを使用したこと、及び、任意の処理時間としたこと以外は実施例1と同様な方法で水熱耐久処理を行った。また、フレッシュ試料及び各水熱耐久処理後の試料について実施例1と同様な方法で及び窒素酸化物還元特性の評価を行った。
本比較例の水熱耐久処理後の試料についてFT−IR測定を行い、相対シラノール量を算出した。
比較例2
アルミン酸ナトリウム0.45g及び48%水酸化ナトリウム1.10gを、純水6.52gに加え混合した。これに沈降法シリカ2.86gを添加して混合物を得た。当該混合物を95℃に加熱し、これを攪拌しながらヨウ化N−メチルキヌクリジニウム3.07gを加えて原料混合物を得た。反応混合物の組成はモル比で以下のとおりであった。
SiO/Al =50
Na/SiO =0.192
O/SiO =10
N−メチルキヌクリジニウム/SiO =0.285
得られた反応混合物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを回転させながら、180℃で72時間加熱して生成物を得た。
生成物を濾過、洗浄した後、大気中110℃で一晩乾燥させた。生成物は表1のXRDパターンではなく、米国特許4,372,930号の表2に示されたLEV型ゼオライトと同様なXRDパターンを示した。生成物のシリカアルミナモル比は30及び平均粒子径は0.16μmであった。また、当該LEV型ゼオライトの1H MAS NMRスペクトルから検量線法により求めたSiOH/Si比は1.6×10−2であった。
硝酸銅三水和物0.07gを純水0.28gに溶解して調製した硝酸銅溶液を使用したこと、及び当該硝酸銅溶液を、得られたNH型のLEV型ゼオライト0.8gに滴下したこと以外は実施例1と同様な方法で試料と硝酸銅溶液との混合、乾燥及び焼成を行い、フレッシュ試料を得た。
得られたフレッシュの試料は、銅が2.3重量%、及びCu/Alが0.35であった。
本比較例の銅含有LEV型ゼオライトを使用したこと、及び、任意の処理時間としたこと以外は実施例1と同様な方法で水熱耐久処理を行った。また、フレッシュ試料及び各水熱耐久処理後の試料について実施例1と同様な方法で及び窒素酸化物還元特性の評価を行った。
本比較例の水熱耐久処理後の試料についてFT−IR測定を行い、相対シラノール量を算出した。
以下に実施例及び比較例の評価結果を示す。
実施例1で得られたフレッシュ試料、及び、1時間の水熱耐久処理後の試料の評価を表2に示した。
Figure 2015155365
表2より、本実施例の銅含有LEV型ゼオライトは、歪んだ六員環に銅を含有することが明らかである。更には、歪んだ六員環に存在する銅は全体の50mol%以上、更には55mol%以上であることがわかった。また、水熱耐久処理後、歪んだ六員環中の銅が、その中心部に移動していることが確認できた。
次に、実施例1で得られた試料について、フレッシュ試料、1時間の水熱耐久処理後の試料(以下、「1h耐久試料」とする。)、2時間の水熱耐久処理後の試料(以下、「2h耐久試料」とする。)、4時間の水熱耐久処理後の試料(以下、「4h耐久試料」とする。)、及び8時間の水熱耐久処理後の試料(以下、「8h耐久試料」とする。)の窒素酸化物還元率を表3に示す。
Figure 2015155365
表3より、水熱耐久処理により、窒素酸化物還元率、特に150℃以上、200℃以下の低温における窒素酸化物還元率が向上することがわかった。
次に、実施例1乃至4、並びに比較例で得られた試料について、2h耐久試料の150℃、200℃及び300℃における窒素酸化物還元率を表4に示す。
Figure 2015155365
実施例及び比較例の銅含有LEV型ゼオライトは、いずれも同様なCu/Alを有する銅含有LEV型ゼオライトである。表4より、いずれの実施例においても水熱耐久処理後の200℃以下の低温における窒素酸化物還元率が、比較例のそれよりも高くなった。特に、実施例の150℃における窒素酸化物還元率は、比較例と比べ、少なくとも1.2倍以上、更には5倍以上も高くなった。一方、実施例の300℃における窒素酸化物還元率は比較例1のそれの7倍以上であったが、比較例2と同等であった。
これらの結果より、従来の銅含有LEV型ゼオライトと比べ、本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、高温・高湿雰囲気に晒された後であっても低温、特に200℃以下、更には150℃以下の低温における窒素酸化物還元率が特に高くなることが確認できた。
次に、実施例1乃至5、及び比較例1で得られた試料について、フレッシュ試料及び2h耐久試料の150℃、200℃、及び300℃における窒素酸化物還元率を表5に示す。
Figure 2015155365

表5より、200℃以下の窒素酸化物還元率は、2時間の水熱耐久処理後であっても低下しないことが確認された。これに対し、比較例は、2時間の水熱耐久処理で200℃以下の窒素酸化物還元率は1/4以下程度にまで低下した。これより、従来の金属含有LEV型ゼオライトと比べ、本発明の金属含有LEV型ゼオライトは高い窒素酸化物還元率を有するだけではなく、高温高湿下に晒された後であっても、フレッシュ状態の窒素酸化物還元特性、特にフレッシュ状態の200℃以下の窒素酸化物還元率の低下が少ないことが確認できた。
なお、比較例1の試料は2時間の水熱耐久処理後にアモルファス化し、LEV構造が崩壊していた。
次に、実施例1乃至4で得られた試料について、8h耐久試料の150℃、200℃、及び300℃における窒素酸化物還元率を表6に示す。
Figure 2015155365
いずれの実施例においても、8時間の長期にわたる水熱耐久処理後であっても、200℃における窒素酸化物還元率が70%以上であり、なおかつ、150℃における窒素酸化物還元率が29%以上、更には35%以上であった。また、300℃における窒素酸化物還元率も75%以上であった。
これより、本発明の銅含有LEV型ゼオライトは、より長期の高温・高湿雰囲気に晒された後であっても、200℃以下の低温における窒素酸化物還元特性のみならず、300℃以上の高温においても、実用的な窒素酸化物還元特性を有することが確認できた。
次に、実施例3、4、6及び7で得られた試料について、フレッシュ試料及び4h耐久試料の150℃、200℃、及び300℃における窒素酸化物還元率を表7に示す。
Figure 2015155365
表7より、Cu/Alの増加により、200℃以下の窒素酸化物還元率が増加する傾向にあることが確認できた。特に150℃以下においてはその傾向が顕著であった。
次に、実施例1及び5で得られた試料について、フレッシュ試料、及び4h耐久試料の150℃、200℃、及び300℃における窒素酸化物還元率を表8に示した。
Figure 2015155365
表7及び表8よりシリカアルミナモル比が本発明の範囲内であれば、その大小によらず、低温下における窒素酸化物還元率が高くなることが確認できた。
次に、実施例1乃至7で得られた試料について、4h耐久試料の400℃及び500℃における窒素酸化物還元率、並びに、比較例1で得られた試料について、2h耐久試料の400℃及び500℃における窒素酸化物還元率を表9に示す。
Figure 2015155365
フレッシュ試料の400℃における窒素酸化物還元率は、いずれも80%以上であった。実施例の4h耐久試料の400℃における窒素酸化物還元率は60%以上、更には70%以上、また更には80%以上であった。これに対し、比較例1では、2h耐久試料の400℃における窒素酸化物還元率が14%であった。
次に、実施例6のフレッシュ試料、及び実施例8の高温フレッシュ試料の150℃、200℃、及び300℃における窒素酸化物還元率を表10に示した。
Figure 2015155365
実施例6と実施例8とは、焼成条件以外は同様な方法により得られたものである。300℃における実施例8の窒素酸化物還元率は、実施例6の1.06倍程度であった。一方、150℃における実施例8の窒素酸化物還元率は、実施例6の1.9倍以上であった。表10より、より高温で焼成した金属含有LEV型ゼオライトは、窒素酸化物還元率がより高くなること、さらには、より低温における窒素酸化物還元率が高くなることが分かった。
次に、実施例6及び8の4h耐久試料の150℃、200℃、及び300℃における窒素酸化物還元率を表11に示した。
Figure 2015155365
表11から耐久処理後の試料も、実施例8が、実施例6よりも高い窒素酸化物還元率を有することが確認できた。表10及び表11より、より高温で焼成することで、耐久処理前後のいずれにおいても、高い窒素酸化物還元率、特に低温における窒素酸化物還元率となることが分かった。
これらの結果より、本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、200℃以下、更には150℃以下の低温における窒素酸化物還元率が高いだけではなく、400℃以上における窒素酸化物還元特性が高く、なおかつ、長時間、高温高湿下に晒された後であっても、低温・高温のいずれにおける窒素酸化物還元率も低下しないことが確認できた。
次に、実施例6、比較例1及び2のフレッシュ試料の相対シラノール量を表12に示す。
Figure 2015155365
相対シラノール量は、比較例1及び2が2.5を超えているのに対し、実施例6は1.0以下であった。これより、本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、ゼオライト骨格におけるシラノール基の割合が低いことが確認できた。
次に、実施例6のフレッシュ試料及び2h耐久試料の相対シラノール量を表13に示す。
Figure 2015155365
表13より、フレッシュ試料に比べて2h耐久試料は、相対シラノール量が6%高いことが確認できた。これにより、水熱耐久処理により相対シラノール量が増加する傾向があることが確認できた。
次に、実施例2、4、及び6の2h耐久処理試料の相対シラノール量を表14に示す。
Figure 2015155365
表14より、いずれの試料においても、相対シラノール量は1.0以下、更には0.85以下であり、本発明の金属含有LEV型ゼオライトは水熱耐久処理後であっても、相対シラノール量が少ないことが確認できた。
本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、排気ガス処理システムに組み込まれる触媒として使用できる。特に本発明の金属含有LEV型ゼオライトは、還元剤の存在下で自動車、特にディーゼル車の排ガス中の窒素酸化物を還元除去する、SCR触媒、更にはDPFと一体化されたSCR触媒として使用できる。

Claims (12)

  1. 歪んだ六員環に遷移金属を有することを特徴とする金属含有LEV型ゼオライト。
  2. 遷移金属の50mol%以上が歪んだ六員環に存在することを特徴とする請求項1に記載の金属含有LEV型ゼオライト。
  3. 相対シラノール量が2.5以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属含有LEV型ゼオライト。
  4. 遷移金属が周期表の8族、9族、10族及び11族の群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の金属含有LEV型ゼオライト。
  5. 遷移金属が銅又は鉄の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の金属含有LEV型ゼオライト。
  6. LEV型ゼオライトがNu−3であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の金属含有LEV型ゼオライト。
  7. LEV型ゼオライトに遷移金属を含有させる金属含有工程、及び、前記金属含有工程後のLEV型ゼオライトを焼成する焼成工程を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の金属含有LEV型ゼオライトの製造方法。
  8. 前記焼成工程において、500℃以上でLEV型ゼオライトを焼成することを特徴とする請求項7に記載の金属含有LEV型ゼオライトの製造方法。
  9. 前記金属含有工程において、含浸担持法によりLEV型ゼオライトに遷移金属を含有させることを特徴とする請求項7又は8に記載の金属含有LEV型ゼオライトの製造方法。
  10. 前記金属含有工程において、LEV型ゼオライトが、10体積%の水蒸気を含む空気中、900℃、1時間で処理後のアンモニアTPD法によるアンモニア脱離量が0.35mmol/g以上であるLEV型ゼオライトであることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の金属含有LEV型ゼオライトの製造方法。
  11. 請求項1乃至6のいずれかに記載のLEV型ゼオライトを含むことを特徴とする窒素酸化物還元触媒。
  12. 請求項11に記載の窒素酸化物還元触媒を用いることを特徴とする窒素酸化物の還元除去方法。
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