以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。
<機械的構成:図1>
本発明の一実施形態に係る遊技機として、回胴式遊技機を例にとり説明する。図1は、本実施形態に係る回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技機本体として、図1に示すように、遊技に供する各種遊技部品を収納するための遊技機筐体1と、遊技機筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備えている。前扉2には、そのほぼ中央に第1の表示窓3が、またその上側に第2の表示窓4が設けられている。
下側の第1の表示窓3は回胴視認部であり、回胴装置210の横並びに3個配設された回胴5a、5b、5c(以下、必要に応じて、回胴5aを「左回胴5a」、回胴5bを「中回胴5b」、回胴5cを「右回胴5c」と称する)が、この回胴視認部3に臨ませて、遊技者側から視認しうるように設けられている。
回胴5a、5b、5cは、その外周に複数種類の図柄が表示された図柄配列帯を有しており、各回胴5a、5b、5cの停止時の図柄の組合せによって遊技結果が導出表示する回胴装置210(遊技結果表示手段)を構成している。本実施形態では、回胴視認部3を介して、各々3個程度(計9つ程度)の図柄が視認可能となっている。
<図柄配列帯200:図2>
図2は、各回胴5a、5b、5cが有する図柄配列帯200を例示したものである。同図に示す「1ST」図柄配列帯は左回胴5aに、「2ND」図柄配列帯は中回胴5bに、「3RD」図柄配列帯は右回胴5cに対応している。
図柄配列帯200には、役に関する内部抽選(役抽選)により当選した役(当選役)に対応する図柄の組合せを構成するための図柄(構成要素図柄)が表示されている。本実施形態の場合、その図柄種として、上弾、下弾、赤7、BAR、リプレイ、ベルA、ベルB、スイカA、スイカB、チェリーなどの複数種類の図柄が設けられている。これらの図柄が回胴の回転方向に計20コマ配置され、図柄の並び順に沿って図柄番号0番〜19番のコマ番号が割り当てられている。本実施形態の場合、上弾図柄と下弾図柄とは、2つの図柄で一つの有意な模様や絵柄等の意匠を構成するようになっており(たとえば、上弾図柄と下弾図柄とで「砲弾」を模した図柄となる)、各回胴において、上弾図柄と下弾図柄が連続して配置されている。
各回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図3参照)により回転駆動され、これにより、図柄の変動表示および停止表示が実現される。なお、各回胴は、回胴駆動モータのような電気的駆動源を用いて回転および停止される機械的な回胴に限定されず、本発明の目的を達成できるものであれば、後述する液晶表示装置6のような画像表示装置に表示され、画像上で回転または停止が行われる演出的な回胴であっても良い。この場合の画像表示装置は、複数種類の図柄(識別情報)の変動表示動作を実行可能に構成され、遊技結果を導出表示する遊技結果表示手段の一態様として機能する。また、回胴の数は3個に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できるものであれば、その数は適宜変更することができる。
回胴視認部3には、ここを斜めに横断する形で、入賞ライン3a(本実施形態では、単一の入賞ライン)が定められている。この入賞ラインは、単位遊技(1ゲーム)に対する所定の賭数(ベット(BET)数)が設定されると有効として扱われる。この有効とされた入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」と称する)上において、各回胴5a、5b、5cが停止した際の停止図柄の組合せが、当選役に対応する図柄の組合せとなった場合、その図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与されるようになっている。たとえば、遊技メダルの払い出しを付与しうる役に当選し、これに対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止した場合、遊技機筐体1内のホッパーユニット500(メダル払出装置:図3参照)が作動し、配当として、所定枚数分の遊技メダルが払い出される。この遊技メダルは、遊技者が遊技を開始する際に必要なものであり、遊技価値を有するものである。
なお、入賞ラインを複数本設ける場合には、単位遊技(1ゲーム)に対するベット数に応じて有効として扱われるライン数を変化させることができる。また入賞ライン3aは、本発明の目的を達成できるものであれば、その本数やライン形態は特に限定されない。
また第1の表示窓3(回胴視認部3)の上側に設けられた第2の表示窓4は「液晶画面視認部」であり、前扉2の裏側に装着された画像表示装置としての液晶表示装置6(LCDユニット)の表示画面(液晶画面)6aに対応して、たとえば、回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。この液晶画面6aが液晶画面視認部4に臨ませて、遊技者側から視認しうるように設けられている。この液晶表示装置6(液晶画面6a)には、遊技に関する演出が画像により表示される。
回胴視認部3の下方の段部には、遊技媒体である遊技メダルを投入するためのメダル投入口7、貯留装置(遊技機に投入された遊技メダル、または入賞によって獲得した遊技メダルを所定の上限数(最大クレジット枚数:たとえば、50枚)まで貯留して、その貯留数(クレジット枚数)を電磁的方法によって記憶可能とする機能部(クレジット手段))にクレジットされた範囲内において、1ゲームに対して許容される賭数(1ゲームに対して投入可能な遊技メダル数)の上限値(最大賭数:たとえば、遊技メダル3枚)まで遊技メダルを一度に疑似投入しうるMAXベットボタン8、押した回数に応じて上記賭数の上限値まで遊技メダルを加算的に疑似投入しうる1ベットボタン9、クレジット精算を行うためのクレジット精算ボタン10などが設けられている。またMAXベットボタン8の内部には、MAXベットボタン8の操作が許容状態であることを報知するためのMAXベットLED39(図3参照)が内蔵されている。
また回胴視認部3の上記段部の下側には、横長状に形成された操作パネル部14が設けられている。この操作パネル部14には、メダル投入口7内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン15、回胴5a、5b、5cの回転を開始させるための始動レバー11、各回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための3個の停止ボタン12a、12b、12c(左回胴停止ボタン12a、中回胴停止ボタン12b、右回胴停止ボタン12c)が設けられている。本明細書中では、特に必要のない限り、停止ボタン12a、12b、12cを「停止ボタン12」と略称する。
前扉2の裏面側のメダル投入口7に対応する位置には、メダル投入口7に投入された遊技メダルが正規か否かを選別して、正規の遊技メダルをホッパーユニット500側に導くメダルセレクタ(図示せず)が設けられている。このメダルセレクタには、投入された遊技メダルを検出するメダル検出センサ7aが設けられ、また、投入された遊技メダルを、遊技機内部において、ホッパーユニット500に受け入れるためのメダル受入通路側と、メダル受け皿18側に誘導するためのメダル返却通路側とを切り換え可能に構成されたブロッカーソレノイド7cによる通路切換機構が設けられている(図3参照)。
また回胴視認部3の下部側には、横長状に形成された遊技パネル77が設けられている。この遊技パネル77の内側には、遊技者に対し、現在の遊技進行具合・遊技状況を報知するための各種の表示部(図3参照)が配設されている。図1Aに、遊技パネル77における各種の表示部を示す。
図1Aを参照して、遊技パネル77には、
(a)遊技メダルの投入枚数(現在の賭数)を報知する「投入枚数表示部(投入枚数表示LED31、32、33)」、
(b)クレジット枚数を表示する「クレジット枚数表示器(クレジット枚数表示部)34」、
(c)遊技結果(入賞)に応じて払い出される遊技メダルの枚数を報知する「払出枚数表示器(払出枚数表示部)35」、
(d)遊技メダルの投入が受付可能状態であるか否かを報知する「メダル投入表示LED36(メダル投入表示部)」、
(e)再遊技が作動中(再遊技中)であるか否かを報知する「再遊技作動LED(再遊技作動表示部)37」
(f)始動レバー11の操作が有効(遊技開始可能状態(回胴始動可能状態))であるか否かを報知する「遊技開始表示LED(遊技開始表示部)38」等の表示部が設けられている。
クレジット枚数表示器34や払出枚数表示器35は、7セグメント表示器により現在のクレジット枚数情報や遊技結果に応じた払い出し枚数情報を報知可能に構成されている。また、投入枚数表示LED33、メダル投入表示LED36、再遊技作動LED37、遊技開始表示LED38などは、その内蔵LEDの発光態様(消灯・点灯(点滅)、発光色など)により、現在の投入枚数、遊技メダルの投入が受付可能か否か、再遊技が作動中であるか否かの遊技状況を報知可能に構成されている。詳細は後述するが、払出枚数表示器35は、アシスト情報を報知するための主報知手段として機能する。
また操作パネル部14の下方には、色彩や文字や絵柄が施された装飾パネル部17が設けられ、この装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられている。このメダル受け皿18の遊技機本体側には、ホッパーユニット500(遊技媒体払出手段:図3参照)から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルをメダル受け皿18側に排出するためのメダル払出口19が開口している。
また回胴視認部3の左右両側には、装飾ランプ13(光演出手段)が設けられている。この装飾ランプ13は、フルカラーLEDやELランプ等の発光手段を内蔵し、その発光態様(発光色や発光パターン)により、遊技に関する光演出効果を発揮する。また前扉2の前扉上部両側と前扉下部両側には、スピーカ16(音演出手段)が設けられている。スピーカ16は、遊技に関する音楽や効果音を出力して、遊技に関する音演出効果を発揮する。なお図示していないが、遊技者が操作可能に構成され、その操作の前後で演出手段による演出に変化をもたらす際に利用される「演出用ボタン(演出用操作手段)」が遊技機の適所(たとえば、上記回胴視認部3の下方の段部)に設けられている。
ここで本発明における演出手段については、視覚、聴覚、触覚など、人間の五感を刺激することにより演出効果を発揮可能な手段であれば良く、装飾ランプ13やLED、図柄照射用バックライトLEDなどの光発生手段、演出表示装置、スピーカ16などの音響発生装置、遊技者の体に振動を伝える加振装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、または可動体役物などはその代表例である。なお上記演出表示装置とは、画像表示装置と同じく、視覚に訴える表示装置を意味するが、画像によらないもの(たとえば、7セグメントによる表示装置)も含む点で画像表示装置とは異なる。液晶表示装置6は画像表示装置の代表例であるが、画像表示装置の場合は主として画像表示により演出を表現するタイプを指し、7セグメントの表示装置のように画像以外の表示により演出を表現するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
<制御装置:図3〜図4>
次に、図3を参照して、本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置について説明する。図3は、遊技動作制御を行うための制御装置の構成の概要を示す制御ブロック図である。なお、図1、図1Aと同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置は、遊技動作制御全般を司る主制御基板400(以下、「主制御部400」と称する)と、主制御部400から演出制御コマンドを受けて、演出動作制御(演出手段に対する演出の現出(実行)制御)全般を司る演出制御部410(演出制御手段)と、外部電源から遊技機に必要な電源を生成し供給する不図示の電源基板(電源制御手段)とを中心に構成される。演出制御部410は、演出制御基板420と液晶制御基板460とを含んで構成され、液晶制御基板460には液晶表示装置6が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
主制御部400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7aと、MAXベットボタン8の操作を検出するMAXベットスイッチ8aと、1ベットボタン9の操作を検出する1ベットスイッチ9aと、クレジット精算ボタン10の操作を検出するクレジット精算スイッチ10aと、始動レバー11の操作を検出する始動スイッチ11aと、各停止ボタンの操作をそれぞれ検出する停止スイッチ12a’、12b’、12c’を搭載した停止スイッチ基板360とが接続され、主制御部400はこれらからの検出信号を受信可能となっている。また主制御部400には、遊技中継基板370を介して、ブロッカーソレノイド7cが接続され、主制御部400は、ブロッカーソレノイド7cに対してソレノイド制御用の励磁信号を送信可能となっている。
また主制御部400には、遊技中継基板370を介して、遊技表示基板390が接続されている。この遊技表示基板390には、投入枚数表示LED31〜33、メダル投入表示LED36と、再遊技作動LED37、遊技開始表示LED38、MAXベットLED39(MAXベットボタン8内蔵LED)などのLED表示器が搭載されており、主制御部400は、これら表示器を制御する制御信号を送信可能となっている。さらに遊技表示基板390には、クレジット枚数表示器34や払出枚数表示器35などの7セグメント表示器が搭載されており、主制御部400は、これら7セグメント表示器を制御する発光制御信号を送信可能となっている。
なお図示はしていないが、始動レバー11、停止ボタン12a、12b、12c、1ベットボタン9、および/またはクレジット精算ボタン10には、その内部にLEDが設けられており、そのLEDの発光態様(たとえば、発光色)により、上記のレバー操作やボタン操作の有効または無効が遊技者に報知可能となっている。
また主制御部400には、回胴中継基板330を介して、回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211cが接続され、主制御部400は、これら回胴駆動モータを駆動させるための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部400には、回胴中継基板330を介して、回胴位置検出センサ(各回胴に設けられ、回胴の現在の回転位置(基点からの現在位置)や回胴の回転を検出するためのセンサ(インデックスセンサ))212a、212b、212cが接続され、主制御部400は、これら回胴位置検出センサからの検出信号を受信可能となっている。主制御部400は、これら回胴位置検出センサからの検出信号に基づき、各回胴の現在位置や回転状態を把握する。
また主制御部400には、払出中継基板350を介して、遊技メダルの払い出しを実行するホッパーユニット500(払出装置)が接続されている。このホッパーユニット500は、投入された遊技メダルを貯留するホッパータンク(図示せず)と、ホッパータンクを支持する本体部(図示せず)とを中心に構成されている。この本体部には、ホッパータンクに貯留された遊技メダルを捕捉して、遊技メダルをメダル受け皿18に向けて排出するためのメダル排出機構(図示せず)や、そのメダル排出機構を駆動するホッパーモータ510や、ホッパーモータ510を駆動制御するための払出制御基板(払出制御手段)450や、メダル排出機構により排出される遊技メダルを検出するメダル払出センサ520などが設けられている。
主制御部400は、遊技メダルの払い出しが必要な場合、払出制御基板450に対して払い出し枚数を指定する「払出制御コマンド」を送信する。払出制御基板450は、払出制御コマンドを受信すると、ホッパーモータ510を駆動制御してメダル排出機構を動作させ、ホッパータンクに貯留された遊技メダルを、メダル受け皿18に向けて1枚ずつ払い出す。払い出された遊技メダルは、メダル払出センサ520により検出される。主制御部400は、メダル払出センサ520の検出信号に基づいて、遊技メダルの払い出し状態やその払い出し枚数を監視する。
また主制御部400には、払出中継基板350を介して、満杯検知金具(オーバーフローセンサ)600が接続されている。この満杯検知金具600は、ホッパーユニット500から溢れた余剰の遊技メダル貯留するための補助タンク(図示せず)の満杯状態を監視するためのセンサであり、主制御部400は、満杯検知金具600からの検出信号に基づき、遊技機内部に貯留された遊技メダルが満杯状態であるか否かを監視する。
また主制御部400には、外部集中端子基板310が接続されており、主制御部400は、この外部集中端子基板310を介して、遊技機外部に配置されたホールコンピュータHCに対し、所定の遊技情報(たとえば、ゲーム開始情報、遊技メダルの払出枚数、入賞の発生、ボーナス遊技の発生などの特定の遊技情報)を送信可能となっている。ホールコンピュータHCは、主制御部20から送られてくる情報に基づき、パチンコホールの遊技機の稼働状況を管理する管理コンピュータであり、遊技機外部に配設されている。
また主制御部400は、保安電子通信技術協会(保通協)で実施される型式試験に対応して、遊技動作をリアルタイムに特定する型式試験信号を外部集中端子基板310から出力可能な構成となっている(後述の図11の条件装置信号出力処理(ステップS107)、図12参照)。なお、型式試験に適合した遊技機をパチンコホールに設置する際には、その適合した制御プログラムの変更は一切認められていない。このため、パチンコホールに設置後も型式試験信号が繰り返し出力されることになる。
また主制御部400には回胴設定基板430が接続され、回胴設定基板430からの検出信号を受信可能となっている。回胴設定基板430には、図示はしていないが、所定の遊技動作エラー(たとえば、補助タンクの満杯状態に関する満杯エラーや、遊技メダルの払い出しに関する払出エラー)を解除するための「リセットスイッチ」や、設定値を変更する際に操作する「設定変更スイッチ(設定キースイッチ、設定スイッチ)」などが配設されている。回胴設定基板430は、これらスイッチが操作されたことによる検出信号を主制御部400に送信可能となっている。
上記「設定値」とは、遊技者に作用する利益状態などの特定事象の発生し易さに関連する等級についての値を意味し、主に、抽選対象役の内部抽選確率(図5A、図5B)やAT抽選確率(図19)などの抽選確率を、段階別(たとえば、設定1〜6の6段階)に規定するもの、換言すれば、遊技者が享受可能な利益の期待値を段階別に規定するものであり、専ら、ホール(遊技店)の営業戦略に基づき、ホール店員により適宜設定される。本実施形態では、設定値1〜6の順で機械割(出玉率)が高くなるように定められており、設定値が高くなるほど遊技者に有利に作用するようになっている。
また主制御部400には、演出I/F(インターフェース)基板340を介して、演出制御部410を構成する演出制御基板420が接続されている。この演出制御基板420の主な役割は、演出手段に対する演出の現出制御である。具体的には、主制御部400からの演出制御コマンドの受信に関するコマンド受信、演出制御コマンドに基づく演出決定、液晶制御基板460への液晶制御コマンドの送信、スピーカ16の音制御、装飾ランプ13やLEDの発光制御、可動体役物(図示せず)の動作制御などである。
上記した演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して、液晶制御基板460が接続されている。この液晶制御基板460の主な役割は、演出制御基板420からの液晶制御コマンドの受信、液晶制御コマンドに基づく液晶表示装置6の画像表示制御などである。
次に図4を参照して、主制御部(主制御基板)400および演出制御部410に関する回路構成とその機能について具体的に説明する。ここでは、演出制御部410として、主制御部400に接続されている演出制御基板420に着目しながら説明する。
図4は、図4に示す主制御部400および演出制御基板420の回路構成を概略的に示すブロック図である。先ず、主制御部400の回路構成について説明する。
<主制御部(主制御基板)400>
主制御部400は、図示のように、メインCPU401cを内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、メインROM401aと、メインRAM401bとを搭載したマイクロコンピュータ401(本実施形態では、Z80システム相当品)を中心に構成され、その他、周辺基板間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するインターフェース(I/F)回路404〜406、モータ駆動回路407、およびスイッチ入力回路408を含んで構成されている。
メインROM401aは、遊技動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(主制御側記憶手段)として機能し、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に要する各種データ、たとえば、回胴の停止制御用データを定めた「停止テーブル(図示せず)」、内部抽選用データを定めた「役抽選テーブル(図5A、図5B)」、AT抽選に関するデータを定めた「AT抽選テーブル(図19)」、フリーズ演出抽選に関するデータを定めた「フリーズ演出抽選テーブル(図20)」、役抽選結果に基づいて設定される各種データ(当選番号、小役当選情報、当選役変換情報、指示モニタ番号、役グループ番号等:後述の図22A、図22B参照)、内部当選フラグを設定するための「当選フラグ設定テーブル(図示せず)」、回胴の停止制御用データを定めた「停止テーブル(図示せず)」などの遊技動作制御に必要な種々のデータ群が格納されている。
またメインRAM401bはワークエリアやバッファメモリとして機能し、メインCPU401cが上記遊技動作制御プログラムを実行していく際に、遊技の進行に伴い生成される遊技データが処理状態に応じて格納され利用される。この遊技データには、たとえば、内部抽選に利用される内部抽選用乱数値、内部抽選結果情報(当選役情報(当選番号情報))、現在の遊技状態情報、フリーズ演出抽選結果情報、AT抽選結果情報、遊技結果情報(停止図柄情報(入賞役情報)、小役当選情報、当選役変換情報、指示モニタ番号、役グループ番号、遊技動作用タイマ、賭数設定情報(遊技メダル投入枚数)、クレジット枚数情報、払出枚数情報など、遊技の進行に必要な種々のデータが含まれ、メインRAM401bにはこれら遊技データを保存するための設定領域が設けられている(たとえば、図23(A)のワークエリア参照)。
上記のマイクロコンピュータ401は、上述のメインROM401a、メインRAM401b、メインCPU401cの他、CTC(Counter Timer Circuit)401dや、割込機能(メインCPU401cに割込み信号を付与するタイマ割込機能や割込禁止機能)を発揮する割り込みコントローラ回路401eなどを含んで構成されている。
CTC401dは、8bitのカウンタやタイマを集積した回路であり、Z80システムに周期的割り込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するものである。そこで本実施形態では、CTC401dを利用して、メインCPU401cに1.5ms程度の時間間隔でタイマ割込み(図16参照)をかけている。
カウンタ回路403は、乱数生成手段として機能し、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値として取得し、その乱数値を内部抽選(役抽選)に利用する。また、後述のAT抽選(図19)やフリーズ演出抽選(図20)では、適宜なソフトウェア処理によるソフト乱数を利用している。
メインCPU401cは、所定の単位遊技開始条件の下(遊技開始条件となる賭数が設定された場合)、始動レバー11が操作されると、上記内部抽選用乱数値と後述の役抽選テーブル(図5A、図5B)とに基づいて、いずれの役に当選したのか、そうでない「ハズレ」であるのかを役抽選(内部抽選)により決定し、その抽選結果情報を所定の処理が終了するまでメインRAM401bの所定領域に格納(設定)する。この抽選結果情報は、原則として、1ゲーム毎にクリアされるようになっている。
(役抽選テーブル:図5A、図5B)
図5Aおよび図5Bに、本実施形態に係る役抽選テーブルの概要を示す。本実施形態では、各遊技状態(後述のRT0〜RT3遊技中、BB内部当選遊技中(BB内部中)、ボーナス遊技中(BB中)など)に応じた役抽選テーブルが設けられている。また、これら役抽選テーブルは、設定値(たとえば、設定値1〜6)ごとに対応した役抽選テーブルが設けられている。図示では、設定値6に対応する役抽選テーブルを代表例として示し、他の設定値に対応する役抽選テーブルについては、重複記載を避けるために省略する。
上記役抽選テーブルには、図示のように、内部抽選の対象となる役(抽選対象役)に対応した当選領域(判定値)を有する抽選領域(本実施形態の抽選領域の大きさは、65536となっている)が定められており、これにより各役の当選確率(判定値/抽選領域の大きさ(65536))が規定されている。本実施形態の場合、内部抽選の対象となる役として、不当選(ハズレ)を含む51種類の抽選対象役が設けられている(各役については、図6A〜図6Dにて後述する)。主制御部400は、上記「役抽選テーブル」を参照し、内部抽選乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、いずれの役に当選したのか、不当選(ハズレ)であるのかを決定する。
また本実施形態では、遊技状態に応じて、特定の抽選対象役や、特定の抽選対象役の当選確率が異なるようになっている。たとえば、RT1遊技中とRT2遊技中とでは、特定の抽選対象役やハズレ確率が異なり、RT1遊技中よりもRT2遊技中の方がリプレイ役種の当選確率が高確率とされ、ハズレは低確率とされる。なお詳細は後述するが、図示のRT0〜RT3遊技は、特別役種が内部当選中ではない「一般遊技(非BB内部当選遊技中)」であり、「BB内部中」とは、特別役種のBB1またはBB2が内部当選中の遊技状態(BB内部当選遊技中:RT4遊技)であり、RT遊技の一態様である。なお「遊技状態」とは、RT遊技種別、AT遊技種別、または遊技機全体として捉えた「RT遊技種別+AT遊技種別」を意味し、必ずしもRT遊技やAT遊技の実行状態だけを捉えた遊技状態を意味するものではない。
図4の説明に戻り、主制御部400からは、処理状態を特定可能な制御情報(指令情報)としての「演出制御コマンド」が、演出制御基板420とのI/F回路404が備える出力バッファ回路404aを介して出力される。この演出制御コマンドは、演出I/F基板340を通して、その内部に設けられた主制御基板400用の入力バッファ回路340aを介して演出制御基板420に入力されるようになっている。このような主制御部400からの演出制御コマンドは、一方向通信により演出制御基板420に送信される。つまり演出制御部410側は、一方向通信における入力としてのみ、機能するようになっている。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が、演出制御部410を介して主制御部400に入力されることを防止するためである。
I/F回路としては、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、およびその他の基板とのI/F回路406が設けられている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
モータ駆動回路407は、マイクロコンピュータ401(メインCPU401c)の制御の下、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するための駆動パルス信号を供給し、回胴5a、5b、5cの回転制御および停止制御を行う。
回胴の回転制御は、所定の遊技開始条件の下、始動レバー11の操作を確認したことを条件に行われる。具体的には、マイクロコンピュータ401は、メダル検出センサ7a、MAXベットスイッチ8a、または1ベットスイッチ9aからの検出信号に基づく規定枚数(遊技開始可能となる投入枚数)の遊技メダルが投入されたことを確認すると、始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力の受付を有効化、つまり「遊技開始可能状態」に設定する。この遊技開始可能状態の下で、始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力を確認した場合、モータ駆動回路407を介して回胴駆動モータ211a、211b、211cを駆動制御し、各回胴5a、5b、5cを回転始動させ、その後、各回胴を略一定速度で回転させる。これにより、各回胴を回転させる回転動作を実現している。
また回胴の停止制御は、回胴の回転中において、停止ボタン12の操作を確認したことを条件に行われる。具体的には、マイクロコンピュータ401は、停止スイッチ12a’、12b’、12c’からの操作検出信号の入力を確認した場合、特定位置(たとえば、回胴視認部3の最下段水平方向の下段ライン上に相当する位置:図7参照)に存在する図柄番号を取得してこれを「停止操作図柄番号」とし、所定の停止テーブル(図示せず)に基づき、その停止操作図柄番号からどれだけのコマ数(滑りコマ数)分移動させて回胴を停止させるかを割り出し、目的の位置に回胴を停止させる停止動作を実現している。上記特定位置に存在する図柄番号(停止操作図柄番号)は、回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号に基づき、現在、基点となる位置からどれだけの移動量で回胴が回転しているかを監視することで把握される。
上記停止テーブルには、最大引き込みコマ数範囲内(たとえば、4コマ)で、停止操作図柄番号に対応する滑りコマ数を定めた停止データが定められている。この停止テーブルには、主として、内部抽選結果に応じて選択される複数種類の停止テーブルであり、たとえば、各回胴ごとに滑りコマ数を定めた停止テーブルや、回胴の停止操作手順(停止操作タイミングおよび停止操作順番(押し順)の少なくともいずれか一方)に応じて選択される停止操作順用停止テーブルなど、役抽選結果(当選役)に対応する図柄の組合せを有効入賞ライン上に停止させるための種々の停止テーブルが含まれる。斯様な停止テーブルにより、特定の図柄を有効ライン上に最大引き込みコマ数範囲内において引き込んで停止させる、所謂「引き込み制御」が実現される。
この「引き込み制御」とは、停止ボタン12が操作されたタイミングで有効入賞ライン上に存在する当該当選役の構成要素図柄(当選役に対応する図柄の組合せを構成しうる図柄)を除き、所定の滑りコマ数(最大引き込みコマ数(本実施形態では最大4コマ))の範囲内に有効入賞ライン上に停止可能な当選役の構成要素図柄(当選役に対応する図柄の組合せを構成しうる図柄)が存在する場合、その図柄を有効入賞ライン上に引き込む形態で回胴の停止位置を制御する停止制御態様である。したがって、停止ボタン12が操作されたタイミングで有効入賞ライン上に当選役の構成要素図柄が存在する場合には、そのまま当該構成要素図柄が停止し(ビタ止まり)、有効入賞ライン上に当選役の構成要素図柄が存在しない場合であっても、当該構成要素図柄が上記停止操作図柄番号から最大引き込みコマ数分引き込んで有効入賞ライン上に停止可能であれば、基本的にはその図柄が有効入賞ライン上に引き込まれて停止される。これにより、当選役に対応する図柄の組合せ(入賞役)を有効入賞ライン上に成立させる回胴の停止制御が実現される。
このような引き込み制御の特性を利用し、各回胴の図柄配列帯における図柄配置構成や停止操作図柄番号に応じた滑りコマ数などを定めれば、当選役の構成要素図柄を、停止操作手順によらず、有効入賞ライン上に停止可能にしたり(引き込み率100%にする)、停止操作手順によっては、最大滑りコマ数引き込んでも有効入賞ライン上に停止不可能にしたりする(所謂「取りこぼし」の発生を可能にする)ことができる。また一の回胴と他の回胴とで、特定の図柄に関しての引き込み率が異なるようにすることもできる。これにより、特定の当選役に対応する図柄の組合せを停止操作手順によらず100%または100%未満の引き込みを可能にしたり、取りこぼしが発生した際に、リーチ目やチャンス目などの特殊な停止目を導出可能としている。
ただし、内部抽選によりいずれの役にも当選していない「不当選」、つまり「ハズレ」の場合には、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止させない回胴の停止位置が決定される。したがって、「ハズレ」となったゲームでは、回胴の停止操作手順にかかわらず、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止することはなく、遊技結果は常に「ハズレ」とされる。なお、どのような図柄種をどのような引き込み率に定めるかは、当選役に係る図柄の組合せ、各回胴の図柄配置構成、有効入賞ライン等の関係により、適宜定めることができる。
<演出制御部410(演出制御基板420)>
次に、演出制御部410の演出制御基板420について説明する。
演出制御基板420は、サブCPU421c(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、サブROM421a(演出制御ROM)と、サブRAM421b(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータ421を中心に構成され、その他、CTC401dと同様の機能を持つCTC421d、サブCPU421cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路421e、演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路423などを含んで構成されている。また演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して、液晶制御基板460と、スピーカ16や装飾ランプ13(演出LED基板380)や可動体役物(図示せず)などの各種の演出手段とが接続されている。
上記サブROM421aは、演出動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(演出制御側記憶手段)として機能し、演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、演出動作制御に必要な種々のデータが格納されている。
またサブRAM421bはワークエリアやバッファメモリとして機能し、サブCPU421cが上記演出制御プログラムを実行していく際に、遊技の進行に伴い生成される演出データが処理状態に応じて格納され利用される。この演出データには、たとえば、演出抽選用乱数値、現在の演出制御部側の遊技状態(演出状態)情報、演出シナリオデータなどの演出を現出する際に必要な種々の演出用のデータが含まれる。
またカウンタ回路423は、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを含む。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて(たとえば、演出制御コマンドを受信したタイミング)上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。この演出用乱数値は、たとえば、予告演出に関する演出パターンを決定するための抽選に利用される。
また演出制御基板420は、主制御部400からの演出制御コマンドを受けて、光、音、または可動体役物による演出を現出するために、装飾ランプ13や各種演出用LED(たとえば、図柄照射用バックライトLED)を含む光表示装置に対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置に対する音響制御部(音源LSI)、可動体役物を動作させるための可動体役物モータに対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。演出制御基板420は、これら制御部に対し、演出手段を制御するための制御信号を送信可能となっている。
また演出制御基板420には、可動体役物に対する位置検出スイッチ(図示せず)が接続され、その検出信号を受信可能となっている。演出制御基板420は、上記位置検出スイッチからの検出信号に基づき、可動体役物の原点位置(初期位置)から現在の位置を把握し、可動体役物の動作制御を実行し、また可動体役物の動作の不具合(正常動作か否か。たとえば、動作後、原点位置に正しく戻っているか否かなど)を監視する。
また演出制御基板420には、遊技者が操作可能な演出用ボタン(図示せず)のスイッチが接続され、演出制御基板420は、演出用ボタンからの操作検出信号を受信可能となっている。
液晶制御基板460は、演出制御基板420から受信した液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置6の表示制御を司る表示制御部を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像(キャラクタ)ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
演出の現出制御については、マイクロコンピュータ421(サブCPU421c)が、主制御部400から送られてくる演出制御コマンドに基づき、今回のゲームで現出すべき1または複数種類の演出パターン(演出シナリオ)を決定する。そして、決定した演出パターンに基づき、効果音や光演出の発生が必要なタイミングで、上記音響発生装置や光表示装置に対して専用の制御信号(音制御信号、光制御信号)を送信したり、液晶表示装置6に表示する画像再生が必要なタイミングで、液晶制御コマンドを液晶制御基板460に対し送信したりする。液晶制御基板460は、演出制御基板420からの液晶制御コマンドを受け、それに応じて表示駆動信号を生成し、表示駆動信号を液晶表示装置6に供給して、画像表示演出を実行させる。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置6による演出画像の表示、スピーカ16からの音の再生、装飾ランプ13や演出用LEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターンが時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
上記「演出シナリオ」とは、1または複数種類の演出パターンを含んで構成される広義の意味での演出であり、複数種類の演出パターンからなる演出シナリオの場合、個々の演出パターンは、その演出シナリオを構成する一要素(パーツ演出)としての役割を果たす。これにより、演出パターンに対応する効果音の再生、または装飾ランプ13やLEDなどの点灯点滅駆動、あるいは液晶表示装置6による画像表示演出が実現され、時系列的に種々の演出パターンが次々に、あるいは複数同時に展開されることにより、目的とする演出が現出されることになる。斯様な演出には、遊技に係る種々の演出態様が含まれ、内部抽選結果情報に関する情報を報知しうる予告演出(役報知演出)、遊技状態に関連する情報を報知しうる状態報知演出、後述のアシスト報知演出などはその代表例である。
またマイクロコンピュータ421(サブCPU421c)は、主制御部400から送られてくる遊技状態移行に係る遊技情報を含む特定の演出制御コマンド(現在の遊技状態(内部遊技状態を含む)を指定したり、遊技状態が移行される旨を指定したりする、といった主制御部側で管理される遊技状態に関する情報を含む演出制御コマンド)を受けて、これに基づいて複数種類の演出状態間を移行制御可能な構成となっている。詳しくは、演出制御部410は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有し、主制御部400から送られてくる上記特定の演出制御コマンドに基づいて、主制御部400側で管理される遊技状態(たとえば、後述のRT0〜RT3遊技、AT0〜AT3遊技、BB内部当選遊技中(RT4遊技)、ボーナス遊技中など)と整合性を保つ形で、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。また演出制御部410は、遊技状態に関連した演出モードを管理する機能部(演出状態管理手段)を有し、上記の特定の演出制御コマンドにより、主制御部400側で管理される遊技状態を把握し、主制御部側と整合性を保つ形で、演出モードを管理可能に構成されている。
また演出制御基板420の割込端子INT(図示せず)は、コマンド伝送ラインのうち、主制御部400側がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU421cは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またサブCPU421cは、メインCPU401cとは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、メインCPU401c(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部410(演出制御基板420)にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、サブCPU421c(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、メインCPU401cによりアクティブ状態に制御される。また液晶制御コマンドの送信に際しては、演出制御基板420は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板460にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。
<役構成について:図6A〜図6D>
次に図6A〜図6Dを参照しながら、本実施形態に係る役構成について説明する。図6A〜図6Dは、本実施形態に係る抽選対象役の種類(抽選対象役種別)、その抽選対象役が当選した場合の当選役に対応した図柄の組合せ(入賞役種別)とその役名称、その図柄の組合せを成立させるための停止操作手順、および配当(遊技価値)などの関係を例示したものである。
なお、図6A〜図6Dに示す「左回胴」「中回胴」「右回胴」のそれぞれの欄に対応する図柄は、回胴5a、5b、5cにおける有効入賞ライン上の停止図柄を示す。また図中の「押し順」の欄に関する「左」「中」「右」の表記について、「左」は停止操作対象が左回胴5a、「中」は中回胴5b、「右」は右回胴5cを意味し、同欄の「左中右」や「第1停止左」などの表記は、同図の「入賞役種別」の欄に対応した図柄の組合せを成立させる回胴の停止操作順番(押し順)を示す。たとえば、上記「中右左」の表記は、左回胴5a、中回胴5b、および右回胴5cの順に回胴を停止させることを意味し、「第1停止左」の表記は、第1番目の停止操作を左回胴5aとする押し順を意味する。以下、説明の便宜上、必要に応じて、第X番目の停止操作を「第X停止」と略し、「第X番目に停止操作対象とする回胴」を「第X停止左」「第X停止中」「第X停止右」等と略す。ただし、図示の抽選対象役種別の中には、その役が当選した場合、その当選役に対応する図柄の組合せを入賞させる条件として、押し順だけでなく目押し(特定の停止操作タイミング)を要する場合もある。
本実施形態では、図6A〜図6Dに示す通り、複数種類の抽選対象役(抽選番号1〜50)が設けられている。これら抽選対象役は、「特別役種」に属するものと、「一般役種」に属するものとに大別され、さらに「一般役種」は、‘小役種’に属するものと‘リプレイ(再遊技)役種’に属するものとに分類される。
上記「特別役種」とは、後述の‘ボーナス遊技’への移行契機となる役種別であり、上記「小役種」とは、‘遊技メダルの払い出し(払い出し0枚を含む)’を伴う役種別であり、「リプレイ役種」は、‘再遊技’を伴う役種別であり、それぞれ異なる性能を有する役として定められている。
「再遊技」とは、遊技メダル(遊技媒体)を投入することなく(貯留装置(クレジット手段)により、またはその他の装置の操作により遊技メダルを遊技の用に供することを含む)、次回のゲーム開始条件を再付与するものであり、具体的には、今回のゲームで使用した遊技媒体量(賭数設定のために投入した遊技メダル枚数)と同一量(同一の枚数)を疑似的に付与(自動投入)して、次回のゲームを開始可能とするものである。この再遊技は、遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回のゲームが可能になるという点で、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものといえる。なお、遊技者に付与される遊技価値には、上述の再遊技や遊技メダルの他、たとえば、遊技状態の移行やその移行契機に関連する所定の抽選(たとえば、後述のAT抽選や上乗せ抽選)の実行権利なども含まれる。また遊技価値には、遊技者に有利に作用するものに限らず、遊技者に不利に作用するものも含まれる。
本実施形態では、上記特別役種に属するものとして「BB1(抽選番号41)」、「BB2(抽選番号46)」が設けられている(図6D)。また上記小役種に属するものとして「共通ベルA(抽選番号27)」、「共通ベルB(抽選番号28)」、「押順ベル種別(抽選番号29〜40)」が設けられている(図6C)。また上記リプレイ役種に属するものとして「通常リプレイ(抽選番号1)」、移行リプレイ種別(抽選番号2〜15)、「7リプレイ(抽選番号16)」〜「最強チェリー(抽選番号26)」などが設けられている(図6A〜図6B)。
上記抽選対象役のいずれかが内部抽選により当選役として決定された場合、その当選役に対応した図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止表示することが許容される。詳しくは、内部抽選により当選役が決定された場合、その当選役に対応する内部当選フラグが成立し(当選役に対応する1または複数種類の条件装置が作動する)、その成立した内部当選フラグに対応する図柄の組合せが、有効入賞ライン上に停止表示することが許容される。したがって、当選役によっては、対応する図柄の組合せ(入賞役)が複数種類存在するものもある。そして、各回胴が停止した際、当選役(内部当選フラグ)に対応した図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止すれば、その図柄の組合せに対応する役が成立したとして、当該図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与されるようになっている。
なお本明細書中では、内部抽選により当選役が決定された場合、遊技結果として導出表示される図柄の組合せ(特に、有効入賞ライン上への停止が許容される図柄の組合せ)を「入賞役」と称する場合があり、この入賞役として扱われる図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止(成立)することを「入賞(遊技価値が付与されるか否かは問わない)」と称する場合がある。また本明細書中では、当選役に係る入賞役(配当がある入賞役)を取りこぼしが発生した場合に遊技結果として導出表示される特定の停止表示態様(取りこぼし目)も、遊技結果として導出表示される図柄の組合せの一態様であることから、特に断りのない限り、この取りこぼし目も入賞役の一つとして扱う。
次に図6A〜図6Dを参照しながら、本実施形態に係る役構成について説明する。役構成の説明に入る前に、先ず図7を参照して、仮想的な入賞ライン(以下、「疑似入賞ライン」と称する)と有効入賞ラインとの関係について説明しておく。
(疑似入賞ライン)
本実施形態では、上記したように、複数種類の抽選対象役が設けられている。これら抽選対象役には、当選した場合に、押し順にかかわらず、対応する入賞役の入賞を許容しうる「押順不問役」や、少なくとも押し順に応じて異なる役の入賞を許容しうる「押順規定役」等が含まれ、これら多種多様な役により、遊技性を豊富なものとしている。
このような抽選対象役を多数設けて遊技性の幅を広げる場合、多数の有効入賞ラインを設ける構成、たとえば、従来の多くの回胴式遊技機に見られるように、図7(A)に示す右下りライン(回胴視認部3を正面から見て、これを右斜め下がりに斜め横断するライン)と、さらに、図7(B)の破線に示すように、横および斜めに横断する形の計4本(回胴視認部3を正面から見て、これを左斜め下がりに斜め横断する「左下りライン」と、回胴視認部3を水平方向に横断する上段横ライン、中段横ライン、および下段横ラインとの4本)の合計5本の入賞ラインが施された所謂「5ライン機」のように、多くの有効入賞ラインを設けてしまうと、引き込み制御、役の構成要素図柄、および図柄配置構成などの関係上、遊技機を設計する上で役構成が複雑化してしまい、抽選対象役の種類やこれに対応する入賞役の種類を制限せざるを得なくなり、遊技性の自由度が阻害されてしまう。
そこで本実施形態では、従来よりも入賞ライン数を少なくしたもの、たとえば、図7(A)に示すような単一の有効入賞ラインを持つ「1ライン機」としている。ここで、上記「1ライン機」のように入賞ラインを少なくした場合、入賞役の種類を豊富にするために、有効入賞ライン上には、一見「ハズレ目」のような「バラケ目」を停止させ、これを入賞役として扱うことが必要な場合が生じうる。このような「バラケ目」には、たとえば、図6Aに示す抽選番号1の「通常リプレイ1」に対応した図柄の組合せである「リプレイ」−「ベルA」−「上弾/チェリー」や、図6Bに示す抽選番号27〜40の共通ベルA、共通ベルB、押順ベル種別に対応した図柄の組合せである「リプレイ」−「ベルA」−「リプレイ」などが挙げられる。
そこで本実施形態では、遊技者に対して役が成立(入賞)したことを容易に認識させるべく、有効入賞ラインとは別に、図7(B)の破線のラインのように、一般的な「5ライン機」を模した仮想的な入賞ライン(以下、「疑似入賞ライン」と称する)を形成し、この疑似入賞ライン上に、遊技者が入賞したと認識し易い特定の図柄の組合せを停止させる。これにより、当選役に対応した入賞が発生したことを遊技者が認識し易いようにしている。なお本明細書中において、「図柄1/図柄2/・・/図柄N」の表記は、「図柄1、図柄2、・・・、または図柄N」の意であり、たとえば、通常リプレイ1の「リプレイ」−「ベルA」−「上弾/チェリー」の表記の場合、「リプレイ」−「ベルA」−「上弾」の図柄の組合せ、または「リプレイ」−「ベルA」−「チェリー」の図柄の組合せを指す。
これについて、上述した抽選番号1の「通常リプレイ1」を例にとれば、有効入賞ライン上に「リプレイ」−「ベルA」−「チェリー/上弾」が停止したときは、疑似入賞ラインの上段横ライン上には、同一図柄揃いの「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」(上段リプレイ表示(上段リプレイ))が停止するようになっている。また、抽選番号27の「共通ベルA」を例にとれば、有効入賞ライン上に「リプレイ」−「ベルA」−「リプレイ」が停止したときは、疑似入賞ラインの中段横ライン上には、ベルAまたはベルBを利用した図柄の組合せである「ベルA/ベルB」−「ベルA」−「ベルA/ベルB」(中段ベル表示(中段ベル))が停止するようになっている。このように、有効入賞ライン上には、一見して、ハズレのようなバラケ目が停止するようになっているが、疑似入賞ラインの観点から見ると、疑似入賞ライン上には、遊技者が認識し易い図柄の組合せが停止するようになっている。ここで混同してはならないのは、上記した「バラケ目」のような図柄の組合せが当選により有効入賞ライン上に停止することが許容される図柄の組合せであり、これが実際の当選役に対応する図柄の組合せ(入賞役(真の入賞役))として定められている点である。したがって、疑似入賞ライン上に停止する図柄の組合せは、有効入賞ライン上に停止する真の入賞役の代替の図柄の組合せとして導出表示される仮想的な入賞役(仮想入賞役)となっている。
このように、有効入賞ライン上には、一見して、バラケ目のような図柄の組合せを停止させるが、疑似入賞ライン上には、特定の図柄の組合せを停止させるようにし(遊技者が認識し易い図柄の組合せが好ましい)、これにより、遊技者が入賞の発生を把握し易いようになっている。また疑似入賞ラインを形成する場合、疑似入賞ライン上には、一見して同じ性能を有する図柄の組合せ(仮想入賞役)が停止した場合であっても、実際の有効入賞ライン上には、異なる性能の図柄の組合せ(真の入賞役)を停止させることができる。たとえば、第1の役に当選した場合には、上段横ラインに第1の図柄の組合せを停止させ、第2の役が当選した場合には、同一の第1の図柄の組合せを左下りラインに停止させる。しかし、有効入賞ライン上には、それぞれ異なる図柄の組合せを停止させる。これにより、第1の役が当選した場合と第2の役が当選した場合とで、ぱっと見、同じ入賞役が停止したように見えるが、実際には異なる入賞役が有効入賞ラインに成立(入賞)しているので、異なる配当が付与されることになる。このように疑似入賞ラインや有効入賞ラインの役割をうまく利用することにより、役のバリエーションを多彩なものとし、遊技内容の豊富化を図ることができるようになっている。
再び図6A〜図6Dの説明に戻り、本実施形態に係る役構成(抽選対象役種別、当選役に対応した図柄の組合せ(入賞役種別)、および配当等の関係)について説明する。なお以下では、説明の便宜上、「図柄の組合せ」の欄に示すには、有効入賞ライン上に停止する真の入賞役を表記してある。
(リプレイ役種:抽選番号1〜26)
図6A〜図6Bを参照して、まずリプレイ種に属する抽選番号1〜26のリプレイ役種について説明する。本実施形態では、再遊技を伴う入賞役として、押し順によらず、特定の図柄の組合せの入賞を許容するリプレイ役種(たとえば、通常リプレイ(抽選番号1)、弱チャンス1〜2(抽選番号20〜21)、強チャンス(抽選番号22))と、押し順に応じて異なる図柄の組合せの入賞を許容するリプレイ役種(たとえば、移行リプレイ種別(抽選番号2〜15)、7リプレイ、7リプフェイク、BARリプレイ、BARリプフェイク、弱チェリー、強チェリー、最強チェリー(抽選番号16〜26))とを含む複数種類のリプレイ役種別が設けられている。
(通常リプレイ:抽選番号1)
まず、抽選番号1の通常リプレイ1について説明する。
図6Aに示すように、通常リプレイ1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「リプレイ」−「リプレイ」−「上弾/チェリー」の図柄の組合せ(通常リプレイ)となっている。この通常リプレイ1は「押順不問役」に属する役であり、これに対応する図柄の組合せを入賞させるための停止操作タイミングも必要としない。つまり、通常リプレイ1が当選した場合、どのような停止操作手順であっても、通常リプレイの入賞が発生し、配当として「再遊技」が付与される。
(移行リプレイ種別:抽選番号2〜15)
次に、抽選番号2〜15の移行リプレイ種別について説明する。
この移行リプレイ種別は、性能の違いにより、抽選番号2〜7のRT2移行リプ種別、抽選番号8〜10のRT1転落リプ種別、抽選番号11〜15のRT3昇格リプ種別に大別される。
(RT2移行リプ種別:抽選番号2〜7)
まず、抽選番号2〜7のRT2移行リプ種別について説明する。このRT2移行リプ種別には、図示のように、RT2移行リプ123〜RT2移行リプ321の計6種類のRT2移行リプが含まれ、これらは、少なくとも押し順に応じて異なる図柄の組合せ(入賞役)が有効入賞ライン上に停止(入賞)しうる「押順規定役」として規定されている。つまり、有効入賞ライン上に停止させるための特定の図柄の組合せについて、所定の押し順が割り当てられている。
具体的には、RT2移行リプ123〜RT移行リプ321は、所定の押し順の場合には遊技者にとり有利に作用しうる入賞役(有利入賞役)が、それとは異なる押し順である場合には、遊技者にとり不利に作用しうる入賞役(不利入賞役)が有効入賞ライン上に停止(入賞)しうるように定められている。RT2移行リプ123〜RT移行リプ321は、主に、有利入賞役または不利入賞役に関する押し順が異なる点を除き(図6Aの「押し順」欄参照)、その他の内容は実質的に同じであるので、ここでは重複記載を避けるために、抽選番号1の「RT2移行リプ123」を代表的に説明する。
(RT2移行リプ123について)
図6Aに示すように、「RT2移行リプ123」の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(RT2移行リプレイ)、(2)「リプレイ」−「リプレイ」−「上弾/チェリー」の図柄の組合せ(通常リプレイ:計2種類)となっている。つまり、RT2移行リプ123が当選役として決定された場合、入賞役として、RT2移行リプレイと通常リプレイとが入賞許容状態に置かれることになる。
換言すれば、RT2移行リプ123は、その当選により、RT2移行リプレイの入賞を許容する役と、通常リプレイの入賞を許容する役とに重複当選可能な役、つまり一回の内部抽選で複数種類の役に同時当選(重複当選)可能な「重複役」としての性質を有するものといえる。本実施形態では、この「重複役」のように、当選役とその当選役により許容される停止図柄態様(入賞役)とを1対Nに対応させた抽選対象役を設け、一つの当選役に対して、これを実効化するための停止図柄態様を複数種類設けることで、遊技内容の豊富化を図っている。このような重複役としての性質を有するものには、上記移行リプレイ種別の他、後述の7リプレイ〜弱チャンス1(抽選番号16〜20)、強チャンス〜最強チェリー(抽選番号22〜26)、押順ベル種別(抽選番号29〜40)、重複BB役(抽選番号42〜45、47〜50)等がある。
次にRT2移行リプ123の当選により入賞が許容される図柄の組合せについて、停止制御の観点から具体的に説明すれば、次の通りである。
(押し順が「左中右」の場合)
図6Aに示すように、「左中右(左回胴5a→中回胴5b→右回胴5cの順番で停止する停止操作手順:順押し)」の場合には、RT2移行リプレイが有効入賞ライン上に停止(入賞)するように回胴の停止制御(引き込み制御)が行われる。
(押し順が「左中右」以外の場合)
これに対し、押し順が「左中右」以外の押し順である場合には、RT2移行リプレイではなく、通常リプレイが有効入賞ライン上に停止するように回胴の停止制御が行われる。
なお、抽選番号3〜7のRT2移行リプ132〜RT移行リプ321についてもRT2移行リプ123と同事象の引き込み制御が行われるようになっている。具体的には、図6Aの「押し順」の欄に示すように、RT2移行リプ132〜RT移行リプ321のそれぞれに割り当てられた所定の押し順である場合には、「RT2移行リプレイ」が有効入賞ライン上に停止し、その割り当てられた所定の押し順とは異なる押し順の場合には、「通常リプレイ」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。本実施形態では、RT2移行リプ種別に関し、上記RT2移行リプレイを入賞させる押し順が互いに異なる押し順となっている(図6A「押し順」の欄参照)。またRT2移行リプ種別に係る入賞役の入賞には、押し順だけが関係し、停止操作タイミングを必要としない(後述のRT1転落リプ種別、RT3昇格リプ種別についても同様)。
(RT2移行リプ123の配当について)
上記「通常リプレイ」または「RT2移行リプレイ」が入賞した場合、配当として、少なくとも「再遊技」が付与される。ただし、RT2移行リプレイが入賞した場合には、再遊技の他、遊技価値として、RT1遊技よりも高利益状態のRT2遊技に移行される、といった「遊技状態の移行」という他の遊技価値が追加的に付与されるようになっている。しかし「通常リプレイ」が入賞しても遊技状態の移行は無く、現在のRT遊技が維持される。この点において、上記RT2移行リプレイは、通常リプレイよりも遊技価値が相対的に高い入賞役(遊技者にとって有利に作用し得る遊技価値が付与される有利入賞役)としての位置付けとなっている。このように、RT2移行リプ123は、その当選に起因して、一の遊技状態から他の遊技状態への移行契機となる「状態移行契機役」として働く。なお、各RT遊技や各RT遊技間の移行制御については、図8にて詳述する。
なお本明細書中において、図6A〜図6Dの抽選対象役種別の役名称に付されているアラビア数字は、特定の入賞役が入賞しうる押し順を意味し、基本的には、押順規定役に係る有利入賞役側の押し順を意味する。たとえば「RT2移行リプ123」の場合、「123」は「第1停止左→第1停止中→第1停止右」を意味し、この押し順がRT2移行リプレイを入賞させる停止操作手順を意味する。具体的には、「1」の表記は左回胴5a、「2」の表記は中回胴5b、「3」の表記は右回胴5cに対応し、「123」の表記は第1停止、第2停止および第3停止に対応する回胴を示している。他の表記も同様に、「132」は「左中右」を、「213」は「中左右」を、「231」は「中右左」を、「312」は「右左中」を、「321」は「右中左」を意味する。また、「1XX」の表記は第1停止左で残りの回胴の押し順は不問、「2XX」は第1停止中で残りの回胴の押し順は不問、「3XX」は第1停止右で残りの回胴の押し順は不問を意味する。
(RT1転落リプ種別:抽選番号8〜10)
次に、抽選番号8〜10のRT1転落リプ種別について説明する。
このRT1転落リプ種別には、図示のように、RT1転落リプ1XX〜RT移行リプ3XXの計3種類のRT1転落リプが含まれ、これらは上記したRT2移行リプ種別と同様に、「押順規定役(押順規定再遊技役)」として規定されている。またRT1転落リプ1XX〜RT移行リプ3XXは、主に、有利入賞役または不利入賞役に関する押し順が異なる点を除き、その他の内容は実質的に同じであるので、以下では重複記載を避けるために、抽選番号9の「RT1転落リプ1XX」を代表的に説明する。なお、上記した「RT2移行リプ種別(RT2移行リプレイ123)」と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略しながら説明する。
(RT1転落リプ1XXについて)
図6Aに示すように、「RT1転落リプ1XX」の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「リプレイ」−「リプレイ」−「上弾/チェリー」の図柄の組合せ(通常リプレイ)、(2)「リプレイ」−「リプレイ」−「ベルA/ベルB」の図柄の組合せ(転落リプレイ)となっている。つまり、RT1転落リプ1XXが当選役として決定された場合、入賞役として、転落リプレイと、通常リプレイとが入賞許容状態に置かれることになる。
RT1転落リプ1XXが当選した場合、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、上述した「RT2移行リプ123」と同事象のように、押し順により決定される。具体的には、図示のように、「第1停止左(第1停止が左回胴5a)」の場合には、「通常リプレイ」が、それ以外の押し順の場合には「転落リプレイ」が有効入賞ライン上に停止(入賞)するように回胴の停止制御が行われる。
なお、抽選番号9〜10のRT1転落リプ2XX〜RT1転落リプ3XXについてもRT1転落リプ1XXと同事象の引き込み制御が行われるようになっており、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定される。具体的には、図6Aの「押し順」の欄に示すように、RT1転落リプ2XX〜RT1転落リプ3XXのそれぞれに割り当てられた所定の押し順である場合には、「通常リプレイ」が有効入賞ライン上に停止し、その割り当てられた所定の押し順とは異なる押し順の場合には、「転落リプレイ」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。本実施形態では、RT1転落リプ種別に関し、通常リプレイを入賞させる押し順が互いに異なる押し順となっている(図6A「押し順」の欄参照)。
(RT1転落リプ1XXの配当について)
上記「通常リプレイ」または「転落移行リプレイ」が入賞した場合、配当として、少なくとも「再遊技」が付与される。ただし、転落移行リプレイが入賞した場合には、再遊技の他、遊技価値として、RT2遊技からRT1遊技に転落移行される(利益状態は「RT1遊技<RT2遊技」の関係)、といった遊技状態の移行という他の遊技価値が追加的に付与されるようになっている。しかし通常リプレイが入賞しても遊技状態の移行は無く、現在のRT遊技が維持される。この点において、転落リプレイは、通常リプレイよりも遊技価値が相対的に低い入賞役(不利入賞役)としての位置付けとなっている。このように、RT1転落リプ1XXも、上記したRT2移行リプレイ123と同じく「状態移行契機役」として働く。なお、RT遊技間の移行についての詳細は、図8にて後述する。
(RT3昇格リプ種別:抽選番号11〜15)
次に、抽選番号11〜15のRT3昇格リプ種別について説明する。
このRT3昇格リプ種別には、図示のように、RT3昇格リプ1XX〜RT移行リプ321の計5種類のRT3昇格リプが含まれ、これらは上記したRT2移行リプ種別と同様に、「押順規定役(押順規定再遊技役)」として規定されている。またRT3昇格リプ1XX〜RT移行リプ321は、主に、有利入賞役または不利入賞役に関する押し順が異なる点を除き、その他の内容は実質的に同じであるので、以下では重複記載を避けるために、抽選番号11の「RT3昇格リプ1XX」を代表的に説明する。なお、上記した「RT2移行リプ種別(RT2移行リプレイ123)」と実質的に同じ内容については、重複記載を避けるために適宜省略しながら説明する。
(RT3昇格リプ1XXについて)
図6Aに示すように、「RT3昇格リプ1XX」の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「スイカA/スイカB/赤7」−「リプレイ」−「スイカA/スイカB/赤7」の図柄の組合せ(RT3昇格リプレイ(中段リプレイ表示):計9種類)、(2)「リプレイ」−「リプレイ」−「ベルA/ベルB」の図柄の組合せ(通常リプレイ(上段リプレイ表示):計2種類)となっている。つまり、RT3昇格リプ1XXが当選役として決定された場合、入賞役として、RT3昇格リプレイと、通常リプレイとが入賞許容状態に置かれることになる。
RT3昇格リプ1XXが当選した場合、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、上記した「RT2移行リプレイ種別」と同事象のように、押し順により決定される。具体的には、図示のように、「第1停止左(第1停止が左回胴5a)」の場合には、「RT3昇格リプレイ」が、それ以外の押し順の場合には「通常リプレイ」が有効入賞ライン上に停止するように回胴の停止制御が行われる。
なお、抽選番号12〜15のRT3昇格リプ213〜RT3昇格リプ321についてもRT3昇格リプ1XXと同事象の引き込み制御が行われるようになっており、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定される。具体的には、図6Aの「押し順」の欄に示すように、RT3昇格リプ213〜RT3昇格リプ321のそれぞれに割り当てられた所定の押し順である場合には、「RT3昇格リプレイ」が有効入賞ライン上に停止し、その割り当てられた所定の押し順とは異なる押し順の場合には、「通常リプレイ」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。本実施形態では、RT3昇格リプ種別に関し、RT3昇格リプレイを入賞させる押し順が互いに異なる押し順となっている(図6A「押し順」の欄参照)。
(RT3昇格リプ1XXの配当について)
上記「RT3昇格リプレイ」または「通常リプレイ」が入賞した場合、配当として、少なくとも「再遊技」が付与される。ただし、RT3昇格リプレイが入賞した場合には、再遊技の他、遊技価値として、RT2遊技からRT3遊技に昇格移行される、といった遊技状態の移行という他の遊技価値が追加的に付与されるようになっている。しかし通常リプレイが入賞しても遊技状態の移行は無く、現在のRT遊技が維持される(RT遊技間の移行についての詳細は、後述の図8を参照)。本実施形態の場合、転落移行リプレイ種別がRT2遊技では抽選対象役とされ、RT3遊技では抽選対象役となっていない関係上(図5Aの「RT2」および「RT3」の欄参照)、利益状態は「RT2遊技<RT3遊技」の関係となっている。この点において、RT3昇格リプレイは、通常リプレイよりも遊技価値が相対的に高い入賞役(有利入賞役)としての位置付けとなっている。このように、RT3昇格リプ1XXも、上記したRT2移行リプレイ123と同じく、「状態移行契機役」として働く。
(7リプレイ:抽選番号16)
次に、抽選番号16の7リプレイについて説明する。
図6Bに示すように、7リプレイの当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「赤7」−「赤7」−「赤7」の図柄の組合せ(7リプレイ(赤7揃い))、(2)「リプレイ」−「ベルA」−「上弾/チェリー」の図柄の組合せ(通常リプレイ)となっている。つまり、7リプレイが当選役として決定された場合、入賞役として、7リプレイと、通常リプレイとが入賞許容状態に置かれることになる。
上記「7リプレイ」は「押順規定役(押順規定再遊技役)」に属する役であり、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定される。具体的には、図6Bに示すように、「第1停止右(第1停止が左回胴5c)」の場合には、「7リプレイ」が、それ以外の押し順の場合には「通常リプレイ」が有効入賞ライン上に停止するように回胴の停止制御が行われる。ただし、7リプレイについては、押し順が一致した場合(第1停止右の場合)に、特定の停止操作タイミングであれば、有効入賞ライン上に「赤7」−「赤7」−「赤7」が成立するようになっており(疑似入賞ライン上に成立させても良い)、当該特定の停止操作タイミング以外であれば、7リプレイの取りこぼしが発生し、主な取りこぼし目として、通常リプレイ(上段リプレイ表示)等が停止するようになっている(図6Bの「備考」欄参照)。
(BARリプレイ(抽選番号18)について)
なお、抽選番号18のBARリプレイも、停止制御については、7リプレイと同事象の引き込み制御が行われるようになっている。具体的には、押し順が一致した場合(第1停止右の場合)に、特定の停止操作タイミングであれば、有効入賞ライン上に「BAR」−「BAR」−「BAR」(BARリプレイ(BAR揃い))が成立するようになっており(疑似入賞ライン上に成立させても良い)、特定の停止操作タイミング以外であれば、BARリプレイの取りこぼしが発生し、主な取りこぼし目として、7リプレイと同じく、通常リプレイ(上段リプレイ表示)等が停止するようになっている(図6Bの「BARリプレイ」の欄参照)。
(7リプフェイク:抽選番号17)
次に、抽選番号17の7リプフェイクについて説明する。
図6Bに示すように、7リプフェイクの当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「赤7リプ聴牌外れ目」(7リプフェイク)、(2)「リプレイ」−「ベルA」−「上弾/チェリー」の図柄の組合せ(通常リプレイ)となっている。
上記「7リプフェイク」は「押順規定役(押順規定再遊技役)」に属する役であり、停止制御については、上述した7リプレイと同じく、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順により決定される(図6Bの7リプフェイクの「押し順」の欄参照)。ただし、7リプフェイクレイについては、押し順が一致した場合(第1停止右の場合)に、特定の停止操作タイミングであれば、第1停止および第2停止時には、有効入賞ライン上に赤7が引き込まれ(疑似入賞ライン上に引き込んでも良い)、停止目が「↓↓(回転中)」−「赤7」−「赤7」等の‘7リプレイの聴牌状態’となるが、遊技結果としては、赤7揃い(7リプレイ)がいずれのライン上にも成立せずに、赤7揃いがハズレとなった停止目、たとえば「チェリー」−「赤7」−「赤7」等のような‘赤7リプ聴牌外れ目’が停止するようになっている。つまり、7リプフェイクは、「赤7リプ聴牌外れ目」を導出表示して、7リプレイの当選期待感を煽るための役として働く。また特定の停止操作タイミング以外であれば、7リプフェイクの取りこぼしが発生し、図示はしていないが、上述した7リプレイと同様に、主な取りこぼし目として、通常リプレイ(上段リプレイ表示)等が停止するようになっている(図6Bの「備考」欄参照)。
(BARリプフェイク(抽選番号19)について)
なお、抽選番号19のBARリプフェイクも、停止制御については、7リプフェイクと同事象の引き込み制御が行われるようになっており、押し順が一致した場合(第1停止右の場合)に、特定の停止操作タイミングであれば、第1停止および第2停止時には、有効入賞ライン上にBARが引き込まれ(疑似入賞ライン上に引き込んでも良い)、停止目が「↓↓(回転中)」−「BAR」−「BAR」等の‘BARリプレイの聴牌状態’となるが、遊技結果としては、BAR揃い(BARリプレイ)がいずれのライン上にも成立せずに、BAR揃いがハズレとなった停止目、たとえば−「チェリー」−「BAR」−「BAR」等のような‘BARリプ聴牌外れ目’が停止するようになっている(図6Bの「BARリプフェイク」の欄参照)。つまり、BARリプフェイクは、「BARリプ聴牌外れ目」を導出表示して、BARリプレイの当選期待感を煽るための役として働く。また特定の停止操作タイミング以外であれば、BARリプフェイクの取りこぼしが発生し、図示はしていないが、上述した7リプフェイクと同様に、主な取りこぼし目として、通常リプレイ(上段リプレイ表示)等が停止するようになっている(図6Bの「BARリプフェイク」の欄参照)。
(7リプレイ、BARリプレイ、7リプフェイク、BARリプフェイクの配当について)
上記した7リプレイ、BARリプレイ、7リプフェイク、BARリプフェイクの配当について説明する。これらの配当は、基本的には同じであるため、代表的に7リプレイの配当を中心に説明する。
7リプレイが当選した場合、既に説明したように、リプレイ役種である、7リプレイ、通常リプレイ、または取りこぼし目のいずれかが停止し、このとき、配当として、少なくとも「再遊技」が付与される。7リプレイは「押順規定役(押順再遊技役)」に属するものであるが、押し順に応じて有利入賞役・不利入賞役が入賞する、という異なる遊技価値が付与されるといったものではなく、同一の遊技状態であれば、同じ遊技価値が付与されるようになっている(BARリプレイ、7リプフェイク、BARリプフェイクも同様)。たとえば、後述の「本ART遊技(RT3遊技+AT2遊技)」と「上乗せ特化ゾーン(RT3遊技+AT3遊技)」とにおいては、遊技価値として、再遊技の付与の他、上乗せ抽選への実行権利が付与されるようになっており(後述の図21参照)、7リプレイ当選時に、7リプレイが成立せずとも、上乗せ抽選の実行権利が消滅するわけではなく、通常リプレイまたは取りこぼし目が停止したとしても上乗せ抽選の実行権利が付与されるようになっている。これは、特定の特典の場合、目押し技術の巧拙により、折角獲得した権利が消滅してしまう事態を回避するためである。この点、同一の遊技状態の場合、押し順に応じて、RT状態の維持や昇格移行や転落移行等の異なる遊技価値が付与されうる「移行リプレイ種別」とは性質を異にする。なお、BARリプレイ、7リプフェイク、BARリプフェイクについても、上述の7リプレイの配当と同じ性質を持つものとなっている。
(弱チャンス1〜2、強チャンス、スイカ:抽選番号20〜23)
次に、抽選番号20〜21の弱チャンス1〜2、抽選番号22の強チャンス、抽選番号23のスイカについて説明する。
抽選番号20〜21の弱チャンス1〜2、抽選番号22の強チャンス、抽選番号22のスイカは、それぞれ「押順不問役」に属する役であり、対応する図柄の組合せを入賞させるための停止操作タイミングも必要としない。つまり、これらの役が当選した場合、どのような停止操作手順であっても、取りこぼしが発生することなく、図示の図柄の組合せが入賞し、配当として「再遊技」が付与されるようになっている(図6Bの「図柄の組合せの欄」、「押し順」の欄参照)。ただし、弱チャンス1は、ボーナス遊技中(BB中)である場合とそうでない場合とで、入賞が許容される図柄の組合せが異なるようになっている。
(弱チェリー、強チェリー、最強チェリー:抽選番号24〜26)
次に、抽選番号23〜25の弱チェリー、強チェリー、最強チェリーについて説明する。以下、説明の便宜上、弱チェリー、強チェリー、または最強チェリーを「チェリーリプ」と称する場合がある。
弱チェリー、強チェリー、および最強チェリーは、それぞれ「押順規定再遊技役」に属する役であり、その当選により、押し順に応じて図示の図柄の組合せの入賞を許容するものであるが、上記した「7リプレイ」や「BARリプレイ」等と同様に、停止操作タイミングによらず、図示の図柄の組合せが入賞する。またそのときの配当として、少なくとも「再遊技」が付与され、同一の遊技状態であれば、同じ遊技価値が付与されるようになっている。これらの役が当選した場合、押し順に応じて有効入賞ライン上に停止する図柄の組合せには、次のような関係がある。
図6Bを参照して、弱チェリー、強チェリー、および最強チェリーのそれぞれは、第1停止が中回胴5bである場合において特定の停止操作タイミングの場合、左回胴5aに、2番の下弾図柄(左回胴5aの入賞ライン上に(回胴視認部3の枠内)、チェリー図柄が表示されることの無い下弾図柄:図2の図柄配列帯200の「1st」参照)が有効入賞ライン上に引き込まれる。この2番の下弾図柄が有効入賞ライン上に停止した場合、‘チェリー溢し目(左回胴5aの枠内にチェリー図柄が表示されない停止目)’の「下弾(2番)」−「ベルA」−「リプレイ」が停止する。このチェリー溢し目は、弱チェリー、強チェリー、および最強チェリーが当選した場合に出現しうる共通の停止目となっている。したがって、チェリー溢し目が出現した場合、いずれのチェリーリプ種別(弱チェリー、強チェリー、または最強チェリー)に当選したのかが不明となる。
また、抽選番号24の「弱チェリー」が当選した場合において第1停止が中回胴5b以外である場合には、‘弱チェリー’(「チェリー/ベルB/下弾」−「ベルA」−「上弾/下弾/チェリー」)が停止するが(弱チェリー表示)、第1停止が中回胴5bである場合には、停止操作タイミングに応じて、抽選番号25の強チェリーが当選した場合に入賞が許容される‘強チェリー’(「チェリー/ベルB」−「赤7/BAR/下弾/チェリー」−「赤7/下弾/ベルA/スイカA/スイカB」)が停止する(強チェリー表示)。つまり、押し順が所定の押し順である場合には、弱チェリーに当選しても、強チェリーに対応する図柄の組合せ(弱チェリー・強チェリー共通停止目)が停止してしまい(ここでは、弱チェリーの取りこぼし目として停止する)、回胴の停止時の図柄の組合せを見ただけでは、弱チェリーに当選したのか、強チェリーに当選したのかが不明となる。
また、抽選番号25の「強チェリー」が当選した場合において第1停止が中回胴5b以外である場合には、上記‘強チェリー表示’が停止するが、第1停止が中回胴5bである場合、停止操作タイミングに応じて、上記‘弱チェリー表示’が停止しうる。つまり、押し順が所定の押し順である場合には、強チェリーに当選しても、弱チェリーに対応する図柄の組合せ(弱チェリー・強チェリー共通停止目)が停止してしまい(ここでは、強チェリーの取りこぼし目として停止する)、回胴の停止時の図柄の組合せを見ただけでは、弱チェリーに当選したのか、強チェリーに当選したのかが不明となる。
また、抽選番号26の「最強チェリー」が当選した場合において第1停止が中回胴5b以外である場合には、特定の停止操作タイミングであれば‘最強チェリー’(「BAR」−「赤7/BAR/下弾/チェリー」−「赤7/下弾/ベルA/スイカA/スイカB」が停止し(最強チェリー表示)、当該特定の停止操作タイミング以外であれば、そのときの停止操作タイミングに応じて上記「強チェリー表示」または「弱チェリー表示」が停止する(図6Bの備考欄参照)。一方、第1停止が中回胴5bである場合、停止操作タイミングに応じて上記「強チェリー表示」または「弱チェリー表示」が停止する。この場合、上述した「弱チェリー」や「強チェリー」に係る停止制御と同事象のように、回胴の停止時の図柄の組合せを見ただけでは、弱チェリー、強チェリー、最強チェリーのいずれのチェリーリプに当選したのかが不明となる。
(抽選番号26の最強チェリーの配当について)
ここで、抽選番号26の最強チェリーが当選した場合には、リプレイ役種である、最強チェリー、チェリー共通停止目、またはチェリー取り溢し目のいずれかが停止して、配当として、再遊技が付与される。この点、弱チェリーや強チェリーと同じであるが、最強チェリーは、その当選確率が他の小役種と比べて低確率に設定されていることから(図5A参照)、「低確率の内部抽選対象役に当選した」という特典として、たとえば、後述のAT抽選(図19)が他の抽選対象役よりも優遇されるようになっている。この「最強チェリー」は、全役のうち、遊技者に最も有利な遊技価値を付与しうるプレミアム的な抽選対象役(プレミアム役)としての位置付けとなっている。
(小役種:共通ベルA、共通ベルB、押順ベル種別)
次に図6Cを参照して、小役種に属する抽選番号27〜40の共通ベルA、共通ベルB、押順ベル種別について説明する。
(共通ベルA、共通ベルB:抽選番号27〜28)
まず、抽選番号27〜28の共通ベルA、共通ベルBについて説明する。
図6Cに示すように、共通ベルAまたは共通ベルBの当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「リプレイ」−「ベルA」−「リプレイ」の図柄の組合せ(中段ベル(中段ベル表示))となっている。この「リプレイ」−「ベルA」−「リプレイ」が有効入賞ライン上に停止したときは、疑似入賞ラインの中段横ライン上には、ベルAまたはベルBを利用した図柄の組合せである「ベルA/ベルB」−「ベルA」−「ベルA/ベルB」(中段ベル表示(中段ベル))が停止するようになっている。共通ベルAまたは共通ベルBは「押順不問役」に属する役であり、これに対応する図柄の組合せを入賞させるための停止操作タイミングも必要としない。つまり、共通ベルAまたは共通ベルBが当選した場合、どのような停止操作手順であっても、中段ベルの入賞が発生し、配当として所定枚数の遊技メダル(本実施形態の場合、9枚)が付与される。
(押順ベル種別:抽選番号29〜40)
次に、抽選番号29〜40の「押順ベル種別」について説明する。
この押順ベル種別は、少なくとも押し順に応じて異なる図柄の組合せ(入賞役)が有効入賞ライン上に停止しうる「押順規定役」として規定されており、ここでは、小役種に属する「押順規定小役」として規定されている。具体的には、所定の押し順の場合には遊技者に有利に作用する図柄の組合せ(有利入賞役)として、上述した共通ベルA〜Bと同じ、配当9枚の「中段ベル」が、それとは異なる押し順である場合には遊技者に不利に作用する図柄の組合せ(不利入賞役)として、配当1枚の「1枚ベル」か、または「1枚ベル」を引き込めない場合には、その取りこぼし目として、配当が得られない(配当0枚)の「ベルA/ベルB」−「ベルA」−「赤7」(1枚ベル溢し目)が停止しうるように定められている。この「中段ベル」を取りこぼした際の「1枚ベル」または「1枚ベル溢し目」を‘ベル溢し目(押順ベル溢し)’と称する。押順ベル種別(抽選番号29〜40)同士は、主に、有利入賞役または不利入賞役に関する押し順が異なる点を除き、その他の内容は実質的に同じであるので、以下では重複記載を避けるために、抽選番号29の「押順ベル123A」を代表的に説明する。
(押順ベル123Aについて)
押順ベル123Aの当選により入賞が許容される図柄の組合せについて、停止制御の観点から具体的に説明する。
(押し順が「左中右」の場合)
図6Cに示すように、「左中右(順押し)」の場合には、「リプレイ」−「ベルA」−「リプレイ」の図柄の組合せ(中段ベル)が有効入賞ライン上に停止(入賞)するように回胴の停止制御(引き込み制御)が行われる。押順ベル種別において、この中段ベルが停止する押し順を「押し順正解」と称する。
(押し順が「左中右」以外の場合)
これに対し、押し順が「左中右」以外の押し順である場合には、上記中段ベルではなく、次のような図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するように回胴の停止制御が行われる。
押順ベル123Aが当選役として決定された場合において「押し順正解」以外の押し順(以下、「押し順不正解」と称する)である場合には、中段ベルの取りこぼしが発生し、上記「ベル溢し目」が遊技結果として導出表示される。このとき、押順ベル123Aが当選した場合に対応するベル溢し目として、停止操作手順に応じて、図6C(α)に掲げる図柄の組合せを持つ1枚ベルA〜Nのうち‘1枚ベルA、1枚ベルB、1枚ベルE、1枚ベルF、または1枚ベルI’(停止番号60、61、65、66、69:図6Cの押順ベル123Aに対応する「押し順不正解停止番号」の欄、図6C(α)の「押し順不正解種別」の欄参照)のいずれかの1枚ベル(配当1枚)が停止しうる。そして、対応する上記1枚ベルを引き込めない停止操作手順である場合には、1枚ベルの取りこぼし目として「1枚ベル溢し目(配当0枚)」が停止するようになっている。したがって、押順ベル123Aは、その当選により、中段ベルの入賞を許容する役、1枚ベルAの入賞を許容する役、1枚ベルBの入賞を許容する役、1枚ベルEの入賞を許容する役、1枚ベルFの入賞を許容する役、1枚ベルIの入賞を許容する役、および1枚ベル溢し目の入賞を許容する役に重複当選可能な「重複役」としての性質を有するものといえる。
以上のように、押順ベル123Aが当選した場合、押し順正解となる押し順を1つ(左中右)だけ割り当て、押し順正解ならば、回胴の停止操作タイミングによらず、中段ベル(配当9枚)を停止させ、それ以外の押し順(押し順不正解)である場合には、停止操作タイミングに応じて、1枚ベルまたは1枚ベル溢し目が停止しうるようになっている。このように入賞役に対する停止操作手順を複数割り当てることで、高配当側の中段ベルを高確率で入賞させないようにし、想定外の利益が遊技者に付与されてしまうことを防止している。
なお、他の押順ベル種別(抽選番号30〜40)に関しても、押順ベル123Aと同事象の引き込み制御が行われる。他の押順ベル種別(抽選番号30〜40)については、各役に割り当てられた押し順が押し順正解であれば、中段ベルが停止し、それ以外の押し順不正解であれば、図示の「押し順不正解停止番号」に対応した1枚ベルまたは1枚ベル溢し目が停止する。また本実施形態の場合、押順ベル種別は、押し順と停止操作タイミングとに応じて、異なる図柄の組合せが停止するが、本発明はこれに限らず、押し順および/または停止操作タイミングに応じた図柄の組合せを定めることができる(他の押順規定役についても同様)。
(特別役種:BB1、BB2)
次に、抽選番号41のBB1、抽選番号46のBB2について説明する。これらBB1とBB2とは「特別役種」に属し、「押順不問役」として規定されている。
上記特別役種は、その入賞役であるボーナス役の入賞により、小役種の抽選確率が高確率に変動する遊技状態や、特定の図柄の引き込みコマ数が変動するような特殊な引き込み制御となる遊技状態などの特別遊技状態(ボーナス遊技)への移行契機となる役であり、この点で、斯様な特別遊技状態(ボーナス遊技)への移行契機とはならない「一般役種」とは性質を異にする。
図6Dに示すように、BB1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「ベルA(4番)」−「上弾」−「下弾」の図柄の組合せ(BB1:ボーナス役1)となっている。また、BB2の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「上弾」−「下弾」−「ベルA(0番)」の図柄の組合せ(BB2:ボーナス役2)となっている。BB1、BB2は、引き込み制御の関係上、停止操作タイミングが所定のタイミングである場合に限り、対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止可能となっている。このため、BBの構成要素図柄を有効入賞ライン上に引き込み不可能な停止操作タイミングで回胴が停止操作された場合、BBの取りこぼしが発生する。本実施形態の場合、上弾図柄と下弾図柄との2つの図柄で「砲弾」を模した図柄(砲弾図柄)が表現されるようになっており、BB1の「ベル(4番)」−「上弾」−「下弾」が停止すると、中段横ライン上には「上弾」が停止し、下段横ライン上には「下弾」が停止して、回胴視認部3には、「砲弾」−「砲弾」−「砲弾」の図柄の組合せ(砲弾揃い)が停止表示されたか如く見え、インパクトのある停止目が表現されるようになっている。一方、BB2の「上弾」−「下弾」−「ベルA(0番)」が停止した場合は、左回胴5aと中回胴5bは、「砲弾」が停止したように見えるが、右回胴5cは「砲弾図柄」が上に1コマずれたように停止するので、BB1の「砲弾揃い」が崩れたような停止目(砲弾崩れ目)となる。
BB1またはBB2が入賞した場合、次回のゲームから、遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナス遊技)に移行される。このボーナス遊技中においては、共通ベルB(抽選番号28)の当選確率が著しく高まり(図5BのBB中の欄参照)、ボーナス遊技が発生すると、1ゲーム当りの平均獲得遊技メダル枚数が他の遊技状態よりも増加し、遊技者は短時間で大量の遊技メダルを獲得することができるようになっている。本実施形態では、BB1とBB2とでボーナス遊技の性能が異なり、BB1は第1の規定払出枚数(たとえば、146枚)、BB2はそれよりも少ない第2の規定払出枚数(たとえば、72枚)以上の遊技メダルの払い出しで終了するようになっている。
なおボーナス遊技中には、共通ベルBの他、7リプレイ〜弱チャンス2(抽選番号16〜21)、最強チェリー(抽選番号26)が当選可能となっている。これらの抽選対象役のうち特定の役(たとえば、「共通ベルB」以外の役)に当選した場合、特典が付与されうる所定の利益抽選が実行されるようになっている。本実施形態では、通常遊技中にBB1、2に当選した場合、そのボーナス遊技中において、AT抽選と同様の役割を持つ「ボーナス中AT抽選」が実行され、これに当選すると、特典として、後述の本ART遊技への移行が約束されるようになっている(ボーナス遊技終了後、通常遊技中に移行するが、内部的にはAT抽選当選状態とされる)。また「AT抽選当選状態中(後述の疑似ボーナス当選告知遊技中やボーナス準備ART遊技中の場合)」または「本ART遊技中」において、BB1、2に当選した場合、そのボーナス遊技中において、本ART遊技継続ゲーム数に対する上乗せ抽選が実行され、これに当選した場合には、特典として、本ART遊技継続ゲーム数が上乗せされるようになっている。なお、ボーナス遊技中のAT抽選や上乗せ抽選は、図19〜図20に示す抽選テーブルを利用しても良いし、あるいは、ボーナス遊技専用の抽選テーブルを別途に設けて利用しても良い。また、その抽選実行条件(抽選契機役種)や抽選確率等も遊技性に応じて自由に定めることができる。
(特別役の持ち越しについて)
上記した特別役であるBB1とBB2は、その内部当選フラグを次回以降のゲームに持ち越し可能な「持越役」として規定されている。このため、BBに当選した場合は、そのBBに対応する図柄の組合せが入賞するまでの遊技期間、当該BBに係る内部当選フラグ(ボーナス当選フラグ)の成立状態が維持され、この間、すべてのBBは内部抽選対象から除外される。つまり、BBの内部当選フラグの成立状態下(ボーナス持越遊技状態)では、ボーナス当選フラグが新たに成立したり、重複して成立したりすることがないようになっている。
一方、特別役種以外の抽選対象役、つまり一般役種(小役種、リプレイ役種)は、その当選フラグを次回のゲームに持ち越すことができない「持越不可能役」として規定されている。したがって、一般役種については、BB内部当選遊技中であっても通常通りに内部抽選が行われて、当選すれば、その内部当選フラグが成立する。このため、ボーナス当選フラグと他の一般役種の内部当選フラグとが同時に成立する重複当選状態が発生しうる。このような場合、いずれの当選役に対応する図柄の組合せを入賞させるかどうかは、所定の引き込み優先順位に基づいて決定される。本実施形態では、「特別役種(BB)<小役種<リプレイ役種」の順位で引き込み制御が行われるように、なっている(小役優先制御)。これにより、特別役種(BB1、BB2)と他の一般役種とが重複当選中のゲームにおいては、一般役種が優先的に入賞させる引き込み制御が行われる。
BB1またはBB2の当選しボーナス役が入賞するまでは、上述したBB内部当選遊技となるが、このBB内部当選遊技になると、リプレイ役の当選確率が通常遊技よりも高確率に変動した遊技状態(RT4遊技)に移行する(図8のボーナス内部当選遊技の欄参照)。
なお本実施形態では、抽選番号41のBB1または抽選番号46のBB2のように、特別役種が他の一般役種と重複当選しない単独当選役として定められているものと、抽選番号42〜45、46〜50のように、特別役種と特定の一般役種とが重複当選可能な「重複BB役」が複数種類設けられている。重複BB役が当選役として決定された場合、当選役に対応する図柄の組合せとして、特別役種と一般役種とが入賞許容状態に置かれることになる。この場合、当選ゲームでは、上記した「引き込み優先順位」に基づいて、いずれの入賞役を優先的に有効入賞ライン上に引き込むのかが決定される。本実施形態では、小役優先制御となっているので、当該当選ゲームでは、先ず、一般役種を優先的に入賞させる引き込み制御が行われる。
以上に説明した抽選対象役、対応する入賞役、配当、およびその種類などに関する役構成については、本発明の目的を達成できるものであれば特に制限されない。たとえば、特別役種については、1または複数種類であっても良いし、特別役種自体を設けない構成としても良い。また一般役種についても、本発明の目的を達成できるものであれば、その種別や種類数は特に制限されない。また「押順規定役」に属する抽選対象役については、特定の入賞役(有利入賞役または不利入賞役など)を入賞させるための停止操作手順の割り当て、またその割り当てによる入賞役の入賞率は、本発明の目的を達成可能なものであれば特に制限されない。
<遊技形態:図8>
次に、各遊技状態およびこれら遊技状態間の移行制御に着目しながら、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技形態(ゲーム性)の概要を説明する。
本実施形態に係る回胴式遊技機では、主制御部400側で制御される遊技状態(主制御部側遊技状態)として、RT遊技(本実施形態では、RT0遊技〜RT4遊技)、ボーナス遊技、AT遊技(本実施形態では、AT0遊技〜AT3遊技)などが含まれる。RT遊技は、抽選対象役を決定する際のベースとなる遊技状態であり、このRT遊技に付随してAT遊技が重複的に発生することにより、後述の準備ART遊技や本ART遊技や上乗せ特化ゾーンが実現される。また演出制御部410側は、上述の各種主制御部側遊技状態に関連した複数種類の演出モード(演出状態)が設けられており、当該演出モードは、主制御部側遊技状と整合性を保つ形態で管理可能に構成されている。
(RT遊技について)
RT遊技とは、再遊技を伴うリプレイ役の当選確率が基底の遊技状態の所定確率から変動した「再遊技確率変動状態」をいう。RT遊技は、主制御部400がその機能部を担う「RT遊技制御手段」によりその発生および終了が制御される。
本実施形態では、基底の遊技状態として、最もリプレイ確率(ここでは、リプレイ役種の合算当選確率)が低確率であるRT0遊技を基準とし、このRT0遊技よりもリプレイ役の当選確率が高い「再遊技高確率抽選状態」として、複数種類のRT遊技(RT1遊技〜RT4遊技)が設けられている。具体的には、RT0遊技を基準として、リプレイ役の当選確率が「RT0遊技(低確率RT遊技)<RT4遊技(BB内部当選遊技中(中確率RT遊技))<RT1遊技(低確率RT遊技)<RT2遊技=RT3遊技(高確率RT遊技)」の関係となっている(図8、図6A参照)。なおRT0遊技とRT1遊技、RT2遊技とRT3遊技とは、リプレイ役の当選確率がRT0遊技と略同一となっており、リプレイ役の出現率の観点からは、これらRT遊技の違いを遊技者が察知することが困難なものとなっている。また、図5Aに示すように、各RT遊技中において、抽選対象役となるリプレイ役の種類が異なる。
上記各RT遊技は、BB内部当選遊技中(ボーナス持越遊技状態)に係るRT遊技(RT4遊技)であるか、非BB内部当選遊技中(一般遊技状態)に係るRT遊技であるかで大別される。BB内部当選遊技中は、非BB内部当選遊技中と同様に、一般遊技状態の一態様であり、この一般遊技状態は、小役種の内部抽選確率を変動させることができない遊技状態として規定されている。本実施形態の場合、一般遊技状態のRT遊技は、RT0遊技〜RT3遊技となっており、BB内部当選遊技中のRT遊技は、RT4遊技となっている。
(AT遊技について)
AT遊技とは、役の抽選結果に関連する情報を、液晶表示装置6、装飾ランプ13、スピーカ16などの演出手段を用いて、画像表示演出、効果音、光演出などにより遊技者に報知する特典遊技状態である。AT遊技は、風営法に関する不正行為防止や遊技者の所謂「のめり込み防止」等の要請から、演出制御部410側ではなく、主制御部400がその機能部を担う「AT遊技制御手段」によりその発生および終了が制御される構成となっている。このAT遊技制御手段は、当選役に関する情報を報知する報知状態として、少なくとも「通常報知状態(非AT遊技)」と、当該通常報知状態よりも遊技者に有利に作用しうる「有利報知状態(AT遊技)」とを含む複数種類の報知状態を制御可能に構成されている。上記AT遊技には、後述のAT1遊技〜AT3遊技を含む複数種類のAT遊技が設けられており、どのAT遊技が発生するかにより、報知対象や報知内容が異なる場合がある。これら複数種類のAT遊技やRT遊技を実効化することにより、図8に示す種々の遊技状態を実現し、遊技性の自由度を高めて遊技の面白みを向上させている。
(アシスト報知)
本実施形態では、既に説明したように、複数種類の押順規定役が設けられている。たとえば、抽選番号29〜40の押順ベルでは、押し順に応じて、配当9枚の中段ベルのように、有利に作用しうる図柄の組合せ(有利入賞役)が入賞しうる。しかし非AT遊技中においては、これらの役に当選しても、有利入賞役の入賞を案内する情報(停止操作手順情報)は遊技者に報知されない、あるいは報知されるとしても、その報知確率が低確率となっている。このため、非AT遊技中は、有利入賞役の入賞が困難な状況下に置かれる。したがって、非AT遊技中は、遊技進行上、AT遊技中よりも遊技者に不利なゲーム展開とされる。
これに対しAT遊技中においては、有利入賞役の入賞を案内する情報が高確率または100%の確率で報知されるため、その入賞が著しく容易になる。たとえば、抽選番号29の押順ベル123Aが当選した場合、有利入賞役側の‘中段ベル’の入賞を案内する手順指示情報(「左中右」の押し順情報)が遊技者に報知され、遊技者がその報知内容に従い回胴を停止操作すれば、遊技者は容易に中段ベルを入賞させ、高い配当を得ることができる。これによりAT遊技中は、1ゲームあたりに遊技者が獲得し得る平均的利益(ベース値)が非AT遊技中よりも向上した遊技状態になる。したがって、AT遊技中は、非AT遊技中よりも遊技者に有利なゲーム展開とされる。
このように、当選役に関する情報として、特定の図柄の組合せ(有利入賞役、不利入賞役、その他、特定の図柄の組合せを含む)を入賞させる停止操作手順情報(押し順および特定の停止操作タイミングの少なくともいずれか一方に関する手順情報:以下「手順指示情報」と略す)を報知可能な報知態様を「アシスト報知」と称する。
(アシスト報知手段)
上記アシスト報知は、演出制御部410により制御される演出手段(たとえば、液晶表示装置6、装飾ランプ13、スピーカ16など)と、主制御部400により制御される特定の表示手段(本実施形態の場合、払出枚数表示器35)の少なくとも2つの報知手段により現出される。これらアシスト報知に係る報知手段のうち、主制御部400側の報知手段を「主報知手段」と称し、演出制御部410側で制御される報知手段を「副報知手段」と称する。アシスト報知を現出する手段について、主報知手段と副報知手段とを用いる理由は以下の通りである。
従来、AT遊技の制御機能部は、専ら演出制御部410が担っていた。しかし近年、主制御基板に不正行為・不正改造を行うのではなく、演出制御基板420等の周辺基板に対して不正行為・不正改造を行い、遊技機の本来の設計とは異なる仕様のAT遊技を発生させ、出玉率を著しく改ざんするゴト行為が横行していた。たとえば、AT遊技の継続ゲーム数を本来の継続ゲーム数の数十倍のゲーム数からスタートさせる、AT遊技の発生条件を変更する、AT抽選に強制的に当選させる等である。そこで第1に、不正行為防止・不正改造防止の観点から、出玉率に大きく影響するAT遊技の制御機能部を、従来の演出制御部410側ではなく主制御部400側が担うようにし、遊技動作を統括的に司る主制御部400以外の周辺基板(たとえば、遊技表示基板390や演出制御部410等)に搭載されている電子部品等が改ざんされても出玉率に影響が無いように、出玉に影響しうるような遊技機の設計を防止する。第2に、演出制御部410等の周辺基板だけでアシスト報知を実行可能な情報を演出手段に対し送信しないようにする。第3に、主制御部400がアシスト報知の実行制御を行っていることを外部に報知するべく、主制御部400側で決定された手順指示情報を、主報知手段を利用して報知させるとともに、当該手順指示情報と同一または実質的に同一の内容を反映させた情報を演出手段を利用して現出させ、これにより上記第1および第2の事項を実効化する。このような観点から、本実施形態では、アシスト報知手段として、主報知手段と副報知手段とを用いた構成としている。
また本実施形態では、主制御部400がアシスト報知を実行すると決定した場合には、主報知手段に対して、当選役に係る手順指示情報(アシスト情報)を所定の報知態様にて報知させる。一方、アシスト報知を実行しないと決定した場合には、演出制御部410に対して、当選役に係る手順指示情報を送信しない。ただし、手順指示情報を実行しない旨の情報は送信することができる。すなわち主制御部400がアシスト報知を実行すると決定した場合、演出制御部410への手順指示情報を特定可能な情報を送信する、という構成となっている。これにより、演出制御部410側は、アシスト情報を反映させた情報を演出的に報知することができる。この演出的な報知を「アシスト演出」とも称する。
なお本実施形態では、主報知手段として、払出枚数表示器35を利用しているが、これに限らず、アシスト報知を現出可能な報知手段であれば特に制限はない。たとえば、主報知手段として、投入枚数表示部(投入枚数表示LED31、32、33)や、メダル投入表示LED36(メダル投入表示部)を利用しても良いし、アシスト報知専用の表示器を設けても良い。また副報知手段もアシスト報知を現出可能な演出手段であれば特に制限されない。
(アシスト報知態様:図18、図22A〜図22B)
上記アシスト報知は、基本的には有利入賞役側をその報知内容とするものであるが、同じ当選役が決定された場合でも、その報知内容が異なる場合がある。つまり、必ずしも遊技者に特定の図柄の組合せ(たとえば、有利入賞役側)を入賞させる報知内容(手順指示情報)とは限らない。たとえば、7リプレイ(抽選番号16)が当選した場合、特定のAT遊技では、7リプレイ(有利入賞役側)を入賞させる押し順の一部または全部を不明確(秘匿状態)としたり、通常リプレイ(不利入賞役側)を入賞させる押し順(本告知)とは異なる押し順を報知したり(偽告知)することができる。
また「アシスト報知」は、原則として、手順指示情報(本実施形態の場合は、主に、押し順に関する情報)を遊技者に提示するだけで、当選役情報を付随して遊技者に提示しないようになっている。これは、当選役を明示してしまうと、押し順を報知せずとも押し順の割り当てを知る遊技者側に、有利入賞役または不利入賞役の押し順が判明してしまい、遊技者が意図的にアシスト報知を拒否することで想定外の利益を獲得したり、意図しない遊技状態の移行が生じたりしてしまう恐れがあるからである。たとえば、アシスト報知の報知態様(たとえば、副報知手段の場合はアシスト演出の演出態様)としては、押し順に関する表示(報知)内容だけが異なるだけで、アシスト報知態様(アシスト演出態様)そのものは同一または酷似した態様として扱う。このように、少なくとも当選役情報を秘匿するアシスト報知を「役秘匿アシスト報知」と称する。なお、副報知手段によるアシスト演出において、当選役種別ではなく、役が属するカテゴリー別が判明するような演出態様(区分別アシスト報知)とすることができる。たとえば、リプレイ種別である場合には第1背景画像(たとえば、青色の背景画像)を伴う第1アシスト演出、押し順ベルであれば第2背景画像(たとえば、黄色の背景画像)を伴う第2アシスト演出といったように、特別役種、小役種、リプレイ役種をカテゴリー別に分けた場合、そのカテゴリー別を識別可能な内容を含む演出態様とすることができる。勿論、主報知手段においても上述した区分別アシスト報知を実行可能に構成しても良い。
また、押順規定役であっても当選役情報を報知することに差支えがない場合や、手順指示情報が同じ内容であれば、一の手順指示情報に対するアシスト報知を、一つの報知手段により複数種類現出させても良い。たとえば、図18に示すように、「第1停止右の指示」と「7リプレイの図柄を停止させること(入賞させること)」という2種類の手順指示情報を含む「←7を狙え(第1停止右、全回胴7リプレイ図柄停止を指示)」などの内容を持つ報知態様である(同図の「←BARを狙え」も同様)。また、押順不問役の場合であってもアシスト報知をしても良い。いずれにしても、アシスト報知がなされれば、遊技者にとり有利なゲーム展開となり得るので、遊技者は、積極的に、そのアシスト報知の内容に従うことになる。
(アシスト報知制御手段)
以上に説明したアシスト報知の内容は、主制御部400がその機能部を担う「アシスト報知演出制御手段」により制御される。本実施形態のAT遊技には、複数種類のAT遊技(AT1遊技〜AT3遊技)が設けられており、アシスト報知演出制御手段は、図22Aおよび図22Bに示す「当選情報設定テーブル」に基づいて、現出すべきアシスト報知の内容を決定可能に構成されている。
この当選情報設定テーブルには、アシスト報知内容に関するデータとして、「指示モニタ番号(図22Aおよび図22Bの「指示モニタ番号」の欄参照)」が、遊技状態(ここでは、AT遊技種別(AT状態))と当選役種別とに関連付けて定められている。主制御部400は、上記「指示モニタ番号」に応じたアシスト報知を主報知手段(たとえば、払出枚数表示器35)に対して表示制御し、演出制御部410は、当該「指示モニタ番号」に対応するアシスト報知を副報知手段(たとえば、液晶表示装置6)に対して表示制御し、主/副報知手段によるアシスト報知が実行されるようになっている。
本実施形態の場合、図22Aおよび図22Bの各指示モニタ番号1〜8に対応するアシスト報知の内容(手順指示情報(押し順情報))は、指示モニタ番号「1」は押し順「123」を、指示モニタ番号「2」は押し順「132」を、指示モニタ番号「3」は押し順「213」を、指示モニタ番号「4」は押し順「231」を、指示モニタ番号「5」は押し順「312」を、指示モニタ番号「6」は押し順「321」を、指示モニタ番号「7」は「←7を狙え」、指示モニタ番号「8」は「←BARを狙え」を示すものとなっており、主報知手段と副報知手段とにおいて、上記指示モニタ番号で指定される手順指示情報(押し順情報)がアシスト報知されるようになっている。ただし、指示モニタ番号「0」の場合には、アシスト報知は実行されず、主報知手段と副報知手段とには、手順指示情報は一切報知されない。
なお、押し順が「1XX」、「2XX」、「3XX」などの場合は、第1停止がどの回胴がであるかが指示できれば良く、たとえば、押し順が「1XX」である場合は、押し順「123」に対応した指示モニタ番号「1」か、または押し順「132」に対応した指示モニタ番号「2」が割り当てられていれば良い。本実施形態の場合、「1XX」は押し順「132」の指示モニタ番号「1」に、「2XX」は押し順「213」の指示モニタ番号「3」に、「3XX」は押し順「312」の指示モニタ番号「3」が割り当てられている。
図18に、払出枚数表示器35(主報知手段)と液晶表示装置6(副制御手段)に対するアシスト報知の代表的な表示例を示す。たとえば、現在の遊技状態がAT1遊技を伴う遊技状態(たとえば、準備ART遊技)であり、今回のゲームの当選役が「RT2移行リプ123」である場合を例にとり説明する。図22Aの当選情報設定テーブルを参照して、当該テーブルにおける「AT1、RT2移行リプ123」に対応する「指示モニタ番号」は「1」であるので、主制御部400は、払出枚数表示器35に「123」の手順指示情報(押し順情報)を示す「1」を表示させるとともに、演出制御コマンドとして、少なくとも指示モニタ番号を特定可能な指示モニタ番号情報を含む「指示モニタ番号コマンド」を演出制御部410に送信する(後述の図11のステップS113参照)。演出制御部410は、指示モニタ番号コマンドを受けて、たとえば、液晶表示装置6に押し順「123」を指示内容とするアシスト報知を現出させる。なお本実施形態では、上述の「指示モニタ番号コマンド」の他、予告演出等の現出制御に利用される「当選役変換情報コマンド」も送信する構成となっている(後述の図11のステップS115参照)。
なお、第1停止〜第3停止していく際、アシスト報知開始時の表示態様を継続して表示させても良いが、少なくともアシスト報知としての機能を失うことがない表示態様であれば、すなわち、次に停止させる回胴を特定可能な表示態様であれば、停止ボタン12が操作されたときの表示態様を、アシスト報知開始時の表示態様とは異なる表示態様としても良い。上記で説明したケースのように、液晶表示装置6に「123」を表示するケースであれば、第1停止操作前は「123」を表示し、第1停止操作後は「*23」(少なくとも第2停止中が特定可能な表示)、第2停止操作後は「**3」(少なくとも次の第3停止右を特定可能な表示)といった表示態様とすることができる。
(遊技状態について)
次に図8を参照して、各遊技状態の内容と各遊技状態間の移行制御について説明する。図6は、遊技状態間の移行状態の概要を示す状態遷移図である。ここで本発明の理解を容易なものとするために、先に、遊技状態間の移行について簡単に説明しておく。なお以下では、説明の便宜のため、非AT遊技を「AT0遊技」と称する。また特に必要のない限り、遊技者は、アシスト報知に従うものとして説明する。
図8を参照して、上記「初期遊技(RT0遊技+AT0遊技)」において、後述のAT抽選(図19)に当選すると、RT2移行リプレイのアシスト報知(RT2移行リプアシスト報知)の発生を許容する所定の報知条件が成立する。この報知条件成立下において、RT2移行リプ種別(抽選番号2〜7)に当選すると、RT2移行リプレイアシスト報知され、RT2移行リプレイの入賞により、「準備ART遊技(RT2遊技+AT1遊技)」に移行される。そして、準備ART遊技中に、RT3昇格リプ種別(抽選番号11〜15)に当選すると、‘RT3昇格リプレイ’のアシスト報知(RT3昇格リプレイアシスト報知)が発生し、RT1転落リプ種別(抽選番号8〜10)のいずれかに当選すると‘通常リプレイ’のアシスト報知(通常リプアシスト報知)が発生し、RT1遊技への転落移行が回避されるようになっている。また準備ART遊技中に押順ベル種別(抽選番号27〜40)に当選すると‘中段ベル’のアシスト報知(中段ベルアシスト報知)が発生する。これにより、準備ART遊技中は、遊技メダルを極力減らすことなく、「本ART遊技」に移行可能な遊技状態となっている。
上記準備ART遊技中において、RT3昇格リプレイが入賞すると、「本ART遊技(疑似ボーナス:RT3遊技+AT2遊技)」に移行される。この本ART遊技は、一般遊技状態のうち、遊技者に最も有利に作用する(高利益を付与する)遊技状態(疑似ボーナス)となっている。本ART遊技は、所定の継続ゲーム数(たとえば、40ゲーム)が消化されるまで継続され、本ART遊技中では、押順ベル種別(抽選番号27〜40)に当選すると‘中段ベル’のアシスト報知が発生する。また、上記本ART遊技中に所定の条件を満たすと、遊技者に有利に作用する「上乗せ特化ゾーン(RT3遊技+AT3遊技)」に移行される。この上乗せ特化ゾーン中は、本ART遊技の継続ゲーム数を上乗せする上乗せゲーム数抽選(図21)が優遇され、本ART遊技継続ゲーム数が増加し易い有利な遊技状態となる。
なお、準備ART遊技、本ART遊技、上乗せ特化ゾーン中に、遊技者が押し順ミス等によりアシスト報知に従わなかった場合、転落契機役(転落リプレイ、ベル溢し目(押順ベル溢し)など)が入賞すると「RT1遊技」に転落移行されうる。ただし、発生中のAT遊技(AT1遊技〜AT3遊技)は、必ずしも終了されるわけではなく、上記転落移行した場合には、救済措置として、転落前の遊技状態に復帰する復帰ゲームが実行されるようになっている。この復帰ゲームでは、RT1遊技に転落移行した際、RT2移行リプレイやRT3昇格リプレイに係るアシスト報知が実行され、転落前の遊技状態に再移行できるようになっている。ただし、本ART遊技中または上乗せ特化ゾーン中に転落した場合、ペナルティとして、復帰するまでのゲーム数は、継続ゲーム数から減算されるようになっている。
遊技状態の遷移は、端的に言えば、所定の昇格移行条件が成立すると、現在の遊技状態よりも相対的に遊技者に有利に作用する遊技状態へと昇格移行され、所定の転落条件が成立すると、その有利な遊技状態から、遊技者に不利な遊技状態へと移行されるようになっている。本実施形態では、「初期遊技≦通常遊技<準備ART遊技<本ART遊技(疑似ボーナス)」の関係で遊技者に付与される利益が相対的に高まるようになっている。
(初期遊技について)
まず上記「初期遊技(RT0遊技+AT0遊技)」について説明する。
本実施形態では、初期の遊技状態として、RT0遊技だけが発生する「初期遊技(RT0遊技+AT0遊技)」から開始されるようになっている。この「初期遊技」は、設定が変更時、メインRAMクリア時の他、上記ボーナス遊技が終了した後に移行される遊技状態である。
この初期遊技において、押順ベル種別(抽選番号27〜40)に当選し、押し順不正解により「ベル溢し目(押順ベル溢し)」が停止した場合、遊技状態の移行が生じて、現在のRT0遊技からRT1遊技に移行される。つまり、遊技機全体として捉えた遊技状態が、次に述べる「通常遊技(RT1遊技+AT0遊技)」に移行される。なお、上記初期遊技は、AT0遊技(非AT遊技)であるため、押順ベル種別(抽選番号27〜40)が当選しても中段ベルのアシスト報知(以下、「中段ベルアシスト報知」と称する)がされず、ベル溢し目が高確率で入賞しうる(図5Bの抽選番号27〜40の押順ベルの当選確率を参照)。このため、比較的短いゲーム数で、通常遊技に移行されるようになっている。
通常遊技に移行した後は、図示のように、ボーナス遊技等を経由しない限り、初期遊技には移行されず、基本的には、通常遊技、準備ART遊技、本ART遊技といったRT1遊技〜RT3遊技に関連する遊技状態を循環する遊技ルートを辿る。上記初期遊技は、通常遊技と同様にAT遊技が発生しない「非AT遊技」に係る遊技状態であることから、初期遊技を通常遊技の一態様として扱っても良い。また初期遊技を設けなくても良い。この場合、初期遊技への移行ルートを通常遊技への移行ルートに置き換えれば良い。
(通常遊技について)
次に、「通常遊技(RT0遊技+AT0遊技)」について説明する。
通常遊技(RT1遊技+非AT遊技)においては、「AT抽選」が実行される。AT抽選に当選すると、所定のアシスト報知条件の下で、RT2移行リプレイに係るアシスト報知(以下、「RT2移行リプアシスト報知」と称する)が実行され、遊技者が、このアシスト報知に従い停止操作を行えば、RT2移行リプレイが入賞して遊技状態の移行が生じ、後述の「準備ART遊技(RT2遊技+AT1遊技)」に移行されるようになっている。なお、AT抽選に当選した場合には、最終的に、後述の「本ART遊技(RT遊技+AT2遊技)」への移行が約束される。
(AT抽選テーブル:図19)
上記AT抽選は、主制御部400側において、図19に示す「AT抽選テーブル」に基づいて実行される。
AT抽選テーブルは、図示のように、遊技状態と当選役種別(後述の役グループ番号:AT抽選契機役種別)とに応じたAT抽選確率が定められている。本実施形態のAT抽選は、遊技状態が初期遊技または通常遊技であること(本例では、AT0遊技であること)をAT抽選実行条件としている。また本実施形態の場合、後述の図20(イ)の「通常遊技中用フリーズ演出抽選テーブル」に基づくフリーズ演出抽選を実行し、そのフリーズ抽選結果と図19のAT抽選テーブルとに基づくAT抽選が実行されるようになっており、フリーズ演出「未発生(非実行)」の場合よりもフリーズ演出(フリーズ1〜2)を伴う場合の方が、AT当選確率が相対的に高く定められている。なお図中のセル内に示した数値(判定値)は、抽選領域の大きさ256に対する判定値(当選領域)の占有領域数である。
上記AT抽選は、基本的には、内部抽選確率が低確率な当選役種別ほど、また低確率で発生するフリーズ演出種別ほど、AT抽選が優遇される(高確率で当選する)ようになっている。ただし、特定の当選役種(本実施形態の場合、中段チェリー、最強チェリー、押順ベル種別等)には例外を設けてある。上記AT抽選の実行契機となる当選役または抽選対象役を「AT抽選契機役」と称する。
なおAT抽選に関し、抽選番号29〜40の押順ベル種別については、押し順が正解、つまり‘中段ベル’の入賞があった場合に限り、AT抽選が実行されるようになっており、比較的高確率で当選しうる押順ベルについて押し順正解であった場合にAT抽選の機会を与えている。またプレミアム役的な位置付けの「最強チェリー」が当選した場合、「AT当確」に加え(第1特典)、後述の本ART遊技の継続率が相対的に高い継続率(たとえば、継続率80%:第2特典)が付与されるようになっており、他の抽選対象役が当選した場合と比較して高い遊技価値が付与されるものとなっている。なお、最強チェリーに係る特典は、上述の遊技価値に限らず、本ART遊技継続ゲーム数が通常よりも多いゲーム数から開始される等、他の抽選対象役当選時よりも高い遊技価値が付与されるものであれば良い。また、重複BB役(抽選番号42〜45、46〜50)が当選した場合、重複当選(同時当選)となる一般役種別に対応したAT抽選が実行される。たとえば、抽選番号43の「BB1+強チャンス」の場合、強チャンスを対象としたAT抽選が実行される。これに当選した場合は‘AT抽選当選状態’に設定され、BB1のボーナス遊技が終了した後に、本ART遊技への移行が約束されるようになっている。重複BB役が当選した場合については、後述のフリーズ演出抽選(図20)および上乗せ抽選(図21)も上述のAT抽選の場合と同様に、重複当選となる一般役種別に対応した抽選が実行される。
(役グループ番号について:図22A、図22B)
ここで本実施形態の特徴的な点の一つは、当選役の種類ごとにAT抽選を実行するのではなく、抽選対象役や当選役が持つ性質・性能等を考慮してグループ分けをした「役グループ番号」を利用してAT抽選を実行している点である。なお、この役グループ番号は、フリーズ演出抽選や上乗せ抽選等の特定の抽選を実行する際にも利用される(図20、図21参照)。
上記した‘グループ分け’の仕方については、次の点を考慮することができる。「配当の有無」、「リプレイ役種、小役種、および特別役種のいずれの役種別であるか」、「押順不問役であるか押順規定役であるか」、「AT抽選契機役および/またはフリーズ抽選契機役であるか否か」、「入賞時に遊技状態の移行を伴う役種別であるか否か」等である。本実施形態では、上述の点を考慮したグループ分けをしている。具体的には、図19〜図21(AT抽選等の各種抽選)、図22A〜図22B等(役グループ番号の欄参照)に示す通り、以下のようなグループ分けとなっている。
(A)ハズレ(抽選番号0)は「役グループ番号0」、
(B)通常リプレイ、RT2移行リプ種別、RT1転落リプ種別およびRT3昇格リプ種別(抽選番号1〜15)は「役グループ番号1」、
(C)7リプレイ〜最強チェリー(抽選番号16〜26)は、「役グループ番号2〜12」、
(D)共通ベルAは「役グループ番号13」、
(E)共通ベルBは「役グループ番号14」、(F)押順ベル種別は「役グループ番号15」、
(G)特別役種は、「役グループ番号16」、といった具合である。
本実施形態では、各役を性質・性能等に従い複数のグループに分類し、そのグループ情報を当選役種別に対応関係があるものとして、AT抽選やフリーズ演出抽選等を実行する際に利用している。その理由は、次の通りである。
既に説明したように、RT遊技およびAT遊技に関する制御やアシスト報知に関する制御については主制御部400側がその機能部を担い、主報知手段と副報知手段とを利用してアシスト報知を実行する構成となっている。また遊技性を豊富にするためには、多種多様な役が必要である。このため、主制御部400側の制御負担の増加を招く。そこで本実施形態では、役が持つ性質・性能等を考慮して、似たような役同士をグループ化し、実際の当選役の種類数よりも少ない種類数に分類した「役グループ番号」を利用して、AT抽選やフリーズ演出抽選等を実行している。このようにすれば、似たような性質・性能を持つ当選役があるにもかかわらず、全ての役に対して、無闇に抽選確率データを定める必要が無く、プログラムの削減・抽選処理の負担軽減等に寄与し、以って主制御部400側の制御負担を軽減することができる。
なお上記したAT抽選契機役の種類やAT抽選確率には特に制限はなく、遊技性に応じて適宜変更することができる。また、フリーズ演出未発生時やフリーズ演出種別に対応して、どのようなAT抽選確率とするかについても適宜変更することができる。たとえば、本実施形態の場合、押順ベル種別についてはフリーズ演出未発生時にもAT抽選を実行しているが、フリーズ演出未発生時にはAT抽選を実行しなくても良い(AT抽選確率が0%としても良い)。また、AT抽選の他、初期遊技中または通常遊技中に所定のゲーム数を消化(所謂「天井ゲーム数」に到達)したことを条件に、AT抽選に当選したとみなす構成とすることができる。
(フリーズ演出について)
本実施形態では、所定の条件に基づいて、遊技進行を通常の遊技進行よりも遅延させる(所定の遊技動作処理を所定時間進行しないようにする)「フリーズ状態(遅延状態)」を実行制御可能に構成されている。このフリーズ状態の期間を利用して現出される演出を「フリーズ演出」と称する。
フリーズ演出には、演出手段(装飾ランプ13やスピーカ16や液晶表示装置6などの演出手段)を利用した演出(フリーズ中サブ側演出)の他、回胴の一部または全部の回転動作を利用した「回胴演出(フリーズ中メイン側演出)」が含まれる。上記のフリーズ中メイン側演出の「回胴演出」とは、フリーズ中における回胴の動的な動きまたは静的な動き、あるいはそれら組合せによる演出である。「回胴の動的な動き」とは、全回胴の一部または全部が、通常の回転動作とは異なる回転動作態様に制御される「変則回転」動作を意味し、「回胴の静的な動き」とは、とは全回胴が静止状態にいること、つまりフリーズ(遅延)中に静止している「無回転」動作を意味する。なお、全回胴が僅かに振動している等、見た目上、静止していると認識しうるような「準静止状態」は、回胴が僅かにでも動いているという点で変則回転動作の一態様として扱っても良いし、疑似的な静止状態として無回転動作の一態様として扱っても良い。ただし、フリーズ状態が発生したからといって、必ずしもフリーズ中メイン側演出やフリーズ中サブ側演出が発生するとは限らない。これら演出が何ら発生しなくとも「フリーズ状態」の発生それ自体が遊技者に違和感を与えるという観点から、フリーズ状態の発生そのものが「フリーズ演出」をなすことができる。
本実施形態では、フリーズ状態の一例として、始動レバー11の本来の目的の操作、つまり通常時において回胴を回転始動させる目的で行う始動レバー11操作を検出したことを契機として、遊技進行上の次の段階である操作または処理(回胴の通常回転の開始)を遅延対象として、これを有効化するタイミングを所定時間(フリーズ時間)だけ遅延させ、回胴の通常回転動作の開始をそのフリーズ時間分遅延させる、といったフリーズ状態を利用し、次のようなフリーズ演出(レバー操作時フリーズ演出:フリーズ1〜3)を発生可能に構成されている。
「フリーズ1」は、始動レバー11の操作後、所定のフリーズ時間(たとえば、1秒)において、「変則回転」動作による回胴演出(変則回転回胴演出)を含むフリーズ演出となっている。「フリーズ2」は、上述のフリーズ1と同じく、「変則回転回胴演出」を含むものであるが、フリーズ1に係るフリーズ時間および回胴演出における回胴の回転動作が異なるものとなっている。「フリーズ3」は、始動レバー11の操作後、所定のフリーズ時間(たとえば、2秒)だけ回胴を無回転状態とし、通常回転動作を遅延させる回胴演出(無回転回胴演出)含むフリーズ演出となっている。なお、いずれのフリーズ演出もフリーズ中サブ側演出を伴うことができる。
(フリーズ演出抽選)
上記した各フリーズ演出(フリーズ1〜3)は、フリーズ演出抽選に基づいて、その発生が決定される。このフリーズ演出抽選は、主制御部400側において、図20に示す「フリーズ演出抽選テーブル」に基づいて実行される。
(フリーズ演出抽選テーブル:図20)
図20に本実施形態に係るフリーズ演出抽選テーブルを示す。図20(イ)は、AT0遊技(非AT遊技)の初期遊技または通常遊技)で利用される「通常遊技中用フリーズ演出抽選テーブル」、図20(ロ)は、後述の上乗せ特化ゾーン(RT3遊技+AT3遊技)で利用される「上乗せ特化ゾーン用フリーズ演出抽選テーブル」の一例を示したものである。
フリーズ演出抽選テーブルは、図示のように、遊技状態と当選役とに応じたフリーズ演出種別の抽選確率が定められており、通常遊技中用フリーズ演出抽選テーブルの場合は、図20(イ)に示すように、フリーズ演出未発生(フリーズ抽選ハズレ)、フリーズ1、フリーズ2のいずれかが抽選対象とされ、上乗せ特化ゾーン用フリーズ演出抽選テーブルの場合は、図20(ロ)に示すように、フリーズ演出未発生またはフリーズ3が抽選対象とされる。本実施形態のフリーズ演出抽選は、遊技状態が初期遊技または通常遊技であること(本例では、AT0遊技であること)、または上乗せ特化ゾーンであること(本例ではAT3遊技であること)をフリーズ抽選実行条件としている。なお図中のセル内に示した数値(判定値)は、抽選領域の大きさ256に対する判定値(当選領域)の占有領域数である。
上記フリーズ演出抽選の実行契機となる当選役または抽選対象役を「フリーズ抽選契機役」と称する。このフリーズ抽選契機役は、AT抽選と密接に関係する点で「状態移行契機役」に属するものといえる。なお、フリーズ抽選契機役やフリーズ抽選確率には特に制限はなく、遊技性に応じて適宜変更することができる。またどのようなフリーズ演出抽選契機役に対し、抽選対象となるフリーズ演出種別についても特に制限はなく、遊技性に応じて適宜変更することができる。
(疑似ボーナス当選告知遊技)
本実施形態の場合、上記「RT2移行リプアシスト報知」は、上述のAT抽選に当選した後、所定の前兆ゲーム数(たとえば、3〜4ゲーム)を消化した後のRT2移行リプ種別の当選ゲームにて実行されるようになっている。この前兆ゲームの途中または最終ゲームにおいて、AT抽選に当選した旨、換言すれば、本ART遊技移行権利獲得を報知する「疑似ボーナス当選報知演出」が実行される。この前兆ゲーム間を「疑似ボーナス当選告知遊技」と称する。
(準備ART移行前遊技)
上記疑似ボーナス当選告知遊技が終了すると、AT1遊技が発生し、遊技状態は、通常遊技から「準備ART移行前遊技(RT1遊技+AT1遊技)」に移行される。
この準備ART移行前遊技では、RT2移行リプ種別(抽選番号2〜7)に当選した場合、RT2移行リプアシスト報知が実行され、また押順ベル種別(抽選番号27〜40)に当選した場合には、中段ベルアシスト報知が実行される(図5AのRT1の対応記載欄、図22A〜図22BのAT1の対応記載欄参照)。これにより、準備ART移行前遊技は、遊技メダルを極力減らすことなく、後述の「準備ART遊技」に移行可能な遊技状態となっている。ただし、RT2移行リプアシスト報知が発生した際、故意にRT移行リプレイの入賞を回避して通常リプレイを入賞させてゲームを延長させつつ、押順ベル種別の当選を待ち、中段ベルの入賞を獲得する、といった技術介入要素を防止するために、ここでのアシスト報知は、少なくともRT2移行リプ種別または押順ベル種別が当選した場合、手順指示情報を報知するだけでその当選役情報までは報知しない「役秘匿アシスト報知」とし、遊技者が故意にアシスト報知に従わず、RT移行リプレイの入賞を回避してゲームを延長させた場合、単位ゲーム当りの遊技メダルの純増枚数がマイナスとなるようにしている。
たとえば、RT2移行リプ123、押順ベル123A、または押し順123Bのいずれかが当選した場合、アシスト報知の内容は、いずれの場合も、払出枚数表示器35(主報知手段)には「123」の押し順を示す「1」を表示し、他方、液晶表示装置6(副報知手段)の液晶画面には「123」の手順指示情報を示す画像演出を表示する(図22A〜図22Bの指示モニタ番号の対応記載欄、図18参照)。しかし、副報知手段に係る画像演出には、当選役情報が判明してしまうような演出は現出しない。勿論、画像演出の他、音演出および/または光演出を副報知手段として利用する場合、これらの演出においても当選役情報が判明してしまうような演出は現出しない(後述の「本ART遊技」における特定の当選役のアシスト報知についても同様)。さらに、RT1遊技下ではハズレ確率も高く設定されている。このため、遊技者が故意にアシスト報知に従わず、RT移行リプレイの入賞を回避してゲームを延長させた場合、単位ゲーム当りの遊技メダルの純増枚数がマイナスとなるようにして遊技者が不利益を被るようにし、技術介入要素を防止している。
(第1昇格通常遊技)
上記のように「AT1遊技」は、AT抽選に当選したことを条件に発生し、AT抽選に当選しない限りは、上記RT2移行リプアシスト報知は実行されず、基本的には、通常遊技に滞在することになる。しかし、通常遊技であっても、RT2移行リプ種別(抽選番号2〜7)に当選したとき、遊技者の恣意的な停止操作により、RT2移行リプレイが入賞し、RT1遊技からRT2遊技に移行される場合がある。しかしこの場合は、AT抽選非当選時にRT2遊技に移行したとして、AT遊技は発生せずに後述の「準備ART遊技(RT2遊技+AT1遊技)」とはならずに、遊技状態は「RT2遊技+AT0遊技」という「第1昇格通常遊技」とされる。この「第1昇格通常遊技」は、RT2遊技下であるため、転落リプレイの入賞を許容するRT3昇格リプ種別(抽選番号11〜15)およびRT1転落リプ種別(抽選番号8〜10)や、ベル溢し目の入賞を許容する押順ベル種別(抽選番号27〜40)が抽選対象役となっており、これらのいずれかが高確率で当選するようになっている(図5A、図5Bの抽選テーブル参照)。しかし、これらの役に当選しても、転落リプレイやベル溢し目(押順ベル溢し)を回避する押し順が報知されないため、比較的短いゲーム数で、通常遊技に再移行される。
(第2昇格通常遊技)
また稀なケースであるが、第1昇格通常遊技中にRT3昇格リプ種別(抽選番号11〜15)が当選し、RT3昇格リプレイが入賞し、RT2遊技からRT3遊技に移行される場合がある。AT抽選非当選時にRT3遊技に移行したとして、AT遊技は発生せずに後述の「本ART遊技(RT3遊技+AT2遊技)」とはならずに、遊技状態は「RT2遊技+AT0遊技」という「第2昇格通常遊技」とされる。この第2昇格通常遊技はRT3遊技下であるため、転落リプレイの入賞を許容するRT3昇格リプ種別やRT1転落リプ種別(抽選番号8〜10)は抽選対象役とはならないが、ベル溢し目の入賞を許容する押順ベル種別(抽選番号27〜40)は抽選対象役となっており(図5A、図5Bの抽選テーブル参照)、ベル溢し目(押順ベル溢し)を回避する押し順が報知されないため、第2昇格通常遊技に移行しても、比較的短いゲーム数で、通常遊技に再移行されるようになっている。
このように、通常遊技から第1昇格通常遊技または第2昇格遊技に移行しても、AT抽選非当選状態であれば、RT1遊技に容易に転落移行させて通常遊技に戻るようにし、RT2遊技やRT3遊技のような高確率RT遊技が長いゲーム数にわたって継続させることが困難なものとなるようにしている。これにより、遊技機の仕様・設計上、想定外の利益が遊技者に付与されてしまうことを防止している。また上述の第1および第2昇格通常遊技に移行しても、AT抽選は実行されるようになっており、特段、遊技者に不利益に作用するペナルティは設けていない。したがって、各昇格通常遊技に滞在していてもAT抽選に当選すれば、通常遊技と同様に、疑似ボーナス当選告知遊技が発生し、準備ART移行前遊技に移行することができるようになっている。特に本実施形態では、通常遊技と同様のAT0遊技である第1昇格通常遊技(RT2遊技)または第2昇格通常遊技(RT3遊技)においてもAT抽選を実行可能に構成することにより、通常遊技(RT1遊技)で抽選対象外である7リプレイや7リプフェイク等(抽選番号16〜19)が当選した場合に、通常遊技では当選し得ない特殊なリプレイ役が当選したとして、AT抽選が優遇されるようになっている(図19参照)。これにより、第1および第2昇格通常遊技の滞在期間が短期間であるが、これら遊技状態を所謂「AT抽選高確率当選ゾーン」として作用させることができる。その結果、遊技性の幅が広がり、遊技の面白みを向上させることができる。勿論、遊技性に応じて、第1および第2昇格通常遊技においてAT抽選を実行しない構成としても良く、また通常遊技よりもAT抽選確率が相対的に低確率となるように構成しても良い。
(準備ART遊技について)
次に、「準備ART遊技(RT2遊技+AT1遊技)」について説明する。この準備ART遊技(RT2遊技+AT1遊技)は、後述の本ART遊技(RT3遊技+AT2遊技)に移行する前段階において、通常遊技から経由する遊技状態(疑似ボーナス移行準備遊技状態)であり、本ART遊技へは、専ら、この準備ART遊技を経由して移行される。
上記準備ART遊技中は、RT2遊技下であるので、RT1遊技の通常遊技下の抽選対象役が異なるものとなっている。具体的には、図6Aに示すように、RT1転落リプ種別(抽選番号8〜10)、RT3昇格リプ種別(抽選番号11〜15)、7リプレイ〜BARリプフェイク(抽選番号16〜19)などが抽選対象役に含まれ、RT1遊技下の抽選対象役であるRT2移行リプ種別(抽選番号2〜7)が除外されている。
準備ART遊技中では、AT1遊技の発生により、RT3昇格リプ種別(抽選番号11〜15)に当選すると‘RT3昇格リプレイアシスト報知(以下、「RT3昇格リプアシスト報知」と称する)’が、RT1転落リプ種別(抽選番号8〜10)に当選すると‘通常リプレイアシスト報知’が、押順ベル種別(抽選番号27〜40)に当選すると‘中段ベルアシスト報知’が実行され(図22Aおよび図22BのAT1の対応記載欄参照)、転落リプレイやベル溢し目(押順ベル溢し)を回避させつつ、RT3昇格リプレイが入賞した場合には「本ART遊技(疑似ボーナス:RT3遊技+AT2遊技)」に移行させるようになっている。
準備ART遊技中のアシスト報知については、少なくともRT1転落リプ種別およびRT3昇格リプ種別のいずれかが当選した場合、手順指示情報を報知するだけで、その当選役情報までは報知しない「役秘匿アシスト報知」を現出させるようになっている。つまり、今回のゲームでRT1転落リプ種別およびRT3昇格リプ種別のいずれに当選したのかまでは報知されない。このため、遊技者がアシスト報知に従わない場合、転落リプレイが入賞し不利益を被る(RT1遊技に転落移行する)可能性がある。たとえば、RT1転落リプ2XXまたはRT3昇格リプ213に当選した場合、アシスト報知の内容として、払出枚数表示器35(主報知手段)には、いずれの場合も押し順「213」を指示する「3」を表示し、他方、液晶表示装置6(副報知手段)の液晶画面には、「213」の手順指示情報(押し順情報)を示す画像演出を表示する(図22Aの指示テーブル、図18の表示例参照)。しかし、画像演出には、当選役情報が判明してしまうような演出を現出させない。したがって払出枚数表示器35と液晶表示装置6とを見ても、遊技者は押し順情報しか知ることができず、「RT1転落リプ2XX」および「RT3昇格リプ213」のいずれのリプレイ役に当選したのかまでは知ることができず、アシスト報知に従わない場合には、転落リプレイが入賞する可能性がある。このため、遊技者は積極的にアシスト報知に従うことになる。なお、特定の当選役のアシスト報知について当選役情報を報知しない点は、上記準備ART移行前遊技とケースと同じである。
なお、図示はしていないが、準備ART遊技中に特定の抽選対象役に当選した場合、後述の本ART遊技継続ゲーム数に対する上乗せゲーム抽選(準備中上乗せ抽選)が実行されるようになっている。本実施形態の場合、その準備中上乗せ抽選契機役として、弱チャンス1(抽選番号20)を除く、抽選番号16〜26の7リプレイ〜最強チェリーを定めている。上記準備中上乗せ抽選に当選して、上乗せゲーム数が決定されると、後述の本ART遊技継続ゲーム数がその分上乗せされ、今回の本ART遊技が有利なゲーム数から開始されるようになっている。なお、準備中上乗せ抽選に関し、どのような役が当選したときに、どのような上乗せゲーム数を抽選対象とするか、またその抽選確率については、適宜定めることができる。
(準備ART遊技中の特定当選役に関するアシスト報知)
準備ART遊技中(AT1遊技中)において、7リプレイまたはBARリプレイが当選した場合、いずれの場合も指示モニタ番号「6」が選択される(図22Aの指示モニタ番号の指示有り区間1の対応記載欄参照)。つまり、アシスト報知として、払出枚数表示器35に「6」を表示し、液晶表示装置6には「321」の押し順を報知するだけで、「←7を狙え」(指示モニタ番号7対応:図18参照)や「←BARを狙え」(指示モニタ番号8対応:図18参照)という表示態様では報知されない(7リプレイフェイク、BARリプレイフェイクも同様)。これは、「7リプレイ」等の当選を秘匿する役秘匿アシスト報知を実行し、RT1転落リプレイやRT3昇格リプレイが当選したかのように装う一方、準備中上乗せ抽選に当選した場合は、回胴の停止操作または入賞時、あるいは次回のゲーム開始時において、インパクトのある専用の演出を現出し、遊技者に対し、意表を突く形で、上乗せの事実を報知するためである。
(本ART遊技について)
次に、「本ART遊技(RT3遊技+AT2遊技)」について説明する。この本ART遊技(RT3遊技+AT2遊技)は、リプレイ確率が全RT遊技中最も高くなり、押順ベル種別に当選した場合、中段ベルを入賞させる中段ベルアシスト報知が実行される。本ART遊技は、1ゲームあたりの平均獲得遊技メダル枚数(1ゲームあたりの平均純増枚数)が通常遊技よりも飛躍的に高まる所謂「疑似ボーナス」として働く遊技状態である。
上記本ART遊技中は、RT3遊技下であるので、RT1遊技の通常遊技下やRT2遊技下の準備ART遊技の抽選対象役とは異なるものとなっている。具体的には、図5Bの役抽選テーブルに示すように、RT1遊技からRT3遊技の移行に要したRT2移行リプレイ種別やRT3昇格リプレイ種別やRT1転落リプレイ種別が抽選対象から除外されている。
本ART遊技中では、AT2遊技の発生により、押順ベル種別(抽選番号27〜40)に当選すると‘中段ベルアシスト報知’が実行され、ベル溢し目(押順ベル溢し)を回避させ、本ART遊技を継続させることができるようになっている。
また本ART遊技中は、リプレイ役が高確率で成立し、またアシスト報知の作用により、中段ベルが高確率で入賞しうる。このため、再遊技作動や遊技メダルの払出動作により遊技消化スピードが通常遊技よりも遅延しがちになり、遊技者の中には、遊技の消化スピードに不満を感じる者も多い。そこで本実施形態では、遊技性を損なうことなく遊技消化スピードを高めるべく、本ART遊技中は、フリーズを発生させない「フリーズ演出未発生遊技状態」とし、フリーズ演出抽選の実行を禁止している(図20参照)。
(本ART遊技の継続ゲーム数)
本ART遊技の継続ゲーム数(本ART遊技継続ゲーム数)は、本ART遊技移行を契機に(たとえば、RT3昇格リプレイの入賞を契機に)、たとえば「40ゲーム」が設定される。この40ゲームは、本ART遊技継続ゲーム数のデフォルト値、つまり、準備ART遊技中の特典により上乗せがない場合の1セット分のゲーム数である。したがって、ゲーム数の上乗せがあった場合には、その上乗せされたゲーム数が、最初の本ART遊技継続ゲーム数として設定される。本ART遊技継続ゲーム数は、主制御部400側で管理される。
上記した本ART遊技継続ゲーム数の実体は、RT3遊技の継続ゲーム数ではなく、AT遊技2の継続ゲーム数といえる。詳述するに、本実施形態の場合、RT1遊技〜RT3遊技間の移行が特定の入賞役(たとえば、RT2移行リプレイ、RT1転落リプレイ、RT3昇格リプレイ、ベル溢し目など)の入賞を契機に行われるようになっており、AT2遊技が終了すれば、「RT3遊技」だけが発生した遊技状態(上記「第2昇格通常遊技(RT遊技+AT0遊技)」と同じ遊技状態)になる。したがって、AT2遊技が終了した後は、いずれはRT1遊技に転落移行されることになる。このように本実施形態では、AT2遊技の終了に起因してART遊技自体が終了されることになるので、以下では特に必要のない限り、AT遊技継続ゲーム数をART遊技継続ゲーム数と等価的なものとして扱う。
(本ART遊技継続ゲーム数が終了した場合)
本実施形態では、本ART遊技継続ゲーム数が終了した場合、所定の継続抽選(たとえば、50%で継続)に当選した場合に、再度、1セットの40ゲームを設定し、本ART遊技がを継続可能となっている。つまり、この継続抽選に当選し続ける限りは、本ART遊技が継続される。継続抽選にハズレとなった場合は、AT2遊技が終了され、上述したように、「RT3遊技」だけが発生した遊技状態(第2昇格通常遊技)になり、AT2遊技が終了した後は、いずれはRT1遊技に転落移行されることになる。なお、上記継続抽選を行うタイミングは、本ART遊技開始(RT3昇格リプレイの入賞時)〜終了前であれば、そのタイミングは特に制限されない。また継続率は50%に限らず、複数種類の継続率(たとえば、継続率50%、65%、80%)を設け、所定の継続率抽選により決定しても良い。上記継続率抽選は、たとえば、AT抽選に当選したことを契機に実行され、当選役種別(役グループ番号)に応じて、継続率50%、65%、80%のうちどの継続率が選択され易いかを定めても良いし、当選役種別によらずに、あらかじめ定められた抽選確率により継続率を抽選しても良い。
(本ART遊技継続ゲーム数の上乗せについて)
本実施形態では、本ART遊技継続ゲーム数に対して、所定のゲーム数を上乗せする「上乗せ抽選」が実行されるようになっている。この上乗せ抽選は、主制御部400側にて、「ART中上乗せ抽選テーブル」に基づいて実行される。
(ART中上乗せ抽選テーブル:図21(イ))
図21(イ)に、ART中上乗せ抽選テーブルを示す。ART中上乗せ抽選テーブルには、当選役種別(役グループ番号)に応じて、上乗せゲーム数とその抽選確率とが関連付けて定められている。上乗せ抽選に当選すると、残余本ART遊技継続ゲーム数に対し、上乗せゲーム数が加算される。これにより、本ART遊技期間が延長されて、遊技者に更なる利益をもたらすことになる。なお、上乗せ抽選に関し、上乗せ抽選契機役、上乗せゲーム数、抽選確率をどのようなものに定めるかは、遊技性に応じて適宜定めることができる。
(本ART遊技中の特定当選役に関するアシスト報知)
本ART遊技中(AT2遊技中)において、7リプレイ、7リプフェイク、BARリプレイ、またはBARリプフェイクが当選した場合、いずれも指示モニタ番号「6」が選択される(図22Aの指示モニタ番号の指示有り区間1の対応記載欄参照)。本ART遊技中の場合も準備ART遊技中と同じように、7リプレイ等の当選を役秘匿アシスト報知を実行し、同じ指示モニタ番号「6」の押順ベル押順ベル321Aや押順ベル321Bが当選したかのように装う一方、上乗せ抽選に当選した場合は、回胴の停止操作または入賞時、あるいは次回のゲーム開始時において、インパクトのある専用の演出を現出し、遊技者に対し、意表を突く形で、上乗せの事実を報知可能となっている。
なお本ART遊技中にはフリーズ抽選が実行されないものとして説明したが、本発明はこれに限らず、通常遊技と同じように、フリーズ演出抽選契機役を設けてフリーズ抽選を実行することで、本ART遊技中もフリーズ演出を発生可能な構成としても良い。この場合、上乗せ抽選契機役として、フリーズ演出抽選契機役を含んでも良い。上乗せ抽選契機役がフリーズ演出抽選契機役としても機能する場合、当選時にフリーズ演出が発生する場合がある。これに着目して、その当選役とその当選役により発生するフリーズ演出種別(未発生(非実行)を含むことができる)とに対応した上乗せゲーム数を定めても良い。
(上乗せ特化ゾーンについて)
次に、「上乗せ特化ゾーン(RT3遊技+AT3遊技)」について説明する。この上乗せ特化ゾーン(RT3遊技+AT3遊技)は、本ART遊技中において、所定の移行条件が成立した場合に移行される。本実施形態では、上乗せ特化ゾーンへの移行条件を、リプレイ役種別に属する強チェリー、弱チャンス2、強チャンス、および最強チェリーのいずれかに当選し、かつ所定の移行抽選に当選した場合としている。上記移行抽選は、たとえば、強チェリー当選時の5%、弱チャンス2当選時の10%、強チャンス当選時の20%、最強チェリー当選時の100%で移行抽選当選となる。この移行抽選当選となった場合、その旨を報知するとともに、次回ゲーム以降から上乗せ特化ゾーンに突入させる。
上乗せ特化ゾーン中は、本ART遊技中よりも「上乗せ抽選」が非常に優遇されたものとなっている(図21(ロ)参照)。したがって、上乗せ特化ゾーン中において、如何に多くの上乗せゲーム数を獲得できるかにより、遊技者の利益は大きく左右される。
上乗せ特化ゾーンにおける上乗せ抽選(以下、「特化ゾーン上乗せ抽選」と称する)は、主制御部400側にて、図21(ロ)に示す「上乗せ特化ゾーン中用上乗せ抽選テーブル」に基づいて実行される。
(上乗せ特化ゾーン中用上乗せ抽選テーブル:図21(ロ))
図21(ロ)に、上乗せ特化ゾーン中用上乗せ抽選テーブルを示す。上乗せ特化ゾーン中用上乗せ抽選テーブルの基本構成は、図21(イ)の「ART中上乗せ抽選テーブル」と同じであり、当選役種別(役グループ番号)に応じて、上乗せゲーム数とその抽選確率とが関連付けて定められている。
本実施形態に係る特化ゾーン上乗せ抽選では、図21(ロ)から分かるように、「7リプレイ」、「BARリプレイ」、「強チェリー」、「最強チェリー」の上乗せ抽選が優遇されており、上乗せ確率および上乗せゲーム数が、他の当選役よりも相対的に有利なものとなっている。またゲーム数の上乗せがあった場合には、上乗せゲーム数を報知する「上乗せ演出」が現出される。
(上乗せ特化ゾーン中の「7リプレイ」、「BARリプレイ」に関するフリーズ演出、アシスト報知について)
ここで本実施形態の上乗せ特化ゾーンには、次のような特徴がある。上述したように「7リプレイ」または「BARリプレイ」は、上乗せ抽選が優遇されているため、遊技者の関心は、これら役に当選することに向けられる。そこで本実施形態では、「7リプレイ」または「BARリプレイ」の当選期待感を煽るため、7リプレイ、7リプフェイク、BARリプレイまたはBARリプフェイクのいずれの役が当選しても、インパクトのある音演出および光演出を伴う「フリーズ3」が発生するようになっている(図20(ロ)参照)。7リプフェイクとBARリプフェイクをもフリーズ3の発生対象とするのは、既に説明したように、「7リプフェイク」は‘赤7リプ聴牌外れ目’を導出表示し、「BARリプフェイク」は、‘BARリプ聴牌外れ目’を導出表示しうるもので、これらは、7リプレイやBARリプレイの当選期待感を煽る役として働ものであり、これらのフェイク役を含めて、フリーズ3を発生させ、7リプレイやBARリプレイの当選期待感を煽るようになっている。
また、7リプレイ、7リプフェイク、BARリプレイ、BARリプフェイクに関するアシスト報知について、上乗せ特化ゾーン中に、「7リプレイ」または「7リプフェイク」が当選した場合には、指示モニタ番号‘7’が選択されるので、アシスト報知として、払出枚数表示器35に「7」、液晶表示装置には「←7を狙え」が表示され、「BARリプレイ」または「BARリプフェイク」が当選した場合には、指示モニタ番号‘8’が選択されるので、アシスト報知として、払出枚数表示器35に「8」、液晶表示装置には「←BARを狙え」が表示される(図22Aの指示モニタ番号の欄、図18の表示例参照)。したがって、フリーズ3とともに「←7を狙え」や「←BARを狙え」のアシスト報知が発生した場合、遊技者は「7リプレイ」や「BARリプレイ」の当選に大きな期待を寄せながら、回胴を慎重に停止操作していくようになる。
(上乗せ特化ゾーン中のチェリーリプ種別に関するフリーズ演出、アシスト報知について)
また「強チェリー」も上乗せ抽選が優遇されており、特に「最強チェリー」は全役のうち最も上乗せ抽選が優遇されており、当選すれば、上乗せ抽選当確、かつ最高ゲーム数の「100ゲーム」が選択されるようになっている(図20(ロ)参照)。このため、上乗せ特化ゾーン中の遊技者の関心事は、上述した「7リプレイ」や「BARリプレイ」と同じく、「強チェリー」や「最強チェリー」に当選することにも向けられる。
ここで、チェリーリプ種別(弱チェリー、強チェリー、最強チェリー)には、既に説明したように、停止目に関し次のような関係がある。
(α)停止操作手順に応じて、いずれも共通の「チェリー溢し目」が出現する場合がある。
(β)「弱チェリー」が当選した場合、弱チェリーの取りこぼし目として「強チェリー(弱チェリー・強チェリー共通停止目)」が出現する場合がある。また強チェリーが当選した場合、強チェリーの取りこぼし目として「弱チェリー(弱チェリー・強チェリー共通停止目)」が出現する場合がある。また最強チェリーが当選した場合、最強チェリーの取りこぼし目として「強チェリー」「弱チェリー」が出現する場合がある(図6Bの弱チェリー、強チェリー、最強チェリーの欄、図6Bの備考欄参照)、という各チェリー役同士で共通性のある停止目が出現するようになっている。
そこで、この共通性のある停止目が出現する点に着目し、強チェリーや最強チェリーの当選期待感を煽るため、チェリーリプ種別が当選した場合、フリーズ3を発生可能とし(図20(ロ)参照)、また弱チェリー、強チェリー、最強チェリーのいずれか当選しても、アシスト報知は実行しないが(指示モニタ番号0:図22Aの指示モニタ番号の指示有り区間2参照)、フリーズ3の発生に伴い、チェリーリプ種別が当選したことを報知する「チェリー予告」を発生させるようにしている。これにより、「フリーズ3+チェリー予告」が発生すれば、遊技者は、回胴の停止操作に対して緊張感が高まることになる。
また各チェリー役同士で共通性のある停止目が出現することを知る遊技者上級者であれば、故意に弱チェリー・強チェリー共通停止目等を出現させ(第1停止を中回胴5bから停止させる)、いずれのチェリーリプが当選したのかを不明にし、上乗せ演出が発生するか否かを楽しむことができる。なお、弱チェリーまたは強チェリーが当選した場合には、所定確率でフリーズ3を発生させる。これは、フリーズ演出を闇雲に発生させることにより、強チェリーや最強チェリーの当選期待感が下がることを防止するためである。なお、ここでのフリーズ3は、フリーズ状態に伴う音演出・光演出以外は、上記した「7リプレイ」当選時等に発生する同じである。なお、押し順ミスや目押しミスにより、7リプレイ、7リプフェイク、BARリプレイBARリプフェイク、最強チェリーが遊技結果として導出されなくとも、上乗せ抽選の権利および当選による上乗せゲーム数の権利は失われず、特段、遊技者に対して不利に作用することがないようになっている。
上記した上乗せ特化ゾーンは、所定のゲーム数(たとえば、20ゲーム)を消化したときに終了する。上乗せ特化ゾーン(RT3遊技+AT3遊技)が終了すると、本ART遊技(RT3遊技+AT2遊技)に再移行されるようになっている。
<遊技動作制御処理>
次に、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技動作制御に関する処理内容について詳細に説明する。
<主制御部側の処理:図9〜図16>
まず図9〜図16を参照して、遊技動作を統括的に司る主制御部400側の処理内容について説明する。本処理はメインCPU401cにより実行されるものであるが、説明の便宜上、処理を実行する主体を主制御部400と称して説明する。
(1.主制御側メイン処理:図9)
図9は、遊技動作制御プログラムに従い主制御部400側のメイン処理(主制御側メイン処理)を示すフローチャートである。
遊技機に電源が投入されると、図示しない「電源基板」から各基板に電源が供給されるとともに、電源が投入された旨の電源投入信号が送られる。この電源投入信号を受けて主制御部400(メインCPU401c)は、図9に示す主制御側メイン処理を開始する。この主制御側メイン処理では、電源投入時の初めての処理としてステップS12の初期設定処理が実行され、それ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS13〜S16の処理がループ状に実行される。
図9おいて、主制御部400は、電源投入が行われてから初めての処理として、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS12)。
上記の初期設定処理が正常に終了した後は、正常動作時の処理として、まずゲーム処理を行う(ステップS13)。このゲーム処理では、賭数の監視や始動レバー11の操作の有無の監視、また内部抽選処理(役抽選)やAT抽選処理やフリーズ演出抽選処理等、今回のゲーム進行に要する種々の処理を実行する。このゲーム処理の詳細については、図10A〜図10Bにて後述する。
ステップS13のゲーム処理を終えると、次いで、ボーナス遊技中か否かを判定する(ステップS14)。ボーナス遊技中である場合(ステップS14:YES)、ボーナス遊技作動中処理を実行する(ステップS17)。このボーナス遊技作動中処理では、ボーナス遊技中の払い出し枚数を監視し、ボーナス遊技の継続およびその終了に要求される処理を行う。ボーナス遊技中の払い出し枚数は、ボーナス遊技中払出枚数カウンタにより管理される。そして、ボーナス遊技作動中処理を終えると、ステップS12のゲーム処理に移行し、ステップS12以降の処理を順次行う。
一方、ボーナス遊技中でない場合(ステップS14:NO)、次に、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止したか否かを判定する(ステップS15)。
ボーナス役が有効入賞ライン上に停止した場合(ステップS15:YES)、ボーナス遊技開始時の各種設定を実行する(ステップS18:ボーナス遊技作動開始処理)。ここでは、上記ボーナス遊技開始時の各種設定として、ボーナス開始演出時間の設定、上記ボーナス遊技中払出枚数カウンタのクリア、ボーナス当選フラグのクリア、遊技状態をボーナス遊技中に設定する、などの処理である。また演出制御コマンドとして、ボーナス遊技が開始された旨を示す「ボーナス開始コマンド」をセットする。これにより、次回ゲームからボーナス遊技が開始されることになる。このボーナス遊技作動開始処理を終えると、ステップS12のゲーム処理に移行し、ステップS12以降の処理を順次行う。
しかし、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止していない場合(ステップS15:NO)、次いで、「再遊技・RT状態管理処理」を実行する(ステップS16)。この再遊技・RT状態管理処理では、RT移行条件に基づく、一のRT遊技から他のRT遊技への移行制御処理を実行する。本実施形態では、今回のゲーム結果に応じて、RT0遊技〜RT4遊技(BB内部当選遊技)間の移行制御に要する処理が実行される(RT遊技移行管理処理)。現在のRT遊技が他のRT遊技に移行した場合、RT状態が変化したとして、メインRAM401bの遊技状態格納領域の遊技状態情報を更新する(遊技状態情報更新処理)。この遊技状態情報は、現在のRT遊技種別(一般遊技状態に係るRT0遊技〜RT3遊技)、AT遊技種別(AT0遊技〜AT3遊技)、BB内部当選遊技中(RT4遊技)、ボーナス遊技中のいずれであるかという詳細な遊技状態が識別可能に管理されている。上記遊技状態情報は、この再遊技・RT状態管理処理や後述の図10BのAT管理処理等において、RT遊技やAT遊技に変化がある度に更新されるようになっている。これにより、主制御部400は、現在の遊技状態を把握している。
またここでは、今回のゲームでリプレイ役が入賞していた場合、再遊技フラグをON状態に設定する(再遊技フラグ設定処理)。上記「再遊技フラグ」は、今回の遊技結果が再遊技であるか否かを指定するフラグである。このフラグは、遊技開始と共に、OFFに設定されるようになっている(後述のステップS55参照)。なお、説明の便宜上、以下では特に必要のない限り、再遊技フラグが‘ON’の場合は上記自動投入状態を含む「再遊技作動中」として、再遊技フラグが‘OFF’の場合は「再遊技非作動中」であるとして説明する。RT状態管理処理を終えると、ステップS12のゲーム処理に移行し、ステップS12以降の処理を順次行う。
(1−2.ゲーム処理(ステップS13):図10Aおよび図10B)
次に図10Aおよび図10Bを参照して、図9のゲーム処理(ステップS13)について説明する。図10Aは、図9のゲーム処理の前半部の詳細を、図10Bは、図9のゲーム処理の後半部の詳細を示すフローチャートである。
図10Aおよび図10Bにおいて、主制御部400は、まず、遊技状態情報を取得し、現在の遊技状態に応じた「遊技状態コマンド」をセットする。この遊技状態コマンドには、遊技状態を識別する情報として、AT遊技種別、RT遊技種別、BB内部当選遊技中、ボーナス遊技等の詳細な遊技状態を特定可能とする情報が含まれる。演出制御部410は、1ゲーム毎に送信される「遊技状態コマンド」により、今回のゲームの遊技状態を把握し、対応する演出モードの移行制御や当該演出モード下による演出に関する演出制御処理を実行する。なお、演出制御コマンドは、後述の主制御部側タイマ割込処理中の出力処理(後述の図16のステップS92)において、主制御部400から演出制御部410へと送られるようになっている。
次いで、、満杯検知金具(オーバーフローセンサ)600の状態(ON/OFF状態)を確認する。満杯検知金具600がONである場合には(ステップS52:ON)、遊技メダルが満杯状態である旨を示す「満杯エラーフラグ」をセットし、当該エラーが解除されるまで待つ。つまり、満杯状態が解除されるまで、遊技進行処理が中断される。エラーが解除されたか否かは、後述の主制御部側タイマ割込処理中のエラー解除判定処理(後述の図16のステップS88)で判定される。
一方、満杯検知金具600がOFFである場合(ステップS52:OFF)、遊技開始時の初期設定処理を実行する(ステップS53)。ここでは、前回のゲーム終了時において使用した所定のデータをクリアし、今回のゲームに必要なワークエリアを確保する。
次いで、再遊技フラグの状態(ON/OFF状態)を判定する(ステップS54)。再遊技フラグがONである場合(ステップS54:ON)、再遊技作動に必要な再遊技自動投入処理を実行する(ステップS55)。この再遊技自動投入処理では、再遊技作動LED37をON(点灯状態)に設定し、前回のゲームで使用した賭数に相当する遊技メダル枚数を疑似的に投入し、再遊技フラグをOFF状態に設定する。なお再遊技作動LED37は、入賞判定処理(ステップS79)にてOFFに設定される。
一方、再遊技フラグがOFFである場合(ステップS54:OFF)、ステップS56に進み、所定時間(2.98ms)分の割込み待機処理を実行し、次いで、設定確認処理を実行する(ステップS57)。この設定確認処理では、設定キーがONであるか否かを確認し、ONである場合には、遊技機内部の設定値確認用表示器(図示せず)に対して現在の設定値を表示させるための処理を実行する。
次いで、精算ボタン有効フラグとメダル投入許可フラグとをONにする(ステップS58)。上記「精算ボタン有効フラグ」は、クレジット精算ボタン10による貯留メダル精算処理(クレジット精算処理)の受付の有効(ON)とするか無効(OFF)とするかを指定するためのフラグである。また上記「メダル投入許可フラグ」は、メダル投入口7を介した遊技メダルの投入受付を有効(ON)とするか無効(OFF)とするかを指定するためのフラグである。なお、遊技メダルに関する投入処理やクレジットに関する精算処理は、後述の主制御部側タイマ割込処理中のメダル投入処理(後述の図16のステップS89)や貯留メダル精算処理(後述の図16のステップS90)にて必要な設定処理が行われる。
次いで、遊技メダルの投入枚数(賭数)が遊技開始可能投入枚数(遊技開始可能状態)であるか否かを判定する(ステップS59)。ここでは、メダル検出センサ7a、MAXベットスイッチ8a、または1ベットスイッチ9aからの検出信号に基づく規定枚数(遊技開始可能となる投入枚数)の遊技メダルが投入されて、遊技開始可能状態に設定されているか否かを判定する。遊技開始可能状態であるか否かの設定処理は、後述の主制御部側タイマ割込処理中のメダル投入処理(後述の図16のステップS89)にて実行される。また、上記した再遊技自動投入処理(ステップS55)にて、再遊技作動により遊技メダルが自動投入されていれば、遊技開始可能投入枚数であると判定される。
遊技開始可能投入枚数でない場合(ステップS59:NO)、ステップS56の割込み待機処理に戻り、遊技開始可能投入枚数と判定されるまで、ステップS56〜S58のフラグ設定処理を繰り返し実行する。
一方、遊技開始可能投入枚数である場合(ステップS59:YES)、始動レバー11a以外のスイッチ(たとえば、停止スイッチ12a’〜12c’など)がONであるか否かを判定する(ステップS60)。
始動レバー11a以外のスイッチがONであった場合には(ステップS60:ON)、始動レバー11a以外のスイッチがOFFになるのを待つ。一方、始動レバー11a以外のスイッチがOFFであった場合には(ステップS60:OFF)、遊技開始表示LED38(スタートランプLED)を点灯させる。
次いで、始動レバー11が操作されたか否かを判定する(ステップS62)。具体的には、始動レバー11が操作に応じた始動スイッチ11aによる検出信号の有無を確認する。始動スイッチ11aからの検出信号の有無は、後述の主制御部側タイマ割込処理中の入力管理処理(後述の図16のステップS84)にて確認される。
始動スイッチ11aからの操作検出信号が確認されるまでは、ステップS60の処理に戻り、始動スイッチ11aからの操作検出信号が送られてくるのを待つ(ステップS62:OFF)。始動スイッチ11aからの操作検出信号を確認したならば(ステップS62:ON)、カウンタ回路403で生成された内部抽選用乱数値(数値範囲:0〜65535)の取り込みが完了したか否かを判定する(ステップS63)。
内部抽選用乱数値の取り込みが完了していない場合(ステップS63:NO)、ステップS60の処理に戻り、再度、ステップS60〜S62の処理を実行し、内部抽選用乱数値の取り込みが完了するまで待つ。カウンタ回路403の乱数値は、始動スイッチ11aがONされる度にラッチされ、内部抽選用乱数の取り込みが正常に完了していない場合には、再度、始動スイッチ11aがONされ、内部抽選用乱数の取り込みが完了するまで待機するようになっている。
内部抽選用乱数値の取り込みが完了した場合(ステップS63:YES)、すなわち、メインRAM401bの内部抽選用乱数格納領域に内部抽選用乱数値の設定が完了した場合、メダル投入中であるか否かを判定する(ステップS64)。メダル投入中であるか否かは、メダル検出センサ7aが遊技メダルを検出中であるか否かに基づいて判定される。メダル投入中である場合(ステップS64:YES)、メダル投入中が解除されるまで、ステップS60の処理に戻り、ステップS60〜S64の処理を実行する。
一方、メダル投入中でない場合(ステップS64:NO)、次いで、精算ボタン有効フラグとメダル投入許可フラグとをOFFにする(ステップS65)。以後、再度、これらフラグがONになるまで、遊技メダルの投入およびクレジットの精算が禁止状態とされる。
次いで、投入信号カウンタに投入枚数をセットする(ステップS66)。投入信号カウンタにセットされた投入枚数情報(今回のゲームの賭数情報)は、外部集中端子基板310を介してホールコンピュータHCに送られる。
次いで、ゲーム開始される旨を示す遊技開始コマンドをセットし(ステップS67)、次いで、内部抽選(役抽選)に関する内部抽選処理を実行する(ステップS68)。この内部抽選処理では、内部抽選や内部抽選結果に基づく各種データ(当選情報、内部当選フラグ(停止制御用データ)、指示モニタ番号、当選役変換情報、役グループ番号、試験情報用出力データ等)の設定処理を行う。上記内部抽選処理についての詳細は、図11にて後述する。
ステップS68の内部抽選処理を終えると、次いで、回胴演出抽選処理を実行する(ステップS69)。この回胴演出抽選処理では、フリーズ演出抽選を行い、その抽選結果に基づき、回胴演出に必要な設定処理を行う。上記回胴演出抽選処理についての詳細は、図13にて後述する。
次いで、指示モニタ番号表示処理を実行する(ステップS70)。この指示モニタ番号表示処理では、ステップS68の内部抽選処理で得られた指示モニタ番号(詳細は図11にて後述する)に基づき、払出枚数表示器35に対するLED表示データ(主報知手段用表示データ)を設定する。ここで設定されたLED表示データは、後述の主制御部側タイマ割込処理中のLED表示データ作成処理(後述の図16のステップS82)にて、LED表示に関するダイナミック点灯制御用データを作成する際に利用され、作成されたデータは、同タイマ割込処理中の出力処理(ステップS92)にて、LED側に対して出力される。これにより、払出枚数表示器35によるアシスト報知が実行されることになる。
次いで、回胴演出実行処理を実行する(ステップS71)。この回胴演出実行処理では、ステップS69の回胴演出抽選処理で得られたフリーズ演出抽選結果(後述のフリーズ演出フラグ)に基づく、フリーズ演出制御に要する設定処理を行う。具体的には、フリーズ1(フリーズ演出フラグ=01H)またはフリーズ2(フリーズ演出フラグ=02H)の変則回転回胴演出種別である場合には、今回のフリーズ演出種別に対応した変則回転動時の回胴駆動モータ用制御データをセットし、次いで、対応するフリーズ時間をフリーズタイマにセットして、そのフリーズ時間分待機する待機処理を行う。ここで設定されたモータ制御データは、主制御側タイマ割込制御処理中の回胴制御処理(後述の図16のステップS91)にて利用され、フリーズ時間中において、変則回転回胴演出が実現される。また、フリーズ3(フリーズ演出フラグ=03H)の無回転回胴演出種別である場合には、対応するフリーズ時間をフリーズタイマにセットし、そのフリーズ時間分待機する待機処理を行う。これにより、フリーズ時間が経過するまで遊技の進行が中断され、フリーズ時間中において、フリーズ演出抽選結果に対応した回胴演出が実行される。
そして、フリーズ時間経過したならば、フリーズ演出が終了した旨を示す「フリーズ終了コマンド」をセットし、この回胴演出実行処理を抜ける。なお、フリーズ演出抽選に非当選(フリーズ演出フラグ=00H(ハズレ))の場合は、特に何もせずに、この回胴演出実行処理を抜ける。
上記ステップS71の回胴演出実行処理を終えると、次いで、回胴回転始動時の設定処理(回胴回転開始設定処理)を実行する(ステップS72)。この回胴回転開始設定処理では、回胴を通常回転させる準備として、遊技開始ウェイトタイマを取得し、そのタイマ値が0(ゼロ)であるか否かを確認する。そして遊技開始ウェイトタイマの値がゼロでない場合、当該タイマの値が0になるまで待つ。この遊技開始ウェイトタイマは、「1ゲームの遊技時間」を規制するためのタイマである。上記遊技開始ウェイトタイマ値がゼロであることを確認したならば、再度、4.1秒が設定される(遊技開始ウェイトタイマ設定処理)。これにより、1ゲームに要する時間が最短でも4.1秒となるようになっている。なお、レバー操作時フリーズ演出(フリーズ1〜3)が実行される場合は、基本的には、4.1秒が経過しているので、フリーズ終了後に通常回転動作が開始されることになる。
上述の遊技開始ウェイトタイマ設定処理を終えると、通常の回転動作を実現するために必要なデータとして、通常回転時の回胴駆動モータ用制御データをセットし、全回胴に対し、位置センサ未通過フラグおよび起動要求フラグをセットする。位置センサ未通過フラグは、回胴位置検出センサ212a〜212cにより基点を未検出である(OFF)か否か(ON)を示すフラグであり、起動要求フラグは、通常回転動作開始を要求するためのフラグである。また、演出制御コマンドとして、回胴始動を示す「回転開始コマンド」をセットする。これにより、これにより各回胴5a、5b、5cが通常回転状態に入る。
次いで、全回胴が概ね一定の回転速度に達するまでの待機処理として、759.9ms分待機する(ステップS73)。
次いで、停止前エラーフラグ状態確認処理を実行する(ステップS74)。この、停止前エラーフラグ状態確認処理では、センサ未通過フラグおよびエラーフラグのいずれかがON状態であれば、これらがOFF状態になるまで待機する。本実施形態では、回胴が回転を開始した後、対応する回胴位置検出センサ212a〜212cにより回胴の基点位置が検出され、エラー(ここでは、主制御部側で監視されるエラー)が未発生であることを条件として、停止ボタン12の受付を有効化して停止操作有効(許容)状態とし、それ以外であれば、当該受付を無効化して停止操作無効状態とする。したがって、回胴5a〜5cの回転中において、何らかのエラーが発生した場合(エラーフラグがON)、回胴5a〜5cの回転を維持した状態で回胴の停止操作を無効化して遊技動作の進行を停止し、エラーが解除されたことに応じて遊技動作の進行が再開されるようになっている。なお、主制御部側で検出されるエラーには、たとえば、RWMエラー(RAM401cに係るエラー)、投入メダルエラー(メダル投入に係るエラー)、メダル無しエラー(遊技メダル不足に係るエラー)、満杯エラー、払出センサエラー(メダル検出センサ520の異常検出に係るエラー)、誤入賞エラー(当選役に対応しない入賞役が入賞した場合のエラー)等がある。
センサ未通過フラグおよびエラーフラグがOFF状態であれば、全回胴が正常な通常回転動作状態下であるとして停止操作有効状態(停止操作許容状態)とし、これを報知するために、停止ボタン12の内蔵LEDをON状態にする(ステップS75)。これにより、停止ボタン12の停止操作が許容状態となり、たとえば、停止ボタンの内蔵LEDが停止操作無効報知態様の赤色(OFF状態)から、停止操作有効報知態様の青色(ON状態)に変化する。またここでは、停止操作有効状態となったことを演出制御部410に対し知らせるべく、演出制御コマンドとして「停止操作有効コマンド」をセットする。
上記停止操作有効状態において、停止ボタン12a、12b、または12cが操作された場合、停止操作対象となった回胴を停止制御するための回胴停止処理を実行する(ステップS76)。この回胴停止処理の詳細については図14にて後述する。
ステップS76の回胴停止処理を終えて、全回胴の停止が確認されると、続いて、指示モニタ番号表示をクリア(OFF状態)する(ステップS77)。ここでは、払出枚数表示器35によるアシスト報知を終了させるための設定処理を行う。本実施形態では、全回胴が停止した後に、主報知手段によるアシスト報知が終了されるようになっている。また副報知手段によるアシスト報知も全回胴が停止した後に終了されるようになっている。
次いで、AT管理処理を実行する(ステップS78)。このAT管理処理では、図15に示すように、現在の遊技状態を判定し(ステップS451〜S453)、BB内部中、ボーナス遊技中およびAT0遊技〜AT3遊技のいずれの遊技状態であるかに応じて(ステップS453の分岐処理)、「ボーナス遊技中AT管理処理」、「AT0管理処理」、「AT1管理処理」、「AT2管理処理」、「AT3管理処理」を実行し(ステップS454〜S458)、各処理において、AT抽選、AT抽選結果に基づくAT遊技の発生、AT遊技の終了、AT状態情報の更新、上乗せ抽選の実行、本ART遊技継続ゲーム数/上乗せ特化ゾーン継続ゲーム数の管理等のAT遊技に関する必要な処理を実行する。
なお本実施形態では、ステップS70のAT管理処理が全回胴停止後に実行されるようになっているが、全回胴停止前にAT抽選等のAT遊技に関する処理(停止前AT管理処理)を行うこともできる。たとえば、ステップS69の回胴演出抽選処理の後、ステップS76の回胴停止処理の前の適切なタイミングにて、AT遊技に関する処理を実行させることができる。このようにすれば、全回胴停止前においてAT抽選結果や上乗せ抽選結果を、たとえば、始動レバー11の操作を契機に、または第1〜第3停止操作を契機に演出手段を利用して報知可能することができる。
また、上述の停止前AT管理処理と、本処理の全回胴停止後のAT管理処理とを設けて、互いに連携したAT処理を実行させることもできる。この場合、たとえば、第1の役(たとえば、7リプレイ)に当選したときは、全回胴停止時の入賞役によらずにAT抽選等を実行する、一方、第2の役(たとえば、押順ベル)に当選したときは、特定の入賞役(たとえば、中段ベル)が停止した場合に限りAT抽選を実行する、といった当選役に応じたAT抽選や上乗せ抽選を実行することができる。
次いで、入賞判定処理を実行する(ステップS79)。この入賞判定処理では、全回胴停止時に作成される後述の停止図柄情報(入賞ラインデータ)に基づいて、当選役に対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止したか否か、つまり入賞が発生したか否かを確認し、入賞の発生を確認した場合は、その停止した図柄の組合せに対応して、払い出すべき遊技メダル枚数を指定するデータ(払出枚数情報を指定する払出枚数データ)の設定処理を行う。またここでは、内部抽選結果(内部当選フラグ)と停止図柄情報とに基づき、当選役に対応する図柄の組合せが正しく停止されたか否かを判定する誤入賞判定処理を行い、誤入賞であった場合は、誤入賞エラーに関する所定のエラー処理が行われる。
また入賞判定処理では、全回胴の停止時に係る演出制御コマンドとして、「入賞情報コマンド(全回胴停止コマンド)」をセットする。この入賞情報コマンドには、全回胴停止時の停止図柄情報として、少なくとも有効入賞ライン上に停止した図柄の組合せを特定可能な全回胴停止時の停止図柄情報(遊技結果情報)が含まれ、さらに、疑似入賞ライン上の停止図柄情報や現在の遊技状態情報や入賞ライン情報などを含むことができる。斯様な入賞情報コマンドにより、演出制御部410側が今回の遊技結果(有効入賞ラインおよび疑似入賞ライン上に、如何なる図柄の組合せが停止したか(停止図柄種別))を把握することができるようになっている。上記「入賞情報コマンド」が主制御部400側から送信されると、演出制御部410側では、全回胴停止時(遊技結果導出時)に係る「入賞演出」の現出等の全回胴の停止時に要する演出制御処理を行う。
また入賞判定処理では、ボーナス遊技中の払出枚数を管理するため、上記ボーナス遊技中払出枚数カウンタに対して、今回の払出枚数分の遊技メダル枚数が加算し、ボーナス中獲得枚数情報コマンドをセットするボーナス遊技中獲得枚数加算処理を行う。上記ボーナス中獲得枚数情報コマンドには、今回の払い出し枚数情報と現在のボーナス遊技中払出枚数カウンタ情報が含まれる。上記「ボーナス中獲得枚数情報コマンド」が主制御部400側から送信されると、演出制御部410側では、現在のボーナス遊技中の獲得枚数(払い出し枚数)を把握し、たとえば、液晶画面に、ボーナス遊技中における現在の払い出し枚数に関する情報を報知する画像表示演出を現出させるための演出制御処理を行う。
次いで、メダル払出枚数監視処理を行う(ステップS80)。このメダル払出枚数監視処理では、ステップS79の入賞判定処理で設定された払い出し情報に基づき、目的枚数の遊技メダルの払い出し処理やクレジットの加算処理を行うための要求処理を行う。後述の主制御部側タイマ割込処理中のメダル払出処理(後述の図16のステップS86)において、その要求処理に応じて、ホッパーモータ510を駆動制御し払出動作を実行する。またここでは、払い出しに関する演出制御コマンドとして、「払出コマンド」をセットする。この「払出コマンド」は、遊技メダルが払い出された旨を指定するものであり、払い出しが1枚あるごとに演出制御部410側に送信されるようになっている。上記払出コマンドは、演出制御部410側において、払い出し時の払出演出(たとえば、メダル払出音)を現出する際に利用される。
(1−3.内部抽選処理(ステップS68):図11)
図11を参照して、図10Bの内部抽選処理(ステップS68)について説明する。図11は、図10Bの内部抽選処理の詳細を示すフローチャートである。
図11において、主制御部400は、まずステップS63の内部抽選用乱数値を取得する(ステップS101)。
次いで、RT状態に応じた役抽選テーブル(図5A〜図5B)を取得する(ステップS102)。ここでは、現在の遊技状態が、RT0遊技〜RT3遊技中、BB内部当選遊技中(RT4遊技)、ボーナス遊技中のいずれの状態であるかに応じた役抽選テーブルが選択される。
次いで、役抽選処理を実行する(ステップS103)。この内部抽選処理では、内部抽選用乱数値と、ステップS102で取得した役抽選テーブルとに基づく内部抽選を行い、抽選番号0〜50の抽選対象役のうちから当選役を決定する。なお重複BB役については、抽選番号に対応した固有の当選番号で当選役を特定しても良いが、本実施形態では、たとえば、抽選番号43の「BB1+強チャンス」が当選した場合、抽選番号41のBB1と抽選番号22の強チャンスに同時当選した、つまり「抽選番号41+抽選番号22」という役が当選したものとして扱い、重複BB役の当選を識別するようになっている。本実施形態の場合、特別役種(BB)と特定の小役種(リプレイ役種を含む)とが重複当選可能な複数種類の重複BB役が設けられているが、斯様な重複BB役の当選情報は、たとえば、小役種を特定する第一バイトの下位7ビットと、特別役種を特定する第二バイトの下位4ビットとで特定可能となっている。
次いで、一般役種当選情報設定処理を実行する(ステップS104)。この一般役種当選情報設定処理では、ステップS103の内部抽選結果(当選役情報(当選番号情報))に基づき、当選役に係る一般役種別情報、つまり特別役種を除いた一般役種の当選情報として、小役当選情報の値(図22A〜図22Bの小役当選情報の欄参照)を、メインRAM401bの図23(A)に示すワークエリアの「当選役情報2領域(小役当選情報領域)」と、当選役変換情報に係る「当選役変換情報領域」とに設定(保存)する。
上記「小役当選情報」とは、当選役種別(ここでは、当選役に係る一般役種別)そのものを識別するためのデータであり、本実施形態の場合、一般役種別について、当選番号0〜40が割り当てられており、全一般役種のうちいずれの役に当選したのかを識別可能な情報(データ)がワークエリアの「当選役情報2領域(小役当選情報領域)」に設定される。この小役当選情報は、後述の当選フラグ設定処理(ステップS108)における内部当選フラグの設定や条件装置信号出力処理(ステップS107)において、型式試験信号を作成する際に利用される。
また上記「当選役変換情報」とは、演出制御部410に送信するための内部抽選結果に関する情報であり、演出制御部410側において、当選役に関する予告演出やアシスト報知を現出制御する際に利用される。本実施形態の場合、非AT遊技であるAT0遊技中を「指示無し区間」、AT遊技中(AT1遊技〜AT3遊技、BB中)を「指示有り区間」に大別し、図22A〜図22Bに示すように、各区間に応じて異なるデータが設けられている。
上記「指示無し区間」のデータには、停止操作手順(本実施形態では、押し順)が共通性する当選役種別をあらかじめグループ分けしたデータが定められている。本実施形態では、一般小役種を対象にグループ分けしたもの、具体的には、図22A〜図22Bに示すように、当選番号1〜10、16〜19の「通常リプレイ〜RT1転落リプ3XXおよび7リプレイ〜BARリプフェイク」を第1グループとして当選役変換情報を共通の「80H」とし、当選番号11〜15の「RT3昇格リプ1XX〜RT1転落リプ321」を第2グループとして当選役変換情報を共通の「83H」とし、当選番号20〜21の「弱チャンス1〜2」を第3グループとして当選役変換情報を共通の「82H」とし、当選番号29〜40の「押順ベル123A〜押順ベル321B」を第4グループとして当選役変換情報を共通の「81H」とし、それ以外は、当選役種別は固有の当選番号(本実施形態では、抽選番号と同じ番号としている)が割り当てられており、この情報が今回のゲームの当選役に関する当選情報として、演出制御部410に対して送信されるようになっている。
一方、「指示有り区間」の場合には、当選役種別に対応した固有の当選番号が割り当てられており、この情報が今回のゲームの当選情報として、演出制御部410に対して送信されるようになっている。したがって、「指示無し区間」の場合、演出制御部410側は、実際の当選役を知ることができないが、「指示有り区間」の場合には、実際の当選役を知ることができることになる。
このようにする理由は、既に説明した不正行為防止やのめり込み防止等の観点からであり、AT遊技が実行されていない状態、つまり非AT遊技中(AT0遊技中)において、少なくとも一般役種の当選種別そのものが識別可能となる情報を周辺基板(たとえば、遊技表示基板390や演出制御部410等)送信しないようにするためであり(条件装置種別が識別可能となる情報を送信しない)、特に、押順規定役に属する役が当選した場合、これが如何なる押順規定役であるかを識別可能な情報、換言すれば、押順規定役に係る停止操作手順が識別可能となる情報を周辺基板に送信しないようにするためである。
詳細はステップS111の処理にて後述するが、非AT遊技(AT0遊技)中の場合には、上述したように、少なくとも一般役種の当選種別が識別可能となる情報、つまり小役当選情報(当選番号情報)をそのまま演出制御部410に送信することができないため、後続の処理(ステップS111)にて、当該小役当選情報を現在の遊技状態(たとえば、AT状態)に応じた適切なデータ値に変換して、その変換した変換情報を演出制御部410等に対して送信するようになっている。また本処理(ステップS104)において、小役当選情報を「当選役情報2領域(小役当選情報領域)」と「当選役変換情報領域」の二つのワークエリアに別々に保存する理由は、上記した「非AT遊技中は小役当選情報をそのまま周辺基板に送信しない」というルールを守るためである。このように本実施形態では、当選情報を保存する第1領域と上述の変換情報を保存する第2領域とを設けて、当選情報を利用する処理(たとえば、後述の当選フラグ設定処理(ステップS108)や条件装置信号出力処理(ステップS107)等)や、変換情報を利用する処理(たとえば、後述のステップS113)に対処可能となっている。
なお、「指示無し区間」であっても、少なくとも遊技結果導出前までに、当選役種別(条件装置の作動状態)が識別可能な情報を送信しないようにすれば、遊技結果が導出表示された後で当選役種別が識別可能な情報(たとえば、小役当選情報)を演出制御部410に送信しても良い。この場合、秘匿状態であった当選役を演出制御部410側は知ることができ、たとえば、特定の報知演出等を現出させて今回のゲームで当選した当選役を遊技者に対し報知することができる。
再び図11の説明に戻り、次いで、ボーナス内部当選中であるか否かを判定する(ステップS105)。ボーナス内部当選中でない場合(ステップS105:NO)、ボーナス当選情報設定処理を実行する(ステップS106)。ここでは、今回の当選役にBB1またはBB2の当選情報がある場合、これを有効なボーナス当選情報として、図23(A)のワークエリアの「当選役情報1領域(ボーナス当選情報領域)」にBB1の当選情報を保存する。たとえば、抽選番号43の「BB1+強チャンス」が当選した場合、抽選番号41のBB1を有効な特別役当選情報として、BB1の当選情報を当選役情報1領域に保存する。このボーナス当選情報は、後述の当選フラグ設定処理(ステップS108)における内部当選フラグの設定や条件装置信号出力処理(ステップS107)において、型式試験信号を作成する際に利用される。なお、BB1、BB2は特別役であり、また押順不問役であることから、当選役変換情報を特に作成する必要がない。このため本実施形態では、ボーナス当選情報については、ステップS104の処理における小役当選情報のように、当選役変換情報領域に保存するということはしていない。
一方、ボーナス内部当選中である場合(ステップS105:YES)、何もせずに、ステップS107の処理に進む。これにより、BB内部当選中に新たな特別役(BB1、BB2)が当選したとしても、その当選は無効扱いとされる。
次いで、条件装置信号出力処理を実行する(ステップS107)。この条件装置信号出力処理では、型式試験信号を出力するために必要な処理を行う。条件装置信号出力処理の詳細については図12にて後述する。
次いで、当選フラグ設定処理を実行する(ステップS108)。この当選フラグ設定処理では、当選情報(内部抽選結果)に対応する内部当選フラグを設定する。ここでは、今回のゲームの当選情報として、上記「当選役情報1領域(ボーナス当選情報領域)」のボーナス当選情報と、「当選役情報2領域(小役当選情報領域)」の小役当選情報とに基づき、当選役に対応する内部当選フラグを設定する。この内部当選フラグは、回胴の停止制御に係る回胴停止処理(ステップS76)や、遊技メダルの払い出し枚数の指定処理に係る入賞判定処理(S79)において利用される。
次いで、指示モニタ番号設定処理を実行する(ステップS109)。この指示モニタ番号設定処理では、図22A〜図22Bの当選情報設定テーブルを参照し、現在の遊技状態(本例では、AT状態)と当選情報とに応じた指示モニタ番号を、図23(A)に示すワークエリアの「指示モニタ番号領域」に設定する。
詳しくは、現在のAT状態がAT0遊技である場合には、図22Aおよび図22Bの当選情報設定テーブル「指示無し区間」が参照されて、全ての当選役において、指示モニタ番号「0」が設定される。指示モニタ番号「0」は、アシスト報知の非実行を指定する(アシスト報知を禁止する)ものであり、指示モニタ番号「0」が設定された場合には、払出枚数表示器35(主報知手段)と液晶表示装置6等の演出手段(副報知手段)とには、手順指示情報は報知されないことになる。
一方、現在のAT状態が、AT1遊技中またはAT2遊技中である場合には「指示有り区間1」が参照され、AT3遊技中またはBB中である場合には「指示有り区間2」が参照されて、当選役に応じた指示モニタ番号0〜8のいずれかが設定される。これにより、指示モニタ番号1〜8のいずれかである場合には、払出枚数表示器35や液晶表示装置6等において、たとえば、図18に示すようなアシスト報知が現出されることになる。なお、ここで設定された指示モニタ番号は、上記した図10BのステップS70の指示モニタ番号表示処理や後述のステップS112の処理(指示モニタ番号コマンド作成処理)にて利用される。
次いで、役グループ番号設定処理を実行する(ステップS110)。この役グループ番号設定処理では、上記当選情報設定テーブルを参照して、当選情報に基づき、当選役に対応した役グループ番号を図23(A)に示すワークエリアの「役グループ番号設定領域」に設定する。
次いで、当選役情報変換処理を実行する(ステップS111)。この当選役情報変換処理では、図22Aおよび図22Bの当選情報設定テーブルを参照して、ステップS104で設定された「当選役変換情報」を、現在の遊技状態に応じた所定のデータ値に変換する変換処理を実行し、その変換したデータ(変換情報)を当選役変換情報領域に設定する。
具体的には、現在のAT状態が「AT0遊技」である場合には、上記ステップS104の処理で「当選役変換情報領域」に対して設定された小役当選情報をそのまま演出制御部410に送信することができないため、メインCPU401cは、図22A〜図22Bの当選情報設定テーブルに示す「指示無し区間」を参照して、当該当選役変換情報を所定のデータ値に変換し、その変換値を当選役変換情報領域に保存する。これにより、当選役変換情報領域のデータ値が遊技状態に応じた所定のデータ値に更新されることになる。図22A〜図22Bの当選情報設定テーブルの記載からも理解されるように、特定の当選役(たとえば、当選番号29〜40の押順ベル種別等)については、今回の当選役が如何なる役であるかの識別が不可能な情報に変換される。
一方、現在のAT状態がAT1遊技〜AT3遊技中およびBB中のいずれかである場合には、当選役変換情報を変換する必要がないので、上記ステップS104の処理で設定された値を変換することなく、本処理を抜ける(当選情報設定テーブルに示す「指示有り区間1/2」の欄参照)。
ここで本実施形態では、上記一般当選情報設定処理(ステップS104)において、内部抽選(ステップS103)により得られた当選情報について、変換の必要の有無にかかわらず、現在の遊技状態に対応した値を当選役変換情報領域に保存するのではなく、先ず遊技状態にかかわらず、当該当選情報をそのまま当選役変換情報領域に保存し、変換処理が必要であれば変化処理を実行して当選情報を更新し、変換処理が必要でなければ何もしないで変換処理をスキップさせる。これにより、当選役変換情報の変換の必要性がない場合にも無闇に変換処理が行われないようにし、主制御部400の制御負担を軽減させている。
また本実施形態では、内部抽選結果情報をメインRAM401bの「当選役変換情報領域」に保存し、その保存した情報を変換するものと説明したが、本発明はこれに限らず、内部抽選結果情報をメインRAM401bに保存せずにCPU内蔵のレジスタを利用した演算により変換処理を行い、上記「当選役変換情報領域」に保存するという構成としても良い。
次いで、演出制御コマンドとして、上記指示モニタ番号設定処理で得られた「指示モニタ番号」を特定可能な「指示モニタ番号コマンド」をセットする(ステップS112)。
本実施形態では、この指示モニタ番号コマンドについては、遊技状態にかかわらず、一律に演出制御部410に送信するようにしている。演出現出の際に利用したり、新機種開発の際、設計的な互換性を持たせたり、制御負担を軽減させたりしている。
しかし本発明はこれに限らず、遊技状態に応じて、指示モニタ番号コマンドを送信するか否かを決定可能な構成とすることができる。具体的には、現在の遊技状態(AT状態)が「AT0遊技」の場合はアシスト報知を行わないため、指示モニタ番号(手順情報)を演出制御部410に知らせる必要がない。したがって「AT0遊技」の場合には、指示モニタ番号コマンドを作成しない、または作成するが送信しない構成とすることができる。一方、現在の遊技状態(AT状態)が「AT0遊技以外」の場合には、アシスト報知を行う必要があるため、指示モニタ番号コマンドを送信する。また、指示モニタ番号値に応じて、指示モニタ番号コマンドを送信するか否かを決定可能な構成とすることができる。具体的には、指示モニタ番号「0」以外の値である場合には、指示モニタ番号コマンドを送信し、アシスト報知非実行を指定する「指示モニタ番号0」の場合は、手順情報を演出制御部410に知らせる必要がないため、指示モニタ番号コマンドを作成しない、または作成するが送信はしない構成とする。
次いで、上記当選役情報変換処理で得られた「当選役変換情報」を特定可能な「当選役変換情報コマンド」をセットする(ステップS113)。本実施形態では、演出制御部410に対し、手順指示情報を送るとともに、遊技状態(たとえば、AT状態または少なくともAT遊技の発生の有無)に応じて変換される当選役変換情報を送るようにし、非AT遊技中を伴う遊技状態の場合には、当選役種別そのものが識別可能となる情報(たとえば、小役当選情報)は送らないようになっている。
なお、上記「当選役変換情報コマンド」に、今回当選した特別役(BB1、BB2)を特定可能なボーナス当選情報(特別役種別情報)を含ませても良い。また、別途、当選した特別役情報を含む演出制御コマンド(ボーナス当選情報コマンド)を設け、これを演出制御部410に対して送信可能な構成としても良い。また本実施形態では、指示モニタ番号と当選役変換情報とを別々のコマンドに分けて送信する構成となっているが、これらの情報(指示モニタ番号および当選役変換情報を特定可能な情報)を1つの演出制御コマンドに含ませて演出制御部410に対して送信可能な構成としても良い。
上記ステップS113の処理を終えると、内部抽選処理を抜けて、図9のゲーム処理に戻り、後続のステップS69の回胴演出抽選処理を実行する。
(1−4.条件装置信号出力処理(ステップS107):図12)
次に図12を参照して、図11の条件装置信号出力処理(ステップS107)について説明する。図12は、図11の条件装置信号出力処理の詳細を示すフローチャートである。ここでは、遊技機外部の装置(たとえば、保通協の試験機やデータカウンタやホールコンピュータHC等)に所定の遊技情報を送信するための出力データの作成等の処理が実行される。
図12において、主制御部400は、まずスタックポインタおよび全レジスタの値を退避させる(ステップS131、S132)。
次いで、当選役情報(小役当選情報、ボーナス当選情報)を取得し(ステップS133)、出力ビットデータ作成処理を実行する(ステップS134)。この出力ビットデータ作成処理では、当選役情報に基づき、型式試験信号の出力用データ(当選情報出力用データ)を作成する。具体的には、ボーナス当選情報と小役当選情報とを、それぞれ1バイト長の型式試験信号出力用ビットデータを生成する。図23(B)に示す通り、ボーナス当選情報については、1バイトの下位6ビット(D0〜D5)が特別役情報(BB1、BB2)を特定するために確保されており、また小役当選情報についても同様に、1バイトの下位6ビット(D0〜D5)が小役種別およびリプレイ役種別情報(一般役種情報)を特定するために確保されている。また、特別役(ボーナス役)の場合には1バイトの上位2ビット(D6〜D7)に「10」が設定され、一般役種の場合には1バイトの上位2ビット(D6〜D7)に「01」が設定され、この上位2ビットのビット情報により、ボーナス当選情報に係る出力用データであるのか、一般役種当選情報に係る出力用データであるかの別が区別されるようになっている。
次いで、ステップS134の処理で作成されたボーナス当選情報に係る出力用データを「条件装置出力用バッファ1」に設定し、一般役種当選情報に係る出力用データを「条件装置出力用バッファ2」に設定する(図23(A)のワークエリア参照)(ステップS136)。型式試験時には、この出力用データが型式試験信号として保通協の試験機に対し出力される。
次いで、型式試験信号の出力動作を管理する出力管理タイマに初期値の48msを設定する(ステップS137)。保通協の試験機の仕様では、型式試験信号が1バイト毎に24mS間隔で出力される必要がある。本実施形態では、1バイト長のボーナス当選情報と1バイト長の一般役種当選情報の2バイト長の型式試験信号としているため、型式試験信号の出力間隔(24ms)の倍の時間を確保している。本実施形態の場合、タイマ割込み周期が1.5mSであるので、出力管理タイマには、初期値として「32(1.5×32=48ms)」が設定される。出力管理タイマは、2バイト長の型式試験信号の出力タイミングを管理するものであり、タイマ割込み毎にデクリメントされる(図16の主制御部側タイマ割込処理中のタイマ減算処理(ステップS85)参照)。
上記型式試験信号は、出力管理タイマの値Tが「T≧16(T≧24ms)」であれば、条件装置出力用バッファ1のボーナス当選情報データが出力され、「16>T>0(24ms>T>0」であれば、条件装置出力用バッファ2の一般役種当選情報データが出力され、TM2=0の場合にはゼロデータが出力される。したがって、24msの間、ボーナス当選情報データが継続して出力され、これに連続して、24mSの間、一般役種当選情報データが継続して出力されるようになっている。これらの型式試験信号は、後述の図16の主制御部側タイマ割込処理中の出力処理(ステップS92)にて、出力管理タイマの値に基づいて出力されるようになっている。なお、型式試験に適合した遊技機は、法的要請によりその制御プログラムの変更は認められていないため、パチンコホールに設置後においても型式試験信号が繰り返し出力されることになる。型式試験信号の出力処理自体は、パチンコホールにおいて無意味なものとなるが、遊技進行状況に応じて多様に変化しうる遊技に関する情報を遊技機外部に出力することで、ホールコンピュータHCが各遊技機の動作状況を把握したり、保通協での型式試験の容易化を図ることができるので特に問題は生じない。
本実施形態では、内部抽選結果に関する情報(当選情報)を、上記した「当選役情報領域(当選役情報1、2領域)」と「当選役変換情報領域」とに分けて保存し、当該「当選役情報領域」の情報を上記型式試験信号の出力用データの作成に利用し、他方の「当選役変換情報領域」の情報を演出制御部410等に送信するコマンドデータの作成に利用している。
上記ステップS137の処理を終えた後は、退避させたレジスタおよびスタックポインタを復帰させ(ステップS138、S139)、この条件装置信号出力処理を抜けて、図11の内部抽選処理のステップS107に戻る。
(1−5.回胴演出抽選処理(ステップS69):図13)
次に図13を参照して、図10Bの回胴演出抽選処理(ステップS69)について説明する。図13は、図10Bの回胴演出抽選処理の詳細を示すフローチャートである。
図13において、主制御部400は、まず「役グル―プ番号」を取得する(ステップS201)。
次いで、役グループ番号がフリーズ演出抽選契機役であるか否かを判定し(ステップS202)、フリーズ演出抽選契機役であれば(ステップS202:YES)、フリーズ演出抽選処理を実行する(ステップS203)。一方、フリーズ演出抽選契機役でなければ(ステップS202:NO)、ステップS203の抽選処理をスキップし、ステップS204の処理に進む。
上記フリーズ演出抽選処理では、図20のフリーズ演出抽選テーブルに基づき、今回のゲームで発生させるフリーズ演出を抽選により決定する。具体的には、現在の遊技状態(AT状態)に応じたフリーズ演出抽選テーブルとフリーズ演出抽選用乱数とを取得し、フリーズ演出抽選テーブル参照して、役グループ番号とフリーズ演出抽選用乱数とに基づき、フリーズ演出抽選を実行する。
上記のフリーズ演出抽選処理を終えると、次いで、フリーズ演出抽選結果に対応したフリーズ演出フラグをセットする(ステップS204)。このフリーズ演出フラグは、今回のゲームで発生させるフリーズ演出種別を識別(指定)するためフラグであり、フリーズ演出種別に対応した値、たとえば、フリーズ1〜3に対応した「01H」〜「03H」が設定される。なお、フリーズ演出抽選結果が「ハズレ」の場合、つまり「未発生」との場合には、ハズレに対応したフリーズ演出フラグとして「00H」がセットされるようになっている。これにより、フリーズ演出が未発生、フリーズ1〜3のいずれであるかが識別可能となっている。また、ステップS202の処理において「フリーズ演出抽選契機役」でないと判定された場合(ステップS202:NO)、フリーズ演出抽選処理がスキップされて、このステップS204の処理に移行されるが、この場合には、フリーズ演出抽選の抽選結果を「未発生(ハズレ)」として扱い、フリーズ演出フラグにハズレ対応の値の「00H」をセットする。上記フリーズ演出フラグは、1ゲーム毎にクリアされる。
次いで、フリーズ演出種別情報(ハズレ扱いとなる‘フリーズ演出未発生’情報を含む)を含む「フリーズコマンド」をセットする(ステップS205)。演出制御部410側は、このフリーズコマンドにより、今回のゲームで発生されるフリーズ演出種別を把握し、フリーズ中サブ側演出に必要な演出制御処理を行う。
そして、ステップS205の処理を終えると、回胴演出抽選処理を抜けて、図9のゲーム処理に戻り、後続のステップS70の指示モニタ番号表示処理を実行する。
(1−6.回胴停止処理(ステップS76):図14)
次に図14を参照して、図10Bの回胴停止処理(ステップS76)について説明する。図14は、図10Bの回胴停止処理の詳細を示すフローチャートである。
図14において、主制御部400は、まず「停止時エラーフラグ状態確認処理」を実行する(ステップS401)。ここでは、既に説明した「停止前エラーフラグ状態確認処理(図10BのステップS74)」と同様に、センサ未通過フラグおよびエラーフラグのいずれかがON状態であれば、これらがOFF状態になるまで待機する。この待機中は、停止ボタン12の停止操作が無効状態として、停止ボタン12の内蔵LEDをOFF状態にする。これにより、停止ボタンの内蔵LEDを停止操作有効報知態様の青色(ON状態)から停止操作無効報知態様の赤色(OFF状態)に変化する。
ステップS401の処理を実行したことに応じ、有効な停止ボタン操作か否かを判定する(ステップS402)。ここでは、停止ボタン12a〜12cのいずれか1つの停止ボタンに対し、有効な停止操作が行われたか否かを判定する。有効な停止操作でない場合(ステップS402:NO)、ステップS401の停止時エラーフラグ状態確認処理に戻る。回胴回転中にエラーが生じるケースとしては、全回胴が有効に回転された後(ステップS75の処理の後)または第1〜第2停止操作後(ステップ411:NOの処理ルート)からステップS402の処理が開始されるまでの間にエラーが確認されたケースがある。そのようなタイミングでエラーが生じた場合において、ステップS402で有効な停止ボタン操作でないと判定されると、エラーが解除されるまで、停止ボタン12の受付が無効扱いとなり、遊技の進行が中断されることになる。
一方、有効な停止操作である場合(ステップS402:YES)、次いで、停止情報ビットを設定する(ステップS403)。この停止情報ビットには、既に停止している停止回胴数を特定可能な「停止回胴数データ」(たとえば、第1停止操作時の場合、停止している回胴はないので‘停止回胴数=0’を特定するデータ)、停止操作対象となった回胴を特定可能な「停止対象回胴データ」などの情報が含まれる。
次いで、今回停止対象となった回胴に対応する停止ボタン12の内蔵LEDをOFF状態にし(ステップS404)、続いて、停止順データを設定する(ステップS405)。この停止順データは、停止操作に応じた回胴5a〜5cの停止操作順(押し順)を特定するためのデータである。現在の押し順や第何番目の停止操作であるかについては、停止順データや回胴停止数データなどにより把握することができる。したがって、ステップS403、S405の処理は、停止操作順番監視手段(押し順監視手段)として機能する。
次いで、停止ボタン操作時の演出制御コマンドとして「停止コマンド」をセットする(ステップS406)。この停止コマンドは、回胴の停止操作が行われた旨を指定するものであり、停止回胴数データ、停止対象回胴データおよび停止操作順データ等を特定可能な情報が含まれる。演出制御部410は、この停止コマンドにより、現在の押し順や第何番目の停止操作であるかを把握することができる。
次いで、回胴停止制御時の初期設定として、停止制御開始時初期設定処理を実行する(ステップS407)。ここでは、引き込みコマ数をクリア、最大滑りコマ数(4コマ)の設定、引き込み制御下で、停止ボタン操作後、回胴が完全に停止するのに要する余裕時間を含めた停止間隔タイマ(たとえば、210.09ms:タイマ割込み141回分)の設定等を行う。
次いで、図柄停止制御処理を実行する(ステップS408)。この図柄停止制御処理では、内部当選フラグ(条件装置の作動状態)と、停止操作手順(押し順と停止操作タイミング)とに応じた停止テーブル(図示せず)を選択し、その停止テーブルから滑りコマ数を割り出し、これに基づく回胴の停止制御(引き込み制御)を行う。
回胴が停止した際には、その停止位置に基づき、各回胴において、いずれの入賞ライン上に、如何なる図柄番号の図柄が停止しているかを特定可能な「停止図柄情報(入賞ラインデータ)」が作成され、メインRAM401bの入賞ラインデータ格納領域に保存される。この停止図柄情報(入賞ラインデータ)は、各回胴の停止毎に作成されるので、現在の図柄の停止目(たとえば、特定の入賞役の聴牌状態など)を把握することができる。この停止図柄情報は、1ゲーム毎にクリアされる。なお、回胴の停止位置は、実際に回胴が停止した際にも把握することができるが、停止操作図柄番号と滑りコマ数とに基づいて、回胴が完全に停止する前段階で、当該回胴の停止位置を把握することもできる。
次いで、回胴停止時の演出制御コマンドとして「停止位置コマンド」をセットする(ステップS409)。この「停止位置コマンド」には、回胴停止時に作成される上記停止図柄情報(入賞ラインデータ)が含まれる。演出制御部410においては、上記「停止コマンド」や「停止位置コマンド」が送られてくると、これらに含まれる情報を把握することにより、現在の各回胴の回転および停止状態、押し順、現在の入賞ライン(有効入賞ラインおよび/または疑似入賞ライン)上の停止図柄を把握することができる。これにより、演出制御部410側では、回胴の停止制御時に係る演出を現出させることができる。たとえば、停止操作時のボタン操作音や、7リプレイやBARリプレイの聴牌状態(特定の停止目が出現した旨)が出現した際の聴牌演出を現出制御する。
次いで、停止間隔タイマに設定したタイマ時間(210.09ms)を監視し(ステップS410)、停止間隔タイマがゼロでない場合、当該タイマがゼロになるまで待つ(ステップS410:NO)。そして、停止間隔タイマがゼロになったならば(ステップS410:YES)、次いで、全回胴が停止したか否か判定する(ステップS411)。
ステップS411の判定処理において、今回の停止操作が第1停止または第2停止後であれば、まだ回転中の回胴があることになるので、その判定結果は‘NO’となり、ステップS401に戻り、第3停止操作(最終停止操作)後の全回胴停止を待つことになる。
これらの第1〜第3停止操作を経て、全回胴が停止したならば(ステップS411:YES)、回胴停止処理を抜けて、図9のゲーム処理に戻り、後続の入賞判定処理(ステップS20)を実行する。
(P−1.手順指示情報(指示モニタ番号コマンド)の送信タイミング、主報知手段(払出枚数表示器35)によるアシスト報知タイミング、副報知手段(液晶表示装置6等)によるアシスト報知タイミングについて:図24A、図24B)
次に、主制御部400による手順指示情報の送信タイミング、主報知手段による報知タイミングおよび副報知手段による報知タイミングについて説明する。以下、説明の便宜のために、払出枚数表示器35(主報知手段)によるアシスト報知を「主アシスト報知」と称し、液晶表示装置6等の演出手段(副報知手段)によるアシスト報知(アシスト演出)を「副アシスト報知」と称する。
本実施形態の場合、主アシスト報知は、内部抽選処理実行後(ステップS109の処理後)の指示モニタ番号表示処理(ステップS70)の実行により表示され、また副アシスト報知は、主制御部400からの「指示モニタ番号コマンド」を演出制御部410がを受信した場合(ステップS112の処理後)に表示されるとして説明した。しかし、主アシスト報知は、始動レバー11が操作を契機に実行される内部抽選により当選役が決定された後、正確には、当選役に対応した指示モニタ番号が決定された後、任意のタイミングで実行させることができる。他方、副アシスト報知は、指示モニタ番号コマンドを受信した後、任意のタイミングで実行させることができる。ただし、主アシスト報知および副アシスト報知は、遊技者が回胴の第1停止操作を行う前に表示することを要するので、その報知タイミングの終端は、回胴が通常回転動作を開始し全回胴が概ね一定速度に達した後の回胴の停止操作有効状態以前であることを要する。
また、主アシスト報知および副アシスト報知の終了タイミングは、少なくとも第3停止に係る停止ボタン12の操作(最終停止操作)を契機に終了させる。最終停止操作により遊技結果が導出されることが決定されることが確定的になったときに終了させることが好ましいからである。
以上を踏まえて、手順指示情報の送信タイミング、主アシスト報知・副アシスト報知の開始および終了タイミングについて、図24Aのタイムチャートを参照しながら説明する。
先ず図24Aを参照して、(I)内部抽選結果に基づく手順指示情報(指示モニタ番号)の送信が許容される期間(手順指示情報送信許容期間)は、図示の「tX期間」、具体的には、始動レバー11の操作を契機に内部抽選により当選役が決定された後(時刻t1)、回胴が通常回転動作を開始して全回胴が概ね一定速度に達して、停止操作有効状態(時刻t3)となるまでの期間となる。したがって、指示モニタ番号コマンドは、この手順指示情報送信許容期間の任意のタイミングで送信することができる。
また(II)主アシスト報知の開始が許容される期間(主アシスト報知開始許容期間)は、図示の「tS期間」、具体的には、始動レバー11の操作を契機とする内部抽選により当選役が決定された後(時刻t1)、停止操作有効状態(時刻t3)となるまでの期間、つまり上記手順指示情報送信許容期間と実質的に同一の期間となる。したがって、主アシスト報知は、この主アシスト報知開始許容期間の任意のタイミングで開始することができる。
また(III)副アシスト報知の開始が許容される期間(副アシスト報知開始許容期間)は、図示の「tR期間」、具体的には、当選役が決定されて主制御部400から指示モニタ番号コマンドが送信され(時刻t1)、これを受信した後(時刻t9)、停止操作有効状態(時刻t3)となるまでの期間となる。したがって、副アシスト報知は、この副アシスト報知開始許容期間の任意のタイミングで開始することができる。
上記した手順指示情報送信許容期間tX期間、主アシスト報知開始許容期間tS期間、副アシスト報知開始許容期間tR期間の各期間であれば、どのタイミングで指示モニタ番号コマンドを送信するか、または主アシスト報知を開始するか、あるいは副アシスト報知を開始するかについて、遊技性や制御状態等を考慮して適宜定めることが可能である。たとえば、図示の時刻t1、時刻t2、時刻t3、時刻t9等のタイミングに限らず、後述の具体例1〜3、その変形例等で説明するように、種々のタイミングとすることができる。
なお図24A〜図24Bにおいて、始動レバー11のON操作(始動スイッチ11aによる操作検出)とほぼ同時に内部抽選処理が実行されることになるので、始動レバー11の操作と同一または略同一のタイミングで、内部抽選処理が実行され、所定の遊技情報(当選情報、指示モニタ番号、役グループ番号等)が得られるものとして扱うことができる。以下に図24A〜図24Bを参照しながら、主アシスト報知と副アシスト報知の報知タイミングについて具体例を挙げながら説明する。
図24Aの具体例1、2は、主アシスト報知と副アシスト報知とが異なるタイミングで実行されるケースの例示したものである。まず同図(イ)の具体例1について説明する。
(イ)具体例1について
図24A(イ)の具体例1は、副アシスト報知が主アシスト報知に先行して実行(開始)されるケースを例示したものであり、具体的には、主制御部400から手順指示情報(指示モニタ番号コマンド)が演出制御部410に送信された後に、主アシスト報知と副アシスト報知とが異なるタイミングで実行されるケースの例示したものである。詳しくは、次のケースを示している。
具体例1のケースでは、まず始動レバー11が操作されると共に、主制御部400から「指示モニタ番号コマンド」が送信される(時刻t1)。そして、演出制御部410が指示モニタ番号コマンドを受信したことを契機に「副アシスト報知」が開始される(時刻t9)。その後、遊技開始ウェイトタイマが経過したことを条件に回胴が通常回転動作を開始するが、このタイミングで「主アシスト報知」が開始される(時刻t2)。
その後、回胴の停止操作が有効となり(時刻t3)、遊技者が第1停止操作〜第3停止操作を行っていくが(時刻t4〜時刻t6の停止操作受付有効期間tY)、主アシスト報知および副アシスト報知は、遊技者が第3停止操作を行うまで継続され(時刻t2〜時刻t6)、最終停止操作の第3停止に係る停止ボタン12がON操作された時刻t6を以って終了される。
なお上記のように、最終停止操作の停止ボタン12のON操作を契機に終了させるのではなく、停止ボタン12のON操作後、引き込み制御が完結して最後の回胴が停止したとき、つまり、遊技結果が導出表示されたことを契機に終了させても良い(時刻t7:図24Aおよび図24Bの破線部分を参照)。また、全回胴停止後に停止ボタン12のOFF操作が確認されたこと(停止ボタン釈放後)を契機に終了させることができる(後述の具体例2、3についても同様)。演出制御部410側において、最終停止操作がなされたか否かは「停止コマンド(図14のステップS406参照)」により、回胴が停止したか否かは「停止位置コマンド(図14のステップS409参照)」により把握することができる。また、全回胴が停止して遊技結果が導出表示されたことは、「入賞情報コマンド(図10BのステップS79参照)」により把握することができる。
(ロ)具体例2について
図24A(ロ)の具体例2は、具体例1とは逆に、副アシスト報知が主アシスト報知に先行して実行されるケースを例示したものであり、具体的には、主アシスト報知の開始後、主制御部400から手順指示情報(指示モニタ番号コマンド)が送信されて副アシスト報知が実行されるケースの例示したものである。ただし図示では、指示モニタ番号コマンドの送信時期が始動レバー11の操作時よりも大分遅延して送信されているように表現しているが、これは説明の便宜上、遅延時間幅を誇張して表現したものである。以下では重複記載を避けるために、上記具体例1で説明した内容と実質的に同じ内容については適宜省略して説明する。
具体例2では次のケースを示している。まず始動レバー11が操作されると共に、主アシスト報知が開始される(時刻t1)。その後、主制御部400から指示モニタ番号コマンドが送信され(時刻t8)、演出制御部410が指示モニタ番号コマンドを受信する(時刻t9)。しかし、演出制御部410は、時刻t9時点では副アシスト報知を直ちに開始させず、時間的にさらに後の「停止操作有効状態」の時点で(時刻t3)、副アシスト報知が開始される。そして主アシスト報知および副アシスト報知は、最終停止操作時の時刻t6、または全回胴停止時の時刻t7にて終了される。
(具体例1、2の変形例)
なお具体例1、2では、主アシスト報知と副アシスト報知とが異なるタイミングで開始されるケースを説明したが、本発明はこれに限られない。主アシスト報知と副アシスト報知は、それぞれ、アシスト報知開始許容期間(tS期間、tR期間)内で報知を開始するものであれば良い。たとえば、主アシスト報知と副アシスト報知とを同一または略同一のタイミングで実行しても良いし、また具体例1の場合には、主アシスト報知が副アシスト報知に先行して実行しても良いし、具体例2の場合には、副アシスト報知が主アシスト報知に先行して実行しても良い。
(フリーズを伴う場合について)
また具体例1、2において、フリーズ演出が実行される場合には、フリーズ状態の発生により遊技の進行が中断される。したがって、主アシスト報知および/または副アシスト報知がフリーズ演出実行前に開始されていた場合には、フリーズ演出中において、既に開始していたアシスト報知を中断、たとえば、表示を画面上から消去等をして遊技者からアシスト報知が識別困難または識別不可能とすることが好ましい。特に、本実施形態のような「レバー操作時フリーズ演出(フリーズ1〜3)」ではなく、停止ボタン12の操作を契機に実行される所謂「停止操作時フリーズ演出」である場合、たとえば、第1停止操作後にフリーズ演出を発生可能な遊技機とした場合、そのフリーズ中は副アシスト報知を中断し、フリーズ中サブ側演出だけを現出させることが好ましい。このようにすれば、副アシスト報知に邪魔されることなく、遊技者にフリーズ中サブ側演出を楽しませることができる。また、フリーズ演出中に副アシスト報知が現出されてしまうと、フリーズ中は回胴の停止操作ができないにもかかわらず、演出上は、回胴の停止操作を促す演出が発生してしいることになり、遊技者側から見れば「停止操作を促されているが、停止操作が効かない」という事態に遭遇し、余計な混乱を生じさせ、遊技機に対する不信感を抱く恐れがある。しかし、フリーズ中において副アシスト報知を現出しない構成の場合、フリーズ中サブ側演出だけが現出されるので、このような問題も生じることが無い。
また、副アシスト報知が画像表示演出による場合、上述のように、そのアシスト報知画像を画面上から消すのではなく、当該アシスト報知画像を液晶画面の隅部に小さく表示する等の「退避表示」をしたり、フリーズ中サブ側演出に係る画像表示を当該アシスト報知画表示よりも「優先表示(たとえば、フリーズ中サブ側演出に係る画像によりもアシスト報知画像の透明度を下げる、または表示階層を下げる等)」したりする、といった特殊な描画処理(特殊画像生成手段)を施すことができる。また副アシスト報知がLEDや7セグメント表示器のような演出表示装置である場合は、フリーズ期間中は、その表示を消すことが好ましい。
(フリーズ発生時と未発生時のアシスト報知タイミングについて:図24B)
また、フリーズ演出(レバー操作時フリーズ演出)が発生(実行)されるか否に応じて、主アシスト報知および/または副アシスト報知の開始タイミングを異ならせることができる。これについて図24Bを参照しながら詳細に説明する。
図24Bに、フリーズ演出発生時における主アシスト報知と副アシスト報知の開始タイミングの一例(具体例3)を示す。なお、ここでは、フリーズ演出未発生時についてのアシスト報知の開始および終了タイミングは、図24(イ)に示す具体例1と同じタイミングであるものとして説明する。
この具体例3の場合、フリーズ演出未発生時の場合には、図24A(イ)の具体例1に示すタイミングにて主アシスト報知および副アシスト報知を開始させる。一方、フリーズ演出発生時の場合には、主アシスト報知についてはフリーズ演出未発生時と同じタイミングで開始させるが、副アシスト報知についてはフリーズ演出未発生時とは異なるタイミングで開始させるようになっている。すなわち具体例3では、主アシスト報知は、フリーズ演出が発生するか否かにかかわらず、その開始タイミングが同じものとなっておりで、副アシスト報知は、フリーズ演出が発生するか否かに応じて、その開始タイミングが異なるものとなっている。
具体例3では、まず始動レバー11の操作を契機に「レバー操作時フリーズ演出」が発生されると共に、「指示モニタ番号コマンド」が送信される(時刻t1)。このフリーズ演出は、時刻tEまで実行される。すなわち、図示の時刻t1〜時刻tEの「tF区間」がフリーズ実行期間、つまりフリーズ時間となっている。
ここで演出制御部410は、図示の通り、フリーズ演出終了前に「指示モニタ番号コマンド」を受信しているが(時刻t9)、この時点では副アシスト報知を開始せずに、「フリーズ演出終了時(時刻tE)」に、副アシスト報知を開始するようになっている。この点、指示モニタ番号コマンド受信時に副アシスト報知を直ちに開始する図24A(イ)の具体例1とは異なる。なお、フリーズ演出の終了タイミングは「フリーズ終了コマンド(ステップS71の回胴演出実行処理(図10B参照))」により知ることができる。
他方、主アシスト報知については、回胴の通常回転動作の開始を契機に開始される(図24A(イ)の時刻t3、図24Bの時刻t2)。そして主アシスト報知と副アシスト報知は、最終停止操作時の時刻t6(または全回胴停止時の時刻t7)にて終了される。
上記のように具体例3のケースでは、フリーズ演出未発生時の場合には、副アシスト報知が指示モニタ番号コマンド受信を契機に開始し(図24A(イ)の時刻t9)、フリーズ演出発生時の場合には、副アシスト報知がフリーズ演出終了を契機に開始し(図24Bの時刻tE)、フリーズ演出中に副アシスト報知が発生しないようになっている。この具体例3のケースも、、フリーズ演出中はアシスト報知が現出されないので、既に説明したように、フリーズ中サブ側演出がアシスト報知に邪魔されることがなく、フリーズ中は回胴の停止操作が利かないにもかかわらず、演出上、回胴の停止操作を促す演出(アシスト演出)が発生することによる遊技者の混乱を招来するという問題が生じることが無い。また、フリーズ終了を契機に副アシスト報知を実行するようにすれば、比較的簡易な制御処理で、フリーズ演出期間中(tF期間)に、副アシスト報知を実行させないようにすることができる。
(具体例3の変形例)
なお具体例3では、レバー操作時フリーズ演出の未発生時および発生時において、副アシスト報知を主アシスト報知に先行して実行するケースを説明した。しかし本発明これに限らず、下記の(α)〜(ζ)の構成とすることができる。
(α)レバー操作時フリーズ演出の未発生時および発生時において、主アシスト報知を副アシスト報知に先行して実行することができる。
(β)主アシスト報知をレバー操作時フリーズ演出の開始を契機に開始させることができる。たとえば、始動レバー11操作時の時刻t1から主アシスト報知を開始させることができる。
(γ)レバー操作時フリーズ演出が実行されるか否かにかかわらず、主アシスト報知を所定のタイミングで開始することができる。
(δ)レバー操作時フリーズ演出が実行される場合、主アシスト報知をフリーズ演出の終了を契機に開始させることができる。たとえば、フリーズ演出が終了する時刻tEで開始させることができる。
(ε)主アシスト報知および/または副アシスト報知を、フリーズ演出開始後の所定のタイミングで開始させることができる。たとえば、停止操作有効状態(時刻t3)の到来を契機に開始することができる。
(ζ)フリーズ演出未発生時の場合、主アシスト報知は「主アシスト報知開始許容期間tS期間」の任意のタイミングで、副アシスト報知は「副アシスト報知開始許容期間tR期間」の任意のタイミングで開始することができる。なお、どのタイミングで開始するかは、適宜定めることができる(具体例1、2も同様)。また、主アシスト報知と副アシスト報知とを同一または略同一のタイミングで開始させる、または副アシスト報知を主アシスト報知に先行して実行する、あるいは主アシスト報知を副アシスト報知に先行して実行することができる。
ただし上記(α)〜(ζ)において、副アシスト報知は、いずれにしても、演出制御部410が主制御部400からの「指示モニタ番号コマンド」の受信が、その開始条件の一つとされる。
(押し順ミスをした場合のアシスト報知について:図24Bの最下段の欄)
本実施形態では、回胴の回転中において、主アシスト報知および副アシスト報知を実行するものとして説明したが、本発明はこれに限らず、次のように構成することができる。
図24Bの最下段に示すタイムチャートは、遊技者がアシスト報知の内容とは異なる停止操作手順を実行してしまったケース、所謂「停止操作手順ミス」をしたケースを例示したものである。なお図中の「時刻tM」は、第2停止操作時を示す。
図示のケースは、遊技者が不注意等により、第2停止操作時(時刻tM)のときに、停止操作手順ミス(本例では、押し順ミスとする)をした結果、現在実行中の副アシスト報知(正規の副アシスト報知)を終了されるケースを示している。押し順ミスが発生した場合、副アシスト報知を終了させることが好ましい。その理由は次の通りである。
押し順ミスが発生した場合、副アシスト報知が継続したままであるとすれば、次に停止させる回胴がいずれの回胴であるのか不明確になる等、遊技者が混乱する恐れがあり、押し順ミスが発生した場合は、それ以上、副アシスト報知の実行を継続させておく必要性に欠ける。よって、押し順ミスが発生した場合は、副アシスト報知を終了させることが好ましいからである。なお、押し順ミスが発生した場合に、副アシスト報知を終了させるタイミングは、第2停止に係る停止ボタン12のON操作時であっても良いし、OFF操作を確認後(停止ボタン釈放後)であっても良い。
一方、主アシスト報知については、押し順ミスがあってもそのままアシスト報知を継続させ、少なくとも最終停止操作がなされるまで継続させる。その理由は次の通りである。主アシスト報知を終了させるためには、当選役と遊技状態とに基づいて押し順ミスが発生したか否かを監視したり、押し順ミス時は表示終了用の表示データを作成して、主報知手段(本例では、払出枚数表示器35)を表示制御する必要があり、主制御部400側の制御負担が無闇に増大してしまう恐れがある。しかし副アシスト報知だけを終了させるだけであれば、演出制御部410側にて、たとえば停止コマンド(図14の回胴停止処理中のステップS406参照)を受ければ、副報知アシスト報知の終了に必要な演出制御処理をするだけで済み、主制御部400側の制御に負担をかけることなく、演出制御部410側の演出制御により対処可能である。特にパチンコ店に設置するような遊技機においては、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の法的要請により、遊技動作全般の制御を司る主基板(本実施形態では、主制御部400が該当する)に装着されるROMのプログラム容量が制限されているため、主制御部側の制御負担軽減(プログラム削減等)は重要な意義を有する。
(変形例)
しかし押し順ミスをした場合であっても、「←7リプを狙え(指示モニタ番号7対応)」「←BARリプを狙え(指示モニタ番号8対応)」のような特定の副アシスト報知である場合、その副アシスト報知を終了させなくても良い。
本実施形態の場合、図18に示す「←7リプを狙え」「←BARリプを狙え」の副アシスト報知が現出されるケースは、上乗せ特化ゾーン中やボーナス遊技中において、7リプレイやBARリプレイ等に当選した場合である(図22Aの指示モニタ番号の指示有り区間1、2の対応記載欄参照)。既に説明したように、上乗せ特化ゾーン中の「7リプレイ」または「BARリプレイ」の当選は、他の当選役よりも上乗せ抽選が優遇されており(図21(ロ)参照)、またボーナス遊技中もこれらの役に当選した場合には、AT抽選や上乗せ抽選実行権利が付与され、仮に、押し順ミスをしてもその特典は消失しないようになっている。
このため、遊技者の関心事は、これら役に当選することに向けられ、「←7リプを狙え」等の副アシスト報知が現出されたときには、高揚感・緊張感が一層高まることになる。しかし、遊技者が押し順ミスをして、「←7リプを狙え」等が終了してしまうと、遊技者が当選による抽選実行権利が消失したと錯覚したり、混乱したりする恐れがある。
このように、特定の副アシスト報知が現出される場合には、押し順ミスや停止操作タイミングが合わずに本来停止させるべき図柄が停止しなくともが、実行中の副アシスト報知を終了させないことが好ましい。なお、押し順ミスを確認した場合、実行中の副アシスト報知を終了させるとともに、その事実を遊技者に知らせる「押順失敗演出」を現出させることができる。
(2.主制御側タイマ割込処理:図16)
次に図16を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図16は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1.5ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図16において、主制御部400は、タイマ割り込みが発生すると、まずCPUのレジスタを退避させた後(ステップS81)、LEDデータの作成処理を実行する(ステップS82)。このLEDデータの作成処理では、クレジット枚数表示器34や払出枚数表示器35等の7セグメント表示器、投入枚数表示LED33、メダル投入表示LED36、再遊技作動LED37、遊技開始表示LED38、設定表示器(図示せず)等の表示を実現するために必要とされるLEDデータを作成する。
次いで、コマンド作成処理を実行する(ステップS83)。このコマンド作成処理では、処理状況に応じてセットされたコマンドデータを作成して送信キューにセットする。なお、セットされたコマンドは、後述する出力処理(S92)にて演出制御部410側に出力される。
次いで、入力管理処理を実行する(ステップS84)。このポート入力処理では、遊技機に設けられたスイッチ類やセンサ類からの検出信号を受ける入力ポートのデータを取得し、スイッチ信号やセンサ信号の検出の有無に関するデータを作成したり、作成したスイッチデータをメインRAM401bに保存したりする等、遊技機に設けられたスイッチ類やセンサ類からの検出情報を管理する。
次いで、タイマ減算処理を実行する(ステップS85)。このタイマ減算処理では、遊技動作に用いられる各種のソフトウェアタイマを更新(減算)するための処理を行う。たとえば、図12のステップS137の処理で初期設定された出力管理タイマは、この減算処理によって、ゼロになるまでデクリメントされる。
次いで、メダル払出処理を実行する(ステップS86)。このメダル払出処理は、クレジット精算の精算要求や入賞による払出要求に応じて、ホッパーユニット500のホッパーモータ510を駆動制御して、遊技メダルの払出動作を実現するために必要な処理を行う。
次いで、投入/払出信号出力処理を実行する(ステップS87)。この投入/払出信号出力処理では、遊技メダルの投入枚数情報や払出枚数情報を作成し、これを遊技機外部のホールコンピュータHCに対して送信するために必要な設定を行う。
次いで、エラー解除判定処理を実行する(ステップS88)。このエラー解除判定処理では、上記入力管理処理の情報に基づいて遊技動作状態を監視し、遊技機の異常(遊技動作エラー)の有無を監視する。またエラー発生時に対応してエラーフラグを設定したり、エラーが解除されたか否かを判定し、エラーが解除された場合には、エラー解除をしたりする。また、エラー情報をホールコンピュータHCに対して送信するために必要な設定も行う。
次いで、メダル投入処理を実行する(ステップS89)。このメダル投入処理は、メダル投入口7からの遊技メダルの投入枚数、MAXスベットボタン8や1ベットボタン9の操作による投入枚数を管理したり、ブロッカーソレノイド7cのON/OFF制御、賭数や投入枚数に応じてクレジット値を更新したりする処理を行う。
次いで、貯留メダルの精算処理を実行する(ステップS90)。この貯留メダル精算処理では、クレジット精算ボタン10の操作の有無を監視し、エラー中や遊技メダル投入中等以外のクレジット精算許容状態であれば、クレジット精算ボタン10の操作に応じて、クレジット精算要求をONにする。クレジット精算要求がONされると、上記メダル払出処理にて、払出動作が実行され、クレジットが精算される。
次いで、回胴制御処理を実行する(ステップS91)。この回胴制御処理では、回胴始動時や停止操作時において、回胴駆動モータに出力する励磁データを管理して回転動作を制御したり、現在の回胴の回転位置やその速度を監視したりする。
次いで、出力処理を実行する(ステップS92)。この出力処理では、遊技進行状態に応じてセットされた演出制御コマンドを演出制御部410側(演出制御基板420側)に対して送信するためのコマンド送信処理を行う。主制御部400は、割り込み毎に演出制御コマンドを1バイト分出力している。1つの演出制御コマンドは2バイト長であるので、連続する2回のタイマ割り込みで1つの演出制御コマンドが送信される。またここでは、LED群や7セグメントなどを駆動制御するためのLED表示データや回胴駆動モータを駆動制御するための励磁データ等を遊技中継基板370や回胴中継基板330に対して出力するとともに、型式試験信号の出力処理も行う。
以上のステップS81〜ステップS92の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させて(ステップS93)、割込み許可状態に設定する。これにより、タイマ割込処理を終了して、割込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を行う。
<3.演出制御側の処理:図17>
次に、図17を参照して、本実施形態の演出制御部410側における演出制御処理について説明する。演出制御部410側の処理は、主に、所定のメイン処理(演出制御側メイン処理:図17)と、定時割込みで起動されるタイマ割込処理(演出制御側タイマ割込処理:図示せず)とを含んで構成される。この演出制御側タイマ割込処理は、演出制御側メイン処理実行中に所定時間毎(1ms程度)に割り込んで実行され、演出動作に必要な種々の処理が含まれる。
なお演出制御部410の制御主体は、正確には演出制御基板420のサブCPU421cや液晶制御基板460のCPUなどを含んだものであるが、主制御部410から演出制御コマンドを受けた演出制御基板420(サブCPU421c)側が、これに関連する液晶制御コマンドを液晶制御基板460に送信する関係上、以下では、演出制御基板420が行う処理手順を中心に説明し、演出制御基板420の機能と液晶制御基板460の機能とを特に必要がない限り区別することなく、処理を実行する主体を演出制御部410として説明する。またCPU、RAM、ROMは、演出制御基板420のサブCPU421c、サブRAM421b、サブROM421aなどで代表させる。
(3−1.演出制御側メイン処理:図17)
図17は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部410は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図17に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、演出制御部410(サブCPU)は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(ステップS21)。ここでは、初期設定処理として、たとえば、コマンド受信割込み設定、可動体役物の起点復帰処理、CTCの初期設定、タイマ割込みの許可、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
ステップS21の初期設定処理を終えると、正常動作時の処理として、所定時間ごとにステップS23〜S28のメインループ処理を行い、それ以外ではステップS29の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
ステップS22の処理において、演出制御部410は、メインループ更新周期用カウンタ値を参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期が到来したか否かを判定する(ステップS22)。上記メインループ更新周期用カウンタは、不図示の演出制御側タイマ割込処理中の所定の処理(メインループ更新処理)でカウントされる。このメインループ更新処理では、メインループ更新周期用カウンタを割込みごとに更新している(メインループ更新周期用カウンタ+1)。メインループ更新周期用カウンタは、たとえばインクリメント処理によって16の倍数の範囲(たとえば、0〜31)を循環するカウンタである。なお本実施形態では、16ms程度ごとにメインループ処理を行うようになっている。このメインループ更新周期が到来するまでは(ステップS22:NO)、各種演出抽選用乱数の更新を行う(ステップS079:各種演出用ソフト乱数更新処理)。演出抽選用乱数は、演出制御部410側による演出抽選等に利用される。
上記メインループ更新周期が到来した場合(ステップS22:YES)、演出制御部410は、受信コマンド解析処理を行う(ステップS23)。この受信コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出制御処理を行う。
たとえば、指示モニタ番号コマンドが受信され、それが受信バッファに格納されている場合、コマンド解析処理において、このコマンドに含まれる手順指示情報と現在の演出制御部遊技状態(演出状態)に基づいて、演出パターンとして、今回のゲームで現出すべきアシスト報知態様に係る光演出、音演出、および画像表示演出などを決定して、これら演出パターンを、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケジュールを決定する。これにより、今回ゲーム中に現出するための演出シナリオを構成して、その演出シナリオに関するデータをRAMのシナリオ設定領域に格納する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターンが、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
ステップS23の受信コマンド解析処理を終えると、シナリオ更新処理を行う(ステップS24)。このシナリオ更新処理では、演出パターンの実行に必要なタイマの内容を更新する。上記タイマの代表的なものは、演出の現出タイミングに関するタイムスケジュールを管理する演出シナリオタイマである。演出シナリオタイマは、LEDデータ更新処理(ステップS25)や演出役物制御データ更新処理(ステップ27)においても利用される。ここでは、この演出シナリオタイマを監視し、現出すべき演出の発生時期が到来すると、スピーカ16用の音データと、画像表示制御用の液晶コマンドとを作成し、それぞれをサブRAMの指定領域に格納する。液晶コマンドは、演出制御側タイマ割込処理中の所定の処理(液晶コマンド送信処理)において表示制御部(液晶制御基板460の液晶制御CPU)に対して送信され、液晶表示装置6に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像演出が実現される。
次いで、LEDデータ更新処理を行う(ステップS25)。このLEDデータ更新処理では、演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、装飾ランプ13やLEDなどの光表示装置用のLEDデータを作成し、サブRAMの指定領域に格納する。ここで作成されたLEDデータは、演出制御側タイマ割込処理中の所定の処理(演出LED管理処理)で利用され、当該LEDデータに基づく制御信号が光表示制御部を通じて装飾ランプ部45やLEDに対して出力され、演出シナリオに沿った光演出が実現される。
次いで、サウンド出力処理を行う(ステップS26)。このサウンド出力処理では、ステップS24のシナリオ更新処理で作成された音データを取得し、再生する音データが有る場合には、音響制御部(音源LSI)を通じてスピーカ16から効果音を出力させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
次いで、演出役物制御データ更新処理を行う(ステップS27)。この演出役物制御データ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、可動体役物(図示せず)を動作させる役物モータ用の制御データを作成する。ここで作成されたデータは、演出制御側タイマ割込処理中の所定の処理(演出役物管理処理)で利用され、当該データに基づく制御信号が役物モータに対して出力される。
次いで、音源LSIなどの誤作動を監視するノイズ対策管理処理を行う(ステップS28)。誤作動によりプログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、CPUが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。これにより、メインループ処理を終了して、次のメインループ更新周期が到来するまで、ステップ29の演出用ソフト乱数更新処理を行う。
以上に説明した実施形態に関し、(I)主制御部400は、遊技動作を統括的に制御する主制御手段として働く。
(II)またメインCPU401cは、始動手段(始動レバー11)の操作を契機に、複数種類の役を対象に役抽選(内部抽選)を実行する「役抽選手段」、主報知手段(たとえば、払出枚数表示器35)に対して停止操作手順に関するアシスト情報を報知させる「主報知制御手段」(たとえば、図18の表示態様)、停止手段(停止ボタン12a、12b、12c)の操作を契機に、抽選結果情報に対応する図柄の組合せが遊技結果として導出表示されうるように回胴を停止制御する「停止制御手段」、制御情報(たとえば、演出制御コマンド)を演出制御手段(演出制御部410)に送信する「送信手段」、所定の実行条件の下、役グループ情報(役グループ番号)に基づき、遊技進行に関する所定の抽選(たとえば、AT抽選やフリーズ演出抽選等)を実行する「遊技抽選手段」、遊技抽選手段による抽選結果に基づき、所定の遊技進行処理(たとえば、AT抽選当選状態、AT状態、フリーズ状態等)を実行制御する「特定遊技制御手段」と、抽選情報記憶手段(メインRAM401b)に記憶された抽選結果情報(たとえば、当選役を特定可能な当選番号情報等)を遊技機外部に出力する「出力手段」等として機能する。
また(III)メインRAM401bは、役抽選(内部抽選)の上記抽選結果情報を記憶する上記「抽選情報記憶手段」、抽選情報記憶手段に記憶された上記抽選結果情報を遊技状態に応じて変換した変換情報(当選役変換情報)を記憶する「変換情報記憶手段」、抽選結果情報に対応して定められた停止手段(停止ボタン12a、12b、12c)の停止操作手順に関する手順情報(指示モニタ番号)を記憶する「手順情報記憶手段」、当選役の種別に応じてグループ化した複数種類の役グループのうち、役抽選により決定された当選役がいずれの役グループに属するかに関する役グループ情報(役グループ番号)を記憶する「グループ情報記憶手段」等として機能する。
(IV)また演出制御部410は、副報知手段(1または複数種類の演出手段:たとえば、液晶表示装置6等)に対する演出動作を制御する演出制御手段、上記手順情報に係る停止操作手順を演出的に報知するアシスト演出を現出制御する副報知制御手段、各種の演出モード下における予告演出等を現出制御する予告演出制御手段、複数種類の遊技状態に関連する演出モードを管理制御する演出状態管理手段等として機能する。
以上に説明した実施形態によれば、主制御部(メイン制御部)側において出玉率を管理可能な新規な遊技制御動作を実現することができる。この点、主として、従来の演出制御部(サブ制御部)で出玉率を左右させるものとは異なる。また上記実施形態によれば主制御部側の制御負担を軽減することができる。また上記実施形態では、遊技メダルを利用した回胴式遊技機について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、遊技媒体については、弾球遊技機に利用されるような「遊技球」であっても良いし、「電磁気的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもの)」を利用した遊技媒体であっても良い。また本発明の目的を達成しうる遊技機であれば、その遊技機の形態は特に制限されない。