JP2015154865A - 回胴式遊技機 - Google Patents

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Wataru Okada
渉 岡田
允亮 森谷
Mitsuaki Moriya
允亮 森谷
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Abstract

【課題】遊技機側がフリーズ状態の発生に関して主導的にコントロール可能な遊技機を提供する。【解決手段】遊技モード移行契機役(通常リプレイ)の当選ゲームにおいて特定の押し順が実行されることを条件に、複数種類の遊技モード間を移行制御する遊技モード移行制御手段を備える。前記遊技モードには、特殊フリーズ状態(LRA種別)が発生しない低確遊技モード(LRAモード1)と、特殊遅延状態が発生される高確遊技モード(LRAモード11、21、31)とが含まれる。前記高確遊技モードには、遊技モード移行制御手段により、前記低確遊技モード(LRAモード1)から昇格移行されるように構成した。【選択図】図10

Description

本発明は、回胴式遊技機に係る遊技動作制御処理に関する。
一般に、回胴式遊技機では、遊技者による始動レバーの開始操作を契機に、役に関する抽選(内部抽選)を行うとともに、種々の図柄が施された複数の回胴を回転させることでゲームを開始し、遊技者による停止ボタンの停止操作を契機に、回転中の回胴を停止させることにより内部抽選に対応した図柄の組合せを遊技結果として導出表示し、その遊技結果に応じた入賞を発生させてゲームを終える。
この種の回胴式遊技機では、内部抽選による抽選結果に基づいてフリーズ抽選を行い、これに当選した場合には、当該当選ゲームにおいて、たとえば、回胴装置の各回胴を一定時間だけ連続して不回転状態に置くフリーズ状態に制御するとともに、液晶表示装置や音演出などにより所定の演出を現出させて、その内部抽選結果情報を遊技者に報知する、といったフリーズ状態を利用した演出(フリーズ中演出)を実行させるものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2009−285173
近年では、たとえば、内部抽選結果に起因する所定の当選状態を内部的に一旦貯留(ストック)し、何ゲームか消化した後、その当選状態に基づいて、遊技者に有利な遊技状態に移行させるゲーム性を持つ回胴式遊技機が実用化されている。このように、上記当選状態が決定された当該ゲームよりも将来的に実行されるゲームで上記有利な遊技状態への移行がなされるため、その移行ゲームの到来を契機にインパクトのある演出を現出させることが遊技の面白みを向上させる上で望ましいといえる。
しかし上記従来の遊技機では、フリーズ状態の発生が専ら内部抽選結果に依存してしまうため、フリーズ状態の発生がまさに偶然の産物となっていた。このため、遊技機側でフリーズ状態の発生タイミングをコントロールできず、たとえば、上記のような当選状態である旨やその当選期待度などの遊技情報を将来的に報知したいタイミングで、フリーズ状態を利用したインパクトのある演出より報知することができない、といった問題が生じていた。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、遊技機側がフリーズ状態の発生に関して主導的にコントロール可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の手段により達成される。なお、括弧内は実施形態における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)複数種類の図柄が表示された複数の回胴を有し、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を導出表示する遊技結果表示手段(回胴装置210)と、
所定のゲーム開始条件の下、各回胴を回転させるための始動手段(回胴回転始動レバー11)と、
前記始動手段の始動操作を契機に、遊技モード移行契機役を含む複数種類の役に関する抽選を行い、当選役を決定する役抽選手段(図11のS16(内部抽選処理)、図6A〜6B)と、
各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させるための複数の停止手段(回胴回転停止ボタン12a、12b、12c)と、
前記停止手段の停止操作を契機に、前記当選役に対応する図柄の組合せが前記遊技結果として導出表示されうるように回胴を停止制御する停止制御手段(図11(S19の回胴停止処理))と、
所定の実行条件に基づき、遊技進行を通常の遊技進行よりも遅延させる遅延状態を実行制御可能な遅延状態制御手段(図11のS17(回胴演出管理処理)、図12(S108〜S109)、図17、図11のS18(回胴回転開始設定処理)、図18(S205〜S206))と、
前記遅延状態中に、遊技に関連する遅延状態中演出を実行制御可能な遅延状態中演出実行制御手段(図11のS17(回胴演出管理処理)、図12〜図17、演出制御部410)と、
を備え、
複数種類の遊技モード下でゲームが実行可能に構成され、前記遊技結果に応じた遊技価値を遊技者に付与可能に構成された回胴式遊技機であって、
前記遅延状態には、通常遅延状態(たとえば、SRA1〜6(図28))と特殊遅延状態(たとえば、LRA1〜6(図34))とを含む複数種類の遅延状態が含まれ、
前記遊技モードには、
前記遅延状態制御手段により前記特殊遅延状態が実行されない低確遊技モード(たとえば、LRAモード1)と、前記遅延状態制御手段により前記特殊遅延状態が実行されうる高確遊技モードと少なくとも含む複数種類の遊技モード(たとえば、LRAモード11、21、31)が含まれ、
前記役抽選手段により前記遊技モード移行契機役が前記当選役として決定された遊技モード移行契機役当選ゲームである場合、前記停止手段の停止操作手順に基づいて、現在の遊技モードから他の遊技モードに移行制御可能に構成された遊技モード移行制御手段(図20(S405〜S407、S411)、図29〜図32のモード移行テーブルなど)と、を備える、
ことを特徴とする回胴式遊技機。
前記遅延状態制御手段は、
前回のゲームにおいて前記遊技モード移行制御手段により前記低確遊技モードから前記高確遊技モードに移行された場合、今回のゲームにおいて前記役抽選手段による抽選結果によらず、前記特殊遅延状態を実行する(図10、図13(S115〜S117)、図20(S405〜S406、S411)、図34)、
ことを特徴とする上記(1)に記載の回胴式遊技機。
本発明によれば、遊技機側がフリーズ状態の発生に関して主導的にコントロール可能な遊技機を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の図柄配列帯を示す図である。 本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置の概要を示す制御ブロック図である。 図3に示す主制御基板および演出制御基板の回路構成の概要を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の入賞ラインを示す図である。 本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の役抽選テーブルを示す図である。 本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の役抽選テーブルを示す図である。 本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の当選役に対応する図柄の組合せ、その配当を例示した図である。 本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の当選役に対応する図柄の組合せ、その配当を例示した図である。 本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の当選役に対応する図柄の組合せ、その配当を例示した図である。 本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の押順規定役に関し、押し順に応じて入賞しうる図柄の組合せを例示した図である。 本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機の遊技状態間の移行状態の概要を示す状態遷移図である。 主制御部側遊技状態間の移行状態を示す状態遷移図である。 遊技動作制御プログラムに従い主制御部側が行う主制御側メイン処理を示すフローチャートである。 図11中の回胴演出管理処理を示すフローチャートである。 図12中のLRAモード回胴演出設定処理を示すフローチャートである。 図12中のPDモード回胴演出設定処理を示すフローチャートである。 図14中のPDモード中回胴演出抽選を示すフローチャートである。 図12中のPDモード当確回胴演出設定処理を示すフローチャートである。 図12中の回胴演出中演出管理処理を示すフローチャートである。 図11中の回胴回転開始設定処理を示すフローチャートである。 図11中の回胴停止処理を示すフローチャートである。 図19中の回胴演出モード移行設定処理を示すフローチャートである。 図20中のモード移行終了管理処理を示すフローチャートである。 遊技動作制御プログラムに従い主制御部側が行う主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。 遊技動作制御プログラムに従い演出制御部側が行う演出制御側メイン処理を示すフローチャートである。を示すフローチャートである。 遊技動作制御プログラムに従い演出制御部側が行う演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。を示すフローチャートである。 演出制御部側が行うコマンド受信割込み処理を示すフローチャートである。 図23中のコマンド解析処理に係る演出管理処理を示すフローチャートである。 図23中のコマンド解析処理に係るペナルティ管理を示すフローチャートである。 通常回胴演出抽選テーブル選択テーブルと通常回胴演出抽選テーブルとを示した図である。 LRAモード1中モード移行テーブルを示す図である。 LRAモード2中モード移行テーブルを示す図である。 LRAモード3中モード移行テーブルを示す図である。 LRA(LRAモード10、20、30)特殊回胴演出実行モード移行テーブルを示す図である。 PD準備モード中移行テーブルを示す図である。 LRAモード11、21、31における特殊回胴演出抽選テーブルを示す図である。 PDモードにおける特殊回胴演出抽選テーブルを示す図である。 通常モード中における通常中疑似ボーナス抽選テーブルを示す図である。 通常モード中における通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選テーブルを示す図である。 PDモード中におけるPDモード中疑似ボーナス抽選テーブルを示す図である。 PDモード中におけるPDモード中疑似ボーナス当選時モード移行抽選テーブルを示す図である。 ST継続抽選テーブルを示す図である。 STモード中におけるAT2遊技中アシスト報知抽選テーブルを示す図である。 STモード中におけるST継続率昇格抽選テーブルを示す図である。 PDモード中における当確モード移行テーブルを示す図である。 変形例(第2の実施形態)に係るST中疑似ボーナス抽選テーブルを示す図である。 変形例(第2の実施形態)に係るST中当選時疑似ボーナス種別抽選テーブルを示す図である。 変形例(第4の実施形態)に係るST突入抽選テーブルを示す図である。 変形例(第7の実施形態)のSTモード中に係るアシスト報知(ベルナビ)指示抽選テーブルおよび疑似ボーナス抽選テーブルを示す図である。 図29〜図30のモード移行テーブルの変形例(第12の実施形態)として、押順9枚ベルに適用したモード移行テーブルを例示した図である。 図31〜図32のモード移行テーブルの変形例(第12の実施形態)として、押順9枚ベルに適用したモード移行テーブルを例示した図である。 図33のモード移行テーブルの変形例(第12の実施形態)として、押順9枚ベルに適用したモード移行テーブルを例示した図である。 回胴演出の説明に供する説明図である。 回胴演出の説明に供する説明図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
<機械的構成:図1>
本発明の一実施形態に係る遊技機として、回胴式遊技機を例にとり説明する。図1は、本実施形態に係る回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技機本体として、図1に示すように、遊技に供する各種遊技部品を収納するための遊技機筐体1と、遊技機筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備えている。前扉2には、そのほぼ中央に第1の表示窓3が、またその上側に第2の表示窓4が設けられている。
下側の第1の表示窓3は回胴視認部であり、回胴装置210の横並びに3個配設された回胴5a、5b、5c(以下、必要に応じて、回胴5aを「左回胴5a」、回胴5bを「中回胴5b」、回胴5cを「右回胴5c」と称する)が、この回胴視認部3に臨ませて、遊技者側から視認しうるように設けられている。
本実施形態では、回胴視認部3を介して、各々3個程度(計9つ程度)の図柄が視認可能となっている。また各回胴5a、5b、5cには、回胴視認部3に表示される各図柄を回胴の内側から照射する図柄照射用バックライトLED(バックライト手段:図示せず)が形成されている。この図柄照射用バックライトLEDは、回胴視認部3に表示される各図柄が遊技者から視認し易くする機能の他、遊技に関する演出を現出するための演出手段としても機能し、その発光色の種類や発光態様(点滅、点灯、消灯など)により、光の装飾による光演出効果(たとえば、当選役情報や遊技状態情報や遊技結果としての図柄の組合せ(入賞役情報)などを図柄照射用バックライトLEDの発光態様により報知する)を発揮する。
<図柄配列帯200:図2>
図2は、各回胴5a、5b、5cが有する図柄配列帯200を例示したものである。同図に示す「1ST」図柄配列帯は左回胴5aに、「2ND」図柄配列帯は中回胴5bに、「3RD」図柄配列帯は右回胴5cに対応している。
図柄配列帯200には、役に関する内部抽選により当選した役(当選役)に対応する図柄の組合せを構成するための図柄(構成要素図柄)が表示されている。本実施形態の図柄配列帯200には、その図柄種として、本実施形態の図柄種には、図示のように、赤7(符号31)、青7(符号32)、BAR(符号33)、リプレイ(符号34)、ベル(符号35)、スイカ1(符号36)、スイカ2(符号37:スイカ1と類似する図柄)、チェリー1(符号38)、チェリー2(符号39:チェリー2と類似する図柄)、ブランク図柄40の計10種類の図柄が設けられている。これらの図柄が回胴の回転方向に計21コマ配置され、図柄の並び順に沿って図柄番号0番〜20番のコマ番号が割り当てられている。
各回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図3参照)により回転駆動され、これにより、各図柄が変動表示および停止表示されるようになっている。なお各回胴は、回胴駆動モータのような電気的駆動源を用いて回転および停止される機械的な回胴に限定されず、後述する液晶表示装置6のような画像表示装置に表示され、画像上で回転または停止が行われる演出的な回胴であっても良い。また、回胴の数は3個に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できるものであれば、その数は適宜変更することができる。
回胴視認部3には、入賞ライン3aが施されている。回胴視認部3には、ここを横断する形で、単一の入賞ラインが施されている。なお入賞ライン3aは、本発明の目的を達成できるものであれば、その本数やライン形態は特に限定されない。入賞ライン3aの構成は、図柄配列帯200おける図柄の配置構成、図柄の種類、当選役に対応する図柄の組合せ、回胴の停止制御形態(後述の引き込み制御)などの関係により、適宜変更することができる。
上記の入賞ラインは、単位遊技(1ゲーム)に対する所定の賭数(ベット(BET)数)が設定されると有効として扱われる。この有効とされた入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」と称する)上において、各回胴5a、5b、5cが停止した際の停止図柄の組合せが、当選役に対応する図柄の組合せとなった場合、その図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与されるようになっている。
たとえば、遊技メダルの払い出しを伴う役に当選し、これに対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止した場合(図柄の組合せについて遊技価値を獲得するために必要な組合せとしてあらかじめ定められたものが遊技結果として導出表示された場合)、遊技機筐体1内のホッパーユニット500(メダル払出装置:図3参照)が作動し、配当として、所定枚数分の遊技メダルが払い出される。この遊技メダルは、遊技者が遊技を開始する際に必要なものであり、遊技価値を有するものといえる。斯様な遊技者に供与される遊技価値には、上記遊技メダルに限らず、遊技において何らかの遊技価値があるものを指し、遊技者に有利に作用するものに限らず、遊技者に不利に作用するものも含まれる。なお、上記の入賞ラインが複数本ある場合は、単位遊技(1ゲーム)に対するベット数に応じて有効として扱われるライン数を変化させることができる。
また第1の表示窓3(回胴視認部3)の上側に設けられた第2の表示窓4は液晶画面視認部であり、前扉2の裏側に装着された画像表示装置としての液晶表示装置6(LCDユニット)の表示画面(液晶画面)6aに対応して、たとえば、回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。この液晶画面6aが液晶画面視認部4に臨ませて、遊技者側から視認しうるように設けられている。この液晶表示装置6(液晶画面6a)には、遊技に関する演出が画像により表示される。
また回胴視認部3の左右両側には、光の装飾により遊技に関する演出を現出する装飾ランプ部13が設けられている。この装飾ランプ部13はLED(発光手段)を内蔵し、その発光色の種類や発光態様(点滅、点灯、消灯など)により、光の装飾による光演出効果を発揮する。
また回胴視認部3の下方の段部には、遊技媒体である遊技メダルを投入するためのメダル投入口7と、貯留装置(クレジット手段:遊技機に投入された遊技メダル、または入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数(クレジット枚数)を電磁的方法によって記憶可能とする機能部(主制御部400(図3参照)がその機能部を担う))にクレジットされた範囲内において、1ゲームに対して許容される賭け数(1ゲームに対して投入可能な遊技メダル数)の上限値(最大賭数:本実施形態では遊技メダル3枚が最大賭数となっている)まで遊技メダルを一度に疑似投入しうるMAXベットボタン8、押した回数に応じて上記賭数の上限値まで遊技メダルを加算的に疑似投入しうる1ベットボタン9、クレジット精算を行うためのクレジット精算ボタン10などが設けられている。MAXベットボタン8の内部には、MAXベットボタン8の操作が許容状態であることを報知するためのMAXベットLED84(図3参照)が内蔵されている。
なお図示していないが、演出用操作手段(たとえば、演出用ボタン)を設けても良い。これは押圧可能なボタン式のものから、回転操作可能なジョグダイヤル式のもの、センサを設けたタッチパネル式のものなど、その操作手段の形態は様々考えられるが、いずれの場合も遊技者による操作が行われた場合に、液晶表示装置6や装飾ランプ部13で実行される演出に何らかの影響を与える(操作の前後で演出に変化をもたらす)ためのものである。
また回胴視認部3の上記段部の下側には、横長状に形成された操作パネル部14が設けられている。この操作パネル部14には、メダル投入口7内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン15、回胴5a、5b、5cの回転を開始させるための回胴回転始動レバー11、各回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための3個の回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(左回胴停止ボタン12a、中回胴停止ボタン12b、右回胴停止ボタン12c)が設けられている。本明細書中では、特に必要のない限り、これら回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを「回胴回転停止ボタン12」と略称する。
なお上記したMAXベットボタン8、1ベットボタン9、貯留メダル精算ボタン10、回胴回転始動レバー11、演出用ボタン(不図示)および回胴回転停止ボタン12a、12b、12cのそれぞれには、これらが操作されたときの操作検出情報(検出信号)を生成するスイッチ(MAXベットスイッチ8a、1ベットスイッチ9a、貯留メダル精算スイッチ10a、回胴回転始動スイッチ11a、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’:図3参照)が設けられている。
また、前扉2の裏面側のメダル投入口7に対応する位置には、メダル投入口7に投入された遊技メダルが正規か否かを選別して、正規の遊技メダルをホッパーユニット500側に導くメダルセレクタ(図示せず)が設けられている。このメダルセレクタには、投入された遊技メダルを検出するメダル検出センサ7a(図3参照)が設けられ、また、投入された遊技メダルを、遊技機内部において、ホッパーユニット500(図3参照)に受け入れるためのメダル受入通路側と、メダル受け皿18側に誘導するためのメダル返却通路側とを切り換え可能に構成されたブロッカーソレノイド7c(図3参照)による通路切換機構が設けられている。
操作パネル部14の下方には、遊技機の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施された装飾パネル部17が設けられ、この装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられている。このメダル受け皿18には、ホッパーユニット500から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルを前側に排出するためのメダル払出口19が開口している。
また前扉2の前扉上部両側と前扉下部両側には、音楽や効果音を出力して、遊技に関する音演出効果を発揮するスピーカ16が設けられている。
なお図示はしていないが、遊技者が視認し易い位置(たとえば、回胴視認部3近傍の位置(たとえば、符号13に示す矩形状の領域)、または液晶表示装置6による画像表示上の所定の表示領域)に、あるいは遊技機1の適所に、現在の遊技進行具合・遊技状況を報知しうる各種の表示部が設けられている。
具体的には、(A)クレジット枚数を表示する「クレジット枚数表示部(クレジット枚数表示器86)」、(B)遊技結果に応じて払い出される遊技メダルの枚数を報知する「払出枚数表示部(払出枚数表示器87)」、(C)回胴回転始動レバー11の操作が有効(遊技開始可能状態(回胴始動可能状態))であるか否かを報知する「遊技開始表示部(遊技開始表示LED81)」、(D)遊技メダルの投入が受付可能であるか否かを報知する「メダル投入表示部(メダル投入表示LED82)」、(E)再遊技が作動中であるか否かを報知する「再遊技作動表示部(再遊技作動LED83)」、および(F)遊技メダルの投入枚数(現在の賭数)を表示する「投入枚数表示部(投入枚数表示LED85)」などの種々の表示部が設けられている。これら表示部は、主制御部(主制御基板)400により表示制御され、たとえば上記クレジット枚数表示部や払出枚数表示部は、7セグメント表示器により現在のクレジット枚数情報や遊技結果に応じた払い出し枚数情報を報知可能に構成されており、また上記遊技開始表示部、メダル投入表示部、再遊技作動表示部、投入枚数表示部などは、その内蔵LEDの発光態様(消灯・点灯(点滅)、発光色など)により、遊技状況を報知可能に構成されている。
ここで、本発明における演出手段については、視覚、聴覚、触覚など、人間の五感を刺激することにより演出効果を発揮可能な手段であれば良く、装飾ランプ部13やLED、図柄照射用バックライトLEDなどの光発生手段、演出表示装置、スピーカ16などの音響発生装置、遊技者の体に振動を伝える加振装置、または遊技者の体に風圧を与える風圧装置などはその代表例である。なお、上記演出表示装置とは、画像表示装置と同じく、視覚に訴える表示装置を意味するが、画像によらないもの(たとえば、7セグメントによる表示装置)も含む点で画像表示装置とは異なる。液晶表示装置6は画像表示装置の代表例であるが、画像表示装置の場合は主として画像表示により演出を表現するタイプを指し、7セグメントの表示装置のように画像以外の表示により演出を表現するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
<制御装置:図3〜図4>
次に、図3を参照して、本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置について説明する。図3は、遊技動作制御を行うための制御装置の構成の概要を示す制御ブロック図である。なお、図1と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置は、遊技動作制御全般を司る主制御基板400(以下、「主制御部400」と称する)と、主制御部400から演出制御コマンドを受けて、演出動作制御(演出手段に対する演出の現出制御)全般を司る演出制御部410(演出制御手段)と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する不図示の電源基板(電源制御手段)とを中心に構成される。上記の演出制御部410は、演出制御基板420と液晶制御基板460とを含んで構成され、液晶制御基板460には液晶表示装置6が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
主制御部400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7aと、MAXベットボタン8の操作を検出するMAXベットスイッチ8aと、1ベットボタン9の操作を検出する1ベットスイッチ9aと、クレジット精算ボタン10の操作を検出するクレジット精算スイッチ10aと、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11aと、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’を搭載した停止スイッチ基板360とが接続され、主制御部400はこれらからの検出信号を受信可能となっている。また主制御部400には、遊技中継基板370を介して、ブロッカーソレノイド7cが接続され、ブロッカーソレノイド7cに対してソレノイド制御用の励磁信号を送信可能となっている。
また主制御部400には、遊技中継基板370を介して、遊技表示基板390が接続されている。この遊技表示基板390には、遊技開始表示LED81と、メダル投入表示LED82と、再遊技作動LED83と、MAXベットLED84(MAXベットボタン8内蔵LED)と、投入枚数表示LED85とが搭載され、主制御部400はこれら表示部を制御する発光制御信号を送信可能となっている。さらに遊技表示基板390には、クレジット枚数表示器86と払出枚数表示器87とが搭載されており、主制御部400はこれら7セグメント表示器を制御する発光制御信号を送信可能となっている。
なお図示はしていないが、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12a、12b、12c、1ベットボタン9、および/または貯留メダル精算ボタン10には、その内部にLEDが設けられており、そのLEDの発光態様(たとえば、発光色)により、上記のレバー操作やボタン操作の有効または無効が遊技者に報知可能となっている。
また主制御部400には、回胴中継基板330を介して回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211cが接続され、主制御部400は、これら回胴駆動モータを駆動させるための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部400には、回胴位置検出センサ(各回胴に設けられ、回胴の現在の回転位置(基点からの現在位置)や回胴の回転を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続され、主制御部400は、これら回胴位置検出センサからの検出信号を受信可能となっている。
また主制御部400には、払出中継基板350を介して、ホッパーユニット500と、ホッパーユニット500から溢れた余剰の遊技メダル貯留するための補助タンク(図示せず)の満杯状態を監視する満杯検知金具600とが接続されている。
ホッパーユニット500には、ホッパーモータ510と、ホッパーモータ510を駆動制御するための払出制御基板(払出制御手段)450と、ホッパーユニット500から排出される遊技メダルを検出するためのメダル払出センサ520とが設けられている。
主制御部400は、遊技メダルの払い出しが必要な場合、払出制御基板(払出制御部)450に対して払い出し枚数を指定する「払出制御コマンド」を送信可能となっている。払出制御基板450は、この払出制御コマンドを受信すると、ホッパーモータ510を駆動制御して、指定された枚数分の遊技メダルを払い出すようになっている。払い出された遊技メダルは、メダル払出センサ520により検出され、その検出信号は主制御部400に入力される。主制御部400は、メダル払出センサ520からの検出信号に基づいて、払い出し枚数や、遊技メダルの払い出し状態を管理する。
また主制御部400には、外部集中端子基板310を介してホールコンピュータHC(パチンコホールの遊技機を統括的に管理するコンピュータ)が接続され、主制御部400は、所定の遊技情報(たとえば、遊技メダルの投入枚数や、遊技メダルの払出枚数や、入賞の発生などに関する情報)をホールコンピュータHCに送信可能となっている。
また主制御部400には回胴設定基板430が接続され、回胴設定基板430からの検出信号を受信可能となっている。
この回胴設定基板430には、所定の遊技動作エラーを解除するリセットスイッチ(図示せず)が設けられ、リセットスイッチが操作されたことによる検出信号を主制御部400に送信可能となっている。また回胴設定基板430には、段階的に出玉率(所謂、機械割、PAYOUT率、またはベース値)に変化をもたらす「設定値」を変更する設定スイッチ(図示せず)が設けられ、この設定スイッチによる検出信号(設定値情報)を主制御部400に送信可能となっている。上記「設定値」とは、主として、内部抽選による役の抽選確率(役の当選確率)を段階別(たとえば、設定1〜6の6段階)に規定するもので、設定値が高くなるほど機械割が高くなり(設定値1が最低の機械割、設定値6が最高の機械割)、遊技者に有利に作用するようになっている。なお上記設定値は、専ら、ホール(遊技店)の営業戦略に基づき、ホール店員が上記設定スイッチを操作して設定値が変更される。
また主制御部400には、演出I/F基板340を介して、演出制御部410を構成する演出制御基板420が接続されている。この演出制御基板420の主な役割は、主制御部400からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶制御基板460に対し、演出制御コマンドに関連付けられた液晶制御コマンドの送信、スピーカ16の音制御、装飾ランプ13やLEDの発光制御、適所に設けられた可動体役物(図示せず)の動作制御などである。
演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して、液晶制御基板460が接続されている。この液晶制御基板460の主な役割は、演出制御基板420からの液晶制御コマンドの受信や液晶制御コマンドに基づく液晶表示装置6の画像表示制御などである。
次に図4を参照して、主制御部(主制御基板)400および演出制御部410に関する回路構成とその機能について具体的に説明する。ここでは、演出制御部410として、主制御部400に接続されている演出制御基板420に着目しながら説明する。
図4は、図4に示す主制御部400および演出制御基板420の回路構成を概略的に示すブロック図である。先ず、主制御部400の回路構成について説明する。
<主制御部(主制御基板)400>
主制御部400は、メインCPU401cを内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、メインROM401aと、メインRAM401bとを搭載したマイクロコンピュータ401(本実施形態ではZ80システム相当品を採用している)を中心に構成され、その他、周辺基板間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するインターフェース(I/F)回路404〜406、モータ駆動回路407、およびスイッチ入力回路408を含んで構成されている。
メインCPU401cは、たとえば、Z80(ザイログ社製またはこれの相当品)のCPUであり、処理を実行するのに必要なデータの読み出し、書き込みが行われる複数種類のレジスタを備えている。
メインROM401aは、遊技動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(主制御側記憶手段)として機能し、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、回胴の停止制御用の停止データを記述した「停止テーブル(図示せず)」、抽選用の抽選データを記述した「抽選テーブル(たとえば、図6A〜図6B、図34〜図35)」、フリーズ状態に係る複数種類のモード間の移行制御に利用される各種の「移行テーブル(たとえば、図29〜図33)」、内部抽選結果情報(当選役情報、内部当選フラグ(当選フラグ))を設定するためのデータを記述した「当選フラグ設定テーブル(図示せず)」など、遊技動作制御に必要な種々のデータが格納されている。
メインRAM401bはワークエリアやバッファメモリとして機能し、メインCPU401cが上記遊技動作制御プログラムを実行する際に生成されるデータ、たとえば、内部抽選に利用される内部抽選用乱数値、内部抽選結果情報、遊技状態情報、遊技動作制御に係る各種タイマ、賭数設定情報(遊技メダル投入枚数)、クレジット枚数、払出枚数など、遊技の進行に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。またメインRAM401bは、特定の抽選に利用される乱数カウンタとして機能し、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段として働く。
上記のマイクロコンピュータ401は、上述のメインROM401a、メインRAM401b、およびメインCPU401cの他、CTC(Counter Timer Circuit)401dや、割込機能(メインCPU401cに割込み信号を付与するタイマ割込機能や割込禁止機能)を発揮する割り込みコントローラ回路401eなどを含んで構成されている。
CTC401dは、8bitのカウンタやタイマを集積した回路であり、周期的割り込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するものである。そこで本実施形態では、CTC401dを利用して、メインCPU401cに1.5ms程度の時間間隔でタイマ割込みをかけている。
カウンタ回路403は、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を内部抽選用乱数値(乱数の大きさ:65536)として取得し、その乱数値を内部抽選に利用する。マイクロコンピュータ401(メインCPU401c)は、所定の遊技開始条件の下(遊技開始条件となる賭数が設定された場合)、回胴回転始動レバー11が操作されると、上記内部抽選用乱数値と後述の役抽選テーブル(図6A〜図6B)とに基づいて、いずれの役に当選したのか、そうでない「ハズレ」であるのかを抽選(内部抽選)により決定し、その抽選結果情報(たとえば、当選番号情報や当選(内部当選)フラグ)を所定の処理が終了するまでメインRAM401bの所定領域に格納(設定)する。この抽選結果情報は、原則として、1ゲームごとにクリアされるようになっている。
(役抽選テーブル:図6A〜図6B)
図6Aおよび図6Bに、本実施形態に係る役抽選テーブルの概要を示す。図6Aおよび図6Bでは、各遊技状態(RT0遊技中、RT1遊技中)、後述のボーナス遊技中は不図示)に対応した役抽選テーブルの一例を示してある。
上記役抽選テーブルには、図示のように、内部抽選の対象となる役(抽選対象役:図示の「当選役種別」の欄参照)に対応した当選領域(判定値:図示のRT0遊技中、RT1遊技中の欄参照)を有する抽選領域が定められており、これにより各役の当選確率(判定値/抽選領域(65536))が規定される。本実施形態の内部抽選の対象となる役(図示の「当選役種別」の欄参照)は、ハズレを除き、計40種類設けられており(各役についての詳細は後述する)、メインCPU401cは、役抽選テーブルを参照し、内部抽選乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、いずれの役に当選したのか不当選(ハズレ)であるのかを決定する。
本実施形態では、遊技状態に応じて、特定の抽選対象役種別や特定の抽選対象役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、RT0遊技中とRT1遊技中とでは、通常リプレイ1〜12の当選確率が異なり、RT0遊技中よりもRT1遊技中の方がリプレイ役種の当選確率が高確率となっている。また、RT0遊技中は、RT1遊技中で抽選対象役となる、弱チャンスリプレイ1〜2(当選番号19〜20)、中段チェリーリプレイ(当選番号21)などが除外されている。
なお詳細は後述するが、RT1遊技は、特別役種のCBBが内部当選中の遊技状態(以下、「BB内部当選遊技」と称する)であり、RT0遊技は、CBBが内部当選中ではない遊技状態(以下、「非BB内部当選遊技」と称する)である。
図4の説明に戻り、主制御部400からは、処理状態を特定可能な制御情報(指令情報)としての「演出制御コマンド」が、演出制御基板420とのI/F回路404が備える出力バッファ回路404aを介して出力される。この演出制御コマンドは、演出I/F基板340を通して、その内部に設けられた主制御基板400用の入力バッファ回路340aを介して演出制御基板420に入力されるようになっている。このような主制御部400からの演出制御コマンドは、一方向通信により演出制御基板420に送信される。つまり演出制御部410側は、一方向通信における入力としてのみ機能するようになっている。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が、演出制御部410を介して主制御部400に入力されることを防止するためである。
I/F回路としては、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、およびその他の基板とのI/F回路406が設けられている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
モータ駆動回路407は、マイクロコンピュータ401(メインCPU401c)の制御の下、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するための駆動パルス信号を供給し、回胴5a、5b、5cの回転制御および停止制御を行う。
回胴の回転制御は、遊技開始条件の下、回胴回転始動レバー11の操作を確認したことを条件に行われる。具体的には、マイクロコンピュータ401は、メダル検出センサ7a、MAXベットスイッチ8a、または1ベットスイッチ9aからの検出信号に基づく規定枚数(遊技開始可能となる投入枚数)の遊技メダルが投入されたことを確認すると、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力の受付を有効(遊技開始可能状態)にする。そして、この遊技開始可能状態の下、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力を確認した場合、モータ駆動回路407を介して回胴駆動モータ211a、211b、211cを駆動制御し、各回胴5a、5b、5cを回転始動させ、その後、各回胴を略一定速度で回転させる。これにより、各回胴を回転させる回転動作を実現している。なお、本実施形態では、遊技メダル3枚が1ゲームに対しての最大賭数(MAXベット)となっており、上記遊技開始条件となる規定枚数も遊技メダル3枚となっている。ただし、最大賭数は、遊技状態に応じて変化させることができる。たとえば、通常遊技中では最大賭数を遊技メダル3枚とし、ボーナス遊技中では最大賭数を遊技メダル2枚とすることができる。また上記規定枚数は、1枚または2枚でも良く、特に制限されない。
回胴の停止制御は、回胴の回転中において、回胴回転停止ボタン12の操作を確認したことを条件に行われる。具体的には、マイクロコンピュータ401は、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’からの操作検出信号の入力を確認した場合、特定位置(たとえば、回胴視認部3の最下段水平方向のライン上(枠内下段)に相当する位置)に存在する図柄番号を取得してこれを「停止操作図柄番号」とし、所定の停止テーブル(図示せず)に基づき、その停止操作図柄番号からどれだけのコマ数(滑りコマ数)分移動させて回胴を停止させるかを割り出し、目的の位置に回胴を停止させる。なおマイクロコンピュータ401は、回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号に基づき、現在、基点となる位置からどれだけの移動量で回胴が回転しているかを監視し、上記特定位置に存在する図柄番号を把握している。これにより、各回胴5a、5b、5cの有効入賞ライン上にどの図柄番号の図柄が停止したのかについて、回胴の停止毎に把握することができるようになっている。また回胴が実際に停止する前段階であっても、滑りコマ数と停止操作図柄番号とに基づき、有効入賞ライン上の停止図柄を事前に把握することもできる。
上述の「停止テーブル」には、停止操作図柄番号に対応する滑りコマ数を最大引き込みコマ数範囲内(たとえば、4コマ)で定めた停止データが定められている。この停止テーブルには、主として、内部抽選結果に応じて選択される複数種類の停止テーブルが含まれる。たとえば、全回胴の滑りコマ数を一括して定めた全回胴用停止テーブルや、各回胴ごとに滑りコマ数を定めた停止テーブル(たとえば、左回胴用停止テーブル、中回胴用停止テーブル、右回胴用停止テーブル)や、回胴の停止操作手順(停止操作タイミングおよび回胴の停止操作順番(押し順)の少なくともいずれか一方)に応じて選択される停止操作順用停止テーブルなど、ハズレや当選役に対応する図柄の組合せを有効入賞ライン上に停止させるための停止テーブルが含まれる。斯様な停止テーブルにより、最大引き込みコマ数範囲内において、特定の図柄(たとえば、当選役に対応する図柄の組合せを構成しうる図柄(当選役の構成要素図柄))を有効入賞ライン上に停止させたり、特定の図柄を有効入賞ライン上に停止させないようにしたりする、所謂「引き込み制御」が実現される。
この「引き込み制御」とは、従来から知られているように、内部抽選により当選役が決定された場合、回胴回転停止ボタン12が操作されたタイミングで有効入賞ライン上に存在する当該当選役の構成要素図柄(当選役に対応する図柄の組合せを構成しうる図柄)を除き、所定の滑りコマ数(最大引き込みコマ数(本実施形態では最大4コマ))の範囲内に有効入賞ライン上に停止可能な当選役の構成要素図柄が存在する場合、その図柄を有効入賞ライン上に引き込む形態で回胴の停止位置を制御する停止制御態様である。したがって、有効入賞ライン上に当選役の構成要素図柄が存在しない場合であっても、当該当選役の構成要素図柄が上記停止操作図柄番号から最大引き込みコマ数分引き込んで有効入賞ライン上に停止可能であれば、基本的にはその図柄が有効入賞ライン上に引き込まれ、当選役に対応する図柄を有効入賞ライン上に成立させるように回胴の停止位置が制御される。
このような引き込み制御の特性を利用し、各回胴の図柄配列帯における図柄配置構成や停止操作図柄番号に応じた滑りコマ数などを定めれば、当選役に対応する図柄の組合せを構成しうる図柄を停止操作手順(停止操作タイミングおよび押し順の少なくともいずれか一方)によらず有効入賞ライン上に停止可能(100%引き込み可能(引き込み率100%))にしたり、また役に当選しても停止操作手順によっては、たとえ最大滑りコマ数引き込んでも有効入賞ライン上に停止不可能(所謂「取りこぼし」の発生を可能にする)にしたりすることができる。これにより、たとえば、特定の当選役を取りこぼした際、遊技結果として、特定の停止図柄表示態様(所謂、取りこぼし目、リーチ目、チャンス目など)を導出可能としている。
ただし、内部抽選によりいずれの役にも当選していない場合、つまり「ハズレ」の場合には、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止させない回胴の停止位置が決定されるようになっている。したがって、「ハズレ」となったゲームでは、回胴の停止操作タイミングにかかわらず、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止することはなく、遊技結果は常に「ハズレ」となる。
なお本実施形態の図柄配列帯200(図2参照)では、各回胴における特定の図柄種(たとえば、リプレイ図柄)に関しては、所定の有効入賞ライン上への引き込み率が100%となるように配置されており、その他の図柄に関しては、必ずしも引き込み率が100%とはなっていない。また、一の回胴と他の回胴とで、特定の図柄に関しての引き込み率が異なる。これにより、特定の当選役に関し、その対応する図柄の組合せを停止操作手順によらず100%引き込み可能としたり、停止操作手順によっては「取りこぼし」を発生させたりすることを可能にしている。図柄配列帯200に関し、どのような図柄種をどのような引き込み率に定めるかは、当選役に対応する図柄の組合せ(たとえば、図7A〜図7C参照)や各回胴における図柄配置構成や有効入賞ラインなどの関係により、適宜変更することができる。
<演出制御部410(演出制御基板420)>
次に、演出制御部410の演出制御基板420について説明する。
演出制御基板420は、サブCPU421c(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、サブROM421a(演出制御ROM)と、サブRAM421b(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータ421を中心に構成され、その他、CTC401dと同様の機能を持つCTC421d、サブCPU421cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路421e、演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路423などを含んで構成されている。また演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して、液晶制御基板460と、スピーカ16や装飾ランプ13などの各種演出手段とが接続されている。
上記サブROM421aは、演出動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(演出制御側記憶手段)として機能し、演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、演出動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またサブRAM421bはワークエリアやバッファメモリとして機能し、サブCPU421cが上記演出制御プログラムを実行する際に生成されるデータ、たとえば、演出抽選用乱数値や演出制御部側の遊技状態(演出状態)情報など、演出を現出する際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。またサブRAM421bは、特定の抽選に利用される乱数カウンタとして機能し、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段として働く。
またカウンタ回路423は、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを含む。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて(たとえば、演出制御コマンドを受信したタイミング)上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。この演出用乱数値は、主として演出パターンの抽選や、後述の「疑似ボーナス」に関する抽選などに利用される。
なお図示はしていないが、演出制御基板420には、主制御部400からの演出制御コマンドを受けて光と音についての演出処理を行うため、スピーカ16に対する音響制御部と、装飾ランプ13やLEDを含む光表示装置に対する光表示制御部とが設けられている。
液晶制御基板460は、演出制御基板420から受信した液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置6の表示制御を司る表示制御部を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像(キャラクタ)ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
演出の現出制御については、マイクロコンピュータ421(サブCPU421c)が主制御部400から送られてくる演出制御コマンドに基づき、今回のゲームで現出すべき演出シナリオを構築し、効果音や光演出の発生が必要なタイミングで、上記音響発生装置や光表示装置に対し専用の制御信号を送信し、また液晶表示装置6に表示する画像再生が必要なタイミングで、液晶制御コマンドを液晶制御基板460に対し送信する。上記演出シナリオは、複数種類の演出パターンを含んで構成される広義の意味での演出であり、個々の演出パターンは、演出シナリオを構成する一要素(パーツ演出)としての役割を果たす。これにより、演出パターンに対応する効果音の再生、または装飾ランプ13やLEDなどの点灯点滅駆動、あるいは液晶表示装置6による画像表示演出が実現され、時系列的に種々の演出パターンが次々に、あるいは複数同時に展開されることにより、目的とする演出(演出シナリオ)が現出されることになる。斯様な演出には、遊技に係る種々の演出態様が含まれ、たとえば、内部抽選結果情報(当選役種別)を報知する役報知演出や、遊技状態を報知する状態報知演出(たとえば、遊技状態に応じた背景表示演出)、役の当選可能性(当選期待度)を報知する演出(期待(予告)演出)、特定の図柄の組合せを遊技結果として導出表示するための回胴回転停止ボタン12の停止操作手順(押し順および/または停止操作タイミング)に関する情報を報知する演出(アシスト報知演出)などはその代表例である。
またマイクロコンピュータ421は、主制御部400から送られてくる特定情報(たとえば、当選役情報、特定の図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止した旨の情報など)を含む演出制御コマンドを受けて、複数種類の演出状態間を移行制御可能な構成となっている。
また図示はしていないが、演出制御基板420の割込端子INTは、コマンド伝送ラインのうち、主制御部400がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU421cは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またサブCPU421cは、メインCPU401cとは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、メインCPU401c(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部410(演出制御基板420)にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、サブCPU421c(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、メインCPU401cによりアクティブ状態に制御される。また液晶制御コマンドの送信に際しては、演出制御基板420は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板460にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。
<当選役の種類(当選役種別)、当選役に対応した図柄の組合せ(入賞となる図柄の組合せ:入賞役種別)、および配当について:図6A〜図6B、図7A〜図7C、図8>
次に図6A〜図6B、図7A〜図7C、図8を参照しながら、本実施形態に係る当選役の種類(当選役種別)、当選役に対応した図柄の組合せ(入賞役種別)、およびその配当(遊技価値)の関係について説明する。図6A〜図6B、図7A〜図7Cは、本実施形態に係る役構成の説明に供する図である。以下、図6A〜図6B、図7A〜図7C、図8を参照しながら、本実施形態に係る役構成について詳細に説明する。
本実施形態では、既に説明したように、計40種類の複数種類の抽選対象役が設けられている(図6A〜図6B参照)。これら抽選対象役は、「特別役種」に属するものと、「一般役種」に属するものとに大別され、さらに「一般役種」は、‘小役種’に属するものと、‘リプレイ(再遊技)役種’に属するものに大別される。
上記「特別役種」は、後述のボーナス遊技への移行契機役となる役種別であり、上記「小役種」は、遊技メダルの払い出し(払い出し0枚を含む)を伴う役種別であり、「リプレイ役種」は、再遊技を伴う役種別であり、それぞれ異なる性能を有する役として定められている。なお上記「再遊技」とは、遊技メダル(遊技媒体)を投入することなく(貯留手段により、またはその他の装置の操作により遊技メダルを遊技の用に供することを含む)、次回のゲーム開始条件を再付与するものであり、具体的には、今回のゲームで使用した遊技媒体量(賭数設定のために投入した遊技メダル枚数)と同一量(同一の枚数)を疑似的に付与(自動投入)して、次回のゲームを開始可能とするものである。この再遊技は、遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回のゲームが可能になるという点で、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものといえる。
本実施形態では、上記リプレイ役種に属するものとして「通常リプレイ1〜12(当選番号1〜12)」、「弱チャンスリプレイ(当選番号19、20)」、「中段チェリーリプレイ(当選番号21)」が設けられている。また上記小役種に属するものとして「押順ベル(当選番号22〜37)」、「共通ベル(当選番号38、39)」、「弱スイカ(当選番号40)」、「強スイカ(当選番号41)」、「弱チェリー(当選番号42)」、「強チェリー(当選番号43)」、「強チャンス目(当選番号44、45)」が設けられており、また上記特別役種に属するものとして「CBB(当選番号46)」が設けられている。
上記抽選対象役のいずれかが内部抽選により当選役として決定された場合、その当選役に対応した図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止表示することが許容される。詳述すれば、内部抽選により当選役が決定された場合、その当選役に対応する内部当選フラグが成立し(当選役に対応する条件装置が作動する)、その成立した内部当選フラグに対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止表示することが許容されることになる。そして、各回胴が停止した際、当選役に対応した図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止すれば、その図柄の組合せに対応する役が成立したとして、当該図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与されるようになっている。
なお本明細書中では、内部抽選により当選役が決定された場合、遊技結果として導出表示される図柄の組合せ(特に、有効入賞ライン上への停止が許容される図柄の組合せ)を「入賞役」と称する場合があり、この入賞役として扱われる図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止(成立)することを「入賞(遊技価値が付与されるか否かは問わない)」と称する場合がある。また、所謂「取りこぼし」が発生した場合に遊技結果として導出表示される特定の停止表示態様(取りこぼし目)も、遊技結果として導出表示される図柄の組合せの一態様であることから、この取りこぼし目も入賞役として扱うことができる。
ここで本実施形態の役構成の理解を容易なものとするために、図6A〜図6B、図7A〜図7C、図8を参照して、当選役に対応した図柄の組合せについて簡単に説明しておく。
図6A〜図6Bを参照して、図示の当選役に対応する「条件装置番号」の欄は、その当選により成立する内部当選フラグ種別を示しており、この条件装置番号は図7A〜図7Cの条件装置番号に対応している。たとえば、図6Aに示す当選番号1の「通常リプレイ1」の場合(図6A参照)、これに対応する条件装置番号が‘2〜6’となっており、この条件装置番号について図7Aを参照すれば、当該条件装置番号2〜6に対応する内部当選役種別は、「中段リプレイ」、「上段リプレイ」、「下段リプレイ」、「右上リプレイ」、および「右下リプレイ」となっており、これら内部当選役に対応する図柄の組合せは、図柄番号の欄‘2〜12’に対応する図柄の組合せとなっている。つまり「通常リプレイ1」が当選役として決定された場合は、当選役に対応する図柄の組合せとして、条件装置番号の欄‘2〜12’に対応する図柄の組合せが入賞許容状態下に置かれる。そして、各回胴を停止していく際の停止操作手順(押し順、停止操作タイミング)に応じて、上記入賞許容状態とされた図柄の組合せのいずれかが有効入賞ライン上に停止される。
なお、図7A〜図7Cの「図柄の組合せ」の欄における「左回胴」「中回胴」「右回胴」のそれぞれの欄に対応する図柄は、回胴5a、5b、5cにおける有効入賞ライン上の停止図柄を例示したものである。
また図8は、特定の当選役(当選番号1〜12の通常リプレイ1〜12、当選番号22〜37の押順ベル)について、その当選役に対応する図柄の組合せのうち、特定の図柄の組合せを有効入賞ライン上に停止させる条件として規定される「押し順」の説明に供する説明図である。なお、図中の「左」「中」「右」の表記について、「左」は停止操作対象が左回胴5a、「中」は中回胴5b、「右」は右回胴5cを意味する。また、図中の「左押し」や「中右左」などの表記は、同図の「入賞役種別」の欄に対応した図柄の組合せを成立させる回胴の停止操作順番(押し順)を示す。たとえば、上記「中右左」の表記は、この順に回胴を停止させることを意味し、具体的には、第1番目の停止操作が中回胴5b、第2番目の停止操作が右回胴5c、第3番目の停止操作が左回胴5aの意である。また「左押し」の表記は、第1番目の停止操作を左回胴5aとする押し順の意であり、「中押し」の表記は、第1番目の停止操作を中回胴5bとする押し順の意であり、「右押し」は第1番目の停止操作を右回胴5cとする押し順の意である。以下、説明の便宜上、必要に応じて、第X番目の停止操作を「第X停止操作」と略し、「第X番目に停止操作対象となった回胴」を「第X停止操作回胴」と略す。
<リプレイ役種:通常リプレイ1〜12、弱チャンスリプレイ1〜2、中段チェリーリプレイ>
最初に、リプレイ役種について説明する。リプレイ役種には、その当選により再遊技をを伴う(再遊技作動を伴う)1または複数種類の図柄の組合せの入賞を許容する複数種類のリプレイ役種(通常リプレイ1〜12、中段チェリーリプレイ、弱チャンスリプレイ1〜2など)が設けられている。
(リプレイ役種:通常リプレイ1〜12)
まず、当選番号1〜12の通常リプレイ1〜12について説明する。
これら通常リプレイ1〜12は、少なくとも押し順に応じて異なる図柄の組合せ(入賞役)が有効入賞ライン上に停止(入賞)しうる「押順規定役」として規定されている。つまり、有効入賞ライン上に停止させるための特定の図柄の組合せについて、所定の押し順が割り当てられている(図8参照)。この押順規定役は、たとえば、所定の押し順の場合には遊技者に有利に作用する図柄の組合せ(有利入賞役)が、それとは異なる押し順である場合には遊技者に不利に作用しうる図柄の組合せ(不利入賞役)が有効入賞ライン上に停止(入賞)しうるように定められている。この点、後述の弱チャンスリプレイ(当選番号19〜当選番号20)や共通ベル(当選番号39〜40)などのように、押し順を条件としない「押順不問役」とは性質を異にする。上記通常リプレイ1〜12に関しては、押し順に応じて入賞しうる図柄の組合せが異なる点を除き、その他の内容は実質的に同じであるので、重複記載を避けるために、代表的に当選番号1の「通常リプレイ1」を中心に説明する。
図6Aおよび図7Aを参照して、「通常リプレイ1」が当選した場合、既に説明したように、条件装置番号2の「中段リプレイ」に対応する図柄の組合せ(中段リプレイ1(図柄番号2))、条件装置番号3の「上段リプレイ」に対応する図柄の組合せ(上段リプレイ1〜8(図柄番号3〜10))、条件装置番号4の「下段リプレイ」に対応する図柄の組合せ(下段リプレイ1〜2(図柄番号11〜12))、条件装置番号5の「右上リプレイ」に対応する図柄の組合せ(右上リプレイ1〜2(図柄番号13〜14))、および条件装置番号6の「右下リプレイ」に対応する図柄の組合せ(右下リプレイ1〜8(図柄番号15〜22))の入賞が許容される。以下、説明の便宜上、必要に応じて、図柄番号に対応する図柄の組合せについて、これらが属する内部当選役種別(図7A〜7Cの内部当選役種別の欄参照)で略称する。
図8を参照しながら、上記通常リプレイ1の当選により入賞が許容される図柄の組合せについて、停止制御(引き込み制御)の観点から具体的に説明する。
図8(当選番号1の通常リプレイ1の欄)を参照して、通常リプレイ1が当選した場合において、押し順(停止操作順番)が「左押し」の場合には‘中段リプレイ’に対応する図柄の組合せ(中段リプレイ1)が、「中右左」の場合には‘上段リプレイ’に対応する図柄の組合せ(上段リプレイ1〜8)が、「右左中」の場合には‘下段リプレイ’の下段リプレイ1〜2が、「中左右」の場合には‘右上リプレイ’に対応する図柄の組合せ(右上リプレイ1〜2)が、「右中左」の場合には‘右下リプレイ’に対応する図柄の組合せ(右下リプレイ1〜8)が、有効入賞ライン上に停止するように回胴の停止制御が行われる。つまり、通常リプレイ1が当選に係る「中段リプレイ」、「上段リプレイ」、「下段リプレイ」、「右上リプレイ」、および「右下リプレイ」の各区分の図柄の組合せについて、有効入賞ライン上に停止させるための所定の押し順が割り当てられている。
なお、同一内部当選役種別(条件装置番号)に属する複数種類の図柄の組合せのうち、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、引き込み制御の関係上、停止操作タイミングに基づき決定される。
たとえば、押し順が「右左中」のケースであれば、下段リプレイ(図7Aの条件装置番号4の欄参照)の「ベル」−「ベル」−「スイカ1」(下段リプレイ1)か、または「ベル」−「ベル」−「スイカ2」の計2種類の図柄の組合せ(図7A参照)のうち、いずれかの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止しうる。
ここで図2を参照すれば(図2の図柄配列帯200の‘2ND’参照)、右回胴5cの図柄配列帯200には、「スイカ1」と「スイカ2」とが引き込み率100%未満となるように配置され、かつこれら図柄の合算引き込み率が100%となる図柄配置構成となっている。なお、上記「合算引き込み率100%」とは、たとえば、当選役の構成要素図柄として、複数種類の図柄(ここでは、スイカ1およびスイカ2)が有効入賞ライン上に停止することが許容される場合、一の図柄(たとえば、スイカ1)が引き込めない場合には、その替わりに、必ず他の図柄(たとえば、スイカ2)が有効入賞ライン上に引き込まれる、といった引き込み制御態様である。換言すれば、引き込み制御下において、有効入賞ライン上に停止が許容される複数種類の図柄のうち、いずれかの図柄が必ず有効入賞ライン上に停止可能な図柄配置構成を指す。
このような図柄配置構成の関係上、右回胴5cを停止する際、たとえば「スイカ1」を有効入賞ライン上に停止不可能なタイミングで回胴の停止操作が行われた場合には、その替わりに、そのスイカ1の直近にある「スイカ1」または「スイカ2」を有効入賞ライン上に引き込むことにより、下段リプレイの構成要素図柄を有効入賞ライン上に停止させる。次いで、左回胴5aには「ベル」(引き込み率100%:図2の図柄配列帯200の‘1ST’参照)を停止させ、最終停止操作回胴の中回胴5bに「ベル」を停止させる(引き込み率100%:図2の図柄配列帯200の‘2ND’参照)。これにより、下段リプレイを入賞させるようになっている。なお、他の押し順の場合も同事象の引き込み制御が行われる。
上記のように本実施形態では、通常リプレイ1について、図8に示す押し順に応じて、その当選役に対応する図柄の組合せを有効入賞ライン上に必ず停止させ、「取りこぼし」が発生しない停止制御形態となっている。なお、通常リプレイ2〜12についても、図8に示す押し順に基づく同事象の引き込み制御が行われるようになっている。
このように、通常リプレイ1が当選役として決定された場合には、「中段リプレイ」、「上段リプレイ」、「下段リプレイ」、「右上リプレイ」、および「右下リプレイ」に対応する図柄の組合せ(図柄番号の欄‘2〜22’の図柄の組合せ)が入賞許容状態に置かれる。換言すれば、「通常リプレイ1」は、その当選により、中段リプレイ(中段リプレイ1)入賞を許容する役と、上段リプレイ(上段リプレイ1〜8)の入賞を許容する役と、下段リプレイ(下段リプレイ1〜2)の入賞を許容する役と、右上リプレイ(右上リプレイ1〜2)の入賞を許容する役と、右下リプレイ(右下リプレイ1〜8)の入賞を許容する役とに、一回の内部抽選で複数種類の役に同時当選可能な(一回の内部抽選で複数種類の内部当選フラグ(条件装置)が成立する)「重複役」としての性質を有するものといえる。本実施形態では、斯様な「重複役」のように、当選役と、これにより許容される停止図柄態様とを1対Nに対応させた抽選対象役を設け、一つの当選役に対して、これを実効化するための停止図柄態様を複数種類設けることで、遊技内容の豊富化を図っている。このような重複役として性質を有するものには、通常リプレイ1〜12(当選番号2〜12)の他、後述の中段チェリーリプレイ(当選番号21)や押順ベル(当選番号22〜37)などがある。
ところで、当選役およびその当選役に対応する図柄の組合せ(入賞役)を多数設けて、回停止操作手順により入賞する入賞役を異ならせたり、その役の性能を異ならせたりすることにより遊技性の幅を広げる場合、有効入賞ラインを複数本設ける、たとえば、従来の回胴式遊技機の入賞ラインのように、図5(A)に示す中段横ラインと、さらに、図5(B)の破線に示すように、回胴視認部3を横および斜めに横断する形の計4本(図正面から見て、回胴視認部3を右斜め下がりに対角線上に横断する「右下りライン」と、右斜め上がりに対角線上に横断する「右上りライン」と、回胴視認部3を水平方向に横断する上段横ラインと下段ラインとの4本の合計5本の入賞ラインが施された、所謂「5ライン機」のように、有効入賞ラインを複数設けてしまうと、役の構成要素図柄や図柄配列帯の図柄配置構成や引き込み制御の関係上、遊技機を設計する上で役構成が複雑化し、抽選対象役や入賞役の種類を制限せざるを得なくなり、遊技性の自由度が阻害される。
そこで近年では、有効入賞ライン数を減らして、本実施形態に係る回胴式遊技機のように、図5(A)の如く単一の入賞ラインとする「1ライン機」や、図示はしていないが、直線的な有効入賞ラインではなく、楔型のような変則的な有効入賞ラインを設けて、この問題を解決する努力がなされている。ここで、有効入賞ライン上に停止した図柄の組合せに応じて遊技価値を付与するといった回胴式遊技機の特性上、上記のような1ライン機では、遊技者に対して役が成立したことを容易に認識させるべく、有効入賞ラインとは別に、従来の5ライン機を模した仮想的な入賞ライン(以下、「疑似入賞ライン」と称する(図5(B)参照))を形成して、この疑似入賞ライン上に遊技者が入賞したと認識し易い図柄の組合せ(たとえば、同一または類似する図柄を利用した図柄の組合せ)を停止させ、入賞が発生したことを遊技者に知得させるようにしている。
これについて、たとえば、通常リプレイ1の当選により入賞が許容される「上段リプレイ」について説明すれば、図7Aに示すように、対応する図柄の組合せが、一見して、バラケ目のような停止表示態様となっている。しかし、これらの図柄の組合せが有効入賞ライン(中段横ライン)に停止した場合、図2の図柄配列帯200を参照すれば、疑似入賞ラインである「上段横ライン」上には、「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」といった同一の図柄の組合せが停止するようになっている。
ここで混同してはならないのは、上記した「バラケ目(このケースでは、上段リプレイに対応する図柄の組合せ)」が通常リプレイ1の当選により有効入賞ライン上に停止することが許容される図柄の組合せであり、これが実際の通常リプレイ1に対応する図柄の組合せ(入賞役)として定められている点である。同様に、「下段リプレイ」の場合(図柄番号11〜12)には、疑似入賞ラインである「下段横ライン」上に、「右上リプレイ」の場合(図柄番号13〜14)には疑似入賞ラインである「右上りライン」上に、「右下リプレイ」の場合(図柄番号15〜22)には疑似入賞ラインである「右下りライン」上に、「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」が停止し、遊技者に対してリプレイが入賞したと容易に認識させ易いようになっている。
このように成立ラインを異ならせることにより、実際の有効入賞ライン上には、一見して、バラケ目のような図柄の組合せが停止するが、疑似入賞ライン上には、遊技者から見て、役が入賞したと認識し易い図柄の組合せを停止させて、遊技者が安心して遊技に興じることができるようになっている。また、疑似入賞ライン上には同じ図柄の組合せが停止し一見して同じ性能を有する図柄の組合せが停止したように見えるが、実際の有効入賞ライン上には異なる図柄の組合せを停止させることにより、遊技者から見て、役が入賞したと容易に認識可能させつつ、成立ラインに応じて役の性能を異ならせることが可能になる。これにより、役のバリエーションを多彩なものとし、遊技内容の豊富化を図ることができる。
なお、重複記載を避けるために詳細な説明は省略するが、上記した通常リプレイ1のように、遊技者が入賞したと認識し易いような図柄の組合せを疑似入賞ライン上に停止させる当選役として、後述の当選番号40の弱スイカ(上段横ライン上に、スイカ1またはスイカ2(スイカ1に酷似または類似する図柄)を利用した図柄の組合せが停止可能)、当選番号41の強スイカ(右下りライン上に、スイカ1またはスイカ2を利用した図柄の組合せが停止可能)、当選番号22〜23の右3枚ベル1〜2(右下りライン上に、ベルの図柄の組合せが停止可能)などがある(図2の図柄配列帯、図7B〜図7Cの図柄の組合せ参照)。
(通常リプレイ1の配当について)
通常リプレイ1の当選により、上記「中段リプレイ」、「上段リプレイ」、「下段リプレイ」、「右上リプレイ」、および「右下リプレイ」が入賞した場合、その配当は再遊技となる。また条件付きではあるが、再遊技とともに、次のような遊技価値が付与されうる(通常リプレイ2〜12も同様)。
本実施形態では、通常リプレイ1〜12について、特定のリプレイ役(「中段リプレイ」、「上段リプレイ」、「下段リプレイ」、「右上リプレイ」、または「右下リプレイ」)が入賞となる押し順が実行された場合、遊技モード(遊技状態)が移行しうるようになっており、所定の条件の下、複数回連続して特定のリプレイ役が入賞となる押し順が実行されたことを契機として、特定の遊技モードに移行され、遊技者に有利に作用する「疑似ボーナス」が発生するようになっている(これについての詳細は図9〜図10にて後述する)。通常リプレイ1〜12は、押し順に応じて、遊技者に有利に作用しうる遊技状態、または不利に作用しうる遊技状態への移行契機となる点で、一の遊技状態から他の遊技状態への移行契機となる「状態移行契機役」の一態様といえる。また通常リプレイ1〜12は、条件付きであるが、さらに別の遊技価値を付与しうる。たとえば、後述の、遊技者に有利に作用する「疑似ボーナス抽選(たとえば、図38参照)」の実行権利の付与などである。
(リプレイ役種:弱チャンスリプレイ1〜2)
次に、当選番号19〜20の弱チャンスリプレイ1〜2について説明する。
図6Aおよび図7Aを参照して、弱チャンスリプレイ1が当選した場合、条件装置番号12のチャンスリプレイAに対応する図柄の組合せ(図柄番号23の弱チャンスリプレイ1)の入賞が許容される。また弱チャンスリプレイ2が当選した場合、条件装置番号13のチャンスリプレイBに対応する図柄の組合せ(図柄番号24の弱チャンスリプレイ2)の入賞が許容される。この弱チャンスリプレイ1と弱チャンスリプレイ2は「押順不問役」に属し、対応する図柄の組合せを入賞させるための停止操作タイミングも要しない。つまり、どのような停止操作手順であっても、対応する図柄の組合せが入賞するようになっている。
(弱チャンスリプレイ1〜2の配当について)
上記弱チャンスリプレイ1または弱チャンスリプレイ2が入賞した場合、その配当は再遊技となる。また弱チャンスリプレイ1または弱チャンスリプレイ2は、通常リプレイ1〜12と同じく、条件付きであるが、「疑似ボーナス抽選(たとえば、図36、図38参照)」の実行権利などを付与しうる。
(中段チェリーリプレイについて)
次に、当選番号21の中段チェリーリプレイについて説明する。
図6Aおよび図7Aを参照して、中段チェリーリプレイが当選した場合、条件装置番号13の弱チャンスリプレイBに対応する図柄の組合せ(図柄番号24の弱チャンスリプレイ2)と、条件装置番号14の中段チェリーリプレイに対応する図柄の組合せ(図柄番号25〜28の中段チェリー1〜4)の入賞が許容される。つまり中段チェリーリプレイが当選役として決定された場合、弱チャンスリプレイ2の入賞を許容する役(弱チャンスリプレイB)と、中段チェリー1〜4の入賞を許容する役とに重複当選可能な「重複役」としての性質を有するものといえる。
ただし、いずれの図柄の組合せが入賞するかについては、回胴の停止操作タイミングに応じて決定される。中段チェリーリプレイが当選した場合、引き込み制御の関係上、左回胴5aにおける停止操作タイミングが特定の停止操作タイミングである場合には、チェリー1を有効入賞ライン上に引き込んで「中段チェリー1〜4」が停止(入賞)し、当該特定の停止操作タイミングでない場合には、チェリー1の替わりにベル図柄を有効入賞ライン上に引き込んで「弱チャンスリプレイ2」が停止するようになっている。
(中段チェリーリプレイの配当について)
上記中段チェリーリプレイ(中段チェリー1〜4、弱チャンスリプレイ2)が入賞した場合、その配当は再遊技となる。この中段チェリーリプレイは、他の内部抽選対象役より、たとえば、後述の疑似ボーナス抽選による当選確率が優遇されており、この点で、他の小役よりも相対的に有利に作用する遊技価値を付与しうる「レア小役」に属し、特に中段チェリーリプレイは、全抽選対象役のうち、遊技者に最も有利な遊技価値を付与しうるプレミアム的な抽選対象役(プレミアム役)としての位置付けとなっている。なお、上記「レア小役」に属するものとしては、後述の弱スイカ(当選番号40)、強スイカ(当選番号41)、弱チェリー(当選番号42)、強チェリー(当選番号43)、強チャンス目1〜2(当選番号44〜45)などがある。
<一般役種:押順ベル(当選番号22〜37の押順ベル)、弱スイカ、強スイカ、強チェリー、弱チェリー、強チャンス目1〜2>
(一般役種:押順ベル(当選番号22〜37))
次に、当選番号22〜37の押順ベルについて説明する。これら押順ベルは、上記通常リプレイ1〜12と同様に、「押順規定役」として規定されている。上記押順ベルに関しては、押し順に応じて入賞しうる図柄の組合せが異なる点を除き、その他の内容は実質的に同じであるので、重複記載を避けるために、代表的に当選番号26の「中左右9枚ベル1」を中心に説明する。
図6Bおよび図7Bを参照して、「中左右9枚ベル1」が当選した場合、条件装置番号15の「中段ベル」に対応する図柄の組合せ(図柄番号29の中段ベル1)、条件装置番号17の「左ベルハズレA」に対応する図柄の組合せ(図柄番号31〜32の左ベルハズレ1〜2)、および条件装置番号23の「中ベルハズレ」に対応する図柄の組合せ(図柄番号47〜50の中ベルハズレ1〜4)の入賞が許容される。換言すれば、「中左右9枚ベル1」は、その当選により、中段ベル1の入賞を許容する役と、左ベルハズレ1〜2の入賞を許容する役と、中ベルハズレ1〜4の入賞を許容する役とに重複当選可能な「重複役」としての性質を有するものといえる。
次に図8を参照しながら、上記「中左右9枚ベル1」の当選により入賞が許容される図柄の組合せについて、停止制御の観点から具体的に説明する。
中左右9枚ベル1は、上記した通常リプレイ1と同事象の引き込み制御により、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、少なくとも押し順に基づき決定されるようになっている。
具体的には、図8(当選番号26の中左右9枚ベル1の欄)を参照して、中左右9枚ベル1が当選した場合において、押し順が「中左右」の場合には条件装置番号15の‘中段ベル’に対応する図柄の組合せが、「左押し(左中右、左右中)」の場合には条件装置番号17の‘左ベルハズレA’に対応する図柄の組合せが、「中右左、または右押し(右中左、右左中)」の場合には条件装置番号23の‘中ベルハズレ’に対応する図柄の組合せが、有効入賞ライン上に停止するように回胴の停止制御(引き込み制御)が行われる。つまり、「中段ベル」、「左ベルハズレA」、および「中ベルハズレ」区分に属する図柄の組合せについて、有効入賞ライン上に停止させるための押し順が割り当てられている。
また同一条件装置番号に属する複数種類の図柄の組合せのうち、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、上記通常リプレイ1と同様に(たとえば、上段リプレイ、下段リプレイ、右上リプレイ、または右下リプレイ)、引き込み制御の関係上、停止操作タイミングに基づいて決定される。たとえば、中左右9枚ベル1が当選した場合において押し順が「左押し」の場合、条件装置番号17の‘左ベルハズレA’に対応する「リプレイ」−「赤7」−「青7」(左ベルハズレ1)か、または「リプレイ」−「赤7」−「チェリー1」(左ベルハズレ2)の図柄の組合せの入賞が許容されるが、本実施形態では、中回胴5bの図柄配列帯200において「赤7」が、また右回胴5cの図柄配列帯200において「青7」と「チェリー1」が、引き込み率100%未満となるように配置されている関係上(図2の図柄配列帯200の‘2ND’‘3RD’参照)、中回胴5bを停止する際に「赤7」を有効入賞ライン上に停止不可能なタイミングで回胴の停止操作が行われた場合や、右回胴5cを停止する際に「青7」または「チェリー1」を有効入賞ライン上に停止不可能なタイミングで回胴の停止操作が行われた場合には、入賞役として扱われない図柄の組合せ、すなわち配当を得ることができない図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止し、その結果、中左右9枚ベル1に関する「取りこぼし」が発生するようになっている。また左ベルハズレB〜F、中ベルハズレ、右ベルハズレについても、上述した左ベルハズレAと同事象の引き込み制御が行われるようになっている。ただし、条件装置番号15の‘中段ベル’に対応する図柄の組合せ(中段ベル1)が入賞となる押し順が実行された場合、各回胴において「ベル」が引き込み率100%となるように配置することにより(図2の図柄配列帯200参照)、所定の押し順であれば、中段ベル1が必ず有効入賞ライン上に停止するようになっている。
なお、当選番号22〜25、27〜37の押順ベルに関しても、上述した中左右9枚ベル1と同事象の引き込み制御が行われ、その当選により入賞が許容される図柄の組合せについて、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、図8に示す押し順に基づき決定され、役構成により、停止操作タイミングに応じて入賞が発生したり、取りこぼしが発生したりするようになっている。
(中左右9枚ベル1の配当について)
中左右9枚ベル1の当選により許容される図柄の組合せのうち、上記「中段ベル1」は、「左ベルハズレ1〜2」および「中ベルハズレ1〜4」よりも遊技価値が相対的に高い入賞役としての位置付けとなっている。本実施形態では、中段ベル1の配当が遊技メダル9枚(第1の所定枚数(第1の遊技価値))の払い出し、左ベルハズレ1〜2と中ベルハズレ1〜4はそれよりも少ない遊技メダル1枚(第2の所定枚数(第2の遊技価値))の払い出しとなっている。これは、「中左右9枚ベル1」が少なくとも押し順に応じて、遊技者に有利に作用しうる図柄の組合せ(有利入賞役)か、または遊技者に不利に作用しうる図柄の組合せ(不利入賞役)が遊技結果として導出表示されうることを意味する(当選番号22〜25、27〜37の押順ベルについても同様:図6Bおよび図7B参照)。また、押順ベルは、条件付きであるが、さらに別の遊技価値を付与しうる。たとえば、後述の、遊技者に有利に作用する「疑似ボーナス抽選(たとえば、図36、図38参照)」の実行権利を付与しうる。なお、配当の遊技メダルの枚数は特に制限されず、たとえば、不利入賞役側である、左ベルハズレA(図柄番号31〜32の左ベルハズレ1〜2)と中ベルハズレ(図柄番号47〜50の中ベルハズレ1〜4)に係る配当を「ゼロ」としても良い(他の押順ベルについても同様)。この場合は、入賞による配当が遊技メダル「ゼロ枚」の払い出しを伴う入賞役という扱いとしても良いし、ハズレ目のように、遊技メダルの払い出しを伴わない入賞役として扱っても良い。
(押順ベルに関する入賞役の入賞率について)
ここで図8を参照すれば、当選番号26〜37の押順ベル(以下、当選番号26〜37の押順ベルを、必要に応じて「押順9枚ベル」と略称する場合がある)のいずれかが当選した場合、有利入賞役である「中段ベル1(配当9枚)」を入賞させる押し順はそれぞれ1通りとなっており、その押し順選択率は「1/6(入賞率約17%)」である。ただし押順9枚ベル(当選番号26〜37の押順ベル)に関し、後述のペナルティの関係で正規手順が求められている関係上、「左押し」の場合に不利入賞役である「左ベルハズレ(配当1枚)」が入賞しうるようになっている。したがって、仮に押順ベルが当選したがその当選種別が判明しなくとも、遊技者が中段ベル1を入賞させるには、実質的に「左押し(左中右と左右中の2通りの押し順)」を除く‘4通り’の押し順を選択すれば良く、1/4の確率(入賞率25%)で「中段ベル1」入賞させることができることになる。
また、当選番号22〜23の押順ベル(押順3枚ベル役)について、有利入賞役である「右下りベル1(配当3枚)」を入賞させる押し順は、当選番号22の中左右3枚ベル1は「中左右」の1通りとなっており、当選番号22の中右左3枚ベル1は「中右左」の1通りとなっている。したがって、仮に押順3枚ベル役が当選したがその当選種別が判明しなくとも、押し順の割り当てを知る遊技者であれば、「中左右」か、または「中右左」の押し順‘2通り’のいずれかを選択すれば良いことになり、1/2の確率(入賞率50%)で「右下りベル1」入賞させることができる。
このことは「押順規定役」に関し、特定の役(入賞役)を入賞させるために、1または複数種類の押し順を割り当てることで、その入賞率を変化させることができることを意味する。これにより、主制御部400側の制御ではなく、専ら、演出制御部410側の演出制御(アシスト報知制御)により、押順規定役に係る「アシスト報知(支援演出)」の発生の有無や、その報知態様(選択的アシスト報知)の異同により、有利入賞役の入賞を容易にしたり、困難にしたりして、特定の入賞役の入賞率を変動させることができる。
本実施形態では、演出制御部410側の制御により、アシスト報知の発生率を変化させたり、その報知内容を変化させたりして、有利入賞役の入賞率を変化させる制御を行い、これにより、1ゲームあたりに遊技者が獲得し得る平均的利益(所謂「PAYOUT率」、「機械割」、または「ベース値」。以下、必要に応じて「ベース値」と略称する)が異なる複数種類の遊技状態(低ベースモード(通常モード(通常遊技))、中ベースモード(STモード)、および高ベースモード(疑似ボーナス))を作り出し、遊技の面白みを向上させている。なお、これについての詳細は後述する。
(一般役種:共通ベル3枚ベル、共通ベル9枚ベル、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、強チャンス目1〜2)
次に、当選番号38の共通ベル3枚ベル、当選番号39の共通ベル9枚ベル、当選番号40の弱スイカ、当選番号41の強スイカ、当選番号42の弱チェリー、当選番号43の強チェリー、および当選番号44〜45の強チャンス目1〜2について説明する。これらの役は「押順不問役」として規定されている。
なお、上述の各抽選対象役ついては、対応する図柄の組合せが異なる点を除き、その他の内容は実質的に同じであるので、重複記載を避けるために、代表的に当選番号40の「弱スイカ」を中心に説明する。
図6Bおよび図7Cを参照して、「弱スイカ」の当選した場合、条件装置番号25の「弱スイカ」に対応する図柄の組合せ「上段スイカ1〜2、中段スイカ1〜4(図柄番号55〜60)」の計6種類の図柄の組合せの入賞が許容される。なお、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、引き込み制御の関係上、押し順によらず、停止操作タイミングに基づいて決定される。また、当選番号41〜45の強スイカ、弱チェリー、強チェリー、強チャンス目1〜2も同様に、対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順によらず、停止操作タイミングに基づいて決定されるようになっている。
弱スイカに対応する図柄の組合せ「上段スイカ1〜2」「中段スイカ1〜4」が入賞した場合、配当として、いずれも所定枚数(本実施形態では、遊技メダル3枚)の遊技メダルが払い出されるようになっている。また弱スイカは、条件付きであるが、さらに別の遊技価値を付与しうる。たとえば、後述の「疑似ボーナス抽選(たとえば、図36、図38参照)」の実行権利の付与などである(共通ベル3枚ベル、共通ベル9枚ベル、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、強チャンス目1〜2についても同様)。
なお、当選番号41の「強スイカ」は、その当選により、条件装置番号25の「弱スイカ」、条件装置番号26の「強スイカ」、および条件装置番号32の強チャンス目Dに対応する図柄の組合せが許容される(図6B参照)。つまり、上記強スイカが当選した場合、停止操作タイミングによっては、条件装置番号25の弱スイカに対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止しうるため、目押しを慎重にしなければ、当選番号40の「弱スイカ」に当選したのか、当選番号41の「強スイカ」に当選したのかが不明確になるようになっている。また当選番号43の強チェリーは、条件装置番号27の「弱チェリー」、条件装置番号28の「強チェリー」、および条件装置番号31の強チャンス目Cに対応する図柄の組合せが許容される(図6B参照)。この強チェリーも、上述の強スイカと同事象のように、目押しを慎重にしなければ、当選番号42の「弱チェリー」に当選したのか、当選番号43の「強チェリー」に当選したのかが不明確になるようになっている。
他方、当選番号38の共通ベル3枚ベル、または当選番号39の共通ベル9枚ベルは、停止操作手順(押し順および停止操作タイミング)によらず、その当選により許容される図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するようになっている。
(特別役種:CBB)
次に、当選番号46のCBBについて説明する。CBBは「押順不問役」として規定されている。
CBBは、「特別役種」に属する抽選対象役である。この特別役は、たとえば、特別役に対応する図柄の組合せ(ボーナス)の入賞を契機に、一般役種の抽選確率が変動する遊技状態や、特殊な引き込み制御となる遊技状態(たとえば、特定の図柄の引き込みコマ数が変動する遊技状態(いわゆる「チャレンジボーナス(CB)、「チャレンジタイム(CT)」)といった特別遊技状態(いわゆる「ボーナス遊技」)への移行契機となる役であり、この点で、このような遊技状態への移行契機とはならない「一般役種」とは性質を異にする。
図6Aおよび図7Cを参照して、CBBの当選が当選した場合、条件装置番号1の「ボーナス」に対応する図柄の組合せ(CBB1(図柄番号1))の入賞が許容される。このBBは「押順不問役」であるが、引き込み制御の関係上、停止操作タイミングが所定のタイミングである場合に限り、その図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能となっている。このため、ボーナスの構成要素図柄(青7、チェリー2、ブランク)を有効入賞ライン上に引き込み不可能な停止操作タイミングで回胴が停止操作された場合、CBBの取りこぼしが発生するようになっている。
本実施形態では、上記CBB1(ボーナス)が入賞した場合、次回のゲームから遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナス遊技)として、特定の小役種(たとえば、押順ベル(当選番号22〜37)の当選確率が高確率に変動するボーナス遊技が発生するようになっている。しかし本実施形態では、ボーナス遊技中において、遊技開始条件となる規定枚数を遊技メダル1枚としており、後述のアシスト報知もされないため、1ゲーム当りの平均獲得遊技メダル枚数(純増枚数)が、概ねゼロとなるようになっている。このボーナス遊技は、規定枚数(たとえば、22枚)以上の遊技メダルの払い出しを条件に終了するようになっている。なお、本実施形態のボーナス遊技は、遊技者に有利に作用するものであっても良いし、不利に作用する(純増枚数がマイナスになる)ものであっても良い。
<CBBの持ち越しについて>
上記した特別役であるCBBは、その内部当選フラグを次回以降のゲームに持ち越し可能な「持越役」として設定されている。このため、上記CBBに当選した場合においては、CBBに対応する図柄の組合せ(CBB1(ボーナス役))が入賞するまでの遊技期間、当該CBBに係る当選フラグ(ボーナス当選フラグ)の成立状態が維持され、この間、CBBは抽選対象から除外される(図6BのBB内部中の当選番号46の欄参照)。つまり、特別役のような持越役の内部当選フラグの成立状態下では、他の持越役は抽選対象から除外される。そして、この抽選対象から除外されたCBBの抽選値(判定値)分が各種のリプレイ役に割り当てられることにより、CBB非成立中(非BB内部当選遊技)に比べてCBB成立中(BB内部当選遊技)の方がリプレイ役種に当選する割合が高くなっている(図6Aの各リプレイ役種別に対応するRT0遊技およびRT1遊技の欄、図6BのCBBに対応するRT0遊技およびRT1遊技の欄参照)。つまり、ボーナス当選フラグ中においては、ボーナス当選フラグが新たに成立したり、または重複して成立したりすることがないようになっている。このボーナス当選フラグが成立中の状態(当選した当該ゲームを含む)を「内部当選中遊技」と称する。
一方、BB(特別役種)以外の役は、その当選フラグを次回のゲームに持ち越すことができない「持越不可能役」として設定されている。内部当選中遊技においては、一般役種(一般小役種、リプレイ役種)については、通常通りに、これを対象とした内部抽選が行われる(図6BのBB内部中の欄参照)。このため、ボーナス当選フラグと他の役の当選フラグとが同時に成立する重複当選状態が発生しうる。このような場合、いずれの当選役に対応する図柄の組合せを入賞させるかどうかは、所定の引き込み優先順位に基づいて決定される。本実施形態では、「特別役種(CBB)<小役種<リプレイ役種」の順位(リプレイ役種が最優先順位)で引き込み制御が行われるようなっている(小役優先制御)。これにより、CBBと他の一般役種とが重複当選中のゲームにおいては、この引き込み優先順位の下で回胴の停止制御が行われる。
なお、以上に説明した抽選対象役、対応する入賞役、配当、およびその種類などに関する役構成については、本発明の目的を達成できるものであれば特に制限されない。たとえば、特別役種については、単一であっても良いし、複数種類あっても良いし、特別役種自体を設けない構成としても良い。また一般役種についても、本発明の目的を達成できるものであれば、その種別や種類数は特に制限されない。
また、抽選対象役として、特別役種と特定の一般役種とが重複当選可能な「重複BB役」を設けても良い。たとえば、CBBと強チャンス目1(当選番号44)とが重複当選する重複BBが当選役として決定された場合、当選役に対応する図柄の組合せとして「CBB1(「青7」−「チェリー2」−「ブランク」)」と「強チャンス目1(「リプレイ」−「スイカ2」−「ベル」)」とが入賞許容状態に置かれることになる。この場合、重複BB役が当選したゲームでは、上記引き込み優先順位に基づいて、いずれの入賞役を優先的に有効入賞ライン上に引き込むのか決定される。本実施形態では、小役優先制御となっているので、当該ゲームでは、先ず、上記強チャンス目1が優先的に入賞しうる引き込み制御が行われる。この場合、CBBと重複当選する強チャンス目1が遊技結果として導出されれば、CBBの当選期待感を遊技者に与えることができる。
また「押順規定役」に属する抽選対象役については、特定の入賞役を入賞させるための停止操作手順の割り当て(たとえば、有利入賞役や不利入賞役などの特定の図柄の組合せを入賞させるために、どのような押し順を割り当てるかについて)や、その割り当てによる入賞率(その特定の図柄の組合せが入賞となる押し順の選択率)は、本発明の目的を達成可能なものであれば特に制限されない。
<遊技形態:図9〜図10>
次に、図9〜図10を参照して、各遊技状態およびこれら遊技状態の移行制御に着目しながら、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技形態(ゲーム性)の概要を説明する。
<遊技状態>
本実施形態に係る回胴式遊技機では、主制御部(主制御基板)400側で制御される基本的な遊技状態の他、副制御部(演出制御部410)側で制御される付加的な遊技状態が設けられている。主制御部側で制御される遊技状態(主制御部側遊技状態)には、主として、RT遊技(本実施形態では、RT0遊技とRT1遊技)とボーナス遊技とが含まれ、演出制御部410側で制御される遊技状態(演出制御部側遊技状態(演出状態))にはAT(アシストタイム)遊技が含まれる。また、主制御部側遊技状態には、後述の各LRAモードやPDモード(PD準備モード)に関連する複数種類の遊技状態が含まれ、RT遊技と合わせて管理される。
(RT(リプレイタイム)遊技)
RT遊技とは、再遊技を伴うリプレイ役の当選確率が基底の遊技状態の所定確率から変動した再遊技確率変動状態をいう。本実施形態ではRT0遊技とRT1遊技といった複数種類のRT遊技が設け、これら複数種類のRT遊技を実効化することにより、遊技性の自由度を向上させている。
上記各RT遊技は、内部当選遊技(BB内部当選状態)に係るRT遊技であるか、非内部当選遊技状態(一般遊技状態)に係るRT遊技であるかで大別される。本実施形態では、基底の遊技状態として、リプレイ役種の当選確率(リプレイ確率)が低確率である「非BB内部当選遊技(RT0遊技)」を基準とし、それよりも高確率に変動する「BB内部当選遊技(RT1遊技)」が再遊技確率変動状態に相当する。この内部当選遊技は、リプレイ確率が非内部当選遊技よりも高確率となることから「再遊技高確率抽選状態」といえる。またリプレイ役種には、特定のRT遊技中に限り、抽選対象役となるものがある(たとえば、弱チャンスリプレイ1〜2(当選番号19〜20)、中段チェリーリプレイ(当選番号21):図6A参照)。なお、BB内部当選状態は、非内部当選遊技状態と同様に、一般遊技状態の一態様である。この一般遊技状態は、ボーナス遊技のように一般小役種の確率を上昇させることができない遊技状態として規定される(図6A〜図6B参照)。
(AT遊技)
AT遊技とは、役の抽選結果に関連する情報を、液晶表示装置6、装飾ランプ部13、スピーカ16などの演出手段を用いて、画像表示演出、効果音、光演出などにより遊技者に報知する特典遊技状態である。このAT遊技は、主制御部400側で制御される遊技状態(主制御部側遊技状態)とは異なり、主に、演出制御部410(演出制御基板420)側で制御される遊技状態(演出制御部側遊技状態(演出状態))である。このAT遊技は、演出制御部410がその機能部を担う「演出状態管理手段」によりその発生および終了が管理制御される。この演出状態管理手段は、通常演出状態(非AT遊技)およびAT遊技(本実施形態では、前兆AT遊技、AT1遊技、またはAT2遊技)を含む複数種類の演出状態を統括的に管理している。上記演出状態管理手段は、当選役に関する情報を報知する報知状態として、通常報知状態(非AT遊技)と、当該通常報知状態よりも遊技者に有利に作用しうる有利報知状態(AT遊技)とを含む複数種類の報知状態を管理制御する「報知状態管理制御手段」として働く。
(アシスト報知)
本実施形態では、既に説明したように、複数種類の押順規定役が設けられている。たとえば、当選番号22〜37の押順ベルでは、押し順に応じて、有利に作用しうる図柄の組合せ(有利入賞役)が入賞しうる。しかし非AT遊技(通常演出状態)中においては、これらの役に当選しても、有利入賞役の入賞を案内する情報(停止操作手順情報(押し順および停止操作タイミングの少なくともいずれか一方に関する情報)は遊技者に報知されない、あるいは報知されるとしても、その報知確率が低確率となっている。このため、非AT遊技中は、有利入賞役の入賞させるための手掛かりを得られず、その入賞が困難なものとされる。したがって、非AT遊技中は、遊技進行上、AT遊技中よりも遊技者に不利なゲーム展開とされる。
これに対しAT遊技中においては、上記のような押順規定役に係る有利入賞役の入賞を案内する情報が高確率で報知されるため、その入賞が著しく容易なものとなる。たとえば、押順9枚ベル(当選番号26〜37の押順ベル)が当選した場合、有利入賞役である‘中段ベル1’の入賞を案内する押し順情報が遊技者に報知される。これにより、遊技者がその報知内容に従い回胴を停止操作すれば、容易に中段ベル1を入賞させることができる。したがって、AT遊技中は、非AT遊技中よりも遊技者に有利なゲーム展開とされる。これによりAT遊技中は、1ゲームあたりに遊技者が獲得し得る平均的利益(ベース値)が非AT遊技中よりも向上した遊技状態になる。
このような、特定の図柄の組合せ(有利入賞役、不利入賞役、その他、特定の図柄の組合せを含む)の入賞を案内するための情報(停止操作手順情報(押し順および停止操作タイミングの少なくともいずれか一方に関する情報))を報知可能な演出態様を「アシスト報知」と称する。
(アシスト報知態様について)
なお上記アシスト報知は、同じ当選役が決定された場合でも、その報知内容が異なる場合がある。つまり、必ずしも遊技者に特定の図柄の組合せ(たとえば、有利に作用する図柄の組合せ)を確実に入賞させる(100%入賞させる)内容とは限らない。たとえば、押順規定役が当選した場合、有利入賞役を入賞させる押し順だけを報知するのではなく、押し順の一部を不明にしたり、有利入賞役を入賞させる押し順情報(本告知)と不利入賞役を入賞させる押し順情報(偽告知)とを重複して報知したりすることができる。
(秘匿報知(選択的アシスト報知))
たとえば、押順9枚ベルが当選した場合、「中段ベル1」が入賞となる押し順を報知するのではなく、押し順の一部を不明(秘匿状態)とするアシスト報知(秘匿報知)を発生させることができる。具体例として、中左右9枚ベル1が当選したケースであれば、「中段ベル1」が入賞となる押し順の一部を秘匿する報知内容として、第1停止操作回胴に中回胴5bを選択指示する旨を報知し(たとえば、「第1番目に中回胴を押せ!」)、第2停止操作以降に選択する回胴については報知しない、といった報知内容が挙げられる。このようなアシスト報知が発生した場合、遊技者は、中段ベル1を入賞させる押し順として「中右左」と「中右左」のうちからいずれか(2択)を山勘(恣意的)で選択することになり、これにより、アシスト報知による中段ベル1の入賞率を1/2の確率(入賞率50%)に低下させることができる。また、第1停止操作回胴に左回胴5a以外のいずれかの回胴を選択指示する旨がアシスト報知された場合(たとえば、「第1番目に左回胴以外を押せ!」)、遊技者は、中段ベル1を入賞させる押し順として「中右左」、「中右左」、「右中左」、および「右左中」の計4通りの押し順のうちからいずれかを山勘で選択することになり、このケースであれば、中段ベル1の入賞率を1/4の確率(入賞率25%)に低下させることができる。このように、押し順の一部を不明とする秘匿報知とすれば、中段ベル1を入賞させる押し順が択一式的なものとなり、入賞率を100%未満とすることができる。
またたとえば、本告知と偽告知とを重複的に報知することができる。具体的には、押順9枚ベルが当選した場合、中段ベル1が入賞となる押し順と、それ以外の押し順とを重複報知することができる。具体例として、中左右9枚ベル1が当選したケースであれば、「中左右(本告知)」と「右中左(偽告知)」の計2通りの押し順のいずれかを遊技者に選択させる報知内容とすれば(このケースでは正解1通り、不正解1通りの計2通りの押し順から選択させる、いった「2択ナビ」となる)、アシスト報知による中段ベル1の入賞率を50%に低下させることができる。また、「中左右(本告知:正解押し順)」、「中右左(偽告知:不正解押し順)」、「右中左(偽告知:不正解押し順)」の計3通りの押し順を遊技者に選択させる報知内容とすれば、中段ベル1を入賞させる押し順が3択(3択ナビ)となり、中段ベル1の入賞率を1/3(約33%)に低下させることができる。このように、中段ベル1入賞となる真の押し順と、1または複数種類の偽(嘘)の押し順とを重複報知し、これらのうちからいずれかの押し順を遊技者に選択させる報知内容とすれば、中段ベル1を入賞させる押し順が択一式なものとなり、入賞率を100%未満とすることができる。
上記した択一的なアシスト報知では、アシスト報知の内容を異なるものとすることで、同じ当選役であっても特定の図柄の組合せの入賞率を変化させることができる。このようなアシスト報知態様を「選択的アシスト報知」と称する。
上記のような選択的アシスト報知が発生すれば、遊技者自身の恣意的な停止操作により、ゲーム展開が有利・不利に作用しうることになるので、回胴の停止操作時において遊技者に対し緊張感を与え、遊技の面白みを向上させることができる。また、上記のようなアシスト報知の発生(現出)確率を異ならせることにより、性質の異なる遊技状態(たとえば、ベース値が異なる遊技状態)を作り出すことができる。これにより、遊技性(ゲーム性)を多様化することができ、遊技の面白みを向上させることができる。。本実施形態では、選択的アシスト報知を現出可能な遊技状態(遊技モード)として、後述の「STモード」を設けてある。なお、上記「偽のアシスト報知(偽告知)」は、後述の「STモード」のように、アシスト報知態様(選択的アシスト報知)によりベース値を抑制したい場合に利用される他、特定の図柄の組合せが入賞してしまうと遊技状態の移行が生じうる場合において、ゲーム進行上、イレギュラーな状態移行が発生することを回避したい場合などにも利用される。このように、特定の押し順が実行されてしまうことにより、ゲーム進行上、不都合が生じることを回避するためになされるアシスト報知も上記「偽アシスト報知(偽告知)」の一態様として扱うことができる。
また、アシスト報知は、原則として、押し順に関する情報を遊技者に提示するだけで、当選役種別に関する情報を付随して遊技者に提示しないようになっている。これは、当選役種別を明示してしまうと、押し順を報知せずとも、役構成によっては、押し順の割り当てを知る遊技者側に、有利入賞役または不利入賞役の押し順が判明してしまい、アシスト報知を発生させる意義が喪失してしまうからである。たとえば、押順9枚ベルは、中段ベル1が入賞する押し順がそれぞれ異なるように割り当てられているため、当選役種別を明示してしまうと、その割り当てを知る遊技者側(特に、遊技上級者)に、中段ベル1入賞となる押し順が判明してしまい、アシスト報知を発生させる意義が喪失する。
そこで、アシスト報知の演出態様としては、当選役自体が判明する情報を報知するのではなく、押し順に関する表示(報知)内容だけが異なるだけで、演出態様そのものは同一または酷似した演出態様を現出させる、または当選役自体が判明する情報を報知するのではなく、同じ系統のグループに属する当選役種別に関する情報と、押し順情報とを報知することができる。たとえば、押し順9枚ベルグループであれば黄色を基調とした押し順を指定する文字・画像などを現出し、リプレイ役グループであれば青色を基調とした押し順を指定する文字・画像などを現出させることができる。また、上述のようにグループ種別を報知せずに押し順情報だけを報知することができる。これにより、押し順が報知された時点では、遊技者は、当選役そのものは明確に知ることができないが、アシスト報知がなされれば、遊技者にとり有利なゲーム展開となりうるため、遊技者は、積極的に、そのアシスト報知の内容に従うことになる。
(押順不問役のアシスト報知)
またアシスト報知は、上記したように、基本的には、押順規定役に係る特定の図柄の組合せの入賞を案内するものであるが、押順不問役についても発生させることができる。たとえば、停止操作タイミングにより、取りこぼしが発生しうる場合、その取りこぼしの発生しない停止操作タイミングを遊技者に報知することができる。
以上に説明したアシスト報知は、本実施形態では、演出制御部410がその機能部を担う「アシスト報知制御手段」により現出制御されるようになっている。アシスト報知制御手段は、現在の演出状態と今回のゲームにおける当選役とに基づいて、現出すべきアシスト報知を決定する。
(各遊技モード(遊技状態)について)
次に図9および図10を参照して、各遊技モード(遊技状態)の内容と各遊技モード間(遊技状態間)の移行制御について説明する。図9および図10は、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技モードの説明に供する遊技状態遷移図である。
先ず本発明の理解を容易なものとするために、まず各RT遊技間(RT0遊技とRT1遊技)の移行形態の概要について説明し、次いで、回胴5a,5b,5cを用いた「回胴演出(フリーズ中演出)」について説明しておく。
本実施形態では、初期の遊技状態として、リプレイ確率が低確率の「RT0遊技」から開始されるようになっている。この「初期の遊技状態」とは、メインRAMがクリアされた場合に開始される遊技状態となっている。そして、このRT0遊技中にCBBに当選し、当該当選ゲームでCBBに対応する図柄の組合せ(CBB1(図7A参照))を入賞させることができなかった場合、次回のゲームから、リプレイ確率が高確率となる「RT1遊技」に移行される。このRT1遊技中においてCBB入賞した場合には、そのボーナス遊技が終了した後、所定の移行条件に基づいて、再度、RT0遊技に移行されるようになっている。なお、RT1遊技からRT0遊技への移行条件としては、たとえば、ボーナス遊技終了後のRT1遊技において所定のゲーム数(0ゲームであっても良い)を消化したことを条件としても良いし、また、特定の図柄の組合せ(たとえば、押順ベルに関する不利入賞役が入賞した場合など)を条件としても良い。
(RT1遊技について)
ここで、図6A〜図6Bを参照すれば、RT1遊技中はRT0遊技中と比し、リプレイ確率が高確率に変動し(リプレイ確率について、RT0遊技中は約1/7.29、RT1遊技中は約1/2.78となる)、他方、ハズレ(不当選)確率は極めて低確率に変動するようになっている(ハズレ確率について、RT0遊技中は約1/532.8、RT1遊技中は1/65536となる)。なお、小役種の当選確率(合算確率)は、RT1遊技およびRT0遊技ともに変動はなく、比較的高確率の当選確率(1/1.56)となっている。またCBBの当選確率は比較的高確率(1/4.53)となっており、RT0遊技の開始から比較的短期間でCBBに当選(概ね20ゲーム程度内で約99%の確率で当選)するようになっている。
ここで、RT0遊技中においてCBBに当選し、当該当選ゲームでCBBに対応する図柄の組合せ(CBB1)を入賞させることができなかった場合、次回ゲームからRT1遊技に移行されるが、このRT1遊技下では、上記小役優先制御の働きにより、極めて低確率な「ハズレ」が抽選されない限り、CBB1を入賞させることができないようになっている。特に本実施形態では、CBBに当選しても、これを知らせる演出は現出されず、またハズレに当選してもこれを知らせる演出は現出されないようになっている。
このため、CBBが内部当選しても遊技者はそれを知る術がなく、また各回胴におけるCBBに対応するCBB1の構成要素図柄は、図柄配列帯200の図柄配置構成の関係上、取りこぼしとなる停止操作範囲が比較的広く(図2、図7Aの図柄番号1の欄参照)、実際にCBBを入賞させることは極めて困難であり、RT1遊技中におけるCBBの入賞率は、遊技者が仮に一日中パチンコホールで遊技に興じていても、実質的に不可能な入賞率であるといえる。つまり、一旦RT1遊技に移行した場合には、CBBに関する上述した事象により、実質的にRT0遊技には再移行されることがない遊技性と等価的なものといえる。
このようにCBBの入賞率を定める理由は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による7号営業を対象としたパチンコ店に設置するような遊技機を対象として規定される、同法律おける遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則に基づく「型式試験」による検定を通過させ、かつ、遊技設計上の所望の遊技性を確保するためである。
以上に説明したように、本実施形態では、リプレイ確率が大きく異なる「RT0遊技」と「RT1遊技」とを設けているが、一旦RT1遊技に移行した後は、再度、RT0遊技に移行することは、確率上、極めて稀なものとなっている。これにより、CBBが内部当選中しているにもかかわらず、表面上は通常の遊技状態であるかのように振舞うようになっている。また、RT0遊技中とRT1遊技中とで、主制御部側遊技状態として管理される後述の各モード(LRAモード、PD準備モード、PDモードなど)の移行制御は同じである。したがって、以下で説明する「遊技モード」に関し、主制御部400で制御されるRT遊技種別については上記「RT1遊技中」であることを前提として説明し、RT0遊技中に関連する遊技状態についての説明は、重複記載を避けるために省略する。
次いで、回胴5a,5b,5cを用いた「回胴演出」について説明する。
(回胴演出について:図28、図34〜図35)
次いで、回胴5a,5b,5cを用いた「回胴演出」について説明する。
本実施形態では、所定の条件に基づいて、遊技機に係る遊技進行を通常の遊技進行よりも遅延させるフリーズ状態(遅延状態)に制御可能に構成されている。このフリーズ状態は、主として、所定の遊技動作処理を所定時間進行しないようにして、通常よりも遊技進行を遅延させた遅延状態下に制御することにより発生される。
上記フリーズ状態としては、たとえば、回胴回転始動レバー11が操作された後、回胴の停止操作の受付を所定期間無効状態化し、回胴の停止操作を阻害する(回胴が停止しないようにする)ことにより上記フリーズ状態下に制御するものが挙げられる。具体的には、回胴回転始動レバー11が操作された後、全回胴が通常回転動作に入る前に、遅延状態に制御して、回胴の停止操作の受付を所定期間無効状態化する。そして、このフリーズ状態中を利用して、回胴5a,5b,5cの回転動作を、通常とは異なる回転動作態様に制御して、遊技者に対して意外性を与えうる「回胴演出」を現出させている。
この「回胴演出」とは、フリーズ(遅延状態)中における回胴の動的な動きまたは静的な動き、またはその組合せによる演出(回胴演出)を意味する。「回胴の動的な動き」とは、通常回転(順方向に通常速度回転する)とは異なった動きをする「変則回転(変則回転動作)」である。変則回転の代表的なものは、回胴の逆回転、逆方向への寸動、左右または上下に震える運動、逆方向から順方向に回転して逆方向に戻る折り返し運動、各回胴が時間的にずれて次々と逆方向に回転開始する変則スタート、低速順回転など、である。また「回胴の静的な動き」とは全回胴が静止状態にいること、つまりフリーズ(遅延)中に静止していることを意味する。
上述の回胴演出のように、フリーズ状態中の演出態様は、「フリーズ中演出」と称され、基本的には、上記回胴演出と、これに付随して現出される演出手段による演出とが連携した演出態様となっている。このフリーズ中演出は、少なくとも内部抽選結果に基づいて、その演出態様が決定され、たとえば、内部抽選結果(当選役情報)、内部抽選結果に基づいて発生(移行)する所定の遊技状態、および/または内部抽選結果に起因して成立する所定条件の成立状態などに基づいて決定される。上述の内部抽選結果による「所定の遊技状態」、または「所定の成立状態」とは、たとえば、内部抽選結果に起因する疑似ボーナス抽選の当否状態(特定のAT遊技移行(発生)条件成立の当否)、フリーズ状態に係る抽選結果(フリーズ状態種別)、疑似ボーナス当選種別情報などが挙げられる(後述の図28および図36〜図40(疑似ボーナスに関する抽選形態)、図34〜図35(回胴演出種別)などを参照)。したがって、上記フリーズ中演出による演出内容により、当選役種別に関する情報(役の当選期待度(当選可能性がある旨の示唆)や当選役種別情報)、後述の「疑似ボーナス」の当選期待度(当選可能性がある旨の示唆)、疑似ボーナス当否状態、疑似ボーナス当選に当選した場合の当選種別など、に関する種々の遊技情報が報知可能となっている。
(回胴演出態様について)
上記回胴演出には、図29に示すSRA(後述のLRAモード(LRAモード1〜3)やPDモード中のショートリールアクション)1〜6、図35に示すLRA(特定のLRAモード(LRAモード11、21、31)中のロングリールアクション)1〜6、図36に示すPDRA(PDモード中のリールアクション)1〜3といった複数種類の回胴演出が設けられている。これら回胴演出のうち、専ら疑似ボーナスへの当選可能性を煽る演出として利用される「SRA1〜6」と「PDRA1〜2」とを‘通常回胴演出’と称し、他方、疑似ボーナスへの当選を報知するための回胴演出として利用される「LRA1〜6」や「PDRA3」を‘特殊回胴演出’と称する。これら回胴演出が実行されるフリーズ時間(フリーズ状態期間)については、図示はしていないが、各回胴演出を十分実行できる時間幅として、それぞれの回胴演出に対応したフリーズ時間が定められており、発生させる回胴演出に応じて、そのフリーズ時間が設定されるようになっている。
(SRA種別)
上記回胴演出について、まず、SRA種別(SRA1〜6)について説明する。
「SRA1」または「SRA2」では、まず初期動作として、全回胴を1/4コマ分、逆回転方向に回転させた後、第2段階目動作として、所定時間(たとえば、約2秒程度)、回胴を仮停止状態(疑似的な停止状態)にする。そして、仮停止状態終了後、通常の回転動作に制御される、といった回胴演出態様(1/4コマ逆回転→仮停止→通常回転)となっている。回胴演出が終了して通常の回転動作に制御された後は、回胴回転停止ボタン12による回胴の停止動作が許容される、つまり遊技結果を導出表示するための引き込み制御による回胴の停止制御動作が許容状態となる(他の回胴演出についても同様)。なお「SRA1」と「SRA2」とは、同じ回胴演出態様となっているが、演出手段による演出態様が異なる。
また「SRA3」は、まず初期動作として、全回胴が所定の振幅で振動する振動状態(振動回胴演出)を所定時間(たとえば、約2秒程度)発生させた後、その振動を停止し、第2段階動作として、回胴を所定時間(たとえば、約2秒程度)仮停止状態にする。そして、その仮停止状態終了後に、通常の回転動作に制御される、といった回胴演出態様(振動回胴演出→仮停止→通常回転)となっている。
また「SRA4」と「SRA5」では、まず初期動作として、「SRA3」と同じ回胴演出(振動回胴演出)を発生させた後、その振動を停止し、第2段階目動作として、回胴を所定時間(たとえば、約2秒程度)仮停止状態にし、最終段階目動作として、全回胴または一部の回胴を通常時の回転方向とは逆方向に回転(逆回転)させる変則回転動作を実行した後(たとえば、「SRA4」は約4秒程度、「SRA5」は約6秒程度、逆回転させる)、仮停止状態(約1秒程度)にする。そして、その仮停止状態終了後、通常の回転動作に制御される、といった回胴演出態様(振動回胴演出→仮停止→変則逆回転→仮停止→通常回転)となっている。
この「SRA4」と「SRA5」とは、第2段階目動作まで「SRA3」と実質的に同一であり、また当該初期動作中において演出手段により現出される演出態様も実質的に同一または類似の演出態様となるように制御される。このため、初期動作〜第2段階目動作まで、「SRA3」、「SRA4」、または「SRA5」のいずれの回胴演出であるかが秘匿状態とされ、遊技者はいずれの回胴演出が発生したのかを把握することができない。このため、遊技者は、どの回胴演出であるのかに期待を寄せながら、一連の回胴演出を楽しむことができるようになっている。
また「SRA6」は、回胴演出中に、特定の図柄の組合せ(本実施形態では、「青7」−「赤7」−「BAR」の図柄の組合せ)を有効入賞ライン上(疑似入賞ライン上であっても良い)に成立させるように回胴を制御し、その成立状態(仮停止状態)を所定時間保持した後、通常の回転動作に制御される、といった回胴演出態様となっている。
「SRA6」に係る回胴演出態様について図51を参照しながら説明する。
上記SRA6は、まず初期動作として、左回胴と右回胴とを逆方向に、中回胴を通常時と同じ回転方向に回転させる変則回転動作を所定時間行い、第2段階目動作として、特定の図柄の組合せ(「青7」−「赤7」−「BAR」)を所定のライン上(ここでは、有効入賞ライン上)に成立させる(仮停止させる)ように回胴を制御し、その成立状態(仮停止状態)を所定時間(たとえば、約15秒程度)保持する。そして、その仮停止状態終了後、通常の回転動作に制御される、といった回胴演出態様(変則回転→仮停止→通常回転)となっている。
このように「SRA6」は、回胴演出の一環として、特定の図柄の組合せを所定のライン上(有効入賞ライン上、または疑似入賞ライン上:図5参照)に仮停止させることを以って、遊技者に所定の遊技情報を報知する、といった「特定図柄表示態様仮停止状態(以下、「特定図柄仮停止状態」と略す)」の発生を含む回胴演出態様である。「所定の遊技情報」としては、たとえば、後述のLRA種別のように、疑似ボーナスの当否状態、疑似ボーナス当選情報、その当選種別情報などが挙げられる。
なお本実施形態において、上記SRA6が発生した場合、疑似ボーナスの当否状態は必ずしも明確には報知されず、主として、フリーズ中演出発生による疑似ボーナス当選期待感を煽る演出として利用される。ただし、今回のゲームにおいて、SRA6の発生と当該ゲームの遊技結果(入賞役)とに基づき、疑似ボーナス抽選に当選(疑似ボーナス当確状態)となったことを遊技者が察知できる場合があり(たとえば、後述の図38、図43(当確モード)参照)、また、SRA6が発生により、疑似ボーナス当選期待度が極めて高いことを推測する推測要素を遊技者に与えることができるようになっている(これについての詳細は、後述する)。なお、SRA6は、その回胴演出の動作態様の関係上、他のSRA1〜5よりも相対的に長いフリーズ時間となっている。
(LRA種別:図34)
次に、LRA種別(LRA1〜6)について説明する。
上記LRA1〜6は、専ら、後述の疑似ボーナス種別を報知する回胴演出として利用される。このLRA1〜6は、上述の「SRA6」と同じく、特定図柄仮停止状態を伴う回胴演出態様を呈する。たとえば、LRA1〜6では、特定図柄仮停止状態となるまではSRA6と同じ回転動作を行い、その後、各LRAに対応した特定の図柄の組合せを仮停止状態とする。その特定の図柄の組合せとして、「LRA1(青7揃い報知用回胴演出)」では‘青7図柄揃い’を有効入賞ライン上に成立(仮停止状態)させ、「LRA2〜LRA3(赤7揃い報知用回胴演出)」では‘赤7図柄揃い’を有効入賞ライン上に成立させ、「LRA4〜6(BAR揃い報知用回胴演出)」では‘BAR図柄揃い’を成立させるようになっている。これにより、疑似ボーナス当選とその種別を報知可能となっている。なお、上記‘青7図柄揃い’となった場合には「疑似ボーナス1」に当選した旨(疑似ボーナス1に移行される旨)が報知され、また‘赤7図柄揃い’となった場合には「疑似ボーナス2」に当選した旨(疑似ボーナス2に移行される旨)が報知され、また‘BAR図柄揃い’となった場合には「疑似ボーナス3」に当選した旨(疑似ボーナス3に移行される旨)が報知されるようになっている。
ただし、上記した「LRA3、LRA5〜6」については、LRA1〜2の回胴演出態様とは次の点で異なる。「LRA3」では、特定図柄仮停止状態として、一旦‘青7図柄揃い’を有効入賞ライン上に成立させて、一見、青7図柄揃いが報知されたかのように装った後(たとえば、所定時間(約4秒程度)、青7図柄揃いが仮停止)、回胴が再始動して‘赤7図柄揃い’を有効入賞ライン上に成立させるようになっている。このLRA3と同じような回胴演出として、「LRA5(赤7図柄揃い成立後、最終的にBAR図柄揃いを成立させる回胴演出)」と「LRA6(青7図柄揃い→赤7揃い成立後、最終的にBAR図柄揃いを成立させる回胴演出)」が設けられている。上述の「LRA3」、「LRA5」、または「LRA6」のように、特定図柄仮停止状態が複数回実行されうる回胴演出(1または複数回、偽の図柄の組合せを仮停止させ(第1の特定図柄仮停止状態)た後、真の図柄の組合せ(最終特定図柄仮停止状態)に変換可能な回胴演出)は、LRA1、LRA2、またはLRA4のように、直接的に疑似ボーナス種別を報知してしまうよりも、遊技者の期待感・緊張感を煽る上で、より効果的な演出態様となっている。
(PDRA種別:図35)
上記PDRA種別のうち「PDRA1〜2」については、LRA種別のような特定図柄仮停止状態を伴う回胴演出ではなく、SRA種別のような通常回胴演出に属する回胴演出態様であり、疑似ボーナスの当選またはハズレの場合に現出されうる回胴演出となっている。このため、PDRA1〜2は、疑似ボーナスへの当選可能性を煽るための回胴演出として利用される。これに対し上記「PDRA3」は、LRA種別のように、疑似ボーナスの当選時に現出されるものであり、疑似ボーナス当選確定(当確)を報知する回胴演出として利用される。
上記「PDRA1」は、初期動作として、「SRA3」のような振動回胴演出を所定時間(たとえば、約10秒程度)発生させ、第2段階動作として、所定時間(たとえば、約7秒程度)、回胴を仮停止状態にする。そして、仮停止状態終了後、通常の回転動作に制御される、といった回胴演出態様となっている。「PDRA1」では、この仮停止状態中において、疑似ボーナスに当選したか否か(疑似ボーナス当否状態)を報知可能に構成されている。たとえば、仮停止状態中において、遊技機に適所に設けられた可動体役物(図示せず)を疑似ボーナスの当否状態に応じて異なる動作態様に制御し、この動作態様の違いにより、疑似ボーナスの当否を遊技者が知得できるようにしている。なお「PDRA2」も「PDRA1」と同様に、疑似ボーナスに当否を報知するための回胴演出として利用されるが、「PDRA1」とは初期動作が異なり、「PDRA1」に係る振動回胴演出よりも、振幅幅が大きく、かつ低速で回胴を振動させる「鼓動回胴演出」となっている。
また「PDRA3」は、PDモード中において疑似ボーナスに当選状態(疑似ボーナスに当確状態)となった場合、その旨を報知する「当確状態報知用の回胴演出(当確状態報知用回胴演出)」となっている。PDRA3の動作態様は特に制限されず、たとえば、PDRA1および/またはPDRA2とは異なる回転動作態様であり、回胴演出のタイプとしては、LRA種別のように、疑似ボーナスに当選状態を報知する特殊回胴演出に属する。
(不回転回胴演出)
なお図示はしていないが、上記した回胴演出には、回胴の変則回転動作を伴わない「不回転回胴演出」が含まれる。この不回転回胴演出は、回転始動が遅れる「遅れ動作」を伴うもので、たとえば、回胴回転始動レバー11の操作後、回胴が始動せずに、所定時間(たとえば、約20秒程度)静止状態(不回転状態)を保持し、その所定時間の経過後に、通常の回転動作に制御される、といった回胴演出が挙げられる。つまり、フリーズ時間が不回転状態に利用される。上記の不回転回胴演出には、不回転状態の時間幅が異なる複数種類の不回転回胴演出を含むことができる。また、SRA1〜6、LRA1〜6、およびPDRA1〜3のうちの1または複数種類の回胴演出に替えて、上記不回転回胴演出を採用することができる(たとえば、PDRA3を不回転回胴演出とすることができる)。
(停止操作無効化回胴演出)
また、回胴演出には、通常の回転動作を始めるものの、しばらくの間(たとえば、30秒間)、回胴は回り続けた状態で回胴回転停止ボタン12の停止操作が無効扱いになるといった「停止操作無効化回胴演出」を含むことができる。この停止操作無効化回胴演出は、回胴が始動した後に発生される点で、上記不回転回胴演出のように回胴始動前に発生されるものとは異なる。また、SRA1〜6、LRA1〜6、およびPDRA1〜3のうちの1または複数種類の回胴演出に替えて、上記停止操作無効化回胴演出を採用することができる(たとえば、PDRA3を停止操作無効化回胴演出とすることができる)。
なお、上記した各種の回胴演出は、遊技モードごとに1または複数種類設けることができ、その種類数は特に制限されない。
またフリーズ中演出は、既に説明したように、回胴演出だけでなく、演出手段を利用した演出も併せて現出される演出態様としているがこれに限らず、回胴演出および/または演出手段による演出であれば良い。たとえば、回胴演出とともに、演出手段による演出が現出されないものを含むことができる。その理由は、上記したLRAやSRAやPDRAなどの変則回転動作態様を伴うものであればその変則回転動作態様を以って、また上記「停止操作無効化回胴演出」であれば「回胴回転停止ボタン12を操作しても回胴が停止しない」といった違和感を与えることを以って、また上記「不回転回胴演出」では遊技者に対して「回胴回転始動レバー11を操作しても回胴が始動しない」といった違和感を与えることを以って、遊技に関する演出として利用できるからである。
また回胴演出は、上記した回転動作態様は特に制限されず、適宜変更することができる。また一の回胴演出と他の回胴演出とで、その回転動作態様が同一の動作態様であっても良い。この場合、一の回胴演出中に現出される演出(演出手段による演出)と、他の回胴演出中に現出される演出(演出手段による演出)とを異なる演出態様とすれば、回胴演出自体は同一であっても演出手段による演出の違いにより報知したい情報を遊技者に知得させることができる。このことは、主制御部400側の制御(回胴演出に係る制御)負担を軽減することができることを意味する。
以下、本明細書中では、特段の指定がない限り「フリーズ状態」については、たとえば、(イ)1ベットボタン9操作またはMAXベットボタン8操作による遊技メダル賭数設定動作(遊技メダル投入処理動作)、(ロ)回胴回転始動レバー11操作による回胴の回転始動動作(回胴の回転開始動作に係る処理)、(ハ)回胴回転停止ボタン12(回胴回転停止ボタン12a、12b、および12cの少なくともいずれか一つ)操作による回胴の回転停止動作(回胴の停止制御に係る処理動作)、(ニ)遊技メダルの払い出し動作(遊技メダルの払い出し動作に係る処理動作)、(ホ)再遊技作動(リプレイを付与するための再遊技作動に係る処理動作)、などの一連の遊技進行(遊技動作処理)のうち少なくとも一部を遅延させる状態(通常の遊技(ゲーム)進行よりも遅延させる状態)のことを指すものとし、「フリーズ中演出」については、フリーズ状態を利用して現出(実行)される何らかの演出(回胴による演出および/または演出手段による演出)を指すものとする。
また、フリーズ状態中においては、遊技者が操作可能な操作手段(回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12(12a〜12c)、1ベットボタン9、またはMAXベットボタン8など)からの検出信号自体は受付有効状態とし、その検出信号を利用してフリーズ中演出に変化をもたらすことができるようになっている。たとえば、上記「不回転回胴演出中」において回胴回転停止ボタン12が操作された場合、その検出信号に対応した演出制御コマンド(操作手段に対応した回胴演出中操作コマンド(たとえば、図17のS502参照))を演出制御部410側に送信することで、対応する演出(たとえば、演出手段による演出)を現出させることができる。また、たとえば、上記「停止操作無効化回胴演出」中において回胴回転停止ボタン12の操作された場合、その停止操作に起因する回胴の停止動作は行われないだけで(遊技結果を導出表示するための引き込み制御に関する、通常行われる停止制御動作は行われない)、回胴回転停止ボタン12からの検出信号自体は受付有効状態とし、その検出信号に対応した演出制御コマンドを演出制御部410側に送信することで、対応する演出を現出させることができる。
さらに次のように構成することができる。たとえば、変則回転動作を伴う、SRA種別、LRA種別、またはPDRA種別のような回胴演出中において、回胴回転停止ボタン12が操作された場合、その停止操作に起因する回胴の停止動作(遊技結果を導出表示するための引き込み制御に関する、通常行われる停止制御動作)は行わないが、回胴回転停止ボタン12からの検出信号自体は受付有効状態とし、当該検出信号を主制御部400側が受けた場合、実行中の回胴演出に変化をもたらす構成とすることができる。
これについて図52を参照して説明する。図52に、LRA4〜LRA6(BAR揃い報知用回胴演出)の一連の動作態様の概略を示す。ここでは、LRA4を例にして説明する。
LRA4は、SRA6と同じく、まず初期動作として、左回胴と右回胴とを逆方向に、中回胴を通常時と同じ回転方向に回転させる変則回転動作を所定時間行う(第1のフリーズ中回転状態)。この第1のフリーズ中回転状態においては、回胴回転停止ボタン12(12a、12b、12c)からの検出信号自体は受付有効状態とし、遊技者がいずれかの回胴回転停止ボタン12を操作した場合(仮停止操作)、疑似的に回胴を停止させる仮停止状態に制御する。たとえば、回胴回転停止ボタン12a、12b、または12cが操作されたことに起因して、停止操作対象となった回胴を仮停止させていき、各回胴回転停止ボタンが操作された場合、特定の図柄の組合せ(図52では、1回目の仮停止の図柄の組合せ(初回仮停止図柄表示態様)として、「バラケ目」のケースを例示している)を仮停止させる。
この1回目の仮停止を所定時間保持した後、次いで、各回胴を再始動させる(第2のフリーズ中回転状態)。そして、この第2のフリーズ中回転状態において、再度、遊技者が回胴回転停止ボタン12を操作した場合、上述した第1のフリーズ回転状態中の仮停止操作と同様に、回胴の動作を制御し、最終的に仮停止させる特定の図柄の組合せ(最終仮停止図柄表示態様)として、「BAR揃い」を所定のライン上(ここでは、有効入賞ライン上)に成立させ、疑似ボーナス当選を報知する(このケース(LRA4)では、疑似ボーナス当選種別も報知される)。
なお、BAR揃いを所定時間保持した後(たとえば、約15秒程度)、通常の回転動作に制御される。これにより、遊技者が回胴回転停止ボタン12を操作すれば、通常の遊技進行の通り、当選役に応じた回胴の停止制御が行われ、当選役に基づく遊技結果が導出表示されることになる。
このように、フリーズ状態中において通常の遊技進行と似せた回胴の停止動作を行うことにより、遊技者参加型のフリーズ中演出(遊技者参加型演出)を作り出すことができる。この「遊技者参加型演出」とは、たとえば、所定の操作手段(演出態様により異なる操作手段が指定されうる)が操作されたか否かに応じて、演出の内容が変化しうる演出態様を指し、遊技者自らが、遊技結果に影響を及ぼしているような感覚を与えることができるので、遊技の面白みを向上させることができる。
図52に例示したような、遊技者参加型のフリーズ中演出(図示では、回胴演出)を実行可能な構成とすれば、遊技者自身がゲームに参加できるような感覚を与えることができ、より一層の面白みを与えることができる。特に、回胴演出において、疑似的に回胴の停止動作を可能とする、といった「遊技者参加型」のフリーズ中演出は、単に、遊技者が参加することなくフリーズ中演出が終了するまで自動的に演出が実行される「遊技者不参加型」のフリーズ中演出よりも、遊技者の緊張感・期待感(疑似ボーナス当選および/またはその当選種別の当選期待感)を煽る上で、演出効果が優れたものとなる。
図9および図10の説明に戻り、各遊技モードの内容と各遊技モード間の移行制御形態について説明する。以下では、説明の便宜上、「通常モード」から「疑似ボーナス」に至るまで遊技ルートを中心的に説明しながら、各遊技モードの内容や遊技モード間の移行条件などについて説明する。
先ず、本発明の理解を容易なものとするために、各遊技モードの概要を説明しておく。
本実施形態の主制御部側遊技状態には、‘通常モード’として機能する「LRAモード1」、‘SRA高確率モード’として機能する「PDモード」、このPDモード移行前段階の「PD準備モード」、‘特殊回胴演出準備モード’として機能する「LRAモード2、LRAモード3、LRAモード10、LRAモード20、LRAモード30」、‘特殊回胴演出モード’として機能する「LRAモード11、LRAモード21、LRAモード31」の複数種類の遊技状態が設けられている。また演出制御部側遊技状態には、‘特殊回胴演出準備モード’として機能する「前兆AT遊技」、‘疑似ボーナス(疑似ボーナスモード)’として機能する「AT1遊技」、‘STモード’として機能する「AT2遊技」の複数種類の演出状態が設けられている。
上記した主制御部側遊技状態(複数種類のLRAモード、PD準備モード、PDモード)と演出制御部側遊技状態(複数種類のAT遊技)との組合せにより、図9に示す、(イ)通常モード(LRAモード1+非AT遊技)、(ロ)PD準備モード、PDモード、(ハ)特殊回胴演出準備モード1(LRAモード2+前兆AT遊技)、特殊回胴演出準備モード2(LRAモード3+前兆AT遊技)、特殊回胴演出準備モード3(LRAモード10、LRAモード20、またはLRAモード30+前兆AT遊技)、(ニ)特殊回胴演出モード(LRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31)、(ホ)疑似ボーナス1〜3(LRAモード1+AT1遊技)、(ヘ)「STモード(LRAモード1+AT2遊技)」を作り出している。なお、各モード中のRT遊技種別は、既に説明しように、RT1遊技中として扱う。
(主制御部側遊技状態間の移行について:図10)
図10に、‘主制御部側遊技状態’であるLRAモード、PD準備モード、およびPDモード間のモード間の遊技状態遷移を示す。
図10に示すように、上記した各LRAモード間の移行については、通常リプレイ1〜12のいずれかが当選した当該当選ゲームにおいて、所定の押し順が実行されることによりLRAモード間の移行が生じ、各LRAモードにおいて所定の押し順が実行されることにより、初期状態である「LRAモード1」から「LRAモード2」へ、次いで「LRAモード2」から「LRAモード3」へと複数段階的に昇格移行される(後述の図29〜図31参照)。そして所定の条件に基づいて「LRAモード10、LRAモード20、またはLRAモード30」のいずれに移行されるかが振り分けられ、最終段階として、LRAモード10の場合はLRAモード11に、LRAモード20の場合はLRAモード21に、またLRAモード30の場合はLRAモード31に移行され、遊技者に有利な遊技状態である「疑似ボーナス(疑似ボーナス1〜3:高ベース)」に移行されるようになっている(後述の図32、図36〜図37参照)。
また、「LRAモード1」からは「PD準備モード」を経由して「PDモード(SRA高確率モード)」に移行される場合があり、このPDモードからは、直接的に上記「疑似ボーナス」移行されるようになっている(後述の図29、図33参照)。
上記LRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31に移行すると、次回のゲームにて、フリーズ状態を利用した「特殊回胴演出」が発生する(図34〜図35参照)。本実施形態では、この特殊回胴演出において、疑似ボーナス当選が報知され、さらに特殊回胴演出の回転動作態様により、疑似ボーナス1〜3のいずれの疑似ボーナス種別に当選したのかについてをも報知可能に構成されている。
いずれの疑似ボーナスに移行するかについては、図37の「通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選」の抽選結果に応じて、上記LRAモード11、LRAモード21、およびLRAモード31のいずれのLRAモードに移行されたか否かで定まる。具体的には、上記LRAモード11に移行された場合には「疑似ボーナス1」に、LRAモード21に移行された場合には「疑似ボーナス2」に、LRAモード31に移行された場合には「疑似ボーナス3」に移行されるようになっている(図10参照)。
なお疑似ボーナス1〜3は、遊技者に付与しうる利益状態がそれぞれ異なるものとなっている。詳述するに、疑似ボーナス中では、当選番号22〜37の押順ベルのいずれかに当選した場合、その当選した押順ベルに割り当てられた有利入賞役を入賞させるための押し順情報がアシスト報知(以下、必要に応じて、押順ベルに関するアシスト報知を「ベルナビ」と称する)されるようになっており、この有利入賞役に関するベルナビ(本告知)の実行回数を疑似ボーナス種別に応じて異ならせることにより、遊技者に付与される利益が異なるようになっている。本実施形態では、疑似ボーナス1においては10回、疑似ボーナス2においては25回、疑似ボーナス3においては40回の有利入賞役に関するベルナビが発生される。
これら疑似ボーナス1〜3は、対応する上述のベルナビ回数分が実行されたことを条件に終了する(図9の疑似ボーナス参照)。詳細は後述するが、上記疑似ボーナスが終了した場合、所定の条件の下で「STモード(LRAモード1+AT2遊技)」に移行される場合がある。
上記STモードは、主制御部遊技状態はLRAモード1であるが、AT2遊技の作用により、疑似ボーナスと同じく、押順ベルが当選した場合に有利入賞役を入賞させるアシスト報知が発生しうる。ただし、必ずしも、有利入賞役を入賞させるアシスト報知が発生するわけではなく、「偽アシスト報知(偽告知)」および/または「選択的アシスト報知(たとえば、遊技者に有利に作用することとなる図柄の組合せを入賞させるための押し順(正解の押し順)を問うようなアシスト報知)」が発生されうる。その結果、STモードでは、疑似ボーナス1〜3における1ゲームあたりに遊技者が獲得し得る平均的利益よりも相対的に少ない利益状態となる遊技モード(中ベース)となっている。本実施形態では、「非AT遊技(通常モード:報知確率低(報知確率0%であっても良い))<AT2遊技(STモード:報知確率中)<AT1遊技(疑似ボーナス:報知確率≦100%)」の関係を満たすように、有利入賞役に関する押し順情報を報知するアシスト報知(本告知によるベルナビ)の報知確率(発生確率)が定められている。
以上に説明した遊技モードに関し、本実施形態では、初期の遊技モード(遊技状態)として「通常モード(LRAモード1+非AT遊技)」から開始され、疑似ボーナスを経由して、再度、「通常モード」に戻る、といったルートが、基本遊技ルートとなる。このような基本遊技ルートには、下記の第1の遊技循環ルートと、第2の遊技循環ルートとがある。
(1)第1の遊技循環ルート
上記「通常モード」→「特殊回胴演出準備モード(特殊回胴演出準備モード1〜3)」→「特殊回胴演出モード」→「疑似ボーナス」→「STモード」を経て、上記「通常モード」に戻る、といった第1の遊技循環ルート。
(2)第2の遊技循環ルート
上記「通常モード」→「PD準備モード」→「PDモード」→「疑似ボーナス」→「STモード」を経て上記「通常モード」に戻る、といった第2の遊技循環ルート。
上記の基本遊技ルートは、端的に言えば、通常モード中に所定の条件が成立すると、現在の遊技状態よりも相対的に遊技者に有利に作用しうる遊技状態へと段階的に昇格移行され、最終的に遊技者に大きな利益をもたらす特典遊技モード(たとえば、疑似ボーナス)に移行し、所定の移行条件に基づいて、通常モードに再移行するといった遊技ルートである。以下、上述した遊技モード遷移(第1の遊技循環ルート、第2の遊技循環ルート)に従い、各遊技モードの移行条件、その特徴について詳細に説明する。
<第1の遊技循環ルート>
まず上記した第1の遊技循環ルートに着目し、図9および図10を参照しながら、各遊技モードの移行条件、各遊技モードの特徴を説明する。
(「通常モード」→「特殊回胴演出準備モード1〜3」の移行について)
通常モード(LRAモード1+非AT遊技(通常演出状態))中においては、特定の抽選対象役に当選した場合、「通常中疑似ボーナス抽選」が実行される。この疑似ボーナス抽選に当選した場合、前兆AT遊技が発生し、この前兆AT遊技中では、通常リプレイ1〜12のいずれかに当選した場合、モードを昇格移行させるための特定の押し順がアシスト報知(昇格押順アシスト報知)される。遊技者がその報知内容に従い、回胴を停止操作していくことにより、現在の通常モードから‘特殊回胴演出準備モード1(LRAモード2+前兆AT遊技)’→‘特殊回胴演出準備モード2(LRAモード3+前兆AT遊技)’→‘特殊回胴演出準備モード3(LRAモード10、LRAモード20、またはLRAモード30+前兆AT遊技)’→‘特殊回胴演出モード(LRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31+非AT遊技)’の順に複数段階的に遊技モードが昇格的に移行(昇格移行)していき、最終的に、高ベースモードである「疑似ボーナス(LRAモード1+AT1遊技)」に移行されるようになっている。なお、ここでは第1の遊技循環ルートについて説明しているので、PDモードへの移行については省略してある。また、上記通常リプレイ当選時のモード移行についての詳細は追って説明する。
(通常中疑似ボーナス抽選)
通常モード中における「疑似ボーナス抽選(通常中疑似ボーナス抽選)」は、上記昇格モード押し順アシスト報知の発生権利に係る抽選であり、当該抽選に当選した場合(昇格押し順報知条件成立)、昇格押順アシスト報知の発生権利を得たとして、演出側遊技状態を前兆AT遊技に移行させる。これにより、前兆AT遊技が発生し、遊技機全体として捉えた遊技状態は「LRAモード1+前兆AT遊技(以下、「昇格準備モード」と称する)」となる。なお本実施形態では、上記通常中疑似ボーナス抽選に当選した場合、次回ゲーム以降の所定のゲーム数(前兆ゲーム数:たとえば、1〜24Gのうち、いずれかのゲーム数が抽選により選択される)を消化した後、上記前兆AT遊技を発生させ「昇格準備モード」に移行した旨を遊技者に報知する当選演出(疑似ボーナス準備演出)を発生させるようになっている。なお、前兆ゲームを介さず、たとえば、当選ゲームまたは次回のゲームなどで、前兆AT遊技を発生させても良い。
そして、この前兆AT遊技の下では、通常リプレイ役種(通常1〜12のいずれかの通常リプレイ)当選を契機に、その当選したリプレイ役に対応する昇格押順アシスト報知を発生させ、遊技者に対し、モードの昇格移行を容易なものとさせる。遊技者は、この昇格押順アシスト報知の内容に従って回胴を停止操作していくことで、遊技モードが複数段階的に昇格移行していき、後述の疑似ボーナスに至り、遊技者の利益が大きく左右されるようになっている。なお、前兆AT遊技では、押順ベル(当選番号22〜37)に係る有利入賞役の入賞を案内する押し順情報もアシスト報知されるようになってり、遊技者が遊技メダルを極力減らすことなく、通常リプレイ当選によるモード移行ができるようになっている。
ただし本実施形態では、通常モードにおいて回胴の停止操作する際に「変則押し」を実行した場合、または前兆AT遊技中であってもアシスト報知未発生時に「変則押し」をした場合、遊技者に不利に作用する「ペナルティ」が発生するようになっている。上記「変則押し」とは、第1停止操作回胴を左回胴5aとする押し順以外の押し順、つまり「左押し」以外の押し順である。
詳細は後述するが、このペナルティが発生すると、その遊技期間は、遊技者に不利なゲームが展開され、たとえば、アシスト報知が所定ゲーム数制限されたり、通常中疑似ボーナス抽選が無効化(通常中疑似ボーナス抽選が実行されない、または通常中疑似ボーナス抽選自体は実行されるが、仮に、当選したとしても、その当選を無効(ハズレ)として処理される)されたりするようになっている。
斯様な「ペナルティ」を設けることにより、遊技者に対して積極的にアシスト報知に従わせるようになっている。たとえば、上記前兆AT遊技では、上述したように、押順ベル(当選番号22〜37)に係る有利入賞役の入賞を案内する押し順情報もアシスト報知されるようになっているが、押順ベルが高確率で当選するために、「遊技者がLRAモードの移行を意図的に外して遊技メダルを増やす」といった技術介入ができてしまう恐れがある。このように、ゲーム進行上、意図しない利益が遊技者に付与されることを防止するため、前兆A遊技中であってもアシスト報知未発生時には、所定のペナルティを付与するようになっている。
このように、上記前兆AT遊技の発生が疑似ボーナスへの移行を案内するようになっている。本実施形態では、上記通常中疑似ボーナス抽選に当選し、昇格準備モード(LRAモード1+前兆AT遊技)を経由しなければ、疑似ボーナスが発生しないようになっている。これにより、遊技者の恣意的・意図的な停止操作で、仮に、特殊回胴演出モード(LRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31)に移行したとしても、AT1遊技が発生されず、結果、疑似ボーナス自体が無効化される。このように、前兆AT遊技の発生が疑似ボーナスの発生条件となっていることから、上記通常中疑似ボーナス抽選は、疑似ボーナスへの移行抽選であるといえる。
(通常中疑似ボーナス抽選テーブル:図36)
上記通常中疑似ボーナス抽選は、演出制御部410側において、図36に示す「通常中疑似ボーナス抽選テーブル」に基づいて実行される。この「通常中疑似ボーナス抽選テーブル」は、通常モード中に利用されるものであり、当選役種別とSRA種別とに応じて、前兆AT遊技の抽選確率(判定値(当選領域)/抽選領域(65536))が定められている。たとえば、今回のゲームで「強スイカ(当選番号41)」に当選し、かつSRA演出が‘未発生’(図示のSRA無し)であれば、‘9830/65536’の確率で前兆AT遊技に当選するようになっている。
また上記通常中疑似ボーナス抽選では、図36に示すように、SRAが発生した場合(後述のSRA抽選(図28)によりSRA1〜3のいずれかが抽選された場合)、SRAが未発生の場合によりも、当選確率が相対的に高く定められている。これは、回胴演出が発生した場合に、遊技者に疑似ボーナス当選への期待感を高めるためである。なお、通常中疑似ボーナス抽選に関し、その実行契機となる抽選対象役(疑似ボーナス抽選契機役)や、その抽選確率には特に制限はなく、遊技性に応じて適宜変更することができる。また、前兆AT遊技の発生は、通常中疑似ボーナス抽選によるものではなく、ゲーム数解除条件が成立した場合にも発生可能となっている。このゲーム数解除条件は、特定の遊技状態の終了後、たとえば、疑似ボーナス終了後やRT0遊技の終了後(RT1遊技に移行後)、所定のゲーム数を消化(天井ゲーム数に到達)したことを条件とすることができる。このゲーム数解除条件が成立した場合、疑似ボーナス抽選に当選したとみなし、前兆AT遊技を発生させることができる。
ここで本実施形態の疑似ボーナス抽選契機役には、図示のように、押順ベル、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、または強スイカなどの複数種類の抽選対象役が含まれる。これらの抽選対象役は、前兆AT遊技の発生に関するものである点で、AT遊技への移行契機役として働くものといえる。このようなAT遊技への移行契機となる役を「AT遊技移行契機役(特別抽選契機役)」と称する。AT遊技移行契機役は、遊技状態(ここでは、演出制御部側遊技状態)の移行契機となる点で、一の遊技状態から他の遊技状態への移行契機となる「状態移行契機役」に属する。
AT遊技の発生条件(AT遊技への移行条件)は、この状態移行契機役の「当選」以外にも、その当選回数(たとえば、強チェリーなら通算5回、弱チェリーなら通算10回など)や、連続当選(例えば2ゲーム連続で強チェリーや強スイカに当選など)としても良い。またその他にも、単独では状態移行契機役とならない特定の一般役種(たとえば、リプレイ役種(図36参照))や、特定の一般役種(たとえば、押順ベル)などの連続当選(たとえば、通常リプレイ役種の5連続当選(通常リプレイ1〜12の全部であっても良いしその一部(特定の1または複数種類の通常リプレイ)であっても良い)や、押順ベル(特定の1または複数種類の押順ベルでも良い)の3連続入賞など)としても良い。なお、上述したいずれの条件(1または複数種類の条件を設けても良い)をAT遊技への移行条件とするかは、適宜定めることができる。
(SRA(通常回胴演出)抽選)
上記SRAを発生させるか否かは、「SRA(通常回胴演出)抽選」により決定される。
(通常回胴演出抽選テーブル選択テーブル、通常回胴演出抽選テーブル:図28)
上記SRA抽選は、主制御部400側において、図28に示す「通常回胴演出抽選テーブル選択テーブル(同図(A))」および「通常回胴演出抽選テーブル(同図(B))」に基づいて実行される。
上記通常回胴演出抽選テーブル選択テーブルには、当選役種別と現在の遊技モード(主制御部遊技状態:本実施形態では、LRAモード1とPDモード)に応じて参照すべき通常回胴演出抽選テーブルのINDEX番号とが関連付けて定められている。
この通常回胴演出抽選テーブルには、上記INDEX番号に対応して、SRA1〜6に対応した抽選確率(判定値(当選領域)/抽選領域(65536))が定められている。たとえば、今回のゲームで「強スイカ(当選番号41)」に当選した場合、通常回胴演出抽選テーブル選択テーブルを参照すれば(ここでは、主制御部遊技状態がLRAモード1)、強スイカ(当選番号41)に対応するINDEX番号は‘4’であるので、通常回胴演出抽選テーブルのINDEX番号4に対応する欄が参照される。INDEX番号4に対応する欄を参照すれば、このケースであれば、「SRA1」には‘20000/65536’、「SRA2」には‘2000/65536’、「SRA3」には‘1000/65536’の確率で当選することになる。
なお、通常モード中では特定の当選役、たとえば、通常リプレイ1〜12(当選番号1〜12)、押順ベル(当選番号22〜37)、または共通ベル3枚ベル(当選番号38)は、SRAは発生しない(LARモード1に係る通常回胴演出抽選テーブルのINDEX番号1の「SRA無し」の欄参照)。また、通常モード中では、SRA4〜6は抽選対象外とされ、これらSRAが発生しないようになっている(通常回胴演出抽選テーブル選択テーブルのLRAモード1のINDEX番号参照)。これらSRA4〜6は、後述の「PDモード(SRA高確率モード)」において選択されうるものとなっている。なお、SRA(通常回胴演出)抽選に関し、当該抽選の実行契機となる抽選対象役(フリーズ抽選契機役)や、その抽選確率に特に制限はなく、遊技性に応じて適宜変更することができる。
(通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選)
ここで本実施形態では、上記した通常中疑似ボーナス抽選に当選した場合、その当該ゲームにおいて、LRAモード11、LRAモード21、LRAモード31、およびPDモードのいずれのモードに移行させるかを抽選する「疑似ボーナス当選時モード移行抽選」が実行され、この疑似ボーナス当選時モード移行抽選により、現在の通常モード「LRAモード1」から移行先となるモードが決定されるようになっている(図10参照)。なお、ここでは第1の遊技循環ルートについて説明しているので、PDモードが選択された場合については後述する。
(通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選テーブル:図37)
上記通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選は、演出制御部410側において、図37に示す「通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選テーブル」に基づき実行される。この「通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選テーブル」は、通常モード中に利用され、当選役種別と移行先となるLRAモード種別(LRAモード11、LRAモード21、LRAモード31、および後述のPDモード)とが関連付けて定められており、具体的には、当選役種別に応じて、移行先となる各LRAモード種別ごとの抽選確率(判定値(当選領域)/抽選領域(256))が定められている。たとえば、今回のゲームで「強スイカ」により、上記通常中疑似ボーナス抽選(図36)に当選した場合、「強スイカ(当選番号41)」の欄が参照され、「LRAモード11」には‘64/256’、「LRAモード21」には‘88/256‘、「LRAモード31」には‘96/256’の「PDモード」には‘8/256’の抽選確率で当選する(移行される)ようになっている。
なお、上記通常中疑似ボーナス抽選における抽選確率が相対的に低確率である特定の当選役種別(たとえば、押順9枚ベル(当選番号22〜37)、共通ベル3枚ベル(当選番号38)、弱チェリー(当選番号42))である場合、「疑似ボーナス低確率当選」という事象を踏まえ、特典として、通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選は、他の役と比し、「LRAモード21」または「LRAモード31」といった上位モードへの移行確率が相対的に高確率となっている(図36参照)。たとえば、押順ベルの場合、通常中疑似ボーナス抽選においては極めて低確率の‘13/65536’で当選するが、モード移行抽選では、下位モードである「LRAモード11」には移行されずに、最上位の「LRAモード31」に移行され易い、といった抽選形態となっている(図37参照)。
(昇格準備モード(LARモード1+前兆AT遊技)について)
既に説明したように、通常モード中において、通常中疑似ボーナス抽選に当選した場合、前兆AT遊技が発生し、昇格準備モードに移行される。
この「昇格準備モード」では、通常リプレイ1〜12のいずれかのリプレイ役に当選した場合、その当選したリプレイ役種別に基づく‘昇格押順アシスト報知’が発生する。この昇格押順アシスト報知は、演出制御部410側において、上記通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選(図37)の抽選結果に基づいて、つまり、その抽選により決定された移行先のモード種別に基づいて、その報知内容が決定されるようになっている。たとえば、移行先のモードが、「LRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31」に決定された場合には「LRAモード2」に移行させるための特定の押し順が報知(昇格押順アシスト報知による)され、後述の「PDモード」に決定された場合には「PD準備モード」に移行させるための特定の押し順が報知されるようになっている。
上記LRAモードやPD準備モードなどは、既に説明したように、主制御部側遊技状態である。これらのモード間の移行自体は、主制御部400側において、後述の図29〜図33の各モード移行テーブルが参照され、現在のモードから他のモードに移行されるようになっている。なお以下では、重複記載を避けるために「通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選(図37)」の抽選結果により「LRAモード11」に移行させるものと決定された場合を代表例にとり説明する。またここでは、第1の遊技循環ルートについて説明しているので、PD準備モードおよびPDモードへの移行はしないものとして説明する。
(LRAモード1中モード移行テーブル:図29)
現在のLRAモード1から他のLRAモードへの移行は、主制御部400側において、図29に示す「LRAモード1中モード移行テーブル」に基づいて、移行先のLRAモードが決定される。
上記LRAモード1中モード移行テーブルには、当選役種別(本実施形態では、通常リプレイ1〜12)と押し順とに応じた移行先のLRAモード種別(主制御部側遊技状態種別)が定められている。具体的には、当選役種別(通常リプレイ1〜12)と、押し順とに応じて、現在のLRAモードから、LRAモード1(現在のLRAモード1を維持)、LRAモード2、およびPD準備モードのうち、いずれのモードに移行するか否かが決定されるようになっている。
上記昇格準備モード中においては、通常リプレイ1〜12のいずれかが当選した場合、移行させるべきLRAモードの過程を案内するために、その当選した通常リプレイに対応した特定の押し順が報知される。このとき、遊技者がその報知内容に従い回胴を停止操作すれば、現在のLRAモード1からLRAモード2に容易に移行することができるようになっている。
具体的には、昇格準備モード中において、たとえば、通常リプレイ1(当選番号1)が当選した場合、ここではLRAモード11に移行すると決定された例について説明しているので、まず、LRAモード11に到達する前段階のLRAモードとして、LRAモード2への移行を案内すべく(図10に示す「通常モード→特殊回胴演出準備モード1〜3→青7揃い回胴演出準備のLRAモード11」への移行ルート参照)、演出制御部410側が昇格押順アシスト報知内容として「右中左」の押し順を報知する。このとき、遊技者がそのアシスト報知内容に従い回胴を停止操作すれば、主制御部400側が図29に示す「LRAモード1中モード移行テーブル」を参照して、現在のLRAモード1からLRAモード2に移行させる(同図の通常リプレイ1の「右中左」の欄参照)。
(特殊回胴演出準備モード1(LRAモード2+前兆AT遊技)について)
そして、LRAモード2に移行すると、遊技機全体として捉えた遊技状態は「LRAモード2+前兆AT遊技(特殊回胴演出準備モード1)」となる(図9および図10参照)。
(LRAモード2中モード移行テーブル:図30)
現在のLRAモード2から他のLRAモードへの移行は、主制御部400側において、図30に示す「LRAモード2中モード移行テーブル」に基づいて、移行先のLRAモードが決定されるようになっている。この「LRAモード2中モード移行テーブル」は、上記「LRAモード1中モード移行テーブル」と基本的構成は同じであり、LRAモード2中(特殊回胴演出準備モード1中)に参照され、主として、LRAモード2からLRAモード3に昇格移行させるために利用される。
ここでは、「LRAモード11」に移行させる例について説明しているので、特殊回胴演出準備モード1中において、たとえば、再度、通常リプレイ1(当選番号1)が当選した場合、LRAモード11に到達するまえの前段階のLRAモードとして、LRAモード3への移行を案内すべく(図10参照)、演出制御部410側が昇格押順アシスト報知内容として「右中左」の押し順を報知する。このとき、遊技者がそのアシスト報知内容に従い回胴を停止操作すれば、主制御部400側が図30に示す「LRAモード2中モード移行テーブル」を参照して、現在のLRAモード2からLRAモード3に移行させる(図30の通常リプレイ1の「右中左」の欄参照)。
なお、上記LRAモード1〜LRAモード3まで昇格移行させる際、モード移行に係る押し順の振り分けにより、条件装置番号6の「右下リプレイ」が入賞し、これによりモードが昇格移行されたことを報知可能なようになっている(図6A、図8、図29〜図30の通常リプレイに関する欄参照)。
(特殊回胴演出準備モード2(LRAモード3+前兆AT遊技)について)
上記LRAモード2からLRAモード3に移行すると、遊技機全体として捉えた遊技状態は「LRAモード3+前兆AT遊技(特殊回胴演出準備モード2)」となる(図9および図10参照)。
(LRAモード3中モード移行テーブル:図31)
現在のLRAモード3から他のLRAモードへの移行は、主制御部400側において、図31に示す「LRAモード3中モード移行テーブル」に基づいて、移行先のLRAモードが決定されるようになっている。この「LRAモード3中モード移行テーブル」は、上記「LRAモード1中モード移行テーブル」と基本的構成は同じであり、LRAモード3中(特殊回胴演出準備モード2中)に参照され、主として、LRAモード3から、LRAモード10、LRAモード20、またはLRAモード30に昇格移行させるために利用される。
ここでは、「LRAモード11」に移行させる例について説明しているので、、特殊回胴演出準備モード2中において、たとえば、今回のゲームで通常リプレイ2(当選番号2)が当選した場合、LRAモード10(LRAモード11に到達する直前のLRAモード)への移行を案内すべく(図10参照)、演出制御部410側が昇格押順アシスト報知内容として「左中右」の押し順を報知する。このとき、遊技者がそのアシスト報知内容に従い回胴を停止操作すれば、主制御部400側が図30に示す「LRAモード3中モード移行テーブル」を参照して、現在のLRAモード3からLRAモード10に移行させる(図31の通常リプレイ2の「左中右」の欄参照)。
(特殊回胴演出準備モード3(LRAモード10+前兆AT遊技)について)
上記LRAモード3からLRAモード10に移行すると、遊技機全体として捉えた遊技状態は「LRAモード10+前兆AT遊技(特殊回胴演出準備モード3)」となる(図9および図10参照)。なお、LRAモード20に移行した場合には(LRAモード20+前兆AT遊技)、LRAモード30に移行した場合には(LRAモード30+前兆AT遊技)となり、各LRAモード10、20、30により、それぞれ異なる「特殊回胴演出準備モード3」として区別される。
(特殊回胴演出実行モード移行テーブル(LRAモード10、LRAモード20、LRAモード30中モード移行テーブル):図32)
現在のLRAモード3から他のLRAモードへの移行は、主制御部400側において、図32に示す「特殊回胴演出実行モード移行テーブル(LRAモード10、LRAモード20、LRAモード30中モード移行テーブル)」に基づいて、移行先のLRAモードが決定されるようになっている。この「特殊回胴演出実行モード移行テーブル」は、上記「LRAモード1中モード移行テーブル」と基本的構成は同じであり、LRAモード10、LRAモード20、またはLRAモード30中(特殊回胴演出準備モード3中)に参照され、主として、LRAモード10、LRAモード20、またはLRAモード30から、LRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31に昇格移行させるために利用される。なお、図示の「LRAモード+1」とは、現在のLRAモード(LRAモード10、LRAモード20、またはLRAモード30)に対し、1段階上(LRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31)に移行するという意である。
ここでは、「LRAモード11」に移行させる例について説明しているので、特殊回胴演出準備モード3中において、たとえば、再度、通常リプレイ2(当選番号2)が当選した場合、最終目標到達LRAモードである‘LRAモード11’への移行を案内すべく(図10参照)、演出制御部410側が昇格押順アシスト報知内容として「左中右」の押し順を報知する。このとき、遊技者がそのアシスト報知内容に従い回胴を停止操作すれば、主制御部400側が図32に示す「特殊回胴演出実行モード移行テーブル」を参照して、現在のLRAモード10からLRAモード11に移行させる(図31の通常リプレイ2の「左中右」の欄参照)。これにより、LRAモード1から最終目標のLRAモード11に移行されたことになる。なお、LRAモード21やLRAモード31に移行させる場合も、上記したLRAモード11の移行ルートと同じように、図29〜図33の移行テーブルに基づいて、LRAモード1から移行される。
(青7揃い演出準備(LRAモード11:特殊回胴演出モード)について)
上記LRAモード11に移行すると、前兆AT遊技が終了し、遊技機全体として捉えた遊技状態は、特殊回胴演出モードである「LRAモード11(青7揃い演出準備)」となる(図9および図10参照)。なお、LRAモード20を経由した場合には「LRAモード21(赤7揃い演出準備)」となり、LRAモード30を経由した場合には「LRAモード31(BAR揃い演出準備)」となる。
ここで「LRAモード11(青7揃い演出準備)」、「LRAモード21(赤7揃い演出準備)」、または「LRAモード31(BAR揃い演出準備)」に移行した場合、主制御部400側において、図34(A)〜(C)に示す「特殊回胴演出抽選テーブル」に基づいて、現在のLRAモードに対応して現出すべき回胴演出種別(フリーズ中演出種別)が抽選により決定される。換言すれば、各LRAモード11、21、31に応じて、実行すべきフリーズ状態種別が抽選により決定され、その決定されたフリーズ状態種別に対応したフリーズ中演出が実行制御されることになる。
ここでは、LRAモード11に移行した場合を説明しているので、主制御部400側において、図34(A)に示す「LRAモード11特殊回胴演出抽選テーブル」に基づいて、現出すべき回胴演出種別(特殊回胴演出種別)が決定される。LRAモード11の場合、特殊回胴演出として、「LRA1」が100%で当選するようになっている。なお、LRAモード21に移行した場合には同図(B)に示す「LRAモード21特殊回胴演出抽選テーブル」に基づいて、またLRAモード31に移行した場合には同図(C)に示す「LRAモード31特殊回胴演出抽選テーブル」に基づいて、実行すべき回胴演出(特殊回胴演出)が決定されるようになっている。
(青7揃い図柄特殊回胴演出(LRA1発生)の発生)
上述のように、LRAモード11に移行した場合は、特殊回胴演出として「LRA1」が発生され、LRA1およびこれに付随して現出される演出(演出手段による演出)により「疑似ボーナス1」に当選した旨(移行される旨)が報知されるようになっている。なお、正確には、LRAモード11に移行された次ゲームにて、回胴演出「LRA1」が発生される。これは、LRAモード11への移行が、内部制御上、LRA1が発生する前のゲーム(1ゲーム前)に移行処理が行われるからである。具体的には、LRAモード10において通常リプレイに当選し、昇格移行となる押し順が実行されたことに基づき、当該ゲームでLRAモード11に移行制御されるため、、実質的なLRAモード11中は、その次ゲームとなる。したがって、この次ゲームにおいてLRA1が発生することになる(図20のステップS404→S406の処理ルート、次ゲームにおける図13のステップS115〜S117)。そして、上記LRA1が発生により疑似ボーナス当選が報知され、その次ゲームから疑似ボーナスが開始されるようになっている。
以上のように昇格準備モードを介して、LRAモードに11に移行されると、疑似ボーナスへの移行が確定し、疑似ボーナスが開始される。なお、LRAモード21に移行した場合は、LRA2〜3により「疑似ボーナス2」に当選した旨(移行される旨)が報知され、LRAモード31に移行した場合は、LRA4〜6により「疑似ボーナス3」に当選した旨(移行される旨)が報知される。このように、昇格準備モードからLRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31至るまでの各遊技モードは、特殊回胴演出が発生する前兆遊技モード(前兆遊技状態)として機能する。
(ペナルティについて)
以上に説明したように、本実施形態に係る特殊回胴演出(特定のフリーズ状態)は、特定の当選役に当選した場合において特定の押し順を複数回実行していくことにより発生されるが、上記各LRAモードや、後述のPD準備モードや、PDモードなどは、主制御部400側で管理される遊技状態であることから、通常リプレイ1〜12が当選した場合、昇格押順アシスト報知が未発生の場合であっても、遊技者の恣意的な停止操作により、図29〜図33に示す「モード移行テーブル」に基づいて、LRAモードの移行がなされてしまう恐れがある。つまり、イレギュラーなモード移行が発生してしまい、疑似ボーナス移行に関する抽選(たとえば、上記通常中疑似ボーナス抽選)に当選していないにもかかわらず、特殊回転演出モード(LRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31)や、後述のPDモードに移行されてしまう可能性がある。その結果、本来ならば特殊回胴演出(特定のフリーズ状態)が発生しえない状況下であるにもかかわらず、特殊回胴演出が発生してしまう、といった不具合が生じうる。このようなイレギュラーな事象は、特定の押し順を1回実行した場合に特殊回転演出モードに移行してしまうような構成の場合や、モード移行に係る抽選対象役の種類が少なく、遊技内容を良く知る遊技上級者であれば、モード移行に係る抽選対象役を簡単に判別できてしまう場合などに顕著になる。
そこで本実施形態では、モード移行に係る抽選対象役の種類として、計12種類の通常リプレイ1〜12を設け、これら通常リプレイによるモード移行に係る押し順を限定的なものとし、さらに特殊回胴演出が発生する遊技モードへの移行を複数段階的に昇格移行させる構成とすることで、モード移行条件を複雑化し、遊技者が意図的または恣意的に回胴を停止操作した場合であっても、遊技機の設計上、意図しないモード移行が極力生じないように構成してある。
しかし、より確実にイレギュラーなモード移行を防止するためには、モード移行条件をより複雑化することが好ましいが、役種別の種類数をより多く設けるなどしてモード移行テーブルが複雑化してしまうと、制御負担が増大してしまう。また、意図しないモード移行を防止するには、モード移行テーブルだけでは十分ではない場合もありうる。
そこで上記のような問題点に鑑み、意図しないモード移行の防止を強化するべく、遊技者が所定の遊技方法を守らなかった場合に、遊技を進行する上で、遊技者に不利に作用する所定のペナルティを科すようにしている。具体的には、回胴の停止操作手順(本実施形態では、押し順)がモード移行に直接的に影響を及ぼすという関係上、アシスト報知未発生時に「変則押し」が実行された場合、所定のペナルティを科すようにしている。このため、ペナルティが発生しうる停止操作手順を実行しないことが、遊技を進行する上の‘正規手順’として規定されて、遊技者は、ペナルティが科されないように、その正規手順を守るようになる。これにより、遊技者に対して正規手順を守らせるようにして、イレギュラーなモード移行を防止することができるようになっている。
またペナルティを科す理由として、次の理由がある。
本実施形態では、当選番号22〜37の押順ベルが比較的高確率で当選可能となっており(図6B参照)、遊技性や上述したイレギュラーなモード移行を回避する関係上、有利入賞役に対する押し順が「左押し」以外の押し順、つまり「変則押し」に偏りを持たせている(図8)。このため、変則押しを許容してしまうと、これを知る遊技者は、変則押しを毎ゲーム行い、押順ベルに係る有利入賞役の配当を意図的に高確率で獲得しながら、順押しの場合よりも遊技メダルを減らすことなく、疑似ボーナスの当選を待つ、といった技術介入が容易できてしまう。その結果、想定していない利益が遊技者に付与されてしまい、遊技機の設計上、想定していた機械割のバランスが崩れてしまう恐れがある。
特にパチンコ店に設置するような風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による7号営業を対象とした遊技機においては、同法律おける遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則(たとえば、別表第5 回胴式遊技機に係る技術上の規格(第6条関係)(1)性能に関する規格)により、機械割や射幸性が厳しく制限されている。本実施形態では、多くの抽選対象役およびその役構成、複数種類の遊技状態を実効化することにより遊技性を向上させている一方で、上記のような規則に抵触しないよう、遊技機に求められる機械割や射幸性などを考慮し、遊技進行上に関する罰則として、遊技者が正規の遊技手順を実行しない場合には、所定のペナルティを与えるようになっている。
上記のペナルティの内容としては、遊技者に不利なゲーム展開を与えるものであれば良く、たとえば、通常ゲーム中に、正規手順ではない「不正規手順」を実行した場合には、所定ゲーム数(たとえば、10ゲーム間)を消化するまで(ペナルティ期間経過まで)、疑似ボーナス抽選を無効化したり(たとえば、図36、図38の疑似ボーナス抽選を無効化する)、または、疑似ボーナス抽選は無効化しないがSRA(通常回胴演出)抽選を無効化して疑似ボーナス抽選を正常時よりも不利にしたりすることが挙げられる。これによりAT遊技の発生確率を正規手順が実行された場合よりも制限して、遊技者に不利に作用するゲーム展開を与えることが挙げられる。
またAT遊技中においては、たとえば、所定ゲーム数を消化するまでの間、アシスト報知の発生を制限したり、偽のアシスト報知が発生する確率を高めたり、ベルナビ回数を所定回数減少させる(疑似ボーナス中の場合)ことが挙げられる。
なお上記ではアシスト報知未発生時の「変則押し」に関して説明したが、アシスト報知発生時であっても遊技者がその報知内容に従わない場合には、所定のペナルティを科すように構成することができる。ただし、アシスト報知を無視することは、それ自体で有利入賞役の入賞権利を放棄することになりうることから、アシスト報知を無視することは、遊技者自身で不利益をもたらすことになる。このため、遊技者がアシスト報知に積極的に従うことを考慮し、アシスト報知の内容に従わなくとも、特にペナルティを科さなくとも良い。
本実施形態のように、演出制御部側の制御により遊技者の利益に大きな変化をもたらすような遊技機、詳細には、特定の入賞役の入賞の容易さまたは困難さを、演出制御部側の制御(アシスト報知の現出制御)で変化させることにより、遊技モード間の移行頻度を調整したり、有利入賞役の入賞を容易なものとして遊技者に与える利益を調整したりする、といった遊技状況を作り出す遊技機においては、主制御部400側が管理しえない演出状態に係る上記のようなペナルティは重要な意義を有する。
(ペナルティ除外対象)
また、例外的にペナルティを発生させない条件を設けることができる。これは、遊技者が誤停止操作を一切しないとも限らず、誤って不正規手順を実行してしまう場合が十分考えられ、不正規手順実行時に一律にペナルティを科してしまうと、遊技者の遊技意欲の低下を招来するからである。
ペナルティ除外対象としては、たとえば、今回のゲームにおいて、どのような押し順をしても不具合が生じないケースである。具体的には、モード移行に無関係な抽選対象役が当選した場合(本実施形態では、通常リプレイ1〜12以外の当選役であった場合)や、小役種のうち、押順ベル以外の抽選対象が当選した場合(押順不問役が当選役であった場合)などが挙げられる。小役種のうち、押順ベル以外の小役種が当選した場合に例外規定を設けるのは、全小役種についてペナルティ除外対象としてしまうと、押順ベルの合算当選確率が高確率となっているために、遊技者が変則押しをして、有利入賞役を入賞させつつ、疑似ボーナス当選を待つ、といった技術介入が可能になり、設計上、想定外の機械割となってしまうからである。この問題は、変則押し時に、疑似ボーナス抽選を無効化するなどの他のペナルティを併用することにより防止することができる。
また、たとえば、中段チェリーリプレイのように、他の抽選対象役よりも相対的に高い遊技価値を付与する、といったプレミアム役(図28、図36〜図40、図42、などの中段チェリーリプレイに関連する欄参照)。このようなプレミアム役当選に起因する遊技価値を無効化してしまうことは、遊技者にとって酷に過ぎると考えられる。そこで、救済機能の一形態として、中段チェリーリプレイがペナルティ期間中に当選した場合、これをペナルティ除外対象として、ノーペナルティ状態と同様の利益が得られるように構成することができる。
なお上述では、中段チェリーリプレイをペナルティ対象外として説明したがこれに限られない。上記問題点に関連して、SRAについてもペナルティ除外対象とすることができる。
上記SRAのような通常回胴演出は、主として、レアな抽選対象役(当選確率が相対的に低確率の抽選対象役)に当選した場合に出現率が相対的に高くなっており、疑似ボーナス当選が高まる「高期待度演出」として利用される(図28、図36、図38参照)。したがって、回胴演出が発生すると、遊技者は、獲得利益に対する多大な期待感を寄せることになる。特に、疑似ボーナスへの当選期待度が相対的に高まる特定のSRA種別を伴う場合(たとえば、通常モード中であれば「SRA3」、後述のPDモード中であれば「SRA5〜6」)、当選期待感も高まる。そこで、このようなSRA種別を伴う場合には、上記した中段チェリーリプレイの場合と同様の理由により、ペナルティ対象外とすることができる。
(警告演出について)
上記ペナルティが発生した場合、これを遊技者に報知するべく、演出手段により「警告演出」を現出可能に構成することができる。この「警告演出」は、ペナルティが発生した旨や、ペナルティ期間中である旨を報知するものであり、たとえば、液晶表示画面6a上に、ペナルティが科された旨を知らせる警告表示を行い、遊技者に対して正規手順に従うよう促すような演出態様が挙げられる。また、上記したように、例外的にペナルティ除外対象を定めた場合であっても、遊技者が不正規手順を実行したことを知らせるべく、「警告演出」を行うことが好ましい。
上記警告演出は、必ずしもペナルティが解除されるまで継続して現出しなくとも良い。ペナルティが解除されるまで継続して警告演出を現出すると、遊技者にとって煩わしい場合があり、このような場合を考慮し、たとえば、今回のゲームが不正規手順であった場合、当該ゲームに限り、警告演出を現出することができる。また上記警告演出は、遊技者に明確に報知するべく、専ら、画像表示による画像表示演出が利用されるが、警告演出態様に応じて、画像表示演出とともに、あるいは画像表示演出は行うことなく、音演出よる警告音や、光演出による特別な発光態様(警告光)などにより警告演出を現出可能な構成とすることができる。
また警告演出の一態様として、遊技者がアシスト報知に従わずに、モード移行が生じた場合には、これを正規の遊技モードに移行させるための押し順をアシスト報知(復帰用アシスト報知)するようになっている。たとえば、通常モード中(疑似ボーナス非当選時)にイレギュラーなモード移行が生じた場合は、「左押し」を指示する復帰用アシスト報知が現出される。また、たとえば、昇格準備モード中のように、疑似ボーナス当選後であれば、目的とする遊技モードへ移行するまで「復帰用アシスト報知」が現出されるようになっている。
以上に説明したように、ペナルティは遊技者に不利に作用するものである。したがって、遊技者は積極的に、遊技上の正規手順を極力守るようになる。以下では、説明の便宜上、特に必要のない限りは、遊技者が正規手順を守ることを前提に、イレギュラーなモード移行は発生しないものとして説明する。
再び図9および図10を参照して、以上のように、本実施形態では、初期状態のLRAモード1から、1回目の押し順一致により「LRAモード2」に、2回目の押し順一致により「LRAモード3」に、3回目の押し順一致により「LRAモード10、LRAモード20、またはLRAモード30」に、4回目の押し順一致により特殊回胴演出モードである「LRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31」に移行され、当該ゲームにて特殊回胴演出が100%発生する構成となっている。本実施形態では、特定の当選役と関連付けられた押し順を複数回実行していくことにより特定の遊技モードに移行した場合、そのゲームでの内部抽選結果によらず、回胴演出(本実施形態では、特殊回胴演出)を発生させることができるようになっている。これにより次のような課題を解決することができるようになる。
従来の遊技機(たとえば、特開2009−285173号公報記載の回胴式遊技機)では、フリーズ状態の発生が専ら内部抽選に依存するため、フリーズ状態の発生がまさに偶然の産物となっていた。その結果、遊技機側が所定の遊技情報、たとえば、疑似ボーナスの当否状態に関する情報、疑似ボーナス当選に関する情報(疑似ボーナスへの移行当選に関する情報)、その当選した疑似ボーナス種別に関連する情報などを報知したいタイミングでフリーズ状態を確実に発生させることができず、これに伴い、インパクトのあるフリーズ中演出(たとえば、フリーズ状態に付随して、遊技者を派手に祝福するような祝福演出)を現出することができない、といった問題があった。また、従来の遊技機のように、主制御部400側が専らフリーズ中演出種別を決定してしまう構成、具体的には、主制御部400側における内部抽選結果によりフリーズ状態種別そのものが決定されて、当該ゲームにおいてこれに起因した演出を現出させる、といった構成では、フリーズ状態が主制御部400側の内部抽選結果だけに依存してしまい、フリーズ中演出のバリエーションが制限的なものになっていた。
一方、本実施形態では、上記した図29〜図33に示すような特徴ある「モード移行テーブル」を設け、主制御部400側の制御(押し順による遊技モード移行制御)と演出制御部410側の制御(アシスト報知制御)とをうまく連携させることにより、当該ゲームにおける内部抽選結果によらずにフリーズ状態を発生しうる遊技状態(たとえば、LRAモード11、LRAモード21、LRAモード31、またはPDモード)を作り出すことを可能にしている。また本実施形態では、主制御部400側おける内部抽選の抽選結果と、演出制御部410側における疑似ボーナス抽選(図36)およびモード移行抽選(図37)とに基づいて、フリーズ状態種別を決定し(内部抽選の抽選結果に起因する所定の条件の成立したことに基づくフリーズ状態種別(フリーズ中演出種別)の決定)、その決定したフリーズ状態種別に関し、フリーズ状態の発生予定を、主に、アシスト報知制御により遊技機側がコントロールできるようになっている。その結果、フリーズ状態(フリーズ中演出種別)の種類および/またはその発生タイミングの自由度が広がり、フリーズ中演出のバリエーションを多彩なものとすることができる。
(疑似ボーナス(LRAモード1+AT1遊技)について)
再び図9および図10の説明に戻り、特殊回転演出モード(LRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31)に係る特殊回胴演出の発生を契機に、特殊回胴演出モードの役割が終了し、主制御部400側においては、主制御部側遊技状態を現在のLRAモード11からLRAモード1に移行させるとともに、演出制御部410側においては、演出制御部側遊技状態を前兆AT1遊技から疑似ボーナス用の「AT1遊技」に移行させる。これにより、遊技機全体として捉えた遊技状態は「LRAモード1+AT1遊技」となり、疑似ボーナスが発生する。
疑似ボーナス中は、既に説明したように、AT1遊技の作用により、当選番号22〜37の押順ベルに当選した場合、その当選した押順ベルに割り当てられた有利入賞役を入賞させるための押し順情報がアシスト報知される(演出制御部410側におけるベルナビ制御)。この有利入賞役に関するアシスト報知は、疑似ボーナス1においては10回、疑似ボーナス2においては25回、疑似ボーナス3においては40回実行される。
なお、上記ベルナビの実行回数のカウント対象を、押順ベルの一部、たとえば、押順ベルのうち、有利入賞役に係る配当が相対的に高い、当選番号26〜37、38の「押順9枚ベル」に係るベルナビとしても良い。この場合、「押順9枚ベル」当選時によるベルナビがカウント対象となるので、たとえば、運悪く、配当が3枚の当選番号22〜23、38が複数回当選してしまい、遊技者の獲得利益が不用意に少なくなってしまうことを回避することができる。これにより、得られる獲得利益が少なくなることに起因して、遊技者の遊技意欲を減退させてしまうことを防止し、遊技者が満足する利益を提供することができるようになる。
また上記疑似ボーナスに関する遊技性を多彩なものとするために、次のような疑似ボーナス終了条件を定めても良い。
たとえば、規定の継続ゲーム数を消化したことを条件に疑似ボーナスを終了させることができる。このゲーム数管理による疑似ボーナスを採用する場合は、たとえば、疑似ボーナス1は20ゲーム、疑似ボーナス2は30ゲーム、疑似ボーナス3は40ゲーム間継続するものとし、当該ゲーム数に達したことを条件に疑似ボーナスを終了させることができる。この場合、疑似ボーナスの実行ゲーム数をカウントする「ゲーム数管理手段」を設け、当該ゲーム数管理手段により、疑似ボーナスの消化ゲーム数を監視すれば良い。
また、入賞による遊技価値に起因した条件により疑似ボーナスを終了させることができる。たとえば、疑似ボーナスを差枚数(純増枚数)で管理することができる。この差枚数管理による疑似ボーナスを採用する場合は、遊技メダルを3枚投入(3枚ベット)して押順9枚ベルに当選した場合は「+6枚(払い出し枚数9枚(ベルナビにより有利入賞役側の配当)−投入枚数3枚=+6枚)」)、ハズレに当選した場合は「−3枚(払い出し枚数0枚−投入枚数3枚=−3枚)」としてカウントし、たとえば、疑似ボーナス1は‘+200枚’、疑似ボーナス2は‘+250枚’、疑似ボーナス3は‘+300枚’にそれぞれ達した時点で疑似ボーナスを終了させることができる。なおこの場合には、いたずらに疑似ボーナス期間を長引かせることを防止するため、遊技者が故意または不意にベルナビによる押し順を間違えたとしても(この場合は、不利入賞役の配当1枚か、または取りこぼしが発生しうる)、遊技者が当該押順ベルに規定された有利入賞役の配当を獲得したものとみなして、上記差枚数をカウントすることが好ましい。
(モード移行回避ナビ(疑似ボーナス中))
また、上記疑似ボーナス中はLRAモード1となっているので、AT1遊技の作用により、特殊回転演出モード(LRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31)のモード移行を回避するための特定のアシスト報知が発生するようになっている。
本実施形態では、通常リプレイ1〜12が当選した場合、演出制御部410側において、LARモードの昇格移行を回避するための押し順情報を報知する、といったモード移行を回避するためのアシスト報知制御がなされる。たとえば、通常リプレイ1が当選した場合、「中左右(PD準備モード移行となる押し順)」および「右中左(LRAモード2移行となる押し順)」以外の押し順をアシスト報知する(図29参照)。これによりイレギュラーなモード移行が回避され、主制御部側遊技状態について、疑似ボーナス時規定の「LRAモード1」を維持することができるようになっている。このようなモード移行を回避するためになされるアシスト報知を「モード移行回避ナビ」と称する。モード移行回避ナビは、遊技モードの昇格移行をさせないといった点で、偽アシスト報知(偽告知)の一態様といえる。
なお、通常リプレイ1〜12は比較的高確率で当選しうるため、一々、通常リプレイ1〜12が当選する度に、全回胴を対象とした押し順情報を報知するようなモード移行回避ナビを発生させるのは遊技者にとって煩わしく感じる。そこで本実施形態では、通常リプレイ1〜12が当選した場合、LRA1モードを維持する「左押し」を促すアシスト報知を発生させるようになっている。また、これに限らず、リプレイ役種別が当選したことを報知するたとえば、画像表示演出において、リプレイの当選を示唆する特定の画像表示をする)だけで(報知しなくても良い)、モード回避ナビ自体を発生させない構成としても良い。ただしこの場合は、通常リプレイ当選時に何らアシスト報知されない状態(ナビ無し状態)であるので、イレギュラーなモード移行を防止するために、「変則押し」をした場合には所定内容のペナルティ(たとえば、ベルナビの実行回数を所定回数(たとえば、5回分)減少させる、またはベルナビの発生を所定ゲーム数(たとえば、10ゲーム間)制限するなど)を科すことが好ましい。
(疑似ボーナスの終了後について)
各疑似ボーナスは、対応する上記ベルナビ回数分が実行されたことを条件に終了される(図9の疑似ボーナス参照)。疑似ボーナス終了後は、所定の移行条件(ST継続率抽選:図40参照)が成立していれば、後述の「STモード」に移行され、当該移行条件を満たしていない場合には、AT1遊技が終了して遊技機全体としては「LRAモード1+非AT遊技」、つまり「通常モード」に移行される。
(STモード(LRAモード1+AT2遊技))
上記疑似ボーナスが終了すると、所定の移行条件に基づき、STモードに移行される。このSTモードは、規定ゲーム数(たとえば、30ゲーム)継続するようになっており、所定の継続率に従い、STモードと、疑似ボーナスとをループさせる、といった「継続率依存型」の遊技循環ルートになっている。また通常モードよりも疑似ボーナス抽選による当選確率が優遇されている点で、このSTモードは、後述のPDモードと同じように、疑似ボーナス抽選が高確率に変動した「疑似ボーナス高確率状態」下として作用する遊技状態となっている。
(ST継続率抽選テーブル:図40)
STモードに移行するか否かは、演出制御部410側において、図40に示す「ST継続率抽選テーブル」に基づいて決定される。このST継続率抽選テーブルには、移行先となるLRAモード種別(LRAモード11、LRAモード21、およびLRAモード31)とST継続率種別(0%(ST突入無し)〜90%の複数種類のST継続率)とが関連付けて定めらており、具体的には、図37の通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選の抽選結果に基づいて決定されたLRAモード種別に応じて、ST継続率種別ごとの抽選確率(判定値(当選領域)/抽選領域(256))が定められている。なお、プレミアム役として扱われる「中段チェリーリプレイ」の当選により上記通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選に当選となった場合は、特典として、高ST継続率(継続率70%〜90%)が他の役よりも相対的に高確率で選択されるように定められている。なお、STモードに移行するか否かの決定は、上述のように、図37の通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選の抽選結果に基づいて決定されることから、当該モード移行抽選結果が得られた後、疑似ボーナスに移行する前の所定のタイミングで決定されるように構成すれば良い。
本実施形態では、特殊回胴演出が発生となる当該ゲーム(LRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31下のゲーム)において、回胴回転始動レバー11が操作されたことを契機に、演出制御部410側において、図40に示す「ST継続率抽選テーブル」が参照され、STモード移行するか否か、またSTモードに移行する場合にはその継続率区分が決定される。このとき、選択されたST継続率に応じて、特殊回胴演出に付随して現出する演出(演出手段による演出)を異なるものとすることができる。具体的には、特殊回胴演出とともに、STモード移行の期待度を示唆する演出を現出させることができる。
上記ST継続率抽選により「ST突入無し」が抽選された場合は、疑似ボーナスの終了後、STモードには移行せずに、通常モードに移行されるようになっている。一方、上記ST継続率抽選によりSTモードの移行が約束されている場合、疑似ボーナスの終了を契機に、演出制御部410側において、演出制御部側遊技状態を「AT2遊技」に移行させ(主制御部側遊技状態は、LRAモード1を維持)、これにより、STモード(LRAモード1+AT2遊技)が発生されるようになっている。
なお、STモードが継続されるか否かは、ST継続率抽選により決定された規定のST継続率に従った「ST継続抽選」に基づき継続か否かが決定される。このST継続抽選は、演出制御部410側において、不図示の「ST継続抽選テーブル」に基づき実行される。この「ST継続抽選テーブル」は、ST継続率に応じた抽選確率が定められおり、たとえば、継続率50%であれば‘32768/65536’の確率で、継続率60%であれば‘39322/65536(当選確率約60%)’の確率で当選となるように定められている。
上記STモードが継続していく場合は、「疑似ボーナス1〜3(初当り)→(継続抽選当選)→STモード(初回)→ST中疑似ボーナス(初回)→(継続抽選当選)→STモード(2回目)→ST中疑似ボーナス(2回目)→(継続抽選当選)→STモード(3回目)・・・」といった遊技ルート遷移となり、ST継続抽選にハズレない限りは、STモードとST中疑似ボーナスとをループする遊技形態となる。
(ST中疑似ボーナスについて)
上記ST中疑似ボーナスは、STモードから移行する場合の疑似ボーナスとなっており、このST中疑似ボーナスは、AT1遊技の作用により、ベルナビ(本告知)が発生するが、その実行回数は「15回」となっている。このため、疑似ボーナス1よりも利益状態が高く、疑似ボーナス3よりも利益状態が低い、といった中間的利益状態の疑似ボーナスとなっている。なお、ST中疑似ボーナスは、このような中間的利益を付与しうる疑似ボーナスではなく、疑似ボーナス1〜3のいずれかを上述のST中疑似ボーナスとしても良い。
(STモードの継続・非継続について)
本実施形態では、初回のSTモードが継続するか否かは、疑似ボーナスが終了した次のゲーム、つまりSTモード突入時のゲーム開始を契機に抽選により決定されるようになっている。また、2回目以降のSTモードに突入するか否かは、STモード中の所定のタイミング、またはST中疑似ボーナス中の所定のタイミングにおいて、上記ST継続抽選により決定される構成とすれば良い。そのタイミングとしては、たとえば、STモードまたはST中疑似ボーナスの最終ゲーム開始時(回胴回転始動レバー11の操作を契機に)や、その終了時(たとえば、最終番目の回胴の回転停止ボタン12の操作を契機に)に、上記ST継続抽選により決定することができる。このようにして、STモードとST中疑似ボーナスとをループさせて、遊技者に大きな利益もたらすようになっている。したがって、STモードを如何に継続させていくかが、遊技進行させていく上での遊技者の最大の関心事の一つと言える。
STモードは、規定ゲーム数(たとえば、30ゲーム)消化により終了するが、上記ST継続抽選に当選(継続)であればST中疑似ボーナス(LRAモード1+AT1遊技(ST中用AT1遊技:ベルナビ回数15回))に移行され、ST継続抽選に非当選(ハズレ(非継続))であれば、AT1遊技が終了され、次回のゲームから通常モード(LRAモード1+非AT遊技)に移行されることになる。
また上記STモード中は疑似ボーナス中とは異なり、押順ベルが当選した場合に有利入賞役を入賞させるための押し順情報が必ずしもアシスト報知されるわけではなく、偽アシスト報知(偽告知)がされたり、選択的アシスト報知がされたりして、疑似ボーナスにおいて1ゲームあたりに遊技者が獲得し得る平均的利益(所謂「PRYOUT率(機械割)」または「ベース値」)よりも相対的に少ない利益を獲得しうる遊技モードとなっている。つまり、1ゲームあたりに遊技者が獲得し得る平均的利益について、「通常モード(利益低)<STモード<疑似ボーナス(利益高)」の関係が成立するようになっている。たとえば、1ゲーム当りの平均純増枚数が、通常モードでは「−1.5枚」、STモード中は「+1.5枚」、疑似ボーナス中は「+2.7枚」といった具合である。
このように本実施形態では、主制御部側遊技状態が同一の下(本実施形態では、RT1遊技下のLRAモード1である、通常モード、STモード、または疑似ボーナスが該当する)、少なくともリプレイ役種の抽選確率を一定(本実施形態では、内部抽選に係るすべての抽選対象役の抽選確率が一定)としながらも、演出制御部側遊技状態(本実施形態では、非AT遊技、AT1遊技、またはAT2遊技)に応じた演出制御部410側の制御(アシスト報知制御)の働きにより、一の遊技モード(たとえば、疑似ボーナス)と他の遊技モード(たとえば、通常モードやSTモード)とで「‘アシスト報知の発生率’および/または‘アシスト報知態様(報知内容)’」を異ならせて、ベース値の異なる複数種類の遊技モードを作り出すことを可能にしている。なお、上記した各LRAモードと、後述のPD準備モードおよびPDモードとは、同じRT1遊技下であるので、これらモード中の各抽選対象役の内部抽選による抽選確率はそれぞれ同一となっている(図6A〜図6B参照)。
(AT2遊技中アシスト報知抽選テーブル:図41)
AT2遊技中に現出すべきアシスト報知は、演出制御部410側において、図41に示す「AT2遊技中アシスト報知抽選テーブル」に基づいて決定されるようになっている。
上記AT2遊技中アシスト報知抽選テーブルには、当選役種別と現出すべきアシスト報知とが関連付けて定められており、具体的には、押順ベル(当選番号22〜37)と不図示の通常リプレイ1〜12に応じて、アシスト報知種別(本実施形態では、本告知、2択ナビ、偽告知)ごとの抽選確率(判定値(当選領域)/抽選領域(65536))が定められている。ここで現出されるアシスト報知としては、「本告知」、「2択ナビ」、「偽告知」の複数種類のアシスト報知が含まれる。
図示の「本告知」とは、疑似ボーナス中におけるベルナビと同じく、当選番号22〜37の押順ベルのいずれかに当選した場合、その当選した押順ベルに割り当てられた有利入賞役を入賞させるための押し順情報(たとえば、押順9枚ベルであれば遊技メダル9枚の配当を獲得するための押し順)を報知するアシスト報知であり、「2択ナビ」とは、当選番号22〜37の押順ベルのいずれかに当選した場合、有利入賞役の押し順情報とそうでない押し順情報を遊技者に提示することで入賞率を1/2(50%)とするような選択的アシスト報知であり、「偽告知」とは、当選番号22〜37の押順ベルのいずれかに当選した場合、その当選した押順ベルに割り当てられた不利入賞役(配当払出1枚)を入賞させるための押し順情報を報知するアシスト報知(偽告知)である。この偽告知は、押し順情報を一切報知しない「ナビ無し」報知を含んでも良く、また図示の偽告知が選択された場合は、すべて「ナビ無し」としても良い。また図示のように、本告知の抽選確率は、「2択ナビ」と「偽告知」とが抽選される合算確率よりも低くなっている。このため、疑似ボーナスのように、押順ベル当選時に必ず本告知がなされる遊技モードよりも1ゲームあたりに遊技者が獲得し得る平均的利益が相対的に低くなるようになっている。
なお上記した押順ベル当選時の「ナビ無し」はアシスト報知としては扱われないようにし、このナビ無し時に「変則押し」をした場合、所定内容のペナルティ(たとえば、ベルナビの発生を所定ゲーム数(たとえば、10ゲーム間)制限するなど)を科すように構成することができる。これにより、遊技者の恣意的な停止操作により有利入賞役の入賞を阻止して、本来のSTモード中のベース(遊技機設計上のベース)を維持することができる。
(モード移行回避ナビ(STモード中))
また図示はしていないが、通常リプレイ1〜12のいずれかが当選した場合には、疑似ボーナス中と同様に、各LARモード間の移行が生じさせないための押し順情報がアシスト報知(モード移行回避ナビ)されるようになっている。これにより、STモード中においてもイレギュラーなモード移行(特殊回転演出モード(LRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31)に向けてのモード移行)が回避され、主制御部側遊技状態をSTモード規定のLRAモード1に維持することができるようになっている。なお、疑似ボーナス中と同様に、「モード移行回避ナビ」自体を発生させなくとも良く、この場合は、「ナビ無し」状態となるので、イレギュラーなモード移行を防止するために、「変則押し」をした場合には所定内容のペナルティ(たとえば、ベルナビの発生を所定ゲーム数(たとえば、10ゲーム間)制限するなど)を科すことが好ましい。
(ST継続率昇格抽選)
またSTモードにおいては、特定の当選役に当選した場合、現在のST継続率を昇格させる(現在のST継続率を、さらに上位の継続率に移行させる)ST継続率昇格抽選が実行されるようになっている。なお、ST継続率昇格抽選は、現在のST継続率が50%、60%、70%、および80%の場合に実行される。
(ST継続率昇格抽選テーブル:図42)
上記ST継続率昇格抽選は、演出制御部410側において、図42に示す「ST継続率昇格抽選テーブル」に基づいて実行される。この「ST継続率昇格抽選テーブル」は、当選役種別に応じて、継続率昇格となる抽選確率(判定値(当選領域)/抽選領域(65536))が定められている。たとえば、今回のゲームで「強スイカ(当選番号41)」が当選した場合、‘6/256’の確率で昇格に当選するようになっている。ST継続率昇格抽選に当選した場合、現在のST継続率が50%であれば、昇格ランクが「+1」され、1段階上のST継続率60%に昇格される。なお、中段チェリーリプレイに当選した場合は、昇格状態が優遇されており、現在のST継続率によらず、最高の継続率である「ST継続率90%」に昇格されるようになっている。
なお本実施形態では、昇格ランクを1段階だけあげる「+1」となっているが、1度の当選で複数段階昇格(たとえば、ST継続率50%から70%の2段階昇格)させても良い。また、ST継続率昇格抽選に当選した場合、その旨を報知する昇格当選演出を現出可能に構成しても良い。また、ST継続率昇格抽選に当選した場合、現在のSTモードを強制的に継続させるように構成しても良い。これは、折角のST継続率昇格抽選に当選したにもかかわらず、現在のSTモードが終了してしまうと、遊技者が失望し、遊技意欲を低下させてしまう恐れがあるからである。したがって、現在のSTモードの継続抽選が、たとえ「ハズレ」であったとしても、これを継続当選として処理し、ST中疑似ボーナスへの移行を確定させることが好ましい。
以上に説明したように本実施形態のSTモード中は、AT2遊技の作用により、偽アシスト報知(偽告知)や選択的アシスト報知などが発生して、疑似ボーナスよりも相対的に少なく、かつ通常モードよりも相対的に高いベース値の「中間的ベース」の遊技モードとなっている。
本実施形態では、上記したように、主制御部側遊技状態が同一の下(本実施形態では通常モード、STモード、および疑似ボーナス)、つまり内部抽選に係る抽選対象役の抽選確率を一定としながらも「アシスト報知の報知態様(報知内容)および/または特定のアシスト報知(たとえば、本告知)の実行確率」を異ならせることにより、ベースの異なる複数種類の遊技モードを作り出すことを可能にしている。
詳述するに、パチンコ店に設置するような回胴式遊技機においては、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律における遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則上、リプレイ確率の変動条件が規定され、また小役種の確率は特別役に関するボーナス遊技を除く一般遊技中は変動させることができない、などといった厳しい制限が課されている(たとえば、別表第5 回胴式遊技機に係る技術上の規格(第6条関係)(1)性能に関する規格等)。
このため、所謂「ART機」のような回胴式遊技機、たとえば、特願2013−022096号記載の遊技機では、特定の入賞役の入賞(たとえば、昇格リプレイ、特殊リプレイ、転落リプレイ、ベルこぼし目など)に起因して、リプレイ確率(リプレイ役種の当選確率)が大幅に異なる複数種類のRT遊技間の移行制御を行い、リプレイ高確率状態中(RT3遊技:高確率RT遊技)では、所定の規定ゲーム数間、他の役と比し相対的に高確率で当選する押順規定役に属する小役種(AT1〜12:本実施形態の押順ベルに相当)を対象としてアシスト報知(小役種(AT1〜12)に係る有利入賞役の入賞を案内するアシスト報知:本実施形態の「本告知」に相当)を実行する所定のAT遊技を付随して発生させ(本ART遊技)、リプレイ確率の高低とAT遊技の発生有無とを以って、ベースが異なる複数種類のART状態を発生させている(たとえば、上記特願の図6、図18、0325、0326〜0327)。
ここで上記本ART遊技中では、上述の小役種(AT1〜12)に係る有利入賞役の入賞を案内するアシスト報知が実行されるが、誤停止操作などにより押し順を間違えば、低確率RT遊技(RT1遊技)への転落契機となる特定の図柄の組合せ(不利入賞役に相当する「ベルこぼし目」)が導出表示され、高確率RT遊技(RT3遊技)から低確率RT遊技(RT1遊技)へと転落移行されるようになっている。
したがって、押順規定役に属する小役種を対象とした、ナビ無し、または偽アシスト報知(偽告知)あるいは選択的アシスト報知などがなされると、本来、所定のゲーム数間継続させるべき高確率RT遊技であるにもかかわらず、上記転落移行が容易に発生してしまい、仮に、上記本ART遊技(高確率RT遊技)に復帰させても、短期間で低確率RT遊技へと転落移行しうるので(AT1〜12が高確率で当選するため)、設計上想定するベース値のバランスが崩れてしまうといった不具合を招来する。つまり本ART遊技のような高ベース遊技を維持するためには、小役種(AT1〜12)に係る有利入賞役の入賞を案内する本告知をし続ける必要が生じる。このため、遊技の単調化が強くなり、遊技の面白みに欠けてしまう。
上記のような問題は、遊技状態に要求されるベースが、専ら、RT遊技の種別に左右され、遊技状態におけるベースを主制御部側の制御が主導的に決定していることに起因する。その結果、遊技機の主たる魅力であるベースの自由度が制限され、遊技性の多様化に対応し難いという問題を生じていた。また遊技者が満足する遊技性を作り出すために、多種多様な性能を持つ役構成を設けることが望まれるが、その代償として、主制御400側のプログラム量が勢い増加してしまい、制御負担が増してしまう。特に、上記規則上、遊技動作全般の制御を司る主基板(本実施形態では、主制御部400に相当する)に装着されるROM(本実施形態では、ROM401aに相当する)のプログラム容量が制限されているため(同規則別表第3 不正な改造その他の変更を防止するための遊技機の構造に係る技術上の規格(ホ)(第6条関係))、プログラム容量の削減は重要な意義を有する。
このような問題点に鑑み、本実施形態では、内部抽選に係る抽選対象役の抽選確率を一定に維持したまま(本実施形態では、高確率RT遊技である「RT1遊技」中)、主制御部400側による停止制御(押順規定役に係る停止制御態様(図8))と、演出制御部410側のアシスト報知制御とを密接に連携させた制御態様により、各種の遊技モードのベース値をコントロールして、異なるベース値を有する複数種類の遊技状態を比較的簡単な制御技術により作り出すことができる。その結果、上記従来の遊技機における遊技バランス上の問題を招来することなく、また主制御部400側の制御負担を無闇に増加させることなく、遊技性の自由度が増して、遊技の面白みを向上させることができるようになっている。
以上、第1の遊技循環ルートについて説明した。次いで、第2の遊技循環ルートについて説明する。
第2の遊技循環ルートでは、「PDモード」を経由して、疑似ボーナスに移行する遊技ルートを辿るようになっている点が第1の遊技循環ルートと異なる。以下では、第1の遊技循環ルートと異なる遊技モードとして「PD準備モード」および「PDモード」を中心に説明し、その他の遊技モードについては、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
<第2の遊技循環ルート>
(PD準備モードについて)
PD準備モードには、第1の遊技循環ルートと同じく、通常モードにおいて、通常中疑似ボーナス抽選(図33)の当選を条件とし、通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選(図34)により、LARモード移行種別が「PDモード」に当選した場合に「昇格準備モード」から移行される遊技モードである。このPD準備モードは、PDモードに移行される前段階の遊技モードである。
具体的には、昇格準備モードにおいて、通常リプレイ1〜12のいずれかのリプレイ役に当選した場合、その当選したリプレイ役種別に基づき、演出制御部410側は、図30に示す「LRAモード1中モード移行テーブル」のPD準備モードの欄に対応する押し順情報を報知するための昇格押順アシスト報知を発生させ、その押し順が実行されると、主制御部400側は、現在のLRAモード1からPD準備モードに移行させる。
そして、このPD準備モードにおいて、通常リプレイ1〜12のいずれかが当選した場合、その当選したリプレイ役種別に基づき、演出制御部410側は、図33に示す「PD準備モード中モード移行テーブル」のPD準備モードの欄に対応する押し順情報を報知するための昇格押順アシスト報知を発生させ、遊技者が報知内容に従い、その押し順を実行すると、主制御部400側は、遊技モードの移行を生じさせ、現在のPD準備モードからPDモードに移行させる。したがって、PDモードは、疑似ボーナスと同じく、通常リプレイ1〜12が当選したときに、特定の押し順が実行されることにより移行しうる遊技モードとなっている。
(PDモードについて)
上記PDモードは、規定ゲーム数(本実施形態では、10ゲーム)継続する。また他の遊技モードとは異なり、SRAの発生率が他の遊技モードよりも相対的に高確率となる遊技モード(SRA高確率モード)となっており、他の遊技モードでは発生対象となっていないSRA種別(SRA4〜6)が抽選対象とされるようになっている(図28の通常回胴演出抽選テーブル選択テーブルのPDモードの欄、および同図の通常回胴演出抽選テーブル参照)。
本実施形態に係るPDモード中では、SRA抽選対象となる各当選役において、SRA1〜6のいずれか回胴演出が必ず発生するようになっている。また詳細は後述するが、PDモードでは、規定ゲーム数目(本実施形態では、PDモード終了となる最終ゲーム目(たとえば、10ゲーム目)において、回胴演出(通常回胴演出のPDRA1〜2)の発生(実行)タイミングが予定されている。
(PDモード中疑似ボーナス抽選テーブル:図38)
上記PDモード中疑似ボーナス抽選は、演出制御部410側において、図38に示す「PDモード中疑似ボーナス抽選テーブル」に基づいて実行される。この「PDモード中疑似ボーナス抽選テーブル」の基本的構成は、図36に示す「通常中疑似ボーナス抽選テーブル」と同じであるので詳細な説明は省略する。
上記PDモード中疑似ボーナス抽選テーブルでは、図示のように、通常中疑似ボーナス抽選よりも相対的に高確率で疑似ボーナスに当選(移行)するように定められており、通常モードよりも有利な抽選形態となっている。特に、PDモード中は、通常モードよりも各SRAが相対的に高確率で当選し、さらに通常モードよりも高確率で疑似ボーナスに当選しうるので、遊技者の当選期待感や緊張感を煽ることができるようになっている。
(PD中疑似ボーナス当選時モード移行抽選)
上記したPD中疑似ボーナス抽選に当選した場合、当該当選ゲームにおいて、LRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31のいずれの特殊回胴演出モードに移行させるかを抽選する「疑似ボーナス当選時モード移行抽選」が実行されるようになっている。この疑似ボーナス当選時モード移行抽選により、LRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31に移行する、つまり、疑似ボーナス1〜3のいずれに移行するかが決定されることになる(図10参照)。この点、図37の通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選と同じである。
(PD中疑似ボーナス当選時モード移行抽選テーブル:図39)
上記PD中疑似ボーナス当選時モード移行抽選は、演出制御部410側において、図39に示す「通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選テーブル」に基づき実行される。この「PD中疑似ボーナス当選時モード移行抽選テーブル」の基本的構成は、図37に示す「通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選テーブル」と同じであるので、その説明は省略する。ただし、PD中疑似ボーナス当選時モード移行抽選テーブルでは、PDモードへの移行は除外されており(PDモードからPDモードへの再移行はしない)、また通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選テーブルよりも、LRAモードが上位のモード(LRAモード21、またはLRAモード31)に移行し易くなっている(図39の当選役種別に対応するLRAモード移行種別の判定値を参照)。
また通常中疑似ボーナス抽選における抽選確率が低確率で当選する、たとえば、押順ベル(当選番号22〜37))は、通常モードよりも非常に高確率で疑似ボーナスに当選しうる「高確率当選」という事象を踏まえ、押順ベルにより疑似ボーナスに当選した場合には、通常中疑似ボーナス当選時モード移行抽選とは逆に、下位のモードへの移行率が相対的に高確率となるように定められている。
本実施形態のPDモードの最大の特徴は、規定ゲーム数目(本実施形態では、PDモード終了となる最終ゲーム目(たとえば、10ゲーム目)において、回胴演出(通常回胴演出のPDRA1〜2)の発生(実行)タイミングが予定されている点である。つまり、PDモードは、特定の回胴演出が発生するゲーム数目が予定されている、換言すれば、「フリーズ状態」が発生するゲーム数目が予定されている、といった遊技モードとなっている。このことは、内部抽選による抽選結果を契機としないフリーズ状態を発生可能な遊技状態を作り出し、これを利用したフリーズ中演出(‘回胴演出および/または演出手段’による演出)を発生させることができることを意味する。
本実施形態では、後述の規定遊技数短縮機能が働く場合を除き、PDモードの最終ゲーム目(10ゲーム目)において、フリーズ状態を利用した回胴演出(これに付随して現出される演出手段による演出を含む)を必ず発生させるようにし、この回胴演出中において、疑似ボーナスに移行するか否か、つまり疑似ボーナスに当選したか否かを報知することができるようになっている。したがって、最終ゲーム目に近づくにつれて、遊技者の緊張感が高まり、フリーズ状態(フリーズ中演出)が発生する当該最終ゲーム目が、遊技者が最も関心を寄せるゲーム数目とされる。
また、上記PDモード中疑似ボーナス抽選(図38)は演出制御部410側において行われることから、疑似ボーナス当否状態は、演出制御部410側が把握することができる。したがって、演出制御部410側において、疑似ボーナス当否状態に基づいて、疑似ボーナスの当選可能性がある旨を示唆する演出(当選期待度を示唆する演出)を現出制御することができる。また、演出制御部410は、PDゲームの残余ゲーム数を液晶表示装置6に表示したり、PDゲームの残余ゲーム数に基づいた演出を現出したりすることができる。
上記PDゲームの残余ゲーム数に基づいた演出としては、たとえば、残り数ゲーム目から現出され、カウントダウン表示を伴う演出(たとえば、7ゲーム目〜9ゲーム目に現出され、最終ゲーム目に発生するフリーズ中演出を煽るための前兆演出)や、特定のゲーム数目に現出される演出(たとえば、前半と後半とを区切るゲーム数目(たとえば、5ゲーム目)で背景画像表示を変化させる)などが挙げられる。なお、これら演出態様により、疑似ボーナスの当選期待度を示唆することができる。
(PDモード中の疑似ボーナス当確状態について)
またPDモードは、上記したように、その最終ゲーム目の10ゲーム目でフリーズ状態の発生が予定されているが、本実施形態では、疑似ボーナスへの移行が確定状態(疑似ボーナス当確状態)となった場合、その発生予定のゲーム数を短縮する規定遊技数短縮機能(以下、「短縮機能」と略す)を設けている。この短縮機能により、短縮されたゲーム数が、フリーズ状態の発生予定となる規定ゲーム数目として扱われる。本実施形態では、ゲーム数が短縮されることによりPDモードの残余ゲーム数が消化されたとみなされた場合、PDモードが終了したとして、図38の疑似ボーナス抽選の抽選結果(当否状態)に応じて、通常モードまたは疑似ボーナスに移行される。
ここで、図38の「PDモード中疑似ボーナス抽選テーブル」を参照すれば、判定値(抽選領域)‘65536’の箇所が「疑似ボーナス当確状態」となる抽選区分である。たとえば、当選番号41の「弱スイカ」であれば回胴演出「SRA5」が発生した場合に疑似ボーナス当確状態となり、また、当選番号42の「強スイカ」であれば回胴演出「SRA6」が発生した場合に、疑似ボーナス当確状態となっている。
しかし、図38の「PDモード中疑似ボーナス抽選テーブル」に基づく抽選は演出制御部410側において実行されるため、その当否情報は、主制御部400が知得することができない。これは、既に説明したように、演出制御部410側は、ゴト行為を防止するために、一方向通信における入力としてのみ機能するようになっているからである。このため、PDモード中疑似ボーナス抽選により当確状態となる抽選区分を主制御部400側も把握できる形態とする必要がある。
そこで本実施形態では、PDモード中疑似ボーナス抽選により当確状態となる抽選区分を主制御部400側が把握できるように、図43に示す「当確モード移行テーブル」を設けてある。
(当確モード移行テーブル:図43)
当確モードへの移行は、主制御部400側において、図43に示す「当確モード移行テーブル」が参照され、当選役種別とSRA種別とに基づいて、その移行が決定されるようになっている。この当確モード移行テーブルにおいて、当確モードに移行される区分は、PDモード中疑似ボーナス抽選テーブルで当選となる抽選区分と一致するようになっている。たとえば、図38の「PDモード中疑似ボーナス抽選テーブル」を参照すれば、今回のゲームで当選番号41の「弱スイカ」が当選役であり、かつ回胴演出が「SRA5」である場合は、疑似ボーナスへの移行に当選(疑似ボーナス当確状態)となり、図43の「当確モード移行テーブル」を参照すれば、同様に、当選番号41の「弱スイカ」が当選役であり、かつ回胴演出が「SRA5」である場合は、「当確モード(当確モード1〜2)」移行となっている。このように、主制御部400側が、演出制御部410側において実行される「疑似ボーナス抽選」により当確状態となる抽選区分に対応させた上記の「当確モード移行テーブル」を有することで、主制御部400側において、疑似ボーナス当確状態を把握できるようになっている。
(当確モードについて)
上記当確モードに移行された場合、最終ゲーム目に発生が予定されている特殊回胴演出をキャンセルし、現在の残余ゲーム数よりも短縮したゲーム数で疑似ボーナス当確状態を報知する当確時専用の特殊回胴演出(当確状態報知用回胴演出(PDRA3))を発生させるようになっている。つまり、発生予定であった最終ゲーム数を短縮したゲーム数目で、当確状態報知用回胴演出(PDRA3)が発生しうるようになっており、このPDRA3が発生すれば、遊技者は当確状態であることを知ることができる。
なお「PDRA3」の動作態様は特に制限されないが、疑似ボーナス当確状態を報知する点や、最終ゲーム目に発生が予定される回胴演出(フリーズ状態)をキャンセルして前倒し的に回胴演出が発生しうる点などに着目すれば、少なくとも演出手段による演出態様を異ならせることが好ましく、より好ましくは、他の回胴演出とは異なる回転動作態様を伴う特別な回胴演出である。
つまり上記PDRA3は、PDRA1および/またはPDRA2とフリーズ時間が同一の時間であって良いし、異なる時間であって良く、また同一のフリーズ時間とする場合には、少なくとも演出手段による演出態様を異ならせることが好ましく、より好ましくは、PDRA1および/またはPDRA2とは異なる回転動作態様とする。
なお、PDRA3の回転動作態様をPDRA1および/またはPDRA2と実質的同一(同一または酷似する)の回転動作態様としても良いが、この場合は、演出制御部410側において、上記疑似ボーナス当確状態であるか否かを把握可能な構成とすることにより、フリーズ状態中の演出手段による演出態様を異ならせることができるので、遊技機に係る全体的な演出系として見れば、PDRA1やPDRA2とは異なるフリーズ中演出が現出されることになる。これにより、仮にPDRA1〜3がすべて同一の回転動作態様であったとしても、遊技者側には、異なる種類のフリーズ状態が発生しているが如く見える。したがって、PDRA3をPDRA1および/またはPDRA2と実質的同一の回転動作態様とする場合には、少なくとも演出手段による演出態様を異ならせることが好ましい。
またPDRA3の回転動作態様をPDRA1および/またはPDRA2と実質的同一(同一または酷似する)の回転動作態様とする場合、遊技機の構成により、主制御部400側において、PDRA3がPDRA1および/またはPDRA2と同一種のフリーズ状態種別として扱われる場合がある。しかしこの場合も、上述のように、演出制御部410側において、上記疑似ボーナス当確状態であるか否かを把握可能な構成とすることにより、フリーズ状態中の演出手段による演出態様を異ならせることができるので、遊技者側からみれば、異なるフリーズ状態が発生しているが如く見えることになる。
上記のような「当確モード」を設ける意義は次の通りである。PDモードは、最終ゲーム目に近づくにつれて、遊技者の緊張感が高まり緊張感が生まれ、当該最終ゲーム目が、遊技者が最も関心を寄せる、緊張感・期待感が最高潮に高まるゲーム数目である。このように、遊技者が特定のゲーム数目(PDモードの最終ゲーム目:10ゲーム目)に期待を寄せている最中、その途中で、突然、通常回胴演出とは異なる特殊回胴演出が発生されると、その演出的効果としてのインパクトが大きいものとなり、遊技者を吃驚させることができる。また、疑似ボーナス当確報知により、遊技者に対して高揚感を与えることができる。
上記短縮ゲーム数は、図43(B)に示すように、現在のPDモード継続ゲーム数の残りゲーム数に関連付けられたSRA種別と、当選役種別とに基づいて、当確モード1〜3に対応した短縮ゲーム数が決定されるようになっている。以下、各当確モード1〜3の特徴について説明する。
(当確モード1について)
ここで本実施形態では、たとえば、特定の当選役に起因した当確状態となった場合(たとえば、中段チェリーリプレイや、弱チャンスリプレイ2の当選に起因して疑似ボーナス当確状態となった場合)、その短縮ゲーム数として、現在の残余ゲーム数を強制的に0ゲーム、つまり、当該当選したゲームにおいて、PDRA3を発生させるようになっている(即報知)。これにより、PDRA1〜2が予定された最終ゲーム数を待たずに、突然、PDRA3が発生するので、遊技者に対してインパクトを与えうる演出とすることができる(図35(D)のPD当確モード終了時当確用回胴演出抽選テーブル1(当確モード1、2)、図43(B)の短縮用規定ゲーム数設定テーブルの当確モード1の欄参照)。
(当確モード2について)
また上述のように、疑似ボーナス当確となった当該ゲームでPDRA3を発生させるだけでなく、他の当確状態である場合(たとえば、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリーに起因した疑似ボーナス当確状態となった場合)、当該当選したゲーム数よりも1または複数ゲーム遅れてPDRA3を発生させることができる。なお本実施形態では、当選ゲームの次回のゲーム(1ゲーム遅れ)でPDRA3を発生(遅延報知)させるようになっている(図35(D)のPD当確モード終了時当確用回胴演出抽選テーブル1(当確モード1、2)、図43(B)の短縮用規定ゲーム数設定テーブルの当確モード2の欄参照)
このように、遅れてPDRA3を発生させる意義は次の通りである。たとえば、当選番号40の「弱スイカ」に当選した場合には条件装置番号25の「弱スイカ」に対応する図柄の組合せが許容され、当選番号41の「強スイカ」が当選した場合には条件装置番号25の「弱スイカ」、条件装置番号26の「強スイカ」、および条件装置番号32の強チャンス目Dに対応する図柄の組合せが許容される(図6B参照)。つまり、上記強スイカが当選した場合、停止操作タイミングによっては、条件装置番号25の弱スイカに対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止しうるため、目押しを慎重にしなければ、当選番号40の「弱スイカ」に当選したのか、当選番号41の「強スイカ」に当選したのかが不明確になるようになっている。
このため目押しに不慣れな遊技者にとっては、遊技結果として条件装置番号25の「弱スイカ」に対応する図柄の組合せが導出された場合において、回胴演出「SRA5」が発生した場合、それが当選番号40の「弱スイカ」の当選に起因するものなのか、当選番号41の「強スイカ」の当選に起因するものかが分からない、つまり、疑似ボーナス当確状態が判別できない、といった状況に陥る可能性がある。
たとえば、目押しに不慣れな遊技初心者のケースであれば、有効入賞ライン上に、条件装置番号25の「弱スイカ」に対応する図柄の組合せが導出され、かつ「SRA5」の発生した場合、遊技初心者にとっては、それが当選番号40の「弱スイカ」が当選したものなのか、当選番号41の「強スイカ」の当選したものなのかが把握できないため、次回のゲームにおける回胴回転始動レバー11の操作に緊張感(PDRA3が発生するか否かの期待感・緊張感)が走ることになる。
また目押し技術に長けた遊技上級者においては、たとえば、予告演出や回胴を停止操作していく上で、当選番号40の「弱スイカ」または当選番号41の「強スイカ」の当選を察知した場合、目押しを完璧とすることで、当選番号41の「弱スイカ」では導出されることのない、条件装置番号26の「強スイカ」または条件装置番号32の強チャンス目Dに対応する図柄の組合せを停止させ、当該ゲームで疑似ボーナス当確状態を察知しても良いし、意図的に条件装置番号25の「弱スイカ」に対応する図柄の組合せを停止させて、いずれのスイカが当選したのかを故意に分からないようにして、次回のゲームの回胴回転始動レバー11の操作にPDRA3の発生を委ねて緊張感を味わう、といった遊技上級者ならではの遊技上の面白みも増えることになる。
このように、一の当選役と他の当選役とで共通した条件装置番号(内部当選役)に対応する図柄の組合せの入賞を許容する場合、次回のゲームにPDRA3を先延ばしすることで、遊技者の目押し技術の巧拙により、遊技の楽しみ方を与えうる遊技性を作り出している。
なお、疑似ボーナス当確状態となった場合には規定ゲーム数を短縮するといった関係上、当確モード2のように、次回のゲームでPDRAを発生させる場合には、当該次回のゲームにて、偶々、内部抽選により即報知形態となる中段チェリーリプレイに当選してしまった場合には、いずれにしても当該ゲームでPDRA3が発生することになり、特に問題は生じない。
(当確モード3について)
なお、PDモードを規定ゲーム数目(10ゲーム)で終了させたい場合には、短縮ゲーム数を決定する際に、遅延報知があってもPDモード開始時の初期の10ゲーム数目を超えない範囲において、上記短縮ゲーム数を決定することが好ましい。これは、PDモード終了となる最終ゲーム目で、疑似ボーナス当確状態となった場合、その次ゲームでPDRA3を発生させるとすれば、PDモード終了が1ゲーム遅延されることになり、PDモードを規定ゲーム数で終了させる上では、好ましくない事象といえる。
そこで、このような遅延ゲームを発生させることを防止するために、本実施形態では、最終ゲーム目(10ゲーム目)において疑似ボーナス当確状態となった場合(当確モード3の場合)、その最終ゲーム目で、予定通りに回胴演出を発生させるようになっており(即報知形態)、この場合においては、PDRA1〜3のいずれかが選択されるようになっている。この点、上記当確モード2の場合とは異なる(図35(E)PD当確モード終了時当確用回胴演出抽選テーブル2(当確モード3)、図43(B)の短縮用規定ゲーム数設定テーブルの当確モード3の欄参照)。
上記のように、最終ゲーム目において回胴演出を発生させる場合、主制御部400側で疑似ボーナス当確状態を把握していることを利用し、疑似ボーナス当選期待感を煽るために、疑似ボーナス当確状態であるか否かに応じて、PDRA1およびPDRA2の選択率を異ならせることができる。
たとえば、疑似ボーナス当確状態であれば、図35(E)に示すようにPDRA1(当選期待度が低い回胴演出)の選択率よりもPDRA2(当選期待度が高い回胴演出)の選択率を相対的に高くすることができる。たとえば、PDRA1の選択率を‘60/256’(選択率約23.4%)、PDRA2の選択率を‘90/256’(選択率約35.2%)とすることができる。なお、このケースは当確時なので、当確報知用のPDRA3の振り分けがあり、その選択率は‘106/256’(選択率約41.4%)となっている。
また、疑似ボーナス非当確状態であれば、図35(F)に示すように、PDRA1(当選期待度が低い回胴演出)の選択率よりもPDRA2(当選期待度が高い回胴演出)の選択率を相対的に低くする。たとえば、PDRA1の選択率を‘154/256’(選択率約60%)、PDRA2の選択率を‘102/256’(選択率約40%)とすることができる。なお、このケースは当確時なので、当確報知用のPDRA3の振り分けは無い(‘0/256’(選択率0%))。
以上のPDRAに関する選択率については、疑似ボーナス当確状態であれば、少なくとも「PDRA1(当選期待度低)<PDRA2(当選期待度高)」の関係とすることが好ましく、また疑似ボーナス非当確状態であれば、少なくとも「PDRA1(当選期待度低)≧PDRA2(当選期待度高)」の関係とすることが好ましい。なお、最終ゲーム目で疑似ボーナス当確状態となった場合は、PDRA3を100%発生させる構成としても良い。
なお上記当確モード2では、1ゲーム遅延させてPDRA3を発生させる例を説明したがこれに限らず、複数ゲーム遅れてPDRA3を発生させることができる。ただしこの場合には、遅延報知があってもPDモード開始時の初期の10ゲーム数目を超えない範囲において、上記短縮ゲーム数を決定することが好ましい。
また以上では、当確モード1〜3であると判断された場合、短縮機能を作用させるとして説明したが本発明はこれに限らず、ゲーム数を短縮するか否かを抽選(予定ゲーム数短縮抽選)により決定する構成とすることができる。この場合、当確モード1や当確モード3である場合に短縮機能を作用させ即報知し、当確モード2である場合には短縮させるか否かを抽選により決定することが好ましい。その理由は次の通りである。
当確モード1はプレミアム的な中段チェリーリプレイに当選した場合、当確モード3は、残りゲーム数の関係で遅延ゲームを発生させることを防止するために即報知とすることが、ゲームを進行する上で好ましいといえる。
一方、当確モード2である場合は、既に説明したように、次回のゲームにPDRA3を先延ばしすることで、遊技者の目押し技術の巧拙により、遊技の楽しみ方を与えうる遊技性を作り出すことができるようになっているが、目押しの不慣れな遊技者や遊技初心者である場合には、本来の特殊回胴演出の発生が予定されるPDモード終了ゲーム数目に関心を寄せて遊技に興じていることが多く、また遊技上級者にあっては、当選役とSRA種別とに基づき当確状態を知得するよりも次回以降のゲームでのPDRA3の発生による緊張感を味わいたい、あるいは、当確状態を判別するよりも本来、特殊回胴演出の発生が予定されるPDモード終了ゲーム数目に緊張感を味わいたいといった遊技上級者ならではの遊技上の楽しみ方もある。
斯様な点から、当確モード2である場合にはゲーム数を短縮させるか否かを抽選により決定し、仮に当該抽選にハズレとなった場合でも、本来、特殊回胴演出の発生が予定されるPDモード終了ゲーム数目には、フリーズ状態が発生してPDRAによる疑似ボーナスの当否状態が告知されるので、短縮機能を作用させるか否かを抽選(予定ゲーム数短縮抽選)により決定しても特に問題はなく、当該抽選が存在しない形態よりも遊技者の要求をより満足させうるゲーム性を作り出すことができる。
(PDモードの終了後について)
上記PDモードの終了後は、主制御部側遊技状態については「LRAモード1」に移行され、また、演出制御部側遊技状態については、PDモード中疑似ボーナス抽選(図38)による抽選結果に応じて、AT1遊技または非AT遊技に移行される。したがって、PDモード中疑似ボーナス抽選(図38)が当選(疑似ボーナス当確状態)である場合、演出制御部側遊技状態が‘AT1遊技’に移行され、これにより遊技機全体としては「LRAモード1+AT1遊技」、つまり「疑似ボーナス」が発生する。しかし、非当選(ハズレ)の場合、非AT遊技となり、これにより、遊技機全体としては「LRAモード1+非AT遊技」、つまり「通常モード」となる。
本実施形態では、フリーズ状態の発生を複数ゲーム先に予定することで、その予定されたゲームにおける内部抽選結果に依存することなく、フリーズ状態を当該ゲームで発生させることができる。
また本実施形態では、初期に設定されたフリーズ状態の発生予定ゲーム数(PDモード開始時に設定されるゲーム数(10ゲーム))を、遊技進行状態に応じて変更可能となっている(たとえば、今回のゲームまたは少なくとも1ゲーム後に変更することができる)。このように、フリーズ状態が発生するゲーム数をコントロールできるので、ゲーム性のバリエーションが広がり、遊技の面白みをより一層向上させることができる。
また本実施形態では、複数ゲーム目後にフリーズ状態が発生(実行)すること自体は予め決定されているが(役に関する抽選の結果(少なくとも内部抽選の結果)とは無関係に決定されている)、フリーズ状態の種類、つまりフリーズ中演出の種類(PDRA1〜3)については、最終ゲーム目またはそれ以前の内部抽選の結果に関連して(内部抽選の結果に基づく疑似ボーナス抽選に関連して)決定されるようになっている。つまり、PDモード開始1ゲーム目〜最終ゲーム目までの複数ゲーム(10ゲーム間)に亘って、その予定されているフリーズ状態種別の決定、換言すれば、PDRA1〜3(フリーズ中演出種別)のいずれの回胴演出が発生するかという抽選が実行されている(本実施形態では、PDモード1ゲーム目〜最終ゲーム目(10ゲーム目)までに実行される疑似ボーナス抽選の抽選結果に応じて決定される)、といった特異な遊技モードとなっている。
このように、フリーズ中演出種別自体が、フリーズ状態の発生予定ゲームまでに決定されることで、遊技者は、その予定ゲーム数に向けて、当選期待度の高いフリーズ状態種別(たとえば、PDRA3)を発生させられるかに期待を寄せながら遊技に興じるようになり、複数ゲームに亘って疑似ボーナス当選期待感を維持させることができる。これにより、遊技者をより一層楽しませることができるようになっている。
以上に説明したように、本実施形態では、フリーズ状態が確実に発生するゲーム数を予定することができるので、その予定のゲームの内部抽選結果とは無関係に、フリーズ状態を発生させることができる。従来の遊技機(たとえば、特開2009−285173号公報記載の回胴式遊技機)では、フリーズ状態の発生が専ら内部抽選結果に依存するため、フリーズ状態の発生がまさに偶然の産物となっていた。その結果、遊技機側がフリーズ状態を発生させたいタイミングで確実に発生させることができず、たとえば、疑似ボーナスの当選を報知したいタイミングでフリーズ状態を利用したインパクトのある演出を発生させることができない、といった問題があった。
これに対し本実施形態では、上記したPDモードのように、複数ゲーム先にフリーズ状態の発生を予定し、発生予定のゲームにおいては、内部抽選結果を契機としないフリーズ状態を発生させることができるようになっている。そして、そのフリーズ状態中においてはフリーズ中演出により、たとえば、PDRAにより疑似ボーナスの当否状態が告知されるようになっている。これにより、上記従来の問題を解決することができる。また本実施形態では、異なる回胴演出態様の「PDRA1〜3」のいずれかを発生可能に構成され、これにより、疑似ボーナス当確状態の期待度が示唆されるようになっているので、遊技者の当選期待感を煽ることができ、フリーズ中演出をより一層楽しませることができる。
<遊技動作制御処理>
次に、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技動作制御に関する処理内容について詳細に説明する。
<主制御部側の処理:図11〜図21>
図11〜図21を参照して、遊技動作を統括的に司る主制御部400側の処理内容について説明する。
(1.主制御側メイン処理:図11)
図11は、遊技動作制御プログラムに従い主制御部(主制御基板)400側のメイン処理(主制御側メイン処理)を示すフローチャートである。本処理はメインCPU401cにより実行されるものであるが、説明の便宜上、処理を実行する主体を主制御部400と称して説明する。
遊技機に電源が投入されると、不図示の電源基板から電源が投入された旨の電源投入信号が送られる。この電源投入信号を受けて主制御部400は、図11に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理では、電源投入時の初めての処理としてステップS11の初期設定処理が実行され、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS12〜S27の処理が実行される。
図7おいて、主制御部400は、電源投入が行われてから初めての処理として、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS11)。この初期設定処理では、たとえば、最初に自らを割込み禁止状態に設定すると共に、所定の割込みモードに設定し、またマイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値を初期設定したり、遊技機に何らかの異常動作(たとえば、乱数回路が正常か否か、前扉が開放しているか否かなど)を確認したりする。異常が確認された場合には所定のエラー処理を実行する。また図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号であるRAMクリア信号の状態(ON、OFF)を判定する。ここでRAMクリア信号とは、RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、通常、パチンコ店の店員が操作する初期化スイッチのON/OFF状態に対応した値を有している。ここでは、RAMクリア信号がON状態であったと仮定すると、メインRAMの全領域がゼロクリアされる。したがって、電源遮断時にセットされたバックアップフラグの値は、他のチェックサム値などと共にゼロとなる。RAMクリアされた場合は、遊技状態は初期状態から開始され、本実施形態では、RT遊技はRT0遊技、モードはLRAモード1から開始される。この初期設定処理は、所定の移行条件に基づき、初期の低確遊技モードに移行制御する初期遊技モード移行手段として働く。
上記の初期設定処理が正常に終了した後、次に、RAM初期化処理(ステップS12)を行う。このRAM初期化処理では、前回のゲーム終了時において使用した所定のデータをクリアし、今回のゲームに必要なワークエリアを確保する。
次に、遊技状態フラグ生成処理を行う(ステップS13)。この遊技状態フラグ生成処理では、メインRAM401bのモードデータに基づき、今回のゲームの遊技モード(主制御部側遊技状態)を確認し、これに対応する遊技状態フラグ(RT遊技種別、モード種別、ボーナス遊技中)を設定する。上記遊技状態フラグにより、今回のゲームの遊技状態が指定される。
次に、遊技メダル投入処理を行う(ステップS14)。この遊技メダル投入処理では、主に、遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、クレジットの管理、再遊技の要求があった場合の遊技メダルの自動投入処理などを行うと共に、遊技開始可能となる規定枚数の遊技メダルが投入されたか否かを監視する。上記規定枚数の遊技メダルの投入が確認された場合には遊技開始条件を成立させ、この条件成立状態を保持したまま、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号が送られてくるのを待つ。
回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号を受けると、主制御部400は、カウンタ回路403のカウンタ値に基づき、内部抽選用乱数値(数値範囲:0〜65535)を取得する(ステップS15)。
次いで、取得した内部抽選用乱数値に基づく内部抽選処理を行う(ステップS16)。この内部抽選処理では、取得した内部抽選用乱数値と、現在の遊技モードに対応した抽選テーブル(図6A〜図6B)とに基づく内部抽選を行い、その内部抽選結果に対応した当選役情報(当選フラグ)を設定する。ここでは、演出制御コマンドとして「遊技開始情報コマンド」をセットする。この遊技開始情報コマンドには、少なくとも当選役情報(当選フラグ情報)が含まれ、本実施形態では、遊技状態情報および当選役情報が含まれる。遊技開始情報コマンドに含まれる情報は、演出制御部410側において、今回のゲーム中に現出する演出の決定や、疑似ボーナスに関する抽選に利用される。なお、演出制御コマンドは、後述の図22の主制御部側タイマ割込処理中のコマンド出力処理において、主制御部400から演出制御部410へと送信されるようになっている。
次いで、回胴演出抽選処理を行う(ステップS17)。この回胴演出抽選処理では、回胴演出(通常回胴演出(SRA)、特殊回胴演出(LRA、PDRL)に関する抽選処理や、その動作設定処理を行う。なお、回胴演出抽選処理の詳細については図12にて後述する。
次いで、回胴回転始動時の設定処理(回胴回転開始設定処理)を行う(ステップS18)。この回胴回転開始設定処理では、各回胴5a、5b、5cの回転を開始する際に必要なデータ、たとえば、回胴演出に係る回胴回転動作や通常の回転動作を実現するために必要なデータ(回胴の回転動作用の制御データ(回胴駆動モータ211a、211b、211c用の制御データ))を設定したり、遊技開始ウェイトタイマ(4.1秒)をセットしたり、演出制御コマンドとして、回胴始動を示す「回転開始コマンド」をセットしたりする。そして、回胴の回転始動(通常の回転動作)を行い、これにより各回胴5a、5b、5cが回転状態に入る。なお、回胴回転開始設定処理の詳細については図18にて後述する。
その後、回胴が回転始動されて全回胴が概ね一定速度になると、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの停止操作を有効とする、停止操作許容状態となる。この停止操作許容状態において、回胴回転停止ボタン12a、12b、または12cが操作された場合、停止操作対象となった回胴を停止制御するための回胴停止処理を行う(ステップS19)。この回胴停止処理では、回胴の停止制御に係る処理の他、回胴の押し順を監視して、遊技モード間の移行(LRAモード1〜3、10、20、30、11、21、31、PD準備モード、PDモード、PD当確モードの移行)を管理する。なお、回胴停止処理の詳細については図19にて後述する。
全回胴の停止が確認されると、続いて、入賞判定処理を行う(ステップS20)。この入賞判定処理では、入賞ラインデータ(図柄停止情報)に基づいて、当選役に対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止したかどうか、つまり入賞が発生したか否かを確認し、入賞が確認された場合には停止した図柄の組合せに基づき、払い出すべき遊技メダル枚数の設定処理を行う。
またここでは、全回胴の停止時に係る演出制御コマンドとして、「入賞情報コマンド(全回胴停止コマンド)」をセットする。この入賞情報コマンドには、全回胴停止時の停止図柄情報や、入賞ライン情報など、今回の遊技結果を特定しうる各種の遊技情報が含まれる。上記「入賞情報コマンド」が主制御部400側から送信されると、演出制御部410側では、全回胴停止時(遊技結果導出時)に係る演出(たとえば、入賞演出)の現出や、遊技結果に基づく演出状態の移行制御など、全回胴の停止時に要する演出制御処理を行う。
次に、メダル払出枚数監視処理を行う(ステップS21)。このメダル払出枚数監視処理では、ステップS19の入賞判定処理で設定された払い出し情報に基づき、ホッパーユニット500を駆動制御して目的枚数の遊技メダルの払い出し処理やクレジットの加算処理を行う。またここでは、払い出しに関する演出制御コマンドとして、「払出コマンド」をセットする。この「払出コマンド」は、遊技メダルが払い出された旨を指定するものであり、払い出しが1枚あるごとに演出制御部410側に送信されるようになっている。上記払出コマンドは、演出制御部410側において、払い出し時の払出演出(たとえば、メダル払い出し音)を現出する際に利用される。
次に、再遊技RT設定処理を行う(ステップS22)。この再遊技RT設定処理では、リプレイが有効入賞ライン上に停止した場合に、再遊技の作動に必要な設定処理を行う。本処理により再遊技作動が指定された場合、次回ゲーム開始時における遊技メダル投入処理(ステップS14)おいて、今回要した遊技メダルと同じ枚数分の遊技メダルが自動投入され、次回ゲームを遊技メダルの投入なしに開始可能とされる。
また、上記再遊技RT設定処理では、RT遊技(本実施形態では、RT0遊技(非BB内部当選遊技)またはRT1遊技(BB内部当選遊技)の移行制御に要する処理を行う。具体的には、RT移行条件の下(本実施形態では、CBB当選によりRT0遊技からRT1遊技に移行し、CBBによるボーナス遊技終了後の所定ゲーム数(たとえば、2ゲーム)消化により、RT0遊技に移行)、一のRT遊技から他のRT遊技への移行制御処理を行う。
次いで、ボーナス遊技中か否かを判定する(ステップS23)。ボーナス遊技中である場合(ステップS23:YES)、ボーナス遊技作動中処理を行う(ステップS25)。このボーナス遊技作動中処理では、ボーナス遊技の継続およびその終了に要求される処理を行う。そして、ボーナス遊技作動中処理を終えると、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。
一方、ボーナス遊技中でない場合(ステップS23:NO)、次に、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止したか否かを判定する(ステップS25)。ボーナス役が停止していない場合(ステップS23:NO)、ステップS12のRAM初期化処理に移行し、ステップS13以降の処理を順次行う。
一方、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止した場合(ステップS24:YES)、ボーナス遊技作動開始処理を行う(ステップS25)。このボーナス遊技作動開始処理では、たとえば、ボーナス遊技中の獲得枚数を管理するためのボーナス獲得枚数カウンタをクリアしたり、ボーナス当選フラグをクリアしたりし、次回のゲームからボーナス遊技に移行させるために必要なボーナス開始前の設定処理を行う。ボーナス遊技作動開始処理を終えると、ステップS12のRAM初期化処理に移行し、ステップS13以降の処理を順次行う。
(1−2.回胴演出管理処理(ステップS17):図12)
図12を参照して、図11のステップS17の回胴演出抽選処理の詳細について説明する。
図12において、主制御部400は、まず当選役情報を取得し(ステップS101)、続いてモードデータを取得する(ステップS102)。このモードデータは、現在のモード(LRAモード1〜3、PD準備モード、PDモード、PD当確モードなど)を特定可能なデータであり、処理状態に応じて、メインRAMの所定領域に格納され利用される。
次いで、LRAモード回胴演出設定処理を行う(ステップS103)。このLRAモード回胴演出設定処理では、LRAモード種別(PDモードを除く)に応じた回胴演出に必要な設定処理を行う。なお、LRAモード回胴演出設定処理の詳細は、図13にて後述する。
次いで、PDモード回胴演出設定処理を行う(ステップS104)。このPDモード回胴演出設定処理では、PDモード中の回胴演出に必要な設定処理を行う。なお、PDモード回胴演出設定処理の詳細は、図14にて後述する。
次いで、PD当確モード回胴演出設定処理を行う(ステップS105)。このPD当確モード回胴演出設定処理では、PD当確モード中の回胴演出に必要な設定処理を行う。なお、PD当確モード回胴演出設定処理の詳細は、図16にて後述する。
次いで、上記ステップS103〜S105の回胴演出設定処理において設定される「回胴演出フラグ種別」を判定する(ステップS106)。ここでは、回胴演出フラグが、変則回転を伴う回胴演出種別(SRA1〜6やLRA1〜6やPDRA1〜3)に対応する回胴演出フラグであるか、変則回転動作を伴わない不回転回胴演出種別(不図示)に対応する回胴演出フラグであるかを判定する。
変則回転を伴う回胴演出種別である場合(ステップS106:=変則回転種別)、回胴演出抽選処理を抜けて、図11の回胴回転開始設定処理(ステップS18)に進む。なお、変則回転動作を伴う回胴演出種別については、後述の回胴回転開始設定処理(ステップS18)中で、必要な設定処理が行われるようになっている(後述の図18参照)。
一方、変則回転を伴う回胴演出種別でない場合、つまり、つまり不回転演出フラグ種別である場合(ステップS106:≠変則回転種別)、演出制御コマンドとして、その不回転演出フラグに対応した「フリーズコマンド」をセットする(ステップS107)。このフリーズコマンドには、回胴演出種別を特定可能な「回胴演出フラグ情報」が含まれる。上記「フリーズコマンド」が主制御部400側から演出制御部410側へと送信されると、演出制御部410側では、このフリーズコマンドに含まれる情報に基づき、回胴演出の発生(開始)およびその種別を把握し、回胴演出種別に応じて、その回胴演出中に関する演出(演出手段による演出)を現出させるために必要な演出制御処理を行う。
次いで、不回転回胴演出フラグ種別に対応したフリーズタイマをセットする(ステップS108)。ここでは、回胴演出フラグ種別とフリーズ時間とが関連付けて定められた「フリーズ時間設定テーブル(図示せず)」を参照し、今回の回胴演出フラグに対応したフリーズ時間(たとえば、20秒)をフリーズタイマに設定する。この「フリーズタイマ」は、遊技機1の遊技動作制御に係るタイマ管理領域(メインRAM203)の一つであり、後述の図17の回胴演出中演出管理処理中で監視される。
そして、回胴演出中演出管理処理を行う(ステップS109)。この回胴演出中演出管理処理では、フリーズタイマを監視して、フリーズ状態を終了させるか否かを監視したり、回胴演出中に現出される演出に関連した処理を行ったりする。なお、回胴演出中演出管理処理の詳細は、図17にて後述する。
以上により回胴演出管理処理を抜けて、図11の回胴回転開始設定処理(ステップS18)に進む。
(1−3.LRAモード回胴演出設定処理:図13)
次に図13を参照して、図12のLRAモード回胴演出設定処理(ステップS103)ついて説明する。図13は、図12のLRAモード回胴演出設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図13において、主制御部400は、まず現在のモードを判定して、LRAモード1、LRAモード11、LRAモード21、LRAモード31のいずれかにより処理を分岐させる(ステップS111〜S114)。
現在のモードがLRAモード11の場合には(ステップS111:YES)、図34(A)に示す「LRAモード11特殊回胴抽選テーブル」に基づいてLRA種別を決定し(100%でLRA1(青7揃い報知用回胴演出)を抽選:ステップS115)、現在のモードがLRAモード21の場合には(ステップS112:YES)、同図(B)に示す「LRAモード12特殊回胴抽選テーブル」に基づいてLRA種別を決定し(LRA2またはLRA3を抽選:ステップS116)、現在のモードがLRAモード31の場合には(ステップS113:YES)、同図(C)に示す「LRAモード31特殊回胴抽選テーブルに基づいて」LRA種別を決定する(LRA4〜6のいずれかを抽選::ステップS117)。
また現在のモードがLRAモード1の場合には(ステップS114:YES)、図28の「通常回胴演出抽選テーブル選択テーブル」および「通常回胴演出抽選テーブル」に基づいてSRA種別を決定する(SRA無し、SRA1〜3のいずれかを抽選:ステップS118)。
上記ステップS115〜S118のいずれかの回胴演出抽選処理を終えると、その抽選結果に対応した「回胴演出フラグ」をセットする。なお、SRA無しの場合は、これを指定する回胴演出フラグ(たとえば、ハズレ指定の「00H」)をセットする。これにより、回胴演出種別が指定されたことになる。
上記ステップS115〜S118の処理により回胴演出種別(主制御部側フリーズ中演出種別)が決定されると、演出制御410部側においては、これに対応する演出(演出制御部側フリーズ中演出)が現出制御されるようになっている。これにより、現在のLRAモードに対応して、実行すべきフリーズ中演出種別が決定されたことになる。換言すれば、現在のLRAモードに対応して、主制御部400側で実行すべきフリーズ状態種別が決定され、主制御部400側と演出制御部410側とで、その決定されたフリーズ状態種別に対応したフリーズ中演出(回胴演出および演出手段による演出)が実行制御される。
以上により、LRAモード回胴演出設定処理を抜けて、図12のPDモード回胴演出設定処理(ステップS104)に進む。
なお本実施形態では、昇格準備モードから特殊回胴演出モード(LRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31)に至るまでの各LRAモード、つまりLRAモード2、LRAモード3、LRAモード10、LRAモード20、またはLRAモード30は、主に、疑似ボーナス当選時のLRAモードの昇格移行に係るモードであるため、回胴演出を発生させる必要性に乏しく、これらのモードでの回胴演出抽選処理は除外している。したがって、これらの遊技モード下では、フリーズ状態は発生しない。また、特殊回胴演出モードのLRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31は、特回胴演出発生ゲームであるので、これらのモードでも回胴演出抽選処理は除外している。
なお、上述した各LRAモード中に特定の当選役(レアな当選役)が決定された場合には、所定の特典を遊技者に付与することができる。たとえば、強スイカや強チェリーや中段チェリーリプレイなどの特定の当選役に当選した場合、移行予定の疑似ボーナスを、より上位のモードに移行させたり、疑似ボーナス1〜3に規定される「ベルナビ回数」を所定回数(たとえば、10回)上乗せしたり、後述のSTモード移行を確定としたりすることができる。また、上乗せ回数については、当選役種別に応じて、複数種類の上乗せ回数(たとえば、5回、10回、15回)のうちから抽選によりいずれかの上乗せ回数を決定しても良いし、抽選によらず、当選役種別に対応した上乗せ回数(たとえば、強スイカは5回、強チェリーは10回、中段チェリーリプレイ15回)を決定しても良い。
また本実施形態では、上述した各LRAモード中においても、図28の通常回胴演出抽選テーブル選択テーブルおよび通常回胴演出抽選テーブルに基づいて、SRA抽選を実行しても良い。この場合、少なくとも当選したSRA種別に応じて、上述のような所定の特典を付与することができる。また、各LRAモードに対応した固有の回胴演出抽選テーブルに基づいて、SRA抽選を実行しても良く、その抽選確率は当選役種別に応じて適宜設定することができる。たとえば、上記通常回胴演出抽選テーブルよりもSRA1〜3の発生率を相対的に高確率として、上記特典の付与の付与率を高めることができる。これにより、LRAモードが昇格移行していく段階であっても、遊技者に有利な利益状態が付与される可能性がある。その結果、LRAモード昇格移行期間のゲームが、最終的なLRAモード(LRAモード11、21、31)への移行を待ちながら遊技を消化していく、といった単なる消化ゲームの様相を呈することなく、遊技者に対して特典付与の期待感を与えることができので、遊技の面白みを向上させることができる。
なお、上述した特典が付与を対象とするLRAモードは、その全部を対象としても良いし、少なくとも1つのLRAモード中(たとえば、LRAモード2〜3)を対象としても良い。
(1−4.PDモード回胴演出設定処理:図14)
次に図14を参照して、図12のPDモード回胴演出設定処理(ステップS104)ついて説明する。図14は、図12のPDモード回胴演出設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図14において、主制御部400は、まず現在のモードが、PDモードである否かを判定する(ステップS151)。PDモードでない場合(ステップS151:NO)、何もせずに、そのままPDモード回胴演出設定処理を抜けて、図12のPD当確モード回胴演出設定処理(ステップS105)に進む。
一方、PDモードである場合(ステップS151:YES)、PDモード残余ゲーム数から今回のゲーム分の「1」を減算する(ステップS152)。PDモード残余ゲーム数は、後述の図20のステップS408の処理において、PDモード移行時の初期のPDモード残余ゲームとして、たとえば、10ゲームが設定されている。
次いで、演出制御コマンドとして、現在のPDモード残余ゲーム数を指定する「PDモード残余ゲーム数コマンド」をセットする(ステップS153)。PDモード残余ゲーム数コマンドにより演出制御部410側は、現在のPDモード残余ゲーム数を把握することができる。このPDモード残余ゲーム数コマンドは、演出制御部410側において、PDゲームの残余ゲーム数を液晶表示装置6に表示したり、PDゲームの残余ゲーム数に基づいた演出を現出したりするために利用される。
次いで、PDモード中回胴演出抽選処理を行う(ステップS154)。このPDモード中回胴演出抽選処理では、PD当確モード(当確モード1〜3)への移行設定処理を行う。なお、PDモード中回胴演出抽選処理の詳細は図15にて後述する。
次いで、PD当確モードであるか否かを判定する(ステップS155)。PD当確モードでない場合(ステップS155:NO)、PDモード回胴演出設定処理を抜けて、図12のPD当確モード回胴演出設定処理(ステップS105)に進む。
PD当確モードである場合(ステップS155:YES)、次いで、PDモード残余ゲーム数がゼロであるか否かを判定する(ステップS156)。PDモード残余ゲーム数がゼロでない場合(ステップS156:NO)、PDモード回胴演出設定処理を抜けて、図12のPD当確モード回胴演出設定処理(ステップS105)に進む。
PDモード残余ゲーム数がゼロである場合(ステップS156:YES)、つまり今回のゲームでPDモードが終了する場合には、PDモード終了時演出抽選処理を行う(ステップS157)。このPDモード終了時演出抽選処理では、図35(F)に示す「PDモード終了時非当選用回胴演出抽選テーブル」に基づいてPDRA種別(ここでは、PDRA1またはPDRA2)を抽選し、抽選により決定した回胴演出種別に対応する回胴演出フラグをセットする。これにより、PDモード回胴演出設定処理を抜けて、図12のPD当確モード回胴演出設定処理(ステップS105)に進む。なお、このPDモード終了時演出抽選処理を行う場合は、PDモード中に、図38の疑似ボーナス抽選に当選しなかった場合となる。
(1−4−1.PDモード中回胴演出抽選処理:図15)
次に図15を参照して、図14のPDモード中回胴演出抽選処理(ステップS154)ついて説明する。図15は、図14のPDモード中回胴演出抽選処理の詳細を示すフローチャートである。
図15において、主制御部400は、図28の「通常回胴演出抽選テーブル選択テーブル(PDモードの欄)および通常回胴演出抽選テーブル」に基づいて、PDモード中のSRA種別を決定する(ステップS171)。
次いで、図43に示す「当確モード移行テーブル」を参照し、ステップS171の抽選結果(SRA種別)と当選役種別とに基づいて、疑似ボーナス当確状態(当確モード)を判定する(ステップS172)。
当確モードに該当しない場合(ステップS172:NO)、ステップS171の抽選により決定した回胴演出種別に対応する回胴演出フラグをセットし(ステップS177)、これによりPDモード中回胴演出抽選処理を抜けて、図12のPD当確モード回胴演出設定処理(ステップS105)に進む。
一方、当確モード1〜3のいずれかに該当する場合(ステップS172:YES)、当確モード種別に応じた短縮用規定ゲーム数を決定し(ステップS173)、当該ゲーム数をPDモード残余ゲーム数にセットする(ステップS174)。ここでは、図43(B)の短縮用規定ゲーム数設定テーブルを参照して、当確モードに応じたゲーム数をセットする。この短縮用規定ゲーム数により、フリーズ状態の発生予定ゲーム数が変更される。
上記短縮用規定ゲーム数は、次のように決定される。まず主制御部400は、現在のPDモード残余ゲーム数と当確モード移行テーブルとを参照して、当確モード1〜3のいずれかを判定し、PDモード残余ゲーム数が「0」である場合は、今回のゲームがPDモード最終ゲーム目であるので、当選役種別とSRA種別とに基づいて「当確モード1」または「当確モード3」が選択され、これに対応する短縮用規定ゲーム数「1」がセットされるようになっている。また、PDモード残余ゲーム数が「0」以外、つまり次回ゲームもPDモードが継続する場合は「当確モード2」が選択され、これに対応する短縮用規定ゲーム数「2」がセットされる。なお、中段チェリーリプレイと弱チャンスリプレイ2は、プレミアム的な位置付けの役であるものとして、これに当選した場合は、必ず「当確モード1」が選択されるようになっている。
上記短縮用規定ゲーム数に「1」がセットされた場合には、後続処理のPD当確モード回胴演出設定処理(ステップS105)中において、現在のPDモード残余ゲーム数がゼロであると判定されて(後述のS192の減算処理による)、今回のゲームで回胴演出(フリーズ状態)が発生するようになっている。また、短縮用規定ゲーム数に「2」がセットされた場合には、次回のゲームで現在のPDモード残余ゲーム数がゼロであると判定され、次回のゲームで回胴演出(フリーズ状態)が発生するようになっている(後述の図16のステップS192〜S196参照)。なお、いずれの回胴演出が発生するかは、後述の図16のPD当確モード回胴演出設定処理中のS195の処理で決定される。
このように、主制御部400側でフリーズ状態の発生ゲーム数をコントロールすることができるようになっている。詳述すれば、初期に設定されたフリーズ状態の発生予定ゲーム数(PDモード開始時の初期の規定ゲーム数「10ゲーム」)を、遊技の進行状態に応じて変更する(たとえば、フリーズ状態の発生予定ゲーム数を、今回のゲームまたは次回のゲームに変更可能)ことができるようになっている。
次いで、のモードデータに、今回決定された当確モード種別をセットし(ステップS175)、演出制御コマンドとして、「PDモード当確コマンド」をセットして(ステップS176)、PDモード中回胴演出抽選処理抜ける。上記PDモード当確コマンドには、当確モード種別(当確モード1〜3)を特定可能な当確モード情報が含まれる。このPDモード当確コマンドにより演出制御部410側は、PDモードから当確モードが指定された旨を知ることができ、たとえば、当確モードに変更された場合、PDモード中とは異なる演出(たとえば、当確モードの移行期待感を煽るような当確モード期待演出)を現出させることができる。
(1−5.PD当確モード回胴演出設定処理:図16)
次に図16を参照して、図12のPD当確モード回胴演出設定処理(ステップS105)ついて説明する。図16は、図12のPD当確モード回胴演出設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図16において、主制御部400は、まず現在のモードが、PD当確モードである否かを判定する(ステップS191)。PD当確モードでない場合(ステップS191:NO)、何もせずにそのままPDモード回胴演出設定処理を抜けて、図12のステップS106の処理に進む。
一方、PD当確モードである場合(ステップS191:YES)、PDモード残余ゲーム数から今回のゲーム分の「1」を減算する(ステップS192)。ここ減算されるPDモード残余ゲーム数の実体は、図15のPDモード中回胴演出抽選処理中のステップS175で設定される短縮用規定ゲーム数(ステップS174)である。
次いで、上記「PDモード残余ゲーム数コマンド」をセットし(ステップS193)、PDモード残余ゲーム数がゼロであるか否かを判定する(ステップS194)。PDモード残余ゲーム数がゼロでない場合(ステップS194:NO)、PD当確モード中回胴演出抽選処理を行う(ステップS196)。このPD当確モード中回胴演出抽選処理では、PDモード中の回胴演出抽選と同じく(図15のステップS171の抽選)、図28の「通常回胴演出抽選テーブル選択テーブル(PDモードの欄)および通常回胴演出抽選テーブル」に基づいてSRA種別を抽選する。なお本実施形態では、ステップS196のPD当確モード中回胴演出抽選処理が実行される場合は、次回のゲームにおいて「PDRA3」を発生させる場合だけであるので、ここでは、図15のステップS171のPDモード中の回胴演出抽選処理で抽選されたSRA種別に対応した回胴演出フラグをセットすれば良い。
一方、PDモード残余ゲーム数がゼロである場合(ステップS194:YES)、PD当確モード終了時演出抽選処理を行う(ステップS195)。
このPD当確モード終了時演出抽選処理では、当確モード種別に応じた回胴演出フラグがセットされる。具体的には、当確モード1または当確モード2の場合は、図35(D)のPD当確モード終了時当確用回胴演出抽選テーブル2(当確モード1、2)に基づいて、また、当確モード3の場合は同図(E)のPD当確モード終了時当確用回胴演出抽選テーブル2(当確モード3)に基づいて、PDRA種別を抽選し、抽選により決定した回胴演出種別に対応する回胴演出フラグをセットする。これにより、PDモード回胴演出設定処理を抜けて、図12のPD当確モード回胴演出設定処理(ステップS105)に進む。
なお、PD当確モード終了時演出抽選処理を終えると、今回のゲームで、PDモード(PD当確モード)が終了することになる(後述の図20のモード移行終了管理処理(ステップS410)、その詳細を示す図21参照)。PDモードが終了した場合、次回のゲームから疑似ボーナスに突入する。
(1−A.回胴演出中演出管理処理:図17)
次に図17を参照して、図12の回胴演出中演出管理処理(ステップS109)ついて説明する。図17は、図12の回胴演出中演出管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図17において、主制御部400は、まず回胴演出中に、つまりフリーズ状態中において、遊技者が操作可能な操作手段(たとえば、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12、またはMAXベットボタン8など)の操作があったか否かを監視する(ステップS501)。なお、ステップS501による操作手段の監視処理では、フリーズ状態中における所定の操作有効受付期間中を、その監視対象時間とすることができる。
上記操作手段の操作があれば(ステップS501:YES)、演出制御コマンドとして、操作手段に対応した「回胴演出中操作コマンド」をセットし(ステップS502)、操作手段による操作がなければ(ステップS501:NO)、フリーズタイマがゼロになったか否かを判定する(ステップS503)。このステップS503の判定処理により、フリーズタイマが監視される。具体的には、フリーズタイマに30000msがセットされている場合は、1.5msごとに実行される後述のタイマ割込処理が2万回(1.5×20000=30000ms)実行されることにより、当該フリーズタイマにセットされたタイマ値が経過したか否かを監視する。これによりフリーズタイマが経過するまでは、通常の回転動作には入らないようになっている。
なお、上記「回胴演出中操作コマンド」は、フリーズ状態中における遊技者参加型演出(遊技者参加型のフリーズ中演出)に利用することができる。この「回胴演出中操作コマンド」には、操作された操作手段を特定可能な「操作手段情報」が含まれる。この操作手段情報は、具体的には、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12(12a〜12c)、1ベットボタン9、MAXベットボタン8、または演出用ボタン(不図示)などの操作手段が操作された場合、その操作対象となった操作手段を特定可能な情報を指す。たとえば、回胴回転停止ボタン12が操作された場合であれば、回胴回転停止ボタン12a〜12cのいずれのボタンが操作されたのかを特定可能な情報を含む回胴演出中操作コマンドが演出制御部410側に送信され利用される。
遊技者参加型のフリーズ中演出では、たとえば、フリーズ状態中に設けられた所定の操作受付期間中、操作手段が操作されたか否かに応じて、フリーズ中演出(回胴演出および/または演出手段による演出)が変化させることができるようになっている。なお、フリーズ中演出種別に応じて、操作対象となる操作手段が同一または異なる場合がある。
たとえば、フリーズ中演出中において、MAXベットボタン8の操作を促す操作演出(たとえば、「MAXベットボタン8を押せ!」の画像表示演出)が現出され、所定の操作受付期間中において、遊技者によりMAXベットボタン8が操作された場合、主制御部400側からは、MAXベットボタン8が操作された旨を示す「回胴演出中操作コマンド」が送信され、これを受けた演出制御部410側は、その回胴演出中操作コマンドに基づいて、現在の現出中の演出態様に替え、あるいは重複的に他の演出態様を現出させる。この演出態様の変化としては、たとえば、現出中の演出表示(たとえば、キャラクタ表示や背景表示)を変化させたり、専用の効果音や光演出を発生させたりすることなどが挙げられる。このように、操作手段の操作前後で演出に変化をもたらすことで、疑似ボーナス当選の当選可能性を示唆したり、当選役種別を示唆したりして、遊技者の期待感・緊張感を煽ることができるようになっている。
また、図52において説明したように、遊技者参加型のフリーズ中演出の一環として、回胴演出を利用したフリーズ中演出を実行可能に構成することができる。
図52のLRA4を例とり説明すれば、フリーズ状態中の所定の操作受付期間中としては、第1のフリーズ中回転状態期間と、第2のフリーズ中回転状態期間とを操作受付有効期間とすることができる。詳述すれば、初期動作の変則回転動作後(当該回転動作後、所定時間が経過した後でも良い)から各回胴回転停止ボタン12a、12b、および12cが操作されるまでを「第1の操作受付有効期間」とし、変則回転再始動後(当該回転動作後、所定時間が経過した後でも良い)から各回胴回転停止ボタン12a、12b、および12cが操作されるまでを「第2の操作受付有効期間」とすることができる。
(遊技者参加型フリーズ中演出に係る回胴の「自動」仮停止について)
上記所定の受付有効期間中に、各回胴回転停止ボタン12a、12b、および12cが操作されなかった場合、遊技者が当該停止ボタンを操作したものとみなして、自動的に特定の図柄の組合せを仮停止させる(図示では、初回仮停止図柄表示態様として「バラケ目」を、最終仮停止図柄表示態様として「BAR揃い」を仮停止させる)ように制御することができる。
(遊技者参加型フリーズ中演出に係る回胴の「手動」仮停止について)
また、操作手段が操作されたことを条件に、フリーズ中演出を進行させるように構成することができる。たとえば、図52のLRA4を例にとれば、既に説明したように図示の回胴演出は、まず初期動作として、変則回転を所定時間行い(第1のフリーズ中回転状態)、回胴回転停止ボタン12の操作に起因して回胴を仮停止させ、特定の図柄の組合せで仮停止状態とし(初回仮停止図柄表示態様)、その後、各回胴を再始動させ(第2のフリーズ中回転状態)、再度、回胴回転停止ボタン12の操作に起因して、最終仮停止図柄表示態様となるように回胴を仮停止させるが、上記1のフリーズ中回転状態において、各回胴回転停止ボタン12a、12b、および12cが操作されなければ、回胴が仮停止状態とはならずに、フリーズ中演出が進行せず、第2のフリーズ中回転状態に入らないように構成することができる。
このように、操作手段を操作しないと自動的には仮停止状態とはならずに、次段階への演出が進行しないようにすることで、遊技者が通常の停止操作と錯覚しうる遊技状況を作り出すことができるようになる。これにより、フリーズ中演出における演出効果をさらに高めることができ、フリーズ中演出のバリエーションを多彩なものとすることができる。
そして、フリーズタイマがゼロになった場合(ステップS503:YES)、演出制御コマンドとして、回胴演出が終了した旨を指定する「フリーズ終了コマンド」をセットする。このフリーズ終了コマンドにより、演出制御部410側は、今回の回胴演出が終了したことを把握する。これにより、回胴演出が終了して、以後、回胴は、通常の回転動作を開始する(後述の図18参照)。
(1−7.回胴回転開始設定処理:図18)
次に図18を参照して、図11の回胴回転開始設定処理(ステップS18)ついて説明する。図18は、図11の回胴回転開始設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図18において、主制御部400は、まず、回胴演出フラグを取得し(ステップS201)、回胴演出フラグ種別を判定する(ステップS202)。回胴演出フラグが変則回転種別でない場合(ステップS202:≠変則回転種別)、後述のステップS207の処理に進む。
一方、回胴演出フラグが変則回転種別である場合(ステップS202:=変則回転種別)、変則回転開始設定処理を行う(ステップS203)。この変則回転開始設定処理では、回胴演出フラグ種別(変則回転動作を伴うもの)に応じた回転動作用の制御データ(回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するためのデータ)をセットし、対応するフリーズタイマをセットし(ステップS204)、回胴演出フラグ種別に応じたフリーズコマンドをセットする(ステップS205)。
次いで、回胴演出中演出管理処理(図17)を実行し、フリーズタイマの経過を待つ。なお、回胴演出中演出管理処理については既に説明したので、重複記載を避けるために、その説明は省略する。
次いで、上記回胴演出中演出管理処理を終えると、遊技開始ウェイトタイマが経過するのを待つ(ステップS208:NO)。この遊技開始ウェイトタイマは1ゲームの遊技時間を規制するためのタイマであり、後述のステップS209の処理で設定される。これにより、1ゲームに要する時間が最短でも4.1秒となるようになっている。
遊技開始ウェイトタイマが経過した場合(ステップS208:YES)、遊技開始ウェイトタイマに4.1秒をセットする(ステップS209)。
次に、通常回転開始設定処理を行う(ステップS210)。この通常回転開始設定処理では、通常時の回転動作に必要な設定処理を行う。具体的には、通常時の回転動作用の制御データ(回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するためのデータ)をセットしたり、回胴の回転状態を示す回胴状態フラグを‘全回胴回転中(01H)’にセットしたりする。
上記ステップS210の通常回転開始設定処理を終えると、次いで、演出制御コマンドとして、回胴始動された旨を指定する「回転開始コマンド」をセットする(ステップS211)。以上により、各回胴5a、5b、5cが回転状態(通常時の回転動作)に入ることになる。
以上により回胴回転開始設定処理を抜けて、図11の回胴停止処理(ステップS19)に進む。
(1−8.回胴停止処理:図19)
次に図19を参照して、図11の回胴停止処理(ステップS19)ついて説明する。図19は、図11の回胴停止処理の詳細を示すフローチャートである。
図19において、主制御部400は、まず、回胴回転停止ボタン12の操作が受付有効期間中においてなされた停止操作(有効な停止操作)であるか否かを判定し(ステップS301)、有効な停止操作であれば(ステップS301:YES)、続いて、停止準備データをセットする(ステップS302)。この停止準備データには、押し順を特定可能な「停止操作順データ」、既に停止している回胴数(停止回胴数)を特定可能な「停止回胴数データ」(たとえば、第1停止操作時の場合、既に停止している回胴数はないので、‘停止回胴数=0’を特定するデータとなる)、停止操作対象となった回胴を特定可能な「停止対象回胴データ」がセットされる。また、引き込み制御下で回胴が完全に停止するのに要する余裕時間を含めた停止間隔タイマ(たとえば、213ms)がセットされる。本処理は、押し順を監視する停止操作順番監視手段として働く。
次いで、演出制御コマンドとして、「停止入力情報受付コマンド」をセットする(ステップS303)。この停止情報受付コマンドには、上記の停止操作順データ、停止回胴数データ、および停止対象回胴データを特定可能な情報が含まれる。
次に、図柄停止制御処理を行う(ステップS304)。この図柄停止制御処理では、当選情報(内部当選フラグ)と、停止操作手順(押し順や停止操作タイミング)とに基づいて目的の停止テーブル(不図示)を選択し、当該停止テーブルから滑りコマ数を割り出し、これに基づく回胴の停止制御を行う。また、回胴が停止した際には、その停止位置に基づき、各回胴において、いずれの入賞ライン上に、如何なる図柄番号の図柄が停止しているかを特定可能な「図柄停止情報(入賞ラインデータ)が作成され、メインRAMの所定領域にセットされる。この図柄停止情報は、各回胴の停止毎に作成され、1ゲーム毎にクリアされる。なお、回胴の停止位置は、実際に回胴が停止した際にも把握することができるが、停止操作図柄番号と滑りコマ数とに基づいて、回胴が完全に停止する前段階で、当該回胴の停止位置を把握することもできる。
次いで、演出制御コマンドとして、停止結果情報コマンドをセットする(ステップS305)。この「停止結果情報コマンド」には、回胴停止時に作成される上記図柄停止情報が含まれる。演出制御部410側においては、上記「停止結果情報コマンド」や「停止入力情報受付コマンド」により、押し順や、現在の回胴の回転・停止状態や、入賞ライン(有効入賞ラインおよび/または疑似入賞ライン)上の停止図柄を把握することができる。これにより、演出制御部410側では、ペナルティを科したり、回胴の停止制御時に係る演出を現出したりするための演出制御処理を行う。
次いで、回胴演出モード移行設定処理を行う(ステップS306)。この回胴演出モード移行設定処理では、モード移行契機となる特定の当選役が当選した場合(本実施形態では、通常リプレイ1〜12)、押し順に応じて、主制御部側遊技状態に係る遊技モード移行処理を行なう。なお、回胴演出モード移行設定処理についての詳細は、図20にて後述する。
上記回胴演出モード移行設定処理を終えると、停止間隔タイマを監視し(ステップS307)、停止間隔タイマが0でない場合、タイマが0になるまで待つ(ステップS307:NO)。
停止間隔タイマが0になった場合(ステップS307:YES)、全回胴が停止したか否か判定する(ステップS308)。全回胴が停止していなければ、その判定はNOとなり、ステップS301に戻り、全回胴が停止するまでステップS301〜S307の処理を繰り返す(ステップS308:NO)。
全回胴が停止した場合(ステップS308:YES)、演出制御コマンドとして、「モード情報コマンド」をセットする(ステップS309)。このモード情報コマンドには、現在のモード情報が含まれる。上記モード情報コマンドにより演出制御部410側において、現在の遊技モード(LRAモード1〜3、10、20、30、11、21、31、PD準備モード、PDモード、PD当確モード)が把握される。
以上により回胴停止設定処理を抜けて、図11の入賞判定処理(ステップS20)に進む。
(1−8−1.回胴演出モード移行設定処理:図20)
次に図20を参照して、図19の回胴演出モード移行設定処理(ステップS306)ついて説明する。図20は、図19の回胴演出モード移行設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図20において、主制御部400は、まず、モードデータを取得し(ステップS401)、現在のモードがLRAモード11、LRAモード21、LRAモード31、PDモード、またはPD当確モードであれば(ステップS402:=LRAモード11、21、31、PD(確定)モード)、モード移行終了管理処理(ステップS410)を行い、それ以外のモード(LRAモード1、LRAモード1〜3、LRAモード10、LRAモード20、LRAモード30、またはPD準備モード)であれば(ステップS402:≠LRAモード11、21、31、PD(確定)モード)、ステップS403の判定処理に進む。なお、モード移行終了管理処理についての詳細は図21にて後述する。
ステップS403の処理では、現在のモードがLRAモード1、LRAモード1〜3、LRAモード10、LRAモード20、またはLRAモード30のいずれかである場合、今回の当選役がモード移行契機役であるか否かを判定する(ステップS403)。本実施形態では、通常リプレイ1〜12がモード移行契機役に相当し、当選役が通常リプレイ1〜12のいずれかでない場合には(ステップS403:NO)回胴演出モード移行設定処理を抜けて、図19のステップS307の処理に進み、当選役が通常リプレイ1〜12のいずれかである場合には(ステップS403:YES)、次いで、今回の停止操作が第3停止操作、つまり、最終番目の停止操作であるか否かを判定する(ステップS404)。
本実施形態では、第1〜第3停止操作(最終停止操作)が実行されることにより、モード移行となる押し順が確定するので、ステップS404の処理では、全回胴が停止することとなる最終停止操作の第3停止操作が行われたことを条件に、モード移行に関する後続の処理を実行するようになっている。したがって、モード移行が、たとえば、第3停止操作が行われる前の押し順に従うものであれば、ステップS404の判定処理は、第1停止操作、または第1および第2停止操作がなされたことを条件とすれば良い。
今回の停止操作が第3停止操作でない場合(ステップS404:NO)、モード移行となる押し順が確定していないので、そのまま回胴演出モード移行設定処理を抜けて、図19のステップS307の処理に進む。
一方、今回の停止操作が第3停止操作である場合(ステップS404:YES)、モード移行となる押し順が確定したとして、モード移行設定処理を行う(ステップ405)。このモード移行設定処理では、現在のモードに対応したモード移行テーブル(図29〜図33参照)を参照して、今回の当選役(通常リプレイ種別)と押し順(第1〜第3停止操作の押し順)とに基づいて、移行先となるモードを決定する。
次いで、モード移行設定処理で決定されたモードに応じて処理を分岐させる(ステップS406)。
PDモードに決定された場合(ステップS406:=PDモード)、PDモード移行前処理として、モードデータをPDモードに設定し(ステップS407)、PDモードの初期の残余ゲーム数として、PDモード残余ゲーム数に、規定ゲーム数(たとえば、10ゲーム)をセットし(ステップS408)、演出制御コマンドとして、PDモード残余ゲーム数情報を含む「PDモード残余ゲーム数コマンド」をセットする(ステップS409)。これにより回胴演出モード移行設定処理を抜けて、図19のステップS307の処理に進む。
一方、PDモード以外に決定された場合(ステップS406:≠PDモード)、ステップS405のモード移行設定処理で決定されたモードをモードデータにセットし(ステップS411)、回胴演出モード移行設定処理を抜けて、図19のステップS307の処理に進む。
(1−8−2.回胴演出モード移行設定処理:図21)
次に図21を参照して、図20のモード移行終了管理処理(ステップS410)ついて説明する。図21は、図20のモード移行終了管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図21において、主制御部400は、まず現在のモードを確認し、現在のモードがLRAモード11、LRAモード21、またはLRAモード31である場合(ステップS431:=LRAモード11、21、31)、今回のゲームで、特殊回胴演出(LRA1〜6のいずれか)が現出され、これらモードの役割が終了するため、モードデータをLRAモード1に変更し(ステップS433)、これによりモード移行終了管理処理を抜けて、図19のステップS309の処理に進む。
現在のモードが、PDモード、またはPD当確モードである場合(ステップS431:≠=LRAモード11、21、31)、PDモード残余ゲーム数を確認し、PDモード残余ゲーム数がゼロでない場合には(ステップS432:≠0)、PDモードが終了していないとして、何もせずに、モード移行終了管理処理を抜けて、図19のステップS307の処理に進む。
しかし、Dモード残余ゲーム数がゼロである場合には(ステップS432:=0)、今回のゲームでPDモードが終了したとして、モードデータをLRAモード1に変更し(ステップS433)、これによりモード移行終了管理処理を抜けて、図19のステップS307の処理に進む。
(2.主制御側タイマ割込処理:図22)
次に図22を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図22は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1.5ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図22において、主制御部400は、まずタイマ割り込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理を行う(ステップS41)。
次に、ポート入力処理を行う(ステップS42)。このポート入力処理では、遊技機に設けられたスイッチ類やセンサ類からの検出情報を管理する。
次に、回胴回転制御処理を行う(ステップS43)。回胴回転制御処理では、回胴状態フラグを確認した際の回胴始動時や、停止操作時の停止指令フラグを確認した際の回胴停止時において、回胴駆動モータに出力するパルス信号を管理制御して回転動作を制御したり、現在の回胴の回転位置やその速度を監視したりする。
次に、定期更新処理を行う(ステップS44)。この定期更新処理では、遊技動作に用いられるタイマを更新したり、ウォッチドッグタイマを定期的にクリアしたりする。定期更新処理が実行されない場合、例えば、遊技動作制御に異常が発生してプログラムが暴走状態となった場合、ウォッチドッグタイマがタイムアップすると、メインCPU401cが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。
次に、コマンド出力処理を行う(ステップS45)。このコマンド出力処理では、遊技の進行に伴う処理状態に応じてセットされる演出制御コマンドを演出制御部410側(演出制御基板420側)に送信する。主制御部400は、割り込み毎に演出制御コマンドを1バイト分出力している。1つの演出制御コマンドは2バイト長であるので、連続する2回のタイマ割り込みで1つの演出制御コマンドが送信される。
次に、メダル情報出力処理を行う(ステップS46)。このメダル情報出力処理では、遊技メダル投入や遊技メダル払出しの際のメダル払出信号を出力する。上記各信号は、外部集中端子基板310を介してホールコンピュータHCに送信される。
次に、表示出力処理を行う(ステップS47)。この表示出力処理は、遊技表示制御手段として機能し、ここでは、処理状態に応じて、MAXベットLED84、停止ボタンLED、遊技パネル77に形成された各種の表示部(遊技開始表示LED81、メダル投入表示LED82、再遊技作動LED83、投入枚数表示LED85、クレジット枚数表示器86、払出枚数表示器87)などの発光態様を制御する発光制御信号を出力する。なお、上記各表示部の一部または全部が表示する情報を液晶表示装置6による画像表示により現出可能に構成することができる。この場合は、遊技の進行状況に応じて、各表示部により提供される情報を含む演出制御コマンドを演出制御部410側に送信可能に構成することで実現できる。このコマンドが主制御部400側から演出制御部410側へと送信されると、演出制御部410側では、当該コマンドに含まれる情報に基づき、液晶表示装置6を表示制御して、当該情報を画像により表示する。
次に、異常監視処理を行う(ステップS48)。この異常監視処理では、上記入力管理処理の情報に基づいて遊技動作状態を監視し、遊技機の異常(遊技動作エラー)を監視する。
以上のステップS41〜ステップS48の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させて(ステップS49(レジスタ復帰処理))、割込み許可状態に設定する。これにより、タイマ割込処理を終了して、割込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を行う。
<演出制御側の処理:図23〜図27>
次に、図23〜図27を参照して、本実施形態の演出制御部410側における演出制御処理について説明する。演出制御部410側の処理は、主に、所定のメイン処理(演出制御側メイン処理:図23)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(演出制御側タイマ割込処理:図24)とを含んで構成される。なお演出制御部410の制御主体は、正確には演出制御基板420のサブCPU421cや液晶制御基板25のCPUなどを含んだものであるが、主制御部410から演出制御コマンドを受けた演出制御基板420(サブCPU421C)側が、これに関連する液晶制御コマンドを液晶制御基板460に送信する関係上、以下では、演出制御基板420が行う処理手順を中心に説明し、演出制御基板420の機能と液晶制御基板460の機能とを特に必要がない限り区別することなく、処理を実行する主体を演出制御部410として説明する。またCPU、RAM、ROMは、演出制御基板420のサブCPU421c、サブRAM421b、サブROM421aなどで代表させる。
(演出制御側メイン処理:図23)
図23は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部410は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図34に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、演出制御部410(サブCPU)は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(ステップS071)。ここでは、初期設定処理として、たとえば、コマンド受信割込み設定、可動体役物(図示せず)の起点復帰処理、CTCの初期設定、タイマ割込みの許可、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
ステップS071の初期設定処理を終えると、正常動作時の処理として、所定時間ごとにステップS073〜S078のメインループ処理を行い、それ以外ではステップS079の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
ステップS072の処理において、演出制御部410は、メインループ更新周期用カウンタ値を参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期が到来したか否かを判定する(ステップS072)。上記メインループ更新周期用カウンタは、後述の演出制御側タイマ割込処理中のメインループ更新処理(図24のステップS096)で更新されるカウンタである。なお本実施形態では、16ms程度ごとにメインループ処理を行うようになっている。このメインループ更新周期が到来するまでは(ステップS072:NO)、各種演出抽選用乱数の更新を行う(ステップS079:各種演出用ソフト乱数更新処理)。
上記メインループ更新周期が到来した場合(ステップS072:YES)、演出制御部410は、受信コマンド解析処理を行う(ステップS073)。この受信コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出制御処理を行う。この演出制御コマンドには、既に説明した、遊技開始情報コマンド、フリーズコマンド、フリーズ終了コマンド、回胴演出中操作コマンド、回転開始コマンド、停止情報受付コマンド、停止結果情報コマンド、入賞情報コマンドなどが含まれる。
たとえば、遊技開始情報コマンドが受信され、それが受信バッファに格納されている場合、コマンド解析処理において、このコマンドに含まれる情報(内部抽選結果情報(内部当選フラグ情報)と現在の遊技状態(モード)情報)に基づいて、1または複数種類の演出パターンを決定する。ここで決定される演出パターンは、演出シナリオを構成するための演出要素としての「パーツ演出」として働く。続いて、上記決定された演出パターン(パーツ演出)を、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケジュールを決定し、これにより今回ゲーム中に現出するための演出シナリオを構成して、その演出シナリオのデータをRAMのシナリオ設定領域に格納する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。なお、遊技者参加型演出の場合は、操作手段の操作に応じて、対応するパーツ演出を変更し、演出シナリオの構成を再構築する。
ステップS073の受信コマンド解析処理を終えると、シナリオ更新処理を行う(ステップS074)。このシナリオ更新処理では、演出パターンの実行に必要なタイマの内容を更新する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生タイミングに関するタイムスケジュールを管理する演出シナリオタイマである。演出シナリオタイマは、後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)や演出役物制御データ更新処理(ステップS077)においても利用される。ここでは、この演出シナリオタイマを監視し、たとえば、演出シナリオに組み込まれたパーツ演出の発生時期が到来すると、スピーカ16用の音データと、画像表示制御用の液晶コマンドとを作成し、それぞれをサブRAMの指定領域に格納する。なお、光表示装置用のLEDデータに関しては後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)で、可動体役物用のモータ制御データに関しては後述の演出役物制御データ更新処理(ステップ077)で作成される。
次いで、LEDデータ更新処理を行う(ステップS075)。このLEDデータ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、装飾ランプ部13やLEDなどの光表示装置用のLEDデータを作成し、サブRAMの指定領域に格納する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出LED管理処理(図24のステップS095)で利用される。
次いで、サウンド出力処理を行う(ステップS076)。このサウンド出力処理では、ステップS074のシナリオ更新処理で作成された音データを取得し、再生する音データが有る場合には、音響制御部(音源LSI)を通じてスピーカ16から効果音を出力させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
次いで、演出役物制御データ更新処理を行う(ステップS077)。この演出役物制御データ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、不図示の可動体役物を動作させる駆動源用(モータ)の制御データを作成する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出役物動作管理処理(図24のステップS094)で利用される。
次いで、音源LSIなどの誤作動を監視するノイズ対策管理処理を行う(ステップS078)。誤作動によりプログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、CPUが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。これにより、メインループ処理を終了して、次のメインループ更新周期が到来するまで、ステップ079の演出用ソフト乱数更新処理を行う。
(コマンド受信割込処理:図25)
次に図25を参照して、コマンド受信割込処理について説明する。図25は、演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割り込み処理は、主制御部400から演出制御コマンドを受信した場合、後述する演出制御側タイマ割込処理(図24)よりも優先的に実行される。
まず演出制御部410(サブCPU)は、図23のメイン処理実行中に主制御部400側からのストローブ信号に基づく割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させて(ステップS081)、受信した演出制御コマンドをサブRAMのコマンド受信バッファに格納し(ステップS082)、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS083)。これにより、コマンド受信割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御部側メイン処理に戻り、次の上記ストローブ信号に基づく割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。このように、主制御部400から送られてくる各種演出制御コマンドを受けた場合、このコマンド受信割込処理が実行されて、演出制御コマンドを受信した時点で、そのコマンドがコマンド受信バッファに格納される。
(演出制御側タイマ割込処理:図24)
次に図24を参照して、演出制御側のタイマ割込処理について説明する。図24は、演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1ms程度)ごとの割込みで起動され、演出制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図24において、演出制御部410(サブCPU)は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(ステップS091)、演出ボタン入力管理処理を行う(ステップS092)。この演出ボタン入力管理処理では、演出ボタン(図示せず)からの操作(ON操作)検出信号の入力の有無を監視し、当該操作検出信号を受信したことを確認した場合、その検出情報をサブRAMの所定領域に格納する。
次いで、液晶コマンド送信処理を行う(ステップS093)。この液晶コマンド送信処理では、図23の演出制御側メイン処理中のシナリオ更新処理(ステップS074)で作成された液晶コマンドが有る場合には、表示制御部(液晶制御CPU)に液晶コマンドを送信して、液晶表示装置6に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像演出が実現される。
次いで、演出役物動作管理を行う(ステップS094)。この演出役物動作管理では、演出役物制御データ更新処理(ステップS077)で作成された可動体役物用のモータ制御データに基づき、駆動制御部を通じて可動体役物モータ(図示せず)に制御信号を出力する。これにより、演出シナリオに沿った可動体役物による視覚的演出が実現される。
次いで、演出LED管理を行う(ステップS095)。この演出LED管理では、LEDデータ更新処理(ステップS075)で作成されたLEDデータに基づき、光表示制御部を通じて装飾ランプ部45やLEDを点灯点滅させる。これにより、演出シナリオに沿った光演出が実現される。
次いで、メインループ更新周期を管理するメインループ更新処理を行う(ステップS096)。このメインループ更新処理では、メインループ更新周期用カウンタを割込みごとに更新する(メインループ更新周期用カウンタ+1)。メインループ更新周期用カウンタは、たとえばインクリメント処理によって16の倍数の範囲(たとえば、0〜31)を循環するカウンタである。
以上のステップS091〜ステップS096の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS097)。これにより、このタイマ割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。
<受信コマンド解析処理の内容:図26〜図27>
図26〜図27は受信コマンド解析処理(図23のステップS073)で実行される処理のうち、本発明と関連性の深いものを示したものである。ここでは、本発明と関連の深い、遊技開始時(回胴回転始動レバー11の操作時)に係る演出制御コマンド(遊技情報開始コマンド、フリーズコマンド、モード情報コマンドなど)や、全回胴停止時に係る演出制御コマンド(たとえば、入賞情報コマンド)を受信した場合を中心に説明し、他の演出制御コマンドを受信した場合の説明は省略する。
(演出管理処理:図26)
図26に示す演出管理処理は、図23の受信コマンド解析処理(ステップS073)の一部の処理内容であり、遊技情報開始コマンドやフリーズコマンドなどを受信した場合に実行される。この図23では、重複記載を避けるために説明の便宜上、各コマンドを受信した場合の処理内容を纏めたものを図示し、各コマンドに対応する個別のコマンド受信時の処理については省略する。
図26において、まず演出制御部410は、遊技開始時において受信される遊技情報開始コマンドやフリーズコマンドやモード情報コマンドを解析し、これに含まれる情報を取得する(ステップS611)。なお、遊技情報開始コマンドには、内部抽選結果情報(内部当選フラグ情報、当選役情報)、モード情報(主制御部側遊技状態)が含まれ、フリーズコマンドには、回胴演出種別情報が含まれ、これらの情報が演出処理の進行状態に応じて利用され、サブRAM421bに格納される。
またここでは、現在の演出状態(演出制御部側遊技状態)も処理状態に応じて取得され、利用される。演出状態は、主として、遊技モードに対応した演出を現出させる上で利用され、主制御部400側からの特定の演出制御コマンド(たとえば、遊技情報開始コマンドやモード情報コマンドや入賞情報コマンドなど)に基づいて、処理状態に応じて変更(移行制御)される。演出状態は、基本的には、主制御部側遊技状態と整合性を保つ形で管理される。
上記演出状態には、非AT遊技、前兆AT遊技、AT1遊技、AT2遊技、PDモード(PD当確モードを含む)など、遊技モードを特定するための各種の演出状態が含まれる。これにより、たとえば、主制御部側遊技状態がLRAモード1であり、かつ演出状態がAT1遊技であれば、遊技機全体としての遊技モードは「疑似ボーナス」となり、LRAモード1であり、かつ演出状態がAT2遊技であれば、遊技機全体としての遊技モードは「STモード」となる。また、AT1遊技やAT2遊技については、これを細分化して管理可能に構成されており、AT1遊技であれば、現在の演出状態として、疑似ボーナス1〜3、ST中疑似ボーナスの種別を、AT2遊技であれば、各ST継続率(各ST継続モード)を演出制御部410側が特定できるように、これらを識別するデータを管理可能に構成されている。
次いで、AT遊技管理処理を行う(ステップS612)。このAT遊技管理処理では、各種のAT遊技の発生(移行)に係る処理が行われる。このAT遊技管理処理には、たとえば、疑似ボーナス抽選テーブル(図36、図38)に基づく「疑似ボーナス抽選処理(図36、図38)」や、疑似ボーナス当選時モード移行テーブル(図37、図39)に基づく「モード移行抽選」や、ST継続率抽選テーブルに基づく「ST継続抽選(図40)」や、ST継続率の昇格抽選処理(図42)などのAT遊技の発生に関する種々の抽選処理が含まれる。また、各抽選結果に基づくAT遊技の発生に要する必要な設定処理(AT遊技開始設定処理)が含まれる。たとえば、疑似ボーナス当選であれば、疑似ボーナスの継続条件として、ベルナビの実行回数を10回、25回、40回、または15回に定め、疑似ボーナス1〜3や、ST中疑似ボーナスの継続条件を定める、といった継続条件設定処理が行われる。
またAT遊技管理処理には、AT遊技の継続状態を監視する処理(AT継続管理処理)が含まれる。AT継続管理処理では、たとえば、ベルナビ実行回数を監視(計数)したり、ST継続抽選の結果に基づくSTモードの継続状態を監視したりする。ここでの監視結果は、後述のステップS614のAT遊技終了管理処理で利用される。
次に、ペナルティ中AT遊技管理処理を行う(ステップS613)。このペナルティ中AT管理処理では、ペナルティ中(ペナルティ状態)か否かを判定し、ペナルティ中であれば、既に説明した「ペナルティ除外対象」であるか否かを判定する。ペナルティ除外対象である場合は、非ペナルティ時の処理として、何もせずに、このペナルティ中AT遊技管理処理を抜けるようになっている。
しかし、ペナルティ除外対象でない場合、処理状態に応じて所定のペナルティを科す処理を行う。たとえば、上記AT遊技管理処理(ステップS612)による疑似ボーナス抽選が実行された場合には、その抽選結果を無効扱いとする無効化処理(当選でもハズレとして処理をする)をし、AT遊技の発生(移行)を制限する。また、AT遊技中であれば、そのAT遊技種別に応じてアシスト報知を所定ゲーム数制限したり、ベルナビ回数を所定回数減少させたりする。なお、本実施形態では、上記ステップS612のAT遊技管理処理が実行された後、このペナルティ中AT管理処理により疑似ボーナス抽選結果を無効扱いとしているがペナルティ除外対象でない場合には、疑似ボーナス抽選自体を実行しない構成とすることもできる。なお、ペナルティ状態(ペナルティ期間)の設定・解除は、後述の図27のペナルティ監視処理中にて行われる。
次いで、AT遊技終了管理処理を行う(ステップS614)。このAT遊技終了管理処理では、ステップS612のAT継続管理処理で管理される情報に基づき、AT遊技終了条件が成立したか否かを判定する。AT遊技終了条件が非成立、つまりAT遊技継続であれば次ゲームもAT遊技を継続させる継続処理を行い、AT遊技終了条件が成立したならば、現在のAT遊技を終了させる終了設定処理を行う。
次いで、通常中(非AT遊技に関連する演出状態(ペナルティ中を含む))であれば(ステップS615:YES)、通常中演出設定処理を行う(ステップS618)。この通常中演出設定処理では、主として、非AT遊技中である通常の演出状態下の演出を現出するために必要な各種の演出処理が行われ、当該演出処理には、たとえば、回胴演出が発生中に係る演出を現出するための演出処理(通常中回胴演出中演出処理)、AT遊技終了に係る演出を現出するための演出処理(通常移行演出処理)、その他、通常の演出状態に係る演出を現出するための演出処理が含まれる。これら処理において現出すべき演出態様については、「演出シナリオ(演出パターン)」を決定し、その演出シナリオのデータをRAMのシナリオ設定領域に格納する。これにより、通常中の遊技に関する演出が現出される。
なお、上記ペナルティ中に係る演出態様としては、警告演出として、たとえば、液晶画面上に、ペナルティ期間を報知する「ペナルティゲーム数(ペナルティ解除条件成立まで表示することができる)」を表示したり、回胴回転始動レバー11の操作および/または回胴回転停止ボタン12の操作に起因して、スピーカ16から非ペナルティ中(正常時)とは異なる効果音や光演出を現出したりすることができる。たとえば、回胴の停止操作時に送信されてくる「停止情報受付コマンド」の受信時の警告演出として、回胴回転停止ボタン12が操作されたときに、正常時とは異なる警告音や警告光などを現出することができる。
また、ペナルティが科される状態であったが、これが除外対象として正常時の演出処理が行われて、運よく疑似ボーナス抽選に当選となった場合であっても、遊技者に注意を促すために、上記警告演出を現出することが好ましい。
次いで、AT遊技中(前兆AT遊技、AT1遊技、AT2遊技に関連する演出状態)であれば(ステップS616:YES)、AT遊技中演出設定処理を行う(ステップS619)。このAT遊技中演出設定処理では、主として、AT遊技中の演出を現出するために必要な各種の演出処理が行われ、当該演出処理には、たとえば、回胴演出が発生中に係る演出を現出するための演出処理(AT中回胴演出中演出処理)、AT遊技終了に係る演出を現出するための演出処理(AT移行演出処理)、各AT遊技に応じたアシスト報知(支援演出)を現出するための演出処理(AT種別対応アシスト報知処理)、その他、AT遊技中に関連する演出を現出するための演出処理が含まれる。これら処理において現出すべき演出態様についての演出シナリオ(演出パターン)の決定、設定については、上記ステップS616の通常中演出設定処理と処理の仕方は実質的に同じであるので、その説明は省略する。
上記通常中およびAT遊技中に該当しない演出状態である場合には、その他の演出処理として、他の演出状態中演出設定処理を行う(ステップS617)。この他の演出状態中演出設定処理も、実質的な処理の仕方は、上記した通常中演出設定処理またはAT遊技中演出設定処理と同じなので、その説明は省略する。これにより、受信コマンド解析処理を抜けて、図23のシナリオ更新処理(ステップS074)に進む。
なお、上記した各処理に関しては、当該処理を行うに必要なコマンドを受信したときに行われる。たとえば、遊技情報開始コマンド、フリーズコマンド、フリーズ終了コマンド、モード情報コマンド、PDモード残余ゲーム数コマンド、PDモード当確コマンド、停止入力情報受付コマンド、停止結果情報コマンドなどであれば遊技開始時に必要な演出処理が、入賞情報コマンドや払出コマンドなどであれば遊技結果が導出表示されたときに必要な演出処理が行われる。
(ペナルティ監視処理:図27)
図27に示すペナルティ監視処理は、図23の受信コマンド解析処理(ステップS073)の一部の処理内容であり、入賞情報コマンドを受信した場合に実行される。図27では、本発明と関係の深い「ペナルティ監視処理」に着目して説明し、入賞情報コマンドを受信した際の他の処理内容については省略する。
図27において、演出制御部410は、まず、ペナルティを科す条件(ペナルティ条件)を判定する(ステップS811〜S813)。ここでは、その判定として、今回ゲームにおいて、(イ)アシスト報知が実行されたか否か(ステップS811)、(ロ)押し順が「変則押し」であるか否か(ステップS812)、(ハ)ペナルティ除外対象であるか否か(ステップS813)を判定する。
本実施形態では、アシスト報知中でなく(ステップS811:NO)、変則押しを実行した場合において(ステップS812:YES)、ペナルティ除外対象でなければ(ステップS813:NO)、ペナルティ条件が成立したとして、ペナルティ設定処理を行う(ステップS814)。それ以外では、ペナルティ条件が成立しなかったとして、何もせずにステップS815の判定処理に進む。
上記ペナルティ条件が成立したと判定された場合、ステップS814のペナルティ状態に設定するために必要な設定処理を行う(ステップS814:ペナルティ設定処理)。たとえば、ペナルティ期間を定める処理として、所定のペナルティゲーム数(たとえば、10ゲーム)をセットする。これにより、次回ゲームから所定の遊技期間、ペナルティが科されることになり、ペナルティ状態に応じた処理(図26のステップS613参照)が行われることになる。
上記ステップS814のペナルティ設定処理を終えると、次いで、ペナルティ中であるか否かを判定する(ステップS815)。ペナルティ中でない場合(ステップS815:NO)、受信コマンド解析処理を抜けて、図23のシナリオ更新処理(ステップS074)に進む。
しかし、ペナルティ中である場合(ステップS815:YES)、次いで、ペナルティ解除条件管理処理を行う(ステップS816)。このペナルティ解除条件判定処理では、ペナルティ解除条件が成立したか否かを監視する。たとえば、所定のペナルティゲーム数が消化されたか否かを判定する。具体的には、現在、ペナルティゲーム中であるか否か、つまりペナルティゲーム数を監視し、今回のゲームでペナルティゲーム数を1消化したとして、ペナルティゲーム数から1減算する。
次いで、上記ペナルティ解除条件管理処理の処理結果に基づいて、ペナルティ解除条件が成立したか否かを判定する(ステップS817)。ここでは、ステップS816の減算後のペナルティゲーム数がゼロ(ペナルティゲーム数=0)となったか否かを判定し、ペナルティゲーム数がゼロでない場合(ステップS817:NO)、ペナルティ解除条件未成立として、受信コマンド解析処理を抜けて、図23のシナリオ更新処理(ステップS074)に進む。
ペナルティゲーム数がゼロである場合(ステップS817:YES)、ペナルティ解除条件が成立したとして、ステップS818のペナルティ解除処理に進み、ペナルティ状態を解除する。これにより、次回ゲームから正常時(非ペナルティ中)の演出処理が実行されることになる。
なお以上に説明した第1の実施形態は本発明を制限するものでなく、たとえば、以下のような構成とすることができる。
〔第2の実施形態:STモードの変形例1〕
以上に説明した本実施形態(第1の実施形態)に係るSTモードは、所定の継続率に従い、当該STモードとST中疑似ボーナスとの遊技モード間をループする実施形態について説明した。しかし本発明はこれに限らず、STモードを次のように構成することができる。以下、重複記載を避けるために、第1の実施形態と同じ構成要素については、適宜省略して説明する。
この第2の実施形態では、第1の実施形態のように、規定のST継続率により、STモードとST中疑似ボーナスとの遊技モード間をループさせるのではなく、STモード中において、1ゲームごとに実行される「ST中疑似ボーナス抽選」により、当該遊技モード間をループさせるか否かを決定する構成となっている。なお、この第2の実施形態では、上記第1の実施形態と同様に、STモードの継続ゲーム数を「30ゲーム」として説明する(後述の各実施形態も同様)。
(ST中疑似ボーナス抽選)
上記「ST中疑似ボーナス抽選」は、上記ST中疑似ボーナスへの移行権利に係る抽選であり、この抽選に当選した場合には、継続権利を得たとして、ST中疑似ボーナスに移行され、当該ST中疑似ボーナス終了後、再度、STモードに移行される。これにより、STモードとST中疑似ボーナスとの間をループさせるようになっている。
(ST中疑似ボーナス抽選テーブル:図44)
上記ST中疑似ボーナス抽選は、演出制御部410側において、図44に示す「ST中疑似ボーナス抽選テーブル」に基づいて実行される。この「ST中疑似ボーナス抽選テーブル」は、図示のように、少なくとも当選役種別に関連付けられたST中疑似ボーナス移行への抽選確率(判定値(当選領域)/抽選領域(65536))が定められている。なお、図44(A)は、図40によるST継続率抽選により「継続率50%」の区分に当選した場合に利用される「継続率50%時ST中疑似ボーナス抽選テーブル」を、図44(B)は、「継続率90%」の区分に当選した場合に利用される「継続率90%時ST中疑似ボーナス抽選テーブル」を例示したものである。なお、他の区分(60%、70%、および80%)に係る各抽選テーブルは、重複記載を避けるために省略する。以下、図44を参照しながら、本実施形態の特徴的要素を説明する。
本実施形態に係るST中疑似ボーナス抽選は、単に、30ゲーム間、固定的な抽選確率により抽選を行うのではなく、STモード中の消化ゲームに応じて抽選確率が変動する特異な抽選形態となっている。
具体的には、図44を参照して、1〜7ゲーム目の第1遊技区間(STゾーンA)と、8〜26ゲーム目の第2遊技区間(STゾーンB)と、27〜30ゲーム目の第3遊技区間(STゾーンC)とで、それぞれ異なる抽選確率となっている。つまり、ゲーム数に応じて、ST中疑似ボーナス抽選による当選期待度が異なり、本実施形態では、各当選役の疑似ボーナス抽選確率と各STゾーンのゲーム数との関係により、「STゾーンA<STゾーンC<STゾーンB」の関係となっている。一方、1ゲーム当りの当選期待度で見れば「STゾーンA<STゾーンB<STゾーンC」となっている。本実施形態では、同一の遊技モード下(たとえば、1ゲーム当りの平均獲得利益が同一遊技状態下(ここでは、中ベースの遊技モード))における消化ゲーム数に応じて抽選確率を変動させることにより、当選期待度(継続当選期待度)を変化させるゲーム区間を作り出している。
特に「STゾーンC」は、STゾーン中最も少ないゲーム数(4ゲーム)となっており、この区間で特定の当選役種別(図示の当選役種別の欄参照)に当選した場合には、特典として、100%で疑似ボーナス当選、つまり継続確定とされる。
また本実施形態では、図40のST継続率抽選により決定された区分に応じて、図44(A)の「継続率50%時ST中疑似ボーナス抽選テーブル」〜同図(B)の「継続率90%時ST中疑似ボーナス抽選テーブル」(継続率60%、70%、および80%は不図示)のいずれかが選択されるようになっており、いずれの抽選テーブルが選択されるかにより、STモードとST中疑似ボーナスとの継続率(ループ確率)が異なるものとしている。具体的には、図44(A)の「継続率50%時ST中疑似ボーナス抽選テーブル」が選択された場合は、STモード中の当選確率が約50%程度、つまり上記継続率が約50%程度となっており、同図(B)の「継続率90%時ST中疑似ボーナス抽選テーブル」が選択された場合は、STモード中の当選確率が約90%程度、つまり上記継続率が約90%程度となるように定められおり、各抽選テーブルの当選期待度(継続期待度)が異なるようになっている。
以上のように第2の実施形態では、STモード中の消化ゲーム数に応じて抽選確率を変動させることができる。これにより、各STモード(ゲーム区間)A〜Cにおいて、遊技者に与える当選期待感を変化させることができるので、固定的な抽選確率と比し、遊技の面白みをより一層向上させることができる。また、一定の継続率でループする継続抽選タイプのゲーム性(第1の実施形態参照)とは異なり、毎ゲームごとに継続抽選が実行されるので、遊技者に対し1ゲームごとに継続期待感を与えることができる。また、図44の抽選テーブルにより、疑似的に上記一定の継続率でループする継続抽選タイプのゲーム性も作り出すことができる。
〔第3の実施形態:STモードの変形例2〕
以上に説明した第1の実施形態および第2の実施形態では、STモードとST中疑似ボーナスとをループさせる形態について説明した。しかし本発明はこれに限らず、次のように構成することができる。以下、重複記載を避けるために、第1〜第2の実施形態と同じ構成要素については、適宜省略して説明する。
この第3の実施形態では、一の遊技モード(STモード)と他の遊技モード(ST中疑似ボーナス)とをループさせる、といった固定された遊技モード間をループさせるのではなく、複数種類の遊技モード間をループ可能な構成となっている。
(ST中移行モード種別抽選)
本実施形態では、上記ST中疑似ボーナス抽選(図44)により当選となった場合、利益状態の異なる疑似ボーナス1〜3のいずれかに移行可能に構成されており、当選したゲーム区間(STモードA〜C)に応じて、その移行確率が異なるようになっている。これにより、STモードと疑似ボーナス1、STモードと疑似ボーナス2、またはSTモードと疑似ボーナス3との間をループ可能な構成となっている。
(ST中当選時疑似ボーナス種別抽選テーブル:図45)
上記した疑似ボーナス1〜3の移行については、演出制御部410側において、図45に示す「ST中当選時疑似ボーナス種別抽選テーブル」に基づいて決定される。この「ST中当選時疑似ボーナス種別抽選テーブル」には、STモード種別(STモードA〜C)と移行先となる疑似ボーナス種別(疑似ボーナス1〜3)とが関連付けて定められており、具体的には、当選となったSTモードA〜Cに応じて、移行先の疑似ボーナス1〜3の抽選確率(判定値(当選領域)/抽選領域(256))が定められている。
図45を参照すれば、たとえば、当選期待度が最も低い「STゾーンA」で当選した場合、低確率ゾーンで当選した特典として、相対的に利益の高い「疑似ボーナス3」に移行され易くなっている(図44のSTゾーンAの欄参照)。一方、STゾーンAよりも当選期待度が相対的に高い「STモードB」または「STモードC」では、その逆に「疑似ボーナス3」よりも相対的に利益の低い「疑似ボーナス1」または「疑似ボーナス2」に移行され易くなっている(図44のSTゾーンB、Cの欄参照)。
また「STモードB」と「STモードC」とを比較すれば、1ゲーム当りの当選期待度が低い「STモードB」で当選した場合の方が相対的に利益の高い疑似ボーナスに移行され易くなっている(図44のSTゾーンB、Cの欄参照)。
なお、疑似ボーナス1〜3への移行は図45のような抽選によるものではなく、たとえば、STモードA中に当選した場合は疑似ボーナス3に、STモードB中に当選した場合は疑似ボーナス2に、STモードC中に当選した場合は疑似ボーナス1に移行するといったSTモード種別と移行先の疑似ボーナスとを1:1に対応させることができる。
以上のように第3の実施形態では、STモードから移行先となる遊技モードを複数種類設けることにより、複数種類の遊技モード間をループ可能な構成とすることができる。また、当選となったSTモードに応じて、移行先の利益状態(疑似ボーナス)を異ならせることにより、どのSTモードで当選するか否かが利益を左右する重要な要素の一つとして付加することができる。これにより、遊技性のバリエーションが増し、遊技の面白みを向上させることができる。
〔第4の実施形態:ST継続率抽選テーブルの変形例〕
以上に説明した第1〜第3実施形態では、図40の「ST継続率抽選テーブル」に基づいて、「一発抽選」によりSTモードに移行するか否か、STモードに移行する場合にはST継続率(ループ率)区分が決定される実施形態について説明した。しかし本発明はこれに限らず、次のように構成することができる。以下、重複記載を避けるために、第1〜第3の実施形態と同じ構成要素については、適宜省略して説明する。
(ST突入抽選)
この第4の実施形態は、STモードに移行するか否かを「1ゲームごとに抽選(ST突入抽選)」する抽選形態である点が、第1の実施形態のような図40の「ST継続率抽選テーブル」に基づく「一発抽選」でSTモードに移行するか否かを決定する抽選形態とは異なる。
本実施形態では、疑似ボーナス(疑似ボーナス1〜3)中において、1ゲームごとに実行される「ST突入抽選」を行うようになっている。
(ST突入抽選)
上記ST突入抽選は、STモードへの移行権利係る抽選であり、この抽選に当選した場合には、STモードへの移行が約束されることになる。
(ST突入抽選テーブル:図46)
上記ST突入抽選は、演出制御部410側において、図46に示す「ST突入抽選テーブル」に基づいて実行される。この「ST突入抽選テーブル」は、図示のように、少なくとも当選役種別に関連付けられたSTモード移行への抽選確率(判定値(当選領域)/抽選領域(65536))が定められている。また、STモード移行に当選した場合、STモードに移行した際の継続率の種別(継続率区分)が決定されるようになっている。たとえば、第1の実施形態の場合であれば、規定のST継続率が決定され、第2の実施形態および第3の実施形態の場合であれば、継続率区分が決定されてその区分に対応する、図46の「ST中疑似ボーナス抽選テーブル」が、STモード中で参照されることになる。
以上のように第4の実施形態では、疑似ボーナス中において、ST突入抽選が毎ゲーム実行され、STモードに移行するか否か、およびその継続率(継続率区分)が抽選される。これにより、疑似ボーナス中、毎ゲームごとにST突入期待感を遊技者に与えることができるので、疑似ボーナスが単なる消化ゲームと化して遊技が単調化することを防止できるようになる。
〔第5の実施形態:疑似ボーナス・ST突入抽選主制御部400側管理形態〕
上記第4の実施形態については、演出制御部410側において、ST突入抽選を実行する形態について説明した。しかし本発明はこれに限らず、上記ST突入抽選(図46)を主制御部400側において実行することができる。この場合、主制御部400側において、疑似ボーナス中であるか否か(疑似ボーナスの開始およびその終了)を管理可能に構成すれば良い。
疑似ボーナスの開始タイミングについては、疑似ボーナス移行直前の遊技モードである「LRAモード11、LRAモード21、LRAモード31」に移行した場合、次回のゲームにおいて、疑似ボーナスに移行される。したがって、主制御部400側において、「LRAモード11、LRAモード21、LRAモード31への移行を監視していれば、疑似ボーナスの開始のタイミングを把握することができる。
ところが疑似ボーナスの終了タイミングについては、第1の実施形態の場合、主制御部400側が把握することができない。疑似ボーナスは、AT1遊技の作用により発生し、その終了は、ベルナビ回数が所定回数実行されたことを条件に終了されるが、このベルナビ回数は演出制御部410側で管理されており、また主制御部400と演出制御部410とは、一方向通信により演出制御部410側から情報を送ることができない。したがって、このままでは、主制御部400側がAT1遊技の終了タイミングを知ることができない。主制御部400側が疑似ボーナス中であるか否かを把握するには、疑似ボーナスの終了タイミングをも把握する必要がある。
上記した疑似ボーナスの終了タイミングを主制御部400側で把握するには、第1の実施形態とは異なり、疑似ボーナスの終了そのものを主制御部400側で制御可能な構成とすれば良い。たとえば、主制御部400側において、ベルナビの実行およびその実行回数を管理可能な構成とし、ベルナビの実行回数が所定回数実行された場合、主制御部400側が演出制御部410側に対して、特定の演出制御コマンドを送信することにより、AT1遊技の終了を指定する。これにより、主制御部400が疑似ボーナスの終了タイミングを管理することができるようになる。
(押順ベル当選時アシスト報知100%の構成の場合)
具体的には、押順ベルが当選役として決定された場合に、演出制御部410側において、必ず「ベルナビ」を発生させる構成である場合には、押順ベルの当選回数自体がベルナビの発生回数となることから、主制御部400側において、押順ベル(当選番号22〜37の押順ベル)の当選回数を監視して、当該当選回数が所定回数に達した場合、AT1遊技の終了タイミングを演出制御部410側に指定することができる。たとえば、押順ベルが15回当選した場合、演出制御コマンドとして、疑似ボーナス1の終了を指定する「疑似ボーナス終了コマンド」を演出制御部410側に送信可能に構成すれば、演出制御部410側は、AT1遊技の終了タイミングを把握し、疑似ボーナス1を終了させることができる。
(押順ベル当選時アシスト報知100%未満の構成の場合)
また、押順ベルが当選役として決定された場合、演出制御部410側において、必ずしもベルナビを発生させるとは限らない構成とする場合には、主制御部400側において、ベルナビを実行させるか否かを管理可能に構成すれば良い。
具体的には、押順ベルが当選役として決定された場合、演出制御部410側に対して、アシスト報知(ベルナビ)を実行させるか否かを指定可能な構成とし、アシスト報知を演出制御部410に実行させる場合には、シスト報知を実行指示する情報(アシスト報知実行情報)を含ませた特定の演出制御コマンド(アシスト報知実行コマンド)を演出制御部410側に送信するとともに、アシスト報知実行回数を監視し、押順ベルのアシスト報知実行回数に達した場合、疑似ボーナスが終了される旨を演出制御部410側に指定することができる。たとえば、押順ベルのアシスト報知実行回数が15回に達した場合、演出制御コマンドとして、疑似ボーナス1の終了を指定する「疑似ボーナス終了コマンド」を演出制御部410側に送信可能に構成すれば、演出制御部410側は、AT1遊技の終了タイミングを把握し、疑似ボーナス1を終了させることができる。お、上記アシスト報知を実行指示する情報は、遊技開始情報コマンドに含ませても良い。
また、疑似ボーナスがゲーム数で管理される場合(所定の継続ゲーム数で終了する場合)、主制御部400側において、そのゲーム数を管理可能に構成し、疑似ボーナス中の消化ゲーム数を監視し、終了ゲーム数に達したか否かにより、上述した「疑似ボーナス終了コマンド」を、演出制御部410側に送信すれば良い。
上記のように構成することにより、主制御部400側が疑似ボーナス中であるか否かを把握可能な構成とすることができる。これにより、主制御部400側でST突入抽選(図46)を実行することができるようになる。
主制御部400側において、上記ST突入抽選(図46)を実行する構成とした場合には、次のような利点がある。
第1に、主制御部400側で疑似ボーナスの終了タイミングを把握可能な構成を利用し、PDモードと同じように、フリーズ状態が発生するタイミングを予定することができる。具体的には、疑似ボーナス終了ゲームで、フリーズ状態を発生させることができる。たとえば、現在、疑似ボーナス1であれば、ベルナビ回数が15回に達したそのゲームで、フリーズ状態を発生させることができる。これは第1の実施形態のように、フリーズ状態の発生がゲーム数で管理されているのではなく、「アシスト報知の実行回数」で管理することができることを意味する。またST突入抽選に当選した場合、PDモードと同じように当該当選ゲームで、または次回以降のゲームでフリーズ状態を発生させることもできる。
なお、疑似ボーナスがゲーム数(規定ゲーム数)で管理される場合には、PDモードと同じように、疑似ボーナス終了ゲームで、フリーズ状態を発生させることができる。この場合、疑似ボーナス移行時に、フリーズ状態が発生するゲーム数目を予定(決定)することができる。
以上のように第5の実施形態では、疑似ボーナス終了となるゲームにおいてフリーズ状態を発生させることができる。この点を利用し、ST突入抽選の抽選結果をフリーズ状態における演出(フリーズ中演出)を利用して報知することができる。
〔第6の実施形態:STモード主制御部400側管理形態〕
次に、第6の実施形態について説明する。上記で説明した第5の実施形態では、ST突入抽選を主制御部400側が実行するので、疑似ボーナス終了後に、STモードに移行するか否かをも主制御部400側で把握することができる。これを利用し、主制御部400側において、STモード中であるか否か(STモードの開始およびその終了)を主制御部400側で管理可能な構成とすることができる。なお、STモードの開始タイミングは上述の通り、ST突入抽選と疑似ボーナスが終了したか否かにより把握され、STモード終了タイミングは、STモード継続ゲーム数(30ゲーム)を監視することで、把握することができる。
なお、主制御部400側は、演出制御部410側に対し、STモード(AT2遊技)の開始タイミングおよび終了タイミングを知らせる演出制御コマンドを処理状態に応じて送信することで、これを知得させることができる。また、STモードは、第1の実施形態のように規定のST継続率に従うゲーム性を採用しても良いし、第2の実施形態またはおよび第3の実施形態のように、図44〜図45のST中疑似ボーナス抽選によるゲーム性を採用しても良い。
主制御部400側でSTモードを管理する場合には、次のような利点がある。
主制御部400側がSTモードの終了タイミングを把握できるので、PDモードと同じように、フリーズ状態が発生するタイミングを予定することができる。具体的には、STモード終了時、たとえば、30ゲーム目において、フリーズ状態を発生させることができる。また図44のST中疑似ボーナス抽選による抽選形態では、主制御部400側が抽選結果を把握することができので、当該疑似ボーナス抽選が当確状態の場合に、当該当選ゲーム、または次回のゲームでフリーズ状態を発生させることもできる。
これにより、フリーズ状態における演出を利用して、疑似ボーナス抽選の当否状態(継続するか否か)を報知することができる。なお、LRAモード1(第1の実施形態参照)とは別の「STモード」として管理し、SRA演出の発生確率をSTモード固有の発生確率となるように定めることができる。たとえば、通常モード(LRAモード1)よりも高確率、かつPDモードよりも低確率となるような中間的SRA発生確率としても良い。この場合、図44のST中疑似ボーナス抽選による抽選形態では、SRAの発生を考慮した抽選形態、具体的には、図36や図38に示す当選役種別とSRA種別とに基づく疑似ボーナス抽選形態とすることが好ましい。
〔第7の実施形態:アシスト報知主制御部側管理形態〕
また、主制御部400側でSTモードを管理する場合には、次のような特徴あるゲーム性を作り出すことができる。これについて、図47を参照しながら説明する。なお、この実施形態(第7の実施形態)は、上記第5の実施形態のように、主制御部400側において、アシスト報知の実行・非実行を管理可能な実施形態の一態様となっている。
図47に、主制御部400側において、STモードAまたはSTモードB中に利用されるアシスト報知(ベルナビ)の実行に係る抽選テーブルを例示する。
図47(イ)(A)の「押順ベル当選時アシスト報知指示抽選テーブル」は、押順ベルが当選役として決定された場合に現出すべきアシスト報知(本実施形態では、報知番号1〜5の「本告知」、「2択ナビ」、偽告知用の「ナビ無し1、ナビ無し2」、特殊アシスト報知)を実行指示するために利用するテーブルであり、複数種類のアシスト報知に対応した抽選確率(判定値(当選領域)/抽選領域(65536))が定められている。
また図47(イ)(B)の「押順ベル当選時疑似ボーナス抽選テーブル」は、押順ベル当選時アシスト報知指示抽選テーブルにより特定の報知番号が選択された場合、その報知番号に対応付けられた所定の押し順が実行されたか否かに応じて、疑似ボーナス抽選(判定値(当選領域)/抽選領域(65536))を行うための抽選テーブルである。
上記「押順ベル当選時アシスト報知指示抽選テーブル」と「押順ベル当選時疑似ボーナス抽選テーブル」とを利用して、次のようなゲーム性を作り出すことができる。
主制御部400は、押順ベル(当選番号22〜37)が当選役として決定された場合、上記「押順ベル当選時アシスト報知指示抽選テーブル(図47(イ)(A))」を参照して、報知番号1〜5のうちからいずれかの報知番号(アシスト報知種別)を決定する。そして、決定した報知番号情報を演出制御コマンドにより演出制御部410側に送信する。演出制御部410は、その報知番号情報に基づいて、今回のゲームで現出すべきアシスト報知を決定する。たとえば、報知番号1が選択された場合は、「本告知」が現出される。
このとき、全回胴停止時に、上記「押順ベル当選時疑似ボーナス抽選テーブル(図47(イ)(B))」が参照され、停止操作時の押し順が、報知番号に対応して定められた押し順(正解となる押し順)と一致した場合(同図条件の欄参照)、疑似ボーナス抽選が実行される。たとえば、今回のゲームの当選役として「中左右9枚ベル1(当選番号26)」が決定され、かつ「報知番号1」が選択された場合であれば「本告知」が現出されるが、このとき、遊技者が「中段ベル1」入賞となる「中左右」の押し順で回胴を停止操作すれば(押し順正解時)、‘327/65536’の確率で、疑似ボーナスに当選するようになっている(同図(B)の報知番号1の欄参照)。
なお、報知番号2と報知番号3とは、偽告知用の「ナビ無し」報知であるが、アシスト報知区分「報知番号2(ナビ無し2)」が選択された場合には、「左押し」を条件に‘8192/65536’の確率で、疑似ボーナス当選となり、報知番号2が選択された場合は、「ハズレ」扱いとなり、疑似ボーナス当選確率はゼロとなっている。
また、報知番号4の「2択ナビ指示」が選択された場合、「2択ナビ」の選択的アシスト報知が現出され、正解となる押し順であった場合には、100%の確率(65536/65536)で疑似ボーナスに当選するようになっている。この報知番号4の「2択ナビ」については、各押順ベル(当選番号22〜37)に対応したものが現出されるようになっており、疑似ボーナス当選となる押し順として、有利入賞役が入賞となる押し順が定められている。ただし、各押順ベル対応の演出態様(背景表示演出など)はそれぞれ同一のものが現出される。したがって、アシスト報知が現出された時点では、どの押順ベルに対応したアシスト報知であるのかが秘匿され、これにより、正解となる押し順が遊技者に悟られないようになっている。
たとえば、遊技者に悟られないアシスト報知態様として、「中左右9枚ベル1(当選番号26)」が当選した場合には、その報知内容として「‘中左右’または‘中右左’のいずれかを選択せよ」というアシスト報知がなされ、他方、「中右左9枚ベル1(当選番号29)」が当選した場合にも、報知内容として「‘中左右’または‘中右左’のいずれかを選択せよ」というアシスト報知がなされるようにし、さらに、これら演出態様(背景表示演出など)は同一のものが現出されるようにする。これにより、遊技者側に正解となる押し順を秘匿される。したがって、報知番号4の「2択ナビ」が現出された場合には、遊技者の恣意的な停止操作により、疑似ボーナスの当否が決定されることになる。これにより遊技者に対し、回胴の停止操作時における疑似ボーナス当選への期待感、緊張感を与えることができる。また、報知番号5の「特殊アシスト報知」の場合は、プレミアム的な位置付けとなっており、どのような押し順をしても100%疑似ボーナス当選、つまり特殊アシスト報知が現出された時点で、疑似ボーナス当選が確定する。このようなプレミアム的なアシスト報知の場合、当該アシスト報知がなされた時点で疑似ボーナス当確である旨を遊技者に知得させるような演出態様(たとえば、虹色背景表示のような専用の背景表示現出する)としても良いし、全停止に至るまで、または全回胴停止後に派手な演出を現出させても良い。後者の場合は、遊技者が通常通りに回胴を停止操作している段階で、インパクトのある演出が現出されるので、遊技者を吃驚させることでき、遊技の面白みを向上させることができる。
なお上記では、押順規定役に属する「押順ベル」を対象として説明したが、押順不問役に属する小役種に属する抽選対象役にも適用することができる。
具体的には、図47(イ)に示した「押順ベル」用の抽選テーブルと同じ機能を持つ抽選テーブルとして、図47(ロ)に示す「共通ベル当選時アシスト報知指示抽選テーブル(同図(A))」と、「共通ベル当選時疑似ボーナス抽選テーブル(同図(B))」とを設けることで、押順不問役に属する小役種についても同様の効果を発揮させることができる。
図47(ロ)は、図47(イ)に示した「押順ベル」用の抽選テーブルと同じ機能を発揮する抽選テーブルとして、押順不問役に属する「共通ベル3枚ベル(当選番号38)」または「共通ベル9枚ベル(当選番号39)」が当選した場合の抽選テーブルを例示したものである。図示の報知番号7〜11のそれぞれに対応する選択的アシスト報知(2択ナビ1〜2、3択ナビ1〜3)には、正解となる所定の押し順が割り当てられている。たとえば、2択ナビ1は‘中押し’が、2択ナビ2は‘右押し’が正解となる押し順として定められている。ただし、上記2択ナビ1〜2同士、3択ナビ1〜3同士は、演出態様がそれぞれ同一であり、これにより、遊技者側に正解となる押し順が秘匿されるようになっている。
たとえば、「2択ナビ1」が選択された場合、報知内容としては「‘中押し’または‘右押し’のいずれかを選択せよ」のアシスト報知がなされ、このとき、遊技者が‘中押し’を実行すれば、疑似ボーナス当選となる。この場合も、既に説明した押順ベルに関する「2択ナビ」と同様に、遊技者の恣意的な停止操作により疑似ボーナスの当否が決定されるので、遊技者に対し、回胴の停止操作時における疑似ボーナス当選への期待感、緊張感を与えることができる。
以上のようにこの第7の実施形態においても、主制御部400側において、疑似ボーナス抽選による当否状態を把握することができる。この点を利用し、PDモードと同じように、フリーズ状態が発生するタイミングを予定し、フリーズ中演出により、疑似ボーナスの抽選結果を報知することができる。具体的には、STモード終了ゲーム(30ゲーム目)において、フリーズ状態を発生させることができる。また疑似ボーナス当確状態の場合には、当該当選ゲームで、または次回のゲームでフリーズ状態を発生させることもできる。また、他の抽選対象役については、図44の「ST中疑似ボーナス抽選テーブル」に基づいて、疑似ボーナス抽選を行うことができる。
なお、上記ではSTモード中を例にして説明したが、他の遊技モードにおいても、本実施形態の抽選形態を適用することができる。また、どのような抽選対象役に適用するのかも、適宜設定することができる。
〔第8の実施形態:ST中疑似ボーナス当選時、疑似ボーナス即移行形態〕
上記第6および第7の実施形態では、疑似ボーナス抽選(図44、図47)の抽選結果が当選となった場合(疑似ボーナス当確状態)、PDモードのように、当該当選ゲームで、または次回のゲームでフリーズ状態を発生させることができる点について説明した。特に、疑似ボーナス当確状態を報知したにもかかわらず、STモードを消化しなくては疑似ボーナスに移行することができない場合、STモード(疑似ボーナス当確状態後のSTモード)が単なる消化ゲームの様相を呈する恐れがある。特にSTモードが中ベースモードである場合には、いち早く、高ベースである疑似ボーナスに移行させ、ゲーム数を間延びさせることなく、スピーディーにSTモードと疑似ボーナスとをループさせることが好ましい。
そこで、この第8の実施形態では、疑似ボーナス当確状態となった場合、当該当選ゲームで、または次回のゲームでフリーズ状態を発生させることができる点を利用し、PDモードのように、ゲーム数短縮機能を利用して、その発生ゲーム、または次のゲームから疑似ボーナス(ST中疑似ボーナスや疑似ボーナス1〜3)に移行させることができる。つまり、STゲームの規定継続ゲーム数である30ゲーム消化前に、疑似ボーナスに移行可能な構成である。これにより、高ベースである疑似ボーナスの移行を早めることができるので、遊技展開がスピーディーになり、遊技者は気持ち良く遊技に興じることができる。
なお、上記第1〜第8の実施形態において説明したSTモードは、疑似ボーナスを経由して移行するものとして説明したが、通常モードから移行可能に構成しても良い。たとえば、通常モード中における疑似ボーナス抽選(たとえば、図36の通常中疑似ボーナス抽選テーブル)により当選した場合、所定の確率で移行可能なように構成することができる。また、STモードの移行が決定された場合には、図29〜図33に示すモード移行テーブルを利用して、STモードへの当選について、フリーズ中演出により報知することができる。たとえば、図31のLRAモード3中モード移行テーブルに表記の「移行せず」の欄の箇所を「STモード移行」とし、第1の実施形態と同じモード移行形態として、STモード移行となった場合、LRAモード11、LRAモード21またはLRAモード31と同様の制御内容により、フリーズ状態を発生させることができる。
〔第9の実施形態:フリーズ発生ゲーム数短縮機能について〕
上記第1の実施形態では、PDモード中に疑似ボーナス当確状態となった場合、PDモードの規定ゲーム数を短縮する形態について説明した。しかし、疑似ボーナス当確状態となった場合に規定ゲーム数を短縮させず、最終ゲーム目にフリーズ状態を発生させる形態としても良い。この場合、最終ゲーム目においては、疑似ボーナス当確状態であるか否かに応じて、当確状態であれば図35(E)の抽選テーブルを、非当確状態であれば同図(F)の抽選テーブルを利用することができる。本実施形態も第1の実施形態と同様に、複数ゲーム目後にフリーズ状態が発生すること自体は予め決定されているが、フリーズ状態の種類、つまりフリーズ中演出の種類(PDRA1〜3)については、最終ゲーム目またはそれ以前の内部抽選の結果に関連して(内部抽選の結果に基づく疑似ボーナス抽選に関連して)決定されるようになっている。このように、フリーズ中演出種別自体は、フリーズ状態の発生予定ゲームまでに決定されることで、いずれのフリーズ中演出が発生するかに期待を寄せながら遊技に興じることができ、遊技者をより一層楽しませることができるようになっている。
この第9の実施形態では、最終ゲーム目(10ゲーム目)においては、当該ゲームにおける内部抽選の結果とは一切無関係に、特定の回胴演出を100%発生させるようにし、その最終ゲームまでの間は(1ゲーム〜9ゲーム目の間)、他の回胴演出(SRA1〜6)により期待感を煽る、といったゲーム性を作り出すことができる。
また第9の実施形態では、第1の実施形態と同様に、フリーズ状態の発生が予定された最終ゲーム目においてPDRA1〜3が発生しうるために、その最終ゲーム目にPDRA1〜3(フリーズ中演出種別)のいずれの回胴演出が発生するかという抽選が、PDモード開始1ゲーム目〜最終ゲーム目までの複数ゲーム(10ゲーム間)に亘って実行されている。これにより遊技者は、最終ゲーム目(フリーズ状態発生予定ゲーム)に向けて、当選期待度の高いフリーズ状態種別(たとえば、PDRA3)を発生させられるかに期待を寄せながら遊技に興じることができるので、複数ゲームに亘って遊技者に疑似ボーナス当選期待感を維持させることができる。
なお、規定ゲーム数を短縮しないといった関係上、一度、疑似ボーナス当確状態となった後は、重複した当確となるSRA演出を回避するために、再度、疑似ボーナス当確状態に係るSRA種別は発生させないようにすることが好ましい。重複発生はくどい演出となりうるためである。たとえば、今回のゲームで当選番号40の「弱スイカ」に当選し、SRA種別抽選により「SRA5」が決定された場合について説明すれば、このケースでは、疑似ボーナス当確状態となる(図28、図38、図43参照)。この疑似ボーナス当確状態となった以降のゲームにおいて、たとえば、当選番号41の「強スイカ」に当選し、SRA種別抽選により「SRA6」が選択された場合は、「SRA6」に替えて、当確状態とはならないSRA1〜5のいずれかを発生させるように構成することが好ましい。
また、特定の抽選対象役が当選した場合には、短縮機能を作用させても良い。たとえば、中段チェリーリプレイの場合、当該役がプレミアム的な位置付けであることを考慮し、中段チェリーリプレイが当選した場合には、例外的に、当該当選ゲームでPDRA3を発生させ、これにより当確状態である旨を‘即報知’しても良い。
〔第10の実施形態:回胴演出(SRA)の変形例3〕
上記した各実施形態では、SRA1〜6がそれぞれ異なる動作態様の回胴演出であるとして説明した。しかしこれに限らず、SRA1〜6の一部または全部を実質的同一(同一の動作態様、または、見かけ上、同一の動作態様(遊技者がその違いを認識できない程度の酷似した動作態様))の動作態様とすることができる。たとえば、SRA1とSRA4とを、SRA2とSRA5とを、SRA3とSRA6とを実質的同一の動作態様の回胴演出とすることができる。
この第10の実施形態では、疑似ボーナス当確状態を秘匿可能とすることができる。詳述するに、たとえば、当選番号40の「弱スイカ」に当選し、SRA種別抽選(図28)により「SRA5」が決定された場合、疑似ボーナス当選(疑似ボーナス当確状態)となるが(図38のPDモード中疑似ボーナス抽選テーブルの「弱スイカ」の欄を参照)、遊技者側から見れば、それが「SRA2」であるか「SRA5」であるのか把握することができず、疑似ボーナス当否状態が秘匿されることになる。これにより、発生したSRA種別により、疑似ボーナスの当否状態を推測する要素を与えることができる。
なお、疑似ボーナス当否状態を秘匿する、といった意義を没却しないために、疑似ボーナス抽選に当選して疑似ボーナス当確状態となったとしても当該当選ゲームでこれを報知せず、次回ゲーム以降(たとえば、当該当選ゲームから所定のゲーム数目)、またはPDモードの最終ゲーム目(10ゲーム目)に報知可能な構成とすることが好ましい。
〔第11の実施形態:フリーズ禁止期間について〕
上記第1の実施形態では、フリーズ状態の発生タイミングが予定された場合であっても、そのフリーズが発生するまでの遊技期間は、それ以外のフリーズ状態の発生を制限しない構成について説明した。しかし本発明はこれに限らず、フリーズ状態の発生タイミングが一度予定された場合、そのフリーズ状態が発生するまでの遊技期間中(たとえば、PDモードであれば1〜9ゲーム目まで、STモードであれば1〜29ゲーム目まで)、フリーズ状態を一切発生させない構成(フリーズ制限状態)とすることができる。
このフリーズ制限状態では、所定のゲーム数目(ここでは、PDモード終了時の最終ゲーム目とする)においてフリーズ状態の発生予定がある場合、当該発生予定とされるゲーム目に至るまでの遊技期間は、当該フリーズ状態を優先的に発生させるための優先期間であるとして、フリーズ状態を一切発生させない構成とすることができる。たとえば、PDモードの開始ゲーム(1ゲーム目)からフリーズ発生予定の最終ゲーム目直前のゲーム数目(9ゲーム目)までの遊技期間は、フリーズ状態が発生せず、最終ゲーム目(10ゲーム目)に、目的とするフリーズ状態を発生させる。
なお、上記フリーズ制限状態については、たとえば、図28の「回胴演出抽選テーブル」に基づいて、SRA種別(SRA1〜6のいずれか)を内部的には抽選するが、決定したSRA種別の識別情報については、図38の疑似ボーナス抽選テーブルに基づく抽選情報だけに利用して、SRA自体は発生させない構成とすることができる。この場合、図38に示すように、疑似ボーナス抽選を通常モードよりも有利なものすることができるので、疑似ボーナスへの当選期待感を煽るといったPDモードのような遊技モードの特性が崩れることがないという利点がある。
また、上記フリーズ制限状態では、SRA発生による疑似ボーナス当確状態を秘匿することができるので、フリーズ状態発生予定となる最終ゲーム目が、遊技者が最も関心を寄せるゲーム数目となる。
また、たとえば、抽選対象役として、当選すれば100%フリーズ状態(フリーズ中演出)が発生するような役を設けた場合において、フリーズ状態の発生が予定され、当該フリーズ状態が発生するまでは、その特定の抽選対象役に起因するフリーズ状態を制限したい場合、つまり、遊技者に対して当該予定されるフリーズ状態に注目させ、それ以外のイレギュラーなフリーズ状態を制限したい、といった遊技性に利用する場合に好適である。
しかし上記したように、実行予定のフリーズ状態が発生するまで、他のフリーズ状態を一切発生させない構成ではなく、たとえば、特定の当選役(たとえば、プレミアム役である中段チェリーリプレイ)により疑似ボーナス当確状態となった場合には、予定されたゲーム数をキャンセルして、当該当選ゲームでフリーズ状態を発生可能な構成としても良い。この場合、ゲーム消化中に、突然、当確状態報知用回胴演出(PDRA3)のような回胴演出を発生させることがきるので、遊技者に与えるインパクトは大きいものになる。
〔第12の実施形態:LRAモード・PDモード移行に係る抽選対象役について〕
上記した第1の実施形態では、図10に示すように、各LRAモードの移行契機となる抽選対象役として、リプレイ役種(通常リプレイ1〜12)を採用した例について説明した。しかし本発明はこれに限らず、LRAモードの移行契機となる抽選対象役を「小役種」とすることができる。この場合、通常リプレイ1〜12と類似する特徴を持つ「押順ベル」を対象とすることが好ましい。その理由は次の通りである。
第1に、実質的に同一の性質を持つ抽選対象役が複数種類あり、このような役に対してモード移行に係る押し順の振り分けを定めることは設計上容易であり、また制御負担が無闇に増加してしまうことを回避しうる点、第2に、複数種類の抽選対象役同士で、当選により入賞が許容される図柄の組合せに共通性があり、各役に対してモード移行に係る押し順の振り分けを定めることで、モード移行条件を複雑化することができ、遊技者が意図的に回胴の停止操作をした場合であっても、イレギュラーなモード移行の発生率を防止しうる点、第3に、疑似ボーナスに当選した場合、比較的短いゲーム数で特殊回胴演出が発生するLRAモード11、21、31に移行可能である、つまり、LRAモードの移行契機に適用する各抽選対象役の合算当選確率が相対的に高確率である点などが挙げられる。上記の点で、本実施形態に係る押順ベルは、LRAモードの移行契機となる抽選対象役として好適である。
上記押順ベルのうち、通常リプレイと同一の種類数(計12種類)の「押順9枚ベル(当選番号26〜37:合算当選確率=約1/2.16)」を、遊技モード移行契機となる抽選対象役として採用したケースを図48〜図50を参照して説明する。
図48〜図50は、押順9枚ベル(当選番号26〜37)を遊技モード移行契機となる抽選対象役として採用した場合のモード移行テーブルを示すものである。
押順9枚ベルについて、図48(A)は、LRAモード1中モード移行テーブル、図48(B)は、LRAモード2中モード移行テーブル、図49(C)は、LRAモード3中モード移行テーブル、図49(D)LRAモード(LRAモード10、LRAモード20、LRAモード30)特殊回胴演出準備モード移行テーブル、図50は、PD準備モード中モード移行テーブルであり、これら押順ベル9枚に係る移行テーブルは、通常リプレイに係る図29〜図33に相当するもので、その基本的構成は同じものである。なお、押順9枚ベルを適用した例では、LRAモード1〜LRAモード3まで昇格移行させる際には、中段ベル1を入賞させてモード移行を報知することができるようになっている。通常リプレイ1〜12の場合、既に説明したように、LRAモード1〜LRAモード3に昇格移行させる際には、条件装置番号6の「右下リプレイ」が入賞するようになっている。
〔第13の実施形態:フリーズ状態発生予定ゲーム数前に係る演出態様について〕
上記各実施形態において、フリーズ状態の発生タイミングを予定することができる構成とした場合、そのフリーズ状態(フリーズ中演出)が発生する前段階において、フリーズ状態の発生予定が迫っていることを報知しうる「前兆演出(回胴演出および/または演出手段による所定の演出態様)」を発生可能に構成することができる。
この第13の実施形態は、具体的には、フリーズ状態の発生予定のゲーム数目までの残余ゲーム数に基づき、所定の演出を現出可能な構成である。たとえば、上記第6の実施形態を代表的に説明すれば、STモード終了ゲーム数である30ゲーム目にフリーズ状態の発生が予定されている場合、その手前のゲーム数、たとえば、27ゲーム目から29ゲーム目までのSTゾーンC中において、残余ゲーム数を減算表示するカウントダウン式の表示演出を行い、フリーズ中演出の発生が迫っていることを煽るような演出態様が挙げられる。これにより、フリーズ中演出の発生予定があることに関して遊技者の興味を引くことができる。
また、疑似ボーナス当否状態(たとえば、図44または図47の疑似ボーナス抽選の抽選結果)に応じて、前兆演出態様を異なるものとすることができる。この場合、疑似ボーナス当否状態を報知しうるフリーズ中演出が現出される前段階において、当選であるか否かの推測要素を遊技者に与えることができる。その結果、30ゲーム目に近づいていくにつれて、遊技者の当選に対する期待感や高揚感を高めることができ、遊技の面白みを向上させることができる。
〔第14の実施形態〕
上記した実施形態では、フリーズ状態の発生タイミングを決定付ける要素として、特定の抽選対象役の当選回数やアシスト報知の実行回数(たとえば、第5の実施形態参照)、または、特定の遊技モード下における規定ゲーム数(たとえば、第1の実施形態、第5の実施形態参照)について説明した。しかし本発明はこれに限らず、次の要素を利用することもできる。
たとえば、小役種の入賞による払い出し枚数を監視して、規定の払い出し枚数に達したことを条件(たとえば、「N≧払出枚数100枚」の関係を満たした場合、フリーズ状態の発生を許容する)とすることができる。また、他の要素として、特定の入賞役(1または複数種類でも良い)の入賞回数(たとえば、中段リプレイ1の入賞回数、特定の払出枚数を伴う入賞役の入賞回数など)であっても良い。また、上述の条件を満たした場合の当該ゲームにフリーズ状態を発生させても良いし、次回のゲーム以降の所定のゲーム数目に発生させても良い。
上記した各実施形態については、複数の実施形態を組合せた構成とすることができる。また、上記した各実施形態については、特定の遊技モードについて例にして説明したものがあるが(たとえば、PDモードを例にした実施形態)、当該特定の遊技モードに限り適用可能ではなく、当然に、他の遊技モード(たとえば、通常モード、STモード、または疑似ボーナス)に適用可能に構成することができる。
上記した各実施形態では、機械的に駆動される回胴を利用した回胴式遊技機について説明したが本発明はこれに限らず、たとえば、画像表示を利用した演出的な回胴を利用した演出回胴式の遊技機についても適用することができ、本発明の目的を達成しうるものであれば回胴の形態は特に制限されない。また上記した実施形態では、遊技媒体として遊技メダルを利用したものについて説明したが、遊技媒体は特にメダルに制限されない。たとえば、弾球遊技機に利用されるような遊技球であっても良いし、電磁気的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもの)を利用した遊技媒体であっても良い。また上記した実施形態ではRT0遊技とRT1遊技の複数種類のRT遊技を設けた例について説明したが、本発明はこれに限らず、単一のRT遊技、つまり、一般遊技中は、リプレイ確率が変動しない遊技状態であっても良い。
上記した実施形態(特に第1の実施形態)は次のように構成することができる。なお、括弧内は実施形態における対応要素を示すが、これに限定されるものではない。
(イ)複数種類の図柄が表示された複数の回胴を有し、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を導出表示する遊技結果表示手段(回胴装置210)と、
所定のゲーム開始条件の下(たとえば、1ゲームが開始可能となる賭数が設定されることを条件に)、各回胴を回転させるための始動手段(回胴回転始動レバー11)と、
前記始動手段の始動操作を契機に、複数種類の役に関する抽選を行い、当選役を決定する役抽選手段(図11(S16の内部抽選処理)、図6A〜6B)と、
各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させるための複数の停止手段(回胴回転停止ボタン12a、12b、12c)と、
前記停止手段の停止操作を契機に、前記当選役に対応する図柄の組合せが前記遊技結果として導出表示されうるように回胴を停止制御する停止制御手段(図11のS19(回胴停止処理))と、
所定の実行条件に基づき、遊技進行を通常の遊技進行よりも遅延させる遅延状態を実行制御する遅延状態制御手段(図11のS17(回胴演出管理処理)、図12(S108〜S109)、図17、図11のS18(回胴回転開始設定処理)、図18(S205〜S206))と、
前記遅延状態中に、遊技に関連する遅延状態中演出(回胴演出および/または演出手段による演出:フリーズ中演出)を実行制御可能な遅延状態中演出実行制御手段(図11のS17(回胴演出管理処理)、図12〜図17、演出制御部410)と、を備え、
前記遊技結果に応じた遊技価値を遊技者に付与可能に構成された回胴式遊技機であって、
所定の設定条件が成立した場合、以後のゲームにおいて前記遅延状態制御手段により前記遅延状態が実行される実行予定ゲームを、あらかじめ定められた複数ゲーム先に予定する予定ゲーム数設定手段(図20(S406〜S409)、図29、図33)を備え、
前記遅延状態制御手段は、
前記実行予定ゲームにおいて、当該実行予定ゲームに係る前記役抽選手段の抽選結果を契機とすることなく(当該実行予定ゲームにおける前記役抽選手段の抽選結果にかかわらず)前記遅延状態を実行制御する予定遊技遅延状態制御手段(図16(S194〜S195)、図18(S203〜S206)、図43)を含む、
ことを特徴とする回胴式遊技機。
(2)また前記遅延状態には、複数種類の遅延状態(図35(D)〜(F))が含まれ、
前記予定遊技遅延状態制御手段により実行制御される遅延状態を、前記複数種類の遅延状態のうちからいずれかの遅延状態に決定する遅延状態種別決定手段(図15(S172〜S175)、図16(S195)、図35(D)〜(F)、図43)をさらに備え、
前記遅延状態種別決定手段は、
前記予定ゲーム数設定手段により前記実行予定ゲームが予定されてから当該実行予定ゲームまでのゲームおいて、少なくとも前記役抽選手段の抽選結果に基づいて(たとえば、前記役抽選手段の抽選結果および/または当該抽選結果に起因する所定条件が成立することに基づいて)、前記複数種類の遅延状態のうちからいずれかの遅延状態に決定する(図9、図15、図38、図43)、
ことを特徴とする上記(イ)に記載の回胴式遊技機。
また、次のように構成することができる。
(ロ)複数種類の図柄が表示された複数の回胴を有し、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を導出表示する遊技結果表示手段(回胴装置210)と、
所定のゲーム開始条件の下、各回胴を回転させるための始動手段(回胴回転始動レバー11)と、
前記始動手段の始動操作を契機に、遊技モード移行契機役(たとえば、通常リプレイ1〜12)を含む複数種類の役に関する抽選を行い、当選役を決定する役抽選手段(図11のS16(内部抽選処理)、図6A〜6B)と、
各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させるための複数の停止手段(回胴回転停止ボタン12a、12b、12c)と、
前記停止手段の停止操作を契機に、前記当選役に対応する図柄の組合せが前記遊技結果として導出表示されうるように回胴を停止制御する停止制御手段(図11(S19の回胴停止処理))と、
所定の実行条件に基づき、遊技進行を通常の遊技進行よりも遅延させる遅延状態を実行制御可能な遅延状態制御手段(図11のS17(回胴演出管理処理)、図12(S108〜S109)、図17、図11のS18(回胴回転開始設定処理)、図18(S205〜S206))と、
前記遅延状態中に、遊技に関連する遅延状態中演出を実行制御可能な遅延状態中演出実行制御手段(図11のS17(回胴演出管理処理)、図12〜図17、演出制御部410)と、
を備え、
複数種類の遊技モード下でゲームが実行可能に構成され、前記遊技結果に応じた遊技価値を遊技者に付与可能に構成された回胴式遊技機であって、
前記遅延状態には、通常遅延状態(たとえば、SRA1〜6(図28))と特殊遅延状態(たとえば、LRA1〜6(図34))とを含む複数種類の遅延状態が含まれ、
前記遊技モードには、
前記遅延状態制御手段により前記特殊遅延状態が実行されない低確遊技モード(たとえば、LRAモード1)と、前記遅延状態制御手段により前記特殊遅延状態が実行されうる高確遊技モードと少なくとも含む複数種類の遊技モード(たとえば、LRAモード11、21、31)が含まれ、
前記役抽選手段により前記遊技モード移行契機役が前記当選役として決定された遊技モード移行契機役当選ゲームである場合、前記停止手段の停止操作手順に基づいて、現在の遊技モードから他の遊技モードに移行制御可能に構成された遊技モード移行制御手段(図20(S405〜S407、S411)、図29〜図32のモード移行テーブルなど)と、を備える、
ことを特徴とする回胴式遊技機。
前記遅延状態制御手段は、
前回のゲームにおいて前記遊技モード移行制御手段により前記低確遊技モードから前記高確遊技モードに移行された場合、今回のゲームにおいて前記役抽選手段による抽選結果によらず(前記役抽選手段の抽選結果を契機とすることなく)、前記特殊遅延状態を実行する(図10、図13(S115〜S117)、図20(S405〜S406、S411)、図34)、
ことを特徴とする上記(ハ)に記載の回胴式遊技機。
また、次のように構成することができる。
(ニ)複数種類の図柄が表示された複数の回胴を有し、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を導出表示する遊技結果表示手段(回胴装置210)と、
所定のゲーム開始条件の下、各回胴を回転させるための始動手段(回胴回転始動レバー11)と、
前記始動手段の始動操作を契機に、遊技モード移行契機役を含む複数種類の役に関する抽選を行い、当選役を決定する役抽選手段(図11のS16(内部抽選処理)、図6A〜6B)と、
各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させるための複数の停止手段(回胴回転停止ボタン12a、12b、12c)と、
前記停止手段の停止操作を契機に、前記当選役に対応する図柄の組合せが前記遊技結果として導出表示されうるように回胴を停止制御する停止制御手段(図11(S19の回胴停止処理))と、
所定の実行条件に基づき、遊技進行を通常の遊技進行よりも遅延させる遅延状態を実行制御可能な遅延状態制御手段(図11のS17(回胴演出管理処理)、図12(S108〜S109)、図17、図11のS18(回胴回転開始設定処理)、図18(S205〜S206))と、
前記遅延状態中に、遊技に関連する遅延状態中演出を実行制御可能な遅延状態中演出実行制御手段(図11のS17(回胴演出管理処理)、図12〜図17、演出制御部410)と、
を備え、
複数種類の遊技モード下でゲームが実行可能に構成され、前記遊技結果に応じた遊技価値を遊技者に付与可能に構成された回胴式遊技機であって、
前記遅延状態には、通常遅延状態(たとえば、SRA1〜3)と特殊遅延状態(たとえば、LRA1〜6、またはPDRA1〜3)とを含む複数種類の遅延状態が含まれ、
前記遊技モードには、
前記特殊遅延状態の実行確率が所定確率に定められた高確遊技モード(たとえば、LRAモード11、21、31、またはPDモード)と、当該高確遊技モードよりも前記特殊遅延状態の実行確率が相対的に低確率である低確遊技モード(たとえば、LRAモード1)とを少なくとも含む複数種類の遊技モードが含まれ、
所定の移行条件に基づき、初期の前記低確遊技モードに移行制御する初期遊技モード移行手段(LRAモード1への移行:たとえば、図11のS11(初期設定処理)、図20のS410(モード移行終了管理処理:図21)、S405〜S406→S411の処理ルート)と、
前記役抽選手段により前記遊技モード移行契機役が前記当選役として決定された遊技モード移行契機役当選ゲームである場合、前記停止手段の停止操作手順に基づいて、現在の遊技モードから他の遊技モードに移行制御可能に構成された遊技モード移行制御手段(図20のS405〜S409、S411、図29〜図33のモード移行テーブルなど)と、を備え、
前記高確遊技モードは、
前記遊技モード移行制御手段により前記初期の低確遊技モードから、少なくとも1つの他の前記低確遊技モードを経由する段階的な遊技モード移行により移行制御可能に構成された(図10(LRAモード1から他のLRAモードを経由してLRAモード11、21、31への移行、LRAモード1からPD準備モードを経由してPRモードへの移行)、図20のS405〜S409、S411、図29〜図33のモード移行テーブルなど)
ことを特徴とする回胴式遊技機。
また、次のように構成することができる。
(ホ)複数種類の図柄が表示された複数の回胴を有し、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を導出表示する遊技結果表示手段(回胴装置210)と、
所定のゲーム開始条件の下、各回胴を回転させるための始動手段(回胴回転始動レバー11)と、
前記始動手段の始動操作を契機に、再遊技の付与を伴う再遊技役を含む複数種類の役に関する抽選を行い、当選役を決定する役抽選手段(図11(S16の内部抽選処理)、図6A〜6B)と、
各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させるための複数の停止手段(回胴回転停止ボタン12a、12b、12c)と、
前記停止手段の停止操作を契機に、前記当選役に対応する図柄の組合せが前記遊技結果として導出表示されうるように前記回胴を停止制御する停止制御手段(図11のS19(回胴停止処理))と、
遊技に関連する演出を現出するための演出手段(液晶表示装置6、装飾ランプ13(演出LED基板380)、スピーカ16など)と、
前記演出手段に対する演出の実行制御を行う演出制御手段(演出制御部410)と、
所定の条件に基づき、前記役抽選手段により前記再遊技役が前記当選役として決定される抽選確率が、通常の遊技状態(RT0遊技)よりも高確率である再遊技高確率状態(RT1遊技)に制御する再遊技高確率遊技制御手段(図11のS22(再遊技RT設定処理)と、を備え、
前記遊技結果に応じた遊技価値を遊技者に付与可能に構成された回胴式遊技機であって、
前記役抽選手段の抽選対象となる役には、
前記停止制御手段により、前記複数の停止手段を操作する押し順が所定の手順である場合には第1の所定量の遊技媒体の付与を伴う第1の図柄の組合せを前記遊技結果として導出表示されうる一方、当該押し順が当該所定の手順とは異なる手順である場合には前記第1の所定量よりも少ない第2の所定量の遊技媒体の付与を伴う第2の図柄の組合せを前記遊技結果として導出表示されうるように定められ、当該所定の手順が異なる複数種類の押順規定役(たとえば、押順ベル(図6Bの当選番号22〜37))が含まれ、
前記演出制御手段は、
前記役抽選手段により前記押順規定役が前記当選役として決定された場合、その当選役に対応した前記押し順に関する情報を報知するアシスト報知を前記演出手段に対して実行制御するアシスト報知制御手段(演出制御部410、図26(S619))と、
所定の移行条件に基づき、一の報知状態と他の報知状態との間を移行制御する報知状態移行制御手段(演出制御部410、図26(S612、S614))と、を備え、
前記報知状態には、前記再遊技高確率状態下における報知状態として、通常報知状態、第1の有利報知状態、および第2の有利報知状態を含む複数種類の報知状態が含まれ(非AT遊技、AT1遊技、AT2遊技、図9(通常モード、疑似ボーナス、STモード))、
前記アシスト報知制御手段は、
前記第1の図柄の組合せを前記遊技結果として導出表示させるための前記押し順に関する情報を報知する特定のアシスト報知(本告知によるベルナビ)の報知確率が、前記第2の有利報知状態、前記第1の有利報知状態、および前記通常報知状態の順に相対的に低確率となるように構成される、
ことを特徴とする回胴式遊技機。
前記第2の図柄の組合せに係る前記第2の所定量をゼロに定めた、
ことを特徴とする上記(ヘ)に記載の回胴式遊技機。
なお、上記(ホ)に係る報知状態のうち、通常報知状態は通常モードに係る「非AT遊技」、第1の有利報知状態はSTモードに係る「AT2遊技」、第2の有利報知状態は疑似ボーナスに係る「AT1遊技」が相当する。また第2の図柄の組合せは、たとえば、入賞による遊技メダルの払い出し枚数を0枚とする図柄の組合せ、または遊技メダルの払い出しを伴わないとする図柄の組合せとすることができる(ゼロ枚入賞役)。
本発明は、AT遊技を発生可能な回胴式遊技機に有用である。
1 遊技機筐体、
2 前扉、
3 表示窓(回胴視認部)、
3a 入賞ライン、
4 表示窓(液晶画面視認部)、
5a、5b、5c 回胴、
6 液晶表示装置、
6a 表示画面(液晶画面)、
7 メダル投入口、
8 MAXベットボタン、
9 1ベットボタン、
10 貯留メダル精算ボタン、
11 回胴回転始動レバー、
12a、12b、12c 回胴回転停止ボタン、
13 装飾ランプ、
14 操作パネル部、
15 返却ボタン、
16 スピーカ
17 装飾パネル部、
18 メダル受け皿、
19 メダル払出口、
210 回胴装置、
310 外部集中端子基板、
330 回胴中継基板、
340 演出I/F基板、
340a 入力バッファ回路、
350 払出中継基板、
360 停止スイッチ基板、
370 遊技中継基板、
380 LED基板、
400 主制御基板(主制御部)、
401 マイクロコンピュータ(主制御基板側)、
401a メインROM、
401b メインRAM、
401c メインCPU、
401d CTC、
401e 割り込みコントローラ回路、
402 I/Oポート回路、
403 カウンタ回路、
404 I/F回路、
404a 出力バッファ回路、
405 I/F回路、
406 I/F回路、
407 モータ駆動回路、
408 スイッチ入力回路、
410 演出制御部、
420 演出制御基板、
421 マイクロコンピュータ(演出制御基板側)、
421a サブROM、
421b サブRAM、
421c サブCPU、
421d CTC、
421e 割り込みコントローラ回路、
422 I/Oポート回路、
423 カウンタ回路、
430 回胴設定基板、
440 電源基板、
450 払出制御基板、
460 液晶制御基板、
500 ホッパーユニット、
510 ホッパーモータ、
520 メダル払出センサ。

Claims (2)

  1. 複数種類の図柄が表示された複数の回胴を有し、各回胴の停止時の図柄の組合せにより遊技結果を導出表示する遊技結果表示手段と、
    所定のゲーム開始条件の下、各回胴を回転させるための始動手段と、
    前記始動手段の始動操作を契機に、遊技モード移行契機役を含む複数種類の役に関する抽選を行い、当選役を決定する役抽選手段と、
    各回胴のそれぞれに対応して設けられ、前記回胴の回転を個別に停止させるための複数の停止手段と、
    前記停止手段の停止操作を契機に、前記当選役に対応する図柄の組合せが前記遊技結果として導出表示されうるように回胴を停止制御する停止制御手段と、
    所定の実行条件に基づき、遊技進行を通常の遊技進行よりも遅延させる遅延状態を実行制御可能な遅延状態制御手段と、
    前記遅延状態中に、遊技に関連する遅延状態中演出を実行制御可能な遅延状態中演出実行制御手段と、
    を備え、
    複数種類の遊技モード下でゲームが実行可能に構成され、前記遊技結果に応じた遊技価値を遊技者に付与可能に構成された回胴式遊技機であって、
    前記遅延状態には、通常遅延状態と特殊遅延状態とを含む複数種類の遅延状態が含まれ、
    前記遊技モードには、
    前記遅延状態制御手段により前記特殊遅延状態が実行されない低確遊技モードと、前記遅延状態制御手段により前記特殊遅延状態が実行されうる高確遊技モードと少なくとも含む複数種類の遊技モードが含まれ、
    前記役抽選手段により前記遊技モード移行契機役が前記当選役として決定された遊技モード移行契機役当選ゲームである場合、前記停止手段の停止操作手順に基づいて、現在の遊技モードから他の遊技モードに移行制御可能に構成された遊技モード移行制御手段と、を備える、
    ことを特徴とする回胴式遊技機。
  2. 前記遅延状態制御手段は、
    前回のゲームにおいて前記遊技モード移行制御手段により前記低確遊技モードから前記高確遊技モードに移行された場合、今回のゲームにおいて前記役抽選手段による抽選結果にかかわらず、前記特殊遅延状態を実行する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の回胴式遊技機。
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